説明

半導体装置の製造方法

【課題】半導体装置の性能を向上させる。
【解決手段】nチャネル型MISFET用のメタルゲート電極であるゲート電極GE1とpチャネル型MISFET用のダミーゲート電極GE2とを形成してから、nチャネル型MISFET用のソース・ドレイン領域とpチャネル型MISFET用のソース・ドレイン領域をそれぞれ形成する。その後、ダミーゲート電極GE2を除去し、ダミーゲート電極GE2が除去されたことで形成された凹部にpチャネル型MISFET用のメタルゲート電極を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、高誘電率ゲート絶縁膜およびメタルゲート電極を有するMISFETを備えた半導体装置の製造技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成し、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、イオン注入などによりソース・ドレイン領域を形成することで、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を形成することができる。ゲート電極としては、ポリシリコン膜を使用することが一般的である。
【0003】
しかしながら、近年、MISFET素子の微細化に伴いゲート絶縁膜の薄膜化が進み、ポリシリコン膜をゲート電極に使用した場合におけるゲート電極の空乏化の影響が無視できなくなってきている。このため、ゲート電極としてメタルゲート電極を用いてゲート電極の空乏化現象を抑制する技術がある。
【0004】
また、MISFET素子の微細化に伴いゲート絶縁膜の薄膜化が進み、薄い酸化シリコン膜をゲート絶縁膜として使用すると、MISFETのチャネル部とゲート電極との間で、電子や正孔が酸化シリコン膜によって形成される障壁をトンネルするようになり、いわゆるトンネル電流が発生し、ゲートリーク電流が大きくなってしまう。このため、ゲート絶縁膜として、酸化シリコン膜より誘電率の高い材料(高誘電率材料)を使用することにより、容量を同じにしても物理的膜厚を増加させることで、リーク電流を低減する技術がある。
【0005】
非特許文献1〜3には、メタルゲート電極および高誘電率ゲート絶縁膜を有するMISFETに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】V. Narayanan et al., VLSI2006, p.224.
【非特許文献2】P. Sivasubramani et al., VLSI2007, p.68.
【非特許文献3】H-S. Jung et al., VLSI2005, p.232.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者の検討によれば、次のことが分かった。
【0008】
メタルゲート電極を用いた場合、ゲート電極の空乏化の問題は解決できるが、ポリシリコンゲート電極を用いた場合に比べて、nチャネル型MISFETおよびpチャネル型MISFETの両方でしきい値電圧の絶対値が大きくなってしまい、低しきい値デバイスの性能が低下するという問題がある。このため、メタルゲート電極を適用する場合には、低しきい値化(しきい値電圧の絶対値の低下)を可能とし、低しきい値デバイスの性能向上を実現することが望まれる。
【0009】
メタルゲート電極を適用する場合、ソース・ドレイン領域形成後に行う活性化アニール(導入した不純物を活性化するために行う熱処理)を行う際に、メタルゲート電極も熱処理されてしまうと、この活性化アニール時の熱処理温度は高温であるため、この熱処理によってメタルゲート電極の仕事関数が低下してしまう。これは、活性化アニール時に、ゲート絶縁膜から酸素が抜けて酸素空孔が生成されてメタルゲート電極とゲート絶縁膜との界面に欠陥準位が形成され、その影響でメタルゲート電極のフェルミ準位が下がることで、メタルゲート電極の仕事関数が低下するためと考えられる。しなしながら、メタルゲート電極の仕事関数の低下は、pチャネル型MISFETの高しきい値化(しきい値電圧の絶対値の上昇)につながるため、nチャネル型MISFETおよびpチャネル型MISFETの両方を低しきい値化する上では、不利となる。
【0010】
そこで、製造工程を工夫して、nチャネル型MISFETおよびpチャネル型MISFETの両方のしきい値電圧を効率よく低下させることで、半導体装置の性能向上を図ることが望まれる。
【0011】
本発明の目的は、半導体装置の性能向上を図ることができる技術を提供することにある。
【0012】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0014】
代表的な実施の形態による半導体装置の製造方法は、nチャネル型MISFET用のメタルゲート電極とpチャネル型MISFET用のダミーゲート電極とを形成してから、nチャネル型MISFET用のソース・ドレイン領域とpチャネル型MISFET用のソース・ドレイン領域をそれぞれ形成する。その後、pチャネル型MISFET用のダミーゲート電極の少なくとも一部を除去し、pチャネル型MISFET用のメタルゲート電極を形成するものである。
【発明の効果】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0016】
代表的な実施の形態によれば、半導体装置の性能向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程の一部を示す製造プロセスフロー図である。
【図2】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程の一部を示す製造プロセスフロー図である。
【図3】本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図4】図3に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図5】図4に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図15】図14に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図16】図15に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図17】図16に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図18】図17に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図19】図18に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図20】図19に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図21】図20に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図22】図21に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図23】図22に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図24】図23に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図25】図24に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図26】図25に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図27】図25に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図28】図27に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図29】図28に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図30】図29に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図31】図30に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図32】本発明の他の実施の形態である半導体装置の製造工程の一部を示す製造プロセスフロー図である。
【図33】本発明の他の実施の形態である半導体装置の製造工程の一部を示す製造プロセスフロー図である。
【図34】本発明の他の実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図35】図34に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図36】図35に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図37】図36に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図38】図37に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図39】図38に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図40】図39に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図41】図40に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図42】図41に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図43】図41に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図44】図41に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図45】図42〜図44に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図46】図42〜図44に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図47】図42〜図44に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図48】図45〜図47に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図49】図45〜図47に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図50】図45〜図47に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図51】図48〜図50に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図52】図48〜図50に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図53】図48〜図50に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図54】図51〜図53に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図55】図51〜図53に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図56】図51〜図53に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図57】図54〜図56に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図58】図54〜図56に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図59】図54〜図56に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図60】図57〜図59に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図61】図60に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0020】
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
【0021】
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体装置の製造工程を図面を参照して説明する。
【0022】
図1および図2は、本発明の一実施の形態である半導体装置、ここではCMISFET(Complementary Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を有する半導体装置の製造工程の一部を示す製造プロセスフロー図である。図3〜図31は、本発明の一実施の形態である半導体装置、ここではCMISFETを有する半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【0023】
まず、図3に示されるように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)1を準備(用意)する(図1のステップS1)。本実施の形態の半導体装置が形成される半導体基板1は、nチャネル型のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor:MIS型電界効果トランジスタ)が形成される領域であるnMIS形成領域(第1領域)1Aと、pチャネル型のMISFETが形成される領域であるpMIS形成領域(第2領域)1Bとを有している。それから、半導体基板1の主面に素子分離領域2を形成する(図1のステップS2)。素子分離領域2は酸化シリコンなどの絶縁体(絶縁膜)からなり、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により形成される。例えば、半導体基板1に溝(素子分離溝)を形成してから、この溝に絶縁膜を埋め込む(具体的には、溝を埋め込むように絶縁膜を形成してから溝の外部の絶縁膜を除去する)ことで、素子分離領域2を形成することができる。
【0024】
次に、図4に示されるように、半導体基板1のnチャネル型MISFETを形成する領域(nMIS形成領域1A)にp型ウエルPWを形成し、pチャネル型MISFETを形成する領域(pMIS形成領域1B)にn型ウエルNWを形成する(図1のステップS3)。半導体基板1において、p型ウエルPWおよびn型ウエルNWは、それぞれ、素子分離領域2によって規定された活性領域に形成される。
【0025】
ステップS3において、p型ウエルPWは、例えばホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することなどによって形成され、n型ウエルNWは、例えばリン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することなどにより形成される。また、p型ウエルPWおよびn型ウエルNWの形成前または形成後に、半導体基板1の上層部に対して、後で形成されるMISFETのしきい値調整用のイオン注入(いわゆるチャネルドープイオン注入)を必要に応じて行なうこともできる。
【0026】
次に、例えばフッ酸(HF)水溶液を用いたウェットエッチングなどにより半導体基板1の表面の自然酸化膜を除去することによって、半導体基板1の表面を清浄化(洗浄)する。これにより、半導体基板1(p型ウエルPWおよびn型ウエルNW)の表面(シリコン面)が露出される。
【0027】
次に、半導体基板1の表面(すなわちp型ウエルPWおよびn型ウエルNWの表面)上に、絶縁層として、酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜からなる界面層(絶縁層、絶縁膜)3を形成する(図1のステップS4)。
【0028】
界面層3の膜厚は薄く、好ましくは0.5〜2nm、例えば1nm程度とすることができる。ステップS4において、界面層3は、例えば熱酸化法などを用いて形成することができる。また、界面層3を酸窒化シリコン膜とする場合は、例えば、NOとOとHとを用いた高温短時間酸化法、あるいは、酸化シリコン膜を形成した後にプラズマ中で窒化処理を行う手法などにより、形成することができる。
【0029】
ステップS4で界面層3を形成してから、この界面層3上に後述のHf系ゲート絶縁膜(すなわち後述のHf含有絶縁膜4a,4b)を形成することで、トラップなどの欠陥数を減らして、駆動能力や信頼性を向上させることができる。
【0030】
次に、図5に示されるように、半導体基板1の主面上に、すなわち界面層3上に、Hf含有膜(Hf含有層、第2絶縁膜)4を形成する(図1のステップS5)。ステップS5において、Hf含有膜4は、半導体基板1の主面全面に形成されるため、nMIS形成領域1AおよびpMIS形成領域1Bの両方に形成される。このHf含有膜4は、nMIS形成領域1Aに形成されるnチャネル型MISFETとpMIS形成領域1Bに形成されるpチャネル型MISFETの高誘電率ゲート絶縁膜(すなわち後述のHf含有絶縁膜4a,4b)形成用のベースとなる絶縁膜である。
【0031】
Hf含有膜4は、ハフニウム(Hf)を含有する絶縁膜であり、より特定的には、ハフニウム(Hf)と酸素(O)を含有する絶縁材料からなる。Hf含有膜4は、好ましくは、HfO膜(酸化ハフニウム膜、代表的なのはHfO膜)、HfON膜(酸窒化ハフニウム膜)、HfSiON膜(ハフニウムシリコンオキシナイトライド膜)またはHfSiO膜(ハフニウムシリケート膜)である。このうち、HfON膜をHf含有膜4として用いれば、耐熱性向上やリーク電流の更なる低減を図ることができる。従って、Hf含有膜4は、ハフニウム(Hf)と酸素(O)を主成分として含有する絶縁膜とみなすことができ、更にN(窒素)とSi(シリコン、ケイ素)の一方または両方を含有することもできる。また、Hf含有膜4は、希土類元素(特にLa)とAlを含有しないことが好ましい。Hf含有膜4の膜厚(形成膜厚)は、好ましくは1〜3nm、例えば2nm程度とすることができる。
【0032】
ここで、HfO膜は、ハフニウム(Hf)と酸素(O)とで構成された絶縁材料膜であり、HfON膜は、ハフニウム(Hf)と酸素(O)と窒素(N)とで構成された絶縁材料膜であり、HfSiON膜は、ハフニウム(Hf)とシリコン(Si)と酸素(O)と窒素(N)とで構成された絶縁材料膜であり、HfSiO膜は、ハフニウム(Hf)とシリコン(Si)と酸素(O)とで構成された絶縁材料膜である。
【0033】
ステップS5のHf含有膜4形成工程は、例えば次のようにして行うことができる。
【0034】
