説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】論理素子のnチャネルMOSトランジスタに十分な膜厚の引張応力膜を形成し、メモリ素子がゲート電極間の層間絶縁膜の埋込不良を生じない製造方法の提供。
【解決手段】論理素子は、第1及び第2のnチャネルMOSトランジスタを含み、第1のゲート高さGH1及び第1のゲート長を有するゲート電極を有し、ゲート電極は第1の間隔Dを有し、メモリ素子は、第3および第4のnチャネルMOSトランジスタを含み、ゲート高さGH2および第2のゲート長を有するゲート電極を含み、論理素子及びメモリ素子は第1の引張応力膜64で覆われ、論理素子は、さらに第2の引張応力膜65で覆われ、論理素子及びメモリ素子のゲート間に形成された引張応力膜の最小距離は各々第1の距離L及び第1の距離Lで隔てられ、第1のアスペクト比(GH1/L)と、第2のアスペクト比(GH2/L)とは略等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微細化技術の進歩に伴い、今日では30nmを切るゲート長を有する超微細化・超高速半導体装置が可能になっている。
【0003】
このような超微細化・超高速トランジスタでは、ゲート電極直下のチャネル領域の面積が、従来の半導体装置に比較して非常に小さく、このためチャネル領域を走行する電子あるいはホールの移動度は、このようなチャネル領域に印加された応力により大きな影響を受ける。そこで、このようなチャネル領域に印加される応力を最適化して、半導体装置の動作速度を向上させる試みが数多くなされている。
【0004】
例えばnチャネル型MOSトランジスタにおいてゲート電極を引張り応力膜で覆い、前記ゲート電極をチャネル領域に押圧することにより、前記チャネル領域に一軸性引張応力が印加されたのと同様な歪みを誘起し、電子の移動度を向上させることにより動作速度を向上させる技術が知られている。
【0005】
また今日では、同一の半導体基板上に、このような応力膜により動作速度を向上させた超微細化・超高速半導体装置をロジック素子に使う一方、SRAMなどのメモリ装置をさらに集積化した混載半導体装置に対する要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−66484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
今日、このような超微細化・超高速半導体装置では、微細化によるゲート長の短縮に伴い半導体基板上において隣接するゲート電極とゲート電極の間隔、すなわちピッチも減少し、十分な膜厚の応力膜を形成するのが困難になりつつある。
【0008】
図1は、高速論理回路などに使われる、従来の引張り応力膜を有するMOSトランジスタの例を示す。
【0009】
図1を参照するに、シリコン基板11上には素子分離領域11Iにより素子領域11Aが画成されており、前記素子領域11Aにはn型ウェル11NWが形成されている。
【0010】
前記素子領域11Aにはそれぞれのゲート絶縁膜12Aおよび12Bを介して第1のゲート電極13Aと第2のゲート電極13Bとが、互いに平行に形成されており、前記素子領域11A中、前記ゲート電極13Aの一方にはn型のソースエクステンション領域11aが、また他方にはn型のドレインエクステンション領域11bが形成されている。また前記素子領域11A中、前記ゲート電極13Bの一方にはn型のソースエクステンション領域11cが、また他方にはn型のドレインエクステンション領域11dが形成されている。図示の例では前記ソースエクステンション領域11aは前記ゲート電極13Aの、前記ゲート電極13Bから遠い側に形成されており、前記ドレインエクステンション領域11bは前記ゲート電極13Aの、前記ゲート電極13Bに近い側に形成されている。また前記ソースエクステンション領域11cは前記ゲート電極13Bの、前記ゲート電極13Aに近い側に形成されており、前記ドレインエクステンション領域11dは前記ゲート電極13Bの、前記ゲート電極13Aから遠い側に形成されている。
【0011】
前記ゲート電極13Aの相対向する側壁面には側壁絶縁膜13Wが形成されており、また前記ゲート電極13Bの相対向する側壁面には側壁絶縁膜13Wが形成されている。
【0012】
さらに前記素子領域11Aには、前記ゲート電極13A直下のチャネル領域11Cから見て前記側壁絶縁膜13Wのそれぞれの外側に、前記ソースエクステンション領域11aに部分的に重畳してn+型のソース領域11eが、また前記ドレインエクステンション領域11bに部分的に重畳してn+型のドレイン領域11fが形成されている。同様に前記素子領域11Aには、前記ゲート電極13B直下のチャネル領域11Cから見て前記側壁絶縁膜13Wのそれぞれの外側に、前記ソースエクステンション領域11cに部分的に重畳してn+型のソース領域11gが、また前記ドレインエクステンション領域11dに部分的に重畳してn+型のドレイン領域11hが形成されている。ここで前記ソース領域11eは前記チャネル領域11Cに対し前記チャネル領域11Cとは反対の側に形成されており、またドレイン領域11hは前記チャネル領域11Cに対し前記チャネル領域11Cとは反対の側に形成されている。また前記ドレイン領域11fおよびソース領域11gは同一のn+型拡散領域よりなり、ゲート電極13Aを有するトランジスタとゲート電極13Bを有するトランジスタにより共有されている。
【0013】
図1の構成では、さらに前記ソース領域11e、ドレイン領域11f従ってソース領域11g、ドレイン領域11h、ゲート電極13Aおよび13B上にシリサイド層11Sがそれぞれ形成され、さらに前記シリコン基板11上には前記ゲート電極13A,13Bおよびそれぞれの側壁絶縁膜13W,13Wを覆って、引張り応力を蓄積した引張り応力膜14が形成されている。前記引張応力膜14は前記ゲート電極13A,13Bを前記シリコン基板11の表面に押圧するように作用し、前記チャネル領域11C,11Cに、ゲート長方向に一軸性引張応力が作用した場合と同様の歪みを誘起する。このような歪みによりシリコンのバンド構造が前記チャネル領域11C,11Cにおいて変形し、電子のゲート長方向への移動度が向上する。
【0014】
さらに前記シリコン基板11上には前記引張り応力膜14を覆って層間絶縁膜15が形成されている。
【0015】
このような構造の半導体装置において微細化が進みゲート電極13Aとゲート電極13Bの間の距離Dが短縮されると、前記引張り応力膜14のうち、図中に距離Lで示すゲート電極13Aおよびゲート電極13Bを覆って相対向する部分の間隔も減少し、前記引張り応力膜14を覆って層間絶縁膜15を形成した場合、このようなゲート電極13Aとゲート電極13Bの間において、図1中に破線で示すように埋め込み不良によるボイド15xが発生する恐れがある。このため、前記引張応力膜14を十分な膜厚で形成することが困難になる。このようなボイド15xはゲート電極13A,13Bに沿って延在する傾向があるため、前記層間絶縁膜15中に前記ドレイン領域11fに対応してコンタクトホールを形成し、これをタングステン(W)などの導体で充填した場合、形成されるビアプラグがゲート電極13A,13Bに沿って拡がってしまい、隣接する半導体装置と短絡を生じるなどの不具合が生じる恐れがある。
【0016】
このため最近の例えばゲート長が28nmの世代の半導体装置などでは、前記引張応力膜14として膜厚が10nm以下の膜しか形成することができなくなっているが、これに伴い、応力印加による動作速度の向上もせいぜい2%程度にとどまってしまうという問題が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
