説明

パターン形成方法を含む半導体装置の製造方法

【課題】 本発明は半導体装置の製造工程において、レジストなどのマスクパターンを用いる際に発生する反応生成物等のレジスト等への不均一な付着によるパターン形状等の不良を生じさせず、また、寸法精度が良好な微細パターンの形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 パターン形成方法を含む半導体装置の製造方法として、第1の薄膜の側壁に第2の薄膜を形成し、その側壁に形成された第2の薄膜の先端部が不均一にならないように、平坦化法により、精度良くエッチバックして揃える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン形成方法を含む半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微細化の進展と共に、半導体装置の製造工程では、通常用いられるレジストパターンをその寸法通りに、例えば、ゲート電極等のパターン形成に用いる通常の方法に加えて、そのレジストパターンよりも寸法を細くして加工を行う方法、即ち、スリミング法と呼ばれる方法が用いられている。
【0003】
例えば、シリコン基板上にゲート絶縁膜、被加工膜、そのパターン形成用として用いるマスクパターン膜を形成する。この時、例えばゲート絶縁膜はシリコン酸化膜、被加工膜は多結晶シリコン膜、マスクパターンはフォトレジスト膜などが用いられる。次に、被加工膜を反応性イオンエッチング法等の方法により加工する際、マスクパターンを若干細くさせながら実施することにより、被加工膜を当初のレジストパターンよりも細い寸法になるように加工する。
【0004】
しかし、前記パターン形成方法では、例えば30nmを下回る微細化されたパターン寸法の形成を行おうとする際、マスクパターンの曲がりなどが発生し、被加工膜の形成不良が生じる。これは被加工膜をエッチングする際に生じる反応生成物が、例えばパターン間のスペース幅等の周囲環境等の影響を受け、マスクパターンの側壁に不均一に付着する等が原因となる。
【0005】
このため、微細パターンの形成方法として或るパターンの側壁に形成した膜を残存させ、それをパターンとして用いる、所謂側壁残し法と呼ばれる方法が更に提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
この方法によって、微細化パターンを形成できるが、例えば、残存させた側壁膜の形状が異なっていたり、その寸法が不均一であったりして、半導体装置を製造した場合、所望の特性に対してバラツキが存在する等の問題があった。
【特許文献1】特開2002−280388号公報(第6ページ、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、パターン形状等の不良を生じさせず、また、寸法精度が良好に制御された微細パターンの形成方法を含む半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、パターン形成方法を含む半導体装置の製造方法として、基板上に、第1の薄膜による複数のパターンを形成する工程と、前記第1の薄膜の側壁に第2の薄膜を形成する工程と、前記複数のパターン間へ埋め込みながら、前記基板上に埋込膜を形成する工程と、前記第1の薄膜及び前記第2の薄膜の表面が露出するまで、前記埋込膜を平坦化しながら除去する工程と、前記第1の薄膜、前記第2の薄膜及び前記埋込膜を深さ方向へ向けて所定の厚さだけ除去する工程と、前記複数のパターン間へ埋め込まれた前記埋込膜及び前記第1の薄膜を除去し、前記第2の薄膜をパターンとして残存させる工程とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の態様は、パターン形成方法を含む半導体装置の製造方法として、基板上に、第1の薄膜及び補助膜が積層された積層膜によるパターンを形成する工程と、前記補助膜をマスクにして第1の薄膜の側面部を所定の幅だけ除去する工程と、前記第1の薄膜の側面部を除去した後、前記基板上に第2の薄膜を形成する工程と、前記第1の薄膜の側壁部に形成され、かつ、前記補助膜の直下にある前記第2の薄膜を残存せしめるように、前記第2の薄膜を選択的に除去する工程と、前記補助膜及び第1の薄膜を除去し、前記第2の薄膜をパターンとして残存させる工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パターン形状等の不良を生じさせず、また、パターン寸法精度も良好に制御され、微細化に対応した半導体装置の製造方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0012】
