説明

半導体構造、半導体構造を形成する方法、および半導体デバイスを操作する方法(信号忠実度および電気的分離が強化されたSOI無線周波スイッチ)

【課題】SOI(セミコンダクタ・オン・インシュレータ)基板内の底部半導体層からの半導体デバイスについて強化された信号分離を可能とする半導体構造、これを製造する方法、およびこれを操作する方法を提供する。
【解決手段】底部半導体層10と反対の導電性タイプを有するドープ接点領域18は底部半導体層10内の埋め込み絶縁体層20の下に設ける。少なくとも1つの導電ビア構造47,77は、相互接続レベル金属ライン94から、中間工程(MOL)誘電体層80、最上部半導体層30内の浅いトレンチ分離構造33、および埋め込み絶縁体層20を通り、ドープ接点領域18まで延びる構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体構造に関し、特に、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI:semiconductor-on-insulator)基板上の無線周波(RF)スイッチ(radio frequency switch)を含む半導体構造、これを製造する方法、およびこれを操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電界効果トランジスタなどの半導体デバイスは、アナログおよび無線周波(RF:radio frequency)の適用例においてRF信号のためのスイッチング・デバイスとして使用される。基板を介するデバイス間の寄生結合(parasitic coupling)は埋め込み絶縁体層(buriedinsulator layer)の誘電率の低さによって低減されるので、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板は典型的にはこのような適用例に使用される。たとえば、バルク・シリコン基板の基板全体を含むシリコンの誘電率はギガヘルツの範囲で約11.7である。対照的に、デバイスを含む最上部半導体層をハンドル基板(handle substrate)から分離する酸化シリコンの誘電率は約3.9である。バルク基板内の半導体材料の誘電率より低い誘電率を有する埋め込み絶縁体層を設けることにより、SOI基板は個別半導体デバイスと基板との間の容量結合を低減し、その結果として、基板を介する半導体デバイス間の2次容量結合を低減する。
【0003】
しかし、SOI基板を使用しても、無線周波適用例で使用される周波数範囲が高いので、半導体デバイス間の電気信号の2次容量結合はかなり大きくなり、たとえば、約900MHz〜約1.8GHzになる可能性があり、さらに高い周波数範囲を含む場合もある。これは、電気部品間の容量結合が周波数に対して直線的(リニア)に増加するからである。
【0004】
SOI基板上に形成された無線周波(RF)スイッチの場合、最上部半導体層内のRFスイッチおよび信号処理装置を含む半導体デバイスは、埋め込み絶縁体層を介して底部半導体層に容量結合される。最上部半導体層内の半導体デバイスが約3V〜約9Vの電源電圧を使用する場合でも、アンテナ回路内の過渡信号および信号反射は、最上部半導体層内の実際の電圧を約30Vまで上昇させる可能性がある。このような電圧条件は、このような高電圧信号にさらされる半導体デバイスと底部半導体層の上部部分内の誘導電荷層との間でかなり大きい容量結合を誘導し、これにより、最上部半導体層内の半導体デバイスにおけるRF信号の周波数で厚さおよび電荷極性が変化する。誘導電荷層は、RFスイッチが電気的に分離することになっている半導体デバイスを含む、最上部半導体層内の他の半導体デバイスを容量結合する。底部半導体層内の誘導電荷層と他の半導体デバイスとの間のスプリアス容量結合は、RFスイッチの有効性を低減する寄生結合である2次容量結合を可能にする。この場合、RFスイッチはオフになるが、2次容量結合により他の半導体デバイスにRF信号が印加される。
【0005】
図1を参照すると、従来技術の無線周波スイッチは、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板8上に形成された1組の直列接続電界効果トランジスタを含む。SOI基板8は、底部半導体層10と、埋め込み絶縁体層20と、最上部半導体層30とを含む。最上部半導体層30は、最上部半導体部分32と、隣接する最上部半導体部分32同士の間の電気的分離を可能にする浅いトレンチ分離構造33とを含む。各電界効果トランジスタは、ゲート電極42と、ゲート誘電体40と、ゲート・スペーサ44と、最上部半導体部分32内に形成されたソース領域およびドレイン領域(図示せず)とを含む。電界効果トランジスタは、1組のコンタクト・ビア(contact via)88および金属ライン(metal line)98を介して直列に接続される。コンタクト・ビア88は中間工程(MOL:middle-of-line)誘電体層80に埋め込まれ、金属ライン98は相互接続レベル誘電体層90内に形成される。
【0006】
高電圧信号は、約+/−30Vまでの電圧変動を有する可能性があり、半導体デバイスと底部半導体層10との間の1組のキャパシタ22によって概略的に示される容量結合により底部半導体層10の上部部分で誘導電荷層11を誘導する。誘導電荷層11は、最上部半導体層30内の半導体デバイスにおける電圧が負の電圧を有する間に陽電荷を含み、最上部半導体層30内の半導体デバイスにおける電圧が正の電圧を有する間に陰電荷を含む。半導体デバイス内のRF信号の高周波は、RF信号の周波数と同じ周波数のときに、誘導電荷層11の厚さと、誘導電荷層内の電荷の極性の変化を誘導する。
【0007】
誘導電荷層11内の電荷を放散するために必要な時間は、1組のキャパシタ22のキャパシタンスと基板抵抗(substrate resistance)によって決定されるRC時定数(timeconstant)によって特徴付けられる。基板抵抗は誘導電荷層11と電気接地との間の抵抗であり、この電気接地は典型的には半導体チップの境界にあるエッジ・シールによって提供される。基板抵抗は、誘導電荷層11と電気接地との間の抵抗器12によって象徴的に表される。底部半導体層10は典型的には渦電流を最小限にするために約5Ω・cmの比抵抗(resistivity)を有する高比抵抗半導体材料を使用するので、このような基板抵抗は極めて高いものになる可能性がある。さらに、エッジ・シームまでの横方向距離は、半導体チップの横方向寸法のほぼ半分以下、たとえば、約1cm程度になる可能性がある。
【0008】
このような大きい基板抵抗12により、RF信号の周期の時間スケールを超えて誘導電荷層11内の電荷の放散に関するRC時定数が増加する。RC時定数が長いことにより誘導電荷層11内の電荷の放散が効果的に妨げられるので、最上部半導体層30内の半導体デバイスと底部半導体層10との容量結合の結果、RFスイッチのオフ状態中でも信号の損失が発生する。さらに、誘導電荷層11を介する半導体デバイスの2次容量結合によりRFスイッチによってRF信号から切断される半導体デバイスにスプリアスRF信号が持ち込まれる。
【0009】
RF信号の各周波数サイクルの半分の間、埋め込み絶縁体層20のすぐ下の底部半導体層10の上部部分は蓄積状態(accumulation condition)にあり、その際、底部半導体層10内の電荷キャリアは埋め込み絶縁体層20の下部表面付近に蓄積する。具体的には、底部半導体層10の導電性タイプがp型であり、最上部半導体部分32の電圧が底部半導体層10の電圧に対して負であるとき、または底部半導体層10の導電性タイプがn型であり、最上部半導体部分32の電圧が底部半導体層10の電圧に対して正であるとき、多数電荷キャリア(majority charge carrier)、すなわち、底部半導体層10がp型である場合は正孔、底部半導体層10がn型である場合は電子が、底部半導体層10の上部部分に蓄積して誘導電荷層11を形成する。その場合、誘導電荷層11の厚さは、最上部半導体部分32と底部半導体層10との電圧差の平方根に比例する。誘導電荷層11の厚さならびに誘導電荷層内の電荷の量の変化により、RF周波数の追加の高調波信号が発生し、これが最上部半導体部分32内の半導体デバイスに結合され、それにより、RFスイッチがオフになっているときでもスプリアス信号が出力される。
【0010】
さらに、RF信号の各周波数サイクルの残り半分の間、埋め込み絶縁体層20のすぐ下の底部半導体層10の上部部分は空乏状態(depletion condition)にあり、その際、底部半導体層10内の電荷キャリアは埋め込み絶縁体層20の下部表面からはね返される。具体的には、底部半導体層10の導電性タイプがp型であり、最上部半導体部分32の電圧が底部半導体層10の電圧に対して正であるとき、または底部半導体層10の導電性タイプがn型であり、最上部半導体部分32の電圧が底部半導体層10の電圧に対して負であるとき、多数電荷キャリア、すなわち、底部半導体層10がp型である場合は正孔、底部半導体層10がn型である場合は電子が、底部半導体層10の上部部分からはね返されて誘導電荷層11を形成し、これは多数電荷が枯渇している。さらに、最上部半導体部分32と底部半導体層10との電圧差の大きさが十分大きい場合、少数電荷、すなわち、底部半導体層10がp型である場合は電子、底部半導体層10がn型である場合は正孔を含む反転層(inversion layer)が誘導電荷層11内に形成される。誘導電荷層11内の空乏ゾーン(depletion zone)および反転層の厚さは、最上部半導体部分32と底部半導体層10との電圧差の大きさに依存する。誘導電荷層11の厚さならびに誘導電荷層内の電荷の量の変化により、RF信号の周波数サイクルのこのフェーズでRF周波数の追加の高調波信号が発生し、これが最上部半導体部分32内の半導体デバイスに結合され、それにより、RFスイッチがオフになっているときでもスプリアス信号が出力される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記を考慮すると、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板内の底部半導体層からの半導体デバイスについて強化された信号分離を提供する半導体構造、これを製造する方法、およびこれを操作する方法が必要である。
【0012】
特に、誘導電荷層内の電荷の影響を低減することによりRF信号の高調波成分が発生する半導体構造、これを製造する方法、およびこれを操作する方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、底部半導体層の上部部分へのバイアスされた電気接点を含む半導体構造であって、誘導電荷層内の少数電荷キャリア(minority charge carrier)がバイアスされた電気接点により除去される半導体構造と、そのための設計構造を提供する。
【0014】
本発明では、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板の底部半導体層内の埋め込み絶縁体層の下に、底部半導体層として反対の導電性タイプを有するドープ接点領域(doped contact region)が形成される。少なくとも1つの導電ビア構造が形成され、この構造は、相互接続レベル金属ラインから、中間工程(MOL)誘電体層、最上部半導体層内の浅いトレンチ分離構造、および埋め込み絶縁体層を通り、ドープ接点領域まで延びている。動作中、ドープ接点領域は、RFスイッチ内のピーク電圧でまたはその付近の電圧でバイアスされ、誘導電荷層内の反転層の形成を防止する。反転層内の電荷はドープ接点領域および少なくとも1つの導電ビア構造により排出される。少数電荷キャリアの急速放電により、RFスイッチにおける高調波発生および信号ひずみが低減される。
【0015】
本発明の一態様により、半導体デバイスを操作する方法が提供され、この方法は、
半導体デバイスを設けるステップであって、
最上部半導体層と、埋め込み絶縁体層と、第1の導電性タイプのドーピングを有する底部半導体層とを含む、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板と、
最上部半導体層上に位置する少なくとも1つの電界効果トランジスタと、
少なくとも1つの電界効果トランジスタに横方向に隣接する浅いトレンチ分離構造と、
底部半導体層に埋め込まれ、埋め込み絶縁体層に隣接し、第2の導電性タイプのドーピングを有する第1のドープ半導体領域であって、第2の導電性タイプが第1の導電性タイプとは正反対である、第1のドープ半導体領域と、
底部半導体層に埋め込まれ、埋め込み絶縁体層に隣接し、第1の導電性タイプのドーピングを有し、第1のドープ半導体領域に隣接しない第2のドープ半導体領域と、
中間工程(MOL)誘電体層の上部表面から、MOL誘電体層、浅いトレンチ分離構造、および埋め込み絶縁体層を通り、第1のドープ半導体領域の上部表面まで延びる、少なくとも1つの第1の導電ビアと、
中間工程(MOL)誘電体層の上部表面から、MOL誘電体層、浅いトレンチ分離構造、および埋め込み絶縁体層を通り、第2のドープ半導体領域の上部表面まで延びる、少なくとも1つの第2の導電ビアと、
を含む半導体デバイスを設けるステップと、
無線周波(RF)信号を少なくとも1つの電界効果トランジスタに印加するステップであって、誘導電荷層が埋め込み絶縁体層のすぐ下に形成されるステップと、
第1のドープ半導体領域と少なくとも1つの第1の導電ビアに電気的にバイアスをかけ、底部半導体層の多数電荷キャリアをはね返すステップと、
第2のドープ半導体領域と少なくとも1つの第2の導電ビアに電気的にバイアスをかけ、底部半導体層の多数電荷キャリアを引きつけるステップであって、第1のドープ半導体領域が誘導電荷層内の空乏領域に隣接し、RF信号の1サイクル全体を通して底部半導体層の少数電荷キャリアを排出するステップと、
を含む。
【0016】
本発明の他の態様により、半導体構造を設計し、半導体構造を製造し、半導体構造のための設計をテストするために機械可読媒体に実施された設計構造が提供される。この設計構造は、最上部半導体層と、埋め込み絶縁体層と、第1の導電性タイプのドーピングを有する底部半導体層とを含む、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板を表す第1のデータと、最上部半導体層上に位置する少なくとも1つの電界効果トランジスタを表す第2のデータと、少なくとも1つの電界効果トランジスタに横方向に隣接する浅いトレンチ分離構造を表す第3のデータと、底部半導体層に埋め込まれ、埋め込み絶縁体層に隣接し、第2の導電性タイプのドーピングを有するドープ半導体領域であって、第2の導電性タイプが第1の導電性タイプとは正反対である、ドープ半導体領域を表す第4のデータと、中間工程(MOL)誘電体層の上部表面から、MOL誘電体層、浅いトレンチ分離構造、および埋め込み絶縁体層を通り、ドープ半導体領域の上部表面まで延びる、少なくとも1つの導電ビアを表す第5のデータとを含む。
【0017】
本発明のさらに他の態様により、他の設計構造が提供され、この設計構造は、最上部半導体層と、埋め込み絶縁体層と、第1の導電性タイプのドーピングを有する底部半導体層とを含む、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板を表す第1のデータと、最上部半導体層上に位置する少なくとも1つの電界効果トランジスタを表す第2のデータと、少なくとも1つの電界効果トランジスタに横方向に隣接する浅いトレンチ分離構造を表す第3のデータと、底部半導体層に埋め込まれ、埋め込み絶縁体層に隣接し、第1の導電性タイプのドーピングを有する第1のドープ半導体領域を表す第4のデータと、底部半導体層に埋め込まれ、埋め込み絶縁体層に隣接し、第2の導電性タイプのドーピングを有し、第1のドープ半導体領域に隣接しない第2のドープ半導体領域であって、第2の導電性タイプが第1の導電性タイプとは正反対である、第2のドープ半導体領域を表す第5のデータと、中間工程(MOL)誘電体層の上部表面から、MOL誘電体層、浅いトレンチ分離構造、および埋め込み絶縁体層を通り、第1のドープ半導体領域の上部表面まで延びる、少なくとも1つの第1の導電ビアを表す第6のデータと、中間工程(MOL)誘電体層の上部表面から、MOL誘電体層、浅いトレンチ分離構造、および埋め込み絶縁体層を通り、第2のドープ半導体領域の上部表面まで延びる、少なくとも1つの第2の導電ビアを表す第7のデータとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来技術の無線周波スイッチ構造の垂直断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図2〜図5、図9〜図12、および図16からなる連続した垂直断面図の1つである。セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板8内の浅いトレンチ分離構造33の形成後のステップに対応する図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17と少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18の形成後のステップに対応する図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27と少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28の形成後のステップに対応する図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。第2のフォトレジスト35の除去後のステップに対応する図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図5の第1の模範的な半導体構造の平面図(top-down view)である。図6の平面Z−Z’は図5の垂直断面図の平面に対応する。第2のフォトレジスト35の除去後のステップに対応する図である。
