説明

ダイヤモンド上の窒化ガリウム発光デバイス

白熱灯および蛍光灯の代用品としての発光ダイオードなどのためにダイヤモンド基板上に窒化ガリウムデバイスを形成する。一つの実施形態として、少なくとも2つの方法でダイヤモンド上に窒化ガリウムダイオード(もしくは他のデバイス)を形成する。第1の方法は、ダイヤモンド上に窒化ガリウムを成長させ、その窒化ガリウム層にデバイスを設けることを含んでいる。第2の方法は、ダイヤモンド上に窒化ガリウム(デバイスもしくはフィルム)を接合し、接合した窒化ガリウム上にデバイスを設けることをともなっている。これらのデバイスは、白熱光や蛍光よりもかなり効率がよく、他の技術よりも光密度もしくはエネルギー密度がかなり高い。同様の方法および同様の構造により他の窒化ガリウム半導体デバイスをつくることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ダイヤモンド上の窒化ガリウム発光デバイス
【背景技術】
【0002】
一般に、住宅用および工業用照明の光は、白熱灯もしくは蛍光灯で得ている。こうした光源は、通常、かなりの電力を消費し、効率が悪く、そして、不要な熱も生じることになる。そのような光源にとって代わる可能性を持つものとして、窒化ガリウム発光ダイオード類(LED)を使用することがある。窒化ガリウムデバイスは、シリコン、サファイア、スピネルもしくは炭化ケイ素上に窒化ガリウムフィルムを成長させることによって形成することができる。適切なドーピングによってp型層およびn型層を成長させ、公知の方法によって接合を行い、そして、適切な電圧を印加することにより発光させる。特定の用途に適する出力波長を調整するために、その窒化ガリウム層にアルミニウムあるいはインジウムを混ぜることができる。出力光は、紫色、紫外、青色もしくは緑色のスペクトル領域が主である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的には、窒化ガリウムLEDからの出力光は単色であるので、白色光を発するためには不向きである。白色の出力光を得るために、蛍光物質でLEDを覆って、LEDの単色の出力を吸収し、その光を広帯域の白色光に変換をする。これらのデバイスは、すでに市場に出回ってはいるが、その出力光はかなり弱い。
【0004】
今日、窒化ガリウムに基づく光源にともなうさらなる問題としては、一般の照明として実用的である光量で動作させるためには、かなり高い出力が要るということがあげられる。同時に、手頃な価格のランプを作るために、より小さい光源サイズにすることも必要とされている。現在のところ、これらは相反する要求である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ダイヤモンド半導体デバイスを生産するために、窒化ガリウムデバイスをダイヤモンド基板上に形成している。一つの実施形態として、少なくとも2つの方法のうちの一つでダイヤモンド上に窒化ガリウムダイオード(もしくは他のデバイス)を形成する。第1の方法例は、ダイヤモンド上に窒化ガリウムを成長させ、その窒化ガリウム層にデバイスを設けることを含んでいる。第2の方法例は、ダイヤモンド上に窒化ガリウム(デバイスもしくはフィルム)を光学的に接合し、その接合した窒化ガリウム上にデバイスを設けることをともなっている。これらのデバイスは、白熱光や蛍光よりもかなり効率がよく、既存の半導体技術で可能である光密度もしくはエネルギー密度よりも光密度もしくはエネルギー密度を大きくできる。同様の方法および同様の構造により他の窒化ガリウム半導体デバイスをつくることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
下記の記載において、本明細書の一部として作成されている添付図面を参照し、その図面では実施可能な具体的な実施形態を示している。当業者が本発明を実施できるようにこれらの実施形態を十分詳しく記載しており、そして、他の実施形態も利用することができ、本発明の範囲から外れることなくその構造的、論理的、および電気的な変化をさせることができることが理解されるだろう。したがって、下記の記載は限定解釈されるものではなく、本発明の範囲は付随されている請求項によって定義される。
【0007】
窒化ガリウムデバイスを、ダイヤモンド基板上に形成して、白熱灯と蛍光灯の代用品となる発光ダイオードおよび白色光を得る。一つの実施形態として、窒化ガリウムダイオード(もしくは他のデバイス)は、少なくとも二つの方法でダイヤモンド上に形成される。第1の方法は、ダイヤモンド上に窒化ガリウムを成長させ、その窒化ガリウム層にデバイスを設けることを含んでいる。第2の方法は、ダイヤモンド上に窒化ガリウム(デバイスもしくはフィルム)を接合し、接合した窒化ガリウム上にデバイスを設けることをともなう。これらのデバイスは、白熱光や蛍光よりもかなり効率がよいので非常に有益である。
