説明

半導体装置の製造方法

【課題】薄いニッケル膜を用いてシリコンゲルマニウム層をシリサイド化する場合であっても、シート抵抗の上昇や接合リーク電流の増加を抑制し得る半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板34上にゲート電極54pを形成する工程と、ゲート電極の両側の半導体基板内にソース/ドレイン拡散層64pを形成する工程と、ソース/ドレイン拡散層にシリコンゲルマニウム層100bを埋め込む工程と、シリコンゲルマニウム層の上部にアモルファス層101を形成する工程と、アモルファス層上にニッケル膜66を形成する工程と、熱処理を行い、ニッケル膜とアモルファス層とを反応させることにより、シリコンゲルマニウム層上にシリサイド膜102bを形成する工程とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に係り、特にニッケルを用いたシリサイド化が行われる半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲート電極やソース/ドレイン拡散層の低抵抗化を図る技術として、これらの表面に自己整合的に金属シリサイド膜を形成する、いわゆるサリサイド(Self-Aligned Silicide)プロセスが知られている。
【0003】
サリサイドプロセスにおいてシリコンと反応させる金属材料としては、コバルト(Co)が広く用いられていた(特許文献1参照)。
【0004】
近時では、半導体装置の微細化に伴ってゲート長が非常に短くなる傾向にある。
【0005】
ゲート長が非常に短いゲート電極を、コバルト膜を用いてシリサイド化した場合には、ゲート電極の抵抗のばらつきが急激に増加する現象が確認されている。
【0006】
このようなコバルトシリサイドに対して、ニッケルシリサイドは、ゲート長を非常に短くした場合であってもゲート電極の抵抗のばらつきが小さいという利点を有することから、大きな注目を集めている。
【0007】
一方、PMOSトランジスタにおけるキャリア(正孔)の移動度はNMOSトランジスタにおけるキャリア(電子)の移動度より低いため、単にPMOSトランジスタを形成した場合には、PMOSトランジスタにおいて十分に速い動作速度が得られない場合がある。
【0008】
そこで、PMOSトランジスタのソース/ドレイン領域にシリコンゲルマニウム層(Si1−xGe層)を埋め込むことにより、PMOSトランジスタのチャネル領域に圧縮歪みを加え、これによりPMOSトランジスタにおけるキャリア(正孔)の移動度を向上させ、PMOSトランジスタの動作速度を向上させる技術が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−251967号公報
【特許文献2】米国特許第6621131号明細書
【特許文献3】特開2002−237466号公報
【特許文献4】特開2001−53027号公報
【非特許文献1】J. Seger et al., "Morphological instability of NiSi1-uGeuon single-crystal and polycrystalline Si1-xGex", J. Appl. Phys., Vol. 96, No. 4, pp. 1919-1928 (2004)
【非特許文献2】Anne Lauwers et al., "Materials aspects, electrical performance, and scalability of Ni silicide towards sub-0.13 μm technologies", J. Vac. Sci. Technol., B, Vol. 19, No. 6, pp. 2026-2037 (2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
半導体装置の微細化、高集積化に伴い、ソース/ドレイン拡散層の接合深さが浅くなっているため、ニッケルシリサイド膜も非常に薄く形成する必要がある。シリサイド膜を厚く形成した場合には、ソース/ドレイン拡散層の接合部とシリサイド膜との間における電界が強くなり、接合リーク電流の増加を招いてしまうためである。
【0010】
しかし、単に薄いニッケル膜を用いてシリコンゲルマニウム層をシリサイド化した場合には、シート抵抗が増加してしまう場合があった。また、単に薄いニッケル膜を用いてシリコンゲルマニウム層をシリサイド化した場合には、シリサイド膜の下部にNi(Si1−xGe結晶がソース/ドレイン拡散層の接合部の近傍まで達するようにスパイク状に形成され、接合リーク電流が増加してしまう場合があった。
【0011】
本発明の目的は、薄いニッケル膜を用いてシリコンゲルマニウム層をシリサイド化する場合であっても、シート抵抗の上昇や接合リーク電流の増加を抑制し得る半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一観点によれば、半導体基板上に、ゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極の両側の前記半導体基板内に、ソース/ドレイン拡散層を形成する工程と、前記ソース/ドレイン拡散層に、シリコンゲルマニウム層を埋め込む工程と、前記シリコンゲルマニウム層の上部に、アモルファス層を形成する工程と、前記アモルファス層上に、ニッケル膜を形成する工程と、熱処理を行い、前記ニッケル膜とアモルファス層とを反応させることにより、前記シリコンゲルマニウム層上にシリサイド膜を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、シリコンゲルマニウム層の上部にアモルファス層を形成し、こうして形成されたアモルファス層とニッケル膜とを反応させることによりニッケルシリサイド膜を形成する。ニッケル膜と反応するアモルファス層には結晶粒界が存在しないため、シリサイド化が均一に進行する。シリサイド化が均一に進行するため、ニッケルシリサイドが存在しない領域がシリコンゲルマニウム層上に生じるのを防止することができる。また、アモルファス層には結晶面が存在しないため、Ni(Si1−xGe結晶がスパイク状に形成されるのを防止することができる。従って、本発明によれば、シリコンゲルマニウム層を薄いニッケル膜を用いてシリサイド化する場合であっても、低いシート抵抗を得ることができ、接合リーク電流も抑制することができる。しかも、本発明によれば、ソース/ドレイン領域に埋め込まれているシリコンゲルマニウム層によりチャネル領域に圧縮歪みが加わっているため、PMOSトランジスタの動作速度の向上を図ることができる。従って、本発明によれば、良好な電気的特性を有する半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[本発明の原理]
まず、本発明の原理について図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、シリコンゲルマニウム層を薄いニッケル膜を用いてシリサイド化した場合における熱処理温度とGe組成比とシート抵抗との関係を示すグラフである。より具体的には、面方位が(100)のシリコン基板上にシリコンゲルマニウム層(Si1−xGe層)を形成し、シリコンゲルマニウム層上に膜厚20nmのNi膜を形成し、シリコンゲルマニウム層とNi膜とを反応させてシリサイド膜を形成するための熱処理を30秒行った場合における、熱処理温度とGe組成比とシート抵抗との関係を示すグラフである。なお、図1に示すグラフは、非特許文献1に記載されているものである。横軸はシリサイド化を行う際における熱処理温度を示しており、縦軸はシート抵抗を示している。□はGe組成比Xが0の場合を示しており、△はGe組成比Xが0.06の場合を示しており、▽はGe組成比Xが0.11の場合を示しており、▼はGe組成比Xが0.23の場合を示しており、▲はGe組成比Xが0.30の場合を示している。
【0016】
図1から分かるように、Geの組成比Xを大きく設定するほど、シート抵抗が著しく上昇する際の熱処理温度が低くなる傾向がある。
【0017】
このことから、ソース/ドレイン拡散層にシリコンゲルマニウム層を埋め込み、ゲート電極上にシリコンゲルマニウム層を形成し、これらシリコンゲルマニウム層を単にニッケル膜を用いてシリサイド化した場合には、ソース/ドレイン拡散層やゲート電極におけるシート抵抗の上昇を招いてしまうことがわかる。
【0018】
シリコンゲルマニウム層をニッケル膜を用いてシリサイド化した場合にニッケルシリサイド膜のシート抵抗が上昇してしまうのは、シリサイドが凝集し、シリサイドが存在しない領域が生じてしまうためと考えられる。
【0019】
図2は、シリサイドが存在しない領域が生じるメカニズムを示す概念図である。
【0020】
シリコンゲルマニウム層10上にニッケル膜を形成し、シリコンゲルマニウム層10とニッケル膜とを反応させてシリサイド膜を形成するための熱処理を行うと、シリコンゲルマニウム層10上には、図2に示すようにNi(Si1−xGe)より成る結晶粒12aが形成される。そして、熱処理が更に進行すると、結晶粒12aと結晶粒12aとの界面(結晶粒界)、結晶粒12aとシリコンゲルマニウム層10との界面、及び結晶粒12aの表面に沿うように、シリコンゲルマニウム層10や結晶粒12の構成原子であるSi、Ge及びNiが拡散する。特に、Geは拡散しやすい。そして、結晶粒12aの形状は、エネルギー的に安定な形状である球状に近づいていく。そうすると、シリコンゲルマニウム層10の表面には、結晶粒12aが存在しない領域14、即ち、シリサイドが存在しない領域14が生じることとなる。このような現象は、凝集と称される。このように、シリコンゲルマニウム層を単にニッケル膜を用いてシリサイド化した場合には、ニッケルシリサイド膜12を構成する結晶粒が存在しない領域14が生じてしまうため、シート抵抗が上昇してしまう。
【0021】
ところで、図1を用いて上述したようにシリコンゲルマニウム層上に20nmのニッケル膜を形成し、かかるニッケル膜をシリサイド化した場合には、ニッケルシリサイド膜の厚さは45nm程度となる。近時では、半導体装置の高集積化、微細化が進められており、65nmのノードテクノロジでは、ソース/ドレイン拡散層の接合深さは90nm未満と非常に浅くする必要がある。ソース/ドレイン拡散層の接合深さを90nm未満にする場合には、ニッケルシリサイド膜の厚さは26nm以下にすることが必要である。ニッケルシリサイド膜の膜厚が厚すぎると、ソース/ドレイン拡散層の接合部とニッケルシリサイド膜との間の領域において強い電界が加わり、リーク電流の増加を招いてしまうためである。ニッケルシリサイド膜の厚さを26nm以下にするためには、シリコンゲルマニウム層上に形成するNi膜の膜厚は12nm以下と非常に薄く設定する必要がある。
【0022】
図3は、シリコンゲルマニウム層上に膜厚10nmのニッケル膜を形成し、第1の温度で熱処理を行うことによりシリコンゲルマニウム層とニッケル膜とを反応させてニッケルシリサイド膜を形成し、未反応のニッケル膜をAPM(Ammonia - Hydrogen Peroxide Mixture)液とSPM(Sulfuric acid - Hydrogen Peroxide Mixture)液とを順次用いてエッチング除去し、この後、第1の温度より高い第2の温度で熱処理を更に行った場合におけるシリサイド膜のSEM(Scanning Electron Microscope)像を示す平面図である。
