説明

リセスチャネル構造を有するトランジスタを含む半導体装置およびその製造方法

【課題】特性異常の発生を低減することのできるリセスチャネル構造を有するトランジスタを含む半導体装置およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体シリコン基板の活性領域に設けられた第一のリセスおよび素子分離領域に設けられた第二のリセスと、リセスチャネル構造を有するトランジスタと、を少なくとも有する半導体装置であって、
前記トランジスタは、前記第一のリセス内部に設けられたゲート電極を有し、
前記ゲート電極は、前記第一のリセス内部に設けられた部分に加えて、前記第二のリセス内部に設けられた部分を有し、
前記第一のリセス内部に設けられた前記ゲート電極の部分と、前記第二のリセス内部に設けられた前記ゲート電極の部分とは、前記活性領域と前記素子分離領域との境界面と同一の面で互いに電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置およびその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リセス(溝)チャネル構造を有するトランジスタを含む半導体装置およびその製造方法に関し、
さらに詳しくは、リセスチャネル構造を有する電界効果型トランジスタおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図24に半導体装置に通常含まれるトランジスタの模式要部斜視図を示す。
図24に示されるトランジスタ100は、ゲート絶縁膜5を介してp型半導体シリコン基板1上に形成されたゲート電極6と、前記ゲート電極6に対応する一対のソース・ドレイン領域2,3を有するものである。また、前記半導体シリコン基板1にはSTI(Shallow Trench Isolation)と呼ばれる、酸化シリコン等からなる素子間分離膜4が設けられている。
図24に示される様にこのトランジスタ100はMOSFET構造を有するものである。
ここで参照符号Lはチャネル長を示す。このチャネル長は、前記ソース領域2と前記ドレイン領域3との間の最短距離を表すものである。
また、参照符号Wはチャネル幅を示す。このチャネル幅は、前記チャネル長と直角方向のチャネル領域の幅を表すものである。
【0003】
上記の様な従来型のトランジスタに対し、近年フィンチャネル構造を有するトランジスタが半導体装置に使用されるようになってきている。
図25は、フィンチャネル構造を有するトランジスタの模式部分要部斜視図を示したものである。
このトランジスタ101には、半導体シリコン基板1上に酸化シリコン等からなる素子間分離膜4が設けられ、その内部を貫通してフィン状の半導体シリコン基板1の部分がフィン状に設けられている。さらにこのフィン状の半導体シリコン基板1を取り囲む様に、ゲート絶縁膜5を介してゲート電極6が設けられている。
先の図24に示されるトランジスタ100の場合はゲート電極6が平面構造であるのに対し、この図25に示されるトランジスタ101の場合はゲート電極6が立体構造となっている。
このため、前記トランジスタ101の場合は前記フィン状の半導体シリコン基板1の両側面および上面の三方向からチャネル領域を制御することが可能となる。この構造により、フィンチャネル構造を有するトランジスタの場合は従来型の平面構造を有するトランジスタに比較して、より特性に優れたトランジスタが得られるとされる。
【0004】
しかしながら、図24に示されるトランジスタ100および図25に示されるトランジスタ101共に、そのソース領域2からドレイン領域3までの最短距離、すなわちチャネル長L(図24参照)は前記ゲート電極6の幅により決定される。
従って、トランジスタを含む半導体装置の小型化、高密度化が進展した場合は前記チャネル長Lの減少が避けられず、前記チャネル長Lの減少に伴う閾値電圧の変動、サブスレショールド特性の劣化等を伴う短チャネル効果等が問題となる。
【0005】
また、図25に示したトランジスタ101を改良したフィンチャネル構造を有するトランジスタとして、ゲート絶縁膜5を介してゲート電極6により外側から前記フィン状の半導体シリコン基板1を覆うことに加えて、前記フィン状の半導体シリコン基板1内部にゲート絶縁膜5を介してゲート電極6を設ける構造が提案されている(特許文献1)。
図26は前記トランジスタ101を改良したフィンチャネル構造を有するトランジスタ102の模式部分要部斜視図を示したものである。
また図27はトランジスタ101を改良したフィンチャネル構造を有するトランジスタ102の模式部分要部断面図を示したものである。
なお、図26および図27に示した参照符号1〜7の意味は図25において対応するそれぞれの各参照符号の場合と同様である。
図26に示される様に、前記トランジスタ102のゲート電極6は、前記フィン状の半導体シリコン1を外部から覆う様に設けられると共に、前記フィン状の半導体シリコン基板1の中央上部から前記フィン状の半導体シリコン基板1中央内部方向にゲート電極の部分6aが設けられている。
【0006】
この状態をさらに具体的に示したものが図27である。図27の断面図に示した通り、前記トランジスタ102には、前記フィン状の半導体シリコン基板1の中央内部にゲート絶縁膜5を介してゲート電極6aが設けられている。
前記トランジスタ102は、図25に示した前記トランジスタ101の場合と比較して、前記ゲート絶縁膜5を介してフィン状の半導体シリコン基板1に接触する前記ゲート電極6の表面積が増加するため、さらに特性に優れたトランジスタが得られるとされる。
【0007】
しかしながら、図26および図27に示される前記トランジスタ102の場合も、前記チャネル長Lが前記ゲート電極6の幅により決定されるという点では先の図25に示される前記トランジスタ101の場合と同様であり、前記チャネル長Lの減少に伴う短チャネル効果等の問題が依然残る。
