説明

ヘパラナーゼ阻害剤及びその使用

本発明は、癌、炎症性障害及び自己免疫疾患など、ヘパラナーゼの触媒活性に起因する又は関連する疾患及び障害の治療に適したヘパラナーゼ阻害剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘパラナーゼ阻害剤、並びに癌、炎症性障害及び自己免疫疾患など、ヘパラナーゼの触媒活性に起因する又は関連する疾患及び障害の治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)類は、各種組織の細胞表面、及び細胞外マトリックス(ECM)と関連した遍在性巨大分子である。これらは、共有結合でいくつかの直鎖状ヘパラン硫酸(HS)鎖が結合したタンパク質コアから構成される。細胞の接着、成長及び分化におけるECM分子の関与に関する研究により、胚形態形成、新脈管形成、神経突起進展、組織修復、及び転移におけるHSPGの中心的な役割が明らかになった。HSPGは、血管の重要な構成要素でもある。毛細血管において、それらは、主として内皮下の基底膜中に見出され、そこで、内皮細胞の増殖及び移動を支援し、毛細血管壁の構造を安定化する。
【0003】
コラゲナーゼIV、プラスミノーゲン活性化因子、カテプシンB、及びエラスターゼなど、いくつかの細胞酵素は、基底膜の破壊に関与すると考えられる。もう1つのこの種の酵素が、ヘパラナーゼ、即ち特定の鎖内部位でHSを開裂するエンド−β−D−グルクロニダーゼである(Nakajimaら、1984年)。細胞から放出されるヘパラナーゼは、基底膜からHS分子を取り去り、その結果、基底膜の浸透性が増加する。また、ヘパラナーゼは、ゼラチナーゼと協力して、IV型コラーゲンなど、芯となる構造要素のタンパク質分解を促進する。かくして、血液で運ばれる細胞は、基底膜を通過する浸透を達成する。実際、傷の修復、炎症、及び糖尿病においてHSの異化作用が観察される。
【0004】
ヘパラナーゼの発現は、マウスのリンパ腫細胞(Vlodavskyら、1983年)、線維肉腫及び黒色腫細胞(Nakajimaら、1988年)の転移可能性と相互に関連していることが見出された。同様の相互関係が、ヒトの乳房、結腸、膀胱、前立腺及び肝臓癌腫で観察された(Vlodavskyら、1999年)。さらに、高レベルのヘパラナーゼが、転移腫瘍をもつ動物(Nakajimaら、1988年)及び癌患者の血清中で、高度転移患者の尿中で(Vlodavskyら、1997年)、及び腫瘍生検材料中で(Vlodavskyら、1988年)認められた。実験動物をヘパラナーゼの基質又は阻害剤(例えば、低分子量ヘパリン及び多硫酸化糖の非−抗凝固性種)で処理すると、B16−F10黒色腫、膵臓腺癌腫、ルイス肺癌腫及び乳腺癌腫の細胞で誘発される肺転移の発生率がかなり低下し(Vlodavskyら、1994年、Nakajimaら、1988年、Parishら、1987年、Lapierreら、1996年)、ヘパラナーゼ阻害剤が腫瘍細胞の浸潤及び転移を抑制できることを示している。
【0005】
ヘパラナーゼは、初期腫瘍の新脈管形成にも関与している。初期固形腫瘍(直径1〜2mm)のほとんどは、その酸素及び栄養物の供給を既に存在する血管からの受動拡散により得ているが、それらの集団がこの大きさを超えて増大すると、新脈管形成が必要になる。血管内皮増殖因子(VEGF)及び塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)などのヘパリン−結合ポリペプチドは、血管内皮細胞に対して高度に分裂促進性であり、新脈管形成の最も強力な誘導物質の1つである。bFGFは、in vitroで作られた内皮下ECMから、及び角膜の基底膜から抽出されており、ECMがbFGFに対する貯蔵所として役立つ可能性があることを示唆している。免疫組織化学的染色により、各種組織及び血管の基底膜中におけるbFGFの局在性が明らかになった。bFGFは、ECM中のHSPGに結合し、HS−分解酵素によって活性形態で放出され得る。血小板、肥満細胞、好中球、及びリンパ腫細胞によって発現されたヘパラナーゼは、ECM及び基底膜からの活性bFGFの放出に関与していることが見出され、ヘパラナーゼ活性は、細胞移動及び浸潤において機能するのみならず、間接的に血管新生応答を誘発する可能性があることを示唆している(Elkinら、2001年)。
【0006】
ヘパラナーゼの触媒活性は、免疫系の活性化細胞が、循環を断ち、炎症及び自己免疫応答の双方を誘発する能力と相互関係がある。血小板、顆粒球、T及びBリンパ球、マクロファージ、及び肥満細胞と内皮下ECMとの相互作用は、ヘパラナーゼによるHSの破壊と関連している(Vlodavskyら、1992年)。酵素は、各種の活性化シグナル(例えば、トロンビン、カルシウムイオノホア、免疫複合体、抗原、マイトジェン)に応答して、細胞内区画(例えば、リソソーム、特定顆粒)から放出され、炎症部位及び自己免疫疾患における調節されたその関与を示唆している。実際、実験動物をヘパラナーゼ基質(例えば、低分子量ヘパリンの非−抗凝固性種)で処理すると、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)、アジュバント関節炎及び移植片拒絶の発生率が著しく低減し、ヘパラナーゼ阻害剤が自己免疫及び炎症性疾患を抑制できることを示している(Liderら、1989年)。
【0007】
ヒトにおける転移を治療するために、ヘパラナーゼ阻害剤、例えば、シアスタチンBの誘導体(Nishimuraら、1994年、Kawaseら、1995年)、真菌株アクレモニウム(Acremonium)sp.MT70646から単離される誘導体(WO01/46385、Koら、2000年)及びトラキスピン酸(Shiozawaら、1995年)などの真菌代謝産物、フタルイミドカルボン酸誘導体(WO03/74516、Courtneyら、2004年)、ベンゾオキサゾール、ベンズチアゾール、及びベンズイミダゾール誘導体(WO04/0466122、WO04/046123)及びフランチアゾール誘導体(WO04/013132)などの複素環化合物、テトロン酸誘導体(Ishidaら、2004年)、スラミン、即ちポリスルホン化ナフチルウレア(Nakajimaら、1991年)、硫酸化オリゴ糖、例えば硫酸化マルトテトラオース及びマルトヘキサオース(Parishら、1999年)、及び硫酸化多糖(Parishら、1987年、Lapierreら1996年)、硫酸化結合サイクリトール(Freemanら、2005年)、及び低分子量グリコール開裂ヘパリン(Naggiら、2005年)が提案されている。
【0008】
化学構造の異なるヘパラナーゼ阻害剤が、同一出願人らのPCT国際出願WO02/060373、WO02/060374、WO02/060375及びWO02/060867に記載されている。最近、ヘパラナーゼ阻害剤の開発について、概説されている(Ferroら、2004年)。
【0009】
米国特許第5,968,822号には、ヘパラナーゼ触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及び宿主細胞、特に、該ポリペプチドを発現する昆虫細胞が開示されている。ヘパラナーゼ活性を有する組換えポリペプチドは、創傷治癒、新脈管形成、再狭窄、炎症及び神経変性疾患などの各種疾患及び障害の治療に役立つ可能があるとともに、腫瘍細胞の転移、炎症及び自己免疫を抑制する新規薬剤の開発に役立つと言われている。本出願人らの国際特許公開WO99/57244には、細胞系で組換えヘパラナーゼを過剰発現させるための、細菌、酵母菌及び動物細胞、並びに方法が開示されている。本出願人らに譲渡された米国特許第6,190,875号には、ヘパラナーゼの触媒活性を阻害し、したがって可能性としては、腫瘍転移、自己免疫及び炎症疾患を抑制する物質をスクリーニングする方法が開示されており、その方法は、天然の又は組換えヘパラナーゼ酵素をある物質の存在下又は不在下でヘパリン基質と相互作用させること、及び前記ヘパラナーゼ酵素の前記ヘパリン基質に対する触媒活性に対する当該物質の阻害効果を測定することを含む。US5,968,822及びUS6,190,875の双方、さらにはWO99/57244を、あたかもすべてが本明細書に開示された如くそれらの全体を参照により本明細書に組み込む。
【0010】
WO01/44172には、セリンプロテアーゼ、ウロキナーゼ(uPA)、Xa因子(Fxa)及び/又はVIIa因子(FVIIa)を阻害し、抗癌剤として及び/又は哺乳動物の血栓塞栓性障害を治療又は予防するための抗凝固剤としての有用性を有するといわれるサリチルアミド化合物が開示されている。WO01/01981及びWO01/02344には、VEGF受容体拮抗薬として、特に、VEGFが関与する疾患の治療において有用な、ある種のアミノ安息香酸誘導体が開示されている。特開平6−016597、特開平6−016601、特開平5−301849及び特開平5−271156には、抗腫瘍活性を示すと言われるある種の1−アルコキシ−2,6−ジフェノキシベンゼン誘導体が開示されている。本発明のヘパラナーゼ阻害剤は、前記刊行物中に開示も示唆もされていない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、1つの態様において、薬学上許容される担体と、下記の一般式I、II、III又はIVの化合物、或いは薬学上許容されるそれらの塩から選択される少なくとも1種のヘパラナーゼ阻害剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0012】
本発明の医薬組成物は、限定はしないが、癌、炎症性障害及び自己免疫疾患など、ヘパラナーゼの触媒活性に起因する又は関連する疾患及び障害を治療するのに特に有用である。
【0013】
他の態様において、本発明は、癌、炎症性障害及び自己免疫疾患など、ヘパラナーゼの触媒活性に起因する又は関連する疾患及び障害を治療するための医薬組成物を製造するための、一般式I、II、III又はIVのヘパラナーゼ阻害剤の使用に関する。
【0014】
さらなる態様において、本発明は、一般式I、II、III又はIVの新規誘導体を提供する。
【0015】
さらに他の態様において、本発明は、癌、炎症性障害又は自己免疫疾患など、ヘパラナーゼの触媒活性に起因する又は関連する疾患又は障害を患う患者の治療方法に関するものであり、該方法は、前記患者に対して、前記患者の前記疾患又は障害を治療するのに有効な、一般式I、II、III及びIVの化合物からなる群から選択される、ある量のヘパラナーゼ阻害剤を投与することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明によれば、医薬組成物は、ヘパラナーゼの触媒活性に起因する又は関連する疾患及び障害を治療するために提供され、該組成物は、薬学上許容される担体と、下記一般式I、II、III又はIV及び薬学上許容されるそれらの塩の少なくとも1種のヘパラナーゼ阻害剤とを含有する:
【化1】


[式中、
R1は、
(i)
【化2】


又はその互変異性体
【化3】


【化4】


からなる群から選択され;
R2、R3、R4、R5、R6、R’3、R’4、R’5及びR’6は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ニトロ、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル、(C6〜C14)アリール、ヘテロアリール、−OR’9、−SR’9、−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−COR’9、−COOR’9、−(CH−CO−N(R9)(R’9)、−SOR’9、−SOR’9、又は−NHSOR’9であるか;
R1及びR2は一緒になって、
【化5】


〔式中、Xは、O、S、N(R12)又はC(R12’、R”12)であり、X’は、O又はNである〕からなる群から選択される部分であるか;
R2+R3、R3+R4、R4+R5又はR5+R6のそれぞれの対は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、5又は6員の芳香族環を形成し;
R7は、H、ハロゲン、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル、(C6〜C14)アリール、ヘテロアリール、−OR’9、−SR’9、−NR9R’9、−NR9−COR’9、−COR’9、−COOR’9、−CH(OH)−(CH−O−CO−R9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−N(R9)(R’9)、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−N=N−(C6〜C14)アリール、及び
【化6】


からなる群から選択され;
R’7は、(C1〜C32)アルキルであり;
R”7は、(C2〜C32)アルケニルであり;
R8は、R7について定義した通りであり;
R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つR’9は、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9は、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個以上のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し;
R10は、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル、
【化7】


、−(CH−CO−R17及び−(CH−NH−CO−R9−O−R’9からなる群から選択され;
R11は、OH又は
【化8】


であり;
R12、R’12及びR”12は、それぞれ、H又は(C1〜C32)アルキルであるか、R’12及びR”12は一緒になって基
【化9】


であり;
R13は、(C1〜C32)アルキル、(C6〜C14)アリール、−N=CH−(C6〜C14)アリール、
【化10】


からなる群から選択され;
R’13は、=O、=NH又は=N−NH−SOR’9であり;
R14は、H、(C1〜C32)アルキル、−(CH−CH(OH)−CH−NR9R’9又は−(CH−CH(OH)−(C6〜C14)アリールであり;
R15は、H又は−SOHであり;
R16は、H、ハロゲン、−COOH、−SOH、−N=N−(C6〜C14)アリール及び
【化11】


からなる群から選択され;
R17は、(C1〜C32)アルキル、(C6〜C14)アリール、−NH−NH−CO−(C1〜C32)アルキル、−NH−NH−CO−(C6〜C14)アリール、−(CH−NH−CO−C(R9)−O(C1〜C32)アルキル、−(CH−NH−CO−C(R9)−O(C6〜C14)アリール、−(CH−CO−(C1〜C32)アルキル及び−(CH−CO−(C6〜C14)アリールからなる群から選択され;
R18は、H又は=N−(C6〜C14)アリールであり;
R19は、(C6〜C14)アリールであり;
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン又は有機アニオンなどの対イオンであり;
nは、0又は1〜10の整数であり、mは、1〜10の整数であり;
いずれの「(C1〜C32)アルキル」又は「(C2〜C32)アルケニル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、且つ、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、非置換でも、或いはハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9、−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよく;
「ヘテロアリール」は、O、S及びNからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む単環又は多環へテロ芳香族環から誘導される基を意味し、
いずれの「アリール」又は「ヘテロアリール」も、ハロゲン、(C6〜C14)アリール、(C1〜C32)アルキル、ニトロ、−OR’9、−SR’9、−COR’9、−COOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9及び−(CH−CO−NR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい]。
【0017】
本明細書で使用する場合、用語「C1〜C32」アルキルは、典型的には、1〜32個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基を指し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ヘプチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシルが含まれ、好ましくは10個又はそれ以上の炭素原子を有し、好ましくは、−C1021、−C1531、−C1633、−C1735、−C1837、−C2041などである。
【0018】
用語「(C2〜C32)アルケニル」は、2〜32個の炭素原子、及び1個又は複数の二重結合、好ましくは末端二重結合を有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素基を指し、例えば、ビニル、プロペ−2−エン−1−イル、ブテ−3−エン−1−イル、ペンテ−4−エン−1−イル、ヘキセ−5−エン−1−イル、末端二重結合を有する−C1631、及び基−C=C−C=が含まれる。
【0019】
用語「(C1〜C32)アルコキシ」は、基(C1〜C32)アルキル−O−を指し、ここで(C1〜C32)アルキルは上記で定義した通りである。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、ヘキソキシ、−OC1531、−OC1633、−OC1735、−OC1837などがある。
【0020】
用語「(C6〜C14)アリール」は、本明細書中で定義されるように置換されていてもよいフェニル、ナフチル、カルバゾリル及びフェナントリルなど、単環又は縮合多環からなる6〜14個の炭素原子を有する芳香族炭素環基を指す。
【0021】
用語「ヘテロアリール」は、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む、単環又は多環のへテロ芳香族族環から誘導される基を指す。詳細な例には、ピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、キノリニル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、1,3,4−トリアジニル、1,2,3−トリアジニル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、インドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル及びベンゾオキサゾリルがある。多環へテロ芳香族環が置換されている場合には、炭素環及び/又は複素環のいずれにおいてもその置換が可能であることを理解されたい。
【0022】
用語「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを指す。
【0023】
本発明の一実施形態において、医薬組成物は、下記式Ia又はI’aの化合物を含有する:
【化12】


[式中、
R2は、H、ハロゲン、−NH又は−SOHであり;
R3は、H又は−SOHであり;
R4は、H、ハロゲン、−SOH、−SO−(C10〜C22)アルキル、−O(C6〜C14)アリール、又は−O(C1〜C8)アルキルで置換された−O(C6〜C14)アリールであり;
R5は、Hであり;
R6は、H又はハロゲンであり;
R7は、
(i)H、
(ii)(C10〜C22)アルキル、
(iii)−COOH、
(iv)−NR9−COR’9〔式中、R9はHであり、R’9は、エポキシで置換されていてもよい(C10〜C22)アルキル、−COOHで置換されていてもよい(C10〜C22)アルケニル、及び−SOH又は−NH−CO−(C10〜C22)アルキルで置換されていてもよい(C6〜C14)アリールからなる群から選択される〕、
(v)−SOHで又は−NR9−COR’9で置換されていてもよい(C6〜C14)アリール〔式中、R9はHであり、R’9は、(C10〜C22)アルキルである〕
からなる群から選択され;
R8は、
(i)H、
(ii)ハロゲン、
(iii)(C2〜C6)アルキル、
(iv)−O(C10〜C22)アルキル、
(v)1個又は複数のハロゲン、−OR’9、−COOR’9、−SOR’9、−NR9R’9又は−NR9COR’9で置換されていてもよい(C6〜C14)アリール〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は(C10〜C22)アルキルである〕、
【化13】


〔式中、R9は、それぞれ独立に、H又は(C1〜C12)アルキルである〕、及び
(vii)1個又は複数のハロゲン、−OR’9、−COOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9又は−NR9−CO−R’9で置換されていてもよい−N=N−(C6〜C14)アリール〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は(C1〜C6)アルキルであるか、R’9がメチルで置換された−(C6〜C14)アリールである〕
からなる群から選択され;
R4、R7及びR8中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、且つ、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、−(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、−(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9、−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つR’9は、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択され、R9及びR’9は、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは、0又は1〜10の整数である〕。
【0024】
本発明の1つの好ましい実施形態において、医薬組成物は、式Ia又はI’a中、
R2が、H、Cl、−NH又は−SOHであり;
R3が、H又は−SOHであり;
R4が、H、Cl、−SOH、−SO1633又は、エトキシで置換されていてもよいフェノキシであり;
R5が、H、−COOH又は−SOHであり;
R6が、H又はClであり;
R7が、
(i)H、
(ii)(C17〜C20)アルキル、
(iii)−COOH、
(iv)−NR9−COR’9〔式中、R9は、Hであり、R’9は、エポキシで置換されていてもよい(C11〜C20)アルキル、−COOHで置換されていてもよい(C16〜C20)アルケニル、及び−SOH又は−NH−CO−C1735で置換されていてもよいフェニルからなる群から選択される〕、及び
(v)−SOHで又は−NR9−COR’9で置換されていてもよいフェニル〔式中、R9は、Hであり、R’9は、(C17〜C20)アルキルである〕
からなる群から選択され;
R8が、
(i)H、
(ii)Br、
(iii)イソプロピル、
(iv)−OC1633
(v)1個又は複数のハロゲン、−OR’9、−COOR’9、−SOR’9、−NR9R’9又は−NR9COR’9で置換されていてもよいフェニル〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は−C1633である〕、
【化14】


〔式中、R9は、それぞれ独立に、H、メチル又はデセニルである〕、及び
(vii)1個又は複数のCl、−OR’9、−COOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9又は−NR9−COR’9で置換されていてもよい−N=N−フェニル〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H、メチル又はエチルであるか、R’9はメチルで置換されたフェニルである〕
からなる群から選択される、式Ia又はI’aの化合物を含有する。
【0025】
1つの好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物1、5〜22、24〜30、54、56、69、71、83、84、85及び100と称される化合物から選択される、式Iaの化合物を含有する。
【0026】
他の好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物32と称される式I’aの化合物を含有する。
【0027】
本発明の他の実施形態において、医薬組成物は、下記式Ibの化合物を含有する:
【化15】