【0008】
一つの実施形態として、ダイヤモンド基板は、現在あるどの基板よりもとてもよく熱を伝導するので、出力レベルを増大しつつデバイスサイズを縮小できる。また、同じサイズのデバイスを利用する場合は、さらに一層その出力が増大する。ダイヤモンドのような高価な基板をシリコンのような廉価な基板の代わりとして用いることは不適切だと思われるかもしれない。しかしながら、「いずれの基板」においても窒化ガリウム層を成長させるためのコストが窒化ガリウムデバイスを作成する上での主要なコストである。得られる光のルーメン当たりのコストを減らせるため、ダイヤモンド基板を用いると、廉価な基板よりも経済的となる。
【0009】
さらなる実施形態として、窒化ガリウムのレーザーおよび合金のレーザーをダイヤモンド基板上で設計する。出力およびコストを考慮して、そのプロセスをLED類に関連のあるレーザーに応用することができる。そのようなレーザーの応用としては、DVD類、高密度光学記憶媒体、データ送信器、医学診断器具、手術器具および他の用途が含まれる。
【0010】
窒化物半導体は、広バンドギャップ半導体として知られている。これらの半導体は、一般に従来の半導体よりも高周波数および高出力レベルで動作し、他の半導体物質よりも高周波数および高出力レベルである光(LED類もしくはレーザー)を生成できる。全ての場合において、そのデバイスの出力レベルは、デバイス物質の熱伝導率によって制限される。最高の性能は、ダイヤモンド基板に密接に接合された広バンドギャップ半導体を有するデバイスで、なおかつ、そのデバイス層が薄いデバイスにおいて得られると考えられる。これは、単結晶ダイヤモンド上に広バンドギャップ半導体の薄い層を成長させ、そして、その層上でデバイス製作を行うことで最も達成される。
【0011】
結晶の完全性:(他の半導体デバイスだけでなく)いくつかの窒化物デバイスもまた、結晶の欠陥が少なく且つ歪みの無い半導体を使うと最高の性能が得られる。ダイヤモンドフィルム上に結晶構造フィルムを成長させる方法の場合では、欠陥が非常に少ない結晶が得られず、しかも(使用時におけるダイヤモンドと半導体基板の間の熱膨張係数の大きな違いがあるので)歪みも小さくない。
【0012】
窒化物(の工程)用の基板として使用するダイヤモンド基板を生成するための一つの方法において、適切な配向性のダイヤモンド自立板を生成する。その板を(平坦化(flatness)、平滑化(smoothness)、TTV(Total Thickness Variation)に関して)極めて完璧な研磨をしている半導体用の基板に加工するか、あるいは、半導体処理機械に準拠した加工を行う(小程度の厚み変化、オリエンテーションフラット(orientation flat)など)。一つの実施形態として、表面平坦性(surface flatness)を(一般的な緑色の光の)波長の10分の1より小さくし、なおかつ、表面平滑性(surface smoothness)を1nm以下にする。こうした表面平滑性は適切な研磨から得られる。
【0013】
以下のステップで窒化物をダイヤモンド表面に接合する。上述において仕上げられたダイヤモンド基板の表面を溶媒、酸で洗浄し、パーティクルフリー環境(particle free environment)内で保存する。それから、窒化物デバイスを前述のデバイスに加工することができる。その結果としての窒化物構造物もしくは窒化物デバイスを最小の許容できる厚みまで薄くすることができる。そして、それをダイヤモンド上に置いて、その層の間から空気を除去するために僅かな動きを与えつつダイヤモンドにそれを接合する。
【0014】
一つの実施形態として、室温付近の熱サイクルを気相の除去を促進するために用いる。それから、ダイヤモンド窒化物デバイスを放熱材に接合し、デバイスとして制御するかもしれない。さらなる実施形態として、ダイヤモンド上に炭化ケイ素を生成する。炭化ケイ素デバイスを上述のような通常の方法で製造し、窒化物デバイスと同様もしくは類似する方法で接合し、制御することができる。また、それを上述のように接合し、作動することができる。また、さらなる実施において、他の半導体もダイヤモンド上に接合することができる。シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化物、リン化物、アンチモン化物、硫化物、セレン化物、もしくは、テル化物(telurides)のような他の半導体のデバイスを形成して、上述のダイヤモンドに接合することもできる。
【0015】
本工程を説明する図
a.ダイヤモンド基板(substrae)を生成するための基本工程
ダイヤモンドの種結晶(Diamond Seed Crystal)

