説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】トランジスタの耐圧を向上し得る半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板10上にゲート絶縁膜16を介して形成されたゲート電極18cと、ゲート電極の一方の側の半導体基板に形成された第1導電型のドレイン領域54aと、ゲート電極の他方の側の半導体基板に形成された第1導電型のソース領域54bと、ドレイン領域からゲート電極の直下に達する第1導電型の第1の不純物領域56と、ソース領域と第1の不純物領域との間に形成された、第1導電型と反対の第2導電型の第2の不純物領域58とを有し、ゲート電極は、第1導電型の第1の部分48aと、第1の部分の一方の側に位置する第2導電型の第2の部分48bとを含み、ゲート電極の第2の部分内に、下端がゲート絶縁膜に接する絶縁層24が埋め込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波パワーIC(Integrated Circuit)、スイッチング電源用IC、車載用IC等に搭載されるトランジスタとして、高い耐圧を得ることができるMOSトランジスタが開発されている。通常のMOSトランジスタと比較して高い耐圧を得ることが可能であるトランジスタとして、例えばLDMOS(Laterally Diffused MOS)トランジスタがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−239111号公報
【特許文献2】特開平9−148564号公報
【特許文献3】特開平6−61482号公報
【特許文献4】特開平6−5850号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】A. Moscatelli et ai., “A 12V Complementary RF LDMOS Technology Developed on a 0.18 μm CMOS Platform”, Proceedings of 2004 International Symposium on Power Semiconductor Devices & ICs, Kitakyushu, p.37-40 (2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、高い耐圧を得ることを目的として提案されているMOSトランジスタでも、必ずしも十分に高い耐圧が得られない場合や、オン抵抗を十分に低減し得ない場合があった。
【0006】
本発明の目的は、トランジスタの耐圧を向上し得る半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一観点によれば、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の一方の側の前記半導体基板に形成された第1導電型のドレイン領域と、前記ゲート電極の他方の側の前記半導体基板に形成された前記第1導電型のソース領域と、前記ドレイン領域から前記ゲート電極の直下に達する前記第1導電型の第1の不純物領域と、前記ソース領域と前記第1の不純物領域との間に形成された、前記第1導電型と反対の第2導電型の第2の不純物領域とを有し、前記ゲート電極は、前記第1導電型の第1の部分と、前記第1の部分の前記一方の側に位置する前記第2導電型の第2の部分とを含み、前記ゲート電極の前記第2の部分内に、下端が前記ゲート絶縁膜に接する絶縁層が埋め込まれていることを特徴とする半導体装置が提供される。
【0008】
実施形態の他の観点によれば、半導体基板内の第1の領域に第1導電型の第1の不純物領域を形成する工程と、前記第1の領域に隣接する第2の領域における前記半導体基板内に、前記第1の導電型と反対の第2導電型の第2の不純物領域とを形成する工程と、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上に第1の半導体層を形成する工程であって、前記第1の半導体層の一方の側部が前記第1の不純物領域上に位置し、前記第1の半導体層の他方の側部が前記第2の不純物領域上に位置するように、前記第1の半導体層を形成する工程と、前記第1の半導体層を覆うように、前記第1の半導体層上及び前記ゲート絶縁膜上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層を異方性エッチングすることにより、前記第1の半導体層の側部に前記絶縁層を残存させる工程と、前記第1の半導体層及び前記絶縁層を覆うように、第2の半導体層を形成する工程と、前記第1の半導体層の前記一方の側の側部よりも前記一方の側に前記第2の半導体層が残存するように前記第2の半導体層をエッチングすることにより、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とを有するゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極のうちの前記一方の側の部分に前記第2導電型の不純物を導入することにより、前記第2導電型の第1の部分を前記ゲート電極のうちの前記一方の側の部分に形成する工程と、前記ゲート電極のうちの前記第1の部分を除く部分に前記第1導電型の不純物を導入することにより、前記第1導電型の第2の部分を前記ゲート電極のうちの前記第1の部分を除く部分に形成する工程と、前記ゲート電極の前記一方の側における前記半導体基板内に、前記第1導電型のドレイン領域を形成し、前記ゲート電極の前記他方の側における前記半導体基板内に、前記第1導電型のソース領域を形成する工程とを有し、前記第1の部分を形成する工程及び前記第2の部分を形成する工程では、前記第2の部分内に前記絶縁層が埋め込まれるように、前記第1の部分及び前記第2の部分を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
開示の半導体装置及びその製造方法によれば、ゲート電極が、第1導電型の第1の部分と、第1の部分に対してドレイン領域側に位置する第2導電型の第2の部分とを含んでいる。しかも、ゲート電極の第2の部分内には、下端がゲート絶縁膜に接する絶縁層が埋め込まれている。このため、ゲート電極のドレイン領域側の縁部の近傍において空乏層が形成され、ゲート電極のドレイン領域側の縁部の近傍においてゲート絶縁膜の実効膜厚が厚くなる。このため、十分な耐圧を有するトランジスタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【図2】比較例によるLDMOSトランジスタのキャリア濃度分布のシミュレーション結果を示す図である。
【図3】一実施形態による半導体装置の電界強度分布のシミュレーション結果を示す図である。
【図4】一実施形態による半導体装置のゲート絶縁膜における電界強度のシミュレーション結果を示す図である。
【図5】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図6】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図7】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図8】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図9】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図10】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図11】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。
【図12】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その8)である。
【図13】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その9)である。
【図14】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その10)である。
【図15】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その11)である。
【図16】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その12)である。
【図17】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その13)である。
【図18】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その14)である。
【図19】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その15)である。
【図20】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その16)である。
【図21】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その17)である。
【図22】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その18)である。
【図23】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その19)である。
【図24】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その20)である。
【図25】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その21)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
LDMOSトランジスタのゲート電極とドレイン領域との間には、比較的高い電圧が印加される。
【0012】
このため、ゲート電極のドレイン領域側の縁部の近傍において電界が集中し、絶縁破壊が生じる場合がある。
【0013】
ここで、ゲート絶縁膜のうちのドレイン領域側の部分の膜厚を比較的厚くすることにより、耐圧を向上することも考えられる。
【0014】
しかし、ゲート絶縁膜のうちのドレイン領域側の部分を厚くするためには、製造工程の追加が必要となり、また、膜厚の制御も容易ではない。
【0015】
また、ゲート電極のうちのドレイン領域側の部分の下にSTI(Shallow Trench Isolation)法により絶縁層を埋め込むことも考えられるが、絶縁層の縁部において電界集中が生じ、必ずしも十分な耐圧は得られない。
【0016】
本願発明者らは鋭意検討した結果、以下のようにしてトランジスタの耐圧の向上を図ることに想到した。
【0017】
[一実施形態]
一実施形態による半導体装置及びその製造方法を図1乃至図23を用いて説明する。
【0018】
(半導体装置)
本実施形態による半導体装置について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。図1(a)は、MOSトランジスタが形成される領域を示している。図1(a)の紙面左側は、NMOSトランジスタが形成される領域(NMOSトランジスタ形成領域)2を示している。図1(a)の紙面右側は、PMOSトランジスタが形成される領域(PMOSトランジスタ形成領域)4を示している。図1(b)は、LDMOS(Laterally Diffused MOS)トランジスタが形成される領域を示している。図1(b)の紙面左側は、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ(Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域)6が形成される領域を示している。図1(b)の地面右側は、Pチャネル型のLDMOSトランジスタが形成される領域(Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域)8を示している。
【0019】
