説明

半導体装置及び半導体装置の作製方法

【課題】作製工程が簡略化され、容量素子の面積が縮小化されたメモリ素子を有する半導体装置を提供することを課題とする。
【解決手段】基板上に第1の半導体膜と、第2の半導体膜を形成し、第1の半導体膜及び第2の半導体膜を覆って第1の絶縁膜を形成し、第1の半導体膜及び第2の半導体膜上に、第1の絶縁膜を介してそれぞれ第1の導電膜及び第2の導電膜を形成し、第1の導電膜を覆って第2の絶縁膜を形成し、第1の半導体膜上に設けられた第1の導電膜上に第2の絶縁膜を介して第3の導電膜を選択的に形成し、第1の半導体膜に第3の導電膜をマスクとして不純物元素を導入し、第2の半導体膜に第2の導電膜を通して不純物元素を導入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の作製方法に関し、特にメモリ素子を有する半導体装置及び半導体装置の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の進歩は目ざましく、高集積化、高密度化に伴い、その中に形成されるトランジスタや容量素子等の各素子パターンの微細化が急速に進んでいる。低コストで、しかも小型、大容量の半導体装置への要求は強く、それらを実現するために、各素子パターンはますます微細化されることが不可欠となってきている。トランジスタ、メモリ素子、容量素子等の各素子の寸法を小さくして占有面積の低減を図ることはもとより、これらを低コスト化で実現することが必要となっており、その実現のために各種の構造の開発が活発に行われている。
【0003】
例えば、特許文献1では、薄膜トランジスタで構成される画素マトリクス回路において、容量素子の一方の電極を不純物元素が導入された半導体膜、他方の電極をトランジスタのゲート電極に対応する導電膜とし、2つの電極間にトランジスタのゲート絶縁膜に対応する絶縁膜を設けた構成(トランジスタ型の容量素子)とすることによって、単位面積当たりの静電容量を大きくし、素子の小面積化を図ることが提案されている。
【特許文献1】特開2000−269512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容量素子の一方の電極を不純物元素が導入された半導体膜で設け、他方の電極をトランジスタのゲート電極に対応する導電膜で設ける場合、基板上に半導体膜を形成した後ゲート電極の形成前に、容量素子を構成する半導体膜に高濃度の不純物元素を導入する必要がある。これは、トランジスタを構成する半導体膜には、ゲート電極をマスクとして自己整合的に高濃度の不純物元素を導入するためである。その結果、作製プロセスの増加に伴うコストの増大やゲート電極形成前に高濃度の不純物元素を導入しない半導体膜への汚染が問題となる。
【0005】
また、これらの問題を回避するために、容量素子の電極として、不純物元素を導入しない半導体膜を用いることが考えられるが、容量素子の一端にかかる電圧がトランジスタ型の容量素子の閾値電圧より低くなった際に、容量として機能しないおそれがある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑み、作製工程が簡略化された半導体装置の作製方法を提供することを課題の一とする。又は、容量素子の面積が縮小化されたメモリ素子を有する半導体装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、2つの電極間に絶縁膜が形成された容量素子を具備する半導体装置の作製方法であって、一方の電極となる半導体膜に絶縁膜及び他方の電極となる導電膜を介して不純物元素を導入することを特徴としている。また、容量素子の一方の電極となる半導体膜は同一基板上に設けられるメモリ素子を構成する半導体膜と同時に形成され、容量素子の他方の電極となる導電膜はメモリ素子を構成する導電膜(電荷蓄積層、浮遊ゲートと呼ばれることもある)と同時に形成される。以下、本発明の半導体装置及びその作製方法に関して具体的に述べる。
【0008】
本発明の半導体装置の作製方法の一は、基板上に第1の半導体膜と、第2の半導体膜を形成し、第1の半導体膜及び第2の半導体膜を覆って第1の絶縁膜を形成し、第1の半導体膜及び第2の半導体膜上に、第1の絶縁膜を介してそれぞれ第1の導電膜及び第2の導電膜を形成し、第1の導電膜を覆って第2の絶縁膜を形成し、第1の半導体膜上に設けられた第1の導電膜上に第2の絶縁膜を介して第3の導電膜を選択的に形成し、第1の半導体膜に第3の導電膜をマスクとして不純物元素を導入し、第2の半導体膜に第2の導電膜を通して不純物元素を導入する。
【0009】
また、本発明の半導体装置の作製方法の一は、基板上に第1の半導体膜と、第2の半導体膜と、第3の半導体膜を形成し、第1の半導体膜、第2の半導体膜及び第3の半導体膜を覆って第1の絶縁膜を形成し、第1の半導体膜及び第2の半導体膜上に第1の絶縁膜を介してそれぞれ第1の導電膜及び第2の導電膜を選択的に形成し、第3の半導体膜上に設けられた第1の絶縁膜を除去し、第1の導電膜、第2の導電膜及び第3の半導体膜を覆って第2の絶縁膜を形成し、第1の半導体膜上に設けられた第1の導電膜上に第2の絶縁膜を介して第3の導電膜を選択的に形成し、第3の半導体膜上に第2の絶縁膜を介して第4の導電膜を選択的に形成し、第1の半導体膜に第3の導電膜をマスクとして不純物元素を導入し、第3の半導体膜に第4の導電膜をマスクとして不純物元素を導入し、第2の半導体膜に第2の導電膜を通して不純物元素を導入する。
【0010】
また、本発明の半導体装置の作製方法の一は、基板上に第1の半導体膜と、第2の半導体膜と、第3の半導体膜を形成し、第1の半導体膜、第2の半導体膜及び第3の半導体膜を覆って第1の絶縁膜を形成し、第1の半導体膜及び第2の半導体膜上に第1の絶縁膜を介してそれぞれ第1の導電膜及び第2の導電膜を選択的に形成し、第3の半導体膜上に設けられた第1の絶縁膜を除去し、第1の導電膜、第2の導電膜及び第3の半導体膜を覆って第2の絶縁膜を形成し、第1の半導体膜上に設けられた第1の導電膜上に第2の絶縁膜を介して第3の導電膜を選択的に形成し、第3の半導体膜上に第2の絶縁膜を介して第4の導電膜を選択的に形成し、第1の半導体膜に第3の導電膜をマスクとして不純物元素を導入し、第3の半導体膜に第4の導電膜をマスクとして不純物元素を導入し、第2の半導体膜に第2の導電膜を通して不純物元素を導入し、第3の導電膜、第4の導電膜及び第2の絶縁膜を覆うように第3の絶縁膜を形成し、第3の絶縁膜上にアンテナとして機能する導電膜を形成する。
【0011】
本発明の半導体装置の一は、基板上に島状に形成された第1の半導体膜と、第2の半導体膜と、第1の半導体膜及び第2の半導体膜上に設けられた第1の絶縁膜と、第1の半導体膜及び第2の半導体膜上に第1の絶縁膜を介してそれぞれ設けられた第1の導電膜及び第2の導電膜と、第1の導電膜及び第2の導電膜上に設けられた第2の絶縁膜と、第1の導電膜上に第2の絶縁膜を介して設けられた第3の導電膜とを有し、第1の半導体膜、第1の絶縁膜、第1の導電膜、第2の絶縁膜及び第3の導電膜の積層により不揮発性メモリ素子が構成され、第2の半導体膜、第1の絶縁膜及び第2の導電膜の積層により容量素子が構成され、第2の導電膜の下方に位置する第2の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度が、第1の導電膜の下方に位置する第1の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度より高いことを特徴としている。
【0012】
また、本発明の半導体装置の一は、基板上に島状に形成された第1の半導体膜と、第2の半導体膜と、第3の半導体膜と、第1の半導体膜及び第2の半導体膜上に設けられた第1の絶縁膜と、第1の半導体膜及び第2の半導体膜上に第1の絶縁膜を介してそれぞれ設けられた第1の導電膜及び第2の導電膜と、第1の導電膜、第2の導電膜及び第3の半導体膜上に設けられた第2の絶縁膜と、第1の導電膜上に第2の絶縁膜を介して設けられた第3の導電膜と、第3の半導体膜上に第2の絶縁膜を介して設けられた第4の導電膜とを有し、第1の半導体膜、第1の絶縁膜、第1の導電膜、第2の絶縁膜及び第3の導電膜の積層により不揮発性メモリ素子が構成され、第2の半導体膜、第1の絶縁膜及び第2の導電膜の積層により容量素子が構成され、第3の半導体膜、第2の絶縁膜及び第4の導電膜の積層により薄膜トランジスタが構成され、第2の導電膜の下方に位置する第2の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度が、第1の導電膜の下方に位置する第1の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度及び第4の導電膜の下方に位置する第3の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度より高いことを特徴としている。