【図7】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図5に対応するステップにおける第1の模範的な半導体構造の第1の変形例の平面図である。第2のフォトレジスト35の除去後のステップに対応する図である。
【図8】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図5に対応するステップにおける第1の模範的な半導体構造の第2の変形例の平面図である。第2のフォトレジスト35の除去後のステップに対応する図である。
【図9】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。少なくとも1つの第1の下部導電ビア47と少なくとも1つの第2の下部導電ビア37の形成後のステップに対応する図である。
【図10】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。少なくとも1つの電界効果トランジスタと中間工程(MOL)誘電体層80の形成後のステップに対応する図である。
【図11】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。少なくとも1つの第1の上部ビア・キャビティ54と、少なくとも1つの第2の上部ビア・キャビティ57と、複数の第3の上部ビア・キャビティ58の形成後のステップに対応する図である。
【図12】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。少なくとも1つの第1の上部導電ビア77と、少なくとも1つの第2の上部導電ビア87と、複数の第3の上部導電ビア88の形成後のステップに対応する図である。
【図13】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。明瞭にするために中間工程(MOL)誘電体層80が省略されている、図12の第1の模範的な半導体構造の変更された平面図である。図13の平面Z−Z’は図12の垂直断面図の平面に対応する。少なくとも1つの第1の上部導電ビア77と、少なくとも1つの第2の上部導電ビア87と、複数の第3の上部導電ビア88の形成後のステップに対応する図である。
【図14】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。第1の模範的な半導体構造の第1の変形例の変更された平面図である。少なくとも1つの第1の上部導電ビア77と、少なくとも1つの第2の上部導電ビア87と、複数の第3の上部導電ビア88の形成後のステップに対応する図である。
【図15】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。第1の模範的な半導体構造の第2の変形例の変更された平面図である。少なくとも1つの第1の上部導電ビア77と、少なくとも1つの第2の上部導電ビア87と、複数の第3の上部導電ビア88の形成後のステップに対応する図である。
【図16】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。相互接続レベル誘電体層90と、相互接続レベル金属ライン98と、相互接続レベル金属ライン99の形成後のステップに対応する図である。空乏領域を含む誘導電荷層11は半導体デバイスの動作中に底部半導体層10内に形成される。
【図17】本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。相互接続レベル誘電体層90と、相互接続レベル金属ライン98と、相互接続レベル金属ライン99の形成後のステップに対応する図である。空乏領域を含む誘導電荷層11は半導体デバイスの動作中に底部半導体層10内に形成される。
【図18】本発明の第2の実施形態による第2の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図18、図23、図26、および図27からなる連続した垂直断面図の1つである。少なくとも1つの第1の下部導電ビア47の形成後のステップに対応する図である。
【図19】本発明の第2の実施形態による第2の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図18の第2の模範的な半導体構造の第1の構成の平面図である。図19の平面Z−Z’は図17の垂直断面図の平面に対応する。少なくとも1つの第1の下部導電ビア47の形成後のステップに対応する図である。
【図20】本発明の第2の実施形態による第2の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図18の平面X−X’における第2の模範的な半導体構造の第1の構成の水平断面図である。図20の平面Z−Z’は図17の垂直断面図の平面に対応する。少なくとも1つの第1の下部導電ビア47の形成後のステップに対応する図である。
【図21】本発明の第2の実施形態による第2の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図18の第2の模範的な半導体構造の第2の構成の平面図である。図21の平面Z−Z’は図17の垂直断面図の平面に対応する。少なくとも1つの第1の下部導電ビア47の形成後のステップに対応する図である。
【図22】本発明の第2の実施形態による第2の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図18の平面X−X’における第2の模範的な半導体構造の第2の構成の水平断面図である。図22の平面Z−Z’は図17の垂直断面図の平面に対応する。少なくとも1つの第1の下部導電ビア47の形成後のステップに対応する図である。
【図23】本発明の第2の実施形態による第2の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図18、図23、図26、および図27からなる連続した垂直断面図の1つである。少なくとも1つの第1の上部導電ビア77と複数の第3の上部導電ビア88の形成後のステップに対応する図である。
【図24】本発明の第2の実施形態による第2の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。明瞭にするために中間工程(MOL)誘電体層80が省略されている、図23の第2の模範的な半導体構造の第1の構成の変更された平面図である。図24の平面Z−Z’は図23の垂直断面図の平面に対応する。少なくとも1つの第1の上部導電ビア77と複数の第3の上部導電ビア88の形成後のステップに対応する図である。
【図25】本発明の第2の実施形態による第2の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図23の第2の模範的な半導体構造の第2の構成の変更された平面図である。図25の平面Z−Z’は図23の垂直断面図の平面に対応する。少なくとも1つの第1の上部導電ビア77と複数の第3の上部導電ビア88の形成後のステップに対応する図である。
【図26】本発明の第2の実施形態による第2の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。その間に空乏領域を含む誘導電荷層11が形成される、少なくとも1つの電界効果トランジスタに印加された無線周波信号の1つのフェーズに対応する図である。
【図27】本発明の第2の実施形態による第2の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。その間に蓄積領域14を含む誘導電荷層11’が形成される、少なくとも1つの電界効果トランジスタに印加された無線周波信号の1つのフェーズに対応する図である。
【図28】本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造の様々な図の1つである少なくとも1つの電界効果トランジスタと中間工程(MOL)誘電体層80の形成後のステップに対応する図である。
【図29】本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。少なくとも1つのビア・キャビティ59の形成後のステップに対応する図である。
【図30】本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図28〜図31、図36、および図39からなる連続した垂直断面図の1つである。少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18の形成後のステップに対応する図である。
【図31】本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。少なくとも1つの第1の導電ビア79の形成後のステップに対応する図である。
【図32】本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図31の第3の模範的な半導体構造の第1の構成の平面図である。図32の平面Z−Z’は図31の垂直断面図の平面に対応する。少なくとも1つの第1の導電ビア79の形成後のステップに対応する図である。
【図33】本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図31の平面X−X’における第3の模範的な半導体構造の第1の構成の水平断面図である。図33の平面Z−Z’は図31の垂直断面図の平面に対応する。少なくとも1つの第1の導電ビア79の形成後のステップに対応する図である。
【図34】本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図31の第3の模範的な半導体構造の第2の構成の平面図である。図34の平面Z−Z’は図31の垂直断面図の平面に対応する。少なくとも1つの第1の導電ビア79の形成後のステップに対応する図である。
【図35】本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図31の平面X−X’における第3の模範的な半導体構造の第2の構成の水平断面図である。図35の平面Z−Z’は図31の垂直断面図の平面に対応する。少なくとも1つの第1の導電ビア79の形成後のステップに対応する図である。
【図36】本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。第3の上部導電ビア88の形成後のステップに対応する図である。
【図37】本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。明瞭にするために中間工程(MOL)誘電体層80が省略されている、図36の第3の模範的な半導体構造の第1の構成の変更された平面図である。図37の平面Z−Z’は図36の垂直断面図の平面に対応する。第3の上部導電ビア88の形成後のステップに対応する図である。
【図38】本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。図36の第3の模範的な半導体構造の第2の構成の変更された平面図である。図38の平面Z−Z’は図36の垂直断面図の平面に対応する。第3の上部導電ビア88の形成後のステップに対応する図である。
【図39】本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造の様々な図の1つである。相互接続レベル誘電体層90と、相互接続レベル金属ライン98と、少なくとも1つの第1の導電ビア79に隣接する相互接続レベル金属ライン99の形成後のステップに対応する図である。
【図40】本発明による半導体構造の半導体設計および製造に使用される設計プロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上記の通り、本発明は、半導体構造に関し、特に、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板上の無線周波スイッチを含む半導体構造、これを製造する方法、およびこれを操作する方法に関し、これらは添付図面とともに本明細書に記載されている。図面全体を通して、同じ参照番号または文字は、同様または同等の要素を指定するために使用される。明瞭にするために、本発明の主題を不必要に曖昧にする既知の機能および構造に関する詳細な説明は省略されている。図面は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。
【0020】
本明細書で使用する無線周波数(RF)は、3Hz〜300GHzの範囲内の電磁波の周波数を示す。無線周波数は、電波を発生し検出するために使用される電磁波の周波数に対応する。無線周波数としては、超短波(VHF:very high frequency)、極超短波(UHF:ultra high frequency)、超高周波(SHF:super high frequency、センチメートル波)、および極高周波(EHF:extremely high frequency、ミリ波)を含む。
【0021】
本明細書で使用する超短波(VHF)は30MHz〜300MHzの範囲内の周波数を指す。VHFは、とりわけ、周波数変調(FM)放送に使用される。極超短波(UHF)は300MHz〜3GHzの範囲内の周波数を指す。UHFは、とりわけ、携帯電話、無線ネットワーク、および電子レンジに使用される。超高周波(SHF)は3GHz〜30GHzの範囲内の周波数を指す。SHFは、とりわけ、無線ネットワーキング、レーダ、および衛星リンクに使用される。超高周波(EHF)は30GHz〜300GHzの範囲内の周波数を指す。EHFは、1mm〜10mmの波長を有するミリメートル波を発生し、とりわけ、データ・リンクおよび遠隔探査に使用される。
【0022】
「蓄積領域(accumulation region)」という用語は、外部電圧バイアスのために多数電荷キャリアが蓄積するドープ半導体領域を指す。pドープ半導体領域は、pドープ半導体領域が実効陽電荷を有するように、pドープ半導体領域内の多数電荷キャリアである過剰正孔が外部負電圧によりpドープ半導体領域内に蓄積する場合に蓄積モードになる。nドープ半導体領域は、nドープ半導体領域が実効陰電荷を有するように、nドープ半導体領域内の多数電荷キャリアである過剰電子が外部正電圧によりnドープ半導体領域内に蓄積する場合に蓄積モードになる。
【0023】
「空乏領域(depletion region)」という用語は、多数電荷キャリアと少数電荷キャリアがそこから枯渇するように、外部電圧バイアスのためにそこから多数電荷キャリアがはね返され、少数電荷キャリアが蓄積しないドープ半導体領域を指す。pドープ半導体領域は、pドープ半導体領域が実効陰電荷を有するように、pドープ半導体領域内の多数電荷キャリアである正孔が弱い外部正電圧によりpドープ半導体領域内で枯渇する場合に空乏モードになる。nドープ半導体領域は、nドープ半導体領域が実効陽電荷を有するように、nドープ半導体領域内の多数電荷キャリアである電子が弱い外部負電圧によりnドープ半導体領域内で枯渇する場合に空乏モードになる。