【0008】
一方、上記の様なフィンチャネル構造を有するトランジスタとは異なる構造を有する、リセスチャネル構造を有するトランジスタが半導体装置に使用されるようになってきている。
図28は、リセスチャネル構造を有するトランジスタの模式部分要部断面図を示したものである。
先の図24に示される従来型の平面構造を有するトランジスタ100と比較して、図28に示される前記リセスチャネル構造を有するトランジスタ103は、ゲート電極6とゲート絶縁膜5とが前記半導体シリコン基板1の内部にその断面がU字形状となる様に埋め込まれている点が異なる。
なお、図28における各参照符号1〜6の意味は図24において対応する各参照符号1〜6の場合とそれぞれ同様である。
【0009】
この様に図28に示されるトランジスタ103の場合は、チャネルが前記ゲート絶縁膜5の断面のU字形状の外周を迂回して形成されるため、前記ソース領域2からドレイン領域3までの最短距離、すなわちチャネル長Lは、前記トランジスタ100〜102の場合と比較して長くなる。
このため、トランジスタを含む半導体装置の小型化、高密度化が進展した場合でも、前記リセスチャネル構造を有するトランジスタを使用すれば、チャネル長が短くなることによる短チャネル効果等の弊害を効果的に防止することができるとされる。
【特許文献1】特開2006−13521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図28に示される前記リセスチャネル構造を有するトランジスタ103は、従来型の平面構造を有するトランジスタ100と比較してその構造が複雑である。このため前記トランジスタ103を製造する際の製造工程が前記トランジスタ100を製造する際の製造工程と比較して多くなる場合があり、製造工程における配線設置の不具合による前記トランジスタ103の特性異常が発生する問題があった。
【0011】
本発明の目的は、特性異常の発生を低減することのできるリセスチャネル構造を有するトランジスタを含む半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、
半導体シリコン基板の表面領域に設けられた活性領域に第一のリセスを設け、この第一のリセスに設置されたゲート電極の部分と、
半導体シリコン基板の表面領域に設けられた素子分離領域に第二のリセスを設け、この第二のリセスに設置されたゲート電極の部分と、
が、前記活性領域と前記素子分離領域との境界面と同一の面で、それぞれ互いに電気的に接続されているリセスチャネル構造を有するトランジスタを含む半導体装置が本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、
[1]半導体シリコン基板と、
前記半導体シリコン基板の表面領域に設けられた活性領域および素子分離領域と、
前記活性領域に設けられた第一のリセスと、
前記素子分離領域に設けられた第二のリセスと、
リセスチャネル構造を有するトランジスタと、
を少なくとも有する半導体装置であって、
前記トランジスタは、前記第一のリセス内部に接して設けられたゲート絶縁膜、前記ゲート絶縁膜に接して設けられたゲート電極、および前記活性領域であって前記ゲート電極の両側に設けられた一対のN型拡散層を含むソース・ドレイン領域を有し、
前記ゲート電極は、前記第一のリセス内部に設けられた部分に加えて、前記第二のリセス内部に設けられた部分を有し、
前記第一のリセス内部に設けられた前記ゲート電極の部分と、前記第二のリセス内部に設けられた前記ゲート電極の部分とは、前記活性領域と前記素子分離領域との境界面と同一の面で互いに電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置を提供するものである。
【0014】
また本発明は、
[2]前記第二のリセスの深さが、前記半導体シリコン基板表面を基準として、前記第一のリセスの深さの70〜300%の範囲にあることを特徴とする、上記[1]に記載の半導体装置を提供するものである。
【0015】
また本発明は、
[3]前記第一のリセス内部に設けられた前記ゲート電極の部分は、前記活性領域と前記素子分離領域との境界面と同一の面に接する部分のうち、70〜100%の面積が前記第二のリセス内部に設けられた前記ゲート電極の部分と互いに電気的に接続されていることを特徴とする、上記[1]または[2]に記載の半導体装置を提供するものである。
【0016】
また本発明は、
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載された半導体装置を製造する方法であって、
活性領域同士を電気的に分離するための素子分離領域を半導体シリコン基板に形成する工程(1)と、
前記素子分離領域に第二のリセスを形成する工程(2)と、
前記活性領域に第一のリセスを形成する工程(3)と、
前記第一のリセス内部にゲート絶縁膜を形成した後に、前記第二のリセス内部および前記第一のリセス内部を含む全面に導電材料を成膜した後にパターニングし、これをゲート電極とする工程(4)と、
を少なくとも有する、半導体装置の製造方法を提供するものである。
【0017】
また本発明は、
[5]前記半導体シリコン基板の表面を基準として、前記第二のリセスの深さが、前記第一のリセスの深さの70〜300%の範囲となる様に、前記第一のリセスと前記第二のリセスとが互いに連結されていることを特徴とする、上記[4]に記載の半導体装置の製造方法を提供するものである。
【0018】
また本発明は、
[6]前記第一のリセスと前記第二のリセスとが、互いに連結されている面を基準として、前記第一のリセス断面の70〜100%の面積が前記第二のリセス断面の面積と重複する様に、前記第一のリセスと前記第二のリセスとが互いに連結されていることを特徴とする、上記[4]または[5]に記載の半導体装置の製造方法を提供するものである。
