説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】 近年の、半導体素子の微細化に伴い、NBTI寿命が劣化することを防止することを目的とする。
【解決手段】 少なくともライナー膜または第2の側壁絶縁膜として、Si−H結合が1×1021cm-3以下のシリコン窒化膜を用いることでp型MOSFETのNBTI寿命を1×109秒に改善でき、半導体集積回路装置の寿命を確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、半導体装置に含まれるpチャネルMOSFETの信頼性向上に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路装置は、特性の向上および収率の向上のために配線の微細化が行なわれている。配線の微細化に伴い、ゲート、ソースおよびドレイン電極の面積が狭くなっている。ゲート、ソースおよびドレイン電極は、層間絶縁膜を上に形成される配線とコンタクトホールを介して接続されるが、コンタクトホールはフォトリソグラフィー法を用い、フォトレジストに開口を形成し、この開口を介して、異方性ドライエッチング法を用いて形成される。
【0003】
フォトリソグラフィー法を用いてフォトレジストに開口を形成する際に、露光用のマスクを、層間絶縁膜の下地に形成されている電極と位置合わせを行なっているが、この位置合わせの際に若干の位置合わせずれが生じてしまう。配線の微細化により位置合わせずれによって、例えば、ドレイン電極と配線とを接合するためのコンタクトホールを形成する際に、隣接するゲート電極と接触してしまいドレイン−ゲート間の短絡が生じる場合があった。
【0004】
このような問題を改善するために、現在の半導体集積回路装置に用いるMOSFETは、図8(c)に示されるような構造をしている。
【0005】
図8(c)のトランジスタは、トランジスタを形成後、層間絶縁膜を形成する前に、層間絶縁膜とエッチング選択比のあるエッチングストッパーとなるライナー層110と呼ばれる層を形成することが主流となっている。
【0006】
層間絶縁膜は、シリコン酸化膜が使われることが多く、ライナー層としては、シリコン酸化膜とエッチング選択比が取れるシリコン窒化膜が用いられている。
【0007】
従来、シリコン窒化膜は、減圧、常圧あるいはプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition(化学気相成長))法を用いて形成されていた。配線の微細化に伴い、ゲート、ソースおよびドレイン電極の面積が狭くなり、電極の抵抗が高くなり、抵抗を下げるためにシリサイドが用いられている。
【0008】
ゲート電極およびドレイン・ソース領域をシリサイド化する際に、マスクによる位置合わせが不要なため、自己整合的にシリサイド化するセルフアラインシリサイデーション(Self―Aligned Silicidation:SALICIDE、以下サリサイドと称する。)が用いられる場合が多い。
【0009】
サリサイドを用いる場合、ゲート電極とソース・ドレイン電極間のショートを防止するために、ゲート電極の側壁に異方性エッチング法により形成される側壁絶縁膜が配置される。側壁絶縁膜は、シリコン酸化膜でもよいが、素子設計寸法の微細化に伴い絶縁膜をエッチングするコンタクト孔形成工程でのマージン確保のために、シリコン酸化膜に対してエッチング選択比がとれるシリコン窒化膜が用いられることが多い(以下、側壁シリコン窒化膜と称す)。
【0010】
シリサイドの種類としては、TiSi2、CoSi2、NiSi等があるが、配線の微細化によるゲート電極の細線化にともない、TiSi2、CoSi2は、凝集起因の抵抗上昇により抵抗値が高くなるという問題が発生する場合があり、この点を改善するものとしてNiSiの適用が検討されている。
【0011】
しかしながら、NiSiのサリサイドを適用した場合、500℃以上の熱によりシリサイドの凝集・相転移が生じシート抵抗が上昇する等の不具合が発生する場合があった。このため、NiSiをサリサイドに適用する場合、ライナー層のシリコン窒化膜は500℃以下で成膜する必要がある。
【0012】
従って、成膜温度(基板温度)が高い、減圧または常圧CVD法のような熱CVD法は、使用できず、低温で成膜可能なプラズマCVD法によりシリコン窒化膜を成長する方法が用いられる。しかし、プラズマCVD法によりシリコン窒化膜を形成する場合、ゲートにプラズマダメージが生じる場合があった。
【0013】
このような問題を改善するものとして、特開2000−217193号公報に、触媒−CVD(Catalytic−CVD、以下Cat−CVDと略す)法によりシリコン窒化膜を形成する例が開示されている。以下、図面を用いて、特開2000−217193号公報(特許文献1および非特許文献2等)に開示されている技術をもとにサリサイドで製造されたp型MOSFET(Metal Oxide SemiconductorField Effect transistor)の構造と製造方法とを図面を用いて説明する。
