説明

非対称型半導体デバイス及び製造方法

【課題】 非対称型半導体デバイス、及びその製造の際にスペーサ・スキームを用いる方法を提供する
【解決手段】 高kゲート誘電体の表面上に配置された非対称型ゲート・スタックを含む半構造体が提供される。非対称型ゲート・スタックは、第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分は、第2の部分とは異なる閾値電圧を有する。本発明の非対称型ゲート・スタックの第1の部分は、下から上に、閾値電圧調整材料及び少なくとも第1の導電性スペーサを含み、本発明の非対称型ゲート・スタックの第2の部分は、ゲート誘電体の上の少なくとも第2の導電性スペーサを含む。幾つかの実施形態において、第2の導電性スペーサは、下にある高kゲート誘電体と直接接触しており、他の実施形態においては、第1及び第2の導電性スペーサは、前記閾値電圧調整材料と直接接触している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス及びその製造方法に関する。より具体的には、本発明は、非対称型半導体デバイス、及びその製造の際にスペーサ・スキームを用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の集積回路製造における1つの傾向は、できるだけ小さい、電界効果トランジスタ(FET)などの半導体デバイスを製造することである。典型的なFETにおいては、半導体材料内にn型又はp型不純物を注入することによって、半導体基板の活性領域内にソース及びドレインが形成される。チャネル(又は、ボディ)領域が、ソースとドレインの間に配置される。ゲート電極が、ボディ領域の上方に配置される。ゲート電極及びボディは、ゲート誘電体層により離間配置される。
【0003】
比較的小さいダイ領域内に比較的大きい回路システムを形成する場合、より小さいトランジスタを製造することは、単一の基板上により多くのトランジスタを配置することを可能にするが、この縮小により、多数の性能低下が結果としてもたらされることがある。さらに、デバイス設計者は、種々の製造技術によって課された制限に制約を受けるので、所望のデバイス寸法は困難であることが多い。例えば、ゲートのようなデバイス・コンポーネントのサイズ及び配置を決定するのに用いられるマスク層をパターン形成するために、多くの場合、フォトリソグラフィが用いられる。しかしながら、リソグラフィの制限により、ゲートの形成が特定の最小長さに制限される。
【0004】
非対称型FETデバイスは、例えば、デバイス性能の改善及びドレインの衝突電離(impact ionization)の低減を含む、従来のFETデバイスに優る幾つかの利点を提供する。非対称型FETデバイスは、従来のFETに優る改善点をもたらすが、ゲート長を定めるためにリソグラフィも用いられるので、従来技術の非対称型FETデバイスのスケーリングも制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,329,923号
【特許文献2】米国特許第7,023,055号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、規模(scale)が低減し、デバイス性能が改善した、非対称型FETのような半導体デバイスに対する当技術分野における必要性が存在する。さらに、それらの半導体デバイスを作製するための製造技術に対する必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によると、高kゲート誘電体の表面上に配置された非対称型ゲート・スタックを含む半導体構造体が提供される。「高kゲート誘電体」という用語は、本出願全体にわたって、誘電率が酸化シリコンより大きい誘電体材料を示すように用いられる。非対称型ゲート・スタックは、第2の部分に横方向に隣接する第1の部分を含み、第1の部分は、第2の部分とは異なる閾値電圧を有する。「非対称型ゲート・スタック」という用語は、第2の部分に横方向に当接する第1の部分を有するゲート・スタックを指し、第1及び第2の部分において閾値電圧は異なることが観察される。非対称型ゲート・スタックの第1及び第2の部分は、互いに非鏡像(non-mirror image)であっても又は鏡像(mirror image)であってもよく、本出願において、非対称とは閾値電圧に関するものである。
【0008】
本発明の一実施形態において、非対称型ゲートの第1の部分には存在するが、第2の部分には存在しない閾値電圧調整材料のために、本発明の非対称型ゲート・スタックの第1の部分は、第2の部分より低い閾値電圧を有する。具体的には、本発明の非対称型ゲート・スタックの第1の部分は、下から上に、閾値電圧調整材料及び少なくとも第1の導電性スペーサを含み、本発明の非対称型ゲート・スタックの第2の部分は、ゲート誘電体の上に配置された第2の導電性スペーサを含む。互いに直接接触している第1及び第2の導電性スペーサは、協働して本発明の構造体のゲート電極を形成することが観察される。本発明において、第1の導電性スペーサ及び第2の導電性スペーサは、共通の高kゲート誘電体の上にあることが留意される。
【0009】
別の実施形態において、第1及び第2の導電性スペーサに対して異なる導電性材料を与えることによって、非対称型ゲート・スタックの第1及び第2の部分において、異なる閾値電圧が達成される。この実施形態において、第1の導電性スペーサ及び第2の導電性スペーサは、共通の閾値電圧調整材料の表面上に配置される。
【0010】
上述した非対称型ゲート・スタックは、nFETゲート・スタック又はpFETゲート・スタックとすることができる。
【0011】