【0019】
また本発明は、
[7]上記[4]〜[6]のいずれかに記載の製造方法により得られた半導体装置を提供するものである。
【0020】
また本発明は、
[8]上記[4]〜[6]または[7]のいずれかに記載の半導体装置を搭載した電子機器を提供するものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、特性異常の発生を低減することのできるリセスチャネル構造を有するトランジスタを含む半導体装置を提供することができる。
また本発明の製造方法によれば、従来のリセスチャネル構造を有するトランジスタの製造方法に比べて工程数を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の半導体装置について以下に図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の第一の実施態様である半導体装置110を例示した模式要部平面図である。
図1に例示される様に、半導体シリコン基板の表面領域に活性領域30および素子分離領域40が形成されている。さらに図1の縦方向にワード線10が一定間隔をおいて平行に形成され、図1の横方向にビット線20が一定間隔をおいて平行に形成されている。
また、前記活性領域30の所定の位置に、図1に例示される様に、ノードコンタクト70およびビットコンタクト72が設けられていて、前記ビットコンタクト72により、前記活性領域30と前記ビット線20とが電気的に結合されている。
前記ノードコンタクト70はキャパシタ等(図示せず)と電気的に結合されている。
なお、前記ワード線10は、後述するリセスチャネル構造を有するトランジスタのゲート電極と一体のものとして形成されている。
【0023】
図2は、図1の一点破線A−A’の位置により前記半導体装置110を切断した断面を例示した模式要部断面図である。
図2に例示される様に、前記半導体シリコン基板1の表面領域に活性領域30と素子分離領域40とが設けられている。
ここで前記半導体シリコン基板1の表面領域とは、リセスチャネル構造を有するトランジスタ等の半導体素子を形成するための前記半導体シリコン基板1表面近傍の活性領域やこれらの半導体素子等を区画するための前記半導体シリコン基板1表面近傍の素子分離領域が形成されている領域を意味する。
また、活性領域とは、前記半導体シリコン基板1上であって、ソース、ドレイン領域などの不純物拡散層領域、トランジスタのチャネル領域、その他の半導体素子等を形成する領域、すなわち、素子分離領域以外の領域を意味する。
【0024】
前記半導体シリコン基板1はホウ素等のp型不純物を含む単結晶シリコン等からなるものであり、市販品として入手可能である。
【0025】
前記活性領域30にはリセスチャネル構造を有するトランジスタ200が形成されている。
このリセスチャネル構造を有するトランジスタ200は、前記活性領域30に設けられた第一のリセス300 、前記第一のリセス300内部に接して設けられたゲート絶縁膜5、前記ゲート絶縁膜5に接して設けられたゲート電極6、および前記活性領域30であって前記ゲート電極6の両側に設けられた一対のN型拡散層を含むソース・ドレイン領域を有するものである。
【0026】
前記ゲート絶縁膜5は酸化シリコン等から形成されている。
また前記ゲート電極6は、ホウ素等のp型不純物やリン等のn型不純物を含むポリシリコン60、タングステン等の金属62等から形成されている。
前記ゲート電極6の上部には窒化シリコン等からなる絶縁膜66が形成されている。また前記ゲート電極6に接して窒化シリコン等からなるサイドウォール64が形成されていて、前記ゲート電極6はノードコンタクト70、ビットコンタクト72等から絶縁されている。
【0027】
また前記ソース・ドレイン領域は前記活性領域30にリン等のn型不純物を自己整合的に導入することにより形成されるものであり、それぞれソース領域2およびドレイン領域3として図2に例示されている。
【0028】
前記ソース領域2の上部表面には前記ノードコンタクト70が形成されていて、キャパシタ等(図示せず)と電気的に接続されている。
前記ドレイン領域3の上部表面には前記ビットコンタクト72が設けられていて、上部に別途設けられたビット線20(図示せず。図1参照)と電気的に接続されている。
また、参照符号74は、酸化シリコン等からなる層間絶縁膜を例示したものである。
【0029】
一方、前記素子分離領域40には素子間分離膜41が設けられており、さらに第二のリセス400が設けられている。そしてこの第二のリセス400には素子分離領域上のゲート電極12の部分が埋設されている。
また、前記素子分離領域上のゲート電極12は、ホウ素等のp型不純物やリン等のn型不純物を含むポリシリコン61、タングステン等の金属63等から形成されている。
【0030】
図3は、図2の一点破線C−C’の位置により前記半導体装置110を切断した断面のうち、前記活性領域上のゲート電極6の部分と前記素子分離領域上のゲート電極12の部分とを例示した模式要部断面図であり、図1の一点破線B−B’により前記半導体装置110を切断した断面に対応するものである。
なお、これらの前記活性領域上のゲート電極6の部分と前記素子分離領域上のゲート電極12の部分とが一体となって、先の図1に例示されるワード線10が形成されている。
【0031】
図3に示した一点破線D−D’およびE−E’は、前記素子分離領域40と前記活性領域30との境界面と同じ面の位置をそれぞれ示したものである。
【0032】
図3のうち、一点破線D−D’より左側のポリシリコン61,タングステン63は前記素子分離領域上のゲート電極12の部分を形成するものであり、一点破線D−D’およびE−E’間のポリシリコン60,タングステン62は活性領域上の前記ゲート電極6の部分を形成するものであり、一点破線D−D’より右側のポリシリコン61,タングステン63は前記素子分離領域上のゲート電極12の部分を形成するものである。
