半導体装置の製造方法
【課題】ゲート電極、ソース電極またはドレイン電極にタングステン膜を用いた半導体装置において、nMOSとpMOS間での抵抗差を低減可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板10上に、ゲート電極14a,14bとソース/ドレイン拡散層16a,16bとを有するnMOS及びpMOSを形成し、ゲート電極14a,14b及びソース/ドレイン拡散層16a,16b上に、タングステン膜17を選択的に形成し、タングステン膜17を覆うように、絶縁膜(エッチングストップシリコン酸化膜18、シリコン窒化膜19)を形成し、pMOS領域12bの絶縁膜を除去し、pMOS領域12bのタングステン膜17上に、タングステン膜20を選択的に形成する。
【解決手段】シリコン基板10上に、ゲート電極14a,14bとソース/ドレイン拡散層16a,16bとを有するnMOS及びpMOSを形成し、ゲート電極14a,14b及びソース/ドレイン拡散層16a,16b上に、タングステン膜17を選択的に形成し、タングステン膜17を覆うように、絶縁膜(エッチングストップシリコン酸化膜18、シリコン窒化膜19)を形成し、pMOS領域12bの絶縁膜を除去し、pMOS領域12bのタングステン膜17上に、タングステン膜20を選択的に形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、ゲート電極、ソース電極またはドレイン電極にタングステン(W)膜を用いた半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲート電極、ソース電極またはドレイン電極の低抵抗化を図る技術として、表面に自己整合的に金属シリサイド膜を形成する、いわゆるサリサイド(Self-Aligned Silicide)プロセスが知られている。サリサイドプロセスにおいてシリコン(Si)と反応させる金属材料としては、コバルト(Co)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)などが用いられている。
【0003】
サリサイドプロセスの場合、下地のシリコンと反応させるため、金属材料がソース/ドレイン拡散層を浸食していく。このため、半導体装置の微細化に伴い、ソース/ドレイン拡散層が薄くなっていくと、接合リークを増大させる懸念があった。また、ニッケルシリサイド(NiSi)を形成する場合、高抵抗でスパイク状のニッケルダイシリサイド(NiSi2)相が形成され、接合リーク電流がさらに増加する問題もあった。
【0004】
ところで、サリサイドプロセスの代替手段として、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層上に選択的にタングステン膜を成膜するプロセスが知られている(たとえば、非特許文献1参照)。タングステンは、ニッケルなどとは異なり、シリコンを浸食せずにソース/ドレイン拡散層上に成長させることができる。つまり、ソース/ドレイン拡散層をそのまま保持できるメリットがあり、特にソース/ドレイン拡散層が薄い場合に適しており、注目されている。
【非特許文献1】E. K. Broadbent et al., J. Electrochem. Soc., Vol. 131, No. 6, pp. 1427 (1984)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、タングステン膜をCMOSFET(Complementary Metallic Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)に用いた場合、以下のような問題があった。
図18は、CMOSFETにタングステン膜を形成する場合の各工程を示す断面図である。
【0006】
まず、図18(A)に示すように、シリコン基板80に絶縁膜が充填されたSTI(Shallow Trench Isolation)81を形成し、nチャネル型MOSFET(以下nMOSと略す)領域82aとpチャネル型MOSFET(以下pMOSと略す)領域82bを画定した後、各領域にゲート絶縁膜83a,83b、ゲート電極84a,84b及び側壁絶縁膜85a,85bを形成する。その後、nMOS領域82aとpMOS領域82bに交互にイオン注入を施し、ソース/ドレイン拡散層86a,86bを形成する。
【0007】
次に、図18(B)に示すように、タングステン膜87をCVD(Chemical Vapor Deposition)を用いて、ゲート電極84a,84b及びソース/ドレイン拡散層86a,86b上に同時に選択的に成膜する。このとき、nMOS領域82aとpMOS領域82bとではタングステン膜87の成膜レートが異なり、nMOS領域82aよりもpMOS領域82bのほうが薄い膜厚になる。
【0008】
これにより、pMOS側のほうがnMOS側よりも、高抵抗となってしまう問題があった。
pMOS側のタングステン膜87の抵抗を低くするために、タングステン膜87の膜厚を厚くすると、今度はnMOS側で、ゲート電極84a上のタングステン膜87がソース/ドレイン拡散層86a上のものと、接触してしまう問題があった。
【0009】
そこで、本発明者らは、ゲート電極、ソース電極またはドレイン電極にタングステン膜を用いた半導体装置において、nMOSとpMOS間での抵抗差を低減可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、以下のような工程を有する半導体装置の製造方法が提供される。この半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1のタングステン膜を選択的に形成する工程と、前記第1のタングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記第1のタングステン膜上に、第2のタングステン膜を選択的に形成する工程と、を有する。
【0011】
また、上記目的を達成するために、以下のような工程を有する半導体装置の製造方法が提供される。この半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1のタングステン膜を選択的に形成する工程と、前記第1のタングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、前記nチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、前記nチャネル型MOSFETの形成領域の前記第1のタングステン膜を除去する工程と、前記nチャネル型MOSFETの前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第2のタングステン膜を選択的に形成する工程と、を有する。
【0012】
また、上記目的を達成するために、以下のような工程を有する半導体装置の製造方法が提供される。この半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、タングステン膜を選択的に形成する工程と、前記タングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記タングステン膜を除去する工程と、前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、シリサイド膜を形成する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
ゲート電極、ソース電極またはドレイン電極にタングステン膜を用いた半導体装置において、nMOSとpMOS間での抵抗差を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至図3は、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である。
【0015】
まず、半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnMOS及びpMOSを形成する工程を行う。たとえば、図1(A)に示すように、所定の導電型のウェル(図示せず)が形成されたシリコン基板10に、素子分離領域として、たとえば、シリコン酸化膜が充填されたSTI11を形成し、nMOS領域12aとpMOS領域12bを画定する。その後、各領域にゲート絶縁膜13a,13b、ゲート電極14a,14b及び側壁絶縁膜15a,15bを形成する。その後、nMOS領域12aとpMOS領域12bに交互にイオン注入を施し、ソース/ドレイン拡散層16a,16bを形成する。
【0016】
ゲート絶縁膜13a,13bの材料は特に限定はされないが、たとえば、熱酸化法により、たとえば、2nm程度のシリコン酸化膜を形成する。
ゲート電極14a,14bは、ポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜を用いて、たとえば、CVD法により、100nm程度の膜厚で形成し、その後、イオン注入法によりドーパント不純物をポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜に導入したものを用いる。nMOSのゲート電極14aを形成する場合には、n型のドーパント不純物として、たとえば、リン(P)を用い、たとえば、加速電圧を5keV、ドーズ量を1×1016cm-2としてイオン注入する。pMOSのゲート電極14bを形成する場合には、p型のドーパント不純物として、たとえば、ボロン(B)を用い、たとえば、加速電圧を0.5keV、ドーズ量を5×1015cm-2としてイオン注入する。その後、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、パターニングする。
【0017】
ソース/ドレイン拡散層16a,16bのうち、浅い不純物拡散領域であるエクステンション領域は、ゲート電極14a,14bのパターニング後に形成する。ゲート電極14a,14bをマスクとして、たとえば、イオン注入法により、ゲート電極14a,14bの両側のシリコン基板10に、ドーパント不純物を注入することにより形成する。nMOSを形成する場合、n型のドーパント不純物として、たとえば、砒素(As)を用い、たとえば、加速電圧を1keV,ドーズ量を1×1015cm-2としてイオン注入する。pMOSを形成する場合、p型のドーパント不純物として、たとえば、ボロンを用い、たとえば、加速電圧を0.5keV、ドーズ量を1×1015cm-2としてイオン注入する。
【0018】
側壁絶縁膜15a,15bは、エクステンション領域形成後のシリコン基板10の全面に、たとえば、シリコン酸化膜を、CVD法により100nm形成し、その後、たとえば、RIE(Reactive Ion Etching)法により、異方性エッチングすることによって形成する。なお、側壁絶縁膜15a,15bは、シリコン酸化膜に限らず、他の絶縁膜を用いてもよい。
【0019】
ソース/ドレイン拡散層16a,16bのうち、深い不純物拡散層は、ゲート電極14a,14b及び側壁絶縁膜15a,15bをマスクとして、たとえば、イオン注入法により、側壁絶縁膜15a,15bの両側のシリコン基板10にドーパント不純物を注入することにより形成する。nMOSを形成する場合、n型のドーパント不純物として、たとえば、リンを用い、加速電圧を8keV、ドーズ量を1×1016cm-2としてイオン注入する。pMOSを形成する場合、p型のドーパント不純物として、たとえば、ボロンを用い、加速電圧を5keV、ドーズ量を5×1015cm-2としてイオン注入する。その後、所定の温度で熱処理を行うことにより、不純物拡散領域に導入されたドーパント不純物を活性化する。
【0020】
続いて、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、ゲート電極14a,14bの表面及びソース/ドレイン拡散層16a,16bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。そして、タングステン膜17を、ゲート電極14a,14b、ソース/ドレイン拡散層16a,16b上に選択的に成膜する。タングステン膜17は、CVD法を用いて、たとえば、原料ガスを六フッ化タングステン(WF6)及びシラン(SiH4)として、成膜温度200〜400℃、圧力0.1〜10Paで、5〜40nm程度の膜厚で成膜する。このとき、成膜レートの違いによって、nMOS領域12aよりも、pMOS領域12bのほうが薄い膜厚になる。
【0021】
さらに、タングステン膜17を覆うように、nMOS領域12a、pMOS領域12bに、エッチングストップシリコン酸化膜18と引張応力をもつシリコン窒化膜19を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜18は、1〜20nm程度成膜し、シリコン窒化膜19は、10〜100nm程度成膜する。
【0022】
次に、nMOS領域12aをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、ドライエッチングすることによって、図1(B)に示すように、pMOS領域12bのシリコン窒化膜19及びエッチングストップシリコン酸化膜18を除去する。