注入中のダイヤモンドの種結晶
イオンを注入する

注入層を有するダイヤモンドの種結晶

注入層および成長層を有するダイヤモンドの種結晶

レーザートリミング(切削)後の注入層および成長層を有するダイヤモンドの種結晶

分離後のダイヤモンドの種結晶と成長層

半導体成長のために加工されたダイヤモンドの種結晶

b.半導体デバイス層を接合する工程
半導体成長のために加工されたダイヤモンドの種結晶

半導体デバイス層と分離しているダイヤモンドの種結晶

半導体デバイス層が接合しているダイヤモンド層

【0016】
以下に、注入法およびリフトオフ法を使って、ダイヤモンド上に窒化物半導体層を生産するための工程を記載している。窒化物半導体は広バンドギャップ半導体として知られている。これらの半導体は、一般的に、従来の半導体よりも高い周波数および高い出力レベルで動作するため、他の半導体物質よりも高い周波数および高い出力レベルで光を(LED類もしくはレーザーから)生成することができる。より高い性能を得るには、ダイヤモンド基板に密接に接合された広バンドギャップ半導体を有し、なおかつ、そのデバイス層が薄いデバイスを使うとよいと考えられる。こうしたデバイスをつくるには、単結晶ダイヤモンド上に広バンドギャップ半導体の薄い層を成長させ、そして、その層の上でデバイス加工を行うのがよいと考えられる。
【0017】
III〜Vの半導体製造法においては、電荷を或る半導体層から別の層に移動させて、どちらの半導体を単層で用いても得ることができない電気的な特性をつくりだす。この原理の概要を述べると、ドープ量の多い広バンドギャップ半導体から、ドープしていない狭バンドギャップ半導体に電荷を移動させ、そうすることで、ドープしていない半導体内に電荷をもたらす、ということである。また、特別な特性および特別な効果が、その2つの半導体が接している境界層で生じる。レーザー、LED類およびほとんどのFET類は、バンドギャップを調整した層を用いて動作している。ダイヤモンド上にcBN、AlN(ならびにGaNもしくはInNとの合金)等の広バンドギャップ半導体を使用することで、ダイヤモンド内にそのような効果をもたらすことができ、n型ダイヤモンド層あるいはp型ダイヤモンドのレーザー層のどちらかを生成することができる。
【0018】
窒化物(の工程)用の基板として使用するためのダイヤモンド基板を生成する一つの方法として、適切な向きのダイヤモンド自立板を生成する。その板を(平坦化、平滑化、TTV(Total Thickness Variation)に関して)極めて完璧な研磨をしている半導体用の基板に加工するか、あるいは、半導体処理機械に適合するように加工する(小程度の厚み変化、オリエンテーションフラット(orientation flat)など)。
【0019】
ダイヤモンド上にcBNを生成するために様々な方法を用いることができる(それらのすべての方法は、上述のように処理したダイヤモンド基板を用いる)。cBN(立方晶窒化ホウ素)は、一般に高温および高圧で調製された直接遷移半導体(a direct band gap semiconductor)である。低圧での生成が非常に難しいため、cBNを生成しようとすると、通常はhBN(六方晶窒化ホウ素)の形成をともなってしまう。後述の方法をダイヤモンド上にcBN層を生成するために用いることができる。その層はドープされていてもよいしドープされていなくとも構わない。
【0020】
一つの実施形態として、プラズマによる直接的なエピタキシー法を用いる。さらなる実施形態において、リン化物転換を用いる。この方法は、以下のステップを含む:1.CVD,MOCVDもしくはMBEを用いダイヤモンド上にBPの層を成長させる。2.アンモニア中で基板に層を重ねて500℃から1000℃に熱することでBP層を転換する。これによって、窒素が格子中のリン(phosphorous)と置き換わり、(BPが立方晶なので)立方晶窒化ホウ素が形成される。そのフィルムは、ドープされていてもドープされていなくても構わない。
【0021】
さらなる実施形態として、原子層エピタキシー法をダイヤモンド上にcBN層を形成するために用いる。原子層エピタキシー法では、アンモニア中でBPをcBNに変換するという上述の方法を用いる。しかしながら、この方法は、一つ一つの原子層を連続的に変換して、完全な転換を達成しているという点で異なっている。こうした手法は必要な効果を得るのに時間がかかる工程と思われるかもしれないが、ほとんどのデバイス構造においては、わずかな原子層(10〜100)だけが必要であるということを留意すべきである。この方法は、1.ダイヤモンドの表面を自己調整性ホウ素源(self limiting boron source)(すなわち、BCl)にさらして、ダイヤモンドの表面にBClの単層の向きを整えるように(温度などを使って)積層する。2.その表面をホスフィン(PH)のような含リン源にさらす。これによって、リンがホウ素に結合し、そして、水素が塩素を抽出して遊離するので、単結晶であり且つダイヤモンド基板に配向しているBP層が残る。3.その表面をアンモニアガス(NH)にさらすことで、BP層中のリンが、アンモニア中の窒素と交換されて、cBN層とホスフィンガスが生成する、ことを含んでいる。この工程を必要な回数分繰り返して、所望の厚みのcBNが得られる。
【0022】
さらなる方法として、他の窒化物(の工程)をダイヤモンド上に形成しても(施しても)よい。上述のように仕上げられたダイヤモンド基板から、続けて、それを溶媒、酸、ドライプラズマエッチング処理、熱化学エッチング処理、あるいは全ての組み合わせを用いて洗浄する。次に、以下に示す方法(もしくは、まだ報告されていないような方法のいくつか):水素化物−ハロゲン化物のCVD(hydride-halide CVD)、有機金属のCVD(metal organic CVD)、MBE、プラズマを併用したMBE、化学線エピタキシー(chemical beam epitaxy)、原子層エピタキシー(atomic layer epitaxy)、の一つを行って反応器内で窒化物フィルムを成長させる。
【0023】
一つの実施形態として、炭化ケイ素をダイヤモンド上に形成する。エピタキシー法を使って、本明細書に記載しているように、気相を含んでいる炭素とケイ素の反応によって適切にダイヤモンド上に配向した炭化ケイ素を最初に成長させる。その後、高温の気相を含んでいる炭素にダイヤモンド表面をさらすことによって転換が行われる。ダイヤモンド内部へのケイ素を拡散させ、またダイヤモンド外の炭化物層にむけて炭素を拡散させることによって、ダイヤモンドの表層を炭化ケイ素に転換する。
【0024】
さらなる実施形態として、ダイヤモンド上の炭化ケイ素上に窒化物を生成する。上述のようにダイヤモンド上に炭化ケイ素層を形成することができる。上述のように窒化物の層を成長させる。
【0025】
さらなる実施形態として、他の半導体をダイヤモンド上に形成する。上述のように、ダイヤモンド上にケイ素、シリコン−ゲルマニウム、ヒ化物、リン化物、アンチモン化物、硫化物、セレン化物、もしくは、テル化物(telurides)のような他の半導体の層を成長させることもできる。
【0026】
また、上述のダイヤモンド上に極めて薄いシリコン層を接合する方法を用いてもよい。ここで、そのシリコンは、絶縁体上の500nm以下の一般的なフィルムの形状であって、このシリコンが、また別のシリコンと接合されているる薄いシリカ層に接合している。シリコンを、ダイヤモンドに光学的密着(optical contacting)して温度サイクルにかけた後、選択性の化学的なエッチングによってシリカ層と背面のシリコン層が除去される。続けて、デバイスが、その薄いシリコン層上に形成される。
【0027】
さらなる実施形態として、その特有の性能の利便性を確保するためのデバイスをダイヤモンド上に設けて、完全な集積されたシリコン/ダイヤモンド回路を形成できるように、そのシリコン内部にむけて窓(window)をエッチングする。これらの方法を、GaN、GaAs、SiC、Si/Geおよびそれらの合金のような他の半導体を、ダイヤモンドに接合するために用いてもよい。ダイヤモンドに半導体ウェハのうちの一部を接合することで、同じチップでの機能の一部が得られるようにしても構わない。また、薄いシリコン層を、薄いダイヤモンド層と、ダイアモンド層の背面に接合したもう一つの厚いシリコン層に結合してもよい。薄いダイヤモンド層は、ナノ結晶質ダイヤモンドの形態で溶着しても構わない。またさらなる実施形態として、ダイヤモンドデバイスのデバイス加工(フォトリソグラフィを含む)中に支持および取り扱いができるようにすることを目的として、多数のダイヤモンドウェハを大きいシリコンウェハに接合してもよい。
【0028】
本工程を説明する図
a.ダイヤモンド基板(substrae)を生成するための基本工程
ダイヤモンドの種結晶(Diamond Seed Crystal)


