説明

固相エピタキシー方式を用いた半導体素子及びその製造方法

【課題】コンタクト物質で低温熱工程によりエピタキシャルシリコンを形成しながらも、エピタキシャルシリコンの有する高い自らの比抵抗値によるコンタクト抵抗の増加を防止できるエピタキシャルシリコンをコンタクトとする半導体素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】固相エピタキシー工程を用いたエピタキシャル層と、前記エピタキシャル層上の第1金属層と、前記第1金属層上の窒化物系バリヤメタルと、前記バリヤメタル上の第2金属層と、前記エピタキシャル層と第1金属層との間に形成された金属シリサイドとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造技術に関し、特に、半導体素子のコンタクト形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子の小型化、高集積化が進む状況で、DRAMの場合、特にセルトランジスタ内のコンタクト領域も多くの影響を受けている。すなわち、半導体素子の小型化、高集積化に伴い、コンタクトの面積が減少することによってコンタクト抵抗の増加と動作電流の減少が発生する。これによって半導体素子のtWR不良及びデータリテンションタイム特性の低下といった素子の劣化現象が起きている。
【0003】
このような状況で、素子のコンタクト抵抗を下げ、動作電流を向上させるために、シリコン基板の接合部分のドーパント濃度を高めたり、コンタクト物質として用いるポリシリコン内のドーパントであるリン(Phosphorous;P)の濃度を高めたりする方法が提案されている。
【0004】
しかし、このような2通りの方法は、何れも素子の漏れ電流が増加し、素子のデータリテンションタイム特性が劣化するという短所がある。
【0005】
そして、一般にコンタクト物質として用いるポリシリコンは、バッチ型の炉で蒸着されるポリシリコン(500℃〜600℃、SiH/PH、リンドーピング濃度0.1〜3.0E20(0.1〜0.3×1020)atoms/cm)であって、このポリシリコンの蒸着時に大気圧の下で炉に窒素ガスでパージしながらローディングされても、この際に存在する酸素の濃度によりポリシリコンとシリコン基板との間の界面に微細酸化膜が形成され、素子のコンタクト抵抗を増加させる一因となっており、ポリシリコン自らの抵抗も非常に高い水準である。
【0006】
今後、非常に低いコンタクト抵抗が要求されるサブ100nm以下の半導体素子のコンタクト工程では、このようなポリシリコンを用いることが非常に困難である。
【0007】
したがって、最近はコンタクト抵抗を下げるだけでなく、素子の特性を向上させるために導入した技術が、シングル型のCVD(Single type Chemical Vapor Deposition)装置で形成させるエピタキシャルシリコンであり、このエピタキシャルシリコンを形成する方法として代表的な技術がSEG(Selective Epitaxial Growth)技術である。
【0008】
図1は、従来技術に係るSEG技術を用いたコンタクトの構造を示す図である。
【0009】
図1に示すように、半導体基板11上にゲート酸化膜12、ゲート電極13及びゲートハードマスク14の順に積層されているゲートパターンが形成され、ゲートパターンの両側壁にゲートスペーサ15が形成され、ゲートパターンの間の半導体基板11の表面上にSEG技術を用いてエピタキシャルシリコン16を形成している。
【0010】
前記SEG技術は、半導体基板11が露出した部分で選択的にエピタキシャルシリコンを成長させる工程であって、SEG工程により所望の厚さを有する非常に良質のエピタキシャルシリコン16を得ることができる。
【0011】
しかし、SEG技術は高温工程(850℃水素−ベーキング+800℃エピタキシャルシリコン成長)を用いるため、現在の半導体素子の製造工程に適用されていないのが現状である。
【0012】
このようなSEG技術の他に、高い温度(850℃)で表面自然酸化膜を除去するのにそのまま適用しながら水素−ベーキングなしに低温蒸着が可能で、低濃度のドーピング濃度でも十分ポリシリコンの問題点を克服できるものとして低いドーピング濃度と共に用いられるSPE(Solid Phase Epitaxy)技術がある。
【0013】
図2A及び図2Bは、従来技術に係るSPE技術を用いたコンタクト形成方法を示す工程断面図である。
【0014】
図2Aに示すように、半導体基板21上にゲート酸化膜22、ゲート電極23及びゲートハードマスク24の順に積層されているゲートパターンを形成した後、ゲートパターンの両側壁にゲートスペーサ25を形成する。この時、ゲートパターン及びゲートスペーサはSACエッチング工程を用いて形成される。
【0015】
次いで、SACエッチング工程後に、ゲートパターンの間の半導体基板21の露出された表面上にSPE技術を用いて非晶質シリコン27を形成している。
【0016】
この時、SPE技術はSiH/PHガスを用いて400℃〜700℃温度でリンドーピングが比較的に低い1E18〜1E21(1×1018〜1×1021)atoms/cmの濃度を有する非晶質シリコン27を蒸着するが、この場合、初期蒸着状態で下部には既にエピタキシャルシリコン26が成長し、その上部は非晶質シリコン27が蒸着される。
【0017】
図2Bに示すように、比較的に低温での熱工程(500℃〜700℃、2時間〜30分、窒素雰囲気)を行うことで半導体基板21上のエピタキシャルシリコン26(図2A参照)の下部領域でエピタキシャルシリコン28がコンタクトの上部領域に再成長するが、これはSPE工程の有する主な特徴である。ここで、熱工程は低い温度でもっと長く行われる。したがって、SPE技術を用いれば、非晶質シリコン27(図2A参照)とエピタキシャルシリコン26をともにエピタキシャルシリコン28に形成できる。
【0018】
既存のコンタクト物質であるポリシリコンの場合は、コンタクト抵抗を下げるために、リン濃度を1E20(1×1020)atoms/cm以上に上げて用いているが(これは素子のリフレッシュ特性を劣化させている)、SEG技術またはSPE技術を用いたエピタキシャルシリコンでは界面特性が向上するため、リンを低濃度でドーピングしてもコンタクト抵抗を低く維持できる。