【0013】
また、本発明の半導体装置の一は、基板上に島状に形成された第1の半導体膜と、第2の半導体膜と、第3の半導体膜と、第1の半導体膜及び第2の半導体膜上に設けられた第1の絶縁膜と、第1の半導体膜及び第2の半導体膜上に第1の絶縁膜を介してそれぞれ設けられた第1の導電膜及び第2の導電膜と、第1の導電膜、第2の導電膜及び第3の半導体膜上に設けられた第2の絶縁膜と、第1の導電膜上に第2の絶縁膜を介して設けられた第3の導電膜と、第3の半導体膜上に第2の絶縁膜を介して設けられた第4の導電膜と、第3の導電膜、第4の導電膜及び第2の絶縁膜を覆って設けられた第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜上に設けられたアンテナとして機能する導電膜とを有し、第1の半導体膜、第1の絶縁膜、第1の導電膜、第2の絶縁膜及び第3の導電膜の積層により不揮発性メモリ素子が構成され、第2の半導体膜、第1の絶縁膜及び第2の導電膜の積層により容量素子が構成され、第3の半導体膜、第2の絶縁膜及び第4の導電膜の積層により薄膜トランジスタが構成され、第2の導電膜の下方に位置する第2の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度が、第1の導電膜の下方に位置する第1の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度及び第4の導電膜の下方に位置する第3の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度より高いことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、トランジスタ又はメモリ素子を構成する半導体膜に不純物元素を導入する際に、容量素子の一方の電極となる半導体膜に他方の電極を介して不純物元素の導入を行うことにより、作製工程を減らし低コスト化を図ることができる。また、容量素子を構成する絶縁膜を、メモリ素子のトンネル絶縁膜として機能しうる絶縁膜と同程度の膜厚で作製することにより、単位面積当たりの静電容量を大きくし、素子の小面積化を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
【0016】
本実施の形態では、本発明の半導体装置の作製方法及び当該作製方法により得られた半導体装置の構成に関して図面を参照して説明する。
【0017】
図1、図2を参照して、本実施の形態で示す半導体装置の作製方法を説明する。
【0018】
まず、基板101の一表面に絶縁膜102を形成し、当該絶縁膜102上に非晶質半導体膜103(例えば、非晶質珪素を含む膜)を形成する(図1(A)参照)。絶縁膜102と非晶質半導体膜103は、真空中において連続して形成することができる。連続して形成することにより大気に曝されないため不純物元素の混入を防止することができる。
【0019】
基板101は、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いるとよい。このような基板であれば、その面積や形状に大きな制限はないため、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。このような利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。従って、集積回路部を大きく形成した場合であっても、シリコン基板を用いる場合と比較して低コスト化を実現することができる。
【0020】
絶縁膜102は、スパッタ法やプラズマCVD法等により、珪素の酸化物または珪素の窒化物を含む膜(例えば、酸化珪素(SiOx)膜、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)膜、窒化珪素(SiNx)膜、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)膜等)を、単層又は積層で形成する。下地となる絶縁膜が2層構造の場合、例えば、1層目として窒化酸化珪素膜を形成し、2層目として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。下地となる絶縁膜が3層構造の場合、1層目の絶縁膜として酸化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。または、1層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。下地となる絶縁膜は、基板101からの不純物の侵入を防止するブロッキング膜として機能する。
【0021】
半導体膜103は、スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等により、25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。半導体膜103として、ここでは、非晶質珪素膜を形成する。
【0022】
次に、非晶質半導体膜103にレーザー光を照射して結晶化を行う。なお、レーザー光の照射と、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とを組み合わせた方法等により非晶質半導体膜103の結晶化を行ってもよい。その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングして、結晶質半導体膜103a、103bを形成し、当該結晶質半導体膜103a、103bを覆うように絶縁膜104a、104bをそれぞれ形成する(図1(B)参照)。
【0023】
結晶質半導体膜103a、103bの作製工程の一例を以下に簡単に説明すると、まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚50〜60nmの非晶質半導体膜103(例えば、非晶質珪素膜)を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニッケルを非晶質半導体膜に添加した後、脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を行って結晶質半導体膜を形成する。その後、レーザー発振器からレーザー光を照射し、フォトリソグラフィ法を用いることよって結晶質半導体膜103a、103bを形成する。なお、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化を行わずに、レーザー光の照射だけで非晶質半導体膜の結晶化を行ってもよい。
【0024】
絶縁膜104a、104bは、CVD法やスパッタ法等により、珪素の酸化物又は珪素の窒化物を含む膜を、単層又は積層して形成する。具体的には、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜を、単層又は積層して形成する。
【0025】
また、絶縁膜104a、104bは、半導体膜103a、103bに対しプラズマ処理を行い、表面を酸化又は窒化することで形成しても良い。例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと、酸素、酸化窒素(NO)、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを導入したプラズマ処理で形成する。この場合のプラズマの励起は、マイクロ波の導入により行うと、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。この高密度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化又は窒化することができる。
【0026】