図1に示すように、半導体基板10には、素子領域を確定する素子分離領域12が形成されている。半導体基板10としては、例えばP型のシリコン基板が用いられている。素子分離領域12は、例えばSTI法により形成されている。素子分離領域12の材料としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。
【0020】
まず、NMOSトランジスタ形成領域2に形成されるNMOSトランジスタ34について説明する。
【0021】
NMOSトランジスタ形成領域2には、半導体基板10内にP型ウェル14Pが形成されている。
【0022】
P型ウェル14Pが形成された半導体基板10上には、例えば膜厚15nmのシリコン酸化膜のゲート絶縁膜16を介してゲート電極18aが形成されている。ゲート電極18aは、例えば、膜厚100nm程度の第1のポリシリコン膜(第1の半導体層、第1の部分ゲート電極)20aと、第1のポリシリコン膜20a上に形成された膜厚100nm程度の第2のポリシリコン膜(第2の半導体層、第2の部分ゲート電極)22aとを有している。ゲート電極18aには、N型のドーパント不純物が導入されている。
【0023】
ゲート電極18aの側壁部分、より具体的には、第1の半導体層20aの側壁部分には、例えば膜厚2〜3nm程度のシリコン窒化膜の絶縁層(絶縁バリア層)24が形成されている。絶縁層24の下端は、ゲート絶縁膜16に接している。絶縁層24の上端の位置は、第1の半導体層20aの上端の位置より低くなっている。
【0024】
ゲート電極18aの両側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の浅い領域を形成するN型のエクステンション領域(低濃度不純物領域)26が形成されている。
【0025】
絶縁層24が形成されたゲート電極18aの側壁部分には、例えばシリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜28が形成されている。
【0026】
サイドウォール絶縁膜28が形成されたゲート電極18aの両側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を形成するN型の高濃度不純物領域30が形成されている。エクステンション領域26と高濃度不純物領域30とにより、N型のソース/ドレイン領域32が形成されている。
【0027】
こうして、ゲート電極18aとソース/ドレイン領域32とを有するNMOSトランジスタ34が形成されている。NMOSトランジスタ34は、例えば入出力用回路の一部を構成する入出力トランジスタとして用いることができる。
【0028】
次に、PMOSトランジスタ形成領域4に形成されるPMOSトランジスタ42について説明する。
【0029】
PMOSトランジスタ形成領域4には、半導体基板10内にN型ウェル14Nが形成されている。
【0030】
N型ウェル14Nが形成された半導体基板10上には、例えば膜厚15nmのシリコン酸化膜のゲート絶縁膜16を介してゲート電極18bが形成されている。ゲート電極18bは、例えば、膜厚100nm程度の第1のポリシリコン膜(第1の半導体層、第1の部分ゲート電極)20bと、第1のポリシリコン膜20b上に形成された膜厚100nm程度の第2のポリシリコン膜(第2の半導体層、第2の部分ゲート電極)22bとを有している。ゲート電極18bには、P型のドーパント不純物が導入されている。
【0031】
ゲート電極18bの側壁部分、より具体的には、第1の半導体層20bの側壁部分には、例えば膜厚2〜3nm程度のシリコン窒化膜の絶縁層24が形成されている。絶縁層24の下端は、ゲート絶縁膜16に接している。絶縁層24の上端の位置は、第1の半導体層20bの上端の位置より低くなっている。
【0032】
ゲート電極18bの両側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の浅い領域を形成するP型のエクステンション領域(低濃度不純物領域)36が形成されている。
【0033】
絶縁層24が形成されたゲート電極18bの側壁部分には、例えばシリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜28が形成されている。
【0034】
サイドウォール絶縁膜28が形成されたゲート電極18bの両側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を形成するP型の高濃度不純物領域38が形成されている。エクステンション領域36と高濃度不純物領域38とにより、P型のソース/ドレイン領域40が形成されている。
【0035】
こうして、ゲート電極18bとソース/ドレイン領域40とを有するPMOSトランジスタ42が形成されている。PMOSトランジスタ42は、例えば入出力用回路の一部を構成する入出力トランジスタとして用いることができる。
【0036】
次に、Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域6に形成されるNチャネル型のLDMOSトランジスタ62について説明する。
【0037】
Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域6には、半導体基板10内にN型ウェル(不純物領域)44aが形成されている。
【0038】
N型ウェル44a内には、P型のウェル(ボディ領域、不純物領域)46aが形成されている。P型ウェル46aは、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のソース領域54b側に形成されている。P型ウェル46aのドレイン領域54a側の端部は、ゲート電極18cの直下に位置している。P型ウェル46aは、ドレイン領域54a側には形成されていない。
【0039】
N型ウェル44a及びPウェル46aが形成された半導体基板10上には、例えば膜厚15nmのシリコン酸化膜のゲート絶縁膜16を介してゲート電極18cが形成されている。ゲート電極18cは、第1のポリシリコン膜(第1の半導体層、第1の部分ゲート電極)20cと、第2のポリシリコン膜(第2の半導体層、第2の部分ゲート電極)22cとを有している。第2の半導体層22cは、第1の半導体層20cのドレイン領域54a側の側部よりもドレイン領域45側の領域、及び、第1の半導体層20c上に形成されている。第1の半導体層20cの膜厚は、例えば100nm程度とする。第2の半導体層22cの膜厚は、例えば100nm程度とする。
【0040】
第1の半導体層20cの側壁部分には、例えば膜厚2〜3nm程度のシリコン窒化膜の絶縁層24が形成されている。絶縁層24の下端は、ゲート絶縁膜16に接している。絶縁層24の上端の位置は、第1の半導体層20cの上端の位置より低くなっている。第2の半導体層22cは、第1の半導体層20cのドレイン領域54a側の側部に形成された絶縁層24を覆うように形成されている。絶縁層24は、第1の半導体層20cと第2の半導体層22cとを有するゲート電極18c内に埋め込まれている。
【0041】
ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の部分48bを除く部分48aには、N型のドーパント不純物が比較的高濃度で導入されている。より具体的には、第1の半導体層20c内、及び、第2の半導体層22cのうちの第1の半導体層20c上の部分には、N型のドーパント不純物が比較的高濃度で導入されている。これにより、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の部分48bを除く部分48aは、N型の部分となっている。
【0042】
ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の部分48bには、P型のドーパント不純物が比較的低濃度で導入されている。これにより、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の部分48bは、P型の部分となっている。
【0043】
本実施形態においてゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の部分48bをP型としているのは、以下のような理由によるものである。
【0044】
即ち、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の部分48bをP型とすれば、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の縁部の近傍において空乏層が形成される。ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の縁部の近傍において空乏層が形成されると、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の縁部の近傍において、ゲート絶縁膜16が実効的に厚くなる。ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の縁部の近傍において、ゲート絶縁膜16が実効的に厚くなると、ゲート電極18cのドレイン領域54a側の縁部の近傍において絶縁破壊が生じにくくなり、耐圧を向上させることができる。
【0045】
このような理由により、本実施形態では、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の部分48bをP型としている。
【0046】
型の部分48aとP型の部分48bとの境界からゲート電極18cのドレイン領域54a側の側部までの距離は、N型の部分48aとP型の部分48bとの境界からゲート電極18cのソース領域54b側の側部までの距離より小さくなっている。即ち、チャネル長方向(ゲート長方向)におけるP型の部分48bの幅は、チャネル長方向におけるN型の部分48aの幅より小さくなっている。チャネル長方向におけるN型の部分48aの幅は、例えば2.5μm程度とする。チャネル長方向におけるP型の部分48bの幅は、例えば0.5μm程度とする。
【0047】
チャネル長方向におけるP型部分48bの幅をチャネル長方向におけるN型の部分48aの幅より小さく設定しているのは、以下のような理由によるものである。
【0048】
即ち、電界の集中が生じる箇所は、ゲート電極18cのドレイン領域54a側の縁部の近傍領域である。このため、ゲート電極18cのドレイン領域54a側の縁部の近傍においてゲート絶縁膜16を実効的に厚くすることができれば、十分な耐圧を得ることが可能である。一方、良好な電気的特性のLDMOSトランジスタ62を得るためには、チャネル領域として機能する不純物領域58とN型部分48aとが重なり合っていることが好ましい。
【0049】
このような理由により、本実施形態では、チャネル長方向におけるP型部分48bの幅をチャネル長方向におけるN型の部分48aの幅より小さく設定している。
【0050】
ゲート電極18cのうちのN型の部分48aにおけるキャリア濃度は、ゲート電極18cのうちのP型の部分48bにおけるキャリア濃度より高くなっている。ゲート電極18cのうちのP型の部分48bにおけるキャリア濃度(不純物濃度)は、1×1017cm−3〜1×1018cm−3とする。
【0051】
ゲート電極18cに埋め込まれた絶縁層24は、ゲート電極18cのうちのN型の部分48aからゲート電極18cのうちのP型の部分48bにキャリアが移動するのを防止するためのものである。N型の部分48aからP型の部分48bへのキャリアの移動を防止するのは、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の縁部の近傍において空乏層が形成されるようにし、ひいてはゲート電極18cのドレイン領域54a側の縁部の近傍においてゲート絶縁膜16の実効膜厚を厚くするためである。N型の部分48aからP型の部分48bにキャリアが移動するのを確実に防止すべく、半導体基板10の主面の法線方向における絶縁膜24の寸法は、20〜50nm程度とすることが好ましい。
【0052】
図2は、比較例によるLDMOSトランジスタのキャリア濃度分布のシミュレーション結果を示す図である。図2に示す比較例によるLDMOSトランジスタでは、ゲート電極18c内に絶縁層24が埋め込まれていない。ゲートの電位は0Vとし、ドレインに印加する電圧は30Vとした。図2におけるX方向はチャネル長方向(ゲート長方向)を示している。図2におけるY方向は、半導体基板10の主面に対する法線方向を示している。