半導体装置は、第1および第2の素子領域を有する半導体基板と、前記第1の素子領域に形成された論理素子と、前記第2の素子領域に形成されたメモリ素子と、前記論理素子と前記メモリ素子とを覆う層間絶縁膜と、を備え、前記論理素子は、前記第1の素子領域において相互に隣接して形成された第1および第2のnチャネルMOSトランジスタを含み、前記第1のnチャネルMOSトランジスタは、第1のゲート高さおよび第1のゲート長を有する第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極の側壁面に形成された第1の側壁絶縁膜と、を含み、前記第2のnチャネルMOSトランジスタは、前記第1のゲート高さおよび前記第1のゲート長を有する第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極の側壁面に形成された第2の側壁絶縁膜と、を含み、前記第1および第2のゲート電極は、前記第1の素子領域において第1の間隔を有し、前記論理素子はさらに、前記第1の素子領域において前記第1および第2のゲート電極を、前記第1および第2の側壁絶縁膜を含めて第1の膜厚で覆う第1の引張応力膜と、前記第1の素子領域において前記第1の引張応力膜を前記第2の膜厚で覆う第2の引張応力膜と、を含み、前記メモリ素子は、前記第2の素子領域において相互に隣接して形成された第3および第4のnチャネルMOSトランジスタを含み、前記第3のnチャネルMOSトランジスタは、第2のゲート高さおよび前記第1のゲート長よりも長い第2のゲート長を有する第3のゲート電極と、前記第3のゲート電極の側壁面に形成された第3の側壁絶縁膜と、を含み、前記第4のnチャネルMOSトランジスタは、前記第2のゲート高さおよび前記第2のゲート長を有する第4のゲート電極と、前記第4のゲート電極の側壁面に形成された第4の側壁絶縁膜と、を含み、前記第3および第4のゲート電極は、前記第2の素子領域において前記第1の間隔を有し、前記第2の引張応力膜は前記第2の素子領域において、前記第3および第4のゲート電極を、前記第3および第4の側壁絶縁膜を含めて前記第2の膜厚で覆い、前記第1および第2のゲート電極の間において、前記第2の引張応力膜のうち、前記第1の側壁絶縁膜に設けられた第1の部分と前記第2の引張応力膜のうち、前記第2の側壁絶縁膜に設けられた第2の部分とは、最も近接した部分において第1の距離で相互に隔てられており、前記第3および第4のゲート電極の間において、前記第2の引張応力膜のうち、前記第3の側壁絶縁膜に設けられた第3の部分と前記第2の引張応力膜のうち、前記第4の側壁絶縁膜に設けられた第4の部分とは、最も近接した部分において第2の距離で相互に隔てられており、前記第1のゲート高さを前記第1の距離で割った第1のアスペクト比と、前記第2のゲート高さを前記第2の距離で割った第2のアスペクト比とは略等しい。
【0018】
他の側面によれば半導体装置の製造方法は、半導体基板の第1の素子領域に、第1のゲート電極を有する第1のnチャネルMOSトランジスタおよび第2のゲート電極を有するnチャネルMOSトランジスタを、互いに隣接して第1のゲート長および第1のゲート高さで形成し、また前記半導体基板の第2の素子領域に、第3のゲート電極を有する第3のnチャネルMOSトランジスタおよび第4の電極を有する第4のnチャネルMOSトランジスタを、互いに隣接して前記第1のゲート長より長い第2のゲート長と前記第1のゲート高さと同じ第2のゲート高さで形成する工程と、前記第1および第2の素子領域にわたり第1の引張応力膜を、前記第1の素子領域においては前記第1および第2のゲート電極を覆って、また前記第2の素子領域においては前記第3および第4のゲート電極を覆って、第1の膜厚で形成する工程と、前記第1の引張応力膜を、前記第2の素子領域において選択的に除去する工程と、前記第1および第2の素子領域にわたり第2の引張応力膜を、前記第1の素子領域においては前記第1の引張応力膜を覆って、また前記第2の素子領域においては前記第3および第4のゲート電極を覆って、第2の膜厚で形成する工程と、前記第1および第2の素子領域にわたり、前記第2の引張応力膜上に層間絶縁膜を形成し、前記第1の素子領域においては前記第1および第2のnチャネルMOSトランジスタを埋め込み、前記第2の素子領域においては前記第3および第4のnチャネルMOSトランジスタを埋め込む工程と、を含み、前記第1および第2のゲート電極の間において、前記第2の引張応力膜のうち、前記第1の側壁絶縁膜に設けられた第1の部分と前記第2の引張応力膜のうち、前記第2の側壁絶縁膜に設けられた第2の部分とは、最も近接した部分において第1の距離で相互に隔てられており、前記第3および第4のゲート電極の間において、前記第2の引張応力膜のうち、前記第3の側壁絶縁膜に設けられた第3の部分と前記第2の引張応力膜のうち、前記第4の側壁絶縁膜に設けられた第4の部分とは、最も近接した部分において第2の距離で相互に隔てられており、前記第1の引張応力膜の第1の膜厚と前記第2の引張応力膜の第2の膜厚とは、前記第1のゲート高さを前記第1の距離で割った第1のアスペクト比と、前記第2のゲート高さを前記第2の距離で割った第2のアスペクト比とは略等しくなるように設定される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、高速動作が要求される論理素子のnチャネルMOSトランジスタにおいて十分な膜厚の引張応力膜を形成する一方で、高い集積密度が要求されるメモリ素子においてはゲート電極間のアスペクト比を、層間絶縁膜による埋込が可能な程度に抑制することができ、高速動作する論理素子と高い集積密度のメモリ素子とを、層間絶縁膜の埋込不良を生じることなく、安定に高い歩留まりで製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来の半導体装置の問題点を説明する断面図である。
【図2】第1の実施形態による半導体装置の概略的構成を示す平面図である。
【図3A】図2の半導体装置で使われるSRAMの構成を示す平面図である。
【図3B】図3A中、線A−A’に沿った断面図である。
【図3C】図3A中、線B−B’に沿った断面図である。
【図4】図3A〜図3CのSRAMの等価回路図である。
【図5】図2の半導体装置で使われるCMOS素子の構成を示す平面図である。
【図6】図5中、線C−C’に沿った断面図である。
【図7】図5中、線D−D’に沿った断面図である。
【図8】図3Bの断面図と図6の断面図を比較して示す図である。
【図9A】第1の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図9B】第1の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図9C】第1の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図9D】第1の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図9E】第1の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図9F】第1の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図9G】第1の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施形態]
図2は、第1の実施形態によるメモリ素子とロジック素子を集積化した半導体装置50の概略的構成を示す平面図である。
【0022】
図2を参照するに、前記半導体装置50は素子分離領域21Iを有するシリコン基板21上に形成されており、前記素子分離領域21I中にはメモリとしてSRAM20の素子領域と、ロジック素子としてCMOS素子60の素子領域とが画成されている。
【0023】
図3Aは、前記SRAM20の1メモリセル分のレイアウトを示す平面図、図3Bは図3A中、線A−A’に沿った断面図、図3Cは図3A中、線B−B’に沿った断面図である。また図4は前記SRAM20の等価回路図を示す。