【0014】
P型シリコン基板100上に、素子分離領域101を形成し、素子分離領域101で囲まれた領域に通常のイオン注入法によりn型の不純物をイオン注入してn型の不純物領域であるn型ウェル102を形成する(図6(a))。その後、基板上にゲート絶縁膜103となる絶縁膜を形成する。
【0015】
ゲート絶縁膜103は、シリコン酸化膜が用いられてきたが、ゲートポリシリコン電極に導入するボロンのチャネルへの拡散(突き抜け)を防止する等の理由で、近年では、酸窒化シリコン膜を使う場合もある。酸化膜の場合、熱酸化法で形成されることが多く、酸窒化シリコン膜の場合は、熱酸化法を用いて酸化膜を形成し、その後、窒化雰囲気中で熱処理することで酸窒化シリコン膜とする方法が広く用いられている。
【0016】
その後、多結晶シリコン膜を形成し、通常のフォトリソグラフィー法とドライエッチング法を用いてゲート電極104を形成する(図6(b))。
【0017】
その後、第1の側壁絶縁膜105となるシリコン酸化膜を、ゲート電極側面を覆うように形成した後、ボロンまたはインジウムイオンなどを注入することで、ソース・ドレイン拡張領域106を形成する(図6(c))。
【0018】
次に、シリコン窒化膜を熱CVD法により成膜し、ドライエッチングによりゲート電極104の側壁部にのみ第1の絶縁膜と第2の絶縁膜を残し、第2の側壁絶縁膜107を形成する。その後、ボロン、または、フッ化ボロンイオンを注入熱処理することでソース・ドレイン領域108を形成する(図7(a))。
【0019】
その後、基板の表面に高融点金属を形成し、熱処理を行い、シリコン膜が露出した面に高融点金属シリサイド109を形成し、未反応の高融点金属を除去し、更に、熱処理を行い低抵抗化する、サリサイドでゲート・ソースおよびドレイン電極となる高融点金属シリサイドを形成する(図7(b))。高融点金属としては、チタン、コバルトが良く用いられている。非特許文献2では、コバルトを適用し、コバルトシリサイド膜をゲート電極およびソース・ドレイン領域表面に形成している。
【0020】
その後、ストッパー膜となる第1の層間絶縁膜(ライナー膜)110をシリコン窒化膜で(図7(c))、第2の層間絶縁膜111を形成する(図8(a))。
【0021】
その後、層間絶縁膜にフォトレジスト膜(不図示)を形成し、通常のフォトリソグラフィー法を用いてコンタクトホールの開孔を形成するための開口をフォトレジストに形成し、該開口から通常のドライエッチング法を用いてコンタクトホールを形成し、コンタクトホールにメタルを埋め込み、コンタクトプラグを形成する(図8(b))。
【0022】
コンタクトプラグはコンタクトホールに接するように窒化チタン膜112を形成した後、例えば、タングステン113等の金属を埋め込むことが多い。
【0023】
その後、コンタクトプラグ上に配線114を形成する(図8(c))。
【0024】
特許文献1では、ゲート電極となるポリシリコン側壁に形成する第2の側壁絶縁膜107および第1の層間絶縁膜111の成膜をCat−CVD法で成膜している。
【0025】
次に、Cat−CVD法について説明する。
【0026】
Cat−CVD法は、図10に示すように、反応炉に形成された、原料ガス導入口801より、原料ガスを導入し、通電加熱されたフィラメント802と原料ガスとの触媒反応を利用して、基板803に膜を形成する方法で、基板温度を下げて成膜することが可能となる成膜方法である。
【0027】
シリコン窒化膜を成膜する場合、原料ガスとしてモノシラン(SiH4)や、ジシラン(Si26)等を、また窒素の原料ガスとしては窒素ガス(N2)やアンモニア(NH3)を用いることができ、触媒体として、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
【0028】
図11は、原料ガスとして、モノシランとアンモニアを用い、触媒作用を有するタングステンタングステンフィラメント部に電流を流して加熱することで、タングステンフィラメント部を通過するモノシランおよびアンモニウムが分解し、基板上にシリコン窒化膜(SiN膜)が成膜される状態を模式的に示したものである。
【0029】
特許文献1では、SiH4の流量を1sccm、NH3の流量を40sccmとし、基板温度は300℃、触媒体の温度は1700℃の条件でシリコン窒化膜を成膜している。
【0030】
この結果、基板温度を300℃まで下げることが可能となり、窒化シリコン膜の被膜特性の改善、成膜温度の低温化がはかられ、プラズマダメージがなく、p型MOSトランジスタのゲート電極を構成するポリシリコン中の不純物ボロンが、ゲート絶縁膜を突き抜けることによるしきい値電圧変動や、シリサイド凝集によるコンタクト抵抗の上昇などの問題を回避することが可能となった。
【特許文献1】特開2002−217193号公報
【特許文献2】特開2002−343962号公報