【0019】
しかし、半導体素子がサブ100nm以下にさらに高集積化されるにつれ、より低いコンタクト抵抗を維持する必要がある。したがって、エピタキシャルシリコンも物質自体の比抵抗の側面で限界がある。すなわち、エピタキシャルシリコンのリンドーピング濃度が1E18〜1E21(1×1018〜1×1021)atoms/cmの範囲であっても、大体0.5〜1.5mΩ−cm程度の高い比抵抗値となり、それ以下に下げることは困難である。
【0020】
サブ100nmまたはそれ以下の次世代半導体素子では、エピタキシャルシリコンを適用する時のコンタクト抵抗よりもさらに低いコンタクト抵抗が必要となり、また素子の信頼性及び収率も十分確保する必要がある。その上、今後、高集積半導体素子にエピタキシャルシリコンを適用する場合にはセルコンタクト領域及び周辺回路領域の両方に同時に形成しなければならないという状況に直面している。
【0021】
これは、基本的にセル領域と周辺回路領域でエピタキシャルシリコンはポリシリコンよりもコンタクト抵抗を大きく下げることができるためで、特に周辺回路領域にエピタキシャルシリコンを用いれば、ソース及びドレイン領域に浅い接合を具現することができ、これによってエピタキシャルシリコンを用いたエレベーテッド・ソース・ドレイン(Elevared Source/Drain;以下「ESD」と称す)構造を適用できる。このESD構造は、半導体基板が露出するソース・ドレイン部分をエピタキシャルシリコンで成長させて実際のソース・ドレインの高さを上げながら、また金属シリサイドを形成させて抵抗特性も向上させることを意味する。
【0022】
実際、SEG技術はセル領域と周辺回路領域をともにエピタキシャルシリコンで成長させてESD工程まで具現できる。
【0023】
そのため、今後の次世代高集積素子では、このエピタキシャルシリコンをセル領域と周辺回路領域の両方に適用する必要があり、この場合、基本トランジスタ特性及び接合特性を考慮すれば、必ず低温エピタキシャルシリコン工程により行わなければならないし、SEG技術を適用しない場合には、必ず低温工程を用いた他のエピタキシャルシリコンが必要となる。
【0024】
前述したように、コンタクト物質として従来のポリシリコンの代わりにエピタキシャルシリコンをセル領域と周辺回路領域の両方に適用すればコンタクト抵抗を下げるだけでなく、ESD構造も可能になる。
【0025】
しかし、SEG技術は、前処理である水素−ベーキング工程が850℃の高温工程で、エピタキシャルシリコンの成長温度も800℃程度の高温工程であるため、半導体素子の製造工程時にこのような高い熱工程は素子のチャネル及び接合特性を非常に劣化させて、結局、半導体素子を大きく劣化させるという問題をもたらす。
【0026】
そして、SPE技術を適用するとしても、エピタキシャルシリコンの有する高い自らの比抵抗値のため、コンタクト抵抗を下げることには限界がある。
【特許文献1】特開平09−321296
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、コンタクト物質で低温熱工程によりエピタキシャルシリコンを形成しながらも、エピタキシャルシリコンの有する高い自らの比抵抗値によるコンタクト抵抗の増加を防止できるエピタキシャルシリコンをコンタクトとする半導体素子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記目的を達成するための本発明に係る半導体素子は、固相エピタキシー工程を用いたエピタキシャル層、前記エピタキシャル層上の第1金属層、前記第1金属層上の窒化物系バリヤメタル、前記バリヤメタル上の第2金属層、前記エピタキシャル層と第1金属層との間に形成された金属シリサイドを含むことを特徴とし、前記エピタキシャル層はエピタキシャルシリコン、エピタキシャルゲルマニウムまたはエピタキシャルシリコンゲルマニウムであることを特徴とし、前記エピタキシャル層は、1E18〜1E21(1×1018〜1×1021)atoms/cm程度の不純物がドーピングされていることを特徴し、前記第1金属層はチタニウム、コバルトまたはニッケルの中から選択されることを特徴とし、前記バリヤメタルはチタニウム窒化膜またはタングステン窒化膜の中から選択されることを特徴とし、前記第2金属層はタングステンであり、前記金属シリサイドはチタニウムシリサイド、コバルトシリサイドまたはニッケルシリサイドの中から選択されることを特徴とする。
また、本発明の半導体素子は、セル領域と周辺回路領域が画定されている半導体基板、前記セル領域の半導体基板上にエピタキシャル層である第1コンタクト層と金属物質である第2コンタクト層の順に積層されている自己整列コンタクト、及び前記周辺回路領域の半導体基板上にエピタキシャル層である第1ESDと金属物質である第2ESDの順に積層されているエレベーテッド・ソース・ドレインを含むことを特徴とし、前記第1コンタクト層と前記第1ESDは同一エピタキシャル層であり、前記第2コンタクト層と前記第2ESDは同一金属層であることを特徴とし、前記第1コンタクト層と前記第1ESDは固相エピタキシー工程を通して形成されたエピタキシャルシリコン、エピタキシャルゲルマニウムまたはエピタキシャルシリコンゲルマニウムであることを特徴とし、前記第2コンタクト層と前記第2ESDはそれぞれ、前記第1コンタクト層と前記第1ESD上の第1金属層、前記第1金属層上の窒化物系バリヤメタル、前記バリヤメタル上の第2金属層、前記第1コンタクト層/第1ESDと前記第1金属層との間に形成された金属シリサイドを含むことを特徴とする。
【0029】