【0024】
先に図4の等価回路図を参照するに、前記SRAM20はpチャネルMOSトランジスタよりなる第1のロードトランジスタLTとnチャネルMOSトランジスタよりなる第1のドライバトランジスタDTを直列接続した第1のCMOSインバータIと、pチャネルMOSトランジスタよりなる第2のロードトランジスタLTとnチャネルMOSトランジスタよりなる第2のドライバトランジスタLDを直列接続した第2のCMOSインバータIとよりなるフリップフロップ回路FFを含み、前記第1のロードトランジスタLTと第1のドライバトランジスタDTを接続する接続ノードNは、nチャネルMOSトランジスタよりなりワードラインWLにより制御される第1のトランスファトランジスタTFを介して第1のビットラインBLに接続される。同様に、前記第2のロードトランジスタLTと第1のドライバトランジスタDTを接続する接続ノードNは、nチャネルMOSトランジスタよりなりワードラインWLにより制御される第2のトランスファトランジスタTFを介して、前記第1のビットラインの相補的ビットライン/BLに接続される。
【0025】
次に図3Aの平面図を参照するに、前記SRAM20はSTI型の素子分離領域21Iが形成されたp型シリコン基板21上に形成されており、前記素子分離領域21Iには、前記p型シリコン基板21上をビット線方向BL、すなわち列方向に連続的に、かつ相互に平行に、かつ離間して延在する第1および第2のp型活性領域21A,21Aが画成されている。また前記素子分離領域21Iには前記第1および第2のp型活性領域21A,21Aの間に、ビット線方向BLに限られた距離だけ互いに平行に延在する第3および第4のn型活性領域21B,21Bが、前記n型活性領域21Bが前記p型活性領域21Aと前記n型活性領域21Bの間に位置するように、さらに前記n型活性領域21Bが前記p型活性領域21Aと前記n型活性領域21Bの間に位置するように、画成されている。
【0026】
図3A中、破線は一つのメモリセル20Lの境界を示すが、前記活性領域21A上にはかかるメモリセルの境界の一方の交点の近傍に、第1の電源電圧Vssを供給される電源コンタクトVが、また他方の交点にビット線BLに接続されるビットラインコンタクトVが形成されている。また前記活性領域21A上には前記電源コンタクトVに対して点対称な位置に、前記電源電圧Vssを供給される電源コンタクトVが、また前記ビットラインコンタクトVに対して点対称な位置に、前記ビット線BLに対し相補的なビット線/BLに接続されるビットラインコンタクトVが形成されている。ただし前記ビアコンタクトVは、前記活性領域21Aから左方に延在する延在部21aに形成され、左隣のメモリセルと共有されている。同様に前記ビアコンタクトVは、前記活性領域21Aから右方に延在する延在部21aに形成され、右隣のメモリセルと共有されている。
【0027】
さらに前記活性領域21Bには、前記メモリセルの境界との交点に対応して、第2の電源電圧Vddを供給される電源コンタクトVが形成されており、また前記活性流域21Bには、前記電源コンタクトVに対して点対称な位置に前記電源電圧Vddを供給される電源コンタクトVが形成されている。
【0028】
前記活性領域21A上には、前記電源コンタクトVとビット線コンタクトVの間に図4のドライバトランジスタDTとトランスファトランジスタTFとが順次形成されており、前記ドライバトランジスタDTのゲート電極21Gが、前記活性領域21Bを横切ってワード線方向、すなわち行方向に前記活性領域21Bに向かって延在し、前記活性領域21Bの端にビアコンタクトVにおいて接続されている。その際、前記活性領域21Bとゲート電極21Gの交点には、前記SRAM20のロードトランジスタLTが形成される。
【0029】
同様に前記活性領域11A上には、前記電源コンタクトVとビット線コンタクトVの間に図4のドライバトランジスタDTとトランスファトランジスタTFとが順次形成されており、前記ドライバトランジスタDTのゲート電極21Gが、前記活性領域21Bを横切ってワード線方向、すなわち行方向に前記活性領域21Bに向かって延在し、前記活性領域21Bの端にビアコンタクトVにおいて接続されている。その際、前記活性領域21Bとゲート電極21Gの交点には、前記ロードトランジスタLTが形成される。
【0030】
さらに前記活性領域21Aと活性領域21Bとは、前記トランジスタDTとTFの間のビアコンタクトVを、前記活性領域21Bのうち前記トランジスタLTに対して前記電源コンタクトVとは反対の側に前記ビアコンタクトVと並んで形成されるビアコンタクトV10に、前記ノードNに対応する配線パタ―ンWにより接続され、これにより前記ロートトランジスタLTとドライバトランジスタDTとが、電源電圧Vddが供給される電源コンタクトV5と電源電圧Vssが供給される電源コンタクトVとの間で直列に接続される。
【0031】
同様に前記活性領域21Aと活性領域21Bとは、前記トランジスタDTとTFの間のビアコンタクトV11を、前記活性領域21Bのうち前記トランジスタLTに対して前記電源コンタクトVとは反対の側に前記ビアコンタクトVと並んで形成されるビアコンタクトV12に、前記ノードNに対応する配線パタ―ンWにより接続され、これにより前記ロートトランジスタLTとドライバトランジスタDTとが、電源電圧Vddが供給される電源コンタクトVと電源電圧Vssが供給される電源コンタクトVとの間で直列に接続される。
【0032】
さらに前記トランスファトランジスタTFのゲート電極21Gがワート線方向WL,すなわち行方向上、前記活性領域21Bとは反対の方向に延在し、前記メモリセルの境界においてワート線WLとワード線コンタクトV13において接続される。また前記トランスファトランジスタTFのゲート電極21Gがワート線方向WL,すなわち行方向上、前記活性領域21Bとは反対の方向に延在し、前記メモリセルの境界においてワート線WLとワード線コンタクトV14において接続される。
【0033】
図4の等価回路図においてロードトランジスタLTとLTはpチャネルMOSトランジスタであり、シリコン基板21中のn型ウェルに形成されているのに対し、ドライバトランジスタDT,DTおよびトランスファトランジスタTF,TFはnチャネルMOSトランジスタであり、前記シリコン基板21中のp型ウェルに形成されているのに注意すべきである。
【0034】
なお図3Aの平面図中、白抜きで示したビアコンタクトV〜V12は前記ゲート電極21G〜21Gに対応する配線層をそれぞれの活性領域に接続するビアコンタクトを示しており、黒で示したビアコンタクトV〜V,V13,V14はより上層の、すなわちワードラインWL,ビットラインBLが形成される配線層への接続のためのビアコンタクトを示す。
【0035】
次に図3A中、線A−A’に沿ったSRAM20の断面について、図3Bを参照しながら説明する。
【0036】
図3Bの断面図を参照するに、前記線A−A’に沿った断面では、前記p型シリコン基板21の上部にp型ウェル21PWが形成されており、前記p型シリコン基板21上には前記ドライバトランジスタDTのポリシリコンゲート電極21Gが、例えば35nm〜45nmのゲート長GLおよび50nm〜100nmの高さで、ゲート絶縁膜21Goxを介して形成されている。また前記p型ウェル21PW中には前記ポリシリコンゲート電極21Gの左右に、n型のソースエクステンション領域21aおよびn型のドレインエクステンション領域21bが形成されている。また同様に前記p型シリコン基板21上には前記トランスファトランジスタTFのポリシリコンゲート電極21Gが、ゲート絶縁膜21Goxを介して、同じく35nm〜45nmのゲート長GLおよび50nm〜100nmの高さで形成されており、前記p型ウェル21PW中には前記ポリシリコンゲート電極21Gの左右に、n型のソースエクステンション領域21cおよびn型のドレインエクステンション領域21dが形成されている。ここでドレインエクステンション領域21bとソースエクステンション領域21cとは連続した一つのn型拡散領域により形成されている。
