説明

配線基板及びその作製方法、並びに半導体装置及びその作製方法

【課題】繊維体に貫通孔を空けることなく、プリプレグの内部に導電領域を形成することを課題とする。
【解決手段】シート状繊維体の両面に、該シート状繊維体の内部まで含浸した絶縁性樹脂層と、前記絶縁性樹脂層に囲まれる領域に設けられた貫通配線を有し、前記貫通配線は、前記シート状繊維体を挟んで前記絶縁性樹脂層の両面に導電性材料が露出し、該導電性材料は、前記シート状繊維体の内部まで含浸している配線基板及びその作製方法、並びに、さらに、絶縁層の表面にバンプが露出した集積回路チップとを有し、前記バンプが前記貫通配線と接触するように、前記集積回路チップが前記樹脂含浸繊維体複合基板に密接している半導体装置及びその作製方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
半導体集積回路若しくは回路基板を、電気的、機械的に接続する配線基板、及びそれを用いる半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
補強材としてのシート状繊維体に熱硬化性樹脂を含浸させ、半硬化状態としたプリプレグが回路基板等の素材として用いられている。例えば、加熱加圧形成により絶縁層となるプリプレグの所定箇所に、貫通穴をあけ、当該貫通穴に加熱加圧形成により絶縁層を貫通する導体となる導電性ペーストを充填したプリプレグが知られている(特許文献1参照)。この場合、貫通穴は、プリプレグにレーザ、ドリル、打ち抜き等によってあけられている。
【0003】
また、半導体装置の封止材としてプリプレグを用いるものが開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−091822号公報
【特許文献2】特開2008−112988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、プリプレグのような繊維体に樹脂を含浸させた複合基板(以下「樹脂含浸繊維体複合基板」という)に貫通穴を形成するということは、補強材としてのシート状繊維体にダメージを与えてしまい、樹脂含浸繊維体複合基板の強度を損なってしまう。樹脂含浸繊維体複合基板を封止体として用いる場合において、貫通配線を形成するために当該封止体に貫通穴をあけると、気密性が損なわれてしまい封止材の用途に適さないものとなってしまう。さらに、シート状繊維体と樹脂層の両方に穴を空けないといけないので、作製工程が多くなってしまうといった問題もある。
【0006】
そこで、シート状繊維体の強度を保ちつつ、樹脂含浸繊維体複合基板を貫通する導電性のパターンを設けることを課題とする。また、貫通する導電性のパターンが設けられた樹脂含浸繊維体複合基板を半導体装置の封止体として用いることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの様態は、シート状繊維体の両面に、該シート状繊維体の内部まで含浸した絶縁性樹脂層と、絶縁性樹脂層に囲まれる領域に設けられた貫通配線を有する配線基板である。この貫通配線は、シート状繊維体を挟んで絶縁性樹脂層の両面に導電性材料が露出し、該導電性材料はシート状繊維体の内部まで含浸している。導電性材料がシート状繊維体の内部まで含浸することで、絶縁性樹脂層の表裏両面の導通をとることができる。この場合において、シート状繊維体は抜き落とされることなく配線基板の全面に残存するので、補強材として作用する。
【0008】
本発明の1つの様態は、シート状繊維体の両面に該シート状繊維体の内部まで含浸した絶縁性樹脂層と、絶縁性樹脂層に囲まれる領域にシート状繊維体に含浸し絶縁性樹脂層の両面に導電性材料が露出する貫通配線を有する樹脂含浸繊維体複合基板を有し、絶縁層の表面にバンプが露出した集積回路チップが固着された半導体装置である。集積回路チップのバンプは、樹脂含浸繊維体複合基板の貫通配線と接触するように密接している。貫通配線は、導電性材料がシート状繊維体を含浸するようにして形成され、シート状繊維体は抜き落とされることなく樹脂含浸繊維体複合基板の全面に残存することで、機械的強度を維持し、気密性を保つように作用する。
【0009】
本発明の1つの様態は、シート状繊維体の一部の領域に、導電性樹脂を含浸させて貫通配線を形成し、前記シート状繊維体の前記導電性樹脂が含浸していない領域に、絶縁性樹脂層を含浸させることを特徴とする配線基板の製造方法である。
【0010】
本発明の1つの様態は、絶縁層の表面にバンプが露出した集積回路チップを形成し、シート状繊維体の一部の領域に、前記バンプと接触するように、導電性樹脂を含浸させて貫通配線を形成し、前記シート状繊維体の前記導電性樹脂が含浸していない領域に、絶縁性樹脂層を含浸させることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
樹脂含浸繊維体複合材を用いる配線基板において、貫通配線を設ける場合にあっても、機械的強度を維持し丈夫な配線基板を得ることができる。
【0012】