さらに、本発明の半導体素子の製造方法は、セル領域と周辺回路領域が定義されている半導体基板の上部に前記セル領域にコンタクトホールを提供し、同時に前記周辺回路領域にESDホールを提供する構造物を形成するステップ、固相エピタキシー工程を用いて前記コンタクトホールとESDホールの底面の一部を埋め込むエピタキシャル層と前記エピタキシャル層上で前記コンタクトホールとESDホールの残りの地域を埋め込む非晶質層からなる第1コンタクト層と第1ESDを形成するステップ、前記第1コンタクト層と第1ESD中の前記非晶質層を選択的に除去するステップ、前記非晶質層の除去後に残留する前記第1コンタクト層と第1ESDのエピタキシャル層上に前記コンタクトホールと前記ESDホールを埋め込む金属コンタクト層からなる第2コンタクト層と第2ESDを形成するステップを含むことを特徴とし、前記非晶質層を選択的に除去するステップは、ドライエッチングにより行うことを特徴とし、前記エピタキシャル層はエピタキシャルシリコン、エピタキシャルゲルマニウムまたはエピタキシャルシリコンゲルマニウムで形成することを特徴とし、前記エピタキシャル層は1E18〜1E21(1×1018〜1×1021)atoms/cm程度の不純物がドーピングされていることを特徴とし、前記第2コンタクト層と第2ESDを形成するステップは、前記エピタキシャル層上に第1金属層を形成するステップ、前記第1金属層上に窒化物系バリヤメタルを形成するステップ、前記バリヤメタル上に第2金属層を形成するステップを含むことを特徴とし、前記第1金属層はチタニウム、コバルトまたはニッケルの中から選択されることを特徴とし、前記バリヤメタルは、チタニウム窒化膜またはタングステン窒化膜の中から選択されることを特徴とし、前記第2金属層はタングステンであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
上述した本発明は、固相エピタキシー工程の再成長のために、後続する熱工程を省略したり、コンタクトを形成するためのCMP工程の後に行ったりすることによって、半導体素子のコンタクト抵抗を下げるだけでなく、信頼性及び収率を向上させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の好適な実施の形態を、添付する図面を参照して説明する。
【0032】
図3は、本発明の実施の形態に係る半導体素子の構造を示す構造断面図である。
【0033】
図3に示すように、半導体素子の構造は、セル領域と周辺回路領域が画定されている半導体基板31、セル領域の半導体基板31上にエピタキシャル層である第1コンタクト層41Aと金属物質である第2コンタクト層100Aの順に積層されている自己整列コンタクト(SAC)、周辺回路領域の半導体基板31上にエピタキシャル層である第1ESD(41B)と金属物質である第2ESD(100B)の順に積層されているエレベーテッド・ソース・ドレイン(以下、「ESD」と称す)を含む。
【0034】
図3において、自己整列コンタクト(SAC)を構成する第1コンタクト層41Aと第1ESD(41B)を構成するエピタキシャル層は同一エピタキシャル層であり、第2コンタクト層100Aと第2ESD(100B)は同一金属層である。
【0035】
まず、第1コンタクト層41Aと第1ESD(41B)は、固相エピタキシー(SPE)工程を通して形成されたエピタキシャルシリコン、エピタキシャルゲルマニウムまたはエピタキシャルシリコンゲルマニウムの中から選択されるもので、このような第1コンタクト層41Aと第1ESD(41B)は1E18〜1E21(1×1018〜1×1021)atoms/cm程度の不純物(リンまたは砒素)がドーピングされている。
【0036】
そして、金属物質である第2コンタクト層100Aと第2ESD(100B)は、それぞれ第1コンタクト層41Aと第1ESD(41B)上の第1金属層44、第1金属層44上の窒化物系バリヤメタル45、バリヤメタル45上の第2金属層46、及び第1コンタクト層/第1ESD(41A/41B)と第1金属層44との間に形成された金属シリサイド47を含む。ここで、第1金属層44はチタニウム、コバルトまたはニッケルの中から選択され、バリヤメタル45はチタニウム窒化膜またはタングステン窒化膜の中から選択され、第2金属層46はタングステンである。そして、金属シリサイド47はチタニウムシリサイド、コバルトシリサイドまたはニッケルシリサイドの中から選択される。
【0037】
図3のような構造を有する本発明の半導体素子は、自己整列コンタクト(SAC)とESDをエピタキシャルシリコンからなる第1コンタクト層41A/第1ESD(41B)と金属物質からなる第2コンタクト層100A/第2ESD(100B)の二重構造(金属シリサイド形成)からなったSACを形成することによって、セル領域においてエピタキシャルシリコンとメタル層とをSACに形成することにより、シリコンそのもののコンタクト抵抗の限界を克服して、コンタクト抵抗を下げながら周辺回路領域でESDの抵抗を下げることができる。すなわち、本発明は金属物質からなる第2コンタクト層100Aと第2ESD(100B)を導入することによって金属層自らの比抵抗がシリコンに比べて100倍程度低いことが知られているため、コンタクト抵抗の側面からは非常に有利である。
【0038】
また、後述するが、第1コンタクト層41Aと第1ESD(41B)になるエピタキシャルシリコンは、固相エピタキシー(SPE)工程を通してエピタキシャルシリコンと非晶質シリコンを成長させた後、非晶質シリコンを選択的に除去することによって、エピタキシャルシリコンの再成長のための熱工程を行う必要がないため、工程を単純化する効果が得られるだけでなく、サーマルバジェットが減少する。
【0039】
図4A乃至図4Gは、本発明の実施の形態に係る半導体素子の製造方法を示す工程断面図である。
【0040】
図4Aに示すように、セル領域と周辺回路領域が画定されている半導体基板31に素子間の分離のための素子分離工程を行って素子分離膜32を形成した後、半導体基板31の選択された領域上にゲート絶縁膜33、ゲート電極34、ゲートハードマスク窒化膜35の順に積層されているゲートパターンを形成する。ここで、素子分離膜32はSTI(Shallow Trench Isolation)工程を用いて形成したもので、ゲート電極34はポリシリコン膜、ポリシリコン膜とタングステン膜の積層またはポリシリコン膜とタングステンシリサイド膜の積層の中から選択して形成する。
【0041】
次いで、ゲートパターンを含む半導体基板31上にスペーサ絶縁膜を蒸着した後、全面エッチングしてゲートパターンの両側壁に接するゲートスペーサ36を形成する。この時、ゲートハードマスク窒化膜35とゲートスペーサ36は後続する層間絶縁膜とエッチング選択比を有する物質を用い、層間絶縁膜がシリコン酸化膜である場合はシリコン窒化膜を用いる。
【0042】
このように、ゲートパターン及びゲートスペーサ36の形成工程は、セル領域と周辺回路領域で同時に行う。