本発明の他の態様において、nFETデバイス領域及びpFETデバイス領域を含む半導体基板の表面上に配置された少なくとも1つのnFET及び少なくとも1つのpFETを含む、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)構造体が提供される。nFETデバイス領域内には、高kゲート誘電体上に配置された少なくとも1つのnFET非対称型ゲート・スタックが存在する。nFET非対称型ゲート・スタックは、第2のnFET部分に横方向に隣接する第1のnFET部分を含み、第1のnFET部分は、第2のnFET部分とは異なる閾値電圧を有する。nFET非対称型ゲート・スタックの第1のnFET部分は、下から上に、nFET閾値電圧調整材料及び少なくとも第1の導電性スペーサを含み、nFET非対称型ゲート・スタックの第2のnFET部分は、ゲート誘電体の上に配置された少なくとも第2の導電性スペーサを含む。幾つかの実施形態において、nFET非対称型ゲート・スタックの第2の部分は閾値電圧調整材料を含まないが、他の実施形態(第1及び第2の導電性スペーサが異なる導電性材料からなる)においては、nFET非対称型ゲート・スタックの第2の部分もまた閾値電圧調整材料を含む。同じく本発明のCMOS内には、pFET非対称型ゲート・スタックが、pFETデバイス領域内の高kゲート誘電体上に配置される。典型的には、必ずしもというわけではないが、共通の高kゲート誘電体が、異なるデバイス領域内に存在する。pFET非対称型ゲート・スタックは、第2のpFET部分に横方向に隣接する第1のpFET部分を含み、第1のpFET部分は、第2のpFET部分とは異なる閾値電圧を有する。pFET非対称型ゲート・スタックの第1のpFET部分は、下から上に、pFET閾値電圧調整材料及び少なくとも第1の導電性スペーサを含み、pFET非対称型ゲート・スタックの第2のpFET部分は、ゲート誘電体の上に配置された少なくとも第2の導電性スペーサを含む。幾つかの実施形態において、pFET非対称型ゲート・スタックの第2の部分は閾値電圧調整材料を含まないが、他の実施形態(第1及び第2の導電性スペーサが異なる導電性材料からなる)においては、pFET非対称型ゲート・スタックの第2の部分も閾値電圧調整材料を含む。
【0012】
本発明の更に別の態様は、上述の半導体構造体を製造する方法に関する。本発明の方法は、リソグラフィ・マスクがないスペーサ・スキームを用いる。従って、本発明のスペーサ・スキームにより、従来のリソグラフィを用いて得られる最小の寸法より小さいゲートの製造が可能になる。また、本発明のスペーサ・スキームは、同じゲート・スタック内に可変の仕事関数を有する非対称型ゲート・スタックの生成を可能にする。
【0013】
本発明の方法は、最初に、下から上に、高kゲート誘電体及び閾値電圧調整材料を含む材料スタック上に少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料を形成することを含む。次に、少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料の露出された側壁上に、少なくとも第1の導電性スペーサを形成し、第1の導電性スペーサの基部は、閾値電圧調整材料の表面上に配置される。本発明の幾つかの実施形態において、第1の導電性スペーサを形成した後に、第2の導電性スペーサを形成することができる。こうした実施形態が実施されたとき、第1及び第2の導電性スペーサは、異なる導電性材料からなる。次に、少なくとも第1の導電性スペーサ及び少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料によって保護されていない閾値電圧調整材料の露出された部分を除去して、高kゲート誘電体の表面を露出させる。予め形成されない場合、第2の導電性スペーサは、第1の導電性スペーサに横方向に隣接するように形成され、第2の導電性スペーサの基部は、高kゲート誘電体の露出された表面の部分上に配置される。第1の導電性スペーサ及び第2の導電性スペーサによって保護されていない少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料、閾値電圧調整材料の部分、及び高kゲート誘電体の部分が除去される。このステップに続いて、種々の注入ステップ及び誘電体スペーサの形成を行って、本発明の非対称型FETを含む半導体構造体を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に用いることができる、下から上に、半導体基板、高kゲート誘電体、及び閾値電圧調整材料を含む初期構造体を示す図(断面図による)である。
【図2】閾値電圧調整材料の上面にパターン形成された犠牲材料を形成した後の、図1の構造体を示す図(断面図による)である。
【図3】パターン形成された犠牲材料の露出された側壁上に第1の導電性スペーサを形成した後の、図2の構造体を示す図(断面図による)である。
【図4】第1の導電性スペーサにも又はパターン形成された犠牲材料にも保護されていない閾値電圧調整材料の露出された部分を除去した後の、図3の構造体を示す図(断面図による)である。
【図5】高kゲート誘電体の露出された部分上にあり、かつ、第1の導電性スペーサに横方向に当接する第2の導電性スペーサを形成した後の、図4の構造体を示す図(断面図による)である。
【図6】パターン形成された犠牲材料を除去し、非対称型ゲート・スタックを形成した後の、図5の構造体を示す図(断面図による)である。
【図7】ソース及びドレイン延長部注入を行った後の、図6の構造体を示す図(断面図による)である。
【図8】非対称型ゲート・スタックに隣接する誘電体スペーサを形成した後の、図7の構造体を示す図(断面図による)である。
【図9】ソース及びドレイン注入を行った後の、図8の構造体を示す図(断面図による)である。
【図10】第1の導電性スペーサ及び第1の導電性スペーサとは異なる組成の第2の導電性スペーサが図2に示す構造体に適用された、本発明の代替的な実施形態を示す図(断面図による)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、非対称型半導体デバイス及びその製造方法を提供するものであり、ここで、以下の考察及び本出願に添付される図面を参照してより詳細に説明される。本出願の図面は例示の目的のみで提供されるものであり、従って、これらの図面は一定の縮尺で描かれているものではないことに留意されたい。
【0016】
