説明

NAND型不揮発性メモリのデータ消去方法

【課題】NAND型不揮発性メモリを提供する。
【解決手段】ビット線と、ソース線と、複数の不揮発性メモリが直列に接続されたNAND型セルと、選択トランジスタと、を有し、不揮発性メモリは、第1の絶縁膜を介した半導体上の電荷蓄積層と、第2の絶縁膜を介した電荷蓄積層上の制御ゲートと、を有し、NAND型セルの一方の端子は、選択トランジスタを介して、ビット線に接続され、NAND型セルの他方の端子は、ソース線に接続されたNAND型不揮発性メモリであって、第1の絶縁膜は、半導体に酸素雰囲気で高密度プラズマ処理を行った後、窒素雰囲気で高密度プラズマ処理を行うことで形成されるNAND型不揮発性メモリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不揮発性半導体記憶装置におけるNAND型不揮発性メモリのデータの消去方
法に関する。より詳細には、電気的な書き込み及び電気的な消去を行う不揮発性半導体記
憶装置(不揮発性メモリ、またはEEPROM(Electrically Erasa
ble and Programmable Read Only Memory))に
おけるNAND型不揮発性メモリのデータの消去方法に関し、1ビット毎電気的な消去可
能なEEPROM、フラッシュメモリなどをその範疇に含む。
【背景技術】
【0002】
データを電気的に書き換え可能であり、電源を切ってもデータを記憶しておくことのでき
る不揮発性メモリの市場が拡大している。不揮発性メモリは、MOSFET(Metal
Oxide Semiconductor Field Effect Transi
stor)と類似の構造を有し、電荷を長期間蓄積することのできる領域がチャネル形成
領域上に設けられているところに特徴がある。この電荷蓄積領域は絶縁層上に形成され、
周囲と絶縁分離されていることから浮遊ゲートとも呼ばれている。浮遊ゲート上には、さ
らに絶縁層を介して制御ゲートを備えている。
【0003】
このような構造を有する所謂浮遊ゲート型の不揮発性メモリは、制御ゲートに印加する電
圧により、浮遊ゲートに電荷を蓄積させ、また放出させる動作が行われる。すなわち浮遊
ゲートに保持させる電荷の出し入れにより、データを記憶する、または消去する仕組みに
なっている。具体的に、浮遊ゲートへの電荷の注入や引き抜きは、半導体基板のチャネル
形成領域と、制御ゲートの間に高電圧を印加して行われている。このときチャネル形成領
域上の絶縁層には、ファウラー−ノルドハイム(Fowler−Nordheim)型(
F−N型)トンネル電流や、熱電子が流れると言われている。このことより当該絶縁層は
、トンネル絶縁層とも呼ばれている。
【0004】
浮遊ゲート型の不揮発性メモリは、信頼性を保証するために、浮遊ゲートに貯えた電荷を
10年以上保持できる特性が要求されている。そのためトンネル絶縁層には、トンネル電
流が流れる厚さで形成しつつ、電荷が漏れてしまわないように、高い絶縁性が求められて
いる。
【0005】
また、トンネル絶縁層上に形成される浮遊ゲートは、チャネル形成領域が形成される半導
体と同じ半導体材料であるシリコンで形成されている。例えば、浮遊ゲートを多結晶シリ
コンで形成する方法が普及しており、例えば400nmの厚さにポリシリコン膜を堆積し
て形成したものが知られている(特許文献1参照)。
【0006】
この浮遊ゲート(以下、本明細書においては電荷蓄積層ともいう)を有し、電荷蓄積層に
電荷を注入または電荷蓄積層から電荷を放出することで書き換え可能な不揮発性メモリを
EEPROMと呼んでいる。また、不揮発性メモリの電荷蓄積層に注入した電荷を放出す
る動作を不揮発性メモリにおけるデータの消去と呼ぶ。そして、不揮発性メモリの一メモ
リセルにおける全ての不揮発性メモリ素子の電荷蓄積層の電荷を放出することで、電気的
に一括してデータを消去する駆動を用いたメモリをフラッシュメモリと呼んでいる。
【0007】
フラッシュメモリである不揮発性メモリの代表的なセル構成として、NOR型不揮発性メ
モリ及びNAND型不揮発性メモリがある。どちらの不揮発性メモリも一括消去動作を採
用している。図30には、一般的なNAND型不揮発性メモリの構成例を示す。図30に
おいて、基板はN型の単結晶シリコン基板を用いており、周辺回路部(ロジック部ともい
う)のPウェル3001とメモリセル(不揮発性メモリ素子部ともいう)のPウェル30
02を分離して形成している。
【0008】
それにより、不揮発性メモリの一括消去の時には、すべての不揮発性メモリ素子の制御ゲ
ートを同一電位にし、浮遊ゲートの電荷が十分抜けるまで、メモリセルのPウェルの端子
に、制御ゲートよりも高いプラスの電圧を印加することで実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−58685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、不揮発性メモリ素子における電荷蓄積層の電荷を放出させるのに、メモリ
セルのPウェルまたはNウェルなどに電圧を印加する方法を用いると、同一のPウェル単
位またはNウェル単位での消去しかできなくなる。また、Pウェル単位またはNウェル単
位の電位を消去時だけ大きく変動させるため、容量結合した部分間の誤動作、トランジス
タのしきい値電圧の変動、または不揮発性メモリ素子のしきい値電圧の変動などの要因と
なっていた。
【0011】
そこで本発明では、大容量化に適したNAND型不揮発性メモリのデータの消去方法とし
て、PウェルまたはNウェルなどの基板端子を用いないで、不揮発性メモリ素子における
電荷蓄積層に注入された電荷を放出する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の諸問題を解決するため、本発明は複数の不揮発性メモリ素子が直列に接続され、一
方の端子が選択トランジスタを介してビット線に接続され、他方の端子がソース線に接続
されるNAND型不揮発性メモリにおけるデータの消去方法において、不揮発性メモリ素
子における電荷蓄積層に格納された電荷の放出について、ビット線、ソース線、及び制御
ゲートに電位を印加することにより行う構成とする。そして、不揮発性メモリ素子におけ
る電荷蓄積層に格納された電荷の放出を、電荷を放出する不揮発性メモリ素子のソース端
子、ドレイン端子、及び制御ゲートに電位を印加することにより行うことを特徴とする。
以下、本発明の具体的な構成について示す。
【0013】
本発明のNAND型不揮発性メモリのデータ消去方法の一は、ビット線と、ソース線と、
複数の不揮発性メモリを有し、複数の不揮発性メモリが直列に接続されたNAND型セル
と、選択トランジスタと、を有し、不揮発性メモリは、第1の絶縁膜を介した半導体膜上
の電荷蓄積層と、第2の絶縁膜を介した電荷蓄積層上の制御ゲートを有し、NAND型セ
ルの一方の端子は、選択トランジスタを介して、ビット線に接続され、NAND型セルの
他方の端子は、ソース線に接続されたNAND型不揮発性メモリのデータ消去方法であっ
て、NAND型セルにおけるいずれか一の不揮発性メモリにおける電荷蓄積層に格納され
た電荷の放出は、ビット線、ソース線、及び制御ゲートに電位を印加することにより行わ
れる構成とする。
【0014】
また別の本発明のNAND型不揮発性メモリのデータ消去方法の一は、ビット線と、ソー
ス線と、複数の不揮発性メモリを有し、複数の不揮発性メモリが直列に接続されたNAN
D型セルと、選択トランジスタと、を有し、不揮発性メモリは、第1の絶縁膜を介した半
導体膜上の電荷蓄積層と、第2の絶縁膜を介した電荷蓄積層上の制御ゲートを有し、NA
ND型セルの一方の端子は、選択トランジスタを介して、ビット線に接続され、NAND
型セルの他方の端子は、ソース線に接続されたNAND型不揮発性メモリのデータ消去方
法であって、NAND型セルにおけるいずれか一の不揮発性メモリにおける電荷蓄積層に
格納された電荷の放出は、当該不揮発性メモリにおけるソース端子、ドレイン端子、及び
制御ゲートに電位を印加することにより行われる構成とする。
【0015】
また別の本発明のNAND型不揮発性メモリのデータ消去方法の一は、ビット線と、ソー
ス線と、複数の不揮発性メモリを有し、複数の不揮発性メモリが直列に接続された第1の
NAND型セルと、複数の不揮発性メモリを有し、複数の不揮発性メモリが直列に接続さ
れた第2のNAND型セルと、第1の選択トランジスタと、第2の選択トランジスタと、
を有し、不揮発性メモリは、第1の絶縁膜を介した半導体膜上の電荷蓄積層と、第2の絶
縁膜を介した電荷蓄積層上の制御ゲートを有し、第1のNAND型セルの一方の端子は、
第1の選択トランジスタを介して、ビット線に接続され、第1のNAND型セルの他方の
端子は、ソース線に接続され、第2のNAND型セルの一方の端子は、第2の選択トラン
ジスタを介して、ビット線に接続され、第2のNAND型セルの他方の端子は、ソース線
に接続され、第1のNAND型セルにおけるいずれか一の不揮発性メモリ及び第2のNA
ND型セルにおけるいずれか一の不揮発性メモリにおける電荷蓄積層に格納された電荷の
放出は、ビット線、ソース線、及び制御ゲート電極に電位を印加することにより行われる
構成とする。
【0016】
また別の本発明のNAND型不揮発性メモリのデータ消去方法の一は、ビット線と、ソー
ス線と、複数の不揮発性メモリを有し、複数の不揮発性メモリが直列に接続された第1の
NAND型セルと、複数の不揮発性メモリを有し、複数の不揮発性メモリが直列に接続さ
れた第2のNAND型セルと、第1の選択トランジスタと、第2の選択トランジスタと、
を有し、不揮発性メモリは、第1の絶縁膜を介した半導体膜上の電荷蓄積層と、第2の絶
縁膜を介した電荷蓄積層上の制御ゲートを有し、第1のNAND型セルの一方の端子は、
第1の選択トランジスタを介して、ビット線に接続され、第1のNAND型セルの他方の
端子は、ソース線に接続され、第2のNAND型セルの一方の端子は、第2の選択トラン
ジスタを介して、ビット線に接続され、第2のNAND型セルの他方の端子は、ソース線
に接続され、第1のNAND型セルにおけるいずれか一の不揮発性メモリ及び第2のNA
ND型セルにおけるいずれか一の不揮発性メモリにおける電荷蓄積層に格納された電荷の
放出は、当該第1のNAND型セルにおける不揮発性メモリ及び当該第2のNAND型セ
ルにおける不揮発性メモリにおけるソース端子、ドレイン端子、及び制御ゲートに電位を
印加することにより行われる構成とする。
【0017】
また本発明において、電荷蓄積層に格納された電荷の放出は、第1のNAND型セル及び
第2のNAND型セルにおける同じビットのワード線に対応する不揮発性メモリにおける
電荷蓄積層に格納された電荷の放出を行う構成であってもよい。
【0018】
また本発明において、電荷蓄積層は、ゲルマニウムを含む材料で構成されていてもよい。
【0019】
また本発明において、電荷蓄積層は、シリコン、ゲルマニウムを含む窒化物を含む材料で
構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のNAND型不揮発性メモリのデータ消去方法を用いることで、NAND型セルの
中の不揮発性メモリ素子のデータを1つずつ順次消去することができる。そのため、NA
ND型セル内における不揮発性メモリ素子の電荷蓄積層内の電荷を放出するために、ロジ
ック部とメモリセルとのPウェル部(またはNウェル部)の分離を行う必要がなく、低コ
スト化を実現することができる。
【0021】
また、複数のNAND型セル内における不揮発性メモリ素子の電荷蓄積層内の電荷の放出
について、デコーダ回路からの信号により、同じビットに対応するワード線に制御ゲート
が繋がる複数のNAND型セルの不揮発性メモリ素子内の電荷蓄積層における電荷の放出
も同時に行うことができる。すなわち、複数のNAND型セルにおける不揮発性メモリ素
子のデータを同時に消去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の構成に説明する回路図。
【図2】本発明のデータ消去方法を説明するための回路図。
【図3】本発明のデータ消去方法の利点を説明するための図。
【図4】本発明のデータ消去方法におけるデコーダの構成を示す図。
【図5】本発明のデータ消去方法におけるデコーダの走査信号に関する図。
【図6】本発明に用いられる不揮発性メモリセルの断面図。
【図7】本発明に用いられる不揮発性メモリに関する装置図。
【図8】本発明に用いられる不揮発性メモリセルの断面図。
【図9】本発明に用いられる不揮発性メモリを説明するための図。
【図10】本発明に用いられる不揮発性メモリを説明するための図。
【図11】本発明に用いられる不揮発性メモリを説明するための図。
【図12】本発明に用いられる不揮発性メモリを説明するための図。
【図13】本発明に用いられる不揮発性メモリを説明するための図。
【図14】本発明に用いられる不揮発性メモリを説明するための図。
【図15】本発明に用いられる不揮発性メモリを説明するための図。
【図16】本発明に用いられる不揮発性メモリを説明するための図。
【図17】本発明に用いられる不揮発性メモリの回路図。
【図18】本発明に用いられる不揮発性メモリの回路図。
【図19】本発明に用いられる不揮発性メモリの回路図。
【図20】本発明に用いられる不揮発性メモリを説明するための図。
【図21】本発明に用いられる不揮発性メモリセルの断面図。
【図22】本発明に用いられる不揮発性メモリセルの断面図。
【図23】本発明に用いられる不揮発性メモリセルの断面図。
【図24】本発明に用いられる不揮発性メモリセルの断面図。
【図25】本発明に用いられる不揮発性メモリセルの上面図。
【図26】本発明に用いられる不揮発性メモリセルの上面図。
【図27】本発明に用いられる不揮発性メモリセルの上面図。
【図28】本発明に用いられる不揮発性メモリを具備する半導体装置について説明する図。
【図29】本発明に用いられる不揮発性メモリを具備する電子機器について説明する図。
【図30】従来例について不揮発性メモリの断面図。
【図31】本発明の不揮発性メモリを説明するためのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態
様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形
態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施
の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するため
の全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り