【0033】
前記素子分離領域上のゲート電極12の部分は前記素子間分離膜41を貫いて形成されていて、前記活性領域上のゲート電極6の部分に対して、前記素子分離領域40と前記活性領域との境界面と同じ面において電気的に接続されている。
【0034】
前記活性領域上のゲート電極6の部分の下部にはゲート絶縁膜5が形成されている。また、活性領域上のゲート電極6部分の上部および素子分離領域上のゲート電極12部分の上部には窒化シリコン等からなる絶縁膜66が形成されている。
【0035】
また、前記絶縁膜66上部には層間絶縁膜74が形成されている。また、これらの活性領域上のゲート電極6、素子分離領域上のゲート電極12のさらに上部には、ビット線20等が形成されている。前記素子分離領域上のゲート電極12と前記ビット線20との位置関係は例示であり、実際にはこれらの間にビットコンタクト、ノードコンタクト、キャパシタ等が形成されている(図示せず)。
【0036】
なお、前記半導体装置110では、前記活性領域上のゲート電極6の部分と前記素子分離領域上のゲート電極12の部分とは同一材料により一体的に形成されている。このため、前記活性領域上のゲート電極6の部分と前記素子分離領域上のゲート電極12の部分との間には図3等に示されている境界を示す境界線や境界面は実際には存在しない。
【0037】
図4は、図3の一点破線D−D’の位置により前記半導体装置110を切断した断面のうち、前記活性領域上のゲート電極6の部分と前記素子分離領域上のゲート電極12の部分との関係を例示した模式要部斜視図である。
図4に例示される様に、前記第一のリセス300内部に設けられた前記活性領域上のゲート電極6の部分と、前記第二のリセス400内部に設けられた前記分離領域上のゲート電極12の部分とは、前記活性領域30と前記素子分離領域40との境界面500と同一の面で互いに電気的に接続されている。
【0038】
ここで前記境界面とは、先の図2等に例示される様に、前記半導体シリコン基板1の表面領域に設けられた活性領域30と、前記半導体シリコン基板の表面領域に設けられた素子分離領域40とが互いに接触する面のことを意味するが、図3に示された一点破線D−D’により前記半導体装置110を切断した面が図4の場合の前記境界面に対応するものであり、参照符号500として例示されている。
【0039】
この前記境界面と同じ面500を貫いて前記活性領域上のゲート電極6の部分と、前記素子分離領域上のゲート電極12の部分とが互いに電気的に接続されている。この関係は以下の各実施態様の場合も同様である。
【0040】
前記半導体装置110の場合は、図4に例示する通り、前記第一のリセス300内部に設けられた活性領域上の前記ゲート電極6部分の断面と、前記第二のリセス400内部に設けられた前記素子分離領域上のゲート電極12部分の断面とは、前記境界面と同一の面を基準として、ほぼ同形の形状を有している。
【0041】
前記第二のリセス400の深さは、前記半導体シリコン1表面を基準として、前記第一のリセス300の深さとほぼ同じである。
【0042】
また前記第一のリセス300内部に設けられた活性領域上の前記ゲート電極6の部分の断面のうち100%の面積が、前記第二のリセス内部に設けられた前記素子分離領域上のゲート電極12の部分の断面と互いに電気的に接続されている。
【0043】
次に本発明の第二の実施態様である半導体装置120について説明する。
前記半導体装置120の構成は、先に例示した半導体装置110と比較して、前記ゲート電極12の断面形状が異なる他は前記半導体装置110の場合と同様である。
【0044】
図5は先の図3に対応するものであり、第二の実施態様である半導体装置120の前記活性領域上のゲート電極6の部分と前記素子分離領域上のゲート電極12の部分との関係を例示した模式要部断面図である。
また、図6は先の図4に対応するものであり、第二の実施態様である半導体装置120のうち前記活性領域上のゲート電極6の部分と前記素子分離領域上のゲート電極12の部分との関係を例示した模式要部斜視図である。
【0045】
図5および図6における各参照符号の意味は、図3および図4における各参照符号の意味とそれぞれ同様である。
【0046】
図6に例示される前記半導体装置120(図5参照)の前記第二のリセス401の深さは、前記半導体シリコン1表面を基準として、前記第一のリセス301の深さの1.1倍、即ち110%となっている。
また図6に例示される様に、前記半導体装置120の前記第一のリセス300内部に設けられた前記活性領域上のゲート電極6の部分の断面のうち100%の面積が、前記第二のリセス401内部に設けられた前記素子分離領域上のゲート電極12の部分の断面と互いに電気的に接続されている。
【0047】
次に本発明の第三の実施態様である半導体装置130について説明する。
前記半導体装置130は、先に例示した半導体装置110と比較して、前記ゲート電極12の断面形状が異なる他は前記半導体装置110の場合と同様である。
【0048】
図7は先の図3に対応するものであり、第三の実施態様である半導体装置130の前記活性領域上のゲート電極6の部分と前記素子分離領域上のゲート電極12の部分との関係を例示した模式要部断面図である。
また、図8は先の図4に対応するものであり、第三の実施態様である半導体装置130のうち前記活性領域上のゲート電極6の部分と前記素子分離領域上のゲート電極12の部分との関係を例示した模式要部斜視図である。
【0049】
図7および図8における各参照符号の意味は、図3および図4における各参照符号の意味とそれぞれ同様である。
【0050】
図8に例示される様に、前記半導体装置130(図7参照)の前記第二のリセス402の深さは、前記半導体シリコン1表面を基準として、前記第一のリセス302の深さの0.9倍、即ち90%となっている。