貫通配線が設けられた樹脂含浸繊維体複合基板を半導体装置の封止体として用いる場合にも、機械的強度を維持し、気密性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】シート状繊維体の上面図。
【図2】配線基板の作製方法を示す断面図。
【図3】半導体装置の作製方法を示す断面図。
【図4】半導体装置の作製方法を示す断面図。
【図5】半導体装置の作製方法を示す断面図。
【図6】導電性樹脂と繊維体の光学顕微鏡写真。
【図7】半導体装置の作製方法を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の態様について、図面を参照して説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に示す図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
なお本明細書において、半導体装置とは、半導体を利用することで機能する素子及び装置全般を指し、電子回路、液晶表示装置、発光装置等を含む電気装置およびその電気装置を搭載した電子機器をその範疇とする。
【0016】
[実施の形態1]
本実施の形態では、配線基板の構成とその作製方法について、図1(A)及び図1(B)、図2(A)〜図2(D)、を用いて説明する。
【0017】
シート状繊維体113が糸束を経糸及び緯糸に使って製織した織布の上面図を図1(A)〜図1(B)に示す。
【0018】
シート状繊維体113は、有機化合物または無機化合物の織布または不織布である。またシート状繊維体113は、高強度繊維を用いてもよい。
【0019】
また、シート状繊維体113は、繊維(単糸)の束(以下、糸束という。)を経糸及び緯糸に使って製織した織布、または複数種の繊維の糸束をランダムまたは一方向に堆積させた不織布で構成されてもよい。織布の場合、平織り、綾織り、繻子織り等適宜用いることができる。
【0020】
糸束の断面は、円形でも楕円形でもよい。糸束として、高圧水流、液体を媒体とした高周波の振動、連続超音波の振動、ロールによる押圧等によって、開繊加工をした糸束を用いてもよい。開繊加工をした糸束は、糸束幅が広くなり、厚み方向の単糸数を削減することが可能であり、糸束の断面が楕円形または平板状となる。また、糸束として低撚糸を用いることで、糸束が扁平化しやすく、糸束の断面形状が楕円形状または平板形状となる。このように、断面が楕円形または平板状の糸束を用いることで、シート状繊維体113の厚さを薄くすることが可能である。このため、構造体120の厚さを薄くすることが可能であり、薄型の半導体装置を作製することができる。
【0021】
図1(A)に示すように、シート状繊維体113は、一定間隔をあけた経糸113a及び一定間隔をあけた緯糸113bが織られている。このような繊維体には、経糸113a及び緯糸113bが存在しない領域(バスケットホール113cという)を有する。このようなシート状繊維体113は、絶縁性樹脂や導電性樹脂などの有機樹脂が繊維体に含浸される割合が高まり、シート状繊維体113の密着性を高めることができる。
【0022】
また、図1(B)に示すように、シート状繊維体113は、経糸113a及び緯糸113bの密度が高く、バスケットホール113cの割合が低いものでもよい。代表的には、バスケットホール113cの大きさが、局所的に押圧される面積より小さいことが好ましい。代表的には一辺が0.01mm以上0.2mm以下の矩形であることが好ましい。シート状繊維体113のバスケットホール113cの面積がこのように小さいと、先端の細い部材(代表的には、ペンや鉛筆等の筆記用具)により押圧されても、当該圧力をシート状繊維体113全体で吸収することが可能である。
【0023】
また、糸束内部への有機樹脂の浸透率を高めるため、糸束に表面処理が施されても良い。例えば、糸束表面を活性化させるためのコロナ放電処理、プラズマ放電処理等がある。また、シランカップリング材、チタネートカップリング材を用いた表面処理がある。
【0024】
高強度繊維としては、具体的には引張弾性率が高い繊維である。または、ヤング率が高い繊維である。高強度繊維の代表例としては、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ガラス繊維、または炭素繊維である。ガラス繊維としては、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Qガラス等を用いたガラス繊維を用いることができる。なお、シート状繊維体113は、一種類の上記高強度繊維で形成されてもよい。また、複数種類の上記高強度繊維で形成されてもよい。
【0025】
図2(A)〜図2(C)に、構造体120に貫通孔を設けずに、導電性樹脂101を内部に導通させた構造体120及び半導体素子115を示す。ただし本明細書では、シート状繊維体113、絶縁性樹脂114、導電性樹脂101を構造体120と呼ぶが、導電性樹脂101を含まず、シート状繊維体113及び絶縁性樹脂114のみでも構造体120と呼ぶこととする。
【0026】