返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
【0024】
以下、本発明に係る不揮発性メモリにおけるデータの消去方法について説明する。図1に
NAND型フラッシュメモリのセルアレイの一部を示す。本実施の形態においては、本発
明の特徴である不揮発性メモリ素子における電荷蓄積層内の電荷の放出動作、すなわち不
揮発性メモリ素子のデータの消去動作について説明する。
【0025】
なお、NAND型フラッシュメモリは、セルアレイが選択用トランジスタを介してデータ
入出力用のビット線に接続され、大容量化を実現している。本実施の形態においては、N
AND型不揮発性メモリにおいて、8ビットの不揮発性メモリ素子が直列に接続したタイ
プで説明し、当該8ビットの不揮発性メモリ素子をNAND型セルと呼ぶことにする。
【0026】
図1に示すように、NAND型セル9118は、ビット線BLとソース線SL間に直列に
不揮発性メモリ素子9101〜9108が接続され、選択トランジスタ9100のゲート
には選択ゲート線SG1が接続され、不揮発性メモリ素子9101〜9108の制御ゲー
トにはそれぞれ順にワード線W1〜W8が接続される。
【0027】
なお本実施の形態においては、NAND型セルにおける不揮発性メモリ素子及び選択トラ
ンジスタの導電型はすべてNチャネル型であるとして説明する。また本発明におけるNA
ND型セルにおける不揮発性メモリ素子及び選択トランジスタの導電型はPチャネル型で
あってもよい。
【0028】
次に本発明の不揮発性メモリ素子におけるデータの消去方法について、各配線の電位を具
体的に例示し、図2を用いて説明する。なお、具体的な電位の例として、不揮発性メモリ
素子は、よりもソース端子及びドレイン端子の電圧をゲート端子よりも十分大きい値(1
5V)にすることでデータ消去できるものとする。また、不揮発性メモリ素子は電荷蓄積
層に電荷が蓄積されていても蓄積されていなくても、ソース端子に対するゲート端子の電
圧が3Vあれば、ソースとドレイン端子の間は導通状態になるものとする。また、選択ト
ランジスタもソース端子に対するゲート端子の電圧が3Vあれば、ソースとドレイン端子
の間は導通状態になるものとする。各配線の電位は例であって、各トランジスタ及び各不
揮発性メモリ素子をオンまたはオフする電位であればよいものであることを付記する。
【0029】
まず、図2(A)においては、ワード線W1に繋がる不揮発性メモリ素子9101の電荷
蓄積層における電荷を放出し、データを消去する例について説明する。図2(A)におい
て、ビット線BL及びソース線SLをV1(15V)し、ワード線W1のみV2(0V)
にして、ワード線W2〜W8及び選択ゲート線SG1はV3(18V)にする。これによ
り、不揮発性メモリ素子9102〜9108及び選択トランジスタ9100は導通状態に
なり、不揮発性メモリ素子9101のソース及びドレインの電圧はV1(15V)になる
。なお図2(A)においては、各配線の電位が入力された場合における電位の伝達につい
ての模式的な例について矢印を用いて記載している。図2(A)において、不揮発性メモ
リ素子9101は、制御ゲートに対するソース電圧、及び制御ゲートに対するドレイン電
圧はV1―V2(15V)となり、不揮発性メモリ素子9101における電荷蓄積層の電
荷を放出し、データを消去することができる。
【0030】
次に、図2(B)においては、ワード線W2に繋がる不揮発性メモリ素子9102の電荷
蓄積層における電荷を放出し、データを消去する例について説明する。図2(B)におい
て、ビット線BL及びソース線SLはV1(15V)であり、ワード線W2のみV2(0
V)にして、選択ゲート線SG1、ワード線W1及びワード線W3〜W8はV3(18V
)にする。これにより、不揮発性メモリ素子9101、不揮発性メモリ素子9103〜9
108及び選択トランジスタ9100は導通状態になり、不揮発性メモリ素子9102の
ソース及びドレインの電圧はV1(15V)になる。なお図2(B)においては、各配線
の電位が入力された場合における電位の伝達についての模式的な例について矢印を用いて
記載している。図2(B)において、不揮発性メモリ素子9102は、制御ゲートに対す
るソース電圧、及び制御ゲートに対するドレイン電圧はV1―V2(15V)となり、不
揮発性メモリ素子9102における電荷蓄積層の電荷を放出し、データを消去することが
できる。
【0031】
次に、図2(B)においては、ワード線W2に繋がる不揮発性メモリ素子9102の電荷
蓄積層における電荷を放出し、データを消去する例について説明する。図2(B)におい
て、ビット線BL及びソース線SLはV1(15V)であり、ワード線W2のみV2(0
V)にして、選択ゲート線SG1、ワード線W1及びワード線W3〜W8はV3(18V
)にする。これにより、不揮発性メモリ素子9101、不揮発性メモリ素子9103〜9
108及び選択トランジスタ9100は導通状態になり、不揮発性メモリ素子9102の
ソース及びドレインの電圧はV1(15V)になる。なお図2(B)においては、各配線
の電位が入力された場合における電位の伝達についての模式的な例について矢印を用いて
記載している。図2(B)において、不揮発性メモリ素子9102は、制御ゲートに対す
るソース電圧、及び制御ゲートに対するドレイン電圧はV1―V2(15V)となり、不
揮発性メモリ素子9102における電荷蓄積層の電荷を放出し、データを消去することが
できる。
【0032】
そして、図2(C)においては、ワード線W8に繋がる不揮発性メモリ素子9108の電
荷蓄積層における電荷を放出し、データを消去する例について説明する。図2(C)にお
いて、ビット線BL及びソース線SLはV1(15V)であり、ワード線W8のみV2(
0V)にして、選択ゲート線SG1、ワード線W1〜W7はV3(18V)にする。これ
により、不揮発性メモリ素子9101〜9107及び選択トランジスタ9100は導通状
態になり、不揮発性メモリ素子9108のソース及びドレインの電圧はV1(15V)に
なる。なお図2(C)においては、各配線の電位が入力された場合における電位の伝達に
ついての模式的な例について矢印を用いて記載している。図2(C)において、不揮発性
メモリ素子9108は、制御ゲートに対するソース電圧、及び制御ゲートに対するドレイ
ン電圧はV1―V2(15V)となり、不揮発性メモリ素子9108における電荷蓄積層
の電荷を放出し、データを消去することができる。その結果、不揮発性メモリ素子910
1〜9108における電荷蓄積層の電荷を放出し、NAND型セルのデータを全て消去す
ることができる。
【0033】
上記NAND型不揮発性メモリのデータ消去方法を用いることにより、NAND型セルの
中の不揮発性メモリ素子のデータを1つずつ順次消去することができる。そのため、図3
に示すように不揮発性メモリセル内を駆動するロジック部のPウェル5001と不揮発性
メモリセルのPウェル5002の形成を同時に行なうことができる。つまり、ロジック部
のPウェルとメモリセルとのPウェルを作り分ける際の基板の分離を行う必要がなく、ひ
いては不揮発性メモリ素子を有する不揮発性半導体記憶装置の低コスト化を実現すること
ができる。
【0034】
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態または実施例のいかなる記載とも
自由に組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
【0035】
実施の形態2では、ワード線を共有しない複数のNAND型セルの不揮発性メモリ素子に
おける電荷蓄積層の電荷を放出させてデータを消去することができる不揮発性メモリのデ
ータ消去方法について説明する。本実施の形態では例として8ビットのNAND型セルに
おいて、実施の形態1で説明した順次消去方法を8回行い、ワード線を共有しない複数の
NAND型セルの不揮発性メモリ素子における電荷蓄積層の電荷を放出させ、データを消
去することができる不揮発性メモリのデータ消去方法について説明する。
【0036】
図4に示す図は、ワード線及び選択ゲート線を制御するロウドライバーの例である。図4
のロウドライバーは、デコーダ9200及び電圧変換回路9201で構成される。図4に
おいて、ワード線に入力される信号は信号L1〜L4、及びその反転信号L1B〜L4B
である。また、選択ゲート線に入力される信号は信号L5及びその反転信号L5Bである

【0037】
また図5は、不揮発性メモリ素子のデータ消去に使う信号の一例として、信号L1〜L3
の信号タイミングについて説明する図である。図5に示すようにL1〜L3の信号はNA
ND型不揮発性メモリのビット数に対応するタイミングを有する波形で構成される。すな
わち、図4において、信号L1〜L3が入力されるデコーダ9200内のロジック回路9
202及びロジック回路9203におけるNOR回路によってワード線W1〜W8のいず
れか、及びW9〜W16のいずれかを選択するような信号を供給する。具体的には図5に
示すように、信号L1〜L3が入力される第1の期間9200Aにおいては、ワード線W
1及びワード線W9を選択する。また信号L1〜L3が入力される第2の期間9200B
においては、ワード線W2及びワード線W10を選択する。
【0038】
デコーダ9200でワード線及び選択ゲート線の信号を生成し、電圧変換回路9201で
電圧を変換する。電圧変換回路の入力の信号、及び出力の信号の論理は、同じとする。つ
まり、入力の論理が1なら出力の論理も1、入力の論理が0なら出力の論理が0となる。
電圧変換回路9201は、入力される信号に応じて電圧を変換し、各ワード線及び選択ト
ランジスタのゲートに、電位を印加する機能を有する回路である。
【0039】
図4において、ワード線W1〜W8用の信号を生成するロジック回路9202と、ワード
線W9〜W16の信号を生成するロジック回路9203とは、信号L1〜L3及び信号L
1B〜L3Bの取り方、回路構成を同一にする。また、ロジック回路9202及びロジッ
ク回路9203への信号L4、信号L4Bが入力される配線との接続方法は異なっている
が、信号L4及び信号L4Bが入力される配線は書き込み、または読み出しのために分か
れて設けられている。不揮発性メモリ素子のデータ消去の時は信号L4、信号L4B共に
、Low電位にする。また図4において、選択ゲート線SG1及びSG2は信号L5及び
信号L5Bが入力される配線との接続方法が異なっているが、信号L5及び信号L5Bが
入力される配線は書き込みや読み出しのために分かれて設けられており、不揮発性メモリ
素子の電荷蓄積層からの電荷の放出であるデータの消去の時は、信号L5及び信号L5B
は共にHigh電位にする。
【0040】
図4及び図5に示す動作により、選択ゲート線SG1及びNAND型セル9118のワー
ド線W1〜W8に入力される信号は、選択ゲート線SG2及びNAND型セル9119の
ワード線W9〜W16に入力される信号とそれぞれ等しくすることが出来る。つまり、ワ
ード線W1に接続された不揮発性メモリ素子のデータを消去すると同時に、ワード線W9
に接続された不揮発性メモリ素子のデータも消去することができる。また、ワード線W2
に接続された不揮発性メモリ素子のデータを消去すると同時に、ワード線W10に接続さ
れた不揮発性メモリ素子のデータも消去することができる。また、ワード線W8に接続さ
れた不揮発性メモリ素子のデータを消去すると同時に、ワード線W16に接続された不揮
発性メモリ素子のデータも消去することができる。すなわち複数のNAND型セルの不揮
発性メモリ素子での電荷蓄積層における電荷の放出を同時に行うことができるため、本実
施の形態における構成においては、実施の形態1で述べた効果に加え、NAND型セル内
のデータをより高速に消去することができる。
【0041】
本実施の形態は行方向にNAND型セルが2つの場合の不揮発性メモリ素子のデータ消去
方法について説明したが、行方向にNAND型セルが多数ある場合でも信号L1〜信号L
3及び信号L1B〜信号L3BからNAND型セル9118及びNAND型セル9119
と同じ信号を生成し、別のNAND型セルに入力すれば良い。また、本実施の形態で説明
したNAND型セル内のビット数と異なる不揮発性メモリでは、デコーダ9200の入力
信号数やロジック回路を適宜変更すれば良い。また、本実施の形態で説明したデコーダ及
び入力信号は、データの書き込みや読み出しの際の個々の不揮発性メモリ素子が選択でき
るように設計してもよい。
【0042】
上記NAND型不揮発性メモリのデータ消去方法を用いることにより、上記実施の形態1
と同様に、NAND型セルの中の不揮発性メモリ素子のデータを1つずつ順次消去するこ
とができる。そのため、図3に示すように不揮発性メモリセル内を駆動するロジック部の
Pウェル5001と不揮発性メモリセルのPウェル5002の形成を同時に行なうことが
できる。つまり、ロジック部のPウェルとメモリセルとのPウェルを作り分ける際の基板
の分離を行う必要がなく、ひいては不揮発性メモリ素子を有する不揮発性半導体記憶装置
の低コスト化を実現することができる。
【0043】
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態または実施例のいかなる記載とも
自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例1】
【0044】
本実施例においては、不揮発性メモリ素子の断面図について図面を用いて説明する。図6
に本実施例における不揮発性メモリ素子の断面図について示す。この不揮発性メモリ素子
は、絶縁表面を有する基板10を用いて作製されている。絶縁表面を有する基板10とし
ては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、表面に絶縁膜が形成さ
れた金属基板などを用いることができる。
【0045】
この絶縁表面を有する基板10上に半導体膜14が形成されている。基板10と半導体膜
14の間には、下地絶縁膜12を設けても良い。この下地絶縁膜12は、基板10から半
導体膜14へアルカリ金属などの不純物が拡散して汚染することを防ぐものである。また
下地絶縁膜12は、ブロッキング層として適宜設けてもよい。
【0046】
下地絶縁膜12としては、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化
シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(Si
NxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、下地絶縁膜12を2