【0023】
なお、図3に示す試料を作成した際の具体的な製造プロセスは、以下の通りである。まず、面方位が(100)のシリコン基板上に、Geの組成比Xが0.24のシリコンゲルマニウム層(Si1−xGe層)を形成した。この後、シリコンゲルマニウム層上に、膜厚10nmのニッケル膜と膜厚10nmのTiN膜とを順次形成した。この後、400℃、30秒の熱処理(第1の熱処理)を行うことにより、シリコンゲルマニウム層とニッケル膜とを反応させ、ニッケルシリサイド膜(Ni(Si1−xGe)膜)を形成した。この後、未反応のニッケル膜を、APM液とSPM液とを順次用いてエッチング除去した。なお、APM液は、アンモニアと過酸化水素と水とが混合されて成る薬液のことである。また、SPM液は、硫酸と過酸化水素水とが混合されて成る薬液のことである。この後、500℃、30秒の熱処理(第2の熱処理)を更に行った。こうして形成されたニッケルシリサイド膜をSEMを用いて観察したところ、図3に示すようなSEM像が得られた。
【0024】
図3において色が濃くなっている箇所14は、ニッケルシリサイド膜12が存在されておらず、シリコンゲルマニウム層10(図2参照)の表面が露出している箇所を示している。
【0025】
図3から分かるように、上記のようにしてニッケルシリサイド膜12を形成した場合には、ニッケルシリサイド膜が形成されていない箇所14が多数生じてしまい、良質なニッケルシリサイド膜が得られない。また、図3に示すニッケルシリサイド膜に対してシート抵抗を測定したところ、24Ω/sq.であった。
【0026】
図4は、シリコンゲルマニウム層上に膜厚10nmのニッケル膜を形成し、熱処理を行うことによりシリコンゲルマニウム層とニッケル膜とを反応させてニッケルシリサイド膜を形成し、未反応のニッケル膜をSPM液を用いてエッチング除去した場合におけるシリサイド膜のSEM像を示す平面図である。即ち、図4は、シリコンゲルマニウム層上に10nmのニッケル膜を形成し、第1の温度で熱処理を行うことによりシリコンゲルマニウム層とニッケル膜とを反応させてニッケルシリサイド膜を形成し、未反応のNi膜をSPM液のみを用いてエッチング除去し、この後、第1の温度より高い温度での熱処理を行わない場合におけるシリサイド膜のSEM像を示す平面図である。
【0027】
なお、図4に示す試料を作成した際の具体的な製造プロセスは、以下の通りである。まず、面方位が(100)のシリコン基板上に、Geの組成比がXが0.24のシリコンゲルマニウム層(Si1−xGe層)を形成した。この後、シリコンゲルマニウム層上に膜厚10nmのニッケル膜と膜厚10nmのTiN膜とを順次形成した。この後、400℃、30秒の熱処理を行うことにより、シリコンゲルマニウム層とニッケル膜とを反応させ、ニッケルシリサイド膜を形成した。この後、未反応のニッケル膜をSPM液をエッチング除去した。APM液を用いた薬液処理は行わなかった。、また、未反応のニッケル膜をエッチング除去した後には、500℃、30秒の熱処理を行わなかった。こうして形成されたニッケルシリサイド膜をSEMを用いて観察したところ、図4に示すようなSEM像が得られた。
【0028】
図4から分かるように、上記のようにしてニッケルシリサイド膜12を形成した場合には、ニッケルシリサイド膜が形成されていない箇所14は減少しており、しかも、ニッケルシリサイド膜が形成されていない箇所14の大きさも小さくなっている。
【0029】
このことから、APM液を用いた薬液処理と、500℃の高温の熱処理とを行わないようにすれば、ニッケルシリサイド膜が形成されていない箇所14を減少させることができ、シリサイドが形成されていない箇所14のサイズを小さくし得ることが分かる。
【0030】
また、図4に示すニッケルシリサイド膜12に対してシート抵抗を測定したところ、12Ω/sq.であった。このことから、上記のようにしてニッケルシリサイド膜12を形成すれば、シート抵抗も低減されることが分かる。
【0031】
しかしながら、図4に示すニッケルシリサイド膜が形成されていない箇所14のサイズは、実際の半導体装置のソース/ドレイン領域のサイズやゲート電極のサイズと比較して必ずしも十分に小さいとはいえない。このため、半導体装置を製造する際に、ニッケルシリサイド膜が形成されない箇所14がソース/ドレイン領域上やゲート電極上に位置した場合には、ソース/ドレインにおけるコンタクト抵抗の上昇やゲート線の高抵抗化を招いてしまう。従って、高い歩留りで電気的特性の良好な半導体装置を製造するためには、シリコンゲルマニウム層が形成されていない箇所14が生じないようにすることが重要である。
【0032】
また、シリコン基板にシリコンゲルマニウム層を埋め込み、かかるシリコンゲルマニウム層上にニッケル膜を薄く形成し、シリサイド化を行うための熱処理を行った場合には、シリコンゲルマニウム層を構成する結晶の(111)面に沿ってNi(Si1−xGe結晶がスパイク状に形成されてしまう。
【0033】
図5は、シリコンゲルマニウム層を構成する結晶の(111)面に沿ってNi(Si1−xGe結晶がスパイク状に形成されている状態を示す断面図である。図5は、STEM(Scanning Transmission Electron Microscopy、走査型透過顕微鏡)を用いて観測された暗視野(Dark Field)像を示している。暗視野像では、回折波や散乱波が観測されるため、シリサイドが形成されている部分が明るく示されている像が得られる。図5における点線は、シリコンゲルマニウム層を構成する結晶の(111)面を示している。
【0034】
図5に示す試料は、以下のようにして形成されたものである。まず、面方位が(100)のシリコン基板8上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極16を形成した。次に、ゲート電極16の両側のシリコン基板8内に、シリコンゲルマニウム層10を埋め込んだ。次に、シリコンゲルマニウム層10上に膜厚12nmのニッケル膜を形成した。次に、400℃、30秒の熱処理を行うことにより、シリコンゲルマニウム層とニッケル膜とを反応させてニッケルシリサイド膜を形成した。次に、未反応のNi膜をエッチング除去した。次に、500℃、30秒の熱処理を行った。
【0035】
図5から分かるように、ニッケルシリサイド膜12の下部には、シリコンゲルマニウム層10を構成する結晶の(111)面に沿うようにNi(Si1−xGe結晶18がスパイク状に形成されている。
【0036】
このように、薄いニッケル膜を用いて単にシリコンゲルマニウム層10をシリサイド化した場合には、シリコンゲルマニウム層10の結晶面に沿ってNi(Si1−xGe結晶18がスパイク状に形成されてしまう。ニッケルシリサイド膜12の下部にNi(Si1−xGe結晶18がスパイク状に形成された場合には、Ni(Si1−xGe結晶18がソース/ドレイン拡散層(図示せず)の接合部の近傍まで達する場合があり、接合リーク電流の増加を招いてしまうこととなる。
【0037】
本願発明者らは鋭意検討した結果、シリコンゲルマニウム層の上層部をアモルファス化することにより、シリコンゲルマニウム層の上部に非晶質のシリコンゲルマニウムより成るアモルファス層を形成し、かかるアモルファス層をニッケル膜と反応させることにより、ニッケルシリサイド膜を形成することに想到した。
【0038】
図6は、本発明の原理を示す工程断面図である。
【0039】
まず、面方位が(100)のシリコン基板(図示せず)に形成されたトレンチ(図示せず)内に、ボロン等のドーパント不純物が導入されたシリコンゲルマニウム層(Si1−XGe層)10を形成する(図6(a)参照)。
【0040】
次に、シリコンゲルマニウム層10の上層部にイオン注入を行い、シリコンゲルマニウム層10の上層部をアモルファス化する。こうして、シリコンゲルマニウム層10の上層部に、非晶質のシリコンゲルマニウムより成るアモルファス層20が形成される(図6(b)参照)。
【0041】
次に、アモルファス層20上に、例えば膜厚10nmのニッケル膜22を形成する(図6(c)参照)。
【0042】
次に、シリコンゲルマニウム層10とニッケル膜22とを反応させるための熱処理を行う。図6(d)及び図6(e)に示すように、シリサイド化は徐々に進行し、アモルファス層20がシリサイド化が完了した段階、即ち、シリサイド層24の下面がシリコンゲルマニウム層10の上面に達した段階で熱処理を中止する。熱処理の初期の段階(図6(d)参照)ではNi(Si1−xGe)相のニッケルシリサイド膜24が形成され、最終的には、Ni(Si1−xGe)相のニッケルシリサイド膜24が形成される(図6(e)参照)。熱処理の初期の段階においてNi(Si1−xGe)相のニッケルシリサイド膜24が形成されるのは、Si、Geの供給量に対するNiの供給量が多いためである。こうして、シリコンゲルマニウム層10上にニッケルシリサイド膜24が形成される。
【0043】
本発明によれば、ニッケル膜と反応するアモルファス層20、即ち、アモルファス化された部分のシリコンゲルマニウム層20には結晶粒界が存在しないため、シリサイド化が均一に進行する。シリサイド化が均一に進行するため、ニッケルシリサイドが存在しない領域14(図2(b)参照)がシリコンゲルマニウム層10上に生じるのを防止することができる。また、アモルファス化された部分のシリコンゲルマニウム層20には結晶面が存在しないため、Ni(Si1−xGe結晶がスパイク状に形成されるのを防止することができる。従って、本発明によれば、薄いニッケル膜を用いてシリコンゲルマニウム層をシリサイド化することによりニッケルシリサイド膜を形成した場合であっても、低いシート抵抗を得ることができ、接合リーク電流も抑制することができる。
【0044】
図7は、本発明による製造方法により形成されたニッケルシリサイド膜のSEM像を示す平面図である。
【0045】
図6に示すようにしてニッケルシリサイド膜12を形成した場合には、図7に示すように、ニッケルシリサイド膜12には、ニッケルシリサイドが存在していない箇所は生じていない。
【0046】
また、図7に示すニッケルシリサイド膜12に対してシート抵抗を測定したところ、12Ω/sq.であった。
【0047】
このことから、図6に示すようにしてニッケルシリサイド膜12を形成すれば、極めて良質で、しかも、シート抵抗の低いニッケルシリサイド膜12を形成しうることが分かる。
【0048】
なお、アモルファス層20の厚さを厚くしすぎた場合には、以下のようになる。
【0049】
図8は、アモルファス層の厚さを厚くしすぎた場合を示す工程断面図である。
【0050】
まず、シリコン基板(図示せず)上に形成されたトレンチ(図示せず)内に、ボロン等のドーパント不純物が導入されたシリコンゲルマニウム層10を形成する(図8(a)参照)。
【0051】
次に、シリコンゲルマニウム層10の上層部にイオン注入を行い、シリコンゲルマニウム層の上層部をアモルファス化する。イオン注入の際の加速エネルギーを比較的高く設定すれば、シリコンゲルマニウム層の上層部に比較的厚いアモルファス層20が形成される。例えば、厚さ40nmのアモルファス層20が形成される。
