説明

車両用運転操作補助装置、車両用運転操作補助方法および自動車

【課題】より運転者の意図に整合する運転操作支援を行うこと。
【解決手段】本発明に係る自動車では、制御仮値設定手段が、自車両のリスクが縮小する方向に車両制御手段における車両制御の仮値を設定し、仮値に基づいて車両制御手段が実行した車両制御に対する運転者の応答操作を応答検出手段が検出する。制御本値設定手段は、応答検出手段によって検出された運転者の応答操作に基づいて、車両制御の本値を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置、車両用運転操作補助方法および自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用運転操作補助装置として、操舵操作の反力や、アクセルペダルあるいはブレーキペダルの操作反力を制御する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、車両周囲の状況(障害物)を検出し、その時点におけるリスクポテンシャルを求め、算出したリスクポテンシャルに基づいて操舵補助トルクを制御する技術が記載されている。
このような制御を行うことにより、特許文献1に記載された技術においては、運転者に車両周囲の状況を認識させ、適切な運転を支援することととしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−211886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術を含め、従来の車両用運転操作補助装置においては、運転者に対して装置が行う支援制御の内容と、運転者の意図とが一致しない場合がある。
このような場合、例えば、運転者が明確な意思表示の下に操舵操作を行おうとしても、装置が付与する反力によって操舵操作が妨げられ、運転者の意図に沿わない制御となる。
このように、運転者の操作を補助する従来の技術においては、運転者の意図に整合する運転操作支援を行うことが困難であった。
本発明の課題は、より運転者の意図に整合する運転操作支援を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明に係る車両用運転操作補助装置は、
制御仮値設定手段が、自車両のリスクが縮小する方向に車両制御手段における車両制御の仮値を設定し、仮値に基づいて車両制御手段が実行した車両制御に対する運転者の応答操作を応答検出手段が検出する。制御本値設定手段は、応答検出手段によって検出された運転者の応答操作に基づいて、車両制御の本値を設定する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、車両制御手段による車両制御において、車両制御の仮値に対する運転者の応答を反映させた制御値に近づけることができる。
したがって、より運転者の意図に整合する運転操作支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態に係る車両用運転操作補助装置1を備えた自動車1Aの概略構成図である。
【図2】自動車1Aの制御系統を示すシステム構成図である。
【図3】操舵反力制御を行う際の減衰力算出制御マップを示す図である。
【図4】自動車1Aが有する能動型サスペンション機構の具体的な構成を示す図である。
【図5】コントローラ50が実行するリスクポテンシャル算出処理を示すフローチャートである。
【図6】コントローラ50が実行する操舵操作支援処理を示すフローチャートである。
【図7】リスクポテンシャルRPと仮反力テーブルの値Ftbとの関係を示す図である。
【図8】リスクポテンシャルRPと反力補正ベース値との関係を示す図である。
【図9】運転者の操舵速度と補正係数αとの関係を示す図である。
【図10】第2実施形態における操舵操作支援処理における制御量の変化を示す概念図である。
【図11】図10に示す制御量の変化に対応する制御状態を示す模式図である。
【図12】自車位置あるいは自車前方位置における車線境界線との間隔の逆数を基にリスクポテンシャルRPを算出する場合の概念を示す図である。
【図13】コントローラ50が実行する操舵操作支援処理を示すフローチャートである。
【図14】リスクポテンシャルRPと仮反力テーブルの値Ftbとの関係を示す図である。
【図15】リスクポテンシャルRPと反力補正ベース値との関係を示す図である。
【図16】運転者の操舵速度と補正係数αとの関係を示す図である。
【図17】実施形態における操舵操作支援処理における制御量の変化を示す概念図である。
【図18】図17に示す制御量の変化に対応する制御状態を示す模式図である。
【図19】コントローラ50が実行する操舵操作支援処理を示すフローチャートである。
【図20】コントローラ50が実行する本反力値算出処理を示すフローチャートである。
【図21】運転者の反応値と仮反力値とに対する補正値を格納した補正値テーブルを示す概念図である。
【図22】第3実施形態における操舵操作支援処理における制御状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図を参照して本発明を適用した自動車の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用運転操作補助装置1を備えた自動車1Aの概略構成図である。
図1において、自動車1Aは、車輪2FR,2FL,2RR,2RLと、車体3と、車体3と各車輪との間に設置された能動型のサスペンション4FR,4FL,4RR,4RLと、ステアリングホイール5と、ステアリングホイール5と操向輪である車輪2FR,2FLとの間に設置されたステアリング装置6と、アクセルペダル7と、ブレーキペダル8と、車体3の前後左右それぞれに設置され、車両の周囲を撮影するカメラ9F,9R,9SR,9SLとを備えており、自動車1Aに搭載された各種機器からの信号は、後述するコントローラ50に入力されている。
【0009】
図2は、自動車1Aの制御系統を示すシステム構成図である。
図2において、自動車1Aの制御系統は、レーザレーダ10と、カメラ9F,9R,9SR,9SLと、車速センサ30と、コントローラ50と、操舵反力制御装置60と、サーボモータ61,81,91と、舵角センサ62と、アクセルペダル反力制御装置80と、ブレーキペダル反力制御装置90と、駆動力制御装置100と、制動力制御装置110と、能動型のサスペンション4FR,4FL,4RR,4RLそれぞれに備えられたアクチュエータ120FR,120FL,120RR,120RLおよび車体上下加速度検出器130FR,130FL,130RR,130RLと、車両状態検出器140とを備えている。
【0010】
なお、これらのうち、レーザレーダ10、カメラ9F,9R,9SR,9SL、車速センサ30、コントローラ50、操舵反力制御装置60、サーボモータ61,81,91、舵角センサ62、アクセルペダル反力制御装置80、ブレーキペダル反力制御装置90、駆動力制御装置100、制動力制御装置110、アクチュエータ120FR,120FL,120RR,120RL、車体上下加速度検出器130FR,130FL,130RR,130RL、車両状態検出器140は、本発明に係る車両用運転操作補助装置1を構成している。
【0011】
レーザレーダ10は、車両の前方のグリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを走査する。