【0024】
「反転領域(inversion region)」という用語は、少数電荷キャリアが蓄積するドープ半導体領域を指す。典型的には、反転領域は、強い外部電圧に極めて接近した半導体表面に形成される。pドープ半導体領域は、pドープ半導体領域が実効陰電荷を有するように、pドープ半導体領域内の少数電荷キャリアである電子が強い外部正電圧によりpドープ半導体領域内に蓄積する場合に反転モードになる。nドープ半導体領域は、nドープ半導体領域が実効陽電荷を有するように、nドープ半導体領域内の少数電荷キャリアである正孔が強い外部負電圧によりnドープ半導体領域内に蓄積する場合に反転モードになる。
【0025】
図2を参照すると、本発明の第1の実施形態による第1の模範的な半導体構造は半導体基板8を含む。半導体基板8は、底部半導体層10と、埋め込み絶縁体層20と、最上部半導体層30とを含むセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板である。最上部半導体層30は、少なくとも1つの最上部半導体部分32と浅いトレンチ分離構造33とを含む。後続の処理ステップにおける平坦化により下部導電ビアの形成を容易にするために、最上部半導体層30の上部表面上に、酸化シリコンまたは窒化シリコンあるいはその両方などの少なくとも1つの誘電体材料を含む少なくとも1つのパッド誘電体層(図示せず)を設けることができる。
【0026】
底部半導体層10および少なくとも1つの最上部半導体部分32のそれぞれは、シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム合金領域、シリコン炭素合金領域、シリコン・ゲルマニウム炭素合金領域、ガリウムヒ素、インジウムヒ素、インジウム・ガリウムヒ素、インジウムリン、硫化鉛、その他のIII−V化合物半導体材料、およびII−VI化合物半導体材料などの半導体材料を含む。底部半導体層10および少なくとも1つの最上部半導体部分32の半導体材料は、同じである場合もあれば、異なる場合もある。典型的には、底部半導体層10および少なくとも1つの最上部半導体部分32のそれぞれは単結晶半導体材料を含む。たとえば、単結晶半導体材料はシリコンにすることができる。
【0027】
底部半導体層10は、5Ω・cmより高い比抵抗(抵抗率)を有し、これは、たとえば、約2.0×1015/cm3より低い原子濃度(atomic concentration)のp型ドーパントを有するpドープ単結晶シリコンまたは約1.0×1015/cm3より低い原子濃度のn型ドーパントを有するnドープ単結晶シリコンを含む。好ましくは、底部半導体層10は、50Ω・cmより高い比抵抗を有し、これは、たとえば、約2.0×1014/cm3より低い原子濃度のp型ドーパントを有するpドープ単結晶シリコンまたは約1.0×1014/cm3より低い原子濃度のn型ドーパントを有するnドープ単結晶シリコンを含む。より好ましくは、底部半導体層10は、1kΩ・cmより高い比抵抗を有し、これは、たとえば、約1.0×1013/cm3より低い原子濃度のp型ドーパントを有するpドープ単結晶シリコンまたは約5.0×1012/cm3より低い原子濃度のn型ドーパントを有するnドープ単結晶シリコンを含む。底部半導体層10の導電性タイプは本明細書では第1の導電性タイプと言われ、これはp型である場合もあれば、n型である場合もある。
【0028】
底部半導体層10の高い比抵抗により渦電流が低減され、それにより、最上部半導体層30で発生または伝搬した無線周波信号と底部半導体層10との寄生結合が低減される。底部半導体層10のそれぞれの比抵抗しきい値について必要なドーパント・レベルを例示するために本明細書ではシリコンが使用されるが、それぞれのタイプの半導体材料は半導体材料のドーパント濃度と比抵抗との間の関係が十分に確立されているので、他の半導体材料に関するターゲット・ドーパント濃度を容易に求めることができる。
【0029】
底部半導体層10の厚さは、典型的には約400ミクロン〜約1000ミクロンであり、このステップでは典型的には約500ミクロン〜約900ミクロンである。その後、底部半導体層10を薄くする場合、底部半導体層10の厚さは約50ミクロン〜約800ミクロンにすることができる。
【0030】
埋め込み絶縁体層20は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、またはこれらの組み合わせなどの誘電体材料を含む。本明細書ではそれより小さい厚さおよび大きい厚さも企図されているが、埋め込み絶縁体層20の厚さは、約50nm〜約500nmにすることができ、典型的には約100nm〜約300nmにすることができる。
【0031】
浅いトレンチ分離構造33は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、またはこれらの組み合わせなどの誘電体材料を含む。浅いトレンチ分離構造33は、最上部半導体層30内の埋め込み絶縁体層20の上部表面まで延びる少なくとも1つのトレンチを形成し、酸化シリコン、窒化シリコン、または酸窒化シリコン、あるいはこれらの組み合わせなどの誘電体材料で少なくとも1つのトレンチを充填し、たとえば、化学的機械的平坦化(CMP)または陥凹エッチング(recess etch、リセス・エッチング)あるいはその両方を使用する平坦化によって最上部半導体層30の上部表面の上から誘電体材料の一部分を除去することにより、形成することができる。少なくとも1つのトレンチが連続している場合、浅いトレンチ分離構造33は、単体構造(unitary construction)、すなわち、一体型(one piece)にすることができる。浅いトレンチ分離構造33は、少なくとも1つの最上部半導体部分32のそれぞれに横方向に隣接し、それを取り囲むことができる。
【0032】
本明細書ではそれより小さい厚さおよび大きい厚さも企図されているが、最上部半導体層30の厚さは、約20nm〜約200nmにすることができ、典型的には約40nm〜約100nmにすることができる。少なくとも1つの最上部半導体部分32には、p型またはn型のドーパントを注入することができる。本明細書ではそれより低い濃度および高い濃度も企図されているが、典型的には、少なくとも1つの最上部半導体部分32のドーパント濃度は約1.0×1015/cm3〜約1.0×1018/cm3であり、これは電界効果トランジスタのボディ領域のためのドーパント濃度に対応する。
【0033】
図3を参照すると、最上部層30の上部表面に第1のフォトレジスト7が塗布され、リソグラフィでパターン形成して、開口部が形成される。第1のフォトレジスト7内の開口部は浅いトレンチ分離構造33を重なっている。それぞれの開口部は、平面図では、少なくとも1つの最上部半導体部分32の領域の外側かつ浅いトレンチ分離構造33の領域の内側に位置している。
【0034】
少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17は、第1のフォトレジスト7内のパターンを半導体基板8に転写することによって形成される。第1のフォトレジスト7内の開口部のパターンは、反応性イオン・エッチングにすることもできる異方性エッチングにより浅いトレンチ分離構造33および埋め込み絶縁体層20に転写される。第1のフォトレジスト7は、異方性エッチング用のエッチング・マスクとして使用される。少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17は、第1のフォトレジスト7の開口部の下に形成される。
【0035】
好ましくは、異方性エッチングは、底部半導体層10の半導体材料に応じて選択される。たとえば、底部半導体層10がシリコンを含む場合、シリコンに応じて選択された、酸化シリコンなどの誘電体材料を除去する異方性エッチングを使用して、底部半導体層10の上部表面上で停止する異方性エッチングを行うことができる。
【0036】
底部半導体層10の上部表面は、少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17のそれぞれの底部で露出される。少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17のそれぞれは、浅いトレンチ分離構造33および埋め込み絶縁体層20内に形成される。少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17のそれぞれは、浅いトレンチ分離構造33の上部表面から、浅いトレンチ分離構造33および埋め込み絶縁体層20を通り、底部半導体層10の上部表面まで延びている。本明細書では少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17がさらに底部半導体層内に延びる変形例も明確に企図されている。
【0037】
少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17のそれぞれの側壁は、浅いトレンチ分離構造33の上部表面から底部半導体層10の上部表面まで実質的に垂直に一致する可能性がある。換言すれば、少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17のそれぞれの側壁のうち、浅いトレンチ分離構造33および埋め込み絶縁体層20内にある部分は、平面図では互いにオーバラップする可能性がある。少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17の側壁にテーパが存在する場合、本明細書ではそれより大きいテーパ角度も企図されているが、テーパの角度は約0度〜約5度にすることができ、典型的には0度〜約2度にすることができる。最上部半導体層30の上部表面の下にある少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17のそれぞれの深さは、埋め込み絶縁体層20の厚さと最上部半導体層30の厚さの合計に等しくなる可能性がある。
【0038】
第1の模範的な半導体構造の第1の構成では、少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17は下部ビア・キャビティのアレイである。下部ビア・キャビティのアレイ内のそれぞれの下部ビア・キャビティは、他のビア・キャビティに隣接しない離散的ビア・キャビティである。
【0039】
第1の模範的な半導体構造の第2の構成では、少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17は、互いに相互接続されている複数の下部ビア・キャビティ部分を有する単一ビア・キャビティである。換言すれば、少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17は、浅いトレンチ分離構造33の上部表面と底部半導体層10の上部表面との間に横方向に接続されている複数の下部ビア・キャビティ部分を含む。
【0040】
少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18は、底部半導体層10の露出部分に第2の導電性タイプのドーパントを注入することによって形成される。第2の導電性タイプは第1の導電性タイプとは正反対である。たとえば、第1の導電性タイプがp型である場合、第2の導電性タイプはn型であり、逆もまた同様である。したがって、底部半導体層10の残りの部分と少なくとも1つのドープ半導体領域18は反対のタイプのドーピングを有する。注入されたドーパントが横方向に散在しているため、少なくとも1つのドープ半導体領域は、少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17の領域の外側に横方向に延び、埋め込み絶縁体層20の下部表面に垂直に隣接している。第2の導電性タイプがp型である場合、注入されたドーパントは、B、Ga、In、またはこれらの組み合わせを含むことができる。第2の導電性タイプがn型である場合、注入されたドーパントは、P、As、Sb、またはこれらの組み合わせを含むことができる。第1のフォトレジスト7はイオン注入用の自己整合マスク(self-aligning mask)として機能し、したがって、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18は少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17の下に形成される。少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18のそれぞれは、少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17の下部表面および埋め込み絶縁体層20の下部表面に垂直に隣接している。底部半導体層10が単結晶半導体材料を含む場合、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18も単結晶になる。
【0041】
本明細書ではそれより小さい厚さおよび大きい厚さも企図されているが、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18の厚さは、約10nm〜約600nmにすることができ、典型的には約50nm〜約300nmにすることができる。少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18は、典型的には、比抵抗を低減するために高濃度ドーピングされている。本明細書ではそれより低いドーパント濃度および高いドーパント濃度も企図されているが、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18は、約1.0×1019/cm3〜約1.0×1021/cm3のドーパント濃度を有することができる。第1のフォトレジスト7は、その後、最上部半導体層30、埋め込み絶縁体層20の露出された側壁、および少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18に応じて選択的に除去される。
【0042】
図4を参照すると、最上部層30の上部表面に第2のフォトレジスト35が塗布され、リソグラフィでパターン形成して、開口部が形成される。第2のフォトレジスト35内の開口部は、浅いトレンチ分離構造33のうち、第2のフォトレジスト35で充填可能な少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17(図3を参照)の領域の外側にある部分の上に重なっている。それぞれの開口部は、平面図では、少なくとも1つの最上部半導体部分32の領域および少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17の領域の外側かつ浅いトレンチ分離構造33の領域の残りの部分の内側に位置している。
【0043】
少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27は、第2のフォトレジスト35内のパターンを半導体基板8に転写することによって形成される。第2のフォトレジスト35内の開口部のパターンは、反応性イオン・エッチングにすることもできる異方性エッチングにより浅いトレンチ分離構造33および埋め込み絶縁体層20に転写される。第2のフォトレジスト35は、異方性エッチング用のエッチング・マスクとして使用される。少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27は、第2のフォトレジスト35の開口部の下に形成される。
【0044】
好ましくは、異方性エッチングは、底部半導体層10の半導体材料に応じて選択される。たとえば、底部半導体層10がシリコンを含む場合、シリコンに応じて選択された、酸化シリコンなどの誘電体材料を除去する異方性エッチングを使用して、底部半導体層10の上部表面上で停止する異方性エッチングを行うことができる。
【0045】
