説明

半導体装置の製造方法

【課題】第1領域におけるライナー膜の膜厚と、第2領域におけるライナー膜の膜厚とが互いに異なる半導体装置において、コンタクトホールの形成時に、活性領域及び素子分離領域に削れが形成されることを防止する。
【解決手段】ゲート構造体Gbが密に配置された第1領域におけるライナー膜22b及び層間絶縁膜23に、互いに隣接するゲート構造体同士の間の領域を開口して、底部に第1の膜厚を有するライナー膜が残存する第1のコンタクトホール28rを形成する。次に、ゲート構造体が疎に配置された第2領域におけるライナー膜及び層間絶縁膜に、互いに隣接するゲート構造体同士の間の領域を開口して、底部に第2の膜厚を有するライナー膜が残存する第2のコンタクトホール34rを形成する。次に、第1のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜、及び第2のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜を除去する。第1の膜厚と第2の膜厚とは、同等である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、ライナー膜を有する半導体装置におけるコンタクトの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の高性能化の要望を受けて、1チップ当たりのトランジスタの集積数を増大させるために、トランジスタの微細化が進展し、現在、45nmノードの超微細トランジスタが量産されている。しかしながら、単にムーアの法則に従ってトランジスタ寸法を縮小しても、トランジスタの能力の確保ができず、キャリアの移動度の低下によるトランジスタの駆動力の低下により、所望のデバイス特性が得られないといった問題が顕在化している。
【0003】
この問題を解決するために、トランジスタの駆動力を向上させる技術として、チャネル領域に応力(ストレス)を印加する技術が提案されている。チャネル領域へのストレス印加方法として、第1に例えば、ソース・ドレイン領域に、半導体基板の格子定数と異なる格子定数を有する膜を埋め込み、N型MOSトランジスタのチャネル領域に引っ張り応力を印加する、又はP型MOSトランジスタのチャネル領域に圧縮応力を印加する技術が提案されている。第2に例えば、N型MOSトランジスタ上に、引っ張り応力を有するライナー膜を設ける一方、P型MOSトランジスタ上に、圧縮応力を有するライナー膜を設ける技術(「デュアルストレスライナー(Dual Stress Liner)技術」)が提案されている。
【0004】
以下に、デュアルストレスライナー技術を用いた従来の半導体装置の製造方法について、図15(a) 〜(d) 、及び図16(a) 〜(c) を参照しながら説明する(例えば特許文献1参照)。図15(a) 〜図16(c) は、従来の半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。ここで、図15(a) 〜図16(c) において、左側に「NMOS領域」を示し、右側に「PMOS領域」を示す。なお、「NMOS領域」とは、N型MOSトランジスタが形成される領域をいう。一方、「PMOS領域」とは、P型MOSトランジスタが形成される領域をいう。
【0005】
まず、図15(a) に示すように、半導体基板100の上部に、素子分離領域101を形成する。これにより、NMOS領域における半導体基板100に活性領域100aを形成する一方、PMOS領域における半導体基板100に活性領域100bを形成する。
【0006】
次に、活性領域100a,100b上に、ゲート絶縁膜102a,102b、ゲート電極103a,103bを順次形成した後、ゲート電極103a,103bの側面上に、オフセットスペーサ104a,104bを形成する。その後、活性領域100aにおけるゲート電極103aの側方下に、N型エクステンション領域105aを形成する一方、活性領域100bにおけるゲート電極103bの側方下に、P型エクステンション領域105bを形成する。
【0007】
次に、図15(b) に示すように、ゲート電極103a,103bの側面上に、オフセットスペーサ104a,104bを介して、内側サイドウォール106a,106b、及び外側サイドウォール107a,107bからなるサイドウォール107A,107Bを形成する。その後、活性領域100aにおけるサイドウォール107Aの側方下に、N型ソース・ドレイン領域108aを形成する一方、活性領域100bにおけるサイドウォール107Bの側方下に、P型ソース・ドレイン領域108bを形成する。
【0008】
その後、ソース・ドレイン領域108a,108bの上部に、シリサイド層109a1,109b1を形成すると共に、ゲート電極103a,103bの上部に、シリサイド層109a2,109b2を形成する。
【0009】
このようにして、半導体基板100上に、ゲート構造体(N型MOSトランジスタ)Ga、及びゲート構造体(P型MOSトランジスタ)Gbを形成する。
【0010】
次に、図15(c) に示すように、半導体基板100上の全面に、引っ張り応力を有する第1のライナー膜110、及び絶縁膜111を順次形成する。
【0011】
次に、図15(d) に示すように、NMOS領域を覆うレジスト(図示せず)をマスクとして、ドライエッチングにより、PMOS領域における絶縁膜111を除去し、絶縁膜111aを残存させた後、レジストを除去する。その後、絶縁膜111aをマスクとして、ドライエッチングにより、PMOS領域における第1のライナー膜110を除去し、第1のライナー膜110aを残存させる。
【0012】
次に、図16(a) に示すように、半導体基板100上の全面に、圧縮応力を有する第2のライナー膜112を形成する。
【0013】
次に、図16(b) に示すように、PMOS領域を覆うレジスト(図示せず)をマスクとして、ドライエッチングにより、NMOS領域における第2のライナー膜112を除去し、第2のライナー膜112bを残存させる。
【0014】
次に、図16(c) に示すように、半導体基板100上の全面に、層間膜絶縁膜113を形成する。
【0015】
その後、図示は省略するが、層間絶縁膜113上に、コンタクトホール形成用ホールが形成されたレジストパターンを形成する。その後、レジストパターンをマスクとして、NMOS領域における層間絶縁膜113、絶縁膜111a、及び第1のライナー膜110aに対して順次エッチングを行い、シリサイド層109a1の上面を露出させるコンタクトホールを形成する。それと共に、レジストパターンをマスクとして、PMOS領域における層間絶縁膜113、及び第2のライナー膜112bに対して順次エッチングを行い、シリサイド層109b1の上面を露出させるコンタクトホールを形成する。その後、コンタクトホール内に、コンタクトを形成する。
【0016】
以上のようにして、従来の半導体装置を製造する。
【0017】
ここで、図17(a) に示すように、例えば、PMOS領域において、ゲート電極103b間の間隔が狭い「密領域」における第2のライナー膜112bは、ゲート電極103b間を埋め込むように形成され、ゲート電極103b間の間隔が広い「疎領域」における第2のライナー膜112bに比べて、厚く形成される。そのため、密領域における第2のライナー膜112bを除去するのに必要とされるエッチング時間は、疎領域における第2のライナー膜112bを除去するのに必要とされるエッチング時間に比べて長い。しかしながら、従来では、1度のエッチングにより、密領域,疎領域における第2のライナー膜112bを除去しなければならない。
【0018】
そのため、第1に例えば、第2のライナー膜112bのエッチング時間を、密領域における第2のライナー膜112bを除去するのに必要とされるエッチング時間にすると、図17(b) に示すように、疎領域におけるコンタクトホール114sの形成において、レジストパターン(図示せず)のズレが生じた場合(レジストパターンのコンタクトホール形成用ホールが、素子分離領域101上から活性領域100a上に跨って位置した場合)、過剰なオーバーエッチングにより、活性領域100b、及び素子分離領域101に削れが形成され、接合リークが増大するという問題がある。この問題は、いわゆる「ボーダレスコンタクト」のように、コンタクトホールと活性領域とのオーバーラップ量が少ないコンタクトホールの場合、顕著に発生する。
【0019】
一方、第2に例えば、第2のライナー膜112bのエッチング時間を、疎領域における第2のライナー膜112bを除去するのに必要とされるエッチング時間にすると、図17(c) に示すように、密領域におけるコンタクトホール114cの形成において、エッチングの不足により、第2のライナー膜112bを完全に除去することができずに、コンタクトホール114cのオープン不良が発生するという問題がある。
【0020】
なお、図17(a) において、PMOS領域における密領域及び疎領域を示し、PMOS領域における疎領域での問題を、図17(b) を参照しながら説明し、PMOS領域における密領域での問題を、図17(c) を参照しながら説明したが、NMOS領域における疎領域においても、PMOS領域における疎領域での問題と同様の問題(即ち、活性領域100a、及び素子分離領域101に削れが形成されるという問題)があり、NMOS領域における密領域においても、PMOS領域における密領域での問題と同様の問題(即ち、コンタクトホールのオープン不良が発生するという問題)がある。
【0021】
ところで、例えばSAC(自己整合コンタクト)の形成において、レジストパターンのズレが生じた場合、活性領域、及び素子分離領域に削れが形成されることを防止する方法として、非感光性の有機膜を利用する技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0022】
ここで、既存のSACの形成方法としては、次に示す方法がある。第1のレジストパターンをマスクとして、1回目のエッチングにより、ゲート電極上のライナー膜(エッチングストッパー膜)、ソース・ドレイン領域上のライナー膜を除去する。その後、層間絶縁膜を形成した後、第2のレジストパターンをマスクとして、2回目のエッチングにより、層間絶縁膜を除去し、コンタクトホールを形成する。
【0023】
しかしながら、レジストパターンのズレが生じると、2回目のエッチングの際に、活性領域、及び素子分離領域が過剰にオーバーエッチングされて、活性領域、及び素子分離領域に削れが形成される。
【0024】
そこで、特許文献2に記載の技術では、1回目のエッチングの前に、ゲート電極間の凹部に、非感光性の有機膜を埋め込むことにより、活性領域、及び素子分離領域に削れが形成されることを防止する。