また図8に例示される様に、前記半導体装置130の前記第一のリセス302内部に設けられた前記活性領域上のゲート電極6の部分の断面のうち90〜94%の面積が、前記第二のリセス402内部に設けられた前記素子分離領域上のゲート電極12の部分の断面と互いに電気的に接続されている。
【0051】
前記活性領域上のゲート電極6の断面のうち、どの程度の面積が前記素子分離領域上のゲート電極12の部分の断面と互いに電気的に接続されているかは、それぞれの断面形状、前記第一のリセス302の深さおよび前記第二のリセス402の深さに依存する。
【0052】
本発明の半導体装置は、前記半導体シリコン表面を基準として、前記第二のリセスの深さが前記第一のリセスの深さの70〜300%の範囲にあることが好ましく、90〜150%の範囲にあることがさらに好ましく、100〜130%の範囲にあることがさらに好ましい。
前記範囲を70〜300%の範囲とすることにより、リセスチャネル構造を有するトランジスタの特性異常を低減することができる。
【0053】
また、本発明の半導体装置は、前記活性領域と前記素子分離領域との境界面と同一の面に接する、前記第一のリセス内部に設けられた前記ゲート電極の部分のうち、70〜100%の範囲の面積が前記第二のリセス内部に設けられた前記ゲート電極の部分と互いに電気的に接続されていることが好ましく、80〜100%の範囲にあることがより好ましく、90〜100%の範囲にあることがさらに好ましい。
前記範囲を70〜100%の範囲とすることにより、リセスチャネル構造を有するトランジスタの特性異常を低減することができる。
【0054】
本発明の半導体装置は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)として好適に使用することができ、電子・電気分野のコンピュータ、通信機器等の各種電子機器に使用することができる。
【0055】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0056】
以下、添付した図面に基づき、本発明の第一の実施態様について、図9〜図13の一連の工程断面図を用いて説明する。
図9は、本発明の第一の実施態様である半導体装置110の製造工程を説明するための模式要部断面図である。
【0057】
p型半導体シリコン基板1の所定の表面領域の素子分離領域40に酸化シリコンからなる素子間分離膜41を形成する。この素子間分離膜41は、活性領域同士を電気的に分離するためのものである。
続いて、前記p型半導体シリコン基板1表面に酸化シリコンからなる絶縁膜42を形成し、次いで、窒化シリコンからなる絶縁膜44を形成する。
前記酸化シリコンからなる絶縁膜42は、例えば、熱酸化法によって形成することができる。また、前記窒化シリコンからなる絶縁膜44は、通常低圧CVD法(化学気相成長法;Chemical Vapor Deposition)を用いて成膜する。原料ガスとしてジクロロシランとアンモニアを用いることにより、前記窒化シリコンからなる絶縁膜44を形成することができる。
【0058】
次に前記窒化シリコンからなる絶縁膜44の表面にフォトレジスト層46を形成する。
このフォトレジスト層46に公知のリソグラフィ法により開口パターンを形成し、この開口パターンをマスクとして、前記窒化シリコンからなる絶縁膜44に開口部48を形成する。
なお前記フォトレジスト層46はアッシング工程等により除去することができる。
【0059】
図10は、本発明の第一の実施例である半導体装置110の製造工程のうち、前記素子間分離膜41に第二のリセス400を形成する工程を説明するための模式要部断面図である。各参照符号の意味は図9の場合と同様である。
先に形成した前記窒化シリコンからなる絶縁膜44の開口部48から、反応性イオンエッチング等の異方性エッチングにより第二のリセス400を形成する。
【0060】
この際、例えば、CF(またはCHFもしくはC)/O/Ar等のエッチング用ガスを使用して、Arの流量が20%となる様にして、圧力を50〜100mTorr、高周波パワーを3000W、バイアスを2000Wとして反応性イオンエッチングを行うことにより、前記半導体シリコン基板1の単結晶シリコンを残したまま、前記素子分離領域40の酸化シリコンだけを除去することができる。
この工程により前記第二のリセス400を形成することができる。
【0061】
図11は、本発明の第一の実施例である半導体装置110の製造工程のうち、前記活性領域30に第一のリセス300を形成する工程を説明するための模式要部断面図である。各参照符号の意味は図9の場合と同様である。
先に形成した前記窒化シリコンからなる絶縁膜44の開口部48から、例えば塩素ガスを少なくとも含むガスを用いるプラズマエッチング法を行うことにより前記素子間分離膜41の酸化シリコンをエッチングすることなく、前記半導体シリコン基板1の単結晶シリコンだけをエッチングすることができる。
【0062】
この工程により、前記活性領域30であって、前記第二のリセス400と連結する位置に第一のリセス300を形成することができる。
以上の工程により、第一のリセス、および第二のリセスが、マトリックス状に複数隣接して配置された活性領域および素子分離領域上を縦断するように、一続きに延在する形状として形成される。
【0063】
図12は、前記第一のリセス300と前記第二のリセス400との関係を説明するための模式要部斜視図である。
【0064】
前記第一のリセス300と前記第二のリセス400とは互いに同一の面500で連結されていて、この互いに連結されている面500を基準として、前記第一のリセス断面の100%の面積が、前記第二のリセス断面の面積と重複している。
【0065】
ここで図12に示した参照符号Aは素子分離領域を示し、参照符号Bは活性領域を示し、および参照符号500は前記素子分離領域と前記活性領域との境界面を示すものである。