【0037】
前記ポリシリコンゲート電極21Gはその左右に側壁絶縁膜21SWを、またポリシリコンゲート電極21Gはその左右に側壁絶縁膜21SWを有しており、前記シリコン基板21中には前記ポリシリコンゲート電極21Gの左側、すなわちもう一方のポリシリコンゲート電極21Gから遠い側の側壁絶縁膜21SWの外側に、n+型のソース領域21eが、例えば40nm〜60nmの深さに形成されている。また前記シリコン基板21中には前記ポリシリコンゲート電極21Gの右側、すなわちもう一方のポリシリコンゲート電極21Gに近い側の側壁絶縁膜21SWの外側に、n+型のドレイン領域21fが、同様に例えば40nm〜60nmの深さに形成されている。また前記シリコン基板21中には前記ポリシリコンゲート電極21Gの左側、すなわちもう一方のポリシリコンゲート電極21Gに近い側で側壁面上の側壁絶縁膜21SWの外側に、n+型のソース領域21gが、前記ドレイン領域21fと同じn+型の拡散領域により、同様に40nm〜60nmの深さに形成されている。また前記シリコン基板21中には前記ポリシリコンゲート電極21Gの右側、すなわちもう一方のポリシリコンゲート電極21Gから遠い側で側壁絶縁膜21SWの外側に、n+型のドレイン領域21hが同様に40nm〜60nmの深さに形成されている。前記ソース領域21e,ドレイン領域21g従ってソース領域21g、ドレイン領域21h、さらには前記ゲート電極21G,21Gの露出表面上にはシリサイド膜21Sが形成されている。
【0038】
図3Bの構成では、さらに前記シリコン基板21上に、前記ポリシリコンゲート電極21Gおよび21Gを覆ってSiNなどよりなるエッチングストッパ膜22Sが連続的に形成されており、前記エッチングストッパ膜22S上に層間絶縁膜22が形成されている。前記エッチングストッパ膜22Sは、後で説明する第2の引張応力膜65と同じものである。また前記層間絶縁膜22は後で説明する層間絶縁膜66と同じものである。
【0039】
前記層間絶縁膜22には、前記ポリシリコンゲート電極21Gとポリシリコンゲート電極21Gの間に、前記ビアコンタクトV9に対応するビアプラグ22Cが、前記ドレイン領域21f、従ってソース領域21gに電気的にコンタクトして形成されている。
【0040】
さらに前記層間絶縁膜22には電源電圧Vssを供給する配線パタ―ン23Aにコンタクトして、前記ビアコンタクトVを構成するビアプラグ22Aが、またビット線BLを構成する配線パタ―ン23Bにコンタクトして前記ビアコンタクトV13を構成するビアプラグ22Bが、それぞれ形成されている。前記ビアプラグ22Aは前記ドライバトランジスタDTのソース領域21eに電気的にコンタクトし、前記ビアプラグ22Bは前記トランスファトランジスタTFのドレイン領域21hに電気的にコンタクトする。
【0041】
次に図3A中、線B−B’に沿ったSRAM20の断面について、図3Cを参照しながら説明する。
【0042】
図3Cの断面図を参照するに、図示の線B−B’に沿った断面では前記p型シリコン基板21の上部にn型ウェル21NWが形成されており、前記ロードトランジスタLTがかかるn型ウェル21NWに形成されている。
【0043】
より具体的には図3Cの断面では図3Bのゲート長が35nm〜45nmで高さが50nm〜100nmのゲート電極21Gがゲート絶縁膜21Gox共々延在してロードトランジスタLTのゲート電極を構成し、前記n型ウェル11NW中には前記ゲート電極Gの左右に、p型のソースエクステンション領域21iおよびp型のドレインエクステンション領域21iがそれぞれ形成されている。
【0044】
さらに前記ゲート電極21Gの左右の側壁面には側壁絶縁膜が前記図2Bの断面と同様に形成されており、前記ゲート電極21Gの左右には、前記側壁絶縁膜の外側にp+型のソース領域21kおよびp+型のドレイン領域21lが、例えば40nm〜60nmの深さにそれぞれ形成されている。
【0045】
また図3Cの断面では素子分離絶縁膜11I上に前記ロードトランジスタLTのゲート電極となるポリシリコンパタ―ン21Gがその下のゲート絶縁膜Gox共々、前記ゲート長GLに対応する35nm〜45nmの幅で延在する。
【0046】
さらに図3Cの断面では前記ゲート電極21Gおよびポリシリコンパタ―ン21Gは前記層間絶縁膜22により同様に覆われ、前記層間絶縁膜22には、前記ビアコンタクトV10およびVに対応してビアプラグ22Wおよび22Vが形成され、ビアプラグ22Vは対応するシリサイド層を介して、前記ポリシリコンパタ―ン21Gに電気的に接続される。またビアプラグ22Wは前記ドレイン領域21lに、対応するシリサイド層を介して電気的に接続される。
【0047】
また前記層間絶縁膜22上には電源電圧Vddを供給される配線パタ―ンが形成されており、前記配線パタ―ンが前記層間絶縁膜22中に形成されたビアコンタクトVに対応するビアプラグ22Cにより、前記p型ソース領域21lに電気的に接続される。
【0048】
なお図3Bおよび図3Cにおいて、図4のフリップフロップを構成するための配線は、図面が複雑になるため図示を省略する。
【0049】
その他のトランジスタDT,TFおよびLTも、図3Bあるいは図3Cと同様な断面構造を有しており、説明は省略する。
【0050】
次に前記シリコン基板21上に前記SRAM20と共にロジック素子として集積化されるCMOS素子60について説明する。
【0051】
図5は前記シリコン基板21上に形成されるCMOS素子60を示す平面図、図6は図4中、線C−C’に沿った断面図、図7は図4中、線D−D’に沿った断面図である。
【0052】
図5の平面図を参照するに、前記シリコン基板21上には素子分離領域21I中にp型ウェル61PWが形成された素子領域61Aとn型ウェル61NWが形成された素子領域61Bとが相接して形成されており、前記素子領域61PWおよび61NWを横切って、第1のポリシリコンゲート電極61Gおよび第2のポリシリコンゲート電極61Gが、互いに平行に、間隔Dで延在している。また図5の構成では前記素子領域61A中、前記ゲート電極63Gの左側にビアコンタクト66Aが、前記ポリシリコンゲート電極63Gとポリシリコンゲート電極63Gの間にビアコンタクト66Bが、さらに前記ポリシリコンゲート電極63Gの右側にはビアコンタクト66Cが形成されている。さらに図5の構成では前記素子領域61B中、前記ポリシリコンゲート電極63Gの左側にビアコンタクト66Dが、前記ポリシリコンゲート電極63Gとポリシリコンゲート電極63Gの間にビアコンタクト66Eが、さらに前記ポリシリコンゲート電極63Gの右側にはビアコンタクト66Fが形成されている。前記素子領域61Aにおいては前記ポリシリコンゲート電極63Gに対応して第1のnチャネルMOSトランジスタNMOSが、また前記ポリシリコンゲート電極63Gに対応して第2のnチャネルMOSトランジスタNMOSが形成され、また前記素子領域61Bにおいては前記ポリシリコンゲート電極63Gに対応して第1のpチャネルMOSトランジスタPMOSが、また前記ポリシリコンゲート電極63Gに対応して第2のpチャネルMOSトランジスタPMOSが形成されている。
【0053】
