説明

半導体装置

【課題】半導体装置の性能を向上させる。また、半導体装置の信頼性を確保する。また、半導体装置のチップサイズの縮小を図る。特に、SOI基板上に形成されたMOSFETを有する半導体装置の信頼性を損なわずにゲート電極の下部のウエルの電位を制御し、寄生容量の発生を防ぐ。また、MOSFETにおける欠陥の発生を防ぐ。
【解決手段】ゲート電極配線3に形成された孔部27内を通るウエルコンタクトプラグ8により、ゲート電極2の下部のウエルの電位を制御することで寄生容量の発生を防ぐ。また、ゲート電極2に沿って素子分離領域4を延在させることで、ゲッタリング効果によりゲート絶縁膜における欠陥の発生を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いた半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
寄生容量の発生を抑えることができる半導体装置として、現在、例えばSOI基板を用いた半導体装置が使用されている。SOI基板は、高抵抗なSi(シリコン)などからなる支持基板上にBOX(Buried Oxide)膜(埋め込み酸化膜)が形成され、BOX膜上にSi(シリコン)を主に含む薄い層(シリコン層)が形成された半導体基板であり、SOI基板上にMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を形成することにより、シリコン層に形成された拡散領域に発生する寄生容量を低減することができる。このため、SOI基板を用いて半導体装置を製造することで、半導体装置の集積密度および動作速度の向上、ラッチアップフリー化などが期待できる。
【0003】
特許文献1(特開2007−288554号公報)には、SOI基板上に製造される差動構成のスイッチトキャパシタ回路において、一端がVssとVdd間の中間電位であるアナロググランドに接続されるスイッチに用いるトランジスタの、スイッチオフ時のリーク電流を少なくする技術が開示されている。特許文献1に開示されている技術によれば、ゲート端部の外側に形成された接続部材によりチャネル領域の電位を固定したソースタイ(Source-tie)トランジスタを実現できるとしている。
【0004】
特許文献2(特開2003−318405号公報)には、SOI基板を用いたデバイスにおいて、ゲート電極幅方向のゲート電極の端部の近傍にボディ(ウエル)コンタクト部を形成することによりチャネル領域の電位を固定し、高速で安定な動作を実現する技術が開示されている。
【0005】
特許文献3(特開2007−287718号公報)には、SOI基板を用いた半導体装置において、SOI基板上に形成されたMOSFETにおける寄生容量を低減する目的でBOX膜上のシリコン層に形成されたボディ領域の電位を固定する技術が開示されている。この技術は、SOI基板の主面に沿ってSOI基板上に延在するゲート電極の下部の第1導電型のボディ(ウエル)領域の一部の領域から、ゲート長方向においてボディ領域を挟むようにシリコン層に形成された第2導電型のソース・ドレイン領域の一部の領域にかけて連続した領域に高濃度の第1導電型の不純物を導入し、第1導電型の半導体領域(高濃度不純物注入領域)を形成するものである。すなわち、ゲート電極およびソース・ドレイン領域を有するMOSFETのゲート電極の下部のシリコン層に形成されたボディ領域とソース領域とを、第1導電型の低抵抗な高濃度不純物注入領域を介して電気的に接続している。また、ゲート幅方向におけるゲート電極の端部の近傍においてもボディ領域の電位を制御している。この高濃度不純物注入領域の一部はSOI基板の平面においてソース領域内の一部の領域に形成されており、高濃度不純物注入領域が形成されていない領域のソース領域は、ドレイン領域とゲート電極と共にMOSFETを構成している。特許文献3に開示されている技術によれば、上記した高濃度不純物注入領域およびゲート電極端部近傍の領域を介してボディ領域の電位を固定することができるとしている。なお、ソース領域およびボディ領域は、高濃度不純物注入領域上およびソース領域上に形成されたシリサイド層により電気的に接続されているため、同電位となる。
【0006】
特許文献4(特開2007−287747号公報)には、SOI基板を用いた半導体装置において、SOI基板上に形成されたMOSFETにおける寄生容量を低減する目的でBOX膜上のシリコン層に形成されたボディ領域の電位を固定する技術が開示されている。この技術は、MOSFETのゲート幅方向におけるゲート電極の端部の近傍に形成され、第1導電型のボディ(ウエル)領域と電気的に接続された第1導電型の半導体領域を介してボディ領域の電位を固定するものである。また、MOSFETの第2導電型のソース領域の一部からボディ領域にかけて連続的に第1導電型の接続領域を形成し、前記接続領域およびソース領域を介してボディ領域の電位を固定する技術も開示されている。なお、ソース領域およびボディ領域は前記接続領域上およびソース領域上に形成されたシリサイド層により電気的に接続されているため、同電位となる。
【0007】
特許文献5(特開2008−172262号公報)には、SOI基板を用いた半導体装置において、SOI基板上に形成されたMOSFETにおける寄生容量を低減する目的でBOX膜上のシリコン層に形成されたボディ領域の電位を固定する技術が開示されている。この技術は、MOSFETのゲート幅方向におけるゲート電極の端部の近傍に形成され、第1導電型のボディ(ウエル)領域と電気的に接続された低抵抗の第1導電型の半導体領域を介してボディ領域の電位を固定するものである。また、MOSFETの第2導電型のソース領域の一部からボディ領域にかけて連続的に第1導電型の接続領域を形成し、前記接続領域およびソース領域を介してボディ領域の電位を固定する技術も開示されている。なお、ソース領域とボディ領域とが前記接続領域上およびソース領域上に形成されたシリサイド層により電気的に接続され同電位となることを防ぐ目的で、前記接続領域およびソース領域の界面のSOI基板の上面にゲート電極の一部を形成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−288554号公報
【特許文献2】特開2003−318405号公報
【特許文献3】特開2007−287718号公報
【特許文献4】特開2007−287747号公報
【特許文献5】特開2008−172262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記特許文献3〜5で開示されている技術では、例えばnチャネル型MOSFETの場合、ゲート電極の下部のSOI基板の主面に形成されたp型ウエル(ボディ領域)からn型のソース領域に渡って連続した領域にp型の不純物(例えばB(ホウ素))を高濃度でイオン注入し、高濃度不純物注入領域を形成している。この場合、高濃度の不純物(例えばAs(ヒ素))が導入されたn型の領域であるソース領域にも高濃度のp型の不純物(例えばB(ホウ素))がイオン注入されるため、ソース領域にはn型およびp型の不純物が共に高濃度で注入された領域が形成される。このようにn型およびp型の不純物が共に高濃度で混在する領域には結晶欠陥が生じ易く、結晶欠陥は他の領域に移動(拡散)し、ゲート電極の下部のゲート絶縁膜に欠陥を生じさせる虞がある。欠陥の生じたゲート絶縁膜には多数の孔が形成され、この孔を通じてゲート電極とp型ウエルとが導通し、ゲート電極とp型ウエルとの間でリーク電流が発生する。従って、ゲート絶縁膜に欠陥が生じた場合、ゲート絶縁膜の信頼性が低下する問題がある。
【0010】
また、前記特許文献3および4で開示されている技術では、例えばnチャネル型MOSFETの場合、n型のソース領域とp型ウエルとを高濃度の連続したp型の領域で接続することによりp型ウエルの電位を制御している。しかし、この方法では、p型ウエルおよびn型のソース領域は、p型ウエル上およびn型のソース領域上に形成されたシリサイド層により電気的に接続され、常に同電位となり電位を別々に制御できない。このため、p型ウエルおよびn型のソース領域のそれぞれの電位を制御する上での自由度が低いという問題がある。
【0011】
また、前記特許文献1〜5で開示されている技術では、ゲート幅方向におけるゲート電極の端部の近傍にボディ(ウエル)領域と同一の導電型を有する半導体領域を形成することで、前記半導体領域を介してボディ領域の電位を制御している。しかし、この方法では、前記半導体領域を形成するための領域(スペース)をSOI基板上に新たに設ける必要があり、半導体素子の面積が増大するという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、半導体装置の性能を向上させることにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、半導体装置の信頼性を確保することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、半導体装置のチップサイズを縮小することにある。
【0015】
また、上記の目的を同時に達成することを図るものである。
【0016】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0018】
本実施の形態の好ましい一態様である半導体装置は、SOI構造を有する半導体基板の主面に形成された電界効果トランジスタを有する半導体装置である。前記半導体装置は、前記半導体基板の主面に沿って延在するゲート電極に直交する、前記ゲート電極と同層のゲート配線と、前記半導体基板の平面において前記ゲート配線の下部のウエル領域内に形成され、前記ウエル領域と電気的に接続された前記ウエル領域よりも低抵抗な第1導電型の接続層とを有する。そして、前記半導体装置は前記ゲート電極および前記ゲート配線よりも上層に形成された、前記ウエル領域に所定の電位を供給する第1配線とを有し、前記接続層と前記第1配線とは、前記接続層と前記半導体基板の平面において重なる領域の前記ゲート配線に形成された第1孔部内に設けられ、前記ゲート配線と絶縁された接続部材を介して電気的に接続されているものである。
【発明の効果】
【0019】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0020】
本発明によれば、半導体装置の性能を向上させることができる。
【0021】
また、半導体装置の信頼性を確保することができる。
【0022】
また、半導体装置のチップサイズを縮小することができる。
【0023】
また、上記の目的を同時に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1である半導体装置の平面レイアウトである。
【図2】本発明の実施の形態1である半導体装置の平面レイアウトである。
【図3】図1および図2のA−A線における要部断面図である。
【図4】図1および図2のB−B線における要部断面図である。
【図5】図1および図2のC−C線における要部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図15】図14に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図16】図15に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図17】図16に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図18】図17に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図19】図18に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図20】図19に続く半導体装置の製造方法を示す要部断面図である。
【図21】本発明の実施の形態2である半導体装置の平面レイアウトである。
【図22】本発明の実施の形態3である半導体装置の平面レイアウトである。
【図23】図22のD−D線における要部断面図である。
【図24】図22のE−E線における要部断面図である。
【図25】本発明の実施の形態4である半導体装置の平面レイアウトである。
【図26】本発明の実施の形態5である半導体装置の平面レイアウトである。
【図27】図26のF−F線における要部断面図である。
【図28】本発明の実施の形態6である半導体装置の平面レイアウトである。
