説明

不揮発性半導体記憶装置

【課題】メモリセル面積を増加することなく、メモリトランジスタの書き込み電圧および消去電圧を低減する不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】メモリセルには、第1の島状半導体領域102、フローティングゲート109、コントロールゲート111が有するメモリトランジスタが設けられている。さらに、フローティングゲート109の下方には、絶縁膜を介して第2の島状半導体領域101が形成されている。第2の島状半導体領域101は、コントロールゲート111に電気的に接続されているため、第2の島状半導体領域101とフローティングゲート109間に静電容量が形成される。この静電容量はメモリトランジスタのカップリング比の増加に寄与するため、メモリセルの面積を増加することなく、カップリング比を高くすることが可能になる。また、カップリング比を低下することなく、メモリセルの面積を縮小することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの書き込み、読み出しおよび消去が可能な不揮発性半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性半導体記憶装置として、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等が知られている。これらの不揮発性半導体記憶装置は、デジタルスチルカメラや携帯型オーディオプレーヤー、携帯電話等様々な製品の記録媒体として利用されている。さらなる製品サイズの小型化、記憶容量の大容量化、データの書き込みおよび読み出しの高速化、低消費電力化等の様々な市場のニーズに答えるために、活発な研究開発がなされている。
【0003】
上記市場のニーズに答える一つの手法として、最近では絶縁膜を介して設けられたシリコン膜に素子を形成する所謂SOI(Silicon On Insulator)型の不揮発性半導体記憶装置の研究が活発に行われている。
【0004】
例えば、特許文献1には、消去電圧等の動作電圧の低電圧化や低コスト化を図ったSOI構造の不揮発性メモリトランジスタが記載されている。特許文献1では、低コスト化のため、基板にガラス基板やプラスチック基板が用いられている。また、ガラス基板上に形成されたSOI構造の不揮発性メモリトランジスタに関しては、本出願の発明者を発明者の一人に含む特許出願には、例えば、特許文献2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−013534号公報
【特許文献2】特開2007−288176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2に示すようなSOI構造の不揮発性メモリ素子では、メモリセル面積を増加させずに、書き込み電圧および消去電圧を低減することは、非常に困難である。その理由を以下に説明する。ここでは、不揮発性メモリ素子として、不揮発性メモリトランジスタ(以下、「メモリトランジスタ」と省略する場合もある。)を例に説明する。まず、メモリセルの構造について説明し、次いで、データの書き込み方法、読み出し方法および消去方法について説明する。
【0007】
以下、図15、図16Aおよび図16Bを参照しながら、メモリセルの構造について説明する。図15に、従来のメモリセルの構成例を説明する平面図を示し、図15をA1−A2線、B1―B2線で切断した断面図をそれぞれ図16A、図16Bに示す。
【0008】
メモリセルには、メモリ素子として1つのメモリトランジスタが設けられており、メモリトランジスタは、ソース線(Source Line:SL)、ビット線(Bit Line:BL)、およびワード線(Word Line:WL)に電気的に接続されている。
【0009】
図16A、図16Bに示すように、基板1100上に絶縁膜1130が形成され、絶縁膜1130上に島状半導体領域1102が設けられている。島状半導体領域1102には、n型もしくはp型の不純物元素がドープされた第1の不純物領域1103、1104、n型もしくはp型の不純物元素がドープされた第2の不純物領域1105、1106、それらに挟まれたチャネル形成領域1107が形成されている。第2の不純物領域1105、1106は、第1の不純物領域1103、1104よりも不純物濃度が低いLDD(Lightly Doped drain)領域として形成される場合や、第1の不純物領域1103、1104と概略等価の不純物元素濃度を有する場合や、不純物元素が添加されずチャネル形成領域1107と概略等価の場合もある。第2の不純物領域1105、1106は、メモリ素子の特性に応じて形成すればよい。
【0010】
島状半導体領域1102の上には絶縁膜1108が設けられている。絶縁膜1108上には、島状半導体領域1102と重なる導電膜1109が設けられている。導電膜1109はメモリトランジスタのフローティングゲート(Floating Gate:FG)を構成する。導電膜1109上には、絶縁膜1110が設けられている。絶縁膜1110上には、島状半導体領域1102と重なる導電膜1111が設けられている。導電膜1111はメモリトランジスタのコントロールゲート(Control Gate:CG)と、コントロールゲートに電気的に接続されているワード線とを構成する。導電膜1111によりコントロールゲートおよびワード線を一体的に形成することで、コントロールゲートとワード線が電気的に接続される。
【0011】
そして、その導電膜1111上には絶縁膜1112が設けられており、導電膜1113、1114が絶縁膜1112上に形成されている。導電膜1113はメモリトランジスタに電気的に接続されるソース線(SL)を構成し、導電膜1114はメモリトランジスタに電気的に接続されるビット線(BL)を構成する。導電膜1113、1114はそれぞれ、絶縁膜1112に形成された開口1119、1120を介して第1の不純物領域1103、1104に電気的に接続されている。図15の二点鎖線で囲んだ領域1121は、1つのメモリセルが占める領域である。
【0012】
フローティングゲートを用いた不揮発性メモリトランジスタは、フローティングゲート内に蓄積された電荷量によりデータを記録するメモリ素子であり、この電荷量を制御することが、データの書き込み動作であり、消去動作である。また電荷量を検出することがデータの読み出しである。以下、書き込み方法、読み出し方法、および消去方法について説明する。
【0013】
図15に示すメモリトランジスタでは、フローティングゲート(導電膜1109)は電気的に浮遊状態であるため、コントロールゲート(導電膜1111)によって間接的に、島状半導体領域1102とフローティングゲート間に電圧を印加することで、このメモリトランジスタはトランジスタとして機能する。フローティングゲート内に電子が蓄積されていると、コントロールゲートに印加した電圧が、電子が蓄積されていない状態に比べて、島状半導体領域1102とフローティングゲート間に印加しにくくなるので、メモリトランジスタのしきい値が正の方向にシフトする。よって、メモリトランジスタのしきい値電圧の変化を検出することにより、メモリトランジスタに記憶されたデータを読み出すことができる。第1の不純物領域1103と第1の不純物領域1104の電位が同等の場合、フローティングゲート内に蓄積された電荷量としきい値電圧の関係は、次式(1)、(2)で表すことができる。
【0014】
【数1】

【0015】
【数2】

【0016】
式(1)、式(2)中、VFGはフローティングゲートの電位、VCGはコントロールゲートの電位、Cは島状半導体領域とフローティングゲート間の静電容量、Cはフローティングゲートとコントロールゲート間の静電容量、QFGはフローティングゲート内の電荷量、△Vtmはメモリトランジスタにおけるしきい値電圧の変動量を表している。なお、式(1)中のC/(C+C)は、一般にカップリング比と呼ばれており、式(1)に示すように、この値が大きいほど、コントロールゲートの電位VCGに対する、島状半導体領域1102とフローティングゲート間に印加されている電圧の割合が高くなる。
【0017】
メモリトランジスタにデータを書き込む場合、コントロールゲートに高い電圧(例えば、正の高電圧)を印加することで、間接的に、島状半導体領域1102とフローティングゲート間に電圧を印加して、F−N(Fowler−Nordheim)トンネル電流や、熱電子を利用して、フローティングゲート内に電子を注入する。また、メモリトランジスタからデータを消去する場合は、コントロールゲートに高い電圧(例えば、負の高電圧)を印加することで、間接的に、島状半導体領域1102とフローティングゲート間に電圧を印加して、フローティングゲート内から電子を引き抜く。
【0018】
したがって、カップリング比を高くすることで、コントロールゲートに印加した電圧を島状半導体領域1102とフローティングゲート間に効率的に印加することができるので、書き込み電圧および消去電圧を低くすることができる。つまり、カップリング比は書き込み電圧および消去電圧に大きく影響する。
【0019】
以下、メモリセル面積とカップリング比との関係と共に、メモリセル面積と書き込み電圧および消去電圧との関係を説明する。
【0020】
式(1)に示すように、カップリング比を高めるには、フローティングゲートとコントロールゲート間の静電容量Cを大きくすることが有効である。静電容量Cを大きくするには、絶縁膜1110の膜厚を薄くする方法と、図15のような平面配置(レイアウト)において、フローティングゲートとコントロールゲートの重なっている部分の面積を増やす方法とがある。
【0021】
しかしながら、上述したメモリトランジスタの動作原理のために、絶縁膜1110の限界膜厚が自ずと決まっており、絶縁膜1110を薄膜化するにも限界がある。それは、フローティングゲートを用いたメモリトランジスタは、フローティングゲート内に蓄積している電荷が容易に漏れてしまうと、記録したデータを保持することが困難となるからである。そのため絶縁膜1110は、ある厚さよりも薄くすることはできない。また、同様の理由で、絶縁膜1108もある厚さよりも薄くすることはできない。絶縁膜1108の膜厚は8〜10nm程度が好ましく、絶縁膜1110の膜厚は10〜20nm程度が好ましい。