Hf含有膜4がHfSiON膜の場合には、ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)法またはCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法を用いてまずHfSiO膜を堆積する。それから、このHfSiO膜をプラズマ窒化処理のような窒化処理によって窒化する(すなわちHfSiO膜を窒化してHfSiON膜にする)ことによって、HfSiON膜を形成することができる。この窒化処理の後に、不活性または酸化雰囲気中で熱処理する場合もある。
【0035】
Hf含有膜4がHfON膜の場合には、ALD法またはCVD法を用いてまずHfO膜(代表的にはHfO膜)を堆積してから、このHfO膜をプラズマ窒化処理のような窒化処理によって窒化する(すなわちHfO膜をHfON膜にする)ことによって、HfON膜を形成することができる。この窒化処理の後に、不活性または酸化雰囲気中で熱処理する場合もある。
【0036】
Hf含有膜4がHfO膜(代表的にはHfO膜)の場合には、ALD法またはCVD法を用いてHfO膜(代表的にはHfO膜)を堆積すればよく、窒化処理を行う必要はない。その後、不活性または酸化雰囲気中で熱処理する場合もある。
【0037】
Hf含有膜4がHfSiO膜の場合には、ALD法またはCVD法を用いてHfSiO膜を堆積すればよく、窒化処理を行う必要はない。その後、不活性または酸化雰囲気中で熱処理する場合もある。
【0038】
上記ステップS5でHf含有膜4を形成した後、図6に示されるように、半導体基板1の主面上に、すなわちHf含有膜4上に、Al含有膜(Al含有層)5を形成する(図1のステップS6)。このステップS6において、Al含有膜5は、半導体基板1の主面全面に形成されるため、nMIS形成領域1AおよびpMIS形成領域1BのHf含有膜4上に形成される。このAl含有膜5は、主として、pMIS形成領域1Bに形成されるpチャネル型MISFETの低しきい値化を図るために形成される。
【0039】
なお、MISFETの低しきい値化とは、そのMISFETのしきい値(しきい値電圧)の絶対値を小さく(低く)することに対応し、MISFETの高しきい値化とは、そのMISFETのしきい値(しきい値電圧)の絶対値を大きく(高く)することに対応する。
【0040】
Al含有膜5は、Al(アルミニウム)を含有する材料膜であり、Al(アルミニウム)を主成分として含有している。Al含有膜5としては、酸化アルミニウム膜(AlO膜、代表的にはAl膜)が最も好ましいが、それ以外にも、窒化アルミニウム膜(AlN膜)または酸窒化アルミニウム膜(アルミニウム酸窒化物膜、AlON膜)などを好適に用いることができる。Al含有膜5は、スパッタリングなどのPVD(Physical Vapor Deposition)法、またはALD法などによって形成することができ、その膜厚(形成膜厚)は、好ましくは1nm以下、例えば0.5nm程度(Alの原子密度として3×1015/cm程度)とすることができる。形成したAl含有膜5におけるAlの原子密度(面密度)の好適な範囲としては、例えば5×1013/cm〜6×1015/cm程度を例示できる。
【0041】
次に、図7に示されるように、半導体基板1の主面上に、すなわちAl含有膜5上に、マスク層6を形成する(図1のステップS7)。
【0042】
ステップS7において、マスク層6は、半導体基板1の主面全面に形成されるため、nMIS形成領域1AおよびpMIS形成領域1BのAl含有膜5上に形成される。マスク層6は、例えばスパッタリング法などのPVD法、またはALD法などを用いて形成することができ、その膜厚(形成膜厚)は、好ましくは10〜50nm、例えば20nm程度とすることができる。
【0043】
マスク層6は、好ましくは窒化チタン(TiN)膜などの窒化金属膜からなり、後で形成する希土類含有膜7がpMIS形成領域1BのHf含有膜4やAl含有膜5と反応するのを抑制または防止するために形成される。この反応防止の機能や、加工がし易く、除去もし易いことが望ましい点を考慮すると、マスク層6の材料として、窒化チタン(TiN)などの窒化金属は好適である。
【0044】
次に、図8に示されるように、nMIS形成領域1Aのマスク層6およびAl含有膜5をエッチング(好ましくはウェットエッチング、あるいはドライエッチングとウェットエッチングとの併用)によって選択的に除去し、pMIS形成領域1Bのマスク層6およびAl含有膜5を残す(図1のステップS8)。これにより、nMIS形成領域1Aでは、Hf含有膜4が露出され、一方pMIS形成領域1Bでは、Hf含有膜4上にAl含有膜5およびその上のマスク層6が形成された状態が維持される。
【0045】
具体的には、ステップS8では、マスク層6上にpMIS形成領域1Bを覆いかつnMIS形成領域1Aを露出するフォトレジストパターン(図示せず)を形成してから、該フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、nMIS形成領域1Aのマスク層6をエッチング(好ましくはウェットエッチング)して除去し、続いて、nMIS形成領域1AのAl含有膜5エッチング(好ましくはウェットエッチング)して除去する。その後、フォトレジストパターンは除去する。
【0046】
マスク層6として窒化チタン膜を用いた場合には、ステップS8でnMIS形成領域1Aのマスク層6を除去するためのエッチング液として、例えば過酸化水素水などを用いることができる。また、フォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして用いて、nMIS形成領域1Aのマスク層6をエッチング(好ましくはウェットエッチング)して除去してから、このフォトレジストパターンを除去し、その後、残存するマスク層6をエッチングマスクとして用いて、nMIS形成領域1AのAl含有膜5をエッチング(好ましくはウェットエッチング)して除去することもできる。また、エッチング液を調整することにより、フォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして用いて、nMIS形成領域1Aのマスク層6をウェットエッチングする際に、nMIS形成領域1AのAl含有膜5を一緒にウェットエッチングすることも可能である。
【0047】
次に、図9に示されるように、半導体基板1の主面上に、希土類含有膜(希土類含有層)7を形成する(図1のステップS9)。ステップS9において、希土類含有膜7は、半導体基板1の主面全面に形成されるため、nMIS形成領域1AおよびpMIS形成領域1Bの両方に形成される。この希土類含有膜7は、主として、nMIS形成領域1Aに形成されるnチャネル型MISFETの低しきい値化を図るために形成される。
【0048】
なお、本願において、希土類または希土類元素とは、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までのランタノイドに、スカンジウム(Sc)およびイットリウム(Y)を加えたものを言うものとする。以下では、希土類含有膜7が含有する希土類元素をLnと表記するものとする。また、Hfを含有するゲート絶縁膜をHf系ゲート絶縁膜と称するものとする。
【0049】
上記ステップS8のエッチング工程でnMIS形成領域1Aのマスク層6およびAl含有膜5を除去しかつpMIS形成領域1Bのマスク層6およびAl含有膜5を残していたので、ステップS9では、希土類含有膜7は、nMIS形成領域1AではHf含有膜4上に形成され、pMIS形成領域1Bではマスク層6上に形成される。このため、nMIS形成領域1Aでは希土類含有膜7とHf含有膜4とが接触しているが、pMIS形成領域1Bでは、希土類含有膜7とAl含有膜5(およびHf含有膜4)とは、間にマスク層6が介在するため互いに接触していない状態となる。
【0050】
希土類含有膜7は、希土類元素を含有する材料膜であり、希土類元素を主成分として含有し、特に好ましくはLa(ランタン)を含有している。安定性の観点から、希土類含有膜7は、好ましくは酸化希土類膜(希土類酸化物層)であり、特に好ましくは酸化ランタン膜(酸化ランタンとして代表的なのはLa)である。希土類含有膜7は、Hf(ハフニウム)を含有していない。希土類含有膜7は、スパッタリングなどのPVD法、またはALD法などによって形成することができ、その膜厚(形成膜厚)は、好ましくは1nm以下、例えば0.5nm程度(Laの原子密度として1.2×1015/cm程度)とすることができる。形成した希土類含有膜7における希土類元素の原子密度(面密度)の好適な範囲としては、例えば5×1013/cm〜2.4×1015/cm程度を例示できる。
【0051】
次に、半導体基板1に対して熱処理を施す(図1のステップS10)。ステップS10の熱処理工程は、熱処理温度を好ましくは600〜1000℃の範囲内とし、不活性ガス雰囲気中(窒素ガス雰囲気中でもよい)で行うことができる。例えば、窒素雰囲気中で850℃程度の熱処理を行うことができる。
【0052】
このステップS10の熱処理により、nMIS形成領域1Aにおいて、Hf含有膜4と希土類含有膜7とを反応させ、pMIS形成領域1Bにおいて、Hf含有膜4とAl含有膜5とを反応させる。すなわち、ステップS10の熱処理により、希土類含有膜7を構成する希土類元素を、nMIS形成領域1AのHf含有膜4に導入(拡散)し、Al含有膜5を構成するAlを、pMIS形成領域1BのHf含有膜4に導入(拡散)する。
【0053】
このステップS10の熱処理により、nMIS形成領域1Aでは、Hf含有膜4と希土類含有膜7とが反応(混合、ミキシング、相互拡散)して、図10に示されるように、Hf含有膜4と希土類含有膜7との反応層(混合層、ミキシング層)であるHf含有絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)4aが形成される。すなわち、nMIS形成領域1Aでは、希土類含有膜7の希土類元素がHf含有膜4に導入されて、Hf含有膜4が、Hf含有絶縁膜4aとなる。
【0054】
また、ステップS10の熱処理により、pMIS形成領域1Bでは、Hf含有膜4とAl含有膜5とが反応(混合、ミキシング、相互拡散)して、図10に示されるように、Hf含有膜4とAl含有膜5との反応層(混合層、ミキシング層)であるHf含有絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)4bが形成される。すなわち、pMIS形成領域1Bでは、Al含有膜5のAlがHf含有膜4に導入されて、Hf含有膜4が、Hf含有絶縁膜4bとなる。
【0055】
pMIS形成領域1Bでは、希土類含有膜7はマスク層6上に形成されているため、このpMIS形成領域1Bの希土類含有膜7は、マスク層6とほとんど反応せずに残存する。また、ステップS5でHf含有膜4を形成する前に、ステップS4で界面層3を形成した場合には、ステップS10の熱処理時には、Hf含有膜4と下部の界面層3との反応を抑制して、界面層3としての酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜を残存させることが好ましい。すなわち、nMIS形成領域1Aにおいて、Hf含有絶縁膜4aと半導体基板1(p型ウエルPW)との間に界面層3としての酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜を残存させ、またpMIS形成領域1Bにおいて、Hf含有絶縁膜4bと半導体基板1(n型ウエルNW)との間に界面層3としての酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜を残存させることが好ましい。これにより、ゲート絶縁膜と半導体基板(のシリコン面)の界面をSiO/Si(またはSiON/Si)構造にし、トラップなどの欠陥数を減らして、駆動力や信頼性の劣化を抑制した良好なデバイスを作製することができる。
【0056】
Hf含有膜4は、ハフニウム(Hf)と酸素(O)とを主成分として含有し、Al含有膜5は、Al(アルミニウム)を主成分として含有しているため、pMIS形成領域1BにおいてHf含有膜4とAl含有膜5とが反応して形成されたHf含有絶縁膜4bは、ハフニウム(Hf)と酸素(O)とアルミニウム(Al)とを主成分として含有する絶縁膜である。また、Hf含有膜4が、ハフニウム(Hf)と酸素(O)だけでなく更に窒素(N)も含有していた場合には、Hf含有絶縁膜4bは、ハフニウム(Hf)と酸素(O)とアルミニウム(Al)だけでなく更に窒素(N)も含有したものとなる。また、Hf含有膜4が、ハフニウム(Hf)と酸素(O)だけでなく更にSi(シリコン、ケイ素)も含有していた場合には、Hf含有絶縁膜4bは、ハフニウム(Hf)と酸素(O)とアルミニウム(Al)だけでなく更にSi(シリコン、ケイ素)も含有したものとなる。
【0057】
このため、Al含有膜5が酸化アルミニウム膜の場合には、Hf含有膜4の種類によって、Hf含有絶縁膜4bは以下のような組成の膜となる。すなわち、Hf含有膜4がHfO膜(代表的にはHfO膜)の場合は、Hf含有絶縁膜4bはHfAlO膜となり、また、Hf含有膜4がHfON膜の場合は、Hf含有絶縁膜4bはHfAlON膜となり、また、Hf含有膜4がHfSiO膜の場合は、Hf含有絶縁膜4bはHfAlSiO膜となり、また、Hf含有膜4がHfSiON膜の場合は、Hf含有絶縁膜4bはHfAlSiON膜となる。Al含有膜5が酸窒化アルミニウム膜または窒化アルミニウム膜の場合には、Hf含有膜4の種類によって、Hf含有絶縁膜4bは以下のような組成の膜となる。すなわち、Hf含有膜4がHfO膜(代表的にはHfO膜)またはHfON膜の場合は、Hf含有絶縁膜4bはHfAlON膜となり、また、Hf含有膜4がHfSiO膜またはHfSiON膜の場合は、Hf含有絶縁膜4bはHfAlSiON膜となる。
【0058】
ここで、HfAlO膜は、ハフニウム(Hf)とアルミニウム(Al)と酸素(O)とで構成された絶縁材料膜であり、HfAlON膜は、ハフニウム(Hf)とアルミニウム(Al)と酸素(O)と窒素(N)とで構成された絶縁材料膜である。また、HfAlSiON膜は、ハフニウム(Hf)とアルミニウム(Al)とシリコン(Si)と酸素(O)と窒素(N)とで構成された絶縁材料膜であり、HfAlSiO膜は、ハフニウム(Hf)とアルミニウム(Al)とシリコン(Si)と酸素(O)とで構成された絶縁材料膜である。
【0059】
なお、HfAlSiON膜(またはHfAlSiON)と表記した場合、HfAlSiON膜(またはHfAlSiON)におけるHfとAlとSiとOとNの原子比は1:1:1:1:1に限定されるものではない。このことは、HfAlO膜、HfAlON膜、HfAlSiO膜、HfLnO膜、HfLnON膜、HfLnSiON膜、HfLnSiO膜、HfLnAlO膜、HfLnAlON膜、HfLnAlSiON膜、HfLnAlSiO膜、HfO膜、HfON膜、HfSiON膜、HfSiO膜、TiN膜、TaN膜、WN膜、TiC膜、TaC膜、WC膜、TaCN膜などについても同様である。
【0060】
Hf含有膜4は、ハフニウム(Hf)と酸素(O)とを主成分として含有し、希土類含有膜7は、希土類元素(Ln)を主成分として含有しているため、nMIS形成領域1AにおいてHf含有膜4と希土類含有膜7とが反応して形成されたHf含有絶縁膜4aは、ハフニウム(Hf)と酸素(O)と希土類元素(Ln)とを主成分として含有する絶縁膜である。Hf含有絶縁膜4aが含有する希土類元素Lnは、希土類含有膜7が含有していた希土類元素Lnと同じである。また、Hf含有膜4が、ハフニウム(Hf)と酸素(O)だけでなく更に窒素(N)も含有していた場合には、Hf含有絶縁膜4aは、ハフニウム(Hf)と酸素(O)と希土類元素(Ln)だけでなく更に窒素(N)も含有したものとなる。また、Hf含有膜4が、ハフニウム(Hf)と酸素(O)だけでなく更にSi(シリコン、ケイ素)も含有していた場合には、Hf含有絶縁膜4aは、ハフニウム(Hf)と酸素(O)と希土類元素(Ln)だけでなく更にSi(シリコン、ケイ素)も含有したものとなる。
【0061】
また、希土類含有膜7は、上述のように好ましくは酸化希土類膜である。この場合、希土類含有膜7は、希土類元素(Ln)以外に酸素(O)も含有しているが、Hf含有膜4も酸素(O)を含有しているため、希土類含有膜7が酸素(O)を含有しているかどうかにかかわらず、Hf含有絶縁膜4aは、酸素(O)を含有したものとなる。すなわち、希土類含有膜7は、希土類元素(Ln)に加えて更に酸素(O)も含有することが好ましいが、希土類含有膜7が酸素(O)を含有する場合と酸素(O)を含有しない場合のいずれであっても、Hf含有絶縁膜4aは、酸素(O)を含有したものとなる。
【0062】
従って、Hf含有膜4がHfSiON膜の場合には、Hf含有絶縁膜4aはHfLnSiON膜となり、Hf含有膜4がHfSiO膜の場合には、Hf含有絶縁膜4aはHfLnSiO膜となり、Hf含有膜4がHfON膜の場合は、Hf含有絶縁膜4aはHfLnON膜となり、Hf含有膜4がHfO膜(代表的にはHfO膜)の場合は、Hf含有絶縁膜4aはHfLnO膜となる。
【0063】
ここで、HfLnO膜は、ハフニウム(Hf)と希土類元素(Ln)と酸素(O)とで構成された絶縁材料膜であり、HfLnON膜は、ハフニウム(Hf)と希土類元素(Ln)と酸素(O)と窒素(N)とで構成された絶縁材料膜である。また、HfLnSiON膜は、ハフニウム(Hf)と希土類元素(Ln)とシリコン(Si)と酸素(O)と窒素(N)とで構成された絶縁材料膜であり、HfLnSiO膜は、ハフニウム(Hf)と希土類元素(Ln)とシリコン(Si)と酸素(O)とで構成された絶縁材料膜である。
【0064】
また、nチャネル型MISFETの低しきい値化を図るためにHf含有絶縁膜4aが含有する希土類元素Lnは、La(ランタン)が特に好ましい。
【0065】
ステップS10の熱処理工程を行った後、図11に示されるように、ステップS10の熱処理工程で反応しなかった希土類含有膜7(未反応の希土類含有膜7)を、エッチング(好ましくはウェットエッチング)によって除去する(図1のステップS11)。すなわち、nMIS形成領域1Aにおいて、ステップS10の熱処理でHf含有膜4と反応しきれなかった希土類含有膜7があれば、このステップS11で除去され、pMIS形成領域1Bにおいて、ステップS10の熱処理後にマスク層6上に残存していた希土類含有膜7が、このステップS11で除去される。これにより、nMIS形成領域1AではHf含有絶縁膜4aが露出し、pMIS形成領域1Bではマスク層6が露出した状態となる。ステップS11のエッチング(ウェットエッチング)には、例えば、硝酸などの酸溶液を用いることができる。
【0066】
次に、図12に示されるように、nMIS形成領域1AおよびpMIS形成領域1Bを含む半導体基板1の主面上に、すなわちnMIS形成領域1AのHf含有絶縁膜4a上およびpMIS形成領域1Bのマスク層6上に、nMIS形成領域1Aに形成するnチャネル型MISFETのメタルゲート(金属ゲート電極)用の金属膜(金属層、メタルゲート膜)8を形成する(図1のステップS12)。
【0067】