【0043】
次に、フォトレジストマスクを使用してゲートパターンの間に露出した半導体基板31に公知のイオン注入法を用いてトランジスタのソース・ドレインの役割をする低濃度ソース・ドレイン接合37を形成する。ここで、低濃度ソース・ドレイン接合37はLDD(Lightly Doped Drain)構造と呼ばれるもので、セル領域と周辺回路領域に同時に形成される。そして、低濃度ソース・ドレイン接合37はNMOSFET形成地域では砒素(As)のようなn型ドーパントをイオン注入して形成し、PMOSFET形成地域ではボロン(Boron)のようなp型ドーパントをイオン注入して形成する。以下、セル領域と周辺回路領域に形成されるトランジスタはNMOSFETと仮定する。
【0044】
次に、ゲートパターンを含む半導体基板31上に層間絶縁膜(Inter Layer Dielectric;ILD)38を蒸着する。この時、層間絶縁膜38は酸化物を用いるが、BPSG(Boron Phosphorus Silicate Glass)、USG(Undoped Silicate Glass)、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)またはBSG(Boron Silicate Glass)の中から選択されるシリコン酸化膜系酸化物を用いる。
【0045】
次に、ゲートハードマスク窒化膜35の上部で一定厚さに残留するまで層間絶縁膜38を1次の化学的機械的研磨(CMP)する。この時、ゲートハードマスク窒化膜35の上に残留する層間絶縁膜38Aの厚さは、500Å〜1500Åである。
【0046】
前記した1次の化学的機械的研磨工程は、ヒュームドまたはコロイダル方式により製造したシリカを研磨粒子とし、pHが9〜12である塩基性スラリーを用いて行う。
【0047】
図4Bに示すように、ゲートハードマスク窒化膜35の表面が露出するまで層間絶縁膜38A(図4A参照)に対して2次の化学的機械的研磨を行う。すなわち、ゲートハードマスク窒化膜35で研磨がストップする条件で行う。
【0048】
2次の化学的機械的研磨が行われる時、スラリーはゲートハードマスク窒化膜35に対して高選択比を有する高選択比スラリー(High Selectivity Slurry;HSS)を用い、この時、高選択比スラリー(HSS)はゲートハードマスク窒化膜35と、酸化膜質である層間絶縁膜38Aとの研磨選択比が1:30〜1:100の範囲のスラリーを用いる。このような高選択比のスラリーは、pHが6〜8の中性で、スラリーに含まれている研磨粒子としてはセリア系(CeO)を用いる。
【0049】
前記した高選択比スラリーは酸化膜に対してのみ十分に化学的機械的研磨が行われ、窒化膜に対しては研磨が行われないスラリーで、そのため、主に酸化膜質である層間絶縁膜38Aに対しては研磨が十分行われ、窒化膜質であるゲートハードマスク窒化膜35では研磨がストップされる。
【0050】
すなわち、高選択比スラリーを用いた2次の化学的機械的研磨は、ゲートハードマスク窒化膜35の損失を最小に維持しながらゲートハードマスク窒化膜35上部の層間絶縁膜38Aを完全に除去する工程である。
【0051】
前記した2次の化学的機械的研磨の工程後には、ゲートパターンの間にのみ平坦化された層間絶縁膜38Bが残留し、ゲートパターンの上部には層間絶縁膜38Bが残留しない。
【0052】
前述した一連の工程により1、2次の化学的機械的研磨を行えば、ゲートハードマスク窒化膜35の厚さをウェーハの全領域に亘って一定に維持することができ、後続するコンタクトホールの形成において、SAC(Self Aligned Contact)のエッチング均一性を向上させることができる。エッチング均一性の向上は、後続するプラグを形成するための分離工程でゲートハードマスク窒化膜35の厚さの均一性を向上させ、SACフェイルを抑制させる。
【0053】
図4Cに示すように、平坦化された層間絶縁膜38Bの表面が露出したゲートハードマスク窒化膜35を含む全面に感光膜を塗布し、露光及び現像によりパターニングしてコンタクトマスク39を形成する。
【0054】
前記したコンタクトマスク39の工程時に、予め層間絶縁膜38Bをゲートハードマスク窒化膜35の表面が露出するまで1、2次の化学的機械的研磨をしてウェーハの全領域に亘って残留する層間絶縁膜38Bの厚さの均一度を確保したため、コンタクトマスク39のパターニング時に工程マージンを広く確保することができる。
【0055】
そして、コンタクトマスク39はセル領域で自己整列コンタクト(SAC)を形成するためのコンタクトマスクとして、従来技術は周辺回路領域で形成しないが、本発明は周辺回路領域でも同時にコンタクトマスク39を形成する。
【0056】
次に、コンタクトマスク39をエッチングバリヤとして層間絶縁膜38Bをエッチングしてセル領域に自己整列コンタクト(SAC)のためのコンタクトホール40Aをオープンさせる自己整列コンタクトエッチング(SAC)工程を行う。この時、周辺回路領域でも層間絶縁膜38BをエッチングしてESD形成のためのホール40B(以下、ESDホールと称す)を形成する。
【0057】
前記したコンタクトホール40A及びESDホール40Bを形成するための自己整列コンタクトエッチングの工程時に、ゲートパターンの間に残留する層間絶縁膜38Bのみをエッチングするため、ゲートハードマスク窒化膜35のエッチング損失を最小化できる。
【0058】
図4Dに示すように、コンタクトマスク39(図4C参照)を除去した後に、コンタクト物質の形成前の前処理洗浄工程を行う。すなわち、層間絶縁膜38Bをエッチングして形成されたコンタクトホール40A(図4C参照)及びESDホール40B(図4C参照)の側壁及び底面にはエッチング残留物(図示せず)が残留し、低濃度ソース・ドレイン接合37の表面にはエッチング工程によるシリコン格子欠陥が生じる。また、コンタクトホール40AとESDホール40Bが形成されながら露出された低濃度ソース・ドレイン接合37の表面には自然酸化膜が形成される。エッチング残留物及びシリコン格子欠陥は、素子の漏れ電流特性を低下させ、自然酸化膜はコンタクト抵抗を増加させて素子の電気的特性を低下させる要因となる。
【0059】