レーザレーダ10は、前方にある複数の反射物(通常、前方車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を検出し、反射波の到達時間より、複数の前方車までの車間距離とその存在方向を検出する。検出した車間距離および存在方向はコントローラ50へ出力される。
【0012】
なお、本実施の形態において、前方物体の存在方向は、自車両正面に対する相対角度として表すことができる。レーザレーダ10によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6deg程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
また、レーザレーダ10は、前方車両までの車間距離およびその存在方向だけでなく、自車前方に存在する歩行者等の障害物までの相対距離およびその存在方向を検出する。
【0013】
カメラ9Fは、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCD(Charge Coupled Devices)カメラ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等の撮像装置であり、前方道路の状況を画像として検出し、検出した画像をコントローラ50に出力する。カメラ9Fによる検知領域は水平方向に±30deg程度であり、この領域に含まれる前方道路風景が画像として取り込まれる。
【0014】
また、カメラ9SR,9SLは、それぞれ左右の後部ドア上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、もしくはCMOSカメラ等の撮像装置である。カメラ9SR,9SLは、自車側方の状況、特に隣接車線上の状況を画像として検出し、検出した画像をコントローラ50に出力する。なお、カメラ9SR,9SLは、前方を撮影するカメラ9Fに比して、より広範な領域を撮影するため、その検知領域は水平方向に±60deg程度となっている。
【0015】
さらに、カメラ9Rは、リアウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、またはCMOSカメラ等の撮像装置であり、後方道路の状況を画像として検出し、検出した画像をコントローラ50に出力する。カメラ9Rによる検知領域は、カメラ9Fと同様に、水平方向に±30deg程度であり、この領域に含まれる後方道路風景が画像として取り込まれる。
車速センサ30は、車輪の回転数等から自車両の走行車速を検出し、検出した車速をコントローラ50へ出力する。
【0016】
コントローラ50は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等のCPU周辺部品とから構成され、車両用運転操作補助装置1および自動車1Aの制御系統全体の制御を行う。
コントローラ50は、車速センサ30から入力される自車速と、レーザレーダ10から入力される距離情報と、カメラ9F,9R,9SR,9SLから入力される車両周辺の画像情報とから、自車両周囲の障害物状況を検出する。
なお、コントローラ50は、カメラ9F,9R,9SR,9SLから入力される画像情報を画像処理することにより自車両周囲の障害物状況を検出する。
【0017】
ここで、自車両周囲の障害物状況としては、自車両前方を走行する他車両までの車間距離、隣接車線を自車両後方から接近する他車両の有無と接近度合、および車線識別線(白線)に対する自車両の左右位置、つまり相対位置と角度、さらに車線識別線の形状などを挙げることができる。また、自車両前方を横断する歩行者や二輪車等も障害物状況として検出される。
【0018】
コントローラ50は、検出した障害物状況に基づいて各障害物に対する自車両のリスクポテンシャル(障害物に対する自車両の接近度合を表す物理量)を算出する。さらに、コントローラ50は、それぞれの障害物に対するリスクポテンシャルを総合して自車両周囲の総合的なリスクポテンシャルを算出し、後述するようにリスクポテンシャルに応じて、車両の左右方向の制御(操舵反力あるいは操舵角の制御)、前後方向(制駆動力の制御あるいはアクセルペダルとブレーキペダルの操作反力の制御)、上下方向(能動型サスペンションの油圧あるいはサスペンションストロークの制御)について協調制御を行う。
【0019】
ここで、本実施形態においては、コントローラ50が、総合的なリスクポテンシャルに基づいて車両の前後および左右の制御を行うものである。このとき、コントローラ50は、運転操作支援を行う上で、車両用運転操作補助装置1が運転者に対して行う制御が運転者の意図に沿うものとなるよう運転操作支援を行う。
具体的には、コントローラ50は、自車両に発生する制駆動力、運転操作のために運転者が操作する運転操作機器に発生する操作反力を制御する。運転操作機器とは、例えば運転者が自車両を加速したり減速したりするときに操作するアクセルペダル7やブレーキペダル8、あるいは、運転者が自車両の方向転換を行うときに操作するステアリングホイール5である。
【0020】
能動型サスペンション4FR,4FL,4RR,4RLの減衰特性について、コントローラ50は、能動型サスペンション4FR,4FL,4RR,4RLに備えられたダンパの圧力制御あるいはサスペンションストロークの制御を行う。
即ち、コントローラ50には、車体上下加速度検出器130FR,130FL,130RR,130RLから出力された上下加速度検出信号X”2FL〜X”2RRが入力される。
【0021】
そして、コントローラ50は、車体上下加速度検出信号X"に所定のゲインKmを乗算する。
また、コントローラ50は、車体上下加速度について設定されたゲインKnと車体上下加速度検出信号の積分値∫dtとを乗算する。さらに、コントローラ50は、これらの乗算結果を加算し、この加算結果を各能動型サスペンション4FR,4FL,4RR,4RLそれぞれのダンパにおける油圧制御用のアクチュエータ120FR,120FL,120RR,120RLの指令値とする。
【0022】
操舵反力制御装置60は、車両の操舵系に組み込まれ、コントローラ50からの指令に応じて、サーボモータ61で発生させるトルクを制御する。サーボモータ61は、操舵反力制御装置60からの指令値に応じて発生させるトルクを制御し、運転者がハンドルを操作する際に発生する操舵反力を目標値に制御することができる。
ここで、コントローラ50は、リスクポテンシャルに応じた操舵反力制御を行うが、リスクポテンシャルに応じて操舵反力を付与する場合、図3に示す減衰力算出制御マップを用いることができる。
【0023】
この場合、操舵角速度θ’および発生トルクTHから、操舵反力TRに付加する減衰力TDを算出する。この減衰力算出制御マップは、図3に示すように、横軸に操舵角速度θ’を、縦軸に減衰力TDをそれぞれとり、操舵角速度θ’が0(零)から正方向に増加するときに、これに比例して減衰力TD0(零)から負方向に減少し、一方、操舵角速度θ’が0(零)から負方向に減少するときに、これに比例して減衰力TDが0(零)から正方向に増加するように設定されている。さらに、発生トルクTHが大きいほど、操舵角速度θ’の増加率(または減少率)に対する減衰力TDの減少率(又は増加率)が大きくなるように構成されている。
【0024】
舵角センサ62は、ステアリングコラムもしくはステアリングホイール付近に取り付けられた角度センサ等であり、ステアリングシャフトの回転を操舵角として検出し、コントローラ50へ出力する。
アクセルペダル7には、アクセルペダル7の踏み込み量(操作量)を検出するアクセルペダルストロークセンサ(不図示)が設けられている。アクセルペダルストロークセンサによって検出されたアクセルペダル操作量はコントローラ50に出力される。