注入中のダイヤモンドの種結晶
イオンを注入する

注入層を有するダイヤモンドの種結晶

注入層および成長層を有するダイヤモンドの種結晶

レーザートリミング後の注入層および成長層を有するダイヤモンドの種結晶

分離後のダイヤモンドの種結晶と成長層

半導体成長のために加工されるダイヤモンドの種結晶

c. (cBN以外の)半導体デバイス層を成長させるための工程
半導体成長のために加工をされるダイヤモンドの種結晶

成長した半導体層をその上に有するダイヤモンド種結晶

d.cBN成長
ダイヤモンド基板

BCl原子層を有するダイヤモンド基板

BP層を有するダイヤモンド基板

cBNに変換されたBPを有するダイヤモンド基板

【0029】
図1〜図4は、本発明のいくつかの実施形態と一貫する、ダイヤモンド基板上に窒化ガリウム半導体デバイスを形成する方法を図示している。窒化ガリウム(GaN)を、ダイヤモンド層101(単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、ナノ結晶ダイヤモンド、合成ダイヤモンド、もしくは天然ダイヤモンドといった様々な実施の形態がある)上に形成している。その窒化ガリウムは、そのダイヤモンドの平坦な表面上の層102内に溶着される。
【0030】
ダイヤモンド種結晶101は、平坦な最上面の層を得るために磨かれ、そして、その種結晶の端部を、レーザーもしくは切削器具を用いるなどしてトリミングして、それから、洗浄し、エッチングし、研磨する。いくつかの実施形態として、その後、水素原子を所望の深さに注入する。様々な例において、その水素原子を様々な条件下で注入するが、一つの例としては、ダイヤモンド表面に対して10°の角度で、なおかつ、約1μA/cmの注入速度で注入する。その電子を約200KeVのエネルギーで、総注入量がダイヤモンド101内で約10の17乗 原子数/cmとなるまで注入される。別の実施形態として、より高いもしくはより低いエネルギーで、より多くもしくはより少ない水素の注入量を注入する。例えば、より高エネルギーでより少ない注入量で注入することで、ダイヤモンドの研磨されている表面に、比較的に深いコンプライアント(compliant)な層を形成する。このようにして、水素注入のパラメータを変えると、得られる水素注入層の深さおよび密度が変わることになる。いくつかの実施形態として、ダイヤモンド層内に存在している水素注入層により、コンプライアントな(compliant)ダイヤモンド層を形成できる。このコンプライアントなダイヤモンド層は、ダイヤモンド上で成長した窒化ガリウムなどの物質の格子構造に容易に沿って自身を整列できる格子構造を有する。
【0031】
単結晶ダイヤモンドのコンプライアント層上に窒化ガリウム層を形成する場合、窒化ガリウムの格子構造をコンプライアントなダイヤモンド層の格子構造にあわせてだいたい整列することができ、結果として単結晶配列もしくは巨大結晶配列である窒化ガリウムにすることができる。多結晶ダイヤモンドもしくはナノ結晶ダイヤモンドを基板部材として用いている他の実施形態としては、そのダイヤモンド基板の格子構造にしたがって局所的に整列することで窒化ガリウムがより小さな結晶構造を形成する傾向にある。いくつかの実施形態として、単結晶ダイヤモンドは、その優れた熱伝導性、および、単結晶ダイヤモンド上で窒化ガリウムを成長させた際に最も均一な窒化ガリウム成長が得られることから、好ましいといえる。
【0032】
ダイヤモンド基板上で成長を行う際には、ダイヤモンドの任意の結晶方位に対して行うことができ、例えば100平面、110平面、111平面など結晶方位に対して成長を行うことができる。一つの実施の形態としては、111平面が、その対称性から好まれる。111ダイヤモンド平面は、製造がかなり難しいことがあるが、三次元におけるその対称性は、窒化ガリウム結晶構造に沿って容易に整列し、より好ましい結晶接合構造を形成する。
【0033】
図2において、ダイヤモンド基板201、ならびに、n型のもしくはn型のドープをした窒化ガリウムの第1層は、p型窒化ガリウム203の層を成長させるための基層として用いられる。別の実施の形態としては、図5のデバイスで示されているようにp型とn型の層を反転するか、もしくは、逆順に成長を行う。様々なドーピング物質(ホウ素、リン、および別の同様の物質など)を、p型およびn型の材料の両方に用いることができる。例えば、p型窒化ガリウムは、窒化ガリウムに、3価の電子のみを有するホウ素をドープすることで作ることができ、このようにしてダイヤモンドを強p型半導体物質とすることができる。ホウ素を含んでいる窒化ガリウム物質内に在る電子欠損箇所は、電子を受容する「正孔」となる。実質上、正孔は、可動性の正電荷である。負に帯電しているホウ素原子は結晶格子に固定され、これはホウ素原子自体は移動できないものの、電子伝導プロセスにおける電子受容体として機能する正孔に寄与している、ということを意味している。価電子もしくは正孔を有する他の物質をドープすると、ドーパント(dopant)の価電子数に依存してn型物質もしくはp型物質ができる。
【0034】
図3において、図2の構造にマスクしてエッチングをし、正にドープされている窒化ガリウム層を小さく隔離した領域303と、電子接点304とを形成することで、形成されている半導体デバイスに外部電子回路を接続する手段が得られる。同様に、負にドープされている窒化ガリウム層302上に電子接点305を形成し、形成されている半導体デバイスの別の部分に外部への電子的な接点をもうける。なお、ダイヤモンド基板301は放熱材(ヒートシンク)の役割を果たし、そして、ダイヤモンド基板301は、集積回路内などにおける、一つもしくは複数の別の半導体デバイスに対する基板であってもよい。
【0035】
図4は、図3で形成されるデバイスを単離したものを示しており、ダイヤモンド基板401の側面とn型窒化ガリウム層402の側面を切削して、本明細書中に示した個々のパッケージ化されたダイオードなどの一つのデバイスを形成する。さらなる実施形態として、ダイヤモンド層401を、別の熱伝導体(いくつかの実施形態として示される半導体デバイスに対するパッケージの一部とできるような金属放熱材もしくはダイヤモンド放熱材など)に接合する。
【0036】