【0053】
ドレイン領域54aとゲート電極18cとの間に電圧を印加すると、図2に示すように、ゲート電極18cのうちのN型の部分48aからP型の部分48bに電子が供給され、P型の部分48bの底部における導電型がP型からN型に反転する。このため、ゲート電極18cに絶縁層24が埋め込まれていない比較例によるLDMOSトランジスタでは、ゲート絶縁膜16の実効膜厚を厚くすることができない。
【0054】
本実施形態では、ゲート電極18cに絶縁層24が埋め込まれているため、ゲート電極18cのうちのN型の部分48aからP型の部分48bにキャリアが移動するのを防止することができる。このため、本実施形態では、ゲート電極18cのうちのN型の部分48aからP型の部分48bに電子が供給されず、P型の部分48bの底部における導電型はP型に保持される(図示せず)。このため、本実施形態によれば、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の縁部の近傍において空乏層が確実に形成され、ゲート電極18cのドレイン領域54a側の端部近傍においてゲート絶縁膜16の実効膜厚を十分に厚くすることができる。
【0055】
ところで、ゲート電極18cに埋め込まれた絶縁層24がN型の部分48a内に位置している場合には、N型の部分48aからP型の部分48bへのキャリアの移動を防止し得ない。
【0056】
そこで、本実施形態では、ゲート電極18cに埋め込まれた絶縁層24を、N型の部分48aのドレイン領域54a側の側部に対してドレイン領域54a側に位置させている。即ち、本実施形態では、ゲート電極18cのP型の部分48b内に絶縁層24を埋め込んでいる。
【0057】
なお、絶縁層24は、N型の部分48aとP型の部分48bとの境界に位置していてもよい。N型の部分48aとP型の部分48bとの境界に絶縁層24が位置している場合にも、絶縁層24の少なくとも一部はゲート電極18cのP型の部分48b内に埋め込まれている。従って、絶縁層24がゲート電極18cのP型の部分48b内に埋め込まれていることには変わりがない。
【0058】
本実施形態によれば、N型の部分48aのドレイン領域54a側の側部に対してドレイン領域54a側に絶縁層24が形成されているため、N型の部分48aからP型の部分48bへのキャリアの移動を絶縁層24により確実に防止し得る。
【0059】
型の部分48bにおけるP型のドーパント不純物の濃度は、P型の部分48bに形成すべき空乏層の厚さに応じて適宜設定される。
【0060】
例えば、P型の部分48bにおけるP型のドーパント不純物の濃度を1×1017cm−2程度とすれば、P型の部分48bに形成される空乏層の厚さは例えば100nm程度となる。この場合には、ゲート絶縁膜16の酸化膜換算膜厚は、例えば33nm程度となる。
【0061】
また、P型の部分48bにおけるP型のドーパント不純物の濃度を1×1018cm−2程度とすれば、P型の部分48bに形成される空乏層の厚さは例えば33nm程度となる。この場合には、ゲート絶縁膜16の酸化膜換算膜厚は、例えば10nm程度となる。
【0062】
なお、P型の部分48bにおけるP型のドーパント不純物の濃度を過度に低くした場合には、寄生抵抗が大きくなってしまう。一方、P型の部分48bにおけるP型のドーパント不純物の濃度を過度に高くした場合には、空乏層が形成されにくくなってしまう。従って、所望の空乏層が形成され、ひいては所望の酸化膜換算膜厚が得られるように、P型の部分48bにおけるP型のドーパント不純物の濃度を設定することが好ましい。
【0063】
ゲート電極18cの両側における半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の浅い領域を形成するN型のエクステンション領域(低濃度不純物領域)50a、50bが形成されている。ドレイン側のエクステンション領域50aは、ゲート電極18cから離間した位置に形成されている。ドレイン側のエクステンション領域50aとゲート電極18cとの間の距離は、例えば1μm程度とする。ソース側のエクステンション領域50bのゲート電極18c側の端部は、ゲート電極18cの近傍に位置している。
【0064】
絶縁層24が形成されたゲート電極18cの側壁部分には、例えばシリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜28が形成されている。
【0065】
サイドウォール絶縁膜28が形成されたゲート電極18cの両側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を形成するN型の高濃度不純物領域52a、52bが形成されている。エクステンション領域50a、50bと高濃度不純物領域52a、52bとにより、N型のソース/ドレイン領域54a、54bが形成されている。
【0066】
ゲート電極18cとドレイン領域54aとの間の距離は、ゲート電極18cとソース領域54bとの間の距離より大きく設定されている。ゲート電極18cとドレイン領域54aとの間の距離は、例えば0.7μm程度とする。ゲート電極18cとソース領域54bとの間の距離は、例えば0.1μm程度とする。ゲート電極18cとドレイン領域54aとの間の距離を、ゲート電極18cとソース領域54bとの間の距離より大きく設定しているのは、高電圧が印加されるドレイン領域54側における耐圧を十分に確保するためである。
【0067】
N型ウェル44aの一部であるN型の不純物領域56は、ドレイン領域54aからゲート電極18cの直下に達している。かかるN型の不純物領域56は、ドレイン側における電界の集中を緩和するためのものである。
【0068】
P型ウェル46aの一部であるP型の不純物領域58は、N型の不純物領域56とソース領域54bとの間に位置している。かかるP型の不純物領域58は、チャネル領域として機能する。
【0069】
N型の不純物領域56とP型の不純物領域58との境界は、ゲート電極18cの直下に位置している。N型の不純物領域56とP型の不純物領域58との境界からドレイン領域54aまでの距離は、N型の不純物領域56とP型の不純物領域58との境界からソース領域54bまでの距離より大きく設定されている。N型の不純物領域56とP型の不純物領域58との境界からドレイン領域54aまでの距離は、例えば1.7μm程度とする。N型の不純物領域56とP型の不純物領域58との境界からソース領域54bまでの距離は、例えば0.9μm程度とする。
【0070】
ゲート電極18cのうちのN型の部分48aとゲート電極18cのうちのP型の部分48bとの境界は、N型の不純物領域56上に位置している。N型の不純物領域56とP型の不純物領域58との境界と、N型の部分48aとP型の部分48bとの境界との間の距離は、例えば0.7μm程度とする。
【0071】
P型ウェル46a内には、P型のウェルタップ領域60が形成されている。
【0072】
こうして、ゲート電極18cとソース/ドレイン領域(ソース/ドレイン拡散層)54a、54bとを有するNチャネル型のLDMOSトランジスタ62が形成されている。Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62は、例えば高耐圧トランジスタとして用いることができる。
【0073】
次に、Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域8に形成されるPチャネル型のLDMOSトランジスタ78について説明する。
【0074】
Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域8には、半導体基板10内にN型ウェル(ボディ領域、不純物領域)44bが形成されている。
【0075】
N型ウェル44b内には、P型のウェル(不純物領域)46bが形成されている。P型ウェル46bは、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のドレイン領域70a側に形成されている。P型ウェル46bのソース領域70b側の端部は、ゲート電極18dの直下に位置している。P型ウェル46bは、ソース領域70b側には形成されていない。
【0076】
N型ウェル44b及びPウェル46bが形成された半導体基板10上には、例えば膜厚15nmのシリコン酸化膜のゲート絶縁膜16を介してゲート電極18dが形成されている。ゲート電極18dは、第1のポリシリコン膜(第1の半導体層、第1の部分ゲート電極)20dと、第2のポリシリコン膜(第2の半導体層、第2の部分ゲート電極)22dとを有している。第2の半導体層22dは、第1の半導体層20dのドレイン領域70a側の側部に対してドレイン領域70a側の領域、及び、第1の半導体層20d上に形成されている。第1の半導体層20dの膜厚は、例えば100nm程度とする。第2の半導体層22dの膜厚は、例えば100nm程度とする。
【0077】
第1の半導体層20dの側壁部分には、例えば膜厚2〜3nm程度のシリコン窒化膜の絶縁層24が形成されている。絶縁層24の下端は、ゲート絶縁膜16に接している。絶縁層24の上端の位置は、第1の半導体層20dの上端の位置より低くなっている。第2の半導体層22dは、第1の半導体層20dのドレイン領域70a側の側部に形成された絶縁層24を覆うように形成されている。絶縁層24は、第1の半導体層20dと第2の半導体層22dとを有するゲート電極18d内に埋め込まれている。
【0078】
ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の部分64bを除く部分64aには、P型のドーパント不純物が比較的高濃度で導入されている。より具体的には、第1の半導体層20d内、及び、第2の半導体層22dのうちの第1の半導体層20d上の部分には、P型のドーパント不純物が比較的高濃度で導入されている。これにより、ゲート電極18dのうちのドレイン領域70b側の部分64bを除く部分64aは、P型の部分となっている。
【0079】
ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の部分64bには、N型のドーパント不純物が比較的低濃度で導入されている。より具体的には、第1の半導体層20dのドレイン領域70a側の側部よりもドレイン領域70a側に位置する部分の第2の半導体層22dには、N型のドーパント不純物が比較的低濃度で導入されている。これにより、ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の部分64bは、N型の部分となっている。
【0080】
本実施形態においてゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の部分64bをN型としているのは、以下のような理由によるものである。
【0081】
即ち、ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の部分64bをN型とすれば、ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の縁部の近傍において空乏層が形成される。空乏層が形成されると、ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の縁部の近傍において、ゲート絶縁膜16が実効的に厚くなる。ゲート絶縁膜16が実効的に厚くなると、高電圧が印加されるドレイン領域70a側において耐圧を向上することができる。
【0082】
このような理由により、本実施形態では、ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の部分64bをN型としている。
【0083】
型の部分64aとN型の部分64bとの境界からゲート電極18dのドレイン領域70a側の側部までの距離は、P型の部分64aとN型の部分64bとの境界からゲート電極18dのソース領域70b側の側部までの距離より小さくなっている。即ち、チャネル長方向におけるN型の部分64bの幅は、チャネル長方向におけるP型の部分64aの幅より小さくなっている。チャネル長方向におけるP型の部分64aの幅は、例えば2.5μm程度とする。チャネル長方向におけるN型の部分64bの幅は、例えば0.5μm程度とする。