【0025】
アクセルペダル反力制御装置80は、コントローラ50からの指令に応じて、アクセルペダル82のリンク機構に組み込まれたサーボモータ81で発生させるトルクを制御する。サーボモータ81は、アクセルペダル反力制御装置80からの指令値に応じて発生させる反力を制御し、運転者がアクセルペダル82を操作する際に発生する踏力を目標値に制御することができる。
【0026】
ブレーキペダル8には、その踏み込み量(操作量)を検出するブレーキペダルストロークセンサ(不図示)が設けられている。ブレーキペダルストロークセンサによって検出されたブレーキペダル操作量もコントローラ50に出力される。
ブレーキペダル反力制御装置90は、コントローラ50からの指令に応じて、ブレーキブースタで発生させるブレーキアシスト力を制御する。ブレーキブースタは、ブレーキペダル反力制御装置90からの指令値に応じて発生させるブレーキアシスト力を制御し、運転者がブレーキペダル8を操作する際に発生する踏力を目標値に制御することができる。ブレーキアシスト力が大きいほどブレーキペダル操作反力は小さくなり、ブレーキペダル8を踏み込みやすくなる。
【0027】
駆動力制御装置100は、エンジンコントローラを有し、コントローラ50からの指令に応じてエンジントルクを制御する。
制動力制御装置110は、ブレーキ液圧コントローラを有し、コントローラ50からの指令に応じてブレーキ液圧を制御する。
車両状態検出器140は、横加速度センサ、ヨーレートセンサ、アクセル開度センサ、ブレーキ圧センサ等、自車両の状態を検出する各種センサを備えており、検出した横加速度(以下、適宜「横G」と称する。)、ヨーレート、アクセル開度ACCおよびブレーキ圧BRK等の検出値を、コントローラ50に出力する。
【0028】
(能動型サスペンション機構の具体的構成)
図4は、自動車1Aが有する能動型サスペンション機構の具体的な構成を示す図である。
図4において、能動型サスペンション4FR,4FL,4RR,4RLは、それぞれ車体側部材12と各車輪2FR,2FL,2RR,2RLを個別に支持する車輪側部材14との間に介装された能動型サスペンションであって、アクチュエータ120FR,120FL,120RR,120RLと、コイルスプリング16FR,16FL,16RR,16RLと、アクチュエータ120FR,120FL,120RR,120RLに対する作動油圧をコントローラ50からの指令値にのみ応動して制御する圧力制御弁17FR,17FL,17RR,17RLとを備えている。また、能動型サスペンション4FR,4FL,4RR,4RLは、圧力制御弁17FL〜17RRと油圧源24との間の油圧配管25の途中に接続した高圧側アキュムレータ28Hと、圧力制御弁17FL〜17RRと油圧シリンダ15FL〜15RRとの間の油圧配管27に絞り弁28Vを介して連通した低圧側アキュムレータ28Lとを備えている。
【0029】
ここで、アクチュエータ120FR,120FL,120RR,120RLのそれぞれは、そのシリンダチューブ15aが車体側部材12に取付けられ、ピストンロッド15bが車輪側部材14に取付けられ、ピストン15cによって閉塞された上側圧力室B内の作動油圧が圧力制御弁17FL〜17RRによって制御される。また、コイルスプリング16FL〜16RRのそれぞれは、車体側部材12と車輪側部材14との間にアクチュエータ120FR,120FL,120RR,120RLと並列に装着されて車体の静荷重を支持している。なお、これらコイルスプリング16FL〜16RRは、車体の静荷重を支えるのみの低いバネ定数のものでよい。
【0030】
圧力制御弁17FL〜17RRは、上側圧力室Bの圧力が上昇(又は減少)すると、これに応じて上側圧力室Bの圧力を減圧(又は昇圧)し、上向きの振動入力による上側圧力室Bの圧力上昇(又は下向きの振動入力による上側圧力室Bの圧力減少)を抑制する。これにより、車体側部材12に伝達される振動入力を低減することができる。
一方、車体3には、各車輪2FR,2FL,2RR,2RLの直上部に車体上下加速度検出器130FR,130FL,130RR,130RLが配設され、これら車体上下加速度検出器130FR,130FL,130RR,130RLの車体上下加速度検出信号X”2FL〜X”2RRがコントローラ50に入力される。
【0031】
コントローラ50は、能動型サスペンション4FR,4FL,4RR,4RLの圧力制御を行うサスペンション制御部50aを有している。
サスペンション制御部は、車体上下加速度検出信号X”2FL〜X”2RRそれぞれに所定のゲインKmを乗算するゲイン調整機能と、所定のゲインKnと車体上下加速度検出信号X”2FL〜X”2RRそれぞれとの積分値∫dtとを乗算する車体上下速度算出兼ゲイン調整機能と、ゲイン調整機能および車体上下速度算出兼ゲイン調整機能の出力を加算する加算機能とを有しており、加算機能による加算出力が圧力制御弁17FL〜17RRの指令値V4FL〜V4RRとして各圧力制御弁17FL〜17RRに供給される。
【0032】
コントローラ50のサスペンション制御部50aにおいては、図4に示すように、車体上下加速度検出値X"2FL〜X"2RRが積分器51に供給され、その積分値でなる車体上下速度検出値X’2FL〜X’2RRが所定のゲインKnが設定された増幅器52で増幅される。一方、車体上下加速度検出値X"2FL〜X"2RRは所定の増幅度Kmが設定された増幅器53に供給されて増幅され、増幅器52,53の増幅出力が加算器54に入力されて加算される。さらに、車体上下加速度検出値X"2FL〜X"2RRは、例えばウインドコンパレータの構成を有する比較器55にも供給され、この比較器55で上下加速度検出値X"2FL〜X"2RRが所定の上限値および下限値内に収まっているときに例えば論理値"1”の比較出力が出力され、この比較出力がタイマ回路56に供給される。このタイマ回路56は、論理値"1”の比較出力が所定時間継続しているか否かを判定し、所定時間継続している場合に、論理値"1”のリセット信号RSを積分器51に出力し、積分器51の蓄積データをリセットする。
【0033】
このような構成の能動型サスペンション4FR,4FL,4RR,4RLにおいて、コントローラ50のサスペンション制御部50aが車体上下加速度検出信号X”2FL〜X”2RRに関するゲインKmおよび車体上下速度検出値X’2FL〜X’2RRに関するゲインKnを変更することで、路面から車体3に入力される振動をほぼ打ち消すように制御したり、路面から車体3に入力される振動をそのまま伝えたりすることができる。また、路面入力に拠らない圧力制御弁17FL〜17RRの指令値V4FL〜V4RRを生成することで、路面からの振動を抑制する以外の動作(例えば、車体のロールあるいはピッチの制御)を能動型サスペンション4FR,4FL,4RR,4RLに行わせることもできる。
【0034】
(コントローラ50における処理)
次に、コントローラ50が実行する各種処理について説明する。
本実施形態において、自動車1Aは、リスクポテンシャルRPに応じて路面からのノイズを除去する度合いを変化させて、そのリスクポテンシャルRPに対応した車両前後方向および左右方向の運転操作補助を行う。
したがって、初めに、これらの制御において用いられるリスクポテンシャルRPを算出するためのリスクポテンシャル算出処理について説明する。
【0035】
(リスクポテンシャル算出処理)
図5は、コントローラ50が実行するリスクポテンシャル算出処理を示すフローチャートである。
コントローラ50は、車両用運転操作補助装置1による運転操作補助の開始を運転者が指示入力することに対応して、リスクポテンシャル算出処理を開始する。