【図29】比較例として示す半導体装置の平面レイアウトである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0026】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0027】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、実施の形態等において構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。
【0028】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0029】
また、材料等について言及するときは、特にそうでない旨明記したとき、または、原理的または状況的にそうでないときを除き、特定した材料は主要な材料であって、副次的要素、添加物、付加要素等を排除するものではない。例えば、シリコン部材は特に明示した場合等を除き、純粋なシリコンの場合だけでなく、添加不純物、シリコンを主要な要素とする2元、3元等の合金(例えばSiGe)等を含むものとする。
【0030】
また、以下の実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0031】
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするために部分的にハッチングを付す場合がある。
【0032】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による電界効果トランジスタであるnチャネル型MOSFETの構造の一例を図1〜図5を用いて説明する。図1および図2はSOI基板上に形成されたnチャネル型MOSFETのレイアウトの一部を示す平面図(平面レイアウト)である。図3〜図5は、それぞれ図1および図2のA−A線、B−B線、C−C線における要部断面図である。なお、図1および図2は同じ領域を示す平面図であり、複数の層を分かりやすく図示するために、2図に分けて平面レイアウトを示している。すなわち、図1ではゲート電極2よりも上層に形成された金属配線は図示しておらず、図2において金属配線(ソース配線M1s、ドレイン配線M1dおよびゲート配線M1g)を示している。
【0033】
本実施の形態の半導体装置が形成されたSOI基板は、高抵抗の支持基板上に形成されたBOX膜と、BOX膜上に形成されたシリコン層とを有する半導体基板である。図1に示すように、SOI基板1上には、SOI基板1の主面に沿う方向である第1方向に延在する複数のゲート電極2が形成され、各ゲート電極2は、SOI基板1の主面に沿う方向であって第1方向と直交する第2方向に延在する複数のゲート電極配線3に接続されている。第2方向における一部のゲート電極配線3の端部にはゲート接続部10が形成されており、ゲート接続部10上にはゲートコンタクトプラグ11が形成されている。ゲート電極配線3は、ゲート電極2に給電する引出し配線であり、ゲート電極2、ゲート電極配線3およびゲート接続部10のそれぞれは同層に形成されたポリシリコン膜からなり、それぞれSOI基板1の主面上にゲート絶縁膜を介して形成されている。
【0034】
すなわち、ゲート電極2は第1方向に複数本延在し、ゲート電極配線3は第2方向に複数本延在しているため、ゲート電極2とゲート電極配線3とは併せてSOI基板上に格子状(編み目状)に形成されており、ゲート電極2、ゲート電極配線3およびゲート接続部10は一体となっている。なお、ゲート電極2、ゲート電極配線3およびゲート接続部10のそれぞれの側壁には絶縁膜からなるサイドウォールが形成されているが、図1および図2では図示していない。
【0035】
ゲート電極2は複数のゲート電極配線3の間の領域に形成されており、ゲート電極2の下部のSOI基板1の主面には第1方向に沿ってp型ウエル12(図3参照)が形成され、SOI基板1の主面にはp型ウエル12を挟むように、高濃度のn型半導体領域であるソース領域6およびドレイン領域7が第1方向に延在して形成されている。すなわち、ゲート電極2の下部のSOI基板1の主面に形成された、第1方向に延在するp型ウエル12は、第2方向の一方の側面に接してソース領域6が形成され、もう一方の側面に接してドレイン領域7が形成されている。
【0036】
第2方向におけるソース領域6およびドレイン領域7のそれぞれの側壁であってp型ウエル12が接していない方の側壁には、素子分離領域4が第1方向に沿ってSOI基板1の上面に形成されている。すなわち、SOI基板1の主面には、SOI基板1の平面において第1方向に延在する複数の素子分離領域4がゲート電極2と平行して形成され、隣り合う素子分離領域4同士の間には、第1方向に延在するソース領域6およびドレイン領域7がそれぞれ形成され、ソース領域6およびドレイン領域7の間には、第1方向に延在するp型ウエル12(図3参照)が形成されている。なお、ソース領域6およびドレイン領域7はゲート電極配線3の下部には形成されておらず、ゲート電極配線3の下部で途切れて第1方向に沿って断続的に複数形成されている。また、図3に示すようにp型ウエル12はゲート電極2の下部のSOI基板1の主面に形成されているが、図4および図5に示すように、p型ウエル12はゲート電極配線3の下部のSOI基板1の主面にも形成されている。ゲート電極2の下部のp型ウエル12およびゲート電極配線3の下部のp型ウエル12は連続して形成され、一体となっており、互いに電気的に接続されている。
【0037】
また、図1および図5に示すように、素子分離領域4は第1方向に延在して連続的に形成されており、ゲート電極配線3の下部においても連続して形成され、途切れていない。また、本実施の形態において素子分離領域4は、LOCOS(Local Oxidization of Silicon)法ではなく好ましくはSTI(Shallow Trench Isolation)法により形成される。すなわち、素子分離領域4は、SOI基板1の一部を構成するシリコン層17に形成された溝内に、酸化シリコン膜等の絶縁膜が埋め込まれて形成されている。
【0038】
図2に示すように、SOI基板1上のゲート電極配線3およびゲート接続部10の更に上層には金属配線が形成されており、ゲート接続部10の上層にはゲート配線M1gが形成され、ソース領域6の上層には第1方向に延在するソース配線M1sが形成され、ドレイン領域7の上層には第1方向に延在するドレイン配線M1dが形成されている。ゲート配線M1g、ソース配線M1sおよびドレイン配線M1dのそれぞれは同層に形成され、ゲート配線M1gの下面とゲート接続部10の上面とはゲートコンタクトプラグ11により電気的に接続され、ソース配線M1sとソース領域6とはソースコンタクトプラグ13により電気的に接続され、ドレイン配線M1dとドレイン領域7とはドレインコンタクトプラグ14により電気的に接続されている。
【0039】
ゲート電極配線3は第1方向におけるソース領域6同士の間のSOI基板1の主面上であってソース配線M1sの下部において開口している孔部27を有しており、この孔部27により、SOI基板1の主面に形成されたp型ウエル12(図3参照)の接続層を構成する高濃度のp型半導体領域であるp型取出し領域5(図1参照)の上面がゲート電極配線3から露出している。孔部27の下部には、孔部27と平面的に重なる接続層が形成されており、接続層は、後に図4を用いて説明するp型半導体領域28およびp型取出し領域5からなり、p型ウエル12(図3参照)よりも低抵抗なp型半導体領域である。p型取出し領域5の上面とソース配線M1sの下面とはウエルコンタクトプラグ8を介して電気的に接続されており、ウエルコンタクトプラグ8とゲート接続部10との間には層間絶縁膜24(図3参照)が形成され、電気的に絶縁されている。
【0040】
なお、ゲート電極2、ゲート電極配線3、ゲート接続部10、ソース領域6、ドレイン領域7およびp型取出し領域5のそれぞれの上面にはシリサイド層22(図3参照)が形成されている。すなわち、ゲート接続部10、ソース領域6、ドレイン領域7およびp型取出し領域5と、ゲートコンタクトプラグ11、ソースコンタクトプラグ13、ドレインコンタクトプラグ14およびウエルコンタクトプラグ8とは、それぞれシリサイド層を介して電気的に接続されている。
【0041】
また、図1および図2に示すように、SOI基板1上にはゲート電極2、ソース領域6およびドレイン領域7を含むnチャネル型MOSFETQnが第1方向および第2方向に断続的に形成されており、SOI基板1上においてマトリクス状に複数のnチャネル型MOSFETQnが配置されている。第2方向に断続的に形成されたnチャネル型MOSFETQn同士の間には、ゲート電極配線3の第1方向における幅よりも第1方向における長さが長い素子分離領域4が形成されており、nチャネル型MOSFETQn同士を分離している。
【0042】
また、図1および図2の第1方向に沿うA−A線における要部断面図である図3に示すように、SOI基板1は、高抵抗の支持基板15上に形成されたBOX膜16と、BOX膜16上に形成されたシリコン層17を有する半導体基板である。シリコン層17上にはゲート電極2がゲート絶縁膜18を介して形成されており、ゲート電極2およびゲート絶縁膜18の側壁にはサイドウォール19が形成されている。ゲート電極2およびゲート絶縁膜18の下部のシリコン層17にはp型ウエル12が形成されており、各サイドウォール19の下部のシリコン層17にはn型の不純物(例えばAs(ヒ素))が導入されたエクステンション領域20が形成されている。ゲート電極2の両方の側壁に形成されたサイドウォール19の下部のエクステンション領域20はそれぞれ第2方向において一方の側壁がp型ウエル12に接するように形成され、もう一方の側壁がn型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dとそれぞれ接している。n型半導体領域6sおよび7dはシリコン層17にn型の不純物(例えばAs(ヒ素))がエクステンション領域20よりも高濃度で導入された領域であり、第2方向において、n型半導体領域6sおよび7dのそれぞれの一方の側壁はエクステンション領域20と接し、もう一方の側壁は素子分離領域4と接している。エクステンション領域20とn型半導体領域6sおよび7dとはLDD(Lightly Doped Drain)構造を構成している。ここで、n型半導体領域6sおよびn型半導体領域6sに接するエクステンション領域20はnチャネル型MOSFETQnのソースとして機能するソース領域6を構成しており、n型半導体領域7dおよびn型半導体領域7dに接するエクステンション領域20はnチャネル型MOSFETQnのドレインとして機能するドレイン領域7を構成している。
【0043】
ゲート電極2、n型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dのそれぞれの上面にはシリサイド層22が形成され、SOI基板1上にはゲート電極2を覆うように絶縁膜23が形成され、絶縁膜23上には絶縁膜23よりも厚い層間絶縁膜24が形成されている。層間絶縁膜24上にはダマシン配線であるソース配線M1sおよびドレイン配線M1dと、層間絶縁膜25とが形成されている。層間絶縁膜24の上面からn型半導体領域7d上およびn型半導体領域7d上のシリサイド層22の上面にかけて形成されたコンタクトホール26内に形成されたソースコンタクトプラグ13およびドレインコンタクトプラグ14により、ソース配線M1sとソース領域6およびドレイン配線M1dとドレイン領域7はそれぞれ電気的に接続されている。
【0044】
図1、図2および図3において、ゲート電極2、ゲート電極配線3およびゲート接続部10はポリシリコンからなる膜であり、ゲート電極2は本実施の形態におけるnチャネル型MOSFETQnのゲートとして機能する。ゲート絶縁膜18は熱酸化により形成された酸化シリコン膜であり、ゲート電極2、ゲート電極配線3およびゲート接続部10とSOI基板1とを絶縁している。p型ウエル12はSOI基板1の上部の薄いSi(シリコン)からなるシリコン層17に低い濃度でp型の不純物(例えばB(ホウ素))をイオン注入して形成した領域であり、シリコン層17にp型ウエル12よりも高い濃度でp型の不純物(例えばB(ホウ素))をイオン注入して形成したp型取出し領域5と電気的に接続されている。サイドウォール19は酸化シリコン膜からなり、シリサイド層22は、例えばNi(ニッケル)とシリコンとの化合物であるNiSi(ニッケルシリサイド)を含む層である。また、Co(コバルト)とシリコンとの化合物であるCoSi(コバルトシリサイド)を含む層で形成してもよい。このようなシリサイド層22は、W(タングステン)などからなるソースコンタクトプラグ13およびドレインコンタクトプラグ14と、ソース領域6およびドレイン領域7とをそれぞれ電気的に接続している。また、シリサイド層22は、ゲート電極配線3上にも形成されている(図4参照)。絶縁膜23は窒化シリコン膜からなる薄い膜であり、コンタクトホール26を開口する際のエッチストッパ膜として機能する。層間絶縁膜24および25は酸化シリコン膜からなる厚い膜であり、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより形成される。ソース配線M1s、ドレイン配線M1dおよびゲート配線M1gは、それぞれソース領域6、ドレイン領域7およびゲート電極2に所定の電位を供給するための主に銅を含む金属配線であり、例えばシングルダマシン法により、それぞれ同層に形成される。