【0084】
チャネル長方向におけるN型の部分64bの幅をチャネル長方向におけるP型の部分64aの幅より小さく設定しているのは、以下のような理由によるものである。
【0085】
即ち、電界の集中が生じる箇所は、ゲート電極18dのドレイン領域70a側の縁部の近傍領域である。このため、ゲート電極18dのドレイン領域70a側の縁部の近傍においてゲート絶縁膜16を実効的に厚くすることができれば、十分な耐圧を得ることが可能である。一方、良好な電気的特性のLDMOSトランジスタ78を得るためには、チャネル領域として機能する不純物領域74とP型の部分64aとが重なり合っていることが好ましい。
【0086】
このような理由により、本実施形態では、チャネル長方向におけるN型部分64bの幅をチャネル長方向におけるP型の部分64aの幅より小さく設定している
ゲート電極18dのうちのP型の部分64aにおけるキャリア濃度は、ゲート電極18dのうちのN型の部分64bにおけるキャリア濃度より高くなっている。
【0087】
ゲート電極18dに埋め込まれた絶縁層24は、ゲート電極18dのうちのP型の部分64aからゲート電極18dのうちのN型の部分64bにキャリアが移動するのを防止するためのものである。P型の部分64aからN型の部分64bへのキャリアの移動を防止するのは、ゲート電極18dのドレイン領域70a側の縁部の近傍に空乏層が形成されるようにし、ひいてはゲート絶縁膜16を実効的に厚くするためである。
【0088】
ゲート電極18dに埋め込まれた絶縁層24がP型の部分64a内に位置している場合には、P型の部分64aからN型の部分64bへのキャリアの移動を防止し得ない。
【0089】
そこで、本実施形態では、ゲート電極18dに埋め込まれた絶縁層24を、P型の部分64aに対してドレイン領域70a側に位置させている。即ち、本実施形態では、ゲート電極18dのN型の部分64b内に絶縁層24を埋め込んでいる。
【0090】
なお、絶縁層24は、P型の部分64aとN型の部分64bとの境界に位置していてもよい。P型の部分64aとN型の部分64bとの境界に絶縁層24が位置している場合にも、絶縁層24の少なくとも一部はゲート電極18dのN型の部分64b内に埋め込まれている。従って、絶縁層24がゲート電極18dのN型の部分64b内に埋め込まれていることには変わりがない。
【0091】
本実施形態によれば、P型の部分64aのドレイン領域70a側に絶縁層24が形成されているため、P型の部分64aからN型の部分64bへのキャリアの移動を絶縁層24により防止し得る。
【0092】
ゲート電極18dの両側における半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の浅い領域を形成するP型のエクステンション領域(低濃度不純物領域)66a、66bが形成されている。ドレイン側のエクステンション領域66aは、ゲート電極18dから離間した位置に形成されている。ドレイン側のエクステンション領域66aとゲート電極18dとの間の距離は、例えば2.9μm程度とする。ソース側のエクステンション領域66bのゲート電極18d側の端部は、ゲート電極18dの近傍に位置している。
【0093】
絶縁層24が形成されたゲート電極18dの側壁部分には、例えばシリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜28が形成されている。
【0094】
サイドウォール絶縁膜28が形成されたゲート電極18dの両側の半導体基板10内には、エクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を形成するP型の高濃度不純物領域68a、68bが形成されている。エクステンション領域66a、66bと高濃度不純物領域68a、68bとにより、P型のソース/ドレイン領域70a、70bが形成されている。
【0095】
ゲート電極18dとドレイン領域70aとの間の距離は、ゲート電極18dとソース領域70bとの間の距離より大きく設定されている。ゲート電極18dとドレイン領域70aとの間の距離は、例えば2.9μm程度とする。ゲート電極18dとソース領域70bとの間の距離は、例えば0.1μm程度とする。ゲート電極18dとドレイン領域70aとの間の距離を、ゲート電極18dとソース領域70bとの間の距離より大きく設定しているのは、高電圧が印加されるドレイン領域70a側における耐圧を十分に確保するためである。
【0096】
P型ウェル46bの一部であるP型の不純物領域72は、ドレイン領域70aからゲート電極18dの直下に達している。かかるP型の不純物領域72は、ドレイン領域70a側における電界の集中を緩和するためのものである。
【0097】
N型ウェル44bの一部であるN型の不純物領域74は、P型の不純物領域72とソース領域70bとの間に位置している。かかるP型の不純物領域72は、チャネル領域として機能する。
【0098】
P型の不純物領域72とN型の不純物領域74との境界は、ゲート電極18dの直下に位置している。P型の不純物領域72とN型の不純物領域74との境界からドレイン領域70aまでの距離は、P型の不純物領域72とN型の不純物領域74との境界からソース領域70bまでの距離より大きく設定されている。P型の不純物領域72とN型の不純物領域74との境界からドレイン領域70aまでの距離は、例えば1.7μm程度とする。P型の不純物領域72とN型の不純物領域74との境界からソース領域70bまでの距離は、例えば1.3μm程度とする。
【0099】
ゲート電極18dのうちのP型の部分64aとゲート電極18dのうちのP型の部分64bとの境界は、P型の不純物領域72上に位置している。P型の不純物領域72とN型の不純物領域74との境界と、P型の部分64aとP型の部分64bとの境界との間の距離は、例えば0.7μm程度とする。
【0100】
N型ウェル44b内には、N型のウェルタップ領域76が形成されている。
【0101】
こうして、ゲート電極18dとソース/ドレイン領域70a、70bとを有するPチャネル型のLDMOSトランジスタ78が形成されている。Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78は、例えば高耐圧トランジスタとして用いることができる。
【0102】
Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cと高濃度不純物領域52aとの間、及び、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dと高濃度不純物領域70aとの間には、シリサイドブロック膜80が形成されている。シリサイドブロック膜80としては、例えばシリコン窒化膜が用いられている。
【0103】
NMOSトランジスタ34のソース/ドレイン領域32の高濃度不純物領域30上、及び、ゲート電極18a上には、シリサイド膜82がそれぞれ形成されている。ソース/ドレイン領域32上のシリサイド膜82は、ソース/ドレイン電極として機能する。
【0104】
また、PMOSトランジスタ42のソース/ドレイン領域40の高濃度不純物領域38上、及び、ゲート電極18b上には、シリサイド膜82がそれぞれ形成されている。ソース/ドレイン領域40上のシリサイド膜82は、ソース/ドレイン電極として機能する。
【0105】
また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のドレイン領域54aの高濃度不純物領域52a上には、シリサイド膜82が形成されている。ドレイン領域54a上のシリサイド膜82は、ドレイン電極として機能する。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のソース領域54bの高濃度不純物領域52b上及びウェルタップ領域60上には、シリサイド膜82が形成されている。ソース領域54b上のシリサイド膜82は、ソース電極として機能する。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18c上には、シリサイド膜82が形成されている。
【0106】
また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のドレイン領域70aの高濃度不純物領域68a上には、シリサイド膜82が形成されている。ドレイン領域70a上のシリサイド膜82は、ドレイン電極として機能する。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のソース領域70bの高濃度不純物領域68b上及びウェルタップ領域76上には、シリサイド膜82が形成されている。ソース領域70b上のシリサイド膜82は、ソース電極として機能する。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18d上には、シリサイド膜82が形成されている。
【0107】
NMOSトランジスタ34、PMOSトランジスタ42、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62、及び、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78が形成された半導体基板10上には、例えば膜厚50nm程度の絶縁膜84が形成されている。絶縁膜84は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層構造の積層膜になっている。
【0108】
絶縁膜84が形成された半導体基板10上には、例えば膜厚1.2μmのBPSG(Boro-Phospho Silicate Glass)膜の絶縁膜86が形成されている。絶縁膜84と絶縁膜86とにより層間絶縁膜88が形成されている。
【0109】
層間絶縁膜88には、ソース/ドレイン電極82に達するコンタクトホール90がそれぞれ形成されている。
【0110】
コンタクトホール90内には、例えば膜厚30nmのバリアメタル膜92が形成されている。バリアメタル膜92は、Ti膜とTiN膜との2層構造の積層膜により形成されている。
【0111】
バリアメタル膜92が形成されたコンタクトホール90内には、例えばタングステンの導体プラグ94が埋め込まれている。
【0112】
こうして本実施形態による半導体装置が形成されている。
【0113】
本実施形態では、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cが、N型の部分48aと、N型の部分48aのドレイン領域54a側に位置するP型の部分48bとを含んでいる。しかも、本実施形態では、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の部分48b内に、下端がゲート絶縁膜16に接する絶縁層24が埋め込まれている。このため、本実施形態によれば、ゲート電極18cのドレイン領域54a側の縁部の近傍において空乏層が確実に形成され、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の縁部の近傍においてゲート絶縁膜16を実効的に厚くすることができる。このため、本実施形態によれば、十分な耐圧を有するNチャネル型のLDMOSトランジスタ62を得ることができる。
【0114】
また、本実施形態では、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dが、P型の部分64aと、P型の部分64aのドレイン領域70a側に位置するN型の部分64bとを含んでいる。しかも、本実施形態では、ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の部分64b内に、下端がゲート絶縁膜16に接する絶縁層24が埋め込まれている。このため、本実施形態によれば、ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の縁部の近傍において空乏層が確実に形成され、ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の縁部の近傍においてゲート絶縁膜16を実効的に厚くすることができる。このため、本実施形態によれば、十分な耐圧を有するPチャネル型のLDMOSトランジスタ78を得ることができる。