【非特許文献1】D.K.Shroder and J.A.Babcock,“Negative bias temperature instability : Road to cross in submicron silicon semiconductor manufacturing.”,Journal of Applied Physics,Vol.94,number 1,p.1−18(2003)
【非特許文献2】K.Ichinose, et al, “A High Performance 0.12 μm CMOS with Manufacturing 0.18μm Technology.”,2001 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers,p.103−104,(2001)
【非特許文献3】H.Matsumura,“Silicon nitride produced by catalytic chemical vapor deposition method.” Journal of Applied Physics,Vol.66,number 8,p.3612−3617
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
特許文献1では、Cat−CVD法でシリコン窒化膜を形成することで、成膜時の基板温度を下げることで、シリサイドの凝集による抵抗の上昇と、ゲートの電極として用いるポリシリコン中のボロンが、シリコン窒化膜の成膜時の熱によりゲート絶縁膜を通過して、基板の表面濃度を変化させ、しきい値電圧を上昇させるボロンの突き抜けを抑制する効果があった。
【0032】
一方、半導体集積回路装置の微細化が進み、ゲート絶縁膜が薄膜化されている。このために、ゲート絶縁膜に印加される電界が高くなってきている。特に、pMOSFETに高温下で負バイアス(pMOSFETでは、ゲート負バイアスが順バイアスとなる)が印加されると閾値電圧が上昇し、飽和ドレイン電流およびキャリア移動度が低下する、NBTI(Negative Bias Temperature Instability)と呼ばれる現象が発生(非特許文献1参照)する。ゲート絶縁膜が薄膜化するとNBTI寿命が素子の寿命を律速することが知られている。
【0033】
図9は、NBTIが発生する原因を説明する図である。ゲートの側壁に形成された窒化シリコンからなる第2の側壁絶縁膜107およびライナー膜110は、膜中に大量のSi−H結合を含有し、このSi−H結合から解離したH(水素)がゲート絶縁膜に到達する。ゲート絶縁膜のSiO2またはその窒化膜と基板との界面には、Siの未結合手が存在し、キャリア捕獲準位を形成している。その量を低減するために水素雰囲気による400〜450℃程度の熱処理をし、Siの未結合手を水素で終端することが良く行われている。Si−H結合から解離した、遊離水素が、ゲート絶縁膜に到達し、Si未結合手を終端していた水素と反応し、Siから水素を奪うことで、Si未結合手が再度生成する。すなわち、界面準位密度が増加するものと推測されている。
【0034】
今後の配線の微細化に伴い、ゲート絶縁膜が更に薄膜化することが予想され更なる改善が望まれている。
【0035】
この原因は、まだ完全に解明されていないが、実験的には、上記、ライナー膜中のSi−H結合量が多いと、促進されることが知られている(参考文献2)。
【0036】
更に、ゲート電極と接するシリコン窒化膜中の水素含有量を低減することでNBTI寿命を改善できることが特開2002−343962号公報に示されている。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本発明は、半導体基板上に配置されたMOS型電界効果トランジスタを含む半導体集積回路装置であって、MOS型電界効果トランジスタのゲート電極に接するか、または、薄膜を介して配置された複数の絶縁膜の少なくとも一方の絶縁膜に含有されるSi−H結合量が、1×1021cm-3以下であることを特徴とする半導体集積回路装置である。更に、薄膜を介して配置される絶縁膜が、ゲート電極の側面に形成されたシリコン窒化膜であるか、または、ゲート電極に接する絶縁膜が、ゲート電極、ソースおよびドレインを覆うシリコン窒化膜であり、少なくとも一方のシリコン窒化膜中に含まれるSi−H結合量が、1×1021cm-3以下の絶縁膜であることを特徴とするものである。
【0038】
本発明は、半導体基板上形成された素子分離領域により区分された領域に電界効果トランジスタを形成する半導体集積回路装置の製造方法であって、素子分離領域により区分された領域にゲート絶縁膜を形成する工程と、ゲート電極を形成する工程と、ゲート電極の側面に側壁シリコン窒化膜を形成する工程と、ソース・ドレイン領域を形成する工程と、その後、シリコン窒化膜を形成する工程とを少なくとも有し、側壁シリコン窒化膜、または、シリコン窒化膜の、少なくとも一方のシリコン窒化膜のSi−H結合濃度が1×1021cm-3以下になるように形成することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法である。
【0039】
側壁シリコン窒化膜、または、ゲート電極に接してソース・ドレインを覆うシリコン窒化膜成膜後、成膜温度以上の熱処理温度で熱処理する工程を有していることが好ましい。