【特許文献1】特開2007−208166号公報
【特許文献2】特開2001−217200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、ライナー膜の膜厚が全領域に亘って同じ半導体装置において、活性領域、及び素子分離領域に削れが形成されることを防止することは可能なものの、第1領域(例えば密領域)におけるライナー膜の膜厚と、第2領域(例えば疎領域)におけるライナー膜の膜厚とが互いに異なる半導体装置において、活性領域、及び素子分離領域に削れが形成されることを防止することはできない。
【0026】
前記に鑑み、本発明は、第1領域におけるライナー膜の膜厚と、第2領域におけるライナー膜の膜厚とが互いに異なる半導体装置において、コンタクトホールの形成時に、活性領域、及び素子分離領域に削れが形成されることを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
前記の課題を解決するために、本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、半導体基板の上に、複数のゲート構造体を形成する工程(a)と、半導体基板の上に、複数のゲート構造体を覆うようにライナー膜及び層間絶縁膜を順次形成する工程(b)と、ゲート構造体が密に配置された第1領域におけるライナー膜及び層間絶縁膜に、互いに隣接するゲート構造体同士の間の領域を開口して、底部に第1の膜厚を有するライナー膜が残存する第1のコンタクトホールを形成する工程(c)と、ゲート構造体が疎に配置された第2領域におけるライナー膜及び層間絶縁膜に、互いに隣接するゲート構造体同士の間の領域を開口して、底部に第2の膜厚を有するライナー膜が残存する第2のコンタクトホールを形成する工程(d)と、工程(c)及び工程(d)よりも後に、第1のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜、及び第2のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜を除去する工程(e)とを備え、第1の膜厚と第2の膜厚とは、同等であることを特徴とする。
【0028】
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法によると、第1,第2のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜を除去する工程を行う前に、底部に第1の膜厚を有するライナー膜が残存する第1のコンタクトホールを形成する工程と、底部に第2の膜厚を有するライナー膜が残存する第2のコンタクトホールを形成する工程とを、独立して行うことによって、第1の膜厚と第2の膜厚とを独立に制御し、第1の膜厚と第2の膜厚とを同等に制御することができる。そのため、第1,第2のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜を除去する工程において、第1の膜厚を有するライナー膜のオーバーエッチング量と、第2の膜厚を有するライナー膜のオーバーエッチング量とを同等に制御することができる。
【0029】
従って、第2領域(疎領域)において、コンタクトホールの形成時に、過剰なオーバーエッチングにより、活性領域、又は素子分離領域に削れが形成されることを防止し、接合リークの増大を防止することができる。それと共に、第1領域(密領域)において、コンタクトホールの形成時に、エッチングの不足により、コンタクトホールのオープン不良が発生することを防止することができる。
【0030】
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、半導体基板の上に、第1のゲート構造体、第2のゲート構造体、及び第3のゲート構造体を形成する工程(a)と、半導体基板の上に、第1のゲート構造体、第2のゲート構造体、及び第3のゲート構造体を覆うようにライナー膜及び層間絶縁膜を順次形成する工程(b)と、ライナー膜及び層間絶縁膜に、互いに隣接する第1のゲート構造体と第2のゲート構造体との間の領域を開口して、底部に第1の膜厚を有するライナー膜が残存する第1のコンタクトホールを形成する工程(c)と、ライナー膜及び層間絶縁膜に、互いに隣接する第2のゲート構造体と第3のゲート構造体との間の領域を開口して、底部に第2の膜厚を有するライナー膜が残存する第2のコンタクトホールを形成する工程(d)と、工程(c)及び工程(d)よりも後に、第1のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜、及び第2のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜を除去する工程(e)とを備え、第1のコンタクトホール及び第2のコンタクトホールの平面形状は、ゲート幅方向の長さがゲート長方向の長さよりも長い長方形状であり、第1の膜厚と第2の膜厚とは、同等であることを特徴とする。
【0031】
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法によると、第1,第2のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜を除去する工程において、第1の膜厚を有するライナー膜のオーバーエッチング量と、第2の膜厚を有するライナー膜のオーバーエッチング量とを同等に制御することができる。
【0032】
加えて、第1のコンタクトホールと、第2のコンタクトホールとを、独立して形成することにより、第1,第2のコンタクトホール間の間隔を縮小化し、コンタクトホールの密集度を高めて、平面形状が長方形状を有するコンタクトの密集度を高めることができる。即ち、コンタクトホール間の間隔を縮小化することができるため、ゲート構造体の微細化がさらに進行し、互いに隣接するゲート構造体間の間隔が縮小化されることがあっても、不具合を招くことなく、コンタクトホールを形成することができる。
【0033】
さらに、第1,第2のコンタクトホールの平面形状を、長方形状にすることにより、第1,第2のコンタクトホール内に、平面形状が長方形状を有する第1,第2のコンタクトを形成することができる。そのため、ゲート構造体の微細化がさらに進行することがあっても、コンタクトと活性領域との接触面積を充分に確保することができるため、コンタクト抵抗が増大することを抑制することができる。
【0034】
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法は、半導体基板の上に、ゲート構造体を形成する工程(a)と、半導体基板の上に、ゲート構造体を覆うようにライナー膜及び層間絶縁膜を順次形成する工程(b)と、ライナー膜及び層間絶縁膜に、ゲート構造体を構成するゲート電極上からソース・ドレイン領域上に至る領域のうちの第1の部分領域を開口して、底部に第1の膜厚を有するライナー膜が残存する第1のコンタクトホールを形成する工程(c)と、ライナー膜及び層間絶縁膜に、ゲート構造体を構成するゲート電極上からソース・ドレイン領域上に至る領域のうちの第2の部分領域を開口して、底部に第2の膜厚を有するライナー膜が残存する第2のコンタクトホールを形成する工程(d)と、工程(c)及び工程(d)よりも後に、第1のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜、及び第2のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜を除去して、第1のコンタクトホール及び第2のコンタクトホールからなる第1の合体コンタクトホールを形成する工程(e)とを備え、第1のコンタクトホールと第2のコンタクトホールとは、ゲート長方向に沿って互いに隣接し、且つ該第1のコンタクトホールの一部分と該第2のコンタクトホールの一部分とが互いに重なり合って配置され、第1のコンタクトホール及び第2のコンタクトホールの平面形状は、円形状、又は角部が丸められた正方形状であり、第1の膜厚と第2の膜厚とは、同等であることを特徴とする。
【0035】
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法によると、第1,第2のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜を除去する工程において、第1の膜厚を有するライナー膜のオーバーエッチング量と、第2の膜厚を有するライナー膜のオーバーエッチング量とを同等に制御することができる。
【0036】
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法において、工程(c)は、ライナー膜及び層間絶縁膜に、ゲート構造体を構成するゲート電極上からソース・ドレイン領域上に至る領域のうちの第3の部分領域を開口して、底部に第3の膜厚を有するライナー膜が残存する第3のコンタクトホールを形成する工程を含み、工程(d)は、ライナー膜及び層間絶縁膜に、ゲート構造体を構成するゲート電極上からソース・ドレイン領域上に至る領域のうちの第4の部分領域を開口して、底部に第4の膜厚を有するライナー膜が残存する第4のコンタクトホールを形成する工程を含み、工程(e)は、第3のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜、及び第4のコンタクトホールの底部に残存するライナー膜を除去して、第3のコンタクトホール及び第4のコンタクトホールからなる第2の合体コンタクトホールを形成する工程を含み、第1の合体コンタクトホールと第2の合体コンタクトホールとは、ゲート幅方向に沿って互いに間隔を空けて隣り合い、且つゲート長方向に沿って互いにずれて配置され、第1のコンタクトホールと第3のコンタクトホールとは、ゲート幅方向に沿って対向して配置され、第3のコンタクトホールと第4のコンタクトホールとは、ゲート長方向に沿って互いに隣接し、且つ該第3のコンタクトホールの一部分と該第4のコンタクトホールの一部分とが互いに重なり合って配置され、第3のコンタクトホール及び第4のコンタクトホールの平面形状は、円形状、又は角部が丸められた正方形状であり、第3の膜厚及び第4の膜厚は、第1の膜厚及び第2の膜厚と同等であることが好ましい。
【0037】
このようにすると、平面形状が、角部が丸められた正方形状、又は円形状を有する第1,第2のコンタクトホールからなる第1の合体コンタクトホールを形成すると共に、平面形状が、角部が丸められた正方形状、又は円形状を有する第3,第4のコンタクトホールからなる第2の合体コンタクトホールを形成することにより、ゲート幅方向に沿って互いに間隔を空けて隣り合う第1,第2の合体コンタクトホール間の間隔を縮小化し、合体コンタクトホールの密集度を高めて、合体コンタクトの密集度を高めることができる。