【0022】
また、絶縁膜1108は島状半導体領域1102上に設けられているのに対して、絶縁膜1110はフローティングゲート上に設けられているので、絶縁膜1110は絶縁膜1108よりも絶縁膜としての信頼性が劣る。そのため、フローティングゲートからの電荷の漏れを防止するため、一般に、絶縁膜1108より絶縁膜1110の方を厚くする必要があるとされている。また、カップリング比が低い場合、絶縁膜1110があまり薄いと、書き込みを行ったときに、フローティングゲート内で蓄積すべき電子が、絶縁膜1110をトンネルしてコントロールゲートへ逃げてしまい、データの書き込み、あるいは消去を行うことができず、メモリ素子として機能しなくおそれがある。また、メモリセル以外の他の機能回路を同一の基板1100板上に形成する場合、その機能回路を構成するトランジスタの作製プロセスの都合、絶縁膜1110を十分に薄膜化できない場合もある。
【0023】
したがって、図15のような平面配置において、フローティングゲートとコントロールゲートが重なっている部分の面積を拡大することは、メモリトランジスタの動作には特段の支障がないため、カップリング比を高くする手段としては、容易な手段である。しかしながら、この面積を拡大することは、結果として、メモリ素子に必要なメモリセル面積が拡大するので、メモリセルの集積度の低下を招き、その結果、不揮発性半導体記憶装置のビット単価が高くなってしまうという欠点がある。
【0024】
また、図15のような平面配置では、メモリセルの面積を縮小することは、フローティングゲートとコントロールゲートが重なっている部分の面積を縮小することになる。その結果、カップリング比が低くなり、書き込み電圧および消去電圧の増加を招く。
【0025】
そこで、上記の問題点を鑑み、本発明の一態様は、メモリセル面積を拡大することなく、書き込み電圧および消去電圧の低減する不揮発性半導体記憶装置を提供することを課題の1つとする。
【0026】
また、本発明の一態様は、書き込み電圧、消去電圧を増加させることなく、メモリセル面積を縮小することが可能な不揮発性半導体記憶装置を提供することを他の課題の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の一態様は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等に適用することができる。
【0028】
本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置は、複数のメモリセルを有し、メモリセルは、絶縁表面上に形成され、チャネル形成領域、ソース領域またはドレイン領域となる一対の不純物領域が形成されている第1の島状半導体領域と、絶縁表面上に形成されている第2の島状半導体領域と、第1の島状半導体領域および第2の島状半導体領域と重なるフローティングゲートと、フローティングゲートと重なり、かつ第2の島状半導体領域に電気的に接続されているコントロールゲートと、第1の島状半導体領域および第2の島状半導体領域とフローティングゲートとの間に形成されている第1の絶縁膜と、フローティングゲートとコントロールゲートの間に形成されている第2の絶縁膜とを有する。
【0029】
上記の態様において、第1の絶縁膜の第1の島状半導体領域と重なっている領域の厚さを部分的に薄くすることができる。また、第2の島状半導体領域と重なっている領域の厚さを部分的に薄くすることもできる。このように部分的に薄膜化された第1の絶縁膜は、例えば、薄膜化する部分に開口を有する絶縁膜を形成し、この絶縁膜上に他の絶縁膜を積層することで、形成することができる。
【0030】
また、上記の態様において、第2の島状半導体領域の代わりに、コントロールゲートと電気的に接続されている導電膜を設けることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置は、フローティングゲートの下方に、絶縁膜を介してコントロールゲートに電気的に接続される島状半導体領域または導電膜が設けられているので、島状半導体領域または導電膜とフローティングゲート間に静電容量が付加される。
【0032】
したがって、本発明の一態様により、メモリセル面積を拡大することなく、カップリング比を大きくすることが可能になる。つまり、本発明の一態様により、メモリセル面積を拡大することなく、書き込み電圧、消去電圧を低減できるので、本発明は不揮発性半導体記憶装置の低消費電力化に有効である。
【0033】
あるいは、本発明の一態様により、カップリング比を減少させることなく、メモリセル面積を縮小することが可能になる。つまり、本発明の一態様により、書き込み電圧、消去電圧を増加させることなく、メモリセル面積を縮小することが可能となるので、本発明の一態様はメモリセルの高集積化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構成例を示す平面図。
【図2】A:図1のA1−A2線による断面図。B:図1のB1−B2線による断面図。C:図1のC1−C2線による断面図。
【図3】本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置の構成例を示すブロック図。
【図4】本発明の一態様に係るメモリセルの構成例を示す回路図。
【図5】本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置の作製方法を説明する平面図。
【図6】A:図5のA1−A2線による断面図。B:図5のB1−B2線による断面図。C:図5のC1−C2線による断面図。
【図7】本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置の作製方法を説明する平面図。
【図8】A:図7のA1−A2線による断面図。B:図7のB1−B2線による断面図。C:図7のC1−C2線による断面図。
【図9】本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構成例を示す平面図。
【図10】A:図9のA1−A2線による断面図。B:図9のB1−B2線による断面図。C:図9のC1−C2線による断面図。
【図11】本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構成例を示す平面図。
【図12】A:図11のA1−A2線による断面図。B:図11のB1−B2線による断面図。C:図11のC1−C2線による断面図。
【図13】本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構成例を示す平面図。
【図14】A:図13のA1−A2線による断面図。B:図13のB1−B2線による断面図。C:図13のC1−C2線による断面図。
【図15】従来の不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構成例を示す平面図。
【図16】A:図15のA1−A2線による断面図。B:図15のB1−B2線による断面図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態および実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下の説明において、異なる図面間において、同じ要素は同じ符号を付している。
【0036】
(実施の形態1)
本実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、行列状に配置された複数のメモリセル(データを記憶する基本単位)、ならびに複数のソース線、ビット線およびワード線を有する。各メモリセルにはそれぞれメモリ素子が設けられている。メモリ素子は、ソース線、ビット線およびワード線にそれぞれ電気的に接続されている。また、本実施の形態では、メモリ素子としてメモリトランジスタが用いられている。
【0037】
図1、図2A−C、図3および図4を参照して、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置(以下、「記憶装置」と呼ぶ場合もある。)を説明する。図1は、本実施の形態の記憶装置の1つのメモリセルの平面レイアウトを示す平面図である。図2Aは、図1のA1−A2線による断面図であり、図2Bは、図1のB1−B2線による断面図であり、図2Cは図1のC1−C2線による断面図である。また、図3は、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置の構成例を示すブロック図であり、図4は、本実施の形態のメモリセルの構成例を示す回路図である。
【0038】
まず、図3を参照して、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置を説明する。不揮発性半導体記憶装置40(以下、「記憶装置40」と呼ぶ。)は、メモリセルアレイ51と、メモリセルアレイ51に電気的に接続され、書き込み動作、消去動作および読み出し動作等を制御する駆動回路部52を有する。メモリセルアレイ51と駆動回路部52は同一の基板上に形成されている。メモリセルアレイ51は、複数のワード線WLと、ワード線WLと交差して形成された複数のビット線BLおよびソース線SL、ならびにワード線WL、ビット線BLおよびソース線SLに電気的に接続された複数のメモリセルを有する。
【0039】
駆動回路部52は、駆動回路部52の各種の回路を制御するためのコントロール回路60、ワード線選択のためのロウデコーダ61、ビット線選択のためのカラムデコーダ62、アドレスバッファ63、昇圧回路64、センスアンプ65、データバッファ66およびデータ入出力バッファ67を有する。なお、図3は駆動回路部52の構成の一例を示しており、本発明の不揮発性半導体記憶装置は図3の構成に限定されるものではない。
【0040】
アドレスデータAddは、アドレスバッファ63を介してコントロール回路60に入力される。アドレスデータAddは、データの書き込み、読み出しまたは消去を行うメモリセルのアドレスを指定するためのデータである。アドレスデータAddが入力されると、コントロール回路60は、内部ロウアドレス信号および内部カラムアドレス信号を生成し、前者をロウデコーダ61に転送し、後者をカラムデコーダ62に転送する。
