説明

III/V族化合物を堆積させる方法

【課題】 水素化物気相エピタキシー(HVPE)プロセスによってIII-V族の材料を形成する方法を提供する。
【解決手段】 一実施形態において、処理チャンバ内の基板上に窒化ガリウム材料を形成する方法であって、金属源を加熱して、加熱された金属源を形成するステップであって、加熱された金属源が、ガリウム、アルミニウム、インジウム、その合金、又はこれらの組み合わせを含む、前記ステップと、加熱された金属源を塩素ガスにさらして、金属塩化物ガスを形成するステップと、基板を金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、基板上に金属窒化物層を形成するステップとを含む、前記方法が提供される。前記方法は、更に、金属窒化物層を形成する前の前処理プロセス中、基板を塩素ガスにさらすステップを提供する。一例において、処理チャンバの排気コンジットは、前処理プロセス中、約200℃以下に加熱される。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般的には、発光ダイオード(LED)のようなデバイスの製造、特に、有機金属化学気相堆積(MOCVD)プロセスや水素化物気相エピタキシー(HVPE)堆積プロセスによってIII−V族の材料を形成する方法に関する。
【0002】
関連技術の説明
[0002]III族の窒化物半導体は、短波長発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、高電力、高周波数、高温のトランジスタと集積回路を含む電子デバイスのような様々な半導体デバイスの開発と製造においてより大きな重要性を見出している。III族の窒化物を堆積させるのに用いられてきた一つの方法は、水素化物気相エピタキシー(HVPE)堆積である。HVPEにおいては、ハロゲン化合物がIII族の金属或いは元素と反応して、それぞれ金属/元素のハロゲン化物前駆体(例えば、金属塩化物)を形成する。ハロゲン化物前駆体は、次に、窒素の前駆体と反応して、III族の窒化物を形成する。
【0003】
[0003]LED、LD、トランジスタ、集積回路に対する要求として、III族の窒化物と他のIII−V族の材料を堆積させる効率がより一層重要となる。大きな基板或いは複数の基板上に均一に膜を堆積させ得る高堆積速度を持つ堆積装置とプロセスが一般に求められている。更に、基板の上の一定の膜品質には均一な前駆体の混合が望ましい。それ故、HVPE堆積法の改善が当該技術において求められている。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本発明の実施形態は、一般的には、有機金属化学気相堆積(MOCVD)プロセスや水素化物気相エピタキシー(HVPE)プロセスによるIII−V族の材料を形成する方法に関する。一実施形態において、基板上に窒化ガリウム材料を形成する方法であって、固体金属ガリウム源を加熱して、液体金属ガリウム源を形成するステップと、液体金属ガリウム源を塩素ガス(Cl)にさらして、塩化ガリウムガスを形成するステップと、処理チャンバ内の基板を塩化ガリウムガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、基板上に窒化ガリウム層を形成するステップと、を含む上記方法が提供される。
【0005】
[0005]一部の実施形態において、基板は、窒化ガリウム層を形成する前の前処理中、塩素ガスを含む前処理ガスにさらされる場合がある。一部の例は、前処理ガスが、更に、アンモニア、塩化ガリウム、アルゴン、窒素、水素、又はこれらの組み合わせを含有することを提供する。一部の例において、上記方法は、更に、窒素前駆ガスがアンモニアを含有することを提供する。塩素ガスの流量は、前処理中、約50sccm〜約4,000sccm、例えば、約50sccm〜約1,000sccmの範囲内にあってもよい。基板は、HVPEプロセス或いは前処理中、約500℃〜約1,250℃、好ましくは約800℃〜約1,100℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0006】
[0006]他の例において、処理チャンバは、窒化ガリウム層の形成に続くチャンバ洗浄プロセス中、塩素ガスにさらされる場合がある。処理チャンバは、チャンバ洗浄プロセス中、約500℃〜約1,250℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。一部の例において、処理チャンバは、チャンバ洗浄プロセス中、プラズマにさらされる場合がある。
【0007】
[0007]他の実施形態において、基板上に窒化アルミニウム材料を形成する方法であって、金属アルミニウム源を加熱するステップと、加熱された金属アルミニウム源を塩素ガスにさらして、塩化アルミニウムガスを形成するステップと、処理チャンバ内の基板を塩化アルミニウムガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、基板上に窒化アルミニウム層を形成するステップと、を含む上記方法が提供される。
【0008】
[0008]一部の実施形態において、基板は、窒化アルミニウム層を形成する前の前処理中、塩素ガスを含有する前処理ガスにさらされる場合がある。一部の例は、前処理ガスが、更に、アンモニア、塩化アルミニウム、アルゴン、窒素、水素又はこれらの組み合わせを含有することを提供する。一部の例において、上記方法は、更に、窒素前駆ガスがアンモニアを含有することを提供する。塩素ガス流量は、前処理中、約50sccm〜約4,000sccm、例えば、約50sccm〜約1,000sccmの範囲内にあってもよい。基板は、HVPEプロセス或いは前処理プロセス中、約500℃〜約1,250℃、好ましくは約800℃〜約1,100℃の範囲の温度に加熱されてもよい。
【0009】
[0009]他の例において、処理チャンバは、窒化アルミニウム層の形成に続くチャンバ洗浄プロセス中、塩素ガスにさらされる場合がある。処理チャンバは、チャンバ洗浄プロセス中、約500℃〜約1,250℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。一部の例において、チャンバ洗浄プロセス中、処理チャンバはプラズマにさらされる場合がある。
【0010】
[0010]他の実施形態において、基板上に窒化ガリウムを形成する方法であって、基板を塩素ガスにさらして、前処理プロセス中、前処理面を形成するステップと、金属源を加熱して、加熱された金属源を形成するステップであって、加熱された金属源が、ガリウム、アルミニウム、インジウム、その合金又はこれらの組み合わせを含有する上記ステップと、加熱された金属源を塩素ガスにさらして、金属塩化物のガスを形成する、上記ステップを含む、上記方法が提供される。上記方法は、更に、基板を金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、前処理面上に金属窒化物層を形成するステップを提供する。
【0011】
[0011]他の実施形態において、基板上に窒化ガリウム材料を形成する方法であって、金属源を加熱して、加熱された金属源を形成するステップであって、加熱された金属源が、ガリウム、アルミニウム、インジウム、その合金、又はこれらの組み合わせを含む、上記ステップと、加熱された金属源を塩素ガスにさらして、金属塩化物ガスを形成するステップと、処理チャンバ内の基板を金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、基板上に金属窒化物層を形成するステップと、を含む上記方法が提供される。上記方法は、更に、金属窒化物層の形成に続くチャンバ洗浄プロセス中、処理チャンバを塩素ガスにさらすステップを提供する。基板は、チャンバの洗浄プロセス前に処理チャンバから取り出されてもよい。処理チャンバは、洗浄プロセス中、約500℃〜約1,200℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。場合により、処理チャンバは、チャンバ洗浄プロセス中、プラズマにさらされてもよい。
【0012】
[0012]他の実施形態において、基板上にガリウム含有材料を形成する方法であって、固体金属ガリウム源を加熱して、液体金属ガリウム源を形成するステップと、液体金属ガリウム源を塩素ガスにさらして、塩化ガリウムガスを形成するステップと、基板を塩化ガリウムガスとV族の前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、基板上にガリウム含有層を形成するステップとを含む、上記方法が提供される。
【0013】
[0013]他の実施形態において、基板上にアルミニウム含有材料を形成する方法であって、金属アルミニウム源を加熱するステップと、加熱した金属アルミニウム源を塩素ガスにさらして、塩化アルミニウムガスを形成するステップと、処理チャンバ内の基板を塩化アルミニウムガスとV族の前駆体にさらして、HVPEプロセス中、基板上にアルミニウム含有層を形成するステップと、を含む上記方法が提供される。
【0014】