[式中、
R2が、
(i)H、
(ii)ハロゲン
(iii)−OH、
(iv)−O(C10〜C22)アルキル、
(v)−COOH、
(vi)−NR9R’9〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立にHであるか、R9が(C1〜C6)アルキルであり、且つR’9がH又は(C10〜C22)アルキルである〕、
(vii)1個又は複数の−COOH又は−CO−NHで置換されていてもよい−O(C6〜C14)アリール
からなる群から選択され;
R3は、H又は−COOHであり;
R4は、
(i)H、
(ii)−SOH、
(iii)1個又は複数の−COOHで置換されていてもよい−O(C6〜C14)アリール、
(iv)1個又は複数の−COOHで置換されていてもよい−S(C6〜C14)アリール、及び
(v)−NR9−CO−R’9〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は(C10〜C22)アルキルである〕
からなる群から選択され;
R5は、H、−COOH、−SOH、又は1個若しくは複数の−COOHで置換されていてもよい−NHSO(C6〜C14)アリールであり;
R6はHであり;
R9は、H又は(C10〜C22)アルキルであり;
R10は、
(i)ハロゲン、OH、エポキシ及びエピチオからなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい(C10〜C22)アルキル、
【化16】


〔式中、R16は、H、ハロゲン、−COOH、−SOH;フェニルで置換されていてもよいS−テトラゾル−5−イル、並びにハロゲン、(C1〜C6)アルキル、(C6〜C14)アリール、−OH、−COOH、−COOR’9、−OR’9及び−NHSOR’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい−N=N−(C6〜C14)アリールからなる群から選択される{式中、R’9は、(C1〜C6)アルキル、又は(C1〜C6)アルキルで置換されていてもよいフェニルである}〕、
(iii)−CH−CO−R17〔式中、R17は、(C10〜C22)アルキル;−O−(C10〜C22)アルキルで又は−NH−CO−(C10〜C22)アルキルで置換されていてもよい(C6〜C14)アリール、及び−NH−NH−CO−(C10〜C22)アルキルからなる群から選択される〕、
(iv)−NH−(C10〜C22)アルキル、及び
(v)オキソで置換されていてもよい(C10〜C22)アルケニル
からなる群から選択され;
R2、R4、R9及びR10中で規定した「(C10〜C22)アルキル」及びR10中で規定した「(C10〜C22)アルケニル」のいずれも、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよく〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕;
R10中で規定した「(C6〜C14)アリール」は、ハロゲン、(C6〜C14)アリール、(C1〜C32)アルキル、ニトロ、−OR’9、−SR’9、−COR’9、−COOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、及び−(CH−CO−NR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〕]。
【0028】
本発明の好ましい実施形態において、医薬組成物は、式Ib中、
R2が、
(i)H、
(ii)Cl、
(iii)−OH、
(iv)−OC1837
(v)−COOH、
(vi)−NR9R’9〔式中、R9はH又はメチルであり、R’9は−C1837である〕、及び
(vii)1個又は複数の−COOH又は−CO−NHで置換されていてもよいフェノキシ
からなる群から選択され;
R3が、H又は−COOHであり;
R4が、
(i)H、
(ii)−SOH、
(iii)1個又は複数の−COOHで置換されていてもよいフェノキシ、
(iv)1個又は複数の−COOHで置換されていてもよいフェニルチオ、及び
(v)−NR9−CO−R’9〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は−C1735である〕
からなる群から選択され;
R5が、H、−COOH、−SOH;又は1個又は複数の−COOHで置換されていてもよい−NHSO−フェニルであり;
R6がHであり;
R9が、H又は−C1837であり;
R10が、
(i)Cl、OH、エポキシ及びエピチオからなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい−C1735
【化17】


〔式中、R16は、H、Br、−COOH、−SOH;フェニルで置換されていてもよいS−テトラゾル−5−イル、並びにCl、メチル、フェニル、−OH、−COOH、−COOR’9、−OR’9、及び−NHSOR’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい−N=N−フェニルからなる群から選択される{式中、R’9はメチル、又はメチルで置換されていてもよいフェニルである}〕、
(iii)−CH−CO−R17〔式中、R17は、−C1735又は−C1835;−OC1837で又は−NH−CO−(C15〜C20)アルキル(好ましくは−C1735)で置換されたフェニル、及び−NH−NH−CO−(C15〜C20)アルキル(好ましくは−C1735)からなる群から選択される〕、
(iv)−NH−C1837、及び
(v)(C16〜C20)アルケニル、好ましくはオキソで置換されていてもよい−C1733及び−C1631
からなる群から選択される、式Ibの化合物を含有する。
【0029】
1つの好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物番号61、87、92、93、95及び96と称される化合物の群から選択される、式中のR10が−C1735である式Ibの化合物を含有する。
【0030】
他の好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物番号3、33、34、40、41、43、45、46、47、49、50、52、53、55、62、63及び77と称される化合物の群から選択される、式中のR10が1−ヒドロキシ−4−R18−2−ナフチルである式Ibの化合物を含有する。
【0031】
さらなる好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物番号2、23、44、51、60及び64と称される化合物の群から選択される、式中のR10が−CH−CO−R17である式Ibの化合物を含有する。
【0032】
よりさらなる好ましい実施形態において、医薬組成物は、R10が−NH−C1837である本明細書中で化合物番号70と称される式Ibの化合物を含有する。
【0033】
なおさらに好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物番号86及び94と称される化合物から選択される、式中のR10が−(C10〜C22)アルケニルである式Ibの化合物を含有する。
【0034】
本発明のさらなる実施形態において、医薬組成物は、下記式Icの化合物を含有する:
【化18】


[式中、
R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ニトロ、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル、(C6〜C14)アリール、ヘテロアリール、−OR9’、−SR9’、−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−COR’9、−COOR’9、−(CH−CO−N(R9)(R’9)、−SOR’9、−SOR’9、又は−NHSOR’9を表すか;
R3及びR4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって縮合ベンゼン環を形成し;
R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つR’9は、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル又は(C6〜C14)アリールであるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し;
R10は、
(i)(C10〜C22)アルキル、又は
(ii)−(CH−NH−CO−R9−O−R’9〔式中、R9は(C1〜C6)アルキルであり、R’9は、−C1531で置換された(C6〜C14)アリールであり、nは1〜6の整数である〕
であり;
R2〜R6及びR9中で規定した「(C1〜C32)アルキル」及び「(C2〜C32)アルケニル」並びにR10中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0035】
本発明の好ましい実施形態において、医薬組成物は、式Ic中、R2がOHであり、R3及びR4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって縮合ベンゼン環を形成し、R5がH又は−SOHであり、R6及びR9がそれぞれHであり、R10が(i)−C1837、又は(ii)−(CH−NH−CO−R9−O−R’9〔式中、R9は−CH(C)であり、R’9は−C1531で置換されたフェニルであり、nは3である〕である、式Icの化合物を含有する。
【0036】
1つの好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物31及び72と称される化合物から選択される式Icの化合物を含有する。
【0037】
本発明のさらに他の実施形態において、医薬組成物は、下記式Idの化合物を含有する:
【化19】


[式中、
R2はHであり;
R3は、H、−COOH、−NH、又は
【化20】


〔式中、R9は(C10〜C22)アルキルである〕であり;
R4は、
(i)H、
(ii)−O−(C10〜C22)アルキル、
(iii)−NH−(C10〜C22)アルキル、
(iv)−SO−(C10〜C22)アルキル、
【化21】


〔式中、R9は(C10〜C22)アルキルである〕、及び
(vi)−SOH又は
【化22】


〔式中、R9は(C10〜C22)アルキルである〕から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいフェノキシ
からなる群から選択され;
R5は、H、−COOH、又は−NHであり;
R6は、水素であるか、ハロゲン、−COOH又は−CO−NHで置換されていてもよいフェノキシであり;
R11は、OH又は
【化23】


〔式中、R9は、(C10〜C22)アルキルであり、R’9は(C1〜C6)アルキルである〕であり;
R4及びR9中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0038】
本発明の好ましい実施形態において、医薬組成物は、式Id中、
R2がHであり、
R3が、H、−COOH、−NH、又は
【化24】


〔ここで、R9は−C1837である〕であり、
R4が、
【化25】


〔式中、R9は−C1531である〕、及び
(vi)−SOH及び
【化26】


〔式中、R9は−C1837である〕から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいフェノキシ
からなる群から選択され、
R5が、H、−COOH、又は−NHであり、
R6が、H;又はハロゲン、−COOH又は−CO−NHで置換されていてもよいフェノキシであり、
R11が、OH又は
【化27】


〔式中、R9は−C1633であり、R’9はメチルである〕
である、式Idの化合物を含有する。
【0039】
好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物75、76、88、89、101、103、104、105、106及び107と称される化合物から選択される式Idの化合物を含有する。
【0040】
本発明のよりさらなる実施形態において、医薬組成物は、式Ieの化合物を含有する:
【化28】


[式中、
Xは、O又はSであり;
R14は、(C10〜C22)アルキルであり;
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機アニオンからなる群から選択される対イオンであり;
R14中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0041】
1つの好ましい実施形態において、医薬組成物は、式Ie中、XがO又はSであり、R14が−C1837であり、Yが過塩素酸イオンである、式Ieの化合物を含有する。
【0042】
他の好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物66及び67と称される化合物から選択される式Ieの化合物を含有する。
【0043】
本発明のさらに他の実施形態において、医薬組成物は、式Ifの化合物を含有する:
【化29】


〔式中、
R3及びR5は、それぞれHであり;
R4は、H、−COOH又は−SOHであり;
R6は、H又は−COOHであり;
R9は、H又は(C10〜C22)アルキルであり;
R15は、H又は−SOHであり;
R9中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0044】
本発明の好ましい実施形態において、医薬組成物は、式If中、R3及びR5がHであり、R6が、H又は−COOHであり、R4が、H、−COOH及び−SOHからなる群から選択され、R9が、H又は−C1735であり、R15が、H又は−SOHである、式Ifの化合物を含有する。
【0045】
より好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物4、35及び36と称される化合物から選択される式Ifの化合物を含有する。
【0046】
本発明のよりさらなる実施形態において、医薬組成物は、式Igの化合物を含有する:
【化30】


[式中、
Xは、NR12又はCR’12R”12であり;
R12は(C10〜C22)アルキルであり;
R’12及びR”12は、それぞれ、(C1〜C6)アルキルであるか、R’12及びR”12は一緒になって、基
【化31】


〔式中、R9は、Hであるか、−COOHで置換された(C10〜C22)アルキルである〕であり;
R’13は、=O、=NH又は=N−NH−SO−(C6〜C14)アリール〔式中、アリールは、−COOH及び−O−(C10〜C22)アルキル、又は−NH−SO−フェニル{式中、フェニルは、−COOH及び−O−(C10〜C22)アルキルで置換される}で置換される〕であり;
R14は、(C1〜C8)アルキル又は1個若しくは複数の(C1〜C6)アルコキシで置換された−CH−CH(OH)−(C6〜C14)アリールであり;
R12及びR’13中で規定した「(C10〜C22)アルキルは、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0047】
本発明の好ましい実施形態において、医薬組成物は、式Ig中、
Xが、NR12又はCR’12R”12であり;
R12が−C1633であり;
R’12及びR”12が、それぞれメチルであるか、R’12及びR”12が一緒になって、基
【化32】


〔式中、R9は、H又は−C1020−COOHである〕であり;
R’13が、=O、=NH又は=N−NH−SO−フェニル〔式中、フェニルは、−COOH及び−OC1837、又は−NH−SO−フェニル{式中、フェニルは、−COOH及び−OC1837で置換される}で置換される〕であり;
R14が、メチル、エチル;又は1個又は複数のメトキシ基で置換された−CH−CH(OH)−フェニルである、式Igの化合物を含有する。
【0048】
好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物48、59、65及び82と称する化合物から選択される式Igの化合物を含有する。
【0049】
本発明のよりさらなる実施形態において、医薬組成物は、下記式Ihの化合物を含有する:
【化33】


[式中、
X’は、O又はNR14であり;
R3、R4、R5、R’3及びR’5は、それぞれ、H又はハロゲンであり;
R’4は、H、ハロゲン又は(C10〜C22)アルケニルであり;
R6及びR’6は、それぞれ、H又は−COOHであり;
R14は、1個又は複数のN原子で割り込まれ、且つヒドロキシで置換された(C10〜C22)アルキルであり;
R’4中で規定した「(C10〜C22)アルケニル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSO3R’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル又は(C6〜C14)アリールであるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0050】
本発明の好ましい実施形態において、医薬組成物は、式Ih中、
X’が、O又はNR14であり、
R3、R4、R5、R’3及びR’5が、それぞれ、H、Cl又はBrであり、
R’4が、H、Cl、Br又は−C2039であり、
R6及びR’6が、それぞれ、H又は−COOHであり、
R14が、−C1021−NH−CH−CH(OH)−CH−又は−C1837−NH−CH−CH(OH)−CH−である、式Ihの化合物を含有する。
【0051】
好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物68、90及び91と称される化合物から選択される式Ihの化合物を含有する。
【0052】
本発明のよりさらなる実施形態において、医薬組成物は、下記式Iiの化合物を含有する:
【化34】


[式中、
Xは、O、S又はNR12であり;
R3は、H又は−COOHであり;
R4は、H又は−SOHであり;
R5は、H、−COOH又は−SOHであり;
R6は、Hであり;
R12は、H又は(C10〜C22)アルキルであり;
R13は、
(i)(C1〜C6)アルキル、
【化35】


〔ここで、R9は、(C10〜C22)アルキルであり、R18は、H又は=N−(C6〜C14)アリール{式中、アリールは、−NR9R’9(ここで、R9及びR’9はそれぞれ(C1〜C6)アルキルである)で置換されていてもよい}である〕、
(iv)
【化36】


〔式中、R9は(C10〜C22)アルキルであり、R18は、=N−(C6〜C14)アリール{式中、アリールは、−NR9R’9(ここで、R9及びR’9はそれぞれ(C1〜C6)アルキルである)で置換されていてもよい}である〕で置換されてもよい、(C6〜C14)アリール、
(v)−OH及び1個又は複数のハロゲン原子で、又は−OH若しくはニトロ、又はその双方で置換された、−N=CH−(C6〜C14)アリール
からなる群から選択され、
R12及びR13中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0053】
本発明の好ましい実施形態において、医薬組成物は、式Ii中、
Xが、O、S又はNR12であり;
R4が、H又は−SOHであり;
R6が、Hであり;
R3が、H又は−COOHであり;
R5が、H、−COOH又は−SOHであり;
R12が、H、−C1633又は−C1837であり;
R13が、
(i)メチル、
【化37】


〔式中、R9は、−C1735であり、R18は、H又は=N−フェニルである{式中、フェニルは−NR9R’9(式中、R9及びR’9はそれぞれエチルである)で置換されていてもよい}〕、
(iv)
【化38】


〔式中、R9は、−C1735であり、R18は、=N−フェニルである{式中、フェニルは−NR9R’9(式中、R9及びR’9はそれぞれエチルである)で置換されていてもよい}〕
で置換されていてもよいフェニル、
(v)−OH及び1個又は複数のCl若しくはBrで置換されていてもよい−N=CH−フェニル、或いは−OH若しくはニトロ、又はその双方で置換されていてもよいナフチル
からなる群から選択される、式Iiの化合物を含有する。
【0054】
好ましい実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で化合物37、38、39、42、57、58、73及び102と称される化合物から選択される式Iiの化合物を含有する。
【0055】
本発明のよりさらなる実施形態において、医薬組成物は、下記式Ijの化合物を含有する:
【化39】


[式中、
R2、R4、R5及びR6は、それぞれHであり;
R3は、H又はハロゲンであり;
R9は、Hであるか、−COOHで置換された(C10〜C22)アルキルである]。
【0056】
好ましい実施形態において、医薬組成物は、式Ij中、R2、R4、R5及びR6が、それぞれHであり、R3が、H又はBrであり、R9が、H又は−C1020−COOHである式Ijの化合物を含有し、より好ましくは本明細書中で化合物81と称される化合物を含有する。
【0057】
本発明のよりさらなる実施形態において、医薬組成物は、下記式Ikの化合物を含有する:
【化40】


[式中、
R2、R4、R6、R’3、R’5及びR’6は、それぞれ、Hであり;
R3、R5及びR’4は、それぞれ、H又は−COOHであり;
R’9は、OH及び−CFで置換されていてもよい(C10〜C22)アルケニルであり;
R’9中で規定した「(C10〜C22)アルケニル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、−(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9、−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0058】
本発明の好ましい実施形態において、医薬組成物は、式Ik中、R2、R4、R6、R’3、R’5及びR’6が、それぞれHであり、R3、R5及びR’4が、それぞれ−COOHであり、R’9が、OH及び−CFで置換されていてもよい−C1731である式Ikの化合物を含有し、より好ましくは本明細書で化合物98と称される化合物を含有する。
【0059】
本発明のよりさらなる実施形態において、医薬組成物は、下記式Ilの化合物を含有する:
【化41】


[式中、
R’7は、(C10〜C22)アルキルであり、
R9及びR’9は、それらが結合しているN原子と一緒になって、さらなるO、N又はS原子を含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、
R’7中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0060】
好ましい実施形態において、医薬組成物は、式Il中、R’7が−C1531であり、R9及びR’9が、それらが結合しているN原子と一緒になってモルホリン環を形成する、本明細書中で化合物74と称される式Ilの化合物を含有する。
【0061】
本発明のよりさらなる実施形態において、医薬組成物は、下記式Imの化合物を含有する:
【化42】


[式中、
R9は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、−(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい(C10〜C22)アルキルである〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0062】
本発明の好ましい実施形態において、医薬組成物は、式Im中、R9が、エポキシで置換されていてもよい−C1733である式Imの化合物を含有し、より好ましくは、本明細書中で化合物99と称される化合物を含有する。
【0063】
本発明のよりさらなる実施形態において、医薬組成物は、式Inの化合物を含有する:
【化43】


[式中、
R9は、(C10〜C22)アルキルであり;
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機アニオンからなる群から選択される対イオンであり;
R9中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0064】
本発明の好ましい実施形態において、医薬組成物は、式In中、R9が−C1837であり、Yが臭素イオンである、本明細書中で化合物79と称される式Inの化合物を含有する。
【0065】
本発明のよりさらなる実施形態において、医薬組成物は、下記一般式IIの化合物を含有する:
【化44】


[式中、
R7は、−CH(OH)−CH−O−CO−R9であり、R9は、(C10〜C22)アルキルであり;
ここで、R9中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0066】
好ましい実施形態において、医薬組成物は、式II中、R7が−CH(OH)−CH−O−CO−R9であり、R9が−C1531である、本明細書中で化合物78と称される化合物を含有する。
【0067】
本発明のよりさらなる実施形態において、医薬組成物は、下記一般式IIIの化合物を含有する:
【化45】


[式中、
R’7は、(C10〜C22)アルキルであり;
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機イオンからなる群から選択される対イオンであり;
R’7中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0068】
好ましい実施形態において、医薬組成物は、式III中、R’7が−C1633であり、Yが臭素イオンである、本明細書中で化合物80と称される、式IIIの化合物を含有する。
【0069】
本発明のよりさらなる実施形態において、医薬組成物は、一般式IVの化合物を含有する:
【化46】