図5において、リスクポテンシャル算出処理を開始すると、コントローラ50は、まず、自車両の走行状態を読み込む(ステップS1)。
【0036】
ここで、走行状態は、自車周囲の障害物状況を含む自車両の走行状況に関する情報である。具体的には、レーザレーダ10で検出される前方走行車までの相対距離および相対角度、また、前方カメラ9Fからの画像入力に基づく自車両に対する白線の相対位置(すなわち左右方向の変位と相対角度)、白線の形状および前方走行車までの相対距離と相対角度を読み込み、さらに、カメラ9R,9SR,9SLからの画像入力に基づく隣接車線後方に存在する走行車両までの相対距離および相対角度を読み込む。さらに、車速センサ30によって検出される車速を読み込む。また、カメラ9F,9R,9SR,9SLで検出される画像に基づいて、自車両周囲に存在する障害物の種別、つまり障害物が四輪車両、二輪車両、歩行者またはその他であるかを認識する。
【0037】
次に、コントローラ50は、ステップS1で読み込んだ走行状態のデータ(走行状態データ)に基づいて、現在の車両周囲状況を認識する(ステップS2)。
ここでは、前回の処理周期以前に検出し、不図示のメモリに記憶している自車両に対する各障害物の相対位置やその移動方向・移動速度と、ステップS1で得られた現在の走行状態データとにより、現在の各障害物の自車両に対する相対位置やその移動方向・移動速度を認識する。そして、自車両の走行に対して障害物となる他車両や白線が、自車両の周囲にどのように配置され、相対的にどのように移動しているかを認識する。
【0038】
次に、コントローラ50は、ステップS2において認識した各障害物に対する余裕時間TTC(Time To Collision)を障害物毎に算出する(ステップS3)。
障害物kに対する余裕時間TTCkは、次式(1)で求めることができる。
TTCk=(Dk−σ(Dk))/(Vrk+σ(Vrk)) (1)
ここで、Dk:自車両から障害物kまでの相対距離、Vrk:自車両に対する障害物kの相対速度、σ(Dk):相対距離のばらつき、σ(Vrk):相対速度のばらつき、をそれぞれ示す。
【0039】
相対距離、相対速度のばらつきσ(Dk)、σ(Vrk)は、検出器の不確定性や不測の事態が発生した場合の影響度合の大きさを考慮して、障害物kを認識したセンサの種類や、認識された障害物kの種別に応じて設定する。
レーザレーダ10は、カメラ、例えばCCD等によるカメラ9F,9R,9SR,9SLによる障害物の検出と比べて、検出距離、つまり自車両と障害物との相対距離の大きさによらず正しい距離を検出することができる。
【0040】
そこで、レーザレーダ10で障害物kまでの相対距離Dkを検出した場合は、相対距離Dkによらず、そのばらつきσ(Dk)をほぼ一定値に設定する。
一方、カメラ9F,9R,9SR,9SLで相対距離Dkを検出した場合は、相対距離Dkが大きくなるほどばらつきσ(Dk)が指数関数的に増加するように設定する。ただし、障害物kの相対距離Dkが小さい場合、レーザレーダで相対距離Dkを検出した場合に比べて、カメラによってより正確に相対距離を検出することができるので、相対距離のばらつきσ(Dk)を小さく設定する。
【0041】
例えば、レーザレーダ10で相対距離Dkを検出した場合、相対速度Vrkのばらつきσ(Vrk)は、相対速度Vrkに比例して大きくなるように設定する。一方、カメラ9F,9R,9SR,9SLで相対距離Dkを検出した場合、相対速度Vrkが大きくなるほど相対速度のばらつきσ(Vrk)が指数関数的に増加するように設定する。
カメラ9F,9R,9SR,9SLによって障害物状況を検出した場合、検出画像に画像処理を行うことによって障害物の種別を認識することができる。そこで、カメラ20,21によって障害物状況を検出した場合は、認識される障害物の種別に応じて相対距離、相対速度のばらつきσ(Dk)、σ(Vrk)を設定する。
【0042】
カメラ9F,9R,9SR,9SLによる相対距離Dkの検出は、障害物kの大きさが大きいほどその検出精度が高いため、障害物が四輪車両である場合の相対距離のばらつきσ(Dk)を二輪車両や歩行者の場合のばらつきσ(Dk)に比べて小さく設定する。
一方、相対速度のばらつきσ(Vrk)は、障害物k毎に想定される移動速度が大きいほど、ばらつきσ(Vrk)が大きくなるように設定する。つまり、四輪車両の移動速度は二輪車両や歩行者の移動速度よりも大きいと想定されるので、相対速度Vrkが同じ場合、障害物kが四輪車両である場合のばらつきσ(Vrk)は、二輪車両や歩行者の場合のばらつきσ(Vrk)に比べて大きく設定する。
【0043】
なお、レーザレーダ10とカメラ9F,9R,9SR,9SLの両方で障害物kを検出した場合は、例えば、値の大きな方のばらつきσ(Dk)、σ(Vrk)を用いてその障害物kに対する余裕時間TTCkを算出することができる。
次に、コントローラ50は、ステップS3で算出した余裕時間TTCkを用いて、各障害物kに対するリスクポテンシャルRPkを算出する(ステップS4)。
【0044】
ここで、各障害物kに対するリスクポテンシャルRPkは次式(2)で求められる。
RPk=(1/TTCk)×wk (2)
ここで、wk:障害物kの重みを示す。
(2)式に示すように、リスクポテンシャルRPkは余裕時間TTCkの逆数を用いて、余裕時間TTCkの関数として表されており、リスクポテンシャルRPkが大きいほど障害物kへの接近度合が大きいことを示している。
【0045】
障害物k毎の重みwkは、検出された障害物の種別に応じて設定する。例えば、障害物kが四輪車両、二輪車両あるいは歩行者である場合、自車両が障害物kに近接した場合の重要度、つまり影響度が高いため、重みwk=1に設定する。一方、障害物kが、路面に設置されたレーンマーカー等、接触しない対象物である場合には、重みwk=0.5に設定する。
【0046】
次に、コントローラ50は、ステップS4で算出した障害物k毎のリスクポテンシャルRPkから、車両前後方向の成分を抽出して加算し、車両周囲に存在する全障害物に対する総合的な前後方向リスクポテンシャルを算出する(ステップS5)。
前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalは、次式(3)で算出される。
RPlongitudinal=Σk(RPk×cosθk) (3)
ここで、θk:自車両に対する障害物kの存在方向を示し、障害物kが車両前方向、つまり自車正面に存在する場合、θk=0とし、障害物kが車両後方向に存在する場合、θk=180とする。
【0047】
続いて、コントローラ50は、ステップS4で算出した障害物k毎のリスクポテンシャルRPkから、車両左右方向の成分を抽出して加算し、車両周囲に存在する全障害物に対する総合的な左右方向リスクポテンシャルを算出する(ステップS6)。
左右方向リスクポテンシャルRPlateralは、次式(4)で算出される。
RPlateral=Σk(RPk×sinθk) (4)
【0048】
さらに、コントローラ50は、ステップS4で算出した障害物k毎のリスクポテンシャルRPkを全ての障害物kについて合計し、車両周囲の総合的なリスクポテンシャルRPを算出する(ステップS7)。
ステップS7の後、コントローラ50は、運転操作補助の終了を運転者が指示入力するまで、リスクポテンシャル算出処理を繰り返す。
なお、コントローラ50は、リスクポテンシャル算出処理において算出したリスクポテンシャルRP等のパラメータを、不図示のメモリに格納し、他の処理において利用可能な状態とする。
【0049】
(操舵操作支援処理)
次に、コントローラ50が運転者の操舵操作を支援するために実行する操舵操作支援処理について説明する。