[0014]V族の前駆ガスは、窒素、リン、ヒ素、又はこれらの組み合わせのような元素を含有してもよい。一例において、V族の前駆ガスは、アンモニア、ヒドラジン化合物、アミン化合物、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせを含む。他の例において、V族前駆ガスは、ホスフィン、アルキルホスフィン化合物、アルシン、アルキルアルシン化合物、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせを含有する場合がある。
【0015】
[0015]他の実施形態において、基板上にIII族窒化物の材料を形成する方法であって、トリアルキルIII族化合物を所定の温度に加熱するステップと、トリアルキルIII族化合物を塩素ガスにさらして、金属塩化物を形成するステップと、処理チャンバ内の基板を金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、気相堆積プロセス中、基板上に金属窒化物層を形成するステップとを含む、上記方法が提供する。
【0016】
[0016]一例において、トリアルキルIII族化合物は、トリアルキルガリウム化合物を含有し、金属塩化物ガスは、塩化ガリウムを含有する。トリアルキルガリウム化合物は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、これらの異性体、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせを含有してもよい。塩化ガリウムは、約300℃〜約600℃の範囲内の温度で形成されてもよい。しかしながら、基板は、気相堆積プロセス中、約800℃〜約1,100℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0017】
[0017]他の例において、トリアルキルIII族化合物は、トリアルキルアルミニウム化合物を含有し、金属塩化物ガスは、塩化アルミニウムを含有する。トリアルキルアルミニウム化合物は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、これらの異性体、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせより選ばれるアルキル基を含有してもよい。塩化アルミニウムは、約300℃〜約400℃の範囲内の温度で形成されてもよい。しかしながら、基板は、気相堆積プロセス中、約800℃〜約1,100℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0018】
[0018]他の例において、トリアルキルIII族化合物は、トリアルキルインジウム化合物を含有し、金属塩化物ガスは、塩化インジウムを含有する。トリアルキルインジウム化合物は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、これらの異性体、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせより選ばれるアルキル基を含有してもよい。塩化インジウムは、約300℃〜約400℃の範囲内の温度で形成されてもよい。しかしながら、基板は、気相堆積プロセス中、約500℃〜約650℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0019】
[0019]一部の実施形態において、基板は、金属窒化物層を形成する前の前処理プロセス中、塩素ガスにさらされる場合がある。基板は、前処理プロセス中、約500℃〜約1,200℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。処理チャンバは、金属窒化物層の形成に続くチャンバ洗浄プロセス中、塩素ガスにさらされてもよい。他の例において、処理チャンバは、チャンバ洗浄プロセス中、約500℃〜約1,200℃の範囲内の温度に加熱される場合がある。処理チャンバは、チャンバの洗浄プロセス中、プラズマにさらされてもよい。
【0020】
[0020]他の実施形態において、基板上に窒化ガリウム材料を形成する方法であって、処理チャンバ内の基板を塩素ガスにさらして、前処理プロセス中、前処理面を形成するステップと、金属源を加熱して、加熱された金属源を形成するステップであって、加熱された金属源が、ガリウム、アルミニウム、インジウム、その合金、又はこれらの組み合わせのような元素を含有する、上記ステップと、を含む上記方法が提供される。上記方法は、更に、加熱された金属源を塩素含有ガスにさらして、金属塩化物ガスを形成するステップと、基板を金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、前処理面上に金属窒化物層を形成するステップと、を含む。例は、塩素含有ガスが、塩素ガス又は塩化水素(HCl)を含有することを提供する。
【0021】
[0021]他の実施形態において、基板上にIII族窒化物の材料を形成する方法であって、トリアルキルIII族化合物を所定の温度に加熱するステップであって、トリアルキルIII族化合物が、化学式R”R’RM(式中、Mは、ガリウム、アルミニウム、又はインジウムであり、R”、R’及びRは、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、これらの異性体、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせより選ばれる)を有する、上記ステップを含む、上記方法が提供される。上記方法は、更に、塩素ガスをトリアルキルIII族化合物にさらして、金属塩化物ガスを形成するステップと、処理チャンバ内の基板を金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、気相堆積プロセス中、基板上に金属窒化物層を形成するステップと、を提供する。
【0022】
[0022]他の実施形態において、基板上に窒化ガリウム材料を形成する方法であって、排気システムに結合された処理チャンバ内に基板を準備するステップであって、排気システムが排気コンジットを有する、上記ステップと、基板を塩素ガスを含有する前処理ガスにさらして、前処理プロセス中、排気コンジットを約200℃以下の温度に加熱しつつ、前処理プロセス中、前処理面を形成するステップとを含む、上記方法が提供される。上記方法は、更に、固体金属ガリウム源を加熱して、液体金属ガリウム源を形成するステップと、液体金属ガリウム源を塩素ガスにさらして、塩化ガリウムガスを形成するステップと、基板を塩化ガリウムガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、基板上に窒化ガリウム層を形成するステップと、を含む。
【0023】
[0023]例は、排気コンジットが、前処理プロセス中、約170℃以下、例えば、約150℃以下、例えば、約130℃以下、例えば、約100℃以下、例えば、約70℃以下、例えば、約50℃以下の温度に加熱される場合があることを提供する。他の例において、排気コンジットは、前処理中、約30℃〜約200℃、好ましくは約30℃〜約170℃、より好ましくは約30℃〜約150℃、より好ましくは約50℃〜約120℃、より好ましくは約50℃〜約100℃の温度に加熱されてもよい。処理チャンバの内圧は、前処理プロセス中、約760トール以下、約100トール〜約760トール、より好ましくは約200トール〜約760トール、より好ましくは約360トール〜約760トールの範囲内、例えば、約450トールであってもよい。
【0024】
[0024]他の実施形態において、基板は、HVPEプロセス中、塩素ガスとアンモニアガスを含有する前処理ガスにさらされる場合がある。一部の例において、前処理ガスは、塩素ガスを、約1モルパーセント(モル%)〜約10モル%、好ましくは約3モル%〜約7モル%、より好ましくは約4モル%〜約6モル%の範囲内、例えば、約5モル%の濃度で含有する。他の例において、前処理ガスは、アンモニアガスを、約5モル%〜約25モル%、好ましくは約10モル%〜約20モル%、より好ましくは約12モル%〜約18モル%の範囲内、例えば、約15モル%の濃度で含有する。
【0025】
[0025]他の実施形態において、処理チャンバは、HVPEプロセス中、塩素ガスとアンモニアガスを含有する堆積ガスを含有する。気相堆積ガスは、塩素ガスを、約0.01モル%〜約1モル%、好ましくは約0.05モル%〜約0.5モル%、より好ましくは約0.07モル%〜約0.4モル%の範囲内、例えば、約0.1モル%の濃度で含有する。他の例において、堆積ガスは、アンモニアガスを、約5モル%〜約25モル%、好ましくは約10モル%〜約20モル%、より好ましくは約12モル%〜約18モル%の範囲内、例えば、約15モル%の濃度で含有する。
【0026】