【0038】
本発明に係る第1〜第3の半導体装置の製造方法において、工程(d)は、工程(c)よりも後で且つ工程(e)よりも前に行い、工程(c)よりも後で且つ工程(d)よりも前に、第1のコンタクトホールの内部に、有機膜を埋め込む工程(f)をさらに備えていることが好ましい。
【0039】
本発明に係る第1〜第3の半導体装置の製造方法において、工程(c)は、工程(d)よりも後で且つ工程(e)よりも前に行い、工程(d)よりも後で且つ工程(c)よりも前に、第2のコンタクトホールの内部に、有機膜を埋め込む工程(g)をさらに備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0040】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、第1領域(例えば密領域)におけるライナー膜の膜厚と、第2領域(例えば疎領域)におけるライナー膜の膜厚とが互いに異なる半導体装置において、コンタクトホールの形成時に、活性領域、及び素子分離領域に削れが形成されることを防止し、接合リークの増大を防止することができる。また、コンタクトホール間の間隔を縮小化し、コンタクトホールの密集度を高めて、コンタクトの密集度を高めることができる。即ち、コンタクトホール間の間隔を縮小化することができるため、ゲート構造体(トランジスタ)の微細化がさらに進行し、互いに隣接するゲート構造体間の間隔が縮小化されることがあっても、不具合を招くことなく、コンタクトホールを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0042】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図1(a) 〜(d) 、及び図2(a) 〜(c) 、並びに図3(a) 〜(d) 、及び図4(a) 〜(c) を参照しながら説明する。図1(a) 〜図4(c) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。ここで、図1(a) 〜図2(c) において、左側に「NMOS領域」を示し、右側に「PMOS領域」を示す。なお、「NMOS領域」とは、N型MOSトランジスタが形成される領域をいう。一方、「PMOS領域」とは、P型MOSトランジスタが形成される領域をいう。
【0043】
まず、図1(a) に示すように、STI(Shallow Trench Isolation)法により、半導体基板10に、例えば深さが300nmの溝内にシリコン酸化膜が埋め込まれた素子分離領域11を形成する。これにより、NMOS領域における半導体基板10に、素子分離領域11に囲まれた活性領域10aが形成されると共に、PMOS領域における半導体基板10に、素子分離領域11に囲まれた活性領域10bが形成される。
【0044】
次に、半導体基板10上に、例えば膜厚が2nmのゲート絶縁膜形成膜、及び例えば膜厚が100nmのポリシリコン膜からなるゲート電極形成膜を順次形成する。その後、エッチングにより、ゲート電極形成膜、及びゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングし、活性領域10a上に、ゲート絶縁膜12a、及びゲート電極13aを順次形成すると共に、活性領域10b上に、ゲート絶縁膜12b、及びゲート電極13bを順次形成する。
【0045】
次に、半導体基板10上の全面に、例えば膜厚が10nmのシリコン酸化膜を形成する。その後、全面エッチバックにより、シリコン酸化膜に対して、半導体基板10の表面が露出するまでエッチングを行い、ゲート電極13a,13bの側面上に、オフセットスペーサ14a,14bを形成する。その後、ゲート電極13a、及びオフセットスペーサ14aをマスクとして、活性領域10aに、例えばAs+を、加速電圧が例えば1.5keV,ドーズ量が例えば1×1015cm-2でイオン注入し、活性領域10aにおけるゲート電極12aの側方下に位置する領域に、N型エクステンション領域15aを自己整合的に形成する。一方、ゲート電極13b、及びオフセットスペーサ14bをマスクとして、活性領域10bに、例えばBF2+を、加速電圧が例えば3keV,ドーズ量が例えば5×1014cm-2でイオン注入し、活性領域10bにおけるゲート電極12bの側方下に位置する領域に、P型エクステンション領域15bを自己整合的に形成する。
【0046】
次に、図1(b) に示すように、半導体基板10上に、ゲート電極13a,13b、及びオフセットスペーサ14a,14bを覆うように、例えば膜厚が10nmのシリコン酸化膜を形成した後、シリコン酸化膜上に、例えば膜厚が30nmのシリコン窒化膜を形成する。その後、全面エッチバックにより、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜に対して、半導体基板10の表面が露出するまで順次エッチングを行い、オフセットスペーサ14a,14bの側面上に、内側サイドウォール16a,16bと外側サイドウォール17a,17bとからなるサイドウォール17A,17Bを形成する。その後、ゲート電極13a、オフセットスペーサ14a、及びサイドウォール17Aをマスクとして、活性領域10aに、例えばAs+を、加速電圧が例えば15keV,ドーズ量が例えば7×1014cm-2でイオン注入し、活性領域10aにおけるサイドウォール17Aの側方下に位置する領域に、N型ソース・ドレイン領域18aを自己整合的に形成する。一方、ゲート電極13b、オフセットスペーサ14b、及びサイドウォール17Bをマスクとして、活性領域10bに、例えばBF2+を、加速電圧が例えば3.5keV,ドーズ量が例えば2×1015cm-2でイオン注入し、活性領域10bにおけるサイドウォール17Bの側方下に位置する領域に、P型ソース・ドレイン領域18bを自己整合的に形成する。
【0047】
次に、半導体基板10上の全面に、膜厚が例えば10nmのシリコン酸化膜(図示せず)を形成した後、シリコン酸化膜上に、シリサイド層が形成されない非シリサイド形成領域を覆うレジスト(図示せず)を形成した後、エッチングにより、シリコン酸化膜のうちの非シリサイド形成領域以外の領域(即ち、シリサイド形成領域)に形成された部分を除去し、ソース・ドレイン領域18a,18bの表面、及びゲート電極13a,13bの上面を露出する。その後、アッシング・洗浄処理により、レジストを除去した後、スパッタ法により、半導体基板10上の全面に、膜厚が例えば5nmのNiからなる金属膜(図示せず)を形成する。その後、急速熱処理により、ソース・ドレイン領域18a,18bの上部に、ニッケルシリサイドからなるシリサイド層19a1,19b1を形成すると共に、ゲート電極13a,13bの上部に、ニッケルシリサイドからなるシリサイド層19a2,19b2を形成する。その後、SPM洗浄により、未反応の金属膜(即ち、金属膜のうちの非シリサイド形成領域に形成された部分)を除去する。
【0048】
このようにして、半導体基板10上に、ゲート構造体Ga,Gbを形成する。
【0049】
ここで、ゲート構造体Ga,Gbは、活性領域10a,10b上に形成されたゲート絶縁膜12a,12bと、ゲート絶縁膜12a,12b上に形成されたゲート電極13a,13bと、ゲート電極13a,13bの側面上に形成されたオフセットスペーサ14a,14bと、活性領域10a,10bにおけるゲート電極12a,12bの側方下に形成されたエクステンション領域15a,15bと、オフセットスペーサ13a,13bの側面上に形成されたサイドウォール17A,17Bと、活性領域10a,10bにおけるサイドウォール17A,17Bの側方下に形成されたソース・ドレイン領域18a,18bと、ソース・ドレイン領域18a,18bの上部に形成されたシリサイド層19a1,19b1と、ゲート電極13a,13bの上部に形成されたシリサイド層19a2,19b2とを備えている。
【0050】
次に、図1(c) に示すように、プラズマCVD法、又はLP−CVD法により、半導体基板10上の全面に、引っ張り応力を有し、例えば膜厚が50nmシリコン窒化膜からなる第1のライナー膜20を形成する。その後、第1のライナー膜20上に、膜厚が例えば10nmのシリコン酸化膜からなる絶縁膜21を形成する。
【0051】
次に、図1(d) に示すように、絶縁膜21上に、NMOS領域を覆いPMOS領域を開口するレジスト(図示せず)を形成した後、ドライエッチングにより、PMOS領域における絶縁膜21を除去し、絶縁膜21aを残存させる。その後、アッシング処理により、レジストを除去する。その後、絶縁膜21aをマスクとして、ドライエッチングにより、PMOS領域における第1のライナー膜20を除去し、第1のライナー膜20aを残存させる。
【0052】
次に、図2(a) に示すように、プラズマCVD法、又はLP−CVD法により、半導体基板10上の全面に、圧縮応力を有し、例えば膜厚が50nmのシリコン窒化膜からなる第2のライナー膜22を形成する。
【0053】
次に、図2(b) に示すように、第2のライナー膜22上に、PMOS領域を覆いNMOS領域を開口するレジスト(図示せず)を形成した後、第2のライナー膜22に対して、絶縁膜21aと選択性のある条件でエッチングを行い、NMOS領域における第2のライナー膜22を除去し、第2のライナー膜22bを残存させる。
【0054】
次に、図2(c) に示すように、半導体基板10上の全面に、シリコン酸化膜を形成した後、CMP法により、シリコン酸化膜に対して平坦化処理を行い、層間膜絶縁膜23を形成する。
【0055】
このようにして、図2(c) に示すように、NMOS領域における半導体基板10上に、ゲート構造体Gaを覆うように、第1のライナー膜20a、絶縁膜21a、及び層間絶縁膜23を順次形成すると共に、PMOS領域における半導体基板10上に、ゲート構造体Gbを覆うように、第2のライナー膜22b、及び層間絶縁膜23を順次形成する。
【0056】
続いて、本実施形態におけるコンタクトホールの形成方法を用いて、コンタクトホールの形成を行う。ここで、図3(a) 〜図4(c) に示す断面図は、図1(a) 〜図2(c) に示す断面図とは異なる断面図であり、図2のPMOS領域を代表として記載している。図3(a) 〜図4(c) において、左側に「密領域」を示し、右側に「疎領域」を示す。なお、「密領域」とは、ゲート構造体Gbが密に配置された領域(即ち、隣接するゲート電極13b間が狭い領域、言い換えれば、第2のライナー膜22bのうちの隣接するゲート電極13b間に形成された部分の膜厚(図3(a):Tc参照)が厚い領域)をいう。一方、「疎領域」とは、ゲート構造体Gbが疎に配置された領域(即ち、隣接するゲート電極13b間が広い領域、言い換えれば、第2のライナー膜22bのうちの隣接するゲート電極13b間に形成された部分の膜厚(図3(a):Ts参照)が薄い領域)をいう。