層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶
縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として窒化シ
リコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成してもよい。
【0047】
半導体膜14は、単結晶半導体又は多結晶半導体で形成されたものを用いることが好まし
い。例えば、基板10上にスパッタリング法、プラズマCVD法若しくは減圧CVD法に
よって基板10の全面に形成された半導体膜を結晶化させた後、選択的にエッチングして
半導体膜14を形成することができる。すなわち、素子分離の目的から、絶縁表面に島状
の半導体膜を形成し、該半導体膜に一又は複数の不揮発性メモリ素子を形成することが好
ましい。半導体材料としては、シリコンが好ましく、その他にシリコンゲルマニウム半導
体を用いることもできる。半導体膜の結晶化法としては、レーザー結晶化法、瞬間熱アニ
ール(RTA)又はファーネスアニール炉を用いた熱処理による結晶化法、結晶化を助長
する金属元素を用いる結晶化法又はこれら方法を組み合わせて行う方法を採用することが
できる。また、このような薄膜プロセスに換えて、絶縁表面に単結晶半導体膜を形成した
所謂SOI(Silicon on Insulator)基板を用いても良い。
【0048】
このように、絶縁表面に形成された半導体膜を島状に分離形成することで、同一基板上に
不揮発性メモリ素子アレイと周辺回路を形成した場合にも、有効に素子分離をすることが
できる。すなわち、10V〜20V程度の電圧で書き込みや消去を行う必要のある不揮発
性メモリ素子アレイと、3V〜7V程度の電圧で動作してデータの入出力や命令の制御を
主として行う周辺回路を同一基板上に形成した場合でも、各素子に印加する電圧の違いに
よる相互の干渉を防ぐことができる。
【0049】
半導体膜14にはp型不純物が注入されていても良い。p型不純物として、例えばホウ素
が用いられ、5×1015atoms/cm〜1×1016atoms/cm程度の
濃度で添加されていても良い。これは、トランジスタのしきい値電圧を制御するためのも
のであり、チャネル形成領域に添加されることで有効に作用する。チャネル形成領域は、
後述するゲート26下と概略一致する領域に形成されるものであり、半導体膜14の一対
の不純物領域18a、18bの間に位置するものである。
【0050】
一対の不純物領域18a、18bは不揮発性メモリ素子においてソース領域及びドレイン
領域として機能する領域である。一対の不純物領域18a、18bはn型不純物であるリ
ン若しくはヒ素をピーク濃度で約1021atoms/cmで半導体膜14に添加する
ことで形成される。
【0051】
半導体膜14上には第1の絶縁膜16、浮遊ゲート20、第2の絶縁膜22、制御ゲート
24が形成されるが、本明細書では、浮遊ゲート20から制御ゲート24までの積層構造
をゲート26と呼ぶことがある。
【0052】
第1の絶縁膜16は酸化シリコン若しくは酸化シリコンと窒化シリコンの積層構造で形成
する。第1の絶縁膜16は、プラズマCVD法や減圧CVD法により絶縁膜を堆積するこ
とで形成しても良いが、好ましくはプラズマ処理による固相酸化若しくは固相窒化で形成
すると良い。半導体膜(代表的にはシリコン層)を、プラズマ処理により酸化又は窒化す
ることにより形成した絶縁膜は、緻密で絶縁耐圧が高く信頼性に優れているためである。
第1の絶縁膜16は、浮遊ゲート20に電荷を注入するためのトンネル絶縁膜として用い
るので、このように丈夫であることが好ましい。この第1の絶縁膜16は1nm〜20n
m、好ましくは3nm〜6nmの厚さに形成することが好ましい。例えば、ゲート長を6
00nmとする場合、第1の絶縁膜16は3nm〜6nmの厚さに形成することができる

【0053】
プラズマ処理による固相酸化処理若しくは固相窒化処理として、マイクロ波(代表的には
2.45GHz)で励起され、電子密度が1×1011cm−3以上1×1013cm
以下、且つ電子温度が0.5eV以上1.5eV以下のプラズマを利用することが好ま
しい。固相酸化処理若しくは固相窒化処理において、500℃以下の温度において、緻密
な絶縁膜を形成すると共に実用的な反応速度を得るためである。
【0054】
このプラズマ処理により半導体膜14の表面を酸化する場合には、酸素雰囲気下(例えば
、酸素(O)又は一酸化二窒素(NO)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの
少なくとも一つを含む)雰囲気下、若しくは酸素又は一酸化二窒素と水素(H)と希ガ
ス雰囲気下)で行う。また、プラズマ処理により窒化をする場合には、窒素雰囲気下(例
えば、窒素(N)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)
雰囲気下、窒素と水素と希ガス雰囲気下、若しくはNHと希ガス雰囲気下)でプラズマ
処理を行う。希ガスとしては、例えばArを用いることができる。また、ArとKrを混
合したガスを用いてもよい。
【0055】
図7にプラズマ処理を行うための装置の構成例を示す。このプラズマ処理装置は、基板1
0を配置するための支持台88と、ガスを導入するためのガス供給部84、ガスを排気す
るために真空ポンプに接続する排気口86、アンテナ80、誘電体板82、プラズマ発生
用のマイクロ波を供給するマイクロ波供給部92を有している。また、支持台88に温度
制御部90を設けることによって、基板10の温度を制御することも可能である。
【0056】
以下に、プラズマ処理について説明する。なお、プラズマ処理とは、半導体膜、絶縁膜、
導電層に対する酸化処理、窒化処理、酸窒化処理、水素化処理、表面改質処理を含んでい
る。これらの処理は、その目的に応じて、ガス供給部84から供給するガスを選択すれば
良い。
【0057】
酸化処理若しくは窒化処理を行うには以下のようにすれば良い。まず、処理室内を真空に
し、ガス供給部84から酸素又は窒素を含むプラズマ処理用ガスを導入する。基板10は
室温にするか、若しくは温度制御部90により100℃〜550℃に加熱する。なお、基
板10と誘電体板82との間隔は、20nm〜80mm(好ましくは20nmから60m
m)程度である。次に、マイクロ波供給部92からアンテナ80にマイクロ波を供給する
。そしてマイクロ波をアンテナ80から誘電体板82を通して処理室内に導入することに
よって、プラズマ94を生成する。マイクロ波の導入によりプラズマの励起を行うと、低
電子温度(3eV以下、好ましくは1.5eV以下)で高電子密度(1×1011cm
以上)のプラズマを生成することができる。この高密度プラズマで生成された酸素ラジ
カル(OHラジカルを含む場合もある)及び/又は窒素ラジカル(NHラジカルを含む場
合もある)によって、半導体膜の表面を酸化又は窒化することができる。プラズマ処理用
ガスにアルゴンなどの希ガスを混合させると、希ガスの励起種により酸素ラジカルや窒素
ラジカルを効率良く生成することができる。この方法は、プラズマで励起した活性なラジ
カルを有効に使うことにより、500℃以下の低温で固相反応による酸化、窒化若しくは
酸化窒化を行うことができる。
【0058】
図6において、プラズマ処理により形成される好適な第1の絶縁膜16の一例は、酸素雰
囲気下のプラズマ処理により半導体膜14の表面に3nm〜6nmの厚さで酸化シリコン
層16aを形成し、その後窒素雰囲気下でその酸化シリコン層の表面を窒化プラズマで処
理した窒素プラズマ処理層16bを形成する。具体的には、まず、酸素雰囲気下でのプラ
ズマ処理により半導体膜14上に3nm〜6nmの厚さで酸化シリコン層16aを形成す
る。その後、続けて窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより酸化シリコン層の表面
又は表面近傍に窒素濃度の高い窒素プラズマ処理層を設ける。なお、表面近傍とは、酸化
シリコン層の表面から概略0.5nm〜1.5nmの深さをいう。例えば、窒素雰囲気下
でプラズマ処理を行うことによって、酸化シリコン層16aの表面から概略1nmの深さ
に窒素を20〜50原子%の割合で含有させた構造とする。
【0059】
第1の絶縁膜16の代表例として、シリコン層の表面をプラズマ処理で酸化することで、
界面に歪みのない緻密な酸化膜を形成することができる。また、当該酸化膜の表面をプラ
ズマ処理で窒化することで、表層側の酸素を窒素に置換して窒化層を形成すると、さらに
緻密化することができる。このプラズマ処理により絶縁耐圧が高い絶縁層を形成すること
ができる。
【0060】
いずれにしても、上記のようなプラズマ処理による固相酸化処理若しくは固相窒化処理を
用いることで、耐熱温度が700℃以下のガラス基板を用いても、950℃〜1050℃
で形成される熱酸化膜と同等な絶縁膜を得ることができる。すなわち、不揮発性メモリ素
子のトンネル絶縁膜として信頼性の高いトンネル絶縁膜を形成することができる。
【0061】
浮遊ゲート20は第1の絶縁膜16上に形成される。浮遊ゲート20は半導体材料で形成
することが好ましく、次に示す一又は複数の条件を満たすものを選択することができる。
【0062】
浮遊ゲート20を形成する半導体材料のバンドギャップが、半導体膜14のバンドギャッ
プより小さいことが好ましい。例えば、浮遊ゲート20を形成する半導体材料のバンドギ
ャップと、半導体膜14のバンドギャップは、0.1eV以上の差があって、前者の方が
小さいことが好ましい。半導体膜14の伝導帯の底のエネルギーレベルより、浮遊ゲート
20の伝導帯の底のエネルギーレベルを低くすることにより、電荷(電子)の注入性を向
上させ、電荷保持特性を向上させるためである。
【0063】
浮遊ゲート20を形成する半導体材料は、半導体膜14を形成する材料よりも抵抗率が小
さい材料で形成されていることが好ましい。浮遊ゲート20を抵抗率の小さい半導体材料
で形成することにより、制御ゲートと半導体膜の間に電圧を印加したとき、電界が浮遊ゲ
ートで分圧されずにすみ、電界を半導体膜に有効に作用させることができる。例えば、ゲ
ルマニウムは40〜70Ω・cmの固有抵抗を有するので好ましい。また、抵抗率を下げ
る目的で浮遊ゲート20にn型不純物を添加しても良い。このように、半導体膜14と比
較して、浮遊ゲート20をバンドギャップが小さく抵抗率が低い材料で形成することで、
書き込み特性を向上させることができる。
【0064】
浮遊ゲート20を形成する半導体材料は、第1の絶縁膜16により形成される半導体膜1
4の電子に対するエネルギー障壁に対し、第1の絶縁膜16により形成される浮遊ゲート
20の電子に対するエネルギー障壁が高くなるものが好ましい。これは、半導体膜14か
ら浮遊ゲート20への電荷(電子)を注入しやすくし、浮遊ゲート20から電荷が消失す
ることを防ぐためである。
【0065】
また、浮遊ゲート20は、図8に示すように、第1の浮遊ゲート電極層20aと第2の浮
遊ゲート電極層20bにより形成されていてもよい。勿論、この二層構造に限定されず、
2層以上の層を積層して設ければ良い。しかしながら、第1の絶縁膜16に接して形成さ
れる第1の浮遊ゲート電極層20aは半導体材料で形成することが好ましく、次に示す一
又は複数の条件を満たすものを選択することができる。
【0066】
第1の浮遊ゲート電極層20aを形成する半導体材料のバンドギャップが、半導体膜14
のバンドギャップより小さいことが好ましい。例えば、第1の浮遊ゲート電極層20aを
形成する半導体材料のバンドギャップと、半導体膜14のバンドギャップは、0.1eV
以上の差があって、前者の方が小さいことが好ましい。半導体膜14の伝導帯の底のエネ
ルギーレベルより、第1の浮遊ゲート電極層20aの伝導帯の底のエネルギーレベルを低
くすることにより、電荷(電子)の注入性を向上させ、電荷保持特性を向上させるためで
ある。
【0067】
第1の浮遊ゲート電極層20aを形成する半導体材料は、半導体膜14を形成する材料よ
りも抵抗率が小さい材料で形成されていることが好ましい。第1の浮遊ゲート電極層20
aを抵抗率の小さい半導体材料で形成することにより、制御ゲートと半導体膜の間に電圧
を印加したとき、電界が浮遊ゲートで分圧されずにすみ、電界を半導体膜に有効に作用さ
せることができる。例えば、ゲルマニウムは40〜70Ω・cmの固有抵抗を有するので
好ましい。また、抵抗率を下げる目的で第1の浮遊ゲート電極層20aにn型不純物を添
加しても良い。このように、半導体膜14と比較して、第1の浮遊ゲート電極層20aを
バンドギャップが小さく抵抗率が低い材料で形成することで、書き込み特性を向上させる
ことができる。
【0068】
第1の浮遊ゲート電極層20aを形成する半導体材料は、第1の絶縁膜16により形成さ
れる半導体膜14の電子に対するエネルギー障壁に対し、第1の絶縁膜16により形成さ
れる第1の浮遊ゲート電極層20aの電子に対するエネルギー障壁が高くなるものが好ま
しい。これは、半導体膜14から第1の浮遊ゲート電極層20aへの電荷(電子)を注入
しやすくし、第1の浮遊ゲート電極層20aから電荷が消失することを防ぐためである。
【0069】
図6における浮遊ゲート20または図8における第1の浮遊ゲート電極層20aを形成す
る半導体材料の条件を満たすものとして、代表的にはゲルマニウム若しくはゲルマニウム
化合物で浮遊ゲート20または第1の浮遊ゲート電極層20aを形成することができる。
ゲルマニウム化合物の代表例としては、シリコンゲルマニウムであり、この場合シリコン
に対してゲルマニウムが10原子%以上含まれていることが好ましい。ゲルマニウムの濃
度が10原子%未満であると、構成元素としての効果が薄れ、浮遊ゲート20又は第1の
浮遊ゲート電極層20aのバンドギャップが有効に小さくならないためである。
【0070】
浮遊ゲート(以下、電荷蓄積層ともいう)は電荷を蓄積する目的で、本発明に係る不揮発
性半導体記憶装置に適用されるが、同様の機能を備えるものであれば他の半導体材料を適
用することもできる。例えば、ゲルマニウムを含む三元系の半導体であっても良い。また
、当該半導体材料が水素化されていても良い。また、不揮発性メモリ素子の電荷蓄積層と
しての機能を持つものとして、当該ゲルマニウム若しくはゲルマニウム化合物の酸化物若
しくは窒化物の層で置き換えることもできる。
【0071】
なお、図8における第1の浮遊ゲート電極層20aに接して、第2の絶縁膜22側に設け
る第2の浮遊ゲート電極層20bは、シリコン若しくはシリコン化合物で形成される層を
適用することが好ましい。シリコン化合物としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、