[0026]他の実施形態において、排気コンジットは、HVPEプロセス又はチャンバ洗浄プロセス中、約200℃以下の温度に加熱される場合がある。例は、HVPEプロセス又はチャンバ洗浄プロセス中、排気コンジットが、約170℃以下、例えば、約150℃以下、例えば、約130℃以下、例えば、約100℃以下、例えば、約70℃以下、例えば、約50℃以下の温度に加熱される場合がある。他の例において、排気コンジットは、HVPEプロセス又はチャンバ洗浄プロセス中、約30℃〜約200℃、好ましくは約30℃〜約170℃、より好ましくは約30℃〜約150℃、より好ましくは約50℃〜約120℃、より好ましくは約50℃〜約100℃の範囲の温度に加熱される場合がある。
【0027】
[0027]処理チャンバの内圧は、HVPEプロセス又はチャンバ洗浄プロセス中、約760トール以下、好ましくは約100トール〜約760トール、より好ましくは約200トール〜約760トール、より好ましくは約350トール〜約760トールの範囲内、例えば、約450トールであってもよい。一部の例において、洗浄ガスは、塩素ガスを、約1モル%〜約10モル%、好ましくは約3モル%〜約7モル%、より好ましくは約4モル%〜約6モル%の範囲内、例えば、約5モル%の濃度で含有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
[0028]本発明の上記特徴が得られ且つ詳細に理解でき得るように、上で簡単にまとめられた本発明のより具体的な説明は、添付の図面に示される本発明の実施形態によって参照することができる。
【図1】図1は、本発明の一実施形態の堆積チャンバを示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態のシャワーヘッドアセンブリを示す断面透視側面図である
【図3】図3は、本発明の一実施形態のシャワーヘッドアセンブリを示す上方視点の断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態のシャワーヘッドアセンブリを示す断面透視切断図である。
【図5A】図5Aは、本発明の一実施形態のシャワーヘッドアセンブリのガス通過構成要素を示す図である。
【図5B】図5Bは、本発明の一実施形態のシャワーヘッドアセンブリのガス通過構成要素を示す図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態のシャワーヘッドアセンブリのトッププレート構成要素を示す透視図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態のシャワーヘッドアセンブリを示す断面透視側面図である。
【図8A】図8Aは、本発明の一実施形態のシャワーヘッドアセンブリのボート構成要素を示す図である。
【図8B】図8Bは、本発明の一実施形態のシャワーヘッドアセンブリのボート構成要素を示す図である。
【図8C】図8Cは、本発明の一実施形態のシャワーヘッドアセンブリのボート構成要素を示す図である。
【図9A】図9Aは、本発明の一実施形態のシャワーヘッドアセンブリのガス通過構成要素を示す図である。
【図9B】図9Bは、本発明の一実施形態のシャワーヘッドアセンブリのガス通過構成要素を示す図である。
【0029】
[0038]しかしながら、添付の図面が本発明の例示的実施形態のみを示しているので、本発明の範囲を制限するものと考えられるべきでなく、本発明が他の等しく効果的な実施形態を含んでもよいことは留意されるべきである。
【詳細な説明】
【0030】
[0039]本発明の実施形態は、一般的には、有機金属化学気相堆積(MOCVD)プロセスや水素化物気相エピタキシー(HVPE)プロセスによるIII−V族の材料を形成する方法に関する。一実施形態において、基板上に窒化ガリウム材料を形成する方法であって、固体金属ガリウム源を加熱して、液体金属ガリウム源を形成するステップと、液体金属ガリウム源を塩素ガス(Cl)にさらして、塩化ガリウムガスを形成するステップと、処理チャンバ内の基板を塩化ガリウムガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、基板上に窒化ガリウム層を形成するステップと、を含む上記方法が提供される。
【0031】
[0040]一部の実施形態において、基板は、窒化ガリウム層を形成する前の前処理中、塩素ガスを含む前処理ガスにさらされる場合がある。一部の例は、前処理ガスが、更に、アンモニア、塩化ガリウム、アルゴン、窒素、水素、又はこれらの組み合わせを含有することを提供する。一部の例において、上記方法は、更に、窒素前駆ガスがアンモニアを含有することを提供する。塩素ガスの流量は、前処理中、約50sccm〜約4,000sccm、例えば、約50sccm〜約1,000sccmの範囲内にあってもよい。基板は、HVPEプロセス或いは前処理中、約500℃〜約1,250℃、好ましくは約800℃〜約1,100℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0032】
[0041]他の例において、処理チャンバは、窒化ガリウム層の形成に続くチャンバ洗浄プロセス中、塩素ガスにさらされる場合がある。処理チャンバは、チャンバ洗浄プロセス中、約500℃〜約1,250℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。一部の例において、処理チャンバは、チャンバ洗浄プロセス中、プラズマにさらされる場合がある。
【0033】
[0042]他の実施形態において、基板上に窒化アルミニウム材料を形成する方法であって、金属アルミニウム源を加熱するステップと、加熱された金属アルミニウム源を塩素ガスにさらして、塩化アルミニウムガスを形成するステップと、処理チャンバ内の基板を塩化アルミニウムガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、基板上に窒化アルミニウム層を形成するステップと、を含む上記方法が提供される。
【0034】
[0043]一部の実施形態において、基板は、窒化アルミニウム層を形成する前の前処理中、塩素ガスを含有する前処理ガスにさらされる場合がある。一部の例は、前処理ガスが、更に、アンモニア、塩化アルミニウム、アルゴン、窒素、水素又はこれらの組み合わせを含有することを提供する。一部の例において、上記方法は、更に、窒素前駆ガスがアンモニアを含有することを提供する。塩素ガス流量は、前処理中、約50sccm〜約4,000sccm、例えば、約50sccm〜約1,000sccmの範囲内にあってもよい。基板は、HVPEプロセス或いは前処理プロセス中、約500℃〜約1,250℃、好ましくは約800℃〜約1,100℃の範囲の温度に加熱されてもよい。
【0035】
[0044]他の例において、処理チャンバは、窒化アルミニウム層の形成に続くチャンバ洗浄プロセス中、塩素ガスにさらされる場合がある。処理チャンバは、チャンバ洗浄プロセス中、約500℃〜約1,250℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。一部の例において、チャンバ洗浄プロセス中、処理チャンバはプラズマにさらされる場合がある。
【0036】
[0045]他の実施形態において、基板上に窒化ガリウムを形成する方法であって、基板を塩素ガスにさらして、前処理プロセス中、前処理面を形成するステップと、金属源を加熱して、加熱された金属源を形成するステップであって、加熱された金属源が、ガリウム、アルミニウム、インジウム、その合金又はこれらの組み合わせを含有する上記ステップと、加熱された金属源を塩素ガスにさらして、金属塩化物のガスを形成する、上記ステップを含む、上記方法が提供される。上記方法は、更に、基板を金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、前処理面上に金属窒化物層を形成するステップを提供する。
【0037】
[0046]他の実施形態において、基板上に窒化ガリウム材料を形成する方法であって、金属源を加熱して、加熱された金属源を形成するステップであって、加熱された金属源が、ガリウム、アルミニウム、インジウム、その合金、又はこれらの組み合わせを含む、上記ステップと、加熱された金属源を塩素ガスにさらして、金属塩化物ガスを形成するステップと、処理チャンバ内の基板を金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、基板上に金属窒化物層を形成するステップと、を含む上記方法が提供される。上記方法は、更に、金属窒化物層の形成に続くチャンバ洗浄プロセス中、処理チャンバを塩素ガスにさらすステップを提供する。基板は、チャンバの洗浄プロセス前に処理チャンバから取り出されてもよい。処理チャンバは、洗浄プロセス中、約500℃〜約1,200℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。場合により、処理チャンバは、チャンバ洗浄プロセス中、プラズマにさらされてもよい。
【0038】
[0047]他の実施形態において、基板上にガリウム含有材料を形成する方法であって、固体金属ガリウム源を加熱して、液体金属ガリウム源を形成するステップと、液体金属ガリウム源を塩素ガスにさらして、塩化ガリウムガスを形成するステップと、基板を塩化ガリウムガスとV族の前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、基板上にガリウム含有層を形成するステップとを含む、上記方法が提供される。