第1の実施例では、半導体装置の製造方法におけるパターン形成方法の一例について詳しく述べる。図1乃至図3は、第1の実施例による半導体装置の製造方法におけるパターン形成工程を、工程順に示す断面の模式図である。
【0013】
先ず、図1(a)に示すように、基板としてP型のシリコン基板10を用意する。次に、シリコン基板10の上に、高誘電体膜としてタンタル酸化膜(Ta)11をCVD法或いは反応性スパッタリング法を用い、例えば10nm程度形成する。続いて、CVD法を用い、第1の薄膜として第1のシリコン酸化膜12を100m程度、タンタル酸化膜11の上に形成する。
【0014】
次に、リソグラフィ法を用いて、第1の薄膜である第1のシリコン酸化膜12をパターニングし、複数のパターンを形成する。
【0015】
先ず、スピン塗布法を用い、シリコン基板10の全面にレジスト膜13を形成する。続いて、光露光法を用い、所定のパターンを有するマスクを通して、例えば紫外線をレジスト膜13に照射する。更に、紫外線が照射されたレジスト膜13を現像処理する。これにより、図1(b)に示すように、レジスト膜13を所定の複数のパターンにする。
【0016】
次に、パターン化したレジスト膜13をマスクにして、RIE等のドライエッチング法を用い、第1のシリコン酸化膜12をパターニングし、図1(c)に示すように、複数のパターンを形成する。この時、例えばRIEに使用するエッチングガスは、下地であるタンタル酸化膜11に対し、第1のシリコン酸化膜12とのエッチング選択比を高くとることが可能なC4F8等のガスを用いる。パターン形成後、レジスト膜は、例えばドライ処理法或いはウエット処理法により除去する。
【0017】
次に、第2の薄膜を、第1の薄膜である第1のシリコン酸化膜12の側壁に形成する。
【0018】
先ず、図2(d)に示すように、CVD法を用い、第2の薄膜であるシリコン膜14を30nm程度、シリコン基板10の上に形成する。続いて、RIE等のドライエッチング法を用い、下地であるタンタル酸化膜11に対し、シリコン膜14を異方性エッチングし、タンタル酸化膜11及び第1のシリコン酸化膜12の表面上にあるシリコン膜14だけを選択的に除去し、図2(e)に示すように、第1のシリコン酸化膜12の側壁部分にだけ、シリコン膜14を残存させる。
【0019】
この時、シリコン膜14の形成条件、異方性エッチングの条件等により、側壁部分の先端部14aは、丸みを帯びるように不均一になる、或いは深さ方向の膜厚がパターンごとに不均一になる等の不都合が発生する。従って、この段階で、例えば第1のシリコン酸化膜12を除去し、シリコン膜14をパターンとして残存させ、半導体素子に適用した場合、上述の不均一性によって、得られた半導体素子の特性そのものに不均一性が発生する可能性がある。従って、更に以下の工程を実施する。
【0020】
次に、CVD法を用い、埋込膜である第2のシリコン酸化膜15をパターンの間に埋め込むようにしながら、タンタル酸化膜11及び第1のシリコン酸化膜12の表面上に形成する。その後、必要であれば、レジストエッチバック法等を用いて第2のシリコン酸化膜15を平坦化する(図2(f))。
【0021】
次に、第2の薄膜であるシリコン膜14を所定のパターンとして形成する。
【0022】
先ず、例えばCMP法を用い、第2のシリコン酸化膜15を平坦化しながら、深さ方向に向けて除去する。シリコン基板10の表面側が全面、第2のシリコン酸化膜15の段階からシリコン膜14の表面が表れる段階に移る。更に、CMP法を用い、図2(e)で示したシリコン膜14の先端部14aの不均一部分がなくなるように、第1のシリコン酸化膜12、シリコン膜14及び第2のシリコン酸化膜15を所定の深さだけ平坦化処理を実施する。図3(g)に示すように、均一な膜厚を有するシリコン膜14が得られる。
【0023】
更に、例えばウェットエッチングを用い、第1のシリコン酸化膜12及び第2のシリコン酸化膜15をシリコン膜14及びタンタル酸化膜11に対して選択的にエッチングを行うことで除去し、図3(h)に示すように、所定の寸法を有する素子パターン膜14bを形成できる。