したがって、コンタクトホール40A/ESDホール40Bの形成後にコンタクト物質の形成前の前処理洗浄工程としてドライ洗浄またはウェット洗浄を行うが、ウェット洗浄はHF(Hydrogen Fluoride)−last洗浄(HF溶液を適用する洗浄)を適用し、ドライ洗浄はプラズマ洗浄または急速熱ベーキング(rapid thermal bake)工程を適用する。ウェット洗浄工程は25℃〜40℃で行われ、ドライ洗浄工程は700℃〜900℃で行われる。
【0060】
HF−last洗浄は、HF系洗浄を最後に行うもので、例えば、HF−last洗浄としては、RNO[(HSO+H)−>(NHOH+H)−>(HF系BOE)]洗浄、RNF[(HSO+H)−>(NHOH+H)−>HF]洗浄、RO[(HSO+H)−>(HF系BOE)]洗浄、NO[(NHOH+H)−>(HF系BOE)]洗浄またはRF[(NHOH+H)−>HF]洗浄を用いる。ここで、R(HSO+H)はSPMとし、「−>」は順序を表す。
【0061】
そして、プラズマ洗浄工程時に用いるガスは、水素、水素/窒素混合ガス、CF系ガス、NF系ガス、NH系ガスを用いる。例えば、水素(H)、水素/窒素(H/N)、フッ化窒素(NF)、アンモニア(NH)またはCFガスを雰囲気ガスとして用いる。また、プラズマ洗浄工程は25℃〜40℃で行われる。
【0062】
一方、前処理洗浄工程のドライ洗浄は、水素系ガスを用いた急速熱ベーキング工程を用いることもできるが、水素及び水素系ガス雰囲気で700℃〜900℃の高温で熱処理を行うと、エッチング残留物を除去するとともに、特に微細な自然酸化膜を除去する効果がある。
【0063】
前述した一連の前処理洗浄工程はコンタクトホール40A/ESDホール40Bの露出部位の洗浄表面の維持のために時間の遅延なしに連続的に行う。
【0064】
次に、前処理洗浄工程の後に固相エピタキシー(SPE)工程を行ってコンタクトホール40AとESDホール40Bの内部に非晶質シリコン42を成長させる。
【0065】
ここで、固相エピタキシー工程は蒸着初期状態でも既にコンタクトホール40A/ESDホール40B底部の低濃度ソース・ドレイン接合37の表面にエピタキシャルシリコン41が薄く成長し、その上部に非晶質シリコン42が成長する特徴を有する工程であって、初期蒸着時にHガス雰囲気でSiH/PHの混合ガスを供給しながら400℃〜700℃の温度で行う。このように、初期蒸着時にPHを流すことによってエピタキシャルシリコン41と非晶質シリコン42内のリンのドーピング濃度を比較的に低い1E18〜1E21(1×1018〜1×1021)atoms/cm程度に維持させる。一方、エピタキシャルシリコン41と非晶質シリコン42内にドーピングされる不純物は砒素(As)も可能であるが、この時は成長の途中にAsHを流す。
【0066】
このように、エピタキシャルシリコン41と非晶質シリコン42を固相エピタキシー(SPE)工程により成長させる蒸着方式は、LPCVD(Low Pressure CVD)、VLPCVD(Very Low Pressure CVD)、PECVD(Plasma Enhanced CVD)、UHVCVD(Ultra High Vacuum CVD)、RTCVD(Rapid Thermal CVD)、APCVD(Atmosphere Pressure CVD)またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)の中から選択される。
【0067】
一方、SPE工程時、シリコンの初期蒸着状態でエピタキシャルシリコン41が成長する理由の1つは、表面洗浄工程を行った後、時間の遅延なしに非晶質シリコン蒸着装置に真空でローディングさせるためである。前処理表面洗浄工程時にSPM(HSO:H=1:20@90℃)と300:1BOE(Buffered Oxide Etchant)を用いて洗浄を行うと、シリコン基板の表面は水素終末処理(シリコン基板の表面のシリコンダングリングボンドが水素原子と結合された状態)されて一定時間の間に自然酸化膜の成長が抑制される。このように自然酸化膜が抑制されることによって、SPE初期にエピタキシャルシリコンが成長する。さらに、もう1つの理由は、初期非晶質シリコンを蒸着するために導入されるガス雰囲気がHガスであるためである。すなわち、Hガスを用いることで、SPE工程時にガス雰囲気は酸化雰囲気ではなく還元雰囲気となり、このような還元雰囲気により非晶質シリコン42の蒸着状態でも初期にエピタキシャルシリコン41が成長する。
【0068】
前記した固相エピタキシー工程を用いて形成させるコンタクト物質は、シリコンの他にゲルマニウム、シリコンゲルマニウムも可能である。すなわち、非晶質ゲルマニウム、非晶質シリコンゲルマニウムも可能である。
【0069】
図4Eに示すように、非晶質シリコン42(図4D参照)を選択的に除去してコンタクトホール40AとESDホール40Bの内部にエピタキシャルシリコン41(図4D参照)を400Å〜1000Åの厚さに残留させる。
【0070】
この時、非晶質シリコン42はドライエッチングまたはウェットエッチングにより除去するが、ドライエッチング時にはHBr/Clの混合ガスを用い、ウェットエッチングは水酸化アンモニウム溶液を用いて除去する。
【0071】
以下、非晶質シリコン42の除去後にセル領域に残留するエピタキシャルシリコン41を「第1コンタクト層41A」と称し、周辺回路領域に残留するエピタキシャルシリコン41を「第1ESD(41B)」と称す。
【0072】
結局、セル領域のコンタクトホール40Aを一部埋め込む形態で第1コンタクト層41Aが残留し、周辺回路領域のESDホール40Bを一部埋め込む形態で第1ESD(41B)が残留する。
その後、後続する金属層の蒸着に先立って、第1コンタクト層41Aと第1ESD(41B)表面の自然酸化膜を除去するために、表面洗浄工程を行う。表面洗浄工程は、コンタクトホールの形成後に前処理洗浄工程と同様にドライ洗浄またはウェット洗浄を行うが、ウェット洗浄はHF−last(HF溶液を適用する洗浄)洗浄を適用し、ドライ洗浄はプラズマ洗浄または急速熱ベーキング工程を適用する。ここで、ウェット洗浄工程は25℃〜40℃で、ドライ洗浄工程は700℃〜900℃で行われる。
【0073】