まずシート状繊維体113に導電性樹脂101を含浸させる(図2(B)参照)。本実施の形態では、導電性樹脂101として銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)のいずれか、及び、有機樹脂を含む導電ペーストを用いる。より具体的には、銀ペーストを導電性樹脂101として用いる。
【0027】
なお導電性樹脂101は、貫通配線として機能するが、導電性樹脂101を様々な形状に加工することによって、導電性樹脂101そのものを配線として機能させてもよい。
【0028】
次いで、シート状繊維体113の導電性樹脂101が含浸されていない領域に、絶縁性樹脂114を含浸させる(図2(C)参照)。
【0029】
絶縁性樹脂114は、有機樹脂を用いればよく、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、またはシアネート樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、またはフッ素樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。また、上記熱可塑性樹脂及び上記熱硬化性樹脂の複数を用いてもよい。上記有機樹脂を用いることで、熱処理により繊維体を素子層に固着することが可能である。なお、絶縁性樹脂114はガラス転移温度が高いほど、局所的押圧に対して破壊しにくいため好ましい。
【0030】
絶縁性樹脂114または繊維の糸束内に高熱伝導性フィラーを分散させてもよい。高熱伝導性フィラーとしては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、アルミナ等がある。また、高熱伝導性フィラーとしては、銀、銅等の金属粒子がある。高熱伝導性フィラーが有機樹脂または糸束内に含まれることにより素子層での発熱を外部に放出しやすくなるため、半導体装置の蓄熱を抑制することが可能であり、半導体装置の破壊を低減することができる。
【0031】
図2(C)に示すように、構造体120に貫通孔(コンタクトホールともいう)を形成しない、すなわちシート状繊維体113を分断しないことで、構造体120の強度を維持したまま、構造体120の一方の面と他方の面を電気的に接続させることができる通電領域を形成することができる。
【0032】
あるいは図2(D)に示すように、導通させたい領域103以外の領域に絶縁性樹脂114を形成し、その後領域103の導電性樹脂101を形成して、図2(C)に示す構成を得てもよい。
【0033】
以上のようにして作製された、樹脂含浸繊維体複合基板は、貫通配線を有しながら、機械的強度を維持できる上に、気密性を保つことができる。
【0034】
[実施の形態2]
本実施の形態では、貫通配線が設けられた樹脂含浸繊維体複合基板を用いた半導体装置の構成と、その作製方法について、図3(A)〜図3(D)、図4(A)〜図4(E)、図5(A)〜図5(D)、図7(A)〜図7(B)を用いて説明する。
【0035】
図3(A)〜図3(D)は、本実施の形態の素子層の断面図を示す。
【0036】
素子層51は、絶縁層56上に、薄膜トランジスタ52a及び薄膜トランジスタ52b、絶縁膜65、絶縁膜66、絶縁膜67を有している。薄膜トランジスタ52aは、ソース領域またはドレイン領域である不純物領域53a、並びに、チャネル形成領域63aを有する半導体層、さらにゲート絶縁層54、ゲート電極55aを有している。薄膜トランジスタ52bは、ソース領域またはドレイン領域である不純物領域53b、並びに、チャネル形成領域63bを有する半導体層、さらにゲート絶縁層54、ゲート電極55bを有している。
【0037】
薄膜トランジスタ52aの不純物領域53a及び薄膜トランジスタ52bの不純物領域53bには、一導電性を付与する不純物元素が含まれている。n型を付与する不純物元素として、リン(P)やヒ素(As)などが用いられる。またp型を付与する不純物元素として、ホウ素(B)などが用いられる。不純物領域53a及び不純物領域53bには、それぞれどちらか一方、あるいは両方同じ不純物元素が含まれていてもよい。本実施の形態では、不純物領域53aはリン(P)が含まれているためn型不純物領域であり、不純物領域53bはホウ素(B)が含まれているためp型不純物領域であるとする。すなわち、薄膜トランジスタ52aはnチャネル型薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタ52bはpチャネル型薄膜トランジスタとなる。
【0038】
薄膜トランジスタ52a及び薄膜トランジスタ52bの半導体層はそれぞれ、厚さ10nm以上100nm以下、より好ましくは20nm以上70nm以下の非単結晶半導体で形成される層であり、非単結晶半導体層としては、結晶性半導体層、非晶質半導体層、微結晶半導体層等がある。また、半導体としては、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム化合物等がある。特に、瞬間熱アニール(RTA)又はファーネスアニール炉を用いた熱処理により結晶化させた結晶性半導体、加熱処理とレーザビームの照射を組み合わせて結晶化させた結晶性半導体を適用することが好ましい。加熱処理においては、シリコン半導体の結晶化を助長する作用のあるニッケルなどの金属元素を用いた結晶化法を適用することができる。