【0045】
また、図1および図2の第1方向に沿うB−B線における要部断面図である図4に示すように、SOI基板1上にゲート絶縁膜18を介して形成されたゲート電極配線3は孔部27を有し、孔部27に接するゲート電極配線3の側壁に接して形成されたサイドウォール19aの下部のシリコン層17には、p型半導体領域28が形成されている。p型半導体領域28はp型ウエル12に低濃度のp型の不純物(例えばB(ホウ素))をイオン注入して形成した半導体領域であり、孔部27の下部のシリコン層17内においてp型取出し領域5を挟むようにp型取出し領域5と接して形成されている。すなわち、SOI基板1の平面においてp型半導体領域28はp型取出し領域5の周囲を囲むように形成されている。また、ゲート電極配線3の下部のシリコン層17にはp型ウエル12が形成されており、p型半導体領域28を介してp型取出し領域5と電気的に接続されている。すなわち、p型ウエル12よりも低抵抗なp型取出し領域5と、p型取出し領域5とp型ウエル12との間に形成された、p型ウエル12よりも低抵抗で、かつp型取出し領域5よりも高抵抗なp型半導体領域28により、p型ウエル12の接続層が構成されている。なお、シリコン層17内において低抵抗のp型取出し領域5と高抵抗のp型ウエル12とを直接接続すると、p型取出し領域5とp型ウエル12との界面に高い電界が集中する虞がある。よって、本実施の形態では、p型取出し領域5とp型ウエル12との間に、p型取出し領域5よりも高抵抗でp型ウエル12よりも低抵抗なp型半導体領域28を形成することにより、ソース領域6およびドレイン領域7のLDD構造と同様の構造とすることで電界を緩和することを可能としている。
【0046】
型ウエル12はゲート電極配線3のもう一方の側壁である、孔部27を有していない方の側壁に形成されたサイドウォール19の下部のシリコン層17には、図3に示したソース領域6およびドレイン領域7と同じく、エクステンション領域20が形成されている。図4において、エクステンション領域20は一方の側壁がp型取出し領域5と接しており、もう一方の側壁は第1方向に延在するn型半導体領域6sと接している。
【0047】
ここで、ゲート電極配線3、n型半導体領域6sおよびp型取出し領域5の上部にはシリサイド層22が形成されており、SOI基板1上にはゲート電極配線3を覆うように絶縁膜23が形成され、絶縁膜23上には厚い層間絶縁膜24が形成されている。層間絶縁膜24上であって、ゲート電極配線3、n型半導体領域6s、p型取出し領域5およびシリサイド層22の上層にはソース配線M1sが第1方向に連続的に延在して形成されている。ソース配線M1sは層間絶縁膜24に形成されたコンタクトホール26内のソースコンタクトプラグ13によりソース領域6と電気的に接続され、また、層間絶縁膜24に形成されたコンタクトホール26内のウエルコンタクトプラグ8によりp型取出し領域5と電気的に接続されている。ウエルコンタクトプラグ8は孔部27内を通るように形成されており、ゲート電極配線3とは接しておらず、絶縁されている。すなわち、ウエルコンタクトプラグ8はゲート電極配線3に形成された孔部27内に形成されており、ゲート電極配線3とは電気的に接続されていない。また、p型ウエル12はp型ウエル12の接続層を構成するp型取出し領域5およびp型半導体領域28を介してウエルコンタクトプラグ8およびソース配線M1sと電気的に接続されている。
【0048】
なお、n型の不純物(例えばAs(ヒ素))が高濃度でイオン注入されたn型半導体領域6sと、p型の不純物(例えばB(ホウ素))が高濃度でイオン注入されたp型取出し領域5との間にはエクステンション領域20、p型ウエル12、p型半導体領域28が形成されており、n型半導体領域6sとp型取出し領域5とは接していない。このため、本実施の形態のnチャネル型MOSFETQnでは、n型の不純物(例えばAs(ヒ素))とp型の不純物(例えばB(ホウ素))とが、共に高濃度で同一領域に導入されているような領域は形成されていない。
【0049】
また、本実施の形態ではp型取出し領域5とソース領域6とは、p型取出し領域5およびp型半導体領域28からなる接続層、ウエルコンタクトプラグ8、ソース配線M1sおよびソースコンタクトプラグ13により電気的に接続されているため、常に同電位となる。ここではp型取出し領域5とソース領域6とを別々の金属配線に接続せず、同一のソース配線M1sに接続することにより、配線密度を低減し、配線のレイアウトの自由度を高めている。
【0050】
なお、ここではn型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dはn型の不純物が1×1015cm−3程度の濃度で導入されている半導体領域であり、p型取出し領域5はp型の不純物が1×1015cm−3程度の濃度で導入されている半導体領域である。p型取出し領域5およびp型半導体領域28はSOI基板1の平面においてゲート電極配線3と重なる領域のp型ウエル12内に形成されている。
【0051】
また、図1および図2の第2方向に沿うC−C線における要部断面図である図5に示すように、図4と同様にSOI基板1上のゲート電極配線3は孔部27を有し、孔部27の下部のシリコン層17にはp型取出し領域5が形成されており、p型取出し領域5はシリサイド層22およびウエルコンタクトプラグ8を介してp型取出し領域5の上層に形成されたソース配線M1sと電気的に接続されている。また、ウエルコンタクトプラグ8は孔部27内を通るように形成されており、ゲート電極配線3およびゲート接続部10(図示しない)とは接しておらず、絶縁されている。ゲート電極配線3およびゲート接続部10とは同一のポリシリコン膜により形成されており、それぞれの上面にはシリサイド層22が形成されている。図3および図4と同様にSOI基板上に形成された層間絶縁膜24上にはダマシン配線であるソース配線M1s、ドレイン配線M1dおよびゲート配線M1gが形成されており、ゲート配線M1gは、層間絶縁膜24に形成されたコンタクトホール26内のゲートコンタクトプラグ11によりゲート接続部10と電気的に接続されている。ゲート電極配線3およびゲート接続部10の下部のシリコン層17にはp型ウエル12が形成されており、セルを区分する素子分離領域4が第1方向に延在して形成されている。
【0052】
次に、図29に比較例として示すnチャネル型MOSFETを用いて、本実施の形態の効果について説明する。
【0053】
寄生容量は素子間、素子および配線間または素子および接地電極間などに寄生的に形成される容量であり、通常、半導体基板上にMOSFETを形成した場合、ゲート・ソース間、ソース・ドレイン間およびゲート・ドレイン間には寄生容量が発生する。また、ゲート、ソースおよびドレインと半導体基板との間、またはウエルとソース・ドレイン領域との界面のPN接合領域に寄生容量が発生する。
【0054】
高周波回路などで使用されるスイッチング用のMOSFETの場合、寄生容量が負荷となり、信号の振幅が劣化することで高周波特性に悪影響が生じ、また、回路動作が不安定になる問題がある。MOSFETをSOI基板上に形成することで、寄生容量を低減し、このような特性劣化を低減することができるが、基板電位を固定するなどしてウエル(基板)の電位を制御することにより、更に寄生容量を低減することができる。
【0055】
比較例として示すnチャネル型MOSFETは、ウエル(基板)の電位を制御するために、チャネル領域であるウエルからソース領域にかけてp型の不純物(例えばB(ホウ素))を高濃度で導入しているものである。図29は比較例であるnチャネル型MOSFETの平面レイアウトである。なお、図29ではゲート電極2aおよびゲート接続部10aの側壁に形成されたサイドウォールは図示しておらず、ゲート電極2a上、ゲート接続部10a上、ソース領域6a上およびドレイン領域7a上にそれぞれ形成されたシリサイド層、層間絶縁膜および配線は図示していない。
【0056】
図29に示すように、SOI基板1a上には第1方向に延在するゲート電極2aが形成されており、ゲート電極2aの第1方向における端部には、ゲート電極2aと同一の層であるゲート接続部10aが形成されている。ゲート接続部10a上にはゲートコンタクトプラグ11aが形成され、ゲート配線(図示しない)とゲート電極2aとを電気的に接続している。また、ゲート電極2aの下部には第1方向に延在するp型ウエル(図示しない)が形成され、p型ウエルは、SOI基板1aの主面に沿う方向であって第1方向に直交する第2方向においてソース領域6aおよびドレイン領域7aにより挟まれるように形成されている。ソース領域6aとp型ウエルとの間およびドレイン領域7aとp型ウエルとの間には、それぞれ第1方向に延在するエクステンション領域(図示しない)が形成されている。ソース領域6aおよびドレイン領域7aはn型の不純物(例えばAs(ヒ素))を高濃度でイオン注入して形成した、第1方向に沿って延在する半導体領域である。エクステンション領域(図示しない)は、n型の不純物(例えばAs(ヒ素))がソース領域6aおよびドレイン領域7aよりも低い濃度で導入された領域である。また、ソース領域6a上およびドレイン領域7a上にはそれぞれソースコンタクトプラグ13aおよびドレインコンタクトプラグ14aが第1方向に沿って断続的に複数形成されており、ソース領域6aおよびドレイン領域7aの上層に形成されたソース配線(図示しない)およびドレイン配線(図示しない)とソース領域6aおよびドレイン領域7aとをそれぞれ電気的に接続している。
【0057】
ここで、比較例におけるnチャネル型MOSFETでは、高抵抗のp型ウエルの電位を取るため、ソース領域6aおよびドレイン領域7aの間のnチャネル型MOSFETのチャネル形成領域であるp型ウエルからソース領域6aの端部に渡って半導体基板の主面にp型の不純物(例えばB(ホウ素))を高濃度でイオン注入している。これにより、p型の不純物(例えばB(ホウ素))が高濃度で導入されたp型ウエルの上面およびソース領域6aの上面にはp型取出し領域5aが形成されており、p型取出し領域5aを介してp型ウエルとソース領域6aとが電気的に接続されている。ここでは、ソース領域6a、ドレイン領域7aおよびp型取出し領域5aは、n型またはp型の不純物が1×1015cm−3程度の濃度で導入されている領域とする。
【0058】
なお、p型取出し領域5aはp型ウエル上に形成されたp型領域5cと、ソース領域6a上に形成された重ね打ち領域5bとで構成されている。第2方向において、p型取出し領域5aの一方の端部(p型領域5cの端部)はp型ウエルに接し、ゲート電極2aまたはゲート電極2aの側壁に形成されたサイドウォール(図示しない)の下部もしくはその他の領域のp型ウエル内において終端している。なお、図29では、ゲート電極2aの下部に形成されたp型取出し領域5aの輪郭を破線で示している。また、第2方向においてp型取出し領域5aのもう一方の端部はn型の不純物(例えばAs(ヒ素))が高濃度で導入された半導体領域であるソース領域6a内に達しており、ソース領域6aには、n型の不純物(例えばAs(ヒ素))とp型の不純物(例えばB(ホウ素))とが共に1×1015cm−3程度で高濃度に導入された領域である重ね打ち領域5bが形成されている。
【0059】
この場合、重ね打ち領域5bでは、n型およびp型の不純物がそれぞれ高濃度にイオン注入されることにより結晶欠陥が発生する。この欠陥はSOI基板1a上において移動し、ゲート電極2aとSOI基板1aとの間に形成されたゲート絶縁膜(図示しない)に欠陥を生じさせる。重ね打ち領域5bに生じた結晶欠陥が移動して発生したゲート絶縁膜の欠陥は、ゲート絶縁膜に多数の穴またはゲート絶縁膜の上面から下面を貫く孔を生じさせる。比較例として示す半導体装置では、この孔によってゲート電極2aとゲート電極2aの下部のシリコン層とが電気的に導通することで、ゲート電極2aとシリコン層との間にリーク電流が発生し、MOSFETが機能しなくなる虞がある。すなわち、図29に示した比較例のように、ソース領域6aからp型ウエルにかけてp型取出し領域5aを形成することでp型ウエルの電位を制御しようとすると、p型取出し領域5aおよびゲート絶縁膜において結晶欠陥が生じ、ゲート絶縁膜の信頼性が極端に低下する問題がある。