【0023】
その後、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、pMOS領域12bのゲート電極14bの表面及びソース/ドレイン拡散層16bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。
【0024】
そして、図1(C)に示すように、タングステン膜20を、pMOS領域12bのゲート電極14b、ソース/ドレイン拡散層16b上のタングステン膜17上に選択的に成膜する。タングステン膜20は、CVD法を用いて、たとえば、原料ガスを六フッ化タングステン及びシランとして、成膜温度200〜400℃、圧力0.1〜10Paで5〜40nm程度の膜厚で成膜する。
【0025】
このような工程によって、シリコン窒化膜19で覆われたままのnMOS領域12aには、タングステン膜20は成膜されず、pMOS領域12bのタングステン膜17上にのみ、所望の膜厚でタングステン膜20を成膜することができる。つまり、nMOS領域12aのタングステン膜17の膜厚と、pMOS領域12bのタングステン膜17,20による膜厚とを等しくすることが可能になる。
【0026】
続いて、図2(A)、図2(B)に示すように、タングステン膜20を覆うように、nMOS領域12aのシリコン窒化膜19、pMOS領域12b上に、エッチングストップシリコン酸化膜21と圧縮応力をもつシリコン窒化膜22を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜21は、1〜20nm程度成膜し、シリコン窒化膜22は、20〜100nm程度成膜する。
【0027】
そして、pMOS領域12bをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、ドライエッチングすることによって、図3に示すように、nMOS領域12aのシリコン窒化膜22及びエッチングストップシリコン酸化膜21を除去する。
【0028】
nMOSに対しては、引張応力をもつシリコン窒化膜19で覆うことで、チャネル領域に引張歪みを加えられ、高い電子移動度が実現でき、nMOSの動作速度の向上を図ることができる。pMOSに対しては、圧縮応力をもつシリコン窒化膜22で覆うことで、チャネル領域に圧縮歪みが加えられ、高いホール移動度が実現でき、pMOSの動作速度の向上を図ることができる。
【0029】
以上のような工程で作成した半導体装置において、タングステン膜のシート抵抗を測定した結果を以下に示す。
まず、比較例として、図18で示した工程で形成したタングステン膜87のシート抵抗を示す。
【0030】
図4は、図18の工程で形成したタングステン膜のシート抵抗を示す図であり、(A)はnMOSのシート抵抗、(B)はpMOSのシート抵抗を示す図である。
横軸はシート抵抗〔ohm/sq.〕、縦軸は累積確率〔%〕である。タングステン膜87は、長さ(L)100μm、幅(W)0.14μmで、ブランケットn型シリコン基板上で20nm成膜する条件で堆積させたものを測定した。
【0031】
図4(A)のように、nMOSでのシート抵抗は20〔ohm/sq.〕以上、pMOSでのシート抵抗は150〔ohm/sq.〕以上であり、図4(B)のように、pMOSでのシート抵抗はnMOSに対して約7.5倍にも達した。
【0032】
図5は、本実施の形態の工程で形成したタングステン膜のシート抵抗を示す図であり、(A)はnMOSのシート抵抗、(B)はpMOSのシート抵抗を示す図である。
横軸はシート抵抗〔ohm/sq.〕、縦軸は累積確率〔%〕である。タングステン膜17,20は、長さ(L)100μm、幅(W)0.11μmで、タングステン膜17,20ともブランケットn型シリコン基板上で30nm成膜する条件で堆積させたものを測定した。
【0033】
図5(A)のように、nMOSでのシート抵抗は、4〔ohm/sq.〕以上、図5(B)のように、pMOSでのシート抵抗は、5〔ohm/sq.〕以上であった。すなわち、pMOSでのシート抵抗はnMOSに対して1.25倍であり、本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、pMOSにおいて、タングステン膜17,20の抵抗を下げることができ、nMOS,pMOS間の抵抗差を大幅に少なくできたことがわかった。
【0034】
なお、STEM(Scanning Transmission Electron Microscope)測定を行った結果、図4の条件で形成したタングステン膜の膜厚は、nMOSで26.1nm、pMOSで11.8nmであり、膜厚差は、pMOSに対してnMOSが約2.2倍厚くなっていた。それに対して、図5の条件で形成した本実施の形態の半導体装置のタングステン膜の膜厚は、nMOSで40.4nmであるのに対して、pMOSでは31.4nmであり、膜厚差は、pMOSに対してnMOSが約1.25倍厚くなっていた。一般的に、pMOSとnMOS間での膜厚差の許容範囲は、約1.5倍以下であるので、1.25倍は許容範囲内である。
【0035】
次に、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明する。
第2の実施の形態の半導体装置の製造方法は、pMOSのソース/ドレイン拡散層とゲート電極にシリコンゲルマニウム(SiGe)を用いた例であり、その他は第1の実施の形態の半導体装置の製造方法とほぼ同様である。
【0036】
図6乃至図9は、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である。
まず、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法と同一の工程で、半導体基板上にnMOS及びpMOSの各領域を形成する。たとえば、図6(A)に示すように、シリコン基板30上に素子分離領域として、たとえば、シリコン酸化膜が充填されたSTI31を形成し、nMOS領域32aとpMOS領域32bを画定する。その後、各領域にゲート絶縁膜33a,33b、ゲート電極34a,34b及び側壁絶縁膜35a,35bを形成する。その後、nMOS領域32aとpMOS領域32bに交互にイオン注入を施し、ソース/ドレイン拡散層36a,36bを形成する。以上の工程における製造条件などは、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
【0037】
その後、nMOS領域32aとpMOS領域32bの全面に、たとえば、CVD法により、膜厚40nm程度のシリコン酸化膜37を形成する。続いて、図6(B)に示すように、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチングにより、シリコン酸化膜37をパターニングして、nMOS領域32a上は残し、pMOS領域32b上は除去する。そして、パターニングしたシリコン酸化膜37をマスクとして、たとえば、RIE法により、シリコン酸化膜37に対して高い選択比でシリコン基板30をエッチングする。これにより、pMOS領域32bの側壁絶縁膜35bの両側のソース/ドレイン拡散層36b内に、たとえば、深さ50μmの凹部を形成する。なお、このとき、ポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜よりなるゲート電極34bの上部も若干エッチングで除去される。
【0038】
次に、凹部が形成されたシリコン基板30の表面を、希フッ酸(たとえば、HF:H2O=5:100)を用いて、たとえば、5秒間クリーニングする。この後、図6(C)に示すように、シリコン酸化膜37をマスクとして、たとえば、CVD法により、ゲート電極34bの上部及びソース/ドレイン拡散層36bの上部の凹部内に、ドーパント不純物が導入されたシリコンゲルマニウム膜(Si1-xGex膜)38を選択的にエピタキシャル成長する。ドーパント不純物としては、たとえば、ボロンを用いる。ゲルマニウムの組成比xは、0<x<1の範囲で適宜設定することができる。
【0039】
シリコンゲルマニウムの格子定数がシリコンの格子定数より大きいため、pMOSのチャネル領域には圧縮歪みが加えられる。これにより、高いホール移動度が実現され、pMOSの動作速度の向上を図ることができる。
【0040】
次に、nMOS領域32aに形成されているシリコン酸化膜37をエッチング除去した後、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、ゲート電極34a,34bの表面及びソース/ドレイン拡散層36a,36bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。そして、図7(A)に示すように、タングステン膜39を、CVD法を用いて、たとえば、原料ガスを六フッ化タングステン及びシランとして、成膜温度200〜400℃、圧力0.1〜10Paで、ゲート電極34a,34b及びソース/ドレイン拡散層36a,36b上に選択的に5〜40nm程度の膜厚で成膜する。
【0041】
このとき、nMOS領域32aとpMOS領域32bでは成膜レートが異なり、nMOS領域32aよりもpMOS領域32bのほうが薄い膜厚になる。ここでは、nMOS領域32aのタングステン膜39の膜厚を最適値(たとえば、目標のシート抵抗になるような膜厚値)となるように成膜する。
【0042】
さらに、図7(B)に示すように、タングステン膜39を覆うように、nMOS領域32a、pMOS領域32bに、エッチングストップシリコン酸化膜40と引張応力をもつシリコン窒化膜41を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜40は、1〜20nm程度成膜し、シリコン窒化膜41は、20〜100nm程度成膜する。
【0043】
次に、nMOS領域32aをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、ドライエッチングすることで、図7(C)に示すように、pMOS領域32bのシリコン窒化膜41及びエッチングストップシリコン酸化膜40を除去する。
【0044】
その後、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、pMOS領域32bのゲート電極34bの表面及びソース/ドレイン拡散層36bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。
【0045】
そして、図8(A)に示すように、タングステン膜42を、pMOS領域32bのゲート電極34b、ソース/ドレイン拡散層36b上のタングステン膜39上に選択的に成膜する。タングステン膜42は、CVD法を用いて、たとえば、原料ガスを六フッ化タングステン及びシランとして、成膜温度200〜400℃、圧力0.1〜10Paで5〜40nm程度の膜厚で成膜する。
【0046】
このような工程によって、シリコン窒化膜41で覆われたままのnMOS領域32aには、タングステン膜42は成膜されず、pMOS領域32bのタングステン膜39上にのみ、所望の膜厚でタングステン膜42を追加堆積することができる。これにより、最適値としたnMOS領域32aのタングステン膜39の膜厚と同程度にできる。
【0047】
その後は、図8(B)に示すように、タングステン膜42を覆うように、nMOS領域32aのシリコン窒化膜41、pMOS領域32b上に、エッチングストップシリコン酸化膜43と圧縮応力をもつシリコン窒化膜44を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜43は、1〜20nm程度成膜し、シリコン窒化膜44は、20〜100nm程度成膜する。
【0048】
そして、図9に示すように、pMOS領域32bをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、nMOS領域32aをドライエッチングすることによってnMOS領域32aのシリコン窒化膜44及びエッチングストップシリコン酸化膜43を除去する。
【0049】
nMOSに対しては、引張応力をもつシリコン窒化膜41で覆うことで、チャネル領域に引張歪みを加えられ、高い電子移動度が実現でき、nMOSの動作速度の向上を図ることができる。pMOSに対しては、圧縮応力をもつシリコン窒化膜44で覆うことで、チャネル領域に圧縮歪みが加えられ、高いホール移動度が実現でき、pMOSの動作速度の向上を図ることができる。
【0050】
上記のように、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法においても、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法と同様に、pMOS領域32bのタングステン膜39上にタングステン膜42を選択的に追加堆積させることができるので、nMOS,pMOS間の抵抗差を少なくすることができる。
【0051】
次に、第3の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明する。