【0039】
加熱処理に加えてレーザビームを照射して結晶化する場合には、連続発振レーザビームの照射若しくは繰り返し周波数が10MHz以上であって、パルス幅が1ナノ秒以下、好ましくは1乃至100ピコ秒である高繰返周波数超短パルス光を照射することによって、結晶性半導体が溶融した溶融帯を、当該レーザビームの照射方向に連続的に移動させながら結晶化を行うことができる。このような結晶化法により、大粒径であって、結晶粒界が一方向に延びる結晶性半導体を得ることができる。
【0040】
ゲート絶縁層54は、厚さ5nm以上50nm以下、好ましくは10nm以上40nm以下の酸化珪素及び酸化窒化珪素などの無機絶縁物で形成する。
【0041】
ゲート電極55a及びゲート電極55bは、金属または一導電型を与える不純物元素を添加した多結晶半導体で形成することができる。金属を用いる場合は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)などを用いることができる。また、金属を窒化させた金属窒化物を用いることができる。或いは、当該金属窒化物からなる第1層と当該金属から成る第2層とを積層させた構造としても良い。このとき第1層を金属窒化物とすることで、バリアメタルとすることができる。すなわち、第2層の金属が、ゲート絶縁層やその下層の半導体層に拡散することを防ぐことができる。また、積層構造とする場合には、第1層の端部が第2層の端部より外側に突き出した形状としても良い。
【0042】
半導体層、ゲート絶縁層54、ゲート電極55a、ゲート電極55bなどを組み合わせて構成される薄膜トランジスタ52a、薄膜トランジスタ52bは、シングルドレイン構造、LDD(低濃度ドレイン)構造、ゲートオーバーラップドレイン構造など各種構造を適用することができる。ここでは、シングルドレイン構造の薄膜トランジスタを示す。さらには、等価的には、同電位のゲート電圧が印加される複数のトランジスタが直列に接続された形となるマルチゲート構造、半導体層の上下をゲート電極で挟むデュアルゲート構造、絶縁層56上にゲート電極が形成され、ゲート電極上にゲート絶縁層、半導体層が形成される逆スタガ型薄膜トランジスタ等を適用することができる。
【0043】
ソース領域またはドレイン領域である不純物領域53a、あるいは不純物領域53bに接する配線57a、配線57b、配線58a、配線58bは、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造、モリブデン(Mo)とアルミニウム(Al)との積層構造など、アルミニウム(Al)のような低抵抗材料と、チタン(Ti)やモリブデン(Mo)などの高融点金属材料を用いたバリアメタルとの組み合わせで形成することが好ましい。
【0044】
なお、薄膜トランジスタとして金属酸化物や有機半導体材料を半導体層に用いた薄膜トランジスタを用いることが可能である。金属酸化物の代表例には酸化亜鉛や亜鉛ガリウムインジウムの酸化物等がある。
【0045】
素子層51を有する半導体装置の代表例として、他の装置の制御やデータの計算・加工を行なうマイクロプロセッサ(MPU)がある。MPUは、CPU、メインメモリ、コントローラ、インターフェース、I/Oポート等を有し、これらを薄膜トランジスタ、抵抗素子、容量素子、配線等で構成することができる。
【0046】
図3(B)に示す記憶素子62は、チャネル形成領域91及び不純物領域92を有する半導体層、トンネル酸化層64、フローティングゲート93、コントロール絶縁層94、コントロールゲート95で構成される不揮発性記憶素子である。
【0047】
トンネル酸化層64は、厚さ1nm〜10nm、好ましくは1nm〜5nmの酸化珪素若しくは酸化珪素と窒化珪素の積層構造を減圧CVD法やプラズマCVD法などで形成することができる。また、プラズマ処理により半導体層を酸化又は窒化することによりトンネル酸化層を形成することができる。さらには、プラズマCVD法により形成した酸化珪素をプラズマ処理により酸化又は窒化してもよい。当該プラズマ処理して形成した絶縁層は、緻密で絶縁耐圧が高く信頼性に優れている。
【0048】
フローティングゲート93は、導電層、ポリシリコン層、シリコンドット等で形成することができる。また、フローティングゲートの代わりに、窒化珪素、窒化ゲルマニウム等で形成された電荷蓄積層を用いてもよい。
【0049】
コントロール絶縁層94は、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムなどの一層若しくは複数層を、減圧CVD法やプラズマCVD法などで形成する。コントロール絶縁層94の厚さは1nm〜20nm、好ましくは5〜10nmで形成する。
【0050】
コントロールゲート95は、図3(A)に示すゲート電極55aまたはゲート電極55bと同様の材料で形成すればよい。
【0051】
記憶素子62を駆動するための駆動素子として薄膜トランジスタ52bを形成してもよい。
【0052】
