説明

半導体装置の製造方法

【課題】ゲート絶縁膜形成工程のような大きな熱負荷を避けて、チャネルの最上面の不純物濃度を薄くした、深さ方向のドーピング・プロファイルを実現し、オン電流が向上する半導体装置の製造方法を提供することである。
【解決手段】 ゲート電極形成後にゲート電極をマスクにして角度10度以下でチャネル不純物をイオン注入し、この後、チャネル不純物の活性化を、基板表面から所定の深さのチャネル不純物濃度がゲート長方向に一定になるように、RTAを用いたアニールで行う、さらに、その後のエクステンション/ハロー注入、深いS/D注入の後の活性化を、拡散レスアニールで行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、基板表面付近のチャネルの不純物濃度を減少させることで高いオン電流が得られる半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタの微細化を進めていく上で、ストッパー窒化膜などによる歪みを用いたオン電流向上技術が研究されている。しかしながら、歪みによるオン電流向上技術は、トランジスタの素の特性が良いことが前提であり、トランジスタの真性性能が良くなければ、歪みによるオン電流向上技術も十分生かされない。このような理由で、トランジスタの真性性能としてのオン電流(歪みをかける前のオン電流)を高めることは、今、なお重要である。
【0003】
そのような技術の一つとして、レトログレード・チャネルに見られるような、チャネルの最上面付近の不純物濃度をさげて、イオン化不純物散乱を抑制し、オン電流を向上させようとする試みがある。このような試みとしては、例えば、特許文献1に示されるように、イオン注入によってチャネルの深さ方向のドーピング・プロファイルを制御する例、特許文献2に示されるように、シリコンのエピタキシャル成長によって、低不純物濃度の(真性の)チャネルを作ろうとする例がある。
【0004】
一方、チャネルに不純物を導入するタイミングについては、特許文献1や2のように、ゲート絶縁膜形成前にイオン注入を行うのが一般的であるが、ゲート電極形成後にチャネルに不純物をイオン注入する例もある。例えば、特許文献3から6の例である。これらは、ゲート電極形成後にチャネル不純物を斜めイオン注入している。
【0005】
特許文献3では、ゲート中央部下のチャネル不純物濃度を濃くするために、p型のMOSトランジスタにおいて、30度ないし45度でエネルギー100keVのAsを、ゲート電極を貫通させてイオン注入している。特許文献4では、ゲート下にチャネル不純物を拡散させる長時間の熱処理にかえて、n型のMOSトランジスタにおいて、45度でエネルギー150〜200keVのBをイオン注入している。特許文献5では、微細ゲートトランジスタでの短チャネル効果による閾値電圧低下を防ぐ目的で、逆短チャネル効果を引き起こすように、n型のMOSトランジスタにおいて、50度でエネルギー50keVのBをイオン注入する例が記述されている。特許文献6では、p型のMOSトランジスタにおいて、角度40度でエネルギー300keVのPをイオン注入している。
【特許文献1】特開平11―214686号公報
【特許文献2】特開2006―49897号公報
【特許文献3】特開2000―340671号公報
【特許文献4】特開平10―32330号公報
【特許文献5】特開平7―226508号公報
【特許文献6】特開平10―173071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1や2に開示された半導体装置の製造方法では、チャネルの最上面の不純物濃度を薄くした、深さ方向のドーピング・プロファイルを形成した後に、ゲート絶縁膜を形成する工程を行っている。このため、ゲート絶縁膜形成工程でチャネル不純物が大きな熱負荷(サーマル・バジェット)を受け、基板上方に拡散し再分布してしまう。結果として、特許文献1や2の方法では、意図した不純物分布を得ることができなかった。もしくは、その効果(表面の不純物濃度をさげることによるオン電流の向上)が十分得られなかった。
【0007】
特許文献3から6には、チャネルの最上面の不純物濃度を薄くした、深さ方向のドーピング・プロファイルを形成することとは別の目的で、チャネル不純物のイオン注入をゲート電極形成後に行う方法が開示されている。このような方法を用いると、ゲート絶縁膜形成工程の熱負荷を避けることができる。しかし、特許文献3から6の方法では、チャネルの最上面の不純物濃度を薄くした、深さ方向のドーピング・プロファイルを形成することは難しい。なぜなら、イオン注入の角度が大きいために、チャネル注入直後の不純物分布において、既に相当量の不純物が基板表面付近に分布しているからである。その結果、オン電流を向上させることはできない。
【0008】
本発明の目的は、ゲート絶縁膜形成工程の大きな熱負荷を避けて、チャネルの最上面の不純物濃度を薄くした、深さ方向のドーピング・プロファイルを実現し、オン電流が向上する半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[発明の特徴]