【0060】
本実施の形態では、ゲート電極配線3に形成された孔部27内を通り、ソース配線M1sに接続されたウエルコンタクトプラグを、孔部27の下部のシリコン層17に形成されたp型取出し領域5に接続することで、p型取出し領域5と電気的に接続されたnチャネル型MOSFETQnのウエル(p型ウエル12)の電位(基板電位)を制御することを可能としている。
【0061】
ここで、図4に示すp型取出し領域5のような高濃度のp型不純物が導入された領域と、図3に示すn型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dのような高濃度のn型不純物が導入された領域は別々の領域に形成されており、比較例である図29に示したような重ね打ち領域5bが存在しない。すなわち、p型取出し領域5に導入されたp型の不純物(例えばB(ホウ素))と、ソース領域6に導入されたn型の不純物(例えばAs(ヒ素))とがそれぞれ1×1015cm−3程度の高濃度で導入された領域は存在しない。このため、図3に示すSOI基板1の上面およびゲート絶縁膜18における結晶欠陥の発生を防ぐことで、ゲート電極2とシリコン層17との間でリーク電流が発生することを防ぐことができる。従って、本実施の形態の半導体装置では、ゲート絶縁膜18の信頼性を損なわずにp型ウエル12の電位を制御することができ、nチャネル型MOSFETQnに発生する寄生容量を低減することができる。
【0062】
なお、本実施の形態ではnチャネル型MOSFETを例に説明したが、本発明はpチャネル型MOSFETにも適用することができ、また、nチャネル型MOSFETおよびpチャネル型MOSFETが形成されたCMOSFET(Complementary MOS FET)に適用することもできる。pチャネル型MOSFETに適用する場合、ゲート電極配線に形成された孔部の下部のシリコン層に高濃度のn型不純物を含むn型取出し領域を形成することで、n型取出し領域に接続したウエルコンタクトプラグおよび配線を通じてn型ウエルの電位を制御する。
【0063】
また、本実施の形態では図3に示すn型半導体領域6sをソースとし、n型半導体領域7dをドレインとしたが、n型半導体領域6sをドレインとし、n型半導体領域7dをソースとしても良い。
【0064】
また、図1に示すように、本実施の形態では第1方向に延在する素子分離領域4をゲート電極配線3の下部で途切れさせず連続的に形成することにより、素子分離領域4によるゲッタリング効果によってシリコン層17に発生する結晶欠陥を素子分離領域4に引き寄せることができる。このため、ソース領域6およびドレイン領域7などに生じる欠陥がゲート絶縁膜18に移動することを防ぎ、半導体装置の信頼性を更に向上させることができる。すなわち、素子分離領域4が結晶欠陥を引き寄せるゲッタリングサイトとして働くことで、シリコン層17において発生する結晶欠陥を引き寄せるゲッタリング効果が生じ、シリコン層17の結晶性を向上させ、ゲート絶縁膜に欠陥が生じることを防ぐことができる。
【0065】
素子分離領域4は第1方向において長ければ長い程ゲッタリング効果が強まり、より欠陥を引き寄せやすくなるため、本実施の形態では第1方向に延在する素子分離領域4をゲート電極配線3の下部で途切れさせず連続的に形成することで、よりゲッタリング効果を強めることができる。本実施の形態では、第2方向に延在しているゲート電極配線3の下に、第1方向に延在する素子分離領域4を配置している。このとき、第1方向において、素子分離領域4はゲート電極配線3の両端部よりもはみ出すように配置されている。言い換えれば、第2方向に延在しているゲート電極配線3において、第1方向における両端部は、素子分離領域4上に配置されている。
【0066】
また、p型ウエルの電位(基板電位)を制御する方法として、SOI基板の平面においてゲート電極配線およびゲート電極と重ならない位置に形成されたp型ウエルの上面に(図1に示すp型取出し領域5に相当する)低抵抗のp型半導体領域を形成し、このp型半導体領域上に形成したコンタクトプラグを通じてp型ウエルの電位を制御する方法が考えられる。しかし、ゲート電極配線およびゲート電極と重ならない位置に形成されたp型ウエルの上面にコンタクトプラグを形成する方法では、そのコンタクトプラグを接続するp型半導体領域を形成するための領域(スペース)をSOI基板の平面においてSOI基板の主面に新たに設ける必要があるため、素子面積(nチャネル型MOSFETを含む半導体チップのチップサイズ)の増大に繋がる。これは、SOI基板の平面においてp型半導体領域と重ならないようにゲート電極配線を迂回させて形成したり、新たにゲート電極配線に電位を供給するためのコンタクトプラグを形成する必要が生じ、半導体装置の構造が複雑化してしまうためである。
【0067】
本実施の形態では、図1に示すようにゲート電極配線3と重なる位置のp型ウエル12(図示しない)内にp型取出し領域5を形成し、p型取出し領域5上のゲート電極配線3を開口して形成した孔部27内にウエルコンタクトプラグ8を設けている。このため、ウエルにコンタクトプラグを接続するための領域を新たに形成する必要がなく、半導体装置の素子面積が増大することを防ぎ、また、半導体装置の構造が複雑化することを防ぐことができる。
【0068】
次に、本実施の形態の半導体装置の製造工程を図面を参照して説明する。図6〜図20は、本発明の一実施の形態である半導体装置、例えばnチャネル型MOSFETを有する半導体装置の製造工程中の要部断面図である。なお、図6〜図20において、符号MRで示される、図面の左側の領域は図1および図2のA−A線での断面図と同じ位置における製造工程中の半導体装置の要部断面図であって、nチャネル型MOSFETのソース・ドレイン領域、ゲート電極およびチャネルが形成されるnチャネル型MOSFET形成領域を示している。また、図6〜図20において、符号CRで示される、図面の右側の領域は図1および図2のB−B線での断面図と同じ位置における製造工程中の半導体装置の要部断面図であって、ウエルおよびソースの電位を取るためのコンタクトプラグ形成領域を示している。
【0069】
まず、図6に示すように、SOI基板1を用意する。SOI基板1はSi(シリコン)からなる半導体基板の主面に高いエネルギーでO(酸素)をイオン注入し、その後の熱処理でSi(シリコン)と結合させ、半導体基板の表面よりも少し深い位置に酸化膜(BOX膜)を形成するSIMOX(Silicon Implanted Oxide)法で形成することができる。また、SOI基板1は、表面に酸化膜を形成した半導体基板と、もう1枚のSi(シリコン)からなる半導体基板とを高熱および圧力によって接着して貼り合わせた後、片側のシリコン層を研磨して薄膜化することで形成することもできる。
【0070】
SOI基板1は、Si(シリコン)からなる高抵抗の支持基板15上に形成されたBOX膜16と、BOX膜16上に形成されたシリコン層17を有する半導体基板であり、シリコン層17は、1〜10Ωcm程度の比抵抗を有する単結晶シリコンなどからなる層である。
【0071】
次に、図7に示すように、このSOI基板1を熱酸化してその表面に絶縁膜4aを形成した後、その上層にCVD法などにより、絶縁膜4bを堆積する。絶縁膜4aは酸化シリコンなどからなり、絶縁膜4bは窒化シリコン膜などからなる。
【0072】
次に、図8に示すように、フォトレジストパターン(図示しない)をエッチングマスクとして絶縁膜4b、絶縁膜4aおよびシリコン層17を順次ドライエッチングすることにより、素子分離形成予定領域のSOI基板1に溝(素子分離用の溝)4cを形成する。溝4cは、素子分離用の溝であり、すなわち後述する素子分離領域4形成用の溝である。
【0073】
次に、図9に示すように、熱リン酸などを用いたウェットエッチングにより絶縁膜4bを除去した後、溝4cの内部(側壁および底部)を含むSOI基板1の主面上に絶縁膜4dを形成する。それから、SOI基板1の主面上(すなわち絶縁膜4d上)に、溝4c内を埋めるように、絶縁膜4eをCVD法などにより形成(堆積)する。
【0074】
絶縁膜4dは、酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜からなる。絶縁膜4dが酸窒化シリコン膜の場合には、絶縁膜4d形成工程以降の熱処理によって溝4cの側壁が酸化することによる体積膨張を防止でき、SOI基板1に働く圧縮応力を低減できる効果がある。
【0075】
絶縁膜4eは、HDP−CVD(High Density Plasma CVD:高密度プラズマCVD)法により成膜された酸化シリコン膜、またはO−TEOS酸化膜などである。なお、O−TEOS酸化膜とは、O(オゾン)およびTEOS(Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン、Tetra Ethyl Ortho Silicateとも言う)を原料ガス(ソースガス)として用いて熱CVD法により形成した酸化シリコン膜である。絶縁膜4eがHDP−CVD法により成膜された酸化シリコン膜の場合、絶縁膜4dは、絶縁膜4eを堆積する際のSOI基板1へのダメージ防止の効果がある。
【0076】
その後、絶縁膜4eをCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法により研磨して、溝4cの外部の絶縁膜4eを除去し、溝4cの内部に絶縁膜4dおよび4eを残すことにより、絶縁膜4dおよび4eからなる素子分離領域(素子分離)4を形成する。
【0077】
それから、SOI基板1を例えば1150℃程度で熱処理することにより、溝4cに埋め込んだ絶縁膜4eを焼き締める。焼き締め前の状態では、O−TEOS酸化膜よりもHDP−CVD法により成膜された酸化シリコン膜の方が緻密である。このため、絶縁膜4eがO−TEOS酸化膜の場合、焼き締めによる絶縁膜4eの収縮により、SOI基板1に働く圧縮応力を低減できる効果がある。一方、絶縁膜4eがHDP−CVD法により成膜された酸化シリコン膜の場合には、絶縁膜4eがO−TEOS酸化膜の場合に比べて、焼き締め時の絶縁膜4eの収縮が少ないため、素子分離領域4によってSOI基板1に働く圧縮応力が大きくなる。
【0078】
このようにして、溝4c内に埋め込まれた絶縁膜4d,4eからなる素子分離領域4が形成される。本実施の形態では、素子分離領域4は、LOCOS(Local Oxidization of Silicon)法ではなく、好ましくはSTI(Shallow Trench Isolation)法により形成される。すなわち、本実施の形態の素子分離領域4は、好ましくは、SOI基板1に形成された素子分離用の溝4c内に埋め込まれた絶縁体(ここでは絶縁膜4dおよび4e)からなる。図1および図2を用いて説明した、nチャネル型MOSFETQn(すなわちnチャネル型MOSFETQnを構成するゲート絶縁膜18、ゲート電極2、ソース領域6およびドレイン領域7)は、素子分離領域4で規定された(囲まれた)活性領域に形成される。
【0079】
次に、図10に示すように、SOI基板1の主面であるシリコン層17にp型ウエル12を形成する。p型ウエル12は、nチャネル型MOSFET形成領域MRのSOI基板1に例えばB(ホウ素)などのp型の不純物をイオン注入することなどによって形成することができる。
【0080】
次に、例えばフッ酸(HF)水溶液を用いたウェットエッチングなどによりSOI基板1の表面を清浄化(洗浄)した後、SOI基板1の表面(すなわちp型ウエル12の表面)上にゲート絶縁膜18を形成する。ゲート絶縁膜18は、例えば薄い酸化シリコン膜などからなり、例えば熱酸化法などによって形成することができる。
【0081】
次に、SOI基板1上(すなわちp型ウエル12のゲート絶縁膜18上)に、ゲート電極形成用の導体膜として、多結晶シリコン膜のようなシリコン膜2bを形成する。シリコン膜2bのうちのnチャネル型MOSFET形成領域MR(後述するゲート電極2、ゲート電極配線3およびゲート接続部となる領域)は、フォトレジスト膜(図示しない)をマスクとして用いてP(リン)またはAs(ヒ素)などのn型の不純物をイオン注入することなどにより、低抵抗のn型半導体膜(ドープトポリシリコン膜)とされている。また、シリコン膜2bは、成膜時にはアモルファスシリコン膜であったものを、成膜後(イオン注入後)の熱処理により多結晶シリコン膜に変えることもできる。
【0082】