底部半導体層10の上部表面は、少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27のそれぞれの底部で露出される。少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27のそれぞれは、浅いトレンチ分離構造33および埋め込み絶縁体層20内に形成される。少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27のそれぞれは、浅いトレンチ分離構造33の上部表面から、浅いトレンチ分離構造33および埋め込み絶縁体層20を通り、底部半導体層10の上部表面まで延びている。本明細書では少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27がさらに底部半導体層内に延びる変形例も明確に企図されている。
【0046】
少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27のそれぞれの側壁は、浅いトレンチ分離構造33の上部表面から実質的に垂直に一致する場合もあれば、上述の通り、少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17の側壁のようにテーパを有する場合もある。
【0047】
第1の模範的な半導体構造の第3の構成では、少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27は下部ビア・キャビティのアレイである。下部ビア・キャビティのアレイ内のそれぞれの下部ビア・キャビティは、他のビア・キャビティに隣接しない離散的ビア・キャビティである。
【0048】
第1の模範的な半導体構造の第4の構成では、少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27は、互いに相互接続されている複数の下部ビア・キャビティ部分を有する単一ビア・キャビティである。換言すれば、少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27は、浅いトレンチ分離構造33の上部表面と底部半導体層10の上部表面との間に横方向に接続されている複数の下部ビア・キャビティ部分を含む。
【0049】
第1の模範的な半導体構造の第3の構成および第4の構成のそれぞれは、第1の模範的な半導体構造の第1の構成または第2の構成のいずれかと組み合わせることができる。
【0050】
少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28は、底部半導体層10の露出部分に第1の導電性タイプのドーパントを注入することによって形成される。注入されたドーパントが横方向に散在しているため、少なくとも1つのドープ半導体領域は、少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27の領域の外側に横方向に延び、埋め込み絶縁体層20の下部表面に垂直に隣接している。第1の導電性タイプがp型である場合、注入されたドーパントは、B、Ga、In、またはこれらの組み合わせを含むことができる。第1の導電性タイプがn型である場合、注入されたドーパントは、P、As、Sb、またはこれらの組み合わせを含むことができる。第2のフォトレジスト35はイオン注入用の自己整合マスクとして機能し、したがって、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28は少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27の下に形成される。少なくとも1つのドープ半導体領域のそれぞれは、少なくとも1つの下部ビア・キャビティの下部表面および埋め込み絶縁体層20の下部表面に垂直に隣接している。底部半導体層10が単結晶半導体材料を含む場合、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28も単結晶になる。
【0051】
本明細書ではそれより小さい厚さおよび大きい厚さも企図されているが、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28の厚さは、約10nm〜約600nmにすることができ、典型的には約50nm〜約300nmにすることができる。少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28は、典型的には、比抵抗を低減するために高濃度ドーピングされている。本明細書ではそれより低いドーパント濃度および高いドーパント濃度も企図されているが、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28は、約1.0×1019/cm3〜約1.0×1021/cm3のドーパント濃度を有することができる。
【0052】
図5および図6を参照すると、第2のフォトレジスト35は、その後、最上部半導体層30、埋め込み絶縁体層20の露出された側壁、および少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28に応じて選択的に除去される。図5は、本発明の第1の実施形態の第1の構成および第3の構成の組み合わせの垂直断面図である。図6は対応する平面図である。この組み合わせでは、少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17は第1の下部ビア・キャビティのアレイであり、少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27は第2の下部ビア・キャビティのアレイである。
【0053】
図7は、第1の模範的な半導体構造の第1の構成および第4の構成の組み合わせの平面図である。この組み合わせでは、少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17は、互いに隣接しない離散的な第1の下部ビア・キャビティのアレイであり、少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27は、少なくとも1つの最上部半導体部分(図5を参照)を横方向に取り囲む、一体構造(integral construction)の単一の第2の下部ビア・キャビティである。
【0054】
図8は、第1の模範的な半導体構造の第2の構成および第3の構成の組み合わせの平面図である。この組み合わせでは、少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17は、少なくとも1つの最上部半導体部分(図5を参照)を横方向に取り囲む、一体構造の単一の第1の下部ビア・キャビティであり、少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27は、互いに隣接しない第2の下部ビア・キャビティのアレイである。
【0055】
図9を参照すると、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47および少なくとも1つの第2の下部導電ビア37が形成される。少なくとも1つの第1の下部導電ビア47は、浅いトレンチ分離構造33および埋め込み絶縁体層20内の少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17のそれぞれの内部に形成される。同様に、少なくとも1つの第2の下部導電ビア37は、浅いトレンチ分離構造33および埋め込み絶縁体層20内の少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27のそれぞれの内部に形成される。
【0056】
具体的には、少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17および少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27内に導電材料を付着させる。導電材料は、ドープ半導体材料または金属材料にすることができる。たとえば、導電材料は、ドープ・ポリシリコン(doped polysilicon)、ドープ・シリコン含有(doped silicon-containing)半導体材料、ドープ化合物半導体材料、元素金属(elemental metal)、少なくとも2種類の元素金属の合金、導電金属窒化物などにすることができる。最上部半導体層30の上部表面の上の余分な導電材料は、たとえば、化学的機械的平坦化(CMP)、陥凹エッチング、またはこれらの組み合わせによって除去される。少なくとも1つの第1の下部ビア・キャビティ17および少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27内の導電材料の残りの部分は、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47および少なくとも1つの第2の下部導電ビア37をそれぞれ構成する。少なくとも1つのパッド誘電体層(図示せず)が最上部半導体層の上に設けられる場合、少なくとも1つの誘電体層を導電材料の平坦化に有利に使用して、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47および少なくとも1つの第2の下部導電ビア37の形成を容易にすることができる。少なくとも1つのパッド誘電体層が設けられている場合、このパッド誘電体層は、その後、最上部半導体層30の上部表面を露出するように除去される。
【0057】
少なくとも1つの第1の下部導電ビア47のそれぞれは、浅いトレンチ分離構造33の上部表面から、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18の上部表面まで延びている。少なくとも1つの第2の下部導電ビア37のそれぞれは、浅いトレンチ分離構造33の上部表面から、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28の上部表面まで延びている。少なくとも1つの第1の下部導電ビア47のそれぞれは、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18の上部表面に垂直に隣接している。少なくとも1つの第2の下部導電ビア37のそれぞれは、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28の上部表面に垂直に隣接している。
【0058】
図10を参照すると、少なくとも1つの電界効果トランジスタは、当技術分野で既知の方法により、少なくとも1つの最上部半導体部分32のすぐ上に形成される。具体的には、それぞれの電界効果トランジスタについて、1つのゲート誘電体40と、1つのゲート電極42と、1つのゲート・スペーサ44が形成される。電界効果トランジスタのゲート電極42およびゲート・スペーサ44を自己整合注入マスクとして使用してドーパントを注入することによって、それぞれの電界効果トランジスタの少なくとも1つの最上部半導体部分32内にソース領域(図示せず)およびドレイン領域(図示せず)も形成される。
【0059】
少なくとも1つの電界効果トランジスタ、少なくとも1つの最上部半導体部分32、浅いトレンチ分離構造33、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47の上部表面、および少なくとも1つの第2の下部導電ビア37の上には、中間工程(MOL)誘電体層80が形成される。MOL誘電体層80は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、有機ケイ酸ガラス(OSG:organosilicate glass)、低k(low-k)化学的気相堆積(CVD:chemical vapor deposition)酸化物、スピン・オン・グラス(SOG:spin-on glass)などの自己平坦化材料(self-planarizing material)、またはSiLK(TM)などのスピン・オン・ローk誘電体材料、あるいはこれらの組み合わせを含むことができる。模範的な酸化シリコンとしては、アンドープ・シリケート・ガラス(USG:undoped silicate glass)、ホウケイ酸ガラス(BSG:borosilicateglass)、リン酸シリケート・ガラス(PSG:phosphosilicate glass)、フルオロケイ酸ガラス(FSG:fluorosilicate glass)、ボロリン酸シリケート・ガラス(BPSG:borophosphosilicate glass)、またはこれらの組み合わせを含む。浅いトレンチ分離構造33の上部表面から測定したMOL誘電体層80の全厚さは、約100nm〜約10000nmにすることができ、典型的には約200nm〜約5000nmにすることができる。MOL誘電体層80の上部表面は、たとえば、化学的機械的平坦化によって平坦化することができる。
【0060】
図11を参照すると、MOL誘電体層80の上部表面にフォトレジスト67が塗布され、リソグラフィでパターン形成して、開口部が形成される。この開口部は、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47の上に重なっている少なくとも1つの第1の開口部O1と、少なくとも1つの第2の下部導電ビア37の上に重なっている少なくとも1つの第2の開口部O2と、少なくとも1つの最上部半導体部分32上に位置する少なくとも1つの電界効果トランジスタを含む半導体デバイスの上に重なっている複数の第3の開口部O3とを含む。
【0061】
フォトレジスト67内の少なくとも1つの第1の開口部O1、少なくとも1つの第2の開口部O2、および第3の開口部O3のパターンは、反応性イオン・エッチングにすることもできる異方性エッチングによりMOL誘電体層80に転写される。フォトレジスト67は、異方性エッチング用のエッチング・マスクとして使用される。少なくとも1つの第1の上部ビア・キャビティ54は、少なくとも1つの第1の導電ビア47の上であって、しかもフォトレジスト67の少なくとも1つの第1の開口部O1の下に形成される。少なくとも1つの第2の上部ビア・キャビティ57は、少なくとも1つの第2の導電ビア37の上であって、しかもフォトレジスト67の少なくとも1つの第2の開口部O2の下に形成される。第3の上部ビア・キャビティ58は、フォトレジスト67の第3の開口部O3の下に形成される。
【0062】
好ましくは、異方性エッチングは、少なくとも1つの最上部半導体部分32の半導体材料に応じて選択される。少なくとも1つの最上部半導体部分32の上部表面が第3の上部ビア・キャビティ58の底部で露出されるまで、異方性エッチングが続行される。この時点で、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47および少なくとも1つの第2の下部導電ビア37の上部表面は、それぞれ少なくとも1つの第1の上部ビア・キャビティ54の底部(最下部)および少なくとも1つの第2の上部ビア・キャビティ57の底部で露出される。異方性エッチングは、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47および少なくとも1つの第2の下部導電ビア37に応じて選択することができる。この場合、いくつかの第3の上部ビア・キャビティ58の深さ、少なくとも1つの第1の上部ビア・キャビティ54の深さ、および少なくとも1つの第2の上部ビア・キャビティ57の深さは、実質的にMOL誘電体層80の厚さと同じになる可能性がある。
【0063】
少なくとも1つの最上部半導体部分32の上部表面は、いくつかの第3の上部ビア・キャビティ58の底部で露出される。少なくとも1つの第1の下部導電ビア47のうちの1つの上部表面は、少なくとも1つの第1の上部ビア・キャビティ54のそれぞれの底部で露出される。少なくとも1つの第2の下部導電ビア37のうちの1つの上部表面は、少なくとも1つの第2の上部ビア・キャビティ57のそれぞれの底部で露出される。少なくともいくつかの第3の上部ビア・キャビティ58、少なくとも1つの第1の上部ビア・キャビティ54、および少なくとも1つの第2の上部ビア・キャビティ57は、MOL誘電体層80内に形成され、MOL誘電体層80の上部表面から最上部半導体層30の上部表面まで延び、この上部表面はMOL誘電体層80の下部表面と一致する。第3の上部ビア・キャビティ58のうちの少なくとも1つは、MOL誘電体層80の上部表面からゲート電極42の上部表面まで延びることができる。第3の上部ビア・キャビティ58は最上部半導体層30の下部表面まで延びていない。フォトレジスト67は、その後、除去される。
【0064】