前述した第1及び第2の実施の形態の半導体装置の製造方法は、nMOS領域と比べて薄く形成されてしまうpMOS領域のタングステン膜を追加堆積させるものであった。これに対して、第3の実施の形態の半導体装置の製造方法は、nMOS領域とpMOS領域に同時にタングステン膜を形成する際、pMOS領域のタングステン膜を目的の厚さになるように形成し、厚くなりすぎるnMOS領域のタングステン膜を除去して、nMOS領域のみに再び目的の膜厚でタングステン膜を形成するものである。
【0052】
図10乃至図13は、第3の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である。
まず、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法と同一の工程で、半導体基板上にnMOS及びpMOSの各領域を形成する。たとえば、図10(A)に示すように、シリコン基板50上に素子分離領域として、たとえば、シリコン酸化膜が充填されたSTI51を形成し、nMOS領域52aとpMOS領域52bを画定する。その後、各領域にゲート絶縁膜53a,53b、ゲート電極54a,54b及び側壁絶縁膜55a,55bを形成する。その後、nMOS領域52aとpMOS領域52bに交互にイオン注入を施し、ソース/ドレイン拡散層56a,56bを形成する。その後、pMOS領域52bのゲート電極54b及びソース/ドレイン拡散層56b上に、シリコンゲルマニウム膜57を形成する。以上の工程における製造条件などは、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
【0053】
その後、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、ゲート電極54a,54bの表面及びソース/ドレイン拡散層56a,56bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。そして、図10(B)に示すように、タングステン膜58を、CVD法を用いて、たとえば、原料ガスを六フッ化タングステン及びシランとして、成膜温度200〜400℃、圧力0.1〜10Paで、ゲート電極54a,54b及びソース/ドレイン拡散層56a,56b上に選択的に5〜40nm程度の膜厚で成膜する。
【0054】
このとき、nMOS領域52aとpMOS領域52bでは成膜レートが異なり、nMOS領域52aよりもpMOS領域52bのほうが薄い膜厚になる。ここでは、第1及び第2の実施の形態の半導体装置の製造方法と異なり、pMOS領域52bのタングステン膜58の膜厚を最適値となるように成膜する。
【0055】
さらに、図11(A)に示すように、タングステン膜58を覆うように、nMOS領域52a、pMOS領域52bにエッチングストップシリコン酸化膜59と圧縮応力をもつシリコン窒化膜60を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜59は、1〜20nm程度成膜し、シリコン窒化膜60は、20〜100nm程度成膜する。
【0056】
次に、pMOS領域52bをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、図11(B)に示すように、ドライエッチングすることで、nMOS領域52aのシリコン窒化膜60及びエッチングストップシリコン酸化膜59を除去する。
【0057】
そして、nMOS領域52aのゲート電極54a及びソース/ドレイン拡散層56a上に形成されたタングステン膜58を、硫酸過水、塩酸過水、アンモニア過水のいずれか、もしくはその組み合わせを用いた薬液処理で除去する。たとえば、硫酸過水を用いる場合の硫酸(H2SO4)の組成は、たとえば、50〜95%とし、塩酸過水における塩酸(HCl)の組成は、たとえば、0.1〜25%とし、アンモニア過水におけるアンモニア(NH4OH)の組成は、たとえば、0.1〜25%とし、薬液の温度はいずれの薬液処理も、たとえば、30〜150℃である。
【0058】
その後、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、nMOS領域52aのゲート電極54aの表面及びソース/ドレイン拡散層56aの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。
【0059】
そして、図12(A)に示すように、タングステン膜61を、nMOS領域52aのゲート電極54a、ソース/ドレイン拡散層56a上に選択的に成膜する。タングステン膜61は、CVD法を用いて、たとえば、原料ガスを六フッ化タングステン及びシランとして、成膜温度200〜400℃、圧力0.1〜10Paで5〜40nm程度の膜厚で成膜する。
【0060】
このような工程によって、シリコン窒化膜60で覆われたままのpMOS領域52bには、タングステン膜61は成膜されず、nMOS領域52aにのみ、所望の膜厚でタングステン膜61を堆積することができる。これにより、最適値としたpMOS領域52bのタングステン膜58の膜厚と同程度にできる。
【0061】
その後は、図12(B)に示すように、タングステン膜61を覆うように、pMOS領域52bのシリコン窒化膜60と、nMOS領域52a上に、エッチングストップシリコン酸化膜62と引張応力をもつシリコン窒化膜63を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜62は、1〜20nm程度成膜し、シリコン窒化膜63は、20〜100nm程度成膜する。
【0062】
そして、nMOS領域52aをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、図13に示すように、pMOS領域52bをドライエッチングすることによってpMOS領域52bのシリコン窒化膜63及びエッチングストップシリコン酸化膜62を除去する。
【0063】
nMOSに対しては、引張応力をもつシリコン窒化膜63で覆うことで、チャネル領域に引張歪みを加えられ、高い電子移動度が実現でき、nMOSの動作速度の向上を図ることができる。pMOSに対しては、圧縮応力をもつシリコン窒化膜60で覆うことで、チャネル領域に圧縮歪みが加えられ、高いホール移動度が実現でき、pMOSの動作速度の向上を図ることができる。
【0064】
上記のように、第3の実施の形態の半導体装置の製造方法では、nMOS領域52aとpMOS領域52bに同時にタングステン膜58を形成する際、pMOS領域52bのタングステン膜58を目的の厚さになるように形成し、厚くなりすぎるnMOS領域52aのタングステン膜58は除去して、nMOS領域52aのみに再び目的の膜厚でタングステン膜61を形成する。これにより、nMOS領域52aのタングステン膜61が厚くなりすぎて、ゲート電極54a上のタングステン膜61とソース/ドレイン拡散層56aのタングステン膜61とが接触する恐れを少なくでき、pMOS領域52bのタングステン膜58と同程度の膜厚にすることができるので、nMOS,pMOS間の抵抗差を少なくすることができる。
【0065】
なお、第3の実施の形態の半導体装置の製造方法では、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法と同様に、pMOS領域52bのゲート電極54bと、ソース/ドレイン拡散層56上にシリコンゲルマニウム膜57を形成したが、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法のように、シリコンゲルマニウム膜57を形成しないようにしてもよい。
【0066】
次に、第4の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明する。
第4の実施の形態の半導体装置の製造方法は、nMOS領域とpMOS領域に同時にタングステン膜を形成する際、nMOS領域よりも薄くなるpMOS領域のタングステン膜を除去して、代わりにニッケルシリサイドを形成することで、nMOS,pMOS間の抵抗差を少なくするものである。
【0067】
図14乃至図17は、第4の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である。
図14(A)は、図7(C)に示した断面図と同じであり、この工程までは、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法と同じである。次に、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法では、pMOS領域32bのタングステン膜を追加堆積したが、第4の実施の形態の半導体装置の製造方法では、図14(B)に示すように、pMOS領域32bのタングステン膜39を除去する。
【0068】
タングステン膜39の除去は、硫酸過水、塩酸過水、アンモニア過水のいずれか、もしくはその組み合わせを用いた薬液処理で除去する。たとえば、硫酸過水を用いる場合の硫酸の組成は、たとえば、50〜95%とし、塩酸過水における塩酸の組成は、たとえば、0.1〜25%とし、アンモニア過水におけるアンモニアの組成は、たとえば、0.1〜25%とし、薬液の温度はいずれの薬液処理も、たとえば、30〜150℃である。
【0069】
その後、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、pMOS領域32bのゲート電極34bの表面及びソース/ドレイン拡散層36bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。
【0070】
次に、図15(A)に示すように、nMOS領域32aのシリコン窒化膜41とpMOS領域32bのゲート電極34b及びソース/ドレイン拡散層36bを覆うように、金属膜、たとえば、ニッケル膜70を、5〜30nm、ニッケル膜70の酸化防止膜として5〜30nmの窒化チタン(TiN)膜71をPVD(Physical Vapor Deposition)法によって成膜する。ここでニッケル膜70の成膜の際には、たとえば、白金(Pt)が1〜10atom%添加されたニッケルターゲットを用いたスパッタ法を用いてもよい。また、酸化防止膜として、たとえば、膜厚が5〜30nmのチタン膜を用いてもよい。
【0071】
次に、図15(B)に示すように、第1の熱処理、たとえば、200〜400℃を10〜300秒間行うことにより、pMOS領域32bのニッケル膜70と、ゲート電極34bの上部及びソース/ドレイン拡散層36bの上部と、を反応させ、シリサイド膜、たとえば、ダイニッケルシリサイド(Ni2Si)膜72を形成する。
【0072】
次に、図16(A)に示すように、ニッケル膜70のうちの未反応の部分と、窒化チタン膜71を薬液処理で除去する。たとえば、硫酸過水、塩酸過水、アンモニア過水、王水のいずれか、もしくはその組み合わせを用いた薬液処理で除去する。たとえば、硫酸過水を用いる場合の硫酸の組成は、たとえば、50〜95%とし、塩酸過水における塩酸の組成は、たとえば、0.1〜25%とし、アンモニア過水におけるアンモニアの組成は、たとえば、0.1〜25%とし、薬液の温度はいずれの薬液処理も、たとえば、30〜150℃である。
【0073】
その後、たとえば、300〜500℃、10〜300秒で第2の熱処理を行い、ダイニッケルシリサイド膜72を相変態させて、図16(B)に示すように、ニッケルモノシリサイド(NiSi)膜73を形成する。
【0074】
このとき、シリコン窒化膜41で覆われたままのnMOS領域32aにはシリサイドは形成されず、pMOS領域32bにだけシリサイド膜を形成することができる。
次に、図17(A)に示すように、ニッケルモノシリサイド膜73と、nMOS領域32aのシリコン窒化膜41を覆うようにnMOS領域32a、pMOS領域32b上に、エッチングストップシリコン酸化膜74と圧縮応力をもつシリコン窒化膜75を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜74は、1〜20nm程度堆積し、シリコン窒化膜75は、20〜100nm程度堆積する。
【0075】
そして、図17(B)に示すように、pMOS領域32bをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、nMOS領域32aをドライエッチングすることによってnMOS領域32aのシリコン窒化膜75及びエッチングストップシリコン酸化膜74を除去する。
【0076】
nMOSに対しては、引張応力をもつシリコン窒化膜41で覆うことで、チャネル領域に引張歪みを加えられ、高い電子移動度が実現でき、nMOSの動作速度の向上を図ることができる。pMOSに対しては、圧縮応力をもつシリコン窒化膜75で覆うことで、チャネル領域に圧縮歪みが加えられ、高いホール移動度が実現でき、pMOSの動作速度の向上を図ることができる。
【0077】
上記のように、第4の実施の形態の半導体装置の製造方法では、nMOS領域32aとpMOS領域32bに同時にタングステン膜39を形成する際、nMOS領域32aよりも薄くなるpMOS領域32bのタングステン膜39を除去して、代わりにシリサイド膜(上記の例ではニッケルモノシリサイド膜73)を所望の膜厚で形成することで、pMOSの抵抗を下げることができ、nMOS,pMOS間の抵抗差を少なくすることができる。