【0024】
本実施例によれば、不均一な付着物が発生せず、また、寸法精度が良好な30nm程度の微細パターンを形成することが可能となる。これにより、微細化に対応した半導体装置の製造方法を提供できる。
【0025】
なお、第1の薄膜、第2の薄膜、下地の高誘電体膜の膜厚等を変えることにより、30nmよりも更に微細化されたパターンを形成することが可能であり、従来の方法では、微細化するほど不均一な付着物による悪影響も大きくなると考えられることから、その効果も一層大きくなる。
【実施例2】
【0026】
第2の実施例は、第1の実施例で述べたパターンの形成方法を、半導体装置の製造方法として、CMOS構造の絶縁ゲート型電界効果トランジスタの製造方法に適用した例を示す。図4乃至図6は、第2の実施例による半導体装置の製造方法を工程順に示す断面の模式図である。
【0027】
先ず、図4(a)に示すように、P型のシリコン基板20の表面領域に、STI法(浅いトレンチ分離法)若しくはLOCOS法(選択酸化法)により、酸化膜を選択的に形成して、素子分離領域21を形成する。次に、シリコン基板20の素子分離領域21によって選択的に分離された領域のうち、PチャネルMISFET形成領域にはN型不純物として燐をイオン注入法で導入し、N型ウェル領域21aを形成する。一方、NチャネルMISFET形成領域にはP型不純物としてボロンをイオン注入法で導入し、P型ウェル領域21bを形成する。この時のドーズ量はそれぞれ1E12cm−2〜1E13cm−2程度である。その後、例えば、900℃、10秒の急速加熱を施し、導入した不純物を活性化する。
【0028】
引き続き、図4(b)に示すように、シリコン基板10の表面に、高誘電体膜としてハフニウム酸化膜(HfO2)22をCVD法或いは反応性スパッタリング法を用い、例えば10nm程度形成する。続いて、MISFETのしきい値電圧制御のため、ハフニウム酸化膜22を介してN型ウェル領域21aにはN型不純物である砒素を、P型ウェル領域21bにはP型不純物であるボロンを選択的にイオン注入法で導入する。この時のドーズ量はそれぞれ1E13cm−2〜1E14cm−2程度である。その後、例えば、900℃、10秒の急速加熱を施し、導入した不純物を活性化する。
【0029】
その後、図4(c)に示すように、CVD法を用い、第1の薄膜として第1のシリコン酸化膜23を100m程度、ハフニウム酸化膜22の上に形成する。次に、リソグラフィ法を用いて、第1のシリコン酸化膜23をパターニングし、複数のパターンを形成する。
【0030】
先ず、シリコン基板20の上に、所定のパターンを、レジスト膜のパターンとして形成する(図示せず)。続いて、パターン化したレジスト膜をマスクにして、RIE等のドライエッチング法を用い、第1のシリコン酸化膜23をパターニングし、図5(d)に示すように、パターンを形成する。この時、例えばRIEに使用するエッチングガスは、下地であるハフニウム酸化膜22に対し、第1のシリコン酸化膜23とのエッチング選択比を高くとることが可能なC等のガスを用いる。パターン形成後、レジスト膜は、例えばドライ処理法或いはウエット処理法により除去する。
【0031】
次に、第2の薄膜を第1の薄膜である第1のシリコン酸化膜23の側壁に形成する。
【0032】
先ず、CVD法を用い、第2の薄膜であるシリコン膜24を30nm程度、シリコン基板20の上に形成する。続いて、RIE等のドライエッチング法を用い、下地であるハフニウム酸化膜22に対し、シリコン膜24を異方性エッチングし、ハフニウム酸化膜22及び第1のシリコン酸化膜23の表面上にあるシリコン膜24だけを選択的に除去し、図5(e)に示すように、第1のシリコン酸化膜23の側壁部分にだけ、シリコン膜24を残存させる。
【0033】
この時、シリコン膜24の形成条件、異方性エッチングの条件等により、側壁部分の先端部24bは、丸みを帯びるように不均一になる、或いは深さ方向の膜厚がパターンごとに不均一になる等の不都合が発生する。従って、この段階で、例えば第1のシリコン酸化膜23を除去し、シリコン膜24をパターンとして残存させ、本CMOS構造の絶縁ゲート型電界効果トランジスタに適用した場合、上述の不均一性によって、得られた電界効果トランジスタの特性そのものに不均一性が発生する可能性がある。従って、更に以下の工程を実施する。
【0034】