【0040】
更に、本発明は、ゲート電極を形成する工程が、少なくとも金属膜を形成する工程と、シリコン窒化膜を形成する工程と、シリコン窒化膜層を所望の形状にパターン形成し、パターンをマスクとしてエッチングによりゲート電極を形成する工程とからなり、窒化シリコン膜が、触媒によって原料ガスを分解することで膜構成粒子を前記半導体基板上に化学気相成長法により形成される、あるいは、窒化膜の形成が、熱CVD法であって、成膜温度以上の熱処理温度で熱処理する工程を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0041】
少なくともライナー膜または第2の側壁絶縁膜として、Si−H結合が1×1021cm-3以下のシリコン窒化膜を用いることでp型MOSFETのNBTI寿命を10年以上に改善でき、半導体集積回路装置の寿命を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
基本的な製造方法および構造は従来技術で説明したものと同様である。本実施の形態で従来技術と異なる点について下記に列記する。尚、該当する従来技術の図面番号を付記しているが、本発明を制限するものではなく、理解の補助の為のものであることは言うまでもない。
【0043】
本実施の形態では、ゲート絶縁膜として、シリコン酸窒化膜をシリコン酸化膜の膜厚に換算して1.5nmの厚さに形成した。
【0044】
ゲート電極となる多結晶シリコン膜として、膜厚130nmの多結晶シリコン膜を通常のCVD法で形成した(図6(b))。
【0045】
第1の側壁絶縁膜として膜厚10nmのシリコン酸化膜を、第2の側壁絶縁膜として膜厚80nmのシリコン窒化膜を形成した。
【0046】
第1の側壁形成後、ボロンをイオン注入し、ソース・ドレインの延長部分を形成した(図6(c))。ここでは、浅いPN接合を形成するために、イオン注入エネルギーを0.4KeVとした。ここで、基板の法線から傾けた方向から、基板半導体と同一導電型を形成しうる不純物(As、Pなど)をイオン注入することで、ソース・ドレイン延長部分の周囲にHalo領域などと呼ばれる選択的に基板不純物濃度の高い領域を形成するとよい。これにより、いわゆる短チャネル効果の抑制が得られ、素子の微細化に有利である。
【0047】
第2の側壁形成後(図7(a)))、ソース・ドレイン領域形成のため、フッ化ボロンをイオン注入し、高温短時間の熱処理で活性化する。
【0048】
高融点金属を成膜・熱処理してゲート電極表面およびソース・ドレイン領域表面に選択的にシリサイド膜を形成し、未反応の金属を選択的に除去する(図7(b))。
【0049】
シリサイドの種類には、TiSi2、CoSi2、NiSiが適用可能である。しかし、NiSiは、前記のように耐熱性TiSi2、CoSi2より低いため、シリサイド形成以降の工程温度を500℃以下に抑制することが必要である。
【0050】
また、サリサイドプロセスでは、遷移金属を成膜後、引き続き、シリサイド化を目的とした熱処理前に窒化チタニウム膜を適当な膜厚で成膜することもよい。この窒化チタニウムは、熱処理後に選択的に除去する。
【0051】
次に、第1の層間絶縁膜(ライナー膜あるいはエッチングストッパー膜)として膜厚40nmのシリコン窒化膜を形成(図7(c))後、第2の層間絶縁膜として膜厚500nmのシリコン酸化膜を形成した(図8(a))。
【0052】
コンタクトホールは、膜厚10nmの窒化チタン膜をコンタクトホールに形成した後、タングステンを通常のCVD法で埋め込んで形成した(図8(b))後、アルミ配線を形成した(図8(c))。
【0053】
第2の側壁絶縁膜および第1の層間絶縁膜としてシリコン窒化膜を用いるが、本実施例では、シリコン窒化膜の成膜は、Cat−CVD法あるいは、熱CVD法で成膜したシリコン窒化膜を用いた。
【0054】
第2の側壁絶縁膜の形成には、シラン、ジシランをSi原料とする熱CVD法を適用することが可能であり、成膜温度を600℃程度で形成する。また、第2の側壁絶縁膜の形成に、Hexa−chloride−disilane(HCD)をシリコン原料ガスとして適用した場合、500℃以下の温度で原料を分解・成膜することが可能となる。
【0055】
第2の側壁絶縁膜の形成工程での基板温度を700℃以下に抑制することで、ポリシリコンで形成したゲート電極に既に導入されている不純物が、基板シリコンに拡散することを抑制可能となる。つまり、ゲート電極に既に導入されている不純物が、ボロンなどのゲート絶縁膜中を通過し基板シリコンに拡散して、閾値電圧の変動や界面準位増加を抑制すること可能となる。
【0056】
また、第1の層間絶縁膜の工程は、その下層に配置される材料の耐熱性を考慮しなければならない。まず、サリサイドとしてTiSi2やCoSi2を採用した場合には、シランまたは、ジシランをSi原料とする熱CVD法により、成膜時の基板温度を700℃以下でシリコン窒化膜を成膜するのがよい。また、サリサイドとしてNiSiを適用した場合、Cat−CVD法または、HCDをSi原料とした熱CVD法により450℃以下の基板温度にてシリコン窒化膜を成膜するのがよい。