【0078】
なお、上記の説明では、比較的低い温度の熱処理でダイニッケルシリサイド膜72を形成した後、高温の熱処理でニッケルモノシリサイド膜73を形成しているが、1回の熱処理でニッケルモノシリサイド膜73を形成するようにしてもよい。
【0079】
また、上記の説明では、金属膜としてニッケル膜70を用いてニッケルモノシリサイド膜73を形成しているが、これに限定されない。たとえば、コバルト、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、ジルコニウム(Zr)、チタン、ハフニウム(Hf)、タングステン、白金、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)、バナジウム(V)及びニオビウム(Nb)のうち、いずれか1つまたはそれ以上の金属からなる金属膜を用いてもよい。
【0080】
そして、形成されるシリサイド膜も上記の金属の1つまたはそれ以上からなるシリサイド膜としてもよい。
また、保護膜も、窒化チタン膜71に限定されず、上記の金属または、その窒化物を用いてもよい。
【0081】
なお、第4の実施の形態の半導体装置の製造方法では、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法と同様に、pMOS領域32bのゲート電極34bと、ソース/ドレイン拡散層36b上にシリコンゲルマニウム膜38を形成しているが、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法のように、シリコンゲルマニウム膜38を形成しなくてもよい。
【0082】
なお、上記の第2乃至第4の実施の形態の半導体装置の製造方法では、pMOSのソース/ドレイン拡散層とゲート電極上にシリコンゲルマニウム膜を形成した場合について説明したが、nMOSのソース/ドレイン拡散層とゲート電極上に、組成比xが0<x<1であるシリコンカーボン(Si1-xCx)膜を形成するようにしてもよい。
【0083】
また、エッチングストッパとして、エッチングストップシリコン酸化膜を用いているが、必ずしも必要ない。
(付記1) 半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
前記第1のタングステン膜を覆うように絶縁膜を形成する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記第1のタングステン膜上に、第2のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0084】
(付記2) 前記絶縁膜は引張応力膜であり、前記第2のタングステン膜を覆うように圧縮応力膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする付記1記載の半導体装置の製造方法。
【0085】
(付記3) 半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
前記第1のタングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、
前記nチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、
前記nチャネル型MOSFETの形成領域の前記第1のタングステン膜を除去する工程と、
前記nチャネル型MOSFETの前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第2のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0086】
(付記4) 前記絶縁膜は圧縮応力膜であり、前記第2のタングステン膜を覆うように引張応力膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする付記3記載の半導体装置の製造方法。
【0087】
(付記5) 半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、タングステン膜を選択的に形成する工程と、
前記タングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記タングステン膜を除去する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、シリサイド膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0088】
(付記6) 前記絶縁膜は引張応力膜であり、前記シリサイド膜を覆うように圧縮応力膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする付記5記載の半導体装置の製造方法。
(付記7) 前記シリサイド膜形成に用いる金属膜は、ニッケル、コバルト、タンタル、レニウム、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、タングステン、コバルト、白金、クロム、パラジウム、バナジウム及びニオビウムのうち、いずれか1つまたはそれ以上の金属からなることを特徴とする付記5または6記載の半導体装置の製造方法。
【0089】
(付記8) 前記金属膜上に、ニッケル、コバルト、タンタル、レニウム、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、タングステン、コバルト、白金、クロム、パラジウム、バナジウム及びニオビウムのうち、いずれか1つまたはそれ以上の金属または、その窒化物からなる保護膜を堆積することを特徴とする付記7記載の半導体装置の製造方法。
【0090】
(付記9) 前記シリサイド膜は、ニッケル、コバルト、タンタル、レニウム、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、タングステン、コバルト、白金、クロム、パラジウム、バナジウム及びニオビウムのうち、いずれか1つまたはそれ以上の金属からなるシリサイドであることを特徴とする付記5乃至8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【0091】
(付記10) 前記第1のタングステン膜または前記タングステン膜を除去する工程では、硫酸過水、塩酸過水、アンモニア過水のいずれか、もしくはその組み合わせを用いた薬液処理にて前記第1のタングステン膜または前記タングステン膜を除去することを特徴とする付記3乃至9のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【0092】
(付記11) 前記pチャネル型MOSFETまたはnチャネル型MOSFETまたはいずれの前記ゲート電極または前記ソース/ドレイン拡散層の上部に、組成比xが0<x<1であるSi1-xGex膜または組成比xが0<x<1であるSi1-xCx膜を形成することを特徴とする付記1乃至10のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【0093】
(付記12) 前記絶縁膜は、窒化膜と酸化膜の積層であることを特徴とする付記1乃至11のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13) 前記ゲート電極は、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンであることを特徴とする付記1乃至12のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】第1の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その1)。
【図2】第1の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その2)。
【図3】第1の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その3)。
【図4】図18の工程で形成したタングステン膜のシート抵抗を示す図であり、(A)はnMOSのシート抵抗、(B)はpMOSのシート抵抗を示す図である。
【図5】本実施の形態の工程で形成したタングステン膜のシート抵抗を示す図であり、(A)はnMOSのシート抵抗、(B)はpMOSのシート抵抗を示す図である。
【図6】第2の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その1)。
【図7】第2の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その2)。
【図8】第2の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その3)。
【図9】第2の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その4)。
【図10】第3の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその1)。
【図11】第3の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその2)。
【図12】第3の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその3)。
【図13】第3の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその4)。
【図14】第4の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその1)。
【図15】第4の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその2)。
【図16】第4の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその3)。
【図17】第4の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその4)。
【図18】CMOSFETにタングステン膜を形成する場合の各工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0095】
10 シリコン基板
11 STI
12a nMOS領域
12b pMOS領域
13a,13b ゲート絶縁膜
14a,14b ゲート電極
15a,15b 側壁絶縁膜
16a,16b ソース/ドレイン拡散層
17,20 タングステン膜
18,21 エッチングストップシリコン酸化膜
19,22 シリコン窒化膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、ゲート電極、ソース電極またはドレイン電極にタングステン(W)膜を用いた半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲート電極、ソース電極またはドレイン電極の低抵抗化を図る技術として、表面に自己整合的に金属シリサイド膜を形成する、いわゆるサリサイド(Self-Aligned Silicide)プロセスが知られている。サリサイドプロセスにおいてシリコン(Si)と反応させる金属材料としては、コバルト(Co)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)などが用いられている。
【0003】
サリサイドプロセスの場合、下地のシリコンと反応させるため、金属材料がソース/ドレイン拡散層を浸食していく。このため、半導体装置の微細化に伴い、ソース/ドレイン拡散層が薄くなっていくと、接合リークを増大させる懸念があった。また、ニッケルシリサイド(NiSi)を形成する場合、高抵抗でスパイク状のニッケルダイシリサイド(NiSi2)相が形成され、接合リーク電流がさらに増加する問題もあった。
【0004】
ところで、サリサイドプロセスの代替手段として、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層上に選択的にタングステン膜を成膜するプロセスが知られている(たとえば、非特許文献1参照)。タングステンは、ニッケルなどとは異なり、シリコンを浸食せずにソース/ドレイン拡散層上に成長させることができる。つまり、ソース/ドレイン拡散層をそのまま保持できるメリットがあり、特にソース/ドレイン拡散層が薄い場合に適しており、注目されている。
【非特許文献1】E. K. Broadbent et al., J. Electrochem. Soc., Vol. 131, No. 6, pp. 1427 (1984)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、タングステン膜をCMOSFET(Complementary Metallic Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)に用いた場合、以下のような問題があった。