先ず、CVD法を用い、埋込膜である第2のシリコン酸化膜25をパターンの間に埋め込むようにしながら、ハフニウム酸化膜22及び第1のシリコン酸化膜23の表面上に形成する。その後、必要であれば、レジストエッチバック法等を用いて第2のシリコン酸化膜25を平坦化する。次に、例えばCMP法を用い、第2のシリコン酸化膜25を平坦化しながら、深さ方向に向けて除去する。シリコン基板20の表面側が全面、第2のシリコン酸化膜25の段階からシリコン膜24の表面が表れる段階に移る。更に、CMP法を用い、図5(e)で示したシリコン膜24の先端部24bの不均一部分がなくなるように、所定の深さだけ平坦化処理を実施する。図5(f)に示すように、膜厚が均一なシリコン膜24が得られる。
【0035】
更に、例えばウェットエッチングを用い、第1のシリコン酸化膜23及び第2のシリコン酸化膜25をシリコン膜24及びハフニウム酸化膜22に対して選択的にエッチングすることで、所定の寸法を有するパターンを形成できる。
【0036】
上述の工程によって得られたシリコン膜24は、図6(g)に示すように、本CMOS構造の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極膜24aとなる。
【0037】
続いて、ドライエッチング法等を用い、ゲート電極膜24aをマスクとして、ゲート絶縁膜となるハフニウム酸化膜22を、図6(h)に示すように除去する。なお、ハフニウム酸化膜22の除去はこの段階でなく、更に後の段階で行っても良い。或いは、ハフニウム酸化膜22を除去せずにCMOS構造の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを製造しても良い。
【0038】
更にパターニングされたゲート電極膜24aをマスクとして、イオン注入法によりエクステンション領域26、26aを形成する。即ち、N型ウェル領域21aにはP型不純物であるボロンを、P型ウェル領域21bにはN型不純物である砒素を、選択的にイオン注入法で導入する。この時のドーズ量はそれぞれ1E13cm−2〜1E15cm−2程度である。その後、例えば、900℃、10秒の急速加熱を施し、導入した不純物であるボロン及び砒素を活性化する。
【0039】
次に、図6(i)に示すように、CVD法によってシリコン窒化膜を20〜40nm、シリコン基板20の全面に形成した後、RIE法によって異方性エッチングを行い、シリコン窒化膜をゲート電極膜24aに接して、その周囲に選択的に残存し、側壁絶縁膜27とする。続いて、ゲート電極膜24a及びその周囲の側壁絶縁膜27をマスクとしてイオン注入法によりソース及びドレイン領域28、28aを形成する。即ち、N型ウェル領域21aにはP型不純物であるボロンを、P型ウェル領域21bにはN型不純物である砒素を、選択的にイオン注入法で導入する。この時のドーズ量はそれぞれ1E15cm−2〜1E16cm−2程度である。その後、例えば、900℃、10秒の急速加熱を施し、導入した不純物を活性化する。
【0040】
その後、図示しないシリコン酸化膜等の層間絶縁膜をシリコン基板20の全面に堆積した後、熱処理、CMP法等により表面の平坦化処理を行う。この層間絶縁膜にコンタクト孔を開口し、NチャネルMISFETのゲート電極、ソース及びドレイン領域、PチャネルMISFETのゲート電極、ソース及びドレイン領域にAl、Cu等の金属配線を形成する。さらに、必要に応じて層間絶縁膜の堆積と、金属配線の形成を繰り返して多層配線構造を形成したうえで、シリコン基板20の全面を表面保護膜で覆い、パッド部を開口して本発明による半導体装置の第2の実施例を完成させる。
【0041】
本実施例によれば、不均一な付着物が発生せず、また、CMOS構造の素子において、寸法精度が良好な30nm程度の微細なゲート電極を形成することが可能となる。これにより、微細化に対応したCMOS構造の絶縁ゲート型電界効果トランジスタ等の半導体装置の製造方法を提供できる。
【実施例3】
【0042】
第3の実施例では、半導体装置の製造方法におけるパターン形成方法の他の一例について詳しく述べる。図7及び図8は、第3の実施例による半導体装置の製造方法におけるパターン形成工程を、工程順に示す断面の模式図である。
【0043】