【0039】
[0048]他の実施形態において、基板上にアルミニウム含有材料を形成する方法であって、金属アルミニウム源を加熱するステップと、加熱した金属アルミニウム源を塩素ガスにさらして、塩化アルミニウムガスを形成するステップと、処理チャンバ内の基板を塩化アルミニウムガスとV族の前駆体にさらして、HVPEプロセス中、基板上にアルミニウム含有層を形成するステップと、を含む上記方法が提供される。
【0040】
[0049]V族の前駆ガスは、窒素、リン、ヒ素、又はこれらの組み合わせのような元素を含有してもよい。一例において、V族の前駆ガスは、アンモニア、ヒドラジン化合物、アミン化合物、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせを含む。他の例において、V族前駆ガスは、ホスフィン、アルキルホスフィン化合物、アルシン、アルキルアルシン化合物、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせを含有する場合がある。
【0041】
[0050]他の実施形態において、基板上にIII族窒化物の材料を形成する方法であって、トリアルキルIII族化合物を所定の温度に加熱するステップと、トリアルキルIII族化合物を塩素ガスにさらして、金属塩化物を形成するステップと、処理チャンバ内の基板を金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、気相堆積プロセス中、基板上に金属窒化物層を形成するステップとを含む、上記方法が提供する。
【0042】
[0051]一例において、トリアルキルIII族化合物は、トリアルキルガリウム化合物を含有し、金属塩化物ガスは、塩化ガリウムを含有する。トリアルキルガリウム化合物は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、これらの異性体、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせを含有してもよい。塩化ガリウムは、約300℃〜約600℃の範囲内の温度で形成されてもよい。しかしながら、基板は、気相堆積プロセス中、約800℃〜約1,100℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0043】
[0052]他の例において、トリアルキルIII族化合物は、トリアルキルアルミニウム化合物を含有し、金属塩化物ガスは、塩化アルミニウムを含有する。トリアルキルアルミニウム化合物は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、これらの異性体、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせより選ばれるアルキル基を含有してもよい。塩化アルミニウムは、約300℃〜約400℃の範囲内の温度で形成されてもよい。しかしながら、基板は、気相堆積プロセス中、約800℃〜約1,100℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0044】
[0053]他の例において、トリアルキルIII族化合物は、トリアルキルインジウム化合物を含有し、金属塩化物ガスは、塩化インジウムを含有する。トリアルキルインジウム化合物は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、これらの異性体、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせより選ばれるアルキル基を含有してもよい。塩化インジウムは、約300℃〜約400℃の範囲内の温度で形成されてもよい。しかしながら、基板は、気相堆積プロセス中、約500℃〜約650℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0045】
[0054]一部の実施形態において、基板は、金属窒化物層を形成する前の前処理プロセス中、塩素ガスにさらされる場合がある。基板は、前処理プロセス中、約500℃〜約1,200℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。処理チャンバは、金属窒化物層の形成に続くチャンバ洗浄プロセス中、塩素ガスにさらされてもよい。他の例において、処理チャンバは、チャンバ洗浄プロセス中、約500℃〜約1,200℃の範囲内の温度に加熱される場合がある。処理チャンバは、チャンバの洗浄プロセス中、プラズマにさらされてもよい。
【0046】
[0055]他の実施形態において、基板上に窒化ガリウム材料を形成する方法であって、処理チャンバ内の基板を塩素ガスにさらして、前処理プロセス中、前処理面を形成するステップと、金属源を加熱して、加熱された金属源を形成するステップであって、加熱された金属源が、ガリウム、アルミニウム、インジウム、その合金、又はこれらの組み合わせのような元素を含有する、上記ステップと、を含む上記方法が提供される。上記方法は、更に、加熱された金属源を塩素含有ガスにさらして、金属塩化物ガスを形成するステップと、基板を金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、前処理面上に金属窒化物層を形成するステップと、を含む。例は、塩素含有ガスが、塩素ガス又は塩化水素(HCl)を含有することを提供する。
【0047】
[0056]他の実施形態において、基板上にIII族窒化物の材料を形成する方法であって、トリアルキルIII族化合物を所定の温度に加熱するステップであって、トリアルキルIII族化合物が、化学式R”R’RM(式中、Mは、ガリウム、アルミニウム、又はインジウムであり、R”、R’及びRは、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、これらの異性体、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせより選ばれる)を有する、上記ステップを含む、上記方法が提供される。上記方法は、更に、塩素ガスをトリアルキルIII族化合物にさらして、金属塩化物ガスを形成するステップと、処理チャンバ内の基板を金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、気相堆積プロセス中、基板上に金属窒化物層を形成するステップと、を提供する。
【0048】
[0057]他の実施形態において、基板上に窒化ガリウム材料を形成する方法であって、排気システムに結合された処理チャンバ内に基板を準備するステップであって、排気システムが排気コンジットを有する、上記ステップと、基板を塩素ガスを含有する前処理ガスにさらして、前処理プロセス中、排気コンジットを約200℃以下の温度に加熱しつつ、前処理プロセス中、前処理面を形成するステップとを含む、上記方法が提供される。上記方法は、更に、固体金属ガリウム源を加熱して、液体金属ガリウム源を形成するステップと、液体金属ガリウム源を塩素ガスにさらして、塩化ガリウムガスを形成するステップと、基板を塩化ガリウムガスと窒素前駆ガスにさらして、HVPEプロセス中、基板上に窒化ガリウム層を形成するステップと、を含む。
【0049】
[0058]例は、排気コンジットが、前処理プロセス中、約170℃以下、例えば、約150℃以下、例えば、約130℃以下、例えば、約100℃以下、例えば、約70℃以下、例えば、約50℃以下の温度に加熱される場合があることを提供する。他の例において、排気コンジットは、前処理中、約30℃〜約200℃、好ましくは約30℃〜約170℃、より好ましくは約30℃〜約150℃、より好ましくは約50℃〜約120℃、より好ましくは約50℃〜約100℃の温度に加熱されてもよい。処理チャンバの内圧は、前処理プロセス中、約760トール以下、約100トール〜約760トール、より好ましくは約200トール〜約760トール、より好ましくは約360トール〜約760トールの範囲内、例えば、約450トールであってもよい。
【0050】
[0059]他の実施形態において、基板は、HVPEプロセス中、塩素ガスとアンモニアガスを含有する前処理ガスにさらされる場合がある。一部の例において、前処理ガスは、塩素ガスを、約1モルパーセント(モル%)〜約10モル%、好ましくは約3モル%〜約7モル%、より好ましくは約4モル%〜約6モル%の範囲内、例えば、約5モル%の濃度で含有する。他の例において、前処理ガスは、アンモニアガスを、約5モル%〜約25モル%、好ましくは約10モル%〜約20モル%、より好ましくは約12モル%〜約18モル%の範囲内、例えば、約15モル%の濃度で含有する。
【0051】
[0060]他の実施形態において、処理チャンバは、HVPEプロセス中、塩素ガスとアンモニアガスを含有する堆積ガスを含有する。気相堆積ガスは、塩素ガスを、約0.01モル%〜約1モル%、好ましくは約0.05モル%〜約0.5モル%、より好ましくは約0.07モル%〜約0.4モル%の範囲内、例えば、約0.1モル%の濃度で含有する。他の例において、堆積ガスは、アンモニアガスを、約5モル%〜約25モル%、好ましくは約10モル%〜約20モル%、より好ましくは約12モル%〜約18モル%の範囲内、例えば、約15モル%の濃度で含有する。