図18は、CMOSFETにタングステン膜を形成する場合の各工程を示す断面図である。
【0006】
まず、図18(A)に示すように、シリコン基板80に絶縁膜が充填されたSTI(Shallow Trench Isolation)81を形成し、nチャネル型MOSFET(以下nMOSと略す)領域82aとpチャネル型MOSFET(以下pMOSと略す)領域82bを画定した後、各領域にゲート絶縁膜83a,83b、ゲート電極84a,84b及び側壁絶縁膜85a,85bを形成する。その後、nMOS領域82aとpMOS領域82bに交互にイオン注入を施し、ソース/ドレイン拡散層86a,86bを形成する。
【0007】
次に、図18(B)に示すように、タングステン膜87をCVD(Chemical Vapor Deposition)を用いて、ゲート電極84a,84b及びソース/ドレイン拡散層86a,86b上に同時に選択的に成膜する。このとき、nMOS領域82aとpMOS領域82bとではタングステン膜87の成膜レートが異なり、nMOS領域82aよりもpMOS領域82bのほうが薄い膜厚になる。
【0008】
これにより、pMOS側のほうがnMOS側よりも、高抵抗となってしまう問題があった。
pMOS側のタングステン膜87の抵抗を低くするために、タングステン膜87の膜厚を厚くすると、今度はnMOS側で、ゲート電極84a上のタングステン膜87がソース/ドレイン拡散層86a上のものと、接触してしまう問題があった。
【0009】
そこで、本発明者らは、ゲート電極、ソース電極またはドレイン電極にタングステン膜を用いた半導体装置において、nMOSとpMOS間での抵抗差を低減可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、以下のような工程を有する半導体装置の製造方法が提供される。この半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1のタングステン膜を選択的に形成する工程と、前記第1のタングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記第1のタングステン膜上に、第2のタングステン膜を選択的に形成する工程と、を有する。
【0011】
また、上記目的を達成するために、以下のような工程を有する半導体装置の製造方法が提供される。この半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1のタングステン膜を選択的に形成する工程と、前記第1のタングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、前記nチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、前記nチャネル型MOSFETの形成領域の前記第1のタングステン膜を除去する工程と、前記nチャネル型MOSFETの前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第2のタングステン膜を選択的に形成する工程と、を有する。
【0012】
また、上記目的を達成するために、以下のような工程を有する半導体装置の製造方法が提供される。この半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、タングステン膜を選択的に形成する工程と、前記タングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記タングステン膜を除去する工程と、前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、シリサイド膜を形成する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
ゲート電極、ソース電極またはドレイン電極にタングステン膜を用いた半導体装置において、nMOSとpMOS間での抵抗差を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至図3は、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である。
【0015】
まず、半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnMOS及びpMOSを形成する工程を行う。たとえば、図1(A)に示すように、所定の導電型のウェル(図示せず)が形成されたシリコン基板10に、素子分離領域として、たとえば、シリコン酸化膜が充填されたSTI11を形成し、nMOS領域12aとpMOS領域12bを画定する。その後、各領域にゲート絶縁膜13a,13b、ゲート電極14a,14b及び側壁絶縁膜15a,15bを形成する。その後、nMOS領域12aとpMOS領域12bに交互にイオン注入を施し、ソース/ドレイン拡散層16a,16bを形成する。
【0016】
ゲート絶縁膜13a,13bの材料は特に限定はされないが、たとえば、熱酸化法により、たとえば、2nm程度のシリコン酸化膜を形成する。
ゲート電極14a,14bは、ポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜を用いて、たとえば、CVD法により、100nm程度の膜厚で形成し、その後、イオン注入法によりドーパント不純物をポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜に導入したものを用いる。nMOSのゲート電極14aを形成する場合には、n型のドーパント不純物として、たとえば、リン(P)を用い、たとえば、加速電圧を5keV、ドーズ量を1×1016cm-2としてイオン注入する。pMOSのゲート電極14bを形成する場合には、p型のドーパント不純物として、たとえば、ボロン(B)を用い、たとえば、加速電圧を0.5keV、ドーズ量を5×1015cm-2としてイオン注入する。その後、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、パターニングする。
【0017】
ソース/ドレイン拡散層16a,16bのうち、浅い不純物拡散領域であるエクステンション領域は、ゲート電極14a,14bのパターニング後に形成する。ゲート電極14a,14bをマスクとして、たとえば、イオン注入法により、ゲート電極14a,14bの両側のシリコン基板10に、ドーパント不純物を注入することにより形成する。nMOSを形成する場合、n型のドーパント不純物として、たとえば、砒素(As)を用い、たとえば、加速電圧を1keV,ドーズ量を1×1015cm-2としてイオン注入する。pMOSを形成する場合、p型のドーパント不純物として、たとえば、ボロンを用い、たとえば、加速電圧を0.5keV、ドーズ量を1×1015cm-2としてイオン注入する。
【0018】
側壁絶縁膜15a,15bは、エクステンション領域形成後のシリコン基板10の全面に、たとえば、シリコン酸化膜を、CVD法により100nm形成し、その後、たとえば、RIE(Reactive Ion Etching)法により、異方性エッチングすることによって形成する。なお、側壁絶縁膜15a,15bは、シリコン酸化膜に限らず、他の絶縁膜を用いてもよい。
【0019】
ソース/ドレイン拡散層16a,16bのうち、深い不純物拡散層は、ゲート電極14a,14b及び側壁絶縁膜15a,15bをマスクとして、たとえば、イオン注入法により、側壁絶縁膜15a,15bの両側のシリコン基板10にドーパント不純物を注入することにより形成する。nMOSを形成する場合、n型のドーパント不純物として、たとえば、リンを用い、加速電圧を8keV、ドーズ量を1×1016cm-2としてイオン注入する。pMOSを形成する場合、p型のドーパント不純物として、たとえば、ボロンを用い、加速電圧を5keV、ドーズ量を5×1015cm-2としてイオン注入する。その後、所定の温度で熱処理を行うことにより、不純物拡散領域に導入されたドーパント不純物を活性化する。
【0020】
続いて、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、ゲート電極14a,14bの表面及びソース/ドレイン拡散層16a,16bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。そして、タングステン膜17を、ゲート電極14a,14b、ソース/ドレイン拡散層16a,16b上に選択的に成膜する。タングステン膜17は、CVD法を用いて、たとえば、原料ガスを六フッ化タングステン(WF6)及びシラン(SiH4)として、成膜温度200〜400℃、圧力0.1〜10Paで、5〜40nm程度の膜厚で成膜する。このとき、成膜レートの違いによって、nMOS領域12aよりも、pMOS領域12bのほうが薄い膜厚になる。
【0021】
さらに、タングステン膜17を覆うように、nMOS領域12a、pMOS領域12bに、エッチングストップシリコン酸化膜18と引張応力をもつシリコン窒化膜19を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜18は、1〜20nm程度成膜し、シリコン窒化膜19は、10〜100nm程度成膜する。
【0022】
次に、nMOS領域12aをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、ドライエッチングすることによって、図1(B)に示すように、pMOS領域12bのシリコン窒化膜19及びエッチングストップシリコン酸化膜18を除去する。
【0023】
その後、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、pMOS領域12bのゲート電極14bの表面及びソース/ドレイン拡散層16bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。
【0024】
そして、図1(C)に示すように、タングステン膜20を、pMOS領域12bのゲート電極14b、ソース/ドレイン拡散層16b上のタングステン膜17上に選択的に成膜する。タングステン膜20は、CVD法を用いて、たとえば、原料ガスを六フッ化タングステン及びシランとして、成膜温度200〜400℃、圧力0.1〜10Paで5〜40nm程度の膜厚で成膜する。
【0025】
このような工程によって、シリコン窒化膜19で覆われたままのnMOS領域12aには、タングステン膜20は成膜されず、pMOS領域12bのタングステン膜17上にのみ、所望の膜厚でタングステン膜20を成膜することができる。つまり、nMOS領域12aのタングステン膜17の膜厚と、pMOS領域12bのタングステン膜17,20による膜厚とを等しくすることが可能になる。
【0026】
続いて、図2(A)、図2(B)に示すように、タングステン膜20を覆うように、nMOS領域12aのシリコン窒化膜19、pMOS領域12b上に、エッチングストップシリコン酸化膜21と圧縮応力をもつシリコン窒化膜22を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜21は、1〜20nm程度成膜し、シリコン窒化膜22は、20〜100nm程度成膜する。
【0027】
そして、pMOS領域12bをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、ドライエッチングすることによって、図3に示すように、nMOS領域12aのシリコン窒化膜22及びエッチングストップシリコン酸化膜21を除去する。
【0028】
nMOSに対しては、引張応力をもつシリコン窒化膜19で覆うことで、チャネル領域に引張歪みを加えられ、高い電子移動度が実現でき、nMOSの動作速度の向上を図ることができる。pMOSに対しては、圧縮応力をもつシリコン窒化膜22で覆うことで、チャネル領域に圧縮歪みが加えられ、高いホール移動度が実現でき、pMOSの動作速度の向上を図ることができる。
【0029】
以上のような工程で作成した半導体装置において、タングステン膜のシート抵抗を測定した結果を以下に示す。
まず、比較例として、図18で示した工程で形成したタングステン膜87のシート抵抗を示す。
【0030】
図4は、図18の工程で形成したタングステン膜のシート抵抗を示す図であり、(A)はnMOSのシート抵抗、(B)はpMOSのシート抵抗を示す図である。
横軸はシート抵抗〔ohm/sq.〕、縦軸は累積確率〔%〕である。タングステン膜87は、長さ(L)100μm、幅(W)0.14μmで、ブランケットn型シリコン基板上で20nm成膜する条件で堆積させたものを測定した。
【0031】
図4(A)のように、nMOSでのシート抵抗は20〔ohm/sq.〕以上、pMOSでのシート抵抗は150〔ohm/sq.〕以上であり、図4(B)のように、pMOSでのシート抵抗はnMOSに対して約7.5倍にも達した。
【0032】
図5は、本実施の形態の工程で形成したタングステン膜のシート抵抗を示す図であり、(A)はnMOSのシート抵抗、(B)はpMOSのシート抵抗を示す図である。