このような高密度プラズマを用いた処理により、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜が半導体膜に形成される。この場合の反応は、固相反応であるため、当該絶縁膜と半導体膜との界面準位密度はきわめて低くすることができる。このような、高密度プラズマ処理は、半導体膜(結晶性シリコン、或いは多結晶シリコン)を直接酸化(若しくは窒化)するため、形成される絶縁膜の厚さのばらつきをきわめて小さくすることができる。加えて、結晶性シリコンの結晶粒界でも酸化が強くされることがないため、非常に好ましい状態となる。すなわち、ここで示す高密度プラズマ処理で半導体膜の表面を固相酸化することにより、結晶粒界において異常に酸化反応をさせることなく、均一性が良く、界面準位密度が低い絶縁膜を形成することができる。
【0027】
絶縁膜104a、104bは、高密度プラズマ処理によって形成される絶縁膜のみを用いても良いし、それに加えてプラズマや熱反応を利用したCVD法で酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコンなどの絶縁膜を堆積し、積層させても良い。いずれにしても、高密度プラズマで形成した絶縁膜をゲート絶縁膜の一部又は全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを小さくすることができる。
【0028】
次に、絶縁膜104a、104b上に、導電膜105を形成する(図1(C)参照)。導電膜105は、例えば、タングステン(W)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、シリコン(Si)から選ばれた元素でなる膜、または前記元素の窒化物でなる膜(代表的には、窒化タングステン膜、窒化タンタル膜、窒化チタン膜)、または前記元素を組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金、Mo−Ta合金)、または前記元素のシリサイド膜(代表的にはタングステンシリサイド膜、チタンシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜)を用いることができる。シリコン膜に対しては、リンやボロンなどの不純物を添加してもよい。単層の導電膜で形成しても良いが、二層、三層といった積層膜としてもよい。スパッタ法又はCVD法により形成する。
【0029】
次に、導電膜105上に選択的にレジスト106を形成し、当該レジスト106をマスクとして導電膜105を選択的にエッチングして、半導体膜103a上に導電膜105a、半導体膜103b上に導電膜105bを残存させる。続いて、当該レジスト106をマスクとして、半導体膜103a、103bに不純物元素を導入し、半導体膜103a、103bに不純物領域107を形成する(図1(D)参照)。
【0030】
導入する不純物元素は、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を用いる。n型の不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型の不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、半導体膜103a、103bにリン(P)を導入し、n型の不純物領域107を形成する場合について示す。
【0031】
また、導電膜105aは、後に形成されるメモリ素子において浮遊ゲートとして機能しうる。導電膜105bは、後に形成される容量素子において電極として機能しうる。
【0032】
次に、レジスト106を除去した後、導電膜105a、105bを覆うように絶縁膜108を形成する(図1(E)参照)。絶縁膜108は、スパッタ法やプラズマCVD法等により、珪素の酸化物または珪素の窒化物を含む膜(例えば、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜等)を、単層又は積層で形成する。例えば、酸化窒化珪素膜と窒化珪素膜と酸化窒化珪素膜を順に積層させた構造で設けることができる。
【0033】
次に、絶縁膜108上に導電膜109を形成する(図1(F)参照)。
【0034】
導電膜109は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素でなる膜、またはこれらの元素の窒化物でなる膜(代表的には、窒化タンタル、窒化タングステン膜、窒化チタン膜)、または前記元素を組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金、Mo−Ta合金)、または前記元素のシリサイド膜(代表的にはタングステンシリサイド膜、チタンシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜)を用いることができる。また、導電膜109は、複数の導電膜を積層させた構造で設けてもよく、例えば、膜厚が20nm〜100nmの窒化タンタル膜と、膜厚が100nm〜400nmのタングステン膜を順に積層させた構造で設けることができる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。
【0035】
次に、導電膜109上に選択的にレジスト110を形成し、当該レジスト110をマスクとして導電膜109を選択的にエッチングして、半導体膜103a上に導電膜109aを残存させる(図2(A)参照)。半導体膜103b上に形成された導電膜109は除去する。
【0036】
次に、レジスト110を除去した後、導電膜109aをマスクとして、半導体膜103a、103bに不純物元素を導入する(図2(B)参照)。半導体膜103aには、導電膜109aと重ならない部分に不純物元素が導入され、不純物領域111aが形成される。また、不純物が低濃度含まれたLDD領域も形成される。半導体膜103bには、導電膜105bを突き抜けて全面に不純物元素を導入することにより、不純物領域112aと導電膜105bと重なる不純物領域112bが形成される。なお、ここでは、導電膜105aの下方に位置する半導体膜103aの領域には不純物元素が導入されない。その結果、導電膜105bの下方に位置する半導体膜103bの領域に含まれる不純物元素の濃度は、導電膜105aの下方に位置する半導体膜103aの領域に含まれる不純物元素の濃度より高くなる。
【0037】
導入する不純物元素は、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を用いる。n型の不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型の不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、半導体膜103a、103bに高濃度のリン(P)を導入し、n型の不純物領域111a、112a、112bを形成する場合について示す。また、不純物領域111a、112a、112bに含まれる不純物元素の濃度は、上記図1(D)で形成した不純物領域107に含まれる不純物元素の濃度より高くなるように形成する。もちろんボロン(B)を導入して、p型の不純物領域を形成してもよい。
【0038】
なお、導電膜105bを突き抜けて半導体膜103bに不純物元素を導入する場合、半導体膜103b上に形成された絶縁膜104b、導電膜105b、絶縁膜108が薄膜であり、不純物元素の導入を高加速で行うことが好ましい。具体的には、絶縁膜104bの膜厚を5nm〜15nm、導電膜105bの膜厚を10nm〜50nm、絶縁膜108の膜厚を20nm〜60nmで設け、ドーピング法による不純物元素の導入の加速電圧を30kV〜80kV、好ましくは、絶縁膜104bの膜厚が8nm〜10nm、導電膜105bの膜厚が20nm〜40nm、絶縁膜108の膜厚が30nm〜40nm、不純物元素の導入の加速電圧を40kV〜50kVとすることが好ましい。加速電圧が高すぎる場合には絶縁膜104bがダメージを受ける恐れがあるが、上述した条件で行う場合には絶縁膜104bに加わるダメージを抑制しつつ、導電膜105bと重なる半導体膜103bの領域にも不純物元素を導入することができる。
【0039】
このように、トランジスタ型のメモリ素子の半導体膜にソース領域又はドレイン領域として機能しうる不純物領域を形成する工程において、容量素子を構成する半導体膜へ不純物元素を導入することによって、作製工程数を削減し低コスト化を図ることができる。
【0040】