【0057】
−多層レジストパターンの形成−
まず、図3(a) に示すように、層間絶縁膜23上に、下層レジスト24、中間層レジスト25、及び上層レジスト26が順次積層されてなる多層レジスト27を形成する。その後、密領域における上層レジスト26にホール26hを形成し、上層レジストパターンを形成する。
【0058】
次に、図3(b) に示すように、上層レジストパターンをマスクとして、中間層レジスト25、及び下層レジスト24に対して順次ドライエッチングを行い、多層レジスト27に、コンタクトホール形成用ホール27hを形成し、多層レジストパターンを形成する。
【0059】
ここで、中間層レジスト25のドライエッチング条件の具体例としては、次に示す例が挙げられる。例えば、2周波RIE方式のエッチング装置を用い、エッチングガスにCF4/CHF3を用い、流量をCF4/CHF3=3.34×10-6/0.668×10-63/s,エッチング雰囲気の圧力を13.33Pa,上部電極のRFパワーを600W,下部電極のRFパワーを300W,基板温度を20℃に設定する。
【0060】
またここで、下層レジスト24のドライエッチング条件の具体例としては、次に示す例が挙げられる。例えば、2周波RIE方式のエッチング装置を用い、エッチングガスにCO/O2/Arを用い、流量をCO/O2/Ar=1.67×10-6/0.835×10-6/8.35×10-63/s,エッチング雰囲気の圧力を2.00Pa,上部電極のRFパワーを1500W,下部電極のRFパワーを300W,基板温度を20℃に設定する。
【0061】
−層間絶縁膜の第1エッチング−
次に、多層レジストパターンをマスクとして、層間絶縁膜23に対して、第2のライナー膜22bが露出するまでドライエッチングを行う(ここで、図示は省略するが、図3(b) に示すようなゲート構造体Gbが密に配置された密領域ではなく、ゲート構造体Gaが密に配置された密領域の場合、絶縁膜21a、及び層間絶縁膜23に対して、第1のライナー膜20aが露出するまでドライエッチングを行う)。
【0062】
ここで、層間絶縁膜23のドライエッチング条件の具体例としては、次に示す例が挙げられる。例えば、2周波RIE方式のエッチング装置を用い、エッチングガスにC46/Ar/O2を用い、流量をC46/Ar/O2=0.334×10-6/25.05×10-6/0.301×10-63/s,エッチング雰囲気の圧力を4.00Pa,上部電極のRFパワーを1000W,下部電極のRFパワーを1500W,基板温度を20℃に設定する。
【0063】
−ライナー膜の第1エッチング−
次に、第2のライナー膜22bに対して、第2のライナー膜22bの膜厚が例えば20nm(図3(b):Trc参照)になるまでドライエッチングを行う(ここで、ゲート構造体Gaが密に配置された密領域の場合、第1のライナー膜20aに対して、第1のライナー膜20aの膜厚が例えば20nmになるまでドライエッチングを行う)。
【0064】
ここで、第2のライナー膜22bのドライエッチング条件の具体例としては、次に示す例が挙げられる。例えば、2周波RIE方式のエッチング装置を用い、エッチングガスにCHF3/Ar/O2を用い、流量をCHF3/Ar/O2=0.334×10-6/13.36×10-6/0.251×10-63/s,エッチング雰囲気の圧力を2.67Pa,上部電極のRFパワーを1000W,下部電極のRFパワーを300W,基板温度を20℃に設定する。
【0065】
このようにして、図3(b) に示すように、密領域における第2のライナー膜22b、及び層間絶縁膜23に、互いに隣接するゲート構造体Gb同士の間の領域を開口して、底部に第1の膜厚(具体的には例えば、20nm)を有する第2のライナー膜22bが残存する第1のコンタクトホール28rを形成する。
【0066】
−有機膜の形成−
次に、図3(c) に示すように、アッシング・洗浄処理により、多層レジストパターンを除去する。その後、層間絶縁膜23上に、第1のコンタクトホール28r内を埋め込むように、有機膜を形成する。その後、全面エッチバックにより、有機膜のうちの第1のコンタクトホール28r外に形成された部分を除去し、第1のコンタクトホール28r内に埋め込まれた有機膜29を形成する。このとき、第1のコンタクトホール28r内に埋め込まれた有機膜29の上面が、第1のコンタクトホール28rの上端よりも下に位置することがないように、例えば、発光強度によるエンドポイント検出により、全面エッチバックの処理時間を検出することが好ましい。
【0067】
ここで、有機膜の全面エッチバック条件の具体例としては、次に示す例が挙げられる。例えば、RIE方式のエッチング装置を用い、エッチングガスにO2を用い、流量をO2=3.34×10-63/s,エッチング雰囲気の圧力を10.00Pa,上部電極のRFパワーを400W,下部電極のRFパワーを400W,基板温度を20℃に設定する。
【0068】
−多層レジストパターンの形成−
次に、図3(d) に示すように、層間絶縁膜23及び有機膜29の上に、下層レジスト30、中間層レジスト31、及び上層レジスト32が順次積層されてなる多層レジスト33を形成する。その後、上層レジスト32に、ホール32hを形成し、上層レジストパターンを形成する。
【0069】
次に、図4(a) に示すように、上層レジストパターンをマスクとして、中間層レジスト31、及び下層レジスト30に対して順次ドライエッチングを行い、多層レジスト33に、コンタクトホール形成用ホール33hを形成し、多層レジストパターンを形成する。ここで、中間層レジスト31,下層レジスト30のドライエッチング条件の具体例としては、例えば、図3(b) に示す工程における中間層レジスト25,下層レジスト24のドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0070】
−層間絶縁膜の第2エッチング−
次に、多層レジストパターンをマスクとして、層間絶縁膜23に対して、第2のライナー膜22bが露出するまでドライエッチングを行う(ここで、ゲート構造体Gaが疎に配置された疎領域の場合、絶縁膜21a、及び層間絶縁膜23に対して、第1のライナー膜20aが露出するまでドライエッチングを行う)。ここで、層間絶縁膜23のドライエッチング条件の具体例としては、例えば、図3(b) に示す工程における層間絶縁膜23のドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0071】
−ライナー膜の第2エッチング−
次に、第2のライナー膜22bに対して、第2のライナー膜22bの膜厚が例えば20nm(図4(a):Trs参照)になるまでドライエッチングを行う(ここで、ゲート構造体Gaが疎に配置された疎領域の場合、第1のライナー膜20aに対して、第1のライナー膜20aの膜厚が例えば20nmになるまでドライエッチングを行う)。ここで、第2のライナー膜22bのドライエッチング条件の具体例としては、例えば、図3(b) に示す工程における第2のライナー膜22bのドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0072】
このようにして、図4(a) に示すように、疎領域における第2のライナー膜22b、及び層間絶縁膜23に、互いに隣接するゲート構造体Gb同士の間の領域を開口して、底部に第2の膜厚(具体的には例えば、20nm)を有する第2のライナー膜22bが残存する第2のコンタクトホール34rを形成する。
【0073】
−有機膜の除去−
次に、図4(b) に示すように、アッシング・洗浄処理により、多層レジストパターン、及び有機膜29を除去する。
【0074】
このようにして、図4(b) に示すように、底部に残存する第2のライナー膜22bの膜厚が互いに同じ第1,第2のコンタクトホール28r,34rを形成する。
【0075】
−ライナー膜の第3エッチング−
次に、図4(c) に示すように、ドライエッチングにより、第1のコンタクトホール28rの底部に残存する第2のライナー膜22b、及び第2のコンタクトホール34rの底部に残存する第2のライナー膜22bを除去し、底部にシリサイド層19b1が露出する第1,第2のコンタクトホール28,34を形成する(ここで、図4(c) に示すようなゲート構造体Gbが配置された領域(即ち、PMOS領域)ではなく、ゲート構造体Gaが配置された領域(即ち、NMOS領域)の場合、第1のコンタクトホールの底部に残存する第1のライナー膜、及び第2のコンタクトホールの底部に残存する第1のライナー膜を除去し、底部にシリサイド層19a1が露出する第1,第2のコンタクトホールを形成する)。
【0076】
ここで、第2のライナー膜22bのドライエッチング条件の具体例としては、次に示す例が挙げられる。例えば、2周波RIE方式のエッチング装置を用い、エッチングガスにCHF3/Ar/O2を用い、流量をCHF3/Ar/O2=0.334×10-6/13.36×10-6/0.251×10-63/s,エッチング雰囲気の圧力を2.67Pa,上部電極のRFパワーを1000W,下部電極のRFパワーを300W,基板温度を20℃に設定する。
【0077】
その後、図示は省略するが、第1,第2のコンタクトホール28,34内に、バリアメタル膜を介して、導電膜が埋め込まれてなる第1,第2のコンタクトを形成する。
【0078】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
【0079】
本実施形態によると、ライナー膜の第3エッチング(図4(c) 参照)を行う前に、ライナー膜の第1エッチング(図3(b) 参照)と、ライナー膜の第2エッチング(図4(a) 参照)とを、独立して行うことによって、第1のコンタクトホールの底部に残存する第2のライナー膜(以下、「第1の残膜」と称す)の膜厚と、第2のコンタクトホールの底部に残存する第2のライナー膜(以下、「第2の残膜」と称す)の膜厚とを、独立に制御し、第1の残膜と第2の残膜とを同等膜厚に制御することができる。そのため、ライナー膜の第3エッチングにおいて、第1の残膜のオーバーエッチング量と、第2の残膜のオーバーエッチング量とを同等に制御することができる。
【0080】