以下の説明において、本発明を完全に理解できるようにするために、詳細な構造、構成要素、材料、寸法、処理ステップ及び技術といった、多数の具体的な詳細が示されている。しかしながら、これらの具体的な詳細なしに本発明を実施することができることが当業者には認識されるであろう。他の例では、本発明を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造又は処理ステップは、詳細には記載されていない。
【0017】
層、領域又は基板としての要素が別の要素「上に(on)」又は「の上に(over)」あると言われる場合には、それは他の要素の上に直接あるものとすることもできるし、或いは介在要素が存在してもよいことが理解される。それとは対照的に、要素が別の要素「真上に(directlyon)」又は「の直接上に(directly over)」あると言われる場合には、介在要素は存在しない。要素が別の要素に「接続する」又は「結合する」と言われる場合には、それは他の要素に直接接続され又は結合されてもよく、或いは介在要素が存在してもよいことも理解される。それとは対照的に、要素が別の要素に「直接接続する」又は「直接結合する」と言われる場合には、介在要素は存在しない。
【0018】
ここで、本発明の一実施形態に従った種々の製造段階中の非対称型半導体デバイスを示す(断面図による)図形的表示である図1乃至図9を参照する。この実施形態における本発明の方法は、最初に、図1に示す初期構造体10を準備することで開始する。図1に示す初期構造体10は、半導体基板12と、半導体基板12の上に配置された高kゲート誘電体14と、高kゲート誘電体14の表面上に配置された閾値電圧調整材料16とを含む。
【0019】
図1に示す半導体基板12は、これらに限られるものではないが、Si、Ge、SiGe、SiC、SiGeC、GaAs、GaN、InAs、InP、及び全ての他のIII/V族又はII/VI族化合物半導体を含む、いずれかの半導体からなる。半導体基板12はまた、有機半導体、或いは、Si/SiGe、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、SiGeオン・インシュレータ(SGOI)、又はゲルマニウム・オン・インシュレータ(GOI)のような層状半導体を含むこともできる。本発明の幾つかの実施形態においては、半導体基板12は、Si含有半導体材料、すなわち、シリコンを含む半導体材料を含むことが好ましい。半導体基板12は、ドープされていてもよく、非ドープであってもよく、又はその中にドープ領域と非ドープ領域とを含んでいてもよい。半導体基板12は、単一結晶配向を含むことができ、又は異なる結晶配向を有する少なくとも2つの同一平面上の表面領域を含むことができる(後者の基板は、当技術分野においてはハイブリッド基板と呼ばれる)。ハイブリッド基板が用いられるとき、nFETは、一般に(100)結晶面上に形成され、pFETは、一般に(110)結晶面上に形成される。ハイブリッド基板は、当技術分野において周知の技術によって形成することができる。例えば、各々の内容全体が引用により本明細書に組み入れられる、2005年6月2日付けの特許文献1(米国特許公開第20050116290号)及び特許文献2を参照されたい。
【0020】
半導体基板12はまた、第1ドープ(n−又はp−)領域と、第2ドープ(n−又はp−)領域とを含むこともできる。明瞭にするために、本出願の図面のいずれにもドープ領域は具体的に示されていない。第1ドープ領域及び第2ドープ領域は、同一のものであってもよいし、又はそれらは異なる導電率及び/又はドーピング濃度を有するものであってもよい。これらのドープ領域は、「ウェル」として知られており、従来のイオン注入プロセスを用いて形成される。
【0021】
次に、典型的には、半導体基板12内に少なくとも1つの分離領域(図示せず)が形成される。分離領域は、トレンチ分離領域又はフィールド酸化物分離領域とすることができる。トレンチ分離領域は、当業者には周知の従来のトレンチ分離プロセスを用いて形成される。例えば、トレンチ分離領域を形成する際に、リソグラフィ、エッチング及びトレンチ誘電体によるトレンチの充填を用いることができる。随意的に、トレンチの充填前にトレンチ内にライナを形成することができ、トレンチの充填後に緻密化ステップを行なうことができ、同様にトレンチの充填に続いて平坦化処理を行なうこともできる。いわゆるシリコンの局所的酸化処理(local oxidation of silicon process)を用いてフィールド酸化物を形成してもよい。少なくとも1つの分離領域は、典型的には、隣接するゲートが反対の導電性、すなわち、nFET及びpFETをもつときに要求される分離を隣接するゲート領域間に与えることに留意されたい。
【0022】
半導体基板12を処理した後、随意的に、半導体基板12の表面上にケモックス(chemox)層(図示せず)が形成される。随意的なケモックス層は、例えば、酸化又は酸窒化を含む当業者には周知の従来の成長技術を用いて形成される。本発明の幾つかの実施形態において、ケモックス層は、湿式化学酸化プロセスによって形成される。基板12がSi含有半導体であるとき、ケモックス層は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、又は窒化シリコン酸化物からなる。基板12がSi含有半導体以外のものであるとき、ケモックス層は、半導体酸化物、半導体酸窒化物、又は窒化半導体酸化物を含むことができる。ケモックス層の厚さは、典型的には、約0.5nmから約1.2nmまでであり、約0.8nmから約1nmまでの厚さがより典型的である。しかしながら、FET又はCMOS製造中に通常必要とされるより高温での処理の後、厚さが異なることがある。
【0023】
