説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】改良された縦型のMOSトランジスタを備える半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、半導体基板10の主面に対してほぼ垂直に延在するチャネル領域22と、チャネル領域22の下部に設けられた第1の拡散層領域22aと、チャネル領域の上部に設けられた第2の拡散層領域22bと、半導体基板10の主面に対してほぼ垂直に延在し、ゲート絶縁膜30を介してチャネル領域22の側面に設けられた第1のゲート電極34と、半導体基板10の主面とほぼ平行に延在し、第1のゲート電極34の上部に接続された第2のゲート電極35aと、第1の拡散層領域22aに接続され、第2のゲート電極と交差する埋め込み配線21を備えている。第2のゲート電極35aの平面的な位置は、第1のゲート電極34の平面的な位置に対してオフセットされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置及びその製造方法に関し、特に、3次元構造を有する縦型のMOSトランジスタを備えた半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板に形成されるMOSトランジスタとしては、いわゆるプレーナ型のMOSトランジスタが一般に用いられている。しかしながら、プレーナ型のMOSトランジスタでは、集積度を高めるべく微細化を進めるとショートチャネル効果が顕著になり、サブスレッショールド電流が増大するという問題があった。
【0003】
サブスレッショールド電流を抑制する方法としては、基板の不純物濃度を高くする方法が有効であるが、不純物濃度を高くすると、接合リーク電流が増加してしまう。接合リーク電流の増大は、ロジック回路用のトランジスタにおいてはそれほど問題にならないが、DRAM(Dynamic Random Access Memory)用のセルトランジスタにおいては、リフレシュ特性の低下を招いてしまう。このため、DRAM用のセルトランジスタにおいては、不純物濃度を高くすることは困難であった。
【0004】
このような問題を解決すべく、DRAM用のセルトランジスタとして、RCAT(Recess-Channel-Array Transistor)やFinFETなど3次元構造を有するMOSトランジスタの研究や、製品への適用が進んでいる。しかしながら、RCATやFinFETなどのMOSトランジスタは、プレーナ型のMOSトランジスタと同様、ソース領域とドレイン領域が半導体基板上の異なる平面に形成されており、半導体基板の表面に沿ってオン電流が流れる構造であるため、集積度を十分に高めることは困難である。
【0005】
これに対し、近年では、オン電流が垂直に流れる縦型のMOSトランジスタが提案されている(特許文献1〜3参照)。縦型のMOSトランジスタにおいては、ソース領域とドレイン領域が半導体基板上のほぼ同じ平面に形成されるため、より高い集積度を得ることが可能となる。
【特許文献1】特表2002−541667号公報
【特許文献2】特開平5−121693号公報
【特許文献3】特開平7−273221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、縦型のMOSトランジスタは、垂直なチャネル領域の側面にゲート電極を形成する必要があることから、デバイス構造や製造プロセスが極めて複雑であるなどの問題があった。これらの問題により、従来の構造ではさらなる微細化を進めることは困難であった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、改良された縦型のMOSトランジスタを備える半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、さらに微細化された縦型のMOSトランジスタを備えた半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【0009】
また、本発明のさらに他の目的は、比較的簡単なプロセスで製造可能な縦型のMOSトランジスタを備えた半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による半導体装置は、半導体基板の主面に対してほぼ垂直に延在するチャネル領域と、チャネル領域の下部に設けられた第1の拡散層領域と、チャネル領域の上部に設けられた第2の拡散層領域と、半導体基板の主面に対してほぼ垂直に延在し、ゲート絶縁膜を介してチャネル領域の側面に設けられた第1のゲート電極と、半導体基板の主面とほぼ平行に延在し、第1のゲート電極の上部に接続された第2のゲート電極とを備え、第2のゲート電極の平面的な位置は、第1のゲート電極の平面的な位置に対してオフセットされていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、垂直方向に延在する第1のゲート電極に対して、水平方向に延在する第2のゲート電極がオフセットして配置されていることから、チャネル領域の上部に設けられた第2の拡散層領域を露出させつつ、ゲート電極を容易に形成することが可能となる。
【0012】
また、本発明による半導体装置の製造方法は、半導体基板の主面に対してほぼ垂直に延在するチャネル領域を形成する工程と、チャネル領域の下部に第1の拡散層領域を形成する工程と、ゲート絶縁膜を介してチャネル領域の側面に半導体基板の主面に対してほぼ垂直に延在する第1のゲート電極を形成する工程と、平面的な位置が第1のゲート電極の平面的な位置に対してオフセットするよう、第1のゲート電極の上部に半導体基板の主面とほぼ平行に延在する第2のゲート電極を形成する工程と、チャネル領域の上部に第2の拡散層領域を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、比較的簡単なプロセスで上述の縦型トランジスタを製造することができる。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明によれば、垂直に延在する第1のゲート電極に対して、水平に延在する第2のゲート電極がオフセットして配置されていることから、比較的簡単なプロセスで製造することが可能となる。このため、従来の縦型のMOSトランジスタを備える半導体装置に比べ、さらなる微細化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の好ましい第1の実施形態による半導体装置1の構造を示す略平面図である。また、図2(a)は図1に示すA−A'線に沿った略断面図であり、図2(b)は図1に示すB−B'線に沿った略断面図であり、図2(c)は図1に示すC−C'線に沿った略断面図であり、図2(d)は図1に示すD−D'線に沿った略断面図である。また、図3(a)は一つのMOSトランジスタの構造を説明するための模式的な斜視図であり、図3(b)は図3(a)から第2のゲート電極35aを削除した状態を示している。
【0017】
図1及び図3(a),(b)に示すように、本実施形態による半導体装置1は、半導体基板10にフィン状の活性領域10fが設けられている。詳細については後述するが、トランジスタのチャネル領域はフィン状の活性領域10f内に形成され、ソース/ドレイン領域はフィン状の活性領域10fの上部及び下部にそれぞれ形成される。つまり、縦型のMOSトランジスタが構成されており、オン電流は半導体基板10の主面に対して垂直方向に流れる。
【0018】
特に限定されるものではないが、本実施形態による半導体装置1は、DRAMのセルトランジスタであることが好ましい。これは、本実施形態による半導体装置1によれば、MOSトランジスタを高密度に集積可能であるとともに、サブスレッショールド電流や接合リーク電流を低減できるからである。
【0019】
図4は、DRAMのメモリセルMCの基本構造を示す回路図である。
【0020】
図4に示すように、DRAMのメモリセルMCは、一つのセルトランジスタTRと1つのセルキャパシタCが直列接続された構造を有している。セルトランジスタTRのソース/ドレインの一方はセルキャパシタCに接続され、他方はビット線BLに接続されている。また、セルトランジスタTRのゲートはワード線WLに接続されている。かかる構成により、ワード線WLが活性化するとセルトランジスタTRがオンし、セルキャパシタCとビット線BLが接続される。これにより、ビット線BLを介したデータの読み出し及び書き込みが可能となる。
【0021】
図1に示すように、ワード線WLはX方向に形成され、ビット線BLはY方向に形成されている。そして、セルトランジスタTRは、ワード線WLとビット線BLの交点に配置されている。セルトランジスタTRのゲート電極は、垂直方向に延在する第1のゲート電極34(34a,34b)と、水平方向に延在する第2のゲート電極35aによって構成されている。第2のゲート電極35aは、ワード線WLを構成する。本実施形態においては、隣接する第2のゲート電極35a,35aの間にダミーゲート電極35bが設けられている。ダミーゲート電極35bには逆バイアスが印加され、これによってY方向に隣接するセルトランジスタTRが電気的に分離される。