従って、疎領域において、コンタクトホールの形成時に、過剰なオーバーエッチングにより、活性領域、又は素子分離領域に削れが形成されることを防止し、接合リークの増大を防止することができる。それと共に、密領域において、コンタクトホールの形成時に、エッチングの不足により、コンタクトホールのオープン不良が発生することを防止することができる。
【0081】
また、第1の残膜及び第2の残膜の各膜厚を、薄膜(具体的には例えば、20nm)にすることにより、ライナー膜の第3エッチングにおいて、第1の残膜及び第2の残膜の各オーバーエッチング量を低減することができるため、活性領域、又は素子分離領域に削れが形成されることを効果的に防止することができる。
【0082】
なお、本実施形態では、第1の残膜(図3(b):Trc参照)と、第2の残膜(図4(a):Trs参照)とを同等膜厚に制御する方法として、図3(b) に示すように、密領域において、層間絶縁膜の第1エッチングを行った後、第1の残膜の膜厚が20nmになるまで、ライナー膜の第1エッチングを行い、その後、図4(a) に示すように、疎領域において、層間絶縁膜の第2エッチングを行った後、第2の残膜の膜厚が20nmになるまで、ライナー膜の第2エッチングを行う場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0083】
例えば、密領域における層間絶縁膜の第1エッチングを行った後、第1の残膜の膜厚が疎領域における第2のライナー膜22bのうちのゲート電極13b間に形成された部分の膜厚(図3(a):Ts参照)になるまで、密領域におけるライナー膜の第1エッチングを行い、その後、疎領域における層間絶縁膜の第2エッチングを行ってもよい。このようにすると、疎領域におけるライナー膜の第2エッチングを行わずに済む。
【0084】
また、本実施形態では、図3(b) に示す工程において、多層レジストパターンをマスクとして、第2のライナー膜22b、及び層間絶縁膜23に、第1のコンタクトホール28rを形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、多層レジストパターンの代わりに、単層レジストパターンを用いてもよい。同様に、図4(a) に示す工程において、多層レジストパターンをマスクとして、第2のライナー膜22b、及び層間絶縁膜23に、第2のコンタクトホール34rを形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、多層レジストパターンの代わりに、単層レジストパターンを用いてもよい。
【0085】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図5(a) 〜(b) 、図6(a) 〜(c) 、及び図7(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図5(a) 〜図7(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。なお、図5(a) 〜図7(b) において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、図1(a) 〜図2(c) に示す符号と同一の符号を付す。従って、本実施形態では、第1の実施形態と共通する説明は適宜省略する。
【0086】
まず、第1の実施形態における図1(a) 〜図2(c) に示す工程と同様の工程を順次行う。
【0087】
続いて、本実施形態におけるコンタクトホールの形成方法を用いて、コンタクトホールの形成を行う。ここで、本実施形態における図5(a) 〜図7(b) に示す断面図は、第1の実施形態における図1(a) 〜図2(c) に示す断面図とは異なる断面図であり、図2のPMOS領域を代表として記載している。図5(a) 〜図7(b) において、3コのゲート構造体Gbが密に配置された領域(具体的には例えば、SRAM領域)を示す。
【0088】
−多層レジストパターンの形成−
まず、図5(a) に示すように、層間絶縁膜23上に、下層レジスト24、中間層レジスト25、及び上層レジスト26が順次積層されてなる多層レジスト27を形成する。その後、上層レジスト26に、ホール26hxを形成し、上層レジストパターンを形成する。このとき、ホール26hxは、図5(a) に示すように、その平面形状が、ゲート幅方向の幅がゲート長方向の幅よりも長い長方形状になるように形成される。
【0089】
次に、図5(b) に示すように、上層レジストパターンをマスクとして、中間層レジスト25、及び下層レジスト24に対して順次ドライエッチングを行い、多層レジスト27に、コンタクトホール形成用ホール27hxを形成し、多層レジストパターンを形成する。ここで、中間層レジスト25,下層レジスト24のドライエッチング条件の具体例としては、例えば、第1の実施形態の図3(b) に示す工程における中間層レジスト25,下層レジスト24のドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0090】
−層間絶縁膜の第1エッチング−
次に、多層レジストパターンをマスクとして、層間絶縁膜23に対して、第2のライナー膜22bが露出するまでドライエッチングを行う(ここで、図示は省略するが、図5(b) に示すようなゲート構造体Gbが密に配置された領域ではなく、ゲート構造体Gaが密に配置された領域の場合、絶縁膜21a、及び層間絶縁膜23に対して、第1のライナー膜20aが露出するまでドライエッチングを行う)。ここで、層間絶縁膜23のドライエッチング条件の具体例としては、例えば、第1の実施形態の図3(b) に示す工程における層間絶縁膜23のドライエッチングの条件と同様の条件が挙げられる。
【0091】
−ライナー膜の第1エッチング−
次に、第2のライナー膜22bに対して、第2のライナー膜22bの膜厚が例えば20nmになるまでドライエッチングを行う(ここで、ゲート構造体Gaが密に配置された領域の場合、第1のライナー膜20aに対して、第1のライナー膜20aの膜厚が例えば20nmになるまでドライエッチングを行う)。ここで、第2のライナー膜22bのドライエッチング条件の具体例としては、例えば、第1の実施形態の図3(b) に示す工程における第2のライナー膜22bのドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0092】
このようにして、図5(b) に示すように、第2のライナー膜22b、及び層間絶縁膜23に、互いに隣接するゲート構造体Gb同士の間の領域を開口して、底部に第1の膜厚(具体的には例えば、20nm)を有する第2のライナー膜22bが残存する第1のコンタクトホール28rxを形成する。ここで、第1のコンタクトホール28rxの平面形状は、図5(b) に示すように、ゲート幅方向の幅がゲート長方向の幅よりも長い長方形状である。
【0093】
−有機膜の形成−
次に、図6(a) に示すように、アッシング・洗浄処理により、多層レジストパターンを除去する。その後、層間絶縁膜23上に、第1のコンタクトホール28rx内を埋め込むように、有機膜を形成する。その後、全面エッチバックにより、有機膜のうちの第1のコンタクトホール28rx外に形成された部分を除去し、第1のコンタクトホール28rx内に埋め込まれた有機膜29xを形成する。このとき、第1のコンタクトホール28rx内に埋め込まれた有機膜29xの上面が、第1のコンタクトホール28rxの上端よりも、下に位置することがないように、例えば、発光強度によるエンドポイント検出により、全面エッチバックの処理時間を検出することが好ましい。ここで、有機膜の全面エッチバック条件の具体例としては、例えば、第1の実施形態の図3(c) に示す工程における有機膜の全面エッチバック条件と同様の条件が挙げられる。
【0094】
−多層レジストパターンの形成−
次に、図6(b) に示すように、層間絶縁膜23及び有機膜29xの上に、下層レジスト30、中間層レジスト31、及び上層レジスト32が順次積層されてなる多層レジスト33を形成する。その後、上層レジスト32に、ホール32hxを形成し、上層レジストパターンを形成する。このとき、ホール32hxは、その平面形状が、ゲート幅方向の幅がゲート長方向の幅よりも長い長方形状になるように形成される。
【0095】
次に、図6(c) に示すように、上層レジストパターンをマスクとして、中間層レジスト31、及び下層レジスト30に対して順次ドライエッチングを行い、多層レジスト33に、コンタクトホール形成用ホール33hxを形成し、多層レジストパターンを形成する。ここで、中間層レジスト31,下層レジスト30のドライエッチング条件の具体例としては、例えば、図5(b) に示す工程における中間層レジスト25,下層レジスト24のドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0096】
−層間絶縁膜の第2エッチング−
次に、多層レジストパターンをマスクとして、層間絶縁膜23に対して、第2のライナー膜22bが露出するまでドライエッチングを行う(ここで、ゲート構造体Gaが密に配置された領域の場合、絶縁膜21a、及び層間絶縁膜23に対して、第1のライナー膜20aが露出するまでドライエッチングを行う)。ここで、層間絶縁膜23のドライエッチング条件の具体例としては、図5(b) に示す工程における層間絶縁膜23のドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0097】
−ライナー膜の第2エッチング−
次に、第2のライナー膜22bに対して、第2のライナー膜22bの膜厚が例えば20nmになるまでドライエッチングを行う(ここで、ゲート構造体Gaが密に配置された領域の場合、第1のライナー膜20aに対して、第1のライナー膜20aの膜厚が例えば20nmになるまでドライエッチングを行う)。ここで、第2のライナー膜22bのドライエッチング条件の具体例としては、例えば、図5(b) に示す工程における第2のライナー膜22bのドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0098】
このようにして、図6(c) に示すように、第2のライナー膜22b、及び層間絶縁膜23に、互いに隣接するゲート構造体Gb同士の間の領域を開口して、底部に第2の膜厚(具体的には例えば、20nm)を有する第2のライナー膜22bが残存する第2のコンタクトホール34rxを形成する。ここで、第2のコンタクトホール34rxの平面形状は、ゲート幅方向の幅がゲート長方向の幅よりも長い長方形状である。
【0099】
−有機膜の除去−
次に、図7(a) に示すように、アッシング・洗浄処理により、多層レジストパターン、及び有機膜29xを除去する。
【0100】