なお、本願において、金属膜(金属層)とは、金属伝導を示す導電膜(導電層)を言い、単体の金属膜(純金属膜)や合金膜だけでなく、金属伝導を示す金属化合物膜(窒化金属膜や炭化金属膜など)も含むものとする。このため、金属膜8や後述の導電体膜14,14aおよび金属膜14cを構成する各金属膜は、金属伝導を示す導電膜であり、金属級に抵抗率が低い。金属膜8として好適なものとして、窒化チタン(TiN)膜、窒化タンタル(TaN)膜、窒化タングステン(WN)膜、炭化チタン(TiC)膜、炭化タンタル(TaC)膜、炭化タングステン(WC)膜または窒化炭化タンタル(TaCN)膜などが挙げられ、その中でも窒化チタン(TiN)膜は特に好ましい。
【0068】
詳細は後述するが、金属膜8は、nMIS形成領域1Aに形成するnチャネル型MISFETのメタルゲート電極(後述のゲート電極GE1に対応)に使用するが、pMIS形成領域1Bに形成するpチャネル型MISFETのメタルゲート電極(後述のゲート電極GE2aに対応)としては使用されない。このため、金属膜8には、主として、nMIS形成領域1Aに形成するnチャネル型MISFETのメタルゲート電極としてふさわしい金属(金属膜)を用いればよい。
【0069】
金属膜8は、例えばスパッタリング法などのPVD法により形成することができる。金属膜8の膜厚(形成膜厚)は、好ましくは2〜10nm、例えば5nm程度とすることができる。
【0070】
ステップS12で金属膜8を形成すると、nMIS形成領域1Aでは、Hf含有絶縁膜4a上に金属膜8が形成され、pMIS形成領域1Bでは、Hf含有絶縁膜4b上にマスク層6および金属膜8が下から順に形成された状態となる。
【0071】
次に、図13に示されるように、半導体基板1の主面上に、すなわち金属膜8上に、シリコン膜9を形成する(図1のステップS13)。
【0072】
ステップS13において、シリコン膜9は、半導体基板1の主面全面に形成されるため、nMIS形成領域1AおよびpMIS形成領域1Bの両方に形成される。シリコン膜9は、多結晶シリコン膜または非晶質シリコン膜とすることができるが、成膜時には非晶質シリコン膜であった場合でも、成膜後の熱処理(例えば後述のステップS20の活性化アニール処理)で多結晶シリコン膜となり得る。シリコン膜9は、CVD法などを用いて形成することができ、その膜厚は、好ましくは40〜100nm、例えば50nm程度とすることができる。また、他の形態として、シリコン膜9として、Ge(ゲルマニウム)を含むシリコン膜(シリコンゲルマニウム膜)を用いることもできる。
【0073】
ステップS12で形成する金属膜8の厚みを厚くすることでステップS13のシリコン膜9の形成工程を省略する(すなわち後述のゲート電極GE1をシリコン膜9無しの金属膜8で形成する)ことも可能であるが、ステップS13で金属膜8上にシリコン膜9を形成する(すなわち後述のゲート電極GE1を金属膜8とその上のシリコン膜9との積層膜で形成する)方が、より好ましい。その理由は、金属膜8の厚みが厚すぎると、金属膜8が剥離しやすくなる問題や、あるいは金属膜8をパターニングする際のオーバーエッチングによる基板ダメージの問題が生じる可能性があるが、金属膜8とシリコン膜9との積層膜でゲート電極を形成することで、金属膜8のみでゲート電極を形成する場合に比べて金属膜8の厚みを薄くすることができるため、上記問題を改善できるからである。また、金属膜8上にシリコン膜9を形成した場合、これまでのポリシリコンゲート電極(ポリシリコンからなるゲート電極)の加工方法やプロセスを踏襲できるため、微細加工性、製造コストおよび歩留まりの点でも優位である。
【0074】
次に、図14に示されるように、半導体基板1の主面上に、すなわちシリコン膜9上に、絶縁膜10を形成する(図1のステップS14)。絶縁膜10は、例えば酸窒化シリコン膜などからなり、CVD法などを用いて形成することができ、その膜厚は、好ましくは20〜100nm、例えば100nm程度とすることができる。
【0075】
次に、図15に示されるように、nMIS形成領域1Aの絶縁膜10をエッチングによって選択的に除去し、pMIS形成領域1Bの絶縁膜10を残す(図1のステップS15)。これにより、nMIS形成領域1Aでは、シリコン膜9が露出され、一方pMIS形成領域1Bでは、シリコン膜9上に絶縁膜10が形成された状態が維持される。
【0076】
具体的には、ステップS15では、絶縁膜10上にpMIS形成領域1Bを覆いかつnMIS形成領域1Aを露出するフォトレジストパターン(図示せず)を形成してから、該フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、nMIS形成領域1Aの絶縁膜10をエッチングして除去し、その後、フォトレジストパターンは除去する。
【0077】
ステップS15を行った段階では、nMIS形成領域1Aにおいては、半導体基板1上に、界面層3、Hf含有絶縁膜4a、金属膜8およびシリコン膜9が下から順に積層された構造となり、pMIS形成領域1Bでは、半導体基板1上に、界面層3、Hf含有絶縁膜4b、マスク層6、金属膜8、シリコン膜9および絶縁膜10が下から順に積層された構造となっている。
【0078】
次に、半導体基板1上の積層膜をパターニングすることにより、図16に示されるように、nMIS形成領域1Aにゲート電極GE1を、pMIS形成領域1Bにダミーゲート電極GE2を、それぞれ形成する(図1のステップS16)。ゲート電極GE1は、金属膜8と金属膜8上のシリコン膜9とからなり、nMIS形成領域1Aに形成される。ダミーゲート電極GE2は、マスク層6と、マスク層6上の金属膜8と、金属膜8上のシリコン膜9と、シリコン膜9上の絶縁膜10とからなり、pMIS形成領域1Bに形成される。ダミーゲート電極は、MISFETのゲート電極としては実際には使用されない擬似的なゲート電極であるが、後述するように、pチャネル型MISFET用のソース・ドレイン領域の形成には、このダミーゲート電極が使用される。
【0079】
ステップS16のパターニング工程(ゲート電極GE1およびダミーゲート電極GE2形成工程)は、例えば次のようにして行うことができる。まず、フォトリソグラフィ法を用いてnMIS形成領域1Aのシリコン膜9上とpMIS形成領域1Bの絶縁膜10上とにフォトレジストパターン(図示せず)を形成する。それから、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、nMIS形成領域1Aでは、シリコン膜9と金属膜8との積層膜をエッチングしてパターニングすることにより、ゲート電極GE1を形成し、pMIS形成領域1Bでは、絶縁膜10とシリコン膜9と金属膜8とマスク層6との積層膜をエッチングしてパターニングすることにより、ダミーゲート電極GE2を形成する。これらのパターニングに適用するエッチングは、ドライエッチングがより好ましい。その後、このフォトレジストパターンは除去される。
【0080】
ダミーゲート電極GE2には、マスク層6および絶縁膜10が含まれているが、ゲート電極GE1には、マスク層6および絶縁膜10は含まれていない。このため、ダミーゲート電極GE2の厚みは、ゲート電極GE1の厚みよりも厚い(より特定的にはマスク層6および絶縁膜10の厚みの分だけ厚い)。換言すれば、ダミーゲート電極GE2の高さは、ゲート電極GE1の高さよりも高い(より特定的にはマスク層6および絶縁膜10の厚みの分だけ高い)。
【0081】
ゲート電極GE1は、nMIS形成領域1Aにおいて、Hf含有絶縁膜4a上に形成され、ダミーゲート電極GE2は、pMIS形成領域1Bにおいて、Hf含有絶縁膜4b上に形成される。すなわち、金属膜8と金属膜8上のシリコン膜9とからなるゲート電極GE1が、nMIS形成領域1Aのp型ウエルPWの表面上に、ゲート絶縁膜としてのHf含有絶縁膜4aを介して形成される。一方、マスク層6とマスク層6上の金属膜8と金属膜8上のシリコン膜9とシリコン膜9上の絶縁膜10とからなるダミーゲート電極GE2が、pMIS形成領域1Bのn型ウエルNWの表面上に、ゲート絶縁膜としてのHf含有絶縁膜4bを介して形成される。Hf含有絶縁膜4aとHf含有絶縁膜4bとは、いずれも酸化シリコンよりも誘電率(比誘電率)が高く、高誘電率ゲート絶縁膜として機能する。
【0082】
ステップS16で積層膜をパターニングするドライエッチング工程の後に、ゲート電極GE1で覆われない部分のHf含有絶縁膜4aとダミーゲート電極GE2で覆われない部分のHf含有絶縁膜4bとを除去するためのウェットエッチング行うことが、より好ましい。ゲート電極GE1の下部に位置するHf含有絶縁膜4aとダミーゲート電極GE2の下部に位置するHf含有絶縁膜4bとは、ステップS16のドライエッチングおよびその後のウェットエッチングで除去されずに残存して、高誘電率ゲート絶縁膜となる。一方、ゲート電極GE1で覆われない部分のHf含有絶縁膜4aとダミーゲート電極GE2で覆われない部分のHf含有絶縁膜4bとは、ステップS16で積層膜をパターニングする際のドライエッチングや、その後のウェットエッチングで除去される。
【0083】
次に、図17に示されるように、nMIS形成領域1Aにおけるp型ウエルPWのゲート電極GE1の両側の領域にリン(P)又はヒ素(As)等のn型不純物をイオン注入することによりn型半導体領域EX1を形成し、また、pMIS形成領域1Bにおけるn型ウエルNWのダミーゲート電極GE2の両側の領域にホウ素(B)等のp型不純物をイオン注入することによりp型半導体領域EX2を形成する(図2のステップS17)。n型半導体領域EX1形成用のイオン注入時には、pMIS形成領域1Bはイオン注入阻止マスクとしてのフォトレジスト膜(図示せず)で覆っておき、nMIS形成領域1Aの半導体基板1(p型ウエルPW)にゲート電極GE1をマスクとしてイオン注入する。また、p型半導体領域EX2形成用のイオン注入時には、nMIS形成領域1Aはイオン注入阻止マスクとしての他のフォトレジスト膜(図示せず)で覆っておき、pMIS形成領域1Bの半導体基板1(n型ウエルNW)にダミーゲート電極GE2をマスクとしてイオン注入する。n型半導体領域EX1を先に形成しても、あるいはp型半導体領域EX2を先に形成してもよい。
【0084】
次に、図18に示されるように、ゲート電極GE1およびダミーゲート電極GE2の側壁上に、絶縁体(絶縁膜)からなるサイドウォールスペーサ(側壁スペーサ、側壁絶縁膜、サイドウォール)SWを形成する(図2のステップS18)。例えば、半導体基板1上にゲート電極GE1およびダミーゲート電極GE2を覆うように酸化シリコン膜と窒化シリコン膜とを下から順に形成してから、この酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層膜を異方性エッチング(エッチバック)することによって、ゲート電極GE1およびダミーゲート電極GE2の側壁上に残存する酸化シリコン膜および窒化シリコン膜からなるサイドウォールスペーサSWを形成することができる。なお、図面の簡略化のために、図18では、サイドウォールスペーサSWを構成する酸化シリコン膜および窒化シリコン膜を一体化して示してある。
【0085】
次に、図19に示されるように、nMIS形成領域1Aのp型ウエルPWにn型半導体領域SD1をイオン注入により形成し、pMIS形成領域1Bのn型ウエルNWにp型半導体領域SD2を他のイオン注入により形成する(図2のステップS19)。
【0086】
型半導体領域SD1は、nMIS形成領域1Aにおけるp型ウエルPWのゲート電極GE1およびサイドウォールスペーサSWの両側の領域に、リン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することにより、形成することができる。n型半導体領域SD1は、n型半導体領域EX1よりも不純物濃度が高くかつ接合深さが深い。このn型半導体領域SD1形成用のイオン注入時には、pMIS形成領域1Bはイオン注入阻止マスクとしてのフォトレジスト膜(図示せず)で覆っておき、nMIS形成領域1Aの半導体基板1(p型ウエルPW)に、ゲート電極GE1およびその側壁上のサイドウォールスペーサSWをマスクとしてイオン注入する。このため、nMIS形成領域1Aにおいて、n型半導体領域EX1は、ゲート電極GE1に整合して形成され、n型半導体領域SD1は、ゲート電極GE1の側壁上に設けられたサイドウォールスペーサSWに整合して形成される。このため、nMIS形成領域1Aにおいて、n型半導体領域EX1は、ゲート電極GE1の側壁上に形成されたサイドウォールスペーサSWの下に位置して、nチャネル型MISFETのチャネル領域とn型半導体領域SD1との間に介在することになる。
【0087】
型半導体領域SD2は、pMIS形成領域1Bにおけるn型ウエルNWのダミーゲート電極GE2およびサイドウォールスペーサSWの両側の領域にホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することにより、形成することができる。p型半導体領域SD2は、p型半導体領域EX2よりも不純物濃度が高くかつ接合深さが深い。このp型半導体領域SD2形成用のイオン注入時には、nMIS形成領域1Aはイオン注入阻止マスクとしての他のフォトレジスト膜(図示せず)で覆っておき、pMIS形成領域1Bの半導体基板1(n型ウエルNW)に、ダミーゲート電極GE2およびその側壁上のサイドウォールスペーサSWをマスクとしてイオン注入する。このため、pMIS形成領域1Bにおいて、p型半導体領域EX2は、ダミーゲート電極GE2に整合して形成され、p型半導体領域SD2は、ダミーゲート電極GE2の側壁上に設けられたサイドウォールスペーサSWに整合して形成される。このため、pMIS形成領域1Bにおいて、p型半導体領域EX2は、ダミーゲート電極GE2の側壁上に形成されたサイドウォールスペーサSWの下に位置して、pチャネル型MISFETのチャネル領域とp型半導体領域SD2との間に介在することになる。n型半導体領域SD1を先に形成しても、あるいはp型半導体領域SD2を先に形成してもよい。
【0088】
nMIS形成領域1Aのゲート電極GE1を構成するシリコン膜9は、n型半導体領域EX1形成用のイオン注入工程やn型半導体領域SD1形成用のイオン注入工程でn型の不純物が導入されて、n型のシリコン膜となり得る。また、pMIS形成領域1Bのダミーゲート電極GE2を構成するシリコン膜9は、p型半導体領域EX2形成用のイオン注入工程やp型半導体領域SD2形成用のイオン注入工程でp型の不純物が導入されて、p型のシリコン膜となり得るが、後述するように、後で除去される。
【0089】
ステップS19でn+型半導体領域SD1形成用のイオン注入とp型半導体領域SD2形成用のイオン注入とを行った後、導入(イオン注入)された不純物の活性化のための熱処理(アニール処理、活性化アニール)を行う(図2のステップS20)。ステップS17,S19のイオン注入でn型半導体領域EX1、p型半導体領域EX2、n型半導体領域SD1、p型半導体領域SD2およびシリコン膜9などに導入(イオン注入)された不純物を、ステップS20の熱処理により活性化することができる。ステップS20の熱処理は、例えば、900℃〜1100℃の熱処理温度で、不活性ガス雰囲気中、より好ましくは窒素雰囲気中で行うことができる。
【0090】
このようにして、nMIS形成領域1Aのp型ウエルPWに、nチャネル型MISFETのLDD(Lightly doped Drain)構造のソース・ドレイン領域として、n型半導体領域(エクステンション領域、LDD領域)EX1とそれよりも高不純物濃度のn型半導体領域(ソース・ドレイン領域)SD1とが形成される。また、pMIS形成領域1Bのn型ウエルNWに、pチャネル型MISFETのLDD構造のソース・ドレイン領域として、p型半導体領域(エクステンション領域、LDD領域)EX2とそれよりも高不純物濃度のp型半導体領域(ソース・ドレイン領域)SD2とが形成される。
【0091】
なお、n型半導体領域SD1はnチャネル型MISFETのソース・ドレイン領域(ソースまたはドレイン領域)として機能し、p型半導体領域SD2はpチャネル型MISFETのソース・ドレイン領域(ソースまたはドレイン領域)として機能する。このため、ステップS19は、nチャネル型MISFETのソース・ドレイン領域形成用のイオン注入と、pチャネル型MISFETのソース・ドレイン領域形成用のイオン注入とを行なう工程とみなすことができる。
【0092】
また、ステップS20の活性化アニール(活性化アニールのための熱処理)工程以降は、ステップS20の熱処理の熱処理温度以上の温度での熱処理(加熱)工程は行われない。すなわち、ステップS20の活性化アニール工程以降は、半導体装置が完成するまで(半導体基板1が個片化されて半導体チップが完成するまで)、ステップS20の熱処理の熱処理温度以上の温度には加熱されない。
【0093】
次に、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)プロセスにより、ソース・ドレインを構成するn型半導体領域SD1およびp型半導体領域SD2の上部や、ゲート電極GE1を構成するシリコン膜9の上部に、コバルトシリサイドまたはニッケルシリサイドなどからなる金属シリサイド層11を形成する(図2のステップS21)。
【0094】
ステップS21の金属シリサイド層11形成工程は、例えば次のようにして行うことができる。
【0095】
まず、図20に示されるように、n型半導体領域SD1およびp型半導体領域SD2の上面(表面)上と、ゲート電極GE1を構成するシリコン膜9の上面とを含む半導体基板1の主面全面上に、ゲート電極GE1、ダミーゲート電極GE2およびサイドウォールスペーサSWを覆うように、金属膜11aを形成(堆積)する。金属膜11aは、例えばニッケル(Ni)膜などからなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。更に金属膜11a上にチタン(Ti)膜などを形成することもできる。それから、半導体基板1に対して熱処理(例えば450℃程度の熱処理)を施すことによって、n型半導体領域SD1、p型半導体領域SD2およびゲート電極GE1(を構成するシリコン膜9)の上層部分(表層部分)を金属膜11aと反応さる。これにより、図21に示されるように、n型半導体領域SD1、p型半導体領域SD2およびゲート電極GE1(を構成するシリコン膜9)の上部(上面、表面、上層部)に、それぞれ金属シリサイド層11が形成される。金属膜11aがニッケル膜の場合には、金属シリサイド層11は、ニッケルシリサイド層となる。その後、未反応の金属膜11aを除去し、図21には、この段階の断面図が示されている。このように、いわゆるサリサイドプロセスを行うことによって、n型半導体領域SD1、p型半導体領域SD2およびゲート電極GE1(を構成するシリコン膜9)の上部に金属シリサイド層11を形成し、それによって、コンタクト抵抗を低減でき、また、ソース、ドレインやゲート電極の抵抗を低抵抗化することができる。
【0096】
ゲート電極GE1(を構成するシリコン膜9)の上部に金属シリサイド層11を形成した場合、このゲート電極GE1(を構成するシリコン膜9)の上部の金属シリサイド層11も、ゲート電極GE1に含めることができる。すなわち、nMIS形成領域1Aにおいて、金属膜8と金属膜8上のシリコン膜9とシリコン膜9上の金属シリサイド層11との積層構造(積層体)を、ゲート電極GE1とみなすことができる。
【0097】