【0022】
次に、図1〜図3を参照しながら、セルトランジスタTRの構造について詳細に説明する。
【0023】
図1〜図3に示すように、セルトランジスタTRは、半導体基板10のフィン状の活性領域10fに設けられたチャネル領域22と、チャネル領域22の下部に設けられた第1の拡散層領域22aと、チャネル領域22の上部に設けられた第2の拡散層領域22bと、ゲート絶縁膜30を介してチャネル領域22の側面に設けられた第1のゲート電極34と、第1のゲート電極34の上部に接続された第2のゲート電極35aとを備えている。第2のゲート電極35aの上層には絶縁膜36、37が形成されている。
【0024】
フィン状の活性領域10fはY方向に延在しており、一つの活性領域10f内には複数のセルトランジスタTRが設けられている。各セルトランジスタTRの形成位置において、フィン状の活性領域10fの両側には、半導体基板10の主面に対してほぼ垂直に形成されたスリット29が形成されており、第1のゲート電極34はスリット29内に埋め込まれている。このため、第1のゲート電極34は、一つのセルトランジスタTRに対して2個割り当てられることになる。つまり、第1のゲート電極34は、チャネル領域22の一方の側面を覆う第1の部分34aと、チャネル領域22の他方の側面を覆う第2の部分34bによって構成され(図3参照)、チャネル領域22はこれら第1及び第2の部分34a,34bに挟まれた構造となる。ここで、チャネル領域22の側面とは、第2のゲート電極35aの延在方向とほぼ直交する面を指す。
【0025】
また、第2のゲート電極35aは、第1のゲート電極34に対して平面的にオフセットして配置されている。このため、第1のゲート電極34によって挟まれる領域は、第2のゲート電極35aによって覆われる部分と、第2のゲート電極35aによって覆われない部分によって構成され、第2のゲート電極35aによって覆われない部分の上面は露出している。この露出部分には上部電極であるセルコンタクト39が接続され、これによってセルコンタクト39と第2の拡散層領域22bが接続される。
【0026】
第2のゲート電極35aのX方向における長さは十分に長く、複数のセルトランジスタに共通するほぼ直線状の配線である。これに対し、第1のゲート電極34のY方向における長さは比較的短い。これは、第2のゲート電極35aがワード線WLを構成するのに対し、第1のゲート電極34は個々のセルトランジスタTRのゲート電極だからである。第1のゲート電極34のY方向における長さは、第2のゲート電極35aとダミーゲート電極35bとをショートさせない限りにおいてできるだけ長いほうが好ましい。
【0027】
フィン状の活性領域10fの下部には、下部電極である2本の埋め込み配線21が設けられている。埋め込み配線21はビット線BLを構成するものであり、第2のゲート電極35aと交差するY方向に延在し、第1の拡散層領域22aに接続されている。本実施形態においては、製造上の理由から、一つのセルトランジスタTRに対して2本のビット線BLが割り当てられている。
【0028】
以上が本実施形態による半導体装置1の基本構造である。このように、垂直方向に延在する第1のゲート電極34に対して、水平方向に延在する第2のゲート電極35aが平面的にオフセットして配置されていることから、第1のゲート電極34と第2のゲート電極35aとの接触を確保しつつ、チャネル領域の上部を露出させることが可能となる。このため、縦型のMOSトランジスタのゲート電極を容易に形成することが可能となる。
【0029】
図5は、上記セルトランジスタTRを用いたDRAMのメモリセル構造を示す略断面図である。
【0030】
図5に示すように、セルトランジスタTRの上方には、セルキャパシタCが設けられている。セルキャパシタCは、セルコンタクト39を介して第2の拡散層領域22bに接続されたシリンダ型の下部電極61と、プレート配線PLに接続された円柱型の上部電極63と、下部電極61と上部電極63との間に設けられた容量絶縁膜62によって構成されている。セルキャパシタCは、層間絶縁膜60を貫通する空洞60a内に設けられている。
【0031】
以上のような構造を有する半導体装置1は、図示しないワードドライバによって複数のワード線WLのいずれか1本を活性化することによって、データの書き込み及び読み出しを行うことができる。つまり、対応するワード線WLが活性化しているメモリセルMCでは、セルトランジスタTRがオンするため、対応するビット線BLは、セルトランジスタTRを介してセルキャパシタCに接続された状態となる。したがって、セルキャパシタCとビット線BLを接続した後、ビット線BLに現れた電位差を図示しないセンスアンプによって増幅すれば、セルキャパシタCに保持された情報を読み出すことができる。また、セルキャパシタCとビット線BLを接続した状態で、センスアンプによってビット線BLを駆動すれば、セルキャパシタCに情報を書き込むことが可能となる。
【0032】
以下、本実施形態による半導体装置1の製造方法について説明する。
【0033】
図6〜図28は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図であり、それぞれ(a)は図1に示すA−A'線に沿った略断面図、(b)は図1に示すB−B'線に沿った略断面図、(c)は図1に示すC−C'線に沿った略断面図、(d)は図1に示すD−D'線に沿った略断面図、(e)は略平面図である。
【0034】
本実施形態による半導体装置1の製造では、まず、図6に示すように、半導体基板(シリコンウェハー)10上にシリコン酸化膜(パッド酸化膜)11及びシリコン窒化膜(フィールド窒化膜)12を順次成膜する。このフィールド窒化膜12は、拡散層領域を覆うマスクとなり、素子分離領域(STI:Shallow Trench Isolation)に埋め込まれるシリコン酸化膜を研磨する際のCMPストッパーとしても利用される。
【0035】
次に、図7に示すように、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いてパターニングを行い、フィールド窒化膜12とパッド酸化膜11の一部をドライエッチング(異方性エッチング)により除去する。このとき、Y方向に延びる帯状の開口パターン13が形成される。
【0036】
次に、図8に示すように、フィールド窒化膜12をマスクとして半導体基板10をドライエッチングすることにより、深さ400nm程度の素子分離領域用のトレンチ14を形成する。ここで、トレンチ14はY方向に沿って直線状に形成され、隣接する2本のトレンチ14、14に挟まれた領域がフィン状の活性領域10fとなる。
【0037】
次に、図9に示すように、トレンチ14の内壁に厚さ5nm程度のシリコン酸化膜(犠牲酸化膜)15を熱酸化により形成する。その後、HDP−CVD(High Density Plasma Chemical Vapor Deposition)法により、トレンチ14の内部を含む基板全面に厚さ150nm程度のシリコン酸化膜16aを形成する。このとき、HDP−CVD法の特性上、シリコン酸化膜16aは水平面に堆積しやすく、垂直面に堆積しにくいことから、図示のように、トレンチ14の底部とフィールド窒化膜12の上面には厚く形成され、トレンチ14の側面には薄く形成される。
【0038】
その後、フィールド窒化膜12をストッパーとして、フィールド窒化膜12上のシリコン酸化膜16aをCMP(Chemical Mechanical Polishing)により除去する。さらに、フッ酸を含んだ溶液を用いた短時間のウェットエッチングを行い、フィールド窒化膜12の開口側面及びトレンチ14の側面に露出した犠牲酸化膜15を除去する。このとき、トレンチ14の底面のシリコン酸化膜16aもエッチングされて薄くなるものの、図10に示すように、トレンチ14の底部には厚さ100nm程度のシリコン酸化膜16aが残された状態となる。
【0039】
続いて、図11に示すように、基板全面に厚さ400nm程度のSOG(Spin on Grass)膜17を形成する。次いで、SOG膜17の改質を目的として、例えば400℃で10分程度の熱処理(ベーク処理)を行い、SOG膜17を変質させる。ここで、SOG膜17は後のウェットエッチング工程にて除去されるものであるため、このときの熱処理は、その後のエッチングにおいて、HDP−CVD法で成膜されたシリコン酸化膜やTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)−NSG(Non-doped Silicate Glass)膜のエッチングレートよりもSOG膜17のエッチレートのほうが速くなるような条件で行われることが好ましい。その後、SOG膜17をウェットエッチングにより部分的に除去する。こうして、図12に示すように、トレンチ14の底部に形成されたシリコン酸化膜16a上に厚さ100nm程度のSOG膜17を残存させる。