炭化シリコン、ゲルマニウムを10原子%未満の濃度で含むシリコンゲルマニウムなどを
適用することができる。このように第2の浮遊ゲート電極層20bを、第1の浮遊ゲート
電極層20aよりもバンドギャップの大きな材料で形成することにより、浮遊ゲートに蓄
積する電荷が第2の絶縁膜22側にリークするのを防ぐことができる。また、第2の浮遊
ゲート電極層20bを形成するものとして、金属窒化物又は金属酸化物を用いることがで
きる。金属窒化物としては、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化モリブデン、窒化チ
タンなどを用いることができる。
【0072】
いずれにしても、図8における上記したシリコン若しくはシリコン化合物、金属窒化物又
は金属酸化物の第2の層は、ゲルマニウム若しくはゲルマニウム化合物で形成される第1
の層の上層側に設けることにより、製造工程においては、耐水性や耐薬品性を目的とした
バリア層として用いることができる。それにより、フォトリソ工程、エッチング工程、洗
浄工程における基板の扱いが容易となり、生産性を向上させることができる。すなわち、
浮遊ゲートの加工を容易なものとすることができる。
【0073】
第2の絶縁膜22は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)、窒
化シリコン(SiNx)又は窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)、酸化アルミ
ニウム(AlxOy)などの一層若しくは複数層を、減圧CVD法やプラズマCVD法な
どで形成する。第2の絶縁膜22の厚さは1nm〜20nm、好ましくは5〜10nmで
形成する。例えば、窒化シリコン層22aを3nmの厚さに堆積し、酸化シリコン層22
bの厚さを5nmの厚さに堆積したものを用いることができる。また、浮遊ゲート20の
表面にプラズマ処理を行い、浮遊ゲート20の表面を窒化処理した窒化膜(例えば、浮遊
ゲート20としてゲルマニウムを用いた場合には窒化ゲルマニウム)を形成してもよい。
いずれにしても、第1の絶縁膜16と第2の絶縁膜22が、浮遊ゲート20と接する側の
一方又は双方を窒化膜とすることで、浮遊ゲート20の酸化を防ぐことができる。また、
第2の絶縁膜22は、第1の絶縁膜16と比較して誘電率の大きい材料である酸化アルミ
ニウム(AlOx)、酸化ハフニウム(HfOx)又は酸化タンタル(TaOx)を含む
膜を形成してもよい。
【0074】
制御ゲート24はタンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン
(Mo)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された金属、又はこれらの金属を
主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成することが好ましい。また、リン等の不
純物元素を添加した多結晶シリコンを用いることができる。また、一層又は複数層の金属
窒化物層24aと上記の金属層24bの積層構造で制御ゲート24を形成しても良い。金
属窒化物としては、窒化タングステン、窒化モリブデン、窒化チタンを用いることができ
る。金属窒化物層24aを設けることにより、第2の絶縁膜22との密着性を向上させる
ことができ、制御ゲート24が第2の絶縁膜22から剥離することを防ぐことができる。
また、窒化タンタルなどの金属窒化物は仕事関数が高いので、制御ゲート24として用い
れば、第2の絶縁膜22との相乗効果により、第1の絶縁膜16の厚さを厚くすることが
できる。
【0075】
図6に示す不揮発性メモリ素子の動作メカニズムを、図9に示すバンド図を参照して説明
する。また図8に示す不揮発性メモリ素子の動作メカニズムを、図10に示すバンド図を
参照して説明する。以下に示すバンド図において、図6、図8と同じ要素には同じ符号を
付している。
【0076】
図9は半導体膜14、第1の絶縁膜16、浮遊ゲート20、第2の絶縁膜22、制御ゲー
ト24が積層された状態を示している。図9は制御ゲート24に電圧を印加していない場
合であって、半導体膜14のフェルミ準位Efと制御ゲート24のフェルミ準位Efmが
等しい場合を示している。
【0077】
第1の絶縁膜16を挟んで、半導体膜14と浮遊ゲート20は異なる材料で形成している
。半導体膜14のバンドギャップEg1(伝導帯の下端Ecと価電子帯の上端Evのエネ
ルギー差)と浮遊ゲート20のバンドギャップEg2は異なるものとし、後者のバンドギ
ャップは小さくなるように組み合わせている。例えば、半導体膜14としてシリコン(1
.12eV)、浮遊ゲート20をとしてゲルマニウム(0.72eV)又はシリコンゲル
マニウム(0.73〜1.0eV)を組み合わせることができる。なお、第1の絶縁膜1
6は酸化シリコン層16a(約8eV)と、当該酸化シリコン層の表面をプラズマ処理に
より窒化した窒素プラズマ処理層16b(約5eV)が積層された状態を示している。ま
た、第2の絶縁膜22も、浮遊ゲート20側から、窒化シリコン層22aと酸化シリコン
層22bが積層された状態を示している。
【0078】
第1の絶縁膜16を挟んで、半導体膜14と浮遊ゲート20は異なる材料で形成している
。この場合、半導体膜14のバンドギャップと浮遊ゲート20のバンドギャップは異なる
ものであり、後者のバンドギャップは小さくなるように組み合わせている。例えば、半導
体膜14をシリコン(1.12eV)として、浮遊ゲート20をゲルマニウム(0.72
eV)又はシリコンゲルマニウム(0.73〜1.0eV)とすることができる。すなわ
ち、半導体膜14としてシリコンのバンドギャップEg1と、浮遊ゲート20としてゲル
マニウムのバンドギャップEg2は、Eg1>Eg2の関係を満たしている。半導体膜1
4とゲート電極20のそれぞれについて上述の材料を用いて形成すれば、第1の絶縁膜1
6により形成される半導体膜14の電子に対するエネルギー障壁、すなわち第1障壁Be
1と、第1の絶縁膜16により形成される浮遊ゲート20の電子に対するエネルギー障壁
、すなわち第2障壁Be2は異なる値となり、Be2>Be1の関係を持たせることがで
きる。このような状況においては、半導体膜14と浮遊ゲート20の伝導帯底のエネルギ
ーレベルのエネルギー差ΔEが発生する。後述するように、このエネルギー差ΔEは、半
導体膜14から浮遊ゲート20に電子を注入するとき、電子を加速する方向に作用するの
で、書き込み電圧を低下させるのに寄与する。
【0079】
また、図10は半導体膜14、第1の絶縁膜16、浮遊ゲート20、第2の絶縁膜22、
制御ゲート24が積層された状態を示している。図10は制御ゲート24に電圧を印加し
ていない場合であって、半導体膜14のフェルミ準位Efと制御ゲート24のフェルミ準
位Efmが等しい場合を示している。
【0080】
第1の絶縁膜16を挟んで、半導体膜14と浮遊ゲート20の内、少なくとも第1の浮遊
ゲート電極層20aは異なる材料で形成している。半導体膜14のバンドギャップEg1
(伝導帯の下端Ecと価電子帯の上端Evのエネルギー差)と第1の浮遊ゲート電極層2
0aのバンドギャップEg2は異なるものとし、後者のバンドギャップは小さくなるよう
に組み合わせている。例えば、半導体膜14としてシリコン(1.12eV)、第1の浮
遊ゲート電極層20aとしてゲルマニウム(0.72eV)又はシリコンゲルマニウム(
0.73〜1.0eV)を組み合わせることができる。また、第2の浮遊ゲート電極層2
0bとして多結晶シリコンを用いた場合には、第1の浮遊ゲート電極層20aよりもバン
ドギャップが大きくなる。このバンドギャップの差は、第1の絶縁膜16を通して第1の
浮遊ゲート電極層20aに注入されたキャリアに対する障壁となる。それにより、注入さ
れたキャリアが第2の絶縁膜22側にリークすることや、第2の浮遊ゲート電極層20b
と第2の絶縁膜22との界面にトラップされてしまうのを防ぐことができる。
【0081】
なお、第1の絶縁膜16は酸化シリコン層16a(約8eV)と、当該酸化シリコン層の
表面をプラズマ処理により窒化処理した窒素プラズマ処理層16b(約5eV)が積層さ
れた状態を示している。また、第2の絶縁膜22も、浮遊ゲート20側から、窒化シリコ
ン層22aと酸化シリコン層22bが積層された状態を示している。
【0082】
第1の絶縁膜16を挟んで、半導体膜14と第1の浮遊ゲート電極層20aは異なる材料
で形成している。この場合、半導体膜14のバンドギャップと第1の浮遊ゲート電極層2
0aのバンドギャップは異なるものであり、後者のバンドギャップは小さくなるように組
み合わせている。例えば、半導体膜14をシリコン(1.12eV)として、第1の浮遊
ゲート電極層20aをゲルマニウム(0.72eV)又はシリコンゲルマニウム(0.7
3〜1.0eV)とすることができる。すなわち、半導体膜14としてシリコンのバンド
ギャップEg1と、第1の浮遊ゲート電極層20aとしてゲルマニウムのバンドギャップ
Eg2は、Eg1>Eg2の関係を満たしている。半導体膜14と第1の浮遊ゲート電極
層20aのそれぞれについて上述の材料を用いて形成すれば、第1の絶縁膜16により形
成される電子に対するエネルギー障壁、すなわち第1障壁Be1と第2障壁Be2は異な
る値となり、Be2>Be1の関係を持たせることができる。このような状況においては
、半導体膜14と第1の浮遊ゲート電極層20aの伝導帯底のエネルギーレベルのエネル
ギー差ΔEが発生する。後述するように、このエネルギー差ΔEは、半導体膜14から第
1の浮遊ゲート電極層20aに電子を注入するとき、電子を加速する方向に作用するので
、書き込み電圧を低下させるのに寄与する。
【0083】
比較のために、半導体膜と浮遊ゲートを同じ半導体材料で形成した場合のバンド図を図1
1に示す。このバンド図は、半導体膜01、第1の絶縁膜02、浮遊ゲート03、第2の
絶縁膜04、制御ゲート05が順次積層された状態を示している。半導体膜01と浮遊ゲ
ート03を同じシリコン材料で形成した場合でも、浮遊ゲート03を薄く形成するとバン
ドギャップが異なってくる。図11では、半導体膜01のバンドギャップをEg1、浮遊
ゲート03のバンドギャップをEg2で示している。例えば、シリコンでは薄膜化すると
、バンドギャップが単結晶シリコンウェハの1.12eVから1.4eV程度まで増大す
ると言われている。それにより、半導体膜01と浮遊ゲート03の間には、電子の注入を
遮る方向に−ΔEのエネルギー差が生じてしまう。このような状況では、半導体膜01か
ら浮遊ゲート03に電子を注入するために高電圧が必要になってしまう。すなわち、書き
込み電圧を下げるために、浮遊ゲート03をバルクシリコン並に厚く形成するか、n型不
純物としてリンやヒ素を高濃度にドーピングする必要がある。このことは、従来の不揮発
性メモリにおける欠陥である。
【0084】
ところで、浮遊ゲート20に電子を注入するには、熱電子を利用する方法と、F−N型ト
ンネル電流を利用する方法がある。本実施例においてはF−N型トンネル電流を利用して
浮遊ゲート20に電子を注入する。F−N型トンネル電流を利用する場合、正の電圧を制
御ゲート24に印加して半導体膜14からF−N型トンネル電流により電子を浮遊ゲート
20に注入する。
【0085】
図12(A)はF−N型トンネル電流により浮遊ゲート20に電子を注入するときの印加
電圧を示している。制御ゲート24に正の高電圧(10V〜20V)を印加すると共に、
ソース領域18aとドレイン領域18bは0Vとしておく。このときのバンド図は図13
に示すようになる。高電界により半導体膜14の電子は第1の絶縁膜16に注入され、F
−N型トンネル電流が流れる。図9及び図10で説明したように、半導体膜14のバンド
ギャップEg1と、浮遊ゲート20のバンドギャップEg2の関係は、Eg1>Eg2で
ある。この差が自己バイアスとして、半導体膜14のチャネル形成領域より注入された電
子を浮遊ゲートの方に加速するように作用する。それにより、電子の注入性を向上させる
ことができる。
【0086】
浮遊ゲート20の伝導帯の底のエネルギーレベルは、半導体膜14の伝導帯の底のエネル
ギーレベルに対して電子エネルギー的にΔEだけ低い準位にある。そのため電子が浮遊ゲ
ート20に注入されるに当たっては、このエネルギー差に起因する内部電界が生じる。こ
れは、上記したような半導体膜14と浮遊ゲート20の組み合わせによって実現する。す
なわち、半導体膜14から浮遊ゲート20へ電子を注入しやすくなり、不揮発性メモリ素
子における書き込み特性を向上させることができる。この作用は、熱電子を利用して浮遊
ゲート20に電子を注入する場合にも同様である。
【0087】
浮遊ゲート20に電子が保持されている間は、不揮発性メモリ素子のしきい値電圧は正の
方向にシフトする。この状態を、データ”0”が書き込まれた状態とすることができる。
図14は、電荷保持状態のバンド図を示している。浮遊ゲート20の電子は、第1の絶縁
膜16と第2の絶縁膜22に挟まれていることにより、エネルギー的に閉じこめられた状
態にある。浮遊ゲート20に蓄積するキャリア(電子)によりポテンシャルエネルギーは
上がるが、エネルギー障壁を超えるエネルギーが電子に付与されない限り浮遊ゲート20
から電子は放出されないことになる。また、浮遊ゲート20の伝導帯の底のエネルギーレ
ベルは、半導体膜14の伝導帯の底のエネルギーレベルに対して電子エネルギー的にΔE
だけ低い準位にあり、電子に対してエネルギー的な障壁が浮遊ゲート20により形成され
る。この障壁により、トンネル電流によって半導体膜14に電子が流出してしまうのを防
ぐことができる。すなわち、150℃の恒温で放置した場合においても高い信頼性が得ら
れ、電荷保持特性を改善することができる。
【0088】
このデータ”0”の検出は、浮遊ゲート20に電荷が保持されていない状態で不揮発性メ
モリ素子がオンとなるゲート電圧を印加したとき、不揮発性メモリ素子がオンしないこと
をセンス回路によって検出することで可能である。又は、図12(B)に示すようにソー
ス領域18aとドレイン領域18b間にバイアスを印加して、制御ゲート24を0Vとし
たときに不揮発性メモリ素子が導通するか否かで判断することができる。
【0089】
図15(A)は浮遊ゲート20から電荷を放出させ、不揮発性メモリ素子からデータを消
去する状態を示している。この場合、制御ゲート24に負のバイアスを印加して、半導体
膜14と浮遊ゲート20の間にF−N型トンネル電流を流すことにより行う。或いは、図
15(B)に示すように、制御ゲート24に負のバイアスを印加し、ソース領域18aに
正の高電圧を印加することにより、F−N型トンネル電流を発生させ、ソース領域18a