本発明の半導体装置の製造方法は、チャネル不純物がRTA(Rapid Thermal Anneal)で活性化される際に拡散する距離の2倍以下のゲート長を有するMOSトランジスタの製造方法であること、ゲート電極形成後にゲート電極をマスクにして角度10度以下でチャネル不純物のイオン注入を行うこと、その後、このイオン注入で導入された不純物の活性化を、基板表面から所定の深さのチャネル不純物濃度がゲート長方向に一定になるように、RTAを用いたアニール(例えば、スパイクアニール、目的の温度に昇温した後、その温度で0秒維持し、降温させるアニール)で行うこと、さらに、その後のエクステンション/ハロー注入、深いS/D(ソース/ドレイン)注入の後の活性化を、拡散レスアニール(例えば、レーザーアニールやフラッシュランプアニール)、もしくは拡散が非常に小さいアニール(例えば、低温アニール)で行うことを特徴とする。
【0010】
[作用]
本発明の半導体装置の製造方法では、ゲート電極をマスクにして角度10度以下でチャネル不純物のイオン注入を行うので、特許文献3から6の角度の大きいチャネル不純物のイオン注入のように、注入直後の不純物分布において、相当量の不純物がゲート電極下の基板表面付近に位置することはない。ただし、ゲート電極下の深いところにもチャネル不純物が導入されていない状態なので、これを防ぐために、熱負荷の小さいRTA(スパイクアニール)で拡散させる。本発明で対象としている半導体装置は、このときの活性化アニールでチャネルの不純物が拡散する距離の2倍以下のゲート長を有するMOSトランジスタなので、RTAを行うと、イオン注入直後にはチャネル不純物が存在しなかった、ゲート電極下の深いところにチャネル不純物が導入される。また、このチャネル不純物の濃度が高くなりすぎると、しきい値電圧の上昇がおこり、オン電流が得られないので、基板表面から所定の深さのチャネル不純物濃度がゲート長方向に一定になることを目安とする。このようなプロセスを行うことで、ゲート絶縁膜作製工程の後で、チャネルの最上面の不純物濃度を薄くした、深さ方向のドーピング・プロファイルを実現できる。さらに、このプロファイルを作製した後、ゲート絶縁膜作製工程を経ず、またエクステンション/ハロー注入、深いS/D(ソース/ドレイン)注入の後の活性化でも、拡散をほとんど生じさせないので、チャネルのプロファイルは維持されたまま、MOSトランジスタが作製できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、MOSトランジスタの真性性能としてのオン電流(歪みをかける前のオン電流)を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[発明の第1の実施の形態]
次に、本発明の第1の実施の形態の製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1から図4は、本発明のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)の製造工程の各段階の状態を示す断面図である。各断面図は、MISFETのゲート長方向(ゲート電極に垂直な方向)の断面を示している。各断面図には、2つのMISFETが示されているが、左側がn型のMISFET、右側がp型のMISFETである。本発明の第1の実施形態は、通常S/Dプロセス(深いS/Dの形成をエクステンション/ハロー形成後に行うプロセス)で形成されるMISFETに、本発明に特徴的な製造方法を用いた例である。
【0014】
最初に、図1(a)に示すように、Si基板1上に、素子分離構造2を作製する。この際には、MISFETの素子分離を作製する際の一般的な手法であるSTI(Shallow Trench Isolation)法を用いる。ないしはLOCOS(Local Oxidation of Silicon)法を用いてもよい。なお、本発明は、通常、Si(100)面を用いることを想定しているが、基板の面方位には限定されないので、Si(110)面などの異なる面を有するSi基板を用いてもよい。またSOI(Silicon on Insulator)基板やSGOI(Silicon Germanium on Insulator)基板でもかまわない。さらにトランジスタのチャネル方向にも限定されない。素子分離構造を作製した後は、リソグラフィーを行って、n型のFET(Field Effect Transistor)となる領域に、pウェル注入を行う。例えば、pウェル注入として、1価のBイオンをエネルギー150keVで8×1012cm−2注入する。注入後には、レジストを剥離し、再びリソグラフィーを行って、p型のFETとなる領域に、nウェル注入を行う。例えば、1価のPイオンをエネルギー350keVで1.5×1013cm−2注入する。その後、レジストを剥離すると、図1(a)の断面形状となる。
【0015】