次に、半導体基板12の上を覆うように高kゲート誘電体14が形成される。本発明に用いられる高kゲート誘電体14は、例えば3.9の酸化シリコンの誘電率より大きい誘電率を有する任意の誘電体金属酸化物を含む。典型的には、本発明に用いられる高kゲート誘電体14は、4.0より大きい誘電率を有し、8.0の誘電率がさらに典型的である。例示的な高kゲート誘電体は、これらに限られるものではないが、HfO、ZrO、La、Al、TiO、SrTiO、LaAlO、Y、HfO、ZrO、La、Al、TiO、SrTiO、LaAlO、Y、そのシリケート、及びその合金を含む。これらの高k材料の多層スタックを、高kゲート誘電体14として用いることもできる。各々のxの値は、独立して0.5から3までであり、各々のyの値は独立して0から2までである。
【0024】
高kゲート誘電体14の厚さは、これを形成するのに用いられる技術に応じて変わり得る。しかしながら、典型的には、高kゲート誘電体14は、0.5nmから10nmまでの厚さを有し、1.0nmから5nmまでの厚さがさらに一般的である。本発明に用いられる高kゲート誘電体14は、1nmのオーダー又は1nm未満の有効酸化物厚(effective oxide thickness)を有することができる。
【0025】
高kゲート誘電体14は、例えば、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、分子ビーム堆積(MBD)、パルス・レーザ堆積(PLD)、液体ミスト化学堆積(LSMCD)、原子層堆積(ALD)、及び他の同様の堆積プロセスを含む、当技術分野において周知の方法によって形成される。
【0026】
高kゲート誘電体14を形成した後、高kゲート誘電体14の露出された上面上に、閾値電圧調整材料16が形成される。本出願の全体を通して用いられる「閾値電圧調整材料」という用語は、ゲート・スタックの閾値電圧を、nFET又はpPFETのバンドエッジの方向に移動させる材料を指す。本発明に用いられる閾値電圧調整材料16は、nFET閾値電圧調整材料又はpFET閾値電圧調整材料を含むことができる。本発明のこのステップに用いられる閾値電圧調整材料の型は、例えば、nFET又はpFETなど、どの導電型のデバイスが製造されるかによって決まる。
【0027】
本発明に用いることができるnFET閾値電圧調整材料の一例は、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Ga、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物を含む、元素周期表(CASバージョン)のIIIB族からの少なくとも1つの元素の酸化物又は窒化物を含む希土類金属含有材料である。希土類金属含有材料は、La、Ce、Y、Sm、Er、及び/又はTbを含むことが好ましく、La又はLaNがより好ましい。
【0028】
希土類金属含有材料は、例えば、蒸着、分子ビーム堆積、有機金属化学気相堆積(MOCVD)、原子層堆積(ALD)、物理気相堆積(PVD)、及び他の同様の堆積プロセスを含む従来の堆積プロセスを用いて形成される。本発明の一実施形態においては、希土類金属含有材料は、高kゲート誘電体を含む構造体を分子ビーム堆積チャンバのロードロック内に配置し、続いてこのチャンバを10−5トールから10−8トールに至るまでポンプで排気することによって形成される。これらのステップの後、構造体は、真空を破ることなく、成長チャンバ内に挿入され、そこで、希土類金属及び酸素又は窒素の原子/分子ビームを構造体の表面の上に向けることによって、La酸化物のような希土類金属含有材料が堆積される。具体的には、チャンバの低圧のために、剥離された原子/分子種は、ビーム状であり、構造体に達する前に散乱しない。約300℃の基板温度が用いられる。Laの堆積の場合、La蒸発セルは、1400℃から1700℃までの温度範囲に保持され、1sccmから3sccmまでの流速の分子酸素が用いられる。代替的に、原子又は励起酸素を用いることもでき、これは、酸素を、50ワットから600ワットまでの範囲で励起された無線周波数源に通すことによって生成することができる。堆積の際、チャンバ内の圧力は、1×10−5トールから8×10−5トールまでの範囲とすることができ、La酸化物の成長速度は、毎分0.1nmから毎分2nmまでの範囲とすることができ、毎分0.5nmから毎分1.5nmまでの範囲がより典型的である。
【0029】
本発明に用いることができるnFET閾値電圧調整材料の別の例は、式MAを有する化合物を含むアルカリ土類金属含有材料であり、ここで、Mはアルカリ土類金属(Be、Mg、Ca、Sr、及び/又はBa)であり、Aは、O、S及びハロゲン化物の1つであり、xは1又は2である。本発明は、アルカリ土類金属の混合物、及び/又は、酸塩化物のようなアニオンの混合物を含む、アルカリ土類金属含有化合物を考えることに留意されたい。本発明に用いることができるアルカリ土類金属含有化合物の例には、これらに限られるものではないが、MgO、MgS、MgF、MgCl、MgBr、MgI、CaO、CaS、CaF、CaCl、CaBr、CaI、SrO、SrS、SrF、SrCl、SrBr、SrI、BaO、BaS、BaF、BaCl、BaBr、及びBaIが含まれる。本発明の1つの好ましい実施形態において、アルカリ土類金属含有化合物は、Mgを含む。MgOは、本発明に用いられる非常に好ましいアルカリ土類金属含有材料である。
【0030】
アルカリ土類金属含有材料は、例えば、ターゲットからのスパッタリング、酸素プラズマ条件下のアルカリ土類金属の反応性スパッタリング、電気めっき、蒸着、分子ビーム堆積、MOCVD、ALD、PVD、及び他の同様の堆積プロセスを含む従来の堆積プロセスを用いて形成される。
【0031】
nFET閾値電圧調整材料に加えて、閾値電圧調整材料16は、代替的に、pFET閾値電圧調整材料とすることもできる。pFET閾値電圧調整材料の例には、Al(及び、例えばAlのような非導電性のその化合物)と、Ge(及び、例えばGeOのような非導電性のその化合物)と、それぞれTiO及びTaのようなTi及びTaの非導電性化合物とが含まれる。
【0032】
nFET閾値電圧調整材料は、これらに限られるものではないが、化学気相堆積(CVD)、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)、化学溶液堆積、原子層堆積(ALD)、物理気相堆積(PVD)、スパッタリング及びめっきを含む、当業者には周知の従来の堆積プロセスを用いて形成される。