[式中、
R”7は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい(C2〜C32)アルケニルである〔この関連で、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【0070】
好ましい実施形態において、医薬組成物は、式中、R”7が−C1631である、本明細書中で化合物97と称される式IVの化合物を含有する。
【0071】
本発明者らは、一般式Iの化合物を14の異なる群Ia〜Inで呈示したが、その化合物の多くが、Ia〜Inの1つを超える群に共通である官能基又は化学的特徴を所持し、1つ又は複数の他の化合物群に容易に分類され得る可能性のあることは明白である。
【0072】
一般式I、II、III又はIVで表され、本明細書中で化合物12、18、27、37、48、50、61〜63、70、71、75、77、83〜87、90〜96及び98〜107と称される化合物は、新規な化学的存在物であり、それ自体、本発明のさらなる態様を提示する。
【0073】
本発明では、式I、II、III又はIVの化合物の薬学上許容される塩、即ち、分子中に存在する任意のカルボキシ又はスルホ基と塩基によって形成される双方の塩、並びに酸付加及び/又は塩基性塩も考慮される。
【0074】
薬学上許容される塩は、アルカリ及びアルカリ土類金属又は有機アミンなどの金属又はアミンを用いて形成される。カチオンとして使用される金属の例としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどがある。適したアミンの例としては、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、及びプロカインがある(例えば、Berge S.M.らの「Pharmaceutical Salts」(1977年)J.of Parmaceutical Science、66巻、1〜19頁を参照のこと)。また、塩は、式−NRR’R”Z(ここで、R、R’及びR”は、それぞれ独立に、水素、アルキル又はベンジルであり、Zは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、O−アルキル、トルエンスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン、スルホン酸イオン、リン酸イオン、又はカルボン酸イオンなどの対イオンである)の第四級塩など、薬学上許容される第四級塩であってもよい。
【0075】
化合物の薬学上許容される酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などの無機酸から誘導される塩、並びに脂肪族モノ−及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族、芳香族スルホン酸などの有機酸から誘導される塩が含まれる。したがって、このような塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などが含まれる。アミノ酸の塩(アルギン酸塩など)、グルコン酸塩又はガラクツロン酸塩も考慮される(例えば、Berge S.M.らの「Pharmaceutical Salts」(1977年)J.of Parmaceutical Science、66巻、1〜19頁を参照のこと)。
【0076】
前記塩基性化合物の酸付加塩は、遊離塩基形態を十分な量の所望する酸と接触させ、通常の方法で塩を生成させることによって調製される。その遊離塩基形態は、塩形態を塩基と接触させ、通常の方法で遊離塩基を単離することによって再生できる。遊離塩基形態は、極性溶媒に対する溶解性などのある種の物理的特性の点でそのそれぞれの塩形態とは若干異なるが、その他の点で、塩は、本発明の目的に関してそのそれぞれの遊離塩基と等価である。
【0077】
前記酸性化合物の塩基付加塩は、遊離酸形態を十分な量の所望する塩基と接触させ、通常の方法で塩を生成させることによって調製される。遊離酸形態は、その塩形態を酸と接触させ、通常の方法で遊離酸を単離することによって再生できる。遊離酸形態は、極性溶媒に対する溶解性などのある種の物理的特性の点でそのそれぞれの塩形態とは若干異なるが、その他の点で、塩は、本発明の目的に関してそのそれぞれの遊離酸と等価である。
【0078】
ヘパラナーゼ活性に対する本発明化合物の阻害効果は、in vitro、ex vivo、又はin vivoで実施されるいくつかの方法で評価できる。
【0079】
本発明により使用されるin vitroアッセイのいくつかは、US6,190,875に記載されている。これらのアッセイでは、ヘパラナーゼを、本発明化合物の存在下又は不在下にヘパラナーゼ基質と共にインキュベートし、その基質に対するヘパラナーゼの触媒活性に関する該化合物の阻害効果を評価する。
【0080】
ヘパラナーゼは、US5,362,641に記載のように精製されたヒトヘパラナーゼなどの天然哺乳動物ヘパラナーゼでもよいし、或いは、好ましくは、US5,968,822、US6,190,875及びWO99/57244に記載のような精製又は非精製形態の組換え哺乳動物、例えばヒト又はマウス組換えヘパラナーゼでよい。非精製組換えヘパラナーゼの供給源は、例えば、哺乳動物ヘパラナーゼcDNAが発現された細胞の抽出物である。
【0081】
ヘパラナーゼ基質は、天然のヘパラン硫酸基質、又は、US6,190,875に記載のような酵素の代替基質、例えば、ヘパリン(例えば、セファロースなどのゲル上に固定化されたヘパリン)、ヘパリン断片(例えば、低分子量ヘパリンのいくつかの種)、ヘパリンの修飾非抗凝固種、その他の硫酸化多糖(例えば、ペントサン多硫酸)、可溶性HSPG若しくはECMでよい。
【0082】
阻害効果の評価は、例えば、US6,190,875に記載のように、ヘパラナーゼ基質の分解生成物を検出するように構成されたサイズ分離アッセイによって実施できる。このようなアッセイの例には、ゲル電気泳動及びカラムクロマトグラフィーが含まれる。
【0083】
その基質に対するヘパラナーゼの触媒活性、及び候補阻害剤の阻害効果の定性的及び定量的評価は、例えば、比色アッセイによって達成できる。本発明では、なんらかの発色反応に基づく任意の比色アッセイが考えられ、それは、容易に検出できる単純な発色反応、又は蛍光検出技術によって容易に検出できる蛍光若しくは発光(例えば、化学発光)反応である。このような適当な比色アッセイの例には、限定はしないが、ジメチルメチレンブルー(DMB)、テトラゾリウムブルー及びカルバゾールアッセイが含まれる。定性的比色アッセイには、基質(可溶性又は固定化)から放出される、大きさの異なる硫酸化グリコサミノグリカンなどのポリアニオン性化合物の存在下で色移動をもたらすジメチルメチレンブルー(DMB)アッセイ、及び、固定化基質から放出される生成物の完全水解物中に存在するウロン酸誘導体を検出するカルバゾールアッセイが含まれ、双方のアッセイとも、ヘパラナーゼの粗抽出物に対して、さらに精製酵素に対して適用できる。
【0084】
好ましい実施形態においては、定量的評価が望ましく、in vitroアッセイで好ましいのは、ヘパラナーゼ基質の分解生成物と関連した還元部分を検出するように構成されたアッセイ、好ましくは還元糖アッセイである。定量的比色アッセイの例には、基質、例えば、可溶性又は固定化形態で存在できるヘパラン硫酸から放出される還元部分の比色検出を可能にするテトラゾリウムブルーアッセイがある。
【0085】
あまり好ましくはないが、もう1つの可能性は、基質に対するヘパラナーゼの触媒活性を、放射能技術によって評価することからなり、この場合、使用される基質は、in vitro又は代謝的に、放射能標識化される。
【0086】
ヘパラナーゼ活性に対する化合物の阻害効果を評価するex vivoアッセイには、新脈管形成芽形成(angiogenic sprout formation)及び遊出(trasmigiation)アッセイが含まれる。新脈管形成芽形成アッセイは、ラット動脈モデルで実施され(Nicosiaら、1997年、Nicosia及びOttinetti、1990年)、そのためにラット動脈環が、ラミニン及びIV型コラーゲンなどのECM由来タンパク質並びにHSPGから構成され、これらが問題のヘパラナーゼの基質を構成する、基底膜様マトリックスに埋め込まれる。次いで、環は、新脈管形成芽を発達させ、新脈管形成を定量化できる。供試化合物を、埋め込み動脈環に加え、次いで、新脈管形成芽形成に対するそれらの効果を評価する。
【0087】
ex vivoトランスウェル移動アッセイでは、免疫細胞の移動を、場合によっては、ストロマ細胞由来因子1(SDF−1)などの化学誘引因子の存在下に、免疫細胞の脈管構造から炎症部位へのin vivo管外遊出を模擬した方法で評価する。このアッセイでは、リンパ球などの免疫細胞を、ECM由来タンパク質から構成される基底膜様マトリックスで被覆されたトランスウェルフィルターを通じて上部から底部チャンバーへ移動させる。次いで、フィルターを通過する細胞の移動比率(migration rate)を、フィルター(例えば、FACSortを用いて)を通って移動した細胞数を、上部チャンバーの頂部に添加した細胞数と対比して計数することによって評価する。免疫細胞におけるヘパラナーゼの過剰発現は、細胞遊出比率の増大に帰着し、一方、ヘパラナーゼ阻害剤を添加すると、細胞の遊出比率が低下する。
【0088】
また、ヘパラナーゼ活性に対する化合物の阻害効果は、in vivoで、例えば、初期腫瘍成長又は転移動物モデル、或いはスポンジ炎症アッセイを使用してアッセイできる。
【0089】
初期腫瘍動物モデルでは、動物に、腫瘍細胞を皮下(s.c)的に注入し、ヘパラナーゼ阻害剤で処理する。非処置対照群の動物が死に始める時点で腫瘍の成長を測定する。例えば、初期腫瘍は、マウスの側腹にs.cで注入されたB16−F1黒色腫細胞、又はその高度転移性サブクローンで発生させることができる。マウスを、細胞注入の4日後に始まる、1日に2回の腹膜内(i.p)で注入されるヘパラナーゼ阻害剤で処理し、細胞注入の約3週間後に屠殺し、腫瘍を評価する。
【0090】
転移動物モデルでは、動物に、腫瘍細胞を静脈内(i.v)で注入し、ヘパラナーゼ阻害剤で処理する。非処理対照群の動物が死に始める時点、又は細胞注入の約3週間後に、肺転移の数を計数する。例えば、転移は、マウスに対してi.vで注入される、B16−F1黒色腫細胞、又はその高度転移性サブクローンで発生させることができる。マウスを、細胞注入後の一定時点で腹膜内(i.p)注入されるヘパラナーゼ阻害剤で処理し、次いで、屠殺し、肺転移の数を計数する。
【0091】
スポンジ炎症アッセイでは、ポリビニルアルコール(PVA)スポンジをマウスの皮膚下に埋め込み、マウスを、非処理のままとするか、試験阻害剤で処理する。1日後、マウスを屠殺し、スポンジを取り出し、チューブ内に搾り出し、各サンプル中の細胞数を測定する。遠心分離後に、細胞ペレット懸濁液中でミエロペルオキシダーゼ(MPO)含有量を、及びサンプル上清液中のTNF−α含有量を測定できる。このアッセイは、生物体中の異物の存在に由来する炎症反応を模倣している。
【0092】
本発明のヘパラナーゼ阻害剤は、限定はしないが、癌、炎症性障害及び自己免疫疾患など、ヘパラナーゼの触媒活性に起因する又は関連する疾患又は障害の治療に使用できる。
【0093】
したがって、本発明の一実施形態において、化合物は、新脈管形成を阻害するのに使用可能であり、したがって、限定はしないが、腫瘍新脈管形成、眼障害(糖尿病性網膜症及び黄斑変性、特に加齢性黄斑変性など)、胃潰瘍の再潅流など、新脈管形成又は新生血管形成に関連した疾患及び障害の治療に、さらには避妊又は妊娠初期段階での中絶に有用である。
【0094】
本発明の他の実施形態において、一般式I、II、III又はIVの化合物は、悪性細胞増殖性の疾患又は障害を治療又は抑制するのに有用である。
【0095】
この実施形態及び化合物の新脈管形成阻害活性により、それらの化合物は、非固形癌、例えば、あらゆるタイプの白血病、例えば、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄異形成症候群(MDS)、肥満細胞性白血病、毛様細胞性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫及び多発性骨髄種などの造血系悪性腫瘍の治療又は抑制に、並びに、唇及び口腔、咽頭、喉頭、鼻腔洞、大唾液腺、甲状腺、食道、胃、小腸、結腸、結腸直腸、肛門管、肝臓、胆嚢、肝外胆管、ファーター膨大部、外分泌膵、肺、胸膜中皮腫、骨、柔組織肉腫、癌腫、及び皮膚、胸部、外陰部、膣、子宮頸部、子宮体、卵巣、卵管の悪性黒色腫、妊娠栄養膜腫瘍、陰茎、前立腺、精巣、腎臓、腎盂、尿管、膀胱、尿道、眼瞼の癌腫、結膜の癌腫、結膜の悪性黒色腫、ブドウ膜の悪性黒色腫、網膜芽腫、涙腺の癌腫、眼窩の肉腫、脳、脊髄、脈管系、血管肉腫及びカポジ肉腫などの固形腫瘍の治療又は抑制に使用できる。
【0096】
一般式I、II、III又はIVの化合物は、すべての段階、即ち腫瘍形成、初期腫瘍、腫瘍進行又は腫瘍転移の段階で腫瘍を治療又は抑制するのに有用であることを理解されたい。
【0097】
また、一般式I、II、III又はIVの化合物は、乾癬、肥厚性瘢痕、挫瘡及び硬化症/硬皮症、などの細胞増殖性疾患又は障害を抑制又は治療するのに、並びにポリープ、多発性外骨症、遺伝性外骨症、水晶体後線維増殖症、血管腫、及び動静脈奇形などのその他疾患又は異常を抑制又は治療するのに有用である。
【0098】
さらなる実施形態において、一般式I、II、III又はIVの化合物は、限定はしないが、関節、筋骨格及び結合組織障害の炎症症状の、又は過敏症、アレルギー反応、喘息、アテローム性動脈硬化症、耳炎及びその他の耳鼻咽喉科学疾患、皮膚炎及びその他の皮膚疾患、後部及び前部ブドウ膜炎、結膜炎、視神経炎、強膜炎及びその他の免疫及び/又は炎症性眼疾患に伴う炎症症状の治療又は改善など、免疫及び/又は炎症の抑制が有益である任意の疾患、状態又は障害における炎症症状を治療又は改善するのに有用である。
【0099】
他の好ましい実施形態において、一般式I、II、III又はIVの化合物は、限定はしないが、イートン−ランバート症候群、グッドパスチャー症候群、グレーヴズ病、ギラン−バレー症候群、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、肝炎、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、神経叢障害、例えば、急性腕神経叢炎、多腺性欠乏症候群、原発性胆汁性肝硬変、慢性関節リウマチ、硬皮症、血小板減少症、甲状腺炎、例えば橋本病、シェーグレン症候群、アレルギー性紫斑病、乾癬、混合性結合組織病、多発性筋炎、皮膚筋炎、脈管炎、結節性動脈周囲炎、リウマチ性多発性筋痛、ベーゲナー肉芽腫症、ライター症候群、ベーチェット症候群、強直性脊椎炎、天疱瘡、水疱性天疱瘡、疱疹上皮膚炎、クローン病又は自閉症などの自己免疫疾患を治療又は改善するのに有用である。
【0100】
本発明により使用する医薬組成物は、薬学上許容される1種又は複数の担体又は賦形剤を用いる通常の方法で製剤化できる。担体は、組成物中のその他の成分と相容性であり、且つその受容者に対して有害でないという意味で許容可能でなければならない。
【0101】
用語「担体」は、希釈剤、アジュバント、賦形剤、又は任意のその他適切なビヒクルを指す。このような医薬用担体は、水及びオイルなどの滅菌液体であってもよい。
【0102】
医薬組成物は、例えば、静脈内、腹膜内又は筋肉内などの非経口注射によって全身的に投与出来る。他の例では、医薬組成物を、静脈内、皮下、経皮、局所、筋肉内、関節内、結膜下、又は粘膜(例えば、口内、鼻腔内若しくは眼内)を含む何らかの適切な経路によりある部位に導入できる。
【0103】
ある特定の実施形態において、医薬組成物は、治療を必要とする領域に投与される。これは、例えば、手術中の局所注入、炎症を起こした関節への、直接的に眼への局所適用、直接注射などによって達成できる。
【0104】
経口投与の場合、医薬製剤は、例えば、液剤、シロップ剤、懸濁剤などの液体形態、又は錠剤、カプセル剤などの固体形態でよい。吸入による投与の場合、組成物は、簡便には、点滴又はエーロゾルスプレーの形態で送達される。注射による投与の場合、製剤は、単位投与形で、例えばアンプル剤、又は防腐剤を添加した多回投与容器で提供できる。
【0105】
本発明の組成物は、小胞、特にリポソームで送達することもできる。他の実施形態において、組成物は、制御放出系で送達できる。
【0106】
特定の疾患、状態又は障害の治療において有効である、本発明の治療又は医薬組成物の量は、その疾患、状態又は障害の性質によって左右され、標準的臨床技術によって決定される。一般に、用量は、約0.01mg/kg〜約50〜100mg/kgの範囲である。さらに、in vitro及びin vivo実験を場合によっては採用し、最適用量範囲を確認するのに役立てることができる。製剤中で採用すべき正確な用量は、投与経路、及び疾患、状態又は障害の重篤度に左右され、開業医の判断及び各患者の状態によって決定されるべきである。有効用量は、in vitro又は動物モデル試験系から得られる用量−応答曲線から外挿できる。例えば、マウス又はラットでの研究から得られるデータに基づいてヒトに対する有効なmg/kg投与量を得るために、マウス又はラットでの有効なmg/kg投与量を、それぞれ12又は6で割る。
【0107】
以下の実施例によって本発明を説明するが、実施例は、本発明を制約するものではない。
【実施例】
【0108】
I.化学の部
化合物番号1〜107の構造式を本明細書で後出する付属書類Aに示すが、本明細書中の、発明を実施する最良の形態、実施例、及び特許請求の範囲において、これらの化合物を、個々の太字の番号によって特定する。付属書類Aにおける表には、既知の化合物のケミカルアブストラクツ番号(CAS番号)を示す。
【0109】
原料:
化合物番号1〜3、28〜30、60、66〜67、69、72〜79、88〜89及び97は、Sigma−Aldrich(アメリカ合衆国、ウィスコンシン州ミルウォーキー)から購入した。化合物番号4〜27、31〜55、62及び63は、ChemStar(ロシア、モスクワ)から購入した。化合物番号56〜59は、SPECS及びBioSPECS(オランダ、ライスワイク)から購入した。化合物番号64、65、68及び80〜82は、Interbioscreen Ltd.(ロシア、チェルノゴロフカ)から購入した。化合物番号61、70〜71、83〜87、90〜96、98〜107は、本明細書において以下に記載するように合成した。
【0110】
(実施例1)
化合物番号61の調製
化合物番号61は、5−(4−メトキシカルボニル−2−オクタデカノイルアミノ−フェノキシ)−イソフタル酸ジメチルエステルから出発し、以下の通り調製した。
【0111】
(i)5−(4−メトキシカルボニル−2−オクタデカノイルアミノ−フェノキシ)−イソフタル酸ジメチルエステルの調製
5−(2−アミノ−4−(メトキシカルボニル)フェノキシ)イソフタル酸ジメチル(1g、2.8mmol)をクロロホルム200mlに溶かした。これに、塩化ステアロイル(2.6ml、7.6mmol)及びトリエチルアミン(0.4ml、2.8mmol)を加えた。この混合物を1時間還流させた。溶媒を蒸発させ、生成物をクロマトグラフィーにかけ、溶離液としてヘキサン:EtOAc(6:4)を用いることにより精製した。生成物をEtOHから再結晶し、目的の化合物を43%の収率で得た(0.75g、1.2mmol)。
【化47】

【0112】
(ii)化合物番号61の調製
(i)で得られた5−(4−メトキシカルボニル−2−オクタデカノイルアミノ−フェノキシ)−イソフタル酸ジメチルエステル(750mg、1.2mmol)を、1,4−ジオキサン:MeOH(75:25)に溶かし、この溶液に、1M NaOH(5ml、5mmol)を加えた。この混合物を25℃で48時間攪拌した。この混合物に、冷水250mlを加え、及びpH=1に達するまで、この混合物に1M HClを加えた。この物質をEtOAcで数回抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。目的の化合物を69%の収率で得た(480mg、0.82mmol)。
【化48】

【0113】
(実施例2)
化合物番号70の調製
化合物番号70の調製については、4−スルホフェニルイソチオシアネート(38mg、0.15mmol)を、オクタデシルアミン(20mg、0.074mmol)のDMF2ml溶液に加えた。反応混合物を50℃で20時間攪拌した。反応混合物を20℃に冷却し、形成した沈殿を濾過し、熱エタノールで再結晶し、こうして目的の化合物を得た(18mg、収率52%)。
【化49】

【0114】
(実施例3)
化合物番号71の調製
化合物番号71の調製については、5−(3−アミノ−5−オキソ−2−ピラゾリン−1−イル)−2−フェノキシ−ベンゼンスルホン酸(600mg、1.7mmol)を、アセトニトリル150mlに溶かし、塩化ラウロイル(1.2ml、5.1mmol)及びトリエチルアミン(0.36ml、2.6mmol)を加えた。この混合物を3時間還流させた。この混合物を水中に注ぎ、溶媒を蒸発させた。生成物を、液体クロマトグラフィー(RP−18)にかけ、溶離液としてMeOH:水(1:1)を用いることにより精製した。目的の化合物(128mg、0.2mmol)を14%の収率で得た。
【化50】

【0115】
(実施例4)
化合物番号83の調製
化合物番号83の調製については、5−(3−アミノ−5−オキソ−2−ピラゾリン−1−イル)−2−フェノキシ−ベンゼンスルホン酸(100mg、0.3mmol)を、トリエチルアミン(0.19ml、1.7mmol)と共に、無水アセトニトリル20mlに溶かし、塩化ミリストイル(0.19ml、0.7mmol)を加えた。この混合物を1時間還流させた。この混合物を水20ml中に注ぎ、アセトニトリルを蒸発させた。pH2〜3に達するまで、この溶液に2M HClを加えた。生成物をMN GF−1ろ紙を用いて吸引濾過した。この物質をクロマトグラフィーにかけ、CHCl:MeOH(9.5:0.5)で溶出することにより精製した。目的の化合物(77mg、0.14mmol)を48%の収率で得た。
【化51】