このようにして、図7(a) に示すように、底部に残存する第2のライナー膜22bの膜厚が互いに同じ第1,第2のコンタクトホール28rx,34rxを形成する。
【0101】
−ライナー膜の第3エッチング−
次に、図7(b) に示すように、ドライエッチングにより、第1のコンタクトホール28rxの底部に残存する第2のライナー膜22b、及び第2のコンタクトホール34rxの底部に残存する第2のライナー膜22bを除去し、底部にシリサイド層19b1が露出する第1,第2のコンタクトホール28x,34xを形成する(ここで、図7(a) に示すようなゲート構造体Gbが配置された領域(即ち、PMOS領域)ではなく、ゲート構造体Gaが配置された領域(即ち、NMOS領域)の場合、第1のコンタクトホールの底部に残存する第1のライナー膜、及び第2のコンタクトホールの底部に残存する第1のライナー膜を除去し、底部にシリサイド層19a1が露出する第1,第2のコンタクトホールを形成する)。ここで、第2のライナー膜22bのドライエッチング条件の具体例としては、例えば、第1の実施形態における図4(c) に示す工程における第2のライナー膜22bのドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0102】
このようにして、図7(b) に示すように、平面形状が、ゲート幅方向の長さがゲート長方向の長さよりも長い長方形状を有する第1,第2のコンタクトホール28x,34xを形成する。
【0103】
その後、図示は省略するが、第1,第2のコンタクトホール28x,34x内に、バリアメタル膜を介して、導電膜が埋め込まれてなる第1,第2のコンタクトを形成する。
【0104】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
【0105】
ここで、図8は、通常の正方形型コンタクトと、一辺が他辺よりも長い長方形型コンタクトとの、CD−shiftの関係を示す図である。図8に示すように、長方形型コンタクトの場合、正方形型コンタクトに比べて、CD−shift量が大きくなる。
【0106】
そのため、長方形型コンタクトの場合、隣接するコンタクトホールを、通常の方法により形成する、即ち、1回のリソグラフィ・1回のエッチングにより形成した場合(例えば、図9(a) に示すように、コンタクトホール形成用ホールパターン35l,35rが形成されたレジストパターンをマスクとして、コンタクトホール36l,36rを形成した場合)、1コのレジストパターンに、互いに間隔を空けてコンタクトホール形成用ホールパターン35l,35rが形成されるため、コンタクトホール36l,36r間の間隔Lは比較的広くなる(図9(b) 参照,図9(b) は、左側にリソグラフィ後のSEM写真を示し、右側にエッチング後のSEM写真を示す)。
【0107】
これに対し、隣接するコンタクトホールを、本実施形態におけるコンタクトホールの形成方法により形成する、即ち、2回のリソグラフィ・2回のエッチングにより形成した場合(例えば、図10に示すように、コンタクトホール形成用ホールパターン37が形成された第1のレジストパターンをマスクとして、第1のコンタクトホール38を形成した後、第1のレジストパターンを除去し、その後、コンタクトホール形成用ホールパターン39が形成された第2のレジストパターンをマスクとして、第2のコンタクトホール40を形成した場合)、コンタクトホール形成用ホールパターン39の配置位置を、コンタクトホール形成用ホールパターン37の配置位置と重ね合わせて配置することができるため、第1,第2のコンタクトホール38,40間の間隔Lは比較的狭くなる。
【0108】
このように、本実施形態におけるコンタクトホールの形成方法により形成された第1,第2のコンタクトホール38,40間の間隔Lを、通常の方法により形成されたコンタクトホール36l,36r間の間隔Lに比べて狭くすることができる。
【0109】
本実施形態によると、第1のコンタクトホール28rxと、第2のコンタクトホール34rxとを、独立して形成することにより、隣接する第1,第2のコンタクトホール28rx,34rx間の間隔を縮小化し、コンタクトホールの密集度を高めて、平面形状が長方形状を有するコンタクトの密集度を高めることができる。即ち、第1,第2のコンタクトホール28rx,34rx間の間隔を縮小化することができるため、ゲート構造体(トランジスタ)の微細化がさらに進行し、互いに隣接するゲート構造体間の間隔が縮小化されることがあっても、不具合を招くことなく、コンタクトホールを形成することができる。
【0110】
さらに、図7(b) に示すように、第1,第2のコンタクトホール28x,34xの平面形状を、長方形状にすることにより、第1,第2のコンタクトホール28x,34x内に、平面形状が長方形状を有する第1,第2のコンタクトを形成することができる。そのため、ゲート構造体の微細化がさらに進行することがあっても、コンタクトと活性領域との接触面積を充分に確保することができるため、コンタクト抵抗が増大することを抑制することができる。
【0111】
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図11(a) 〜(b) 、図12(a) 〜(b) 、及び図13(a) 〜(c) を参照しながら説明する。図11(a) 〜図13(c) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。なお、図11(a) 〜図13(c) において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、図1(a) 〜図2(c) に示す符号と同一の符号を付す。従って、本実施形態では、第1の実施形態と共通する説明は適宜省略する。
【0112】
まず、第1の実施形態における図1(a) 〜図2(c) に示す工程と同様の工程を順次行う。
【0113】
続いて、本実施形態における合体コンタクトホールの形成方法を用いて、合体コンタクトホールの形成を行う。ここで、本実施形態における図11(a) 〜図13(c) に示す断面図は、第1の実施形態における図1(a) 〜図2(c) に示す断面図とは異なる断面図であり、図2のPMOS領域を代表として記載している。図11(a) 〜図13(c) において、2コのゲート構造体Gbが密に配置された領域(具体的には例えば、SRAM領域)を示す。
【0114】
−多層レジストパターンの形成−
まず、図11(a) に示すように、層間絶縁膜23上に、下層レジスト24、中間層レジスト25、及び上層レジスト26が順次積層されてなる多層レジスト27を形成する。その後、マスク(図示せず)を用いて、上層レジスト26に、ホール26hyを形成し、上層レジストパターンを形成する。このとき、描画されたパターンの平面形状が正方形状のマスクを用いるため、ホール26hyは、図11(a) に示すように、その平面形状が、角部が丸められた正方形状(又は円形状)になるように形成される。また、このとき、ホール26hyは、ゲート構造体Gbを構成するゲート電極13b上からソース・ドレイン領域18b上に至る領域のうちの第1の部分領域に形成される。
【0115】
次に、図11(b) に示すように、上層レジストパターンをマスクとして、中間層レジスト25、及び下層レジスト24に対して順次ドライエッチングを行い、多層レジスト27に、コンタクトホール形成用ホール27hyを形成し、多層レジストパターンを形成する。ここで、中間層レジスト25,下層レジスト24のドライエッチング条件の具体例としては、第1の実施形態の図3(b) に示す工程における中間層レジスト25,下層レジスト24のドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0116】
−層間絶縁膜の第1エッチング−
次に、多層レジストパターンをマスクとして、層間絶縁膜23に対して、第2のライナー膜22bが露出するまでドライエッチングを行う(ここで、図示は省略するが、図11(b) に示すようなゲート構造体Gbが密に配置された領域ではなく、ゲート構造体Gaが密に配置された領域の場合、絶縁膜21a、及び層間絶縁膜23に対して、第1のライナー膜20aが露出するまでドライエッチングを行う)。ここで、層間絶縁膜23のドライエッチング条件の具体例としては、例えば、第1の実施形態の図3(b) に示す工程における層間絶縁膜23のドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0117】
−ライナー膜の第1エッチング−
次に、第2のライナー膜22bに対して、第2のライナー膜22bの膜厚が例えば20nmになるまでドライエッチングを行う(ここで、ゲート構造体Gaが密に配置された領域の場合、第1のライナー膜20aに対して、第1のライナー膜20aの膜厚が例えば20nmになるまでドライエッチングを行う)。ここで、第2のライナー膜22bのドライエッチング条件の具体例としては、例えば、第1の実施形態の図3(b) に示す工程における第2のライナー膜22bのドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0118】
このようにして、図11(b) に示すように、第2のライナー膜22b、及び層間絶縁膜23に、ゲート構造体Gbを構成するゲート電極13b上からソース・ドレイン領域18b上に至る領域のうちの第1の部分領域を開口して、底部に第1の膜厚(具体的には例えば、20nm)を有する第2のライナー膜22bが残存する第1のコンタクトホール28ryを形成する。ここで、第1のコンタクトホール28ryの平面形状は、角部が丸められた正方形状(又は円形状)である。
【0119】
−有機膜の形成−
次に、図12(a) に示すように、アッシング・洗浄処理により、多層レジストパターンを除去する。その後、層間絶縁膜23上に、第1のコンタクトホール28ry内を埋め込むように、有機膜を形成する。その後、全面エッチバックにより、有機膜のうちの第1のコンタクトホール28ry外に形成された部分を除去し、第1のコンタクトホール28ry内に埋め込まれた有機膜29yを形成する。このとき、第1のコンタクトホール28ry内に埋め込まれた有機膜29yの上面が、第1のコンタクトホール28ryの上端よりも、下に位置することがないように、例えば、発光強度によるエンドポイント検出により、全面エッチバックの処理時間を検出することが好ましい。ここで、有機膜の全面エッチバック条件の具体例としては、例えば、第1の実施形態の図3(c) に示す工程における有機膜の全面エッチバック条件と同様の条件が挙げられる。
【0120】
−多層レジストパターンの形成−