記憶素子62及び薄膜トランジスタ52bを形成したら、記憶素子62及び薄膜トランジスタ52bを覆って、絶縁膜65及び絶縁膜66を形成する。絶縁膜66上に、不純物領域92と電気的に接続する配線97及び配線98を形成する。薄膜トランジスタ52bについては、上述したように配線57b及び58bが形成される。絶縁膜66、配線97、配線98、配線57b、配線58bを覆って、絶縁膜67が形成される。これにより、記憶素子62を含む素子層61が作製される。
【0053】
また記憶素子としては、記憶素子62の構成以外に、電荷蓄積層を有する不揮発性記憶素子、薄膜トランジスタ及びそれに接続される容量素子、薄膜トランジスタ及びそれに接続される強誘電層を有する容量素子、一対の電極の間に有機化合物層が挟まれる有機メモリ素子等がある。
【0054】
また、このような記憶素子を有する半導体装置としては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、マスクROM(Read Only Memory)、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置がある。
【0055】
図3(C)に示すフォトダイオード72は、第1の電極として機能する配線58a、受光部73、及び第2の電極74で構成されている。受光部は73、非晶質または結晶質のシリコンを有する半導体層で形成することができる。この代表例としては、シリコン層、シリコンゲルマニウム層、炭化シリコン層、又はこれらのPN接合層、PIN接合層が挙げられる。
【0056】
薄膜トランジスタ52aは、配線58aを介して電気的にフォトダイオード72と接続されており、駆動素子として機能する。薄膜トランジスタ52a上に絶縁膜65及び絶縁膜66を形成する。絶縁膜66上に薄膜トランジスタ52aの不純物領域に電気的に接続される配線57a及び配線58aを形成する。また絶縁膜66上に、配線58aに電気的に接続される受光部73、受光部73上に第2の電極74を形成する。
【0057】
絶縁膜66、配線57a、配線58a、受光部73、第2の電極74を覆って絶縁膜67を形成する。これにより、フォトダイオード72及び薄膜トランジスタ52aを有する素子層71が作製される。
【0058】
図3(C)に示すフォトダイオード72を有する半導体装置としては、光センサ、太陽電池等がある。
【0059】
また、図3(D)に示す素子層81は、薄膜トランジスタ52a及び薄膜トランジスタ52b、並びに、薄膜トランジスタ52aまたは52bに電気的に接続し絶縁膜66上に形成される電極84、電極84に電気的に接続し絶縁膜67上に形成されるアンテナ83を有している。電極84は、薄膜トランジスタ52aまたは薄膜トランジスタ52bに電気的に接続する配線57a、配線58a、配線57b、配線58bと同様の材料及び同様の作製工程により形成すればよい。
【0060】
図3(D)に示すアンテナ83は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子を有する液滴やペーストを液滴吐出法(インクジェット法、ディスペンス法など)により吐出し、乾燥焼成して形成する。液滴吐出法によりアンテナを形成することで、工程数の削減が可能であり、それに伴うコスト削減が可能である。
【0061】
また、スクリーン印刷法を用いてアンテナ83を形成してもよい。スクリーン印刷法を用いる場合、アンテナ83の材料としては、粒径が数nmから数十μmの導電性粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性ペーストを選択的に印刷する。導電性粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散材および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電層の形成にあたり、導電性のペーストを印刷した後に焼成することが好ましい。
【0062】
また、アンテナ83は、スクリーン印刷法の他にもグラビア印刷等を用いてもよいし、メッキ法、スパッタリング法等を用いて、導電性材料により形成することができる。
【0063】
図3(D)に示す素子層81を有する半導体装置の代表例としては、無線で情報を送受信することが可能なIDタグ、ICタグ、RF(Radio Frequency)タグ、無線タグ、電子タグ、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、ICカード、IDカード等(以下、RFIDと示す。)がある。また、本実施の形態の半導体装置は、薄膜トランジスタ等で構成される集積回路部とアンテナを封止したインレットや、当該インレットをシール状やカード状にしたものを含む。また、半導体装置の上面の面積を、4mm以上、さらには9mm以上とすることで、アンテナの面積を大きく形成することが可能であるため、通信機との通信距離の長いRFIDとすることができる。
【0064】
また、RFIDの信号の伝送方式として、電磁結合方式または電磁誘導方式(例えば13.56MHz帯)を適用する。磁束密度の変化による電磁誘導を利用する場合、アンテナの上面形状を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成することができる。