なお、ダミーゲート電極GE2の最上層は絶縁膜10で構成されており、上記金属膜11aを形成すると、金属膜11aは、ダミーゲート電極GE2の絶縁膜10と接するが、ダミーゲート電極GE2のシリコン膜9とは接しない。このため、ダミーゲート電極GE2に対して金属シリサイド層11は形成されない。ダミーゲート電極GE2に金属シリサイド層11を形成しないのは、ダミーゲート電極GE2を構成するシリコン膜9の上部に金属シリサイド層11が形成されると、後述のステップS25でダミーゲート電極GE2を除去する際に、ダミーゲート電極GE2が除去しにくくなるためである。ダミーゲート電極GE2を構成するシリコン膜9上に絶縁膜10を形成していたことで、ダミーゲート電極GE2を構成するシリコン膜9の上部に金属シリサイド層11が形成されるのを防止できるため、後述のステップS25でダミーゲート電極GE2をエッチングにより除去しやすくすることができる。
【0098】
次に、図22に示されるように、ダミーゲート電極GE2の絶縁膜10をエッチングにより選択的に除去する(図2のステップS22)。これにより、ダミーゲート電極GE2は、マスク層6、金属膜8およびシリコン膜9の積層構造となる。
【0099】
具体的には、ダミーゲート電極GE2の絶縁膜10を露出し、他の領域を覆うようなフォトレジストパターン(図示せず)を半導体基板1の主面に形成してから、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、ダミーゲート電極GE2の絶縁膜10をエッチングして除去し、その後、フォトレジストパターンを除去する。この際、絶縁膜10に比べてシリコン膜9およびサイドウォールスペーサSWがエッチングされにくいエッチング条件で絶縁膜10をエッチングすることで、ダミーゲート電極GE2の絶縁膜10を選択的に除去することができる。ダミーゲート電極GE2から絶縁膜10を除去しても、ダミーゲート電極GE2はマスク層6を含みかつゲート電極GE1はマスク層6を含んでいないことに起因して、ダミーゲート電極GE2の高さは、ゲート電極GE1の高さよりも高くなっている。
【0100】
次に、図23に示されるように、半導体基板1の主面上に、ゲート電極GE1、ダミーゲート電極GE2およびサイドウォールスペーサSWを覆うように、絶縁膜(層間絶縁膜、第1絶縁膜)12を形成する(図2のステップS23)。絶縁膜12は、例えば、酸化シリコン膜(酸化シリコンを主成分とする絶縁膜)からなる。
【0101】
次に、図24に示されるように、絶縁膜12の表面(上面)を、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法などを用いて平坦化(研磨)し、ダミーゲート電極GE2の上面(ここではダミーゲート電極GE2を構成するシリコン膜9の上面)を露出させる(図2のステップS24)。すなわち、ステップS24では、ダミーゲート電極GE2の上面(ここではダミーゲート電極GE2を構成するシリコン膜9の上面)が露出するまで、絶縁膜12を研磨(CMP処理)する。但し、ゲート電極GE1(ゲート電極GE1の上部の金属シリサイド層11を含む)は露出しないようにする必要がある。
【0102】
本実施の形態においては、上述のように、ダミーゲート電極GE2の高さ(ここではダミーゲート電極GE2を構成するシリコン膜9の上面の高さ位置に対応)が、ゲート電極GE1の高さ(ゲート電極GE1を構成する金属シリサイド層11の上面の高さ位置に対応)よりも高くなっている。なお、ここで言う高さとは、半導体基板1の主面に対して垂直方向の高さに対応している。ダミーゲート電極GE2の高さが、ゲート電極GE1の高さよりも高くなっているのは、ゲート電極GE1はマスク層6を含んでいないのに対して、ダミーゲート電極GE2がマスク層6を含んでいるためである。ダミーゲート電極GE2が含んでいるマスク層6の厚みにほぼ相当する分、ダミーゲート電極GE2の高さ(ダミーゲート電極GE2を構成するシリコン膜9の上面の高さ位置に対応)が、ゲート電極GE1の高さ(ゲート電極GE1を構成する金属シリサイド層11の上面の高さ位置に対応)よりも高くなっている。また、ゲート電極GE1の上部に金属シリサイド層11を形成した場合、金属シリサイド層11を含むゲート電極GE1の高さよりもダミーゲート電極GE2の高さが高くなるように、マスク層6の厚みを調整しておく。ダミーゲート電極GE2の高さがゲート電極GE1の高さよりも高いことにより、ステップS24でダミーゲート電極GE2の上面が露出するまで絶縁膜12を研磨(CMP処理)すると、ダミーゲート電極GE2の上面(ここではダミーゲート電極GE2を構成するシリコン膜9の上面)が絶縁膜12から露出し、ゲート電極GE1が絶縁膜12で覆われて露出していない状態を、実現できる。
【0103】
次に、図25に示されるように、絶縁膜12から露出するダミーゲート電極GE2を、エッチングして除去する(図2のステップS25)。
【0104】
ステップS25のダミーゲート電極GE2の除去工程は、ウェットエッチングにより行うことが好ましい。ダミーゲート電極GE2の構成材料にもよるが、ステップS25で使用するエッチング液としては、例えば、アンモニア水や過酸化水素水などを用いることができる。ステップS25のエッチング工程により、ダミーゲート電極GE2を構成していたシリコン膜9、金属膜8およびマスク層6が除去され、ダミーゲート電極GE2の下に位置していたHf含有絶縁膜4bが露出される。ダミーゲート電極GE2が除去された部分は、凹部(窪み部、溝部)13となる。凹部13の底部ではHf含有絶縁膜4bが露出する。凹部13の側壁(側面)では、サイドウォールスペーサSWおよび絶縁膜12が露出する。
【0105】
また、ステップS25では、ダミーゲート電極GE2に比べて絶縁膜12、サイドウォールスペーサSWおよびHf含有絶縁膜4bがエッチングされにくいエッチング条件(エッチング液の選択を含む)でダミーゲート電極GE2をエッチングすることで、ダミーゲート電極GE2を選択的に除去するとともに、絶縁膜12、サイドウォールスペーサSWおよびHf含有絶縁膜4bがエッチングされるのを抑制または防止する。
【0106】
また、ステップS25では、シリコン膜9に対するエッチング選択比が高いエッチング液を用いて、ダミーゲート電極GE2のシリコン膜9を除去してから、金属膜8に対するエッチング選択比が高いエッチング液を用いて、ダミーゲート電極GE2の金属膜8を除去し、更に、マスク層6に対するエッチング選択比が高いエッチング液を用いて、ダミーゲート電極GE2のマスク層6を除去すればよい。
【0107】
また、マスク層6を金属膜8と同じ材料で形成しておけば、ステップS25で金属膜8とマスク層6の除去を、同じエッチング液で連続的に行うことができる。このため、半導体装置の製造時間を短縮でき、また、半導体装置のスループットを向上することができる。上述のように、金属膜8には、nMIS形成領域1Aに形成するnチャネル型MISFETのメタルゲート電極としてふさわしい金属(金属膜)を用いることが好ましく、一方、マスク層6には、上記ステップS10の熱処理で反応しがたい材料を用いること好ましい。このため、金属膜8とマスク層6とに、同じ(同種の)窒化金属を使用すれば、上記条件を満たすことができるためより好ましく、窒化チタンを使用すれば、更に好ましい。
【0108】
本実施の形態では、ステップS25のエッチング工程により、ダミーゲート電極GE2全体が除去される。一方、ゲート電極GE1は、絶縁膜12で覆われており、露出されていないため、ステップS25のエッチング工程ではエッチングされない。
【0109】
次に、図26または図27に示されるように、半導体基板1の主面上に、すなわち、絶縁膜12上に、凹部13内を埋めるように、pMIS形成領域1Bに形成されるpチャネル型MISFETのメタルゲート(金属ゲート電極)用の導電体膜(メタルゲート膜)14を形成する(図2のステップS26)。すなわち、ステップS26においては、上記ステップS25でダミーゲート電極GE2を除去することで形成された凹部13を埋めるように、導電体膜14を形成する。凹部13の底部ではHf含有絶縁膜4bが露出していたので、導電体膜14は、Hf含有絶縁膜4b上に、Hf含有絶縁膜4bに接するように形成される。
【0110】
図26には、導電体膜14を単層とした場合が示され、図27には、導電体膜14を、導電体膜14aと導電体膜14a上の導電体膜14bとの積層膜とした場合が示されている。図26のように導電体膜14を単層とした場合は、導電体膜14全体が金属膜からなり、図27のように導電体膜14を導電体膜14aと導電体膜14a上の導電体膜14bとの積層膜とした場合には、導電体膜14a,14bのうちの少なくとも導電体膜14aは金属膜からなる。すなわち、導電体膜14を積層膜とした場合には、その積層膜のうちの少なくとも最下層は金属膜にする。このようにするのは、導電体膜14により形成された後述のゲート電極GE2aをメタルゲート電極とするためである。図26の導電体膜14または図27の導電体膜14aを構成する金属膜に好適なものとして、窒化チタン(TiN)膜、窒化タンタル(TaN)膜、窒化タングステン(WN)膜、炭化チタン(TiC)膜、炭化タンタル(TaC)膜、炭化タングステン(WC)膜または窒化炭化タンタル(TaCN)膜などが挙げられ、その中でも窒化チタン(TiN)膜は特に好ましい。また、図27において、導電体膜14bは、導電体膜14aと同種の金属膜とすることもできるが、異なる種類の導電体材料膜とすることもできる。
【0111】
導電体膜14は、Hf含有絶縁膜4bに接する金属膜を含む導電体膜とみなすことができ、図26のように導電体膜14を単層とした場合は、導電体膜14全体が前記金属膜(Hf含有絶縁膜4bに接する金属膜)に対応し、図27のように導電体膜14を導電体膜14a,14bの積層膜とした場合には、最下層の導電体膜14aが前記金属膜(Hf含有絶縁膜4bに接する金属膜)に対応することになる。
【0112】
図27のように、導電体膜14を導電体膜14aと導電体膜14a上の導電体膜14bとの積層膜により形成する場合、この導電体膜14aは金属膜とするが、ALD法で形成することが好ましい。これは、ALD法は、成膜速度は遅いが、カバレッジ良く成膜でき、また、下地に対するダメージも少ないためである。このため、導電体膜14aとしての金属膜をALD法により形成することで、カバレッジ良く成膜できるとともに、下地のHf含有絶縁膜4bにダメージが生じるのを抑制または防止することができる。そして、ALD法は成膜速度が遅いため、導電体膜14の全厚みをALD法で形成するのではなく、導電体膜14a上に形成する導電体膜14bは、ALD法よりも成膜速度が速い成膜方法、例えばスパッタリング法などのPVD法で形成することが、より好ましい。また、導電体膜14bの材料の種類によっては(例えば導電体膜14bをシリコン膜とした場合など)、導電体膜14bをCVD法により形成することもできる。すなわち、導電体膜14の全厚みをALD法で形成するのではなく、導電体膜14aとして所定の厚みまでALD法で成膜した後は、残りの厚み分をALD法よりも成膜速度が速い成膜方法(PVD法など)で導電体膜14bとして成膜する。ALD法で形成した導電体膜14a上に導電体膜14bを形成するため、導電体膜14bの成膜時には、ALD法を用いなくとも、カバレッジの問題は生じず、また、Hf含有絶縁膜4bに対するダメージの懸念も生じない。このため、ALD法で形成した導電体膜14a上にALD法よりも成膜速度が速い成膜方法(PVD法など)で導電体膜14bを成膜することにより、導電体膜14の形成に要する時間を短縮でき、スループットを向上することができる。
【0113】
導電体膜14の全厚みのうち、ALD法で形成した導電体膜14aの厚みは、2nm以上が好ましく、これにより、カバレッジ性向上とHf含有絶縁膜4bへのダメージ抑制の効果を的確に得ることができるようになる。また、導電体膜14の全厚みのうち、ALD法で形成した導電体膜14aの厚み(形成膜厚)よりも、導電体膜14bの厚み(形成膜厚)が厚い方が、より好ましく、これにより、導電体膜14の成膜に要する時間を効率的に短縮することができる。また、成膜時間の短縮を考慮すると、導電体膜14bは単層が好ましいが、他の形態として、導電体膜14bを複数層とすることもできる。
【0114】
次に、図28に示されるように、凹部13外の導電体膜14を除去し、凹部13内に導電体膜14を残すことで、ゲート電極GE2aを形成する(図2のステップS27)。
【0115】
具体的には、ステップS27において、エッチバック法またはCMP法などを用いて、凹部13の外部の導電体膜14を除去し、凹部13内に導電体膜14を残すことで、凹部13内に残存する導電体膜14からなるゲート電極GE2aを形成する。これにより、絶縁膜12の上面が露出し、凹部13内にゲート電極GE2aが埋め込まれた状態となる。このため、上記ステップS25でダミーゲート電極GE2が除去された部分に、ゲート電極GE2aが形成されることになる。
【0116】
なお、図28には、上記図27のように導電体膜14を導電体膜14a,14bの積層膜により形成した場合が示されている。この場合、導電体膜14からなるゲート電極GE2aは、底部と側面が導電体膜14aにより形成され、内部が導電体膜14bにより形成された状態となり、ゲート電極GE2aの上面は、外周(周辺)部が導電体膜14aにより形成され、それよりも内側が導電体膜14bにより形成された状態となる。
【0117】
上記ステップS26で導電体膜14を導電体膜14a,14bの積層膜により形成する場合、上記ステップS26においては、まず、凹部13の底部(底面)および側壁(側面)上を含む絶縁膜12上に導電体膜14aを形成してから、導電体膜14a上に、凹部13内を満たす(埋める)ように、導電体膜14bを形成する。導電体膜14aを形成する前の段階(すなわちステップS25の後でステップS26の前の段階)では、凹部13の底部ではHf含有絶縁膜4bが露出しているため、ステップS26においては、Hf含有絶縁膜4b上に、Hf含有絶縁膜4bに接するように導電体膜14aが形成される。このため、ステップS27でゲート電極GE2aを形成すると、このゲート電極GE2aは、ゲート絶縁膜(ここでは界面層3およびHf含有絶縁膜4b)上に位置する(すなわちゲート絶縁膜に接する)金属膜である導電体膜14aを有しているため、いわゆるメタルゲート電極(金属ゲート電極)である。すなわち、導電体膜14aを金属膜とすることで、導電体膜14bの材料によらず、ゲート電極GE2aをメタルゲート電極として機能させることができる。
【0118】
一方、上記図26のように導電体膜14を単層とした場合には、図28において、導電体膜14aと導電体膜14bとが一体化された導電体膜14が、ゲート電極GE2aとなる。この場合、ゲート電極GE2a全体が金属膜からなる導電体膜14で形成されることとなり、ゲート電極GE2aは、ゲート絶縁膜(ここでは界面層3およびHf含有絶縁膜4b)上に位置する(すなわちゲート絶縁膜に接する)金属膜である導電体膜14を有しているため、メタルゲート電極(金属ゲート電極)である。
【0119】
また、nMIS形成領域1Aのゲート電極GE1は、上記ステップS24〜S27で加工されない。nMIS形成領域1Aのゲート電極GE1は、ゲート絶縁膜(ここでは界面層3およびHf含有絶縁膜4a)上に位置する(すなわちゲート絶縁膜に接する)金属膜8を有しているため、メタルゲート電極(金属ゲート電極)である。
【0120】
このようにして、図28に示されるような構造が得られ、nMIS形成領域1Aに、電界効果トランジスタとしてnチャネル型MISFETQnが形成され、また、pMIS形成領域1Bに、電界効果トランジスタとしてpチャネル型MISFETQpが形成される。
【0121】
ゲート電極GE1がnチャネル型MISFETQnのゲート電極(メタルゲート電極)として機能し、ゲート電極GE1の下のHf含有絶縁膜4a(およびその下の界面層3)が、nチャネル型MISFETQnのゲート絶縁膜として機能する。そして、nチャネル型MISFETQnのソースまたはドレインとして機能するn型の半導体領域(不純物拡散層、ソース・ドレイン領域)が、n型半導体領域SD1およびn型半導体領域EX1により形成される。また、ゲート電極GE2aがpチャネル型MISFETQpのゲート電極(メタルゲート電極)として機能し、ゲート電極GE2aの下のHf含有絶縁膜4b(およびその下の界面層3)が、pチャネル型MISFETQpのゲート絶縁膜として機能する。そして、pチャネル型MISFETQpのソースまたはドレインとして機能するp型の半導体領域(不純物拡散層、ソース・ドレイン領域)が、p型半導体領域SD2およびp型半導体領域EX2により形成される。従って、本実施の形態で説明している半導体装置の製造工程は、nチャネル型MISFETQnを半導体基板1のnMIS形成領域(第1領域)1Aに有し、pチャネル型MISFETQpを半導体基板1のpMIS形成領域(第2領域)1Bに有する半導体装置の製造工程(製造方法)と言うことができる。
【0122】
次に、図29に示されるように、半導体基板1の主面上に、すなわち絶縁膜12上に、絶縁膜15を形成する(図2のステップS28)。
【0123】
絶縁膜15を形成する前は、ゲート電極GE2aの上面は露出しているが、ステップS28で絶縁膜15を形成することで、ゲート電極GE2aの上面は絶縁膜15で覆われた状態となる。絶縁膜15は、例えば酸化シリコン膜などからなる。ゲート電極GE2aが埋め込まれた絶縁膜12の上面は平坦化されていたので、絶縁膜15は絶縁膜12上に平坦に形成されるため、絶縁膜15の形成後に絶縁膜15の表面(上面)を平坦化する処理を省略することもできるが、更なる平坦度向上のために、絶縁膜15の形成後に、絶縁膜15の表面(上面)を、例えばCMP法を使用して平坦化してもよい。
【0124】
次に、絶縁膜15上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜15,12をドライエッチングすることにより、図30に示されるように、絶縁膜15,12にコンタクトホール(貫通孔、孔)CTを形成する。コンタクトホールCTは、絶縁膜12および絶縁膜15からなる積層膜を貫通するように形成され、n型半導体領域SD1およびp型半導体領域SD2や、ゲート電極GE1,GE2aの上部などに形成される。
【0125】
次に、コンタクトホールCT内に、タングステン(W)などからなる導電性のプラグ(接続用導体部)PGを形成する。プラグPGを形成するには、例えば、コンタクトホールCTの内部(底部および側壁上)を含む絶縁膜15上に、バリア導体膜(例えばチタン膜、窒化チタン膜、あるいはそれらの積層膜)を形成する。それから、このバリア導体膜上にタングステン膜などからなる主導体膜をコンタクトホールCTを埋めるように形成し、絶縁膜15上の不要な主導体膜およびバリア導体膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、プラグPGを形成することができる。なお、図面の簡略化のために、図30では、プラグPGを構成するバリア導体膜および主導体膜(タングステン膜)を一体化して示してある。
【0126】
次に、図31に示されるように、プラグPGが埋め込まれた絶縁膜15上に、絶縁膜(層間絶縁膜)16を形成する。絶縁膜16は、単層(例えば酸化シリコン膜など)または複数層(例えば窒化シリコン膜とその上の酸化シリコン膜との積層膜など)とすることができる。
【0127】