図4Fに示すように、第1コンタクト層41A及び第1ESD(41B)のみを残留させた状態でセル領域を覆うイオン注入マスク(図示せず)を形成した後に周辺回路領域にイオン注入を行って高濃度ソース・ドレイン接合43を形成する。
【0074】
次に、第1コンタクト層41Aと第1ESD(41B)上にコンタクトホール40A(図4E参照)とESDホール40B(図4E参照)を完全に埋め込むまで金属層100を蒸着する。
【0075】
ここで、金属層100は化学気相蒸着(CVD)または物理気相蒸着(PVD)方式で形成し、単一金属層か、それぞれ異なる金属層で二重に蒸着することができる。例えば、金属層100はチタニウム(Ti)、コバルト(Co)またはニッケル(Ni)を単独で形成するか、チタニウム、コバルトまたはニッケルをまず形成し、次いでチタニウム窒化膜(TiN)またはタングステン窒化膜(WN)を形成する。また、金属層100はチタニウム、コバルトまたはニッケルをまず形成し、次いでバリヤメタルとしてチタニウム窒化膜、タングステン窒化膜を形成し、最後にタングステン(W)を蒸着することもできる。
【0076】
以下、金属層100はチタニウム(Ti)、コバルト(Co)またはニッケル(Ni)を単独で形成した第1金属層44、チタニウム窒化膜またはタングステン窒化膜で形成したバリヤメタル45、そしてタングステンで形成した第2金属層46を順に積層して形成したものと仮定する。
【0077】
一方、コンタクト抵抗の側面から、金属層100のみでコンタクトを形成すれば有利であるが、金属層100がシリコンからなる低濃度ソース・ドレイン接合37または高濃度ソース・ドレイン接合43と直接接触する場合に発生する汚染及びディップレベル不純物という問題があるため、一定厚さのエピタキシャルシリコン(すなわち、第1コンタクト層)と金属層100とを反応させて金属シリサイド47を形成する。例えば、金属層100で第1金属層44を形成する場合には後続する熱工程を行ってコンタクトホール40A/ESDホール40Bの内部に残留している第1コンタクト層41Aと第1ESD(41B)であるエピタキシャルシリコンとを反応させて金属シリサイド47に形成して第1コンタクト層41A/第1ESD(41B)と金属コンタクト層100との間に金属シリサイド47を形成する。以下、金属層100は金属シリサイド47も含むと仮定する。
【0078】
図4Gに示すように、ゲートハードマスク窒化膜35の表面が露出するまで金属層100(図4F参照)を化学的機械的研磨(CMP)して第1コンタクト層41Aと第1ESD(41B)の上でコンタクトホール40A(図4E参照)とESDホール40B(図4E参照)を完全に埋め込む金属層100からなる第2コンタクト層100Aと第2ESD(100B)を形成する。すなわち、化学的機械的研磨を通してセル領域には第1コンタクト層41A上に形成される第2コンタクト層100Aを形成すると同時に周辺回路領域には第1ESD(41B)上に形成される第2ESD(100B)を形成する。
【0079】
上述した実施の形態によれば、本発明は、セル領域に形成されるコンタクトを第1コンタクト層41Aと第2コンタクト層100Aの二重構造で形成し、周辺回路領域ではセルコンタクトと同じ構造、すなわち第1ESD(41B)と第2ESD(100B)の二重構造でESDを形成している。
【0080】
したがって、セル領域のコンタクトは、エピタキシャルシリコンである第1コンタクト層41Aと金属層である第2コンタクト層100Aの積層構造になり、周辺回路領域ではエピタキシャルシリコンである第1ESD(41B)と金属層である第2ESD(100B)の積層構造になる。好ましくは、セル領域のコンタクトは、エピタキシャルシリコンである第1コンタクト層41A、金属シリサイド47、第1金属層44、バリヤメタル45及び第2金属層46の順に積層されている第2コンタクト層100Aが積層される構造を有し、周辺回路領域のESDはエピタキシャルシリコンである第1ESD(41B)と金属シリサイド47、第1金属層44、バリヤメタル45及び第2金属層46の順に積層されている第2ESD(100B)が積層される構造を有する。セル領域と周辺領域とで後アニリング工程後に、金属シリサイド47はエピタキシャルシリコンと第1金属層との間に形成される。
【0081】
このように、本発明はセル領域にあるコンタクトをエピタキシャルシリコンからなる第1コンタクト層41Aと金属層からなる第2コンタクト層100Aの二重構造(その二重構造間に金属シリサイドを形成)で形成することによって、エピタキシャルシリコンのみでコンタクトを形成することによるコンタクト抵抗の限界を克服してコンタクト抵抗を下げることができる。すなわち、本発明は金属層からなる第2コンタクト層100Aと第2ESD(100B)を導入することによって金属層自らの比抵抗がシリコンに比べて100倍程度低いと知られているため、コンタクト抵抗の側面から非常に有利である。
【0082】
そして、固相エピタキシー(SPE)工程を通してエピタキシャルシリコン41と非晶質シリコン42を成長させた後に、非晶質シリコン42を選択的に除去することによってエピタキシャルシリコンを再成長させるための熱工程を行う必要がないため、工程単純化という効果が得られるだけでなく、サーマルバジェットが減少する。
【0083】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、半導体製造技術に関し、特に、半導体素子のコンタクト形成方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】従来技術に係るSEG技術を用いたコンタクトの構造を示す図である。
【図2A】従来技術に係るSPE技術を用いたコンタクト形成方法を示す工程断面図である。
【図2B】従来技術に係るSPE技術を用いたコンタクト形成方法を示す工程断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る半導体素子の構造を示す構造断面図である。