次に、図12(b) に示すように、層間絶縁膜23及び有機膜29yの上に、下層レジスト30、中間層レジスト31、及び上層レジスト32が順次積層されてなる多層レジスト33を形成する。その後、マスク(図示せず)を用いて、上層レジスト32に、ホール32hyを形成し、上層レジストパターンを形成する。このとき、描画されたパターンの平面形状が正方形状のマスクを用いるため、ホール32hyは、図12(b) に示すように、その平面形状が、角部が丸められた正方形状(又は円形状)になるように形成される。また、このとき、ホール32hyは、ゲート構造体Gbを構成するゲート電極13b上からソース・ドレイン領域18b上に至る領域のうちの第2の部分領域に形成される。また、このとき、ホール32hyは、図12(b) に示すように、ホール32hyの形成領域が、第1のコンタクトホール28ryの形成領域とゲート長方向に沿って互いに隣接し、且つホール32hyの形成領域の一部分が、第1のコンタクトホール28ryの形成領域の一部分と互いに重なり合うように形成される。
【0121】
次に、図13(a) に示すように、上層レジストパターンをマスクとして、中間層レジスト31、及び下層レジスト30に対して順次ドライエッチングを行い、多層レジスト33に、コンタクトホール形成用ホール33hyを形成し、多層レジストパターンを形成する。ここで、中間層レジスト31,下層レジスト30のドライエッチング条件の具体例としては、図11(b) に示す工程における中間層レジスト25,下層レジスト24のドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0122】
−層間絶縁膜の第2エッチング−
次に、多層レジストパターンをマスクとして、層間絶縁膜23に対して、第2のライナー膜22bが露出するまでドライエッチングを行う(ここで、ゲート構造体Gaが密に配置された領域の場合、絶縁膜21a、及び層間絶縁膜23に対して、第1のライナー膜20aが露出するまでドライエッチングを行う)。ここで、層間絶縁膜23のドライエッチング条件の具体例としては、図11(b) に示す工程における層間絶縁膜23のドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0123】
−ライナー膜の第2エッチング−
次に、第2のライナー膜22bに対して、第2のライナー膜22bの膜厚が例えば20nmになるまでドライエッチングを行う(ここで、ゲート構造体Gaが密に配置された領域の場合、第1のライナー膜20aに対して、第1のライナー膜20aの膜厚が例えば20nmになるまでドライエッチングを行う)。ここで、第2のライナー膜22bのドライエッチング条件の具体例としては、図11(b) に示す工程における第2のライナー膜22bのドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0124】
このようにして、図13(a) に示すように、第2のライナー膜22b、及び層間絶縁膜23に、ゲート構造体Gbを構成するゲート電極13b上からソース・ドレイン領域18b上に至る領域のうちの第2の部分領域を開口して、底部に第2の膜厚(具体的には例えば、20nm)を有する第2のライナー膜22bが残存する第2のコンタクトホール34ryを形成する。ここで、第2のコンタクトホール34ryの平面形状は、角部が丸められた正方形状(又は円形状)である。またここで、第2のコンタクトホール34ryは、第1のコンタクトホール28ryとゲート長方向に沿って互いに隣接し、且つ第2のコンタクトホールの一部分は、第1のコンタクトホールの一部分と互いに重なり合って配置される。
【0125】
−有機膜の除去−
次に、図13(b) に示すように、アッシング・洗浄処理により、多層レジストパターン、及び有機膜29yを除去する。
【0126】
このようにして、図13(b) に示すように、底部に残存する第2のライナー膜22bの膜厚が互いに同じ第1,第2のコンタクトホール28ry,34ryを形成する。
【0127】
−ライナー膜の第3エッチング−
次に、図13(c) に示すように、ドライエッチングにより、第1のコンタクトホール28ryの底部に残存する第2のライナー膜22b、及び第2のコンタクトホール34ryの底部に残存する第2のライナー膜22bを除去し、底部にシリサイド層19b1が露出し、第1のコンタクトホール28y、及び第2のコンタクトホール34yからなる合体コンタクトホール34Yを形成する。(ここで、図13(c) に示すようなゲート構造体Gbが配置された領域(即ち、PMOS領域)ではなく、第1の実施形態におけるゲート構造体Gaが配置された領域(即ち、NMOS領域)の場合、第1のコンタクトホールの底部に残存する第1のライナー膜、及び第2のコンタクトホールの底部に残存する第1のライナー膜を除去し、底部にシリサイド層19a1が露出し、第1のコンタクトホール、及び第2のコンタクトホールからなる合体コンタクトホールを形成する)。ここで、第2のライナー膜22bのドライエッチング条件としては、第1の実施形態の図4(c) に示す工程における第2のライナー膜22bのドライエッチング条件と同様の条件が挙げられる。
【0128】
その後、図示は省略するが、合体コンタクトホール34Y内に、バリアメタル膜を介して、導電膜が埋め込まれてなる合体コンタクト(シェアードコンタクト)を形成する。
【0129】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
【0130】
ここで、本実施形態における合体コンタクトホールの形成方法を用いて、隣接する2コの合体コンタクトホールを形成する方法について、以下に簡単に説明する。
【0131】
本実施形態の場合、図14(a) に示すように、第1のレジストパターン(図示せず)をマスクとして、対向する正方形型の第1,第3のコンタクトホール41l,41rを形成する。その後、第2のレジストパターン(図示せず)をマスクとして、第2,第4のコンタクトホール42l,42rを形成し、第1,第2のコンタクトホール41l,42lからなる第1の合体コンタクトホール42L、及び第3,第4のコンタクトホール41r,42rからなる第2の合体コンタクトホール42Rを形成する。その後、第1,第2の合体コンタクトホール42L,42R内に、第1,第2の合体コンタクト43l,43rを埋め込む。ここで、第1の合体コンタクトホール42Lと第2の合体コンタクトホール42Rとは、ゲート幅方向に沿って互いに間隔を空けて隣り合い、且つゲート長方向に沿って互いにずれて配置されている。第1のコンタクトホール41lと第3のコンタクトホール41rとは、ゲート幅方向に沿って対向して配置されている。またここで、図示は省略するが、第1,第2,第3,第4のコンタクトホール41l,42l,41r,42rは、ゲート電極上からソース・ドレイン領域上に至る領域内に形成される。
【0132】
なお、従来の場合、図14(c) に示すように、レジストパターン(図示せず)をマスクとして、隣接する長方形型のコンタクトホール44l,44rを形成した後、コンタクトホール44l,44r内に、コンタクト45l,45rを埋め込む。
【0133】
ここで、既述の通り、図8に示すように、正方形型コンタクトの場合、長方形型コンタクトに比べて、CD−shift量が小さくなる。そのため、第1のレジストパターンにおいて、第1のコンタクトホール41lの形成用パターン(図示せず)と、第3のコンタクトホール41rの形成用パターン(図示せず)とを、互いに近接して配置し、第1のコンタクトホール41lと第3のコンタクトホール41r間の間隔を縮小化し、第1の合体コンタクト43lと第2の合体コンタクト43r間の間隔を縮小化することができる。
【0134】
本実施形態によると、平面形状が、角部が丸められた正方形状(又は円形状)を有する第1,第2のコンタクトホール28y,34yからなる合体コンタクトホール34Yを形成すると共に、平面形状が、角部が丸められた正方形状(又は円形状)を有する第3,第4のコンタクトホールからなる合体コンタクトホールを形成することにより、ゲート幅方向に沿って互いに間隔を空けて隣り合う合体コンタクトホール間の間隔を縮小化し、合体コンタクトホールの密集度を高めて、合体コンタクトの密集度を高めることができる。
【0135】
ここで、第1のコンタクトホール28ryと第2のコンタクトホール34ryとが離れて形成されることのないように、互いに一部分が重なり合うように、第1,第2のコンタクトホール28ry,34ryを形成することが好ましい。また、図14(a) に示すように、第3のコンタクトホール41rと第4のコンタクトホール42rとが離れて形成されることのないように、互いに一部分が重なり合うように、第3,第4のコンタクトホール41r,42rを形成することが好ましい。
【0136】
さらに、図14(b) に示すように、対向する第1,第3のコンタクトホール41lx,41rx間の間隔を、対向する第1,第3のコンタクトホール41l,41r間の間隔(図14(a) 参照)よりも広くすることにより、第1の合体コンタクト43lxと第2の合体コンタクト43rx間のショートマージン(即ち、第1の合体コンタクト43lxと第2の合体コンタクト43rx間の短絡を防止する余裕領域)を、第1の合体コンタクト43lと第2の合体コンタクト43r間のショートマージンよりも大きくすることができる。
【0137】
なお、本実施形態では、長方形型の合体コンタクトとして、SRAM領域に配置されるシェアードコンタクトを具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明は、第1領域(例えば密領域)におけるライナー膜の膜厚と、第2領域(例えば疎領域)におけるライナー膜の膜厚とが互いに異なる半導体装置において、コンタクトホールの形成時に、活性領域及び素子分離領域に削れが形成されることを防止することができるため、ライナー膜を有する半導体装置におけるコンタクトの製造方法に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】(a) 〜(d) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
【図2】(a) 〜(c) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
【図3】(a) 〜(d) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
【図4】(a) 〜(c) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