【0052】
次に、アモルファス層20上にニッケル膜22を形成する。
【0053】
次に、シリコンゲルマニウム層10とニッケル膜22とを反応させるための熱処理を行う。図8(d)及び図8(e)に示すように、シリサイド化は徐々に進行する。熱処理の初期の段階(図8(d)参照)ではNi(Si1−xGe)相のニッケルシリサイド膜24が形成され、最終的には、Ni(Si1−xGe)相のニッケルシリサイド膜24が形成される(図8(e)参照)。ニッケル膜22の厚さに対してアモルファス層20の厚さが厚すぎるため、ニッケルシリサイド膜24の下にはアモルファス層20が残存した状態となる。
【0054】
アモルファス層20においてはボロン等のドーパント不純物が活性化されないため、ニッケルシリサイド膜24とシリコンゲルマニウム層10との間の電気抵抗は、高くなってしまう。従って、このようにアモルファス層20の厚さを厚くしすぎた場合には、電気的特性の良好なトランジスタを構成することができない。
【0055】
一方、アモルファス層20の厚さを薄くしすぎた場合には、以下のようになる。
【0056】
図9は、アモルファス層の厚さを薄くしすぎた場合を示す工程断面図である。
【0057】
まず、シリコン基板(図示せず)上に形成されたトレンチ(図示せず)内に、ドーパント不純物が導入されたシリコンゲルマニウム層10を形成する。
【0058】
次に、シリコンゲルマニウム層10の上層部にイオン注入を行い、シリコンゲルマニウム層10の上層部をアモルファス化する。イオン注入の際の加速エネルギーを比較的低く設定すれば、シリコンゲルマニウム層の上層部に比較的薄いアモルファス層20が形成される。例えば、厚さ10nmのアモルファス層20が形成される。
【0059】
次に、アモルファス層20上にニッケル膜22を形成する。
【0060】
次に、シリコンゲルマニウム層10とニッケル膜22とを反応させるための熱処理を行う。ニッケル膜22の厚さに対してアモルファス層20の厚さが薄すぎるため、アモルファス化されていない部分のシリコンゲルマニウム層10、即ち、結晶質のシリコンゲルマニウム層10までもがシリサイド化される。このため、シリコンゲルマニウム層10の(111)面に沿って、Ni(Si1−xGe結晶がスパイク状に成長する。
【0061】
このようにアモルファス層20の厚さが薄すぎる場合には、ニッケルシリサイド膜24の下にNi(Si1−xGe結晶26がスパイク状に形成されてしまうこととなる。この場合には、ソース/ドレイン拡散層の接合部とニッケルシリサイド膜24、26との距離が短くなり、ソース/ドレイン拡散層の接合部とニッケルシリサイド膜24、26との間の領域における電界が強くなるため、接合リーク電流の増加を招いてしまう。
【0062】
このように、アモルファス層20の厚さは厚すぎたり薄すぎたりすることがないように、適切な厚さに設定することが必要である。
【0063】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による半導体装置及びその製造方法について図10乃至図24を用いて説明する。図10は、本実施形態による半導体装置の構造を示す断面図である。
【0064】
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置の構造について図10を用いて説明する。
【0065】
図10において、紙面左側は、NMOSトランジスタ形成領域96を示しており、紙面右側は、PMOSトランジスタ形成領域98を示している。
【0066】
シリコン基板34には、素子領域を画定する素子分離領域46が形成されている。素子分離領域46が形成されたシリコン基板34内には、ウェル(図示せず)が形成されている。
【0067】
NMOSトランジスタ形成領域96においては、ウェルが形成されたシリコン基板34上に、シリコン酸化膜より成るゲート絶縁膜52を介して、ポリシリコン膜より成るゲート電極54nが形成されている。
【0068】
ゲート電極54n上には、NiSiから成るニッケルシリサイド膜72aが形成されている。ニッケルシリサイド膜72aの膜厚は、例えば20nm以下となっている。
【0069】
ニッケルシリサイド膜72aが形成されたゲート電極54nの側壁部には、シリコン酸化膜55とシリコン窒化膜57とから成る2層構造のサイドウォール絶縁膜60が形成されている。
【0070】
ゲート電極54nの両側のシリコン基板34内には、エクステンションソース/ドレイン構造のエクステンション領域を構成する浅い不純物拡散領域58nと、エクステンション領域を低抵抗化するための不純物拡散領域59nと、深い不純物拡散領域62nとにより構成されるソース/ドレイン拡散層64nが形成されている。
【0071】
ソース/ドレイン拡散層64n上には、NiSiから成るニッケルシリサイド膜72bが形成されている。ニッケルシリサイド膜72bの膜厚は、例えば20nm以下となっている。
【0072】
こうして、NMOSトランジスタ形成領域96のシリコン基板34上に、ゲート電極54nと、ソース/ドレイン拡散層64nとを有するNMOSトランジスタ2が形成されている。
【0073】
PMOSトランジスタ形成領域98においては、ウェルが形成されたシリコン基板34上に、シリコン酸化膜より成るゲート絶縁膜52を介して、ポリシリコン膜より成るゲート電極54pが形成されている。ゲート電極54pは、ポリシリコン膜上に、組成比Xが0<X<1であるSi1−XGe層(シリコンゲルマニウム層)100aを更に有している。Si1−XGe層100aの組成は、例えばSi0.76Ge0.24となっている。ゲート電極54pのSi1−XGe層100a上には、組成比Xが0<X<1であるNiSi1−xGeから成るニッケルシリサイド膜102aが形成されている。なお、ニッケルシリサイド膜102aのNiSi1−XGeにおけるNiとSi1−XGeとの組成比は1:1である。具体的には、ニッケルシリサイド膜102aの組成は、例えばNiSi0.76Ge0.24となっている。ニッケルシリサイド膜102aの膜厚は、例えば20nm以下となっている。
【0074】
ニッケルシリサイド膜102aが形成されたゲート電極54pの側壁部には、シリコン酸化膜55とシリコン窒化膜57とから成る2層構造のサイドウォール絶縁膜60が形成されている。
【0075】
ゲート電極54pの両側のシリコン基板34内には、エクステンションソース/ドレイン構造のエクステンション領域を構成する浅い不純物拡散領域58pと、エクステンション領域を低抵抗化するための不純物拡散領域59pと、深い不純物拡散領域62pとにより構成されるソース/ドレイン拡散層64pが形成されている。
【0076】
ゲート電極54p及びサイドウォール絶縁膜60の両側におけるソース/ドレイン拡散層64p内には、凹部104が形成されている。凹部104内には、組成比Xが0<X<1であるSi1−XGe層(シリコンゲルマニウム層)100bが埋め込まれている。Si1−XGe層100bの組成は、Si1−XGe層100aと同じ組成であり、例えばSi0.76Ge0.24となっている。このように、本実施形態による半導体装置におけるPMOSトランジスタは、ソース/ドレイン拡散層64pにSi1−XGe層100bが埋め込まれている。Si1−xGeの格子定数がSiの格子定数より大きいため、シリコン基板34のチャネル領域には圧縮歪みが加えられている。本実施形態によれば、チャネル領域に、Si1−XGe層100bの存在に起因して圧縮歪みが加えられているため、高いホール移動度を実現することが可能となる。このため、本実施形態によれば、PMOSトランジスタの動作速度を向上することが可能となる。
【0077】
なお、NMOSトランジスタ2においては、チャネル領域に敢えて結晶歪みを加えなくても、高いキャリア移動度が実現されている。従って、チャネル領域に結晶歪みを加えるような構成要素を敢えてソース/ドレイン拡散層64nに埋め込まなくても、NMOSトランジスタについては特段の問題はない。
【0078】
ソース/ドレイン拡散層64pの凹部104内に埋め込まれたSi1−XGe層100b上には、組成比Xが0<X<1であるNiSi1−XGeから成るニッケルシリサイド膜102bが形成されている。なお、ニッケルシリサイド膜102bのNiSi1−xGeにおけるNiとSi1−XGeとの組成比は1:1である。具体的には、ニッケルシリサイド膜102bの組成は、ニッケルシリサイド膜102aと同じ組成であり、例えばNiSi0.76Ge0.24となっている。ニッケルシリサイド膜102bの膜厚は、例えば20nm以下となっている。
【0079】
こうして、PMOSトランジスタ形成領域98のシリコン基板34上に、ゲート電極54pと、ソース/ドレイン拡散層64pとを有するPMOSトランジスタ4が形成されている。
【0080】
NMOSトランジスタ2及びPMOSトランジスタ4が形成されたシリコン基板34上には、シリコン窒化膜74が形成されている。シリコン窒化膜74上には、シリコン酸化膜76が形成されている。
【0081】
シリコン酸化膜76及びシリコン窒化膜74には、ゲート電極54n、54p上のニッケルシリサイド膜72a、102aに達するコンタクトホール78aが形成されている。また、シリコン酸化膜76及びシリコン窒化膜74には、ソース/ドレイン拡散層64n、64p上のニッケルシリサイド膜72b、102bに達するコンタクトホール78bが形成されている。
【0082】
コンタクトホール78a、78b内には、バリアメタル80及びタングステン膜82より成るコンタクトプラグ84a、84bがそれぞれ埋め込まれている。
【0083】
コンタクトプラグ84a、84bが埋め込まれたシリコン酸化膜76上には、層間絶縁膜86が形成されている。層間絶縁膜86には、コンタクトプラグ84a、84bに電気的に接続された配線層106が埋め込まれている。配線層106は、タンタル膜より成るバリアメタル108と、銅膜110とにより構成されている。
【0084】
配線層106が埋め込まれた層間絶縁膜86上には、層間絶縁膜112が形成されている。層間絶縁膜112には、配線層106に電気的に接続された配線層114が埋め込まれている。配線層114は、タンタル膜より成るバリアメタル116と、銅膜118とにより構成されている。
【0085】
配線層114が埋め込まれた層間絶縁膜112上には、配線層114に電気的に接続された電極120が形成されている。電極120は、例えばアルミニウム膜により構成されている。
【0086】
こうして、本実施形態による半導体装置が構成されている。
【0087】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図11乃至図24を用いて説明する。図11乃至図23は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0088】
まず、例えばアンモニア過水を用いて、シリコン基板34の表面を洗浄する。シリコン基板34としては、例えば面方位(100)のp型シリコン基板を用いる。
【0089】
次いで、シリコン基板34上に、例えば熱酸化法により、例えば膜厚50nmのシリコン酸化膜36を形成する(図11(a)参照)。