側に電子を引き抜いても良い。
【0090】
図16は、この消去状態のバンド図を示している。消去動作では、第1の絶縁膜16を薄
く形成することができるので、F−N型トンネル電流により浮遊ゲート20の電子を半導
体膜14側に放出させることができる。また、半導体膜14のチャネル形成領域から正孔
が注入されやすく、浮遊ゲート20に正孔を注入することにより、実質的な消去動作をす
ることができる。
【0091】
浮遊ゲート20をゲルマニウム若しくはゲルマニウム化合物で形成することにより、第1
の絶縁膜16の厚さを薄くすることができる。それにより、トンネル電流によって第1の
絶縁膜16を介して電子を浮遊ゲート20に電荷を注入することが容易となり、低電圧動
作が可能となる。さらに、低エネルギーレベルで電荷を保存することが可能になり、電荷
を安定した状態で保存できるという有意な効果を奏することができる。
【0092】
本発明に係る不揮発性メモリでは、図9、図10、図13で示すように、半導体膜14と
浮遊ゲート20の間でEg1>Eg2として自己バイアスが生じるように構成している。
この関係は極めて重要であり、半導体膜のチャネル形成領域から浮遊ゲートにキャリアを
注入するときに、注入しやすくするように作用する。すなわち、書き込み電圧の低電圧化
を図ることができる。逆に浮遊ゲートからキャリアを放出させにくくしている。このこと
は、不揮発性メモリ素子の記憶保持特性を向上させるように作用する。また、浮遊ゲート
としてのゲルマニウム層にn型不純物をドーピングすることにより、伝導帯の底のエネル
ギーレベルをさらに下げることが出来、よりキャリアを浮遊ゲートに注入しやすくするよ
うに自己バイアスを作用させることができる。すなわち、書き込み電圧を下げ、不揮発性
メモリ素子の記憶保持特性を向上させることができる。
【0093】
以上説明したように、本発明に係る不揮発性メモリ素子は、半導体膜から浮遊ゲートへ電
荷を注入しやすくすることができ、浮遊ゲートから電荷が消失することを防ぐことができ
る。つまり、メモリとして動作する場合に、低電圧で高効率な書き込みをすることが出来
、且つ電荷保持特性を向上させることが可能となる。
【0094】
本実施例は、本明細書で示した他の実施の形態又は実施例と組み合わせて行うことがで
きる。
【実施例2】
【0095】
本実施例では、不揮発性半導体記憶装置におけるメモリ部の等価回路図に関して図面を
参照して説明する。
【0096】
図17に示すメモリ部の等価回路図において、ビット線BLには、複数の不揮発性メモ
リ素子を直列に接続したNAND型セルNS1が接続されている。複数のNAND型セル
が集まってブロックBLKを構成している。図17で示すブロックBLK1のワード線は
32本である(ワード線WL0〜WL31)。ブロックBLK1の同一行に位置する不揮
発性メモリ素子には、この行に対応するワード線が共通接続されている。
【0097】
この場合、選択トランジスタS1、S2と不揮発性メモリ素子M0〜M31が直列に接続
されているので、これらを一つのまとまりとして一つの半導体膜34で形成しても良い。
それにより不揮発性メモリ素子を繋ぐ配線を省略することが出来るので、集積化を図るこ
とができる。また、隣接するNAND型セルとの分離を容易に行うことができる。また、
選択トランジスタS1、S2の半導体膜36とNAND型セルの半導体膜38を分離して
形成しても良い。
【0098】
書込み動作では、NAND型セルNS1が消去状態、つまりNAND型セルNS1の各不
揮発性メモリ素子のしきい値を負電圧の状態にしてから実行される。書込みは、ソース線
SL側の不揮発性メモリ素子M0から順に行う。不揮発性メモリ素子M0への書込みを例
として説明すると概略以下のようになる。
【0099】
図18(A)は、”0”書込みをする場合、選択ゲート線SG2に例えばVcc(電源電
圧)を印加して選択トランジスタS2をオンにすると共にビット線BLを0V(接地電圧
)にする。選択ゲート線SG1は0Vとして、選択トランジスタS1はオフとする。次に
、の不揮発性メモリ素子M0に繋がるワード線WL0を高電圧Vpgm(20V程度)と
し、これ以外のワード線を中間電圧Vpass(10V程度)にする。ビット線BLの電
圧は0Vなので、選択された不揮発性メモリ素子M0のチャネル形成領域の電位は0Vと
なる。ワード線WL0と不揮発性メモリ素子M0のチャネル形成領域との間の電位差が大
きいため、不揮発性メモリ素子M0の浮遊ゲートには前述のようにF−Nトンネル電流に
より電子が注入される。これにより、不揮発性メモリ素子M0のしきい値電圧が正の状態
(”0”が書込まれた状態)となる。
【0100】
一方”1”書込みをする場合は、図18(B)に示すように、ビット線BLを例えばVc
c(電源電圧)にする。選択ゲート線SG2の電圧がVccであるため、選択トランジス
タS2のゲート電圧がVth(選択トランジスタS2のしきい値電圧)>Vccになると
、選択トランジスタS2がカットオフする。従って、不揮発性メモリ素子M0のチャネル
形成領域はフローティング状態となる。次に、ワード線WL0に高電圧Vpgm(20V
)、それ以外のワード線に中間電圧Vpass(10V)の電圧を印加すると、各ワード
線とチャネル形成領域との容量カップリングにより、不揮発性メモリ素子M0のチャネル
形成領域の電圧がVcc−Vthから上昇し例えば8V程度となる。チャネル形成領域の
電圧は昇圧されるが、”0”の書込みの場合と異なり、ワード線WL0と不揮発性メモリ
素子M0のチャネル形成領域の間の電位差が小さい。したがって、不揮発性メモリ素子M
0の浮遊ゲートには、F−Nトンネル電流による電子注入が起こらない。よって、不揮発
性メモリ素子M0のしきい値は、負の状態(”1”が書込まれた状態)に保たれる。
【0101】
消去動作をする場合は、図19(A)に示すように、選択されたワード線(WL0)に負
の高電圧(Vers)を印加し、非選択の不揮発性メモリ素子のワード線WL、選択ゲー
ト線SG1、及び選択ゲート線SG2に電圧Von(例えば3V)を印加し、ビット線B
L及びソース線SLに導通電圧Vopen(0V)の電圧を印加する。そして上記実施の
形態で説明したように、選択した不揮発性メモリ素子の浮遊ゲート中の電子を放出するこ
とができる。この結果、選択した不揮発性メモリ素子のしきい値電圧が負方向にシフトす
る。
【0102】
図19(B)に示す読み出し動作では、読出しの選択がされた不揮発性メモリ素子M0に
繋がるワード線WL0を電圧Vr(例えば0V)とし、非選択の不揮発性メモリ素子に繋
がるワード線WL1〜WL31及び選択ゲート線SG1、SG2を電源電圧より少し高い
読出し用中間電圧Vreadとする。すなわち、図20に示すように、選択不揮発性メモ
リ素子以外の不揮発性メモリ素子はトランスファートランジスタとして働く。これにより
、読出しの選択がされた不揮発性メモリ素子M0に電流が流れるか否かを検出する。つま
り、不揮発性メモリ素子M0に記憶されたデータが”0”の場合、不揮発性メモリ素子M
0はオフなので、ビット線BLは放電しない。一方、”1”の場合、不揮発性メモリ素子
M0はオンするので、ビット線BLが放電する。
【0103】
図31は、不揮発性半導体記憶装置の回路ブロック図の一例を示している。不揮発性半導
体記憶装置は、メモリセルアレイ52と周辺回路54が同一の基板上に形成されている。
メモリセルアレイ52は、図17で示すような構成を有している。周辺回路54の構成は
以下の通りである。
【0104】
ワード線選択のためにロウデコーダ62と、ビット線選択のためにカラムデコーダ64が
、メモリセルアレイ52の周囲に設けられている。アドレスは、アドレスバッファ56を
介してコントロール回路58に送られ、内部ロウアドレス信号及び内部カラムアドレス信
号がそれぞれロウデコーダ62及びカラムデコーダ64に転送される。
【0105】
データ書き込み及び消去には、電源電位を昇圧した電位が用いられる。このため、コント
ロール回路58により動作モードに応じて制御される昇圧回路60が設けられている。昇
圧回路60の出力はロウデコーダ62やカラムデコーダ64を介して、ワード線Wやビッ
ト線BLに供給される。センスアンプ66はカラムデコーダ64から出力されたデータが
入力される。センスアンプ66により読み出されたデータは、データバッファ68に保持
され、コントロール回路58からの制御により、データがランダムアクセスされ、データ
入出力バッファ70を介して出力されるようになっている。書き込みデータは、データ入
出力バッファ70を介して入力された後データバッファ68に一旦保持され、コントロー
ル回路58の制御によりカラムデコーダ64に転送される。
【0106】
本実施例は、本明細書で示した他の実施の形態又は実施例と組み合わせて行うことがで
きる。
【実施例3】
【0107】
本実施例では、不揮発性半導体記憶装置の一例に関して図面を参照して説明する。なお
、ここでは、不揮発性半導体記憶装置において、メモリ部を構成する不揮発性メモリ素子
と、当該メモリ部と同一の基板上に設けられメモリ部の制御等を行うロジック部を構成す
るトランジスタ等の素子とを同時に形成する場合を示す。
【0108】
本実施例で示すメモリ部の等価回路図は、上記実施例において示した図17に示すよう
に、選択トランジスタS1、S2の間に複数の不揮発性メモリ素子M0乃至M31を有す
るNAND型セルNS1が設けられている。図17において、選択トランジスタS1、S
2とNAND型セルNS1により一つのメモリセルが形成されている。
【0109】
選択トランジスタS1のゲート電極は第1の選択ゲート線SG1に接続され、ソース電
極又はドレイン電極の一方はソース線SLに接続され、他方は不揮発性メモリ素子M0の
ソース電極又はドレイン電極に接続されている。また、不揮発性メモリ素子M0乃至M3
1のゲート電極はワード線WL0乃至WL31に接続される。また、選択トランジスタS
2のゲート電極は第2の選択ゲート線SG2に接続され、ソース電極又はドレイン電極の
一方はビット線BLに接続され、他方は不揮発性メモリ素子M31のソース電極又はドレ
イン電極に接続されている。
【0110】
なお、第1の選択ゲート線SG1は、メモリ部の各メモリセルにおけるソース線との接
続を選択する配線である。また第2の選択ゲート線SG2は、メモリ部の各メモリセルに
おける列方向を選択する配線である。
【0111】
なお、メモリ部に設けられる選択トランジスタは、ロジック部に設けられるトランジス
タと比較して駆動電圧が高いため、メモリ部に設けるトランジスタとロジック部に設ける
トランジスタのゲート絶縁膜等を異なる厚さで形成することが好ましい。例えば、駆動電
圧が小さくしきい値電圧のばらつきが小さいトランジスタを形成したい場合にはゲート絶
縁膜が薄い薄膜トランジスタを設けることが好ましく、駆動電圧が大きくゲート絶縁膜の
耐圧性が高いトランジスタを形成したい場合にはゲート絶縁膜が厚い薄膜トランジスタを
設けることが好ましい。
【0112】
従って、本実施例では、駆動電圧が小さくしきい値電圧のばらつきを小さくしたいロジ
ック部のトランジスタに対しては膜厚が小さい絶縁膜を形成し、駆動電圧が大きくゲート
絶縁膜の耐圧性が求められるメモリ部のトランジスタに対しては膜厚が大きい絶縁膜を形
成する場合に関して以下に図面を参照して説明する。なお、図25〜27は上面図を示し
、図21〜24は図25〜27におけるA−B間、C−D間、E−F間及びG−H間の断
面図を示している。また、A−B間及びC−D間はロジック部に設けられるトランジスタ
を示し、E−F間はメモリ部に設けられる不揮発性メモリ素子及びトランジスタについて
ビット線の伸張する方向を示し、G−H間はメモリ部に設けられる不揮発性メモリ素子に
ついてワード線の伸張する方向を示している。また、本実施の形態では、A−B間に設け
る薄膜トランジスタをpチャネル型、C−D間、E−F間に設ける薄膜トランジスタをn
チャネル型である場合に関して説明するが、本発明の不揮発性半導体記憶装置はこれに限
られるものでない。
【0113】
まず、基板100上に絶縁膜102を介して島状の半導体膜104、106、108、
及び110を形成し、当該島状の半導体膜104、106、108、及び110を覆うよ
うに第1の絶縁膜112、114、116、及び118をそれぞれ形成する。そして、第
1の絶縁膜112、114、116、及び118を覆うように不揮発性メモリ素子におい
て浮遊ゲートとして機能する電荷蓄積層120を形成する(図21(A)参照)。島状の
半導体膜104、106、108、及び110は、基板100上にあらかじめ形成された
絶縁膜102上にスパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等を用いてシリコン(S
i)を主成分とする材料(例えばSiGe1−x等)等を用いて非晶質半導体膜を形成
し、当該非晶質半導体膜を結晶化させた後に選択的にエッチングすることにより設けるこ
とができる。なお、非晶質半導体膜の結晶化は、レーザー結晶化法、RTA又はファーネ
スアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法または
これら方法を組み合わせた方法等により行うことができる。
【0114】
また、レーザー光の照射によって半導体膜の結晶化若しくは再結晶化を行う場合には、
レーザー光の光源としてLD励起の連続発振(CW)レーザー(YVO、第2高調波(
波長532nm))を用いることができる。特に第2高調波に限定する必要はないが、第
2高調波はエネルギー効率の点で、さらに高次の高調波より優れている。CWレーザーを
半導体膜に照射すると、連続的に半導体膜にエネルギーが与えられるため、一旦半導体膜
を溶融状態にすると、溶融状態を継続させることができる。さらに、CWレーザーを走査
することによって半導体膜の固液界面を移動させ、この移動の方向に沿って一方向に長い
結晶粒を形成することができる。また、固体レーザーを用いるのは、気体レーザー等と比
較して、出力の安定性が高く、安定した処理が見込まれるためである。なお、CWレーザ
ーに限らず、繰り返し周波数が10MHz以上のパルスレーザを用いることも可能である
。繰り返し周波数が高いパルスレーザを用いると、半導体膜が溶融してから固化するまで
の時間よりもレーザーのパルス間隔が短ければ、常に半導体膜を溶融状態にとどめること
ができ、固液界面の移動により一方向に長い結晶粒で構成される半導体膜を形成すること
ができる。その他のCWレーザー及び繰り返し周波数が10MHz以上のパルスレーザを
使用することもできる。例えば、気体レーザーとしては、Arレーザー、Krレーザー、
COレーザー等がある。固体レーザーとして、YAGレーザー、YLFレーザー、YA