【0041】
記憶装置40の場合、データの書き込みおよび消去には電源電位を昇圧した電位が用いられる。そのため、コントロール回路60により昇圧回路64を制御し、動作モードに応じた電位を昇圧回路64で生成する。昇圧回路64の出力はロウデコーダ61やカラムデコーダ62を介して、メモリセルアレイ51に形成されているワード線WL、ビット線BLに供給される。
【0042】
カラムデコーダ62により、メモリセルアレイ51から読み出されたデータ(DATA)は、センスアンプ65に入力される。センスアンプ65に入力されたデータは、データバッファ66に保持される。コントロール回路60の制御により、データバッファ66に保持されているデータがデータ入出力バッファ67を介して、記憶装置40から出力される。メモリセルアレイ51に書き込まれるデータ(DATA)は、データ入出力バッファ67を介してデータバッファ66に一旦保持され、コントロール回路60の制御によりカラムデコーダ62に転送される。そして、このデータは、カラムデコーダ62によりメモリセルアレイ51の所定のメモリセルに書き込まれる。
【0043】
次に、図4を用いて、メモリセルアレイの構成例を説明する。記憶装置40の場合、メモリセルアレイ51は、複数のメモリセル70が行列状に配置されている。図4には、3行×3列に配置された9つのメモリセル70を示している。各メモリセル70は、メモリ素子として、フローティングゲートを備えた不揮発性メモリトランジスタTm(以下、「メモリトランジスタTm」という。)を有している。ここでは、ビット線BL0およびワード線WL1で特定されるメモリセル70の構成について説明するが、他のメモリセル70も同様の構成を有する。
【0044】
メモリセル70において、メモリトランジスタTmは、ゲートがワード線WL1に電気的に接続され、ドレインがビット線BL0に電気的に接続され、ソースがソース線SL0に電気的に接続されている。
【0045】
次に、メモリトランジスタTmをnチャネル型とした場合、ビット線BL0およびワード線WL1で特定されるメモリセル70へのデータ書き込み動作、および消去動作の一例を説明する。
【0046】
例えば、F−Nトンネル電流によりデータを書き込む場合、ソース線SL0およびビット線BL0の電位を負の高電圧とし、ワード線WL1に正の高電圧を印加する。この負の高電圧から正の高電圧までの電位差が書き込み電圧である。
【0047】
”1”のデータを書き込む場合、コントロールゲートに正の高電圧が印加されるため、メモリトランジスタTm01では、チャネル形成領域とフローティングゲート間の絶縁膜(図1の絶縁膜108に相当する絶縁膜)でF−Nトンネル電流が発生し、電子がフローティングゲートに注入される。つまりF−Nトンネル電流によりフローティングゲートに電子が注入され、メモリトランジスタTm01のしきい値電圧が高くなる。この状態が、メモリセル70で”1”のデータを記録している状態である。
【0048】
データを消去する場合は、ソース線SL0およびビット線BL0に正の高電圧を印加する。そしてワード線WLlに負の高電圧を印加すると、メモリトランジスタTm01のフローティングゲートから電子が島状半導体領域に引き抜かれる。ここでは、メモリセル70で”0”のデータを記録している状態となり、この状態が消去状態である。また、正の高電圧から負の高電圧までの電位差が消去電圧である。
【0049】
データの読み出しは、例えば、次のように行う。ソース線SL0の電位を0V、ビット線BL0の電位を1.5V程度とし、ワード線WL1に、データ”0”と”1”に相当するしきい値電圧の中間値に設定された読み出し電圧を印加する。ワード線WL1に読み出し電圧を印加したときのビット線BL0に流れる電流の有無を、ビット線BLに接続されるセンスアンプ65で判定する。
【0050】
次に、図1の平面図、ならびに図2A〜図2Cの断面図を用いて、本実施の形態のメモリセルの構成を説明する。
【0051】
図1に示すように、1つのメモリセルは、2つの島状半導体領域101および102を有する。2つの島状半導体領域101、102により、メモリセルに配置される1つのメモリ素子が構成される。図2Aは、本実施の形態の記憶装置の島状半導体領域102を含む部分の断面構造を示し、図2Bは、島状半導体領域101を含む部分の断面構造を示している。2つの島状半導体領域101、102は絶縁表面上に形成されている。
【0052】
図2Aに示すように、島状半導体領域102には、第1の不純物領域103、104、第2の不純物領域105、106、チャネル形成領域107がそれぞれ形成されている。チャネル形成領域107は第2の不純物領域105と第2の不純物領域106の間に存在し、第2の不純物領域105は、第1の不純物領域103とチャネル形成領域の間に存在し、第2の不純物領域106は、第1の不純物領域104とチャネル形成領域の間に存在する。一対の第1の不純物領域103、104は、一方がソース領域を構成し、他方がドレイン領域を構成する。ここでは、第1の不純物領域103がドレイン領域を構成し、第1の不純物領域104がソース領域を構成する。
【0053】
図2Bに示すように、島状半導体領域101には、第1の不純物領域133、134を有し、第1の不純物領域133と第1の不純物領域134の間に、第2の不純物領域135、チャネル形成領域137が形成されている。第1の不純物領域133は、チャネル形成領域137の周囲を取り囲むように形成されている。第1の不純物領域133は電極または配線との接続部分を構成する低抵抗半導体領域である。
【0054】
ここでは、第2の不純物領域105、106、135は、第1の不純物領域103、104、133、134よりも不純物濃度が低いLDD(Lightly Doped drain)領域として形成されている。また、別言すると、第2の不純物領域105、106、135は、第1の不純物領域103、104、133、134よりも抵抗が高い高抵抗半導体領域として形成されている。
【0055】
図2A〜図2Cに示すように、基板100上に1層または複数層からなる絶縁膜130が設けられ、絶縁膜130上に島状半導体領域101および島状半導体領域102が設けられている。絶縁膜130は、島状半導体領域101、102が形成される絶縁表面を構成する。基板100としては、例えば、ガラス基板、石英基板、セラミック基板、樹脂基板および半導体基板等を用いることができる。
【0056】
なお、基板100にガラス基板や石英基板のような絶縁体でなる基板を用いた場合、基板100自体が絶縁表面を構成するため、絶縁膜130は設けなくともよい。しかし、基板100からの不純物が島状半導体領域101、102に拡散することを防止する、島状半導体領域101、102と下地との界面準位密度を少なくする等のために、絶縁膜130を形成することが好ましい。絶縁膜130は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy、x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy、x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。形成方法については特に限定されず、CVD法やスパッタ法等を用いることができる。絶縁膜130を設けることで、基板100の凹凸の影響を軽減すること、基板100から、この上に形成されている素子への不純物拡散を防止すること等ができる。絶縁膜130が複数層からなる場合は、上記絶縁膜等の候補から不純物汚染の防止、隣接する膜との相性等の目的に応じて、各層を構成する膜を適宜選択することが出来る。
【0057】
島状半導体領域101、102を覆って絶縁膜108が設けられている。絶縁膜108上には、フローティングゲートを構成する導電膜109が設けられている。導電膜109は、絶縁膜108を介して、島状半導体領域101、102と重なっている。また、導電膜109は電気的に浮遊状態とされる。導電膜109を覆って絶縁膜110が設けられ、絶縁膜110上に、コントロールゲートおよびワード線を構成する導電膜111が設けられている。導電膜111は、絶縁膜110を介してフローティングゲート(導電膜109)に重なっている。
【0058】
フローティングゲート(導電膜109)、絶縁膜110およびコントロールゲート(導電膜111)が積層されているため、フローティングゲートとコントロールゲート間に静電容量が形成される。このような積層構造を有効に活用して、メモリトランジスタのカップリング比を大きくするため、絶縁膜110を介して、フローティングゲート(導電膜109)の上面全体はコントロールゲート(導電膜111)と重なっている。さらに、コントロールゲートとフローティングゲート間に大きな容量をもつ静電容量を得るために、導電膜111は、導電膜109の側面をも覆うように形成されている。
【0059】
導電膜111の上部には絶縁膜112が設けられている。絶縁膜112には、導電膜111に達する開口116が設けられている。さらに、絶縁膜112、絶縁膜110、絶縁膜108でなる積層膜には、第1の不純物領域133、134、103、104に達する開口117〜120が形成されている(図1参照)。
【0060】
図2Aに示すように、ソース線(SL)を構成する導電膜113、ビット線(BL)を構成する導電膜114が絶縁膜112上に形成されており、それぞれ、開口119、120を介して島状半導体領域102の第1の不純物領域103、104と電気的に接続されている。
【0061】
図2Cに示すように、接続電極(または接続配線)を構成する導電膜115が絶縁膜112上に形成されている。導電膜115は開口116を介して導電膜111に電気的に接続され、また、図2Bに示すように、導電膜115は開口117、118を介して、島状半導体領域101の第1の不純物領域133、134に電気的に接続されている。なお、図1中の2点鎖線で囲った領域121は、1つのメモリセル(データを記憶する単位要素)が占める領域を表している。なお、領域121には、各導電膜111、113、114が配線を構成する部分を含んでいない。
【0062】
なお、図2A〜図2Cでは、単層で描かれているが、絶縁膜130、絶縁膜108、絶縁膜110、絶縁膜112等の各絶縁膜、ならびに導電膜109、111、113、114等の各導電膜は、単層構造でも積層構造でもよい。