図6は、コントローラ50が実行する操舵操作支援処理を示すフローチャートである。
操舵操作支援処理は、運転者が車両用運転操作補助装置1による運転操作補助の開始を指示入力することに対応して開始され、設定時間(例えば10ms)毎に割込みによって実行される。
操舵操作支援処理が開始されると、コントローラ50は、操舵操作支援処理の制御に用いるカウンタiが0であるか否かの判定を行う(ステップS101)。
【0050】
ここで、カウンタiには、初期値として0が設定されている。
ステップS101において、カウンタiが0であると判定した場合、コントローラ50は、リスクポテンシャル(RP)算出処理を実行する(ステップS102)。
次に、コントローラ50は、算出したリスクポテンシャルRPが閾値RP0以上であるか否かの判定を行う(ステップS103)。
ステップS103において、リスクポテンシャルRPが閾値RP0以上でないと判定した場合、コントローラ50は、操舵操作を支援するための操舵反力の仮制御値(以下、適宜「仮反力値」と称する。)を0に設定する(ステップS104)。
【0051】
一方、ステップS103において、リスクポテンシャルRPが閾値RP0未満であると判定した場合、コントローラ50は、仮反力値Ftmpの算出処理を実行する(ステップS105)。
ステップS105において、コントローラ50は、リスクポテンシャルRPを基に、予め記憶されている仮反力テーブルの値Ftbと、前回の制御周期において算出された反力の補正値Faとを加算して、仮反力値Ftmpを算出する。
【0052】
図7は、リスクポテンシャルRPと仮反力テーブルの値Ftbとの関係を示す図である。
図7に示すように、仮反力テーブルの値Ftbは、リスクポテンシャルRPが増大するほど大きい値となるように設定されている。
ステップS104およびステップS105の後、コントローラ50は、算出した仮反力値Ftmpに対応する制御量で操舵反力を発生させる(ステップS106)。
次いで、コントローラ50は、カウンタiに1を設定し(ステップS107)、ステップS101に戻る。
【0053】
また、ステップS101において、カウンタiが0でないと判定した場合、コントローラ50は、既に付与している操舵反力に対する運転者の反応を検出する(ステップS108)。
具体的には、コントローラ50は、運転操作支援のために操舵反力を付与した状態で、運転者が行った操舵操作(ここでは操舵速度)を検出する。
【0054】
次に、コントローラ50は、リスクポテンシャルRPと、運転者の操舵操作(操舵速度)を基に、操舵操作支援で主とする操舵反力の制御値(以下、「本反力値」と称する。)を算出する(ステップS109)。
ステップS110において、コントローラ50は、リスクポテンシャルRPに応じて定まる反力補正ベース値と、運転者の操舵速度に応じて定まる補正係数αとを乗算することにより、補正値Faを算出し、仮反力値Ftmpに補正値Faを加算することにより、本反力値Fpを算出する。
【0055】
図8は、リスクポテンシャルRPと反力補正ベース値との関係を示す図である。
図8に示すように、反力補正ベース値は、リスクポテンシャルRPが増大するほど大きい値となるように設定されている。
また、図9は、運転者の操舵速度と補正係数αとの関係を示す図である。
なお、図9おける操舵速度は、リスクポテンシャルRPが増大する方向を正として定義している。
【0056】
図9において、補正係数αは、リスクポテンシャルRPが増大する方向への操舵速度が高くなるほど大きい値となり、リスクポテンシャルRPが減少する方向への操舵速度が高くなるほど小さい値となる。
即ち、図9に示す補正係数αは、運転者がリスクポテンシャルRPを減少させる方向に操作している場合、補正値Faが負の値となるように作用する。
【0057】
次に、コントローラ50は、ステップS109において算出した本反力値Fpに対応する制御量で操舵反力を発生させる(ステップS110)。
次いで、コントローラ50は、カウンタiに0を設定し(ステップS111)、ステップS101に戻る。
このような処理を実行することにより、仮反力値および本反力値を交互に算出し、運転者の意図に沿う本反力値に近づけることができる。
【0058】
(動作)
次に、動作を説明する。
図10は、本実施形態における操舵操作支援処理における制御量の変化を示す概念図である。
また、図11は、図10に示す制御量の変化に対応する制御状態を示す模式図である。
なお、図10において、リスクポテンシャルRP,仮反力値Ftmp,本反力値Fp,補正値Faに付した数字は、第n回目(nは任意の自然数)の値であることを示している。
【0059】
図10に示すように、第1回目の制御周期では、リスクポテンシャルRP1に対し、仮反力テーブル値FtbであるFtmp1が第1回目の仮反力値として算出される。
この仮反力値Ftmp1で操舵反力を付与した後(図11の仮反力値1の出力)、運転者が操舵操作を行うことに対応して、第1回目の本反力値Fp1=Ftmp+Fa1が操舵反力として付与される(図11の本反力値1)。
【0060】
次に、第2回目の制御周期では、リスクポテンシャルRP2に対し、仮反力テーブル値FtbであるFtmp2と前回の補正値Fa1とが加算された値が第2回目の仮反力値として算出される。
この仮反力値Ftmp2と補正値Fa1を加算した値で操舵反力を付与した後(図11の仮反力値2)、運転者が操舵操作を行うことに対応して、第2回目の本反力値Fp2=Ftmp2+Fa1+Fa2が操舵反力として付与される(図11の本反力値2)。
【0061】
以下、車両用運転操作補助装置1は、同様の動作を繰り返す。
このように、仮反力値と本反力値とについての前回の補正値Faを累積的に加算していくことによって、制御周期毎の制御を滑らかにつなげることができる。
以上のように、本実施形態に係る自動車1Aは、リスクポテンシャルRPを基に算出した仮反力を付与し、運転者による操作を検出して、それに対応する補正量を加えて本反力とする。また、次の周期における仮反力として、そのときのリスクポテンシャルRPに基づく仮反力テーブルの値と、前回の周期における補正量とを加算した値に基づく反力値を付与する。
【0062】
そのため、車両用運転操作補助装置1が提示する操舵反力と、それに対する運転者の応答とを反映させた操舵反力値に近づけることができる。
また、仮反力値と本反力値とについての前回の補正値Faを累積的に加算していくことによって、制御周期毎の制御を滑らかにつなげることができる。
したがって、より運転者の意図に整合する運転操作支援を行うことが可能となる。
【0063】
なお、本実施形態において、カメラ9F,9R,9SR,9SLおよびコントローラ50が走行環境検出手段に対応し、車速センサ30および車両状態検出器140が走行状態検出手段に対応する。また、操舵反力制御装置60が車両制御手段に対応し、コントローラ50が制御仮値設定手段および制御本値設定手段に対応し、舵角センサ62およびコントローラ50が応答検出手段に対応する。また、コントローラ50が走行支援状態検出手段に対応する。
【0064】
(第1実施形態の効果)
(1)制御仮値設定手段が、自車両のリスクが縮小する方向に車両制御手段における車両制御の仮値を設定し、仮値に基づいて車両制御手段が実行した車両制御に対する運転者の応答操作を応答検出手段が検出する。制御本値設定手段は、応答検出手段によって検出された運転者の応答操作に基づいて、車両制御の本値を設定する。
そのため、車両制御手段による車両制御において、車両制御の仮値に対する運転者の応答を反映させた制御値に近づけることができる。
したがって、より運転者の意図に整合する運転操作支援を行うことができる。