【0052】
[0061]他の実施形態において、排気コンジットは、HVPEプロセス又はチャンバ洗浄プロセス中、約200℃以下の温度に加熱される場合がある。例は、HVPEプロセス又はチャンバ洗浄プロセス中、排気コンジットが、約170℃以下、例えば、約150℃以下、例えば、約130℃以下、例えば、約100℃以下、例えば、約70℃以下、例えば、約50℃以下の温度に加熱される場合がある。他の例において、排気コンジットは、HVPEプロセス又はチャンバ洗浄プロセス中、約30℃〜約200℃、好ましくは約30℃〜約170℃、より好ましくは約30℃〜約150℃、より好ましくは約50℃〜約120℃、より好ましくは約50℃〜約100℃の範囲の温度に加熱される場合がある。
【0053】
[0062]処理チャンバの内圧は、HVPEプロセス又はチャンバ洗浄プロセス中、約760トール以下、好ましくは約100トール〜約760トール、より好ましくは約200トール〜約760トール、より好ましくは約350トール〜約760トールの範囲内、例えば、約450トールであってもよい。一部の例において、洗浄ガスは、塩素ガスを、約1モル%〜約10モル%、好ましくは約3モル%〜約7モル%、より好ましくは約4モル%〜約6モル%の範囲内、例えば、約5モル%の濃度で含有する。
【0054】
[0063]他の実施形態において、本明細書に記載される気相堆積プロセスとチャンバ洗浄プロセスは、図1に示されるHVPEチャンバと同様の処理チャンバ内で行われる場合がある。本発明の実施形態を実施するように適合することができる例示的チャンバは、2006年4月26日に出願され、US2007−0254100として公開された、共同譲渡された米国出願第11/411,672号、2006年4月14日に出願され、US2007−0240631として公開された、米国出願第11/404、516号に記載され、これらの開示内容は、本明細書に全体で援用されている。
【0055】
[0064]図1の装置100は、処理容積108を封じるチャンバ本体102を含む。シャワーヘッドアセンブリ104は、処理容積108の一端に配置され、基板キャリヤ114は、処理容積108のもう一端に配置されている。基板キャリヤ114は、1つ以上の基板が処理中に内部に配置されていてもよい1つ以上の凹部116を含む場合がある。基板キャリヤ114は、6個以上の基板を運ぶことができる。一実施形態において、基板キャリヤ114は、8個の基板を運んでいる。より多くの或いはより少ない基板が基板キャリヤ114上で運ばれることは理解されるべきである。典型的な基板は、サファイア、炭化シリコン又はシリコンであり得る。基板の大きさは、直径が50mm−500mm以上の範囲にあってもよい。基板キャリヤの大きさは、200mm−500mm以上の範囲であってもよい。基板キャリヤは、炭化シリコン或いは炭化シリコン被覆グラファイトを含む様々な材料から形成されてもよい。基板がサファイア、炭化シリコン、窒化ガリウム、シリコン、石英、ガリウムヒ素、窒化アルミニウム、ガラス、又はこれらの誘導体を含有することは理解されるべきである。他の大きさの基板が装置100内で本明細書に記載されるプロセスに従って処理されてもよいことは理解されるべきである。上記のように、シャワーヘッドアセンブリは、従来のHVPEチャンバよりより多数の基板或いはより大きな基板全体により一様な堆積を可能にし、それによって製造経費を低減させることができる。基板キャリヤ114は、処理中、その中心軸を回転することができる。一実施形態において、基板キャリヤ114内で個別に基板を回転させる場合がある。
【0056】
[0065]基板キャリヤ114は、回転してもよい。一実施形態において、基板キャリヤ114を約2RPM〜約100RPMで回転させる場合がある。他の実施形態において、基板114を約30RPMで回転させる場合がある。基板キャリヤ114を回転させることにより、各基板に処理ガスを一様にさらすことが援助される。
【0057】
[0066]複数のランプ130a、130bが基板キャリヤ114の下に配置されてもよい。多くの用途に対して、典型的なランプの配置は、基板の上(図示せず)と下(図示されている)にランプの列を備えることができる。一実施形態は、側面からランプを取り込むことができる。例えば、ランプ130bの内側のアレイは8個のランプを含むことができ、ランプ130aの外側のアレイは12個のランプを含むことができる。本発明の一実施形態において、ランプ130a、130bは、それぞれ個別に出力される。他の実施形態において、ランプ130a、130bのアレイは、シャワーヘッドアセンブリ104の上に又は中に位置決めされる場合がある。他の配置と他の数のランプも可能であることは理解される。ランプ130a、130bのアレイは選択的に出力されて、基板キャリヤ114の内側と外側の領域を加熱することができる。一実施形態において、ランプ130a、130bは、内側と外側のアレイとして集合的に出力され、ここで、最上部と底部のアレイは、集合的に或いは別々に出力される。また他の実施形態において、別々のランプ或いは加熱素子がソースボート280の上及び/又は下に位置決めされる場合がある。本発明は、ランプのアレイの使用に制限されないことは理解されるべきである。いかなる適切な加熱源も処理チャンバ、その中の基板、金属源に適当な温度が適切に加えられることを確実にするよう用いられてもよい。例えば、急速な熱処理ランプが、2005年7月22日に出願され、US2006−0018639として公開された、共同譲渡された米国出願第11/187、188号に記載されるように用いることができることが企図され、この開示内容は本明細書に全体で援用されている。
【0058】
[0067]1つ以上のランプ103a、103bが出力されて、基板だけでなくソースボート280も加熱することができる。ランプは、基板を約900℃〜約1,200℃の範囲内の温度に加熱することができる。他の実施形態において、ランプ130a、130bは、約350℃〜約900℃の範囲内の温度にソースボート内のウェル820中に金属源を維持する。熱電対は、ウェル820内に位置決めされ、処理中、金属源温度を計測することができる。熱電対で測定される温度は、加熱ランプ130a、130bから与えられる熱を調整するコントローラにフィードバックされるので、ウェル820中の金属源の温度を必要に応じて制御或いは調整することができる。
【0059】
[0068]本発明の一実施形態のプロセス中、前駆ガス106は、シャワーヘッドアセンブリから基板表面に向けて流れる。基板表面で或いはその近傍で前駆ガス106が反応すると、基板上にGaN、AlN、InNを含む様々な金属窒化物層を堆積させることができる。AlGaN及び/又はInGaNのような“組み合わせ膜”の堆積に対して複数の金属が用いられてもよい。処理容積108は、約100トール〜約760トールの範囲内の圧力に保持されてもよい。一例において、処理容積108は、約450トール〜約760トールの範囲内の圧力に保持される。
【0060】
[0069]図2は、本発明の一実施形態によれば、図1のHVPEチャンバの断面透視図である。ソースボート280がチャンバ本体102を取り囲んでいる。金属源がソースボート280のウェル820を満たしている。一実施形態において、金属源は、ガリウム、アルミニウム、又はインジウムのようないかなる適切な金属源をも含み、具体的な金属は具体的な用途の要求に基づいて選択される。ハロゲン化物或いはハロゲンのガスは、ソースボート280のウェル820中の金属源の上のチャネル810に流れ込み、金属源と反応して、気体の金属含有前駆体を形成する。一実施形態において、HClは、液体ガリウムと反応して、気体のGaClを形成する。他の実施形態において、Clは、液体ガリウムと反応して、GaClとGaClを形成する。本発明の追加の実施形態は、他のハロゲン化物或いはハロゲンを用いて、金属含有気相前駆体を得る。適切な水素化物は、組成HX(例えば、X=Cl、Br、又はI)を持つものを含み、適切なハロゲンは、Cl、Br、Iを含む。ハロゲン化物に対して、不平衡反応式は以下の通りである:

HX(気体)+ M(液体金属)→ MX(気体)+H(気体)

式中、X=Cl、Br、又はI、M=Ga、Al、又はIn。
ハロゲンに対して、式は以下の通りである:

Z(気体)+ M(液体金属)→ MZ(気体)

式中、Z=Cl、Br、又はI、M=Ga、Al、又はIn。
以後、気体金属含有化学種は、“金属含有前駆体”(例えば、金属塩化物)と呼ばれる。
【0061】
[0070]ソースボート280内での反応からの金属含有前駆ガス216は、チューブ251のような第1組のガス通路を通って処理容積108に導入される。金属含有前駆ガス216がソースボート280以外のソースから生成されることは理解されるべきである。窒素含有ガス226は、チューブ252のような第2組のガス通路を通って処理容積108に導入される。チューブの配置が適切なガス分配構造の例として示され、一部の実施形態において用いられる場合があるが、本明細書に記載されるガス分配を与えるように設計される別のタイプの通路の様々な他のタイプの配置が他の実施形態に対して用いられてもよい。このような通路配置の例は、以下により詳細に記載されるように、プレート中に形成されるガス分配チャネルを有する(通路として)ガス分配構造を含んでいる。