【0115】
(評価結果)
次に、本実施形態による半導体装置の評価結果について図3及び図4を用いて説明する。図3は、本実施形態による半導体装置の電界強度分布のシミュレーション結果を示す図である。図4は、本実施形態による半導体装置のゲート絶縁膜における電界強度のシミュレーション結果を示す図である。図3及び図4の横軸は、X方向、即ち、チャネル長方向(ゲート長方向)における位置を示している。図3の縦軸は、Y方向、即ち、半導体基板10の主面に対する法線方向の位置を示している。シミュレーションを行う際には、ゲートの電位は5Vとし、ドレインに印加する電圧は30Vとし、ソースの電位は0Vとした。図3における破線は、空乏層を示している。図3における点線は、ジャンクションを示している。
【0116】
本実施形態による半導体装置では、例えば図3に示すような電界強度分布となる。
【0117】
図3から分かるように、ゲート電極18cのドレイン領域54a側の縁部の近傍における半導体基板10中において、電界強度が高くなっている。
【0118】
そして、ゲート電極18cのドレイン領域54a側の縁部から遠ざかるに伴って、半導体基板10中における電界強度が弱くなっている。
【0119】
図4から分かるように、N型の部分48aのドレイン領域54a側の縁部の直下のゲート絶縁膜16の電界強度は、P型の部分48bのドレイン領域54a側の縁部の直下のゲート絶縁膜16の電界強度の約2分の1以下にまで低減されている。このため、N型の部分48aのドレイン領域54a側の縁部の直下において、ゲート絶縁膜16に縁破壊が生じやすくなることはない。
【0120】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図5乃至図25を用いて説明する。図5乃至図25は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0121】
まず、図5に示すように、例えばSTI法により、半導体基板10に、素子領域を確定する素子分離領域12を形成する。半導体基板10としては、例えばP型のシリコン基板を用いる。素子分離領域12の材料としては、例えばシリコン酸化膜を用いる。
【0122】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜96を形成する。
【0123】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ形成領域2を露出する開口部をフォトレジスト膜96に形成する。
【0124】
次に、フォトレジスト膜96をマスクとして、半導体基板10内に、P型のドーパント不純物を導入することにより、P型ウェル14Pを形成する(図6参照)。
【0125】
この後、アッシングにより、フォトレジスト膜96を剥離する。
【0126】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜100を形成する。
【0127】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ形成領域4を露出する開口部をフォトレジスト膜100に形成する。
【0128】
次に、フォトレジスト膜100をマスクとして、半導体基板10内に、N型のドーパント不純物を導入することにより、N型ウェル14Nを形成する(図7参照)。
【0129】
この後、アッシングにより、フォトレジスト膜100を剥離する。
【0130】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜104を形成する。
【0131】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域6とPチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域8とをそれぞれ露出する開口部をフォトレジスト膜104に形成する。
【0132】
次に、フォトレジスト膜104をマスクとして、半導体基板10内に、N型のドーパント不純物を導入することにより、N型ウェル44a、44bを形成する(図8参照)。
【0133】
この後、アッシングにより、フォトレジスト膜104を剥離する。
【0134】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜108を形成する。
【0135】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、P型ウェル46a、46bが形成される領域をそれぞれ開口する開口部110をフォトレジスト膜108に形成する。
【0136】
次に、フォトレジスト膜108をマスクとして、半導体基板10内に、P型のドーパント不純物を導入することにより、P型ウェル46a、46bを形成する(図9参照)。
【0137】
この後、アッシングにより、フォトレジスト膜108を剥離する。
【0138】
次に、各々の領域2,4,6,8に、ドーパント不純物を適宜導入することにより、チャネルドープ層(図示せず)を形成する。
【0139】
次に、熱処理を行うことにより、半導体基板10内に導入されたドーパント不純物を活性化する。熱処理温度は、例えば1000℃とする。熱処理時間は、例えば10秒とする。熱処理を行う際の雰囲気は、例えばN雰囲気とする。
【0140】
次に、図10に示すように、例えば熱酸化法により、半導体基板10の表面に、膜厚15nmのシリコン酸化膜のゲート絶縁膜16を形成する。
【0141】
次に、全面に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相堆積)法により、例えば膜厚100nmのポリシリコン膜を形成する。
【0142】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いてポリシリコン膜をパターニングする。これにより、NMOSトランジスタ形成領域2内に、NMOSトランジスタ34のゲート電極18aの一部となる第1の半導体層20aが形成される。また、PMOSトランジスタ形成領域4内に、PMOSトランジスタ42のゲート電極18bの一部となる第1の半導体層20bが形成される。また、Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域6内に、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cの一部となる第1の半導体層20cが形成される。また、Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域8内に、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dの一部となる第1の半導体層20dが形成される(図11参照)。
【0143】
ゲート長方向における第1の半導体層20a、20bの寸法は、例えば200nm程度とする。ゲート長方向における第1の半導体層20c、20dの寸法は、例えば2.0μm程度とする。
【0144】
第1の半導体層20cのドレイン領域54a(図1参照)側の側部は、N型ウェル44a上に位置する。第1の半導体層20cのソース領域54b(図1参照)側の側部は、P型ウェル46a上に位置する。N型ウェル44aとP型ウェル46aとの境界は、第1の半導体層20cの直下に位置する。N型ウェル44aとP型ウェル46aとの境界から第1の半導体層20cのドレイン領域54a側の側部までの距離は、例えば1.7μm程度とする。N型ウェル44aとP型ウェル46aとの境界から第1の半導体層20cのソース領域54b側の側部までの距離は、例えば0.9μmとする。
【0145】
第1の半導体層20dのドレイン領域70a(図1参照)側の側部は、P型ウェル46b上に位置する。第1の半導体層20dのソース領域70b(図1参照)側の側部は、N型ウェル44b上に位置する。N型ウェル44bとP型ウェル46bとの境界は、第1の半導体層20dの直下に位置する。N型ウェル44bとP型ウェル46bとの境界から第1の半導体層20dのドレイン領域70a側の側部までの距離は、例えば1.7μm程度とする。N型ウェル44bとP型ウェル46bとの境界から第1の半導体層20dのソース領域70b側の側部までの距離は、例えば1.3μm程度とする。
【0146】
次に、全面に、例えばALD(Atomic Layer Deposition、原子層堆積)法により、例えば膜厚2〜10nm程度のシリコン窒化膜の絶縁層24を形成する(図12参照)。
【0147】
次に、図13に示すように、絶縁層24を異方性エッチングする。これにより、半導体層20a〜20dの側壁部分に絶縁層24が残存する。絶縁層24の下端は、ゲート絶縁膜16に接している。絶縁層24の上端の位置は、半導体層20a〜20dの上端の位置より低くなる。
【0148】
次に、図14に示すように、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚100nm程度のポリシリコン膜22を形成する。
【0149】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜112を形成する。
【0150】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜112をゲート電極18a〜18dの平面形状にパターニングする。
【0151】
次に、フォトレジスト膜112をマスクとして、ポリシリコン膜22を異方性エッチングする(図15参照)。
【0152】
これにより、NMOSトランジスタ形成領域2内に、ゲート電極18aの一部となる第2の半導体層22aが形成される。第1の半導体層20aと第2の半導体層22aとによりNMOSトランジスタ34のゲート電極18aが形成される。ゲート電極18aのゲート長は、例えば200nm程度とする。
【0153】
また、PMOSトランジスタ形成領域4内に、PMOSトランジスタ42のゲート電極18bの一部となる半導体層22bが形成される。第1の半導体層20bと第2の半導体層22bとによりゲート電極42のゲート電極18bが形成される。ゲート電極18bのゲート長は、例えば200nm程度とする。
【0154】
また、Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域6内に、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cの一部となる第2の半導体層22cが形成される。第2の半導体層22cは、第1の半導体層20cのドレイン領域54a(図1参照)側及び第1の半導体層20c上に形成される。第2の半導体層22cは、第1の半導体層20cのドレイン領域54a側の側部に形成された絶縁層24を覆うように形成される。第1の半導体層20cと第2の半導体層22cとによりNチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cが形成される。絶縁層24は、第1の半導体層20cと第2の半導体層22cとを有するゲート電極18c内に埋め込まれる。ゲート電極18cのゲート長は、例えば3.0μm程度とする。
【0155】
ゲート電極18cのドレイン領域54a(図1参照)側の側部は、N型ウェル44a上に位置する。ゲート電極18cのソース領域54b(図1参照)側の側部は、P型ウェル46a上に位置する。N型ウェル44aとP型ウェル46aとの境界は、ゲート電極18cの直下に位置する。N型ウェル44aとP型ウェル46aとの境界からゲート電極18cのドレイン領域54a側の側部までの距離は、例えば1.7μm程度とする。N型ウェル44aとP型ウェル46aとの境界からゲート電極18cのソース領域54b側の側部までの距離は、例えば0.9μm程度とする。
【0156】
ゲート電極18dのドレイン領域70a(図1参照)側の側部は、P型ウェル46b上に位置する。ゲート電極18dのソース領域70b(図1参照)側の側部は、N型ウェル44b上に位置する。N型ウェル44bとP型ウェル46bとの境界は、ゲート電極18dの直下に位置する。N型ウェル44bとP型ウェル46bとの境界からゲート電極18dのドレイン領域70a側の側部までの距離は、例えば1.7μm程度とする。N型ウェル44bとP型ウェル46bとの境界からゲート電極18dのソース領域70b側の側部までの距離は、例えば1.3μm程度とする。