【0057】
第1の層間絶縁膜としては、段差被覆性が許す限り、プラズマCVD法により450℃以下の基板温度にてシリコン窒化膜を適用しても良い。
【0058】
尚、上述の製造方法および構造は、一般的な製造方法および構造を模式的に説明したもので、本発明の主旨の範囲以内で種々の変形が行われても良いことは言うまでもない。
【実施例】
【0059】
(実施例1)
本実施例では、側壁絶縁膜を熱CVD法で成膜し、ライナー膜をCat−CVD法にて成膜した。本実施例では、サリサイドにNiSiを適用した。
【0060】
まず、前記実施の形態で述べた方法により第2の側壁絶縁膜の形成前まで工程をすすめる。
【0061】
第2の側壁絶縁膜は、前述のようにHCDをSi原料とする熱CVD法により、基板温度450℃で、膜厚80nmにて成膜した後、異方性ドライエッチングにより第2の側壁絶縁膜を形成した。
【0062】
Niをスパッタ法にて、8nm成膜した後、450℃、30秒の熱処理によりNiSiをゲート電極およびソース・ドレイン領域表面に自己整合的に形成した。次に、Cat−CVD法にて、ライナー膜を40nm成膜した。Cat−CVDの成膜条件は、一度、1×10-6Pa程度の圧力まで成膜炉内を排気した後、触媒(タングステンフィラメント)に電流を流して加熱した。原料ガスとしては、モノシラン12sccmとアンモニア300sccmとし、成長炉の圧力は5Paとし、基板温度を100〜200℃、タングステンフィラメントの温度(触媒温度)を1700〜2100℃に変えて成膜した。
【0063】
本実施例では、ライナー膜に含有されるSi−HおよびN−H結合量の含有率とSi−H結合量とp型MOSFETのNBTI寿命との関係を調べた。
【0064】
Si−H結合量およびN−H結合量の測定には、NBTI寿命を測定する素子を作製する条件と同一条件で、別途、Si基板上にシリコン窒化膜を成膜し測定した。シリコン窒化膜中のSi−H結合濃度およびN−H結合濃度は、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR:Fourier Transform Infrared Spectrometer)で得た赤外分光分析スペクトルのSi−H起因のピーク面積から算出した。尚、赤外分光分析スペクトルは、膜の組成を特徴付ける上で重要な化学結合(Si−H、Si−O、Si−N、Si−F、Si−OHおよびN−Hなど)が、特定の波長の赤外線に対して強い吸収を持ち、Si基板は赤外線に対してほぼ透明であるので、これを利用して、膜質の評価する方法であり、分子に外部からその固有振動数に相当する振動数をもつ赤外線を照射すると、試料はその赤外線を吸収して、振動エネルギー準位の基底準位から励起準位へと遷移する。この赤外線の吸収スペクトルを測定し、吸収スペクトルのピーク面積から結合の量を測定するものである。
【0065】
以下の実施例の結合量の測定は全て、上述のフーリエ変換赤外分光法を用いて測定を行なった。
【0066】
図1は、Si−HおよびN−H結合量とCat−CVDの成膜条件との関係を示す図である。図2は、Si−H結合量とp型MOSFETのゲート電圧−1.1VにおけるNBTI寿命との関係を示す図である。
【0067】
寿命の判定基準は、125℃における閾値電圧の変動が30mVを判定基準として測定を行なった。
【0068】
尚、以下の実施例で、NBTI寿命は全て上記の条件で行なったものである。
【0069】
図1により、シリコン窒化膜中のSi−H結合量およびN−H結合量は、この基板温度の範囲では、基板温度に依存せず、触媒温度(Catalyst Temperature)に依存することがみてとれる。
【0070】
図2より、シリコン窒化膜中のSi−H結合量が、1×1021cm-3以下の条件下で10年のNBTI寿命が確保されている。図1によれば、触媒温度が1900℃であればよいことがわかる。
【0071】
本実施例では、触媒としてタングステンを用いているが、モリブデン等の他の高融点金属、及び高融点金属とPt族のような貴金属との合金などを用いてもよいことはいうまでも無い。
【0072】
(実施例2)
本実施例は、第2の側壁絶縁膜と第1の層間絶縁膜をCat−CVD法で成膜した例である。Cat−CVDの条件は、Si−H結合量が、1×1021cm-3以下となる、基板温度200℃、触媒温度1900℃の条件とした。膜厚は、80nmとした。サリサイドには、NiSiを適用した。
【0073】
図3に、NBTI寿命を評価した結果を示す。第2の側壁絶縁膜を熱CVDで形成し、第1の層間絶縁膜をCat−CVD法で成膜した実施例1の場合と比較すると、第2の側壁絶縁膜をCat−CVD法で成膜することによって、NBTI寿命を延ばすことができる。
【0074】
また、第2の側壁絶縁膜をCat−CVD法で形成し、第1の層間絶縁膜として、シリコン窒化膜を、HCDをシリコンの原料とした熱CVD法で40nm成膜した場合のNBTI寿命は、図3に示されるように、第2の層間絶縁膜と第1の層間絶縁膜とをともにCat−CVD法で形成した例と一致した。