次に、図1(b)に示すように、シリコン基板1上にゲート絶縁膜5とゲート電極層6を作製する。例えばゲート絶縁膜として、膜厚1.2nmの酸窒化膜を形成する。ゲート絶縁膜5としては、この他に、酸化膜、Ta、Al、HfO、ZrO、ZrON、HfON、HfAlON、HfSiONなどのいわゆるHigh−k膜などを使用してもよい。また、これらの積層膜を用いる場合もある。本実施形態では、以後、ゲート絶縁膜5を酸窒化膜であるとして、説明していく。ゲート絶縁膜5の形成後は、ゲート電極材料を堆積させる。例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、ポリシリコン130nmを堆積させる。ゲート電極層6の材料としては、ポリSiの他に、ポリSiGe、TaN、TiN、W、WNなどの金属、NiSi等を用いたフルシリサイドなどを用いることもできる。また、これらの材料の積層構造としてもよい。本実施形態では、以後、ゲート電極材料をポリSiであるとして、説明していく。
【0016】
その後、図1(c)、(d)に示されるように、ゲート電極材料にプリドーピングを行う。まず、図1(c)に示すように、リソグラフィーを行い、n型FETのゲート電極となる領域に、プレドーピングを行う。プレドーピングは、例えば、1価のPイオンをエネルギー6keVで4×1015cm−2注入することで行う。その後、レジスト18を剥離し、再びリソグラフィーを行って、図1(d)に示すように、p型FETのゲート電極となる領域に、プレドーピングを行う。このプレドーピングは、例えば、1価のBイオンをエネルギー2keVで4×1015cm−2注入することで行う。注入後、レジスト18を剥離する。
【0017】
プレドーピング後は、リソグラフィーを行い、レジストをマスクにHBr/O系のガスを用いて、ゲート電極層6のエッチングを行う。エッチング後、レジストを剥離する。そうすると、図1(e)に示すように、n型FETのゲート電極7、p型FETのゲート電極8が形成された状態となる。
【0018】
その後、RTAにより、ゲートにプレドーピングした不純物を活性化させる。例えば、1030℃のスパイクアニールによって、活性化させる。このRTAは、ゲート電極とゲート絶縁膜の界面に、ゲート空乏化を防ぐだけの十分な不純物を存在させるためである。後述するように、後のプロセスで、チャネルの不純物を活性化させるためにRTAによるアニールを行うが、このアニールは、ゲート電極下のチャネルの不純物濃度を制御するように条件が設定され、ゲート電極の不純物をゲート絶縁膜界面付近にまで拡散させるのには十分でないことがあるので、この段階でアニールを行う。なお、理想的には、後のプロセスで行う、チャネルの不純物を活性化させるためのRTAとあわせた熱負荷で、ゲート電極とゲート絶縁膜の界面にゲート空乏化を防ぐだけの十分な不純物量となるように、このアニールを設定するのがよい。なお、必要であれば、アニールの前に、ゲートにドーピングされた不純物の抜けを防ぐために、オフセットスペーサーを形成する場合がある(未図示)。
【0019】
次に、チャネル部分に不純物を導入し、本発明に特徴的な手法で、チャネルの最上部付近の不純物濃度を薄くした、深さ方向のチャネル・プロファイルを作製する。
まず、図2(f)に示すように、リソグラフィーを行って、n型のFETとなる領域のみにイオン注入できるようにレジストマスク18を形成する。それから、このレジスト18、n型FETのゲート電極7をマスクにして、n型FETのチャネル不純物を導入するために、イオン注入を行う。例えば、1価のBイオンをエネルギー10keVで8×1012cm−2注入する。その後、レジスト18を剥離する。
【0020】
次に、図2(g)に示すように、リソグラフィーを行って、p型のFETとなる領域のみにイオン注入できるようにレジストマスク18を形成する。それから、このレジスト18、p型FETのゲート電極8をマスクにして、n型FETのチャネル不純物を導入するために、イオン注入を行う。例えば、1価のAsイオンをエネルギー70keVで3×1012cm−2注入する。その後、レジスト18を剥離する。
【0021】
そして、図2(h)に示すように、これらの不純物を1000℃のスパイクアニールで活性化させる。また、このスパイクアニール時に、不純物はゲート電極下のチャネル領域に拡散していく。
【0022】
本発明では、図2(f)から(h)に示すように、深さ方向のチャネル・プロファイルの作製をゲート絶縁膜形成後に行う。また、後述するように、このプロファイルを作製した後、このプロファイルがくずれないように、拡散レスのアニール(もしくは拡散の小さなアニール)を用いることを原則とする。そのため、特許文献1や2のように、意図したチャネル・プロファイルがその後のプロセスの大きな熱負荷でくずれてしまうことを回避できる。
【0023】
本発明では、n型FETとp型FETのチャネル不純物を導入する際に、特許文献3から6とは異なり、そのイオン注入の角度を10度以下とし、垂直、もしくは垂直に近い角度でイオン注入する。この理由を、図5(a)から(c)に模式的に示す(図5ではn型のFETを例に示す)。イオン注入の角度だけを垂直から斜めに変えていくと、ゲート電極7をマスクにイオン注入しても、ゲート電極7下の領域にチャネル不純物が導入されるようになり、かつ、その深さが浅くなっていく。本発明の目的は、オン電流向上のために、チャネル領域の最上面付近の不純物濃度を薄くすることである。角度の大きいイオン注入を行うと、注入直後の不純物分布において、既にチャネル領域の最上面付近に相当量の不純物が存在してしまい、目的とする深さ方向のドーピング・プロファイルを作製できない。したがって、本発明では、チャネル不純物を導入する際のイオン注入の注入角度を10度以下とする。ただし、角度10度以下のイオン注入を行った直後の不純物分布では、図5(a)に示すように、ゲート電極7下の領域の浅いところにも深いところにも、(pウェル形成のための導入した不純物を除いて)不純物が存在せず、このままの状態では、短チャネル効果が顕著に現れ、微細なMOSトランジスタが動作しない。このため、ゲート電極7下の領域の深いところには、不純物を導入する必要がある。