先ず、図7(a)に示すように、基板としてP型のシリコン基板30を用意する。次に、シリコン基板30の上に、高誘電体膜としてハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物の複合体酸化膜31をCVD法或いは反応性スパッタリング法を用い、例えば8nm程度形成する。続いて、CVD法を用い、第1の薄膜として第1のシリコン酸化膜32を80m程度、複合体酸化膜31の上に形成する。更に、CVD法を用い、補助膜としてシリコン窒化膜33を40m程度、第1のシリコン酸化膜32の上に形成する。
【0044】
次に、リソグラフィ法を用いて、第1のシリコン酸化膜32及びシリコン窒化膜33をパターニングし、複数のパターンを形成する。
【0045】
先ず、スピン塗布法を用い、シリコン基板30の全面にレジスト膜34を形成する。続いて、光露光法を用い、所定のパターンを有するマスクを通して、例えば紫外線をレジスト膜34に照射する。更に、紫外線が照射されたレジスト膜34を現像処理する。これにより、図7(a)に示すように、レジスト膜34を所定の複数のパターンにする。
【0046】
次に、パターン化したレジスト膜34をマスクにして、RIE等のドライエッチング法を用い、シリコン窒化膜33及び第1のシリコン酸化膜32を続けてパターニングし、図7(b)に示すように、シリコン窒化膜33及び第1のシリコン酸化膜32からなる積層膜33aとして、複数のパターンを形成する。この時、例えばRIEに使用するエッチングガスは、下地である複合体酸化膜31に対し、第1のシリコン酸化膜32のエッチング選択比を高くとることが可能なC等のガスを用いる。パターン形成後、レジスト膜は、例えばドライ処理法或いはウエット処理法により除去する。
【0047】
次に、第2の薄膜を積層膜33aの側壁に形成する。
【0048】
先ず、図7(c)に示すように、例えばウェットエッチング法を用い、第1のシリコン酸化膜32の側壁部分を、所定の寸法だけ選択的にエッチングする。続いて、図8(d)に示すように、CVD法を用い、第2の薄膜であるシリコン膜35を30nm程度、シリコン基板30の上に形成する。続いて、図8(e)に示すように、RIE等のドライエッチング法を用い、下地である複合体酸化膜31に対し、シリコン膜35を異方性エッチングし、複合体酸化膜31及びシリコン窒化膜33の表面上にあるシリコン膜35だけを選択的に除去する。更に、第1のシリコン酸化膜32の側壁にあって、シリコン窒化膜33の直下にあるシリコン膜35だけを残存させるように、シリコン窒化膜33の側壁部分のシリコン膜35を除去する。
【0049】
この時、第1の実施例とは異なり、シリコン窒化膜33が保護膜として作用し、残存するシリコン膜35は高さの均一性等が良好なパターンとなる。
【0050】
次に、例えばウェットエッチングを用い、第1のシリコン酸化膜32及びシリコン窒化膜33をシリコン膜35及び複合体酸化膜31に対して選択的にエッチングすることで、図8(f)に示すように、所定の寸法を有する素子パターン膜35aを形成できる。
【0051】
なお、本実施例を、例えば第2の実施例に示したCMOS構造の絶縁ゲート型電界効果トランジスタに適用することが可能である。基本的に、ゲート電極膜形成工程に本実施例を適用すれば良く、詳細なプロセスについては省略する。
【0052】
本実施例によれば、不均一な付着物が発生せず、また、寸法精度が良好な30nm程度の微細パターンを形成することが可能となる。これにより、微細化に対応した半導体装置の製造方法を提供できる。
【0053】
また、本実施例によれば、CMP法等によるエッチバックの必要性はなく、簡略化した製造工程が得られる。
【0054】
更に、第1の薄膜、第2の薄膜、下地の高誘電体膜の膜厚等を変えることにより、30nmよりも更に微細化されたパターンを形成することが可能であり、従来の方法では、微細化するほど不均一な付着物による悪影響も大きくなると考えられることから、その効果も一層大きくなる。
【0055】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0056】
基板はシリコン基板に限らず、絶縁性基板、化合物半導体基板等の他の基板であっても良い。また、基板上に下地膜を形成した後、第1の薄膜を形成しても良いことは勿論である。
【0057】
また、下地膜、第1の薄膜及び第2の薄膜等はそれぞれの材質、相互の反応性、相互のエッチング選択比を考慮しながらも、種々の組合せが可能である。例えば、下地膜としてシリコン酸化膜、第1の薄膜としてシリコン窒化膜及び第2の薄膜としてシリコン膜としても良い。また、下地膜としてシリコン酸化膜、第1の薄膜としてシリコン窒化膜及び第2の薄膜としてアルミニウム膜等の金属膜を用い、配線工程に適用することも可能である。