【0157】
また、Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域8内に、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dの一部となる第2の半導体層22dが形成される。第2の半導体層22dは、第1の半導体層20dのドレイン領域70a(図1参照)側及び第1の半導体層20d上に形成される。第2の半導体層22dは、第1の半導体層20dのドレイン領域70a側の側部に形成された絶縁層24を覆うように形成される。第1の半導体層20dと第2の半導体層22dとによりPチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dが形成される。絶縁層24は、第1の半導体層20dと第2の半導体層22dとを有するゲート電極18d内に埋め込まれる。ゲート電極18dのゲート長は、例えば3.0μm程度とする。
【0158】
この後、アッシングにより、フォトレジスト膜112を剥離する。
【0159】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜114を形成する。
【0160】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜114に開口部116a〜116dを形成する。これにより、PMOSトランジスタ形成領域4を露出する開口部116aがフォトレジスト膜114に形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の部分を露出する開口部116bがフォトレジスト膜114に形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の部分を除く部分とエクステンション領域66bが形成される部分とを露出する開口部116cが、フォトレジスト膜114に形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のエクステンション領域66aが形成される部分を露出する開口部116dが、フォトレジスト膜114に形成される。
【0161】
次に、フォトレジスト膜114をマスクとして、例えばイオン注入法により、P型のドーパント不純物を、半導体基板10内及びゲート電極18b、18c、18d内に導入する。イオン注入条件は、以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばBF(フッ化ボロン)を用いる。加速エネルギーは、例えば5keV程度とする。ドーズ量は、例えば1×1013cm−2〜5×1013cm−2程度とする。こうして、PMOSトランジスタ42のゲート電極18bの両側の半導体基板10内に、P型のエクステンション領域36が形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cのドレイン領域54a側の部分に、P型の部分48bが形成される。ゲート長方向におけるP型の部分48bの寸法は、例えば0.3μm程度とする。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dのドレイン領域70a側の部分を除く部分64aに、P型のドーパント不純物が比較的低濃度で導入される。ゲート長方向における部分64aの寸法は、例えば1.9μm程度とする。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dの一方の側に、ゲート電極18dから離間してP型のエクステンション領域66aが形成される。ゲート電極18dとエクステンション領域66aとの間の距離は、例えば0.7μm程度とする。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dの他方の側にP型のエクステンション領域66bが形成される(図16参照)。なお、各部に導入されたP型のドーパント不純物は、後工程において行われる活性化ための熱処理等により、深さ方向にほぼ均一に拡散される。
【0162】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜114を剥離する。
【0163】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜118を形成する。
【0164】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜118に開口部120a〜120dを形成する。これにより、NMOSトランジスタ形成領域2を露出する開口部120aがフォトレジスト膜118に形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の部分を除く部分とエクステンション領域50bが形成される部分とを露出する開口部120bが、フォトレジスト膜118に形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のエクステンション領域50aが形成される部分を露出する開口部120cが、フォトレジスト膜118に形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の部分を露出する開口部120dがフォトレジスト膜118に形成される。
【0165】
次に、フォトレジスト膜118をマスクとして、例えばイオン注入法により、N型のドーパント不純物を、半導体基板10内及びゲート電極18a、18c、18d内に導入する。イオン注入条件は、以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばP(リン)を用いる。加速エネルギーは、例えば25keV程度とする。ドーズ量は、例えば2×1013cm−2程度とする。こうして、NMOSトランジスタ34のゲート電極18aの両側の半導体基板10内に、N型のエクステンション領域26が形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cのドレイン領域54a側の部分を除く部分48aに、N型のドーパント不純物が比較的低濃度で導入される。ゲート長方向における部分48aの寸法は、例えば1.5μm程度とする。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cの一方の側に、ゲート電極18cから離間してN型のエクステンション領域50aが形成される。ゲート電極18cとエクステンション領域50aとの間の距離は、例えば0.7μm程度とする。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cの他方の側に、N型のエクステンション領域50bが形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dのドレイン領域70a側の部分に、N型の部分64bが形成される。ゲート長方向におけるN型の部分64bの寸法は、例えば0.3μm程度とする(図17参照)。なお、各部に導入されたN型のドーパント不純物は、後工程において行われる活性化ための熱処理等により、深さ方向にほぼ均一に拡散される。
【0166】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜118を剥離する。
【0167】
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚100nmのシリコン酸化膜28を形成する。
【0168】
次に、シリコン酸化膜28を異方性エッチングする。これにより、ゲート電極18a〜18dの側壁部分に、サイドウォール絶縁膜28が形成される(図18参照)。
【0169】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜122を形成する。
【0170】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜122に開口部124a〜124dを形成する。これにより、PMOSトランジスタ形成領域4を露出する開口部124aがフォトレジスト膜122に形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cのうちのウェルタップ領域60が形成される部分を露出する開口部124bがフォトレジスト膜122に形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の部分を除く部分とソース領域68bが形成される部分とを露出する開口部124cが、フォトレジスト膜122に形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のドレイン領域68aが形成される部分を露出する開口部124dが、フォトレジスト膜122に形成される。
【0171】
次に、フォトレジスト膜122をマスクとして、例えばイオン注入法により、P型のドーパント不純物を、半導体基板10内及びゲート電極18b、18d内に導入する。イオン注入条件は、以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばB(ボロン)を用いる。加速エネルギーは、例えば5keV程度とする。ドーズ量は、例えば2×1015cm−2程度とする。こうして、サイドウォール絶縁膜28が形成されたPMOSトランジスタ42のゲート電極18bの両側の半導体基板10内に、P型の高濃度不純物領域38が形成される。エクステンション領域36と高濃度不純物領域38とにより、PMOSトランジスタ42のソース/ドレイン領域40が形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のソース領域54bに隣接するように、P型のウェルタップ領域60が形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dのドレイン領域70a側の部分を除く部分に、P型の部分64aが形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dの一方の側に、ゲート電極18dから離間してP型の高濃度不純物領域70aが形成される。ゲート電極18と高濃度不純物領域70aとの間の距離は、例えば0.7μm程度とする。エクステンション領域66aと高濃度不純物領域68aとにより、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のドレイン領域70aが形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dの他方の側にP型の高濃度不純物領域70bが形成される。エクステンション領域66bと高濃度不純物領域68bとにより、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のソース領域70bが形成される(図19参照)。なお、各部に導入されたP型のドーパント不純物は、後工程において行われる活性化ための熱処理等により、深さ方向にほぼ均一に拡散される。
【0172】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜122を剥離する。
【0173】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜126を形成する。
【0174】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜126に開口部128a〜128dを形成する。これにより、NMOSトランジスタ形成領域2を露出する開口部128aがフォトレジスト膜126に形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の部分を除く部分とソース領域52bが形成される部分とを露出する開口部128bが、フォトレジスト膜126に形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ78のドレイン領域52aが形成される部分を露出する開口部128cが、フォトレジスト膜126に形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dのうちのウェルタップ領域76が形成される部分を露出する開口部128dがフォトレジスト膜126に形成される。