【0024】
このために、図2(h)でスパイクアニールを行い、不純物を活性化させるとともに、拡散させる。その結果、本発明では、図6(a)のようなチャネル不純物の分布を実現する。
【0025】
図6(a)は、n型のFETを例に、図2(h)後の不純物プロファイルを模式的に示したものである。図6(a)断面図中のA、B、C、Dの各点は、図6(a)の不純物濃度を示す各グラフの位置に対応する。A、Bの各点は、ソース側、もしくはドレイン側の領域において、深さ方向にチャネル不純物濃度が最大になる点を示している。C点は、ゲート電極7の中央直下のチャネル領域でゲート絶縁膜5に接する部分、D点は、ゲート7の中央直下のチャネル領域で深い部分を示している。
【0026】
本発明では、図2(h)で適当な熱負荷のアニールを行うことで、図6(a)に示すように、ゲート電極7下の深いところの不純物濃度がゲート長方向(A点からB点の方向)にほぼ一定になるような不純物分布を実現する(発明者らの実験では、例えばpMOSでA点からB点の方向のゲート電極7の中央下で50%、不純物濃度が高まると、しきい値電圧の絶対値が0.05V以上大きくなり、本発明がねらっているオン電流向上の効果が得られないので、 A点からB点の方向の不純物濃度の変化は、少なくとも+−30%以内とし、できるかぎり一定になるような不純物分布に近づけることが好ましい)。このとき、ゲート電極7下の深さ方向(C点からD点の方向)のチャネル・プロファイルは、チャネル領域の最上面付近の不純物濃度が薄くなったプロファイルとなる。このようなプロファイルを作製し、後述のプロセスを行うことで、本発明の目的であるオン電流の向上が実現される。
【0027】
本発明では、図2(h)で行うアニールの拡散距離とゲート長の関係が重要である。
【0028】
図2(h)で行うアニールの拡散距離がゲート長の1/2よりもずっと小さい場合、図6(b)のようになる(図6(b)は、ゲート長の方を大きくして、アニールによる拡散距離とゲート長の相関関係を図示している)。この場合、ゲート電極7下の領域に不純物が存在せず、短チャネル効果が顕著になり、しきい値電圧の大幅な低下が生じてしまう。
【0029】
一方、図2(h)で行うアニールの拡散距離がゲート長の1/2よりずっと大きい場合、図6(c)のような不純物分布となる(図6(c)は、ゲート長の方を小さくして、アニールによる拡散距離とゲート長の相関関係を図示している)。この場合、ゲート電極下のチャネル領域の最上面付近の不純物濃度が濃くなりすぎて、しきい値電圧が上昇し、ゲート電極7にかける電圧を所定の電源電圧と同じ電圧としたときのオン電流が低下してしまう。したがって、図6(a)のような状況を実現することが重要である。
【0030】
特開昭60―058673号公報においては、アニールによってゲート電極7下にチャネル不純物を拡散させる方法が記述されている。特開昭60―058673号公報では、図3において、本発明の図6(c)に相当する不純物分布を実現することが記述され、短チャネル効果によるしきい値電圧の低下を抑制できることが述べられている。しかしながら、特開昭60―058673号公報の場合、上記で説明したように、ゲート下のチャネル領域の最上面付近の不純物濃度が高くなり、本発明のようにオン電流を向上させることができない。本発明では、短チャネル効果によるしきい値電圧の低下は、後述のプロセスのエクステンション注入の低エネルギー化、もしくはハロー注入の採用により抑制し、チャネル不純物の分布は、特開昭60―058673号公報の図3(本発明の図6(c))のようなプロファイルではなく、本発明の図6(a)のようなプロファイルとし、これにより、オン電流の増加という、特開昭60―058673号公報では得られない効果を実現する。
【0031】
上記の説明から推測されるように、同じチップ内に異なるゲート長のMOSトランジスタが存在する場合、そのすべてに本発明の方法を適用することはできない。一般的に、集積回路のチップには、コアのトランジスタとI/Oのトランジスタの2種類のトランジスタが存在しており、それぞれのゲート長はチップ内で同じであり、回路の主要部を構成するコアのトランジスタのゲート長の方が小さい。このような場合、本発明は、このコアのトランジスタに適用される。I/Oのトランジスタについては、そのチャネル不純物の注入は、従来の作成方法と同様に、図1(c)、(d)のウェル注入時に同時に実施される。
【0032】