図12および図13を参照すると、少なくとも1つの第1の上部導電ビア77、少なくとも1つの第2の上部導電ビア87、および複数の第3の上部導電ビア88がMOL誘電体層80内に形成される。図12は垂直断面図であり、図13は、明瞭にするためにMOL誘電体層80が省略されている、第1の模範的な半導体構造の変更された平面図である。図13の平面Z−Z’は図12の第1の模範的な半導体構造の垂直断面図の平面に対応する。
【0065】
具体的には、少なくとも1つの第1の上部ビア・キャビティ54、少なくとも1つの第2の上部ビア・キャビティ57、および複数の第3の上部ビア・キャビティ58内に導電材料を付着させる。導電材料は、ドープ半導体材料または金属材料にすることができる。たとえば、導電材料は、ドープ・ポリシリコン、ドープ・シリコン含有半導体材料、ドープ化合物半導体材料、元素金属、少なくとも2種類の元素金属の合金、導電金属窒化物などにすることができる。MOL誘電体層80の上部表面の上の余分な導電材料は、たとえば、化学的機械的平坦化(CMP)、陥凹エッチング、またはこれらの組み合わせによって除去される。少なくとも1つの第1の上部ビア・キャビティ54内の導電材料の残りの部分(複数も可)は、少なくとも1つの第1の上部導電ビア77を構成する。少なくとも1つの第2の上部ビア・キャビティ57内の導電材料の残りの部分(複数も可)は、少なくとも1つの第2の上部導電ビア87を構成する。複数の第3の上部ビア・キャビティ58内の導電材料の残りの部分は、複数の第3の上部導電ビア88を構成する。第3の上部導電ビア88は、少なくとも1つの電界効果トランジスタのソース領域(個別に図示せず)、ドレイン領域(個別に図示せず)、およびゲート電極42のすぐ上に形成することができる。ソース領域およびドレイン領域は、少なくとも1つの最上部半導体部分32内に位置する。
【0066】
図14を参照すると、少なくとも1つの第1の上部導電ビア77、少なくとも1つの第2の上部導電ビア87、および複数の第3の上部導電ビア88に関する第1の代替構成の平面図が示されている。第1の模範的な半導体構造の第1の代替構成では、少なくとも1つの第2の上部導電ビア87は、互いに隣接しない導電ビアのアレイであり、少なくとも1つの第1の上部導電ビア77は、互いに相互接続されている複数の導電ビア部分を有する単一導電ビアである。
【0067】
図15を参照すると、少なくとも1つの第1の上部導電ビア77、少なくとも1つの第2の上部導電ビア87、および複数の第3の上部導電ビア88に関する第2の代替構成の平面図が示されている。第1の模範的な半導体構造の第2の代替構成では、少なくとも1つの第2の上部導電ビア87は、互いに相互接続されている複数の導電ビア部分を有する単一導電ビアであり、少なくとも1つの第1の上部導電ビア77は、互いに隣接しない導電ビアのアレイである。
【0068】
図16および図17を参照すると、相互接続レベル誘電体層90、少なくとも1つの第1の相互接続レベル金属ライン94、少なくとも1つの第2の相互接続レベル金属ライン99、および複数の第3の相互接続レベル金属ライン98がMOL誘電体層80の上部表面のすぐ上に形成される。図16は本発明の第1の模範的な半導体構造の垂直断面図である。図17は本発明の第1の実施形態の平面図である。
【0069】
相互接続レベル誘電体層90の誘電体材料は、上記のように、MOL誘電体層80に使用可能な誘電体材料のいずれかを含むことができる。本明細書ではそれより小さい厚さおよび大きい厚さも企図されているが、相互接続レベル誘電体層90の厚さは、約75nm〜約1000nmにすることができ、典型的には約150nm〜約500nmにすることができる。
【0070】
少なくとも1つの第1の相互接続レベル金属ライン94、少なくとも1つの第2の相互接続レベル金属ライン99、および複数の第3の相互接続レベル金属ライン98は、相互接続レベル誘電体層90に埋め込まれ、金属材料の付着およびその後の平坦化によって形成することができる。少なくとも1つの第1の相互接続レベル金属ライン94、少なくとも1つの第2の相互接続レベル金属ライン99、および複数の第3の相互接続レベル金属ライン98の金属材料は、物理的気相堆積法(PVD:physical vapor deposition)、電気メッキ、無電解メッキ、化学的気相堆積、またはこれらの組み合わせによって付着させることができる。少なくとも1つの第1の相互接続レベル金属ライン94、少なくとも1つの第2の相互接続レベル金属ライン99、および複数の第3の相互接続レベル金属ライン98は、たとえば、Cu、Al、W、Ta、Ti、WN、TaN、TiN、またはこれらの組み合わせを含むことができる。少なくとも1つの第1の相互接続レベル金属ライン94、少なくとも1つの第2の相互接続レベル金属ライン99、および複数の第3の相互接続レベル金属ライン98は、同じ金属材料を含むこともできる。
【0071】
少なくとも1つの第1の上部導電ビア77のそれぞれは少なくとも1つの第1の相互接続レベル金属ライン94に垂直に隣接する。少なくとも1つの第2の上部導電ビア87のそれぞれは少なくとも1つの第2の相互接続レベル金属ライン99に垂直に隣接する。複数の第3の上部導電ビア88のそれぞれは複数の第3の相互接続レベル金属ライン98のうちの1つに垂直に隣接する。
【0072】
少なくとも1つの第1の下部導電ビア47および少なくとも1つの第1の上部導電ビア77は集合体として少なくとも1つの第1の導電ビア79を構成し、この導電ビア79はMOL誘電体層80の上部表面から少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18の上部表面まで延びている。したがって、少なくとも1つの第1の導電ビア79は、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47および少なくとも1つの第1の上部導電ビア77の垂直に隣接するスタック(積層体)を含む。少なくとも1つの第1の上部導電ビア77のそれぞれの下部表面は、最上部半導体層30の上部表面と実質的に同一表面上のレベルで、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47のうちの1つの上部表面に垂直に隣接する。少なくとも1つの第1の上部導電ビア77のうちの1つに垂直に隣接する少なくとも1つの第1の下部導電ビア47のそれぞれの下部表面には、物理的に顕在化された境界面が存在する。少なくとも1つの第1の下部導電ビア47と少なくとも1つの第1の上部導電ビア77は、同じ導電材料を含む場合もあれば、異なる導電材料を含む場合もある。少なくとも1つの第1の導電ビア79は、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18に直接接触する。
【0073】
少なくとも1つの第2の下部導電ビア37および少なくとも1つの第2の上部導電ビア87は集合体として少なくとも1つの第2の導電ビア89を構成し、この導電ビア89はMOL誘電体層80の上部表面から少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28の上部表面まで延びている。したがって、少なくとも1つの第2の導電ビア89は、少なくとも1つの第2の下部導電ビア37および少なくとも1つの第2の上部導電ビア87の垂直に隣接するスタックを含む。少なくとも1つの第2の上部導電ビア87のそれぞれの下部表面は、最上部半導体層30の上部表面と実質的に同一表面上のレベルで、少なくとも1つの第2の下部導電ビア37のうちの1つの上部表面に垂直に隣接する。少なくとも1つの第2の上部導電ビア87のうちの1つに垂直に隣接する少なくとも1つの第2の下部導電ビア37のそれぞれの下部表面には、物理的に顕在化された境界面が存在する。少なくとも1つの第2の下部導電ビア37と少なくとも1つの第2の上部導電ビア87は、同じ導電材料を含む場合もあれば、異なる導電材料を含む場合もある。少なくとも1つの第2の導電ビア89は、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28に直接接触する。
【0074】
第1の模範的な半導体構造は少なくとも1つの電界効果トランジスタを含み、この電界効果トランジスタは、約3Hz〜約300GHzの周波数を有する信号用の無線周波スイッチを構成することができる。特に、少なくとも1つの電界効果トランジスタは、VHF、UHF、SHF、およびEHFで動作可能な無線周波スイッチを構成することができる。
【0075】
少なくとも1つの電界効果トランジスタと底部半導体層10との間の容量結合は周波数に対して直線的に増加するので、このような高周波では、この容量結合が重大なものになる可能性がある。少なくとも1つの電界効果トランジスタ内の無線周波信号により、底部半導体層10の上部部分に誘導電荷層11が形成される。底部半導体層10に加えられた電気的バイアスがない場合、誘導電荷層11は埋め込み絶縁体層11のすぐ下に形成され、陽電荷または陰電荷を含む。
【0076】
具体的には、底部半導体層10に対する電気的バイアスがない場合、少なくとも1つの電界効果トランジスタ内の無線信号の信号周波数で、誘導電荷層11内の電荷の極性が変化する。少なくとも1つの電界効果トランジスタ内の電圧が底部半導体層10に対して正であるとき、誘導電荷層11内に電子が蓄積する。少なくとも1つの電界効果トランジスタ内の電圧が底部半導体層10に対して負であるとき、誘導電荷層11内に正孔が蓄積する。従来技術では、底部半導体層10の導電性によって決定される、底部半導体層10内の多数電荷キャリアのタイプに応じて、誘導電荷層11は、底部半導体層10の導電性とは反対のタイプである実効電荷を有する空乏モードになる場合もあれば、底部半導体層10の導電性タイプと同じタイプである実効電荷を有する反転モードになる場合もある。
【0077】
さらに、誘導電荷層11の厚さは、少なくとも1つの電界効果トランジスタ内の信号周波数で経時的に変化する。換言すれば、誘導電荷層11における厚さ変化の頻度は、少なくとも1つの電界効果トランジスタ内の信号の無線周波数である。
【0078】
本発明によれば、RFスイッチとして機能することができる少なくとも1つの電界効果トランジスタの動作中に誘導電荷層11の特性を安定化するために、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28に電気的バイアスが加えられる。少なくとも1つの第2の導電ビア89は、誘導電荷層11を安定化するために少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28に電気的バイアスを加えるための低抵抗の電気的経路を提供する。少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28に加えられる電圧バイアスの大きさおよび極性は、底部半導体層10において蓄積モードの任意の領域が形成されるのを防止しながら、誘導電荷層11を空乏モードで維持するように選択される。換言すれば、誘導電荷層11は、RF信号の1サイクル全体を通して蓄積モードにならない。
【0079】
底部半導体層10および少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28がp型ドーピングを有する場合、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28および少なくとも1つの第1の導電ビア89に加えられるバイアス電圧は一定の負の電圧になる。好ましくは、一定の負の電圧の大きさは、RF信号の最大の負の変動の大きさとほぼ同じであるか、またはそれより大きくなる。換言すれば、一定の負の電圧は、どのフェーズでもRF信号より負の程度が強い。この場合、誘導電荷層11の全体に陰電荷が充填される。誘導電荷層11は空乏領域を構成し、そこから正孔が枯渇する。
【0080】
底部半導体層10および少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28がn型ドーピングを有する場合、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28および少なくとも1つの第1の導電ビア89に加えられるバイアス電圧は一定の正の電圧になる。好ましくは、一定の正の電圧の大きさは、RF信号の最大の正の変動の大きさとほぼ同じであるか、またはそれより大きくなる。換言すれば、一定の正の電圧は、どのフェーズでもRF信号より正の程度が強い。この場合、誘導電荷層11の全体に陽電荷が充填される。誘導電荷層11は空乏領域を構成し、そこから電子が枯渇する。
【0081】
誘導電荷層11の厚さは、少なくとも1つの電界効果トランジスタ内のRF信号の信号周波数で経時的に変化する。しかし、誘導電荷層11は、RF信号の1サイクル全体を通して蓄積モードにならない。その代わりに、誘導電荷層11の全体が空乏モードのままになる。電気的バイアスによる誘導電荷層11の不変性により、誘導電荷層11内の電荷の極性の変化を除去することによって高調波の発生が低減されるが、これは少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28および少なくとも1つの導電ビア89あるいはそれに加えられる電気的バイアスがなければ存在することになるであろう。さらに、電気バイアスは誘導電荷層11内の空乏領域の平均厚さを増加させる。空乏領域にはいかなる移動電荷も存在しないので、底部半導体層10と、RF信号によって発生し、底部半導体層10内に埋め込まれる誘導電荷層11では、渦電流の発生が低減される。
【0082】
空乏領域内の電荷は移動性ではなく、無線周波数で少なくとも1つの電界効果トランジスタが動作している間、渦電流、信号損失、および高調波の発生に寄与しないが、従来技術と同様に形成された場合、反転領域内の少数電荷キャリアは移動性になり、それにより、渦電流、信号損失、および高調波の発生が引き起こされる。本発明によれば、反転領域の形成を防止するために熱によって生成されるとすぐに少数電荷単体を排出するために、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18に電気的バイアスが加えられる。少なくとも1つの第1の導電ビア79は、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18に電気的バイアスを加えるための低抵抗の電気的経路を提供する。底部半導体層10がpドープである場合、少数電荷キャリアは電子である。底部半導体層10がnドープである場合、少数電荷キャリアは正孔である。少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18に加えられる電圧バイアスの大きさおよび極性は、少なくとも1つの電界効果トランジスタにおいて無線周波信号のすべてのフェーズで反転領域の形成が防止されるように熱による生成の直後に少数電荷キャリアを効果的に排出するように選択される。したがって、本発明の構造は、移動電荷による渦電流および高調波発生が最小限になるように、いずれの反転領域も除去する。
【0083】
底部半導体層10がp型ドーピングを有する場合、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18はn型ドーピングを有し、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28はp型ドーピングを有する。少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18および少なくとも1つの第1の導電ビア79に加えられる第1のバイアス電圧は一定の正の電圧であり、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28および少なくとも1つの第2の導電ビア87に加えられる第2のバイアス電圧は一定の負の電圧である。あるケースでは、一定の正の電圧の大きさは、RF信号の最大の正の変動の大きさとほぼ同じであるか、またはそれより大きくなる可能性がある。一定の負の電圧の大きさは、RF信号の最大の負の変動の大きさとほぼ同じであるか、またはそれより大きくなる可能性がある。
【0084】
底部半導体層10がn型ドーピングを有する場合、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18はp型ドーピングを有し、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28はn型ドーピングを有する。少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18および少なくとも1つの第1の導電ビア79に加えられる第1のバイアス電圧は一定の負の電圧であり、少なくとも1つの第2のドープ半導体領域28および少なくとも1つの第2の導電ビア87に加えられる第2のバイアス電圧は一定の正の電圧である。あるケースでは、一定の正の電圧の大きさは、RF信号の最大の正の変動の大きさとほぼ同じであるか、またはそれより大きくなる可能性がある。一定の負の電圧の大きさは、RF信号の最大の負の変動の大きさとほぼ同じであるか、またはそれより大きくなる可能性がある。