【0090】
次いで、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜38を形成する。この後、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜38をパターニングする。これにより、シリコン酸化膜36をパターニングするためのフォトレジストマスク38が形成される(図11(b)参照)。
【0091】
次いで、フォトレジスト膜38をマスクとして、シリコン酸化膜36をエッチングする(図11(c)参照)。
【0092】
次いで、フォトレジスト膜38及びシリコン酸化膜36をマスクとして、例えばイオン注入法により、シリコン基板34にドーパント不純物を導入する。これにより、所定の導電型のウェル40が形成される(図12(a)参照)。NMOSトランジスタを形成するためのp型ウェルを形成する場合、p型のドーパント不純物として例えばボロンを用い、イオン注入の条件は例えば加速電圧を120keV、ドーズ量を1×1013cm−2とする。PMOSトランジスタを形成するためのn型ウェルを形成する場合、n型のドーパント不純物として例えばリンを用い、イオン注入の条件は例えば加速電圧を300keV、ドーズ量を1×1013cm−2とする。
【0093】
ウェル40を形成した後、フォトレジスト膜38を剥離する(図12(b)参照)。
【0094】
次に、シリコン酸化膜36をエッチング除去する(図12(c)参照)。
【0095】
次いで、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、以下のようにして素子領域を画定する素子分離領域46を形成する。
【0096】
まず、シリコン基板34上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、例えば膜厚50nmのシリコン窒化膜42を形成する(図13(a)参照)。
【0097】
次いで、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチングにより、シリコン窒化膜42をパターニングする。これにより、シリコン酸化膜が埋め込まれるトレンチを形成するためのハードマスク42が形成される(図13(b)参照)。
【0098】
次いで、シリコン窒化膜42をマスクとして、シリコン基板34をエッチングする。こうして、シリコン基板34に、トレンチ44が形成される(図13(c)参照)。
【0099】
トレンチ44を形成した後、例えばウェットエッチングにより、マスクとして用いたシリコン窒化膜42を除去する(図14(a)参照)。
【0100】
次いで、トレンチ44が形成されたシリコン基板34上に、例えばCVD法により、例えば膜厚300nmのシリコン酸化膜を形成する。
【0101】
次いで、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、シリコン基板34の表面が露出するまでシリコン酸化膜を研磨し、シリコン基板34上のシリコン酸化膜を除去する。
【0102】
こうして、トレンチ44に埋め込まれたシリコン酸化膜より成る素子分離領域46が形成される(図14(b)参照)。素子分離領域46により、素子領域が画定される。
【0103】
次いで、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜48を形成する。この後、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜48をパターニングする。これにより、チャネルドープ層を形成するためのフォトレジストマスク48が形成される(図14(c)参照)。なお、図14(c)以降の図面では、MOSトランジスタが形成される素子領域を拡大して示している。
【0104】
次いで、フォトレジスト膜48をマスクとして、例えばイオン注入法により、シリコン基板34にドーパント不純物を導入する。これにより、シリコン基板34内に、チャネルドープ層50が形成される(図15(a)参照)。NMOSトランジスタを形成する場合、p型のドーパント不純物として例えばボロンを用い、イオン注入の条件は例えば加速電圧を15keV、ドーズ量を1×1013cm−2とする。PMOSトランジスタを形成する場合、n型のドーパント不純物として例えば砒素を用い、イオン注入の条件は例えば加速電圧を80keV、ドーズ量を1×1013cm−2とする。
【0105】
チャネルドープ層50を形成した後、マスクとして用いたフォトレジスト膜48を剥離する。
【0106】
次いで、例えば950℃、10秒間の熱処理により、チャネルドープ層50中のドーパント不純物を活性化する。
【0107】
次いで、シリコン基板34上に、例えば熱酸化法により、例えば膜厚2nmのシリコン酸化膜より成るゲート絶縁膜52を形成する(図15(b)参照)。なお、ゲート絶縁膜52の材料としてシリコン酸化膜を用いたが、ゲート絶縁膜52の材料はシリコン酸化膜に限定されるものではなく、他のあらゆる絶縁膜を適宜用いることができる。
【0108】
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚100nmのポリシリコン膜54を形成する。
【0109】
次いで、例えばイオン注入法により、ドーパント不純物をポリシリコン膜54に導入する(図15(c)参照)。NMOSトランジスタを形成する場合、n型のドーパント不純物として例えばリンを用い、イオン注入の条件は例えば加速電圧を10keV、ドーズ量を1×1016cm−2とする。PMOSトランジスタを形成する場合、p型のドーパント不純物として例えばボロンを用い、イオン注入の条件は例えば加速電圧を5keV、ドーズ量を5×1015cm−2とする。
【0110】
次いで、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜56を形成する。この後、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜56をパターニングする。これにより、ポリシリコン膜54をパターニングするためのフォトレジストマスク56が形成される(図16(a)参照)。
【0111】
次いで、フォトレジスト膜56をマスクとして、ポリシリコン膜54をドライエッチングする。これにより、ポリシリコン膜より成るゲート電極54が形成される(図16(b)参照)。
【0112】
ゲート電極54を形成した後、マスクとして用いたフォトレジスト膜56を除去する。
【0113】
次いで、ゲート電極54をマスクとして、例えばイオン注入法により、ゲート電極54の両側のシリコン基板34にドーパント不純物を導入する。NMOSトランジスタを形成する場合、n型のドーパント不純物として例えば砒素を用い、イオン注入の条件は例えば加速電圧を1keV、ドーズ量を1×1015cm−2とする。PMOSトランジスタを形成する場合、p型のドーパント不純物として例えばボロンを用い、イオン注入の条件は例えば加速電圧を0.5keV、ドーズ量を1×1015cm−2とする。これにより、エクステンションソース/ドレイン構造のエクステンション領域を構成する浅い不純物拡散領域58が形成される(図16(c)参照)。
【0114】
図17(a)は、ゲート電極54pの両側のシリコン基板34内にエクステンション領域を構成するp型の浅い不純物拡散層58pが形成されており、ゲート電極54nの両側のシリコン基板34内にエクステンション領域を構成するn型の浅い不純物拡散層58nが形成されている状態を示している。
【0115】
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚10nmのシリコン酸化膜55を形成する。
【0116】
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚80nmのシリコン窒化膜57を形成する。
【0117】
次いで、例えばRIE(Reactive Ion etching)法により、シリコン窒化膜57及びシリコン酸化膜55を異方性エッチングする。これにより、ゲート電極54n、54pの側壁部分に、シリコン酸化膜55とシリコン窒化膜57とから成る2層構造のサイドウォール絶縁膜60が形成される(図17(b)参照)。
【0118】
次いで、ゲート電極54n、54p及びサイドウォール絶縁膜60をマスクとして、例えばイオン注入法により、ゲート電極54n、54p及びサイドウォール絶縁膜60の両側のシリコン基板34にドーパント不純物を導入する。NMOSトランジスタを形成する場合、n型のドーパント不純物として例えば砒素を用い、イオン注入の条件は例えば加速電圧を10keV、ドーズ量を1×1015cm−2とする。PMOSトランジスタを形成する場合、p型のドーパント不純物として例えばボロンを用い、イオン注入の条件は例えば加速電圧を2keV、ドーズ量を1×1015cm−2とする。これにより、エクステンション領域58n、58pを低抵抗化するための不純物拡散領域59n、59pが形成される。
【0119】
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚40nmのシリコン酸化膜61を形成する。
【0120】
次いで、例えばRIE法により、シリコン酸化膜61を異方性エッチングする。これにより、サイドウォール絶縁膜60の側壁部分に、シリコン酸化膜から成るサイドウォール絶縁膜61が更に形成される(図17(c)参照)。
【0121】
次いで、ゲート電極54及びサイドウォール絶縁膜60、61をマスクとして、例えばイオン注入法により、ゲート電極54及びサイドウォール絶縁膜60、61の両側のシリコン基板34にドーパント不純物を導入する。NMOSトランジスタを形成する場合、n型のドーパント不純物として例えばリンを用い、イオン注入の条件は例えば加速電圧を8keV、ドーズ量を1×1016cm−2とする。PMOSトランジスタを形成する場合、p型のドーパント不純物として例えばボロンを用い、イオン注入の条件は例えば加速電圧を5keV、ドーズ量を5×1015cm−2とする。これにより、ソース/ドレイン拡散層の深い領域を構成する不純物拡散領域62n、62pが形成される(図17(c)参照)。
【0122】
次いで、所定の熱処理を行うことにより、不純物拡散領域58n、58p、59n、59p、62n、62pに導入されたドーパント不純物を活性化する。
【0123】
こうして、ゲート電極54の両側のシリコン基板34内に、エクステンション領域、すなわち、浅い不純物拡散領域58n、58pと、エクステンション領域58n、58pを低抵抗化するための不純物拡散領域59n、59pと、深い不純物拡散領域62n、62pとにより構成されるソース/ドレイン拡散層64n、64pが形成される。
【0124】
この後、サイドウォール絶縁膜60の外側に形成されているサイドウォール絶縁膜61をエッチング除去する(図18(a)参照)。
【0125】
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚40nmのシリコン酸化膜122を形成する。
【0126】