なお、CMOS集積回路においては、n型FETとp型FETが存在し、これらのチャネルに用いられる不純物は異なる。したがって、図2(h)のスパイクアニールで拡散する距離は、n型FETのチャネルに用いられる不純物とp型FETのチャネルに用いられる不純物で異なる。このため、次に示すような方法で、図2(f)、(g)のイオン注入直後のプロファイルを調整する。例として、n型FETのチャネルに用いられる不純物がBでp型FETのチャネルに用いられる不純物がAsの場合を考える。
【0033】
まず、最初の方法は、図2(f)、(g)のイオン注入の角度を変えることである。BとAsでは、拡散定数はBの方が大きいので、例えば、図2(f)のAsのイオン注入は5度の斜め注入とし、図2(g)のBのイオン注入は垂直注入とする。2番目の方法は、n型FETのチャネルに用いられる不純物とp型FETのチャネルに用いられる不純物でRTA(スパイクアニール)の条件を変えることである。このためには、図2(f)のように、p型FETのチャネルに用いられるチャネル不純物のAsを先に注入し、この後、一度RTA(スパイクアニール)を行う(未図示)。次に、図2(g)のように、n型FETのチャネルに用いられるチャネル不純物のBを注入し、RTA(スパイクアニール)を行う。BのRTA(スパイクアニール)条件にあわせると、Asの拡散距離が不足するので、あらかじめこの不足分に相当する拡散を、p型FETのチャネルに用いられるチャネル不純物のAsを注入した後のRTA(スパイクアニール)で補っておく。3番目の方法は、n型FETとp型FETのオフセットスペーサーの厚みを変えることである。例えば、図2(f)で、p型FETのチャネル不純物をイオン注入しレジスト剥離した後、膜厚4nmのオフセットスペーサーを作製する。こうすることで、p型FETのチャネル不純物(As)のイオン注入の際は、オフセットスペーサー0nmで注入し、n型FETのチャネル不純物(B)のイオン注入の際は、オフセットスペーサー4nmで注入することができる。ただし、オフセットスペーサーは、エクステンション設計の際にも用いられる重要なパラメータである。本発明のチャネル注入の際のオフセットスペーサーの条件と、エクステンション設計の際のオフセットスペーサーの条件とは、必ずしも一致しないため、これらの3つの手法では、1番目と2番目の方法のいずれか、もしくは1番目と2番目の方法の組み合わせが好ましい。
【0034】
図2(f)から(h)のようにして、チャネル部分に不純物を導入し、本発明に特徴的な手法で、チャネルの最上部付近の不純物濃度を薄くした、深さ方向のチャネル・プロファイルを作製した後は、通常の方法で、MOSトランジスタのプロセスを進める。なお、以下の図3と図4では、図面を見やすくするため、図2(h)で示したチャネルの不純物分布は、省略する。
【0035】
まず、図3(i)に示すように、リソグラフィーを行って、n型のFETとなる領域のみにイオン注入できるようにレジストマスク18を形成する。それから、このレジスト18、n型FETのゲート電極7をマスクにして、n型FETのS/Dエクステンション電極領域12を形成するために、イオン注入を行う。例えば、1価のAsイオンをエネルギー2keVで5×1014cm−2注入する。その後、レジスト18を剥離する。なお、図3(n)には図示していないが、n型FETのS/Dエクステンション電極領域12を形成するイオン注入の前もしくは後に、ポケット領域を形成するためのイオン注入を行う場合がある。例えば、1価のBF2イオンを2×1013cm−2イオン注入する。
【0036】
次に、図3(j)に示すように、リソグラフィーを行って、p型のFETとなる領域のみにイオン注入できるようにレジストマスク18を形成する。それから、このレジスト18、p型FETのゲート電極8をマスクにして、p型FETのS/Dエクステンション電極領域13を形成するために、イオン注入を行う。例えば、1価のBイオンをエネルギー0.5keVで5×1014cm−2注入する。その後、レジスト18を剥離する。なお、図3(o)には図示していないが、p型FETのS/Dエクステンション電極領域13を形成するイオン注入の前もしくは後に、ポケット領域を形成するためのイオン注入を行う場合がある。例えば、1価のAsイオンを2×1013cm−2イオン注入する。
【0037】
それから、図3(k)で示すように、レーザーアニールにより、図3(i)、(j)で導入した不純物を活性化させる。例えば、波長10.6μmの炭酸ガスレーザーを用いて、温度1330℃で活性化させる。
【0038】
その後、図3(l)で示すように、サイドウォール9を作製する。それにはまず、ゲートサイドウォールとなる絶縁膜を堆積させる。例えば、CVD法を用いて酸化膜50nmを堆積させる。その後、サイドウォール絶縁膜として堆積させた材料をエッチバックし、ゲートサイドウォール9を形成する。なお、サイドウォール絶縁膜としては、窒化膜を用いてもよく、酸化膜と窒化膜の積層膜を用いることも可能である。なお、サイドウォール絶縁膜を堆積させる際には、その温度を750℃以下、好ましくは650℃以下、さらに可能ならば550℃以下にする。これは、レーザーアニールによって高活性化された不純物の不活性化を防ぐためである。
【0039】
その後、図4(m)に示すように、リソグラフィーを行って、n型のFETとなる領域のみにイオン注入できるようにレジストマスク18を形成する。それから、このレジスト18、n型FETのゲート電極7、ゲートサイドウォール9をマスクにして、n型FETの深いS/D電極領域10を形成するために、イオン注入を行う。例えば、1価のAsイオンをエネルギー12keVで3×1015cm−2注入する。その後、レジスト18を剥離する。