【0085】
図18、図19、図20、図21、および図22を参照すると、第1の実施形態の方法を使用するが、少なくとも1つの第2の下部ビア・キャビティ27および少なくとも1つの第2の下部導電ビア37の形成に使用される処理ステップを省略することにより、本発明の第2の実施形態による第2の模範的な半導体構造が得られる。したがって、第2の実施形態では、図3に対応する処理ステップは省略される。図18の第2の模範的な半導体構造は、第1の実施形態における図9の第1の模範的な半導体構造と同じ処理ステップに対応する。底部半導体層10、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18、および少なくとも1つの最上部半導体部分32の組成、ドーピング、および厚さは、第1の実施形態と同じにすることができる。埋め込み絶縁体層20および浅いトレンチ分離構造33の組成および厚さも第1の実施形態と同じにすることができる。少なくとも1つの第1の下部導電ビア47の組成および寸法も第1の実施形態と同じにすることができる。
【0086】
図18は、図19および図20に示されている第2の模範的な半導体構造の第1の構成と、図21および図22に示されている第2の模範的な半導体構造の第2の構成の共通垂直断面図である。図19は第2の模範的な半導体構造の第1の構成の平面図である。図20は、図18の平面X−X’に沿った第2の模範的な半導体構造の第1の構成の水平断面図である。図21は第2の模範的な半導体構造の第2の構成の平面図である。図22は、図18の平面X−X’に沿った第2の模範的な半導体構造の第2の構成の水平断面図である。図19、図20、図21、および図22の平面Z−Z’は、図18に示されている第2の模範的な半導体構造の共通垂直断面図に関する垂直断面図の平面に対応する。
【0087】
図18、図19、および図20に示されている第2の模範的な半導体構造の第1の構成では、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47は導電ビアのアレイである。導電ビアのアレイ内の各導電ビアは、他の導電ビアから分離されており、すなわち、他の導電ビアに隣接しない。
【0088】
図18、図21、および図22に示されている第2の模範的な半導体構造の第2の構成では、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47は、互いに相互接続されている複数の導電ビア部分を有する単一導電ビアである。換言すれば、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47は、浅いトレンチ分離構造33の上部表面と少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18の上部表面との間に横方向に接続されている複数の導電ビア部分を含む。第2の構成では、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47は、単体構造、すなわち、連続した一体型の単一コンタクト・ビアであり、少なくとも1つの電界効果トランジスタが、その後、形成される、少なくとも1つの最上部半導体部分32の全体を横方向に取り囲む。
【0089】
図23、図24、および図25を参照すると、少なくとも1つの電界効果トランジスタは、当技術分野で既知の方法により、少なくとも1つの最上部半導体部分32のすぐ上に形成される。具体的には、それぞれの電界効果トランジスタについて、1つのゲート誘電体40と、1つのゲート電極42と、1つのゲート・スペーサ44が形成される。電界効果トランジスタのゲート電極42およびゲート・スペーサ44を自己整合注入マスクとして使用してドーパントを注入することによって、それぞれの電界効果トランジスタの少なくとも1つの最上部半導体部分32内にソース領域(図示せず)およびドレイン領域(図示せず)も形成される。
【0090】
少なくとも1つの電界効果トランジスタ、少なくとも1つの最上部半導体部分32、浅いトレンチ分離構造33、および少なくとも1つの第1の下部導電ビア47の上部表面(複数も可)の上には、第1の実施形態と同じ方法で、中間工程(MOL)誘電体層80が形成される。MOL誘電体層80には、第1の実施形態と同じ方法で、少なくとも1つの第1の上部導電ビア77および複数の第3の上部導電ビア88が形成される。
【0091】
図23は、図24に示されている第2の模範的な半導体構造の第1の構成と、図25に示されている第2の模範的な半導体構造の第2の構成の共通垂直断面図である。図24は、明瞭にするためにMOL誘電体層80が省略されている、第2の模範的な半導体構造の第1の構成の変更された平面図である。図25は、明瞭にするためにMOL誘電体層80が省略されている、第2の模範的な半導体構造の第2の構成の変更された平面図である。図24および図25の平面Z−Z’は、図23に示されている第2の模範的な半導体構造の共通垂直断面図に関する垂直断面図の平面に対応する。
【0092】
図23および図24に示されている第2の模範的な半導体構造の第1の構成では、少なくとも1つの第1の上部導電ビア77は導電ビアのアレイである。導電ビアのアレイ内の各導電ビアは、他の導電ビアから分離されており、すなわち、他の導電ビアに隣接しない。
【0093】
図23および図25に示されている第2の模範的な半導体構造の第2の構成では、少なくとも1つの第1の上部導電ビア77は、互いに相互接続されている複数の導電ビア部分を有する単一導電ビアである。換言すれば、少なくとも1つの第1の上部導電ビア77は、MOL誘電体層80の上部表面と浅いトレンチ分離構造33の上部表面との間に横方向に接続されている複数の導電ビア部分を含む。第2の構成では、少なくとも1つの第1の上部導電ビア77は、単体構造の単一コンタクト・ビアであり、少なくとも1つの電界効果トランジスタ全体を横方向に取り囲む。少なくとも1つの電界効果トランジスタが複数の電界効果トランジスタである場合、その複数の電界効果トランジスタのすべてを単一コンタクト・ビアによって横方向に囲むことができる。
【0094】
図26および図27を参照すると、無線周波(RF)スイッチを含むことができる少なくとも1つの電界効果トランジスタにおいて無線周波信号で動作中の第2の模範的な半導体構造が示されている。動作前に、相互接続レベル誘電体層90、少なくとも1つの第1の相互接続レベル金属ライン94、および第3の相互接続レベル金属ライン98がMOL誘電体層80の上部表面のすぐ上に形成される。相互接続レベル誘電体層90の組成および厚さは、第1の実施形態と同じにすることができる。また、相互接続レベル誘電体層90および少なくとも1つの第1の相互接続レベル金属ライン94の組成および厚さも第1の実施形態と同じにすることができる。第3の上部導電ビア88のそれぞれは、第3の相互接続レベル金属ライン98の1つに垂直に隣接する。少なくとも1つの第1の上部導電ビア77のそれぞれは、少なくとも1つの第1の相互接続レベル金属ライン94に垂直に隣接する。
【0095】
少なくとも1つの第1の下部導電ビア47および少なくとも1つの第1の上部導電ビア77は集合体として少なくとも1つの第1の導電ビア79を構成し、この導電ビア79はMOL誘電体層80の上部表面から埋め込み絶縁体層20の下部表面まで延びている。したがって、少なくとも1つの第1の導電ビア79は、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47および少なくとも1つの第1の上部導電ビア77の垂直に隣接するスタックを含む。少なくとも1つの第1の上部導電ビア77のそれぞれの下部表面は、最上部半導体層30の上部表面と実質的に同一表面上のレベルで、少なくとも1つの第1の下部導電ビア47のうちの1つの上部表面に垂直に隣接する。少なくとも1つの第1の上部導電ビア77のうちの1つに垂直に隣接する少なくとも1つの第1の下部導電ビア47のそれぞれの下部表面には、物理的に顕在化された境界面が存在する。少なくとも1つの第1の下部導電ビア47と少なくとも1つの第1の上部導電ビア77は、同じ導電材料を含む場合もあれば、異なる導電材料を含む場合もある。少なくとも1つの第1の導電ビア79は、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18に直接接触する。
【0096】
第2の模範的な半導体構造は少なくとも1つの電界効果トランジスタを含み、この電界効果トランジスタは、第1の実施形態において約3Hz〜約300GHzの周波数を有する信号用の無線周波スイッチを構成することができる。特に、少なくとも1つの電界効果トランジスタは、VHF、UHF、SHF、およびEHFで動作可能な無線周波スイッチを構成することができる。
【0097】
少なくとも1つの電界効果トランジスタと底部半導体層10との間の容量結合は周波数に対して直線的に増加するので、このような高周波では、この容量結合が重大なものになる可能性がある。少なくとも1つの電界効果トランジスタ内の無線周波信号により、底部半導体層10の上部部分に誘導電荷層11が形成される。第2の実施形態では、誘導電荷層11は埋め込み絶縁体層11のすぐ下に形成され、少なくとも1つの電界効果トランジスタ内の無線周波信号のフェーズに応じて、陽電荷または陰電荷を含む。
【0098】
図26を参照すると、多数電荷キャリアが底部半導体層10の上部部分からはね返される(反発される)ような無線周波信号のフェーズである場合、誘導電荷層11は空乏領域を含む。さらに、RF信号が強い場合、埋め込み絶縁体層20の下部表面のすぐ下に少数電荷キャリアを引きつける。これは、少なくとも1つの最上部半導体部分32がp型ドーピングを有する底部半導体層10に対して正の電圧である場合、または少なくとも1つの最上部半導体部分32がn型ドーピングを有する底部半導体層10に対して負の電圧である場合に発生する。空乏領域は電荷を含むが、空乏領域内の電荷は移動性ではなく、渦電流またはRF信号の高調波の発生に寄与しない。しかし、従来技術では、少数電荷キャリアの蓄積が阻止されない場合、その蓄積によって反転領域がもたらされ、その反転領域はRF信号の電磁場に反応し、渦電流およびRF信号の高調波を発生する。本発明によれば、少数電荷キャリアの蓄積および反転領域の形成が防止されるように熱によって生成されるとすぐに少なくとも1つの第1の導電ビア79および少なくとも1つのドープ半導体領域18により少数電荷単体が排出され、それにより、渦電流、信号損失、およびRF信号の高調波の発生が低減される。
【0099】
一般に、誘導電荷層11の厚さは、少なくとも1つの電界効果トランジスタ内の信号周波数で経時的に変化する。換言すれば、誘導電荷層11における厚さ変化の頻度は、少なくとも1つの電界効果トランジスタ内の信号の無線周波数である。
【0100】
底部半導体層10がp型ドーピングを有する場合、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18および少なくとも1つの第1の導電ビア79に加えられるバイアス電圧は一定の正の電圧になる。あるケースでは、少数電荷キャリアの高速排出を保証し、反転領域の形成を防止するために、一定の正の電圧の大きさは、RF信号の最大の正の変動の大きさとほぼ同じであるか、またはそれより大きくなる。
【0101】
底部半導体層10がn型ドーピングを有する場合、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18および少なくとも1つの第1の導電ビア79に加えられるバイアス電圧は一定の負の電圧になる。あるケースでは、少数電荷キャリアの高速排出を保証し、反転領域の形成を防止するために、一定の負の電圧の大きさは、RF信号の最大の負の変動の大きさとほぼ同じであるか、またはそれより大きくなる。
【0102】
図27を参照すると、多数電荷キャリアが底部半導体層10の上部部分に向かって引きつけられるような無線周波信号のフェーズである場合、誘導電荷層11′は蓄積領域14を含む。これは、少なくとも1つの最上部半導体部分32がp型ドーピングを有する底部半導体層10に対して負の電圧である場合、または少なくとも1つの最上部半導体部分32がn型ドーピングを有する底部半導体層10に対して正の電圧である場合に発生する。
【0103】
任意選択で、底部半導体層10のボディにより、定電圧になるように底部半導体層10に電気的にバイアスをかけて、蓄積領域14の厚さを最小限にするか、または蓄積領域の生成を防止し、それにより、誘導電荷層11を常に空乏領域として維持することもできる(図26を参照)。本明細書ではこのような変形例も明確に企図されている。
【0104】
図28を参照すると、本発明の第3の実施形態による第3の模範的な半導体構造は、半導体基板8と、その上に形成された少なくとも1つの電界効果トランジスタと、中間工程(MOL)誘電体層80とを含む。半導体基板8は、第1の実施形態と同様に、底部半導体層10と、埋め込み絶縁体層20と、最上部半導体層30とを含む。最上部半導体層30は、少なくとも1つの最上部半導体部分32と浅いトレンチ分離構造33とを含む。
【0105】
底部半導体層10、埋め込み絶縁体層20、および最上部半導体層30の組成および厚さは、第1の実施形態と同じにすることができる。底部半導体層10の比抵抗も第1の実施形態と同じにすることができる。浅いトレンチ分離構造33は、第1の実施形態と同じ組成を有することができ、同じ方法で形成することができる。
【0106】
少なくとも1つの電界効果トランジスタは、当技術分野で既知の方法により、少なくとも1つの最上部半導体部分32上に形成される。具体的には、それぞれの電界効果トランジスタについて、1つのゲート誘電体40と、1つのゲート電極42と、1つのゲート・スペーサ44が形成される。電界効果トランジスタのゲート電極42およびゲート・スペーサ44を自己整合注入マスクとして使用してドーパントを注入することによって、それぞれの電界効果トランジスタの少なくとも1つの最上部半導体部分32内にソース領域(図示せず)およびドレイン領域(図示せず)も形成される。少なくとも1つの電界効果トランジスタ、少なくとも1つの最上部半導体部分32、および浅いトレンチ分離構造33の上には、中間工程(MOL)誘電体層80が形成される。MOL誘電体層80は、第1の実施形態を同じ材料を含み、同じ厚さを有することができる。
【0107】
図29を参照すると、MOL誘電体層80の上部表面にフォトレジスト67が塗布され、リソグラフィでパターン形成して、少なくとも1つの開口部Oが形成される。少なくとも1つの開口部Oのそれぞれは、透視平面図では、少なくとも1つの最上部半導体部分32の領域の外側かつ浅いトレンチ分離構造33の領域の内側に位置している。フォトレジスト67内の少なくとも1つの開口部Oのパターンは、反応性イオン・エッチングにすることもできる異方性エッチングによりMOL誘電体層80に転写される。フォトレジスト67は、異方性エッチング用のエッチング・マスクとして使用される。少なくとも1つのビア・キャビティ59は、フォトレジスト67の少なくとも1つの開口部Oの下に形成される。
【0108】
異方性エッチングは、浅いトレンチ分離構造33の上部表面を通り、埋め込み絶縁体層20の上部表面を通り、少なくとも底部半導体層10の上部表面まで続行される。好ましくは、異方性エッチングは、底部半導体層10の半導体材料に応じて選択される。たとえば、底部半導体層10がシリコンを含む場合、シリコンに応じて選択された、酸化シリコンなどの誘電体材料を除去する異方性エッチングを使用して、底部半導体層10の上部表面上で停止する選択性エッチングを行うことができる。
【0109】
底部半導体層10の上部表面は、少なくとも1つのビア・キャビティ59のそれぞれの底部で露出される。少なくとも1つのビア・キャビティ59のそれぞれは、MOL誘電体層80、浅いトレンチ分離構造33、および埋め込み絶縁体層20を通って形成される。換言すれば、少なくとも1つの第2のビア・キャビティ57のそれぞれは、MOL誘電体層80の上部表面から、MOL誘電体層80、浅いトレンチ分離構造33、および埋め込み絶縁体層20を通り、底部半導体層10の上部表面まで延びている。フォトレジスト67は、その後、除去される。