【0175】
次に、フォトレジスト膜126をマスクとして、例えばイオン注入法により、N型のドーパント不純物を、半導体基板10内及びゲート電極18a、18c内に導入する。イオン注入条件は、以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばPを用いる。加速エネルギーは、例えば15keV程度とする。ドーズ量は、例えば2×1015cm−2程度とする。こうして、サイドウォール絶縁膜28が形成されたNMOSトランジスタ34のゲート電極18aの両側の半導体基板10内に、N型の高濃度不純物領域30が形成される。エクステンション領域26と高濃度不純物領域30とにより、NMOSトランジスタ34のソース/ドレイン領域32が形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cのドレイン領域54a側の部分を除く部分に、N型の部分48aが形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cの一方の側に、ゲート電極18cから離間してN型の高濃度不純物領域52aが形成される。ゲート電極18cと高濃度不純物領域52aとの間の距離は、例えば0.7μm程度とする。エクステンション領域50aと高濃度不純物領域52aとにより、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のドレイン領域54aが形成される。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cの他方の側にN型の高濃度不純物領域52bが形成される。エクステンション領域50bと高濃度不純物領域52bとにより、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のソース領域54bが形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のソース領域70bに隣接するように、N型のウェルタップ領域76が形成される(図20参照)。なお、各部に導入されたP型のドーパント不純物は、後工程において行われる活性化ための熱処理等により、深さ方向にほぼ均一に拡散される。
【0176】
こうして、ゲート電極18aとソース/ドレイン領域32とを有するNMOSトランジスタ34が形成される。また、ゲート電極18bとソース/ドレイン領域40とを有するPMOSトランジスタ42が形成される。また、ゲート電極18cとソース/ドレイン領域54a、54bとを有するNチャネル型のLDMOSトランジスタ62が形成される。また、ゲート電極18dとソース/ドレイン領域70a、70bとを有するPチャネル型のLDMOSトランジスタ78が形成される。
【0177】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜126を剥離する。
【0178】
次に、例えばCVD法により、例えば膜厚100nm程度のシリコン窒化膜80を形成する。
【0179】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シリコン窒化膜80をパターニングする。これにより、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cと高濃度不純物領域52aとの間に、シリコン窒化膜のシリサイドブロック膜80が形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dと高濃度不純物領域70aとの間に、シリコン窒化膜のシリサイドブロック膜80が形成される(図21参照)。
【0180】
次に、熱処理を行うことにより、各部に導入されたドーパント不純物を活性化する。熱処理温度は、例えば1000℃とする。熱処理時間は、例えば10秒とする。熱処理を行う際の雰囲気は、例えばN雰囲気とする。
【0181】
次に、全面に、例えば膜厚8nm程度のコバルト膜を形成する。
【0182】
次に、熱処理を行うことにより(1回目のアニール)、コバルト膜とゲート電極18a〜18dの上部とを反応させるとともに、コバルト膜と半導体基板10の上部とを反応させる。熱処理温度は、例えば550℃とする。熱処理時間は、例えば30秒とする。
【0183】
次に、ウェットエッチングにより、未反応のコバルト膜をエッチング除去する。
【0184】
次に、更なる熱処理を行う(2回目のアニール)。熱処理温度は、例えば750℃とする。熱処理時間は、例えば30秒とする。
【0185】
こうして、NMOSトランジスタ34のソース/ドレイン領域32の高濃度不純物領域30上、及び、ゲート電極18a上に、シリサイド膜82がそれぞれ形成される。ソース/ドレイン領域32上のシリサイド膜82は、ソース/ドレイン電極として機能する。また、PMOSトランジスタ42のソース/ドレイン領域40の高濃度不純物領域38上、及び、ゲート電極18b上に、シリサイド膜82がそれぞれ形成される。ソース/ドレイン領域40上のシリサイド膜82は、ソース/ドレイン電極として機能する。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のドレイン領域54aの高濃度不純物領域52a上に、シリサイド膜82が形成される。ドレイン領域54a上のシリサイド膜82は、ドレイン電極として機能する。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のソース領域54bの高濃度不純物領域52b上及びウェルタップ領域60上に、シリサイド膜82が形成される。ソース領域54b上のシリサイド膜82は、ソース電極として機能する。また、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18c上には、シリサイド膜82が形成される。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のドレイン領域70aの高濃度不純物領域68a上に、シリサイド膜82が形成される。ドレイン領域70a上のシリサイド膜82は、ドレイン電極として機能する。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のソース領域70bの高濃度不純物領域68b上及びウェルタップ領域76上に、シリサイド膜82が形成される。ソース領域70b上のシリサイド膜82は、ソース電極として機能する。また、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18d上に、シリサイド膜82が形成される(図22参照)。
【0186】
次に、全面に、例えばプラズマCVD法により、膜厚50nm程度の絶縁膜84を形成する。絶縁膜84は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とを順次積層することにより形成される。
【0187】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚1.2μm程度のBPSG膜の絶縁膜86を形成する。
【0188】
次に、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)法により、絶縁膜86の表面を平坦化する。
【0189】
こうして、絶縁膜84と絶縁膜86とにより層間絶縁膜88が形成される(図23参照)。
【0190】
次に、全面に、例えばスピンコート法によりフォトレジスト膜130を形成する。
【0191】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜130に開口部132を形成する。開口部132は、層間絶縁膜88にコンタクトホール90を形成するためのものである。
【0192】
次に、フォトレジスト膜130をマスクとして層間絶縁膜88をエッチングすることにより、ソース/ドレイン電極82に達するコンタクトホール90を層間絶縁膜88にそれぞれ形成する(図24参照)。
【0193】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜130を剥離する。
【0194】
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚30nmのバリアメタル膜92を形成する。バリアメタル膜92は、例えばTi膜とTiN膜との積層膜により形成される。
【0195】
次に、全面に、例えばCVD法により、タングステン膜94を形成する。
【0196】
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜88の表面が露出するまでタングステン膜94及びバリアメタル膜92を研磨する。これにより、コンタクトホール90内に、例えばタングステンの導体プラグ94が埋め込まれる(図25参照)。
【0197】
こうして本実施形態による半導体装置が製造される。
【0198】
このように、本実施形態では、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cを、N型の部分48aと、N型の部分48aのドレイン領域54a側に位置するP型の部分48bとを含むように形成する。しかも、本実施形態では、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の部分48b内に、下端がゲート絶縁膜16に接する絶縁層24を埋め込む。このため、本実施形態によれば、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の縁部の近傍において空乏層が確実に形成され、ゲート電極18cのうちのドレイン領域54a側の縁部の近傍においてゲート絶縁膜16を実効的に厚くすることができる。このため、本実施形態によれば、十分な耐圧を有するNチャネル型のLDMOSトランジスタ62を得ることができる。
【0199】
また、本実施形態では、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dを、P型の部分64aと、P型の部分64aのドレイン領域70a側に位置するN型の部分64bとを含むように形成する。しかも、本実施形態では、ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a型の部分64b内に、下端がゲート絶縁膜16に接する絶縁層24を埋め込む。このため、本実施形態によれば、ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の縁部の近傍において空乏層が確実に形成され、ゲート電極18dのうちのドレイン領域70a側の縁部の近傍においてゲート絶縁膜16を実効的に厚くすることができる。このため、本実施形態によれば、十分な耐圧を有するPチャネル型のLDMOSトランジスタ78を得ることができる。
【0200】
しかも、本実施形態によれば、N型のエクステンション領域26、50a、50bを形成するのと同時に、Pチャネル型のLDMOSトランジスタ78のゲート電極18dにN型の部分64bを形成する。また、本実施形態によれば、P型のエクステンション領域36、68a、68bを形成するのと同時に、Nチャネル型のLDMOSトランジスタ62のゲート電極18cにP型の部分48bを形成する。このため、本実施形態によれば、製造工程の大幅な増加を招くことなく、十分な耐圧を有するLDMOSトランジスタ62、78を得ることができる。
【0201】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0202】
例えば、上記実施形態では、絶縁層24の材料としてシリコン窒化膜を用いる場合を例に説明したが、絶縁層24の材料はシリコン窒化膜に限定されるものではない。キャリアの移動を防止し得る絶縁材料を絶縁層24の材料として適宜用いることができる。例えば、絶縁層24の材料としてシリコン酸化膜を用いてもよい。
【0203】
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0204】
(付記1)
半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極の一方の側の前記半導体基板に形成された第1導電型のドレイン領域と、