【0040】
次に、図4(n)に示すように、リソグラフィーを行って、p型のFETとなる領域のみにイオン注入できるようにレジストマスク18を形成する。それから、このレジスト18、p型FETのゲート電極8、ゲートサイドウォール9をマスクにして、p型FETの深いS/D電極領域11を形成するために、イオン注入を行う。例えば、1価のBイオンをエネルギー2keVで3×1015cm−2注入する。その後、レジスト18を剥離する。
【0041】
それから、図4(o)で示すように、レーザーアニールにより、図7(m)、(n)で導入した不純物を活性化させる。例えば、波長10.6μmの炭酸ガスレーザーを用いて、温度1330℃で活性化させる。
【0042】
最後に、図4(p)で示すように、深いS/D電極領域に、シリサイドを形成する。例えば、膜厚20nmのNiシリサイドを形成する。なお、シリサイドは、Niシリサイドに限定されるものでなく、TiシリサイドやCoシリサイド、Pdシリサイド、Ptシリサイド、Erシリサイドであってもかまわない。また、金属合金のシリサイド(例えばNiPtシリサイド)でもよい。その後、ストッパー絶縁膜、層間絶縁膜を堆積させて、リソグラフィーとエッチングを行い、コンタクトホールを形成し、金属を埋め込んでコンタクトを形成する(未図示)。コンタクトに用いる金属としては、W、Al、TiN、Ti、Cuや、これら金属の積層膜を用いる。その後、配線工程を400℃以下の温度で行い、デバイスが完成する。
【0043】
このようにして形成したMOSトランジスタのオン電流は、チャネル注入をゲート絶縁膜形成前に行い、均一な不純物チャネル濃度を持つMOSトランジスタと比較して、オン電流が5−10%程度増加した。
【0044】
なお、本発明の手法は、不純物の種類により限定されない。例えば、上記の説明でn型FETのチャネル領域に導入するする不純物として、Bを例に説明したが、Inでも可能であるし、BとInの両方の不純物を同時に用いることも可能である。またB1014やB1822などのクラスターをイオン注入してもよい。
【0045】
また、上記では、図3(k)と図4(o)のアニールとして、炭酸ガスレーザーによるレーザーアニールを用いた例を説明したが、アニールの種類はこれに限定されない。例えば、波長810nmの半導体レーザーを用いたレーザーアニールや、波長1064nmのYAGレーザーを用いたレーザーアニール、フラッシュランプアニール、RTAを用いた低温アニール(例えば600℃30秒)などでも可能である。また、これらのアニールの組み合わせ(例えば、低温アニールを実施した後レーザーアニールを行うアニール処理)でもよい。さらに、図3(k)と図4(o)で同じ種類のアニールを用いる必要もない。重要なのは、図3(k)と図4(o)のアニールにおいて、図2で作製したプロファイルを崩さないような、拡散レスのアニール、もしくは拡散のきわめて小さいアニールを用いることである。
【0046】
以上のようなプロセスを経て、CMOSトランジスタを作製することにより、従来の製造方法(ゲート絶縁膜形成前にチャネル注入を行い、均一なチャネル不純物密度を有する場合)に比較して、5%以上のオン電流の向上が得られる。
【0047】
[発明の第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態の製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0048】
図7から図8は、本発明のMISFETの製造工程の各段階の状態を示す断面図である。各断面図は、MISFETのゲート長方向(ゲート電極に垂直な方向)の断面を示している。各断面図には、2つのMISFETが示されているが、左側がn型のMISFET、右側がp型のMISFETである。本発明の第2の実施形態は、逆転S/Dプロセス(深いS/Dの形成をエクステンション/ハロー形成前に行うプロセス)で形成されるMISFETに、本発明に特徴的な製造方法を用いた例である。
【0049】
本実施形態の製造方法では、まず、第1の実施形態の図1(a)から(e)までの工程を行う。
【0050】
次に、図7(f)に示すように、ゲートサイドウォールを作製する。それにはまず、ゲートサイドウォールとなる絶縁膜を堆積させる。例えば、窒化膜50nmを堆積させる。その後、サイドウォール絶縁膜として堆積させた材料をエッチバックし、ゲートサイドウォール9を形成する。なお、サイドウォール絶縁膜としては、酸化膜を用いてもよく、酸化膜と窒化膜の積層膜を用いることも可能である。
【0051】
この後、図7(g)〜(i)に示すように、深いS/D電極領域の形成と活性化を行う。
まず、図7(g)に示すように、リソグラフィーを行って、n型のFETとなる領域のみにイオン注入できるようにレジストマスク18を形成する。それから、このレジスト18、n型FETのゲート電極7、ゲートサイドウォール9をマスクにして、n型FETの深いS/D電極領域10を形成するために、イオン注入を行う。例えば、1価のAsイオンをエネルギー8keVで3×1015cm−2注入する。その後、レジスト18を剥離する。