次に、シングルダマシン法により第1層目の配線M1を形成する。まず、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクとしたドライエッチングによって絶縁膜16の所定の領域に配線溝(配線M1を埋め込むための溝)を形成した後、半導体基板1の主面上(すなわち配線溝の底部および側壁上を含む絶縁膜16上)にバリア導体膜(例えば窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜など)を形成する。続いて、CVD法またはスパッタリング法などによりバリア導体膜上に銅のシード層を形成し、さらに電解めっき法などを用いてシード層上に銅めっき膜を形成し、銅めっき膜により配線溝の内部を埋め込む。それから、配線溝内以外の領域の銅めっき膜、シード層およびバリア導体膜をCMP法により除去して、銅を主導電材料とする第1層目の配線M1を形成する。なお、図面の簡略化のために、図31では、配線M1を構成する銅めっき膜、シード層およびバリア導体膜を一体化して示してある。
【0128】
配線M1は、プラグPGを介してnチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQpのソースまたはドレイン用のn型半導体領域SD1およびp型半導体領域SD2などと電気的に接続されている。その後、デュアルダマシン法などにより2層目以降の配線を形成するが、ここでは図示およびその説明は省略する。また、配線M1およびそれよりも上層の配線は、ダマシン配線に限定されず、配線用の導電体膜をパターニングして形成することもでき、例えばタングステン配線またはアルミニウム配線などとすることもできる。
【0129】
次に、本実施の形態の特徴について、より詳細に説明する。
【0130】
本実施の形態では、nチャネル型MISFETQnのゲート電極GE1は、ゲート絶縁膜(ここでは界面層3およびHf含有絶縁膜4a)上に位置する金属膜8を有しており、また、pチャネル型MISFETQpのゲート電極GE2aは、ゲート絶縁膜(ここでは界面層3およびHf含有絶縁膜4b)上に位置する金属膜(導電体膜14aまたは導電体膜14全体を構成する金属膜に対応)を有している。従って、nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQpのゲート電極GE1,GE2aは、いわゆるメタルゲート電極(金属ゲート電極)である。このため、ゲート電極の空乏化現象を抑制し、寄生容量をなくす(抑制する)ことができるため、MISFET素子の小型化(ゲート絶縁膜の薄膜化)も可能になる。
【0131】
また、本実施の形態では、nチャネル型MISFETQnのゲート絶縁膜として、酸化シリコンよりも誘電率が高いHf含有絶縁膜4aを用い、pチャネル型MISFETQpのゲート絶縁膜として、酸化シリコンよりも誘電率が高いHf含有絶縁膜4bを用いている。すなわち、酸化シリコンより誘電率(比誘電率)の高い絶縁材料膜、いわゆるHigh−k膜(高誘電率膜)であるHf含有絶縁膜(高誘電率ゲート絶縁膜)4a,4bを、nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQpのゲート絶縁膜に用いている。このため、nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQpのゲート絶縁膜に酸化シリコン膜を用いた場合に比べて、Hf含有絶縁膜4aとHf含有絶縁膜4bの物理的膜厚を増加させることができるため、ゲートリーク電流を低減することができる。なお、本願において、High−k膜、高誘電率膜あるいは高誘電率ゲート絶縁膜と言うときは、酸化シリコン(SiO、代表的にはSiO)よりも誘電率(比誘電率)が高い膜を意味する。また、本願において、Hfを含有するゲート絶縁膜をHf系ゲート絶縁膜と称する場合もある。
【0132】
また、本実施の形態の主要な特徴の一つは、nチャネル型MISFETQnのメタルゲート電極(ここではゲート電極GE1)は、上記ステップS20の活性化アニールの前に形成し、pチャネル型MISFETQpのメタルゲート電極(ここではゲート電極GE2a)は、上記ステップS20の活性化アニールの後に形成することである。その理由は、以下のようなものである。
【0133】
メタルゲート電極を用いた場合、ゲート電極の空乏化の問題は解決できるが、ポリシリコンゲート電極を用いた場合に比べて、nチャネル型MISFETおよびpチャネル型MISFETの両方でしきい値電圧の絶対値が大きくなってしまい、低しきい値デバイスの性能が低下するという問題がある。このため、メタルゲート電極を適用する場合には、低しきい値化(しきい値電圧の絶対値の低下)を可能とし、低しきい値デバイスの性能向上を実現することが望まれる。
【0134】
nチャネル型MISFETの低しきい値化のためには、nチャネル型MISFETのメタルゲート電極の仕事関数を低くすることが有効であり、一方、pチャネル型MISFETの低しきい値化のためには、pチャネル型MISFETのメタルゲート電極の仕事関数を高くすることが有効である。しかしながら、ソース・ドレイン領域形成後に行う活性化アニール(導入した不純物を活性化するために行う熱処理)を行う際に、メタルゲート電極も熱処理されてしまい、この活性化アニール時の熱処理温度は900〜1100℃程度と高温であるため、この熱処理によってメタルゲート電極の仕事関数が低下してしまう。これは、活性化アニール時に、ゲート絶縁膜から酸素が抜けて酸素空孔が生成されてメタルゲート電極とゲート絶縁膜との界面に欠陥準位が形成され、その影響でメタルゲート電極のフェルミ準位が下がることで、メタルゲート電極の仕事関数が低下するためと考えられる。すなわち、nチャネル型MISFETのメタルゲート電極およびpチャネル型MISFETのメタルゲート電極において、活性化アニールの前に比べて、活性化アニールの後の方が、仕事関数が低くなってしまうのである。
【0135】
活性化アニールによってnチャネル型MISFETのメタルゲート電極の仕事関数が低下することは、nチャネル型MISFETの低しきい値化に寄与する。しかしながら、活性化アニールによってpチャネル型MISFETのメタルゲート電極の仕事関数が低下することは、pチャネル型MISFETの高しきい値化に寄与してしまう。
【0136】
そこで、本実施の形態では、nチャネル型MISFETQnのメタルゲート電極(ここではゲート電極GE1)は、ソース・ドレイン領域形成後に行う活性化アニール(上記ステップS20の活性化アニールに対応)の前に形成し、pチャネル型MISFETQpのメタルゲート電極(ここではゲート電極GE2a)は、ソース・ドレイン領域形成後に行う活性化アニール(上記ステップS20の活性化アニールに対応)の後に形成している。
【0137】
本実施の形態とは異なり、nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETの両方のメタルゲート電極を、ソース・ドレイン領域形成後に行う活性化アニールの前に形成した場合には、活性化アニールに起因してpチャネル型MISFETのメタルゲート電極の仕事関数が低くなってしまい、それによってpチャネル型MISFETが高しきい値化してしまう。一方、本実施の形態とは異なり、nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETの両方のメタルゲート電極を、ソース・ドレイン領域形成後に行う活性化アニールの後で形成した場合には、活性化アニール前にメタルゲート電極を形成した場合に比べて、nチャネル型MISFETのメタルゲート電極の仕事関数が高くなってしまい、nチャネル型MISFETが高しきい値化してしまう。
【0138】
それに対して、本実施の形態では、nチャネル型MISFETQnのメタルゲート電極(ゲート電極GE1)を、ソース・ドレイン領域形成後に行う活性化アニール(上記ステップS20に対応)の前に形成することで、活性化アニールに起因してnチャネル型MISFETQnのメタルゲート電極(ゲート電極GE1)の仕事関数を低くすることができ、それによってnチャネル型MISFETQnを低しきい値化することができる。また、本実施の形態では、pチャネル型MISFETQpのメタルゲート電極(ゲート電極GE2a)を、ソース・ドレイン領域形成後に行う活性化アニール(ステップS20に対応)の後に形成することで、活性化アニールに起因してpチャネル型MISFETQpのメタルゲート電極(ゲート電極GE2a)の仕事関数が低くなるのを防止でき、pチャネル型MISFETQpの高しきい値化を防ぐ(低しきい値化を図る)ことができる。これにより、nチャネル型MISFETQnとpチャネル型MISFETQpの両方を低しきい値化することができる。従って、半導体装置の性能向上を図ることができる。特に、nチャネル型MISFETのメタルゲート電極におけるゲート絶縁膜に接する金属膜部分(ゲート電極GE1の金属膜8に対応)は、活性化アニール(ステップS20に対応)の前に形成し、pチャネル型MISFETのメタルゲート電極におけるゲート絶縁膜に接する金属膜部分(ゲート電極GE2aの導電体膜14aまたは導電体膜14全体に対応)は、活性化アニール(ステップS20に対応)の後に形成することが重要である。
【0139】
また、ステップS26で導電体膜14を形成した後(後述の実施の形態2の場合は後述のステップS34で金属膜14cを形成した後)には、活性化アニール(ステップS20に対応)の熱処理温度以上の温度での熱処理は行われないため、その後の熱処理に起因してpチャネル型MISFETQpのメタルゲート電極の仕事関数が低下するのを防止することができる。このため、pチャネル型MISFETQpの高しきい値化を防ぐ(低しきい値化を図る)ことができる。
【0140】
このように、活性化アニール(上記ステップS20に対応)の前にnチャネル型MISFETQnのメタルゲート電極(ゲート電極GE1)を形成し、活性化アニール(上記ステップS20に対応)の後にpチャネル型MISFETQpのメタルゲート電極(ゲート電極GE2a)を形成しているが、これを実現するために、以下のような工夫を行っている。
【0141】
pMIS形成領域1Bにおいて、nMIS形成領域1Aのゲート電極GE1と一緒に、ダミーゲート電極GE2を形成する。その後、nチャネル型MISFETQn用のソース・ドレイン領域とpチャネル型MISFETQp用のソース・ドレイン領域を形成し、導入された不純物の活性化アニール(上記ステップS20に対応)を行った後に、ダミーゲート電極GE2を除去して、ダミーゲート電極GE2が形成されていた場所(上記凹部13に対応)にゲート電極GE2aを形成している。ダミーゲート電極GE2を利用してpチャネル型MISFETQp用のソース・ドレイン領域を形成し、ダミーゲート電極GE2を除去してそこ(ダミーゲート電極GE2が形成されていた場所)にゲート電極GE2aを形成しているため、pチャネル型MISFETQp用のソース・ドレイン領域の形成位置と、ゲート電極GE2aの形成位置とがずれるのを防止することができる。
【0142】
また、ダミーゲート電極GE2の高さを、ゲート電極GE1よりも高くすることで、ゲート電極GE1を除去することなく、ダミーゲート電極GE2を選択的に除去しやすくしている。すなわち、ダミーゲート電極GE2の高さを、ゲート電極GE1よりも高く形成しておき、ゲート電極GE1およびダミーゲート電極GE2を覆うように上記絶縁膜12を形成してから、上記ステップS24でダミーゲート電極GE2の上面が露出するまで絶縁膜12を研磨(CMP処理)することで、ダミーゲート電極GE2の上面が絶縁膜12から露出し、ゲート電極GE1が絶縁膜12で覆われて露出していない状態が得られる。この状態でエッチング(上記ステップS25に対応)を行えば、ゲート電極GE1が除去(エッチング)されることなく、ダミーゲート電極GE2を選択的に除去(エッチング)することができる。
【0143】
また、絶縁膜12の上面の平坦化処理(研磨処理)時に、ダミーゲート電極GE2が露出するまで絶縁膜12の研磨を行えば、ダミーゲート電極GE2を露出させることができる。このため、絶縁膜12の形成後にフォトリソグラフィ工程(フォトレジスト塗布、露光、現像)を行わなくともダミーゲート電極GE2を露出させることができ、半導体装置の製造工程数の低減、製造時間の短縮、製造コストの低減などに有利である。
【0144】
また、ダミーゲート電極GE2の高さを、ゲート電極GE1よりも高くするために、マスク層6を用いている。このマスク層6は、上記ステップS10の熱処理の際に、nMIS形成領域1AのHf含有膜4(Hf含有絶縁膜4a)に希土類含有膜7の希土類を導入し、pMIS形成領域1BのHf含有膜4(Hf含有絶縁膜4b)に、希土類含有膜7からの希土類が導入されるのを抑制または防止するために使用されている。このマスク層6を上記ステップS11で除去せずに残し、その後、ゲート電極GE1用の導電体膜(金属膜8およびシリコン膜9)を形成することで、マスク層6の厚みの分、ダミーゲート電極GE2の高さをゲート電極GE1よりも高くすることができる。pMIS形成領域1BのHf含有膜4(Hf含有絶縁膜4b)に希土類含有膜7からの希土類が導入されるのを抑制または防止するためのマスク層6をダミーゲート電極GE2に流用することで、製造工程数を増加させることなく、ダミーゲート電極GE2の高さをゲート電極GE1よりも高くすることができる。これにより、半導体装置の製造工程数を抑制することができ、半導体装置の製造時間を短縮することができる。
【0145】
また、ゲート絶縁膜用の高誘電率膜(High−k膜)として、Hfを含有する高誘電率膜であるHf系ゲート絶縁膜が優れているが、nチャネル型MISFETにおけるHf系ゲート絶縁膜に希土類元素(特に好ましくはランタン)を導入すると、nチャネル型MISFETを低しきい値化することができる。このため、本実施の形態では、nチャネル型MISFETQnのHf系の高誘電率ゲート絶縁膜であるHf含有絶縁膜4aに希土類元素(より好ましくはLa)を導入し、それによって、nチャネル型MISFETQnを更に低しきい値化している。従って、nチャネル型MISFETQnについては、活性化アニール(上記ステップS20に対応)の前にメタルゲート電極(ゲート電極GE1)を形成することと、Hf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4a)に希土類元素(より好ましくはLa)を導入することによって、nチャネル型MISFETQnを、より的確に低しきい値化することができる。
【0146】
しかしながら、pチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜に希土類元素(特にLa)が導入されてしまうと、この希土類元素が、pチャネル型MISFETを高しきい値化するように作用するため、pチャネル型MISFETの低しきい値化を図るには、pチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜に希土類元素(特にLa)が導入されないようにすることが好ましい。このため、本実施の形態では、マスク層6をpMIS形成領域1Bに選択的に形成した状態で希土類含有膜7を形成することで、nMIS形成領域1Aでは、Hf含有膜4に接するように希土類含有膜7を形成することができるとともに、pMIS形成領域1Bでは、希土類含有膜7はマスク層6上に形成される。このため、上記ステップS10の熱処理を行うと、nMIS形成領域1Aでは、Hf含有膜4と希土類含有膜7とが反応するが、pMIS形成領域1Bでは、希土類含有膜7がマスク層6の下の層と反応するのを、マスク層6によって抑制または防止することができる。これにより、nチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4a)に希土類元素(より好ましくはLa)を導入できるとともに、pチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4b)に希土類元素(特にLa)が導入されないようにすることができる。これにより、nチャネル型MISFETQnを低しきい値化することができるとともに、pチャネル型MISFETQpが高しきい値化するのを防止することができる。そして、このように使用したマスク層6を、本実施の形態では、ステップS11で除去せずにダミーゲート電極GE2にも利用することで、半導体装置の製造工程数を抑制することができる。
【0147】
また、pチャネル型MISFETにおけるHf系ゲート絶縁膜にアルミニウム(Al)を導入すると、pチャネル型MISFETを低しきい値化することができる。このため、本実施の形態では、pチャネル型MISFETQpのHf系の高誘電率ゲート絶縁膜であるHf含有絶縁膜4bにアルミニウム(Al)を導入し、それによって、pチャネル型MISFETQpを更に低しきい値化している。従って、pチャネル型MISFETQpについては、活性化アニール(上記ステップS20に対応)の後にメタルゲート電極(ゲート電極GE2a)を形成することと、Hf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4b)にアルミニウム(Al)を導入することによって、pチャネル型MISFETQpを、より的確に低しきい値化することができる。
【0148】
本実施の形態では、pチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4b)にアルミニウム(Al)を導入するために、Al含有膜5をpMIS形成領域1Bに選択的に形成し、このAl含有膜5とHf含有膜4とを上記ステップS10の熱処理で反応させることで、pチャネル型MISFET用のHf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4b)を形成している。これにより、pチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4b)にアルミニウム(Al)を導入でき、それによって、pチャネル型MISFETQpを低しきい値化することができる。
【0149】
また、上述のように、nチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜に希土類元素(特にランタン)を導入すると、nチャネル型MISFETを低しきい値化することができ、pチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜にアルミニウム(Al)を導入すると、pチャネル型MISFETを低しきい値化することができるが、これら希土類やアルミニウムによるしきい値調整能力には限界がある。特に、nチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜に希土類元素(特にLa)を導入した場合の低しきい値化の作用とpチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜にアルミニウム(Al)を導入した場合の低しきい値化の作用とを比べると、後者の方が小さい。このため、pチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜にアルミニウム(Al)を導入した場合の低しきい値化の効果(しきい値電圧の低減量)は、例えば0.15V程度までであり、それ以上の低しきい値化は容易ではない。このため、pチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜にアルミニウム(Al)を導入したことによる低しきい値化には限界がある。それに対して、本実施の形態は、pチャネル型MISFETQpについて、活性化アニール(上記ステップS20に対応)の後にメタルゲート電極(ゲート電極GE2a)を形成することと、Hf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4b)にアルミニウム(Al)を導入することの両方によって、pチャネル型MISFETQpの低しきい値化を図っているため、pチャネル型MISFETQpの低しきい値化に対して極めて有効である。