【0033】
閾値電圧調整材料16として用いられる材料の型にかかわらず、閾値電圧調整材料16は、0.1nmから5.0nmまでの厚さを有し、0.3nmから2.0nmまでの厚さがさらにより典型的である。
【0034】
次に、図2に示すように、閾値電圧調整材料16の上面に、パターン形成された犠牲材料18が形成される。パターン形成された犠牲材料18は、後に形成される導電性スペーサと対照して、選択的に除去できる任意の材料からなる。本発明の一実施形態においては、犠牲材料は、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化シリコン、又はそれらの組み合わせからなる。窒化シリコンが、犠牲材料として用いられることが好ましい。
【0035】
パターン形成された犠牲材料18は、閾値電圧調整材料16の上に犠牲材料のブランケット層を堆積し、続いてリソグラフィ及びエッチングを行なうことによって形成される。犠牲材料のブランケット層の堆積は、これらに限られるものではないが、化学気相堆積(CVD)、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)、原子層堆積(ALD)、蒸着、物理気相堆積(PVD)、及びスパッタリングを含む、いずれかの従来の堆積プロセスを含む。形成される犠牲材料のブランケット層の厚さは、これを形成するために用いられる堆積技術、並びに、犠牲材料の材料によって変わり得る。典型的には、堆積されたままの犠牲材料は、25nmから500nmまでの厚さを有し、50nmから200nmまでの厚さがさらにより典型的である。犠牲材料のブランケット層の堆積に続いて、例えばCVD、PECVD、蒸着、又はスピンオン・コーティングを含む従来の堆積プロセスによって、犠牲材料のブランケット層の表面上に、フォトレジストが形成される。次に、塗布されたフォトレジストを、例えば典型的なゲート・パターンのような所望の放射パターンに露光し、その後、従来のレジスト現像液を用いて露光されたフォトレジストを現像する。次に、乾式エッチング(すなわち、反応性イオン・エッチング、プラズマ・エッチング、イオンビーム・エッチング、又はレーザ・アブレーション)或いは湿式化学エッチングの一方を用いることにより、フォトレジストのパターンを下にある犠牲材料のブランケット層に転写する。
【0036】
次に、図3に示すように、第1の導電性スペーサ20が、パターン形成された犠牲材料18の露出された側壁上、及び、閾値電圧調整材料16の露出された表面の上に形成される。つまり、第1の導電性スペーサ20の基部は閾値電圧調整材料の表面上に位置し、第1の導電性スペーサ20の側壁は、パターン形成された犠牲材料18の側壁に横方向に当接する。第1の導電性スペーサ20は、本発明の非対称型半導体構造体の第1のゲート電極部分を形成することが認められる。第1の導電性スペーサ20は、一般に、FETデバイスのゲート電極として用いられる任意の導電性材料からなる。第1の導電性スペーサ20として用いることができるこうした導電性材料の限定されない例には、多結晶シリコン、多結晶シリコンゲルマニウム、元素金属(例えば、タングステン、チタン、タンタル、アルミニウム、ニッケル、ルテニウム、パラジウム及び白金)、少なくとも1つの元素金属の合金、元素金属窒化物(例えば、窒化タングステン、窒化アルミニウム、及び窒化チタン)、元素金属シリサイド(例えば、タングステンシリサイド、ニッケルシリサイド、及びチタンシリサイド)、及びそれらの多層構造が含まれる。第1の導電性スペーサ20は、少なくとも1つの元素金属を含むことが好ましい。一実施形態においては、窒化チタンが導電性材料として用いられる。
【0037】
本発明の非対称型半導体デバイスの第1のゲート電極部分を形成する第1の導電性スペーサ20は、例えば、導電性材料を堆積し、続いて異方性エッチングを行なうことを含む、当技術分野において周知の従来の技術を用いて形成される。第1の導電性スペーサ20は、その基部に沿って測定されたとき、5nmから50nmまでの幅を有する。幾つかの実施形態において、当業者に周知の、イオン注入のような周知のドーピング・プロセスを用いて、エッチングの前に導電性材料をドープすることができる。
【0038】
本発明のこの時点で、第1の導電性スペーサ20、パターン形成された犠牲材料18、及び高kゲート誘電体14と対照して、露出された閾値電圧調整材料16を選択的に除去するエッチング・プロセスを用いて、第1の導電性スペーサ20によっても又はパターン形成された犠牲材料18によっても保護されていない少なくとも閾値電圧調整材料16の露出された部分を除去する。本発明のこのステップにおいて用い得るこうした選択的エッチング・プロセスの例は、HLC等を含む。少なくとも閾値電圧調整材料の露出された部分を除去した後に形成される結果として得られる構造体を、例えば図4に示す。
【0039】
次に、図5に示すように、第2の導電性スペーサ22が、第1の導電性スペーサ20に隣接して、高kゲート誘電体14の今や露出されている表面上に形成される。第2の導電性スペーサ22は、本発明の非対称型半導体構造体の第2のゲート電極部分を形成することが留意される。基部が残りの閾値電圧調整層16の表面上に位置する第1の導電性スペーサ20とは違って、本発明のこの実施形態における第2の導電性スペーサ22の基部は、高kゲート誘電体14の表面上にある。本発明のこの実施形態においては、基部に近い第2の導電性スペーサ22の側壁部分は、残りの閾値電圧調整材料16の側壁部分に横方向に当接していることがさらに観察される。
【0040】
第2の導電性スペーサ22は、第1の導電性スペーサ20のものと同じ又は異なる導電性材料で、好ましくは同じ導電性材料で構成される。また、第2の導電性スペーサ22は、第1の導電性スペーサ20について上述した処理ステップを用いて形成される。第2の導電性スペーサ22は、その基部に沿って測定されたとき、5nmから50nmまでの幅を有する。
【0041】