【0065】
(2)走行支援状態検出手段が走行支援状態を検出し、制御仮値設定手段が走行支援状態に応じて車両制御の仮値を設定する。
そのため、走行支援状態に対する運転者の意図を反映させて車両制御の仮値を設定することができる。
したがって、より運転者の意図に整合する運転操作支援を行うことができる。
(3)制御仮値設定手段は、リスクポテンシャルと運転者の応答操作とに基づいて、車両制御の仮値を設定する。
そのため、現在の走行状況に合致した車両制御の仮値としつつ、制御周期毎の制御を滑らかにつなげることができる。
【0066】
(応用例1)
本実施形態において、リスクポテンシャルの算出方法を以下のようにすることができる。
即ち、前方車両から一定範囲に近接するまでの到達時間Txおよび前方車両との距離がゼロとなる接触時間Twの逆数を基に、RP=La/Tx+Lb/TwとしてリスクポテンシャルRPを算出することができる。
なお、La,Lbは設定された係数である。
【0067】
(応用例2)
また、リスクポテンシャルは、自車位置あるいは自車前方位置における車線境界線との間隔の逆数を基に算出することができる。
図12は、自車位置あるいは自車前方位置における車線境界線との間隔の逆数を基にリスクポテンシャルRPを算出する場合の概念を示す図である。
図12において、車線において自車から距離Lの点に設定された自車前方位置Psと、車線境界線との距離Yを基に、RP=1/YとしてリスクポテンシャルRPを算出することができる。
【0068】
(応用例3)
さらに、運転者のペダル操作(踏み込み角、または踏み込み力)、あるいは、操舵操作(操舵角、操舵角速度、または操舵トルク)によって運転者の反応状態を検出し、反応が鈍いほどリスクポテンシャルRPを高く設定することができる。
【0069】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る自動車1Aは、操舵操作支援処理の内容が第1実施形態と異なっている。
したがって、自動車1Aの構成については、第1実施形態を参照することとし、操舵操作支援処理について説明する。
【0070】
(操舵操作支援処理)
図13は、コントローラ50が実行する操舵操作支援処理を示すフローチャートである。
操舵操作支援処理は、運転者が車両用運転操作補助装置1による運転操作補助の開始を指示入力することに対応して開始され、設定時間(例えば10ms)毎に割込みによって実行される。
操舵操作支援処理が開始されると、コントローラ50は、操舵操作支援処理の制御に用いるカウンタiが0であるか否かの判定を行う(ステップS201)。
【0071】
ここで、カウンタiには、初期値として0が設定されている。
ステップS201において、カウンタiが0であると判定した場合、コントローラ50は、リスクポテンシャル(RP)算出処理を実行する(ステップS202)。
次に、コントローラ50は、算出したリスクポテンシャルRPが閾値RP0以上であるか否かの判定を行う(ステップS203)。
【0072】
ステップS203において、リスクポテンシャルRPが閾値RP0以上でないと判定した場合、コントローラ50は、操舵操作を支援するための操舵反力の仮制御値(仮反力値)を0に設定する(ステップS204)。
一方、ステップS203において、リスクポテンシャルRPが閾値RP0未満であると判定した場合、コントローラ50は、仮反力値Ftmpの算出処理を実行する(ステップS205)。
ステップS205において、コントローラ50は、リスクポテンシャルRPを基に、予め記憶されている仮反力テーブルの値Ftbによって、仮反力値Ftmpを算出する。
【0073】
図14は、リスクポテンシャルRPと仮反力テーブルの値Ftbとの関係を示す図である。
図14に示すように、仮反力テーブルの値Ftbは、リスクポテンシャルRPが増大するほど大きい値となるように設定されている。
ステップS204およびステップS205の後、コントローラ50は、算出した仮反力値Ftmpに対応する制御量で操舵反力を発生させる(ステップS206)。
次いで、コントローラ50は、カウンタiに1を設定し(ステップS207)、ステップS201に戻る。
【0074】
また、ステップS201において、カウンタiが0でないと判定した場合、コントローラ50は、カウンタiが1であるか否かの判定を行う(ステップS208)。
ステップS208において、カウンタiが1でないと判定した場合、コントローラ50は、ステップS211の処理に移行し、カウンタiが1であると判定した場合、既に付与している操舵反力に対する運転者の反応を検出する(ステップS209)。
具体的には、コントローラ50は、運転操作支援のために操舵反力を付与した状態で、運転者が行った操舵操作(ここでは操舵速度)を検出する。
【0075】
次に、コントローラ50は、リスクポテンシャルRPと、運転者の操舵操作(操舵速度)を基に、操舵操作支援で主とする操舵反力の制御値(本反力値)を算出する(ステップS210)。
ステップS210において、コントローラ50は、リスクポテンシャルRPに応じて定まる反力補正ベース値と、運転者の操舵速度に応じて定まる補正係数αとを乗算することにより、補正値Faを算出し、仮反力値Ftmpに補正値Faを加算することにより、本反力値Fpを算出する。
【0076】
図15は、リスクポテンシャルRPと反力補正ベース値との関係を示す図である。
図15に示すように、反力補正ベース値は、リスクポテンシャルRPが増大するほど大きい値となるように設定されている。
また、図16は、運転者の操舵速度と補正係数αとの関係を示す図である。
なお、図16おける操舵速度は、リスクポテンシャルRPが増大する方向を正として定義している。
【0077】
図16において、補正係数αは、リスクポテンシャルRPが増大する方向への操舵速度が高くなるほど大きい値となり、リスクポテンシャルRPが減少する方向への操舵速度であるときには0となる。
即ち、図16に示す補正係数αは、運転者がリスクポテンシャルRPを減少させる方向に操作している場合、補正値Faが0となるように作用する。
次に、コントローラ50は、ステップS210において算出した本反力値Fpに対応する制御量で操舵反力を発生させる(ステップS211)。
【0078】
次いで、コントローラ50は、カウンタiをインクリメントし(ステップS212)、カウンタiが10であるか否かの判定を行う(ステップS213)。
ステップS213において、カウンタiが10でないと判定した場合、コントローラ50は、ステップS201に戻り、カウンタiが10であると判定した場合、カウンタiに0を設定し(ステップS214)、ステップS201に戻る。
このような処理を実行することにより、仮反力値に対して本反力値をより長い時間付与し、仮反力と本反力とを区別して運転者に伝達することができる。
これにより、運転者が車両用運転操作補助装置1に自身の意図を伝達しやすくなり、運転者の意図に沿う本反力値に近づけることができる。
【0079】
(動作)
次に、動作を説明する。
図17は、本実施形態における操舵操作支援処理における制御量の変化を示す概念図である。
また、図18は、図17に示す制御量の変化に対応する制御状態を示す模式図である。
なお、図17において、リスクポテンシャルRP,仮反力値Ftmp,本反力値Fp,補正値Faに付した数字は、第n回目(nは任意の自然数)の値であることを示している。
【0080】
図17に示すように、第1回目の制御周期では、リスクポテンシャルRP1に対し、仮反力テーブル値FtbであるFtmp1が第1回目の仮反力値として算出される。