【0040】
さらに、基板全面に厚さ15nm程度のシリコン酸化膜(TEOS−NSG膜)18を形成する。その後、異方性のドライエッチング技術を用いて、フィールド窒化膜12及びSOG膜17上のシリコン酸化膜18を除去する。こうして、図13に示すように、トレンチ14の内壁の露出面にのみシリコン酸化膜18を形成する。
【0041】
その後、図14に示すように、ウェットエッチングを行ってSOG膜17を除去する。上述したように、SOG膜17のエッチングレートは他のシリコン酸化膜よりも速いので、SOG膜17を選択的に除去できる。こうしてSOG膜17が除去されたトレンチ14の側壁領域は、半導体基板10の露出面19となる。
【0042】
次に、図15に示すように、拡散層の両側に空洞20を形成する。空洞20の形成では、フィールド窒化膜12、シリコン酸化膜16a及びシリコン酸化膜18をマスクとして、塩素系ガスを用いたドライエッチングを行う。これにより、半導体基板10の露出面19は等方性エッチングされ、フィン状の活性領域10fとなる半導体基板10の両側が丸く削られる。こうして形成された深さ(直径)50nm程度の空洞20は埋め込み配線領域となる。このとき、トレンチ14の側壁の両側から半導体基板10をエッチングするので、隣り合う空洞20,20同士が貫通してパターンが剥がれないよう注意する必要がある。
【0043】
次に、図16に示すように、空洞20内に埋め込み配線21を形成する。埋め込み配線21の形成では、フッ酸を含んだ溶液を用いて、空洞20内の自然酸化膜を除去する前処理を行った後、リン(P)又はヒ素(As)を多量に含んだポリシリコン膜をトレンチ14の内部を含む基板全面に200nm程度成膜する(図示しない)。このときのポリシリコン膜の不純物濃度は、1.0×1020〜4.5×1020cm−3とすることが好ましい。そして、空洞20内にのみポリシリコン膜を残し、かつ、フィールド窒化膜12上やシリコン酸化膜18の側面にポリシリコン膜が残らないように、フィールド窒化膜12とシリコン酸化膜18に対して選択比を持たせたポリシリコン膜の等方性エッチングを行う。
【0044】
空洞20内に埋め込まれたポリシリコン膜は、DRAMでいうビット線の導電性膜と同じ役割となる。また、この後に加えられる熱処理により前記ポリシリコン膜からリン(P)又はヒ素(As)の不純物拡散が行われ、さらに、この後の不純物注入工程により、縦型トランジスタの下側のソース/ドレイン領域(第1の拡散層領域22a)が形成される。
【0045】
埋め込み配線21の材料はポリシリコン膜に限定されず、埋め込み配線21の低抵抗化のために、例えばタングステンシリサイド(WSi)、コバルトシリサイド(CoSi)等のシリサイド膜や、タングステン(W)などの高融点金属を用いてもよい。ただし、高融点金属を用いる場合は、金属の拡散を防止する窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(WN)や窒化(TaN)等のバリアメタルを用いる必要がある。また、上記のシリサイド膜や高融点金属を使用した場合、縦型トランジスタの下側のドレイン・ソースを形成するため、リン(P)、ヒ素(As)等の不純物を注入する必要がある。
【0046】
その後、HDP−CVD法により、厚さ500nm程度のシリコン酸化膜16bを形成し、トレンチ14内にシリコン酸化膜16bを埋め込む。さらに、フィールド窒化膜12をストッパーとして、フィールド窒化膜12上のシリコン酸化膜16bをCMPにより除去し、平坦化する。こうして、図17に示すように、シリコン酸化膜16a、16bからなる素子分離領域16及び埋め込み配線21が完成する。
【0047】
ところで、上記プロセスのみではDRAMにおける周辺回路領域の活性領域を作成することが出来ない。そこで、周辺回路領域の活性領域を形成する場合は、上記の状態で、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いて、250nm程度の素子分離領域用のトレンチを形成し、トレンチの内壁に10nm程度のシリコン酸化膜を熱酸化により形成した後、HDP−CVD法等によりシリコン酸化膜を埋め込み、CMPにより平坦化を行うことで、周辺回路領域のトランジスタを形成するための活性領域を作成すればよい。
【0048】
その後、図18に示すように、素子分離領域16を構成するシリコン酸化膜16bの上面と半導体基板10の上面との高さの差が50nm程度となるように、シリコン酸化膜16bのウェットエッチングを行った後、約160℃の熱リン酸を用いたウェットエッチングを行い、CMPストッパーとして使用したフィールド窒化膜12を除去する。このとき、パッド酸化膜11は除去されない。
【0049】
次に、図19に示すように、基板全面にシリコン窒化膜23を形成する。このシリコン窒化膜23は、後述するスリットを形成する際のマスクとなるものである。シリコン窒化膜23の厚さとしては、活性領域10fの幅の半分以下に設定する必要があり、例えば約25nmに設定される。こうしてシリコン窒化膜23の適切な厚さとすることにより、素子分離領域16、16間にはシリコン窒化膜23による凹部24が形成される。
【0050】
続いて、図20に示すように、基板全面に厚さ100nm程度のシリコン酸化膜25を形成した後、シリコン窒化膜23をストッパーとしてCMPを行う。これにより、シリコン窒化膜23の凹部24内にシリコン酸化膜25が埋め込まれた状態となる。
【0051】
次に、図21に示すように、フォトリソグラフィ技術を利用して、ゲート電極を形成すべき領域及びチャネルとして使用する領域に開口27を持つようにパターンニングされたフォトレジスト26を形成する。
【0052】
そして、図22に示すように、フォトレジスト26をマスクとしてシリコン窒化膜23をドライエッチングにより除去する。これにより、素子分離領域16上に形成されたシリコン窒化膜23の一部が除去され、シリコン酸化膜25と共にシリコン酸化膜16bが露出した状態となる。また、半導体基板10上に形成されたシリコン窒化膜23のうち、段差部分に形成されたシリコン窒化膜23の一部も除去され、シリコン窒化膜23の膜厚に応じたスリット28が形成される。スリット28の底部においては、パッド酸化膜11が露出した状態になる。シリコン窒化膜23をエッチングした後に残ったフォトレジスト26は、ドライエッチングにより除去する。
【0053】
次に、図23に示すように、シリコン酸化膜16b及びシリコン酸化膜25をマスクとして、半導体基板10を異方性ドライエッチングし、半導体基板10上の活性領域10f内に深さ約125nm程度のスリット29を形成する。なお、エッチングを行う前に、半導体基板10を露出させるために、シリコン酸化膜のエッチングを行い、表面に露出しているパッド酸化膜11を除去しておく必要がある。
【0054】
次に、フッ酸を含んだ溶液を用いたウェットエッチングを行ってシリコン酸化膜16b及びシリコン酸化膜25を除去し、その後、スリット29内に厚さ5nm程度のシリコン酸化膜(犠牲酸化膜)を熱酸化により形成する(図示しない)。そして、約160℃の熱リン酸を用いたウェットエッチングによりシリコン窒化膜23を除去する。さらに、パッド酸化膜11が残存している状態で半導体基板10を熱酸化して、パッド酸化膜11を厚膜化し、不純物注入時のスルー酸化膜を形成する。その後、メモリセル領域の及び周辺回路領域のトランジスタのためのウェル形成及びチャネル形成のための不純物注入を行い、活性化のための熱処理を行う。不純物の注入後、前記スルー酸化膜(パッド酸化膜11)及びスリット29内に形成されたシリコン酸化膜(犠牲酸化膜)を、再度、フッ酸を含んだ溶液を用いて除去する。以上により、半導体基板10の主面は図24に示すようにほぼ平坦な状態となる。
【0055】
次に、図25に示すように、厚さ6〜7nm程度のシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜30を熱酸化により形成する。
【0056】
次に、図26に示すように、第1及び第2のゲート電極34,35a、ダミーゲート電極35bを形成する。ゲート電極34,35a,35bの形成では、まず基板全面に厚さ80nm程度のポリシリコン膜31をCVD法により成膜する。ポリシリコン膜31は、リン(P)を多量に含んだものでもよく、ボロン(B)を多量に含んだものでもよい。ボロン(B)を多量に含んだポリシリコン膜を用いる場合は、ゲート絶縁膜30を窒化して、窒素を添加する必要がある。より具体的には、ポリシリコン膜31は、不純物としてリン(P)を2.2×1020cm?3程度含んだものを使用することができる。このとき、ポリシリコン膜31は、拡散層を掘り込んで形成されたスリット29内にも埋め込まれ、この部分が第1のゲート電極34となる。