次に、図11に示すように、シリコン膜2bをフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングすることにより、nチャネル型MOSFET形成領域MRにシリコン膜2bからなるゲート電極2を形成し、コンタクトプラグ形成領域CRにシリコン膜2bからなるゲート電極配線3を形成する。なお、図示はしていないが、延在するゲート電極配線3の端部において、シリコン膜2bからなるゲート接続部も同工程で形成する。なお、ゲート電極配線3は、ゲート電極配線3の上面からゲート絶縁膜18の下面までを貫きp型ウエル12の上面を露出する孔部27を有している。
【0083】
nチャネル型MOSFETのゲート電極となるゲート電極2およびゲート電極配線3はn型の不純物を導入した多結晶シリコン(n型半導体膜、ドープトポリシリコン膜)からなり、p型ウエル12上にゲート絶縁膜18を介して形成される。すなわち、ゲート電極2およびゲート電極配線3は、p型ウエル12のゲート絶縁膜18上に形成される。
【0084】
次に、図12に示すように、コンタクトプラグ形成領域CRにおいて、フォトリソグラフィ法を用いてゲート電極配線3の上面の一部および孔部27を覆うようにフォトレジスト膜60を形成する。その後、SOI基板1の主面にP(リン)またはAs(ヒ素)などのn型の不純物をイオン注入することにより、フォトレジスト膜60、ゲート電極2、ゲート電極配線3の下部の一部および孔部27の下部を除くシリコン層17に、n型の半導体領域である(一対の)エクステンション領域20を形成する。すなわち、p型ウエル12のゲート電極2の両側の領域に、エクステンション領域20を形成する。
【0085】
次に、図13に示すように、フォトレジスト膜60を除去した後、SOI基板1上において、ゲート電極配線3の上面の一部および孔部27を露出させるようなフォトレジスト膜61をフォトリソグラフィ法により形成する。フォトレジスト膜61はエクステンション領域20およびゲート電極2の上面を覆うものである。その後、SOI基板1の主面にB(ホウ素)などのp型の不純物をイオン注入することにより、フォトレジスト膜61、ゲート電極配線3の下部の一部を除くシリコン層17に、p型の半導体領域であるp型半導体領域28を形成する。すなわち、ゲート電極配線3の孔部27の下部のシリコン層17にのみp型半導体領域28を形成する。
【0086】
次に、図14に示すように、フォトレジスト膜61を除去した後、ゲート電極2およびゲート電極配線3のそれぞれの側壁に、絶縁膜として、例えば酸化シリコンまたは窒化シリコンあるいはそれら絶縁膜の積層膜などからなる側壁スペーサまたはサイドウォール(側壁絶縁膜)19を形成する。サイドウォール19は、例えば、SOI基板1上に酸化シリコン膜または窒化シリコン膜あるいはそれらの積層膜を堆積し、この酸化シリコン膜または窒化シリコン膜あるいはそれらの積層膜をRIE(Reactive Ion Etching)法などにより異方性エッチングすることによって形成することができる。
【0087】
次に、図15に示すように、フォトリソグラフィ法により、孔部27の下部のp型半導体領域28の上面を覆うようにフォトレジスト膜62を形成する。その後、(一対の)n型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dを、例えば、p型ウエル12のゲート電極2およびサイドウォール19の両側の領域にP(リン)またはAs(ヒ素)などのn型の不純物をイオン注入することにより形成する。イオン注入後、導入した不純物の活性化のためのアニール処理を、例えば1050℃程度のスパイクアニール処理にて行うこともできる。
【0088】
型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dは、エクステンション領域20よりも不純物濃度が高い。これにより、nチャネル型MOSFETQnのソースまたはドレインとして機能するn型の半導体領域(不純物拡散層)が、n型半導体領域(不純物拡散層)6s、7dおよびエクステンション領域20により形成される。すなわち、n型半導体領域6sと、n型半導体領域6sに接するエクステンション領域20はソース領域6を構成し、n型半導体領域7dと、n型半導体領域7dに接するエクステンション領域20はドレイン領域7を構成する。従って、nチャネル型MOSFETQnのソース領域6およびドレイン領域7は、LDD(Lightly doped Drain)構造を有している。エクステンション領域20は、ゲート電極2に対して自己整合的に形成され、n型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dは、ゲート電極2の側壁上に形成されたサイドウォール19に対して自己整合的に形成される。
【0089】
このようにして、p型ウエル12に、電界効果トランジスタとしてnチャネル型MOSFETQnが形成される。nチャネル型MOSFETQnは、nチャネル型の電界効果トランジスタとみなすことができる。
【0090】
次に、図16に示すように、フォトレジスト膜62を除去した後、フォトリソグラフィ法により、ソース領域6およびドレイン領域7の上面を覆うようにフォトレジスト膜63を形成する。このとき、サイドウォール19およびゲート電極配線3に覆われていないp型半導体領域28の上面はフォトレジスト膜63から露出している。その後、露出しているp型半導体領域28にB(ホウ素)などのp型の不純物をイオン注入することにより、孔部27に形成されたサイドウォール19の間の領域のシリコン層17にp型取出し領域5を形成する。イオン注入後、導入した不純物の活性化のためのアニール処理を、例えば1050℃程度のスパイクアニール処理にて行うこともできる。p型取出し領域5は、p型半導体領域28よりも不純物濃度が高い領域である。
【0091】
このように本実施の形態では、ソース領域6およびドレイン領域7とp型取出し領域5とを、別工程においていずれか一方の形成領域をフォトレジスト膜で覆った状態で、SOI基板1の上面に不純物をイオン注入することにより、別々の導電型を有する領域をシリコン層17に形成している。なお、本実施の形態では先にエクステンション領域20を形成した後にp型半導体領域28を形成しているが、先にp型半導体領域28を形成した後にエクステンション領域20を形成しても良い。同様に、本実施の形態では先にn型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dを形成した後にp型取出し領域5を形成しているが、先にp型取出し領域5を形成した後にn型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dを形成しても良い。
【0092】
次に、図17に示すように、フォトレジスト膜63を除去した後、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術により、nチャネル型MOSFETQnのゲート電極2、ゲート電極配線3、p型取出し領域5、ソース領域6およびドレイン領域7(ここではn型半導体領域6sおよびn型半導体領域7d)のそれぞれの表面に、低抵抗のシリサイド層22を形成する。
【0093】
具体的には、上記のようにして図16の構造が得られた後、図17に示すように、ゲート電極2、ゲート電極配線3、p型取出し領域5、n型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dの表面を露出させてから、ゲート電極2上、ゲート電極配線3上、p型取出し領域5上、n型半導体領域6s上およびn型半導体領域7d上を含むSOI基板1の主面(全面)上に金属膜を、例えばスパッタリング法を用いて形成(堆積)する。すなわち、ゲート電極2上、ゲート電極配線3上、p型取出し領域5上、n型半導体領域6s上およびn型半導体領域7d上を含むSOI基板1上に、ゲート電極2を覆うように、金属膜が形成される。
【0094】
また、金属膜の堆積工程の前に、HFガス、NFガス、NHガス又はHガスのうち少なくともいずれか1つを用いたドライクリーニング処理を行って、ゲート電極2、ゲート電極配線3、p型取出し領域5、n型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dの表面の自然酸化膜を除去した後、SOI基板1を大気中(酸素含有雰囲気中)にさらすことなく、金属膜の堆積工程を行えば、より好ましい。金属膜は、例えばNi(ニッケル)を含む金属膜である。
【0095】
このようにして金属膜を形成した後、SOI基板1に2回に分けて熱処理を施すことで金属膜とゲート電極2、ゲート電極配線3、p型取出し領域5、n型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dに含まれるSi(シリコン)とが反応し、ゲート電極2、ゲート電極配線3、p型取出し領域5、n型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dのそれぞれの上面にシリサイド層22を形成する。
【0096】
すなわち、シリサイド層22を形成する際の熱処理は2回に分けて行い、第1の熱処理(1stアニール処理)の温度を250〜300℃で行った後に、未反応の金属膜を除去し、第2の熱処理を500℃〜600℃程度で行うことにより、図17の構造を得る。未反応の金属膜の除去は、硫酸を用いたウェット洗浄、またはSPM(Sulfuric acid Hydrogen Peroxide Mixture:硫酸と過酸化水素水との混合液)を用いたウェット洗浄などにより行うことができる。これにより、金属膜に含まれるNi(ニッケル)とゲート電極2、ゲート電極配線3、p型取出し領域5、n型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dに含まれるSi(シリコン)との化合物であるNiSi(ニッケルシリコン)からなるシリサイド層22がゲート電極2、ゲート電極配線3、p型取出し領域5、n型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dのそれぞれの上面に形成される。
【0097】
次に、図18に示すように、SOI基板1の主面上に絶縁膜23を形成する。すなわち、ゲート電極2およびゲート電極配線3を覆うように、シリサイド層22上を含むSOI基板1上に絶縁膜23を形成する。絶縁膜23は例えば窒化シリコン膜からなり、成膜温度(基板温度)450℃程度のプラズマCVD法などにより形成することができる。それから、絶縁膜23上に絶縁膜23よりも厚い層間絶縁膜24を形成する。層間絶縁膜24は例えば酸化シリコン膜などからなり、TEOSを用いて成膜温度450℃程度のプラズマCVD法などにより形成することができる。その後、層間絶縁膜24の表面をCMP法により研磨するなどして、層間絶縁膜24の上面を平坦化する。下地段差に起因して層間絶縁膜24の表面に凹凸の形状が形成されていても、層間絶縁膜24の表面をCMP法により研磨することにより、その表面が平坦化された層間絶縁膜を得ることができる。
【0098】
次に、図19に示すように、層間絶縁膜24上に形成したフォトレジストパターン(図示しない)をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜23および層間絶縁膜24をドライエッチングすることにより、絶縁膜23および層間絶縁膜24にコンタクトホール(貫通孔、孔)26を形成する。この際、まず絶縁膜23に比較して層間絶縁膜24がエッチングされやすい条件で層間絶縁膜24のドライエッチングを行い、絶縁膜23をエッチングストッパ膜として機能させることで、層間絶縁膜24にコンタクトホール26を形成してから、層間絶縁膜24に比較して絶縁膜23がエッチングされやすい条件でコンタクトホール26の底部の絶縁膜23をドライエッチングにより除去する。コンタクトホール26の底部では、SOI基板1の主面の一部、例えばn型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dの表面上のシリサイド層22の一部、並びにゲート電極2およびゲート電極配線3の表面上のシリサイド層22の一部などが露出される。
【0099】