この仮反力値Ftmp1で操舵反力を付与した後(図18の仮反力値1の出力)、運転者が操舵操作を行うことに対応して、第1回目の本反力値Fp1=Ftmp+Fa1が操舵反力として付与される(図18の本反力値1)。このとき、仮反力値1の付与時間に対し、本反力値1の付与時間の方が長くなるように制御する。
【0081】
次に、第2回目の制御周期では、リスクポテンシャルRP2に対し、仮反力テーブル値FtbであるFtmp2が第2回目の仮反力値として算出される。
この仮反力値Ftmp2で操舵反力を付与した後(図18の仮反力値2)、運転者が操舵操作を行うことに対応して、第2回目の本反力値Fp2=Ftmp2+Fa2が操舵反力として付与される(図18の本反力値2)。
【0082】
以下、車両用運転操作補助装置1は、同様の動作を繰り返す。
このように、現在のリスクポテンシャルRPを基に仮反力値を算出することによって、制御周期毎の状況に適合した仮反力とすることができる。
以上のように、本実施形態に係る自動車1Aは、リスクポテンシャルRPを基に算出した仮反力を付与し、運転者による操作を検出して、それに対応する補正量を加えて本反力とする。また、次の周期における仮反力として、そのときのリスクポテンシャルRPに基づく仮反力テーブルの値を付与する。
【0083】
そのため、車両用運転操作補助装置1が提示する操舵反力と、それに対する運転者の応答とを反映させた操舵反力値に近づけることができる。
また、現在のリスクポテンシャルRPを基に仮反力値を算出することによって、制御周期毎の状況に適合した仮反力とすることができる。
したがって、より運転者の意図に整合する運転操作支援を行うことが可能となる。
【0084】
(第2実施形態の効果)
(1)制御仮値設定手段は、リスクポテンシャルに基づいて、車両制御の仮値を設定する。
したがって、現在の走行状況に合致した車両制御の仮値を設定することができる。
(応用例1)
第2実施形態における仮反力値および本反力値の算出方法と、第1実施形態における仮反力値および本反力値の算出方法とを組み合わせて実行することができる。
例えば、リスクポテンシャルが閾値より高い場合には、第2実施形態の方法とし、リスクポテンシャルが閾値以下である場合、第1実施形態の方法とすることができる。
【0085】
これにより、状況に応じた適切な反力値の付与形態とすることができる。
【0086】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る自動車1Aは、操舵操作支援処理の内容が第1実施形態と異なっている。
したがって、自動車1Aの構成については、第1実施形態を参照することとし、操舵操作支援処理について説明する。
【0087】
(操舵操作支援処理)
図19は、コントローラ50が実行する操舵操作支援処理を示すフローチャートである。
操舵操作支援処理は、運転者が車両用運転操作補助装置1による運転操作補助の開始を指示入力することに対応して開始され、設定時間(例えば10ms)毎に割込みによって実行される。
操舵操作支援処理が開始されると、コントローラ50は、リスクポテンシャル(RP)算出処理を実行する(ステップS301)。
【0088】
次に、コントローラ50は、算出したリスクポテンシャルRPが閾値RP0以上であるか否かの判定を行う(ステップS302)。
ステップS302において、リスクポテンシャルRPが閾値RP0以上でないと判定した場合、コントローラ50は、操舵操作を支援するための操舵反力の仮制御値(仮反力値)を0に設定する(ステップS303)。
一方、ステップS302において、リスクポテンシャルRPが閾値RP0未満であると判定した場合、コントローラ50は、仮反力値Ftmpの算出処理を実行する(ステップS304)。
このとき、仮反力値Ftmpを算出する方法は、第1実施形態における方法および第2実施形態における方法のいずれも採用可能である。
【0089】
ステップS303およびステップS304の後、コントローラ50は、算出した仮反力値Ftmpに対応する制御量で操舵反力を発生させる(ステップS305)。
次に、コントローラ50は、既に付与している操舵反力に対する運転者の反応を検出する(ステップS306)。
具体的には、コントローラ50は、運転操作支援のために操舵反力を付与した状態で、運転者が行った操舵操作(ここでは操舵速度)を検出する。
【0090】
次に、コントローラ50は、運転者の操舵操作(操舵速度)の履歴を基に、操舵操作支援で主とする操舵反力の制御値(本反力値)を算出するための本反力値算出処理を実行する(ステップS307)。
次に、コントローラ50は、ステップS307において算出した本反力値Fpに対応する制御量で操舵反力を発生させる(ステップS308)。
そして、コントローラ50は、操舵操作支援処理を繰り返す。
【0091】
(本反力値算出処理)
次に、操舵操作支援処理のステップS307における本反力値算出処理について説明する。
図20は、コントローラ50が実行する本反力値算出処理を示すフローチャートである。
図20において、本反力値算出処理が開始されると、コントローラ50は、カウンタiが5であるか否かの判定を行う(ステップS401)。
ステップS401において、カウンタiが5でないと判定した場合、コントローラ50は、運転者の操作を検出して反応値(操舵入力の検出値)をメモリに記憶する(ステップS402)。
次に、コントローラ50は、現在の仮反力値Ftmpをメモリに記憶する(ステップS403)。
さらに、コントローラ50は、補正値Faに前回の補正値Faを設定する(ステップS404)。
【0092】
そして、コントローラ50は、カウンタiをインクリメント(i=i+1)し(ステップS405)、ステップS410の処理に移行する。
また、ステップS401において、カウンタiが5であると判定した場合、コントローラ50は、カウンタi=1〜5における運転者の反応値をメモリから読み出し、これらの平均値を算出する(ステップS406)。
次に、コントローラ50は、カウンタi=1〜5における仮反力値をメモリから読み出し、これらの平均値を算出する(ステップS407)。
さらに、コントローラ50は、運転者の反応値と仮反力値とに対する補正値を格納した補正値テーブルから、ステップS407において算出した平均の反応値および平均の仮反力値に対応する補正値Faを読み出す(ステップS408)。
【0093】
図21は、運転者の反応値と仮反力値とに対する補正値を格納した補正値テーブルを示す概念図である。
図21において、(a)〜(d)の領域について、以下のように特性が定められている。
(a)領域は、運転者の反応がないと推定できる領域である。この領域では、運転者が気づいていないため、下記の式に従い、制御を強める特性となっている。
補正値=最新の仮反力値×補正係数β1
(b)領域は、運転者が仮反力値に合わせて反応していると推定できる領域である。この領域では、運転者が気づいているため、下記の式に従い、制御を弱める特性となっている。
補正値=最新の仮反力値×補正係数β2
【0094】
(c)領域は、運転者が仮反力値に対して逆に反応していると推定できる領域である。この領域では、運転者が制御の意味を理解していないため、下記の式に従い、制御を強める特性となっている。
補正値=最新の仮反力値×補正係数β3
(d)領域は、運転者が仮反力値に対して逆に強く反応していると推定できる領域である。この領域では、ドライバが制御に逆らっているため、下記の式に従い、制御を弱める(オーバーライド)特性となっている。
補正値=最新の仮反力値×補正係数β4
ただし、(a)〜(d)領域の補正式において、β1〜β4は、β1>β3>1>β2>β4の関係となっている。
【0095】