【図4A】本発明の実施の形態に係る半導体素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図4B】本発明の実施の形態に係る半導体素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図4C】本発明の実施の形態に係る半導体素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図4D】本発明の実施の形態に係る半導体素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図4E】本発明の実施の形態に係る半導体素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図4F】本発明の実施の形態に係る半導体素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図4G】本発明の実施の形態に係る半導体素子の製造方法を示す工程断面図である。
【符号の説明】
【0086】
31 半導体基板
32 素子分離膜
33 ゲート絶縁膜
34 ゲート電極
35 ゲートハードマスク
36 ゲートスペーサ
37 低濃度ソース・ドレイン
38 層間絶縁膜
41 エピタキシャルシリコン
41A 第1コンタクト層
41B 第1ESD
42 非晶質シリコン
43 高濃度ソース・ドレイン
44 第1金属層
45 バリヤメタル
46 第2金属層
100 金属層
100A 第2コンタクト層
100B 第2ESD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固相エピタキシー工程を用いたエピタキシャル層と、
前記エピタキシャル層上の第1金属層と、
前記第1金属層上の窒化物系バリヤメタルと、
前記バリヤメタル上の第2金属層と、
後アニリング工程後に(post−annealing process)前記エピタキシャル層と第1金属層との間に形成された金属シリサイドと
を含むことを特徴とする半導体素子。
【請求項2】
前記エピタキシャル層は、エピタキシャルシリコン、エピタキシャルゲルマニウムまたはエピタキシャルシリコンゲルマニウムであることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記エピタキシャル層は、1E18〜1E21atoms/cm程度の不純物がドーピングされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記不純物は、リンまたは砒素であることを特徴とする請求項3に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記第1金属層は、
チタニウム、コバルトまたはニッケルの中から選択されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項6】
前記バリヤメタルは、チタニウム窒化膜またはタングステン窒化膜の中から選択されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項7】
前記第2金属層はタングステンであることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項8】
前記金属シリサイドは、
チタニウムシリサイド、コバルトシリサイドまたはニッケルシリサイドの中から選択されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項9】
セル領域と周辺回路領域が画定されている半導体基板と、
前記セル領域の半導体基板上にエピタキシャル層である第1コンタクト層と金属物質である第2コンタクト層の順に積層されているコンタクトと、
前記周辺回路領域の半導体基板上にエピタキシャル層である第1ESDと金属物質である第2ESDの順に積層されているエレベーテッド・ソース・ドレインと
を含むことを特徴とする半導体素子。
【請求項10】
前記第1コンタクト層と前記第1ESDは同一エピタキシャル層であり、前記第2コンタクト層と前記第2ESDは同一金属層であることを特徴とする請求項9に記載の半導体素子。
【請求項11】
前記第1コンタクト層と前記第1ESDは、
固相エピタキシー工程を通して形成されたエピタキシャルシリコン、エピタキシャルゲルマニウムまたはエピタキシャルシリコンゲルマニウムであることを特徴とする請求項9に記載の半導体素子。
【請求項12】
前記第1コンタクト層と前記第1ESDは、
1E18〜1E21atoms/cm程度の不純物がドーピングされていることを特徴とする請求項11に記載の半導体素子。
【請求項13】
前記不純物は、リンまたは砒素であることを特徴とする請求項12に記載の半導体素子。
【請求項14】
前記第2コンタクト層と前記第2ESDはそれぞれ、
前記第1コンタクト層と前記第1ESD上の第1金属層と、
前記第1金属層上の窒化物系バリヤメタルと、
前記バリヤメタル上の第2金属層と、
前記第1コンタクト層/第1ESDと前記第1金属層との間に形成された金属シリサイドと
を含むことを特徴とする請求項9に記載の半導体素子。
【請求項15】
前記第1金属層は、
チタニウム、コバルトまたはニッケルの中から選択されることを特徴とする請求項14に記載の半導体素子。
【請求項16】
前記バリヤメタルは、チタニウム窒化膜またはタングステン窒化膜の中から選択されることを特徴とする請求項14に記載の半導体素子。
【請求項17】
前記第2金属層はタングステンであることを特徴とする請求項14に記載の半導体素子。
【請求項18】
前記金属シリサイドは、
チタニウムシリサイド、コバルトシリサイドまたはニッケルシリサイドの中から選択されることを特徴とする請求項14に記載の半導体素子。
【請求項19】
セル領域と周辺回路領域が画定されている半導体基板の上部に前記セル領域にコンタクトホールを提供し、同時に前記周辺回路領域にESDホールを提供する構造物を形成するステップと、
固相エピタキシー工程を用いて前記コンタクトホールとESDホールの底面の一部を埋め込むエピタキシャル層と前記エピタキシャル層上で前記コンタクトホールとESDホールの残りの領域を埋め込む非晶質層からなる第1コンタクト層と第1ESDを形成するステップと、
前記第1コンタクト層と第1ESD中の前記非晶質層を選択的に除去するステップと、
前記非晶質層の除去後に残留する前記第1コンタクト層と第1ESDのエピタキシャル層上に前記コンタクトホールと前記ESDホールを埋め込む金属コンタクト層からなる第2コンタクト層と第2ESDを形成するステップと