【0062】
[0071]一実施形態において、窒素含有ガスは、アンモニアを含んでいる。金属含有前駆ガス216と窒素含有ガス226は、基板の表面近傍で或いは表面で反応させることができ、金属窒化物は、基板に堆積させることができる。金属窒化物は、1時間約1ミクロンから1時間約60ミクロンまでの速度で基板上に堆積させることができる。一実施形態において、堆積速度は、1時間約15ミクロンから1時間約25ミクロンまでである。
【0063】
[0072]一実施形態において、不活性ガス206は、プレート260を通って処理容積108に導入される。金属含有前駆ガス216と窒素含有ガス226の間に不活性ガス206を流すことによって、金属含有前駆ガス216と窒素含有ガス226は、互いに接触することなく、早く反応しすぎて望ましくない表面上に堆積させることにならない。一実施形態において、不活性ガス206は、水素、窒素、ヘリウム、アルゴン、又はこれらの組み合わせを含んでいる。他の実施形態において、アンモニアは不活性ガス206に置き換えられる。一実施形態において、窒素含有ガス226は、約1slm〜約15slmの速度で処理容積に供給される。他の実施形態において、窒素含有ガス226は、キャリヤガスと同時に流される。キャリヤガスは、窒素ガス或いは水素ガス或いは不活性ガスを含んでいる。一実施形態において、窒素含有ガス226は、約0slm〜約15slmの範囲内の流量で供給される場合があるキャリヤガスと同時に流される。ハロゲン化物或いはハロゲンのガスの典型的な流量は、約5sccm〜約1,000sccmの範囲内であるが、約5slmまでの流量を含んでいてもよい。ハロゲン化物/ハロゲンのガスに対するキャリヤガスは、約0.1slm〜約10slmの範囲内にあってもよく、前に挙げた不活性ガスを含有する。ハロゲン化物/ハロゲン/キャリヤガスの混合物の追加の希釈は、約0slm〜約10slmの範囲内の不活性ガスで行うことができる。不活性ガス206に対する流量は、約5slm〜約40slmの範囲内にあってもよい。プロセス圧は、約100トール〜約1,000トールの範囲内で変動する。基板は、約500℃〜約1,200℃の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0064】
[0073]不活性ガス206、金属含有前駆ガス216、窒素含有ガス226は、処理容積108の周囲に配分されてもよい排気部236を通って処理容積108から排出することになる。このような排気部236の配分は、基板表面全体に一様なガスの流れを与えることができる。
【0065】
[0074]図3と図4に示されるように、ガスチューブ251とガスチューブ252は、本発明の一実施形態によれば、散在されてもよい。ガスチューブ251内の金属含有前駆ガス216の流量は、ガスチューブ252内の窒素含有ガス226の流量から独立して制御することができる。独立して制御された散在したガスチューブは、基板の表面全体にガスのそれぞれのより分配均一性に寄与することができ、より堆積均一性を与えることができる。
【0066】
[0075]更に、金属含有前駆ガス216と窒素含有ガス226の間の反応の程度は、2つのガスが接触している時間に左右される。基板の表面に平行にガスチューブ251とガスチューブ252を位置決めすることによって、金属含有前駆ガス216と窒素含有ガス226は、ガスチューブ251とガスチューブ252から等距離の点で同時に接触し、それ故、基板の表面上のすべての点でほとんど同じ程度まで反応する。その結果として、堆積均一性がより大きな直径の基板で達成可能である。基板の表面とガスチューブ251とガスチューブ252の間の距離の変動が、金属含有前駆ガス216と窒素含有ガス226が反応する程度を支配することは理解されるべきである。それ故、本発明の一実施形態によれば、処理容積108のこの寸法は、堆積プロセス中、変動してもよい。また、本発明の他の実施形態によれば、ガスチューブ251と基板の表面の間の距離は、ガスチューブ252と基板の表面の間の距離と異なってもよい。更に、ガスチューブ251と252の間の分離は、金属含有前駆ガスと窒素含有前駆ガスとの間の反応とチューブ251とチューブ252での或いはこれらの近傍での望まれていない堆積を阻止することになる。以下に記載されるように、不活性ガスは、チューブ251とチューブ252の間に流されて、前駆ガスの間の分離を維持するのを援助する。
【0067】
[0076]本発明の一実施形態において、計量ビューポート310は、プレート260の中に形成される場合がある。これにより、プロセス中、放射能測定器を処理容積108に近づけることができる。このような測定は、干渉計によって行われて、反射される波長と透過される波長を比較することによって基板上に膜が堆積される速度を求めることができる。測定は、また、パイロメータによって行われて、基板温度を計測することができる。計量ビューポート310は、HVPEと共に一般に用いられるいかなる放射能測定器にも近づけることができることは理解されるべきである。
【0068】
[0077]ガスチューブ251とガスチューブ252の散在は、本発明の一実施形態によれば、図5に示されるようにチューブを構成することによって達成させることができる。各組のチューブは、複数の分枝チューブ259にも接続される単一の幹チューブ257に接続される接続ポート253を本質的に含んでいてもよい。分枝チューブ259のそれぞれは、基板キャリヤ114にほとんど面しているチューブの側面に形成される複数のガスポート255を有してもよい。ガスチューブ251の接続ポート253は、ガスチューブ252の接続ポート253と処理容積108の間に位置決めされるように構成されてもよい。このとき、ガスチューブ251の幹チューブ257は、ガスチューブ252の幹チューブ257と処理容積108の間に位置決めされる。ガスチューブ252の各分枝チューブ259は、幹チューブ257との接続に近い“S”曲がり258を含有する場合があるので、ガスチューブ252の分枝チューブ259の長さがガスチューブ251の分枝チューブと並行になり、整列する。同様に、ガスチューブ251とガスチューブ252の散在は、以下に述べられる本発明の他の実施形態によれば、図9に示されるようにチューブを構成することによって達成することができる。分枝チューブ259の数、その結果、隣接の分枝チューブの間の間隔が変動してもよいことは理解されるべきである。隣接の分枝チューブ259の間のより大きい距離によって、チューブの表面上の早すぎる堆積を低減することができる。早すぎる堆積は、また、隣接のチューブの間に仕切りを加えることによって低減することもできる。仕切りは、基板の表面に垂直に位置決めされてもよく、仕切りは、ガスフローを進めるように角度をつけてもよい。本発明の一実施形態において、ガスポート255は、金属含有前駆ガス216をある角度で窒素含有ガス226に向けるように形成される場合がある。
【0069】
[0078]図6は、本発明の一実施形態によれば、プレート260を示す図である。前述されたように、不活性ガス206は、プレート260の表面全体に配分される複数のガスポート255を通って処理容積108に導入することができる。プレート260の切り込み267は、本発明の一実施形態によれば、ガスチューブ252の幹チューブ257の位置決めを調整する。不活性ガス206は、ガスチューブ251とガスチューブ252の分枝チューブ259の間を流れ、それによって、本発明の一実施形態によれば、ガスが基板の表面に近づくまで窒素含有ガス226から金属含有前駆ガス216の流れの分離を維持することができる。
【0070】
[0079]図7に示される本発明の一実施形態によれば、窒素含有ガス226は、プレート260を通って処理容積108に導入することができる。本実施形態によれば、ガスチューブ252の分枝チューブ259は、ガスチューブ251の追加の分枝チューブ259によって置き換えられる。それによって、金属含有前駆ガスは、ガスチューブ252を通って処理容積108に導入することができる。
【0071】
[0080]図8は、本発明の一実施形態によれば、ソースボート280の構成要素を示す図である。ボートは、底部(図8B)を覆っている最上部(図8A)からできている場合がある。二つの部分を連結すると、ウェル820の上のチャネル810からできた環状空洞が作り出される。前述のように、塩素含有ガス811は、チャネル810に流れ込むことができ、ウェル820中の金属源と反応して、金属含有前駆ガス813を生成する。本発明の一実施形態によれば、金属含有前駆ガス813は、金属含有前駆ガス216として処理容積へガスチューブ251を通って導入することができる。
【0072】