第2の導電性スペーサ22を形成した後、犠牲材料を選択的に除去するエッチバック・プロセスを用いて、パターン形成された犠牲材料18が除去される。パターン形成された犠牲材料18を選択的に除去するために用い得るエッチバック・プロセスの例は、亜リン酸である。
【0042】
本発明のこの時点において、閾値電圧調整材料16の露出された部分(第1及び第2の導電性スペーサにより保護されていない)並びに高kゲート誘電体14の露出された部分(同じく、第1及び第2の導電性スペーサにより保護されていない)が、第1の導電性スペーサ20及び第2の導電性スペーサ22に対してそれらの材料を選択的に除去する1又はそれ以上のエッチング・ステップなどのエッチングを用いることにより除去される。一実施形態においては、最初にエッチング・プロセスとして亜リン酸を用いて、今や除去されたパターン形成された犠牲材料18の下方にある閾値電圧調整材料16が除去され、その後、HF等により、高kゲート誘電体14の露出された部分が除去される。
【0043】
パターン形成された犠牲材料18、パターン形成された犠牲材料18の下にあった閾値電圧調整材料、及び高kゲート誘電体14の露出された部分を除去した後に形成される結果として得られる構造体を、例えば図6に示す。非対称型ゲート・スタック24は、その第1の部分26(第1の導電性スペーサ20及び閾値電圧調整材料16を含む)が、非対称型ゲート・スタック24の第2の部分28(高kゲート誘電体14の表面の真上にある第2の導電性スペーサ22を含む)と比較すると、異なる閾値電圧、例えばより低い閾値電圧を有することが観察される。この実施形態においては、非対称型ゲート・スタック24の第1の部分26及び非対称型ゲート・スタック24の第2の部分28が互いに横方向に当接していること、及び、2つの部分が共通の高kゲート誘電体14を共有することに留意されたい。非対称型ゲート・スタックはリソグラフィによって形成されないので、本発明の非対称型ゲート・スタックの寸法は、従来のリソグラフィを用いて得られるものより小さくすることができる。つまり、本発明の非対称型ゲート・スタックは、リソグラフィ基準以下の(sublithographic)ものとすることができるゲート寸法を有する。
【0044】
次に、図7に示されるように、延長領域、すなわちソース及びドレイン延長部30が、例えば、ドーパントなどの延長部不純物を内部に注入することによって、非対称型ゲートのフットプリントにおいて半導体基板の部分内に形成される。延長部不純物及びこれを注入するために用いられる条件は、当業者には周知である。幾つかの実施形態において、注入された延長部不純物は、ソース及びドレイン延長部を注入した直後に活性化される。延長部不純物の活性化は、850℃より高い温度で実行される熱アニールを用いて行なわれる。他の実施形態においては、活性化は、ソース及びドレイン注入を行った後まで遅延される。
【0045】
図8は、各々の非対称型ゲート・スタック24の周りに誘電体スペーサ32を形成した後の、図7の構造体を示す。図示されるように、誘電体スペーサ32の一部分は非対称型ゲート・スタック24の第1の部分に隣接、すなわち当接し、誘電体スペーサ32の他の部分は非対称型ゲート・スタック24の第2の部分に隣接、すなわち当接する。誘電体スペーサ32は、これらに限られるものではないが、二酸化シリコン、窒化シリコン、及び酸窒化シリコンを含むいずれかの誘電体材料からなり、本発明においては、窒化シリコンが、好ましい誘電体スペーサ材料である。誘電体スペーサ32は、堆積を行ない、その後異方性エッチングを行なうことにより形成される。
【0046】
図9は、イオン注入マスクとして誘電体スペーサ32及び非対称型ゲート・スタック24を用いて、例えばドーパントなどのソース及びドレイン不純物を注入し、半導体基板12内にソース34A及びドレイン34Bを形成した後の図8の構造体を示す。ソース34A及びドレイン34Bの形成に用いられるイオン注入は、当業者には周知の従来の技術及び条件を含む。イオン注入後、850℃より高い温度として行なわれる熱活性化プロセスを用いて、半導体基板12内の不純物を活性化することができる。
【0047】
図9を参照すると、本発明の実施形態に従った本発明の構造体が示される。この実施形態に示される本発明の構造体は、複数のソース領域34A及びドレイン領域34Bが内部に配置された半導体基板を含む。チャネル領域35が、ソース領域34A及びドレイン領域34Bの対応する対の各々の間に挿置される。共通の高kゲート誘電体14上に配置された非対称型ゲート・スタック24が、各チャネル35の上にある。各々の非対称型ゲート・スタック24は、第2の部分28に横方向に当接する第1の部分26を含み、第1の部分26は、第2の部分28とは異なる、すなわち第2の部分より低い閾値電圧を有する。各々の非対称型ゲート・スタック24の第1の部分26は、ゲート誘電体14の表面上に配置された閾値電圧調整材料16と、閾値電圧調整材料16の表面上に配置された少なくとも第1の導電性スペーサ20とを含む。各々の非対称型ゲート・スタック24の第2の部分28は、ゲート誘電体14上に配置された第2の導電性スペーサ22を含む。本発明において、第1の導電性スペーサ20は、第2の導電性スペーサ22に直接接触する。本発明の導電性スペーサは、協働して本発明の構造体のゲート電極を形成することが強調される。
【0048】
図1−図9は、非対称型ゲート・スタックを形成する一実施形態を示すことが留意される。本発明の別の実施形態においては、図10に示すように、閾値電圧調整材料16を除去する前に、第1の導電性スペーサ20に横方向に当接するように第2の導電性スペーサ22が形成される。つまり、本発明のこの実施形態は、最初に図3に示す構造体を準備することによって開始する。第1の導電性スペーサ20を形成した後、第2の導電性スペーサ22を形成し、その後、図6−図9に述べられる基本的処理ステップを用いる。この実施形態において、第2の導電性スペーサ22は、第1の導電性スペーサ20とは異なる導電性材料からなる。第2の導電性スペーサ22は、第1の導電性スペーサ20と同じ処理ステップを用いて形成することができる。こうした実施形態では、最終的な構造体において、導電性スペーサ20及び22の両方が、閾値電圧調整材料16の上にある。異なる導電性材料からなる第1及び第2の導電性スペーサを有することにより、この実施形態において異なる閾値電圧が達成されることが留意される。最終的な構造体において、本発明の非対称型ゲート・スタックの両方の部分が共通の閾値電圧材料の上に配置され、この共通の閾値電圧材料は、共通のゲート誘電体の上に配置される。