【0057】
ポリシリコン膜31の形成後、メモリセルトランジスタのチャネル領域のためのボロン注入を行う。注入条件は、50keV/4.0×1012cm−2程度とする。
【0058】
その後、タングステンシリサイド(WSi)膜、窒化タングステン(WN)膜及びタングステン(W)膜を積層した多層導電膜32を順次成膜する。特に限定されるものではないが、WSi膜は5nm、WN膜は10nm程度、W膜は55nm程度とすることができる。続いて、ハードマスクとなるシリコン窒化膜33とシリコン酸化膜(図示しない)を順次成膜する。特に限定されるものではないが、シリコン窒化膜33は140nm程度、シリコン酸化膜は80nm程度とすることができる。
【0059】
その後、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いてゲート電極34のパターニングを行う。WN膜及びW膜のエッチング時に厚さ80nm程度のシリコン酸化膜は完全になくなってしまい、シリコン窒化膜33の部分も40nm程度なくなってしまう。また、図示のように、ポリシリコン膜31をエッチングする際、オーバーエッチングステップにて、スリット29内に埋め込まれているポリシリコン膜31を約30nm程度エッチングして深く掘り込む。詳細は後述するが、この掘り込まれた部分にシリコン窒化膜からなるサイドウォールの一部を埋め込むことにより、上部コンタクト形成時のショート不良を防止することが可能となる。以上により、第1及び第2のゲート電極34,35a及びダミーゲート電極35bが完成する。
【0060】
第1及び第2のゲート電極34,35a及びダミーゲート電極35bの形成後、熱酸化を行い、ポリシリコン膜31の露出面と半導体基板10を数nm程度酸化させる(図示しない)。その後、イオン注入により、図示しない周辺トランジスタのLDD(Lightly Doped Drain)領域を形成した後、図27に示すように、厚さ5nm程度のシリコン酸化膜(図示しない)と厚さ20nm程度のシリコン窒化膜36を順次成膜する。このとき、スリット29の幅が30nm程度であり、シリコン窒化膜36の成膜量の2倍よりも狭いため、スリット29内にシリコン窒化膜36が埋め込まれ、成膜終了時には、スリット29内においてポリシリコン膜31がオーバーエッチングされた部分もシリコン窒化膜36で完全に覆われる。
【0061】
さらに、図示はしないが、基板全面に厚さ55nm程度のTEOS−NSG膜をCVD法により成膜する。その後、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いて、周辺トランジスタ領域のみレジストを開口させた後、異方性エッチングを用いてTEOS−NSG膜のエッチバックを行い、周辺トランジスタのためのサイドウォールを形成する。この後、さらに、フォトリソグラフィ技術を利用して、セル内のみレジストを開口した状態で、セル内に残ったTEOS−NSG膜をウェット処理にて除去する。前記のセル内のみ開口したレジスト除去後、セルコンタクト孔形成時のSAC(Self Align Contact)マージン向上及び周辺回路領域のトランジスタのTEOS−NSG膜上に成膜されるように、基板全面にシリコン窒化膜を13nm程度形成する。
【0062】
その後、図28に示すように、第1の層間絶縁膜37を形成する。詳細には、厚さ600nm〜700nm程度のBPSG(Boronic Phosphoric Silicate Glass)膜を成膜した後、800℃程度のリフローとCMPにより、ゲート電極間にBPSG膜を埋め込むと共に、BPSG膜の表面を平坦化する。次いで、このBPSG膜上に厚さ200nm程度のTEOS−NSG膜を成膜し、BPSG酸化膜とTEOS−NSG膜からなる第1の層間絶縁膜37を形成する。
【0063】
さらに、図28に示すように、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いて、第1の層間絶縁膜37を貫通するコンタクトホール38を形成する。このコンタクトホール38の形成では、半導体基板10に達するまでエッチングを行い、コンタクト抵抗の低減のため、半導体基板10の表面を10nm程度さらに削り込む。このエッチングは、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜のエッチング速度の差を利用した、SAC(Self Align Contact)を用いる。スリット29の上部にはシリコン窒化膜36が埋め込まれているため、コンタクトホール38を形成してもゲート電極とショートすることはない。
【0064】
コンタクトホール38の形成後、縦型トランジスタの上側のソース/ドレイン領域(第2の拡散層領域22b)を形成するために、リン(P)又はヒ素(As)を基板表面に注入する。例えば、不純物の注入量はリン(P)で15keV/5.0×1012cm−3程度とする。ただし、不純物の注入は行わなくてもかまわない。
【0065】
その後、リン(P)をドープしたポリシリコン膜をコンタクトホール38に充填すると共に、第1の層間絶縁膜37上に堆積する。そして、ドライエッチング技術を用いたエッチバックとCMPにより、第1の層間絶縁膜37上のポリシリコン膜のみ除去することにより、図28に示すように、セルコンタクト39を形成する。特に限定されるものではないが、ポリシリコン膜の不純物濃度は、1.0×1020〜4.5×1020cm−3とすることができる。さらに、セルコンタクト39形成後、200nm程度のプラズマ酸化膜を成膜し(図示しない)、セルコンタクト39内の不純物を活性化させるための熱処理を行う。
【0066】
その後、埋め込みビット線の情報を取り出すためのコンタクトを形成する。図29に示すように、埋め込み配線21は十分に長い配線であるが、一対の埋め込み配線21,21の終端部分は短絡されているので、E−E'線に沿って短絡部分21Tを切断し、別々の配線として構成する必要がある。
【0067】
以上により、フィン構造のセルアレイトランジスタを有する半導体装置1が完成する。本実施形態の半導体装置1をDRAMのメモリセルアレイとして構成する場合には、さらに、既存の方法を用いて周辺トランジスタのコンタクト、全てのトランジスタや部位に電位を与えるビット線、キャパシタC、配線(Al,Cu)等を形成する。こうして、図5に示すようなDRAMのメモリセルが完成する。なお、キャパシタCは、セルコンタクト39に直接形成してもよく、一度、他のコンタクトプラグ(例えば、ビット線の間を通す容量コンタクトプラグ等)を形成し、その上に形成してもよい。
【0068】
図30は、半導体装置1の変形例である半導体装置2の構造を示す平面図である。
【0069】
図30に示すように、本実施形態の半導体装置2は、第2のゲート電極35aとダミーゲート電極35bが交互に配列されているのではなく、2本の第2のゲート電極35a,35aの間にダミーゲート電極35bが挟まれており、セルトランジスタTRはダミーゲート電極35bを中心として対称なレイアウトを有している。2本の第2のゲート電極35a,35aの間にダミー電極35bが介在しない領域(図30の中央部)は、チャネルのための注入やソースドレイン用の注入を行わず、さらにコンタクトホールを置かないため素子分離できる。素子分離を確実にするため、ゲート電極形成後、この領域にインジウム(In)、アンチモン(Sb)等の不純物を注入してもよい。第1の実施形態による半導体装置1では、図1に示すように対称なレイアウトとなる8Fセルを使用したが、変形例による半導体装置2によれば、6Fセルに変更することができ、さらなる微細化を行うことができる。
【0070】
次に、本発明の第2の実施形態について詳細に説明する。
【0071】
上記第1の実施形態では、埋め込み配線と縦型トランジスタを組み合わせた回路において、チャネル領域の両側二面に第1のゲート電極34が配置された構造を提案した。しかし、さらなる微細化が進むと、チャネル面積の減少によるトランジスタのオン電流の低下が予想される。そこで、第2の実施形態では、オン電流対策として、チャネル領域の周囲全体を第1のゲート電極34で囲んだ縦型トランジスタ構造を提案する。
【0072】
図31は、本発明の好ましい第2の実施形態による半導体装置3の構造を示す略平面図である。また、図32は、図31における活性領域10iのレイアウトを示す略平面図である。さらに、図33(a)は一つのMOSトランジスタの構造を説明するための模式的な斜視図であり、図33(b)は図33(a)から第2のゲート電極35aを削除した状態を示している。
【0073】
図31、図32及び図33(a),(b)に示すように、本実施形態による半導体装置3は、半導体基板10に活性領域が設けられているが、Y方向に延在するフィン状の活性領域10fではなく、主面に対して垂直方向に突出する島状の活性領域10iを有している。つまり、第1の実施形態による半導体装置1と異なり、活性領域はセルトランジスタTRごとに個別に設けられている。そして、各セルトランジスタTRの形成位置において、島状の活性領域10iの周囲には、半導体基板10の主面に対してほぼ垂直に形成されたスリット29が形成されており、第1のゲート電極34はスリット29内に埋め込まれている。このため、第1のゲート電極34は、一つのセルトランジスタTRに対して4個(4面)割り当てられることになる。