【0150】
また、nチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜に希土類元素(特にLa)を導入した場合の低しきい値化の作用は、pチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜にアルミニウム(Al)を導入した場合の低しきい値化の作用に比べると大きいが、それでも、低しきい値化には限界がある。それに対して、本実施の形態は、nチャネル型MISFETQnについて、活性化アニール(上記ステップS20に対応)の前にメタルゲート電極(ゲート電極GE1)を形成することと(活性化アニール時の熱処理に起因してメタルゲート電極の仕事関数が低くなる)、Hf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4a)に希土類元素(特にLa)を導入することの両方によって、nチャネル型MISFETQnの低しきい値化を図っている。このため、nチャネル型MISFETQnの低しきい値化に対して極めて有効である。
【0151】
また、上述のように、pチャネル型MISFETQpのHf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4b)にアルミニウム(Al)を導入した方がより好ましいが、変形例として、pチャネル型MISFETQpのHf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4b)にアルミニウム(Al)を導入しないようにすることもできる。この場合、上記ステップS6のAl含有膜5形成工程を省略すればよい。上記ステップS6のAl含有膜5形成工程を省略すると、pMIS形成領域1Bにおいてマスク層6はHf含有膜4上に(Hf含有膜4に接して)形成され、上記ステップS10の熱処理後も、pMIS形成領域1BのHf含有膜4はそのまま残存し、上記Hf含有絶縁膜4bはHf含有膜4のままとなる。このため、pチャネル型MISFETQpのHf系ゲート絶縁膜は、Hf含有膜4によって構成されることになる。このような場合でも、pチャネル型MISFETQpについて、本実施の形態のように、活性化アニール(上記ステップS20に対応)の後にメタルゲート電極(ゲート電極GE2a)を形成することにより、活性化アニール前に形成したメタルゲート電極をそのまま使用する場合に比べて、pチャネル型MISFETQpを低しきい値化することができる。但し、pチャネル型MISFETQpの低しきい値化を更に促進するためには、pチャネル型MISFETQpのHf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4b)にアルミニウム(Al)を導入した方がより好ましい。
【0152】
また、更に他の変形例として、pチャネル型MISFETQpのHf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4b)にアルミニウム(Al)を導入せず、nチャネル型MISFETのHf系ゲート絶縁膜に希土類元素(特にLa)を導入しないこともできる。この場合、上記ステップS6〜S11を省略すればよい。この場合、nチャネル型MISFETQnのHf系ゲート絶縁膜とpチャネル型MISFETQpのHf系ゲート絶縁膜とは、Hf含有膜4によって構成されることになる。このような場合でも、本実施の形態のように、nチャネル型MISFETQnについて、活性化アニール(ステップS20に対応)の前にメタルゲート電極(ゲート電極GE1)を形成し、pチャネル型MISFETQpについて、活性化アニールの後にメタルゲート電極(ゲート電極GE2a)を形成することで、そうではない場合に比べて、nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETの両方を低しきい値化することができる。また、この場合、上記ステップS5でHf含有膜4を形成した後に、マスク層6に相当する膜をpMIS形成領域1Bに選択的に形成し、ダミーゲート電極GE2がこの膜を含み、ゲート電極GE1がこの膜を含まないようにすることで、この膜の厚み分、ダミーゲート電極GE2の高さを、ゲート電極GE1よりも高くすることができる。但し、nチャネル型MISFETQnの低しきい値化を更に促進するためには、nチャネル型MISFETQnのHf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4a)に希土類元素を導入した方がより好ましく、また、pチャネル型MISFETQpの低しきい値化を更に促進するためには、pチャネル型MISFETQpのHf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4b)にアルミニウム(Al)を導入した方がより好ましい。
【0153】
また、nチャネル型MISFET用のHf系ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4a)に導入する低しきい値化用の元素が希土類元素(特にランタン)の場合について説明したが、希土類元素以外でも、1族(Ia族)、2族(IIa族)または3族(IIIa族)のいずれかに属する元素であれば、nチャネル型MISFET用のHf系ゲート絶縁膜に導入することで、nチャネル型MISFETの低しきい値化を図ることができる。このため、本実施の形態において、希土類含有膜7の代わりに、1族(Ia族)、2族(IIa族)または3族(IIIa族)のいずれかに属する元素を主成分として含有する材料膜を用いることができ、この場合には、形成されたHf含有絶縁膜4aは、低しきい値化用の元素として、希土類元素の代わりに、1族(Ia族)、2族(IIa族)または3族(IIIa族)のいずれかに属する元素を含有したものとなる。このため、本実施の形態は、希土類含有膜7の代わりに1族(Ia族)、2族(IIa族)または3族(IIIa族)のいずれかに属する元素を主成分として含有する材料膜を用いた場合、すなわちHf含有絶縁膜4aが、低しきい値化用の元素として、希土類元素の代わりに1族(Ia族)、2族(IIa族)または3族(IIIa族)のいずれかに属する元素を含有する場合にも有効であり、これは、以下の実施の形態2でも同様である。但し、nチャネル型MISFETをより的確に低しきい値化するためには、Hf含有絶縁膜4aに導入された低しきい値化用の元素は、希土類元素またはMg(マグネシウム)が好ましく、Mg(マグネシウム)よりも希土類元素がより好ましく、希土類元素の中でもLa(ランタン)が特に好ましい。
【0154】
(実施の形態2)
本実施の形態2の半導体装置の製造工程を図面を参照して説明する。
【0155】
図32および図33は、本発実施の形態2の半導体装置の製造工程の一部を示す製造プロセスフロー図である。図32および図33は、上記実施の形態1の上記図1および図2にそれぞれ対応している。図34〜図61は、本実施の形態2の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【0156】
本実施の形態の製造工程は、ステップS10の熱処理でHf含有絶縁膜4a,4bを形成するまでは、上記実施の形態1の製造工程と同様であるので、ここではその説明を省略し、ステップS10の熱処理でHf含有絶縁膜4a,4bを形成した以降について説明する。
【0157】
本実施の形態においても、上記実施の形態1のステップS1〜S10と同様の工程を行って、上記図10の構造を得る。その後、本実施の形態では、図34に示されるように、ステップS10の熱処理工程で反応しなかった希土類含有膜7(未反応の希土類含有膜7、特にマスク層6上に残存する希土類含有膜7)を、エッチング(好ましくはウェットエッチング)によって除去し、それから、マスク層6をエッチング(好ましくはウェットエッチング)によって除去する(図32のステップS11a)。
【0158】
すなわち、nMIS形成領域1Aにおいて、ステップS10の熱処理でHf含有膜4と反応しきれなかった希土類含有膜7があれば、このステップS11aで除去され、pMIS形成領域1Bにおいて、ステップS10の熱処理後にマスク層6上に残存していた希土類含有膜7と、マスク層6自身が、このステップS11aで除去される。ステップS11aにおいて、未反応の希土類含有膜7のエッチング(除去)には、例えば硝酸などの酸溶液を用いることができ、マスク層6の除去には、マスク層6の材料にもよるが、例えば過酸化水素水(マスク層6が窒化チタンの場合)などを用いることができる。ステップS11aのエッチング工程により、nMIS形成領域1AではHf含有絶縁膜4aが露出し、pMIS形成領域1BではHf含有絶縁膜4bが露出した状態となる。また、他の形態として、ステップS11aにおいて、ステップS10の熱処理工程で反応しなかった希土類含有膜7(未反応の希土類含有膜7、特にマスク層6上に残存する希土類含有膜7)と、マスク層6とを、一緒に除去(好ましくはウェットエッチングにより除去)することもできる。
【0159】
上記実施の形態1のステップS11では、ステップS10の熱処理工程で反応しなかった希土類含有膜7(未反応の希土類含有膜7)をエッチングによって除去した(マスク層6は残した)のに対して、本実施の形態のステップS11aでは、ステップS10の熱処理工程で反応しなかった希土類含有膜7(未反応の希土類含有膜7)だけでなく、マスク層6もエッチングによって除去している。
【0160】
次に、図35に示されるように、nMIS形成領域1AおよびpMIS形成領域1Bを含む半導体基板1の主面上に、すなわちnMIS形成領域1AのHf含有絶縁膜4a上およびpMIS形成領域1BのHf含有絶縁膜4b上に、nMIS形成領域1Aに形成するnチャネル型MISFETのメタルゲート(金属ゲート電極)用の金属膜(金属層、メタルゲート膜)8を形成する(図32のステップS12)。
【0161】
本実施の形態のステップS12が上記実施の形態1のステップS12と相違しているのは、上記実施の形態1のステップS12では、pMIS形成領域1Bにおいて、金属膜8はマスク層6上に(マスク層6に接して)形成されたのに対して、本実施の形態のステップS12では、pMIS形成領域1Bにおいて、金属膜8はHf含有絶縁膜4b上に(Hf含有絶縁膜4bに接して)形成されることである。それ以外は、本実施の形態のステップS12は、上記実施の形態1のステップS12と同様である。
【0162】
次に、図36に示されるように、半導体基板1の主面上に、すなわち金属膜8上に、シリコン膜9を形成する(図32のステップS13)。本実施の形態のステップS13は、上記実施の形態1のステップS13と基本的には同じであるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。本実施の形態において、ステップS13でシリコン膜9を形成すると、nMIS形成領域1Aでは、Hf含有絶縁膜4a上に金属膜8およびシリコン膜9が下から順に形成され、pMIS形成領域1Bでは、Hf含有絶縁膜4b上に金属膜8およびシリコン膜9が下から順に形成された状態となる。
【0163】
次に、半導体基板1上の積層膜(金属膜8とその上のシリコン膜9との積層膜)をパターニングすることにより、図37に示されるように、nMIS形成領域1Aにゲート電極GE1を、pMIS形成領域1Bにダミーゲート電極GE2bを、それぞれ形成する(図32のステップS16a)。
【0164】
ゲート電極GE1およびダミーゲート電極GE2bは、金属膜8と金属膜8上のシリコン膜9とからなり、nMIS形成領域1Aにゲート電極GE1が形成され、pMIS形成領域1Bにダミーゲート電極GE2bが形成される。本実施の形態では、上記実施の形態1で行った上記ステップS14(絶縁膜10形成工程)および上記ステップS15(絶縁膜10のパターニング工程)を行わないため、ステップS16では、nMIS形成領域1AとpMIS形成領域1Bとの両方において、同じ積層膜(金属膜8とその上のシリコン膜9との積層膜)がパターニングされ、ゲート電極GE1とダミーゲート電極GE2bとは同じ積層構造を有したものとなる。ステップS16aのパターニング工程(ゲート電極GE1,GE2b形成工程)は、例えば、フォトリソグラフィ法を用いてシリコン膜9上にフォトレジストパターン(図示せず)を形成してから、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、シリコン膜9および金属膜8の積層膜をエッチング(好ましくはドライエッチング)してパターニングすることにより、行うことができる。その後、このフォトレジストパターンは除去される。
【0165】
本実施の形態のゲート電極GE1は、上記実施の形態1のゲート電極GE1と同様であるが、本実施の形態のダミーゲート電極GE2bは、マスク層6および絶縁膜10を含んでいない点で、上記実施の形態1のダミーゲート電極GE2と相違している。本実施の形態では、ゲート電極GE1とダミーゲート電極GE2bとは、同じ積層構造(金属膜8とその上のシリコン膜9との積層構造)を有しており、ダミーゲート電極GE2bの高さは、ゲート電極GE1の高さとほぼ同じである。
【0166】
ゲート電極GE1は、nMIS形成領域1Aにおいて、Hf含有絶縁膜4a上に形成され、ダミーゲート電極GE2bは、pMIS形成領域1Bにおいて、Hf含有絶縁膜4b上に形成される。すなわち、金属膜8および金属膜8上のシリコン膜9からなるゲート電極GE1が、nMIS形成領域1Aのp型ウエルPWの表面上に、ゲート絶縁膜としてのHf含有絶縁膜4aを介して形成される。一方、金属膜8と金属膜8上のシリコン膜9からなるダミーゲート電極GE2bが、pMIS形成領域1Bのn型ウエルNWの表面上に、ゲート絶縁膜としてのHf含有絶縁膜4bを介して形成される。Hf含有絶縁膜4aとHf含有絶縁膜4bとは、いずれも酸化シリコンよりも誘電率(比誘電率)が高く、高誘電率ゲート絶縁膜として機能する。
【0167】
ステップS16aでシリコン膜9および金属膜8をパターニングするドライエッチング工程の後に、ゲート電極GE1で覆われない部分のHf含有絶縁膜4aとダミーゲート電極GE2bで覆われない部分のHf含有絶縁膜4bとを除去するためのウェットエッチング行うことが、より好ましい。ゲート電極GE1の下部に位置するHf含有絶縁膜4aとダミーゲート電極GE2bの下部に位置するHf含有絶縁膜4bとは、ステップS16aのドライエッチングおよびその後のウェットエッチングで除去されずに残存して、高誘電率ゲート絶縁膜となる。一方、ゲート電極GE1で覆われない部分のHf含有絶縁膜4aとダミーゲート電極GE2bで覆われない部分のHf含有絶縁膜4bとは、ステップS16aでシリコン膜9および金属膜8をパターニングする際のドライエッチングや、その後のウェットエッチングで除去される。
【0168】
次に、図38に示されるように、nMIS形成領域1Aにn型半導体領域EX1を形成し、pMIS形成領域1Bにp型半導体領域EX2を形成する(図33のステップS17)。本実施の形態のステップS17は、上記実施の形態1のステップS17と基本的には同じであり、上記実施の形態1のステップS17に関連した説明において、ダミーゲート電極GE2をダミーゲート電極GE2bに読み替えればよい。
【0169】
次に、図39に示されるように、ゲート電極GE1およびダミーゲート電極GE2bの側壁上にサイドウォールスペーサSWを形成する(図33のステップS18)。本実施の形態のステップS18は、上記実施の形態1のステップS18と基本的には同じであり、上記実施の形態1のステップS18に関連した説明において、ダミーゲート電極GE2をダミーゲート電極GE2bに読み替えればよい。
【0170】
次に、図40に示されるように、nMIS形成領域1Aのp型ウエルPWにn型半導体領域SD1を形成し、pMIS形成領域1Bのn型ウエルNWにp型半導体領域SD2を形成する(図33のステップS19)。本実施の形態のステップS19は、上記実施の形態1のステップS19と基本的には同じであり、上記実施の形態1のステップS19に関連した説明において、ダミーゲート電極GE2をダミーゲート電極GE2bに読み替えればよい。
【0171】
ステップS19でn+型半導体領域SD1形成用のイオン注入とp型半導体領域SD2形成用のイオン注入とを行った後、導入(イオン注入)した不純物の活性化のための熱処理(アニール処理、活性化アニール)を行う(図33のステップS20)。本実施の形態のステップS20は、上記実施の形態1のステップS20と基本的には同じであるため、ここでは、その繰り返しの説明は省略する。
【0172】
次に、図41に示されるように、サリサイドプロセスにより、ソース・ドレインを構成するn型半導体領域SD1およびp型半導体領域SD2の上部や、ゲート電極GE1およびダミーゲート電極GE2bを構成するシリコン膜9の上部に、金属シリサイド層11を形成する(図33のステップS21)。
【0173】
本実施の形態のステップS21は、ダミーゲート電極GE2b(を構成するシリコン膜9)の上部(上面、表面、上層部)にも金属シリサイド層11が形成される点が、上記実施の形態1のステップS21と相違しているが、それ以外については、上記実施の形態1のステップS21と基本的には同じである。上記実施の形態1のステップS21においては、ダミーゲート電極GE2の最上層は絶縁膜10で構成されており、上記金属膜11aを形成すると、金属膜11aは、ダミーゲート電極GE2の絶縁膜10と接するが、ダミーゲート電極GE2のシリコン膜9とは接しないため、ダミーゲート電極GE2に対して金属シリサイド層11は形成されなかった。一方、本実施の形態のステップS21においては、ダミーゲート電極GE2bの最上層はシリコン膜9で構成されており、上記金属膜11aを形成すると、上記金属膜11aは、ダミーゲート電極GE2bのシリコン膜9と接するため、ダミーゲート電極GE2bに対しても金属シリサイド層11が形成される。
【0174】
ゲート電極GE1(を構成するシリコン膜9)の上部の金属シリサイド層11も、ゲート電極GE1に含めることができ、ダミーゲート電極GE2b(を構成するシリコン膜9)の上部の金属シリサイド層11も、ダミーゲート電極GE2bに含めることができる。すなわち、nMIS形成領域1Aにおいて、金属膜8と金属膜8上のシリコン膜9とシリコン膜9上の金属シリサイド層11との積層構造(積層体)を、ゲート電極GE1とみなすことができ、pMIS形成領域1Bにおいて、金属膜8と金属膜8上のシリコン膜9とシリコン膜9上の金属シリサイド層11との積層構造(積層体)を、ダミーゲート電極GE2bとみなすことができる。
【0175】