【0063】
つまり、島状半導体領域102、絶縁膜108、110、導電膜109、111、113、114によって、フローティングゲートを備えた従来の不揮発性メモリトランジスタが構成されていることになる(図2A参照)。また、島状半導体領域101はコントロールゲート(導電膜111)と導通させているため、島状半導体領域101がコントロールゲートとして機能させることができる。コントロールゲートと導通され、かつフローティングゲートの下方に存在していることから、以下の説明では、島状半導体領域101をバックコントロールゲート(Back Control Gate:BCG)と呼ぶことにする。つまり、本実施の形態のメモリ素子は、フローティングゲートおよびバックコントロールゲートを備えた不揮発性メモリトランジスタで構成されていることになる。
【0064】
本実施の形態では、フローティングゲートの上部にあるコントロールゲートだけでなく、その下部にバックコントロールゲートを設けて、メモリセルが占める領域121を有効に活用している。このことにより、領域121の大きさに対して、式(1)のCに相当する静電容量を効率的に増やすことができる。つまり、本実施の形態により、カップリング比を効率的に高めることが可能である。本実施の形態のメモリ素子については、フローティングゲートの電位と、メモリトランジスタのしきい値電圧の変動は、次の式(3)、(4)で表すことができる。
【0065】
【数3】

【0066】
【数4】

【0067】
式(3)、式(4)中、VFGはフローティングゲート(導電膜109)の電位、VCGはコントロールゲート(導電膜111)の電位、Cは島状半導体領域102とフローティングゲート間の静電容量、C21はフローティングゲートとバックコントロールゲート間の静電容量、C22はフローティングゲートとコントロールゲート間の静電容量、QFGはフローティングゲート内の電荷量、△Vtmは島状半導体領域101で構成されるメモリトランジスタのしきい値電圧の変動量を表している。式(3)中、カップリング比は、(C21+C22)/(C+C21+C22)である。
【0068】
図1の導電膜109と導電膜111が重なる領域と、図15の導電膜1109と導電膜1111の重なる領域の面積が等しいと仮定すると、C22=Cとなる。本実施の形態では、図15のメモリトランジスタの静電容量Cに相当する静電容量が、C22に加えて、C21も存在しているため、カップリング比が(C21+C22)/(C+C21+C22)>C/(C+C)となり、図15のメモリトランジスタよりも本実施の形態のメモリ素子はカップリング比が高くなるため、本実施の形態により、書き込み電圧、および消去電圧の低電圧化が可能である。
【0069】
次に、メモリセル面積の観点から、本実施の形態が奏する効果を検討する。本実施の形態のメモリ素子(図1参照)と図15のメモリトランジスタは、カップリング比が等しく、かつ書き込み電圧、および消去電圧が等しいと仮定すると、本実施の形態により、所望のカップリング比を実現するのに必要な静電容量C22を小さくすることができる。つまり、本実施の形態のメモリ素子の構造は、この静電容量C22を得るために必要な、フローティングゲートとコントロールゲートが重なる部分の面積を小さくすることができるので、メモリセルの面積を小さくすることができ、メモリセルの高集積化に有利である。
【0070】
図15のメモリトランジスタでは、フローティングゲートとコントロールゲート間に付加される静電容量は、絶縁膜1110を介して導電膜1109と導電膜1111が重なっている部分に形成される静電容量のみである。これに対して、本発明では、メモリトランジスタにバックコントロールゲートを設けることで、フローティングゲートとコントロールゲート間に付加される静電容量は、絶縁膜110を介して導電膜109(フローティングゲート)と導電膜111(コントロールゲート)が重なっている部分に形成される静電容量と、それに加えて、絶縁膜108を介して、島状半導体領域101(バックコントロールゲート)と導電膜109(フローティングゲート)が重なっている部分に形成される静電容量とがある。なおかつ、バックコントロールゲートによって形成される静電容量は、誘電体が絶縁膜110よりも薄く形成できる絶縁膜108であるため、単位面積あたりに得られる静電容量が大きくなる。
【0071】
したがって、本実施の形態が適用される記憶装置は、カップリング比を高くすることができるので、書き込み、消去電圧の低電圧化を行うことができる(式(3)、(4)参照)。また、本実施の形態が適用される記憶装置は、フローティングゲートとコントロールゲートおよびバックコントロールゲート間に一定値以上の静電容量を付加するために、コントロールゲートとフローティングゲートが重なる領域の面積を減少させることが可能である。つまり、本発明により、メモリセルの面積を縮小することができる。
【0072】
以上述べたように、本実施の形態が適用される記憶装置は、メモリセルの占める領域を有効に活用することで、単位面積あたりのメモリトランジスタのカップリング比を向上させることができる。つまり、単位面積に対するカップリング比の向上によって書き込み電圧および消去電圧の低減を実現することができる。あるいは、単位面積に対するカップリング比の向上することができるので、書き込み電圧および消去電圧の増加を伴わずに、メモリセルの面積の縮小を行うことができる。
【0073】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態に適宜適用することができる。また、図1、図2A〜図2Cに示した記憶装置の構造は一例であり、各種公知の構造を適用することができるのは言うまでもない。例えば、半導体膜に複数のLDD領域を形成してもよいし、コントロールゲートの側面にサイドウォールを形成してもよい。また、マルチゲート構造(直列に接続された少なくとも2つ以上のチャネル形成領域を含んだ半導体膜と、それぞれのチャネル形成領域に電界を印加する少なくとも2つ以上のゲート電極とを有する構造)や、デュアルゲート構造(半導体膜の上下をゲート電極で挟む構造)を適用することもできる。
【0074】
以下、本実施の形態の記憶装置40の作製方法を説明する。
【0075】
まず、基板100上に絶縁膜130を形成し、絶縁膜130上に島状半導体領域101、島状半導体領域102を形成する。島状半導体領域101、102は、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)を主成分とする半導体(例えば、Si、Ge、炭化シリコン、SiGe1−x(0<x<1)等)でなる膜を用いて形成することができる。これらの半導体膜は、CVD法やスパッタ法等を用いて形成することができる。また、島状半導体領域101、102を構成する半導体膜には、アモルファス、微結晶、多結晶および単結晶状態のいずれでもよく、記憶装置40に要求される特性に応じて適宜選択することができる。
【0076】
例えば、非晶質半導体膜を結晶化することで多結晶状態の半導体膜を形成することができる。結晶化は、レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法またはこれらの方法を組み合わせた方法等により行うことができる。
【0077】
レーザ結晶化法において、Arレーザ、Krレーザ、COレーザ等の気体レーザ、ヘリウムカドミウムレーザ等の金属蒸気レーザ、YAGレーザ、YLFレーザ、YAlOレーザ、GdVOレーザ、KGWレーザ、KYWレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、Yレーザ、YVOレーザ等の固体レーザがある。なお、レーザ発振器において、レーザ光をTEM(シングル横モード)で発振して射出すると、被照射面でのビームのエネルギー分布の均一性がよいため、好ましい。
【0078】
具体例としては、半導体レーザ(LD)励起の連続発振(CW)レーザ(YVO)、第2高調波(波長532nm))を用いることができる。特に第2高調波に限定する必要はないが、第2高調波はエネルギー効率の点で、さらに高次の高調波より優れている。CWレーザを半導体膜に照射すると、連続的に半導体膜にエネルギーが与えられるため、一旦半導体膜を溶融状態にすると、溶融状態を継続させることができる。さらに、CWレーザを走査することによって半導体膜の固液界面を移動させ、この移動の方向に沿って一方向に長い結晶粒を形成することができる。また、固体レーザを用いるのは、気体レーザ等と比較して、出力の安定性が高く、安定した処理が見込まれるためである。なお、CWレーザに限らず、繰り返し周波数が10MHz以上のパルスレーザを用いることも可能である。繰り返し周波数が高いパルスレーザを用いると、半導体膜が溶融してから固化するまでの時間よりもレーザのパルス間隔が短ければ、ビームが照射されている間、常に半導体膜を溶融状態にとどめることができ、固液界面の移動により一方向に長い結晶粒で構成される半導体膜を形成することができる。その他のCWレーザ及び繰り返し周波数が10MHz以上のパルスレーザを使用することもできる。その他にも、パルス発振のエキシマレーザを用いても良い。
【0079】
また、単結晶状態の半導体膜を形成する方法には、酸素分子をイオン注入によりシリコン結晶表面から埋め込み、それを高熱で酸化させることでシリコン結晶中に酸化シリコンの絶縁膜を形成する方法がある。また、2枚のシリコンウェハを用意し、一方の基板にイオン注入による剥離のための脆化層を形成しておき、二枚のシリコンウェハを貼り合わせた後、一方の基板を剥離して形成する方法により行うことができる。この方法の場合、ガラス基板に、脆化層を形成したシリコンウェハを貼り合わせてもよい。
【0080】
基板100の上方に目的に応じた結晶状態の半導体領域(半導体膜)を形成した後、選択的にエッチングすることによって島状半導体領域101、102を形成することができる。
【0081】