【0065】
また、RFIDにおける信号の伝送方式として、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用することもできる。その場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナの長さ等の形状を適宜設定すればよい。
【0066】
本実施の形態の構造体120を、薄膜トランジスタ52a及び52bを有する素子層51に適用した構成を、図7(A)に示す。
【0067】
図7(A)は、薄膜トランジスタ52a及び52bを有する素子層51を覆うように構造体120が設けられる。配線58b、配線102、導電性樹脂101を介して、薄膜トランジスタ52bと外部の端子と電気的に接続させることができる。
【0068】
さらには、素子層51の他方の面にも構造体を設けてもよい。即ち、素子層51の両表面に構造体を設け、素子層51を両面から覆うように対向する一対の構造体が設けられてもよい。
【0069】
図7(B)に示す構成では、図7(A)に示す素子層51の一方の面に構造体120aを有し、素子層51の他表面に構造体120bを有する。このときの構造体120a及び120bは同じ材質の繊維体及び絶縁性である有機樹脂で形成されていると、反り低減の為には好ましい。しかし表裏を判別して使用する用途の場合には必ずしも同じ材質である必要性はない。
【0070】
このように繊維体に含浸される有機樹脂が固着されることにより、素子層の両面が繊維体により支持されるため、半導体装置全体の反りを減少させることが可能である。さらに、後のラミネートフィルムやシール等へ素子層51を有する半導体装置を搭載することが容易となる。
【0071】
なお、本明細書の図面においては、シート状繊維体113は、断面が楕円形の糸束で平織りした織布で示されている。また、薄膜トランジスタ52aや薄膜トランジスタ52bがシート状繊維体113の糸束よりも大きいが、薄膜トランジスタ52aや薄膜トランジスタ52bの大きさがシート状繊維体113の糸束よりも小さい場合もある。
【0072】
次いで、図7(A)に示す構成を得る作製工程について、図4(A)〜図4(E)、図5(A)〜図5(D)を用いて説明する。
【0073】
図4(A)に示すように、絶縁表面を有する基板111上に剥離層112を形成し、剥離層112上に、薄膜トランジスタ52a及び薄膜トランジスタ52bを含む素子層51を形成する。
【0074】
絶縁表面を有する基板111としては、素子層51を形成する温度に耐えうる基板を用いることが好ましく、代表的にはガラス基板、石英基板、セラミック基板、絶縁層が少なくとも一表面に形成された金属基板、有機樹脂基板等を用いることができる。ここでは、絶縁表面を有する基板111としてガラス基板を用いる。
【0075】
剥離層112は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、厚さ30nm〜200nmのタングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、及び珪素(Si)の中から選択された元素、又は元素を主成分とする合金材料、又は元素を主成分とする化合物からなる層を、単層または複数の層を積層させて形成する。珪素を含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。なお、ここでは、塗布法は、溶液を被処理物上に吐出させて成膜する方法であり、例えばスピンコーティング法や液滴吐出法を含む。また、液滴吐出法とは微粒子を含む組成物の液滴を微細な孔から吐出して所定の形状のパターンを形成する方法である。
【0076】
剥離層112が単層構造の場合、好ましくは、タングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
【0077】
剥離層112が積層構造の場合、好ましくは、1層目として金属層を形成し、2層目として金属酸化物層を形成する。代表的には、1層目の金属層として、タングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成し、2層目として、タングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、タングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物の窒化物、タングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化窒化物、又はタングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物の窒化酸化物を含む層を形成する。
【0078】
剥離層112として、1層目として金属層、2層目として金属酸化物層の積層構造を形成する場合、金属層としてタングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁層を形成することで、タングステンを含む層と絶縁層との界面に、金属酸化物層としてタングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。さらには、金属層の表面を、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行って金属酸化物層を形成してもよい。