次に、図42〜図44に示されるように、半導体基板1の主面上に、ゲート電極GE1、ダミーゲート電極GE2bおよびサイドウォールスペーサSWを覆うように、絶縁膜(層間絶縁膜、第1絶縁膜)21を形成する(図33のステップS31)。絶縁膜21は、例えば、酸化シリコン膜(酸化シリコンを主成分とする絶縁膜)からなる。絶縁膜21の形成後、絶縁膜21の表面(上面)を、CMP法などを用いて平坦化する。この段階では、ゲート電極GE1およびダミーゲート電極GE2bは露出していない。
【0176】
ここで、図42は、上記図34〜図41と同じ断面領域を示す断面図である。図43は、図42のpMIS形成領域1Bの構造を、図42の一点鎖線A−Aの位置で、図42の紙面に垂直な方向(ダミーゲート電極GE2bの延在方向、すなわち後で完成するゲート電極GE2cのゲート幅方向に対応)に切断した断面図に対応している。図43の一点鎖線B−Bの位置で、図43の紙面に垂直な方向(後で完成するゲート電極GE2cのゲート長方向に対応)に図43の構造を切断すると、図42のpMIS形成領域1Bの断面図になる。また、図43の一点鎖線C−Cの位置で、図43の紙面に垂直な方向(後で完成するゲート電極GE2cのゲート長方向に対応)に図43の構造を切断すると、図44の断面図になる。この図43の一点鎖線C−Cの位置は、後で形成される開口部22を横切る位置である。なお、図42〜図44は、同じ工程段階を示してある。
【0177】
次に、絶縁膜21上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜21などをエッチング(好ましくはドライエッチング)することにより、図45〜図47に示されるように、開口部(孔)22を形成する(図33のステップS32)。なお、図45〜図47は同じ工程段階を示し、このうち図45は上記図42に対応する断面図であり、図46は上記図43に対応する断面図であり、図47は上記図44に対応する断面図である。
【0178】
開口部22は、ダミーゲート電極GE2bの一部と平面的に重なる位置に形成され、ステップS32では、絶縁膜21の一部を除去して絶縁膜21に開口部22を形成し、この開口部22からダミーゲート電極GE2bの一部を露出させる。
【0179】
具体的には、ステップS32では、まず、絶縁膜21上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして用いて絶縁膜21をエッチング(除去)して絶縁膜21に開口部22を形成する。それから、開口部22の底部で露出する金属シリサイド層11(ダミーゲート電極GE2bを構成する金属シリサイド層11)をエッチングして除去し、更に、金属シリサイド層11を除去することで開口部22の底部で露出したシリコン膜9(ダミーゲート電極GE2bを構成するシリコン膜9)をエッチングして除去する。これにより、開口部22は、絶縁膜21、金属シリサイド層11およびシリコン膜9を貫通し、開口部22の底部では、ダミーゲート電極GE2bの一部である金属膜8(ダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8)が露出された状態となる。開口部22形成時のエッチングには、ドライエッチングを適用することが、より好ましい。
【0180】
また、ダミーゲート電極GE2bの一部を素子分離領域2上に延在させ、素子分離領域2上に位置する部分のダミーゲート電極GE2bに平面的に重なる位置に、開口部22を形成することが好ましい。活性領域ではなく素子分離領域2上に開口部22を形成することで、開口部22形成時に目外れが生じて開口部22の形成位置が多少ずれても、活性領域がエッチングされるのを防止できる。なお、「平面的」または「平面的に見て」と言うときは、半導体基板1の主面に平行な平面で見た場合を意味する。
【0181】
また、サイドウォールスペーサSWと絶縁膜21とを互いに異なる材料により形成しておき、開口部22を形成するために絶縁膜21をエッチングする際に、絶縁膜21に比べてサイドウォールスペーサSWがエッチングされにくいエッチング条件を適用すれば、より好ましく、これにより、サイドウォールスペーサSWがエッチングされるのを抑制または防止することができる。
【0182】
次に、図48〜図50に示されるように、ダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8を、エッチングにより除去する(図33のステップS33)。なお、図48〜図50は同じ工程段階を示し、このうち図48は上記図42および図45に対応する断面図であり、図49は上記図43および図46に対応する断面図であり、図50は上記図44および図47に対応する断面図である。
【0183】
ステップS33においては、開口部22を通じて、ダミーゲート電極GE2bの一部である金属膜8を除去して、Hf含有絶縁膜4bを露出させる。具体的には、ステップS33において、ダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8を、開口部22を通じてウェットエッチングすることで、ダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8を選択的にエッチングして除去する。ゲート電極GE1は、絶縁膜21で覆われており、露出されていないため、ステップS33ではゲート電極GE1はエッチングされない。また、ステップS33においては、金属膜8に比べて、シリコン膜9およびHf含有絶縁膜4bがエッチングされにくいエッチング液を使用することで、Hf含有絶縁膜4bと、ダミーゲート電極GE2bを構成するシリコン膜9とがエッチングされるのを、抑制または防止することができる。また、ステップS33において、金属膜8に比べて、サイドウォールスペーサSWおよび絶縁膜21もエッチングされにくいエッチング液を使用すれば、サイドウォールスペーサSWおよび絶縁膜21がエッチングされるのを抑制または防止することができるため、更に好ましい。
【0184】
上記観点から、金属膜8が窒化チタン(TiN)からなる場合には、エッチング液として、過酸化水素水などを用いることができる。この場合、ステップS33において、半導体基板1を過酸化水素水に浸漬すれば、その過酸化水素水は開口部22内にも供給されるため、まず開口部22の底部で露出する金属膜8(ダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8)がエッチングされて除去され、そこからダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8全体にエッチング領域が広がっていき、ダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8全体が除去されることになる。シリコン膜9とHf含有絶縁膜4bとサイドウォールスペーサSWと絶縁膜21とは過酸化水素水によってエッチングされにくいため、ダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8を選択的に除去することができる。ダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8が除去された部分は、空洞(空間、空隙)CAVとなり、Hf含有絶縁膜4bが空洞CAVの底部で露出した状態となる。
【0185】
つまり、ステップS33では、開口部22と平面的に重なる領域の金属膜8だけでなく、開口部22と平面的に重ならない領域も含む金属膜8全体(但しダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8全体)が除去される。一方、上記ステップS32で開口部22を形成する際には、開口部22と平面的に重なる領域の金属シリサイド層11およびシリコン膜9(ダミーゲート電極GE2bを構成する金属シリサイド層11およびシリコン膜9)は除去されるが、開口部22と平面的に重ならない領域の金属シリサイド層11およびシリコン膜9(ダミーゲート電極GE2bを構成する金属シリサイド層11およびシリコン膜9)はほとんど除去されない。そして、ステップS33では、金属シリサイド層11およびシリコン膜9はほとんど除去されないため、開口部22と平面的に重ならない領域において、金属シリサイド層11およびシリコン膜9(ダミーゲート電極GE2bを構成していた金属シリサイド層11およびシリコン膜9)は残存するが、シリコン膜9の下の金属膜8(ダミーゲート電極GE2bを構成していた金属膜8)は除去されて空洞CAVとなる。
【0186】
空洞CAVは、ダミーゲート電極GE2bを構成していたシリコン膜9と、Hf含有絶縁膜4bとの間にトンネル状に形成されている。ダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8は、シリコン膜9とHf含有絶縁膜4bとによって上下に挟まれ、サイドウォールスペーサSWによって横方向に挟まれていたが、この金属膜8が除去されて空洞CAVとなる。このため、空洞CAVは、シリコン膜9とHf含有絶縁膜4bとによって上下に囲まれ(挟まれ)、サイドウォールスペーサSWによって横方向に囲まれ(挟まれ)ており、開口部22に繋がっている。従って、空洞CAVの上面は、ダミーゲート電極GE2bを構成していたシリコン膜9の下面により形成され、空洞CAVの底面は、Hf含有絶縁膜4bの上面により形成され、空洞CAVの側面は、サイドウォールスペーサSWの側面(ダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8に接していた側面)により形成される。Hf含有絶縁膜4bは空洞CAVで露出した状態となっている。
【0187】
従って、ステップS33を行う前は、ダミーゲート電極GE2bは、金属膜8と金属膜8上のシリコン膜9とシリコン膜9上の金属シリサイド層11との積層体で構成されていたが、ステップS33でダミーゲート電極GE2bを構成していた金属膜8を除去したことで、ダミーゲート電極GE2bは、空洞CAVと、空洞CAV上のシリコン膜9と、シリコン膜9上の金属シリサイド層11との積層体で構成された状態となる。
【0188】
次に、図51〜図53に示されるように、空洞CAV内を埋める(満たす)ように、金属膜(金属層、金属領域、金属部)14cを形成する(図33のステップS34)。すなわち、ステップS34においては、ダミーゲート電極GE2bを形成していたシリコン膜9とHf含有絶縁膜4bとの間の空洞CAVを金属膜14cで埋めるように、金属膜14cを形成する。なお、図51〜図53は同じ工程段階を示し、このうち図51は上記図42、図45および図48に対応する断面図であり、図52は上記図43、図46および図49に対応する断面図であり、図53は上記図44、図47および図50に対応する断面図である。
【0189】
金属膜14cは、pMIS形成領域1Bに形成されるpチャネル型MISFETのメタルゲート(金属ゲート電極)用の金属膜(メタルゲート膜)である。金属膜14cに好適なものとして、窒化チタン(TiN)膜、窒化タンタル(TaN)膜、窒化タングステン(WN)膜、炭化チタン(TiC)膜、炭化タンタル(TaC)膜、炭化タングステン(WC)膜または窒化炭化タンタル(TaCN)膜などが挙げられ、その中でも窒化チタン(TiN)膜は特に好ましい。
【0190】
金属膜14cは、空洞CAV内の埋め込み性(カバレッジ)が良好な手法を用いて形成することが好ましく、例えばALD法により形成することができる。ALD法を用いることで、空洞CAV内に空隙(金属膜14cが形成されなかった領域)が残らないように、金属膜14cを形成することができる。また、金属膜14cの形成には、ALD法以外にも、めっき法(無電解めっき法)またはCVD法を用いることもできるが、空洞CAV内の埋め込み性(カバレッジ)の観点から、ALD法が最も好ましい。
【0191】
ステップS34において、金属膜14cは、空洞CAV内を埋める(満たす)ように形成するが、開口部22内にも金属膜14cを形成することが好ましい。すなわち、ステップS34においては、空洞CAVだけでなく、開口部22も埋めるように金属膜14cを形成することが好ましい。また、ステップS34において、成膜上、絶縁膜21の表面(上面)にも、金属膜14cが形成される。空洞CAVや開口部22の寸法にもよるが、金属膜14cは、成膜厚みとしては、例えば50nm程度形成することができる。
【0192】
空洞CAVでは、Hf含有絶縁膜4bが露出していたので、金属膜14cは、Hf含有絶縁膜4b上に、Hf含有絶縁膜4bに接するように形成される。金属膜14cは、Hf含有絶縁膜4bに接する金属膜14cであるため、金属膜14cを、Hf含有絶縁膜4bに接する金属膜を含む導電体膜とみなすこともできる。
【0193】
金属膜14cは、pMIS形成領域1Bに形成するpチャネル型MISFETのメタルゲート電極(後述のゲート電極GE2c)用の金属膜として形成している。これは、上記実施の形態1でも説明したように、活性化アニール(上記ステップS20に対応)に起因してpチャネル型MISFETのメタルゲート電極の仕事関数が低くなるのを防止するために、活性化アニール後に形成した金属膜(ここでは金属膜14c)を、pチャネル型MISFETのメタルゲート電極用に使用するためである。
【0194】
次に、図54〜図56に示されるように、空洞CAVおよび開口部22の外部の金属膜14cを除去し、空洞CAVおよび開口部22内に金属膜14cを残す(図33のステップS35)。このステップS35は、不要な金属膜14c(すなわち空洞CAVおよび開口部22の外部の金属膜14c)を除去する工程とみなすこともできる。なお、図54〜図56は同じ工程段階を示し、このうち図54は上記図42、図45、図48および図51に対応する断面図であり、図55は上記図43、図46、図49および図52に対応する断面図であり、図56は上記図44、図47、図50および図53に対応する断面図である。
【0195】
具体的には、ステップS35において、エッチバック法またはCMP法などを用いて、空洞CAVおよび開口部22の外部の金属膜14cを除去し、空洞CAVおよび開口部22内に金属膜14を残す。これにより、絶縁膜21の上面が露出し、空洞CAVおよび開口部22内に金属膜14cが埋め込まれた状態となる。空洞CAVおよび開口部22内に残った金属膜14cと、ダミーゲート電極GE2bを構成していたシリコン膜9および金属シリサイド層11とにより、pチャネル型MISFET用のゲート電極GE2cが形成される。ダミーゲート電極GE2bにおいて、金属膜8で構成されていた部分と、開口部22形成時に除去された部分のシリコン膜9および金属シリサイド層11とが、金属膜14cに入れ替わったものが、ゲート電極GE2cに対応している。従って、ゲート電極GE2cは、開口部22が形成されていた領域は金属膜14cで構成され、それ以外の領域は、金属膜14cとその上のシリコン膜9とその上の金属シリサイド層11とで構成された状態となっている。
【0196】
金属膜14cを形成する前の段階(すなわちステップS33の後でステップS34の前の段階)では、空洞CAV(の底部)ではHf含有絶縁膜4bが露出しているため、ステップS34においては、Hf含有絶縁膜4b上に、Hf含有絶縁膜4bに接するように金属膜14cが形成される。このため、ステップS35でゲート電極GE2cを形成すると、このゲート電極GE2cは、ゲート絶縁膜(ここでは界面層3およびHf含有絶縁膜4b)上に位置する(すなわちゲート絶縁膜に接する)金属膜14cを有しているため、いわゆるメタルゲート電極(金属ゲート電極)である。
【0197】
このようにして、図54に示されるような構造が得られ、nMIS形成領域1Aに、電界効果トランジスタとしてnチャネル型MISFETQnが形成され、また、pMIS形成領域1Bに、電界効果トランジスタとしてpチャネル型MISFETQpが形成される。ゲート電極GE1がnチャネル型MISFETQnのゲート電極(メタルゲート電極)として機能し、ゲート電極GE1の下のHf含有絶縁膜4a(およびその下の界面層3)が、nチャネル型MISFETQnのゲート絶縁膜として機能する。そして、nチャネル型MISFETQnのソースまたはドレインとして機能するn型の半導体領域(不純物拡散層、ソース・ドレイン領域)が、n型半導体領域SD1およびn型半導体領域EX1により形成される。また、ゲート電極GE2cがpチャネル型MISFETQpのゲート電極(メタルゲート電極)として機能し、ゲート電極GE2cの下のHf含有絶縁膜4b(およびその下の界面層3)が、pチャネル型MISFETQpのゲート絶縁膜として機能する。そして、pチャネル型MISFETQpのソースまたはドレインとして機能するp型の半導体領域(不純物拡散層、ソース・ドレイン領域)が、p型半導体領域SD2およびp型半導体領域EX2により形成される。
【0198】
また、他の形態として、上記ステップS34において、空洞CAV内を金属膜14cで埋めた後、開口部22内の金属膜14c上に他の導電体膜を形成して、金属膜14cと前記他の導電体膜とにより、開口部22内を埋めることもできる。この場合、上記ステップS35では、空洞CAVおよび開口部22の外部の金属膜14cおよび前記他の導電体膜を除去し、空洞CAV内に金属膜14cを残し、開口部22内に金属膜14cおよび前記他の導電体膜を残すことになる。これにより、空洞CAV内は金属膜14cで埋められ、開口部22内は、金属膜14cと金属膜14c上の前記他の導電体膜とにより埋め込まれた状態となる。
【0199】
次に、図57〜図59に示されるように、半導体基板1の主面上に、すなわち絶縁膜21上に、絶縁膜23を形成する(図33のステップS36)。なお、図57〜図59は同じ工程段階を示し、このうち図57は上記図42、図45、図48、図51および図54に対応する断面図であり、図58は上記図43、図46、図49、図52および図55に対応する断面図であり、図59は上記図44、図47、図50、図53および図56に対応する断面図である。
【0200】
絶縁膜23を形成する前は、ゲート電極GE2cの上面は露出しているが、ステップS36で絶縁膜23を形成することで、ゲート電極GE2cの上面は絶縁膜23で覆われた状態となる。絶縁膜23は、例えば酸化シリコン膜などからなる。絶縁膜21の上面は平坦化されていたので、絶縁膜23は絶縁膜21上に平坦に形成されるため、絶縁膜23の形成後に絶縁膜23の表面(上面)を平坦化する処理を省略することもできるが、更なる平坦度向上のために、絶縁膜23の形成後に、絶縁膜23の表面(上面)を、例えばCMP法を使用して平坦化してもよい。
【0201】
以降の工程(ステップS36の絶縁膜23形成工程以降)は、上記実施の形態1(ステップS28の絶縁膜15形成工程以降)と基本的には同じである。簡単に説明すると、上記実施の形態1と同様に、図60に示されるように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて絶縁膜23,21にコンタクトホールCTを形成し、コンタクトホールCT内に導電性のプラグPGを形成する。それから、上記実施の形態1と同様に、図61に示されるように、プラグPGが埋め込まれた絶縁膜23上に絶縁膜16を形成し、絶縁膜16に配線溝を形成してから、その配線溝内に配線M1を形成する(埋め込む)。その後、2層目以降の配線を形成するが、ここでは図示およびその説明は省略する。
【0202】