次に、島状半導体領域101、102上に絶縁膜108を形成する。絶縁膜108としては少なくとも酸素を含む膜を形成する。例えば、CVD法又はスパッタ法等により、酸化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy、x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy、x>y>0)、酸化アルミニウム、酸化タンタルを用いて、絶縁膜108を形成することができる。また、酸化ハフニウム等の高誘電率材料を用いることもできる。これらの膜はCVD法およびスパッタ法等により形成することができる。また、絶縁膜108は、高密度プラズマによって、島状半導体領域101、102を固相酸化処理することで形成することができる。例えば、絶縁膜108を酸化シリコン膜、または酸化窒化シリコン膜で形成する場合は、膜厚1nm以上20nm以下が好ましく、7nm以上10nm以下がより好ましい。
【0082】
絶縁膜108を酸化窒化シリコン膜で形成する場合、モノシラン(SiH)ガスと亜酸化窒素(NO)ガスを原料ガスとしてプラズマCVD装置により成膜することができる。この成膜条件の一例を以下に示す。原料ガスの質量流量比はSiH:NO=1:800とする。プラズマCVD装置において、高周波電力はパワー150W、周波数60MHzとし、成膜温度(基板温度)400℃、処理室内圧力40Pa、電極間隔28mmとする。なお、本明細書で示すガス質量流量比とは、成膜室内に供給するガスの質量流量(sccm)の比である。
【0083】
絶縁膜108に対してプラズマ酸化をおこなってもよい。プラズマ酸化は、マイクロ波(代表的には2.45GHz)等の高周波で励起され、電子密度が1×1011cm−3以上で、電子温度が1.5eV以下の高密度プラズマを利用することが好ましい。具体的には、電子密度が1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下で、電子温度が0.5eV以上1.5eV以下の高密度プラズマである。また、絶縁膜108に対するプラズマ酸化時間は60秒以上が好ましい。例えば、島状半導体領域101、102にプラズマ酸化処理を行った後、上記の条件下でプラズマCVD装置により酸化窒化シリコン膜を成膜し、この酸化窒化シリコン膜にプラズマ酸化処理を行うことで、絶縁膜108を形成することができる。
【0084】
次に、絶縁膜108上に導電膜109を形成する。導電膜109は単層構造または積層構造でもよい。単層構造または積層構造の導電膜を形成し、エッチング法等により、この導電膜を選択的に除去して、所望の形状に加工することで、導電膜109を形成することができる。導電膜109を構成する膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された金属膜、これらの金属を主成分とする合金膜または金属化合物膜(シリサイド膜、金属窒化物膜等)、若しくはリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いることができる。これらの導電膜はCVD法やスパッタ法等により形成することができる。
【0085】
次に、導電膜109をマスクとして島状半導体領域101、102にn型またはp型を付与する不純物元素を添加し、島状半導体領域101、102に、それぞれ、不純物領域を形成する。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。この不純物元素の添加工程は、島状半導体領域102に第2の不純物領域105、106を形成するための工程である。図5は、不純物元素の添加工程までを行った記憶装置40のメモリセル70の平面図であり、図6A〜図6Cは、それぞれ、図5のA1−A2線、B1−B2線、およびC1−C2線による断面図である。
【0086】
図6Aに示すように、島状半導体領域102において、導電膜109と重なる部分がチャネル形成領域107になり、不純物元素が添加された不純物領域205、206が第2の不純物領域105、106を構成する。また、図6Bに示すように、島状半導体領域101において、導電膜109と重なる部分がチャネル形成領域137になり、不純物が添加された不純物領域235が第2の不純物領域135を構成する。
【0087】
次に、絶縁膜110を形成する。絶縁膜110として、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy、x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy、x>y>0)等の酸素または窒素を有する絶縁膜をCVD法、スパッタ法、塗布法等を用いて形成することができる。この膜厚は、10nm以上100nm以下が好ましく、20nm以上50nm以下がより好ましい。
【0088】
次に、絶縁膜110上に導電膜111を形成する。導電膜111はワード線、コントロールゲートを構成する。導電膜111は導電膜109と同様に形成することができる。
【0089】
本実施の形態では、導電膜109は、絶縁膜108により下部が覆われ、絶縁膜110のみで上部および側面を覆われているため、導電膜109内に蓄積された電荷が保持されやすい構造となっており、メモリ素子の電荷保持特性の点で好ましい。それは、基板100にガラス基板を用いた場合は、加熱温度の上限が600℃程度であるため、形成できる絶縁膜は高温で加熱処理された絶縁膜よりも絶縁耐圧が劣るため、導電膜109を囲む絶縁膜の数を少なくし、素子構造を単純にするほうが、フローティングゲート内からの電荷漏れを抑えることができるからである。
【0090】
次に、導電膜111をマスクとして、島状半導体領域101、102にn型またはp型を付与する不純物元素を添加する。図7は、この不純物元素の添加工程までを行ったメモリセルの平面図であり、図8A〜図8Cは、それぞれ、図7のA1−A2線、B1−B2線、およびC1−C2線による断面図である。
【0091】
図8Aに示すように、島状半導体領域102には、第1の不純物領域103、104が形成される。第1の不純物領域103、104は、メモリトランジスタのソース領域またはドレイン領域を構成する。不純物領域205、206(図6A参照)において、導電膜111と重なっている領域が第2の不純物領域105、106となる。図8Bに示すように、島状半導体領域101には、第1の不純物領域133、134が形成される。また、不純物領域235(図6B参照)において、導電膜111と重なっている領域が第2の不純物領域135となる。
【0092】
ここでは、第2の不純物領域105、106、135は、第1の不純物領域103、104、133、134よりも不純物濃度が低いLDD(Lightly Doped drain)領域として形成しているが、第1の不純物領域103、104、133、134と概略等価の不純物濃度にすることで、ソース領域またはドレイン領域を構成することができる。また、導電膜109をマスクとする不純物元素の添加を省略することで、第2の不純物領域105、106、135は、チャネル形成領域107、137と概略等価の領域となる。
【0093】
第1の不純物領域103、104と第2の不純物領域105、106の不純物濃度が概略等価の場合、メモリトランジスタにおけるオン特性を最も高くすることができる。ただし、第1の不純物領域103、104を形成するために不純物元素を過剰にドープすると、絶縁膜108がダメージをうけて、メモリトランジスタの信頼性を損なう可能性があるので注意が必要である。第2の不純物領域105、106がチャネル形成領域107と不純物濃度が概略等価の場合、所謂、オフセット型となるので、データの過剰消去を防いで、消去動作後のメモリトランジスタをノーマリーオフ状態に固定することができる。本実施の形態では、第2の不純物領域105、106、135は、第1の不純物領域103、104、133、134よりも不純物濃度が低いLDD領域とすることで、ホットエレクトロンに対する耐性向上と、メモリトランジスタのオン特性を両立させている。
【0094】
次に、絶縁膜112を形成する。絶縁膜112は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy、x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy、x>y>0)等の酸素または窒素を有する絶縁膜、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、あるいは、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる膜で形成することができる。これらの絶縁膜は、CVD法、スパッタ法、塗布法等を用いて形成することができる。
【0095】
なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、アリール基)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。有機材料またはシロキサン材料でなる膜を絶縁膜112として形成することで、半導体膜や導電膜等による段差を平坦化することができるため、好ましい。ただし、有機材料またはシロキサン材料でなる膜は水分を吸収、通過しやすいので、半導体膜、絶縁膜、導電膜等の他の膜が水分による悪影響を受けるおそれが高い場合は、無機材料でなる膜を、有機材料またはシロキサン材料でなる膜の上面および/または下面に接して形成することが好ましい。このような無機材料でなる膜として、窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を有する膜は、水分に対するブロッキング効果が高いので特に好ましい。
【0096】
次に、エッチングにより絶縁膜112、110、108を選択的に除去し、導電膜111に達する開口116、島状半導体領域101に形成された第1の不純物領域133、134に達する開口117、118、ならびに、島状半導体領域102に形成された第1の不純物領域103、104に達する開口119、120を形成する。
【0097】
次に、絶縁膜112上に導電膜を形成し、エッチングにより所定の形状に加工して、導電膜113〜115を形成する。導電膜113〜115は単層構造でも2層以上の積層構造でもよい。導電膜113〜115を構成する膜は、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)から選択された金属膜、又はこれらの金属を主成分とする合金膜若しくは金属化合物膜で形成することができる。これら金属膜または金属を主成分とする膜はCVD法やスパッタ法等により形成することができる。例えば、アルミニウムを主成分とする合金としては、アルミニウムを主成分としニッケルを含む合金、又はアルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素とシリコンの一方又は両方を含む合金が挙げられる。