【0079】
タングステンの酸化物は、WO、W、W11、WOなどがある。
【0080】
また、上記の工程によると、絶縁表面を有する基板111に接するように剥離層112を形成しているが、この工程に制約されない。絶縁表面を有する基板111に接するように下地となる絶縁層を形成し、その絶縁層に接するように剥離層112を設けてもよい。ここでは、剥離層112として厚さ30nm〜70nmのタングステン層をスパッタリング法により形成する。
【0081】
また、剥離層112、並びに、薄膜トランジスタ52a及び薄膜トランジスタ52bの間には、下地層として機能する絶縁層56が形成されている。
【0082】
次いで、絶縁膜67上に配線58bと電気的に接続する配線102を形成する(図4(B)参照)。配線102は、配線58bと同様の材料で形成すればよい。配線102はバンプとも言い、素子層51と、後に形成される導電性樹脂101を電気的に接続させる機能を有する。
【0083】
次いで、絶縁膜67及び配線102を覆ってシート状繊維体113を設ける(図4(C)参照)。
【0084】
次に配線102上のシート状繊維体113に導電性樹脂101を含浸させる(図4(D)参照)。
【0085】
導電性樹脂101を含浸させたら、シート状繊維体113のその他の領域に絶縁性樹脂114を含浸させる(図4(E)参照)。
【0086】
次に、構造体120を加熱し圧着して、構造体120の絶縁性樹脂114、あるいは、導電性樹脂101及び絶縁性樹脂114を可塑化または硬化する。なお、絶縁性樹脂114が可塑性有機樹脂の場合、この後、室温に冷却することにより可塑化した絶縁性樹脂114を硬化する。
【0087】
絶縁性樹脂114は加熱及び圧着により、絶縁膜67及び配線102の表面に均一に広がり硬化する。この結果、絶縁性樹脂114がシート状繊維体113に含浸し、かつ、構造体120が絶縁膜67及び配線102の片面に固着される。構造体120を圧着する工程は、大気圧下または減圧下で行う。
【0088】
あるいは、導電性樹脂101をシート状繊維体113に含浸させた後、第1の加熱を行い、次いで絶縁性樹脂114をシート状繊維体113を含浸させた後、第2の加熱を行って、絶縁性樹脂114を硬化させてもよい。
【0089】
なお、図2(D)と同様に、シート状繊維体113に、導通させたい領域以外の領域に絶縁性樹脂114を含浸させ、後に導通させたい領域に導電性樹脂101を含浸させてもよい。
【0090】
次に、図5(A)に示すように、後の剥離工程を容易に行うために、構造体120側から、構造体120、素子層51及び剥離層112にレーザビーム122を照射して、図5(B)に示すような溝123を形成してもよい。溝123を形成するために照射するレーザビームとしては、剥離層112、素子層51、または構造体120を構成する層のいずれかが吸収する波長を有するレーザビームが好ましく、代表的には、紫外領域、可視領域、又は赤外領域のレーザビームを適宜選択して照射する。
【0091】
このようなレーザビームを発振することが可能なレーザ発振器としては、KrF、ArF、XeCl等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF、CO等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO、YVO、YLF、YAlOなどの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶、ガラス、ルビー等の固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、その固体レーザ発振器においては基本波〜第5高調波を適宜適用するのが好ましい。
【0092】
次に、図5(C)に示すように、溝123をきっかけとして、剥離層112及び絶縁層56の界面において、剥離層112が形成される絶縁表面を有する基板111と、素子層51の一部とを物理的手段により剥離する。
【0093】
物理的手段とは、力学的手段または機械的手段を指し、何らかの力学的エネルギー(機械的エネルギー)を加える手段を指しており、その手段は、代表的には機械的な力を加えること(例えば人間の手や把治具で引き剥がす処理や、ローラを回転させながら分離する処理)である。このとき、構造体120表面に光または熱により剥離可能な粘着シートを設けると、さらに剥離が容易となる。
【0094】
また、溝123に液体を滴下し、剥離層112及び絶縁層56の界面に液体を浸透させて剥離層112から素子層51を剥離してもよい。この場合、溝123にのみ液体を滴下してもよいし、または絶縁表面を有する基板111、素子層51、及び構造体120全体を液体に浸して、溝123から剥離層112及び素子層51の界面に液体を浸透させても良い。
【0095】