次に、コンタクトホール26内に、W(タングステン)などからなるコンタクトプラグ(接続用導体部、埋め込みプラグ、埋め込み導体部)を形成する。ここで、n型半導体領域6s上にはソースコンタクトプラグ13を形成し、n型半導体領域7d上にはドレインコンタクトプラグ14を形成し、p型取出し領域5上にはウエルコンタクトプラグ8を形成する。ソースコンタクトプラグ13、ドレインコンタクトプラグ14およびウエルコンタクトプラグ8のそれぞれを形成するには、例えば、コンタクトホール26の内部(底部および側壁上)を含む層間絶縁膜24上に、成膜温度(基板温度)450℃程度のプラズマCVD法によりバリア導体膜26a(例えばチタン膜、窒化チタン膜、あるいはそれらの積層膜)を形成する。それから、タングステン膜などからなる主導体膜26bをCVD法などによってバリア導体膜26a上にコンタクトホール26を埋めるように形成し、層間絶縁膜24上の不要な主導体膜26bおよびバリア導体膜26aをCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、ソースコンタクトプラグ13、ドレインコンタクトプラグ14およびウエルコンタクトプラグ8を形成することができる。ゲート接続部10(図示しない)、p型取出し領域5、n型半導体領域6sおよびn型半導体領域7d上に形成されたそれぞれのコンタクトプラグは、その底部でゲート接続部10、p型取出し領域5、n型半導体領域6sおよびn型半導体領域7dの表面上のシリサイド層22と接して、電気的に接続される。図示は省略するが、このとき、ゲート接続部10の上面にもシリサイド層22が形成され、ゲート接続部10上にはシリサイド層22を介してゲートコンタクトプラグ11が形成される。
【0100】
次に、図20に示すように、ソースコンタクトプラグ13、ドレインコンタクトプラグ14、ウエルコンタクトプラグ8およびゲートコンタクトプラグ11(図示しない)が埋め込まれた層間絶縁膜24上に、ストッパ絶縁膜29および配線形成用の層間絶縁膜25を順次形成する。ストッパ絶縁膜29は層間絶縁膜25への溝加工の際にエッチングストッパとなる膜であり、層間絶縁膜25に対してエッチング選択比を有する材料を用いる。ストッパ絶縁膜29は、例えばプラズマCVD法により形成される窒化シリコン膜とし、層間絶縁膜25は、例えばプラズマCVD法により形成される酸化シリコン膜とすることができる。なお、ストッパ絶縁膜29と層間絶縁膜25には次に説明する第1層目の配線が形成される。
【0101】
次に、シングルダマシン法により第1層目の配線を形成する。まず、レジストパターン(図示しない)をマスクとしたドライエッチングによって層間絶縁膜25およびストッパ絶縁膜29の所定の領域に配線溝30を形成した後、SOI基板1の主面上(すなわち配線溝の底部および側壁上を含む層間絶縁膜25上)にバリア導体膜(バリアメタル膜)31を形成する。バリア導体膜31は、例えば窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜などを用いることができる。続いて、CVD法またはスパッタリング法などによりバリア導体膜31上に銅のシード層を形成し、さらに電解めっき法などを用いてシード層上に銅めっき膜を形成する。銅めっき膜により配線溝30の内部を埋め込む。それから、配線溝30以外の領域の銅めっき膜、シード層およびバリア導体膜31をCMP法により除去して、銅を主導電材料とする第1層目のソース配線M1s、ドレイン配線M1dおよびゲート配線M1g(図示しない)を形成する。ソース配線M1sは、ソースコンタクトプラグ13およびウエルコンタクトプラグ8を介してnチャネル型MOSFETQnのソース領域6のn型半導体領域6sおよびp型取出し領域5に電気的に接続されている。すなわち、ソース配線M1sは、ウエルコンタクトプラグ8、シリサイド層22、p型取出し領域5を介してp型ウエル12に電気的に接続されている。なお、ウエルコンタクトプラグ8はゲート電極配線3の孔部27内を通ってp型取出し領域5に接続されており、ゲート電極配線3とは層間絶縁膜24などを介して絶縁されており、電気的に接続されていない。ドレイン配線M1dは、ドレインコンタクトプラグ14を介してnチャネル型MOSFETQnのドレイン領域7のn型半導体領域7dに電気的に接続されている。また、図示はしていないが、ゲート配線M1gは、ゲートコンタクトプラグ11を介してゲート接続部10に電気的に接続されている。その後、デュアルダマシン法により第2層目の配線を形成するが、ここでは図示およびその説明は省略する。以上により、本実施の形態の半導体装置を完成する。
【0102】
前述したように、本実施の形態では、図1および図2に示すゲート電極配線3に形成された孔部27内に形成されたウエルコンタクトプラグ8によってソース配線M1sとp型取出し領域5とを電気的に接続することで、SOI基板1上に形成されたMOSFETのウエル(p型ウエル12)の電位を制御することを可能としている。これにより、nチャネル型MOSFETQnに発生する寄生容量を低減することができる。
【0103】
また、本実施の形態では第1方向に延在する素子分離領域4を連続的に形成することにより、ゲッタリング効果によってシリコン層17に発生する結晶欠陥を素子分離領域4に引き寄せることができるため、ゲート絶縁膜18またはソース領域6およびドレイン領域7に欠陥が生じることを防ぎ、半導体装置の信頼性を更に向上させることができる。
【0104】
また、本実施の形態では、図29を用いて比較例として示した半導体装置のようにp型の不純物とn型の不純物とが共に高濃度に導入された領域(重ね打ち領域5b)が形成されていないため、ソース・ドレイン領域またはゲート絶縁膜に欠陥が発生することを防ぎ、半導体装置の信頼性を損なわずにMOSFETのウエル(p型ウエル12)の電位を制御することを可能としている。
【0105】
(実施の形態2)
前記実施の形態では、ゲート電極2の延在方向である第1方向に直交する向きであってSOI基板の主面に沿う第2方向において、隣り合う2つのセル間でドレインを共通させない(共有しない)nチャネル型MOSFETを含む半導体装置について説明した。本実施の形態では、第2方向において隣り合う2つのセル間でドレインを共有するnチャネル型MOSFETを含む半導体装置について図21を用いて説明する。図21は本実施の形態における半導体装置の平面レイアウトである。
【0106】
本実施の形態における半導体装置の基本的な構成は前記実施の形態1における半導体装置と同様であるが、図21に示すように、隣り合う素子分離領域4の間には第2方向において2つのセルが形成されており、これら2つのセルはドレイン配線M1dの下部のドレイン領域7(図示しない)を共有している。なお、図21ではSOI基板は図示しておらず、図を分かりやすくするため、ゲート電極2,ゲート電極配線3、素子分離領域4、ソース配線M1s、ドレイン配線M1d、孔部27、ウエルコンタクトプラグ8、ソースコンタクトプラグ13、ドレインコンタクトプラグ14のみを示している。また、図示はしていないが、ゲート電極配線3の端部には図1を用いて示した前記実施の形態1の半導体装置と同様に、ゲート電極2の電位を制御するためのゲート接続部が形成されており、ゲート接続部上にはゲート接続部と電気的に接続されたゲートコンタクトプラグおよびゲート配線(図示しない)が形成されている。
【0107】
なお、本実施の形態の半導体装置と前記実施の形態1の半導体装置との相違点はSOI基板の平面におけるレイアウトが異なるのみであるので、本実施の形態の半導体装置は前記実施の形態1とほぼ同様の製造工程によって製造することができる。
【0108】
本実施の形態では、孔部27内を通るウエルコンタクトプラグ8をSOI基板の表面のp型取出し領域(図示しない)に接続してウエルの電位を取り、また、ゲート電極2に沿って素子分離領域4をゲート電極配線3の下部においても途切れさせず延在させることにより、前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態ではドレイン配線M1dの下部のSOI基板の表面に形成されたドレイン領域を第2方向において隣り合う2つのセル同士で共有することで、第2方向における素子面積を低減することができ、nチャネル型MOSFETが形成された半導体チップを含む半導体装置を微細化することができる。具体的には、本実施の形態の半導体装置では第2方向における1つのセルを形成するために必要な長さが、前記実施の形態1の半導体装置に比べて3分の2程度になる。
【0109】
本実施の形態ではnチャネル型MOSFETを例に説明したが、本発明はpチャネル型MOSFETにも適用することができる。また、本実施の形態では隣り合うセル同士でドレイン領域を共有しているが、ソースとドレインの働きを逆にしてもよい。すなわち、本実施の形態ではSOI基板の表面において、隣り合う素子分離領域4同士の間にソース・ドレイン・ソースの順に半導体領域が形成されているが、隣り合う素子分離領域4同士の間の半導体領域をドレイン・ソース・ドレインの順に形成し、隣り合う2つセル同士でソース領域を共有する構造としても良い。
【0110】
(実施の形態3)
前記実施の形態1および2では、基板電位をソースに接続したソースタイ構造を有する半導体装置について説明した。本実施の形態では、ソースとウエルの電位を別々に制御することで電位の制御性を向上させることができるnチャネル型MOSFETを含む半導体装置について図22〜図24を用いて説明する。図22は本実施の形態における半導体装置の平面レイアウトである。図23および図24は、それぞれ図22におけるD−D線およびE−E線における要部断面図である。なお、図22ではSOI基板を図示しておらず、ソース配線M1sの下部に形成されたソース領域6(図23参照)、ドレイン配線M1dの下部に形成されたドレイン領域7(図23参照)およびゲート電極2の下部に形成されたp型ウエル12(図23参照)などは図示していない。また、前記実施の形態1および2では図1〜図5および図21においてSOI基板1およびその上層の1層目の配線までの領域を示したが、本実施の形態では図22〜図24においてSOI基板1の上層の1層目および2層目の配線を示している。
【0111】
図22に示すように、本実施の形態の半導体装置はSOI基板1(図23参照)の主面に沿う第1方向に延在するゲート電極2を有している。ゲート電極2は、ゲート電極2と同層に形成された、第1方向に直交する第2方向に延在するゲート電極配線3に接続されており、ゲート電極配線3は、p型取出し領域5(図24参照)の上面を露出させる孔部27を有し、孔部27内を通るようにウエルコンタクトプラグ8が形成されている。また、ゲート電極配線3の上層には、1層目の配線であるソース配線M1sおよびドレイン配線M1dが第1方向に延在して形成されている。なお、図示はしていないが、ゲート電極配線3の端部には図1を用いて示した前記実施の形態1の半導体装置と同様に、ゲート電極2の電位を制御するためのゲート接続部が形成されており、ゲート接続部上にはゲート接続部と電気的に接続されたゲートコンタクトプラグおよびゲート配線(図示しない)が形成されている。また、ソース配線M1sはゲート電極配線3の直上には形成されておらず、第1方向において断続的に形成されている。すなわち、平面においてソース配線M1sとゲート電極配線3とは重なっていない。また、第2方向においてSOI基板1(図24参照)上に複数形成されたnチャネル型MOSFET同士の間には素子分離領域4が形成されており、素子分離領域4はゲート電極配線3の下部においても途切れず、第1方向に連続して形成されている。
【0112】
図23に示すように、ソース配線M1sはソースコンタクトプラグ13を介してn型半導体領域6sに電気的に接続されており、ドレイン配線M1dはドレインコンタクトプラグ14を介してn型半導体領域7dに電気的に接続されている。ソース配線M1sおよびドレイン配線M1dの更に上層には、ウエル配線M2wおよびソース配線M2sが形成されている。ソース配線M2sは、ソースコンタクトプラグ13bを介してソース配線M1sに電気的に接続されている。また、図24に示すように、ウエル配線M2wはウエルコンタクトプラグ8、金属膜M1wおよびウエルコンタクトプラグ8aを介してp型取出し領域5に電気的に接続されている。なお、金属膜M1wおよびウエル配線M2wは、p型ウエル12に所定の電位を供給するための金属配線であり、金属膜M1wはソース配線M1s(図示しない)、ドレイン配線M1d(図示しない)およびゲート配線M1g(図示しない)と同層に形成されている。
【0113】
図23および図24に示すように、ソース配線M1s上、ドレイン配線M1d上および層間絶縁膜25上には絶縁膜23aが形成され、絶縁膜23a上には層間絶縁膜24aが形成されており、層間絶縁膜24aの上面から絶縁膜23aの下面を貫通するソースコンタクトプラグ13bおよびウエルコンタクトプラグ8aが形成されている。ソースコンタクトプラグ13b上およびウエルコンタクトプラグ8a上にはソース配線M2sおよびウエル配線M2wがそれぞれ形成されており、図示はしていないが、層間絶縁膜24a上にはストッパ絶縁膜(図示しない)が形成され、ストッパ絶縁膜上には層間絶縁膜(図示しない)が形成されており、ストッパ絶縁膜および層間絶縁膜によりソース配線M2sとウエル配線M2wとは絶縁されている。なお、図24に示すように、ウエルコンタクトプラグ8とウエルコンタクトプラグ8aとの間には、ソース配線M1sおよびドレイン配線M1dと同層に形成された金属膜M1wが示されているが、図22においては金属膜M1wの図示を省略している。