次いで、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチングにより、シリコン酸化膜122をパターニングする。これにより、PMOSトランジスタ形成領域98上及びPMOSトランジスタ形成領域98を画定する素子分離領域46上のシリコン酸化膜122を除去し、NMOSトランジスタ形成領域96上及びNMOSトランジスタ形成領域96を画定する素子分離領域46上にシリコン酸化膜122を選択的に残存させる(図18(b)参照)。
【0127】
次いで、シリコン酸化膜122をマスクとして、例えばRIE法により、シリコン酸化膜に対して高い選択比でシリコン基板34をエッチングする。これにより、ゲート電極54p及びサイドウォール絶縁膜60の両側のソース/ドレイン拡散層64p内に、深さ50nmの凹部104を形成する。このとき、ポリシリコン膜より成るゲート電極54pの上部もエッチング除去される(図19(a)参照)。
【0128】
次いで、凹部104等が形成されたシリコン基板34の表面を、希フッ酸(例えば、HF:HO=5:100)を用いて、例えば5秒間クリーニングする。この後、シリコン酸化膜122をマスクとして、例えばCVD法により、ゲート電極54p上及び凹部104内に、ドーパント不純物が導入されたシリコンゲルマニウム層(Si1−XGe層)100a、100bを選択的にエピタキシャル成長する。(図19(b)参照)。ドーパント不純物としては、例えばボロンを用いる。Si1−XGe層100a、100bの組成は、例えばSi0.76Ge0.24とする。Si1−XGe層100a、100bの成膜条件は、例えば、原料ガスとしてGeHとSiHとBとの混合ガスを用い、GeHの分圧を0.3Pa、SiHの分圧を6Pa、Bの分圧を0.00001Paとし、成膜温度を550℃とする。Si1−XGe層100a、100bの膜厚は、例えば60nmとする。
【0129】
なお、Si1−XGe層におけるGeの組成比Xは、0.24に限定されるものではない。例えば、Geの組成比Xを、0<X≦0.3の範囲で適宜設定する。
【0130】
こうして、PMOSトランジスタ形成領域98において、ソース/ドレイン拡散層64pの凹部104内に、シリコンゲルマニウム層100bが埋め込まれる。また、ゲート電極54pは、ポリシリコン膜上にシリコンゲルマニウム層100aを有するものとして構成される。
【0131】
次に、イオン注入法により、シリコンゲルマニウム層の上層部にイオン注入を行う。注入するイオンとしては、例えばGeイオンを用いる。これにより、シリコンゲルマニウム層100a、100bの上層部がアモルファス化され、シリコンゲルマニウム層100a、100bの上層部にアモルファス層101が形成される(図20(a)参照)。アモルファス層101の厚さは、20nm以下とする。より具体的には、アモルファス層の厚さは、10〜20nm程度とする。
【0132】
アモルファス層101の厚さを20nm以下とするのは、以下のような理由によるものである。アモルファス層101は後述する工程においてシリサイド化されるが、アモルファス層101の上層部のみがシリサイド化され、シリコンゲルマニウム層100a、100bとニッケルシリサイド膜102a、102bとの間にアモルファス層101が存在している場合には、ニッケルシリサイド膜102a、102bとシリコンゲルマニウム層100a、100bとの間で十分に低い電気抵抗が得られない。このため、シリコンゲルマニウム層100a、100bとニッケルシリサイド膜102a、102bとの間にアモルファス層101が残存しないように、アモルファス層101をすべてシリサイド化する必要がある。アモルファス層101を比較的厚く形成し、かかる厚いアモルファス層20をシリサイド化した場合には、ソース/ドレイン拡散層64pの接合部とシリサイド層102bとの間の距離が短くなりすぎ、リーク電流の増加を招いてしまう。このため、ソース/ドレイン拡散層64pの接合部が比較的浅く形成される微細な半導体装置を製造する際には、ニッケルシリサイド膜の膜厚を十分に薄くする必要がある。ニッケルシリサイド膜102bの膜厚を十分に薄くするためには、シリサイド化されるアモルファス層101の厚さも十分に薄くする必要がある。かかる観点から、アモルファス層101の厚さは、20nm以下とする。
【0133】
アモルファス層101の厚さを20nm以下とするためには、イオン注入の条件は例えば加速電圧を10keVとする。ドーズ量は、シリコンゲルマニウム層100a、100bの上層部をアモルファス化することができる量であればよく、例えば1×1014〜1×1015cm−2とする。
【0134】
なお、ここでは、シリコンゲルマニウム層100a、100bの上層部にGeイオンを注入する場合を例に説明したが、注入するイオンは、Geイオンに限定されるものではない。例えば、Arイオン、Siイオン、Asイオン、Sbイオン、Nイオン、Xeイオン、Krイオン等を注入するようにしてもよい。Arイオンを注入する場合のイオン注入条件は、例えば、加速エネルギーを5〜15keV、ドーズ量を1×1014〜1×1015cm−2とする。Siイオンを注入する場合のイオン注入条件は、例えば、加速エネルギーを3〜5keV、ドーズ量を1×1014〜1×1015cm−2とする。Asイオンを注入する場合のイオン注入条件は、例えば、加速エネルギーを5〜15keV、ドーズ量を1×1014〜1×1015cm−2とする。Sbイオンを注入する場合のイオン注入条件は、例えば、加速エネルギーを5〜10keV、ドーズ量を1×1014〜1×1015cm−2とする。Nイオンを注入する場合のイオン注入条件は、例えば、加速エネルギーを3〜5keV、ドーズ量を1×1014〜1×1015cm−2とする。Xeイオンを注入する場合のイオン注入条件は、例えば、加速エネルギーを10〜20keV、ドーズ量を1×1014〜1×1015cm−2とする。Krイオンを注入する場合のイオン注入条件は、例えば、加速エネルギーを5〜20keV、ドーズ量を1×1014〜1×1015cm−2とする。
【0135】
次いで、NMOSトランジスタ形成領域96に形成されているシリコン酸化膜122をエッチング除去する。
【0136】
次いで、例えばフッ酸処理により、ゲート電極54nの表面、ソース/ドレイン拡散層64nの表面、ゲート電極54pのシリコンゲルマニウム層100aの表面、及びソース/ドレイン拡散層64pの凹部104内に埋め込まれたシリコンゲルマニウム層100bの表面に形成されている自然酸化膜を除去する。
【0137】
なお、ここでは、フッ酸処理により自然酸化膜を除去する前にシリコン酸化膜122をエッチング除去する場合を例に説明したが、シリコン酸化膜122は、シリコンゲルマニウム層100a、100bの上層部をアモルファス化するためのイオン注入の際にダメージを受けているため、敢えてシリコン酸化膜122をエッチングするための工程を行うことなく、フッ酸処理のみによってシリコン酸化膜122を除去することも可能である。
【0138】
次いで、全面に、例えばNiターゲットを用いたスパッタ法により、例えば膜厚10〜15nm程度のニッケル膜66を形成する(図20(b)参照)。上述したように、シリコンゲルマニウム層100a、100b上のアモルファス層101をすべてシリサイド化する必要があるため、ニッケル膜66の厚さは、シリコンゲルマニウム層100a、100b上のアモルファス層101をすべてシリサイド化するのに必要な厚さに設定することが必要である。ニッケル膜66の厚さは、アモルファス層101の厚さに応じて適宜設定すればよい。
【0139】
但し、後工程においてシリサイド化を行った後には、ニッケル膜66のうちの未反応の部分を確実に除去する必要がある。未反応の部分のニッケル膜66を確実に除去できるよう、ニッケル膜66の膜厚は200nm以下に設定することが望ましい。
【0140】
次いで、ニッケル膜66上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚10nmのTiN膜より成る保護膜68を形成する(図21(a)参照)。なお、保護膜68は、TiN膜に限定されるものではない。保護膜68として、例えば膜厚5〜30nmのTi膜を用いてもよい。
【0141】
次いで、例えばRTA法により、アモルファス層101をシリサイド化するための熱処理を行う。熱処理条件は、例えば430℃、30秒間とする。シリサイド化は徐々に進行し、アモルファス層101のシリサイド化が完了した段階、即ち、シリサイド層102a、102bの下面がシリコンゲルマニウム層100a、100bの上面に達した段階で熱処理を中止する。なお、図6を用いて上述したように、熱処理の初期の段階ではNi(Si1−xGe)相のニッケルシリサイド膜が形成され、最終的には、Ni(Si1−xGe)相のニッケルシリサイド膜が形成される。熱処理の初期の段階においてNi(Si1−xGe)相のニッケルシリサイド膜102bが形成されるのは、Si、Geの供給量に対するNiの供給量が多いためである。こうして、シリコンゲルマニウム層100a、100b上にニッケルシリサイド膜102a、102bが形成される(図21(b)参照)。
【0142】
シリサイド化を行うための熱処理は、上述したように、シリコンゲルマニウム層100a、100b上のアモルファス層102a、102bのシリサイド化が完了した段階、即ち、シリサイド層102a、102bの下面がシリコンゲルマニウム層100a、100bの上面に達した段階で中止することが重要である。シリコンゲルマニウム層100a、100b上のアモルファス層101のシリサイド化が完了した段階で熱処理を中止せずに更に反応を進行させた場合には、アモルファス化されていない部分のシリコンゲルマニウム層100a、100bまでもがシリサイドされていくため、シリコンゲルマニウム層100a、100bを構成する結晶の(111)面に沿ってNi(Si1−xGe結晶がスパイク状に形成されてしまう虞がある。
【0143】
ただし、シリサイド層102a、102bの下面がシリコンゲルマニウム層100a、100bの上面に達した段階で、必ずしも直ちに熱処理を中止しなくてもよい。結晶質のシリコンゲルマニウム層100a、100bがシリサイド化される厚さが僅かであれば、シリコンゲルマニウム層100a、100bを構成する結晶の(111)面に沿ってNi(Si1−xGe結晶がスパイク状に形成されないからである。
【0144】
なお、ニッケルシリサイド膜101a、101bのNiSi1−xGeにおけるNiとSi1−xGeとの組成比は1:1である。具体的には、ニッケルシリサイド膜101a、101bの組成は、例えばNiSi0.76Ge0.24となる。
【0145】
次いで、ウェットエッチングにより、保護膜68及びNi膜66のうちのSi又はSi1−xGeと未反応の部分をそれぞれ選択的に除去する(図22参照)。エッチング溶液としては、例えば硫酸と過酸化水素水とが混合されて成る薬液(SPM液)を用いる。硫酸と過酸化水素水との混合比は、例えば3:1とする。また、エッチング時間は、例えば20分とする。なお、SPM液に代えて、塩酸と過酸化水素と水とが混合されて成る薬液(HPM液)を用いてもよい。
【0146】
こうして、Si1−xGe層(シリコンゲルマニウム層)100a上及びSi1−xGe層(シリコンゲルマニウム層)100b上に、NiSi1−xGeから成るニッケルシリサイド膜102a、102bが形成される。ニッケルシリサイド膜102a、102bの組成は、例えばNiSi0.76Ge0.24となる。