【0110】
第3の模範的な半導体構造の第1の構成では、少なくとも1つのビア・キャビティ59はビア・キャビティのアレイである。ビア・キャビティのアレイ内のそれぞれのビア・キャビティは、他のビア・キャビティに隣接しない離散的ビア・キャビティである。
【0111】
第3の模範的な半導体構造の第2の構成では、少なくとも1つのビア・キャビティ59は、互いに相互接続されている複数のビア・キャビティ部分を有する単一ビア・キャビティである。換言すれば、少なくとも1つのビア・キャビティ59は、MOL誘電体層80の上部表面と底部半導体層10の上部表面との間に横方向に接続されている複数のビア・キャビティ部分を含む。
【0112】
図30を参照すると、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18は、底部半導体層10の露出部分に第1の導電性タイプのドーパントを注入することによって形成される。注入されたドーパントが横方向に散在しているため、少なくとも1つのドープ半導体領域は、少なくとも1つのビア・キャビティ59の領域の外側に横方向に延び、埋め込み絶縁体層20の下部表面に垂直に隣接している。第1の実施形態と同じ方法をイオン注入に使用することができる。少なくとも1つのドープ半導体領域のそれぞれは、少なくとも1つのビア・キャビティ59の下部表面および埋め込み絶縁体層20の下部表面に垂直に隣接している。底部半導体層10が単結晶半導体材料を含む場合、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18も単結晶になる。
【0113】
本明細書ではそれより小さい厚さおよび大きい厚さも企図されているが、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18の厚さは、約10nm〜約600nmにすることができ、典型的には約50nm〜約300nmにすることができる。少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18は、典型的には、比抵抗を低減するために高濃度ドーピングされている。本明細書ではそれより低いドーパント濃度および高いドーパント濃度も企図されているが、少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18は、約1.0×1019/cm3〜約1.0×1021/cm3のドーパント濃度を有することができる。フォトレジスト67は、その後、MOL誘電体層80、浅いトレンチ分離構造33の露出された側壁、埋め込み絶縁体層20の露出された側壁、および少なくとも1つの第1のドープ半導体領域18に応じて選択的に除去される。
【0114】
図31、図32、図33、図34、および図35を参照すると、MOL誘電体層80には少なくとも1つの第1の導電ビア79が形成される。図31は、図32および図33に示されている第3の模範的な半導体構造の第1の構成と、図34および図35に示されている第3の模範的な半導体構造の第2の構成の共通垂直断面図である。図32は、明瞭にするためにMOL誘電体層80が省略されている、第3の模範的な半導体構造の第1の構成の変更された平面図である。図33は、図31の平面X−X’に沿った第3の模範的な半導体構造の第1の構成の水平断面図である。図34は、明瞭にするためにMOL誘電体層80が省略されている、第3の模範的な半導体構造の第2の構成の変更された平面図である。図35は、図31の平面X−X’に沿った第3の模範的な半導体構造の第2の構成の水平断面図である。図32、図33、図34、および図35の平面Z−Z’は、図31に示されている第3の模範的な半導体構造の共通垂直断面図に関する垂直断面図の平面に対応する。
【0115】
具体的には、少なくとも1つのビア・キャビティ59内に導電材料を付着させる。導電材料は、ドープ半導体材料または金属材料にすることができる。たとえば、導電材料は、ドープ・ポリシリコン、ドープ・シリコン含有半導体材料、ドープ化合物半導体材料、元素金属、少なくとも2種類の元素金属の合金、導電金属窒化物などにすることができる。MOL誘電体層80の上部表面の上の余分な導電材料は、たとえば、化学的機械的平坦化(CMP)、陥凹エッチング、またはこれらの組み合わせによって除去される。少なくとも1つのビア・キャビティ59内の導電材料の残りの部分は、少なくとも1つの第1の導電ビア79を構成する。少なくとも1つの第1の導電ビア79のそれぞれは、MOL誘電体層80の上部表面から、少なくと1つの第1のドープ半導体領域18の上部表面まで延びている。
【0116】
図32および図33に示されている第3の模範的な半導体構造の第1の構成では、少なくとも1つの第1の導電ビア79は導電ビアのアレイである。導電ビアのアレイ内の各導電ビアは、他の導電ビアから分離されており、すなわち、他の導電ビアに隣接しない。
【0117】
図34および図35に示されている第3の模範的な半導体構造の第2の構成では、少なくとも1つの第1の導電ビア79は、互いに相互接続されている複数の導電ビア部分を有する単一導電ビアである。換言すれば、少なくとも1つの第1の導電ビア79は、MOL誘電体層80の上部表面と底部半導体層10の上部表面との間に横方向に接続されている複数の導電ビア部分を含む。第2の構成では、少なくとも1つの第1の導電ビア79は、単体構造、すなわち、連続した一体型の単一コンタクト・ビアであり、少なくとも1つの電界効果トランジスタ全体を横方向に取り囲む。少なくとも1つの電界効果トランジスタが複数の電界効果トランジスタである場合、その複数の電界効果トランジスタのすべてを単一コンタクト・ビアによって横方向に囲むことができる。
【0118】
図36、図37、および図38を参照すると、MOL誘電体層80には第3の上部導電ビア88が形成される。図36は、図37に示されている第3の模範的な半導体構造の第1の構成と、図38に示されている第3の模範的な半導体構造の第2の構成の共通垂直断面図である。図37は、明瞭にするためにMOL誘電体層80が省略されている、第3の模範的な半導体構造の第1の構成の変更された平面図である。図38は、明瞭にするためにMOL誘電体層80が省略されている、第3の模範的な半導体構造の第2の構成の変更された平面図である。図37および図38の平面Z−Z’は、図36に示されている第3の模範的な半導体構造の共通垂直断面図に関する垂直断面図の平面に対応する。
【0119】
第3の上部導電ビア88は、最上部半導体層30の上およびその中に位置する少なくとも1つの電界効果トランジスタを含む半導体デバイスに接触する。第3の上部導電ビア88は最上部半導体層30の下部表面の下に延びていない。第3の上部導電ビア88は、リソグラフィ方法および異方性エッチングによって形成され、続いてドープ半導体材料または金属材料などの導電材料による充填および平坦化が行われる。第3の上部導電ビア88は、少なくとも1つの電界効果トランジスタのソース領域(個別に図示せず)、ドレイン領域(個別に図示せず)、およびゲート電極42のすぐ上に形成することができる。ソース領域およびドレイン領域は、少なくとも1つの最上部半導体部分32内に位置する。
【0120】
図39を参照すると、相互接続レベル誘電体層90、少なくとも1つの第1の相互接続レベル金属ライン94、および第3の相互接続レベル金属ライン98は、本発明の実施形態と同じ方法で形成される。第3の模範的な半導体構造は、上記の第2の模範的な半導体構造、たとえば、図26および図27の第2の模範的な半導体構造と同じように動作する。
【0121】
図40は、たとえば、半導体IC論理設計、シミュレーション、テスト、レイアウト、および製造に使用される模範的な設計フロー900のブロック図を示している。設計フロー900は、上記ならびに図2〜図18、図19、図20、図21、図22、図23〜図31、図32、図33、図34、図35、および図36〜図39に示されている設計構造またはデバイスあるいはその両方について論理的またはその他の点で機能的に同等の表現を生成するために設計構造またはデバイスを処理するためのプロセスおよびメカニズムを含む。設計フロー900によって処理または生成あるいはその両方が行われる設計構造は、データ処理システム上で実行またはその他の処理が行われたときに、ハードウェア・コンポーネント、回路、デバイス、またはシステムについて論理的、構造上、機械的、またはその他の点で機能的に同等の表現を生成するデータまたは命令あるいはその両方を含むように、機械可読伝送媒体または記憶媒体上にコード化することができる。設計フロー900は、設計される表現のタイプに応じて様々になる可能性がある。たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC)を構築するための設計フローは、標準的なコンポーネントを設計するための設計フロー900またはその設計をプログラマブル・アレイ、たとえば、Altera(R)社またはXilinx(R)社によって提供されるプログラマブル・ゲート・アレイ(PGA)またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)にインスタンス化するための設計フロー900とは異なる可能性がある。
【0122】
図40は、好ましくは設計プロセス910によって処理される入力設計構造920を含む、複数のこのような設計構造を示している。設計構造920は、ハードウェア・デバイスについて論理的に同等の機能表現を生産するために設計プロセス910によって生成され処理された論理シミュレーション設計構造にすることができる。また、あるいは代わって、設計構造920は、設計プロセス910によって処理されたときに、ハードウェア・デバイスの物理的構造の機能表現を生成するデータまたはプログラム命令あるいはその両方を含むことができる。機能的な設計特徴を表現するかまたは構造上の設計特徴を表現するかにかかわらず、設計構造は920は、中核開発者/設計者によって実装されるような電子コンピュータ援用設計(ECAD:electronic computer-aided design)を使用して生成することができる。機械可読データ伝送媒体、ゲート・アレイ、または記憶媒体上にコード化されたときに、設計構造920は、図2〜図18、図19、図20、図21、図22、図23〜図31、図32、図33、図34、図35、および図36〜図39に示されているものなどの電子コンポーネント、回路、電子モジュールまたは論理モジュール、装置、デバイス、またはシステムをシミュレートするかまたはその他の方法で機能的に表現するために、設計プロセス910内の1つまたは複数のハードウェア・モジュールまたはソフトウェア・モジュールあるいはその両方によってアクセスし処理することができる。このため、設計構造920は、設計またはシミュレーション・データ処理システムによって処理されたときに、回路またはその他のレベルのハードウェア論理設計を機能的にシミュレートするかまたはその他の方法で表現する、人間または機械あるいはその両方で読み取り可能なソース・コード、コンパイル済み構造、およびコンピュータで実行可能なコード構造を含むファイルまたはその他のデータ構造を含むことができる。このようなデータ構造は、VerilogおよびVHDLなどの下位レベルのHDL設計言語あるいはCまたはC++などの上位レベルの設計言語もしくはその両方に適合するかまたはそれと互換性があるかあるいはその両方であるハードウェア記述言語(HDL:hardware-description language)設計エンティティまたはその他のデータ構造を含むことができる。
【0123】
設計プロセス910は、好ましくは、図2〜図18、図19、図20、図21、図22、図23〜図31、図32、図33、図34、図35、および図36〜図39に示されているコンポーネント、回路、デバイス、または論理構造について機能的に同等の設計/シミュレーションの合成、変換、またはその他の処理を行って、設計構造920などの設計構造を含むことができるネットリスト980を生成するためのハードウェア・モジュールまたはソフトウェア・モジュールあるいはその両方を使用し、取り入れる。ネットリスト980は、たとえば、集積回路設計内の他の要素および回路への接続を記述する、ワイヤ、個別コンポーネント、論理ゲート、制御回路、入出力装置、モデルなどのリストを表すコンパイル済みまたはその他の処理済みのデータ構造を含むことができる。ネットリスト980は、デバイス用の設計仕様およびパラメータに応じてネットリスト980が1回または複数回再合成される反復プロセスを使用して合成することができる。本明細書に記載されている他の設計構造タイプと同様に、ネットリスト980は、機械可読データ記憶媒体上に記録するか、またはプログラマブル・ゲート・アレイにプログラミングすることができる。この媒体は、磁気または光ディスク・ドライブ、プログラマブル・ゲート・アレイ、コンパクト・フラッシュ、またはその他のフラッシュ・メモリなどの不揮発性記憶媒体にすることができる。さらに、または代わりに、この媒体は、インターネットまたはその他のネットワーキングに適した手段を介してデータ・パケットを伝送し、中間的に保管することができる、システム・メモリまたはキャッシュ・メモリ、バッファ・スペース、あるいは電気的または光学的に伝導性のデバイスおよび材料にすることができる。
【0124】
設計プロセス910は、ネットリスト980を含む様々な入力データ構造タイプを処理するためのハードウェア・モジュールおよびソフトウェア・モジュールを含むことができる。このようなデータ構造タイプは、たとえば、ライブラリ・エレメント930内に常駐し、所与の製造技術(たとえば、種々の技術ノード、32nm、45nm、90nmなど)に関するモデル、レイアウト、およびシンボリック表現を含む、1組の一般的に使用されるエレメント、回路、およびデバイスを含むことができる。このデータ構造タイプは、設計仕様940、特徴付けデータ950、検証データ960、設計ルール970、および入力テスト・パターン、出力テスト結果、およびその他のテスト情報を含むことができるテスト・データ・ファイル985をさらに含むことができる。設計プロセス910は、たとえば、応力解析、熱分析、機械的イベント・シミュレーション、鋳造、成形、金型プレス成形などの操作に関するプロセス・シミュレーションなどの標準的な機械設計プロセスをさらに含むことができる。機械設計の当業者であれば、本発明の範囲および精神を逸脱せずに設計プロセス910で使用される可能性のある機械設計ツールおよびアプリケーションの範囲を正しく認識できるであろう。また、設計プロセス910は、タイミング解析、検証、設計基準検査、配置および経路指定操作などの標準的な回路設計プロセスを実行するためのモジュールも含むことができる。
【0125】
設計プロセス910は、任意の追加の機械設計またはデータ(適用可能である場合)に加えて、描写されているサポート・データ構造の一部または全部とともに設計構造920を処理するためのHDLコンパイラおよびシミュレーション・モデル構築ツールなどの論理および物理設計ツールを使用し、取り入れて、第2の設計構造990を生成する。設計構造990は、機械的装置および構造のデータの交換に使用されるデータ・フォーマットで記憶媒体またはプログラマブル・ゲート・アレイ上に常駐する(たとえば、このような機械設計構造を保管または表現するためにIGES、DXF、Parasolid XT、JT、DRG、または任意のその他の適切なフォーマットで保管される情報)。設計構造920と同様に、設計構造990は、好ましくは、伝送媒体またはデータ記憶媒体上に常駐し、ECADシステムによって処理されたときに、図2〜図18、図19、図20、図21、図22、図23〜図31、図32、図33、図34、図35、および図36〜図39に示されている本発明の諸実施形態のうちの1つまたは複数について論理的またはその他の点で機能的に同等の形式を生成する、1つまたは複数のファイル、データ構造、あるいは、その他のコンピュータでコード化されたデータまたは命令を含む。一実施形態では、設計構造990は、図2〜図18、図19、図20、図21、図22、図23〜図31、図32、図33、図34、図35、および図36〜図39に示されているデバイスを機能的にシミュレートする、コンパイル済みの実行可能HDLシミュレーション・モデルを含むことができる。
【0126】