【0052】
次に、図7(h)に示すように、リソグラフィーを行って、p型のFETとなる領域のみにイオン注入できるようにレジストマスク18を形成する。それから、このレジスト18、p型FETのゲート電極8、ゲートサイドウォール9をマスクにして、p型FETの深いS/D電極領域11を形成するために、イオン注入を行う。例えば、1価のBイオンをエネルギー1.2keVで3×1015cm−2注入する。その後、レジスト18を剥離する。
【0053】
深いS/D電極領域を形成した後は、図7(i)に示すように、サイドウォール絶縁膜9を除去する。サイドウォール絶縁膜9として、窒化膜を用いている場合には、リン酸を用いて除去する。
【0054】
この後、第1の実施形態の図2(f)から図2(h)と同様に、チャネル部分に不純物を導入し、本発明に特徴的な手法で、チャネルの最上部付近の不純物濃度を薄くした、深さ方向のチャネル・プロファイルを作製する。必要であれば、図2(f)の前にオフセットスペーサーを作製することもある。図2(h)では、第1の実施形態の場合、チャネルの不純物を活性化していたが、本実施形態では、このアニールで、深いS/D電極の不純物も同時に活性化させる。
【0055】
それから図8(j)〜(l)に示すように、エクステンション電極領域の形成と活性化を行う。
【0056】
まず、図8(j)に示すように、リソグラフィーを行って、n型のFETとなる領域のみにイオン注入できるようにレジストマスク18を形成する。それから、このレジスト18、n型FETのゲート電極7をマスクにして、n型FETのS/Dエクステンション電極領域12を形成するために、イオン注入を行う。例えば、1価のAsイオンをエネルギー2keVで5×1014cm−2注入する。その後、レジスト18を剥離する。なお、図8(j)には図示していないが、n型FETのS/Dエクステンション電極領域12を形成するイオン注入の前もしくは後に、ポケット領域を形成するためのイオン注入を行う場合がある。例えば、1価のBF2イオンを1×1013cm−2イオン注入する。
【0057】
次に、図8(k)に示すように、リソグラフィーを行って、p型のFETとなる領域のみにイオン注入できるようにレジストマスク18を形成する。それから、このレジスト18、p型FETのゲート電極8をマスクにして、p型FETのS/Dエクステンション電極領域13を形成するために、イオン注入を行う。例えば、1価のBイオンをエネルギー0.5keVで5×1014cm−2注入する。その後、レジスト18を剥離する。なお、図8(k)には図示していないが、p型FETのS/Dエクステンション電極領域13を形成するイオン注入の前もしくは後に、ポケット領域を形成するためのイオン注入を行う場合がある。例えば、1価のAsイオンを1×1013cm−2イオン注入する。
【0058】
その後、図8(l)で示すように、レーザーアニールにより、図8(j)、(k)で導入した不純物を活性化させる。例えば、波長10.6μmの炭酸ガスレーザーを用いて、温度1330℃で活性化させる。
【0059】
この後、図8(m)で示すように、第2のサイドウォール14を作製する。それにはまず、ゲートサイドウォールとなる絶縁膜を堆積させる。例えば、酸化膜50nmを堆積させる。その後、サイドウォール絶縁膜として堆積させた材料をエッチバックし、ゲートサイドウォール14を形成する。なお、サイドウォール絶縁膜としては、窒化膜を用いてもよく、酸化膜と窒化膜の積層膜を用いることも可能である。なお、サイドウォール絶縁膜を堆積させる際には、その温度を750℃以下、好ましくは650℃以下、さらに可能ならば550℃以下にする。これは、レーザーアニールによって高活性化された不純物の不活性化を防ぐためである。
【0060】
最後に、図8(n)で示すように、深いS/D電極領域に、シリサイドを形成する。例えば、膜厚20nmのNiシリサイドを形成する。なお、シリサイドは、Niシリサイドに限定されるものでなく、TiシリサイドやCoシリサイド、Pdシリサイド、Ptシリサイド、Erシリサイドであってもかまわないし、NiPtシリサイドのように、これらの金属合金のシリサイドであってもかまわない。その後、ストッパー絶縁膜、層間絶縁膜を堆積させて、リソグラフィーとエッチングを行い、コンタクトホールを形成し、金属を埋め込んでコンタクトを形成する(未図示)。コンタクトに用いる金属としては、W、Al、TiN、Ti、Cuや、これら金属の積層膜を用いる。その後、配線工程を400℃以下の温度で行い、デバイスが完成する。
【0061】
本実施形態の場合、逆転プロセスを用いているので、工程数は若干増加するものの、第2のサイドウォール14形成のための絶縁膜の堆積が低温で行えるため、その分、MOSトランジスタのエクステンションのプロファイルが深くなりにくく、短チャネル効果を抑制しやすい。また、同様の理由でチャネルのプロファイルもくずれにくいので、高いオン電流も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造方法を示す工程図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造方法を示す工程図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造方法を示す工程図。