【0098】
導電膜113〜115を積層構造とする場合は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。例えば、バリア膜には、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる膜で形成することができる。アルミニウムやアルミニウムシリコン等のアルミニウムを主成分とする材料は抵抗値が低く、安価であるため、導電膜113〜115を形成する材料として最適であるが、ヒロックが発生しやすい。よって、アルミニウムを主成分とする膜を導電膜113〜115に用いる場合は、ヒロックの発生を防止するため、この膜の上面と下面にバリア膜を設けることが好ましい。また、この場合、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を、アルミニウムを主成分とする膜の下面に形成すると、半導体膜上に薄い自然酸化膜が形成されていても、この自然酸化膜を還元することができるので、導電膜113、114と島状半導体領域101、102との良好なコンタクトを形成することができる。
【0099】
ここでは、導電膜115を導電膜113、114と同一工程で形成しているが、導電膜115を導電膜113、114と異なる工程で形成することも可能である。
【0100】
以上の工程で、複数のメモリセル70を含むメモリセルアレイ51が完成する。また、メモリセルアレイ51の作製過程において、記憶装置40の駆動回路部52を構成するトランジスタ、容量素子、抵抗素子等も同時に作製され、メモリセルアレイ51と共に駆動回路部52が基板100上に作製されており、本実施の形態の記憶装置40が作製される。
【0101】
ここでは、バックコントロールゲートを、島状半導体領域102と同時に作製される半導体膜で構成したが、別の導電膜で構成することもできる。この導電膜は単層構造でも積層構造でもよい。例えば、CVD法またはスパッタ法等により、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)等から選択された金属膜、若しくはこれらの金属を主成分とする合金膜または金属化合物膜(例えば、シリサイド膜、金属窒化物膜)を、バックコントロールゲートを構成する導電膜として形成することができる。
【0102】
本実施の形態で示した記憶装置の作製方法は一例であり、各種公知の方法を適用することができるのは言うまでもない。また、本実施の形態で説明した記憶装置の作製は、他の実施の形態の記憶装置の作製方法に適用することができる。
【0103】
(実施の形態2)
本実施の形態は実施の形態1の変形例である。本実施の形態の記憶装置は、島状半導体領域とフローティングゲート間の絶縁膜の厚さが部分的に異なっているメモリ素子を有している。以下、図9および図10A〜図10Cを参照して、本実施の形態を説明する。
【0104】
図9は、本実施の形態のメモリセルの構成例を示す平面図であり、図10A〜図10Cは、それぞれ、図9のA1−A2線、B1−B2線、およびC1−C2線による断面図である。以下、本実施の形態のメモリセルの作製方法およびその構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成の説明は、重複するため省略する。
【0105】
まず、実施の形態1で説明したように、基板100上に絶縁膜130を介して、島状半導体領域101、102を形成する。次に、島状半導体領域101、102を覆って、単層構造または積層構造の絶縁膜301を形成する。絶縁膜301として、少なくとも酸素を含む絶縁膜を形成する。このような絶縁膜は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy、x>y>0)、および窒化酸化シリコン(SiNxOy、x>y>0)等のシリコン酸化物を含む膜、酸化アルミニウム等の金属酸化物膜、ならびに酸化タンタルおよび酸化ハフニウム等の高誘電率体膜等で形成することができる。絶縁膜301は、高密度プラズマによる固相酸化処理、CVD法又はスパッタ法等により形成され、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜ならば、好ましくは膜厚1nm以上50nm以下、より好ましくは膜厚3nm以上30nm以下で形成する。
【0106】
次に、エッチングにより絶縁膜301を選択的に除去して、島状半導体領域102に達する開口310を形成する。開口310が形成される部分は、島状半導体領域102が導電膜109および導電膜111と重なっている領域の一部である。別言すると、開口310は、島状半導体領域102において、チャネル形成領域107が形成されている部分の一部と重なっている。
【0107】
次に、島状半導体領域101、102および絶縁膜301を覆って、単層構造または積層構造の絶縁膜302を形成する。絶縁膜302は、絶縁膜108と同様に形成することができる。絶縁膜302の膜厚は、1nm以上20nm以下が好ましく、7nm以上10nm以下がより好ましい。本実施の形態では、島状半導体領域102とフローティングゲートの間の絶縁膜を部分的に薄くするために、開口310を有する絶縁膜301と絶縁膜302との積層構造を適用している。以降の工程は、実施の形態1と同様に行うことで、本実施の形態の記憶装置を作製することができる。
【0108】
本実施の形態の記憶装置も、実施の形態1と同様に、バックコントロールゲート(BCG)をメモリ素子に設けているため、カップリング比が大きくなり、メモリセル面積を大きくせずに、書き込み電圧、消去電圧の低減が可能である。
【0109】
また、必要なカップリング比を得るのに要するメモリセル面積を縮小することができる。つまり、書き込み電圧、消去電圧の増加を伴わずに、メモリセル面積を縮小することができるので、メモリセルの高集積化が容易になる。
【0110】
なお、絶縁膜301に形成される開口は、少なくともチャネル形成領域107と重なっている部分を含むことが好ましい。図9に示す開口310はその一例である。例えば、図11に示すように、導電膜109および導電膜111と重なっていない部分を含むように、絶縁膜301に開口320を形成することもできる。
【0111】
図11は、本実施の形態の記憶装置のメモリセルの構成例を示す平面図である。また、図11のA1−A2線、B1−B2線、およびC1−C2線による断面図を図12A〜図12Cに示す。図11および図12Aに示すように、開口320は、絶縁膜301の島状半導体領域102に形成されている第1の不純物領域103、104、第2の不純物領域105、106およびチャネル形成領域107と重なる領域に形成されている。開口320を形成することで、チャネル形成領域107と導電膜109間の絶縁膜は、チャネル長方向(A1−A2線に平行な方向)は絶縁膜302のみで形成され、薄膜化されている。他方、チャネル幅方向(C1−C2線に平行な方向)では、中央部は絶縁膜302のみでなり、薄膜化され、両端部は絶縁膜301と絶縁膜302でなり厚くなっている。
【0112】
本実施の形態の記憶装置と、実施の形態1と異なる点は、本実施の形態では開口310(または開口320)を有する絶縁膜301と絶縁膜302とでなる積層膜を島状半導体領域101とフローティングゲートの間に存在させることで、島状半導体領域102とフローティングゲート間の絶縁膜を部分的に薄くしている点にある。
【0113】
そのため、絶縁膜301、絶縁膜302の膜厚によっては、本実施の形態では、実施の形態1よりも、式(3)において、島状半導体領域102とフローティングゲート(導電膜109)間の静電容量Cは小さくなりカップリング比が高くなるようになるが、他方、バックコントロールゲート(島状半導体領域101)とフローティングゲート(導電膜109)間の静電容量C21が小さくなりカップリング比が下がってしまうようになる。そのため、式(3)中のカップリング比(C21+C22)/(C+C21+C22)は、実施の形態1に比べて、カップリング比が同等もしくは下がる場合がある。
【0114】
このような場合でも、本実施の形態は次の新たな効果を有する。本実施の形態のメモリ素子は、実施の形態1と比べてバックコントロールゲートとフローティングゲート間の絶縁膜を厚くすることが容易になる。そして、この絶縁膜の厚膜化はフローティングゲートからの電荷リークの抑制に寄与するため、メモリ素子の電荷保持特性を向上することができる。また、島状半導体領域102上で絶縁膜301および絶縁膜302が積層した領域では絶縁膜の劣化が起こりにくくなるため、書き込み動作、消去動作の繰り返しによるメモリ素子の特性劣化が抑制されるので、メモリ素子の書き換え耐性を向上することができる。
【0115】
(実施の形態3)
本実施の形態は、実施の形態1とは異なる不揮発性半導体記憶装置であり、また、実施の形態2の変形例でもある。本実施の形態の記憶装置は、島状半導体領域101とフローティングゲート間の絶縁膜の厚さを部分的に異なるメモリ素子を備えている。以下、図13、図14A〜図14Cを参照して、本実施の形態を説明する。なお、実施の形態1、2と同様な構成の説明は重複するので、省略する。
【0116】
図13は、本実施の形態の記憶装置のメモリセルの平面図であり、図14A〜図14Cは、それぞれ、図13のA1−A2線、B1−B2線、およびC1−C2線による断面図である。
【0117】
まず、実施の形態2で説明したように、基板100上に絶縁膜130を介して、島状半導体領域101、102を形成する。次に、島状半導体領域101、102を覆って、単層構造または積層構造の絶縁膜301を形成する。
【0118】