また、前記第一のリセス300の深さと前記第二のリセス400の深さとは、前記半導体シリコン基板1の表面を基準として略同一である。
【0066】
図13は、本発明の第一の実施例である半導体装置110の製造工程を説明するための模式要部断面図である。
まず、図11に示された工程に続いて、前記窒化シリコンからなる絶縁膜44をホットリン酸を用いて除去する。続いて、前記第一のリセス300内部に接して、酸化シリコン等からなるゲート絶縁膜5を形成する。
次に、前記第一のリセス300内部および第二のリセス400内部を含む全面にCVD法によりポリシリコンを成膜し、続いて、MOCVD法(有機金属気相成長法;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)等によりタングステンを成膜する。
続いて、窒化シリコンからなる絶縁膜を全面に形成した後、このポリシリコン、タングステン、シリコン窒化膜の積層膜上に、リソグラフィ法によりレジストパターンを設けた後これをマスクにして異方性ドライエッチングを施し、シリコン窒化膜、タングステン、およびポリシリコンを順次エッチング除去し、ポリシリコン60、61、タングステン62、63からなるゲート電極6の上部に窒化シリコンが設置された構造を形成する。
以上の工程により、前記半導体装置110に含まれるリセスチャネル構造を有するトランジスタに対応する前記活性領域上のゲート電極6の部分と前記素子分離領域上のゲート電極12の部分とが同時に一体的に形成される。
【0067】
このポリシリコン60,61の堆積は、通常低圧CVD装置を用いて行う。原料ガスとしてモノシランに加えてホスフィン(PH)を同時に供給し、前記ポリシリコン60,61に不純物としてリンを含有させる。
580℃以上の温度で形成された前記ポリシリコン60,61は多結晶状態であり、十分にリンがドープされているため、導電性を示す。
以上の工程により、第一のリセスおよび第二のリセス内に埋め込まれたゲート電極6が、マトリックス状に複数隣接して配置された活性領域および素子分離領域上を縦断するように、一続きに一体的に延在する構造として形成される。
【0068】
続いて、CVD法等により、窒化シリコンからなる絶縁膜をゲート電極6上を含む全面に形成した後、この窒化シリコンからなる絶縁膜を公知の異方性ドライエッチングを用いてエッチバックすることにより、ゲート電極の側面に窒化シリコンからなるサイドウォール64を形成することができる。
以上の工程により、ゲート電極6の半導体基板1表面より上側の部分が、窒化シリコン膜66と窒化シリコンからなるサイドウォール64によって囲まれた構造を形成することができる。
【0069】
次に、このゲート電極6、およびサイドウォール64をマスクとして、前記活性領域30にリン、ヒ素等のn型不純物を導入することにより、ソース領域2およびドレイン領域3を自己整合的に形成することができる。不純物の導入はイオン注入法により行われる。
この工程により、リセスチャネル構造を有するトランジスタ200を形成することができる。
【0070】
さらに前記半導体シリコン基板1上にノードコンタクト70、ビットコンタクト72、ビット線(図示せず)等の上部配線構造を形成することにより、本発明の第一の実施態様である半導体装置110を製造することができる。
【実施例2】
【0071】
本発明の第二の実施態様について、図14の工程断面図を用いて説明する。
図14は、本発明の第二の実施態様である半導体装置120の製造工程を説明するための模式要部断面図である。図14における各参照符号の意味は図10の場合と同様である。
実施例2は、前記第二のリセス401深さを、前記半導体シリコン基板1の表面を基準として、第一のリセス301の深さと比較して1.1倍とした他は実施例1の場合と同様である。
【0072】
図15は、前記第一のリセス301および前記第二のリセス401との関係を説明するための模式要部斜視図である。参照符号A,Bおよび500の意味は図12(実施例1)の場合と同様である。
前記第一のリセス301と前記第二のリセス401とは互いに連結されていて、この互いに連結されている面を基準として、前記第一のリセス301断面の100%の面積が、前記第二のリセス401断面の面積と重複している。
【0073】
以下、実施例1の場合と同様にして本発明の第二の実施態様である半導体装置120を得ることができる。
【実施例3】
【0074】
本発明の第三の実施態様について、図16の工程断面図を用いて説明する。
図16は、本発明の第三の実施態様である半導体装置130の製造工程を説明するための模式要部断面図である。
実施例3は、前記第二のリセス402の深さを、前記半導体シリコン基板1の表面を基準として、第一のリセス302の深さと比較して0.9倍とした他は、実施例1の場合と同様である。
【0075】
図17は、前記第一のリセス302および前記第二のリセス402との関係を説明するための模式要部斜視図である。参照符号A,Bおよび500の意味は図12(実施例1)の場合と同様である。
前記第一のリセス302と前記第二のリセス402とは互いに連結されていて、この互いに連結されている面を基準として、前記第一のリセス302断面の90〜94%の面積が、前記第二のリセス402断面の面積と重複している。
【0076】
以下、実施例1の場合と同様の工程により本発明の第三の実施態様である半導体装置130を得ることができる。
【比較例】
【0077】
次に比較例について図18〜図23の一連の工程断面図を用いて説明する。
図18は、比較例である半導体装置140の製造工程を説明するための模式要部断面図である。
p型半導体シリコン基板1の所定の表面領域の素子分離領域40に酸化シリコンからなる素子間分離膜41を形成する。続いて、前記p型半導体シリコン基板1表面に酸化シリコンからなる絶縁膜42を形成し、前記p型半導体シリコン基板1表面に実施例1の場合と同様に窒化シリコンからなる絶縁膜44を形成する。