【0049】
図1−図9及び図10に関して上述したプロセスにより、半導体基板の表面上に非対称型nFET又は非対称型pFETが形成される本発明の実施形態が表わされることが観察される。上記に加えて、半導体基板の1つの所定の領域内に複数の非対称型nFETを形成し、該基板の別の所定の領域内に複数の非対称型pFETを形成する際に、本発明の方法を用いることもできる。
【0050】
こうした構造体、すなわちCMOSが望ましい場合、基板の第1のデバイス領域内の高kゲート誘電体の表面上に、第1のブロックマスクを形成し、その後、構造体全体の上に、nFET閾値電圧調整材料又はpFET閾値電圧調整材料である第1の閾値電圧調整材料を形成する。次に、ブロックマスク及び第1のブロック自体の上にある第1の閾値電圧調整材料を除去して、基板の第1のデバイス領域内の第1の(nFET又はpFET)閾値電圧調整材料を含む構造体を形成する。第1の閾値電圧調整材料を含む基板の第1のデバイス領域内に、今や第2のブロックマスクを形成することができ、その後、第1の閾値電圧調整材料とは反対の第2の閾値電圧調整材料が形成される。例えば、第1の閾値電圧調整材料がpFET閾値電圧調整材料であるとき、第2の閾値電圧調整材料は、nFET閾値電圧調整材料である。代替的に、第1の閾値電圧調整材料がnFET閾値電圧調整材料であるとき、第2の閾値電圧調整材料は、pFET閾値電圧調整材料である。次に、第2のブロックマスクの上にある第2の閾値電圧調整材料が、基板の第1のデバイス領域内から除去され、基板の第1のデバイス領域内の第1の閾値電圧調整材料及び基板のデバイス領域内の第2の閾値電圧調整材料を含む初期構造体を提供する。こうした初期構造体を、図1に示す初期構造体の代わりに用いることができ、その後、図2−図9及び図10に述べた処理ステップを行なうことができる。場合によっては、所望の導電型のFETを適切に製造することを確実にするために、処理ステップの際に、ブロックマスクを使用することが必要である。
【0051】
本発明が、その好ましい実施形態に関して特に示され、説明されたが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、上記の変更、並びに形態及び詳細の他の変更をなし得ることを理解するであろう。従って、本発明は、説明され例証される正確な形態及び詳細に制限されるものではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0052】
10:初期構造体
12:半導体基板
14:高kゲート誘電体
16:閾値電圧調整材料
18:パターン形成された犠牲材料
20:第1の導電性スペーサ
22:第2の導電性スペーサ
24:ゲート・スタック
26:ゲート・スタックの第1の部分
28:ゲート・スタックの第2の部分
30:ソース及びドレイン延長部
32:誘電体スペーサ
34A:ソース
34B:ドレイン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高kゲート誘電体の表面上に配置された非対称型ゲート・スタックであって、前記非対称型ゲート・スタックは第2の部分に横方向に隣接する第1の部分を含み、前記第1の部分は前記第2の部分とは異なる閾値電圧を有し、前記第1の部分は、下から上に、閾値電圧調整材料及び少なくとも第1の導電性スペーサを含み、前記第2の部分は、前記ゲート誘電体の上に配置された少なくとも第2の導電性スペーサを含む、非対称型ゲート・スタックを含む半導体構造体。
【請求項2】
前記第1の導電性スペーサ及び前記第2の導電性スペーサは異なる導電性材料からなり、前記第2の導電性スペーサは、前記ゲート誘電体と前記第2の導電性スペーサとの間に配置された前記閾値電圧調整材料の表面上に配置される、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項3】
前記閾値電圧調整材料はnFET閾値電圧調整材料である、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項4】
前記nFET閾値電圧調整材料は、元素周期表のIIIB族からの少なくとも1つの元素の酸化物又は窒化物を含む希土類金属含有材料である、請求項3に記載の半導体構造体。
【請求項5】
前記IIIB族元素は、La、Ce、Y、Sm、Er、及びTbの1つである、請求項4に記載の半導体構造体。
【請求項6】
前記希土類金属含有材料は、La又はLaNである、請求項4に記載の半導体構造体。
【請求項7】
Mがアルカリ土類金属であり、AがO、S及びハロゲン化物の1つであり、xが1又は2であるものとして、前記nFET閾値電圧調整材料は、式MAの化合物を含むアルカリ土類金属含有材料である、請求項3に記載の半導体構造体。
【請求項8】
前記アルカリ土類金属含有材料はMgOである、請求項7に記載の半導体構造体。
【請求項9】
前記閾値電圧調整材料はpFET閾値電圧調整材料である、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項10】
前記pFET閾値電圧調整材料は、Al、Al、Ge、GeO、Tiの非導電性化合物、又はTaの非導電性化合物を含む、請求項9に記載の半導体構造体。
【請求項11】
前記高kゲート誘電体は4.0より大きい誘電率を有する誘電体金属酸化物である、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項12】
前記第1及び第2のスペーサは、多結晶シリコン、多結晶シリコンゲルマニウム、元素金属、少なくとも1つの元素金属の合金、元素金属窒化物、元素金属シリサイド、及びそれらの多層構造から選択される同じ又は異なる導電性材料からなる、請求項1に記載の半導体構造体。