【0114】
なお、本実施の形態の半導体装置と前記実施の形態1の半導体装置との相違点はSOI基板の平面におけるレイアウトが異なるのみであるので、本実施の形態の半導体装置は前記実施の形態1とほぼ同様の製造工程によって製造することができる。図23および図24に示す絶縁膜23a、層間絶縁膜24a、ウエルコンタクトプラグ8aおよびソースコンタクトプラグ13bは、前記実施の形態1の図18および図19を用いて説明した絶縁膜23、層間絶縁膜24、ウエルコンタクトプラグ8およびソースコンタクトプラグ13を形成する方法と同様の方法により形成することができる。同様に、図23および図24に示すウエル配線M2wおよびソース配線M2sは、前記実施の形態1の図20を用いて説明したソース配線M1sを形成する方法と同様の方法により形成することができる。
【0115】
本実施の形態では、図22に示すように、孔部27内を通るウエルコンタクトプラグ8をp型取出し領域5(図24参照)に接続してウエルの電位を取り、また、ゲート電極2に沿って素子分離領域4をゲート電極配線3の下部においても途切れさせず延在させることにより、前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。なお、本実施の形態の半導体装置は、前記実施の形態1の半導体装置と同様に、隣接するセル間においてソース領域(またはドレイン領域)を共有していない。
【0116】
また、図22に示すように、本実施の形態ではソース領域6(図23参照)に接続された配線であるソース配線M1sおよびソース配線M2sは、ウエル電位を制御するためにp型取出し領域5(図24参照)に接続されたウエル配線M2wと絶縁されており、電気的に接続されていない。すなわち、ソース配線M1sおよびソース配線M2s、ドレイン配線M1d並びにウエル配線M2wはそれぞれ絶縁されており、p型ウエル12(図23参照)とソース領域6(図23参照)とは電気的に接続されていない。このため、ソースとウエルの電位を別々に制御することが可能であるため、前記実施の形態1および2、並びに前記実施の形態1において示した比較例の半導体装置に比べ、ソースおよびウエルの電位の制御性を向上させることができる。
【0117】
(実施の形態4)
次に、ソースとウエルの電位を別々に制御することを可能とし、隣接するセル間においてソース領域を共有する構造を有する半導体装置を、図25を用いて説明する。図25は本実施の形態の半導体装置の平面レイアウトであるが、図を分かりやすくするためにSOI基板は図示していない。
【0118】
本実施の形態の半導体装置の基本的な構成は前記実施の形態3の半導体装置と同様であるが、図25に示すように、第1方向に延在し、第1方向と直交する第2方向に並列して形成された素子分離領域4同士の間には、第2方向において2つのセルが形成されており、これら2つのセルはドレイン領域(図示しない)を共有している。これにより、本実施の形態の半導体装置は、前記実施の形態3の半導体装置に比べて第2方向において素子面積を低減することができる。
【0119】
なお、本実施の形態の半導体装置と前記実施の形態3の半導体装置との相違点はSOI基板の平面におけるレイアウトが異なるのみであるので、本実施の形態の半導体装置は前記実施の形態3とほぼ同様の製造工程によって製造することができる。
【0120】
本実施の形態では、孔部27内を通るウエルコンタクトプラグ8をSOI基板の表面のp型取出し領域(図示しない)に接続してウエルの電位を取り、また、ゲート電極2に沿って素子分離領域4をゲート電極配線3の下部においても途切れさせず延在させることにより、前記実施の形態3と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態ではドレイン配線M1dの下部のSOI基板の表面に形成されたドレイン領域を第2方向において隣り合う2つのセル同士で共有することで、第2方向における素子面積を低減することができ、半導体装置を微細化することができる。具体的には、本実施の形態の半導体装置では第2方向における1つのセルを形成するために必要な長さが、前記実施の形態3の半導体装置に比べて3分の2程度になる。
【0121】
(実施の形態5)
次に、SOI基板1の表面のシリコン層17に形成されたウエルの電位に加えてSOI基板1の支持基板の電位を制御することのできる半導体装置について、図26および図27を用いて説明する。図26はSOI基板1(図27参照)上に形成されたnチャネル型MOSFETQnの平面レイアウトであり、図27は図26のF−F線における要部断面図である。図26においては、図を分かりやすくするためにSOI基板は図示していない。
【0122】
図26および図27に示すように、本実施の形態の半導体装置はSOI基板1上に形成されたnチャネル型MOSFETQnを有し、nチャネル型MOSFETQnのゲート電極2、ソース領域6(図示しない)、ドレイン領域7(図示しない)および素子分離領域4は、SOI基板1の主面に沿う第1方向に延在して形成されている。ゲート電極2は、ゲート電極2と同層に形成され、SOI基板1の主面に沿う方向であって第1方向に直交する第2方向に延在する複数のゲート電極配線3と接続されている。ただし、前記実施の形態1〜4と異なり、ゲート電極配線3は、SOI基板1の主面に形成された素子分離領域4上には形成されておらず、第2方向に断続して形成されている。このため、前記実施の形態1と異なり、ゲート電極2およびゲート電極配線3は、第1方向における端部(図示しない)においてゲート配線(図示しない)と接続されている。
【0123】
ゲート電極2の上層にはソース配線M1sおよびドレイン配線M1dが形成されており、ソース配線M1sおよびドレイン配線M1dの上層には第2方向に延在するドレイン配線M2dが形成されている。ソース配線M1sは第1方向および第2方向に延在する配線によって格子状(網の目状)に形成されており、SOI基板1の平面において、第2方向に延在するソース配線M1s、ゲート電極配線3およびゲート電極配線3に形成された孔部27は重なる。孔部27はゲート電極配線3の上面からシリコン層17に達する孔であり、孔部27の下部のシリコン層17にはp型取出し領域5が形成されている。また、ドレイン配線M1dの下部のシリコン層17にはドレイン領域7が形成され、ドレイン配線M1dとドレイン領域7とはドレインコンタクトプラグ14を介して電気的に接続されている。同様に、第1方向に延在するソース配線M1sの下部のシリコン層17にはソース領域6が形成され、ソース配線M1sとソース領域6とはソースコンタクトプラグ13を介して電気的に接続されている。また、ドレイン配線M1dとドレイン配線M2dは、ドレインコンタクトプラグ14bを介して電気的に接続されている。
【0124】
ここで、素子分離領域4は、第2方向において隣り合うゲート電極配線3同士の間の領域では、他の領域の素子分離領域4の第2方向の幅よりも長い幅を有しており、第2方向において隣り合うゲート電極配線3同士の間に、素子分離領域4の上面から下面を貫く孔部32を有している。図27に示すように、孔部32は素子分離領域4の上面からSOI基板1を構成する支持基板15の上面まで達しており、孔部32内にはソース配線M1sの下面と支持基板15の上面とを接続するコンタクトプラグ33が形成されている。コンタクトプラグ33により、素子分離領域4の上層に形成されたソース配線M1sと支持基板15とは電気的に接続されており、また、ゲート電極配線3に形成された孔部27内を通るウエルコンタクトプラグ8により、ソース配線M1sとp型ウエル12とは電気的に接続されいる。
【0125】
従って、本実施の形態の半導体装置では、p型ウエル12および支持基板15の電位を制御することができる。前記実施の形態1〜4では、p型ウエル12の電位を制御することによって寄生容量の発生を抑えることを可能としているが、本実施の形態の半導体装置では、支持基板15の電位を制御することにより、図26に示すnチャネル型MOSFETQnにおける寄生容量の発生を更に低減し、半導体装置の信頼性を向上させることを可能としている。
【0126】
なお、p型ウエル12、支持基板15およびソース領域6は何れもソース配線M1sに接続されているため、p型ウエル12、支持基板15およびソース領域6が同電位となる。また、本実施の形態では前記実施の形態1〜4と同様に、第2方向沿って延在する素子分離領域4によるゲッタリング効果により、SOI基板1の主面において発生する欠陥を素子分離領域4に集めることで、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0127】
また、本実施の形態では、隣り合う素子分離領域4の間において2つのセルのnチャネル型MOSFETQnがドレイン領域7を共有しているため、前記実施の形態1における半導体装置に比べて第2方向における素子面積を低減することができる。
【0128】
本実施の形態の半導体装置と前記実施の形態3の半導体装置とは、SOI基板の平面におけるレイアウトが異なり、また、素子分離領域4に孔部32が形成され、孔部32内に形成されたコンタクトプラグ33により支持基板15とソース配線M1sとが接続されている点で異なる。なお、図27に示すストッパ絶縁膜29aおよび層間絶縁膜25aは、前記実施の形態1の図20を用いて説明したストッパ絶縁膜29および層間絶縁膜25を形成する方法と同様の方法により形成することができる。また、コンタクトプラグ33を形成するには、前記実施の形態1において図19を用いて説明した工程において、コンタクトホール26を形成した後であってコンタクトホール26内にW(タングステン)などの金属を埋め込む前に、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて支持基板15の上面に達するコンタクトホールを形成すれば良い。
【0129】
(実施の形態6)
次に、前記実施の形態1〜5における半導体装置よりも更に素子面積を低減することができる半導体装置について、図28を用いて説明する。図28は、SOI基板(図示しない)上に形成されたnチャネル型MOSFETQnの平面レイアウトである。なお、図28では図を分かりやすくするためにSOI基板は図示していない。
【0130】
図28に示すように、本実施の形態の半導体装置はSOI基板(図示しない)上に形成されたnチャネル型MOSFETQnを有し、nチャネル型MOSFETQnのゲート電極2、ソース領域(図示しない)、ドレイン領域(図示しない)および素子分離領域4は、SOI基板の主面に沿う第1方向に延在して形成されている。ゲート電極2は、ゲート電極2と同層に形成され、SOI基板の主面に沿う方向であって第1方向に直交する第2方向に延在する複数のゲート電極配線3と接続されている。ただし、前記実施の形態1〜4と異なり、素子分離領域4は隣り合うゲート電極2同士の間の領域で途切れており、第2方向に沿って断続的に形成されている。
【0131】
ゲート電極2の上層にはソース配線M1sおよびドレイン配線M1dが形成されており、ソース配線M1sおよびドレイン配線M1dの上層にはドレイン配線M2dが形成されている。ソース配線M1sは第1方向および第2方向に延在する配線によって格子状(網の目状)に形成されており、SOI基板の平面において、第2方向に延在するソース配線M1s、ゲート電極配線3およびゲート電極配線3に形成された孔部27は重なる。孔部27はゲート電極配線3の上面からシリコン層17(図示しない)に達する孔であり、孔部27の下部のシリコン層17にはp型取出し領域5(図示しない)が形成されている。また、ドレイン配線M1dの下部のシリコン層17にはドレイン領域7(図示しない)が形成され、ドレイン配線M1dとドレイン領域7とはドレインコンタクトプラグ14を介して電気的に接続されている。同様に、第1方向に延在するソース配線M1sの下部のシリコン層17にはソース領域6(図示しない)が形成され、ソース配線M1sとソース領域6とはソースコンタクトプラグ13を介して電気的に接続されている。また、ドレイン配線M1dとドレイン配線M2dは、ソースコンタクトプラグ13bを介して電気的に接続されている。
【0132】