次に図6の断面図を参照するに、前記素子領域61Aにおいては前記シリコン基板21上に前記ポリシリコンゲート電極63Gおよびポリシリコンゲート電極63Gが、それぞれゲート絶縁膜62Aおよび62Bを介して50nm〜100nmの高さおよび80nm〜100nmの間隔Dで形成されており、図6の断面図では前記ポリシリコンゲート電極63Gの左側、すなわち前記ポリシリコンゲート電極63G直下のnチャネルMOSトランジスタNMOSのチャネル領域61Cから見て前記ポリシリコンゲート電極63Gとは反対の側に、前記nチャネルMOSトランジスタNMOSのn型ソースエクステンション領域61aが、また前記チャネル領域61Cから見て前記ポリシリコンゲート電極63Gの側に前記nチャネルMOSトランジスタNMOSのドレインエクステンション領域61bが形成されている。さらに前記ポリシリコンゲート電極63Gの左側、すなわち前記nチャネルMOSトランジスタNMOSのチャネル領域61Cから見て前記ポリシリコンゲート電極63Gの側に前記nチャネルMOSトランジスタNMOSのn型ソースエクステンション領域61cが、また前記チャネル領域61Cから見て前記ポリシリコンゲート電極63Gと反対の側に前記nチャネルMOSトランジスタNMOSのn型ドレインエクステンション領域61dが形成されている。ただし図6の例では前記nチャネルMOSトランジスタNMOSのn型ドレインエクステンション領域11bとnチャネルMOSトランジスタNMOSのn型ソースエクステンション領域11cとは、前記nチャネルMOSトランジスタNMOSおよびNMOSに共有されたn型拡散領域により形成されている。なお図6において間隔Dは、ゲート電極63Gの中心から隣のポリシリコンゲート電極63Gの中心までの距離に対応している。
【0054】
前記ポリシリコンゲート電極63Gはその左右の側壁面に5nm〜10nmの厚さの側壁絶縁膜63Wが形成されており、前記チャネル領域61Cから見て前記ポリシリコンゲート電極63Gから遠い側で前記側壁絶縁膜63Wの外側にはn+型のソース領域61eが、また前記チャネル領域61Cから見て前記ポリシリコンゲート電極63Gに近い側で前記側壁絶縁膜63Wの外側にはn+型のドレイン領域61fが形成されている。また前記ポリシリコンゲート電極63Gはその左右の側壁面に側壁絶縁膜63Wが形成されており、前記チャネル領域61Cから見て前記ポリシリコンゲート電極63Gに近い側で前記側壁絶縁膜63Wの外側にはn+型のソース領域61gが、また前記チャネル領域61Cから見てポリシリコン前記ゲート電極63Gから遠い側で前記側壁絶縁膜63Wの外側にはn+型のドレイン領域61hが形成されている。ただし図6の例では前記nチャネルMOSトランジスタNMOSのn+型ドレイン領域61fとnチャネルMOSトランジスタNMOSのn+型ソース領域61gとは、前記nチャネルMOSトランジスタNMOSおよびNMOSに共有されたn+型拡散領域により形成されている。
【0055】
前記n+型ソース領域61eおよびn+型ドレイン領域61f従ってn+型ソース領域61g、前記n+型ドレイン領域61h、さらに前記ポリシリコンゲート電極63G,63Gの露出シリコン面には、サリサイド法などによりシリサイド層61Sが形成されている。
【0056】
さらに前記シリコン基板21上には、前記ポリシリコンゲート電極63Gおよび63G、および側壁絶縁膜63WA,63WBを覆って、1.5GPa〜2.2GPa、例えば2.2GPaの引張り応力を蓄積したSiNなどよりなる第1の引張り応力膜64が、20nm〜35nmの第1の膜厚tで略一様に形成されており、さらに前記第1の引張応力膜64上には、1.5GPa〜2.2GPa、例えば2.2GPaの引張り応力を蓄積したSiNなどよりなる次の第2の引張応力膜65が、例えば10nm〜20nmの第2の膜厚tで略一様に形成されている。本実施形態では前記第1の膜厚tを前記第2の膜厚tよりも大きく設定する(t>t)が、これらは同じか逆であってもかまわない。後で説明するが、この第2の引張応力膜65は、前記図3Bの断面図におけるエッチングストッパ膜22Sと同じものであり、同じ膜厚に形成されている。
【0057】
さらに前記第2の応力膜65上には層間絶縁膜66が形成され、前記層間絶縁膜66中には前記n+型ソース領域61eに電気的にコンタクトするビアプラグ66Aが、また前記n+型ドレイン領域61f従ってn+型ソース領域61gに電気的にコンタクトするビアプラグ66Bが、また前記n+型ドレイン領域61hに電気的にコンタクトするビアプラグ66Cが、それぞれ形成されている。この層間絶縁膜66は、前記図2Bの断面図における層間絶縁膜22と同じものである。
【0058】
かかる構成のnチャネルMOSトランジスタNMOS,NMOSでは、前記第1および第2の引張り応力膜64,65の作用により前記ポリシリコンゲート電極63G,63Gがそれぞれのチャネル領域61C,61Cに押圧され、前記チャネル領域61C,61Cを構成するSi結晶中に歪みを誘起する。かかる歪みはSi結晶の伝導帯のバンド構造を変形させ、その結果、電子の移動度が増大し、動作速度が向上する。ただしこのような動作速度の向上を得るためには、前記第1および第2の引張応力膜に十分な膜厚を確保することが必要である。
【0059】
次に図7の断面図を参照するに、前記素子領域61Bにおいては前記シリコン基板21上に前記ゲート電極63Gおよびゲート電極63Gが、それぞれゲート絶縁膜62Cおよび62Dを介して前記素子領域61A中におけるのと同じ50nm〜100nmの高さおよび80nm〜100nmの間隔Dで形成されている。さらに図7の断面図では前記ゲート電極63Gの左側、すなわち前記ゲート電極63G直下のpチャネルMOSトランジスタPMOSのチャネル領域61Cから見て前記ゲート電極63Gとは反対の側に、前記pチャネルMOSトランジスタPMOSのp型ソースエクステンション領域61iが、また前記チャネル領域61Cから見て前記ゲート電極63Gの側に前記pチャネルMOSトランジスタPMOSのドレインエクステンション領域61jが形成されている。さらに前記ゲート電極63Gの左側、すなわち前記pチャネルMOSトランジスタPMOSのチャネル領域61Cから見て前記ゲート電極63Gの側に前記pチャネルMOSトランジスタPMOSのp型ソースエクステンション領域61kが、また前記チャネル領域61Cから見て前記ゲート電極63Gと反対の側に前記pチャネルMOSトランジスタPMOSのp型ドレインエクステンション領域61lが形成されている。なお図7においても前記間隔Dは、ゲート電極63Gの中心から隣りのゲート電極63Gの中心までの距離に対応している。
【0060】
前記素子領域61Bにおいても前記ゲート電極63Gはその左右の側壁面に5nm〜10nmの厚さの側壁絶縁膜63Wが形成されているが、図7の素子領域61Bでは、前記チャネル領域61Cから見て前記ゲート電極63Gから遠い側で前記側壁絶縁膜63Wの外側において前記シリコン基板21中に切り込むトレンチ61Tが形成されており、前記トレンチ61Tは前記pチャネルMOSトランジスタPMOSのソース領域を構成するp+型のSiGe混晶層61mによりエピタキシャルに充填されている。また前記チャネル領域61Cから見て前記ゲート電極63Gに近い側で前記側壁絶縁膜63Wの外側にも同様なトレンチ61Tが形成されており、前記トレンチ61Tは前記pチャネルMOSトランジスタPMOS1のドレイン領域を構成するp+型のSiGe混晶層61nによりエピタキシャルに充填されている。
【0061】
さらに前記ゲート電極63Gはその左右の側壁面に側壁絶縁膜63Wが形成されており、前記チャネル領域61Cから見て前記ゲート電極63Gに近い側で前記側壁絶縁膜63Wの外側には前記シリコン基板21中に切り込むトレンチ61Tが、前記トレンチ61Tに連続して形成されており、前記トレンチ61Tは前記pチャネルMOSトランジスタPMOSのソース領域を構成するp+型のSiGe混晶層61oによりエピタキシャルに充填されている。さらに前記チャネル領域61Cから見て前記ゲート電極63Gから遠い側で前記側壁絶縁膜63Wの外側には、前記シリコン基板21中に切り込むトレンチ61Tが形成されており、前記トレンチ61Tは前記pチャネルMOSトランジスタPMOSのドレイン領域を構成するp+型のSiGe混晶層61pにより、やはりエピタキシャルに充填されている。
【0062】