【請求項13】
nFETデバイス領域及びpFETデバイス領域を有する半導体基板と、
前記nFETデバイス領域内の高kゲート誘電体上に配置されたnFET非対称型ゲート・スタックであって、前記nFET非対称型ゲート・スタックは第2のnFET部分に横方向に隣接する第1のnFET部分を含み、前記第1のnFET部分は前記第2のnFET部分とは異なる閾値電圧を有し、前記第1のnFET部分は、下から上に、nFET閾値電圧調整材料及び少なくとも第1の導電性スペーサを含み、前記第2のnFET部分は、前記ゲート誘電体の上に配置された少なくとも第2の導電性スペーサを含む、nFET非対称型ゲート・スタックと、
前記pFETデバイス領域内の前記高kゲート誘電体上に配置されたpFET非対称型ゲート・スタックであって、前記pFET非対称型ゲート・スタックは第2のpFET部分に横方向に隣接する第1のpFET部分を含み、前記第1のpFET部分は前記第2のpFET部分とは異なる閾値電圧を有し、前記第1のpFET部分は、下から上に、pFET閾値電圧調整材料及び少なくとも第1の導電性スペーサを含み、前記第2のpFET部分は、前記ゲート誘電体の上に配置された少なくとも第2の導電性スペーサを含む、pFET非対称型ゲート・スタックと、
を含む半導体構造体。
【請求項14】
前記nFET閾値電圧調整材料は、元素周期表のIIIB族からの少なくとも1つの元素の酸化物又は窒化物を含む希土類金属含有材料である、請求項13に記載の半導体構造体。
【請求項15】
前記IIIB族元素は、La、Ce、Y、Sm、Er、及びTbの1つである、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項16】
前記希土類金属含有材料は、La又はLaNである、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項17】
Mがアルカリ土類金属であり、AがO、S及びハロゲン化物の1つであり、xが1又は2であるものとして、前記nFET閾値電圧調整材料は、式MAの化合物を含むアルカリ土類金属含有材料である、請求項13に記載の半導体構造体。
【請求項18】
前記pFET閾値電圧調整材料は、Al、Al、Ge、GeO、Tiの非導電性化合物、又はTaの非導電性化合物を含む、請求項13に記載の半導体構造体。
【請求項19】
半導体構造体を製造する方法であって、
下から上に、高kゲート誘電体及び閾値電圧調整材料を含む材料スタック上に少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料を形成するステップと、
前記少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料の露出された側壁上に少なくとも第1の導電性スペーサを形成するステップであって、前記第1の導電性スペーサの基部は前記閾値電圧調整材料の表面上に配置される、ステップと、
前記少なくとも第1の導電性スペーサ及び前記少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料によって保護されていない前記閾値電圧調整材料の露出された部分を除去して、前記高kゲート誘電体の表面を露出させるステップと、
前記少なくとも第1の導電性スペーサによって保護されていない、前記少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料、前記閾値電圧調整材料の部分、及び前記高kゲート誘電体の部分を除去するステップと、
を含む方法。
【請求項20】
前記閾値電圧調整材料の前記露出された部分を除去する前に、前記第1の導電性スペーサに横方向に隣接する少なくとも第2の導電性スペーサを形成するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記閾値電圧調整材料の前記露出された部分を除去した後、及び、前記少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料を除去する前に、前記第1の導電性スペーサに横方向に隣接する少なくとも第2の導電性スペーサを形成するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料、前記閾値電圧調整材料の部分、及び前記高kゲート誘電体の部分を除去した後に、種々のイオン注入及び誘電体スペーサの形成を行なうステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料を形成する前に、前記高kゲート誘電体及び前記閾値電圧調整材料のスタックを形成するステップをさらに含み、前記スタックを形成するステップは、nFET閾値電圧調整材料を選択するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料を形成する前に、前記高kゲート誘電体及び前記閾値電圧調整材料のスタックを形成するステップをさらに含み、前記スタックを形成するステップは、pFET閾値電圧調整材料を選択するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つのパターン形成された犠牲材料を形成する前に、前記高kゲート誘電体及び前記閾値電圧調整材料のスタックを形成するステップをさらに含み、前記スタックを形成するステップは、第1のデバイス領域においてnFET閾値電圧調整材料を選択し、第2のデバイス領域においてpFET閾値電圧調整材料を選択するステップを含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−267964(P2010−267964A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109553(P2010−109553)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】