【0147】
こうして、サリサイドプロセスにより、NMOSトランジスタ2については、ゲート電極54n上にNiSi膜72aが形成され、ソース/ドレイン拡散層64n上にNiSi膜72bが形成される。なお、Ni膜66の膜厚や、熱処理の条件を適宜設定することにより、所望の膜厚のNiSi膜72a、72bを得ることができる。例えば、膜厚20nm程度のNiSi膜72a、72bを得ることができる。
【0148】
また、サリサイドプロセスにより、PMOSトランジスタ4については、ゲート電極54pのSi1−XGe層100a上にNiSi1−XGe層102aが形成され、ソース/ドレイン拡散層64pの凹部104内に埋め込まれたSi1−XGe層100b上にNiSi1−XGe層102bが形成される。なお、ニッケル膜66の膜厚、熱処理条件等を適宜設定することにより、所望の膜厚のNiSi1−XGe層102a、102bを得ることができる。例えば、膜厚20nm以下のNiSi1−XGe層102a、102bを得ることができる。
【0149】
次いで、全面に、例えばプラズマCVD法により、例えば膜厚50nmのシリコン窒化膜74を形成する。シリコン窒化膜74の成膜温度は、例えば400℃とする。なお、サリサイドプロセス後の工程は、NiSi膜72a、72bの凝集を抑制するために、例えば500℃以下の温度で行う。
【0150】
サリサイドプロセス後の工程を500℃以下の温度で行うのは、以下のような評価結果に基づくものである。
【0151】
図24は、熱処理温度とシート抵抗との関係を示すグラフである。横軸は熱処理温度を示しており、縦軸はシート抵抗を示している。試料を作成する際のプロセスは、以下の通りとした。まず、シリコン基板上に、Geの組成比Xが0.24のSi1−xGe層をエピタキシャル成長した。次に、Si1−XGeの表層部にGeイオンを注入することにより、Si1−XGe層の表層部をアモルファス化し、Si1−XGe層上にアモルファス層を形成した。次に、アモルファス層上に、ニッケル膜とTiN膜とを順次成膜した。次に、シリサイド化を行うための熱処理を行った。次に、未反応のNi膜をSPM液を用いてエッチング除去した。こうして形成された試料についてシート抵抗を測定したところ、図24に示すような結果が得られた。
【0152】
図24から分かるように、熱処理温度が500℃の場合には、500℃未満の場合と比較して、シート抵抗が増加している。シート抵抗が増加するのは、ニッケルシリサイド膜において凝集が生じるためと考えられる。このことから、シリサイドプロセス後の工程は、ニッケルシリサイド膜の凝集によるシート抵抗の上昇を防止すべく、500℃以下の温度で行うことが望ましい。
【0153】
次いで、シリコン窒化膜74上に、例えばプラズマCVD法により、例えば膜厚600nmのシリコン酸化膜76を形成する。シリコン窒化膜を形成する際の成膜温度は、例えば400°とする。
【0154】
次いで、例えばCMP法により、シリコン酸化膜76を平坦化する。
【0155】
次いで、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチングにより、シリコン酸化膜76及びシリコン窒化膜74に、NiSi膜72aに達するコンタクトホール78a、及びNiSi膜72bに達するコンタクトホール78bをそれぞれ形成する。
【0156】
次いで、アルゴンを用いた逆スパッタにより、シリコン酸化膜76の表面及びコンタクトホール78a、78b内をクリーニングする。この後、大気曝露することなく、コンタクトホール78a、78bが形成されたシリコン酸化膜76上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚50nmの窒化チタン膜より成るバリアメタル80を形成する。
【0157】
次いで、バリアメタル80上に、例えばCVD法により、例えば膜厚300nmのタングステン膜82を形成する。
【0158】
次いで、例えばCMP法により、シリコン酸化膜76の表面が露出するまでタングステン膜82及びバリアメタル80を研磨する。こうして、コンタクトホール78a、78b内に、バリアメタル80及びタングステン膜82より成るコンタクトプラグ84a、84bがそれぞれ形成される。
【0159】
次いで、例えばCVD法により、全面に、層間絶縁膜86を形成する。
【0160】
次いで、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜86に配線層106を埋め込むための溝を形成する。
【0161】
次に、例えばスパッタ法により、タンタル膜より成るバリアメタル108を形成する。
【0162】
次に、例えばスパッタ法により、銅より成るシード膜(図示せず)を形成する。
【0163】
次に、例えば電気めっき法により、銅膜110を形成する。
【0164】
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜86の表面が露出するまで銅膜110及びバリアメタル膜108を研磨する。こうして、バリアメタル膜108と銅膜110とから成る配線層106が形成される。
【0165】
次いで、例えばCVD法により、全面に、層間絶縁膜112を形成する。
【0166】
次いで、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜86に配線層112を埋め込むための溝を形成する。
【0167】
次に、例えばスパッタ法により、タンタル膜より成るバリアメタル116する。
【0168】
次に、例えばスパッタ法により、銅より成るシード膜(図示せず)を形成する。
【0169】
次に、例えば電気めっき法により、銅膜118を形成する。
【0170】
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜112の表面が露出するまで銅膜118及びバリアメタル膜116を研磨する。こうして、バリアメタル膜116と銅膜118とから成る配線層114が形成される。
【0171】
次に、例えば、スパッタ法により、アルミニウム膜を形成する。
【0172】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、アルミニウム膜をパターニングする。こうして、アルミニウム膜より成る電極120が形成される。
【0173】
こうして、図に示す本実施形態による半導体装置が製造される。
【0174】
このように本実施形態によれば、シリコンゲルマニウム層100a、100bの上層部にイオン注入を行うことによりシリコンゲルマニウム層100a、100bの上層部をアモルファス化し、こうして形成されたアモルファス層101とニッケル膜66とを反応させることによりニッケルシリサイド膜102a、102bを形成する。ニッケル膜66と反応するアモルファス層101、即ち、アモルファス化された部分のシリコンゲルマニウム層100a、100bには結晶粒界が存在しないため、シリサイド化が均一に進行する。シリサイド化が均一に進行するため、ニッケルシリサイド102a、102bが存在しない領域がシリコンゲルマニウム層100a、100b上に生じるのを防止することができる。また、アモルファス化された部分のシリコンゲルマニウム層100a、100bには結晶面が存在しないため、Ni(Si1−xGe結晶がスパイク状に形成されるのを防止することができる。従って、本実施形態によれば、薄いニッケル膜66を用いてシリコンゲルマニウム層100a、100bをシリサイド化することによりニッケルシリサイド膜102a、102bを形成した場合であっても、低いシート抵抗を得ることができ、接合リーク電流も抑制することができる。しかも、本実施形態によれば、ソース/ドレイン領域64pに埋め込まれているシリコンゲルマニウム層100a、100bによりチャネル領域に圧縮歪みが加わっているため、PMOSトランジスタ4の動作速度の向上を図ることができる。従って、本実施形態によれば、良好な電気的特性を有する半導体装置を提供することができる。
【0175】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を図25乃至図28を用いて説明する。図25乃至図28は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図24に示す第1実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0176】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、アモルファス層をシリコンゲルマニウム層上に選択的に堆積することによりアモルファス層を形成し、かかるアモルファス層をニッケル膜を用いてシリサイド化することに主な特徴がある。
【0177】
まず、ソース/ドレイン拡散層64pに凹部104を形成するまでの工程は、図11(a)乃至図19(a)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
【0178】
次に、図19(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、ゲート電極54p上及び凹部104内に、ドーパント不純物が導入されたシリコンゲルマニウム層(Si1−XGe層)100a、100bを選択的にエピタキシャル成長する。こうして、PMOSトランジスタ形成領域98において、ソース/ドレイン拡散層64pの凹部104内に、シリコンゲルマニウム層100bが埋め込まれる。また、ゲート電極54pは、ポリシリコン膜上にシリコンゲルマニウム層100aを有するものとして構成される(図25(a)参照)。
【0179】
次に、シリコンゲルマニウム層100a、100b上にアモルファス層101aを選択的に成長する(図26(b)参照)。アモルファス層101aとしては、アモルファスシリコン層を形成する。成膜条件は、例えば以下の通りとする。成膜室内の圧力は、例えば80Torrとする。原料ガスとしては、例えばシラン(SiH)ガスを用いる。シランガスの流量は、例えば50sccmとする。成膜温度は、例えば550℃とする。形成するアモルファス層の厚さは、例えば20nm以下とする。このような条件で成膜を行うと、シリコンゲルマニウム層100a、100b上にアモルファス層101aが選択的に厚く形成される。この際、絶縁膜上、即ち、素子分離領域46上、サイドウォール絶縁膜60上、シリコン酸化膜122上にもアモルファス層101aは形成される場合があるが、絶縁膜上に形成されるアモルファス層101aは非常に薄い。絶縁膜上に形成される非常に薄いアモルファス層101aは、後述する処理により除去されるので特段の問題はない。
【0180】