【0116】
(実施例5)
化合物番号84の調製
化合物番号84の調製については、5−(3−アミノ−5−オキソ−2−ピラゾリン−1−イル)−2−フェノキシ−ベンゼンスルホン酸(50mg、0.1mmol)を、無水アセトニトリル20mlに溶かした。これに、塩化ペンタデカノイル(0.08ml、0.3mmol)及びトリエチルアミン(0.02ml、0.1mmol)を加えた。この混合物を1時間還流させた。この混合物を水中に注ぎ、生成物を濾過した。この物質をクロマトグラフィーにかけ、溶離液としてCHCl:15%MeOHを用いることにより精製した。目的の化合物(30mg、0.05mmol)を38%の収率で得た。
【化52】

【0117】
(実施例6)
化合物番号85の調製
化合物番号85の調製については、ペトロセリン酸(56mg、0.2mmol)をジクロロメタン3mlに溶かし、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt;27mg、0.2mmol)、EDC(76mg、0.4mmol)及びEtN(40mg、0.4mmol)を逐次加えた。10分後、5−(3−アミノ−5−オキソ−2−ピラゾリン−1−イル)−2−フェノキシ−ベンゼンスルホン酸アミン(57mg、0.2mmol)を加え、この反応混合物を25℃で20時間反応させた。次いで、ジクロロメタン(5ml)を加え、この混合物を2M HCl(5ml)及び水で洗浄し、MgSOで乾燥して蒸発させ、褐色固体を得た。溶離液としてCHCl中15%MeOHを用いてクロマトグラフィーにかけることにより、目的の化合物(15.2mg、0.025mmol)を12.5%の収率で得た。
【化53】

【0118】
(実施例7)
化合物番号86の調製
化合物番号86の調製については、ペトロセリン酸(141mg、0.5mmol)を1,4−ジオキサン3mlに溶かし、5−(2−アミノ−4−(メトキシカルボニル)フェノキシ)イソフタル酸ジメチル(178mg、0.5mmol)及びピリジン(40mg、0.5mmol)を加えた。ジオキサン1mlに溶かしたジ−t−ブチルジカーボネート(BOCO;142mg、0.65mmol)を加えた。25℃で10分間攪拌した後、この混合物を油浴中80℃で一晩加熱した。溶媒を蒸発させ、溶離液としてヘキサン:酢酸エチル(EtOAc)(8:2)を用いてクロマトグラフィーにかけることにより、トリエステル−アミド誘導体(233mg、0.37mmol)を75%の収率で得た。後者の化合物(50mg、0.093mmol)を、1,4−ジオキサン(4ml)及びMeOH(1ml)中、1M NaOH(0.5ml)により、25℃で2時間加水分解した。この混合物を1M HClを用いてpH1に酸性化し、EtOAcで抽出して、目的の化合物であるアミド−トリカルボン酸誘導体(53mg、0.091mmol)を98%の収率で得た(2段階収率73.5%)。
【化54】

【0119】
(実施例8)
化合物番号87の調製
化合物番号87の調製については、化合物番号86の調製について上に記載したように、ペトロセリン酸を5−(2−アミノ−4−(メトキシカルボニル)フェノキシ)イソフタル酸ジメチルと反応させ、トリエステル−アミド誘導体を得た(収率75%)。得られた化合物(62mg、0.1mmol)をジクロロメタン2mlに溶かし、m−クロロ過安息香酸(mCPBA;70%)を固体(25mg、0.14mmol)として加え、この混合物を25℃で攪拌した。2時間後、ジクロロメタン(8ml)を加え、この混合物を5%NaHCO及び水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して蒸発させた。エポキシド生成物の精製を、ヘキサン:ジクロロメタン(DCM):EtOAc(8:1:1)を用いて行い、トリエステル−アミドエポキシド誘導体を無色油性固形物(52mg、0.081mmol)として81%の収率で得た。この最後の化合物(15mg、0.02347mmol)を1,4−ジオキサン(2ml)及びMeOH(0.5ml)中、1M NaOH(0.25ml)により、25℃で2.5時間加水分解した。この混合物を5%NaHSOを用いてpH1に酸性化し、EtOAcで抽出して、目的の化合物であるエポキシド−アミド−トリカルボン酸誘導体(14mg、0.02345mmol)を99%の収率で得た(3段階収率60%)。
【化55】

【0120】
(実施例9)
化合物番号90の調製
化合物番号90は、2−(1−エイコセニル)−4,6ジメトキシカルボニルジベンゾフランから出発し、以下の通り調製した。
【0121】
(i)2−(1−エイコセニル)−4,6ジメトキシカルボニルジベンゾフランの調製
無水炭酸カリウム(70mg、0.51mmol)、塩化テトラブチルアンモニウム(55.7mg、0.20mmol)、2−ヨード−4,6−ジメトキシカルボニルジベンゾフラン(70mg、0.17mmol)及び酢酸パラジウム(1.4mg、0.006mmol)の混合物に、アルゴン雰囲気下20℃で、1−エイコセン(239mg、0.85mmol)の無水DMF2.8ml溶液を加えた。反応混合物を100℃に加熱し、5時間攪拌した。冷却後、この反応混合物を酢酸エチル及び水で抽出した。溶媒を蒸発させた後、残渣をクロマトグラフィーにかけ、溶離液としてヘキサン−EtOAc(95:5)を用いることにより精製した。2−(1−エイコセニル)−4,6ジメトキシカルボニルジベンゾフラン63mg(収率65.8%)を得た。
【化56】

【0122】
(ii)化合物番号90の調製
化合物番号90の調製については、(i)で得られた2−(1−エイコセニル)−4,6ジメトキシカルボニル−ジベンゾフラン(23mg、0.041mmol)のエタノール4ml溶液を攪拌し、これに、2N NaOH1.5mlを加えた。反応混合物を20℃で3時間攪拌し、及び40℃で2時間攪拌した。反応混合物に、10N HCl0.5mlを加えた。この混合物を減圧下で蒸発させ、残渣をCHCl10mlで希釈した。無機塩を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。この後処理を2回繰り返して目的の化合物11mg(収率50.4%)を単離した。MS(DCI/CH)m/z535(MH)。
【0123】
(実施例10)
化合物番号91の調製
化合物番号91は、3,6−ジブロモ−9−オキシラニルメチル−9H−カルバゾールから出発し、以下の通り調製した。
【0124】
(i)3,6−ジブロモ−9−オキシラニルメチル−9H−カルバゾールの調製
3,6−ジブロモカルバゾール(500mg、1.5mmol)を無水アセトニトリル25mlに溶かした。炭酸カリウム(415mg、3mmol)及びエピクロロヒドリン6.2mlを加えた。この混合物を4時間還流させた。水75ml及びCHCl100mlを加え、有機相を抽出した。有機層に0.2M HCl50mlを加え、有機層を抽出した。有機溶液を、冷蔵庫の中に12時間入れておき、形成した沈殿を濾過した。3,6−ジブロモ−9−オキシラニルメチル−9H−カルバゾール生成物(282mg、0.74mmol)を49%の収率で得た。
【化57】

【0125】
(ii)化合物番号91の調製
化合物番号91の調製については、(i)で得られた3,6−ジブロモ−9−オキシラニルメチル−9H−カルバゾール(0.05mg、0.13mmol)を、EtOH4mlに溶かした。オクタデシルアミン(42mg、0.16mmol)を加え、この混合物を12時間還流させた。粗生成物をクロマトグラフィーにかけ、溶離液としてCHCl中5%MeOHを用いることにより精製した。目的の化合物(42mg、0.06mmol)を50%の収率で得た。
【化58】

【0126】
(実施例11)
化合物番号92の調製
化合物番号92の調製については、実施例7(化合物86の調製)に記載したように、ペトロセリン酸を5−(2−アミノ−4−(メトキシカルボニル)フェノキシ)イソフタル酸ジメチルと反応させ、トリエステル−アミド誘導体を得た(収率75%)。実施例8(化合物番号87の調製)に記載したように、得られたアミドをm−クロロ過安息香酸(mCPBA)でエポキシド化した(収率81%)。アミド−エポキシド誘導体(27mg、0.043mmol)をジクロロメタン2mlに溶かし、ジメチルチオホルムアミド(DMTF;8.4mg、8μl、0.091mmol)を加え、次いで、TFAを1滴(触媒量)添加して、この混合物を25℃で攪拌した。48時間後、ジクロロメタンを蒸発させ、(均質にするため)ジクロロメタンを2、3滴添加したヘキサンに、残渣を溶かした。混合物を水で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して蒸発させた。チイラン生成物の精製を、ヘキサン:ジクロロメタン:EtOAc:EtN(7:2:1:0.05)を用いて行い、トリエステル−アミドチイラン誘導体を白色固体(21.5mg、0.033mmol)として76%の収率で得た。この最後の化合物(6.6mg、0.01mmol)を、化合物番号87の調製において記載したように、1M NaOHで加水分解し、5%NaHSOでpH3に酸性化し、目的の化合物であるチイラン−アミド−トリカルボン酸を白色固体(4.7mg、0.0076mmol)として76.6%の収率で得た(4段階収率35%)。
【化59】

【0127】
(実施例12)
化合物番号93の調製
化合物番号93の調製については、ペトロセリン酸を5−(2−アミノ−4−(メトキシカルボニル)フェノキシ)イソフタル酸ジメチルと反応させることによって始め、化合物番号87の調製(実施例8)で用いた3つの工程を繰り返した。
唯一異なる点は、加水分解工程(最終工程)においてであり、ここではpH0を得るために、(5%NaHSOの代わりに)2M HClを加えた。この改変により、エポキシド基が開環し、目的の化合物であるヒドロクロロ誘導体が形成された(最終工程の収率80%;3段階収率48.6%)。化合物番号93の構造は、(Cl原子の存在を)質量分析により確認した。
【化60】

【0128】
(実施例13)
化合物番号94の調製
化合物番号94の調製については、7−オキソ−ヘプタデセン酸(26mg、0.092mmol)を1,4−ジオキサン3mlに溶かし、5−(2−アミノ−4−(メトキシカルボニル)フェノキシイソフタル酸ジメチル(43mg、0.12mmol)及びピリジン(14mg、0.17mmol)を加えた。ジオキサン1mlに溶かしたジ−t−ブチルジカーボネート(BOCO;44mg、0.22mmol)を加えた。25℃で10分間攪拌した後、この混合物を油浴中80℃で一晩加熱した。次いで、溶媒を蒸発させ、溶離液としてヘキサン:ジクロロメタン:EtOAc(8:1:1)を用いてクロマトグラフィーにかけることにより、トリエステル−アミド誘導体(21mg、0.033mmol)を36%の収率で得た。この最後の化合物(11mg、0.017mmol)を、1,4−ジオキサン(4ml)及びMeOH(1ml)中、1M NaOH(0.5ml)により、25℃で7時間加水分解した。この混合物を5%NaHSOを用いてpH1に酸性化し、EtOAcで抽出して、目的の化合物であるアミド−トリカルボン酸誘導体(8mg、0.013mmol)を81%の収率で得た(2段階収率29%)。
【化61】

【0129】
(実施例14)
化合物番号95及び化合物番号96の調製
化合物番号95及び96の調製については、実施例7で得られたトリエステル−アミド誘導体(収率75%)を、実施例8に記載したように、mCPBAでエポキシド化した(収率81%)。アミド−エポキシド誘導体(45mg、0.07mmol)をNH−MeOH(約7N)1mlに溶かし、この混合物を特殊管(bomba)に移し、密封して80℃に48時間加熱した。冷却後、溶媒を蒸発させ、2つの生成物をクロマトグラフィーにより精製した。溶離液としてヘキサン:EtOAc(8:2)を用いることにより、ジエステル生成物(17mg、0.027mmol)を無色油状物として39%の収率で、及びモノエステル(9mg、0.014mmol)を無色油状物として20%の収率で得た。ジエステル化合物(11mg、0.017mmol)を、実施例8に記載したように、1M NaOHで加水分解することにより、化合物番号95を白色固体(9.2mg、0.015mmol)として87%の収率で得た(4段階収率20%)。同様の方法で、モノ−エステル誘導体(6.6mg、0.011mmol)を加水分解することにより、化合物番号96を白色固体(5.4mg、0.009mmol)として82%の収率で得た(4段階収率10%)。
化合物番号95:
【化62】


化合物番号96:
【化63】

【0130】
(実施例15)
化合物番号98の調製
化合物番号98の調製については、2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−trans−オクタデセン酸(85mg、0.23mmol)を1,4−ジオキサン3mlに溶かし、5−(2−アミノ−4−(メトキシカルボニル)フェノキシ)イソフタル酸ジメチル(215mg、0.6mmol)及びピリジン(79mg、1mmol)を加えた。この溶液に、ジオキサン1mlに溶かしたジ−t−ブチルジカーボネート(BOCO;218mg、1mmol)を加え、この混合物を80℃で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、溶離液としてヘキサン:EtOAc(1:1)を用いてクロマトグラフィーにかけることにより、トリエステル−アミドを無色油状物(15mg、0.02mmol)として9%の収率で得た。この最後の化合物(8.3mg、0.012mmol)を、実施例8に記載したように、1M NaOHで加水分解することにより、目的の化合物を白色固体(5.8mg、0.0087mmol)として72.7%の収率で得た(2段階収率6.5%)。
【化64】

【0131】
(実施例16)
化合物番号99の調製
化合物番号99の調製については、ペトロセリン酸(546mg、2mmol)をジクロロメタン10mlに溶かし、mCPBA(70%)を固体(738mg、3mmol)として加え、この混合物を25℃で攪拌した。2時間後、溶媒の半量を蒸発させ、形成した沈殿物を濾過し、冷ジクロロメタンで洗浄した。溶媒を蒸発させ、ジクロロメタン:EtOAc(8:2)を用いてクロマトグラフィーにかけることにより、エポキシド誘導体(150mg、0.5mmol)を25%の収率で得た。この最後の化合物(85mg、28mmol)をMeCN3mlに溶かし、BOCO(109mg、0.5mmol)、3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロベンゾトリアジン−4−オン(HODhbt;66mg、0.4mmol)、EtN(33mg、0.33mmol)及びジメチルアミノピリジン(DMAP;20mg、0.165mmol)を逐次加えた。反応物を25℃で5時間攪拌した。ジクロロメタンを加え、この混合物を5%NaHCOで2回洗浄し、0.25M HClで洗浄し、乾燥(NaSO)及び蒸発させた。溶離液としてヘキサン:EtOAc(9:1)を用いてクロマトグラフィーにかけることにより、目的の化合物である活性エステルを淡色固体(45mg、0.1mmol)として36%の収率で得た(2段階収率9%)。
【化65】

【0132】
(実施例17)
化合物番号100の調製
化合物番号100の調製については、実施例番号16(化合物番号99の調製)に記載したように、ペトロセリン酸をmCPBAと反応させた。エポキシ−ペトロセリン酸(75mg、0.25mmol)を無水ジクロロメタン2mlに溶かし、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt;34mg、0.25mmol)、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC−HCl;72mg、0.375mmol)及びEtN(25mg、0.25mmol)を加えた。別のフラスコに、5−(3−アミノ−5−オキソ−2−ピラゾリン−1−イル)−2−フェノキシベンゼンスルホン酸アミン(57mg、0.2mmol)を無水ジクロロメタン2mlに溶かし、EtN(50mg、0.5mmol)を加えておく。このアミンの溶液を、最初の溶液(赤色)に滴下した。混合物を25℃で72時間攪拌した。ジクロロメタン(20ml)を加え、この混合物を5%NaHSOで洗浄し(イソプロパノール5mlを加えた)、NaSOで乾燥して蒸発させ、赤色油状物を得た。EtOAc:MeOH(85:15)を用いてクロマトグラフィーにかけることにより、目的の化合物であるエポキシ−アミドを淡黄色固体(30.5mg、0.048mmol)として19.5%の収率で得た(2段階収率4.5%)。
【化66】

【0133】
(実施例18)
化合物番号101の調製
化合物番号101は、3−ニトロ−4−ノナデシルアミノ−ベンゼンスルホン酸から出発し、以下の通り調製した。
【0134】
(i)3−ニトロ−4−ノナデシルアミノ−ベンゼンスルホン酸の調製
4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(2.5g、7.7mmol)、オクタデシルアミン(2.1g、7.7mmol)及びNaHCO(0.65g、7.7mmol)を水11.5ml、ブタノール9.6ml及びメタノール2.4mlに溶かした。この混合物を20時間還流させた。溶媒を蒸発させた後、残渣に熱メタノール125mlを加えて攪拌した。混合物を冷却、濾過して3−ニトロ−4−ノナデシルアミノ−ベンゼンスルホン酸2.74g(5.6mmol)を72%の収率で得た。
【化67】

【0135】
(ii)化合物番号101の調製
化合物番号101の調製については、(i)で得られた3−ニトロ−4−ノナデシルアミノ−ベンゼンスルホン酸(1.8g、3.6mmol)を、熱氷酢酸15ml及びMeOH6mlに溶かした。この溶液を、攪拌しながらゆっくりと、濃HCl7.4ml及びSnClO(4.4g、19mmol)に加えた。混合物を65℃に16時間加熱した。次いで、この混合物を25℃に冷却し、吸引濾過した。目的の化合物(1.19g、2.7mmol)を75%の収率で得た。
【化68】

【0136】
(実施例19)
化合物番号102の調製
化合物番号102の調製については、実施例18で得られた化合物番号101(100mg、0.2mmol)を、無水ベンゼン5ml及び無水ピリジン0.06ml(0.76mmol)に懸濁させた。水を除去するために、ベンゼン1mlを留去した。塩化ベンゾイル(0.09ml、0.76mmol)を加え、ベンゼンを蒸留により除去した。反応混合物を110℃で1時間加熱し、さらに130℃で2時間加熱した。氷酢酸2.5mlを加え、反応混合物を120℃でさらに30分加熱した。この混合物を80℃未満に冷却後、EtOH1.5mlを加え、混合物を25℃で10時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、生成物をEtOHから再結晶した。目的の化合物(70mg、0.13mmol)を60%の収率で得た。
【化69】

【0137】
(実施例20)
化合物番号103及び104の調製
化合物番号103及び104の調製については、4−フェノキシアニリン(1g、5.4mmol)とイタコン酸(0.74g、5.7mmol)を一緒に混合し、250ml丸底フラスコ内に入れた。このフラスコを油浴中250℃で10分間(攪拌しながら)加熱することにより、硬い固体を得た。生成物をEtOAcから再結晶し、N−アリール4−カルボキシピロリジノンを白色固体(1.178g、3.96mmol)として73%の収率で得た。この最後の生成物(297mg、1mmol)を無水THF(20ml)に溶かし、EDC−HCl(288mg、1.5mmol)、HOBt(135mg、1mmol)及びEtN(303mg、3mmol)を逐次加えた。10分後、無水ジクロロメタン10mlに溶かしたオクタデシルアミン(404mg、1.5mmol)を加え、この混合物を室温で一晩反応させた。次いで、ジクロロメタン(30ml)を加え、混合物を5%NaHSO、10%NaHCO及び水で洗浄し、NaSOで乾燥し蒸発させ、黄色固体を得た。N−アリール4−カルボキサミド−ピロリジノンをEtOAcから再結晶し、灰白色固体(306mg、0.56mmol)を56%の収率で得た。このアミド−ピロリジノン(110mg、0.2mmol)を丸底フラスコ内に入れ、濃HSO(2ml)を加えた。攪拌しながら、この混合物を油浴中100℃で加熱すると、出発物のアミドは完全に溶解した。加熱を5時間継続した。冷却後、冷水(10ml)を加えると、沈殿が生じた。この固体を濾過し、水で洗浄した。逆相クロマトグラフィーにかけ、溶離液としてHO:MeOH(4:6)を用いることにより精製を行い、2つの生成物を得た。即ち、モノスルホン化物である化合物番号103を白色固体(17.9mg、0.028mmol)として14.2%の収率で、及びより極性の高いジスルホン化物である化合物番号104を白色固体(14.7mg、0.02mmol)として10.4%の収率で得た。
化合物番号103のH NMR(CDOD):
【化70】