【0075】
これにより、第2の側壁絶縁膜にSi−H結合量が少ないシリコン窒化膜を適用することは、第1の層間絶縁膜にSi−H結合量が少ないシリコン窒化膜を適用するより効果が高いことが分る。
【0076】
(実施例3)
本実施例は、前記本発明の実施形態の内、第1の層間絶縁膜を成膜した後、熱処理を加えることを特徴とする。
【0077】
本実施例を説明するにあたり、シリコン窒化膜を各種の温度で熱処理した場合の膜中に残留するSi−H結合量およびN−H結合量を調べた。
【0078】
シリコン窒化膜は、Cat−CVD法でシリコン基板上に直接成膜した。
【0079】
Cat−CVDの条件は、基板温度を100℃、タングステンの触媒温度を2000℃とした。
【0080】
成膜後の熱処理条件は次のようである。
【0081】
熱処理時間を30秒とし、熱処理温度を400〜800℃に変えた。熱処理前後のSi−H結合量およびN−H結合量を測定し、初期量に対する熱処理後の量を、熱処理温度に対してプロットした結果を図4に示す。Si−H結合量は、450℃の熱処理後も90%残留しているのに対して、500℃以上の熱処理によって、60%以下の残留量になった。また、N−H結合量に着目すると、その残留量が60%程度になるのは、800℃の熱処理後であった。
【0082】
上記結果を踏まえて、サリサイドにCoSi2を適用し、第1の層間絶縁膜としてCat−CVDで成膜したシリコン窒化膜成膜した後、熱処理した実施例について説明する。
【0083】
第2の側壁絶縁膜形成までは、実施の形態で述べた方法で形成した。第2の側壁絶縁膜のシリコン窒化膜は、HCDをシリコン原料とし、成膜温度450℃で、熱CVD法を用いて80nm成膜した。
【0084】
Coを9nmとそれに引き続き窒化チタニウムを15nm成膜して、500℃で30秒熱処理した。CoSi2の低抵抗化を目的として、窒化チタニウムと未反応のCoを選択的に除去した後、800℃で10秒熱処理した。
【0085】
その後、Cat−CVD法で、シリコン窒化膜からなる第1の層間絶縁膜を40nm成膜した。成膜条件は、基板温度を100℃、触媒温度を1800℃を用いた。
【0086】
熱処理を800℃で行い、実施の形態に述べた方法で配線をおこなった。
【0087】
NBTI寿命を評価したところ10年以上の寿命を得た。
【0088】
また、第1の層間絶縁膜であるシリコン窒化膜のCat−CVD成膜時の触媒温度を2000℃で行った場合、および、成膜後の熱処理を500℃で行った場合も実施し、そのNBTI寿命を評価した結果もあわせて図5に示した。側壁絶縁膜およびライナー膜のシリコン窒化膜を、減圧CVD法を用いて成膜した例(熱処理なし)を比較例として用いた。
【0089】
触媒温度1800℃および2000℃で成膜した後、500℃で熱処理すると、Si−H結合量は、ともに初期量の50〜60%になっている。このことと、図1の結果を考慮すると、1800℃より高い温度で成膜した後、500℃以上で熱処理することで、シリコン窒化膜中のSi−H結合量を1×1021cm-3程度にすることが可能であることがわかる。その上、Si−H結合量が、1×1021cm-3程度の膜中残量であれば、N−H結合量が、1×1022cm-3程度残留していても10年の寿命を確保できることが分る。
【0090】
また、触媒温度を1800℃より高く設定し、残留Si−H結合量を1×1021cm-3程度にすることのみでも10年の寿命を確保することができることも分る。
【0091】
尚、水素濃度が高いプラズマCVD法を用いてSi−H結合が、2×1022/cm3以上のシリコン窒化膜を成膜し、その後、不活性ガス雰囲気中で、800℃、30秒の熱処理を行なった後で、Si−H結合の量を測定すると、Si−H結合は、1×1021cm-3以下になることがわかった。
【0092】
Si−H結合量が1×1021cm-3以上含まれたシリコン窒化膜であっても、成膜温度以上の温度で熱処理を行なうことで、NBTI寿命に関係するSi−H結合量を下げることができることがわかる。熱処理時間は、成膜直後のSi−H結合量で変えることができることは言うまでもない。
【0093】
尚、成膜温度とは、シリコン窒化膜を成膜する際の基板の温度を成膜温度と称している。
【0094】
(実施例4)
本実施例は、実施の形態で説明したゲート電極の材質および構造を変えた例である。
配線の微細化が更に進むと、上述のポリシリコンゲート電極のポリシリコン・シリサイド構造ではゲート電極の抵抗が高くなることが予想され、ポリシリコン・金属構造(図12(a))が検討されている。また、ゲート電極をポリシリコンとしてゲート電極に順バイアス電圧を印加した場合にゲート電極内に空乏層が形成されて、電流駆動能力の劣化させているのを改善するために、ゲート絶縁膜に接するゲート電極を金属とし、その上にポリシリコンを積層した金属・ポリシリコン構造(図12(b))および金属構造(図12(c))のゲート電極も検討されている(図12(c))。
【0095】