【0074】
つまり、第1のゲート電極34は、チャネル領域22の第1の側面を覆う第1の部分34aと、チャネル領域22の第2の側面を覆う第2の部分34bと、第1及び第2の側面と直交する第3及び第4の側面を覆う第3及び第4の部分34c,34dによって構成され(図33(a),(b)参照)、チャネル領域22はこれら第1乃至第4の部分34a〜34dに囲まれた構造となる。ここで、チャネル領域22の第1及び第2の側面とは、第2のゲート電極35aの延在方向とほぼ直交する面を指し、第3及び第3の側面とは第2のゲート電極35aの延在方向とほぼ平行な面を指す。
【0075】
また、第2のゲート電極35aは、第1のゲート電極34に対して平面的にオフセットして配置されている。このため、第1のゲート電極34によって囲まれた領域は、第2のゲート電極35aによって覆われる部分と、第2のゲート電極35aによって覆われない部分によって構成され、第2のゲート電極35aによって覆われない部分の上面は露出している。この露出部分には上部電極であるセルコンタクトが接続され、これによってセルコンタクトと第2の拡散層領域22bが接続される。
【0076】
以上が本実施形態による半導体装置3の特徴部分である。その他の構成については第1の実施形態と同様であることから、同一の構成要素に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。このように、本実施形態の半導体装置3においても、垂直方向に延在する第1のゲート電極34に対して、水平方向に延在する第2のゲート電極35aが平面的にオフセットして配置されていることから、第1のゲート電極34と第2のゲート電極35aとの接触を確保しつつ、チャネル領域の上部を露出させることが可能となる。このため、縦型のMOSトランジスタのゲート電極を容易に形成することが可能となる。
【0077】
さらに、本実施形態の半導体装置3は、第1のゲート電極34がチャネル領域22の周囲全面に形成されており、第1及び第2の部分34a、34bのみならず第3及び第4の部分34c、34dを有することから、より広いチャネル面積を確保することができ、トランジスタのオン電流を増加させることができる。
【0078】
以下、本実施形態による半導体装置3の製造方法について説明する。
【0079】
図34〜図43は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図であり、それぞれ(a)は図31に示すA−A'線に沿った略断面図、(b)は図31に示すB−B'線に沿った略断面図、(c)は図31に示すC−C'線に沿った略断面図、(d)は図31に示すD−D'線に沿った略断面図、(e)は略平面図である。
【0080】
本実施形態による半導体装置3の製造では、まず、図1〜図17に示した第1の実施形態と同様の工程を経て、埋め込み配線21及び素子分離領域16を形成する。
【0081】
次に、図34及び図35に示すように、既存の素子分離領域16と直交する追加の素子分離領域46を形成する。
【0082】
追加の素子分離領域46の形成では、まずフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いて、素子分離領域46を形成すべき領域のフィールド窒化膜12とパッド酸化膜11の一部をドライエッチング(異方性エッチング)により除去する。その後、全てのレジストをドライエッチングにより除去する。
【0083】
次に、図34のように、素子分離領域16を構成するシリコン酸化膜16bとフィールド窒化膜12をマスクとして、半導体基板10をドライエッチングすることにより、深さ150nm程度のトレンチ44を形成する。このとき、埋め込み配線21の抵抗上昇を防ぐため、トレンチ44が埋め込み配線21に達しないようにエッチング量を制御する必要がある。
【0084】
次に、トレンチ44の内壁に厚さ5nm程度のシリコン酸化膜45を熱酸化により形成する。その後、HDP−CVD法により、トレンチ44の内部を含む基板全面に500nm程度のシリコン酸化膜46bを形成する。
【0085】
その後、フィールド窒化膜12をストッパーとして、フィールド窒化膜12上のシリコン酸化膜16bをCMPにより除去し、平坦化する。こうして、図35に示すように、追加の素子分離領域46が完成する。
【0086】
ところで、第1の実施形態と同様に本実施形態においても、上記プロセスのみではDRAMにおける周辺回路領域の活性領域を作成することが出来ない。そこで、周辺回路領域の拡散層を形成する場合は、上記の状態で、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いて、250nm程度の素子分離領域用のトレンチを形成し、10nm程度のシリコン酸化膜を熱酸化により形成後、HDP−CVD法等によりシリコン酸化膜を埋め込み、CMPにより平坦化を行うことで、周辺回路領域のトランジスタを形成するための活性領域を作成すればよい。
【0087】
その後、図36に示すように、素子分離領域16,46を構成するシリコン酸化膜16b,46bの上面と半導体基板10の上面との高さの差が50nm程度となるように、シリコン酸化膜16b,46bのウェットエッチングを行った後、約160℃の熱リン酸を用いたウェットエッチングを行い、CMPストッパーとして使用したフィールド窒化膜12を除去する。このとき、パッド酸化膜11は除去されない。
【0088】
次に、図37に示すように、基板全面にシリコン窒化膜47を形成する。このシリコン窒化膜47は、スリット53を形成する際のマスクとなるものである。シリコン窒化膜47の厚さとしては、活性領域10iの幅の半分以下に設定する必要があり、例えば約25nmに設定される。こうしてシリコン窒化膜47の適切な厚さとすることにより、素子分離領域16,46に囲まれた領域にはシリコン窒化膜47による凹部48が形成される。
【0089】
続いて、図38に示すように、基板全面に厚さ約100nm程度のシリコン酸化膜49を形成した後、シリコン窒化膜47をストッパーとしてCMPを行う。これにより、シリコン窒化膜47の凹部48内にシリコン酸化膜49が埋め込まれた状態となる。
【0090】
次に、図39に示すように、フォトリソグラフィ技術を利用して、ゲート電極を形成すべき領域及びチャネルとして使用する拡散層上に開口51を持つようにパターニングされたフォトレジスト50を形成する。
【0091】
そして、図40に示すように、フォトレジスト50をマスクとしてシリコン窒化膜47をドライエッチングにより除去する。これにより、素子分離領域16上に形成されたシリコン窒化膜47の一部が除去され、シリコン酸化膜49と共にシリコン酸化膜16bが露出した状態となる。なお、追加の素子分離領域46上に形成されたシリコン窒化膜47は、フォトレジスト50に覆われているので除去されない。また、半導体基板10上に形成されたシリコン窒化膜47のうち、段差部分に形成されたシリコン窒化膜47の一部も除去され、シリコン窒化膜47の膜厚に応じたスリット52が形成される。スリット52の底部においては、パッド酸化膜11が露出した状態になる。シリコン窒化膜47をエッチングした後に残ったフォトレジストは、ドライエッチングにより除去する。
【0092】
次に、図41に示すように、シリコン酸化膜16b及びシリコン酸化膜49をマスクとして、半導体基板10を異方性ドライエッチングし、半導体基板10上の活性領域10i内に深さ約125nm程度のスリット53を形成する。なお、エッチングを行う前に、半導体基板10を露出させるために、シリコン酸化膜のエッチングを行い、表面に露出しているパッド酸化膜11を除去しておく必要がある。
【0093】
次に、フッ酸を含んだ溶液を用いたウェットエッチングを行ってシリコン酸化膜16b及びシリコン酸化膜49を除去し、その後、スリット53内に厚さ5nm程度のシリコン酸化膜(犠牲酸化膜)を熱酸化により形成する(図示しない)。そして、約160℃の熱リン酸を用いたウェットエッチングによりシリコン窒化膜47を除去する。さらに、パッド酸化膜11が残存している状態で半導体基板10を熱酸化して、パッド酸化膜11を厚膜化し、不純物注入時のスルー酸化膜を形成する。その後、メモリセル領域の及び周辺回路領域のトランジスタのためのウェル形成及びチャネル形成のための不純物注入を行い、活性化のための熱処理を行う。不純物の注入後、前記スルー酸化膜(パッド酸化膜11)及びスリット53内に形成されたシリコン酸化膜(犠牲酸化膜)を、再度、フッ酸を含んだ溶液を用いて除去する。以上により、半導体基板10の主面は図42に示すようにほぼ平坦な状態となる。
【0094】