【図4】本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造方法を示す工程図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造方法において、チャネルの不純物をイオン注入する際の、注入角度による不純物分布の違いを表す模式図。
【図6】本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造方法において、チャネルの不純物をイオン注入し、活性化させた後の、不純物分布の違いを表す模式図。
【図7】本発明の第2の実施の形態の半導体装置の製造方法を示す工程図。
【図8】本発明の第2の実施の形態の半導体装置の製造方法を示す工程図。
【符号の説明】
【0063】
1 シリコン基板
2 素子分離絶縁膜
3 pウェル
4 nウェル
5 ゲート絶縁膜
6 ゲート電極層
7 n型FETのゲート電極
8 p型FETのゲート電極
9 サイドウォール絶縁膜(第1のサイドウォール絶縁膜)
10 n型FETの深いS/D電極
11 p型FETの深いS/D電極
12 n型FETのS/D・エクステンション電極
13 p型FETのS/D・エクステンション電極
14 サイドウォール絶縁膜(第2のサイドウォール絶縁膜)
15 シリサイド
16 ランプ光
17 レーザー光
18 レジスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成された、ゲート電極の直下にチャネル領域が形成されてなるMISトランジスタの製造方法であって、前記チャネル領域の形成を前記ゲート電極形成後にゲート電極をマスクにして角度10度以下でチャネル不純物をイオン注入し、この後、チャネル不純物の活性化を、基板表面から所定の深さのチャネル不純物濃度がゲート長方向に一定になるように、RTAによるアニールで行い、さらに、その後導入された不純物の活性化を、拡散レスアニールで行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
半導体基板上に形成された、ゲート電極の直下にチャネル領域が形成されてなるMISトランジスタの製造方法であって、前記チャネル領域の形成を前記ゲート電極形成後にゲート電極をマスクにして角度10度以下でチャネル不純物をイオン注入し、この後、チャネル不純物の活性化を、基板表面から所定の深さのチャネル不純物濃度がゲート長方向にプラスマイナス30%の変動の範囲内になるように、RTAによるアニールで行い、さらに、その後導入された不純物の活性化を、拡散レスアニールで行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
CMOSトランジスタの製造方法であって、n型FETのチャネル不純物をイオン注入する角度とp型FETのチャネル不純物をイオン注入する角度が異なることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置製造方法。
【請求項4】
CMOSトランジスタの製造方法であって、p型FETのチャネル不純物をn型FETのチャネル不純物より前にイオン注入し、かつp型FETのチャネル不純物のイオン注入後とn型FETのチャネル不純物のイオン注入後の2回、RTAによるアニールを行うことを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置製造方法。
【請求項5】
RTAによるアニールとして、950℃以上のスパイクアニールを用いることを特徴とする請求項1から4の何れか一の請求項に記載の半導体装置製造方法。
【請求項6】
拡散レスアニールとして、炭酸ガスレーザーによるレーザーアニール、半導体レーザーによるレーザーアニール、フラッシュランプアニールのいずれかを用いることを特徴とする請求項1から4のいずれか一の請求項に記載の半導体装置製造方法。
【請求項7】
MISFETの作製プロセスの内、S/Dエクステンション電極領域を先に作製し、その後に深いS/D電極領域を作製するプロセス(通常S/Dプロセス)において、そのチャネル領域の形成に適用される、請求項1から6の何れか一の請求項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
MISFETの作製プロセスの内、深いS/D電極領域を先に作製し、その後にS/Dエクステンション電極領域を作製するプロセス(逆転S/Dプロセス)において、そのチャネル領域の形成に適用される、請求項1から6の何れか一の請求項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−147032(P2010−147032A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54234(P2007−54234)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】