[0081]本発明の他の実施形態において、金属含有前駆ガス813は、図8Cに示される希釈ポートにおいて不活性ガス812で希釈することができる。或いは、チャネル810に入る前に塩素含有ガス811に不活性ガス812が添加されてもよい。更に、双方の希釈が行われてもよい。即ち、チャネル810に入る前に不活性ガス812が塩素含有ガス811に添加されてもよく、追加の不活性ガス812がチャネル810の出口で添加されてもよい。次に、希釈された金属含有前駆ガスが金属含有前駆ガス216として処理容積108にガスチューブ251を通って導入される。金属源の上での塩素含有ガス811の滞留時間は、チャネル810の長さに直接比例する。より長い滞留時間によって、金属含有前駆ガス216の変換効率が大きくなる。それ故、ソースボート280でチャンバ本体を取り囲むことによって、より長いチャネル810を作り出すことができ、金属含有前駆ガス216の変換効率がより大きくなる。チャネル810を作る最上部(図8A)と底部(図8B)の典型的な直径は、10−12インチの範囲にある。チャネル810の長さは、最上部(図8A)と底部(図8B)の周囲であり、30−40インチの範囲にある。
【0073】
[0082]図9は、本発明の他の実施形態を示す図である。本実施形態において、ガスチューブ251と252の幹チューブ257は、処理容積108の周囲に合うように再構成することができる。周辺に幹チューブ257を移動することによって、ガスポート255の密度は、基板の表面全体により一様になることがある。プレート260の再構成を優遇している、幹チューブ257と分枝チューブ259の他の形状も可能であることは理解されるべきである。
【0074】
[0083]当業者は、本発明の範囲内になおありつつ、上記の実施形態から様々な修正が行われてもよいことを認識する。一例として、内部ボートに対する別のものとして(或いは追加して)、一部の実施形態は、チャンバの外に位置するボートを用いてもよい。一部のこのような実施形態については、別々の加熱源及び/又は加熱されたガスラインが外部ボートからチャンバへ前駆体を分配するのに用いられてもよい。
【0075】
[0084]一部の実施形態については、チャンバを開放することなく再充填(例えば、液体金属で)されるようにある種のメカニズムがチャンバ内に位置するすべてのボートに用いる場合がある。例えば、インジェクタとプランジャ(例えば、大型シリンジのようなもの)を用いるある種の装置がボートの上に位置する場合があるのでチャンバを開放することなく液体金属でボートを再充填することができる。
【0076】
[0085]一部の実施形態については、内部ボートは、内部ボートに接続される外部の大きなるつぼから充填する場合がある。このようなるつぼは、(例えば、抵抗加熱或いはランプによって)別々の加熱と温度制御システムで加熱することができる。るつぼを用いて、操作する人が手動バルブを開閉する、或いはプロセス制御用電子装置とマスフローコントローラの使用によってバッチプロセスのような様々な技術によってボートを“供給”することができる。
【0077】
[0086]一部の実施形態については、チャンバに金属前駆体を分配するのにフラッシュ蒸発技術を用いる場合がある。例えば、フラッシュ蒸発金属前駆体は、液体インジェクタによって分配して、ガス流に少量の金属を噴射することができる。
【0078】
[0087]一部の実施形態については、前駆ガスを最適な動作温度に維持するのに温度制御のある形態を用いる場合がある。例えば、(内部にしても外部にしても)ボートは、直接接触している温度センサ(例えば、熱電対)が取り付けられてボート中の前駆体の温度を決定することができる。この温度センサは、自動フィードバック温度制御と接続されていてもよい。直接接触している温度センサの代わりに、遠隔高温測定がボートの温度を監視するのに用いられてもよい。
【0079】
[0088]外部ボートの設計については、様々に異なるタイプのシャワーヘッドの設計(例えば、上記或いは下記のもの)が用いられてもよい。このようなシャワーヘッドは、炭化シリコン又は石英又は炭化シリコン被覆グラファイトのような極端な温度(例えば、1,000℃まで)に耐え得る適切な材料から構成されてもよい。上記のように、チューブの温度は、熱電対或いは遠隔高温測定によって監視することができる。
【0080】
[0089]一部の実施形態については、必要に応じてチューブ温度を調節して、様々な目標を達成するように、チャンバの最上部と底部に位置するランプの列を調整する場合がある。このような目標には、チューブ上の堆積を最小にすること、堆積プロセス中、一定温度を維持すること、最大温度限界を超えないことを確実にすること(熱応力による損傷を最小にするために)が含まれる。
【0081】
[0090]図5A−図5B、図6、図8A−図8C、及び図9A−図9Bに示される構成要素は、炭化シリコン、炭化シリコン被覆グラファイト、及び/又は石英のような任意の適切な材料から構成されてもよく、いかなる適切な物理的寸法を有してもよい。例えば、一部の実施形態については、図5A−図5Bと図9A−図9Bに示されるシャワーヘッドチューブの壁厚が1mm〜10mm(例えば、一部の用途においては約2mm)の範囲にある場合がある。
【0082】
[0091]チューブは、また、化学エッチング及び/又は腐食からの損傷を阻止するようにして構成されてもよい。例えば、チューブは、ある種のコーティング、例えば、炭化シリコン又は化学エッチング及び腐食からの損傷を最小にする他のある適切なコーティングを含む場合がある。別の方法として、或いは更に、チューブは、エッチングや腐食から保護する別々の部品によって取り囲まれてもよい。一部の実施形態については、主要な(例えば、中央の)チューブは石英である場合があり、分枝チューブは炭化シリコンである場合がある。
【0083】
[0092]一部の用途において、チューブ上に形成する堆積物のリスクがある場合があり、例えば、ガスポートを塞ぐことによって、性能を妨げる場合がある。一部の実施形態については、堆積を阻止或いは最小にするために、ある種のバリヤ(例えば、バッフル又はプレート)をチューブの間に配置してもよい。このようなバリヤは、取り外し可能で、容易に交換できるように設計され、それによって維持と修理を容易にすることができる。
【0084】
[0093]分枝チューブを用いるシャワーヘッドの設計を本明細書に記載してきたが、一部の実施形態については、チューブ構成は、同じ機能を達成するように設計された別の種類の構成と置き換えることができる。一例として、一部の実施形態については、主チャンバへのガスの分離と分配に関してチューブとして同じ機能を与える一体プレートにドリルで分配のチャネルと穴を開ける場合がある。別法として、一体というより、分配プレートが何らかの方法(例えば、接着、溶接、焼付け)で一緒に取り付ける或いは組み立てることができる複数の部品によって構成されてもよい。
【0085】
[0094]他の実施形態については、炭化シリコンで被覆された固体グラファイトチューブが形成される場合があり、その後、グラファイトが除去されて、一連のチャネルと穴が残る。一部の実施形態については、シャワーヘッドは、その中に穴が形成された種々の形状(例えば、楕円形、円形、矩形、又は正方形)の透明或いは不透明の石英プレートで構成される場合がある。適切な寸法のチューブ類(例えば、2mmID×4mmODを有するチャネル)は、ガス分配用のプレートに溶融させることができる。
【0086】
[0095]一部の実施形態については、種々の構成要素が異なる材料でできている場合がある。このような場合には、構成要素をしっかりと取り付けることを行わせ且つガス漏れを防止するために基準を用いることができる。一例として、一部の実施形態については、ガス漏れを防止するために、カラーを用いて、金属部品に石英チューブをしっかりと取り付けることができる。このようなカラーは、例えば、部品を異なる量で膨張させ且つ収縮させ、さもなければ部品に対する損傷又はガス漏れを引き起こすことになる異なる部品の熱膨張差を可能にする適切ないかなる材料でできていてもよい。
【0087】
[0096]上記のように(例えば、図2を参照して)、堆積プロセスにハロゲン化物ガスやハロゲンガスを用いることができる。更に、前述のハロゲン化物やハロゲンは、リアクタのインサイチュ洗浄のためのエッチャントガスとして用いることができる。このような洗浄プロセスは、チャンバ内に(不活性キャリヤガス含んでも含まなくても)ハロゲン化物ガス或いはハロゲンガスを流すことを必要とする場合がある。約100℃〜約1,200℃の温度で、エッチャントガスはリアクタの壁と表面から堆積を取り除くことができる。エッチャントガスの流量は、約1slm〜約20slmに変動し、不活性ガスの流量は、約0slm〜約20slmに変動する。対応する圧力は、約10トール〜約1,000トールに変動してもよく、チャンバ温度は、約20℃〜約1,200℃に変動してもよい。
【0088】