図12(a)のポリシリコン・金属構造のゲート電極は、半導体基板900上にゲート絶縁膜901が形成され、ゲート絶縁膜901上にポリシリコン層904、金属層905およびシリコン窒化膜の層906がこの順に形成され、ゲート電極の側面にシリコン酸化膜からなる第1の側壁絶縁膜902と第1の側壁絶縁膜上にシリコン窒化膜からなる第2の側壁絶縁膜が形成された構造である。図12(b)は、ポリシリコン層904と金属層905の順序が逆になり、ゲート絶縁膜901上に、金属層905とポリシリコン層904がこの順に形成されている。金属構造のゲート電極は、図12(c)に示す構造で、ポリシリコン・金属構造のゲート電極構造との違いは、ゲート電極が絶縁膜上に、金属層905とシリコン窒化膜の層906がこの順で形成されている点だけである。
【0096】
金属・ポリシリコン構造のゲート電極は、図12(a)および図12(b)に示す構造で、ポリシリコン層および金属層の膜厚は、製造工程の都合にあわせて決めるのが好ましい。
【0097】
ゲート電極に金属を用いる場合、ドライエッチングのマスクにフォトレジスト膜を用いることが困難になり、この場合、窒化シリコン膜をマスクに用いるため、金属上にシリコン窒化膜の層が残存する。
【0098】
金属上にシリコン窒化膜を成膜する場合、成膜温度を高温で行なうことが困難な場合が多く、ハードマスクとなるシリコン窒化膜は、Cat−CVD法を用いて形成するか、低温度で熱CVD法を用いて成膜し、400〜450℃の温度で熱処理を行なってシリコン窒化膜中のSi−H濃度を下げることが好ましい。
【0099】
熱処理は、シリコン窒化膜を形成後行っても、ゲート電極を形成後におこなっても良いことはいうまでもない。
【0100】
(実施例5)
現在、ゲート絶縁膜にシリコン酸化膜・シリコン酸窒化膜より誘電率が高い金属酸化物(以下、酸化物膜、以下、高誘電率膜と称す。)を適用する技術が報告されている。その材料としては、Al23、HfO2およびそれにAlやSiを混合させたもの、ZrO2、LaおよびLa系元素(ランタノイド)の酸化物がある。また、上記金属酸化物をアンモニア雰囲気または、アンモニアプラズマにより窒化した高誘電率膜も知られている。本発明では、この高誘電率膜をゲート絶縁膜に適用しても、その効果を得ることができる。なぜなら、NBTI劣化は、基板界面のSi未結合手の発生によるものであり、高誘電率膜のゲート絶縁膜は、シリコン基板との界面にシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜が存在する構造で用いられるため、これまで、説明してきた方法によりNBTI劣化を抑制できるためである。
【0101】
上記高誘電率膜をゲート絶縁膜に適用した場合、ゲート絶縁膜とシリコン基板との界面には、シリコン酸化膜が形成されることが多い。すなわち、ゲート絶縁膜は、高誘電率膜とシリコン酸化膜を界面に配置した積層構造となる。よって、製造工程であらかじめシリコン基板表面に、界面膜として、1nm程度以下のシリコン酸化膜、または、シリコン酸窒化膜を形成し、次に、高誘電率膜を形成することで、膜構造を制御できることが知られている。界面膜の膜厚は、1nm以下が好ましいが、積層する高誘電率膜の誘電率を考慮して設定するのが良い。
【0102】
高誘電率膜として、HfO2にSiを混合させかつ窒化したHfSiONを用いた例について説明する。電界効果トランジスタを構成する他の部分の製造方法は、既に述べた方法を適宜採用するので、ここでは、ゲート絶縁膜の製造方法に限って説明する。
【0103】
シリコン基板上に0.7nmのシリコン酸化膜を、シリコン基板表面を熱酸化して形成する。次に、CVD法で、HfSiO膜を2.3nm成膜する。ここで、HfとSiとの組成比は、1:1とした。引き続き、アンモニア雰囲気で熱処理することで、HfSiO膜をHfSiON膜にする。
【0104】
高誘電率膜成膜後の工程で、成膜温度以上の温度で熱処理することも、膜質改善に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】Si−HおよびN−H結合量とCat−CVDの成膜条件との関係を示す図。
【図2】Si−H結合量とp型MOSFETのNBTI寿命との関係を示す図。
【図3】構成の違いとNBTI寿命との関係を示す図。
【図4】熱処理温度を変えた際の膜中のSi−HおよびN−H結合の変動量を示す図。
【図5】熱処理時間とNBTI寿命との関係を示す図。
【図6】MOSFETの製造方法を示す模式的工程断面図。
【図7】MOSFETの製造方法を示す模式的工程断面図。
【図8】MOSFETの製造方法を示す模式的工程断面図。
【図9】NBTI寿命を説明する図。
【図10】Cat−CVDを説明する図。
【図11】Cat−CVD法でシリコン窒化膜が成膜される状態を説明する模式図。
【図12】本発明のMOSFETの変形例を示す図。
【符号の説明】
【0106】
100 P型シリコン基板
101 素子分離領域
102 n型ウェル
103 ゲート絶縁膜
104 ゲート電極
105 第1の側壁絶縁膜
106 ソース・ドレイン拡張領域