なお、本実施の形態の半導体装置と前記実施の形態3の半導体装置との相違点はSOI基板の平面におけるレイアウトが異なるのみであるので、本実施の形態の半導体装置は前記実施の形態3とほぼ同様の製造工程によって製造することができる。
【0133】
本実施の形態では、ゲート電極配線3に形成された孔部27内を通るウエルコンタクトプラグ8によりゲート電極2の下部のウエルの電位を制御することができ、これにより、MOSFETに発生する寄生容量を低減することが可能である。
【0134】
なお、本実施の形態は前記実施の形態1〜5とは違い、素子分離領域4は第2方向に延在するソース配線M1sの下部に形成されており、素子分離領域4と第2方向に延在するソース配線M1sとはSOI基板(図示しない)の平面において重なる。素子分離領域4はドレイン配線M2dの下部において区切られ、第1方向に沿って断続的に形成されているが、このような構造でも、ゲート電極配線3の下部において途切れず第1方向に延在している素子分離領域4によるゲッタリング効果により、nチャネル型MOSFETQnにおける欠陥の発生を防ぐことができる。また、本実施の形態においても、第2方向に延在しているゲート電極配線3の下に、第1方向に延在する素子分離領域4を配置している。このとき、第1方向において、素子分離領域4はゲート電極配線3の両端部よりもはみ出すように配置されている。言い換えれば、第2方向に延在しているゲート電極配線3において、第1方向における両端部は、素子分離領域4上に配置されている。
【0135】
なお、図28に示すように、素子分離領域4はソース領域(図示しない)に接して終端しており、第1方向に沿って断続的に形成されており、第1方向における素子分離領域4同士の間のソース領域の上面にはソース領域6と電気的に接続されたソースコンタクトプラグ13が形成されている。すなわち、ソースコンタクトプラグ13は、素子分離領域4と平面的には重ならない。これは、ソース領域6を分断するように素子分離領域4を連続的に形成した場合、第2方向において隣り合うnチャネル型MOSFETQn同士のソース領域6を共有させることができないため、素子面積を低減させることができないからである。従って、本実施の形態では第1方向に断続的に形成された素子分離領域4同士の間にソース領域6を配置することで、第2方向において隣り合うnチャネル型MOSFETQn同士でソース領域6を共有させることを可能としている。
【0136】
また、本実施の形態は前記実施の形態1〜5とは違い、第2方向において隣り合うセル同士が少なくともソースまたはドレインのいずれかを共有しており、第2方向において隣り合うソース領域とドレイン領域との間の領域にはゲート電極2が形成されている。すなわち、第2方向においてはソースとドレインが交互に配置されており、それぞれの隣り合うソースとドレインとの間の領域にはゲート電極2が形成されている。このように隣り合うセル同士でソースまたはドレインを共有することにより、前記実施の形態1〜5に示した何れの半導体装置よりも第2方向における素子面積を低減することができる。
【0137】
具体的には、第2方向において隣り合うセル同士でソースおよびドレインの何れも共有していない前記実施の形態1または3の半導体装置にくらべ、本実施の形態の半導体装置は、第2方向において1つのセルを形成するのに必要な長さを半分程度に縮小することができる。また、第2方向において隣り合うセル同士でソースまたはドレインの何れか一方を共有している実施の形態2、4および5の半導体装置にくらべ、本実施の形態の半導体装置は、第2方向において1つのセルを形成するのに必要な長さを4分の3から5分の4程度に縮小することができる。これにより、本実施の形態の半導体装置では、前記実施の形態1または3の半導体装置にくらべ、nチャネル型MOSFETを含む半導体チップの面積(チップサイズ)を縮小することができる。
【0138】
以上に述べたように、本実施の形態の半導体装置では、前記実施の形態1と同様にウエルの電位を制御することで寄生容量の発生を防ぎ、また、素子分離領域4によるゲッタリング効果によって欠陥の発生を抑えることで半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0139】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本発明は、SOI基板上に形成された半導体素子を有する半導体装置に幅広く利用されるものである。
【符号の説明】
【0141】
1、1a SOI基板
2、2a ゲート電極
2b シリコン膜
3 ゲート電極配線
4 素子分離領域
4a、4b、4d、4e 絶縁膜
4c 溝
5、5a p型取出し領域
5b 重ね打ち領域
5c p型領域
6、6a ソース領域
6s n型半導体領域
7、7a ドレイン領域
7d n型半導体領域
8、8a ウエルコンタクトプラグ
10、10a ゲート接続部
11、11a ゲートコンタクトプラグ
12 p型ウエル
13、13a、13b ソースコンタクトプラグ
14、14a、14b ドレインコンタクトプラグ
15 支持基板
16 BOX膜
17 シリコン層
18 ゲート絶縁膜
19、19a サイドウォール
20 エクステンション領域
22 シリサイド層
23、23a 絶縁膜
24、24a、25、25a 層間絶縁膜
26 コンタクトホール
26a バリア導体膜
26b 主導体膜
27、32 孔部
28 p型半導体領域
29、29a ストッパ絶縁膜
30 配線溝
31 バリア導体膜
33 コンタクトプラグ
60〜63 フォトレジスト膜
CR コンタクトプラグ形成領域
M1d、M2d ドレイン配線
M1g ゲート配線
M1s、M2s ソース配線
M1w 金属膜
M2w ウエル配線
MR nチャネル型MOSFET形成領域
Qn nチャネル型MOSFET

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SOI構造を有する半導体基板の主面に形成された電界効果トランジスタを有する半導体装置であって、
前記半導体基板の主面に形成され、前記半導体基板の主面に沿う第1方向に延在する第1導電型のウエル領域と、
前記ウエル領域上に絶縁膜を介して形成され、前記第1方向に延在するゲート電極と、
前記第1方向に沿って前記ウエル領域を挟むように前記半導体基板の主面に形成された第2導電型のソース領域およびドレイン領域と、
前記半導体基板上に形成され、前記ゲート電極と同層に形成され、且つ、前記ゲート電極と一体化しているゲート配線と、
前記半導体基板の平面において前記ゲート配線と重なる領域の前記ウエル領域内に形成され、前記ウエル領域と電気的に接続された前記ウエル領域よりも低抵抗な第1導電型の接続層と、
前記ゲート電極および前記ゲート配線よりも上層に形成された、前記ウエル領域に所定の電位を供給する第1配線と、
を有し、
前記接続層と前記第1配線とは、前記接続層と前記半導体基板の平面において重なる領域の前記ゲート配線に形成された第1孔部内に設けられ、前記ゲート配線と絶縁された接続部材を介して電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記ゲート配線は前記半導体基板の主面に沿う方向であって前記第1方向に直交する第2方向に延在して形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ソース領域または前記ドレイン領域の何れか一方は、その上部に形成された第2接続部材を介して前記第1配線と接続されており、前記ウエル領域は前記接続層、第1接続部材、前記第1配線および前記第2接続部材を介して前記第2接続部材の下部に形成された前記ソース領域または前記ドレイン領域の何れか一方と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1配線と同層に形成された第2および第3配線を更に有し、前記ソース領域および前記ドレイン領域はそれぞれ前記第2および第3配線と電気的に接続され、
前記第1、第2および第3配線はそれぞれ互いに絶縁されており、前記ウエル領域は前記ソース領域および前記ドレイン領域と電気的に接続されていないことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記接続層は、前記ウエル領域よりも低抵抗な第1導電型の取出し領域と、前記取出し領域と前記ウエル領域との間に形成された、前記ウエル領域よりも低抵抗で、かつ前記取出し領域よりも高抵抗な第1導電型の半導体領域からなることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記接続層に導入された第1導電型の不純物と前記ソース領域または前記ドレイン領域の第2導電型の不純物とは、同一の領域に導入されていないことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体基板の主面には前記電界効果トランジスタが複数形成されており、前記半導体基板の主面に沿う方向であって前記第1方向に直交する第2方向において隣り合う前記電界効果トランジスタ同士は、前記ソース領域または前記ドレイン領域を共有していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1方向に断続的に形成された前記ソース領域同士または前記ドレイン領域同士の間には、前記第1方向における前記ゲート配線の幅よりも長い前記第1方向の長さを有する素子分離領域が、前記第1方向に沿って前記半導体基板の主面に延在して形成されていることを特徴とする請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記素子分離領域は前記ゲート配線の下部において途切れず、前記第1方向に連続して形成されていることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項10】
前記素子分離領域は前記ソース領域または前記ドレイン領域に接して終端し、前記第1方向に沿って断続的に形成されており、
前記第1方向における各前記素子分離領域同士の間の前記ソース領域上または前記ドレイン領域上には第2接続部材が形成されていることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体基板の主面に沿う方向であって前記第1方向に直交する第2方向において、前記半導体基板の主面に断続的に複数形成された前記電界効果トランジスタ同士の間には、前記第1方向に沿って前記半導体基板の主面に素子分離領域が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項12】
前記素子分離領域は前記ゲート配線の下部において途切れず、前記第1方向に連続して形成されていることを特徴とする請求項11記載の半導体装置。
【請求項13】
前記素子分離領域は前記素子分離領域の上面から下面を貫通する第2孔部を有し、
前記第2孔部は前記素子分離領域よりも下層に形成された前記半導体基板を構成する支持基板の上面に達しており、
前記第2孔部内には、前記素子分離領域の上層に形成された第4配線と接続された第4接続部材が形成されており、
前記支持基板と前記第4配線とは前記第4接続部材を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項11記載の半導体装置。
【請求項14】
前記半導体基板に形成され、且つ、前記第1方向に延在する素子分離領域を更に有し、
前記素子分離領域は、前記半導体基板に形成された溝内に絶縁膜が埋め込まれた領域であり、
前記第1方向において、前記ゲート配線の両端部の下には、前記素子分離領域が配置されていること特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項15】
前記素子分離領域は前記素子分離領域の上面から下面を貫通する第2孔部を有し、
前記第2孔部は前記素子分離領域よりも下層に形成された前記半導体基板を構成する支持基板の上面に達しており、
前記第2孔部内には、前記素子分離領域の上層に形成された第4配線と接続された第4接続部材が形成されており、
前記支持基板と前記第4配線とは前記第4接続部材を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項14記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−222769(P2011−222769A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90752(P2010−90752)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】