次に、絶縁膜上、即ち、素子分離領域46上、サイドウォール絶縁膜60上、シリコン酸化膜122上に存在している薄いアモルファス層101aを除去するための処理を行う。絶縁膜46、60、122上の薄いアモルファス層101aを除去するための処理の条件は、例えば以下の通りとする。チャンバ内の圧力は、例えば10Torrとする。チャンバ内には、SiHガスとHClガスとHガスとを導入する。SiHガスの流量は50sccm(cm)とする。HClガスの流量は、3slm(standard liter per minute)とする。Hガスの流量は、例えば10slmとする。処理時間は、例えば30分とする。このような条件で処理を行うと、絶縁膜46、60、122上に存在しているアモルファス層101aが確実に除去される。シリコンゲルマニウム層100a、100b上に形成した厚いアモルファス層101aについては、シリコンゲルマニウム層100a、100b上に十分な厚さで残存する(図26(a)参照)。シリコンゲルマニウム層100a、100b上に残存させるアモルファス層101aの厚さは、例えば10〜20nm程度とする。
【0181】
次に、図20(b)及び図21(a)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、全面に、ニッケル膜66と保護膜68とを順次形成する(図26(b)参照)。
【0182】
次に、ニッケル膜66とアモルファス層101aとを反応させるための熱処理を行う(図27(a)参照)。かかる熱処理は、図21(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様とする。こうして、シリコンゲルマニウム層100a、100b上に、NiSiより成るニッケルシリサイド膜102bが形成される。
【0183】
この後の半導体装置の製造方法は、図22及び図23を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図27(b)及び図28参照)。
【0184】
このように、シリコンゲルマニウム層100a、100b上にアモルファス層101aを選択的に形成し、かかるアモルファス層101aをニッケル膜66を用いてシリサイド化することにより、ニッケルシリサイド膜102a、102bを形成するようにしてもよい。
【0185】
本実施形態の場合にも、ニッケル膜66と反応するアモルファス層101aには結晶粒界が存在しないため、シリサイド化が均一に進行する。シリサイド化が均一に進行するため、ニッケルシリサイド102a、102bが存在しない領域がシリコンゲルマニウム層100a、100b上に生じるのを防止することができる。また、シリサイド化されるアモルファス層101aには結晶面が存在しないため、本実施形態によっても、Ni(Si1−xGe結晶がスパイク状に形成されるのを防止することができる。従って、本実施形態によっても、良好な電気的特性を有する半導体装置を提供することができる。
【0186】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による半導体装置の製造方法を図29乃至図32を用いて説明する。図29乃至図32は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図28に示す第1又は第2実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0187】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、全面にアモルファス層を堆積した後に、アモルファス層をパターニングすることにより、シリコンゲルマニウム層上にアモルファス層を形成し、かかるアモルファス層をニッケル膜を用いてシリサイド化することに主な特徴がある。
【0188】
まず、ソース/ドレイン拡散層64pに凹部104を形成するまでの工程は、図11(a)乃至図19(a)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
【0189】
次に、図19(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、ゲート電極54p上及び凹部104内に、ドーパント不純物が導入されたシリコンゲルマニウム層(Si1−XGe層)100a、100bを選択的にエピタキシャル成長する。こうして、PMOSトランジスタ形成領域98において、ソース/ドレイン拡散層64pの凹部104内に、シリコンゲルマニウム層100bが埋め込まれる。また、ゲート電極54pは、ポリシリコン膜上にシリコンゲルマニウム層100aを有するものとして構成される。
【0190】
次に、全面に、CVD法により、アモルファス層101bを形成する(図30(a)参照)。アモルファス層101bの材料としては、例えばアモルファスシリコンを用いる。アモルファス層の厚さは、例えば10〜20nmとする。成膜条件は、例えば以下の通りとする。成膜温度は、例えば580℃とする。チャンバ内の圧力は、例えば80Torrとする。チャンバ内には、SiHガスHガスとを導入する。SiHガスの流量は50sccmとする。Hガスの流量は、例えば5slmとする。処理時間は、例えば5〜6分とする。
【0191】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、アモルファス層101bをパターニングする。こうして、アモルファス層101bがシリコンゲルマニウム層100a、100b上に形成されることとなる(図29(b)参照)。
【0192】
次に、図20(b)及び図21(a)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、全面に、ニッケル膜66と保護膜68とを順次形成する(図30(a)参照)。
【0193】
次に、ニッケル膜66とアモルファス層101aとを反応させるための熱処理を行う。かかる熱処理は、図21(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様とする。こうして、シリコンゲルマニウム層100a、100b上に、NiSiより成るニッケルシリサイド膜102bが形成される。
【0194】
この後の半導体装置の製造方法は、図22及び図23を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する(図31及び図32参照)。
【0195】
このように、全面にアモルファス層101bを堆積した後に、アモルファス層101bをパターニングすることにより、シリコンゲルマニウム層100a、100b上にアモルファス層101bを形成し、かかるアモルファス層101bをニッケル膜66を用いてシリサイド化するようにしてもよい。
【0196】
本実施形態の場合にも、ニッケル膜66と反応するアモルファス層101bには結晶粒界が存在しないため、シリサイド化が均一に進行する。シリサイド化が均一に進行するため、ニッケルシリサイド102a、102bが存在しない領域がシリコンゲルマニウム層100a、100b上に生じるのを防止することができる。また、シリサイド化されるアモルファス層101aには結晶面が存在しないため、Ni(Si1−xGe結晶がスパイク状に形成されるのを防止することができる。従って、本実施形態によっても、良好な電気的特性を有する半導体装置を提供することができる。
【0197】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0198】
例えば、第2実施形態及び第3実施形態では、アモルファス層101aとしてアモルファスシリコン層を形成したが、アモルファス層101aの材料はアモルファスシリコンに限定されるものではない。例えば、シリコンゲルマニウム層100a、100b上にアモルファスシリコンゲルマニウム層101aを形成し、かかるアモルファスシリコンゲルマニウム層101aを薄いニッケル膜を用いてシリサイド化するようにしてもよい。この場合には、Ni(SiGe1−X)より成るニッケルシリサイド膜102a、102bが、シリコンゲルマニウム層100a、100b上に形成されることとなる。
【0199】
以上詳述したように、本発明の特徴をまとめると以下のようになる。
(付記1)
半導体基板上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の両側の前記半導体基板内に、ソース/ドレイン拡散層を形成する工程と、
前記ソース/ドレイン拡散層に、シリコンゲルマニウム層を埋め込む工程と、
前記シリコンゲルマニウム層の上部に、アモルファス層を形成する工程と、
前記アモルファス層上に、ニッケル膜を形成する工程と、
熱処理を行い、前記ニッケル膜とアモルファス層とを反応させることにより、前記シリコンゲルマニウム層上にシリサイド膜を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2)
付記1記載の半導体装置の製造方法において、
前記アモルファス層を形成する工程では、厚さが20nm以下となるように前記アモルファス層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記3)
付記1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記シリサイド膜を形成する工程では、結晶質の前記シリコンゲルマニウム層に前記シリサイド膜が達するまで、熱処理を行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記アモルファス層を形成する工程では、イオン注入により前記シリコンゲルマニウム層の上部をアモルファス化することにより、前記アモルファス層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記5)
付記4記載の半導体装置の製造方法において、
前記アモルファス層を形成する工程では、Arイオン、Geイオン、Siイオン、Asイオン、Sbイオン、Nイオン、Xeイオン又はKrイオンを、前記シリコンゲルマニウム層の上部に注入する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記6)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記アモルファス層を形成する工程では、前記シリコンゲルマニウム層上にアモルファス層を選択的に形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記7)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記アモルファス層を形成する工程では、前記半導体基板上及び前記シリコンゲルマニウム層上にアモルファス層を形成し、前記アモルファス層をパターニングすることにより、前記シリコンゲルマニウム層上にアモルファス層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記8)
付記6又は7記載の半導体装置の製造方法において、
前記アモルファス層は、アモルファスシリコン層又はアモルファスシリコンゲルマニウム層より成る
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記9)
付記1乃至8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記シリコンゲルマニウム層を埋め込む工程では、前記ゲート電極の上部に他のシリコンゲルマニウム層を更に形成し、