【図5】(a) 〜(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
【図6】(a) 〜(c) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
【図7】(a) 〜(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
【図8】正方形型コンタクトと、長方形型コンタクトとの、CD−shiftの関係を示す図である。
【図9】(a) は、従来のコンタクトホールの形成方法を簡単に示す平面図である。(b) は、左側にリソグラフィ後のSEM写真を示し、右側にエッチング後のSEM写真を示す。
【図10】本発明の第2の実施形態におけるコンタクトホールの形成方法を簡単に示す平面図である。
【図11】(a) 〜(b) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
【図12】(a) 〜(b) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
【図13】(a) 〜(c) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
【図14】(a) 〜(b) は、本発明の第3の実施形態における合体コンタクトの形成方法を簡単に示す平面図であり、(c) は、従来のコンタクトの形成方法を簡単に示す平面図である。
【図15】(a) 〜(d) は、従来の半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
【図16】(a) 〜(c) は、従来の半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
【図17】(a) 〜(c) は、従来の半導体装置の製造方法の問題を示す断面図である。
【符号の説明】
【0140】
10 半導体基板
11 素子分離領域
12a,12b ゲート絶縁膜
13a,13b ゲート電極
14a,14b オフセットスペーサ
15a,15b エクステンション領域
16a,16b 内側サイドウォール
17a,17b 外側サイドウォール
17A,17B サイドウォール
18a,18b ソース・ドレイン領域
19a1,19b1,19a2,19b2 シリサイド層
20,20a 第1のライナー膜
21,21a 絶縁膜
22,22b 第2のライナー膜
23 層間絶縁膜
24 下層レジスト
25 中間層レジスト
26 上層レジスト
26h,26hx,26hy ホール
27 多層レジスト
27h,27hx,27hy コンタクトホール形成用ホール
28r,28,28rx,28x,28ry,28y 第1のコンタクトホール
29,29x,29y 有機膜
30 下層レジスト
31 中間層レジスト
32 上層レジスト
32h,32hx,32hy ホール
33 多層レジスト
33h,33hx,33hy コンタクトホール形成用ホール
34r,34,34rx,34x,34ry,34y 第2のコンタクトホール
35l,35r コンタクトホール形成用ホールパターン
36l,36r コンタクトホール
37 コンタクトホール形成用ホールパターン
38 第1のコンタクトホール
39 コンタクトホール形成用ホールパターン
40 第2のコンタクトホール
41l,41lx 第1のコンタクトホール
41r,41rx 第3のコンタクトホール
42l 第2のコンタクトホール
42r 第4のコンタクトホール
42L,42Lx 第1の合体コンタクトホール
42R,42Rx 第2の合体コンタクトホール
43l,43lx 第1の合体コンタクト
43r,43rx 第2の合体コンタクト
44l,44r コンタクトホール
45l,45r コンタクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上に、複数のゲート構造体を形成する工程(a)と、
前記半導体基板の上に、前記複数のゲート構造体を覆うようにライナー膜及び層間絶縁膜を順次形成する工程(b)と、
前記ゲート構造体が密に配置された第1領域における前記ライナー膜及び前記層間絶縁膜に、互いに隣接する前記ゲート構造体同士の間の領域を開口して、底部に第1の膜厚を有する前記ライナー膜が残存する第1のコンタクトホールを形成する工程(c)と、
前記ゲート構造体が疎に配置された第2領域における前記ライナー膜及び前記層間絶縁膜に、互いに隣接する前記ゲート構造体同士の間の領域を開口して、底部に第2の膜厚を有する前記ライナー膜が残存する第2のコンタクトホールを形成する工程(d)と、
前記工程(c)及び前記工程(d)よりも後に、前記第1のコンタクトホールの底部に残存する前記ライナー膜、及び前記第2のコンタクトホールの底部に残存する前記ライナー膜を除去する工程(e)とを備え、
前記第1の膜厚と前記第2の膜厚とは、同等であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
半導体基板の上に、第1のゲート構造体、第2のゲート構造体、及び第3のゲート構造体を形成する工程(a)と、
前記半導体基板の上に、前記第1のゲート構造体、前記第2のゲート構造体、及び前記第3のゲート構造体を覆うようにライナー膜及び層間絶縁膜を順次形成する工程(b)と、
前記ライナー膜及び前記層間絶縁膜に、互いに隣接する前記第1のゲート構造体と前記第2のゲート構造体との間の領域を開口して、底部に第1の膜厚を有する前記ライナー膜が残存する第1のコンタクトホールを形成する工程(c)と、
前記ライナー膜及び前記層間絶縁膜に、互いに隣接する前記第2のゲート構造体と前記第3のゲート構造体との間の領域を開口して、底部に第2の膜厚を有する前記ライナー膜が残存する第2のコンタクトホールを形成する工程(d)と、
前記工程(c)及び前記工程(d)よりも後に、前記第1のコンタクトホールの底部に残存する前記ライナー膜、及び前記第2のコンタクトホールの底部に残存する前記ライナー膜を除去する工程(e)とを備え、
前記第1のコンタクトホール及び前記第2のコンタクトホールの平面形状は、ゲート幅方向の長さがゲート長方向の長さよりも長い長方形状であり、
前記第1の膜厚と前記第2の膜厚とは、同等であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
半導体基板の上に、ゲート構造体を形成する工程(a)と、
前記半導体基板の上に、前記ゲート構造体を覆うようにライナー膜及び層間絶縁膜を順次形成する工程(b)と、
前記ライナー膜及び前記層間絶縁膜に、前記ゲート構造体を構成するゲート電極上からソース・ドレイン領域上に至る領域のうちの第1の部分領域を開口して、底部に第1の膜厚を有する前記ライナー膜が残存する第1のコンタクトホールを形成する工程(c)と、
前記ライナー膜及び前記層間絶縁膜に、前記ゲート構造体を構成するゲート電極上からソース・ドレイン領域上に至る前記領域のうちの第2の部分領域を開口して、底部に第2の膜厚を有する前記ライナー膜が残存する第2のコンタクトホールを形成する工程(d)と、
前記工程(c)及び前記工程(d)よりも後に、前記第1のコンタクトホールの底部に残存する前記ライナー膜、及び前記第2のコンタクトホールの底部に残存する前記ライナー膜を除去して、前記第1のコンタクトホール及び前記第2のコンタクトホールからなる第1の合体コンタクトホールを形成する工程(e)とを備え、
前記第1のコンタクトホールと前記第2のコンタクトホールとは、ゲート長方向に沿って互いに隣接し、且つ該第1のコンタクトホールの一部分と該第2のコンタクトホールの一部分とが互いに重なり合って配置され、
前記第1のコンタクトホール及び前記第2のコンタクトホールの平面形状は、円形状、又は角部が丸められた正方形状であり、
前記第1の膜厚と前記第2の膜厚とは、同等であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(c)は、前記ライナー膜及び前記層間絶縁膜に、前記ゲート構造体を構成するゲート電極上からソース・ドレイン領域上に至る前記領域のうちの第3の部分領域を開口して、底部に第3の膜厚を有する前記ライナー膜が残存する第3のコンタクトホールを形成する工程を含み、
前記工程(d)は、前記ライナー膜及び前記層間絶縁膜に、前記ゲート構造体を構成するゲート電極上からソース・ドレイン領域上に至る前記領域のうちの第4の部分領域を開口して、底部に第4の膜厚を有する前記ライナー膜が残存する第4のコンタクトホールを形成する工程を含み、
前記工程(e)は、前記第3のコンタクトホールの底部に残存する前記ライナー膜、及び前記第4のコンタクトホールの底部に残存する前記ライナー膜を除去して、前記第3のコンタクトホール及び前記第4のコンタクトホールからなる第2の合体コンタクトホールを形成する工程を含み、
前記第1の合体コンタクトホールと前記第2の合体コンタクトホールとは、ゲート幅方向に沿って互いに間隔を空けて隣り合い、且つゲート長方向に沿って互いにずれて配置され、
前記第1のコンタクトホールと前記第3のコンタクトホールとは、ゲート幅方向に沿って対向して配置され、
前記第3のコンタクトホールと前記第4のコンタクトホールとは、ゲート長方向に沿って互いに隣接し、且つ該第3のコンタクトホールの一部分と該第4のコンタクトホールの一部分とが互いに重なり合って配置され、
前記第3のコンタクトホール及び前記第4のコンタクトホールの平面形状は、円形状、又は角部が丸められた正方形状であり、
前記第3の膜厚及び前記第4の膜厚は、前記第1の膜厚及び前記第2の膜厚と同等であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(d)は、前記工程(c)よりも後で且つ前記工程(e)よりも前に行い、
前記工程(c)よりも後で且つ前記工程(d)よりも前に、前記第1のコンタクトホールの内部に、有機膜を埋め込む工程(f)をさらに備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(c)は、前記工程(d)よりも後で且つ前記工程(e)よりも前に行い、
前記工程(d)よりも後で且つ前記工程(c)よりも前に、前記第2のコンタクトホールの内部に、有機膜を埋め込む工程(g)をさらに備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−165907(P2010−165907A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7626(P2009−7626)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】