化合物番号104のH NMR(CDOD):
【化71】

【0138】
(実施例21)
化合物番号105の調製
化合物番号105の調製については、4−フェノキシアニリン(185mg、1mmol)を入れた100mlフラスコに、イタコン酸(185mg、1mmol)を加えた。固体の混合物が入ったフラスコを、油浴中150℃で5分間加熱することにより、無色の固体を得た。この粗固体をEtOAc(20ml)中で、完全に溶解するまで(2時間)還流させた。冷却後、短時間で白色沈殿が現れた。この混合物を25℃で2、3時間静置し、次いで濾過して、5−オキソ−1−(4−フェノキシ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸192mg(収率65%)を無色固体として得た。この最後の生成物(297mg、1mmol)を、THF(無水、20ml)及び無水ジクロロメタン(DCM)(10ml)に溶かし、EDC−HCl(288mg、1.5mmol)、HOBt(135mg、1mmol)及びEtN(303mg、3mmol)を逐次加え、この混合物を10分間攪拌した。次いで、アミン(404mg、1.5mmol)を加え、この混合物を25℃で一晩反応させた。ジクロロメタン(DCM)を加え、混合物をNaHSO、NaHCO及び水で洗浄し、乾燥し蒸発させ、黄色固体(606mg未精製)を得た。この固体をEtOAc30mlから再結晶した。濾過して、5−オキソ−1−(4−フェノキシ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸オクタデシルアミド306mg(収率56%)を淡色固体として得た。次いで、この最後の生成物(110mg、0.2mmol)をDCM2ml及びトリフルオロ酢酸(TFA)1mlに溶かした。この溶液に、BrのDCM1ml溶液、及びTFA0.5mlを加えた。こうして得られた赤色溶液を、25℃で3日間攪拌した。水を加え、有機層をNaHCOで3回洗浄した。有機層を蒸発させ、白色固体を得た。EtOH(10ml)から再結晶することにより、1−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−フェニル]−5−オキソ−ピロリジン−3−カルボン酸オクタデシルアミドを白色固体(59mg;収率47%)として得た。
【0139】
こうして得られた最後の生成物(54mg、0.086mmol)に、HSO(1.6ml)及びTFA(1.6ml)を加え、この混合物を25℃で24時間攪拌した。次いで、冷水を加えると白色固体が沈殿した。遠心分離を行うことにより、この白色固体を得て、これをEtOHによく溶かした。逆相クロマトグラフィー(HO:MeOH、6:4、1:1、4:6、3:7、2:8及び1:9で洗浄)を行うことにより、化合物番号105 19.1mgを31.4%の収率で得た。
【化72】

【0140】
(実施例22)
化合物番号106及び107の調製
化合物番号106及び107の調製については、NaH(60%;1.2g、30mmol)を無水トルエン4mlに懸濁させ、無水DMSO10mlを加えた。4−シアノフェノール(2.43g、20.4mmol)のDMSO10ml溶液を注意深く加えると、水素が発生し、その発生が止まった。次いで、混合物を80℃に加熱し、1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(2.82g、20mmol)のDMSO5ml溶液を加えた。この混合物を一晩攪拌した(暗色)。冷却後、混合物を2つの遠心分離容器(bombes)に移し、固体を分離し、水で洗浄後、再度分離した。次いで、この固体をDCMに溶かし、有機層を水で洗浄した(DMSOを除去するため)。EtOH(30mL)/CHCl(30ml)から結晶化させ、濾過することにより、4−(4−ニトロ−フェノキシ)−ベンゾニトリルを金色固体として得た(2.282g、47.5%)。濾液を蒸発させ(HPLC、77%)、1.590mg、25.4%を得た(全収率73.0%)。
【0141】
この最後の生成物(1.22g、5.1mmol)のAcOH/MeOH(25/40ml)溶液を加熱するために、これにSnCl−HO(6.0g、26.5mmol)の濃HCl(5ml)溶液を加えた。混合物を70℃で3時間攪拌した。冷却後、pH11に達するまで、2N NaOH(100ml)を加えた。次いで、EtOAc(100ml)を攪拌しながら加えると、この溶液は赤色になった。有機層を乾燥し、蒸発させ、暗緑色固体を得た。クロマトグラフィー(シリカ、DCM及びDCM中5%EtOAc)を行うことにより、4−(4−シアノ−フェノキシ)アニリン(591mg、55%)を灰白色固体として得た。この生成物(498mg、2.37mmol)を100mlフラスコに入れ、これにイタコン酸(370mg、2.85mmol)を加え、この固体の混合物を、油浴中150℃で加熱した。30分後、もう水の発生が見られなくなると、油浴を180℃に30分間加熱し、硬い褐色油状物を得た。この粗生成物をEtOAcによく溶かし、2N NaOHで3回抽出した。水層を濃HClでpH2に酸性化し、EtOAcで2回洗浄した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、1−[4−(4−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−5−オキソ−ピロリジン−3−カルボン酸を鮮黄色固体として得た;535mg(70%)。THF(無水、20ml)及び無水DCM(10ml)を、この最後の粗生成物(400mg、1.24mmol)に加え、次いで、EDC−HCl(480mg、2.5mmol)、HOBt(168mg、1.24mmol)及びEtN(278mg、3.72mmol)を逐次加え、この混合物を10分間攪拌した。アミン(673mg、2.5mmol)を加え、この混合物を室温で一晩反応させた。次いでDCMを加え、混合物をNaHSO、NaHCO及び水で洗浄し、乾燥し蒸発させ、黄色固体(870mg未精製)を得た。この固体をEtOAc40mlから再結晶した。濾過して、(1−[4−(4−シアノ−フェノキシ)−フェニル]−5−オキソ−ピロリジン−3−カルボオクタデシルアミド)351(収率49.4%)を淡色固体として得た。
【0142】
この最後の生成物にHSO(2ml)を加え、混合物を90℃で4日間加熱した。冷水を加えると、白色沈殿が生じた。遠心分離を行うことにより、白色固体を得た。逆相クロマトグラフィーにかけ、(HO:MeOH)を6:4、1:1、4:6、3:7、2:8の比で用い、及び1:9で洗浄を行うことにより、2つの生成物を得た;1つ目は、化合物106(2−(4−アミド−フェノキシ)−5−(4−オクタデシル−カルバモイル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ベンゼンスルホン酸)(10.3mg、収率6%)、及び2つ目は、化合物107(2−(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−(4−オクタデシル−カルバモイル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ベンゼンスルホン酸)(4.1mg、収率2.5%)。
化合物106:
【化73】


化合物107:MS M/Z(ES)671(MH、25)、212(100)
【0143】
II.生物学の部
原料
ヘパリンセファロースCL−6Bは、Pharmacia(Amersham Pharmacia Biotech、スウェーデン、ウプサラ)から購入した。1,9−ジメチル−メチレンブルー(DMB)及びヘパラン硫酸は、Sigma−Aldrich(イスラエル、レホボト)から購入した。MCDB131培地は、Clonetics(アメリカ合衆国、カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。DMEM及びウシ胎児血清は、Gibco BRL(InVitrogen Corporation、アメリカ合衆国、カリフォルニア州)から購入した。グルタミン、ゲンタマイシン及びハンクスの平衡塩溶液(HBSS)は、Biological Industries(Bet Haemek、イスラエル)から購入した。BDバイオコートアンジオジェネシスシステム基本キット、BDオキシジェンバイオセンサーシステム基本キットは、BD Biosciences(アメリカ合衆国、マサチューセッツ州)から購入した。Calcein AM(カタログ番号C3100)は、Molecular Probes Europe BV(オランダ、ライデン)から購入した。96−ウェルプレートは、Greiner Labortechnik GmbH(ドイツ、フリッケンハオゼン)から購入した。
【0144】
方法
(a)インビトロにおけるヘパラナーゼ活性のジメチルメチレンブルー(DMB)アッセイ
ヘパリンセファロースCL−6Bビーズをマルチスクリーンカラムローダー(Millipore)のウェルの最上部まで加えた。0.65μmの、親水性低プロテインバインディング、デュラポアメンブレン(Millipore)を含む96−ウェルマルチスクリーンプレートを、マルチスクリーンカラムローダーの上部に、逆さにして置いた。カラムローダーとマルチスクリーンプレートとを一緒に反転させ、カラムローダーからマルチスクリーンプレート(Millipore、MADVM 650)へ、ビーズを一様に移した。次いで、再蒸留水(DDW)をビーズに添加し、これらのビーズを1分間膨潤させ、次いで、減圧下DDWで洗浄(3回)した。ヘパリン濃度は10μM/ウェルであると推定した。
【0145】
少なくとも純度50%のヒト組み換え型ヘパラナーゼを、CHO細胞のS1−11サブクローン(CHOクローンS1PPT−4及びS1PPT−8について、WO99/57244に記載されているように発生させた)中で発現させることにより得た。CHO細胞の抽出物から、イオン交換クロマトグラフィーにより(CHO 2TT1−8サブクローンについて、WO99/57244に記載されているように)精製した、活性なヒト組み換え型ヘパラナーゼを、20mMリン酸−クエン酸緩衝液(pH5.4)、1mM CaCl、1mM NaClを含む反応混合物に加えた(5ng/ウェル)。ローテーター上、インキュベーター中37℃で3時間インキュベートした後、このヘパラナーゼ反応生成物を減圧下で濾過し、ポリスチレン製96−ウェル平底プレート(Greinerカタログ番号655101)中に回収した。各ウェルに、1%ウシ血清アルブミン(BSA;70μl/ウェル)及びDMB(DMB32mgをエタノール5mlに溶かし、ギ酸ナトリウム4g並びにギ酸4mlを含むギ酸緩衝液で1lに希釈したもの;120μl/ウェル)を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を加えた。5分後に発色し、このサンプルの吸光度を、マイクロプレートリーダー(Spectra Max、Molecular Devices)を用いて、570nmを基準とし530nmで測定した。吸光度はヘパラナーゼ活性に相関した。対照として、マルチスクリーンプレート中のヘパリンセファロース膨潤ビーズにヘパラナーゼを加え、このヘパラナーゼ反応生成物をその後すぐに濾過し、これらの対照サンプルの吸光度を、他のすべてのサンプルから差し引いた。
【0146】
別の方法として、上記のように、ヒト組み換え型ヘパラナーゼ酵素をある程度精製する代わりに、ヒト組み換え型ヘパラナーゼを発現した、CHO細胞のS1−11サブクローンの粗抽出物、又はマウス組み換え型ヘパラナーゼを発現した、CHO細胞のmhG9クローンの粗抽出物(ヒト組み換え型ヘパラナーゼを発現したCHOクローンについて、WO99/57244に記載されているように、マウスのヘパラナーゼのcDNAを用いて発生させた)を使用した。細胞抽出物を遠心分離し、50mM NaClを含む20mMリン酸クエン酸緩衝液(pH5.4)中に再浮遊させた。この細胞を、凍結及び解凍のサイクルを3回繰り返すことにより、溶解させた。細胞溶解物を遠心分離し(10000×g5分間)、上清を回収し、次いでDMBアッセイを用いてヘパラナーゼ活性を評価した。
【0147】
被験化合物が、ヘパラナーゼ活性に対する阻害作用を示すかどうかを調べるために、各化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かし、1〜30μMの濃度範囲で、96−マルチスクリーンプレート中のヘパリンセファロース膨潤ビーズに添加した。ある程度精製したヒト組み換え型ヘパラナーゼ、又はヒト若しくはマウス組み換え型ヘパラナーゼのどちらかを発現した粗細胞抽出物を加え、3時間インキュベートし、上記のように反応を継続した。発色について吸光度を、上記のように測定した。各化合物のIC50値(ヘパラナーゼ活性が50%阻害された濃度)を、予備試験の結果に従って、当該の濃度範囲について評価した。
【0148】
(b)化合物の細胞毒性の測定
被験化合物の細胞毒性の測定は、BDオキシジェンバイオセンサーシステムキットを用いて、培養細胞の培地に溶解した酸素濃度をモニターすることに基づいて行った。測定方式は、疎水性基質に包埋されている、即ちマルチウェルプレートの底部に永久的に装着されている、酸素感受性の蛍光化合物[塩化トリス(4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)ルテニウム(II)]に基づく。蛍光色素の周囲にある酸素(その濃度は、液体培地中の濃度と平衡状態にある)が、予測可能な濃度に依存して消光する。蛍光量はウェル中の酸素消費率に直接相関し、これは言い換えれば、細胞の生存率及び増殖率に関係している。
【0149】
細胞毒性試験用の被験化合物をDMSOに溶かし、最終濃度がIC50×2000、IC50×1000及びIC50×200になるよう希釈した。DMEMに浮遊させた細胞200μl(ヒト肉腫HT1080細胞、最終濃度1.5×10細胞/ml)を、ポリプロピレン製96−ウェルU底プレートに移し、同時に阻害剤溶液又はDMSO(対照としての役目)を各2μlずつ添加した。プレートを、8%CO雰囲気中、37℃で22時間インキュベートした。被験化合物存在下、細胞の生存率を、各ウェル中の蛍光をモニターすることにより評価した(蛍光パラメーター:励起波長485nm、蛍光波長590nm、POLARstar Galaxy Fluorometer)。蛍光シグナルが高いということは、細胞による酸素消費量が多いことと相関し、このことは、細胞の生存率及び増殖率が高いことを示した。一方、シグナル強度の減少は、酸素消費量の減少ひいては細胞の生存率の低下を示していた。
【0150】
(c)インビトロにおけるヘパラナーゼ阻害剤による浸潤阻害のアッセイ
本発明の化合物の細胞浸潤阻害能を、BDバイオコートアンジオジェネシスシステムキットを用い、インビトロでの内皮細胞遊走アッセイにより定量的に測定した。このキットは、蛍光を完全に(効率>99%)遮断することができる微小孔性(ポアサイズ3.0μm)のポリエチレンテレフタレート(PET)メンブレンを含む、24−マルチウェルインサートプレート(フルオロブロック、BDファルコン)からなる。このメンブレンは、マトリゲル(BDマトリゲルマトリックス)で均一にコートされている。マトリゲルマトリックスの均一な層は、インビトロにおいて、再構成された真の基底膜としての役割を果たし、非浸潤性細胞には真のバリアとなる。しかしこの層により、内皮細胞はメンブレンに接着することができ、インサートプレートの下部チャンバーにある、血管新生促進物質に向かって自由に移動することができる。細胞を蛍光色素で後標識すること、及び浸潤細胞の蛍光を蛍光プレートリーダーで測定することにより、細胞浸潤を定量的に測定することができる。
【0151】
各被験化合物を、上記(b)において記載した毒性アッセイに従って、HT1080細胞に対し非毒性であるとわかっている濃度に希釈した。HT1080細胞について最適播種密度をカバーするために、種々の細胞濃度を含む浮遊液を調製した:3×10細胞/mlを1ml、1.5×10細胞/mlを8ml及び0.75×10細胞/mlを1ml。インサート内の各ウェルの上部チャンバーを、細胞浮遊液0.25ml、5%ウシ胎児血清を含む750μM DMEM、及び阻害剤溶液で満たした。プレートを、37℃及び8%CO雰囲気で22時間インキュベートした。インキュベーション終了後、培養液を上部チャンバーから吸引し、インサートを、蛍光色素Calcein AM溶液0.5ml/ウェル(4μg/ml/プレート、Calcein AM50μgをDMSO20μl及び温めたHBSS培養液12.5mlに溶かして調製した)を含む、別の24−ウェルプレートに移し、及び37℃、8%CO雰囲気で90分間インキュベートした。浸潤細胞の蛍光を、下方読み取り機能の付いた蛍光プレートリーダーで、485/530nmの励起/蛍光波長で読み取り、さらなる操作は必要なかった。マトリゲルを浸潤し、PETメンブレンのポアを通過した標識細胞のみが検出された。蛍光を遮断するメンブレンは、490〜700nmの光が通過するのを効果的に遮断するため、メンブレンに浸潤しなかった細胞からの蛍光は検出(POLARstar、Galaxy)されなかった。
【0152】
(d)インビボにおけるヘパラナーゼ活性のマウス黒色腫原発腫瘍増殖アッセイ
原発腫瘍細胞系を用いる代わりに、本明細書においてFOR細胞と称した細胞によって、C57BLマウスに原発腫瘍を発現させた。ここで、FOR細胞は、以下の通り発現させた。即ち、B16−F1マウス黒色腫細胞(ATCC No.6326)を、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン及び50μg/mlゲンタマイシンを含むDMEM中で培養した。B16−F1細胞系のサブクローンであるF1−Jは、大量のメラニンを産生し、転移可能性が高いことを示した。これらの転移可能性が高いF1−J細胞を、同系のマウスに注入した(100,000細胞、皮下注射)。形成した転移由来の細胞を、異なった条件で培養した。本明細書においてFOR細胞と称したクローンF1−LGを選択したのは、既に記載されているように(Vlodavskyらによる1999;US6,190,875)、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を用いることで、この細胞のヘパラナーゼ発現率が高いこと、及び放射性同位元素で標識したECM分解分析を用いることで、この細胞のヘパラナーゼ活性が高いことが示されているからである。
【0153】
FOR細胞は、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン及び50μg/mlゲンタマイシンを含むDMEM中で、コンフルエンス状態に達するまで(通常4〜5日)培養し、次いで分割した(1:5)。この分割してサブコンフルエントになった培養細胞を、細胞注入日となる7日目に、トリプシン処理し、PBSで洗浄し、計数してPBS中10細胞/mlの細胞浮遊液を得た。C57BL雄マウス(各20g以下;少なくともマウス10匹/群)の脇腹皮下に、FOR細胞の浮遊液(100μl/マウス)を注射した。4日後、DMSOに溶かした被験化合物を、これらのマウスに1日2回(朝夕)腹腔内注射した(100μl)。各化合物は、1又は2種類の異なった濃度(0.1及び/又は0.5mg/マウス/日)で注射した。対照マウスには、DMSOのみ(100μl)を腹腔内注射した。マウスを毎日観察し、通常、細胞注射後3週間目にマウスを屠殺し、腫瘍を取り出し、その重量を測定した。
【0154】
(e)ヘパラナーゼ活性の遊走アッセイ
インビトロチャンバー様遊走システムは、再構成基底膜様マトリックス(マトリゲル)でコートされたトランスウェルフィルターを用いることにより確立された。マトリゲルは、ラミニン、IV型コラーゲン、エンタクチン及びニドゲン、さらにHSPGからなり、こうして当該のヘパラナーゼ基質を構成している。実験に使用した細胞は、ヘパラナーゼを発現しないモック−トランスフェクションしたEbマウスリンパ腫細胞、及びヘパラナーゼを過剰に発現する、ヘパ−トランスフェクションした、安定なEbマウスリンパ腫細胞(両細胞については、Vlodavskyらによる1999に記載されている)であり、マトリゲルを通過する細胞の遊走率を、初めに化学誘引物質SDF−1の非存在下、次いでこの存在下で評価した。ひとたび細胞の下部チャンバーへの遊走が、ヘパラナーゼの発現量及び活性にかなり相関することが明らかになれば、ヘパラナーゼを過剰に発現するEb細胞の遊走を、本発明のヘパラナーゼ阻害剤で処理した後に試験した。ヘパラナーゼ阻害剤を添加することにより、細胞の遊走率が低下する。
【0155】
(実施例23)
化合物1〜107の生物活性
化合物1〜107を、上の(a)〜(e)に記載した、1つ又は複数のアッセイに従って試験した。種々の化合物のIC50の結果値を付録Aに示す。被験化合物はすべて、マイクロモル及びマイクロモル未満の濃度で、ヘパラナーゼ活性を阻害することがわかった。化合物1、2、3などの化合物の中には、細胞浸潤を効果的に阻害するものもあることがわかった(付属書類Aに叙述した表の右欄の「有」)。
【0156】