横軸はシート抵抗〔ohm/sq.〕、縦軸は累積確率〔%〕である。タングステン膜17,20は、長さ(L)100μm、幅(W)0.11μmで、タングステン膜17,20ともブランケットn型シリコン基板上で30nm成膜する条件で堆積させたものを測定した。
【0033】
図5(A)のように、nMOSでのシート抵抗は、4〔ohm/sq.〕以上、図5(B)のように、pMOSでのシート抵抗は、5〔ohm/sq.〕以上であった。すなわち、pMOSでのシート抵抗はnMOSに対して1.25倍であり、本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、pMOSにおいて、タングステン膜17,20の抵抗を下げることができ、nMOS,pMOS間の抵抗差を大幅に少なくできたことがわかった。
【0034】
なお、STEM(Scanning Transmission Electron Microscope)測定を行った結果、図4の条件で形成したタングステン膜の膜厚は、nMOSで26.1nm、pMOSで11.8nmであり、膜厚差は、pMOSに対してnMOSが約2.2倍厚くなっていた。それに対して、図5の条件で形成した本実施の形態の半導体装置のタングステン膜の膜厚は、nMOSで40.4nmであるのに対して、pMOSでは31.4nmであり、膜厚差は、pMOSに対してnMOSが約1.25倍厚くなっていた。一般的に、pMOSとnMOS間での膜厚差の許容範囲は、約1.5倍以下であるので、1.25倍は許容範囲内である。
【0035】
次に、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明する。
第2の実施の形態の半導体装置の製造方法は、pMOSのソース/ドレイン拡散層とゲート電極にシリコンゲルマニウム(SiGe)を用いた例であり、その他は第1の実施の形態の半導体装置の製造方法とほぼ同様である。
【0036】
図6乃至図9は、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である。
まず、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法と同一の工程で、半導体基板上にnMOS及びpMOSの各領域を形成する。たとえば、図6(A)に示すように、シリコン基板30上に素子分離領域として、たとえば、シリコン酸化膜が充填されたSTI31を形成し、nMOS領域32aとpMOS領域32bを画定する。その後、各領域にゲート絶縁膜33a,33b、ゲート電極34a,34b及び側壁絶縁膜35a,35bを形成する。その後、nMOS領域32aとpMOS領域32bに交互にイオン注入を施し、ソース/ドレイン拡散層36a,36bを形成する。以上の工程における製造条件などは、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
【0037】
その後、nMOS領域32aとpMOS領域32bの全面に、たとえば、CVD法により、膜厚40nm程度のシリコン酸化膜37を形成する。続いて、図6(B)に示すように、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチングにより、シリコン酸化膜37をパターニングして、nMOS領域32a上は残し、pMOS領域32b上は除去する。そして、パターニングしたシリコン酸化膜37をマスクとして、たとえば、RIE法により、シリコン酸化膜37に対して高い選択比でシリコン基板30をエッチングする。これにより、pMOS領域32bの側壁絶縁膜35bの両側のソース/ドレイン拡散層36b内に、たとえば、深さ50μmの凹部を形成する。なお、このとき、ポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜よりなるゲート電極34bの上部も若干エッチングで除去される。
【0038】
次に、凹部が形成されたシリコン基板30の表面を、希フッ酸(たとえば、HF:H2O=5:100)を用いて、たとえば、5秒間クリーニングする。この後、図6(C)に示すように、シリコン酸化膜37をマスクとして、たとえば、CVD法により、ゲート電極34bの上部及びソース/ドレイン拡散層36bの上部の凹部内に、ドーパント不純物が導入されたシリコンゲルマニウム膜(Si1-xGex膜)38を選択的にエピタキシャル成長する。ドーパント不純物としては、たとえば、ボロンを用いる。ゲルマニウムの組成比xは、0<x<1の範囲で適宜設定することができる。
【0039】
シリコンゲルマニウムの格子定数がシリコンの格子定数より大きいため、pMOSのチャネル領域には圧縮歪みが加えられる。これにより、高いホール移動度が実現され、pMOSの動作速度の向上を図ることができる。
【0040】
次に、nMOS領域32aに形成されているシリコン酸化膜37をエッチング除去した後、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、ゲート電極34a,34bの表面及びソース/ドレイン拡散層36a,36bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。そして、図7(A)に示すように、タングステン膜39を、CVD法を用いて、たとえば、原料ガスを六フッ化タングステン及びシランとして、成膜温度200〜400℃、圧力0.1〜10Paで、ゲート電極34a,34b及びソース/ドレイン拡散層36a,36b上に選択的に5〜40nm程度の膜厚で成膜する。
【0041】
このとき、nMOS領域32aとpMOS領域32bでは成膜レートが異なり、nMOS領域32aよりもpMOS領域32bのほうが薄い膜厚になる。ここでは、nMOS領域32aのタングステン膜39の膜厚を最適値(たとえば、目標のシート抵抗になるような膜厚値)となるように成膜する。
【0042】
さらに、図7(B)に示すように、タングステン膜39を覆うように、nMOS領域32a、pMOS領域32bに、エッチングストップシリコン酸化膜40と引張応力をもつシリコン窒化膜41を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜40は、1〜20nm程度成膜し、シリコン窒化膜41は、20〜100nm程度成膜する。
【0043】
次に、nMOS領域32aをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、ドライエッチングすることで、図7(C)に示すように、pMOS領域32bのシリコン窒化膜41及びエッチングストップシリコン酸化膜40を除去する。
【0044】
その後、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、pMOS領域32bのゲート電極34bの表面及びソース/ドレイン拡散層36bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。
【0045】
そして、図8(A)に示すように、タングステン膜42を、pMOS領域32bのゲート電極34b、ソース/ドレイン拡散層36b上のタングステン膜39上に選択的に成膜する。タングステン膜42は、CVD法を用いて、たとえば、原料ガスを六フッ化タングステン及びシランとして、成膜温度200〜400℃、圧力0.1〜10Paで5〜40nm程度の膜厚で成膜する。
【0046】
このような工程によって、シリコン窒化膜41で覆われたままのnMOS領域32aには、タングステン膜42は成膜されず、pMOS領域32bのタングステン膜39上にのみ、所望の膜厚でタングステン膜42を追加堆積することができる。これにより、最適値としたnMOS領域32aのタングステン膜39の膜厚と同程度にできる。
【0047】
その後は、図8(B)に示すように、タングステン膜42を覆うように、nMOS領域32aのシリコン窒化膜41、pMOS領域32b上に、エッチングストップシリコン酸化膜43と圧縮応力をもつシリコン窒化膜44を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜43は、1〜20nm程度成膜し、シリコン窒化膜44は、20〜100nm程度成膜する。
【0048】
そして、図9に示すように、pMOS領域32bをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、nMOS領域32aをドライエッチングすることによってnMOS領域32aのシリコン窒化膜44及びエッチングストップシリコン酸化膜43を除去する。
【0049】
nMOSに対しては、引張応力をもつシリコン窒化膜41で覆うことで、チャネル領域に引張歪みを加えられ、高い電子移動度が実現でき、nMOSの動作速度の向上を図ることができる。pMOSに対しては、圧縮応力をもつシリコン窒化膜44で覆うことで、チャネル領域に圧縮歪みが加えられ、高いホール移動度が実現でき、pMOSの動作速度の向上を図ることができる。
【0050】
上記のように、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法においても、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法と同様に、pMOS領域32bのタングステン膜39上にタングステン膜42を選択的に追加堆積させることができるので、nMOS,pMOS間の抵抗差を少なくすることができる。
【0051】
次に、第3の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明する。
前述した第1及び第2の実施の形態の半導体装置の製造方法は、nMOS領域と比べて薄く形成されてしまうpMOS領域のタングステン膜を追加堆積させるものであった。これに対して、第3の実施の形態の半導体装置の製造方法は、nMOS領域とpMOS領域に同時にタングステン膜を形成する際、pMOS領域のタングステン膜を目的の厚さになるように形成し、厚くなりすぎるnMOS領域のタングステン膜を除去して、nMOS領域のみに再び目的の膜厚でタングステン膜を形成するものである。
【0052】
図10乃至図13は、第3の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である。
まず、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法と同一の工程で、半導体基板上にnMOS及びpMOSの各領域を形成する。たとえば、図10(A)に示すように、シリコン基板50上に素子分離領域として、たとえば、シリコン酸化膜が充填されたSTI51を形成し、nMOS領域52aとpMOS領域52bを画定する。その後、各領域にゲート絶縁膜53a,53b、ゲート電極54a,54b及び側壁絶縁膜55a,55bを形成する。その後、nMOS領域52aとpMOS領域52bに交互にイオン注入を施し、ソース/ドレイン拡散層56a,56bを形成する。その後、pMOS領域52bのゲート電極54b及びソース/ドレイン拡散層56b上に、シリコンゲルマニウム膜57を形成する。以上の工程における製造条件などは、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
【0053】
その後、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、ゲート電極54a,54bの表面及びソース/ドレイン拡散層56a,56bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。そして、図10(B)に示すように、タングステン膜58を、CVD法を用いて、たとえば、原料ガスを六フッ化タングステン及びシランとして、成膜温度200〜400℃、圧力0.1〜10Paで、ゲート電極54a,54b及びソース/ドレイン拡散層56a,56b上に選択的に5〜40nm程度の膜厚で成膜する。
【0054】
このとき、nMOS領域52aとpMOS領域52bでは成膜レートが異なり、nMOS領域52aよりもpMOS領域52bのほうが薄い膜厚になる。ここでは、第1及び第2の実施の形態の半導体装置の製造方法と異なり、pMOS領域52bのタングステン膜58の膜厚を最適値となるように成膜する。
【0055】
さらに、図11(A)に示すように、タングステン膜58を覆うように、nMOS領域52a、pMOS領域52bにエッチングストップシリコン酸化膜59と圧縮応力をもつシリコン窒化膜60を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜59は、1〜20nm程度成膜し、シリコン窒化膜60は、20〜100nm程度成膜する。
【0056】
次に、pMOS領域52bをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、図11(B)に示すように、ドライエッチングすることで、nMOS領域52aのシリコン窒化膜60及びエッチングストップシリコン酸化膜59を除去する。
【0057】