設計構造990は、集積回路のレイアウト・データの交換に使用されるデータ・フォーマットまたはシンボリック・データ・フォーマットあるいはその両方を使用することもできる(たとえば、このような設計データ構造を保管するためにGDSII(GDS2)、GL1、OASIS、マップ・ファイル、または任意のその他の適切なフォーマットで保管される情報)。設計構造990は、たとえば、上記ならびに図2〜図18、図19、図20、図21、図22、図23〜図31、図32、図33、図34、図35、および図36〜図39に示されているデバイスまたは構造を生産するために製造業者またはその他の設計者/開発者が必要とするシンボリック・データ、マップ・ファイル、テスト・データ・ファイル、設計内容ファイル、製造データ、レイアウト・パラメータ、ワイヤ、金属のレベル、ビア、形状、製造ラインを通過するためのデータ、および任意のその他のデータなどの情報を含むことができる。次に、設計構造990はステージ995に移行することができ、そのステージでは、たとえば、設計構造990について、テープ出力への移行、製造業者への公開、マスク業者への公開、他の設計業者への送信、顧客への返送などが行われる。
【0127】
特定の諸実施形態に関して本発明を説明してきたが、上記の説明を考慮すると、当業者にとって多数の代替例、変更例、および変形例が自明のものであることは明白である。したがって、本発明は、本発明の範囲および精神ならびに特許請求の範囲に該当する、このような代替例、変更例、および変形例をすべて包含するものである。
【符号の説明】
【0128】
8 半導体基板
10 底部半導体層
11 誘導電荷層
18 第1のドープ半導体領域
20 埋め込み絶縁体層
28 第2のドープ半導体領域
30 最上部半導体層
32 最上部半導体部分
33 浅いトレンチ分離構造
37 第2の下部導電ビア
40 ゲート誘電体
42 ゲート電極
44 ゲート・スペーサ
47 第1の下部導電ビア
77 第1の上部導電ビア
79 第1の導電ビア
80 中間工程(MOL)誘電体層
87 第2の上部導電ビア
88 第3の上部導電ビア
89 第2の導電ビア
90 相互接続レベル誘電体層
94 第1の相互接続レベル金属ライン
98 第3の相互接続レベル金属ライン
99 第2の相互接続レベル金属ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造を形成する方法であって、
第1の導電性タイプのドーピングを有する底部半導体層を含むセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板の最上部半導体層上に少なくとも1つの電界効果トランジスタを形成するステップと、
前記最上部半導体層内に浅いトレンチ分離構造を形成するステップであって、前記浅いトレンチ分離構造が前記少なくとも1つの電界効果トランジスタに横方向に隣接し、それを取り囲むステップと、
前記底部半導体層内にドープ半導体領域を形成するステップであって、前記ドープ半導体領域が埋め込み絶縁体層に隣接し、第2の導電性タイプのドーピングを有し、前記第2の導電性タイプが前記第1の導電性タイプとは正反対であり、前記ドープ半導体領域の少なくとも一部分が前記少なくとも1つの電界効果トランジスタの一部分の下にあるステップと、
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタおよび前記浅いトレンチ分離構造の上に中間工程(MOL)誘電体層を形成するステップと、
前記MOL誘電体層の上部表面から、前記MOL誘電体層、前記浅いトレンチ分離構造、前記埋め込み絶縁体層を通り、前記ドープ半導体領域まで延びる、少なくとも1つの導電ビアを形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記MOL誘電体層の前記上部表面から前記底部半導体層の前記上部表面まで延びる少なくとも1つのビア・キャビティを形成するステップと、
前記少なくとも1つのビア・キャビティを導電材料で充填するステップであって、前記少なくとも1つの導電ビアが、前記少なくとも1つのビア・キャビティを充填する前記導電材料によって形成されるステップと、
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの導電ビアのそれぞれが単体構造であり、前記MOL誘電体層の前記上部表面から前記第1のドープ半導体領域の上部表面および前記第2のドープ半導体領域の上部表面まで延びる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記浅いトレンチ分離構造の上部表面から前記底部半導体層の前記上部表面まで延びる少なくとも1つのビア・キャビティを形成するステップと、
前記少なくとも1つのビア・キャビティを導電材料で充填するステップであって、少なくとも1つの下部導電ビアが、前記少なくとも1つのビア・キャビティを充填する前記導電材料によって形成されるステップと、
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの導電ビアのそれぞれが、下部コンタクト・ビアと上部コンタクト・ビアの垂直に隣接するスタックを含み、前記上部コンタクト・ビアの上部表面が前記MOL誘電体層の前記上部表面まで延び、前記下部コンタクト・ビアの下部表面が前記底部半導体層の前記上部表面まで延びる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの導電ビアが単体構造のコンタクト・ビアを含み、前記少なくとも1つの電界効果トランジスタ全体を横方向に取り囲む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
半導体構造を形成する方法であって、
第1の導電性タイプのドーピングを有する底部半導体層を含むセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板の最上部半導体層上に少なくとも1つの電界効果トランジスタを形成するステップと、
前記最上部半導体層内に浅いトレンチ分離構造を形成するステップであって、前記浅いトレンチ分離構造が前記少なくとも1つの電界効果トランジスタに横方向に隣接し、それを取り囲むステップと、
前記底部半導体層内に第1のドープ半導体領域を形成するステップであって、前記第1のドープ半導体領域が埋め込み絶縁体層に隣接し、第2の導電性タイプのドーピングを有し、前記第2の導電性タイプが前記第1の導電性タイプとは正反対であるステップと、
前記底部半導体層内に第2のドープ半導体領域を形成するステップであって、前記第2のドープ半導体領域が前記埋め込み絶縁体層に隣接し、前記第1の導電性タイプのドーピングを有するステップと、
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタおよび前記浅いトレンチ分離構造の上に中間工程(MOL)誘電体層を形成するステップと、
前記MOL誘電体層の上部表面から、前記MOL誘電体層、前記浅いトレンチ分離構造、前記埋め込み絶縁体層を通り、前記ドープ半導体領域まで延びる、少なくとも1つの第1の導電ビアを形成するステップと、
前記MOL誘電体層の前記上部表面から、前記MOL誘電体層、前記浅いトレンチ分離構造、前記埋め込み絶縁体層を通り、前記ドープ半導体領域まで延びる、少なくとも1つの第2の導電ビアを形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記MOL誘電体層の前記上部表面から前記底部半導体層の前記上部表面まで延びる少なくとも2つのビア・キャビティを形成するステップと、
前記少なくとも2つのビア・キャビティを導電材料で充填するステップであって、前記少なくとも1つの第1の導電ビアおよび前記少なくとも1つの第2の導電ビアが、前記少なくとも2つのビア・キャビティを充填する前記導電材料によって形成されるステップと、
をさらに含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の導電ビアおよび前記少なくとも1つの第2の導電ビアのそれぞれが単体構造であり、前記MOL誘電体層の前記上部表面から前記底部半導体層の前記上部表面まで延びる、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記浅いトレンチ分離構造の上部表面から前記底部半導体層の前記上部表面まで延びる少なくとも2つのビア・キャビティを形成するステップと、
前記少なくとも2つのビア・キャビティを導電材料で充填するステップであって、少なくとも2つの下部導電ビアが前記少なくとも2つのビア・キャビティを充填する前記導電材料によって形成され、前記少なくとも2つの下部導電ビアの1つが前記少なくとも1つの第1の導電ビアの1つの一部分を構成し、前記2つの下部導電ビアのもう1つが前記少なくとも2つの導電ビアの1つの一部分を構成するステップと、
をさらに含む、請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1の導電ビアおよび前記少なくとも1つの第2の導電ビアのそれぞれが、下部コンタクト・ビアと上部コンタクト・ビアの垂直に隣接するスタックを含み、前記上部コンタクト・ビアの上部表面が前記MOL誘電体層の前記上部表面まで延び、前記下部コンタクト・ビアの下部表面が前記第1のドープ半導体領域の上部表面および前記第2のドープ半導体領域の上部表面のうちの一方まで延びる、請求項7記載の方法。
【請求項12】
半導体デバイスを設けるステップであって、
最上部半導体層と、埋め込み絶縁体層と、第1の導電性タイプのドーピングを有する底部半導体層とを含む、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板と、
前記最上部半導体層上に位置する少なくとも1つの電界効果トランジスタと、
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタに横方向に隣接する浅いトレンチ分離構造と、
前記底部半導体層に埋め込まれ、前記埋め込み絶縁体層に隣接し、第2の導電性タイプのドーピングを有するドープ半導体領域であって、前記第2の導電性タイプが前記第1の導電性タイプとは正反対である、ドープ半導体領域と、
中間工程(MOL)誘電体層の上部表面から、前記MOL誘電体層、前記浅いトレンチ分離構造、および前記埋め込み絶縁体層を通り、前記ドープ半導体領域の上部表面まで延びる、少なくとも1つの導電ビアと、
を含む半導体デバイスを設けるステップと、
無線周波(RF)信号を前記少なくとも1つの電界効果トランジスタに印加するステップであって、誘導電荷層が前記埋め込み絶縁体層のすぐ下に形成されるステップと、
前記ドープ半導体領域と前記少なくとも1つの導電ビアに電気的にバイアスをかけるステップであって、前記ドープ半導体領域が前記誘導電荷層内の空乏領域に隣接し、前記RF信号の1サイクル全体を通して前記底部半導体層の少数電荷キャリアを排出するステップと、
を含む、半導体デバイスを操作する方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタが、3Hz〜300GHzの周波数を有する信号用の無線周波スイッチを構成する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記底部半導体層がp型ドーピングを有し、前記ドープ半導体領域がn型ドーピングを有し、前記ドープ半導体領域および前記少なくとも1つの導電ビアに加えられるバイアス電圧が一定の正の電圧であり、前記一定の正の電圧の大きさが、前記RF信号の最大の正の変動(スイング)の大きさとほぼ同じであるか、またはそれより大きくなる、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記底部半導体層がn型ドーピングを有し、前記ドープ半導体領域がp型ドーピングを有し、前記ドープ半導体領域および前記少なくとも1つの導電ビアに加えられるバイアス電圧が一定の負の電圧であり、前記一定の負の電圧の大きさが、前記RF信号の最大の負の変動の大きさとほぼ同じであるか、またはそれより大きくなる、請求項12記載の方法。
【請求項16】
最上部半導体層と、埋め込み絶縁体層と、第1の導電性タイプのドーピングを有する底部半導体層とを含む、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板と、
前記最上部半導体層上に位置する少なくとも1つの電界効果トランジスタと、
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタに横方向に隣接する浅いトレンチ分離構造と、
前記底部半導体層に埋め込まれ、前記埋め込み絶縁体層に隣接し、第2の導電性タイプのドーピングを有するドープ半導体領域であって、前記第2の導電性タイプが前記第1の導電性タイプとは正反対であり、前記ドープ半導体領域の一部分が前記少なくとも1つの電界効果トランジスタの一部分の下にある、ドープ半導体領域と、
中間工程(MOL)誘電体層の上部表面から、前記MOL誘電体層、前記浅いトレンチ分離構造、および前記埋め込み絶縁体層を通り、前記ドープ半導体領域の上部表面まで延びる、少なくとも1つの導電ビアと、
を含む、半導体構造。
【請求項17】
その大きさが前記少なくとも1つの電界効果トランジスタ内の信号により前記底部半導体層に誘導される最大表面電位より大きい電圧まで、前記ドープ半導体領域に電気的にバイアスをかける、請求項16記載の半導体構造。
【請求項18】
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタに印加された無線周波信号によって誘導され、前記第2のドープ領域に隣接し、前記底部半導体層の上部部分内に位置し、前記底部半導体層の少数電荷キャリアの電荷を含む誘導電荷層をさらに含む、請求項16記載の半導体構造。
【請求項19】
前記誘導電荷層の全体が、蓄積モードまたは反転モードに励起されずに前記無線周波信号の1サイクル全体を通して空乏モードになる、請求項18記載の半導体構造。
【請求項20】
最上部半導体層と、埋め込み絶縁体層と、第1の導電性タイプのドーピングを有する底部半導体層とを含む、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板と、
前記最上部半導体層上に位置する少なくとも1つの電界効果トランジスタと、
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタに横方向に隣接する浅いトレンチ分離構造と、
前記底部半導体層に埋め込まれ、前記埋め込み絶縁体層に隣接し、第2の導電性タイプのドーピングを有する第1のドープ半導体領域であって、前記第2の導電性タイプが前記第1の導電性タイプとは正反対である、第1のドープ半導体領域と、
前記底部半導体層に埋め込まれ、前記埋め込み絶縁体層に隣接し、前記第1の導電性タイプのドーピングを有し、前記第1のドープ半導体領域に隣接しない第2のドープ半導体領域と、
中間工程(MOL)誘電体層の上部表面から、前記MOL誘電体層、前記浅いトレンチ分離構造、および前記埋め込み絶縁体層を通り、前記第1のドープ半導体領域の上部表面まで延びる、少なくとも1つの第1の導電ビアと、
前記中間工程(MOL)誘電体層の前記上部表面から、前記MOL誘電体層、前記浅いトレンチ分離構造、および前記埋め込み絶縁体層を通り、前記第2のドープ半導体領域の上部表面まで延びる、少なくとも1つの第2の導電ビアと、
を含む、半導体構造。
【請求項21】
前記第1のドープ半導体領域が前記少なくとも1つの電界効果トランジスタの一部分の下にある、請求項20記載の半導体構造。
【請求項22】
前記少なくとも1つの第1の導電ビアおよび前記少なくとも1つの第2の導電ビアのそれぞれが、下部コンタクト・ビアと上部コンタクト・ビアの垂直に隣接するスタックを含み、前記上部導電ビアの上部表面が前記MOL誘電体層の前記上部表面まで延び、前記下部導電ビアの下部表面が前記ドープ半導体領域の前記上部表面まで延びる、請求項20記載の半導体構造。
【請求項23】
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタに印加された無線周波信号によって誘導され、前記底部半導体層の上部部分内に位置し、前記第2のドープ領域に隣接する空乏領域を含む誘導電荷層をさらに含む、請求項20記載の半導体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2010−153786(P2010−153786A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224423(P2009−224423)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】