次に、導電膜109a、絶縁膜108を覆うように絶縁膜113を形成する(図2(C)参照)。絶縁膜113は、CVD法、スパッタ法、SOG法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等により、シリコンの酸化物やシリコンの窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ等の有機材料やシロキサン材料等により、単層または積層で形成する。例えば、絶縁膜113を、窒化酸化シリコン膜と酸化窒化シリコン膜の2層の積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
【0041】
なお、絶縁膜113を形成する前、または絶縁膜113を形成した後に、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体膜の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザーアニール法またはRTA法などを適用することができる。
【0042】
次に、半導体膜103aの不純物領域111a、半導体膜103bの不純物領域112aに電気的に接続された導電膜114をそれぞれ形成する(図2(D)参照)。ここでは、絶縁膜104a、104b、108、113に開口部を形成して半導体膜103aの不純物領域111a及び半導体膜103bの不純物領域112aの一部を露出させ、当該開口部に導電膜114を設ける。
【0043】
導電膜114は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素とシリコンの一方又は両方とを含む合金材料に相当する。導電膜114は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜114を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。
【0044】
以上の工程により、メモリ素子120と容量素子121を有する半導体装置を得ることができる。
【0045】
本実施の形態で示す半導体装置において、メモリ素子120は、トンネル絶縁膜として機能しうる絶縁膜104a、浮遊ゲートとして機能しうる導電膜105a、導電膜105aと導電膜109aの層間膜となる絶縁膜108及びゲート電極として機能しうる導電膜109aを有している。
【0046】
容量素子121は、電極となる半導体膜103b及び導電膜105bの間に絶縁膜104bが設けられた構造となっている。また、導電膜105bはメモリ素子120の浮遊ゲートとして機能しうる導電膜105aと同一の材料で設けられ、絶縁膜104bはメモリ素子120のトンネル絶縁膜として機能しうる絶縁膜104aと同一の材料で設けられている。容量素子121の絶縁膜104bとして、メモリ素子120のトンネル絶縁膜として機能しうる絶縁膜104aと同一の材料で設けることによって、容量素子を構成する絶縁膜の膜厚を薄く形成することができるため、容量素子の面積を小さくすることができる。
【0047】
このように、メモリ素子120と容量素子121を同一の工程で形成することにより作製工程の簡略化を図り低コスト化を実現できる。特に、本実施の形態では、容量素子121の一方の電極となる半導体膜への不純物元素の導入を、導電膜105bを突き抜けさせて行うことにより、導電膜105bの形成前に半導体膜103bにのみ選択的に不純物元素を導入する工程を省略できるため、作製工程の簡略化を図ることができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、メモリ素子として薄膜トランジスタ(TFT)型のメモリ素子又は容量素子を用いた例を示したが、これに限られない。例えば、SOI基板を用いて形成される半導体膜をメモリ素子の一方の電極として設けた構成としてもよい。
【0049】
本実施の形態は、本明細書の他の実施の形態で示した半導体装置の構成や作製方法と組み合わせて行うことができる。
(実施の形態2)
【0050】
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる半導体装置の作製方法及び当該作製方法により得られた半導体装置の構成に関して図面を参照して説明する。具体的には、同一工程でメモリ素子、容量素子及びトランジスタを作製する方法及び当該作製方法により得られた半導体装置の構成に関して図面を参照して説明する。
【0051】
図3〜図5を参照して、本実施の形態で示す半導体装置の作製方法を説明する。
【0052】
まず、基板101の一表面に絶縁膜102を介して、島状の半導体膜103a、103b、203a、203bを形成する(図3(A)参照)。なお、半導体膜103aは後に形成されるメモリ素子を構成し、半導体膜103bは後に形成される容量素子を構成し、半導体膜203a、203bは後に形成される薄膜トランジスタを構成する。
【0053】
次に、半導体膜103a、103b、203a、203bを覆うように絶縁膜104a、104b、204a、204bをそれぞれ形成し、その後、当該絶縁膜104a、104b、204a、204bを覆うように導電膜105を形成する(図3(B)参照)。
【0054】
なお、半導体膜103a、203a、203bにしきい値等を制御するため、あらかじめ低濃度の不純物元素を導入しておいてもよい。この場合は、半導体膜103a、203a、203bにおいて、後にチャネル形成領域となる領域にも不純物元素が導入されることとなる。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素又はp型を付与する不純物元素を用いることができる。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、不純物元素として、ボロン(B)を5×1015〜5×1017/cmの濃度で含まれるように半導体膜103a、203a、203bの全面にあらかじめ導入する。
【0055】
次に、半導体膜203a、203bの上方に設けられた導電膜105を選択的に除去した後、絶縁膜204a及び絶縁膜204bを除去する(図3(C)参照)。なお、半導体膜103a、103bの上方には導電膜105を残存させる。
【0056】
次に、残存した導電膜105上に選択的にレジスト106を形成し、半導体膜203a、203bを覆うようにレジスト106を形成した後、当該レジスト106をマスクとして残存した導電膜105をさらに選択的にエッチングして、半導体膜103a上に導電膜105a、半導体膜103b上に導電膜105bを残存させる。続いて、当該レジスト106をマスクとして、半導体膜103a、103bに不純物元素を導入し、半導体膜103a、103bに不純物領域107を形成する(図3(D)参照)。
【0057】
導入する不純物元素は、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を用いる。n型の不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型の不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、半導体膜103a、103bにリン(P)を導入し、n型の不純物領域107を形成する場合について示す。
【0058】
次に、レジスト106を除去した後、半導体膜203a、203b、導電膜105a、105bを覆うように絶縁膜108を形成した後、当該絶縁膜108上に導電膜109を形成する(図4(A)参照)。
【0059】
次に、導電膜109上に選択的にレジスト110を形成し、当該レジスト110をマスクとして導電膜109を選択的にエッチングして、半導体膜103a、203a、203b上にそれぞれ導電膜109、209a、209bを残存させる(図4(B)参照)。半導体膜103b上に形成された導電膜109は、除去する。
【0060】
次に、レジスト110を除去した後、半導体膜103a、203bを覆うようにレジスト210aを形成し、当該レジスト210a、導電膜209aをマスクとして、半導体膜203a、103bに不純物元素を導入する(図4(C)参照)。半導体膜203aには、導電膜209aと重ならない領域に不純物元素が導入され、不純物領域211が形成される。半導体膜103bには、導電膜105bを突き抜けて全面に不純物元素が導入され、不純物領域112aと導電膜105bと重なる不純物領域112bが形成される。
【0061】