本実施の形態と上記実施の形態1とは、nチャネル型MISFETQnのメタルゲート電極(ゲート電極GE1)は、ソース・ドレイン領域形成後に行う活性化アニール(上記ステップS20に対応)の前に形成し、pチャネル型MISFETQpのメタルゲート電極(ゲート電極GE2a,GE2c)は、ソース・ドレイン領域形成後に行う活性化アニール(上記ステップS20に対応)の後に形成している点は共通である。相違しているのは、上記実施の形態1では、ダミーゲート電極GE2全体を除去してから、ダミーゲート電極GE2が存在していた領域(凹部13)に、メタルゲート電極であるゲート電極GE2aを形成しているのに対して、本実施の形態では、ダミーゲート電極GE2bのうちの金属膜8を除去してから、この金属膜8が存在していた領域(空洞CAV)に、金属膜14cを形成することでゲート電極GE2cを形成している点である。すなわち、上記実施の形態1では、ダミーゲート電極GE2全体を除去して導電体膜14と入れ換えることでゲート電極GE2aを形成しているが、本実施の形態では、ダミーゲート電極GE2bを構成する金属膜8とシリコン膜9と金属シリサイド層11のうち、金属膜8を除去して金属膜14cと入れ換えるが、シリコン膜9と金属シリサイド層11はゲート電極GE2cでも利用して、ゲート電極GE2cを形成している。上記実施の形態1のゲート電極GE2aと本実施の形態のゲート電極GE2cとは、いずれも、ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4b)に接する金属膜(上記実施の形態1では導電体膜14または導電体膜14aに対応し、本実施の形態では金属膜14cに対応する)を有しているため、メタルゲート電極であり、この金属膜の仕事関数により、pチャネル型MISFETQpの仕事関数が制御される。
【0203】
このため、本実施の形態でも、nチャネル型MISFETQnのメタルゲート電極(ここではゲート電極GE1)を、ソース・ドレイン領域形成後に行う活性化アニール(上記ステップS20に対応)の前に形成することで、活性化アニールに起因してnチャネル型MISFETQnのメタルゲート電極の仕事関数を低くすることができ、それによってnチャネル型MISFETQnを低しきい値化することができる。また、本実施の形態では、pチャネル型MISFETQpのメタルゲート電極(ゲート電極GE2c)を構成する金属膜14cを、ソース・ドレイン領域形成後に行う活性化アニール(ステップS20に対応)の後に形成することで、活性化アニールに起因してpチャネル型MISFETQpのメタルゲート電極の仕事関数が低くなるのを防止でき、pチャネル型MISFETQpの高しきい値化を防ぐ(低しきい値化を図る)ことができる。これにより、nチャネル型MISFETQnとpチャネル型MISFETQpの両方を低しきい値化することができる。従って、nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQpを低しきい値化できる効果については、本実施の形態も、上記実施の形態1とほぼ同様に得ることができる。
【0204】
また、本実施の形態では、ダミーゲート電極GE2bのうちの金属膜8を除去してそこに金属膜14cを埋め戻すことでゲート電極GE2cを形成しているため、nチャネル型MISFETのゲート電極とpチャネル型MISFETのダミーゲート電極の構造が類似していることから、ドライエッチングによるダミーゲート電極形状の加工が容易であり、ゲート電極の形状制御が容易になるという効果を得ることができる。一方、上記実施の形態1では、ダミーゲート電極GE2全体を除去してそこを導電体膜14で埋め直すことでゲート電極GE2aを形成しているため、導電体膜14を形成しやすく、ゲート電極GE2aを形成しやすいという効果を得ることができ、また、半導体装置の製造工程数を低減する上でも有利である。
【0205】
上記実施の形態1,2を包括的に捉えると、次のように言うことができる。すなわち、nチャネル型MISFET用のメタルゲート電極(ゲート電極GE1に対応)とpチャネル型MISFET用のダミーゲート電極(ダミーゲート電極GE2,GE2bに対応)とを形成してから、nチャネル型MISFET用のソース・ドレイン領域とpチャネル型MISFET用のソース・ドレイン領域をそれぞれ形成する。それから、pチャネル型MISFET用のダミーゲート電極(ダミーゲート電極GE2,GE2bに対応)の少なくとも一部(上記実施の形態1の場合はダミーゲート電極GE2全体に対応、上記実施の形態2の場合はダミーゲート電極GE2bを構成していた金属膜8に対応)を除去して、pチャネル型MISFET用のゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4bに対応)を露出させる。その後、pチャネル型MISFET用のゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4bに対応)上に、該ゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4bに対応)に接する金属膜を含む導電体膜(導電体膜14、金属膜14cに対応)を形成し、該導電体膜(導電体膜14、金属膜14cに対応)により、pチャネル型MISFET用のメタルゲート電極(ゲート電極GE2a,GE2cに対応)を形成する。これにより、nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETの両方を低しきい値化することができる。
【0206】
ここで、ソース・ドレイン領域形成後、pチャネル型MISFET用のダミーゲート電極(ダミーゲート電極GE2,GE2bに対応)の少なくとも一部を除去する際には、pチャネル型MISFET用のゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4bに対応)が露出するように、ダミーゲート電極の少なくとも一部を除去している。これは、その後に形成した金属膜(導電体膜14、導電体膜14a、金属膜14cに対応)がpチャネル型MISFET用のゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4bに対応)に接するようにして、この金属膜によりpチャネル型MISFET用のメタルゲート電極(ゲート電極GE2a,GE2cに対応)が形成されるようにするためである。この際、上記実施の形態1では、ダミーゲート電極GE2全体を除去し、一方、上記実施の形態2では、ダミーゲート電極GE2bの一部(ダミーゲート電極GE2bを構成していた金属膜8に対応)を除去している。
【0207】
また、nチャネル型MISFET用のメタルゲート電極(ゲート電極GE1に対応)が除去されないようにするために、ソース・ドレイン領域形成後、半導体基板1の主面上にnチャネル型MISFET用のメタルゲート電極(ゲート電極GE1に対応)およびpチャネル型MISFET用のダミーゲート電極(ダミーゲート電極GE2,GE2bに対応)を覆うように絶縁膜(絶縁膜12,21に対応)を形成する。そして、この絶縁膜(絶縁膜12,21に対応)の一部を除去してpチャネル型MISFET用のダミーゲート電極(ダミーゲート電極GE2,GE2bに対応)を露出させてから、上述のように、pチャネル型MISFET用のダミーゲート電極(ダミーゲート電極GE2,GE2bに対応)の少なくとも一部を除去して、pチャネル型MISFET用のゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4bに対応)を露出させている。この絶縁膜(絶縁膜12,21に対応)の一部を除去してpチャネル型MISFET用のダミーゲート電極(ダミーゲート電極GE2,GE2bに対応)を露出させる手法は、上記実施の形態1と上記実施の形態2とで異なっている。上記実施の形態1では、pチャネル型MISFET用のダミーゲート電極(ダミーゲート電極GE2)の高さを、nチャネル型MISFET用のメタルゲート電極(ゲート電極GE1)よりも高くしておき、上記絶縁膜12を研磨してpチャネル型MISFET用のダミーゲート電極(ダミーゲート電極GE2)の上面を露出させ、nチャネル型MISFET用のメタルゲート電極(ゲート電極GE1)が露出しないようにする。その後、露出したpチャネル型MISFET用のダミーゲート電極(ダミーゲート電極GE2)を除去して、pチャネル型MISFET用のゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4bに対応)を露出させる。一方、上記実施の形態2では、上記絶縁膜21の一部を除去して上記絶縁膜21に開口部22を形成し、該開口部22からpチャネル型MISFET用のダミーゲート電極(ダミーゲート電極GE2bに対応)の一部を露出させ、nチャネル型MISFET用のメタルゲート電極(ゲート電極GE1)が露出しないようにする。その後、この開口部22を通じて、pチャネル型MISFET用のダミーゲート電極(ダミーゲート電極GE2bに対応)の少なくとも一部を除去して、pチャネル型MISFET用のゲート絶縁膜(Hf含有絶縁膜4bに対応)を露出させている。
【0208】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0209】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に適用して有効である。
【符号の説明】
【0210】
1 半導体基板
1A nMIS形成領域
1B pMIS形成領域
2 素子分離領域
3 界面層
4 Hf含有膜
4a,4b Hf含有絶縁膜
5 Al含有膜
6 マスク層
7 希土類含有膜
8 金属膜
9 シリコン膜
10 絶縁膜
11 金属シリサイド層
11a 金属膜
12 絶縁膜
13 凹部
14,14a,14b 導電体膜
14c 金属膜
15 絶縁膜
16 絶縁膜
21 絶縁膜
22 開口部
23 絶縁膜
CAV 空洞
CT コンタクトホール
EX1 n型半導体領域
EX2 p型半導体領域
GE1 ゲート電極
GE2 ダミーゲート電極
GE2a ゲート電極
GE2b ダミーゲート電極
GE2c ゲート電極
M1 配線
NW n型ウエル
PG プラグ
PW p型ウエル
Qn nチャネル型MISFET
Qp pチャネル型MISFET
SD1 n型半導体領域
SD2 p型半導体領域
SW サイドウォールスペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
nチャネル型の第1MISFETを半導体基板の第1領域に有し、pチャネル型の第2MISFETを前記半導体基板の第2領域に有する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記半導体基板を用意する工程、
(b)前記半導体基板上の前記第1領域に、第1ゲート絶縁膜を介して前記第1MISFET用の第1メタルゲート電極を形成し、前記半導体基板上の前記第2領域に、第2ゲート絶縁膜を介して前記第2MISFET用のダミーゲート電極を形成する工程、
(c)前記(b)工程後、前記第1MISFET用のソース・ドレイン領域と、前記第2MISFET用のソース・ドレイン領域を、それぞれ形成する工程、
(d)前記(c)工程後、前記第1メタルゲート電極および前記ダミーゲート電極を覆うように、前記半導体基板上に第1絶縁膜を形成する工程、
(e)前記(d)工程後、前記第1絶縁膜の一部を除去して、前記ダミーゲート電極を露出させる工程、
(f)前記(e)工程後、前記ダミーゲート電極の少なくとも一部を除去して前記第2ゲート絶縁膜を露出させる工程、
(g)前記第2ゲート絶縁膜上に前記第2ゲート絶縁膜に接する第1金属膜を含む導電体膜を形成して、前記第2MISFET用の第2メタルゲート電極を形成する工程、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(c)工程は、
(c1)前記第1MISFETのソース・ドレイン領域形成用のイオン注入を行なう工程、
(c2)前記第2MISFETのソース・ドレイン領域形成用のイオン注入を行なう工程、
(c3)前記(c1)工程および前記(c2)工程後、前記(c1)工程および前記(c2)工程でイオン注入された不純物を活性化するための熱処理を行う工程、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記ダミーゲート電極の高さは、前記第1メタルゲート電極の高さよりも高く、
前記(e)工程では、前記第1絶縁膜を研磨して前記ダミーゲート電極の上面を露出させ、前記第1メタルゲート電極は露出させないことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置の製造方法において、
前記(f)工程では、前記ダミーゲート電極全体を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
前記(g)工程は、
(g1)前記(f)工程で前記ダミーゲート電極を除去することで形成された凹部を埋めるように前記導電体膜を形成する工程、
(g2)前記(g1)工程後、前記凹部外の前記導電体膜を除去し、前記凹部内に前記導電体膜を残して、前記第2メタルゲート電極を形成する工程、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1ゲート絶縁膜および前記第2ゲート絶縁膜は、それぞれHfを含有する高誘電率ゲート絶縁膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程は、
(b1)前記第1および第2ゲート絶縁膜用で、かつHfを含有する第2絶縁膜を、前記半導体基板の前記第1領域および前記第2領域に形成する工程、
(b2)前記(b1)工程後、前記第2絶縁膜上にマスク層を形成する工程、
(b3)前記(b2)工程後、前記第1領域の前記マスク層を除去し、前記第2領域の前記マスク層を残す工程、
(b4)前記(b3)工程後、1族、2族または3族のいずれかに属する元素を含有する第1材料膜を、前記第1領域の前記第2絶縁膜上および前記第2領域の前記マスク層上に形成する工程、
(b5)前記(b4)工程後、熱処理を行って、前記第1領域の前記第2絶縁膜を前記第1材料膜と反応させて前記第1ゲート絶縁膜を形成する工程、
(b6)前記(b5)工程後、前記(b5)工程にて反応しなかった前記第1材料膜を除去する工程、
(b7)前記(b6)工程後、前記第1領域の前記第1ゲート絶縁膜上および前記第2領域の前記マスク層上に、前記第1メタルゲート電極用の第2金属膜を形成する工程、
(b8)前記(b7)工程後、前記第1領域の前記第2金属膜をパターニングして前記第1領域に前記第1メタルゲート電極を、前記第2領域の前記第2金属膜および前記マスク層をパターニングして前記第2領域に前記ダミーゲート電極を形成する工程、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1材料膜は、希土類元素を含有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1材料膜は、ランタンを含有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、
前記マスク層は、窒化金属膜からなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項10記載の半導体装置の製造方法において、
前記マスク層と前記第2金属膜とは、窒化チタンからなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程は、
(b9)前記(b1)工程後で前記(b2)工程後に、前記第1領域および前記第2領域に形成された前記第2絶縁膜上に、Alを含有する第2材料膜を形成する工程、
を更に有し、
前記(b3)工程では、前記第1領域の前記マスク層および前記第2材料膜を除去し、前記第2領域の前記マスク層および前記第2材料膜を残し、
前記(b5)工程では、前記熱処理を行って、前記第1領域の前記第2絶縁膜を前記第1材料膜と反応させて前記第1ゲート絶縁膜を形成し、前記第2領域の前記第2絶縁膜を前記第2材料膜と反応させて前記第2ゲート絶縁膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2絶縁膜は、HfO膜、HfON膜、HfSiON膜またはHfSiO膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程は、
(b10)前記(b7)工程後で、前記(b8)工程前に、前記第2金属膜上にシリコン膜を形成する工程、
を更に有し、
前記(b8)工程では、前記第1領域の前記シリコン膜および前記第2金属膜をパターニングして前記第1領域に前記第1メタルゲート電極を、前記第2領域の前記シリコン膜、前記第2金属膜および前記マスク層をパターニングして前記第2領域に前記ダミーゲート電極を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記(f)工程では、ウェットエッチングによって前記ダミーゲート電極を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記(e)工程では、
前記第1絶縁膜の一部を除去して前記第1絶縁膜に開口部を形成し、前記開口部から前記ダミーゲート電極の一部を露出させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16記載の半導体装置の製造方法において、
前記(f)工程では、
前記開口部を通じて、前記ダミーゲート電極の少なくとも一部を除去して前記第2ゲート絶縁膜を露出させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程は、
(b11)前記第1領域の前記第1ゲート絶縁膜上および前記第2領域の前記第2ゲート絶縁膜上に、前記第1メタルゲート電極用の第2金属膜と前記第2金属膜上のシリコン膜とを形成する工程、
(b12)前記(b11)工程後、前記シリコン膜および前記第2金属膜をパターニングして、前記第1領域に前記第1メタルゲート電極を、前記第2領域に前記ダミーゲート電極を、それぞれ形成する工程、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項18記載の半導体装置の製造方法において、
前記(f)工程では、前記ダミーゲート電極を形成していた前記第2金属膜を除去して前記第2ゲート絶縁膜を露出させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項19記載の半導体装置の製造方法において、
前記(f)工程では、ウェットエッチングによって前記第2金属膜を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項21】
請求項20記載の半導体装置の製造方法において、
前記(g)工程では、前記ダミーゲート電極を形成していた前記シリコン膜と前記第2ゲート絶縁膜との間の空洞を前記第1金属膜で埋めるように、前記導電体膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【公開番号】特開2012−134212(P2012−134212A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282887(P2010−282887)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】