ダイヤモンドが、ドープされているダイヤモンドもしくは導電性を有するダイヤモンドである場合は、図5で示されるように半導体の一部を形成してもよい。図5において、ダイヤモンド格子にホウ素をドープして、ダイヤモンド格子をp型半導体にする。いくつかの例として、化学気相成長によって形成されるダイヤモンドの内部でホウ素を成長させるか、あるいは、合成のもしくは天然のダイヤモンドのどちらかに、他のプロセスでホウ素を組み込む。さらに、他の例として、合成のもしくは天然のダイヤモンドのどちらかの内部にホウ素を注入するために、放散やイオン注入を用いる。
【0037】
いくつかの実施形態として、注入されているホウ素もしくは他のドーパント(dopants)を有するダイヤモンド領域の結晶構造は、ドープされていないダイヤモンド、もしくは窒化ガリウムなどの他の物質のそれと比べて、いくぶんか大きいもしくは小さい結晶格子を有するようになる。こうなるのは、ダイヤモンド結晶構造内におけるドーパント(dopant)の配列の結果によるものである。異なるドープの濃度を有するダイヤモンド間か、または、ドープされているダイヤモンドと、ドープされていないダイヤモンドもしくは窒化ガリウムなどの他の結晶構造との間での格子不整合は、いくつかの実施の形態において、選択されるイオンの注入量を調整することで制御され、所望の格子構造が得られる。たとえば、少量のホウ素がドープされているダイヤモンド領域は、主に炭素-12からなるドープしていないダイヤモンドに比べていくぶんか広い格子構造を有することになる。ホウ素がドープされているダイヤモンドに炭素-13を加えることでその格子構造が縮小するので、いくつかの実施形態において、こうした添加を、ダイヤモンド層間の格子の不一致を回避するためか、または、ダイヤモンド層間のひずみや格子の不一致を調整するために用いる。
【0038】
したがって、いくつかの実施形態において、図5のホウ素がドープされているダイヤモンド構造では、格子構造を変えるために炭素-13もしくは他のドーパントを用いる、あるいは、水素注入によってもたらされる或る程度のコンプライアンスを備えた所望の格子構造を形成するために、単独でもしくはドーパントを加えて水素注入をする。
【0039】
ホウ素をドープしているダイヤモンド基板501上の番号502で示している位置に、p型の窒化ガリウム層を形成している。p型窒化ガリウム層の上面に503の窒化ガリウムのn型層を形成してから、図4のデバイスと同様にそのデバイスを切削する。金属接点504をn型窒化ガリウムに接続し、そして、第2の金属接点505を番号505の位置でp型導電性ダイヤモンドに接続する。このようにして形成されたダイオードは、図4のダイオードと同様ではあるが、ダイヤモンドを、単に放熱材とするのでは無く、半導体デバイスの一部として導電性を持たせてある。
【0040】
ホウ素をドープしたダイヤモンドをp型半導体物質として用いることができ、また他のドーパント(dopants)をn型半導体物質を形成するために用いることができるため、ダイヤモンドと、窒化ガリウムの単層とで、図6で示されているダイオードなどの基本的な半導体デバイスを形成することができる。ホウ素がドープされているp型ダイヤモンドが601で示されており、これはその上に602で示されているように成長されたn型のドープされている窒化ガリウムの層を有している。n型窒化ガリウムに603の箇所で導体を接続し、またp型ダイヤモンドの番号604の箇所に導体を接続することで、ダイオードを形成する。ここでは、放熱材のみならずダイオード半導体の一部を形成している導体としてダイヤモンド層を利用している。
【0041】
図7で示されているような半導体構造の中に挿入されている適したバンドギャップを有する物質によってヘテロ接合構造(異種接合構造)が形成される。ダイヤモンド基板701は、n型にドープされている窒化ガリウム層702を溶着することによって形成される半導体デバイスの基板と放熱材として機能する。かなり多量にドープされているn型の窒化ガリウム層の形成などをして、ヘテロ接合層703をその上に形成する。704で示されているように、ヘテロ接合層上にp型窒化ガリウムのようなp型層を形成し、電気接点705に接続する。第2の電気接点706を、ヘテロ接合ダイオードを形成するために、第1の弱いn型になっている窒化ガリウム層702と接合する。示されているダイオードは、形成されたヘテロ接合構造により比較的に高速で動作することが可能であり、ダイヤモンド基板701によって供給される熱吸収効果によって比較的に高出力で動作することができる。
【0042】
別の実施形態として、n型のドーパントとp型のドーパントを逆にして、図7で示されているものと反対の陰極と陽極の電気的な接続を有するダイオードを形成することができる。またさらなる実施の形態として、図6のダイオード、図7のヘテロ接合、ならびに図4および図5のダイオードなどの本明細書で図示されている基本的なデバイスのドーパントを逆にして、さらに、双極接合トランジスタなどの大きな半導体構造の一部とすることもできる。またさらなる実施の形態として、本明細書で記載したものと同様の方法や構造を用いることで電界効果型トランジスタを形成することもできる。
【0043】
窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム、それらの合金、および他の物質のヘテロ構造のようないくつかのヘテロ構造を、p型ダイヤモンドなどのドープされたダイヤモンド上に溶着することで、優れたp−n接合が作成され、例えば、受容体もしくは正孔をp型ダイヤモンドから窒化ガリウムもしくは他のヘテロ接合物質へ拡散することによって得られるp型ダイヤモンドは、優れたp−n接合と、半導体接合の一部を成すかもしくは半導体接合に密接するダイヤモンド放熱材としての熱的な利点を有する接合と、の両方をもたらす。
【0044】
また、さらなる実施形態として、本明細書中で示されているデバイスにおける一つ以上の半導体層を、ヒ化ガリウム、ヒ化アルミニウムガリウム、リン化インジウム、窒化インジウム、窒化ホウ素、もしくは、他のそのような物質などの他の半導体物質と交換することで、ダイオード、トランジスタ、ヘテロ接合半導体デバイス、発光ダイオード、電子放出素子、もしくは、他の半導体デバイスなどの窒化ホウ素半導体デバイスを形成する。
【0045】