なお、導入する不純物元素は、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を用いる。ここでは、半導体膜203a、103bに高濃度のp型不純物元素で軽元素のボロン(B)を導入し、p型の不純物領域211、112a、112bを形成する場合について示している。絶縁膜108、導電膜105、絶縁膜104bを介して半導体膜103bに不純物元素の導入を行う場合、ボロン(B)等の軽元素を用いることにより絶縁膜104bに加わるダメージを低減することができる。
【0062】
次に、レジスト210aを除去した後、半導体膜103b、203aを覆うようにレジスト210bを形成し、当該レジスト210b、導電膜109、209bをマスクとして、半導体膜103a、203bに不純物元素を導入する(図5(A)参照)。半導体膜103aには、導電膜109と重ならない領域に不純物元素が導入され、不純物領域111が形成される。半導体膜203bには、導電膜209bと重ならない領域に不純物元素が導入され、不純物領域212が形成される。なお、半導体膜103bへの不純物元素の導入は、図4(C)で行うのでなく、図5(A)において半導体膜103b、203aへの不純物元素の導入と同時に行ってもよい。その結果、導電膜105bの下方に位置する半導体膜103bの領域に含まれる不純物元素の濃度は、導電膜105aの下方に位置する半導体膜103aの領域に含まれる不純物元素の濃度、導電膜209aの下方に位置する半導体膜203aの領域に含まれる不純物元素の濃度及び導電膜209bの下方に位置する半導体膜203bの領域に含まれる不純物元素の濃度より高くなる。
【0063】
導入する不純物元素は、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を用いる。ここでは、半導体膜103a、203bに高濃度のリン(P)を導入し、n型の不純物領域111、212を形成する場合について示す。
【0064】
次に、導電膜109a、209a、209b、絶縁膜108を覆うように絶縁膜113を形成した後、半導体膜103aの不純物領域111、半導体膜103bの不純物領域112a、半導体膜203aの不純物領域211、半導体膜203bの不純物領域212に電気的に接続された導電膜114をそれぞれ形成する(図5(B)参照)。
【0065】
以上の工程により、メモリ素子120、容量素子121、薄膜トランジスタ220、221を有する半導体装置を得ることができる。
【0066】
なお、本実施の形態では、トランジスタとして薄膜トランジスタを用いた例を示したが、これに限られず様々な形態のトランジスタを適用させることが出来る。よって、適用可能なトランジスタの種類に限定はない。したがって、非晶質シリコンや多結晶シリコンに代表される非単結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT)に限られず、半導体基板やSOI基板を用いて形成されるトランジスタ、MOS型トランジスタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、ZnO、a−InGaZnOなどの化合物半導体を用いたトランジスタ、有機半導体やカーボンナノチューブを用いたトランジスタ、その他のトランジスタを適用することができる。なお、非単結晶半導体膜には水素またはハロゲンが含まれていてもよい。
【0067】
また、トランジスタの構成は、様々な形態をとることができる。特定の構成に限定されない。例えば、ゲート本数が2本以上になっているマルチゲート構造を用いてもよい。マルチゲート構造にすることにより、オフ電流の低減や、トランジスタの耐圧を向上させて信頼性を良くし、飽和領域で動作する時に、ドレインとソース間電圧が変化しても、ドレインとソース間電流があまり変化せず、フラットな特性にすることができる。また、LDD領域があってもよい。LDD領域を設けることにより、オフ電流の低減や、トランジスタの耐圧を向上させて信頼性を良くし、飽和領域で動作する時に、ドレインとソース間電圧が変化しても、ドレインとソース間電流があまり変化せず、フラットな特性にすることができる。
【0068】
本実施の形態は、本明細書の他の実施の形態で示した半導体装置の構成や作製方法と組み合わせて行うことができる。
【0069】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した半導体装置の使用形態の一例について説明する。具体的には、非接触でデータの入出力が可能である半導体装置の適用例に関して図面を参照して以下に説明する。非接触でデータの入出力が可能である半導体装置は利用の形態によっては、RFIDタグ、IDタグ、ICタグ、ICチップ、RFタグ、無線タグ、電子タグまたは無線チップともよばれる。
【0070】
半導体装置80は、非接触でデータを交信する機能を有し、高周波回路81、電源回路82、リセット回路83、クロック発生回路84、データ復調回路85、データ変調回路86、他の回路の制御を行う制御回路87、記憶回路88およびアンテナ89を有している(図11(A))。高周波回路81はアンテナ89より信号を受信して、データ変調回路86より受信した信号をアンテナ89から出力する回路であり、電源回路82は受信信号から電源電位を生成する回路であり、リセット回路83はリセット信号を生成する回路であり、クロック発生回路84はアンテナ89から入力された受信信号を基に各種クロック信号を生成する回路であり、データ復調回路85は受信信号を復調して制御回路87に出力する回路であり、データ変調回路86は制御回路87から受信した信号を変調する回路である。また、制御回路87としては、例えばコード抽出回路91、コード判定回路92、CRC判定回路93および出力ユニット回路94が設けられている。なお、コード抽出回路91は制御回路87に送られてきた命令に含まれる複数のコードをそれぞれ抽出する回路であり、コード判定回路92は抽出されたコードとリファレンスに相当するコードとを比較して命令の内容を判定する回路であり、CRC回路は判定されたコードに基づいて送信エラー等の有無を検出する回路である。
【0071】
次に、上述した半導体装置の動作の一例について説明する。まず、アンテナ89により無線信号が受信される。無線信号は高周波回路81を介して電源回路82に送られ、高電源電位(以下、VDDと記す)が生成される。VDDは半導体装置80が有する各回路に供給される。また、高周波回路81を介してデータ復調回路85に送られた信号は復調される(以下、復調信号)。さらに、高周波回路81を介してリセット回路83およびクロック発生回路84を通った信号及び復調信号は制御回路87に送られる。制御回路87に送られた信号は、コード抽出回路91、コード判定回路92およびCRC判定回路93等によって解析される。そして、解析された信号にしたがって、記憶回路88内に記憶されている半導体装置の情報が出力される。出力された半導体装置の情報は出力ユニット回路94を通って符号化される。さらに、符号化された半導体装置80の情報はデータ変調回路86を通って、アンテナ89により無線信号に載せて送信される。なお、半導体装置80を構成する複数の回路においては、低電源電位(以下、VSS)は共通であり、VSSはGNDとすることができる。
【0072】
このように、リーダ/ライタから半導体装置80に信号を送り、当該半導体装置80から送られてきた信号をリーダ/ライタで受信することによって、半導体装置のデータを読み取ることが可能となる。
【0073】
また、半導体装置80は、各回路への電源電圧の供給を電源(バッテリー)を搭載せず電磁波により行うタイプとしてもよいし、電源(バッテリー)を搭載して電磁波又は電源(バッテリー)により各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよい。
【0074】
上記実施の形態で示した作製方法を高周波回路81、電源回路82、リセット回路83、クロック発生回路84、データ復調回路85、データ変調回路86、制御回路87、記憶回路88に適用することによって、低コストで半導体装置を得ることができる。
【0075】
次に、非接触でデータの入出力が可能な半導体装置の使用形態の一例について説明する。表示部3210を含む携帯端末の側面には、リーダ/ライタ3200が設けられ、品物3220の側面には半導体装置3230が設けられる(図11(B))。品物3220が含む半導体装置3230にリーダ/ライタ3200をかざすと、表示部3210に品物の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴等、更に商品の説明等の商品に関する情報が表示される。また、商品3260をベルトコンベアにより搬送する際に、リーダ/ライタ3240と、商品3260に設けられた半導体装置3250を用いて、該商品3260の検品を行うことができる(図11(C))。このように、システムに半導体装置を活用することで、情報の取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加価値化を実現する。