次に、コントローラ50は、カウンタiに0を設定する(ステップS409)。
ステップS405およびステップS409の後、コントローラ50は、ステップS408において読み出した補正値Faと操舵操作支援処理のステップS304で算出した仮反力値によって、本反力値Fp=Ftmp+Faを算出する(ステップS410)。
このような処理を実行することにより、直近の一定期間内における運転者の反応を基に、仮反力値に対する補正量を決定することができる。
そのため、運転者の反応傾向を反映させて本反力を付与することができる。
【0096】
(動作)
次に、動作を説明する。
図22は、本実施形態における操舵操作支援処理における制御状態を示す模式図である。
図22に示すように、自動車1Aは、第1回から第5回までの制御周期では、仮反力値を本反力値として操舵反力を付与し、この間に、仮反力値に対して運転者が行った反応の履歴を記憶している。
そして、自動車1Aは、第6回目の制御周期に先立ち、第1回目から第5回目までの制御周期で記憶した運転者の反応の履歴を平均化し、反応値の履歴と、この間の仮反力値の平均値とを基に、新たな補正値を決定する。
【0097】
この後、第6回目から第10回目までの制御周期においては、新たに決定した補正値によって、仮反力値に対する補正を行って本反力値を算出する。
これにより、直近の一定期間内における運転者の反応を基に、仮反力値に対する適切な補正量を決定することができる。
以上のように、本実施形態に係る自動車1Aは、先行する一定期間の制御周期において、仮反力値に対して運転者が行った反応の履歴を記憶する。
【0098】
そして、自動車1Aは、後続の制御周期に先立ち、先行する一定期間の制御周期で記憶した運転者の反応の履歴を平均化し、反応値の履歴と、この間の仮反力値の平均値とを基に、新たな補正値を決定する。
この後、自動車1Aは、この履歴に基づく補正値によって、仮反力値に対する補正を行って本反力値を算出する。
そのため、自動車1Aにおいては、運転者の反応傾向を反映させて本反力を付与することができる。
したがって、より運転者の意図に整合する運転操作支援を行うことが可能となる。
なお、本実施形態において、コントローラ50が履歴取得手段に対応する。
【0099】
(第3実施形態の効果)
(1)履歴取得手段が履歴を取得し、制御本値設定手段が履歴に基づいて車両制御の本値を設定する。
そのため、運転者の反応傾向を反映させて車両制御の本値を設定できる。
したがって、より運転者の意図に整合する運転操作支援を行うことが可能となる。
【0100】
(応用例1)
上記第1〜第3実施形態において、仮の制御値と主とする制御値とを算出する対象として、操舵操作の支援を行う場合の操舵反力を例に挙げて説明した。
これに対し、車両前後方向の制駆動力操作支援を行う場合のペダル反力やブレーキアシスト力に本発明を適用することができる。
このような場合にも、運転者の制駆動操作における制御値を運転者の意図に沿うものとできる。
即ち、車両前後方向の制駆動力操作支援を行う場合に、より運転者の意図に整合する運転操作支援を行うことができる。
【符号の説明】
【0101】
1A 自動車、1 車両用運転操作補助装置、2FR,2FL,2RR,2RL 車輪、3 車体、4FR,4FL,4RR,4RL 能動型サスペンション、5 ステアリングホイール、6 ステアリング装置、7 アクセルペダル、8 ブレーキペダル、9F,9R,9SR,9SL カメラ、10 レーザレーダ、12 車体側部材、14 車輪側部材、16FR,16FL,16RR,16RL コイルスプリング、17FR,17FL,17RR,17RL 圧力制御弁、30 車速センサ、50 コントローラ、60 操舵反力制御装置、61,81,91 サーボモータ、62 舵角センサ、80 アクセルペダル反力制御装置、90 ブレーキペダル反力制御装置、100 駆動力制御装置、110 制動力制御装置、120FR,120FL,120RR,120RL アクチュエータ、130FR,130FL,130RR,130RL 車体上下加速度検出器、140 車両状態検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の走行環境を検出する走行環境検出手段と、
自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
自車両を制御する車両制御手段と、
前記走行環境と、前記走行状態とに基づいて、自車両周囲におけるリスクポテンシャルを算出し、算出したリスクポテンシャルに基づいて、自車両のリスクが縮小する方向に前記車両制御手段における車両制御の仮値を設定する制御仮値設定手段と、
前記仮値に基づいて前記車両制御手段が実行した車両制御に対する運転者の応答操作を検出する応答検出手段と、
前記応答検出手段によって検出された運転者の応答操作に基づいて、車両制御の本値を設定する制御本値設定手段と、
を備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
【請求項2】
自車両の走行支援状態を検出する走行支援状態検出手段を備え、
前記制御仮値設定手段は、前記走行支援状態検出手段によって検出された走行支援状態に基づいて、前記車両制御の仮値を設定することを特徴とする請求項1記載の車両用運転操作補助装置。
【請求項3】
前記車両制御手段は、操舵操作を支援するための操舵反力を付与する制御を行い、
前記制御仮値設定手段は、前記リスクポテンシャルと運転者の前記応答操作とに基づいて、前記車両制御の仮値を設定することを特徴とする請求項1記載の車両用運転操作補助装置。
【請求項4】
前記車両制御手段は、操舵操作を支援するための操舵反力を付与する制御を行い、
前記制御仮値設定手段は、前記リスクポテンシャルに基づいて、前記車両制御の仮値を設定することを特徴とする請求項1記載の車両用運転操作補助装置。
【請求項5】
前記車両制御手段による車両制御および前記応答検出手段による検出結果の履歴を取得する履歴取得手段を備え、
前記制御本値設定手段は、前記履歴取得手段が取得した履歴に基づいて、以後の車両制御における前記車両制御の本値を設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置。
【請求項6】
運転操作支援における車両制御の仮値による制御に対し、運転者が行った応答を基に補正量を決定し、前記車両制御の本値として制御を行うことを特徴とする車両用運転操作補助方法。
【請求項7】
自車両の走行環境を検出する走行環境検出手段と、
自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
自車両を制御する車両制御手段と、
前記走行環境と、前記走行状態とに基づいて、自車両周囲におけるリスクポテンシャルを算出し、算出したリスクポテンシャルに基づいて、自車両のリスクが縮小する方向に前記車両制御手段における車両制御の仮値を設定する制御仮値設定手段と、
前記仮値に基づいて前記車両制御手段が実行した車両制御に対する運転者の応答操作を検出する応答検出手段と、
前記応答検出手段によって検出された運転者の応答操作に基づいて、車両制御の本値を設定する制御本値設定手段と、
を備えることを特徴とする自動車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2010−201975(P2010−201975A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46944(P2009−46944)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】