【0078】
次に実施例1の場合と同様に前記窒化シリコンからなる絶縁膜44に開口部48を形成する。
なお前記フォトレジスト層46はアッシング工程等により除去することができる。
【0079】
図19は、比較例である半導体装置140の製造工程のうち、活性領域30に第一のリセス310を形成する工程を説明するための模式要部断面図である。
先に形成した前記窒化シリコンからなる絶縁膜44の開口部48から、例えば塩素ガスを少なくとも含むガスを用いるプラズマエッチング法により、前記素子間分離膜41の酸化シリコンを残したまま、前記半導体シリコン基板1の単結晶シリコンをエッチングすることができる。
この工程により、前記活性領域30に第一のリセス310を形成することができる。
【0080】
図20は、図19の一点破線F−F’の位置により前記半導体装置130を切断した状態を示した模式要部断面図である。
図20によれば、活性領域30のうち、エッチングされなかった単結晶シリコン部分80が残存していることが分かる。
【0081】
この単結晶シリコン部分80が残存していると、この単結晶シリコン部分80がサブチャネルとして機能することから、得られたリセスチャネル構造を有するトランジスタの特性が低下し、例えば、オフリーク電流の増加等が見られる。
このトランジスタの特性低下を防止するため、前記単結晶シリコン部分80を酸化して酸化シリコンとした後、フッ酸を用いたウエットエッチング工程によりこの前記単結晶シリコン部分80を除去した。
【0082】
図21および図22は、それぞれフッ酸を用いたウエットエッチングにより前記単結晶シリコン部分80を除去した後の状態を示す模式要部断面図である。ここで図21は先の図20と同じ方向から観察した状態を表した模式要部断面図であり、図22は先の図19と同じ方向から観察した断面を表した模式要部断面図である。
【0083】
図21に示される様に、前記ウエットエッチング工程により、前記単結晶シリコン部分80の多くを除去することができるものの、その全てを除去することは容易ではなかった。
なお、本比較例では、活性領域と素子分離領域との境界面600は保持されたままであり、この境界面600を貫通するリセスを前記素子分離領域側に設けていない。
【0084】
また前記単結晶シリコン部分70を除去する工程の影響により、図22に示される様に、前記素子分離領域40上部にビット線方向(図22では左右方向)に侵食部分410が形成された。
【0085】
図23は実施例1の場合と同様にして得られた前記半導体装置130を示した模式要部断面図である。各参照符号の意味は、図13の場合と同様である。
前記侵食部分410の影響により、素子分離領域上のゲート電極12は裾が広がるため、ノードコンタクト70との間で短絡が生じ、リセスチャネル構造を有するトランジスタの特性低下が観察された。
【0086】
以上、本実施例1〜3と比較例との対比に示される様に、本発明の半導体装置の場合はゲート電極とノードコンタクトとの短絡がなく、またサブチャネルも存在しないことから、前記半導体装置に含まれるリセスチャネル構造を有するトランジスタは良好な特性を示す。
【0087】
また、残存している単結晶シリコン部分80(図20参照)を除去するウエットエッチング工程を別途設ける必要がないことから簡便な工程で本発明の半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第一の実施態様である半導体装置を例示した模式要部平面図である。
【図2】図1の一点破線A−A’の位置により半導体装置を切断した状態を例示した模式要部断面図である。
【図3】活性領域上のゲート電極の部分と素子分離領域上のゲート電極の部分との関係を例示した模式要部断面図である(第一の実施態様)。
【図4】活性領域上のゲート電極の部分と素子分離領域上のゲート電極の部分との関係を例示した模式要部斜視図である(第一の実施態様)。
【図5】活性領域上のゲート電極の部分と素子分離領域上のゲート電極の部分との関係を例示した模式要部断面図である(第二の実施態様)。
【図6】活性領域上のゲート電極の部分と素子分離領域上のゲート電極の部分との関係を例示した模式要部斜視図である(第二の実施態様)。
【図7】活性領域上のゲート電極の部分と素子分離領域上のゲート電極の部分との関係を例示した模式要部断面図である(第三の実施態様)。
【図8】活性領域上のゲート電極の部分と素子分離領域上のゲート電極の部分との関係を例示した模式要部斜視図である(第三の実施態様)。
【図9】本発明の第一の実施態様である半導体装置の製造工程を説明するための模式要部断面図である。
【図10】本発明の第一の実施例である半導体装置の製造工程のうち、素子分離領域に第二のリセスを形成する工程を説明するための模式要部断面図である。
【図11】本発明の第一の実施例である半導体装置の製造工程のうち、活性領域に第一のリセスを形成する工程を説明するための模式要部断面図である。
【図12】第一のリセスおよび第二のリセスとの関係を説明するための模式要部斜視図である。
【図13】本発明の第一の実施例である半導体装置の製造工程を説明するための模式要部断面図である。
【図14】本発明の第二の実施態様である半導体装置の製造工程を説明するための模式要部断面図である。
【図15】第一のリセスおよび前記第二のリセスとの関係を説明するための模式要部斜視図である。
【図16】本発明の第三の実施態様である半導体装置の製造工程を説明するための模式要部断面図である。
【図17】第一のリセスおよび前記第二のリセスとの関係を説明するための模式要部斜視図である。
【図18】比較例である半導体装置の製造工程を説明するための模式要部断面図である。
【図19】比較例である半導体装置の製造工程のうち、活性領域に第一のリセスを形成する工程を説明するための模式要部断面図である。