前記チャネル領域61Cの両側に、前記シリコン基板21を構成するSi結晶よりも格子定数の大きいSiGe混晶層61mおよび61nをエピタキシャルに形成することにより、前記シリコン基板21は前記チャネル領域61Cにおいて上下方向に引き延ばされ、その結果、前記チャネル領域61CではSi結晶中に左右方向から一軸性の圧縮応力が印加された場合と同様な歪みが誘起される。その結果、前記チャネル領域61Cではシリコン結晶のバンド構造が変形し、ホールの移動度が向上する。同様に前記チャネル領域61Cの両側に、前記シリコン基板21を構成するSi結晶よりも格子定数の大きいSiGe混晶層61oおよび61pをエピタキシャルに形成することにより、前記シリコン基板21は前記チャネル領域61Cにおいて上下方向に引き延ばされ、その結果、前記チャネル領域61CではSi結晶中に左右方向から一軸性の圧縮応力が印加された場合と同様な歪みが誘起される。その結果、前記チャネル領域61Cではシリコン結晶のバンド構造が変形し、ホールの移動度が向上する。
【0063】
なお図7の例では前記pチャネルMOSトランジスタPMOSのp+型ドレイン領域を構成するSiGe混晶層61nと前記pチャネルMOSトランジスタPMOSのp+型ソース領域を構成するSiGe混晶層61oとは、前記pチャネルMOSトランジスタPMOSおよびPMOSに共有されている。
【0064】
前記SiGe混晶層61m、61n,61o,61pは前記シリコン基板21の上面、すなわち前記シリコン基板21とゲート絶縁膜62Cあるいは62Dとの界面を超えて上方に成長しており、これらの露出面上には図6の断面と同様にシリサイド層61Sが形成されている。同様なシリサイド層61Sは、ポリシリコンよりなるゲート電極63G,63Gの上面にも形成されている。
【0065】
さらに前記シリコン基板21上には、前記ゲート電極63G,63Gおよび側壁絶縁膜W,Wを覆って前記第1および第2の引張応力膜64,65が前記素子領域64Aにおけると同様に順次形成されており、前記第2の引張応力膜65上には層間絶縁膜66が形成されている。
【0066】
さらに前記層間絶縁膜66中には前記pチャネルMOSトランジスタPMOSのソース領域61mおよびドレイン領域61nを露出するビアコンタクト66Dおよび66Eが形成され、また前記pチャネルMOSトランジスタPMOSのソース領域61oおよびドレイン領域61pを露出するビアコンタクト66Eおよび66Fが形成されている。先にも説明したように前記ドレイン領域61nとソース領域61oとは同一のSiGe混晶層よりなり、前記ビアコンタクト66EはpチャネルMOSトランジスタPMOSとpチャネルMOSトランジスタPMOSにより共有される。
【0067】
なおpチャネルMOSトランジスタPMOSやPMOSでは、ゲート電極に形成した引張応力膜64,65はチャネル領域61Cあるいは61Cにおけるホール移動度を劣化させるように作用することがある。しかし図7の構成ではこのような引張応力膜64,65が、ゲート電極63Gあるいは63Gの両側においてシリコン基板21の表面、すなわちチャネル領域61Cあるいは61Cの表面よりも高い位置に張り出したSiGe混晶層領域61m,61n,61oおよび61pを覆って形成されるため、図6の断面と比較すると引張り応力はゲート電極63G,63Gの高さ方向の一部にしか作用せず、かつ引張応力の作用する方向も、シリコン基板21の基板面に対して斜めに大きな角度をもつことになるため、チャネル領域61Cあるいは61Cに有効な応力が作用することがない。このため図6の断面に示されるようにpチャネルMOSトランジスタPMOS,PMOSに引張応力膜64,65が形成されても、これらのpチャネルMOSトランジスタの特性が劣化することはない。
【0068】
次に前記シリコン基板21上における前記SRAM20とCMOS素子60の関係について説明する。
【0069】
図8は、前記図6の断面と前記図3Bの断面とを同一のスケールで比較する図であり、図8中(A)の図は前記図5の断面を、また(B)の図は図2Bの断面を示している。なお図8中、前記層間絶縁膜22上に形成される配線パタ―ン23A〜23Cについては図示を省略している。
【0070】
図8を参照するに図5の断面においてポリシリコンゲート電極63Gおよび63Gは、図3Bの断面におけるポリシリコンゲート電極21Gおよび21Gの間隔と同一の、例えば80nm〜100nmの間隔Dで形成されているのに対し、ポリシリコンゲート電極63G,63Gは、前記ポリシリコンゲート電極21Gおよび21Gのメモリ素子向きのゲート長GLの値である35nm〜45nmよりも短い、高速論理素子向きの例えば25nm〜35nmのゲート長GLを有している(GL<GL)。
【0071】
前記側壁絶縁膜63W,63Wおよび21SW,21SWは後で説明するように同一のプロセスにより一括して形成されるため同一の膜厚を有しており、また先に述べたように前記ポリシリコンゲート電極63Gおよび63Gは前記ポリシリコンゲート電極21Gおよび21Gの間隔と同一の間隔Dで形成されていることから、前記CMOS素子60において相対向する前記側壁絶縁膜63Wと63Wの間隔Lは、前記SRAM20において相対向する前記側壁絶縁膜21SWおよび21SWが形成する間隔Lに比べ、前記シリコン基板21の表面で比較して前記ゲート電極63Gおよび63Gのゲート長GLが前記ゲート電極21Gおよび21Gのゲート長GLよりも短い分に加えて、すなわち距離にして差分ΔG=GL−GLだけ増大していることに注意すべきである。
【0072】
そこで本実施形態では、このように素子領域60において前記差分ΔGだけ増大している間隔Lを利用して、前記素子領域60においては引張応力膜64と引張応力膜65を積層して厚い積層構造の応力膜64Oを形成する。一方、前記素子領域20では前記間隔Lは間隔Lに対し前記差分ΔGだけ狭いため、一層の引張応力膜65、従ってエッチングストッパ膜22Sのみを形成する。図示の例では前記引張応力膜65が素子領域20においてもエッチングストッパ膜22Sとして同一の膜厚tで形成されているため、前記第1の引張応力膜64の膜厚tを、前記差分ΔGに対応するように設定することができる。
【0073】
かかる構成によれば、前記CMOS素子60の素子領域において前記第1および第2の引張応力膜65を形成しても、層間絶縁膜66のステップカバレッジが不良になることがない。また前記SRAM20の素子領域においては前記第2の引張応力膜65は形成されないため、やはり前記層間絶縁膜66のステップカバレッジが不良になることはない。
【0074】
以下、図9A〜図9Eを参照しながら本実施形態による半導体装置50の製造方法を、CMOS素子60とSRAM20とを並べて示しながら説明する。
【0075】
図9Aを参照するに、前記シリコン基板21上には、前記CMOS素子60の素子領域において前記ゲート電極63G,63Gを有する二つのnチャネルMOSトランジスタNMOS,NMOSがゲート間間隔Dで形成され、また(B)の図に示すように前記SRAM20の素子領域において前記ゲート電極321G,32Gを有する二つのnチャネルMOSトランジスタDT,TFが、同じゲート間間隔Dで形成される。
【0076】
次に図9Bの工程において、前記CMOS素子60および前記SRAM20の構造上に前記第1の引張応力膜64として例えばSiN膜を、シリコンのソースガスとしてジクロロシラン(SiHCl)、シラン(SiH)、ジシラン(Si)のいずれかを少なくとも一つ含むガスを、5〜50sccmの流量で供給し、また窒素のソースガスとしてNHを500〜10000sccmの流量で供給し、さらに窒素およびアルゴンの混合ガスを500〜10000sccmの流量で供給し、0.1〜400Torrの圧力下、500〜700℃の温度で実行する減圧CVD法により、10〜20nmの膜厚tに形成する。このようにして形成されたSiN膜は、1.5〜2.0GPaの引張応力を蓄積している。
【0077】
次に図9Cの工程において前記CMOS素子60の素子領域にレジストパターンR1を形成し、前記レジストパターンR1をマスクに前記SRAM20の素子領域において、先に図9Bの工程で堆積した第1の引張応力膜64を除去する。
【0078】