そして、nMOS領域52aのゲート電極54a及びソース/ドレイン拡散層56a上に形成されたタングステン膜58を、硫酸過水、塩酸過水、アンモニア過水のいずれか、もしくはその組み合わせを用いた薬液処理で除去する。たとえば、硫酸過水を用いる場合の硫酸(H2SO4)の組成は、たとえば、50〜95%とし、塩酸過水における塩酸(HCl)の組成は、たとえば、0.1〜25%とし、アンモニア過水におけるアンモニア(NH4OH)の組成は、たとえば、0.1〜25%とし、薬液の温度はいずれの薬液処理も、たとえば、30〜150℃である。
【0058】
その後、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、nMOS領域52aのゲート電極54aの表面及びソース/ドレイン拡散層56aの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。
【0059】
そして、図12(A)に示すように、タングステン膜61を、nMOS領域52aのゲート電極54a、ソース/ドレイン拡散層56a上に選択的に成膜する。タングステン膜61は、CVD法を用いて、たとえば、原料ガスを六フッ化タングステン及びシランとして、成膜温度200〜400℃、圧力0.1〜10Paで5〜40nm程度の膜厚で成膜する。
【0060】
このような工程によって、シリコン窒化膜60で覆われたままのpMOS領域52bには、タングステン膜61は成膜されず、nMOS領域52aにのみ、所望の膜厚でタングステン膜61を堆積することができる。これにより、最適値としたpMOS領域52bのタングステン膜58の膜厚と同程度にできる。
【0061】
その後は、図12(B)に示すように、タングステン膜61を覆うように、pMOS領域52bのシリコン窒化膜60と、nMOS領域52a上に、エッチングストップシリコン酸化膜62と引張応力をもつシリコン窒化膜63を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜62は、1〜20nm程度成膜し、シリコン窒化膜63は、20〜100nm程度成膜する。
【0062】
そして、nMOS領域52aをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、図13に示すように、pMOS領域52bをドライエッチングすることによってpMOS領域52bのシリコン窒化膜63及びエッチングストップシリコン酸化膜62を除去する。
【0063】
nMOSに対しては、引張応力をもつシリコン窒化膜63で覆うことで、チャネル領域に引張歪みを加えられ、高い電子移動度が実現でき、nMOSの動作速度の向上を図ることができる。pMOSに対しては、圧縮応力をもつシリコン窒化膜60で覆うことで、チャネル領域に圧縮歪みが加えられ、高いホール移動度が実現でき、pMOSの動作速度の向上を図ることができる。
【0064】
上記のように、第3の実施の形態の半導体装置の製造方法では、nMOS領域52aとpMOS領域52bに同時にタングステン膜58を形成する際、pMOS領域52bのタングステン膜58を目的の厚さになるように形成し、厚くなりすぎるnMOS領域52aのタングステン膜58は除去して、nMOS領域52aのみに再び目的の膜厚でタングステン膜61を形成する。これにより、nMOS領域52aのタングステン膜61が厚くなりすぎて、ゲート電極54a上のタングステン膜61とソース/ドレイン拡散層56aのタングステン膜61とが接触する恐れを少なくでき、pMOS領域52bのタングステン膜58と同程度の膜厚にすることができるので、nMOS,pMOS間の抵抗差を少なくすることができる。
【0065】
なお、第3の実施の形態の半導体装置の製造方法では、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法と同様に、pMOS領域52bのゲート電極54bと、ソース/ドレイン拡散層56上にシリコンゲルマニウム膜57を形成したが、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法のように、シリコンゲルマニウム膜57を形成しないようにしてもよい。
【0066】
次に、第4の実施の形態の半導体装置の製造方法を説明する。
第4の実施の形態の半導体装置の製造方法は、nMOS領域とpMOS領域に同時にタングステン膜を形成する際、nMOS領域よりも薄くなるpMOS領域のタングステン膜を除去して、代わりにニッケルシリサイドを形成することで、nMOS,pMOS間の抵抗差を少なくするものである。
【0067】
図14乃至図17は、第4の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である。
図14(A)は、図7(C)に示した断面図と同じであり、この工程までは、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法と同じである。次に、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法では、pMOS領域32bのタングステン膜を追加堆積したが、第4の実施の形態の半導体装置の製造方法では、図14(B)に示すように、pMOS領域32bのタングステン膜39を除去する。
【0068】
タングステン膜39の除去は、硫酸過水、塩酸過水、アンモニア過水のいずれか、もしくはその組み合わせを用いた薬液処理で除去する。たとえば、硫酸過水を用いる場合の硫酸の組成は、たとえば、50〜95%とし、塩酸過水における塩酸の組成は、たとえば、0.1〜25%とし、アンモニア過水におけるアンモニアの組成は、たとえば、0.1〜25%とし、薬液の温度はいずれの薬液処理も、たとえば、30〜150℃である。
【0069】
その後、たとえば、水素やアンモニアなどのプラズマ処理や希フッ酸処理により、pMOS領域32bのゲート電極34bの表面及びソース/ドレイン拡散層36bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。
【0070】
次に、図15(A)に示すように、nMOS領域32aのシリコン窒化膜41とpMOS領域32bのゲート電極34b及びソース/ドレイン拡散層36bを覆うように、金属膜、たとえば、ニッケル膜70を、5〜30nm、ニッケル膜70の酸化防止膜として5〜30nmの窒化チタン(TiN)膜71をPVD(Physical Vapor Deposition)法によって成膜する。ここでニッケル膜70の成膜の際には、たとえば、白金(Pt)が1〜10atom%添加されたニッケルターゲットを用いたスパッタ法を用いてもよい。また、酸化防止膜として、たとえば、膜厚が5〜30nmのチタン膜を用いてもよい。
【0071】
次に、図15(B)に示すように、第1の熱処理、たとえば、200〜400℃を10〜300秒間行うことにより、pMOS領域32bのニッケル膜70と、ゲート電極34bの上部及びソース/ドレイン拡散層36bの上部と、を反応させ、シリサイド膜、たとえば、ダイニッケルシリサイド(Ni2Si)膜72を形成する。
【0072】
次に、図16(A)に示すように、ニッケル膜70のうちの未反応の部分と、窒化チタン膜71を薬液処理で除去する。たとえば、硫酸過水、塩酸過水、アンモニア過水、王水のいずれか、もしくはその組み合わせを用いた薬液処理で除去する。たとえば、硫酸過水を用いる場合の硫酸の組成は、たとえば、50〜95%とし、塩酸過水における塩酸の組成は、たとえば、0.1〜25%とし、アンモニア過水におけるアンモニアの組成は、たとえば、0.1〜25%とし、薬液の温度はいずれの薬液処理も、たとえば、30〜150℃である。
【0073】
その後、たとえば、300〜500℃、10〜300秒で第2の熱処理を行い、ダイニッケルシリサイド膜72を相変態させて、図16(B)に示すように、ニッケルモノシリサイド(NiSi)膜73を形成する。
【0074】
このとき、シリコン窒化膜41で覆われたままのnMOS領域32aにはシリサイドは形成されず、pMOS領域32bにだけシリサイド膜を形成することができる。
次に、図17(A)に示すように、ニッケルモノシリサイド膜73と、nMOS領域32aのシリコン窒化膜41を覆うようにnMOS領域32a、pMOS領域32b上に、エッチングストップシリコン酸化膜74と圧縮応力をもつシリコン窒化膜75を順に積層する。たとえば、CVD法を用いて、エッチングストップシリコン酸化膜74は、1〜20nm程度堆積し、シリコン窒化膜75は、20〜100nm程度堆積する。
【0075】
そして、図17(B)に示すように、pMOS領域32bをフォトレジストマスク(図示せず)でマスクして、nMOS領域32aをドライエッチングすることによってnMOS領域32aのシリコン窒化膜75及びエッチングストップシリコン酸化膜74を除去する。
【0076】
nMOSに対しては、引張応力をもつシリコン窒化膜41で覆うことで、チャネル領域に引張歪みを加えられ、高い電子移動度が実現でき、nMOSの動作速度の向上を図ることができる。pMOSに対しては、圧縮応力をもつシリコン窒化膜75で覆うことで、チャネル領域に圧縮歪みが加えられ、高いホール移動度が実現でき、pMOSの動作速度の向上を図ることができる。
【0077】
上記のように、第4の実施の形態の半導体装置の製造方法では、nMOS領域32aとpMOS領域32bに同時にタングステン膜39を形成する際、nMOS領域32aよりも薄くなるpMOS領域32bのタングステン膜39を除去して、代わりにシリサイド膜(上記の例ではニッケルモノシリサイド膜73)を所望の膜厚で形成することで、pMOSの抵抗を下げることができ、nMOS,pMOS間の抵抗差を少なくすることができる。
【0078】
なお、上記の説明では、比較的低い温度の熱処理でダイニッケルシリサイド膜72を形成した後、高温の熱処理でニッケルモノシリサイド膜73を形成しているが、1回の熱処理でニッケルモノシリサイド膜73を形成するようにしてもよい。
【0079】
また、上記の説明では、金属膜としてニッケル膜70を用いてニッケルモノシリサイド膜73を形成しているが、これに限定されない。たとえば、コバルト、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、ジルコニウム(Zr)、チタン、ハフニウム(Hf)、タングステン、白金、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)、バナジウム(V)及びニオビウム(Nb)のうち、いずれか1つまたはそれ以上の金属からなる金属膜を用いてもよい。
【0080】
そして、形成されるシリサイド膜も上記の金属の1つまたはそれ以上からなるシリサイド膜としてもよい。
また、保護膜も、窒化チタン膜71に限定されず、上記の金属または、その窒化物を用いてもよい。
【0081】
なお、第4の実施の形態の半導体装置の製造方法では、第2の実施の形態の半導体装置の製造方法と同様に、pMOS領域32bのゲート電極34bと、ソース/ドレイン拡散層36b上にシリコンゲルマニウム膜38を形成しているが、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法のように、シリコンゲルマニウム膜38を形成しなくてもよい。
【0082】
なお、上記の第2乃至第4の実施の形態の半導体装置の製造方法では、pMOSのソース/ドレイン拡散層とゲート電極上にシリコンゲルマニウム膜を形成した場合について説明したが、nMOSのソース/ドレイン拡散層とゲート電極上に、組成比xが0<x<1であるシリコンカーボン(Si1-xCx)膜を形成するようにしてもよい。
【0083】
また、エッチングストッパとして、エッチングストップシリコン酸化膜を用いているが、必ずしも必要ない。
(付記1) 半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
前記第1のタングステン膜を覆うように絶縁膜を形成する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記第1のタングステン膜上に、第2のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0084】
(付記2) 前記絶縁膜は引張応力膜であり、前記第2のタングステン膜を覆うように圧縮応力膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする付記1記載の半導体装置の製造方法。
【0085】
(付記3) 半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
前記第1のタングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、
前記nチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、
前記nチャネル型MOSFETの形成領域の前記第1のタングステン膜を除去する工程と、
前記nチャネル型MOSFETの前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第2のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0086】