【0076】
また、上述した非接触データの入出力が可能である半導体装置における信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式またはマイクロ波方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が使用用途を考慮して適宜選択すればよく、伝送方式に伴って最適なアンテナを設ければよい。
【0077】
例えば、半導体装置における信号の伝送方式として、電磁結合方式または電磁誘導方式(例えば13.56MHz帯)を適用する場合には、磁界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成する。
【0078】
また、半導体装置における信号の伝送方式として、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電層の長さ等の形状を適宜設定すればよく、例えば、アンテナとして機能する導電膜を線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)またはリボン型の形状等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
【0079】
アンテナとして機能する導電膜は、CVD法、スパッタ法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電膜は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層構造又は積層構造で形成する。
【0080】
例えば、スクリーン印刷法を用いてアンテナとして機能する導電膜を形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷することによって設けることができる。導電体粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散剤および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電膜の形成にあたり、導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電膜を得ることができる。また、はんだや鉛フリーのはんだを主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだや鉛フリーはんだは、低コストであるといった利点を有している。
【0081】
なお、上述した以外にも可撓性を有する半導体装置の用途は広範にわたり、非接触で対象物の履歴等の情報を明確にし、生産・管理等に役立てる商品であればどのようなものにも適用することができる。例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。これらの例に関して図12を用いて説明する。
【0082】
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指す(図12(A))。証書類とは、運転免許証、住民票等を指す(図12(B))。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す(図12(C))。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指す(図12(D))。書籍類とは、書物、本等を指す(図12(E))。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指す(図12(F))。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指す(図12(G))。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指す(図12(H))。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話機等を指す。
【0083】
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類等に半導体装置80を設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体等、身の回り品、食品類、生活用品類、電子機器等に半導体装置80を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類等に半導体装置80を設けることにより、偽造や盗難の防止、薬品類ならば、薬の服用の間違いを防止することができる。半導体装置80の設け方としては、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして設ける。例えば、本ならば紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。可撓性を有する半導体装置を用いることによって、紙等に設けた場合であっても、上記実施の形態で示した構造を有する半導体装置を用いて半導体装置を設けることにより、当該半導体装置に含まれる素子の破損等を防止することができる。
【0084】
このように、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に半導体装置を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また乗物類に半導体装置を設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物にセンサーを備えた半導体装置を埋め込むことによって、生まれた年や性別または種類等はもちろん体温等の健康状態を容易に管理することが可能となる。
【0085】
なお、本実施の形態は、本明細書の他の実施の形態で示した半導体装置の構成や作製方法と組み合わせて行うことができる。つまり、上記実施の形態で示した半導体装置の構成を本実施の形態で示した半導体装置に適用することができる。
【0086】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態3で示した非接触でデータの入出力が可能である半導体装置の作製方法に関して図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では、薄膜トランジスタ等の素子を一度支持基板(仮基板)に設けた後、可撓性を有する基板に転置して半導体装置を作製する場合に関して説明する。また、本実施の形態では、一つの基板(支持基板)に集積回路部が設けられたチップを複数(ここでは、縦4個×横3個)形成し、複数の半導体装置を作製する場合について説明する。以下の説明において、図6、図7は上面図の模式図であり、図8、図9は図6、図7におけるA−B間の断面図の模式図である。
【0087】
まず、基板101の一表面に剥離層301を形成し、続けて下地となる絶縁膜102を介して島状の半導体膜103a、103b、203a、203bを形成する(図6(A)、図8(A)参照)。なお、以下の工程において、図6(A)に示された複数の領域320にそれぞれ半導体装置を構成する集積回路及びアンテナが形成されるものとして説明する。
【0088】
なお、本工程では、剥離層301を基板101の全面に設けているが、必要に応じて、基板101の全面に剥離層を設けた後に、フォトリソグラフィ法により剥離層301を選択的に設けてもよい。また、基板101に接するように剥離層301を形成しているが、必要に応じて、基板101に接するように酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜等の絶縁膜を形成し、当該絶縁膜に接するように剥離層301を形成してもよい。
【0089】