107 第2の側壁絶縁膜
108 ソース・ドレイン領域
109 高融点金属シリサイド
110 第1の層間絶縁膜(ライナー膜)
111 第2の層間絶縁膜
112 窒化チタン膜
113 タングステン
114 配線
801 原料ガス導入口
802 フィラメント
803 基板
900 半導体基板
901 ゲート絶縁膜
902 第1の側壁絶縁膜
903 第2の側壁絶縁膜
904 ポリシリコン層
905 金属層
906 シリコン窒化膜の層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に配置されたMOS型電界効果トランジスタを含む半導体集積回路装置であって、
前記MOS型電界効果トランジスタのゲート電極に接するか、または、薄膜を介して配置された複数の絶縁膜の少なくとも一方の絶縁膜に含有されるSi−H結合量が、1×1021cm-3以下であることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記薄膜を介して配置される絶縁膜が、前記ゲート電極の側面に形成されたシリコン窒化膜であるか、または、前記ゲート電極に接する絶縁膜が、前記ゲート電極、ソースおよびドレインを覆うシリコン窒化膜であり、少なくとも一方のシリコン窒化膜中に含まれるSi−H結合量が、1×1021cm-3以下の絶縁膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
半導体基板上形成された素子分離領域により区分された領域にMOS型電界効果トランジスタを形成する半導体集積回路装置の製造方法であって、
前記素子分離領域により区分された領域にゲート絶縁膜を形成する工程と、
ゲート電極を形成する工程と、
ゲート電極の側面に側壁シリコン窒化膜を形成する工程と、
ソース・ドレイン領域を形成する工程と、
その後、シリコン窒化膜を形成する工程とを少なくとも有し、
前記側壁シリコン窒化膜、または、前記シリコン窒化膜の、少なくとも一方のSi−H結合濃度が1×1021cm-3以下になるように形成することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項4】
前記側壁シリコン窒化膜、または、前記ゲート電極、ソースおよびドレインを覆うシリコン窒化膜の、少なくとも一方は、触媒によって原料ガスを分解することで膜構成粒子を前記半導体基板上に形成されることを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項5】
前記触媒の温度が1800℃を越える温度であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記半導体基板の温度が450℃以下であることを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項7】
前記側壁シリコン窒化膜、または、前記前記ゲート電極、ソースおよびドレインを覆うシリコン窒化膜の成膜後、その成膜温度以上の熱処理温度で熱処理する工程を備えることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記熱処理温度が、450〜800℃であることを特徴とする請求項7に記載の半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項9】
前記ゲート電極を形成する工程が、
少なくとも金属膜を形成する工程と、
シリコン窒化膜を形成する工程と、
前記シリコン窒化膜層を所望の形状にパターン形成し、前記パターンをマスクとしてエッチングによりゲート電極を形成する工程とからなり、
前記窒化シリコン膜が、触媒によって原料ガスを分解することで膜構成粒子を前記半導体基板上に化学気相成長法により形成されることを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項10】
前記ゲート電極を形成する工程が、
少なくとも金属膜を形成する工程と、
シリコン窒化膜を形成する工程と、
前記シリコン窒化膜層を所望の形状にパターン形成し、前記パターンをマスクとしてエッチングによりゲート電極を形成する工程とからなり、
前記窒化膜の形成が、熱CVD法であって、前記成膜温度以上の熱処理温度で熱処理する工程を備えることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記熱処理が、前記シリコン膜を形成後、前記ゲート電極の形成前あるいは前記ゲート電極形成後に行われることを特徴とする請求項10に記載の半導体集積回路装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−269673(P2006−269673A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84603(P2005−84603)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】