(付記4) 前記絶縁膜は圧縮応力膜であり、前記第2のタングステン膜を覆うように引張応力膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする付記3記載の半導体装置の製造方法。
【0087】
(付記5) 半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、タングステン膜を選択的に形成する工程と、
前記タングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記タングステン膜を除去する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、シリサイド膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0088】
(付記6) 前記絶縁膜は引張応力膜であり、前記シリサイド膜を覆うように圧縮応力膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする付記5記載の半導体装置の製造方法。
(付記7) 前記シリサイド膜形成に用いる金属膜は、ニッケル、コバルト、タンタル、レニウム、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、タングステン、コバルト、白金、クロム、パラジウム、バナジウム及びニオビウムのうち、いずれか1つまたはそれ以上の金属からなることを特徴とする付記5または6記載の半導体装置の製造方法。
【0089】
(付記8) 前記金属膜上に、ニッケル、コバルト、タンタル、レニウム、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、タングステン、コバルト、白金、クロム、パラジウム、バナジウム及びニオビウムのうち、いずれか1つまたはそれ以上の金属または、その窒化物からなる保護膜を堆積することを特徴とする付記7記載の半導体装置の製造方法。
【0090】
(付記9) 前記シリサイド膜は、ニッケル、コバルト、タンタル、レニウム、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、タングステン、コバルト、白金、クロム、パラジウム、バナジウム及びニオビウムのうち、いずれか1つまたはそれ以上の金属からなるシリサイドであることを特徴とする付記5乃至8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【0091】
(付記10) 前記第1のタングステン膜または前記タングステン膜を除去する工程では、硫酸過水、塩酸過水、アンモニア過水のいずれか、もしくはその組み合わせを用いた薬液処理にて前記第1のタングステン膜または前記タングステン膜を除去することを特徴とする付記3乃至9のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【0092】
(付記11) 前記pチャネル型MOSFETまたはnチャネル型MOSFETまたはいずれの前記ゲート電極または前記ソース/ドレイン拡散層の上部に、組成比xが0<x<1であるSi1-xGex膜または組成比xが0<x<1であるSi1-xCx膜を形成することを特徴とする付記1乃至10のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【0093】
(付記12) 前記絶縁膜は、窒化膜と酸化膜の積層であることを特徴とする付記1乃至11のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13) 前記ゲート電極は、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンであることを特徴とする付記1乃至12のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】第1の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その1)。
【図2】第1の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その2)。
【図3】第1の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その3)。
【図4】図18の工程で形成したタングステン膜のシート抵抗を示す図であり、(A)はnMOSのシート抵抗、(B)はpMOSのシート抵抗を示す図である。
【図5】本実施の形態の工程で形成したタングステン膜のシート抵抗を示す図であり、(A)はnMOSのシート抵抗、(B)はpMOSのシート抵抗を示す図である。
【図6】第2の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その1)。
【図7】第2の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その2)。
【図8】第2の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その3)。
【図9】第2の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図である(その4)。
【図10】第3の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその1)。
【図11】第3の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその2)。
【図12】第3の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその3)。
【図13】第3の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその4)。
【図14】第4の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその1)。
【図15】第4の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその2)。
【図16】第4の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその3)。
【図17】第4の実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程における断面図であるその4)。
【図18】CMOSFETにタングステン膜を形成する場合の各工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0095】
10 シリコン基板
11 STI
12a nMOS領域
12b pMOS領域
13a,13b ゲート絶縁膜
14a,14b ゲート電極
15a,15b 側壁絶縁膜
16a,16b ソース/ドレイン拡散層
17,20 タングステン膜
18,21 エッチングストップシリコン酸化膜
19,22 シリコン窒化膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
前記第1のタングステン膜を覆うように絶縁膜を形成する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記第1のタングステン膜上に、第2のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記絶縁膜は引張応力膜であり、前記第2のタングステン膜を覆うように圧縮応力膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
前記第1のタングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、
前記nチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、
前記nチャネル型MOSFETの形成領域の前記第1のタングステン膜を除去する工程と、
前記nチャネル型MOSFETの前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第2のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記絶縁膜は圧縮応力膜であり、前記第2のタングステン膜を覆うように引張応力膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、タングステン膜を選択的に形成する工程と、
前記タングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記タングステン膜を除去する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、シリサイド膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記絶縁膜は引張応力膜であり、前記シリサイド膜を覆うように圧縮応力膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記pチャネル型MOSFETまたはnチャネル型MOSFETまたはいずれの前記ゲート電極または前記ソース/ドレイン拡散層の上部に、組成比xが0<x<1であるSi1-xGex膜または組成比xが0<x<1であるSi1-xCx膜を形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
前記第1のタングステン膜を覆うように絶縁膜を形成する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記第1のタングステン膜上に、第2のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記絶縁膜は引張応力膜であり、前記第2のタングステン膜を覆うように圧縮応力膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第1のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
前記第1のタングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、
前記nチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、
前記nチャネル型MOSFETの形成領域の前記第1のタングステン膜を除去する工程と、
前記nチャネル型MOSFETの前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、第2のタングステン膜を選択的に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記絶縁膜は圧縮応力膜であり、前記第2のタングステン膜を覆うように引張応力膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
半導体基板上に、ゲート電極とソース/ドレイン拡散層とを有するnチャネル型MOSFET及びpチャネル型MOSFETを形成する工程と、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、タングステン膜を選択的に形成する工程と、
前記タングステン膜を覆うように、絶縁膜を形成する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記絶縁膜を除去する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記タングステン膜を除去する工程と、
前記pチャネル型MOSFETの形成領域の前記ゲート電極及び前記ソース/ドレイン拡散層上に、シリサイド膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記絶縁膜は引張応力膜であり、前記シリサイド膜を覆うように圧縮応力膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記pチャネル型MOSFETまたはnチャネル型MOSFETまたはいずれの前記ゲート電極または前記ソース/ドレイン拡散層の上部に、組成比xが0<x<1であるSi1-xGex膜または組成比xが0<x<1であるSi1-xCx膜を形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−152459(P2009−152459A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330345(P2007−330345)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
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