その後の工程は第1の実施形態と同様であるため、簡単に説明する。まず、図43に示すように、ゲート絶縁膜30、第1及び第2のゲート電極34,35a及びダミーゲート電極35bを形成する。また、メモリセルトランジスタのチャネル領域のためのボロン注入を行う。ゲート電極を構成するポリシリコン膜31をエッチングする際、オーバーエッチステップにて、セルの溝ゲート部分に埋め込まれているポリシリコンを約30nm程度エッチングして深く掘り込む点は第1の実施形態と同様である。
【0095】
次いで、図44に示すように、シリコン酸化膜(図示しない)とシリコン窒化膜36を順次成膜する。さらに、セルコンタクト孔形成時のSAC(Self Align Contact)マージン向上及び周辺回路領域のトランジスタのTEOS−NSG膜上に成膜されるように、ウェハー全面にシリコン窒化膜(図示しない)を13nm程度形成する。
【0096】
その後、図45に示すように、第1の層間絶縁膜37を形成する。さらに、第1の層間絶縁膜37を貫通するコンタクトホール38をSACにより形成し、ポリシリコン膜をコンタクトホール38に充填することにより、セルコンタクト39を形成する。
【0097】
以上により、フィン構造のセルアレイトランジスタを有する半導体装置3が完成する。本実施形態の半導体装置3をDRAMのメモリセルアレイとして構成する場合には、さらに、既存の方法を用いて周辺トランジスタのコンタクト、全てのトランジスタや部位に電位を与えるビット線、キャパシタ、配線(Al,Cu)等を形成する。こうして図5に示すようなDRAMのメモリセルが完成する。なお、キャパシタCは、セルコンタクト39に直接形成しても良いし、一度、他のコンタクトプラグ(例えば、ビット線の間を通す容量コンタクトプラグ等)を形成した上に作製しても良い。
【0098】
図46は、半導体装置3の変形例である半導体装置4の構造を示す平面図である。
【0099】
図46に示すように、本実施形態の半導体装置4は、第2のゲート電極35aとダミーゲート電極35bが交互に配列されているのではなく、2本の第2のゲート電極35a,35aの間にダミーゲート電極35bが挟まれており、セルトランジスタTRはダミーゲート電極35bを中心として対称なレイアウトを有している。つまり、図30に示した半導体装置2と同様のレイアウトとなっている。第2の実施形態による半導体装置3では、図31に示すように対称なレイアウトとなる8Fセルを使用したが、変形例による半導体装置4によれば、6Fセルに変更することができ、さらなる微細化を行うことができる。さらに、第1のゲート電極34が拡散層を囲う構造となっているため、第1の実施形態の場合よりもオン電流の増加が期待できる。
【0100】
次に、DRAMの記憶素子であるキャパシタCの代わりに相変化素子を用いた半導体装置のデバイス構造について説明する。
【0101】
図47は、本発明の好ましい他の実施形態による半導体装置のデバイス構造を示す略断面図である。
【0102】
図47に示すように、本実施形態の特徴は、図2に示したメモリセルMCの記憶素子として相変化素子Pcを用いる点にある。相変化素子Pcは、セルコンタクト39を介して第2の拡散層領域22bに接続された下部電極(ヒータープラグ)91と、プレート配線PLに接続された上部電極93と、下部電極91と上部電極93との間に設けられた記録層92によって構成されている。
【0103】
記録層92には相変化材料が用いられる。相変化材料としては、2以上の相状態を取り、且つ、相状態によって電気抵抗が異なる材料であれば特に制限されないが、いわゆるカルコゲナイド材料を選択することが好ましい。カルコゲナイド材料とは、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、インジウム(In)、セレン(Se)等の元素を少なくとも一つ以上含む合金を指す。一例として、GaSb、InSb、InSe、SbTe、GeTe等の2元系元素、GeSbTe、InSbTe、GaSeTe、SnSbTe、InSbGe等の3元系元素、AgInSbTe、(GeSn)SbTe、GeSb(SeTe)、Te81Ge15Sb等の4元系元素を挙げることができる。本実施形態においては特に、GeSbTe(GST)を選択することが好ましい。記録層92の膜厚は特に限定されないが、本実施形態では、例えば10〜200nmに設定することができる。記録層92の成膜方法としては、スパッタリング法を用いることができる。
【0104】
下部電極91はヒータープラグとして用いられ、データの書き込み時において発熱体の一部となる。このため、下部電極91の材料としては、電気抵抗の比較的高い材料、例えば、メタルシリサイド、メタル窒化物、メタルシリサイドの窒化物など用いることが好ましい。特に限定されるものではないが、W、TiN、TaN、WN、TiAlNなどの高融点金属及びその窒化物、或いは、TiSiN、WSiNなどの高融点金属シリサイドの窒化物、さらには、TiCN等の材料を好ましく用いることができる。
【0105】
上部電極93は、記録層92のパターニング時に記録層92を保護する役割を果たす。また、上部電極93の材料としては、通電により生じた熱が逃げにくいよう、熱伝導性の比較的低い材料を用いることが好ましい。具体的には、下部電極91と同様、TiAlN、TiSiN、TiCN等の材料を好ましく用いることができる。
【0106】
以上のような構造を有する半導体装置は、図示しないワードドライバによって複数のワード線WLのいずれか1本を活性化し、この状態でビット線の少なくとも1本に電流を流すことによって、データの書き込み及び読み出しを行うことができる。つまり、対応するワード線が活性化しているメモリセルMCでは、セルトランジスタTRがオンするため、対応するビット線は、相変化素子Pcを介してビット線BLに接続された状態となる。したがって、この状態で所定のビット線BLに書き込み電流を流せば、相変化素子Pcに含まれる記録層92を結晶相又はアモルファス相に変化させることができる。また、ビット線BLに読み出し電流を流せば、相変化素子Pcに含まれる記録層92が結晶相であるかアモルファス相であるかによって電流値が異なることから、これに基づいてデータを読み出すことができる。
【0107】
図48は、本発明の好ましい実施形態による半導体装置を用いたデータ処理システム100の構成を示すブロック図であり、本実施形態による半導体装置がDRAMである場合を示している。
【0108】
図48に示すデータ処理システム100は、データプロセッサ120と、本実施形態による半導体装置(DRAM)130が、システムバス110を介して相互に接続された構成を有している。データプロセッサ120としては、例えば、マイクロプロセッサ(MPU)、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)などを含まれるが、これらに限定されない。図48においては簡単のため、システムバス110を介してデータプロセッサ120とDRAM130とが接続されているが、システムバス110を介さずにローカルなバスによってこれらが接続されていても構わない。
【0109】
また、図48には、簡単のためシステムバス110が1組しか描かれていないが、必要に応じ、コネクタなどを介しシリアルないしパラレルに設けられていても構わない。また、図48に示すメモリシステムデータ処理システムでは、ストレージデバイス140、I/Oデバイス150、ROM160がシステムバス110に接続されているが、これらは必ずしも必須の構成要素ではない。
【0110】
ストレージデバイス140としては、ハードディスクドライブ、光学ディスクドライブ、フラッシュメモリなどが挙げられる。また、I/Oデバイス150としては、液晶ディスプレイなどのディスプレイデバイスや、キーボード、マウスなどの入力デバイスなどが挙げられる。また、I/Oデバイス150は、入力デバイス及び出力デバイスのいずれか一方のみであっても構わない。さらに、図48に示す各構成要素は、簡単のため1つずつ描かれているが、これに限定されるものではなく、1又は2以上の構成要素が複数個設けられていても構わない。
【0111】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0112】
例えば、上記各実施形態では、コンタクトホール38形成後、リン(P)を多量に含んだポリシリコン膜をすぐに埋め込むことでセルコンタクト39を形成しているが、コンタクト抵抗低減のため、コンタクトホール38の形成後、まずシリコン膜を50nm程度エピタキシャル成長させ、このシリコン膜にリン(P)、ヒ素(As)等の不純物を高濃度(例えば、1.0×1015cm−3程度)に注入した後、ポリシリコン膜をさらに埋め込んでもよい。
【0113】