前記ゲート電極の他方の側の前記半導体基板に形成された前記第1導電型のソース領域と、
前記ドレイン領域から前記ゲート電極の直下に達する前記第1導電型の第1の不純物領域と、
前記ソース領域と前記第1の不純物領域との間に形成された、前記第1導電型と反対の第2導電型の第2の不純物領域とを有し、
前記ゲート電極は、前記第1導電型の第1の部分と、前記第1の部分の前記一方の側に位置する前記第2導電型の第2の部分とを含み、
前記ゲート電極の前記第2の部分内に、下端が前記ゲート絶縁膜に接する絶縁層が埋め込まれている
ことを特徴とする半導体装置。
【0205】
(付記2)
付記1記載の半導体装置において、
前記第1の部分と前記第2の部分との境界は、前記第1の不純物領域上に位置している
ことを特徴とする半導体装置。
【0206】
(付記3)
付記1又は2記載の半導体装置において、
前記第1の不純物領域は、前記半導体基板内に形成された前記第1導電型の第1のウェルの一部であり、
前記第2の不純物領域は、前記第1のウェル内に形成された前記第2導電型の第2のウェルの一部であり、
前記ドレイン領域は、前記第1のウェル内に形成されており、
前記ソース領域は、前記第2のウェル内に形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【0207】
(付記4)
付記1記載の半導体装置において、
前記第2の部分の不純物濃度は、前記第1の部分の不純物濃度よりも低い
ことを特徴とする半導体装置。
【0208】
(付記5)
付記4記載の半導体装置において、
前記第2の部分の不純物濃度は、1×1017cm−3〜1×1018cm−3である
ことを特徴とする半導体装置。
【0209】
(付記6)
半導体基板内の第1の領域に第1導電型の第1の不純物領域を形成する工程と、
前記第1の領域に隣接する第2の領域における前記半導体基板内に、前記第1の導電型と反対の第2導電型の第2の不純物領域とを形成する工程と、
前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に第1の半導体層を形成する工程であって、前記第1の半導体層の一方の側部が前記第1の不純物領域上に位置し、前記第1の半導体層の他方の側部が前記第2の不純物領域上に位置するように、前記第1の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層を覆うように、前記第1の半導体層上及び前記ゲート絶縁膜上に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層を異方性エッチングすることにより、前記第1の半導体層の側部に前記絶縁層を残存させる工程と、
前記第1の半導体層及び前記絶縁層を覆うように、第2の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層の前記一方の側の側部よりも前記一方の側に前記第2の半導体層が残存するように前記第2の半導体層をエッチングすることにより、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とを有するゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極のうちの前記一方の側の部分に前記第2導電型の不純物を導入することにより、前記第2導電型の第1の部分を前記ゲート電極のうちの前記一方の側の部分に形成する工程と、
前記ゲート電極のうちの前記第1の部分を除く部分に前記第1導電型の不純物を導入することにより、前記第1導電型の第2の部分を前記ゲート電極のうちの前記第1の部分を除く部分に形成する工程と、
前記ゲート電極の前記一方の側における前記半導体基板内に、前記第1導電型のドレイン領域を形成し、前記ゲート電極の前記他方の側における前記半導体基板内に、前記第1導電型のソース領域を形成する工程とを有し、
前記第1の部分を形成する工程及び前記第2の部分を形成する工程では、前記第2の部分内に前記絶縁層が埋め込まれるように、前記第1の部分及び前記第2の部分を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0210】
(付記7)
付記6記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の部分を形成する工程及び前記第2の部分を形成する工程では、前記第1の部分と前記第2の部分との境界が、前記第1の不純物領域上に位置するように、前記第1の部分及び前記第2の部分を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0211】
(付記8)
付記6又は7記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の不純物領域を形成する工程では、前記半導体基板内の前記第1の領域を含む領域に前記第1導電型の第1のウェルを形成することにより、前記第1のウェルの一部である前記第1の不純物領域を形成し、
前記第2の不純物領域を形成する工程では、前記第2の領域を含む領域における前記第1のウェル内に前記第2導電型の第2のウェルを形成することにより、前記第2のウェルの一部である前記第2の不純物領域を形成し、
前記ドレイン領域及び前記ソース領域を形成する工程では、前記ドレイン領域を前記第1のウェル内に形成し、前記ソース領域を前記第2のウェル内に形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0212】
2…NMOSトランジスタ形成領域
4…PMOSトランジスタ形成領域
6…Nチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域
8…Pチャネル型LDMOSトランジスタ形成領域
10…半導体基板
12…素子分離領域
14P…P型ウェル
14N…N型ウェル
16…ゲート絶縁膜
18a〜18d…ゲート電極
20a〜20d…第1の半導体層、第1の部分ゲート電極
22…ポリシリコン膜
22a〜22d…第2の半導体層、第2の部分ゲート電極
24…絶縁層
26…エクステンション領域
28…サイドウォール絶縁膜
30…高濃度不純物領域
32…ソース/ドレイン領域
34…NMOSトランジスタ
36…エクステンション領域
38…高濃度不純物領域
40…ソース/ドレイン領域
42…PMOSトランジスタ
44a、44b…N型ウェル
46a、46b…P型ウェル
48a…N型の部分
48b…P型の部分
50a、50b…エクステンション領域
52a、52b…高濃度不純物領域
54a…ドレイン領域
54b…ソース領域
56…N型の不純物領域
58…P型の不純物領域、チャネル領域
60…ウェルタップ領域
62…Nチャネル型のLDMOSトランジスタ
64a…P型の部分
64b…N型の部分
66a、66b…エクステンション領域
68a、68b…高濃度不純物領域
70a…ドレイン領域
70b…ソース領域
72…P型の不純物領域
74…N型の不純物領域、チャネル領域
76…ウェルタップ領域
78…Pチャネル型のLDMOSトランジスタ
80…シリサイドブロック膜
82…シリサイド膜
84…絶縁膜
86…絶縁膜
88…層間絶縁膜
90…コンタクトホール
92…バリアメタル膜
94…導体プラグ
96…フォトレジスト膜
100…フォトレジスト膜
104…フォトレジスト膜
108…フォトレジスト膜
110…開口部
112…フォトレジスト膜
114…フォトレジスト膜
116a〜116d…開口部
118…フォトレジスト膜
120a〜120d…開口部
122…フォトレジスト膜
124a〜124d…開口部
126…フォトレジスト膜
128a〜128d…開口部
130…フォトレジスト膜
132…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極の一方の側の前記半導体基板に形成された第1導電型のドレイン領域と、
前記ゲート電極の他方の側の前記半導体基板に形成された前記第1導電型のソース領域と、
前記ドレイン領域から前記ゲート電極の直下に達する前記第1導電型の第1の不純物領域と、
前記ソース領域と前記第1の不純物領域との間に形成された、前記第1導電型と反対の第2導電型の第2の不純物領域とを有し、
前記ゲート電極は、前記第1導電型の第1の部分と、前記第1の部分の前記一方の側に位置する前記第2導電型の第2の部分とを含み、
前記ゲート電極の前記第2の部分内に、下端が前記ゲート絶縁膜に接する絶縁層が埋め込まれている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1の部分と前記第2の部分との境界は、前記第1の不純物領域上に位置している
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体装置において、
前記第1の不純物領域は、前記半導体基板内に形成された前記第1導電型の第1のウェルの一部であり、
前記第2の不純物領域は、前記第1のウェル内に形成された前記第2導電型の第2のウェルの一部であり、
前記ドレイン領域は、前記第1のウェル内に形成されており、
前記ソース領域は、前記第2のウェル内に形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第2の部分の不純物濃度は、前記第1の部分の不純物濃度よりも低い
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
半導体基板内の第1の領域に第1導電型の第1の不純物領域を形成する工程と、
前記第1の領域に隣接する第2の領域における前記半導体基板内に、前記第1の導電型と反対の第2導電型の第2の不純物領域とを形成する工程と、
前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に第1の半導体層を形成する工程であって、前記第1の半導体層の一方の側部が前記第1の不純物領域上に位置し、前記第1の半導体層の他方の側部が前記第2の不純物領域上に位置するように、前記第1の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層を覆うように、前記第1の半導体層上及び前記ゲート絶縁膜上に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層を異方性エッチングすることにより、前記第1の半導体層の側部に前記絶縁層を残存させる工程と、
前記第1の半導体層及び前記絶縁層を覆うように、第2の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層の前記一方の側の側部よりも前記一方の側に前記第2の半導体層が残存するように前記第2の半導体層をエッチングすることにより、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とを有するゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極のうちの前記一方の側の部分に前記第2導電型の不純物を導入することにより、前記第2導電型の第1の部分を前記ゲート電極のうちの前記一方の側の部分に形成する工程と、
前記ゲート電極のうちの前記第1の部分を除く部分に前記第1導電型の不純物を導入することにより、前記第1導電型の第2の部分を前記ゲート電極のうちの前記第1の部分を除く部分に形成する工程と、
前記ゲート電極の前記一方の側における前記半導体基板内に、前記第1導電型のドレイン領域を形成し、前記ゲート電極の前記他方の側における前記半導体基板内に、前記第1導電型のソース領域を形成する工程とを有し、
前記第1の部分を形成する工程及び前記第2の部分を形成する工程では、前記第2の部分内に前記絶縁層が埋め込まれるように、前記第1の部分及び前記第2の部分を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−44067(P2012−44067A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185506(P2010−185506)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】