lOレーザー、GdVOレーザー、KGWレーザー、KYWレーザー、アレキサンド
ライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、Yレーザー、YVOレーザー等が
ある。また、YAGレーザー、Yレーザー、GdVOレーザー、YVOレーザ
ーなどのセラミックスレーザがある。金属蒸気レーザーとしてはヘリウムカドミウムレー
ザ等が挙げられる。また、レーザー発振器において、レーザー光をTEM00(シングル
横モード)で発振して射出すると、被照射面において得られる線状のビームスポットのエ
ネルギー均一性を上げることができるので好ましい。その他にも、パルス発振のエキシマ
レーザーを用いても良い。
【0115】
基板100は、ガラス基板、石英基板、金属基板(例えばステンレス基板)、セラミッ
ク基板、Si基板等の半導体基板から選択されるものである。他にもプラスチック基板と
して、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、
ポリエーテルサルフォン(PES)、アクリルなどの基板を選択することもできる。
【0116】
絶縁膜102は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコ
ン、酸化窒化シリコン(SiO)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiN
)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、絶縁膜102を2層構造と
する場合、第1層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜とし
て酸化窒化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として窒化シリコン膜
を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成してもよい。このように、ブロ
ッキング層として機能する絶縁膜102を形成することによって、基板100からNaな
どのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、この上に形成する素子に悪影響を与えることを
防ぐことができる。なお、基板100として石英を用いるような場合には絶縁膜102を
省略してもよい。
【0117】
なお、本実施例における基板100上の島状の半導体膜を用いて形成するトランジスタ
は、薄膜トランジスタを形成するものとして説明するが本発明はこれに限定されない。例
えば基板100は、n型又はp型の導電型を有する単結晶Si基板、化合物半導体基板(
GaAs基板、InP基板、GaN基板、SiC基板、サファイア基板、ZnSe基板等
)、貼り合わせ法またはSIMOX(Separation by Implanted
Oxygen)法を用いて作製されたSOI(Silicon on Insulat
or)基板等を用いることができる。そのため、単結晶シリコンを用いて島状の半導体膜
を形成し、トランジスタを形成することができる。
【0118】
なお単結晶Si基板、化合物半導体基板、又はSOI基板を用いる際には、素子分離領
域は、選択酸化法(LOCOS(Local Oxidation of Silico
n)法)又はトレンチ分離法等を適宜用いることができる。また、半導体基板に形成され
たpウェルは、半導体基板にp型の導電型を有する不純物元素を選択的に導入することに
よって形成することができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニ
ウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。
【0119】
第1の絶縁膜112、114、116、及び118は、半導体膜104、106、10
8、及び110の表面に熱処理又はプラズマ処理等を行うことによって形成することがで
きる。例えば、高密度プラズマ処理により当該半導体膜104、106、108の表面に
酸化処理、窒化処理又は酸窒化処理を行うことによって、当該半導体膜104、106、
108、及び110上にそれぞれ酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜となる第1の絶縁膜112
、114、116、及び118を形成する。なお、プラズマCVD法やスパッタ法により
形成してもよい。
【0120】
例えば、半導体膜104、106、108、及び110としてSiを主成分とする半導
体膜を用いて高密度プラズマ処理により酸化処理又は窒化処理を行った場合、第1の絶縁
膜112、114、116、及び118として酸化シリコン(SiO)膜又は窒化シリ
コン(SiN)膜が形成される。また、高密度プラズマ処理により半導体膜104、1
06、108、及び110の表面に酸化処理を行った後に、再度高密度プラズマ処理を行
うことによって窒化処理を行ってもよい。この場合、半導体膜104、106、108、
及び110に接して酸化シリコン膜が形成され、当該酸化シリコン膜上に酸素と窒素を有
する膜(以下、「酸窒化シリコン膜」と記す)が形成され、第1の絶縁膜112、114
、116、及び118は酸化シリコン膜と酸窒化シリコン膜とが積層された膜となる。
【0121】
ここでは、第1の絶縁膜112、114、116、及び118を1〜10nm、好ましく
は1〜5nmで形成する。例えば、高密度プラズマ処理により半導体膜104、106、
108、及び110に酸化処理を行い当該半導体膜104、106、108、及び110
の表面に概略5nmの酸化シリコン膜を形成した後、高密度プラズマ処理により窒化処理
を行い酸化シリコン膜の表面又は表面の近傍に窒素プラズマ処理層を形成する。具体的に
は、まず、酸素雰囲気下のプラズマ処理により半導体膜14上に3nm〜6nmの厚さで
酸化シリコン層16aを形成する。その後、続けて窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うこ
とにより酸化シリコン層の表面又は表面近傍に窒素濃度の高い窒素プラズマ処理層16b
を設ける。ここでは、窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことによって、酸化シリコン層
16aの表面から概略1nmの深さに窒素を20〜50原子%の割合で含有させた構造と
する。窒素プラズマ処理層には、酸素と窒素を含有したシリコン(酸窒化シリコン)が形
成されている。また、このとき、高密度プラズマ処理による酸化処理と窒化処理は大気に
一度も曝されることなく連続して行うことが好ましい。高密度プラズマ処理を連続して行
うことによって、汚染物の混入の防止や生産効率の向上を実現することができる。
【0122】
なお、高密度プラズマ処理により半導体膜を酸化する場合には、酸素を含む雰囲気下(
例えば、酸素(O)又は一酸化二窒素(NO)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、
Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、若しくは酸素又は一酸化二窒素と水素(H
と希ガス雰囲気下)で行う。一方、高密度プラズマ処理により半導体膜を窒化する場合に
は、窒素を含む雰囲気下(例えば、窒素(N)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、X
eの少なくとも一つを含む)雰囲気下、窒素と水素と希ガス雰囲気下、若しくはNH
希ガス雰囲気下)でプラズマ処理を行う。
【0123】
希ガスとしては、例えばArを用いることができる。また、ArとKrを混合したガス
を用いてもよい。高密度プラズマ処理を希ガス雰囲気中で行った場合、第1の絶縁膜11
2、114、116、及び118は、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、
Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでいる場合があり、Arを用いた場合には第
1の絶縁膜112、114、116、及び118にArが含まれている場合がある。
【0124】
また、高密度プラズマ処理は、上記ガスの雰囲気中において、プラズマの電子密度が1
×1011cm−3以上であり、プラズマの電子温度が1.5eV以下で行う。より詳し
くは、プラズマの電子密度が1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下で、プ
ラズマの電子温度が0.5eV以上1.5eV以下で行う。プラズマの電子密度が高密度
であり、基板100上に形成された被処理物(ここでは、半導体膜104、106、10
8、及び110)付近でのプラズマの電子温度が低いため、被処理物に対するプラズマに
よる損傷を防止することができる。また、プラズマの電子密度が1×1011cm−3
上と高密度であるため、プラズマ処理を用いて、被処理物を酸化または窒化することよっ
て形成される酸化膜または窒化膜は、CVD法やスパッタ法等により形成された膜と比較
して膜厚等が均一性に優れ、且つ緻密な膜を形成することができる。また、プラズマの電
子温度が1.5eV以下と低いため、従来のプラズマ処理や熱酸化法と比較して低温度で
酸化または窒化処理を行うことができる。例えば、ガラス基板の歪点よりも100度以上
低い温度でプラズマ処理を行っても十分に酸化または窒化処理を行うことができる。プラ
ズマを形成するための周波数としては、マイクロ波(例えば、2.45GHz)等の高周
波を用いることができる。
【0125】
本実施例では、高密度プラズマ処理により被処理物の酸化処理を行う場合、酸素(O
)、水素(H)とアルゴン(Ar)との混合ガスを導入する。ここで用いる混合ガスは
、酸素を0.1〜100sccm、水素を0.1〜100sccm、アルゴンを100〜
5000sccmとして導入すればよい。なお、酸素:水素:アルゴン=1:1:100
の比率で混合ガスを導入することが好ましい。例えば、酸素を5sccm、水素を5sc
cm、アルゴンを500sccmとして導入すればよい。
【0126】
また、高密度プラズマ処理により窒化処理を行う場合、窒素(N)とアルゴン(Ar
)との混合ガスを導入する。ここで用いる混合ガスは、窒素を20〜2000sccm、
アルゴンを100〜10000sccmとして導入すればよい。例えば、窒素を200s
ccm、アルゴンを1000sccmとして導入すればよい。
【0127】
本実施例において、メモリ部に設けられた半導体膜108上に形成される第1の絶縁膜
116は、後に完成する不揮発性メモリ素子において、第1の絶縁膜として機能する。従
って、第1の絶縁膜116の膜厚が薄いほど、トンネル電流が流れやすく、メモリとして
高速動作が可能となる。また、第1の絶縁膜116の膜厚が薄いほど、後に形成される浮
遊ゲートに低電圧で電荷を蓄積させることが可能となるため、不揮発性半導体記憶装置の
消費電力を低減することができる。そのため、第1の絶縁膜112、114、116、及
び118は、膜厚を薄く形成することが好ましい。
【0128】
一般的に、半導体膜上に絶縁膜を薄く形成する方法として熱酸化法があるが、基板10
0としてガラス基板等の融点が十分に高くない基板を用いる場合には、熱酸化法により第
1の絶縁膜112、114、116、及び118を形成することは非常に困難である。ま
た、CVD法やスパッタ法により形成した絶縁膜は、膜の内部に欠陥を含んでいるため膜
質が十分でなく、膜厚を薄く形成した場合にはピンホール等の欠陥が生じる問題がある。
また、CVD法やスパッタ法により絶縁膜を形成した場合には、半導体膜の端部の被覆が
十分でなく、後に第1の絶縁膜116上に形成される導電膜等と半導体膜とが短絡する場
合がある。従って、本実施例で示すように、高密度プラズマ処理により第1の絶縁膜11
2、114、116、及び118を形成することによって、CVD法やスパッタ法等によ
り形成した絶縁膜より緻密な絶縁膜を形成することができ、また、半導体膜104、10
6、108、及び110の端部を第1の絶縁膜112、114、116、及び118で十
分に被覆することができる。その結果、メモリとして高速動作や電荷保持特性を向上させ
ることができる。なお、CVD法やスパッタ法により第1の絶縁膜112、114、11
6、及び118を形成した場合には、絶縁膜を形成した後に高密度プラズマ処理を行い当
該絶縁膜の表面に酸化処理、窒化処理又は酸窒化処理を行うことが好ましい。
【0129】
電荷蓄積層120は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウ
ム合金等の膜で形成することができる。なお、本実施例においては特に、電荷蓄積層12
0をゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム合金等のゲルマニウムを含む膜で形成
することが好ましい。ここでは、電荷蓄積層120として、ゲルマニウム元素を含む雰囲
気中(例えば、GeH)でプラズマCVD法を行うことにより、ゲルマニウムを主成分
とする膜を1〜20nm、好ましくは5〜10nmで形成する。上記実施例において示し
たように、半導体膜としてSiを主成分とする材料を用いて形成し、当該半導体膜上にト
ンネル絶縁膜として機能する第1の絶縁膜を介してSiよりエネルギーギャップの小さい
ゲルマニウムを含む膜を電荷蓄積層として設けた場合、半導体膜の電荷に対する絶縁膜に
より形成される第1の障壁に対して電荷蓄積層の電荷に対する絶縁膜により形成される第
2の障壁がエネルギー的に高くなる。その結果、半導体膜から電荷蓄積層へ電荷を注入し
やすくすることができ、電荷蓄積層から電荷が消失することを防ぐことができる。つまり
、メモリとして動作する場合に、低電圧で高効率な書き込みをすることが出来、且つ電荷
保持特性を向上させることができる。また、メモリ部に設けられた半導体膜108上に形
成される電荷蓄積層120は、後に完成する不揮発性メモリ素子において、浮遊ゲートと
して機能する。
【0130】
なお、電荷蓄積層120として、窒化シリコン、窒化ゲルマニウム、窒化シリコンゲルマ
ニウムのうち、いずれか一層もしくは多層で形成してもよい。電荷蓄積層120を窒化シ
リコン、窒化ゲルマニウム、窒化シリコンゲルマニウムで形成することにより、絶縁膜で
ありながらも窒化膜内における複数のトラップ順位で半導体膜よりトンネル絶縁膜を介し
て注入される電荷をトラップ(捕獲するともいう)することができる。すなわち、電荷蓄
積層120を窒化シリコン、窒化ゲルマニウム、窒化シリコンゲルマニウムで形成するこ