[0097]更に、前述のハロゲン化物ガスとハロゲンガスは、基板の前処理でも用いられ、例えば、高品質の膜成長を促進させることができる。一実施形態は、ボート280に流し込むことなくチューブ251或いはプレート260を通ってチャンバにハロゲン化物ガス或いはハロゲンガスを流すことを必要とする場合がある。不活性キャリヤ及び/又は希釈ガスはハロゲン化物ガス或いはハロゲンガスと組み合わせてもよい。同時に、NH或いは同様の窒素含有前駆体がチューブ252に流れ込んでもよい。前処理の他の実施形態は、窒素含有前駆体のみを不活性ガスを含んで又は含まずに流すことを提供する。追加の実施形態は、一連の2つ以上の不連続のステップを有してもよく、その各々は、持続時間、ガス、流量、温度及び圧力の点で異なっていてもよい。ハロゲン化物或いはハロゲンの典型的な流量は、約50sccm〜約1,000sccmの範囲内にあるが、約5slmまでの流量を含んでもよい。ハロゲン化物ガス/ハロゲンガスのためのキャリヤガスは、約1slm〜約40slmの範囲の流量を有してもよく、前に挙げた不活性ガスを含有する。ハロゲン化物ガス/ハロゲンガス/キャリヤガス混合物の追加の希釈は、流量が約0slm〜約10slmの範囲内にある不活性ガスで行われてもよい。NHの流量は、約1slm〜約30slmの範囲内にあり、典型的にはエッチャントガス流量より大きい。プロセス圧は、約100トール〜約1,000トールの範囲内で変動してもよい。典型的な基板温度は、約500℃〜約1,200℃の範囲内にあることになる。
【0089】
[0098]更に、Clプラズマが洗浄/堆積プロセスのために生成されてもよい。更に、本明細書に記載されるチャンバは、2006年4月14日に出願され、US2007−0240631として公開された、共同譲渡された米国出願第11/404,516号に記載されているマルチチャンバシステムの一部として実施することができ、この開示内容は本明細書に全体で援用されている。本明細書に記載されるように、遠隔プラズマ生成器がチャンバハードウェアの一部として含まれてもよく、本明細書に記載されるHVPEチャンバに用いることができる。本出願に記載される堆積プロセスと洗浄プロセス双方に対するガスラインとプロセス制御ハードウェア/ソフトウェアも、本明細書に記載されるHVPEチャンバに適用することができる。一部の実施形態については、塩素ガス或いはプラズマが図6に示されるようにトッププレートの上から分配され、或いはGa含有前駆体を分配するチューブを通って分配される場合がある。用いることができるプラズマの種類は、塩素にのみ限定されず、フッ素、ヨウ素、又は臭素を含んでもよい。プラズマを生成させるのに用いられるソースガスは、Cl、Br又はIのようなハロゲンであってもよく、NFのようなV族元素(例えば、N,P、又はAs)を含有するガスであってもよい。
【0090】
[0099]上記は本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の他の多くの実施形態が本発明の基本的範囲から逸脱することなく構成され、本発明の範囲が以下の特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0091】
100…装置、102…チャンバ本体、104…シャワーヘッドアセンブリ、106…前駆ガス、108…処理容積、114…基板キャリヤ、116…凹部、130a…ランプ、130b…ランプ、206…不活性ガス、216…金属含有前駆ガス、226…窒素含有ガス、236…排気部、251…ガスチューブ、252…ガスチューブ、253…接続ポート、255…ガスポート、257…幹チューブ、258…“S”曲がり、259…分枝チューブ、260…プレート、267…切り込み、280…ソースボート、310…計量ビューポート、810…チャネル、811…塩素含有ガス、812…不活性ガス、813…金属含有前駆ガス、820…ウェル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に窒化ガリウム材料を形成する方法であって、
固体金属ガリウム源を加熱して、液体金属ガリウム源を形成するステップと、
該液体金属ガリウム源を塩素ガス(Cl)にさらして、塩化ガリウムガスを形成するステップと、
処理チャンバ内の基板を該塩化ガリウムガスとアンモニアを含む窒素前駆ガスにさらして、水素化物気相エピタキシープロセス中、基板上に窒化ガリウム層を形成するステップと、
を含む、前記方法
【請求項2】
該窒化ガリウム層を形成する前の前処理プロセス中、該基板が塩素ガスを含む前処理ガスにさらされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該前処理ガスが、アンモニア又は塩化ガリウムを更に含み、該前処理ガスが、アルゴン、窒素、水素、又はこれらの組み合わせを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該窒化ガリウム層の形成に続くチャンバ洗浄プロセス中、該処理チャンバが該塩素ガスにさらされる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該チャンバ洗浄プロセス中、該処理チャンバがプラズマにさらされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
基板上に窒化アルミニウム材料を形成する方法であって、
金属アルミニウム源を加熱して、加熱された金属アルミニウム源を形成するステップと、
該加熱された金属アルミニウム源を塩素ガス(Cl)にさらして、塩化アルミニウムガスを形成するステップと、
処理チャンバ内の基板を該塩化アルミニウムガスとアンモニアを含む窒素前駆ガスにさらして、水素化物気相エピタキシープロセス中、該基板上に窒化アルミニウム層を形成するステップと、
を含む、前記方法。
【請求項7】
該窒化アルミニウム層を形成する前の前処理プロセス中、該基板が塩素ガスを含む前処理ガスにさらされる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該前処理ガスが、アンモニア又は塩化アルミニウムを更に含み、該前処理ガスが、アルゴン、窒素、水素、又はこれらの組み合わせを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
該窒化アルミニウム層の形成に続くチャンバ洗浄プロセス中、該処理チャンバが該塩素ガスにさらされる、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
該チャンバ洗浄プロセス中、該処理チャンバがプラズマにさらされる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
基板上に窒化ガリウム材料を形成する方法であって、
排気システムに結合された処理チャンバ内に基板を準備するステップであって、該排気システムが排気コンジットを備えている、前記ステップと、
該基板を塩素ガスを含む前処理ガスにさらして、前処理プロセス中、前処理面を形成ステップであって、該前処理プロセス中、該排気コンジットを約100℃以下の温度に加熱する、前記ステップと、
固体金属ガリウム源を加熱して、液体金属ガリウム源を形成するステップと、
該塩素ガスを該液体金属ガリウム源にさらして、塩化ガリウムガスを形成するステップと、
該基板を該塩化ガリウムガスと窒素前駆ガスにさらして、水素化物気相エピタキシープロセス中、該基板上に窒化ガリウム層を形成するステップと、
を含む、前記方法。
【請求項12】
基板上に窒化ガリウム材料を形成する方法であって、
金属源を加熱して、加熱された金属源を形成するステップであって、該加熱された金属源が、ガリウム、アルミニウム、インジウム、その合金、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる元素を含む、前記ステップと、
該加熱された金属源を塩素ガス(Cl)にさらして、金属塩化物ガスを形成するステップと、
処理チャンバ内の基板を該金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、水素化物気相エピタキシープロセス中、該基板上に金属窒化物層を形成するステップと、
該金属窒化物層の形成に続くチャンバ洗浄プロセス中、該処理チャンバを該塩素ガスにさらすステップと、
を含む、前記方法。
【請求項13】
基板上にIII族の窒化物材料を形成する方法であって
トリアルキルIII族化合物を所定の温度に加熱するステップと、
該トリアルキルIII族化合物を塩素ガス(Cl)にさらして、金属塩化物ガスを形成するステップと、
処理チャンバ内の基板を該金属塩化物ガスと窒素前駆ガスにさらして、気相堆積プロセス中、該基板上に金属窒化物層を形成するステップと、
を含む、前記方法。
【請求項14】
該トリアルキルIII族化合物がトリアルキルガリウム化合物を含み、該金属塩化物ガスが塩化ガリウムを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
該トリアルキルIII族化合物がトリアルキルアルミニウム化合物を含み、該金属塩化物ガスが塩化アルミニウムを含む、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2010−541290(P2010−541290A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528152(P2010−528152)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/078687
【国際公開番号】WO2009/046261
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】