【図20】図19の一点破線F−F’の位置により半導体装置を切断した断面を示した模式要部断面図である。
【図21】フッ酸を用いたウエットエッチングにより単結晶シリコン部分を除去した後の状態を示す模式要部断面図である。
【図22】フッ酸を用いたウエットエッチングにより単結晶シリコン部分を除去した後の状態を示す模式要部断面図である。
【図23】比較例の半導体装置を示した模式要部断面図である。
【図24】半導体装置に通常含まれるトランジスタの模式要部斜視図である。
【図25】フィンチャネル構造を有するトランジスタの模式部分要部斜視図である。
【図26】改良したフィンチャネル構造を有するトランジスタの模式部分要部斜視図を示したものである。
【図27】改良したフィンチャネル構造を有するトランジスタの模式部分要部断面図を示したものである。
【図28】リセスチャネル構造を有するトランジスタの模式部分要部断面図を示したものである。
【符号の説明】
【0089】
1 半導体シリコン基板
2 ソース領域
3 ドレイン領域
4,41 素子間分離膜
5 ゲート絶縁膜
6 ゲート電極
6a 活性領域上のゲート電極
10 ワード線
12 素子分離領域上のゲート電極
20 ビット線
30,B 活性領域
40,A 素子分離領域
42,44,66 絶縁膜
46 フォトレジスト層
48 開口部
60,61 ポリシリコン
62,63 タングステン等の金属
64 サイドウォール
70 ノードコンタクト
72 ビットコンタクト
80 単結晶シリコン部分
100 従来のトランジスタ
101,102 フィンチャネル構造を有するトランジスタ
103,200 リセスチャネル構造を有するトランジスタ
110 第一の実施態様である半導体装置
120 第二の実施態様である半導体装置
130 第三の実施態様である半導体装置
140 比較例の半導体装置
300,301,302 第一のリセス
400,401,402 第二のリセス
500,600 活性領域と素子分離領域との境界面
L チャネル長
W チャネル幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体シリコン基板と、
前記半導体シリコン基板の表面領域に設けられた活性領域および素子分離領域と、
前記活性領域に設けられた第一のリセスと、
前記素子分離領域に設けられた第二のリセスと、
リセスチャネル構造を有するトランジスタと、
を少なくとも有する半導体装置であって、
前記トランジスタは、前記第一のリセス内部に接して設けられたゲート絶縁膜、前記ゲート絶縁膜に接して設けられたゲート電極、および前記活性領域であって前記ゲート電極の両側に設けられた一対のN型拡散層を含むソース・ドレイン領域を有し、
前記ゲート電極は、前記第一のリセス内部に設けられた部分に加えて、前記第二のリセス内部に設けられた部分を有し、
前記第一のリセス内部に設けられた前記ゲート電極の部分と、前記第二のリセス内部に設けられた前記ゲート電極の部分とは、前記活性領域と前記素子分離領域との境界面と同一の面で互いに電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第二のリセスの深さが、前記半導体シリコン基板表面を基準として、前記第一のリセスの深さの70〜300%の範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第一のリセス内部に設けられた前記ゲート電極の部分は、前記活性領域と前記素子分離領域との境界面と同一の面に接する部分のうち、70〜100%の面積が前記第二のリセス内部に設けられた前記ゲート電極の部分と互いに電気的に接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載された半導体装置を製造する方法であって、
活性領域同士を電気的に分離するための素子分離領域を半導体シリコン基板に形成する工程(1)と、
前記素子分離領域に第二のリセスを形成する工程(2)と、
前記活性領域に第一のリセスを形成する工程(3)と、
前記第一のリセス内部にゲート絶縁膜を形成した後に、前記第二のリセス内部および前記第一のリセス内部を含む全面に導電材料を成膜した後にパターニングし、これをゲート電極とする工程(4)と、
を少なくとも有する、半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記半導体シリコン基板の表面を基準として、前記第二のリセスの深さが、前記第一のリセスの深さの70〜300%の範囲となる様に、前記第一のリセスと前記第二のリセスとが互いに連結されていることを特徴とする、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第一のリセスと前記第二のリセスとが、互いに連結されている面を基準として、前記第一のリセス断面の70〜100%の面積が前記第二のリセス断面の面積と重複する様に、前記第一のリセスと前記第二のリセスとが互いに連結されていることを特徴とする、請求項4または5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法により得られた半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜3または7のいずれかに記載の半導体装置を搭載した電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2008−244038(P2008−244038A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80777(P2007−80777)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】