次に、エッチング処理により、絶縁膜301を選択的に除去して開口310および開口311を形成する。開口311が形成される部分は、島状半導体領域101および導電膜109と重なる領域の一部に形成されている。別言すると、開口311は、絶縁膜301のチャネル形成領域137と重なっている部分に形成されている。なお、絶縁膜301の島状半導体領域102と重なっている部分には、開口310の代わりに、図11および図12Aに示すような導電膜109および導電膜111と重なっていない部分を含むように、開口320を形成してもよい。また、絶縁膜301には、島状半導体領域102と重なる部分に開口を形成しなくともよい。以降の工程は、実施の形態1と同様に行うことで、本実施の形態の記憶装置を作製することができる。
【0119】
本実施の形態の記憶装置も、実施の形態1と同様に、バックコントロールゲート(BCG)を設けているため、カップリング比が大きくなり、メモリセル面積を増加することなく、書き込み電圧、消去電圧の低減が可能であり、記憶装置の低消費電力化が実現される。
【0120】
また、必要なカップリング比を得るのに要するメモリセル面積を縮小することができる。つまり、書き込み電圧、消去電圧の増加を伴わずに、メモリセル面積を縮小することができるので、メモリセルの高集積化が容易になる。
【0121】
また、実施の形態2と同様に、本実施の形態もバックコントロールゲートとフローティングゲート間の絶縁膜に、実施の形態1よりも厚い部分を形成することが容易にできる。そして、この絶縁膜の厚膜化が、フローティングゲートからの電荷リークの抑制に寄与するため、メモリ素子の電荷保持特性を向上することができる。また、島状半導体領域102上で絶縁膜301および絶縁膜302が積層した領域では絶縁膜の劣化が起こりにくくなるため、書き込み動作、消去動作の繰り返しによるメモリ素子の特性劣化が抑制されるので、メモリ素子の書き換え耐性を向上することができる。
【0122】
さらに、本実施の形態と実施の形態2を比較すると、本実施の形態では、絶縁膜301に島状半導体領域101と導電膜109と重なる部分に開口311を形成し、バックコントロールゲートとフローティングゲート間の絶縁膜を部分的に薄くしている点が、実施の形態2と異なる。この絶縁膜の薄膜化はカップリング比の増加に寄与するため、実施の形態2よりも本実施の形態の方がカップリング比を高くすることが可能である。
【0123】
実施の形態1〜3で説明された不揮発性半導体記憶装置は、データを電子的に記憶し、かつ記憶したデータを書き換えることが可能な記憶媒体として用いることができる。したがって、各実施の形態の不揮発性半導体記憶装置は、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。電子機器としては、例えば、撮影装置(ビデオカメラ、デジタルカメラ等)、表示装置(液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置等)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機器および電子書籍等)、画像再生装置、録画装置、ICチップ、RFID等が挙げられる。
【実施例1】
【0124】
本実施例では、本発明の一態様に係るメモリセルと、図15、図16Aおよび図16Bに示す従来のメモリセルを作製し、その特性を比較する。本発明の一態様に係るメモリセルとして、実施の形態1のメモリセル(ここでは、「メモリセルA」と呼ぶ。)を作製した。まず、メモリセルAの作製方法を説明する。
【0125】
基板100にはガラス基板を用いた。絶縁膜130として、CVD法により、厚さ50nmの窒化酸化シリコン(SiNxOy、x>y>0)および厚さ100nmの酸化窒化シリコン(SiOxNy、x>y>0)をガラス基板(基板100)上に形成した(図6A〜図6C参照)。
【0126】
島状半導体領域101、102は、多結晶シリコン膜から形成した。多結晶シリコン膜は次のように形成した。まず、プラズマCVD装置で、水素およびモノシランを原料に厚さ66nmの非晶質シリコン膜を形成した。次いで、500℃1時間、および550℃4時間の加熱処理を行い、非晶質シリコン膜の水素を放出させた。そして、YVOレーザ発振器の第2高調波(波長532nm)のビームを照射して、非晶質シリコン膜を結晶化して、多結晶シリコン膜を形成した。YVOレーザ発振器は、半導体レーザ(LD)励起の連続発振レーザ発振器であった。そして、エッチング処理により、この多結晶シリコン膜を所望の形状に加工して、絶縁膜130上に島状半導体領域101、102を形成した(図5、図6A〜図6C参照)。
【0127】
絶縁膜108を形成するために、まず、島状半導体領域101、102に高密度プラズマ酸化処理を行った。次いで、プラズマCVD装置で、モノシラン(SiH)ガスと亜酸化窒素(NO)ガスを原料に、厚さ9nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。原料ガスのガス質量流量比はSiH:NO=1:800とした。また、プラズマ励起の条件は、高周波電力150W(周波数60MHz)、成膜温度(基板温度)400℃、処理室内圧力40Pa、電極間隔28mmとした。酸化窒化シリコン膜の形成後、再度、高密度プラズマ酸化処理を行った。以上の工程により、絶縁膜108を形成した。次に、スパッタ装置で30nmの膜厚のタングステン膜を絶縁膜108上に形成した。エッチング処理により、このタングステン膜を所定の形状に加工し、導電膜109を形成した。次に、プラズマドーピング装置により、島状半導体領域101、102にリン(P)を添加して、不純物領域205、206、235を形成した。ソースガスには水素で希釈したPHを用いた(図5、図6A〜図6C参照)。
【0128】
次に、導電膜109を覆って、絶縁膜110を形成した。ここでは、プラズマCVD装置で、厚さ50nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。絶縁膜110上に、スパッタ装置で、厚さ20nmの窒化タンタルおよび厚さ370nmのタングステン膜の積層膜を形成した。この積層膜をエッチングして、導電膜111を形成した。次いで、導電膜111をマスクに、プラズマドーピング装置により、島状半導体領域101および島状半導体領域102にリンを添加した。ソースガスには水素で希釈したPHを用いた。この工程で、島状半導体領域101に第1の不純物領域103、104および第2の不純物領域105、106を形成し、島状半導体領域102に第1の不純物領域133、134、第2の不純物領域135を形成した(図7、図8A〜図8C参照)。
【0129】
次に、導電膜111を覆って、絶縁膜112として厚さ100nmの酸化窒化シリコン膜と、厚さ600nmの酸化シリコン膜の積層膜を形成した。酸化シリコン膜を形成した後、窒素雰囲気で550℃の加熱処理を行い、島状半導体領域101、102に添加したリンを活性化した。次いで、絶縁膜108、110、112の積層膜をエッチング処理して、開口116〜120を形成した。次に、絶縁膜112上に、スパッタ装置で、厚さ60nmのチタン膜、厚さ40nmの窒化チタン膜、厚さ500nmの純アルミニウム膜、および厚さ100nmのチタン膜でなる積層構造の導電膜を形成した。エッチング処理により、この積層膜を所望の形状に加工し、導電膜113〜115を形成した。以上の工程により、メモリセルAを作製した(図1、図2A〜図2C参照)。
【0130】
また、本実施例では、比較例として、2種類のメモリセルx、yを形成した。メモリセルx、yの構造は、図15の従来のメモリセルと同じである。メモリセルx、yの作製は、バックコントロールゲートを構成する島状半導体領域101、および導電膜115を形成しない点の他は、メモリセルAと同じ条件で行った。
【0131】
ここでは、メモリセルA、x、yの構成の違いは、メモリトランジスタの島状シリコン膜(島状半導体領域102)、フローティングゲート(導電膜109)、コントロールゲート(導電膜111)が互いに重なる部分の面積比と、バックコントロールゲート(島状半導体領域101)の有無の点である。これらの条件は、カップリング比を決定する。表1に、メモリセルA、x、yの構成の違い、およびその書き込み電圧値、消去電圧値を示す。
【0132】
【表1】

【0133】
書き込み動作、消去動作は、共にF−N(Fowler−Nordheim)トンネル電流を用いて行った。また、読み出し電圧を3Vに想定して、書き込み状態のメモリトランジスタのしきい値電圧を4.3Vに設定し、消去状態のメモリトランジスタのしきい値電圧を1.3Vに設定することで、各メモリセルA、x、yの書き込み電圧、および消去電圧を測定した。
【0134】
また、表1において、Si−FGは、メモリトランジスタを構成する島状半導体領域102と導電膜109が重なっている部分の面積を表し、FG−CGは、導電膜109と導電膜111が重なっている部分の面積を表し、FG−BCGは、導電膜109とバックコントロールゲートを構成する島状半導体領域101が重なっている部分の面積を表している。表1にこれらの面積比を示している。
【0135】
ここで、メモリセルxのレイアウトは図15に相当する。メモリセルAの島状半導体領域102とメモリセルxの島状半導体領域1102の形状は同じで、かつ同じ大きさであり、メモリセルAとメモリセルxは、Si−FGの大きさが等しくなるように作製した。そして、メモリセルxでは、フローティングゲートを構成する導電膜1109とコントロールゲートを構成する導電膜1111が、それぞれ、メモリセルAの導電膜109、導電膜111よりも大きく、FG−CGがメモリセルAの2倍となっている。メモリセルAの面積は、メモリセルxの面積よりも約13%小さかった。
【0136】
また、メモリセルyは、メモリセルAから島状半導体領域101および導電膜115を取り除いた構造であり、Si−FGおよびFG−CGの面積の大きさはメモリセルAと同じにした。
【0137】
メモリセルAとメモリセルxの書き込み電圧、消去電圧は、それぞれ、表1の値を小数点第1位で四捨五入すると互いに等しくなるが、メモリセルAの面積は、メモリセルxのそれに比べて約13%も減少している。このことは、メモリトランジスタにバックコントロールゲートを設けることで、書き込み電圧、消去電圧を増加させることなく、メモリセルの面積を縮小できることを示している。なお、本実施例のメモリセルAでは、島状半導体領域102を導電膜109のごく一部と重なるように設けた。ただし、メモリセルAの構成は本発明の一例であり、領域121内において、島状半導体領域102が形成される領域と、素子分離の領域とを除いて、導電膜109と重なるほぼ全ての領域にわたってバックコントロールゲート(島状半導体領域101)を設けることができる。このようにすることで、より本実施例の効果が顕著となることは言うまでもない。つまり、本実施例のメモリセルの構成は、メモリセルの高集積化に非常に有効であることが明らかになった。