次に図9Dの工程において前記レジストパターンR1を除去し、さらに前記第2に引張応力膜65、すなわちSRAM20におけるエッチングストッパ膜22Sとして例えばSiN膜を、先の第1の引張応力膜64の場合と同じ条件で、10nm〜25nmの膜厚tに形成する。
【0079】
さらに図9Eの工程において前記シリコン基板21上に、前記SRAM20の素子領域からCMOS素子60の素子領域まで連続して層間絶縁膜22を形成する。
【0080】
さらに図9Fの工程において、前記層間絶縁膜22中に、前記引張応力膜65すなわちエッチングストッパ膜22Sをエッチングストッパとし、前記CMOS素子60の素子領域においては前記ソース領域61e、ドレイン領域61f従ってソース領域61g、およびドレイン領域61hにそれぞれ対応したビアホール66a〜66cを形成し、前記SRAM20の素子領域においては、前記ソース領域21eおよびドレイン領域21hにそれぞれ対応したビアホール22a,22bを形成する。
【0081】
さらに図9Gの工程において、前記ビアホール61a〜61cにおいては露出されている引張応力膜65および64を、また前記ビアホール22aおよび22bにおいては露出されている引張応力膜65を選択的に除去することにより、その下のシリサイド層61Sあるいは21Sを露出させる。
【0082】
さらに前記ビアホール61a〜61cおよび22a〜22bをビアプラグにより充填することにより、前記図8の断面を有する半導体装置50が得られる。
【0083】
以下、図9Eを参照しながら、前記CMOS素子60およびSRAM20の素子領域における、前記層間絶縁膜22によるステップカバレッジについて検討する。
【0084】
例えば前記ゲート間間隔Dが100nmで、ゲート電極63G,63Gのゲート長GLが25nm、ゲート電極21G,21Gのゲート長GLが35nm、側壁絶縁膜63WA,63WB,21SW,21SWの膜厚が全て10nmであり、前記第1の引張応力膜64として膜厚が20nmのSiN膜を形成し、第2の引張応力膜65として膜厚が10nmのSiN膜を形成した場合、前記CMOS素子60の素子領域においては、トランジスタNMOSとNMOSの間において引張応力膜65のうちゲート電極63Gを覆う第1の部分と引張応力膜65のうちゲート電極63Gを覆う第2の部分との間の間隔Lは、最も狭くなる最下部において45nmとなり、前記ゲート電極63G,63Gの高さ、すなわち第1のゲート高さGHが100nmであった場合、前記一対の引張応力膜65の間のギャップ領域Gapのアスペクト比ないし縦横比(GH/L)は2.2程度にしかならない。
【0085】
またこの場合、前記SRAM20の素子領域においては、前記トランジスタDTとTFの間において、前記引張応力膜65のうちトランジスタDTのゲート電極21Gを覆う第1の部分と前記引張応力膜65のうちNMOSのゲート電極21Gを覆う第2の部分との間隔Lは、最も狭くなる最下部において30nmとなり、前記ゲート電極21G,21Gの高さ、すなわち第2のゲート高さGHが前記第1のゲート高さGHと同じく100nmであった場合、前記一対の引張応力膜65の間のギャップ領域Gapのアスペクト比(GH/L)は3.3程度となる。
【0086】
3.3程度のアスペクト比を有する構造は、高密度プラズマCVD法によりシリコン酸化膜を形成した場合には確実に充填することができるため、上記の例においてSRAM20の素子領域において層間絶縁膜22の充填不良が生じることはない。またよりアスペクト比の低いCMOS素子60においては、余裕があるため、前記第1の引張応力膜64の膜厚をさらに10nmないし15nm程度増加させることも可能であることがわかる。すなわち本実施形態では、前記第1の引張応力膜64の膜厚tを30nmないし35nmまで増加させても、前記層間絶縁膜22のステップカバレッジ不良を回避することが可能である。この場合には、前記ギャップ領域Gapのアスペクト比はギャップ領域Gapのアスペクト比と略同一になる。
【0087】
また前記ゲート間間隔Dが80nmでゲート長GLが35nm、ゲート長GLが25nm、側壁絶縁膜63WA,63WB,21SW,21SWの膜厚が全て5nm、第1の引張応力膜64の膜厚t1が30nm,第2の引張応力膜65の膜厚tが10nmである場合、前記SRAM20およびCMOS素子60において前記ギャップ領域GapおよびGapについて、それぞれ5nmの間隔LおよびLを確保することができる。この場合、ゲート電極21G,21G,63G,63Gの高さを50nmとすることにより、前記ギャップ領域GapおよびGapについて、いずれも3.3のアスペクト比を確保することができる。
【0088】
このように本実施形態によれば、層間絶縁膜22のステップカバレッジに対して余裕のあるCMOS素子60において引張応力膜64の膜厚tを、SRAMにおけるステップカバレッジに合わせて増大させることにより、CMOS素子60を構成するnチャネルMOSトランジスタNMOS,NMOSの動作速度をさらに向上させることが可能となる。
【0089】
本発明によれば、高速動作が要求される論理素子のnチャネルMOSトランジスタにおいて十分な膜厚の引張応力膜を形成する一方で、高い集積密度が要求されるメモリ素子においてはゲート電極間のアスペクト比を、層間絶縁膜による埋込が可能な程度に抑制することができ、高速動作する論理素子と高い集積密度のメモリ素子とを、層間絶縁膜の埋込不良を生じることなく、安定に高い歩留まりで製造することが可能となる。
【0090】
なお以上の実施形態では論理素子がCMOS素子60でありメモリ素子がSRAM20である場合について説明したが、本発明はメモリ素子がSRAM20である場合に限定されるものではなく、図3Bのような断面構造をその一部に有する他のメモリ素子であっても同様に適用が可能である。
【0091】
また以上の実施形態では、CMOS素子60のゲート電極63G,63Gの第1のゲート高さGHがSRAM20のゲート電極21G,21Gの第2のゲート高さGHに等しいものとして説明したが、本願発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、ゲート電極63G,63Gのゲート高さGHはゲート電極21G,21Gのゲート高さGHと異なっていてもよい。前記電極63G,63Gの高さとゲート電極21G,21Gの高さとが一致する場合には、先に説明したアスペクト比の比較は、前記間隔LとLの比較に還元される。
【0092】
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0093】
20 SRAM
21 シリコン基板
21I 素子分離領域
21A,21A p型活性領域
21B,21B n型活性領域
21G〜21G,63G,63G ゲート電極
21Gox,21Gox,21Gox,62A〜62D ゲート電極
21PW,61PW p型ウェル
21NW,61NW n型ウェル
21S,61S シリサイド層
21SW,21SW,63W,63W 側壁絶縁膜
21a,21c n型ソースエクステンション領域
21b,21d n型ドレインエクステンション領域
21e,21g n+型ソース領域
21f,21h n+型ドレイン領域
21i,61i p型ソースエクステンション領域
21j,61j p型ドレインエクステンション領域
21k p+型ソース領域
21l p+型ドレイン領域
22,66 層間絶縁膜
22A,22B,22C,22V ビアプラグ
22S エッチングストッパ膜
50 半導体装置
60 CMOS素子
61A,61B 素子領域
61C〜61C チャネル領域
61T,61T トレンチ
61m,61n,61p p型SiGe層
64 第1の引張応力膜
65 第2の引張応力膜(エッチングストッパ膜)
66A〜66F ビアプラグ
LT,LT ロードトランジスタ
DT,DT ドライバトランジスタ
TF,TF トランスファトランジスタ
NMOS,NMOS nチャネルMOSトランジスタ