また、図5(B)において、溝123にNF、BrF、ClF等のフッ化ガスを導入し、剥離層をフッ化ガスでエッチングし除去して、絶縁表面を有する基板111から素子層51の一部を剥離する方法を用いることができる。
【0096】
以上にして、構造体120に貫通孔を形成せずに、構造体120の一方の面に接して形成された素子層51と、構造体120の他方の面に形成される端子、配線、回路、他の半導体素子等を電気的に接続させることができる半導体装置を得ることができる。
【0097】
なお、素子層51に複数の半導体装置が含まれる場合、素子層51及び構造体120を分断して、複数の半導体装置を切り出してもよい。このような工程により、複数の半導体装置を作製することができる。
【0098】
素子層51及び構造体120を分断して複数の半導体装置を作製する際は、ダイシング、スクライビング、はさみやナイフなどの刃物を有する裁断機、又はレーザカット法等により選択的に分断することができる。
【0099】
以上のように、貫通配線が設けられた樹脂含浸繊維体複合基板を半導体装置の封止体あるいは保護材として用いる場合にも、機械的強度を維持できる上に、気密性を保つことができる。
【実施例1】
【0100】
本実施例のプリプレグは、ガラスクロスに、導電性樹脂を印刷し、その後加熱を行い、次いで絶縁性樹脂を印刷して、加熱を行うことにより作製した。
【0101】
導電性樹脂は、銀粉、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、エポキシ樹脂を含む銀ペーストを用いた。また絶縁性樹脂は、エポキシ樹脂及びアミン系硬化剤を有する絶縁性樹脂を用いた。
【0102】
このようにして作製されたプリプレグの、導電性樹脂を印刷した側から見た光学顕微鏡写真を図6(A)に、裏側から見た光学顕微鏡写真を図6(B)に示す。
【0103】
図6(A)に示されるように、導電性樹脂と絶縁性樹脂が混ざり合うことなく配置されていることが分かる。
【0104】
また特に図6(B)に示されるように、導電性樹脂がガラスクロスを通して裏面にまで露出していることが分かる。
【符号の説明】
【0105】
51 素子層
52a 薄膜トランジスタ
52b 薄膜トランジスタ
53a 不純物領域
53b 不純物領域
54 ゲート絶縁層
55a ゲート電極
55b ゲート電極
56 絶縁層
57a 配線
57b 配線
58a 配線
58b 配線
61 素子層
62 記憶素子
63a チャネル形成領域
63b チャネル形成領域
64 トンネル酸化層
65 絶縁膜
66 絶縁膜
67 絶縁膜
71 素子層
72 フォトダイオード
73 受光部
74 電極
81 素子層
83 アンテナ
84 電極
91 チャネル形成領域
92 不純物領域
93 フローティングゲート
94 コントロール絶縁層
95 コントロールゲート
97 配線
98 配線
101 導電性樹脂
102 配線
103 領域
111 基板
112 剥離層
113 繊維体
113a 経糸
113b 緯糸
113c バスケットホール
114 絶縁性樹脂
120 構造体
120a 構造体
120b 構造体
122 レーザビーム
123 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状繊維体の両面に、該シート状繊維体の内部まで含浸した絶縁性樹脂層と、
前記絶縁性樹脂層に囲まれる領域に設けられた貫通配線を有し、
前記貫通配線は、前記シート状繊維体を挟んで前記絶縁性樹脂層の両面に導電性材料が露出し、該導電性材料は、前記シート状繊維体の内部まで含浸していることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
シート状繊維体の一部の領域に、導電性樹脂を含浸させて貫通配線を形成し、
前記シート状繊維体の前記導電性樹脂が含浸していない領域に、絶縁性樹脂層を含浸させることを特徴とする配線基板の作製方法。
【請求項3】
シート状繊維体の両面に、該シート状繊維体の内部まで含浸した絶縁性樹脂層と、前記絶縁性樹脂層に囲まれる領域に、前記シート状繊維体に含浸し前記絶縁性樹脂層の両面に導電性材料が露出する貫通配線を有する樹脂含浸繊維体複合基板と、
絶縁層の表面にバンプが露出した集積回路チップとを有し、
前記バンプが前記貫通配線と接触するように、前記集積回路チップが前記樹脂含浸繊維体複合基板に密接していることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
絶縁層の表面にバンプが露出した集積回路チップを形成し、
シート状繊維体の一部の領域に、前記バンプと接触するように、導電性樹脂を含浸させて貫通配線を形成し、
前記シート状繊維体の前記導電性樹脂が含浸していない領域に、絶縁性樹脂層を含浸させることを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−21534(P2010−21534A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134374(P2009−134374)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】