とにより、複数のトラップ順位で電荷をトラップすることができ、トンネル絶縁膜の一部
に欠陥があったとしても一部の蓄積電荷が消失するのみであるため、電荷をトラップし続
けることができる。そのためトンネル絶縁膜の膜厚をさらに薄く形成することができ、ま
た電荷の保持という点においても信頼性の高い不揮発性メモリ素子を得ることができるた
め好適である。またさらには、電荷蓄積層120を窒化シリコン、窒化ゲルマニウム、窒
化シリコンゲルマニウムで形成することにより、トンネル絶縁膜の膜厚を薄くすることが
できるため、不揮発性メモリ素子自体の微細化を容易にすることができるため好適である

【0131】
次に、半導体膜104、106上に形成された、第1の絶縁膜112、114と電荷蓄
積層120を選択的に除去し、半導体膜108、110上に形成された、第1の絶縁膜1
16、118と電荷蓄積層120を残存させる。ここでは、メモリ部に設けられた半導体
膜108、110、第1の絶縁膜116、118、電荷蓄積層120を選択的にレジスト
で覆い、半導体膜104、106上に形成された、第1の絶縁膜112、114と電荷蓄
積層120をエッチングすることによって選択的に除去する(図21(B)参照)。
【0132】
次に、半導体膜104、106と、半導体膜108、110の上方に形成された電荷蓄
積層120の一部を覆うようにレジスト122を形成し、当該レジスト122に覆われて
いない電荷蓄積層120をエッチングして選択的に除去することによって、電荷蓄積層1
20の一部を残存させ、電荷蓄積層121を形成する(図21(C)、図25参照)。
【0133】
次に、半導体膜104、106と、半導体膜108、110の上方に形成された第1の
絶縁膜116、118と電荷蓄積層121を覆うように第2の絶縁膜128を形成する(
図22(A)参照)。
【0134】
第2の絶縁膜128は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化
シリコン、酸化窒化シリコン(SiO)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(Si
)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて単層又は積層して形成する。例えば、第
2の絶縁膜128を単層で設ける場合には、CVD法により酸化窒化シリコン膜又は窒化
酸化シリコン膜を5〜50nmの膜厚で形成する。また、第2の絶縁膜128を3層構造
で設ける場合には、第1層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶
縁膜として窒化シリコン膜を形成し、第3層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成
する。また、他にも第2の絶縁膜128として、ゲルマニウムの酸化物又は窒化物を用い
てもよい。また、第2の絶縁膜128は、第1の絶縁膜と比較して誘電率の大きい材料で
ある酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfO)又は酸化タンタル(T
aO)を含む膜を形成してもよい。
【0135】
なお、半導体膜108の上方に形成された第2の絶縁膜128は、後に完成する不揮発
性メモリ素子においてコントロール絶縁膜として機能し、半導体膜110の上方に形成さ
れた第2の絶縁膜128は、後に完成する不揮発性メモリ素子においてゲート絶縁膜とし
て機能する。
【0136】
次に、半導体膜108、110の上方に形成された第2の絶縁膜128を覆うようにレ
ジスト130を選択的に形成し、半導体膜104、106上に形成された第2の絶縁膜1
28をエッチングにより選択的に除去する(図22(B)参照)。
【0137】
次に、半導体膜104、106を覆うように第3の絶縁膜132、134をそれぞれ形
成する(図23(A)参照)。
【0138】
第3の絶縁膜132、134は、上記第1の絶縁膜112、114、116、及び11
8の形成方法で示したいずれかの方法を用いて形成する。例えば、高密度プラズマ処理に
より半導体膜104、106の表面に酸化処理、窒化処理又は酸窒化処理を行うことによ
って、当該半導体膜104、106上にそれぞれシリコンの酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜
となる第3の絶縁膜132、134を形成する。
【0139】
ここでは、第3の絶縁膜132、134を1〜20nm、好ましくは1〜10nmで形
成する。例えば、高密度プラズマ処理により半導体膜104、106に酸化処理を行い当
該半導体膜104、106の表面に酸化シリコン膜を形成した後、高密度プラズマ処理に
より窒化処理を行い酸化シリコン膜の表面又は表面の近傍に窒素プラズマ処理層を形成す
る。また、この場合、半導体膜108の上方に形成された第2の絶縁膜128の表面にも
酸化処理又は窒化処理が行われ、酸化膜又は酸窒化膜が形成される。半導体膜104、1
06の上方に形成された第3の絶縁膜132、134は、後に完成するトランジスタにお
いてゲート絶縁膜として機能する。
【0140】
次に、半導体膜104、106の上方に形成された第3の絶縁膜132、134、半導
体膜108の上方に形成された第2の絶縁膜128を覆うように導電膜を形成する(図2
3(B)参照)。ここでは、導電膜として、導電膜136と導電膜138を順に積層して
形成した例を示している。もちろん、導電膜は、単層又は3層以上の積層構造で形成して
もよい。
【0141】
導電膜136、138としては、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(T
i)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオ
ブ(Nb)等から選択された元素またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化
合物材料で形成することができる。また、これらの元素を窒化した金属窒化膜で形成する
こともできる。他にも、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表され
る半導体材料により形成することもできる。
【0142】
ここでは、導電膜136として窒化タンタルを用いて形成し、その上に導電膜138と
してタングステンを用いて積層構造で設ける。また、他にも、導電膜136として、窒化
タングステン、窒化モリブデン又は窒化チタンから選ばれた単層又は積層膜を用い、導電
膜138として、タンタル、モリブデン、チタンから選ばれた単層又は積層膜を用いるこ
とができる。
【0143】
次に、積層して設けられた導電膜136、138を選択的にエッチングして除去するこ
とによって、半導体膜104、106、108、及び110の上方の一部に導電膜136
、138を残存させ、それぞれゲート電極として機能する導電膜140、142、144
、146を形成する(図23(C)、図26参照)。なお、メモリ部に設けられた半導体
膜108の上方に形成される導電膜144は、後に完成する不揮発性メモリ素子において
制御ゲートとして機能する。また、導電膜140、142、146は、後に完成するトラ
ンジスタにおいてゲート電極として機能する。
【0144】
次に、半導体膜104を覆うようにレジスト148を選択的に形成し、当該レジスト1
48、導電膜142、144、146をマスクとして半導体膜106、108に不純物元
素を導入することによって不純物領域を形成する(図24(A)参照)。不純物元素とし
ては、n型を付与する不純物元素又はp型を付与する不純物元素を用いる。n型を示す不
純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純
物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いるこ
とができる。ここでは、不純物元素として、リン(P)を用いる。
【0145】
図24(A)においては、不純物元素を導入することによって、半導体膜106にソー
ス領域又はドレイン領域を形成する不純物領域152とチャネル形成領域150が形成さ
れる。また、半導体膜108には、ソース領域又はドレイン領域を形成する高濃度不純物
領域156とLDD領域を形成する低濃度不純物領域158とチャネル形成領域154が
形成される。また、半導体膜108には、ソース領域又はドレイン領域を形成する不純物
領域162とチャネル形成領域160が形成される。
【0146】
また、半導体膜108に形成される低濃度不純物領域158は、図24(A)において
導入された不純物元素が浮遊ゲートとして機能する電荷蓄積層121を突き抜けることに
よって形成される。従って、半導体膜108において、導電膜144及び電荷蓄積層12
1の双方と重なる領域にチャネル形成領域154が形成され、電荷蓄積層121と重なり
導電膜144と重ならない領域に低濃度不純物領域158が形成され、電荷蓄積層121
及び導電膜144の双方と重ならない領域に高濃度不純物領域156が形成される。
【0147】
なお、電荷蓄積層121と導電膜144の双方の大きさを異ならせること及び電荷蓄積層
121と導電膜144の双方の設ける位置をずらして形成することも可能である。そのた
め、不揮発性メモリ素子におけるn型を付与する不純物元素又はp型を付与する不純物元
素の半導体膜への導入を選択的に行うこと、及び不純物元素の濃度を選択的に変えること
ができるため好適である。
【0148】
次に、半導体膜106、108、110を覆うようにレジスト166を選択的に形成し
、当該レジスト166、導電膜140をマスクとして半導体膜104に不純物元素を導入
することによって不純物領域を形成する(図24(B)参照)。不純物元素としては、n
型を付与する不純物元素又はp型を付与する不純物元素を用いる。n型を示す不純物元素
としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素と
しては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができ
る。ここでは、図24(A)で半導体膜106、108に導入した不純物元素と異なる導
電型を有する不純物元素(例えば、ボロン(B))を導入する。その結果、半導体膜10
4にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域170とチャネル形成領域168
を形成される。
【0149】
次に、第2の絶縁膜128、第3の絶縁膜132、134、導電膜140、142、1
44、146を覆うように絶縁膜172を形成し、当該絶縁膜172上に半導体膜104
、106、108にそれぞれ形成された不純物領域152、162、170と電気的に接
続する導電膜174を形成する(図24(C)、図27参照)。
【0150】
絶縁膜172は、CVD法やスパッタ法等により、酸化シリコン(SiO)、窒化シ
リコン(SiN)、酸化窒化シリコン(SiO)(x>y)、窒化酸化シリコン
(SiN)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンド
ライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフ
ェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキ
サン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは
、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(
O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例
えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いるこ
ともできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用い
てもよい。
【0151】
導電膜174は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al)、タン
グステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(
Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオ
ジウム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素
を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層構造で形成する。アルミニ
ウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材
料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素とシリコンの一方又は両方とを
含む合金材料に相当する。導電膜174は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(
Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)
膜と窒化チタン(TiN)膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜と
は、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当
する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜1
74を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミ
ニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性
の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸
化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタク
トをとることができる。
【0152】
本実施例は、本明細書で示した他の実施の形態又は実施例と組み合わせて行うことがで
きる。
【実施例4】
【0153】
本実施例では、上述した本発明の不揮発性半導体記憶装置を備えた非接触でデータの入