また、コンタクトホール38を埋め込む材料はポリシリコン膜に限定されず、セルコンタクト39の低抵抗化のために、例えばタングステンシリサイド(WSi)、コバルトシリサイド(CoSi)等のシリサイド膜や、タングステン(W)などの高融点金属を用いてもよい。ただし、高融点金属を用いる場合は、金属の拡散を防止する窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(WN)や窒化(TaN)等のバリアメタルを用いる必要がある。上記のシリサイド膜や高融点金属を使用した場合、コンタクト抵抗低減のため、コンタクトホール38の形成後、まずシリコン膜を50nm程度エピタキシャル成長させ、このシリコン膜にリン(P)、ヒ素(As)等の不純物を高濃度(例えば、1.0×1015cm−3程度)に注入することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】図1は、本発明の好ましい第1の実施形態による半導体装置1の構造を示す略平面図である。
【図2】図2(a)は図1に示すA−A'線に沿った略断面図であり、図2(b)は図1に示すB−B'線に沿った略断面図であり、図2(c)は図1に示すC−C'線に沿った略断面図であり、図2(d)は図1に示すD−D'線に沿った略断面図である。
【図3】図3(a)は一つのMOSトランジスタの構造を説明するための模式的な斜視図であり、図3(b)は図3(a)から第2のゲート電極35aを削除した状態を示している。
【図4】図4は、DRAMのメモリセルMCの基本構造を示す回路図である。
【図5】図5は、上記セルトランジスタTRを用いたDRAMのメモリセル構造を示す略断面図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(パッド酸化膜11及びフィールド窒化膜12の形成)である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(パッド酸化膜11及びフィールド窒化膜12のパターニング)である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(トレンチ14の形成)である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(犠牲酸化膜15及びシリコン酸化膜16aの形成)である。
【図10】図10は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(犠牲酸化膜15及びシリコン酸化膜16aの部分的な除去)である。
【図11】図11は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(SOG膜17の形成)である。
【図12】図12は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(SOG膜17の部分的な除去)である。
【図13】図13は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(シリコン酸化膜18の形成)である。
【図14】図14は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(SOG膜17の除去)である。
【図15】図15は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(空洞20の形成)である。
【図16】図16は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(埋め込み配線21の形成)である。
【図17】図17は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(シリコン酸化膜16bの形成)である。
【図18】図18は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(フィールド窒化膜13の除去)である。
【図19】図19は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(シリコン窒化膜23の形成)である。
【図20】図20は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(シリコン酸化膜25の埋め込み)である。
【図21】図21は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(フォトレジスト26の形成)である。
【図22】図22は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(スリット28の形成)である。
【図23】図23は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(スリット29の形成)である。
【図24】図24は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(基板表面の平坦化)である。
【図25】図25は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(ゲート絶縁膜30の形成)である。
【図26】図26は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(第1及び第2のゲート電極34,35の形成)である。
【図27】図27は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(シリコン窒化膜36の形成)である。
【図28】図28は、本発明の第1の実施形態による半導体装置1の製造方法を説明するための工程図(第1の層間絶縁膜37及びセルコンタクト39の形成)である。
【図29】図29は、埋め込み配線(埋め込みビット線)21の構造を示す平面図である。
【図30】図30は、半導体装置1の変形例である半導体装置2の構造を示す平面図である。
【図31】図31は、本発明の好ましい第2の実施形態による半導体装置3の構造を示す略平面図である。
【図32】図32は、図31における活性領域10iのレイアウトを示す略平面図である。
【図33】図33(a)は一つのMOSトランジスタの構造を説明するための模式的な斜視図であり、図33(b)は図3(a)から第2のゲート電極35aを削除した状態を示している。
【図34】図34は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図(トレンチ44の形成)である。
【図35】図35は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図(犠牲酸化膜45及びシリコン酸化膜46bの形成)である。
【図36】図36は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図(フィールド窒化膜12の除去)である。
【図37】図37は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図(シリコン窒化膜47の形成)である。
【図38】図38は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図(シリコン酸化膜49の埋め込み)である。
【図39】図39は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図(フォトレジスト50の形成)である。
【図40】図40は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図(スリット53の形成)である。
【図41】図41は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図(スリット54の形成)である。
【図42】図42は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図(基板表面の平坦化)である。
【図43】図43は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図(ゲート絶縁膜30、第1及び第2のゲート電極34,35の形成)である。
【図44】図44は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図(シリコン窒化膜36の形成)である。
【図45】図45は、本発明の第2の実施形態による半導体装置3の製造方法を説明するための工程図(半導体装置3の完成)である。
【図46】図46は、半導体装置3の変形例である半導体装置4の構造を示す平面図である。
【図47】図47は、本発明の好ましい他の実施形態による半導体装置のデバイス構造を示す略断面図である。
【図48】図48は、本発明の好ましい実施形態による半導体装置を用いたデータ処理システム100の構成を示すブロック図であり、本実施形態による半導体装置がDRAMである場合を示している。
【符号の説明】
【0115】