を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項20】
前記非晶質層を選択的に除去するステップは、
ドライエッチングにより行うことを特徴とする請求項19に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項21】
前記ドライエッチングは、HBr/Clの混合ガスで行うことを特徴とする請求項20に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項22】
前記非晶質層を選択的に除去するステップは、
ウェットエッチングにより行うことを特徴とする請求項19に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項23】
前記ウェットエッチングは、水酸化アンモニウム溶液を用いて行うことを特徴とする請求項22に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項24】
前記第1コンタクト層と第1ESDのエピタキシャル層は、
エピタキシャルシリコン、エピタキシャルゲルマニウムまたはエピタキシャルシリコンゲルマニウムで形成することを特徴とする請求項19に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項25】
前記エピタキシャル層は、
1E18〜1E21atoms/cm程度の不純物がドーピングされていることを特徴とする請求項24に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項26】
前記不純物は、リンまたは砒素であることを特徴とする請求項25に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項27】
前記第2コンタクト層と第2ESDを形成するステップは、
前記エピタキシャル層上に第1金属層を形成するステップと、
前記第1金属層上に窒化物系バリヤメタルを形成するステップと、
前記バリヤメタル上に第2金属層を形成するステップと
を含むことを特徴とする請求項19に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項28】
前記第1金属層は、
チタニウム、コバルトまたはニッケルの中から選択されることを特徴とする請求項27に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項29】
前記バリヤメタルは、チタニウム窒化膜またはタングステン窒化膜の中から選択されることを特徴とする請求項27に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項30】
前記第2金属層はタングステンであることを特徴とする請求項27に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項31】
前記第1金属層を形成するステップの後に、
熱工程を行って前記エピタキシャル層と第1金属層との間の反応を誘導して金属シリサイドを形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項32】
前記金属シリサイドは、チタニウムシリサイド、コバルトシリサイドまたはニッケルシリサイドの中から選択されることを特徴とする請求項31に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項33】
前記半導体基板の上部にコンタクトホールを提供する構造物を形成するステップは、
前記コンタクトホールに対する前処理洗浄工程を行うステップ
をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項34】
前記前処理洗浄工程は、
ドライ洗浄またはウェット洗浄により行うことを特徴とする請求項33に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項35】
前記ウェット洗浄は、
HF−last洗浄を適用することを特徴とする請求項34に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項36】
前記HF−last洗浄は、
RNO[(HSO+H)−>(NHOH+H)−>(HF系BOE)]洗浄、RNF[(HSO+H)−>(NHOH+H)−>HF]洗浄、RO[(HSO+H)−>(HF系BOE)]洗浄、NO[(NHOH+H)−>(HF系BOE)]洗浄またはRF[(NHOH+H)−>HF]洗浄を用いることを特徴とする請求項35に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項37】
前記ドライ洗浄は、
プラズマ洗浄工程により行うことを特徴とする請求項34に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項38】
前記プラズマ洗浄は、
水素(H)、水素/窒素(H/N)、フッ化窒素(NF)、アンモニア(NH)またはCFガスを雰囲気ガスとして用いることを特徴とする請求項37に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項39】
前記ウェット洗浄工程は、
25℃〜400℃の範囲で行うことを特徴とする請求項33乃至請求項38の何れか一項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項40】
前記ドライ洗浄は、プラズマ洗浄工程は25℃〜400℃で行われ、急速熱ベーキング工程は700℃〜900℃で行われることを特徴とする請求項34に記載の半導体素子の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【公開番号】特開2006−310717(P2006−310717A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−176986(P2005−176986)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】