【0058】
更に、高誘電体膜は比誘電率が8以上で、タンタル酸化膜、ハフニウム酸化膜以外にも、ジルコニウム酸化膜、チタン酸化膜、イットリウム酸化膜等、また、それらの複合体酸化膜、更にはシリコン或いは窒素等を含んだ膜等が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明による半導体装置の製造方法の第1の実施例を工程順に示す断面の模式図。
【図2】本発明による半導体装置の製造方法の第1の実施例を工程順に示す断面の模式図。
【図3】本発明による半導体装置の製造方法の第1の実施例を工程順に示す断面の模式図。
【図4】本発明による半導体装置の製造方法の第2の実施例を工程順に示す断面の模式図。
【図5】本発明による半導体装置の製造方法の第2の実施例を工程順に示す断面の模式図。
【図6】本発明による半導体装置の製造方法の第2の実施例を工程順に示す断面の模式図。
【図7】本発明による半導体装置の製造方法の第3の実施例を工程順に示す断面の模式図。
【図8】本発明による半導体装置の製造方法の第3の実施例を工程順に示す断面の模式図。
【符号の説明】
【0060】
10、20、30 シリコン基板
11 タンタル酸化膜
12、23、32 第1のシリコン酸化膜
13、34 レジスト膜
14、24、35 シリコン膜
14a、24b 先端部
14b、35a 素子パターン膜
15、25 第2のシリコン酸化膜
21 素子分離領域
21a N型ウェル領域
21b P型ウェル領域
22 ハフニウム酸化膜
24a ゲート電極膜
26 P型エクステンション領域
26a N型エクステンション領域
27 側壁絶縁膜
28 P型ソース及びドレイン領域
28a N型ソース及びドレイン領域
31 複合体酸化膜
33 シリコン窒化膜
33a 積層膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、第1の薄膜による複数のパターンを形成する工程と、
前記第1の薄膜の側壁に第2の薄膜を形成する工程と、
前記複数のパターン間へ埋め込みながら、前記第1の薄膜及び前記第2の薄膜を覆うように前記基板上に埋込膜を形成する工程と、
前記第1の薄膜及び前記第2の薄膜の表面が露出するまで、前記埋込膜を平坦化しながら除去する工程と、
前記第1の薄膜、前記第2の薄膜及び前記埋込膜を深さ方向へ向けて所定の厚さだけ除去する工程と、
前記複数のパターン間へ埋め込まれた前記埋込膜及び前記第1の薄膜を除去し、前記第2の薄膜をパターンとして残存させる工程と
を有することを特徴とするパターン形成方法を含む半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の薄膜を形成する工程の前に、前記基板上に下地膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1の薄膜がシリコン酸化膜、前記第2の薄膜がシリコン膜、及び前記下地膜が高誘電体膜であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記パターンとして残存させた第2の薄膜のパターン幅が、30nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
基板上に、第1の薄膜及び補助膜が積層された積層膜によるパターンを形成する工程と、
前記補助膜をマスクにして第1の薄膜の側面部を所定の幅だけ除去する工程と、
前記第1の薄膜の側面部を除去した後、前記基板上に第2の薄膜を形成する工程と、
前記第1の薄膜の側壁部に形成され、かつ、前記補助膜の直下にある前記第2の薄膜を残存せしめるように、前記第2の薄膜を選択的に除去する工程と、
前記補助膜及び第1の薄膜を除去し、前記第2の薄膜をパターンとして残存させる工程と
を有することを特徴とするパターン形成方法を含む半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−32648(P2006−32648A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209295(P2004−209295)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】