剥離層301は、金属膜や金属膜と金属酸化膜の積層構造等を用いることができる。金属膜としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選択された元素または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる膜を単層又は積層して形成する。また、これらの材料は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法等を用いて形成することができる。金属膜と金属酸化膜の積層構造としては、上述した金属膜を形成した後に、酸素雰囲気化またはNO雰囲気下におけるプラズマ処理、酸素雰囲気化またはNO雰囲気下における加熱処理を行うことによって、金属膜表面に当該金属膜の酸化物または酸化窒化物を設けることができる。また、金属膜を形成した後に、オゾン水等の酸化力の強い溶液で表面を処理することにより、金属膜表面に当該金属膜の酸化物又は酸化窒化物を設けることができる。
【0090】
次に、上記実施の形態で説明した図3(B)〜図5(B)と同様の工程を経た後、絶縁膜113、導電膜114を覆うように絶縁膜302を形成し、当該絶縁膜302上にアンテナとして機能する導電膜303を形成する(図6(B)、図8(B)参照)。
【0091】
絶縁膜302は、スパッタ法、CVD法、SOG法、液滴吐出法等により、珪素の酸化物や珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ、シロキサン等の有機材料等で形成する。
【0092】
導電膜303は、CVD法、スパッタ法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層構造又は積層構造で形成する。
【0093】
次に、薄膜トランジスタ220、221、メモリ素子120、容量素子121、アンテナとして機能する導電膜303等を含む素子形成層310を基板101から剥離する。
【0094】
まず、導電膜303を覆うように絶縁膜304を形成した後、レーザー光を照射することにより開口部305を形成する(図6(C)、図8(C)参照)。続いて、素子形成層310の一方の面(ここでは、絶縁膜304の表面)を第1のシート材料306に貼り合わせた後、基板101から素子形成層310を剥離する(図9(A)参照)。第1のシート材料306としては、ホットメルトフィルム等のプラスチックフィルムを用いることができる。また、後に第1のシート材料306を剥離する場合には、熱を加えることにより粘着力が弱まる熱剥離テープを用いることができる。
【0095】
なお、剥離する際に水やオゾン水等の水溶液で剥離する面を濡らしながら行うことによって、薄膜トランジスタ220、221、メモリ素子120、容量素子121等の素子が静電気等によって破壊されることを防止できる。また、素子形成層310が剥離された基板101を再利用することによって、低コスト化を実現することができる。
【0096】
次に、素子形成層310の他方の面(基板101からの剥離により露出した面)に第2のシート材料307を貼り合わせて設ける(図7(A)、図9(B)参照)。第2のシート材料307は、可撓性を有する基板を用いることができ、例えば、プラスチック基板を適用することができる。
【0097】
次に、第2のシート材料307が設けられた素子形成層310をダイシング、スクライビング又はレーザーカット法等により分断することによって、複数の半導体装置を得ることができる(図7(B)、図10参照)。なお、ここでは、第2のシート材料307を貼り合わせると同時又は貼り合わせた後に第1のシート材料306を剥離する場合を示しているが、第1のシート材料306を残した構成としてもよい。
【0098】
本実施の形態では、基板101上に薄膜トランジスタやアンテナ等の素子を形成した後、当該基板101から剥離することによって可撓性を有する半導体装置を作製する場合について示したが、これに限られない。例えば、基板101上に剥離層301を設けずに作製してもよい。
【0099】
なお、本実施の形態では、トランジスタとして薄膜トランジスタを用いた例を示したが、これに限られず様々な形態のトランジスタを適用させることが出来る。よって、適用可能なトランジスタの種類に限定はない。したがって、非晶質シリコンや多結晶シリコンに代表される非単結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT)に限られず、半導体基板やSOI基板を用いて形成されるトランジスタ、MOS型トランジスタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、ZnO、a−InGaZnOなどの化合物半導体を用いたトランジスタ、有機半導体やカーボンナノチューブを用いたトランジスタ、その他のトランジスタを適用することができる。なお、非単結晶半導体膜には水素またはハロゲンが含まれていてもよい。
【0100】
また、トランジスタの構成は、様々な形態をとることができる。特定の構成に限定されない。例えば、ゲート本数が2本以上になっているマルチゲート構造を用いてもよい。マルチゲート構造にすることにより、オフ電流の低減や、トランジスタの耐圧を向上させて信頼性を良くし、飽和領域で動作する時に、ドレイン・ソース間電圧が変化しても、ドレインとソース間電流があまり変化せず、フラットな特性にすることができる。また、LDD領域があってもよい。LDD領域を設けることにより、オフ電流の低減や、トランジスタの耐圧を向上させて信頼性を良くし、飽和領域で動作する時に、ドレインとソース間電圧が変化しても、ドレインとソース間電流があまり変化せず、フラットな特性にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【図2】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【図3】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【図4】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【図5】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【図6】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【図7】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【図8】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【図9】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【図10】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【図11】本発明の半導体装置の使用形態の一例を示す図。
【図12】本発明の半導体装置の使用形態の一例を示す図。
【符号の説明】
【0102】
80 半導体装置
81 高周波回路
82 電源回路
83 リセット回路
84 クロック発生回路
85 データ復調回路
86 データ変調回路
87 制御回路
88 記憶回路
89 アンテナ
91 コード抽出回路
92 コード判定回路
93 CRC判定回路
94 出力ユニット回路
101 基板
102 絶縁膜
103 半導体膜
105 導電膜
106 レジスト
107 不純物領域
108 絶縁膜
109 導電膜
110 レジスト
111 不純物領域
112 絶縁膜
113 絶縁膜
114 導電膜
120 メモリ素子
121 容量素子
211 不純物領域
212 不純物領域
220 薄膜トランジスタ
301 剥離層
302 絶縁膜
303 導電膜
304 絶縁膜
305 開口部
306 シート材料
307 シート材料
320 領域
310 素子形成層
102a 半導体膜
103a 半導体膜
103b 半導体膜
104a 絶縁膜
104b 絶縁膜
105a 導電膜
105b 導電膜
109a 導電膜
111a 不純物領域
112a 不純物領域
112b 不純物領域
203a 半導体膜
203b 半導体膜
204a 絶縁膜
204b 絶縁膜
209a 導電膜
209b 導電膜
210a レジスト
210b レジスト
3200 リーダ/ライタ
3210 表示部
3220 品物
3230 半導体装置
3240 リーダ/ライタ
3250 半導体装置
3260 商品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に第1の半導体膜と、第2の半導体膜を形成し、