出力が可能である半導体装置の適用例に関して図面を参照して以下に説明する。非接触で
データの入出力が可能である半導体装置は利用の形態によっては、RFIDタグ、IDタ
グ、ICタグ、ICチップ、RFタグ、無線タグ、電子タグまたは無線チップともよばれ
る。
【0154】
半導体装置800は、非接触でデータを交信する機能を有し、高周波回路810、電源
回路820、リセット回路830、クロック発生回路840、データ復調回路850、デ
ータ変調回路860、他の回路の制御を行う制御回路870、記憶回路880およびアン
テナ890を有している(図28(A))。高周波回路810はアンテナ890より信号
を受信して、データ変調回路860より受信した信号をアンテナ890に出力する回路で
あり、電源回路820は受信信号から電源電位を生成する回路であり、リセット回路83
0はリセット信号を生成する回路であり、クロック発生回路840はアンテナ890から
入力された受信信号を基に各種クロック信号を生成する回路であり、データ復調回路85
0は受信信号を復調して制御回路870に出力する回路であり、データ変調回路860は
制御回路870から受信した信号を変調する回路である。また、制御回路870としては
、例えばコード抽出回路910、コード判定回路920、CRC判定回路930および出
力ユニット回路940が設けられている。なお、コード抽出回路910は制御回路870
に送られてきた命令に含まれる複数のコードをそれぞれ抽出する回路であり、コード判定
回路920は抽出されたコードとリファレンスに相当するコードとを比較して命令の内容
を判定する回路であり、CRC判定回路930は判定されたコードに基づいて送信エラー
等の有無を検出する回路である。
【0155】
次に、上述した半導体装置の動作の一例について説明する。まず、アンテナ890によ
り無線信号が受信される。無線信号は高周波回路810を介して電源回路820に送られ
、高電源電位(以下、VDDと記す)が生成される。VDDは半導体装置800が有する
各回路に供給される。また、高周波回路810を介してデータ復調回路850に送られた
信号は復調される(以下、復調信号)。さらに、高周波回路810を介してリセット回路
830およびクロック発生回路840を通った信号及び復調信号は制御回路870に送ら
れる。制御回路870に送られた信号は、コード抽出回路910、コード判定回路920
およびCRC判定回路930等によって解析される。そして、解析された信号にしたがっ
て、記憶回路880内に記憶されている半導体装置の情報が出力される。出力された半導
体装置の情報は出力ユニット回路940を通って符号化される。さらに、符号化された半
導体装置800の情報はデータ変調回路860で変調され、アンテナ890により無線信
号に載せて送信される。なお、半導体装置800を構成する複数の回路においては、低電
源電位(以下、VSS)は共通であり、VSSはGNDとすることができる。また、本発
明の不揮発性半導体記憶装置を記憶回路880に適用することができる。本発明の不揮発
性の半導体記憶装置は、駆動電圧を低くすることができるため、非接触でデータを交信で
きる距離をのばすことが可能となる。
【0156】
このように、リーダ/ライタから半導体装置800に信号を送り、当該半導体装置80
0から送られてきた信号をリーダ/ライタで受信することによって、半導体装置のデータ
を読み取ることが可能となる。
【0157】
また、半導体装置800は、各回路への電力の供給を電磁波の整流化及び平滑化により
行う半導体装置としてもよいし、バッテリーを搭載して電磁波によりバッテリーを充電し
各回路に電力の供給を行う半導体装置としてもよい。
【0158】
次に、非接触でデータの入出力が可能な半導体装置の使用形態の一例について説明する
。表示部3210を含む携帯端末の側面には、リーダ/ライタ3200が設けられ、品物
3220の側面には半導体装置3230が設けられる(図28(B))。品物3220に
設けられた半導体装置3230にリーダ/ライタ3200をかざすと、表示部3210に
品物の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴等、更に商品の説明等
の商品に関する情報が表示される。また、商品3260をベルトコンベアにより搬送する
際に、リーダ/ライタ3240と、商品3260に設けられた半導体装置3250を用い
て、該商品3260の検品を行うことができる(図28(C))。このように、システム
に半導体装置を活用することで、情報の取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加
価値化を実現する。
【0159】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置は、メモリを具備したあらゆる分野の電子機器
に用いることが可能である。例えば、本発明の不揮発性半導体記憶装置を適用した電子機
器として、カメラ(ビデオカメラ、デジタルカメラ等)、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッ
ドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、
オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュー
タ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具
体的にはDVD(digital versatile disc)等の記録媒体を再生
し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それら電子機
器の具体例を図29に示す。
【0160】
図29(A)、(B)は、デジタルカメラを示している。図29(B)は、図29(A
)の裏側を示す図である。このデジタルカメラは、筐体2111、表示部2112、レン
ズ2113、操作キー2114、シャッター2115などを有する。また、取り出し可能
な不揮発性のメモリ2116を備えており、当該デジタルカメラで撮影したデータをメモ
リ2116に記憶させておく構成となっている。メモリ2116は、不揮発性の半導体記
憶装置を用いることで、本発明のNAND型不揮発性メモリのデータ消去方法を用いるこ
とができる。
【0161】
また、図29(C)は、携帯電話を示しており、携帯端末の1つの代表例である。この
携帯電話は筐体2121、表示部2122、操作キー2123などを含む。また、携帯電
話は、取り出し可能な不揮発性のメモリ2125を備えており、当該携帯電話の電話番号
等のデータ、映像、音楽データ等をメモリ2125に記憶させ再生することができる。メ
モリ2125は、不揮発性の半導体記憶装置を用いることで、本発明のNAND型不揮発
性メモリのデータ消去方法を用いることができる。
【0162】
また、図29(D)は、デジタルプレーヤーを示しており、オーディオ装置の1つの代
表例である。図29(D)に示すデジタルプレーヤーは、本体2130、表示部2131
、メモリ部2132、操作部2133、イヤホン2134等を含んでいる。なお、イヤホ
ン2134の代わりにヘッドホンや無線式イヤホンを用いることができる。メモリ部21
32は、不揮発性の半導体記憶装置を用いることで、本発明のNAND型不揮発性メモリ
のデータ消去方法を用いることができる。また、記録容量が20〜200ギガバイト(G
B)のNAND型不揮発性メモリを用い、操作部2133を操作することにより、映像や
音声(音楽)を記録、再生することができる。なお、表示部2131は黒色の背景に白色
の文字を表示することで消費電力を抑えられる。これは携帯型のオーディオ装置において
特に有効である。なお、メモリ部2132に設けられた不揮発性の半導体記憶装置は、取
り出し可能な構成としてもよい。
【0163】
また、図29(E)は、電子ブック(電子ペーパーともいう)を示している。この電子
ブックは、本体2141、表示部2142、操作キー2143、メモリ部2144を含ん
でいる。またモデムが本体2141に内蔵されていてもよいし、無線で情報を送受信でき
る構成としてもよい。メモリ部2144は、不揮発性の半導体記憶装置を用いることで、
本発明のNAND型不揮発性メモリのデータ消去方法を用いることができる。また、記録
容量が20〜200ギガバイト(GB)のNAND型不揮発性メモリを用い、操作キー2
143を操作することにより、映像や音声(音楽)を記録、再生することができる。なお
、メモリ部2144に設けられた不揮発性の半導体記憶装置は、取り出し可能な構成とし
てもよい。
【0164】
以上の様に、本発明のNAND型不揮発性メモリのデータ消去方法の適用範囲は極めて
広く、メモリを有するものであればあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。
【0165】
なお、本実施例は、本明細書中の実施の形態及び他の実施例のいかなる記載とも自由に
組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0166】
01 半導体膜
02 絶縁膜
03 浮遊ゲート
04 絶縁膜
05 制御ゲート
10 基板
11 Eg
12 絶縁膜
14 半導体膜
16 絶縁膜
18 不純物領域
20 浮遊ゲート
22 絶縁膜
24 制御ゲート
26 ゲート
31 不揮発性メモリ素子
34 半導体膜
36 半導体膜
38 半導体膜
40 半導体膜
52 メモリセルアレイ
54 周辺回路
56 アドレスバッファ
58 コントロール回路
60 昇圧回路
62 ロウデコーダ
64 カラムデコーダ
66 センスアンプ
68 データバッファ
70 データ入出力バッファ
80 アンテナ
82 誘電体板
84 ガス供給部
86 排気口
88 支持台
90 温度制御部
92 マイクロ波供給部
94 プラズマ
9100 選択トランジスタ
100 基板
9101 不揮発性メモリ素子
101 基板
9102 不揮発性メモリ素子
102 絶縁膜
9103 不揮発性メモリ素子
104 半導体膜
106 半導体膜
9108 不揮発性メモリ素子
108 半導体膜
110 半導体膜
112 絶縁膜
116 絶縁膜
9118 NAND型セル
120 電荷蓄積層
121 電荷蓄積層
122 レジスト
128 絶縁膜
130 レジスト
132 絶縁膜
136 導電膜
138 導電膜
140 導電膜
142 導電膜
144 導電膜
148 レジスト
150 チャネル形成領域
152 不純物領域
154 チャネル形成領域
156 不純物領域
156 高濃度不純物領域
158 低濃度不純物領域
160 チャネル形成領域
162 不純物領域
166 レジスト
168 チャネル形成領域
16a 酸化シリコン層
16b 窒素プラズマ処理層
170 不純物領域
172 絶縁膜
174 導電膜
18a ソース領域
18b ドレイン領域
200 デコーダ
201 電圧変換回路
202 ロジック回路
203 ロジック回路
20a 浮遊ゲート電極層
20b 浮遊ゲート電極層
22a 窒化シリコン層
22b 酸化シリコン層
24a 金属窒化物層
24b 金属層
800 半導体装置
810 高周波回路
820 電源回路
830 リセット回路
840 クロック発生回路
850 データ復調回路
860 データ変調回路
870 制御回路
880 記憶回路
890 アンテナ
910 コード抽出回路
920 コード判定回路
930 CRC判定回路
940 出力ユニット回路
1225 メモリ
200A 期間
200B 期間
2111 筐体
2112 表示部
2113 レンズ
2114 操作キー
2115 シャッター
2116 メモリ
2121 筐体
2122 表示部
2123 操作キー
2125 メモリ
2130 本体
2131 表示部
2132 メモリ部
2133 操作部
2134 イヤホン
2141 本体
2142 表示部
2143 操作キー
2144 メモリ部
3001 Pウェル
3002 Pウェル
3200 リーダ/ライタ
3210 表示部
3220 品物
3230 半導体装置
3240 リーダ/ライタ
3250 半導体装置
3260 商品
5001 Pウェル
5002 Pウェル
9200 デコーダ
9201 電圧変換回路
9202 ロジック回路
9203 ロジック回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビット線と、ソース線と、
複数の不揮発性メモリが直列に接続されたNAND型セルと、
選択トランジスタと、を有し、
前記不揮発性メモリは、第1の絶縁膜を介した半導体上の電荷蓄積層と、第2の絶縁膜を介した前記電荷蓄積層上の制御ゲートと、を有し、
前記NAND型セルの一方の端子は、前記選択トランジスタを介して、前記ビット線に接続され、
前記NAND型セルの他方の端子は、前記ソース線に接続されたNAND型不揮発性メモリであって、
前記第1の絶縁膜は、前記半導体に酸素雰囲気で高密度プラズマ処理を行った後、窒素雰囲気で高密度プラズマ処理を行うことで形成されることを特徴とするNAND型不揮発性メモリ。
【請求項2】
ビット線と、ソース線と、
複数の不揮発性メモリが直列に接続された第1のNAND型セル及び第2のNAND型セルと、
第1の選択トランジスタと、第2の選択トランジスタと、を有し、
前記不揮発性メモリは、第1の絶縁膜を介した半導体上の電荷蓄積層と、第2の絶縁膜を介した前記電荷蓄積層上の制御ゲートと、を有し、
前記第1のNAND型セルの一方の端子は、前記第1の選択トランジスタを介して、前記ビット線に接続され、
前記第1のNAND型セルの他方の端子は、前記ソース線に接続され、
前記第2のNAND型セルの一方の端子は、前記第2の選択トランジスタを介して、前記ビット線に接続され、
前記第2のNAND型セルの他方の端子は、前記ソース線に接続されたNAND型不揮発性メモリであって、
前記第1の絶縁膜は、前記半導体に酸素雰囲気で高密度プラズマ処理を行った後、窒素雰囲気で高密度プラズマ処理を行うことで形成されることを特徴とするNAND型不揮発性メモリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−212892(P2012−212892A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−119909(P2012−119909)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【分割の表示】特願2007−90867(P2007−90867)の分割
【原出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】