いくつかの実施形態において、化学気相成長法を使うか、有機金属化学気相成長法を使うか、分子ビームエピタキシーを使うか、もしくは、単に光学的密着をして、ダイヤモンド構造上に形成された半導体デバイスを『成長させる』。本明細書では、光学的密着を、接合しようとする両方の材料片に光学的に平坦である表面をつくって、お互いにそれらを接触させるようにして配置することで両者の材料を接合させること、と定義する。さらなるいくつかの実施形態として、光学的接合した材料を、加熱するかもしくはアニーリングすることで、密封されていた空気もしくはガスが抜けて、接合している物質の格子構造がより均一になる。
【0046】
こうした光学的接合により、接合した材料から熱を吸い上げるというダイヤモンドの特性が増大するので、ダイヤモンドにこうやって接合した半導体デバイスは、別のやりかたでつくったものよりも大きな出力で動作することができる。したがって、いくつかの実施形態として、特に高い熱伝導率を有するダイヤモンドを形成することが望ましい。例えば、平均純度よりも多い炭素-12を有し、それに応じて炭素-13同位体の濃度が少ないダイヤモンドのことを、同位体的に増大したダイヤモンドと呼び習わしており、これは特に熱伝導性が高い。これらは半導体製造などへの応用に非常に適しており、他の手法を使った際よりも、高い出力および高い密度が得られる。炭素-12でダイヤモンドCVD前駆体ガスを同位体的に増加させることで、通常の炭素-13の濃度である約1.1%よりもかなり少ない炭素-13を有するダイヤモンドを形成でき、その熱伝導率は3300W/mKほどにも高くなる。
【0047】
高い熱伝導率を有する合成ダイヤモンドを製造するための方法の他の例としては、貧窒素雰囲気下でダイヤモンドを成長させること、富水素雰囲気下で合成ダイヤモンドを成長させること、および、熱伝導率を増大させるためにホウ素ドープを用いること、を含んでいる。いくつかの実施形態において、使用されるダイヤモンドは、少なくとも2500W/mK、2700W/mK、もしくは、3200W/mKよりも大きな熱伝導率を有しており、バルク形態のダイヤモンドにおける炭素-13の濃度が1%、0.1%、もしくは0.01%より少なくなるように、同位体的に炭素-12を増大させている。別の実施形態としては、一般的な天然ダイヤモンドよりもかなり高い熱伝導率を有するダイヤモンド構造となるように、ダイヤモンド内の窒素濃度を50ppm、10ppm、もしくは5ppmより少なくしている。
【0048】
いくつかの実施形態において、上のような方法によって生産されたダイヤモンド半導体デバイスは、従来の技術で実現することができる半導体デバイスよりも十分に高いエネルギー密度を有し、面積もしくは体積単位あたりのかなり高い光出力をもたらす。また、光を生成するダイヤモンド半導体の物理的な大きさの小型化によって、所望の出力を得るために必要とされるデバイスの数が減り、光デバイスを製造するためにダイヤモンド半導体に備える配線が減り、複雑さが緩和される。本明細書中に記されているダイヤモンド半導体技術を、発光ダイオード用途およびその他の用途に使うことで、現在生産されているものよりも、より小さく、より明るく、より効率的な発光をもたらすことができ、このような技術が工業用品および消費者用品の広範囲において重要となる、ということが予期される。
【0049】
本明細書中で記載されている方法とデバイスが、本明細書中で示されているおよび記載している特別な半導体構造だけでなく、他の半導体、集積回路、および電気系デバイスにも応用できる、ということを当業者は正しく理解できる。本明細書中では、特定の実施形態を示して記載したが、当業者は、同じ目的を達成するために計算された様々な変更を、示されている特別な実施形態に対して施せるということを理解できる。本明細書は、本発明の任意の用途もしくは変形の範囲を含むことを意図している。本発明は、請求項と、請求項の等価物の全範囲とによってのみ限定されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1から図4は、本発明のいくつかの実施形態に相当するダイヤモンド基板上に窒化ガリウム半導体デバイスを生産するための方法を示している。
【図2】図1から図4は、本発明のいくつかの実施形態に相当するダイヤモンド基板上に窒化ガリウム半導体デバイスを生産するための方法を示している。
【図3】図1から図4は、本発明のいくつかの実施形態に相当するダイヤモンド基板上に窒化ガリウム半導体デバイスを生産するための方法を示している。
【図4】図1から図4は、本発明のいくつかの実施形態に相当するダイヤモンド基板上に窒化ガリウム半導体デバイスを生産するための方法を示している。
【図5】図5は、本発明のいくつかの実施形態に相当する、ダイヤモンド格子をp型半導体とするためにホウ素をドープしている格子を有するダイヤモンド基板上に形成されている窒化ガリウム半導体デバイスを示している。
【図6】図6は、本発明のいくつかの実施形態に相当する、ダイオードのような基本的な半導体デバイスを形成するために、p型半導体物質としてホウ素をドープしたダイヤモンドを使用することとn型半導体物質を形成するために窒化ガリウムなどの他のドーパント(dopants)を使用することを示している。
【図7】図7は、本発明のいくつかの実施形態に相当する、半導体構造内に挿入される、適したバンドギャップを有する物質によるヘテロ接合構造の形成を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最上面のコンプライアント(compliant)層を形成するためにダイヤモンド基板内にHを注入するステップと、
前記Hを注入したダイヤモンド基板上にGaN層を成長させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
高出力RF溶着を用いることで前記GaNを成長させる、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
マイクロ波溶着を用いることで前記GaNを成長させる、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記Hの濃度が約8×1016〜1017原子数/cmである、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
50KeV〜1MeVの範囲のエネルギーで前記Hを注入する、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記ダイヤモンドが単結晶ダイヤモンドである、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記ダイヤモンドのコンプライアント(compliant)層が111結晶方向を有している、
ことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記成長したGaN層上にダイヤモンド層を成長させることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記成長したダイヤモンド層内に水素を注入することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記水素注入して成長したダイヤモンド層上に第2のGaN層を成長させることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第2のGaNの成長した層が、n型にドープされるかもしくはp型にドープされる、
ことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記GaNの成長した層が、n型にドープされるかもしくはp型にドープされる、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記GaN層を、Gaと反応させたHClを用いているCVDによって形成し、そしてさらに、前記GaN層を形成するために、アルシン、ホスフィン、もしくはアンモニアの少なくとも一つと反応させる、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記GaN層が有機金属のCVD工程をとおして形成される、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記GaN層が、トリメチルガリウム、ジメチルガリウム、もしくは別の有機ガリウムのうちの少なくともひとつを、無線周波数エネルギー、光学エネルギー、もしくは別のエネルギー源を含む熱源の存在下で、水素化物と混合することによって形成される、
ことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記GaN層を、GaN溶液内に種結晶を配置する液相エピタキシーをとおして形成し、ここで前記GaN溶液が後に冷却される
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記GaN層を形成するために減圧系の下で金属を蒸発させて溶着させる分子線エピタキシーによって前記GaN層を形成する、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記減圧系が、ホスフィン、アンモニア、リン(phosphorous)、あるいは窒素の少なくとも一つをさらに含んでいる、
ことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
マイクロ波プラズマを用いて反応を増大させることで前記GaN層をさらに形成する、
ことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記方法が半導体を形成するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記半導体が発光ダイオードである、
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記半導体が、電子放出素子(electron emitter)である、
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記ダイヤモンドが半導体素子である、
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項24】
前記ダイヤモンドが前記半導体デバイス用の放熱基板(heat-sink substrate)である、
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項25】
前記ダイヤモンドが、単結晶、多結晶、ナノ結晶、もしくは他の種類のダイヤモンド、を含む
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項26】
最上面のコンプライアント(compliant)層を形成するためにHが注入されているダイヤモンド基板と、
前記Hが注入されたダイヤモンド基板上で成長したGaNの層と、
を含むことを特徴とするダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項27】
高出力RF溶着を用いることで前記GaNが成長されている、
ことを特徴とする請求項26記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項28】
マイクロ波溶着を用いることで前記GaNが成長されている、
ことを特徴とする請求項26記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項29】
前記Hの濃度範囲が約8×1016〜1017原子数/cmである、
ことを特徴とする請求項26記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項30】
50KeV〜1MeVの範囲のエネルギーで前記Hを注入する、
ことを特徴とする請求項26記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項31】
前記ダイヤモンドが単結晶ダイヤモンドである、
ことを特徴とする請求項26記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項32】
前記ダイヤモンドのコンプライアント(compliant)層が111結晶配向を有している、
ことを特徴とする請求項31記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項33】
前記GaNの成長した層上で成長されたダイヤモンドの第2の層をさらに含む、
ことを特徴とする請求項26記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項34】
前記第2のダイヤモンド層内に水素を注入することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項27記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項35】