前記第1の半導体膜及び前記第2の半導体膜を覆って第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の半導体膜及び前記第2の半導体膜上に、前記第1の絶縁膜を介してそれぞれ第1の導電膜及び第2の導電膜を形成し、
前記第1の導電膜を覆って第2の絶縁膜を形成し、
前記第1の半導体膜上に設けられた前記第1の導電膜上に前記第2の絶縁膜を介して第3の導電膜を選択的に形成し、
前記第1の半導体膜に前記第3の導電膜をマスクとして不純物元素を導入し、前記第2の半導体膜に前記第2の導電膜を通して前記不純物元素を導入することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項2】
基板上に第1の半導体膜と、第2の半導体膜と、第3の半導体膜を形成し、
前記第1の半導体膜、前記第2の半導体膜及び前記第3の半導体膜を覆って第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の半導体膜及び前記第2の半導体膜上に、前記第1の絶縁膜を介してそれぞれ第1の導電膜及び第2の導電膜を選択的に形成し、
前記第3の半導体膜上に設けられた前記第1の絶縁膜を除去し、
前記第1の導電膜、前記第2の導電膜及び前記第3の半導体膜を覆って第2の絶縁膜を形成し、
前記第1の半導体膜上に設けられた前記第1の導電膜上に前記第2の絶縁膜を介して第3の導電膜を選択的に形成し、
前記第3の半導体膜上に前記第2の絶縁膜を介して第4の導電膜を選択的に形成し、
前記第1の半導体膜に前記第3の導電膜をマスクとして不純物元素を導入し、前記第3の半導体膜に前記第4の導電膜をマスクとして前記不純物元素を導入し、前記第2の半導体膜に前記第2の導電膜を通して前記不純物元素を導入することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項3】
基板上に第1の半導体膜と、第2の半導体膜と、第3の半導体膜を形成し、
前記第1の半導体膜、前記第2の半導体膜及び前記第3の半導体膜を覆って第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の半導体膜及び前記第2の半導体膜上に前記第1の絶縁膜を介してそれぞれ第1の導電膜及び第2の導電膜を選択的に形成し、
前記第3の半導体膜上に設けられた前記第1の絶縁膜を除去し、
前記第1の導電膜、前記第2の導電膜及び前記第3の半導体膜を覆って第2の絶縁膜を形成し、
前記第1の半導体膜上に設けられた前記第1の導電膜上に前記第2の絶縁膜を介して第3の導電膜を選択的に形成し、
前記第3の半導体膜上に前記第2の絶縁膜を介して第4の導電膜を選択的に形成し、
前記第1の半導体膜に前記第3の導電膜をマスクとして不純物元素を導入し、前記第3の半導体膜に前記第4の導電膜をマスクとして前記不純物元素を導入し、前記第2の半導体膜に前記第2の導電膜を通して前記不純物元素を導入し、
前記第3の導電膜、前記第4の導電膜及び前記2の絶縁膜を覆うように第3の絶縁膜を形成し、
前記第3の絶縁膜上にアンテナとして機能する導電膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記基板として、ガラス基板、プラスチック基板又はSOI基板を用いることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項5】
基板上に島状に形成された第1の半導体膜と、第2の半導体膜と、
前記第1の半導体膜及び前記第2の半導体膜上に設けられた第1の絶縁膜と、
前記第1の半導体膜及び前記第2の半導体膜上に前記第1の絶縁膜を介してそれぞれ設けられた第1の導電膜及び第2の導電膜と、
前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜上に設けられた第2の絶縁膜と、
前記第1の導電膜上に前記第2の絶縁膜を介して設けられた第3の導電膜とを有し、
前記第1の半導体膜、前記第1の絶縁膜、前記第1の導電膜、前記第2の絶縁膜及び前記第3の導電膜の積層により不揮発性メモリ素子が構成され、
前記第2の半導体膜、前記第1の絶縁膜及び前記第2の導電膜の積層により容量素子が構成され、
前記第2の導電膜の下方に位置する前記第2の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度が、前記第1の導電膜の下方に位置する前記第1の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度より高いことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
基板上に島状に形成された第1の半導体膜と、第2の半導体膜と、第3の半導体膜と、
前記第1の半導体膜及び前記第2の半導体膜上に設けられた第1の絶縁膜と、
前記第1の半導体膜及び前記第2の半導体膜上に前記第1の絶縁膜を介してそれぞれ設けられた第1の導電膜及び第2の導電膜と、
前記第1の導電膜、前記第2の導電膜及び前記第3の半導体膜上に設けられた第2の絶縁膜と、
前記第1の導電膜上に前記第2の絶縁膜を介して設けられた第3の導電膜と、
前記第3の半導体膜上に前記第2の絶縁膜を介して設けられた第4の導電膜とを有し、
前記第1の半導体膜、前記第1の絶縁膜、前記第1の導電膜、前記第2の絶縁膜及び前記第3の導電膜の積層により不揮発性メモリ素子が構成され、
前記第2の半導体膜、前記第1の絶縁膜及び前記第2の導電膜の積層により容量素子が構成され、
前記第3の半導体膜、前記第2の絶縁膜及び前記第4の導電膜の積層により薄膜トランジスタが構成され、
前記第2の導電膜の下方に位置する前記第2の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度が、前記第1の導電膜の下方に位置する前記第1の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度及び前記第4の導電膜の下方に位置する前記第3の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度より高いことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
基板上に島状に形成された第1の半導体膜と、第2の半導体膜と、第3の半導体膜と、
前記第1の半導体膜及び前記第2の半導体膜上に設けられた第1の絶縁膜と、
前記第1の半導体膜及び前記第2の半導体膜上に前記第1の絶縁膜を介してそれぞれ設けられた第1の導電膜及び第2の導電膜と、
前記第1の導電膜、前記第2の導電膜及び前記第3の半導体膜上に設けられた第2の絶縁膜と、
前記第1の導電膜上に前記第2の絶縁膜を介して設けられた第3の導電膜と、
前記第3の半導体膜上に前記第2の絶縁膜を介して設けられた第4の導電膜と、
前記第3の導電膜、前記第4の導電膜及び前記第2の絶縁膜を覆って設けられた第3の絶縁膜と、
前記第3の絶縁膜上に設けられたアンテナとして機能する導電膜とを有し、
前記第1の半導体膜、前記第1の絶縁膜、前記第1の導電膜、前記第2の絶縁膜及び前記第3の導電膜の積層により不揮発性メモリ素子が構成され、
前記第2の半導体膜、前記第1の絶縁膜及び前記第2の導電膜の積層により容量素子が構成され、
前記第3の半導体膜、前記第2の絶縁膜及び前記第4の導電膜の積層により薄膜トランジスタが構成され、
前記第2の導電膜の下方に位置する前記第2の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度が、前記第1の導電膜の下方に位置する前記第1の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度及び前記第4の導電膜の下方に位置する前記第3の半導体膜の領域に含まれる不純物元素の濃度より高いことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれか一項において、
前記基板は、ガラス基板、プラスチック基板又はSOI基板であることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−244460(P2008−244460A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42587(P2008−42587)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】