PMOS,PMOS pチャネルMOSトランジスタ
〜V12 ビアコンタクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の素子領域を有する半導体基板と、
前記第1の素子領域に形成された論理素子と、
前記第2の素子領域に形成されたメモリ素子と、
前記論理素子と前記メモリ素子とを覆う層間絶縁膜と、
を備え、
前記論理素子は、前記第1の素子領域において相互に隣接して形成された第1および第2のnチャネルMOSトランジスタを含み、
前記第1のnチャネルMOSトランジスタは、第1のゲート高さおよび第1のゲート長を有する第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極の側壁面に形成された第1の側壁絶縁膜と、を含み、
前記第2のnチャネルMOSトランジスタは、前記第1のゲート高さおよび前記第1のゲート長を有する第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極の側壁面に形成された第2の側壁絶縁膜と、を含み、
前記第1および第2のゲート電極は、前記第1の素子領域において第1の間隔を有し、
前記論理素子はさらに、前記第1の素子領域において前記第1および第2のゲート電極を、前記第1および第2の側壁絶縁膜を含めて第1の膜厚で覆う第1の引張応力膜と、前記第1の素子領域において前記第1の引張応力膜を前記第2の膜厚で覆う第2の引張応力膜と、を含み、
前記メモリ素子は、前記第2の素子領域において相互に隣接して形成された第3および第4のnチャネルMOSトランジスタを含み、
前記第3のnチャネルMOSトランジスタは、第2のゲート高さおよび前記第1のゲート長よりも長い第2のゲート長を有する第3のゲート電極と、前記第3のゲート電極の側壁面に形成された第3の側壁絶縁膜と、を含み、
前記第4のnチャネルMOSトランジスタは、前記第2のゲート高さおよび前記第2のゲート長を有する第4のゲート電極と、前記第4のゲート電極の側壁面に形成された第4の側壁絶縁膜と、を含み、
前記第3および第4のゲート電極は、前記第2の素子領域において前記第1の間隔を有し、
前記第2の引張応力膜は前記第2の素子領域において、前記第3および第4のゲート電極を、前記第3および第4の側壁絶縁膜を含めて前記第2の膜厚で覆い、
前記第1および第2のゲート電極の間において、前記第2の引張応力膜のうち、前記第1の側壁絶縁膜に設けられた第1の部分と前記第2の引張応力膜のうち、前記第2の側壁絶縁膜に設けられた第2の部分とは、最も近接した部分において第1の距離で相互に隔てられており、
前記第3および第4のゲート電極の間において、前記第2の引張応力膜のうち、前記第3の側壁絶縁膜に設けられた第3の部分と前記第2の引張応力膜のうち、前記第4の側壁絶縁膜に設けられた第4の部分とは、最も近接した部分において第2の距離で相互に隔てられており、
前記第1のゲート高さを前記第1の距離で割った第1のアスペクト比と、前記第2のゲート高さを前記第2の距離で割った第2のアスペクト比とは略等しいことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2のアスペクト比は、前記第2の素子領域において前記層間絶縁膜が前記メモリ素子を埋込できるように選ばれていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1および第2のアスペクト比は3.3を超えないことを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2の膜厚は前記第1の膜厚よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の素子領域において前記第1のnチャネルMOSトランジスタの一の拡散領域は、前記第2のnチャネルMOSトランジスタと共有されており、前記第2の素子領域において前記第3のnチャネルMOSトランジスタの一の拡散領域は、前記第2のnチャネルMOSトランジスタと共有されていることを特徴とする請求項1〜4記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体基板の第1の素子領域に、第1のゲート電極を有する第1のnチャネルMOSトランジスタおよび第2のゲート電極を有するnチャネルMOSトランジスタを、互いに隣接して第1のゲート長および第1のゲート高さで形成し、また前記半導体基板の第2の素子領域に、第3のゲート電極を有する第3のnチャネルMOSトランジスタおよび第4の電極を有する第4のnチャネルMOSトランジスタを、互いに隣接して前記第1のゲート長より長い第2のゲート長と前記第1のゲート高さと同じ第2のゲート高さで形成する工程と、
前記第1および第2の素子領域にわたり第1の引張応力膜を、前記第1の素子領域においては前記第1および第2のゲート電極を覆って、また前記第2の素子領域においては前記第3および第4のゲート電極を覆って、第1の膜厚で形成する工程と、
前記第1の引張応力膜を、前記第2の素子領域において選択的に除去する工程と、
前記第1および第2の素子領域にわたり第2の引張応力膜を、前記第1の素子領域においては前記第1の引張応力膜を覆って、また前記第2の素子領域においては前記第3および第4のゲート電極を覆って、第2の膜厚で形成する工程と、
前記第1および第2の素子領域にわたり、前記第2の引張応力膜上に層間絶縁膜を形成し、前記第1の素子領域においては前記第1および第2のnチャネルMOSトランジスタを埋め込み、前記第2の素子領域においては前記第3および第4のnチャネルMOSトランジスタを埋め込む工程と、
を含み、
前記第1および第2のゲート電極の間において、前記第2の引張応力膜のうち、前記第1の側壁絶縁膜に設けられた第1の部分と前記第2の引張応力膜のうち、前記第2の側壁絶縁膜に設けられた第2の部分とは、最も近接した部分において第1の距離で相互に隔てられており、
前記第3および第4のゲート電極の間において、前記第2の引張応力膜のうち、前記第3の側壁絶縁膜に設けられた第3の部分と前記第2の引張応力膜のうち、前記第4の側壁絶縁膜に設けられた第4の部分とは、最も近接した部分において第2の距離で相互に隔てられており、
前記第1の引張応力膜の第1の膜厚と前記第2の引張応力膜の第2の膜厚とは、前記第1のゲート高さを前記第1の距離で割った第1のアスペクト比と、前記第2のゲート高さを前記第2の距離で割った第2のアスペクト比とは略等しくなるように設定されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2のアスペクト比は、前記第2の素子領域において前記層間絶縁膜が前記メモリ素子を埋込できるように選ばれていることを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1および第2のアスペクト比は3.3を超えないことを特徴とする請求項6または7記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1の素子領域において前記第1のnチャネルMOSトランジスタの一の拡散領域は、前記第2のnチャネルMOSトランジスタと共有されており、前記第2の素子領域において前記第3のnチャネルMOSトランジスタの一の拡散領域は、前記第2のnチャネルMOSトランジスタと共有されていることを特徴とする請求項6〜8のうち、いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【公開番号】特開2013−65721(P2013−65721A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203801(P2011−203801)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】