前記水素を注入して成長させたダイヤモンド層上にGaNの第2の層を成長させることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項28記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項36】
前記GaNの第2の成長された層が、n型にドープされているかもしくはp型にドープされている、
ことを特徴とする請求項35記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項37】
前記GaNの成長された層が、n型にドープされているかもしくはp型にドープされている、
ことを特徴とする請求項25記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項38】
前記GaN層を、Gaと反応させたHClを用いているCVDによって形成し、そしてさらに、前記GaN層を形成するために、アルシン、ホスフィン、もしくはアンモニアの少なくとも一つと反応させる、
ことを特徴とする請求項25記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項39】
前記GaN層が有機金属のCVD工程をとおして形成されている、
ことを特徴とする請求項25記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項40】
前記GaN層が、トリメチルガリウム、ジメチルガリウム、もしくは別の有機ガリウムのうちの少なくともひとつを、無線周波数エネルギー、光学エネルギー、もしくは別のエネルギー源を含む熱源の存在下で、水素化物と混合することによって形成される、
ことを特徴とする請求項39記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項41】
前記GaN層が、GaN溶液内に種結晶を配置する液相エピタキシーをとおして形成し、ここで前記GaN溶液が後で冷却される
ことを特徴とする請求項25記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項42】
前記GaN層が、前記GaN層を形成するために減圧系の下で金属を蒸発させて溶着させる分子線エピタキシーによって形成されている、
ことを特徴とする請求項25記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項43】
前記減圧系が、ホスフィン、アンモニア、リン、あるいは窒素の少なくとも一つをさらに含んでいる、
ことを特徴とする請求項42記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項44】
前記GaN層を、マイクロ波プラズマを用いて反応を増大させることにより、さらに形成する、
ことを特徴とする請求項42記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項45】
前記方法が半導体を形成するために行われる、
ことを特徴とする請求項25記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項46】
前記半導体が発光ダイオードである、
ことを特徴とする請求項45記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項47】
前記半導体が電子放出素子(electron emitter)である、
ことを特徴とする請求項45記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項48】
前記ダイヤモンドが半導体素子である、
ことを特徴とする請求項45記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項49】
前記ダイヤモンドが半導体デバイス用の放熱基板(heat-sink substrate)である、
ことを特徴とする請求項45記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項50】
前記ダイヤモンドが、単結晶、多結晶、ナノ結晶、もしくは他の種類のダイヤモンドを含む、
ことを特徴とする請求項25記載のダイヤモンド半導体デバイス。
【請求項51】
最上面のコンプライアント(compliant)層を形成するためにダイヤモンド基板内にHを注入するステップと、
前記Hを注入したダイヤモンド基板上にp型もしくはn型にドープされたGaN層を成長させるステップと、
前記p型もしくはn型にドープされたGaN層上にダイヤモンド層を成長させるステップと、
前記成長させたダイヤモンド層内にHを注入するステップと、
前記Hを注入されて成長したダイヤモンド層上にn型もしくはp型にドープされたGaN層を成長させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項52】
最上面のコンプライアント(compliant)層を形成するために注入されたHを有しているダイヤモンド基板と、
前記Hを注入したダイヤモンド基板上で成長したp型もしくはn型にドープされたGaN層と、
前記p型もしくはn型にドープされたGaN層上で成長し、水素を注入されたダイヤモンドの第2の層と、
前記ダイヤモンドの第2の層上で成長したn型もしくはp型にドープされたGaNの第2の層と、
を含むことを特徴とするダイヤモンド半導体デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−528420(P2008−528420A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552409(P2007−552409)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/002755
【国際公開番号】WO2006/081348
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(507235549)アポロ ダイヤモンド,インク (6)
【氏名又は名称原語表記】APOLLO DIAMOND,INC
【Fターム(参考)】