【0138】
また、表1に示したように、バックコントロールゲートを設けることで、書き込み電圧、消去電圧の低電圧化が達成されていることが分かる。メモリセルAとメモリセルyに着目すると、これらの面積比Si−FG:FG−CGが等しいが、書き込み電圧、消去電圧は、メモリセルAの方が小さい。このことは、メモリトランジスタにバックコントロールゲートを設けることで、メモリセルの面積を拡大することなく、書き込み電圧および消去電圧を低減できることを示している。つまり、本実施例の構成は、メモリセルの低消費電力化に非常に有効であることが明らかになった。
【符号の説明】
【0139】
100 基板
101 島状半導体領域(バックコントロールゲート)
102 島状半導体領域
103、104 第1の不純物領域
105、106 第2の不純物領域
107 チャネル形成領域
108 絶縁膜
109 導電膜(フローティングゲート)
110 絶縁膜
111 導電膜(コントロールゲート、ワード線)
112 絶縁膜
113 導電膜(ソース線)
114 導電膜(ビット線)
115 導電膜
116〜120 開口
121 メモリセル
130 絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメモリセルを有する不揮発性半導体記憶装置であって、
前記メモリセルは、
絶縁表面上に形成され、チャネル形成領域、ソース領域またはドレイン領域となる一対の不純物領域が形成されている第1の島状半導体領域と、
絶縁表面上に形成されている第2の島状半導体領域と、
前記第1の島状半導体領域および前記第2の島状半導体領域と重なるフローティングゲートと、
前記フローティングゲートと重なり、かつ前記第2の島状半導体領域に電気的に接続されているコントロールゲートと、
前記第1の島状半導体領域および前記第2の島状半導体領域と、前記フローティングゲートとの間に形成されている第1の絶縁膜と、
前記フローティングゲートと前記コントロールゲートとの間に形成されている第2の絶縁膜と、
を有することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
複数のメモリセルを有する不揮発性半導体記憶装置であって、
絶縁表面上に形成され、チャネル形成領域、ソース領域またはドレイン領域となる一対の不純物領域が形成されている島状半導体領域と、
前記メモリセルは、
絶縁表面上に形成されている導電膜と、
前記島状半導体領域および前記導電膜と重なるフローティングゲートと、
前記フローティングゲートと重なり、かつ前記導電膜に電気的に接続されているコントロールゲートと、
前記島状半導体領域および前記導電膜と、前記フローティングゲートとの間に形成されている第1の絶縁膜と、
前記フローティングゲートと前記コントロールゲートの間に形成されている第2の絶縁膜と、
を有することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1の絶縁膜の前記第1の島状半導体領域と重なっている領域は、部分的に膜厚が薄いことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
請求項1または3において、
前記第1の絶縁膜の前記第2の島状半導体領域と重なっている領域は、部分的に膜厚が薄いことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
請求項2において、
前記第1の絶縁膜の前記島状半導体領域と重なっている領域は、部分的に膜厚が薄いことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
請求項2または5において、
前記第1の絶縁膜の前記導電膜と重なっている領域は、部分的に膜厚が薄いことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項7】
請求項1、3および4のいずれか1項において、
前記第1の島状半導体領域は単結晶シリコン膜、多結晶シリコン膜、および微結晶シリコン膜のいずれか一であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項8】
請求項1、3、4および7のいずれか1項において、
前記第2の島状半導体領域は単結晶シリコン膜、多結晶シリコン膜、および微結晶シリコン膜のいずれか一であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項9】
請求項2、5および6のいずれか1項において、
前記第島状半導体領域は単結晶シリコン膜、多結晶シリコン膜、および微結晶シリコン膜のいずれか一であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項において、
前記第2の絶縁膜を介して、前記コントロールゲートは前記フローティングゲートの上面および側面を覆っていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項11】
複数のメモリセルを有する不揮発性半導体記憶装置であって、
前記メモリセルは、
絶縁表面上に形成され、チャネル形成領域、ソース領域またはドレイン領域となる一対の不純物領域が形成されている第1の島状半導体領域と、
絶縁表面上に形成されている第2の島状半導体領域と、
前記第1の島状半導体領域および前記第2の島状半導体領域と重なるフローティングゲートと、
前記フローティングゲートと重なり、かつ前記第2の島状半導体領域に電気的に接続されているコントロールゲートと、
前記第1の島状半導体領域および前記第2の島状半導体領域と、前記フローティングゲートの間に形成されている第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成され、かつ前記第1の島状半導体領域および前記第2の島状半導体領域と、前記フローティングゲートとの間に形成されている第2の絶縁膜と、
前記フローティングゲートと前記コントロールゲートとの間に形成されている第3の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の前記第1の島状半導体領域と重なる部分に形成されている開口と、
を有することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項12】
複数のメモリセルを有する不揮発性半導体記憶装置であって、
前記メモリセルは、
絶縁表面上に形成され、チャネル形成領域、ソース領域またはドレイン領域となる一対の不純物領域が形成されている島状半導体領域と、
絶縁表面上に形成されている導電膜と、
前記島状半導体領域および前記導電膜と重なるフローティングゲートと、
前記フローティングゲートと重なり、かつ前記導電膜に電気的に接続されているコントロールゲートと、
前記島状半導体領域および前記導電膜と、前記フローティングゲートとの間に形成されている第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成され、前記島状半導体領域および前記導電膜と、前記フローティングゲートとの間に形成されている第2の絶縁膜と、
前記フローティングゲートと前記コントロールゲートとの間に形成されている第3の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の前記第1の島状半導体領域と重なる部分に形成されている開口と、
を有することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項13】
請求項11において、
前記第1の絶縁膜には、前記第2の島状半導体領域と重なる部分に他の開口が形成されていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項14】
請求項12において、
前記第1の絶縁膜には、前記導電膜と重なる部分に他の開口が形成されていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項15】
請求項11または13において、
前記第1の島状半導体領域は単結晶シリコン膜、多結晶シリコン膜、および微結晶シリコン膜のいずれか一であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項16】
請求項11、13および15のいずれか1項において、
前記第2の島状半導体領域は単結晶シリコン膜、多結晶シリコン膜、および微結晶シリコン膜のいずれか一であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項17】
請求項12または14において、
前記島状半導体領域は単結晶シリコン膜、多結晶シリコン膜、および微結晶シリコン膜のいずれか一であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項18】
請求項11乃至17のいずれか1項において、
前記第3の絶縁膜を介して、前記コントロールゲートは前記フローティングゲートの上面および側面を覆っていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項19】
請求項1乃至18のいずれか1項において、
前記複数のメモリセルは基板上に形成されており、
前記基板は、ガラス基板、石英基板、および樹脂基板のいずれか一であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−295971(P2009−295971A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110344(P2009−110344)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】