【0157】

【0158】

【0159】

【0160】
【表1−1】


【表1−2】


【表1−3】


【表1−4】


【表1−5】


【表1−6】


【表1−7】


【表1−8】


【表1−9】


【表1−10】


【表1−11】


【表1−12】


【表1−13】


【表1−14】


【表1−15】


【表1−16】


【表1−17】


【表1−18】


【表1−19】


【表1−20】


【表1−21】


【表1−22】


【表1−23】


【表1−24】


【表1−25】


【表1−26】


【表1−27】





【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘパラナーゼの触媒活性に起因する又は関連する疾患及び障害を治療するための医薬組成物であって、薬学上許容される担体と、下記一般式I、II、III又はIV及び薬学上許容されるそれらの塩の少なくとも1種のヘパラナーゼ阻害剤とを含有する医薬組成物:
【化1】


[式中、
R1は、
(i)
【化2】


又はその互変異性体
【化3】


【化4】


からなる群から選択され;
R2、R3、R4、R5、R6、R’3、R’4、R’5及びR’6は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ニトロ、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル、(C6〜C14)アリール、ヘテロアリール、−OR9’、−SR9’、−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−COR’9、−COOR’9、−(CH−CO−N(R9)(R’9)、−SOR’9、−SOR’9、又は−NHSOR’9であるか;
R1及びR2は一緒になって、
【化5】


〔式中、Xは、O、S、N(R12)又はC(R’12、R”12)であり、X’は、O又はNである〕からなる群から選択される部分であるか;
R2+R3、R3+R4、R4+R5又はR5+R6のそれぞれの対は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、5又は6員の芳香族環を形成し;
R7は、H、ハロゲン、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル、(C6〜C14)アリール、ヘテロアリール、−OR’9、−SR’9、−NR9R’9、−NR9−COR’9、−COR’9、−COOR’9、−CH(OH)−(CH−O−CO−R9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CON(R9)(R’9)、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−N=N−(C6〜C14)アリール、及び
【化6】


からなる群から選択され;
R’7は、(C1〜C32)アルキルであり;
R”7は、(C2〜C32)アルケニルであり;
R8は、R7について定義した通りであり;
R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つR’9は、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル又は(C6〜C14)アリールであるか、R9及びR’9は、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し;
R10は、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル、−(CH−CO−R17、−(CH−NH−CO−R9−O−R’9、及び
【化7】


からなる群から選択され;
R11は、OH又は
【化8】


であり;
R12、R’12及びR”12は、それぞれ、H又は(C1〜C32)アルキルであるか、R’12及びR”12は一緒になって基
【化9】


であり;
R13は、(C1〜C32)アルキル、(C6〜C14)アリール、−N=CH−(C6〜C14)アリール、
【化10】


からなる群から選択され;
R’13は、=O、=NH又は=N−NH−SOR’9であり;
R14は、H、(C1〜C32)アルキル、−(CH−CH(OH)−CH−NR9R’9又は−(CH−CH(OH)−(C6〜C14)アリールであり;
R15は、H又は−SOHであり;
R16は、H、ハロゲン、−COOH、−SOH、−N=N−(C6〜C14)アリール及び
【化11】


からなる群から選択され;
R17は、(C1〜C32)アルキル、(C6〜C14)アリール、−NH−NH−CO−(C1〜C32)アルキル、−NH−NH−CO−(C6〜C14)アリール、−(CH−NH−CO−C(R9)−O(C1〜C32)アルキル、−(CH−NH−CO−C(R9)−O(C6〜C14)アリール、−(CH−CO−(C1〜C32)アルキル、及び−(CH−CO−(C6〜C14)アリールからなる群から選択され;
R18は、H又は=N−(C6〜C14)アリールであり;
R19は、(C6〜C14)アリールであり;
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機アニオンからなる群から選択される対イオンであり;
nは、0又は1〜10の整数であり、mは、1〜10の整数であり;
いずれの「(C1〜C32)アルキル」又は「(C2〜C32)アルケニル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、且つ、O、S及び/又はNから選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、OR’9、SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよく;
「ヘテロアリール」は、O、S及びNからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む単環又は多環へテロ芳香族環から誘導される基を意味し;
いずれの「アリール」又は「ヘテロアリール」も、ハロゲン、(C6〜C14)アリール、(C1〜C32)アルキル、ニトロ、−OR’9、−SR’9、−COR’9、COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9及び−(CH−CO−NR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい]。
【請求項2】
下記式Ia又はI’aの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化12】


[式中、
R2は、H、ハロゲン、−NH又は−SOHであり;
R3は、H又は−SOHであり;
R4は、H、ハロゲン、−SOH、−SO−(C10〜C22)アルキル又は−O(C6〜C14)アリール〔式中、アリールは非置換であるか、−O(C1〜C8)アルキルで置換されている〕であり;
R5は、Hであり;
R6は、H又はハロゲンであり;
R7は、
(i)H、
(ii)(C10〜C22)アルキル、
(iii)−COOH、
(iv)−NR9−COR’9〔式中、R9はHであり、R’9は、エポキシで置換されていてもよい(C10〜C22)アルキル、−COOHで置換されていてもよい(C10〜C22)アルケニル、又は−SOH若しくは−NH−CO(C10〜C22)アルキルで置換されていてもよい(C6〜C14)アリールである〕、及び
(v)−SOHで又は−NR9−COR’9で置換されていてもよい(C6〜C14)アリール〔式中、R9はHであり、R’9は(C10〜C22)アルキルである〕
からなる群から選択され;
R8は、
(i)H、
(ii)ハロゲン、
(iii)(C2〜C6)アルキル、
(iv)−O(C10〜C22)アルキル、
(v)1個又は複数のハロゲン、−OR’9、−COOR’9、−SOR’9、−NR9R’9又は−NR9COR’9で置換されていてもよい(C6〜C14)アリール〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は(C10〜C22)アルキルである〕、
【化13】


〔式中、R9は、それぞれ独立に、H又は(C1〜C12)アルキルである〕、及び
(vii)1個又は複数のハロゲン、−OR’9、−COOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9又は−NR9−CO−R’9で置換されていてもよい−N=N−(C6〜C14)アリール〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は(C1〜C6)アルキルであるか、R’9が、メチルで置換された(C6〜C14)アリールである〕
からなる群から選択され;
R4、R7及びR8中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、且つ、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9、−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔この関係において式中のR9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル又は(C6〜C14)アリールであるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは、0又は1〜10の整数である]。
【請求項3】
R2が、H、Cl、−NH、又は−SOHであり;
R3が、H又は−SOHであり;
R4が、H、Cl、−SOH、−SO1633、又はエトキシで置換されていてもよいフェノキシであり;
R5が、H、−COOH又は−SOHであり;
R6が、H又はClであり;
R7が、
(i)H、
(ii)(C17〜C20)アルキル、
(iii)−COOH、
(iv)−NR9−COR’9〔式中、R9はHであり、R’9は、エポキシで置換されていてもよい(C11〜C20)アルキル、−COOHで置換されていてもよい(C16〜C20)アルケニル、又は−SOH若しくは−NH−CO−C1735で置換されていてもよいフェニルである〕、及び
(v)−SOHで又は−NR9−COR’9で置換されていてもよいフェニル〔式中、R9はHであり、R’9は(C17〜C20)アルキルである〕
からなる群から選択され;
R8が、
(i)H、
(ii)Br、
(iii)イソプロピル、
(iv)−OC1633
(v)1個又は複数のハロゲン、−OR’9、−COOR’9、−SOR’9、−NR9R’9又は−NR9COR’9で置換されていてもよいフェニル〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は−C1633である〕、
【化14】


〔式中、R9は、それぞれ独立に、H、メチル又はデセニルである〕、及び
(vii)1個又は複数のCl、−OR’9、−COOR’9、−SOR’9、−NHSOR’、−NR9R’9又は−NR9−CO−R’9で置換されていてもよい−N=N−フェニル〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H、メチル又はエチルであるか、R’9はメチルで置換されたフェニルである〕
からなる群から選択される、
式Ia又はI’aの化合物を含有する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
明細書中で化合物1、5〜22、24〜30、54、56、69、71、83、84、85及び100と称される化合物の群から選択される式Iaの化合物を含有する、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
明細書中で化合物32と称される式I’aの化合物を含有する、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
下記式Ibの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化15】


[式中、
R2は、
(i)H、
(ii)ハロゲン
(iii)−OH、
(iv)−O(C10〜C22)アルキル、
(v)−COOH、
(vi)−NR9R’9〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立にHであるか、R9が(C1〜C6)アルキルであり、且つR’が、H又は(C10〜C22)アルキルである〕、及び
(vii)1個又は複数の−COOH又は−CO−NHで置換されていてもよい−O(C6〜C14)アリール
からなる群から選択され;
R3は、H又は−COOHであり;
R4は、
(i)H、
(ii)−SOH、
(iii)1個又は複数のCOOHで置換されていてもよい−O(C6〜C14)アリール、
(iv)1個又は複数のCOOHで置換されていてもよい−S(C6〜C14)アリール、及び
(v)−NR9−CO−R’9〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は(C10〜C22)アルキルである〕
からなる群から選択され;
R5は、H、−COOH、−SOH、又は1個又は複数の−COOHで置換されていてもよい−NHSO(C6〜C14)アリールであり;
R6はHであり;
R9は、H又は(C10〜C22)アルキルであり;
R10は、
(i)ハロゲン、OH、エポキシ及びエピチオからなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい(C10〜C22)アルキル、
【化16】


〔式中、R16は、H、ハロゲン、−COOH、−SOH、フェニルで置換されていてもよい−S−テトラゾル−5−イル、又はハロゲン、(C1〜C6)アルキル、(C6〜C14)アリール、−OH、−COOH、−COOR’9、−OR’9及び−NHSOR’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい−N=N−(C6〜C14)アリールである{式中、R’9は、(C1〜C6)アルキルであるか、(C1〜C6)アルキルで置換されていてもよいフェニルである}〕、
(iii)−CH−CO−R17〔式中、R17は、(C10〜C22)アルキルであるか、−O−(C10〜C22)アルキル又は−NH−CO−(C10〜C22)アルキルで置換されていてもよい(C6〜C14)アリール、又は−NH−NH−CO−(C10〜C22)アルキルである〕、
(iv)−NH−(C10〜C22)アルキル、及び
(v)オキソで置換されていてもよい(C10〜C22)アルケニル
からなる群から選択され;
R2、R4、R9及びR10中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、−(C2〜C32)アルケニル及び−(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項7】
R2が、
(i)H、
(ii)Cl、
(iii)−OH、
(iv)−OC1837
(v)−COOH、
(vi)−NR9R’9〔式中、R9はH又はメチルであり、R’9は−C1837である〕、及び
(vii)1個又は複数の−COOH又は−CO−NHで置換されていてもよいフェノキシ
からなる群から選択され;
R3が、H又は−COOHであり;
R4が、
(i)H、
(ii)−SOH、
(iii)1個又は複数の−COOHで置換されていてもよいフェノキシ、
(iv)1個又は複数の−COOHで置換されていてもよいフェニルチオ、及び
(v)−NR9−CO−R’9、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は−C1735である
からなる群から選択され;
R5が、H、−COOH、−SOH、1個又は複数の−COOHで置換されていてもよい−NHSO−フェニルであり;
R6がHであり;
R9が、H又は−C1837であり;
R10が、
(i)Cl、OH、エポキシ及びエピチオからなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい−C1735
【化17】


〔式中、R16は、H、Br、−COOH、−SOH、フェニルで置換されてもよい−S−テトラゾル−5−イル、又はCl、メチル、フェニル、−OH、−COOH、−COOR’9、−OR’9、及び−NHSOR’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい−N=N−フェニルである{式中、R’9はメチル又はメチルで置換されていてもよいフェニルである}〕、
(iii)−CH−CO−R17〔式中、R17は、−C1735、−C1835、−OC1837又は−NH−CO−(C15〜C20)アルキル、好ましくは−NH−CO−C1735で置換されていてもよいフェニル、及び−NH−NH−CO−(C15〜C20)アルキル、好ましくは−NH−NH−CO−C1735からなる群から選択される、
(iv)−NH−C1837、及び
(v)オキソで置換されていてもよい(C16〜C20)アルケニル、好ましくは−C1733又は−C1631
からなる群から選択される、式Ibの化合物を含有する、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
明細書中で化合物61、87、92、93、95及び96と称される化合物から選択される、R10が−C1735である化合物を含有する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
明細書中で化合物3、33、34、40、41、43、45、46、47、49、50、52、53、55、62、63及び77と称される化合物の群から選択される、R10が1−ヒドロキシ−4−R18−2−ナフチルである化合物を含有する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
明細書中で化合物2、23、44、51、60及び64と称される化合物の群から選択される、R10が−CH−CO−R17である化合物を含有する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項11】
明細書中で化合物70と称される、R10が−NH−C1837である化合物を含有する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項12】
明細書中で化合物86及び94と称される化合物から選択される、R10が(C10〜C22)アルケニルである化合物を含有する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項13】
式Icの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化18】


[式中、
R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ニトロ、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル、(C6〜C14)アリール、ヘテロアリール、−OR9’、−SR9’、−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−COR’9、−COOR’9、−(CH−CO−N(R9)(R’9)、−SOR’9、−SOR’9、又は−NHSOR’9を表すか;
R3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒になって縮合ベンゼン環を形成し;
R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つR’9は、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル又は(C6〜C14)アリールであるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し;
R10は、
(i)(C10〜C22)アルキル、又は
(ii)−(CH−NH−CO−R9−O−R’9〔式中、R9は(C1〜C6)アルキルであり、R’9は、−C1531で置換された(C6〜C14)アリールであり、nは1〜6の整数である〕
であり;
R2〜R6及びR9中で規定した「(C1〜C32)アルキル」及び「(C2〜C32)アルケニル」並びにR10中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよく〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕、
R2〜R6及びR9中で規定したいずれの「(C6〜C14)アリール」も、ハロゲン、(C6〜C14)アリール、(C1〜C32)アルキル、ニトロ、−OR’9,−SR’9、−COR’9、−COOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9及び−(CH−CO−NR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい]。
【請求項14】
R2が、OHであり;
R3及びR4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、縮合ベンゼン環を形成し;
R5が、H又は−SOHであり;
R6及びR9が、それぞれHであり;
R10が、
(i)−C1837、又は、
(ii)−(CH−NH−CO−R9−O−R’9〔式中、R9は−CH(C)であり、R’9は、−C1531で置換されたフェニルであり、nは3である〕である、式Icの化合物を含有する、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
明細書中で化合物31又は72と称される化合物を含有する、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
下記式Idの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化19】


[式中、
R2はHであり;
R3は、H、−COOH、−NH、又は
【化20】


〔式中、R9は(C10〜C22)アルキルである〕であり;
R4は、
(i)H、
(ii)−O−(C10〜C22)アルキル、
(iii)−NH−(C10〜C22)アルキル、
(iv)−SO−(C10〜C22)アルキル、
【化21】


〔式中、R9は(C10〜C22)アルキルである〕、及び
(vi)−SOH又は
【化22】


〔式中、R9は(C10〜C22)アルキルである〕で、或いはその双方で置換されていてもよいフェノキシ
からなる群から選択され;
R5は、H、−COOH、又は−NHであり;
R6は、水素であるか、或いはハロゲン、−COOH又は−CONHで置換されていてもよいフェノキシであり;
R11は、OH又は
【化23】


〔式中、R9は、(C10〜C22)アルキルであり、R’9は(C1〜C6)アルキルである〕であり;
ここで、R4及びR9中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項17】
R2が、Hであり;
R3が、H、−COOH、−NH、又は
【化24】


〔式中、R9は−C1837である〕であり;
R4が、
【化25】


〔式中、R9は−C1531である〕、及び
(vi)−SOH又は
【化26】


〔式中、R9は−C1837である〕で、或いはその双方で置換されていてもよいフェノキシ
からなる群から選択され;
R5が、H、−COOH、又は−NHであり、
R6が、Hであるか、或いはハロゲン、−COOH又は−CONHで置換されていてもよいフェノキシであり;
R11が、OH又は
【化27】


〔式中、R9は−C1633であり、R’9はメチルである〕である、式Idの化合物を含有する、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
明細書中で化合物75、76、88、89、101、103、104、105、106及び107と称される化合物から選択される化合物を含有する、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
下記式Ieの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化28】


[式中、
Xは、O又はSであり;
R14は、(C10〜C22)アルキルであり;
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機アニオンからなる群から選択される対イオンであり;
R14中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項20】
XがO又はSであり、R14が−C1837であり、Yが過塩素酸イオンである、式Ieの化合物を含有する、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
化合物66又は67を含有する、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
下記式Ifの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化29】


[式中、
R3及びR5は、それぞれHであり;
R4は、H、−COOH又は−SOHであり;
R6は、H又は−COOHであり;
R9は、H又は(C10〜C22)アルキルであり;
R15は、H又は−SOHであり;
R9中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項23】
R3及びR5が、Hであり、R6が、H又は−COOHであり、R4が、H、COOH又は−SOHであり、R9が、H又は−C1735であり、R15が、H又は−SOHである、式Ifの化合物を含有する、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
明細書中で化合物4、35及び36と称される化合物から選択される化合物を含有する、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
下記式Igの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化30】


[式中、
Xは、NR12又はCR’12R”12であり;
R12は(C10〜C22)アルキルであり;
R’12及びR”12は、それぞれ、(C1〜C6)アルキルであるか、R’12及びR”12は一緒になって、基
【化31】


〔式中、R9は、Hであるか、−COOHで置換された(C10〜C22)アルキルである〕であり;
R’13は、=O、=NH及び=N−NH−SO−(C6〜C14)アリール、{式中、アリールは、−COOH及び−O−(C10〜C22)アルキル、又は−NH−SO−フェニル(式中、フェニルは、−COOH及び−O−(C10〜C22)アルキルで置換されている)のいずれかで置換されている}からなる群から選択され;
R14は、(C1〜C8)アルキルであるか、1個若しくは複数の(C1〜C6)アルコキシで置換された−CH−CH(OH)−(C6〜C14)アリールであり;
R12及びR’13中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項26】
Xが、NR12又はCR’12R”12であり;
R12が、−C1633であり;
R’12及びR”12が、それぞれメチルであるか、R’12及びR”12が一緒になって基
【化32】


〔式中、R9は、H又は−C1020−COOHである〕であり;
R’13が、=O、=NH又は=N−NH−SO−フェニル〔式中、フェニルは、−COOH及び−OC1837、又は−NH−SO−フェニル{式中、フェニルは、−COOH及び−OC1837で置換されている}のいずれかで置換されている〕であり;
R14が、メチル又はエチルであるか、1個又は複数のメトキシ基で置換された−CH−CH(OH)−フェニルである、式Igの化合物を含有する、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
明細書中で化合物48、59、65及び82と称される化合物から選択される化合物を含有する、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
下記式Ihの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化33】


[式中、
X’は、O又はNR14であり;
R3、R4、R5、R’3及びR’5は、それぞれH又はハロゲンであり;
R’4は、H、ハロゲン又は(C10〜C22)アルケニルであり;
R6及びR’6は、それぞれ、H又は−COOHであり;
R14は、1個又は複数のN原子で割り込まれ、且つヒドロキシで置換された(C10〜C22)アルキルであり;
R’4中で規定した「(C10〜C22)アルケニル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項29】
X’が、O又はNR14であり;
R3、R4、R5、R’3及びR’5が、それぞれH、Cl又はBrであり;
R’4が、H、Cl、Br及び−C2039からなる群から選択され;
R6及びR’6が、それぞれ、−H又は−COOHであり;
R14が、C1021−NH−CH−CH(OH)−CH−又はC1837−NH−CH−CH(OH)−CH−である、式Ihの化合物を含有する、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項30】
明細書中で化合物68、90及び91と称される化合物から選択される化合物を含有する、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
下記式Iiの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化34】


[式中、
Xは、O、S又はNR12であり;
R4は、H又は−SOHであり;
R6は、Hであり;
R3は、H又は−COOHであり;
R5は、H、−COOH又は−SOHであり;
R12は、H又は(C10〜C22)アルキルであり;
R13は、
(i)(C1〜C6)アルキル、
【化35】