1 半導体装置
2 半導体装置
3 半導体装置
4 半導体装置
10 半導体基板(シリコンウェハー)
10f フィン状の活性領域
10i 島状の活性領域
11 シリコン酸化膜(パッド酸化膜)
12 シリコン窒化膜(フィールド窒化膜)
13 開口パターン
14 トレンチ
15 犠牲酸化膜
16a シリコン酸化膜
16b シリコン酸化膜
16 素子分離領域
17 SOG膜
18 シリコン酸化膜
19 露出面
20 空洞
21 埋め込み配線(下部電極)
22 チャネル領域
22a 第1の拡散層領域
22b 第2の拡散層領域
23 シリコン窒化膜
24 凹部
25 シリコン酸化膜
26 フォトレジスト
27 フォトレジストの開口
28 スリット
29 スリット
29 ポリシリコンプラグ
30 ゲート絶縁膜
31 ポリシリコン膜
31 開口
32 多層導電膜
33 シリコン窒化膜
34 第1のゲート電極
34a 第1のゲート電極の第1の部分
34b 第1のゲート電極の第2の部分
34c 第1のゲート電極の第3の部分
34d 第1のゲート電極の第4の部分
35a 第2のゲート電極
35b ダミーゲート電極
36 シリコン窒化膜
37 層間絶縁膜
38 コンタクトホール
39 セルコンタクト
44 トレンチ
46 追加の素子分離領域
45 シリコン酸化膜
46 シリコン酸化膜
47 シリコン窒化膜
48 凹部
49 シリコン酸化膜
50 フォトレジスト
51 フォトレジストの開口
52 スリット
53 スリット
60 層間絶縁膜
60a 空洞
61 下部電極
62 容量絶縁膜
63 上部電極
91 下部電極
92 記録層
93 上部電極
100 データ処理システム
110 システムバス
120 データプロセッサ
140 ストレージデバイス
150 I/Oデバイス
BL ビット線
C セルキャパシタ
MC メモリセル
Pc 相変化素子
PL プレート配線
TR セルトランジスタ
WD ワードドライバ
WL ワード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の主面に対してほぼ垂直に延在するチャネル領域と、前記チャネル領域の下部に設けられた第1の拡散層領域と、前記チャネル領域の上部に設けられた第2の拡散層領域と、前記半導体基板の主面に対してほぼ垂直に延在し、ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域の側面に設けられた第1のゲート電極と、前記半導体基板の主面とほぼ平行に延在し、前記第1のゲート電極の上部に接続された第2のゲート電極とを備え、
前記第2のゲート電極の平面的な位置は、前記第1のゲート電極の平面的な位置に対してオフセットされていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記チャネル領域は、前記第2のゲート電極の延在方向とほぼ直交する第1及び第2の側面を有しており、
前記第1のゲート電極は、前記チャネル領域の前記第1の側面を覆う第1の部分と、前記チャネル領域の前記第2の側面を覆う第2の部分とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体基板は、前記第2のゲート電極と交差するフィン状の活性領域を有しており、前記チャネル領域は、前記フィン状の活性領域内に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体基板の前記フィン状の活性領域には、前記半導体基板の主面に対してほぼ垂直なスリットが形成されており、前記第1のゲート電極は前記スリット内に埋め込まれていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体基板は、主面に対して垂直方向に突出する島状の活性領域を有しており、前記チャネル領域は、前記島状の活性領域内に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記チャネル領域は、前記第1及び第2の側面とほぼ直交する第3及び第4の側面をさらに有しており、
前記第1のゲート電極は、前記チャネル領域の前記第3の側面を覆う第3の部分と、前記チャネル領域の前記第4の側面を覆う第4の部分とをさらに含んでいることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の拡散層領域に接続され、前記第2のゲート電極と交差する下部電極をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記下部電極は、前記半導体基板の内部に設けられた空洞内に埋め込まれていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2の拡散層領域のうち、前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極のオフセットによって露出される部分に接続される上部電極をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記上部電極を介して前記第2の拡散層領域に接続されたセルキャパシタをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
隣接する前記第2のゲート電極間に設けられたダミーゲート電極をさらに備え、前記ダミーゲート電極には逆バイアスが印加されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
半導体基板の主面に対してほぼ垂直に延在するチャネル領域を形成する工程と、
前記チャネル領域の下部に第1の拡散層領域を形成する工程と、
ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域の側面に前記半導体基板の主面に対してほぼ垂直に延在する第1のゲート電極を形成する工程と、
平面的な位置が前記第1のゲート電極の平面的な位置に対してオフセットするよう、前記第1のゲート電極の上部に前記半導体基板の主面とほぼ平行に延在する第2のゲート電極を形成する工程と、
前記チャネル領域の上部に第2の拡散層領域を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1のゲート電極を形成する工程は、前記第2のゲート電極の延在方向とほぼ直交する前記チャネル領域の第1の側面及び第2の側面をそれぞれ覆う第1の部分及び第2の部分を形成する工程を含んでいることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記チャネル領域を形成する工程は、前記第2のゲート電極と交差するフィン状の活性領域を形成する工程を含んでいることを特徴とする請求項12又は13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1のゲート電極を形成する工程は、前記フィン状の活性領域に、前記半導体基板の主面に対してほぼ垂直なスリットを形成する工程と、前記スリット内にゲート電極材料を埋め込む工程を含んでいることを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1のゲート電極を形成する工程は、前記第2のゲート電極の延在方向とほぼ直交する前記チャネル領域の第1の側面及び第2の側面をそれぞれ覆う第1の部分及び第2の部分と、前記第1及び第2の側面とほぼ直交する前記チャネル領域の第3及び第4の側面をそれぞれ覆う第3及び第4の部分を形成する工程を含んでいることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記チャネル領域を形成する工程は、前記半導体基板の主面に対して垂直方向に突出する島状の活性領域を形成する工程を含んでいることを特徴とする請求項12又は16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1のゲート電極を形成する工程は、前記島状の活性領域に、前記半導体基板の主面に対してほぼ垂直なスリットを形成する工程と、前記スリット内にゲート電極材料を埋め込む工程を含んでいることを特徴とする請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1の拡散層領域に接続され、前記第2のゲート電極と交差する下部電極を形成する工程をさらに備えることを特徴とする請求項12乃至18のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公開番号】特開2009−182105(P2009−182105A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19041(P2008−19041)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】