前記アモルファス層を形成する工程では、前記他のシリコンゲルマニウム層の上部に他のアモルファス層を更に形成し、
前記ニッケル膜を形成する工程では、前記ニッケル膜を前記他のアモルファス層上にも形成し、
前記熱処理を行う工程では、前記ニッケル膜と前記他のアモルファス層とを更に反応させることにより、前記他のシリコンゲルマニウム層上に他のニッケルシリサイド膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記10)
付記1乃至9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記ニッケルシリサイド膜を形成する工程の後に、前記ニッケル膜のうちの未反応の部分を、硫酸と過酸化水素水とが混合されて成る薬液を用いて、選択的にエッチング除去する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記11)
付記1乃至9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記ニッケルシリサイド膜を形成する工程の後に、前記ニッケル膜のうちの未反応の部分を、塩酸と過酸化水素と水とが混合されて成る薬液を用いて、選択的にエッチング除去する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記12)
付記1乃至11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記ニッケル膜を形成する工程では、スパッタ法により前記ニッケル膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】シリコンゲルマニウム層を薄いニッケル膜を用いてシリサイド化した場合における熱処理温度とGe組成比とシート抵抗との関係を示すグラフである。
【図2】シリサイドが存在しない領域が生じるメカニズムを示す概念図である。
【図3】ニッケルシリサイド膜のSEM像を示す平面図(その1)である。
【図4】ニッケルシリサイド膜のSEM像を示す平面図(その2)である。
【図5】Ni(Si1−xGe結晶がスパイク状に形成されている状態を示す断面図である。
【図6】本発明の原理を示す工程断面図である。
【図7】本発明による製造方法により形成されたニッケルシリサイド膜のSEM像を示す平面図である。
【図8】アモルファス層の厚さを厚くしすぎた場合を示す工程断面図である。
【図9】アモルファス層の厚さを薄くしすぎた場合を示す工程断面図である。
【図10】本実施形態による半導体装置の構造を示す断面図である。
【図11】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図12】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図13】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図14】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図15】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図16】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図17】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。
【図18】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その8)である。
【図19】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その9)である。
【図20】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その10)である。
【図21】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その11)である。
【図22】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その12)である。
【図23】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その13)である。
【図24】熱処理温度とシート抵抗との関係を示すグラフである。
【図25】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図26】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図27】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図28】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図29】本発明の第3実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図30】本発明の第3実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図31】本発明の第3実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図32】本発明の第3実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【符号の説明】
【0201】
2…NMOSトランジスタ
4…PMOSトランジスタ
8…シリコン基板
10…シリコンゲルマニウム層
12…ニッケルシリサイド膜
12a…結晶粒
14…シリサイドが存在しない領域
16…ゲート電極
18…Ni(Si1−xGe結晶
20…アモルファス層
22…ニッケル膜
24…ニッケルシリサイド膜
26…Ni(Si1−xGe結晶
34…シリコン基板
36…シリコン酸化膜
38…フォトレジスト膜
40…ウェル
42…シリコン窒化膜
44…トレンチ
46…素子分離領域
48…フォトレジスト膜
50…チャネルドープ層
52…ゲート絶縁膜
54、54n、54p…ゲート電極
55…シリコン酸化膜
56…フォトレジスト膜
57…シリコン窒化膜
58、58n、58p…不純物拡散領域
59、59n、59p…不純物拡散領域
60…サイドウォール絶縁膜
61…サイドウォール絶縁膜
62、62n、62p…不純物拡散領域
64、64n、64p…ソース/ドレイン拡散層
66…ニッケル膜
68…保護膜
72a、72b…ニッケルシリサイド膜
74…シリコン窒化膜
76…シリコン酸化膜
78a、78b…コンタクトホール
80…バリアメタル
82…タングステン膜
84a、84b…コンタクトプラグ
86…層間絶縁膜
96…NMOSトランジスタ形成領域
98…PMOSトランジスタ形成領域
100a、100b…シリコンゲルマニウム層
101、101a、101b…アモルファス層
102a、102b…ニッケルシリサイド膜
104…凹部
106…配線層
108…バリアメタル
110…銅膜
112…層間絶縁膜
114…配線層
116…バリアメタル
118…銅膜
120…電極
122…シリコン酸化膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の両側の前記半導体基板内に、ソース/ドレイン拡散層を形成する工程と、
前記ソース/ドレイン拡散層に、シリコンゲルマニウム層を埋め込む工程と、
前記シリコンゲルマニウム層の上部に、アモルファス層を形成する工程と、
前記アモルファス層上に、ニッケル膜を形成する工程と、
熱処理を行い、前記ニッケル膜とアモルファス層とを反応させることにより、前記シリコンゲルマニウム層上にシリサイド膜を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記アモルファス層を形成する工程では、厚さが20nm以下となるように前記アモルファス層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記シリサイド膜を形成する工程では、結晶質の前記シリコンゲルマニウム層に前記シリサイド膜が達するまで、熱処理を行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記アモルファス層を形成する工程では、イオン注入により前記シリコンゲルマニウム層の上部をアモルファス化することにより、前記アモルファス層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記アモルファス層を形成する工程では、前記シリコンゲルマニウム層上にアモルファス層を選択的に形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記アモルファス層を形成する工程では、前記半導体基板上及び前記シリコンゲルマニウム層上にアモルファス層を形成し、前記アモルファス層をパターニングすることにより、前記シリコンゲルマニウム層上にアモルファス層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項5又は6記載の半導体装置の製造方法において、
前記アモルファス層は、アモルファスシリコン層又はアモルファスシリコンゲルマニウム層より成る
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記シリコンゲルマニウム層を埋め込む工程では、前記ゲート電極の上部に他のシリコンゲルマニウム層を更に形成し、
前記アモルファス層を形成する工程では、前記他のシリコンゲルマニウム層の上部に他のアモルファス層を更に形成し、
前記ニッケル膜を形成する工程では、前記ニッケル膜を前記他のアモルファス層上にも形成し、
前記熱処理を行う工程では、前記ニッケル膜と前記他のアモルファス層とを更に反応させることにより、前記他のシリコンゲルマニウム層上に他のニッケルシリサイド膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記ニッケルシリサイド膜を形成する工程の後に、前記ニッケル膜のうちの未反応の部分を、硫酸と過酸化水素水とが混合されて成る薬液を用いて、選択的にエッチング除去する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記ニッケルシリサイド膜を形成する工程の後に、前記ニッケル膜のうちの未反応の部分を、塩酸と過酸化水素と水とが混合されて成る薬液を用いて、選択的にエッチング除去する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−351581(P2006−351581A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172035(P2005−172035)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】