〔式中、R9は、(C10〜C22)アルキルであり、R18は、H又は=N−(C6〜C14)アリール{式中、アリールは、−NR9R’9、(式中、R9及びR’9は、それぞれ(C1〜C6)アルキルである)で置換されていてもよい}であり;
(iv)
【化36】


で置換されていてもよい(C6〜C14)アリール〔式中、R9は、(C10〜C22)アルキルであり、R18は、=N−(C6〜C14)アリール{式中アリールは−NR9R’9(式中、R9及びR’9は、それぞれ(C1〜C6)アルキルである)で置換されていてもよい}である〕、及び;
(v)1個又は複数のハロゲン及び−OH、又は1個又は複数の−OH及びニトロで置換された−N=CH−(C6〜C14)アリール
からなる群から選択され、
R12及びR13中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項32】
Xが、O、S又はNR12であり;
R4が、H又は−SOHであり;
R6が、Hであり;
R3が、H又は−COOHであり;
R5が、H、−COOH又は−SOHであり;
R12が、H、−C1633又は−C1837であり;
R13が、
(i)メチル、
【化37】


〔式中、R9は、−C1735であり、R18は、H又は=N−フェニル{式中、フェニルは−NR9R’9(式中、R9及びR’9は、それぞれエチルである)で置換されていてもよい}である〕、
(iv)
【化38】


で置換されていてもよいフェニル〔式中、R9は、−C1735であり、R18は、=N−フェニル{式中、フェニルは−NR9R’9(式中、R9及びR’9は、それぞれエチルである)で置換されていてもよい}である〕、及び
(v)−OH及び1個又は複数のCl又はBrで置換されていてもよい−N=CH−フェニル、或いは−OH若しくはニトロ、又はその双方で置換されていてもよいナフチル
からなる群から選択される、式Iiの化合物を含有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
明細書中で化合物37、38、39、42、57、58、73及び102と称される化合物から選択される化合物を含有する、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
下記式Ijの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化39】


[式中、
R2、R4、R5及びR6は、それぞれHであり;
R3は、H又はハロゲンであり;
R9は、Hであるか、−COOHで置換された(C10〜C22)アルキルである]。
【請求項35】
R2、R4、R5及びR6が、それぞれHであり、R3が、H又はBrであり、R9が、H又は−C1020−COOHである式Ijの化合物を含有する、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
明細書中で化合物81と称される化合物を含有する、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
下記式Ikの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化40】


[式中、
R2、R4、R6、R’3、R’5及びR’6は、それぞれ、Hであり;
R3、R5及びR’4は、それぞれ、H又は−COOHであり;
R’9は、OH及び−CFで置換されていてもよい(C10〜C22)アルケニルであり;
R’9中で規定した「(C10〜C22)アルケニル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項38】
R2、R4、R6、R’3、R’5及びR’6が、それぞれHであり、R3、R5及びR’4が、それぞれ−COOHであり、R’9が、OH及び−CFで置換されていてもよいC1731である式Ikの化合物を含有する、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項39】
明細書中で化合物98と称される化合物を含有する、請求項38に記載の医薬組成物。
【請求項40】
下記式Ilの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化41】


[式中、
R’7は、(C10〜C22)アルキルであり;
R9及びR’9は、それらが結合しているN原子と一緒になって、さらなるO、N又はS原子を含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し;
R’7中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項41】
R’7が(C10〜C22)アルキルであり、R9及びR’9が、それらが結合しているN原子と一緒になってモルホリン環を形成する式Ilの化合物を含む、請求項40に記載の医薬組成物。
【請求項42】
明細書中で化合物74と称される化合物を含有する、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項43】
下記式Imの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化42】


[式中、
R9は、(C10〜C22)アルキルであるか、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれた(C10〜C22)アルキルであるか、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換された、又は割り込まれ且つ置換された(C10〜C22)アルキルである〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項44】
R9がエポキシで置換されていてもよい−C1733である式Imの化合物を含有する、請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項45】
明細書中で化合物99と称される化合物を含有する、請求項44に記載の医薬組成物。
【請求項46】
下記式Inの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化43】


[式中、
R9は、(C10〜C22)アルキルであり;
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機アニオンからなる群から選択される対イオンであり;
R9中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は−(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項47】
R9が−C1837であり、Yが臭素イオンである、明細書中で化合物79と称される化合物を含有する、請求項46に記載の医薬組成物。
【請求項48】
下記一般式IIの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化44】


[式中、
R7は、−CH(OH)−CH−O−CO−R9であり、R9は、(C10〜C22)アルキルであり;
R9中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されいてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項49】
R7が−CH(OH)−CH−O−CO−R9であり、且つR9が−C1531である、明細書中で化合物78と称される化合物を含有する、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項50】
下記一般式IIIの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化45】


[式中、
R’7は、(C10〜C22)アルキルであり;
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機アニオンからなる群から選択される対イオンであり;
R’7中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項51】
R’7が−C1633であり、Yが臭素イオンである、明細書中で化合物80と称される化合物を含有する、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項52】
下記一般式IVの化合物を含有する、請求項1に記載の医薬組成物:
【化46】


[式中、
R”7は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい(C2〜C32)アルケニルである〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項53】
R”7が−C1631である、明細書中で化合物97と称される化合物を含有する、請求項52に記載の医薬組成物。
【請求項54】
新脈管形成を抑制するための、請求項1から53までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項55】
悪性細胞増殖性疾患又は障害を治療又は抑制するための、請求項1から53までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項56】
非固形癌、例えば、あらゆるタイプの白血病、例えば、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄異形成症候群(MDS)、肥満細胞性白血病、毛様細胞性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫及び多発性骨髄種などの造血系悪性腫瘍を治療又は抑制するための、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項57】
唇及び口腔、咽頭、喉頭、鼻腔洞、大唾液腺、甲状腺、食道、胃、小腸、結腸、結腸直腸、肛門管、肝臓、胆嚢、肝外胆管、ファーター膨大部、外分泌膵、肺における腫瘍、胸膜中皮腫、骨、柔組織肉腫、皮膚、胸部、外陰部、膣、子宮頸部、子宮体、卵巣、卵管、妊娠栄養膜腫瘍、陰茎、前立腺、精巣、腎臓、腎盂、尿管、膀胱、尿道の癌腫及び悪性黒色腫、眼瞼の癌腫、結膜の癌腫、結膜の悪性黒色腫、ブドウ膜の悪性黒色腫、網膜芽腫、涙腺の癌腫、眼窩、脳、脊髄、脈管系の肉腫、血管肉腫及びカポジ肉腫などの固形腫瘍を治療又は抑制するための、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項58】
腫瘍形成、初期腫瘍、腫瘍進行又は腫瘍転移を治療又は抑制するための、請求項56又は57に記載の医薬組成物。
【請求項59】
糖尿病性網膜症及び黄斑変性、特に加齢性黄斑変性などの眼障害を治療するための、請求項1から53までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項60】
乾癬、肥厚性瘢痕、挫瘡及び硬化症/硬皮症などの細胞増殖性疾患又は障害を抑制又は治療するための、請求項1から53までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項61】
ポリープ、多発性外骨症、遺伝性外骨症、水晶体後線維増殖症、血管腫、胃潰瘍の再潅流及び動静脈奇形から選択される疾患又は障害を抑制又は治療するための、請求項1から53までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項62】
避妊のための、又は妊娠の初期段階おける流産を誘発するための、請求項1から53までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項63】
免疫及び/又は炎症の抑制が有益である任意の疾患、状態又は障害における炎症症状を治療又は改善するための、請求項1から53までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項64】
関節、筋骨格及び結合組織の障害における炎症症状を治療又は改善するための、請求項63に記載の医薬組成物。
【請求項65】
過敏症、アレルギー反応、喘息、アテローム性動脈硬化症、耳炎及びその他の耳鼻咽喉科疾患、皮膚炎及びその他の皮膚疾患、後部及び前部ブドウ膜炎、結膜炎、視神経炎、強膜炎及びその他の免疫及び/又は炎症性眼疾患に伴う炎症症状を治療又は改善するための、請求項63に記載の医薬組成物。
【請求項66】
自己免疫疾患を治療又は改善するための、請求項1から53までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項67】
前記の自己免疫疾患が、イートン−ランバート症候群、グッドパスチャー症候群、グレーヴズ病、ギラン−バレー症候群、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、肝炎、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、神経叢障害、例えば、急性腕神経叢炎、多腺性欠乏症候群、原発性胆汁性肝硬変、慢性関節リウマチ、硬皮症、血小板減少症、甲状腺炎、例えば橋本病、シェーグレン症候群、アレルギー性紫斑病、乾癬、混合性結合組織病、多発性筋炎、皮膚筋炎、脈管炎、結節性動脈周囲炎、リウマチ性多発性筋痛、ベーゲナー肉芽腫症、ライター症候群、ベーチェット症候群、強直性脊椎炎、天疱瘡、水疱性天疱瘡、疱疹上皮膚炎、クローン病又は自閉症である、請求項66に記載の医薬組成物。
【請求項68】
ヘパラナーゼの触媒活性に起因又は関連する疾患又は障害の治療のための医薬組成物を調製するためのヘパラナーゼ阻害剤の使用であって、前記ヘパラナーゼ阻害剤が、下記一般式I、II、III又はIV及び薬学上許容されるそれらの塩で表される、ヘパラナーゼ阻害剤の使用:
【化47】


[式中、
R1は、
(i)
【化48】


又はその互変異性体
【化49】


【化50】


からなる群から選択され;
R2、R3、R4、R5、R6、R’3、R’4、R’5及びR’6は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ニトロ、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル、(C6〜C14)アリール、ヘテロアリール、−OR9’、−SR9’、−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−COR’9、−COOR’9、−(CH−CO−N(R9)(R’9)、−SOR’9.−SOR’9、又は−NHSOR’9であるか;
R1及びR2は一緒になって、
【化51】


〔式中、Xは、O、S、N(R12)又はC(R12’、R”12)であり、X’は、O又はNである〕からなる群から選択される部分であるか;
R2+R3、R3+R4、R4+R5又はR5+R6のそれぞれの対は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、5又は6員の芳香族環を形成し;
R7は、H、ハロゲン、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル、(C6〜C14)アリール、ヘテロアリール、−OR’9、−SR’9、−NR9R’9、−NR9−COR’9、−COR’9、−COOR’9、−CH(OH)−(CH−O−CO−R9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−N(R9)(R’9)、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−N=N−(C6〜C14)アリール、及び
【化52】


からなる群から選択され;
R’7は、(C1〜C32)アルキルであり;
R”7は、(C2〜C32)アルケニルであり;
R8は、R7について定義した通りであり;
R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル又は(C6〜C14)アリールであるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し;
R10は、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル、−(CH−CO−R17、−(CH−NH−CO−R9−O−R’9、及び
【化53】


からなる群から選択され;
R11は、OH又は
【化54】


であり;
R12、R’12及びR”12は、それぞれ、H又は(C1〜C32)アルキルであるか、R’12及びR”12は一緒になって基
【化55】


であり;
R13は、(C1〜C32)アルキル、(C6〜C14)アリール、−N=CH−(C6〜C14)アリール、
【化56】


からなる群から選択され;
R’13は、=O、=NH又は=N−NH−SOR’9であり、
R14は、H、(C1〜C32)アルキル、−(CH−CH(OH)−CH−NR9R’9又は−(CH−CH(OH)−(C6〜C14)アリールであり、
R15は、H又は−SOHであり;
R16は、H、ハロゲン、−COOH、−SOH、−N=N−(C6〜C14)アリール、及び
【化57】


からなる群から選択され;
R17は、(C1〜C32)アルキル、(C6〜C14)アリール、−NH−NH−CO−(C1〜C32)アルキル、−NH−NH−CO−(C6〜C14)アリール、−(CH−NH−CO−C(R9)−O(C1〜C32)アルキル、−(CH−NH−CO−C(R9)−O(C6〜C14)アリール、−(CH−CO−(C1〜C32)アルキル、及び−(CH−CO−(C6〜C14)アリールからなる群から選択され;
R18は、H又は=N−(C6〜C14)アリールであり;
R19は、(C6〜C14)アリールであり;
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機アニオンからなる群から選択される対イオンであり;
nは、0又は1〜10の整数であり、mは、1〜10の整数であり;
いずれの「(C1〜C32)アルキル」又は「(C2〜C32)アルケニル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、且つ、O、S及び/又はNから選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、OR’9、SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよく;
「ヘテロアリール」は、O、S及びNからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む単環又は多環へテロ芳香族環から誘導される基を意味し;
いずれの「アリール」又は「ヘテロアリール」も、ハロゲン、(C6〜C14)アリール、(C1〜C32)アルキル、ニトロ、−OR’9、−SR’9、−COR’9、COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、及び−(CH−CO−NR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてよい]。
【請求項69】
下記式Ia又はI’aの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化58】


[式中、
R2は、H、ハロゲン、−NH又は−SOHであり;
R3は、H又は−SOHであり;
R4は、H、ハロゲン、−SOH、−SO−(C10〜C22)アルキル、−O(C6〜C14)アリール、アリールは、非置換であるか、−O(C1〜C8)アルキルで置換されている〕であり;
R5は、Hであり;
R6は、H又はハロゲンであり;
R7は、
(i)H、
(ii)(C10〜C22)アルキル、
(iii)−COOH、
(iv)−NR9−COR’9〔式中、R9は、Hであり、R’9は、エポキシで置換されていてもよい(C10〜C22)アルキル、−COOHで置換されていてもよい(C10〜C22)アルケニル、又は−SOH若しくは−NH−CO(C10〜C22)アルキルで置換されていてもよい(C6〜C14)アリールである〕、及び
(v)−SOHで又は−NR9−COR’9で置換されていてもよい(C6〜C14)アリール〔式中、R9はHであり、R’9は(C10〜C22)アルキルである〕
からなる群から選択され;
R8は、
(i)H、
(ii)ハロゲン、
(iii)(C2〜C6)アルキル、
(iv)−O(C10〜C22)アルキル、
(v)1個又は複数のハロゲン、−OR’9、−COOR’9、−SOR’9、−NR9R’9又は−NR9COR’9で置換されていてもよい(C6〜C14)アリール〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は(C10〜C22)アルキルである〕、
【化59】


〔式中、R9は、それぞれ独立に、H又は(C1〜C12)アルキルである]、
(vii)1個又は複数のハロゲン、−OR’9、−COOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、又は−NR9−CO−R’9で置換されていてもよい−N=N−(C6〜C14)アリール〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は(C1〜C6)アルキルであるか、R’9が、メチルで置換された(C6〜C14)アリールである〕
からなる群から選択され;
R4、R7及びR8中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9、−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル又は(C6〜C14)アリールであるか、R9及びR’9が、基NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは、0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項70】
R2が、H、Cl、−NH、又は−SOHであり;
R3が、H又は−SOHであり;
R4が、H、Cl、−SOH、−SO1633であるか、エトキシで置換されていてもよいフェノキシであり;
R5が、H、−COOH又は−SOHであり;
R6が、H又はClであり;
R7が、
(i)H、
(ii)(C17〜C20)アルキル、
(iii)−COOH、
(iv)−NR9−COR’9〔式中、R9はHであり、R’9は、エポキシで置換されていてもよい(C11〜C20)アルキル、−COOHで置換されていてもよい(C16〜C20)アルケニル、又は−SOH又は−NH−CO−C1735で置換されていてもよいフェニルである〕、及び
(v)−SOH又は−NR9−COR’9で置換されていてもよいフェニル〔式中、R9はHであり、R’9は(C17〜C20)アルキルである〕
からなる群から選択され;
R8は、
(i)H、
(ii)Br、
(iii)イソプロピル、
(iv)−OC1633
(v)1個又は複数のハロゲン、−OR’9、−COOR’9、−SOR’9、−NR9R’9又は−NR9COR’9で置換されていてもよいフェニル〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は−C1633である〕、
【化60】


〔式中、R9は、それぞれ独立に、H、メチル又はデセニルである〕、及び
(vii)1個又は複数のCl、−OR’9、−COOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、又は−NR9−COR’9で置換されていてもよい−N=N−フェニル〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H、メチル又はエチルであるか、R’9は、メチルで置換されたフェニルである〕
からなる群から選択される、
式Iの又はI’aの化合物の、請求項69に記載の使用。
【請求項71】
明細書中で化合物1、5〜22、24〜30、54、56、69、71、83、84、85及び100と称される化合物から選択される式Iaの化合物の、請求項70に記載の使用。
【請求項72】
明細書中で化合物32と称される式I’aの化合物の、請求項70に記載の使用。
【請求項73】
下記式Ibの化合物の、請求項68に記載の使用
【化61】


[式中、
R2は、
(i)H、
(ii)ハロゲン
(iii)−OH、
(iv)−O(C10〜C22)アルキル、
(v)−COOH、
(vi)−NR9R’9〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立にHであるか、R9が(C1〜C6)アルキルであり、且つR’がH又は(C10〜C22)アルキルである〕、及び
(vii)1個又は複数の−COOH又は−CO−NHで置換されていてもよい−O(C6〜C14)アリール
からなる群から選択され;
R3は、H又は−COOHであり;
R4は、
(i)H、
(ii)−SOH、
(iii)1個又は複数の−COOHで置換されていてもよい−O(C6〜C14)アリール、
(iv)1個又は複数の−COOHで置換されていてもよい−S(C6〜C14)アリール、及び
(v)−NR9−CO−R’9〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は(C10〜C22)アルキルである〕
からなる群から選択され;
R5は、H、−COOH、−SOH、又は1個若しくは複数の−COOHで置換されていてもよい−NHSO(C6〜C14)アリールであり;
R6はHであり;
R9は、H又は(C10〜C22)アルキルであり;
R10は、
(i)ハロゲン、OH、エポキシ及びエピチオからなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい(C10〜C22)アルキル、
【化62】


〔式中、R16は、H、ハロゲン、−COOH、−SOH、フェニルで置換されていてもよい−S−テトラゾル−5−イル、又はハロゲン、(C1〜C6)アルキル、(C6〜C14)アリール、−OH、−COOH、−COOR’9、−OR’9及び−NHSOR’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい−N=N−(C6〜C14)アリールである{式中、R’9は、(C1〜C6)アルキルであるか、(C1〜C6)アルキルで置換されていてもよいフェニルである}〕、
(iii)−CH−CO−R17〔式中、R17は、(C10〜C22)アルキルであるか、−O−(C10〜C22)アルキル又は−NH−CO−(C10〜C22)アルキルで置換されていてもよい(C6〜C14)アリール、又は−NH−NH−CO−(C10〜C22)アルキルである〕、
(iv)−NH−(C10〜C22)アルキル、及び
(v)オキソで置換されていてもよい(C10〜C22)アルケニル
からなる群から選択され;
R2、R4、R9及びR10中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、−(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項74】
R2が、
(i)H、
(ii)Cl、
(iii)−OH、
(iv)−OC1837
(v)−COOH、
(vi)−NR9R’9〔式中、R9は、H又はメチルであり、R’9は−C1837である〕、及び
(vii)1個又は複数の−COOH又は−CO−NHで置換されていてもよいフェノキシ
からなる群から選択され;
R3が、H又は−COOHであり;
R4が、
(i)H、
(ii)−SOH、
(iii)1個又は複数の−COOHで置換されていてもよいフェノキシ、
(iv)1個又は複数の−COOHで置換されていてもよいフェニルチオ、及び
(v)−NR9−CO−R’9〔式中、R9及びR’9は、それぞれ独立に、H又は−C1735である〕
からなる群から選択され;
R5が、H、−COOH、−SOHであるか、1個又は複数の−COOHで置換されていてもよい−NHSO−フェニルであり;
R6が、Hであり;
R9が、H又は−C1837であり;
R10が、
(i)Cl、OH、エポキシ及びエピチオからなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい−C1735
【化63】


〔式中、R16は、H、Br、−COOH、−SOH、フェニルで置換されていてもよい−S−テトラゾル−5−イル、又はCl、メチル、フェニル、−OH、−COOH、−COOR’9、−OR’9、及び−NHSOR’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい−N=N−フェニルである{式中、R’9は、メチル、又はメチルで置換されていてもよいフェニルである}〕、
(iii)−CH−CO−R17〔式中、R17は、−C1735、−C1835、−OC1837又は−NH−CO−(C15〜C20)アルキル、好ましくは−NH−CO−C1735で置換されていてもよいフェニル、及び−NH−NH−CO−(C15〜C20)アルキル、好ましくは−NH−NH−CO−C1735からなる群から選択される〕、
(iv)−NH−C1837、及び
(vi)オキソで置換されていてもよい(C16〜C20)アルケニル、好ましくは−C1733又は−C1631
からなる群から選択される、
式Ibの化合物の、請求項73に記載の使用。
【請求項75】
明細書中で化合物61、87、92、93、95及び96と称される化合物から選択される、R10が−C1735である化合物の、請求項74に記載の使用。
【請求項76】
明細書中で化合物3、33、34、40、41、43、45、46、47、49、50、52、53、55、62、63及び77と称される化合物の群から選択される、R10が1−ヒドロキシ−4−R18−2−ナフチルである化合物の、請求項74に記載の使用。
【請求項77】
明細書中で化合物2、23、44、51、60及び64と称される化合物の群から選択される、R10が−CH−CO−R17である化合物の、請求項74に記載の使用。
【請求項78】
R10が−NH−C1837である、明細書中で化合物70と称される化合物の、請求項74に記載の使用。
【請求項79】
明細書中で化合物86及び94と称される化合物から選択される、R10が(C10〜C22)アルケニルである化合物の、請求項74に記載の使用。
【請求項80】
下記式Icの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化64】


[式中、
R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ニトロ、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル、(C6〜C14)アリール、ヘテロアリール、−OR9’、−SR9’、−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−COR’9、−COOR’9、−(CH−CO−N(R9)(R’9)、−SOR’9、−SOR’9、又は−NHSOR’9を表すか;
R3及びR4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって縮合ベンゼン環を形成し;
R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つR’9は、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル又は(C6〜C14)アリールであるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し;
R10は、
(i)(C10〜C22)アルキル、又は
(ii)−(CH−NH−CO−R9−O−R’9〔式中、R9は、(C1〜C6)アルキルであり、R’9は、−C1531で置換された(C6〜C14)アリールであり、nは1〜6の整数である〕、
であり、
R2〜R6及びR9中で規定した「(C1〜C32)アルキル」及び「(C2〜C32)アルケニル」並びにR10中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−HR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよく〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕;
R2〜R6及びR9中で規定したいずれの「(C6〜C14)アリール」も、ハロゲン、(C6〜C14)アリール、(C1〜C32)アルキル、ニトロ、OR’9、SR’9、−COR’9、COOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、及び−(CH−CO−NR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい]。
【請求項81】
R2が、−OHであり;
R3及びR4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって縮合ベンゼン環を形成し;
R5が、H又は−SOHであり;
R6及びR9が、それぞれHであり;
R10が、
(i)−C1837、又は
(ii)−(CH−NH−CO−R9−O−R’9〔式中、R’9は、−CH(C)であり、R’9は−C1531で置換されたフェニルであり、nは3である〕、
である、式Icの化合物の、請求項68に記載の使用。
【請求項82】
明細書中で化合物31又は72と称される化合物の、請求項81に記載の使用。
【請求項83】
下記式Idの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化65】


[式中、
R2はHであり;
R3は、H、−COOH、−NH、又は
【化66】


〔式中、R9は(C10〜C22)アルキルである〕であり;
R4は、
(i)H、
(ii)−O−(C10〜C22)アルキル、
(iii)(原文は(iv))−NH−(C10〜C22)アルキル、
(iv)−SO−(C10〜C22)アルキル、
【化67】


〔式中、R9は(C10〜C22)アルキルである〕、及び
(vi)(原文は(viii))−SOH又は
【化68】


〔式中、R9は(C10〜C22)アルキルである〕で、或いは双方で置換されていてもよいフェノキシ
からなる群から選択され;
R5は、H、−COOH、又は−NHであり;
R6は、Hであるか、或いはハロゲン、−COOH又は−CONHで置換されていてもよいフェノキシであり;
R11は、−OH又は
【化69】


〔式中、R9は、(C10〜C22)であり、R’9は(C1〜C6)アルキルである〕であり、
R4及びR9中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジ、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項84】
R2が、Hであり;
R3が、H、−COOH、−NH、又は
【化70】


〔式中、R9は−C1837である〕であり;
R4が、
【化71】


〔式中、R9は−C1531である〕、及び
(vi)−SOH又は
【化72】


〔式中、R9は−C1837である〕で、或いは双方で置換されていてもよいフェノキシ
からなる群から選択され;
R5が、H、−COOH、又は−NHであり;
R6が、Hであるか、或いはハロゲン、−COOH又は−CONHで置換されていてもよいフェノキシであり、
R11が、OH又は
【化73】


〔式中、R9は−C1633であり、R’9はメチルである〕である、
式Idの化合物の、請求項83に記載の使用。
【請求項85】
明細書中で化合物75、76、88、89、101、103、104、105、106及び107と称される化合物から選択される化合物の、請求項84に記載の使用。
【請求項86】
下記式Ieの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化74】


[式中、
Xは、O又はSであり;
R14は、(C10〜C22)アルキルであり;
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機アニオンからなる群から選択される対イオンであり;
R14中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項87】
Xが、O又はSであり、R14が−C1837であり、Yが過塩素酸イオンである式Ieの化合物の、請求項86に記載の使用。
【請求項88】
化合物66又は67の、請求項87に記載の使用。
【請求項89】
下記式Ifの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化75】


[式中、
R3及びR5は、それぞれHであり、
R4は、H、−COOH又は−SOHであり、
R6は、H又は−COOHであり、
R9は、H又は(C10〜C22)アルキルであり、
R15は、H又は−SOHであり、
ここで、R9中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項90】
R3及びR5がHであり、R6が、H又は−COOHであり、R4が、H、−COOH又は−SOHであり、R9が、H又は−C1735であり、R15が、H又は−SOHである式Ifの化合物の、請求項89に記載の使用。
【請求項91】
明細書中で化合物4、35及び36と称される化合物から選択される化合物の、請求項90に記載の使用。
【請求項92】
下記式Igの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化76】


[式中、
Xは、NR12又はCR’12R”12であり、
R12は、(C10〜C22)アルキルであり、
R’12及びR”12は、それぞれ、(C1〜C6)アルキルであるか、R’12及びR”12は一緒になって、基
【化77】


〔式中、R9は、Hであるか、−COOHで置換された(C10〜C22)アルキルである〕であり;
R’13は、=O、=NH及び=N−NH−SO−(C6〜C14)アリール{式中、アリールは、−COOH及び−O−(C10〜C22)アルキル、又は−NH−SO−フェニル(式中、フェニルは、−COOH及び−O−(C10〜C22)アルキルで置換されている)で置換されている}、からなる群から選択され;
R14は、(C1〜C8)アルキルであるか、1個又は複数の(C1〜C6)アルコキシで置換された−CH−CH(OH)−(C6〜C14)アリールであり;
R12及びR’13中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項93】
Xが、NR12又はCR’12R”12であり、
R12が、C1633であり、
R’12及びR”12が、それぞれメチルであるか、R’12及びR”12が一緒になって基
【化78】


〔式中、R9は、H又は−C1020−COOHである〕であり;
R’13が、=O、=NH又は=N−NH−SO−フェニル〔式中フェニルは、−COOH及び−OC1837、又は−NH−SO−フェニル{式中、フェニルは、−COOH及び−OC1837で置換されている}で置換されている〕であり;
R14が、メチル又はエチルであるか、1個又は複数のメトキシ基で置換された−CH−CH(OH)−フェニルである、
式Igの化合物の、請求項92に記載の使用。
【請求項94】
明細書中で化合物48、59、65及び82と称される化合物から選択される化合物の、請求項93に記載の使用。
【請求項95】
下記式Ihの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化79】


[式中、
X’は、O又はNR14であり;
R3、R4、R5、R’3及びR’5は、それぞれ、H又はハロゲンであり;
R’4は、H、ハロゲン又は(C10〜C22)アルケニルであり;
R6及びR’6は、それぞれ、H又は−COOHであり;
R14は、1個又は複数のN原子で割り込まれ、且つヒドロキシで置換された(C10〜C22)アルキルであり;
R’4中で規定した「(C10〜C22)アルケニル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項96】
X’が、O又はNR14であり;
R3、R4、R5、R’3及びR’5が、それぞれH、Cl又はBrであり;
R’4が、H、Cl、Br及び−C2039からなる群から選択され;
R6及びR’6が、それぞれ、H又は−COOHであり;
R14が、−C1021−NH−CH−CH(OH)−CH−又は−C1837−NH−CH−CH(OH)−CH−である、式Ihの化合物の、請求項95に記載の使用。
【請求項97】
明細書中で化合物68、90及び91と称される化合物から選択される化合物の、請求項96に記載の使用。
【請求項98】
式Iiの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化80】


[式中、
Xは、O、S又はNR12であり;
R4は、H又は−SOHであり;
R6は、Hであり;
R3は、H又は−COOHであり;
R5は、H、−COOH又は−SOHであり;
R12は、H又は(C10〜C22)アルキルであり;
R13は、
(i)(C1〜C6)アルキル、
【化81】


〔式中、R9は、(C10〜C22)アルキルであり、R18は、H又は=N−(C6〜C14)アリール{式中、アリールは、−NR9R’9(式中、R9及びR’9は、それぞれ(C1〜C6)アルキルである)で置換されていてもよい}である]、
(iv)
【化82】


で置換されていてもよい(C6〜C14)アリール〔式中、R9は、(C10〜C22)アルキルであり、R18は、=N−(C6〜C14)アリール{式中、このアリールは−NR9R’9)(式中、R9及びR’9は、それぞれ(C1〜C6)アルキルである)で置換されていてもよい}、]である〕、及び
(v)1個又は複数のハロゲン原子及び−OHで、或いは1個又は複数の−OH及びニトロで置換された−N=CH−(C6〜C14)アリール
からなる群から選択され;
R12及びR13中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項99】
Xが、O、S又はNR12であり;
R4が、H又は−SOHであり;
R6が、Hであり;
R3が、H又は−COOHであり;
R5が、H、−COOH又は−SOHであり;
R12が、H、−C1633又は−C1837であり;
R13が、
(i)メチル、
【化83】


〔式中、R9は、−C1735であり、R18は、H又は=N−フェニル{式中、フェニルは−NR9R’9(式中、R9及びR’9は、それぞれエチルである)で置換されていてもよい}である〕、
(iv)
【化84】


で置換されていてもよいフェニル〔式中、R9は、−C1735であり、R18は、=N−フェニル{式中、このフェニルは−NR9R’9(式中、R9及びR’9は、それぞれエチルである)で置換されていてもよい}である〕、
(v)−OH及び1個又は複数のCl若しくはBrで置換されていてもよい−N=CH−フェニル、或いは−OH若しくはニトロ、又はその双方で置換されていてもよいナフチル
からなる群から選択される、式Iiの化合物の、請求項98に記載の使用。
【請求項100】
明細書中で化合物37、38、39、42、57、58、73及び102と称される化合物から選択される化合物の、請求項32に記載の使用。
【請求項101】
下記式Ijの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化85】


[式中、
R2、R4、R5及びR6は、それぞれHであり;
R3は、H又はハロゲンであり;
R9は、Hであるか、−COOHで置換された(C10〜C22)アルキルである]。
【請求項102】
R2、R4、R5及びR6が、それぞれHであり、R3が、H又はBrであり、R9が、H又は−C1020−COOHである式Ijの化合物の、請求項101に記載の使用。
【請求項103】
明細書中で化合物81と称される化合物の、請求項102に記載の使用。
【請求項104】
下記式Ikの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化86】


[式中、
R2、R4、R6、R’3、R’5及びR’6は、それぞれ、Hであり;
R3、R5及びR’4は、それぞれ、H又は−COOHであり;
R’9は、OH及び−CFで置換されていてもよい(C10〜C22)アルケニルであり;
R’9中で規定した「(C10〜C22)アルケニル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項105】
R2、R4、R6、R’3、R’5及びR’6が、それぞれHであり、R3、R5及びR’4が、それぞれ−COOHであり、R’9が、OH及び−CFで置換されていてもよいC1731である式Ikの化合物の、請求項104に記載の使用。
【請求項106】
明細書で化合物98と称される化合物の、請求項105に記載の使用。
【請求項107】
下記式Ilの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化87】


[式中、
R’7は、(C10〜C22)アルキルであり、
R9及びR’9は、それらが結合しているN原子と一緒になって、さらなるO、N又はS原子を含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、
R’7中で規定したいずれの「(C10〜C22)アルキル」も、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項108】
R’7が、(C10〜C22)アルキルであり、R9及びR’9が、それらが結合しているN原子と一緒になってモルホリン環を形成する式Ilの化合物の、請求項107に記載の使用。
【請求項109】
明細書中で化合物74と称される化合物の、請求項108に記載の使用。
【請求項110】
下記式Imの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化88】


[式中、
R9は、(C10〜C22)アルキル、又は、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれた(C10〜C22)アルキル、又は、ハロゲン、−(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、−(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9、−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換された、或いは割り込まれ且つ置換された(C10〜C22)アルキルである〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項111】
R9が、エポキシで置換されていてもよい−C1733である式Imの化合物の、請求項110に記載の使用。
【請求項112】
明細書中で化合物99と称される化合物の、請求項111に記載の使用。
【請求項113】
下記式Inの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化89】


[式中、
R9は、(C10〜C22)アルキルであり;
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機アニオンからなる群から選択される対イオンであり;
R9中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項114】
R9が−C1837であり、Yが臭素イオンである、明細書中で化合物79と称される化合物の、請求項113に記載の使用。
【請求項115】
一般式IIの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化90】


[式中、
R7は、−CH(OH)−CH−O−CO−R9であり、R9は、(C10〜C22)アルキルであり;
R9中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項116】
R7が−CH(OH)−CH−O−CO−R9であり、R9が−C1531である、明細書中で化合物78と称される化合物の、請求項116に記載の使用。
【請求項117】
一般式IIIの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化91】


[式中、
R’7は、(C10〜C22)アルキルであり;
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び有機アニオンからなる群から選択される対イオンであり;
ここで、R’7中で規定した「(C10〜C22)アルキル」は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項118】
R’7が−C1633であり、Yが臭素イオンである、明細書中で化合物80と称される化合物の、請求項117に記載の使用。
【請求項119】
一般式IVの化合物の、請求項68に記載の使用:
【化92】


[式中、
R’7は、直鎖又は分枝鎖でよく、O、S及びNからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子で割り込まれていてもよく、且つ/又は、ハロゲン、−(C3〜C7)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、(C6〜C14)アリール、ニトロ、−OR’9,−SR’9、エポキシ、エピチオ、オキソ、−COR’9、−COOR’9、−OSOR’9、−SOR’9、−SOR’9、−NHSOR’9、−NR9R’9、アジリジン、=N−OR’9、=N−NR9R’9、−NR9−NR9R’9、−(CH−NR9−COR’9、−(CH−CO−NR9R’9、−OPOR9R’9、−POHR’9及び−POR9R’9からなる群から選択される1個又は複数の基で置換されていてもよい(C2〜C32)アルケニルである〔式中、R9は、H又は(C1〜C32)アルキルであり、且つ、R’9が、H、(C1〜C32)アルキル、(C2〜C32)アルケニル及び(C6〜C14)アリールからなる群から選択されるか、R9及びR’9が、基−NR9R’9の一部として、それらが結合しているN原子と一緒になって、1個又は複数のN、S又はO原子をさらに含んでいてもよい3〜7員の飽和環を形成し、nは0又は1〜10の整数である〕]。
【請求項120】
R”7が−C1631である、明細書中で化合物97と称される化合物の、請求項119に記載の使用。
【請求項121】
新脈管形成を抑制するための、請求項68から120までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項122】
悪性細胞増殖性疾患又は障害を治療又は抑制するための、請求項68から120までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項123】
非固形癌、例えば、あらゆるタイプの白血病、例えば、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄異形成症候群(MDS)、肥満細胞性白血病、毛様細胞性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫及び多発性骨髄種などの造血系悪性腫瘍を治療又は抑制するための、請求項122に記載の使用。
【請求項124】
唇及び口腔、咽頭、喉頭、鼻腔洞、大唾液腺、甲状腺、食道、胃、小腸、結腸、結腸直腸、肛門管、肝臓、胆嚢、肝外胆管、ファーター膨大部、外分泌膵、肺における腫瘍、胸膜中皮腫、骨、柔組織肉腫、皮膚、胸部、外陰部、膣、子宮頸部、子宮体、卵巣、卵管、妊娠栄養膜腫瘍、陰茎、前立腺、精巣、腎臓、腎盂、尿管、膀胱、尿道の癌腫及び悪性黒色腫、眼瞼の癌腫、結膜の癌腫、結膜の悪性黒色腫、ブドウ膜の悪性黒色腫、網膜芽腫、涙腺の癌腫、眼窩、脳、脊髄、脈管系の肉腫、血管肉腫及びカポジ肉腫などの固形腫瘍を治療又は抑制するための、請求項122に記載の使用。
【請求項125】
腫瘍形成、初期腫瘍、腫瘍進行又は腫瘍転移を治療又は抑制するための、請求項124に記載の使用。
【請求項126】
糖尿病性網膜症及び黄斑変性、特に加齢性黄斑変性などの眼障害を治療するための、請求項68から120までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項127】
乾癬、肥厚性瘢痕、挫瘡及び硬化症/硬皮症などの細胞増殖性疾患又は障害を抑制又は治療するための、請求項68から120までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項128】
ポリープ、多発性外骨症、遺伝性外骨症、水晶体後線維増殖症、血管腫、胃潰瘍の再潅流及び動静脈奇形から選択される疾患又は障害を抑制又は治療するための、請求項68から120までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項129】
避妊のための、又は妊娠の初期段階における流産を誘発するための、請求項68から120までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項130】
免疫及び/又は炎症の抑制が有益である任意の疾患、状態又は障害における炎症症状を治療又は改善するための、請求項68から120までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項131】
関節、筋骨格及び結合組織の障害における炎症症状を治療又は改善するための、請求項130に記載の使用。
【請求項132】
過敏症、アレルギー反応、喘息、アテローム性動脈硬化症、耳炎及びその他の耳鼻咽喉科疾患、皮膚炎及びその他の皮膚疾患、後部及び前部ブドウ膜炎、結膜炎、視神経炎、強膜炎及びその他の免疫及び/又は炎症性眼疾患に伴う炎症症状を治療又は改善するための、請求項130に記載の使用。
【請求項133】
自己免疫疾患を治療又は改善するための、請求項68から120までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項134】
前記の自己免疫疾患が、イートン−ランバート症候群、グッドパスチャー症候群、グレーヴズ病、ギラン−バレー症候群、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、肝炎、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、神経叢障害、例えば、急性腕神経叢炎、多腺性欠乏症候群、原発性胆汁性肝硬変、慢性関節リウマチ、硬皮症、血小板減少症、甲状腺炎、例えば橋本病、シェーグレン症候群、アレルギー性紫斑病、乾癬、混合性結合組織病、多発性筋炎、皮膚筋炎、脈管炎、結節性動脈周囲炎、リウマチ性多発性筋痛、ベーゲナー肉芽腫症、ライター症候群、ベーチェット症候群、強直性脊椎炎、天疱瘡、水疱性天疱瘡、疱疹上皮膚炎、クローン病又は自閉症である、請求項133に記載の使用。
【請求項135】
必要とする患者に対して請求項1に記載の一般式I、II、III又はIV、或いは薬学上許容されるそれらの塩である有効量のヘパラナーゼ阻害剤を投与することを含む、ヘパラナーゼの触媒活性に起因する又は関連する疾患又は障害の治療方法。
【請求項136】
明細書中で化合物12、18、27、37、48、50、61〜63、70、71、75、77、83〜87、90〜96及び98〜107と称される化合物の群から選択される化合物。

【公表番号】特表2007−525494(P2007−525494A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552017(P2006−552017)
【出願日】平成17年2月6日(2005.2.6)
【国際出願番号】PCT/IL2005/000149
【国際公開番号】WO2005/074375
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(506267293)インサイト バイオファーマシューティカルズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】