説明

半導体装置およびその製造方法、並びに表示装置

【課題】3層以上の配線を接続する際に、最も効率的にかつ最小面積で接続を行えるコンタクト構造を実現可能な半導体装置およびその製造方法、並びに表示装置を提供する。
【解決手段】基板201上に3層以上のn層の導電層202〜204が積層して形成され、n層の導電層がコンタクトパターンを介して接続され、コンタクトパターンが形成される一つの主コンタクト領域には、(n−1)個の導電層202,203を接続する(n−1)個の接続領域211,212を有し、(n−1)個の導電層のうち基板201に対する積層方向(基板201の主面に対する法線方向)において第1層より上層の導電層は、その終端部がコンタクトパターンCPTNの縁の一部に臨むように形成され、(n−1)個の導電層は、第n層の導電層により電気的に接続されている。第n層の導電層は、コンタクトパターンCPTNであるコンタクト孔を埋めつくよう形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3層以上のn(nは3以上の整数)層の導電層間を接続するためのコンタクトを有する半導体装置およびその製造方法、並びにその半導体装置が適用可能な液晶表示装置や有機EL(Electro-luminescence)表示装置等の表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)などの携帯端末の普及がめざましい。これら携帯端末の急速な普及の要因の一つとして、その出力表示部として搭載されている液晶表示装置が挙げられる。その理由は、液晶表示装置が原理的に駆動するための電力を要しない特性を持ち、低消費電力の表示デバイスであるためである。
【0003】
近年、画素のスイッチング素子としてポリシリコンTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)用いたアクティブマトリクス型表示装置において、画素がマトリクス状に配置されてなる表示エリア部と同一基板上にデジタルインターフェース駆動回路を一体的に形成する傾向にある。
この駆動回路一体型表示装置は、有効表示部の周辺部(額縁)に水平駆動系や垂直駆動系が配置され、これら駆動系がポリシリコンTFTを用いて画素エリア部と共に同一基板上に一体的に形成される。
【0004】
また、近年、携帯電話機などに用いられる液晶表示装置や有機EL表示装置は、3インチWVGAクラスの、高精細で大画面でありながら、小型軽量であることが要求されてきている。
その中で、アモルファスシリコン(a−Si)をトランジスタの半導体層として用いるディスプレイでは、周辺にシリコン(Si)チップで構成した駆動回路を実装する必要があり、小型化(狭額縁化)には不利になってきている。
【0005】
それを解決する手段として、低温ポリシリコン膜やマイクロクリスタルシリコン膜や酸化物半導体膜などの、アモルファスシリコン膜より移動度の大きい半導体層を用いて、ガラス基板に画素トランジスタを形成する工程と同時に周辺回路を形成する方法も製品化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−267595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この方法でも回路規模が増加するほど、周辺回路を構成する額縁部分を狭くすることは困難になってきている。
これらの問題を考察してみると、周辺回路にてその集積度を決めるパラメータの一つに、各配線間の接続を行なうコンタクト部分がある。コンタクト部分は、大きな回路規模を構成する際に必要な配線層(導電層)を増やせば増やすほど増えていくことになる。
【0008】
図1は、一般的な方法に基づくコンタクト形成領域の例を示す平面図である。
図1において、EL1,EL2は電極を、ARCNT1、ARCNT2はコンタクト領域を示し、Cは最小コンタクトホールのサイズを、Mはレイヤー間の合わせズレを考慮した必要なマージンを示している。
【0009】
図1に示す例において、一般的な方法に基づいて2層間を最小コンタクト領域で接続する場合、コンタクトに必要な最小面積として、露光装置の解像度で決まる最小パターンのサイズCとレイヤー間の合わせマージンMを考えた設計面積としては(C+2×M)^2)×2が必要となる。これでは、コンタクト領域ARCNT1,ARCNT2間の面積(C+2×M)×(2×M)が余分であり、未だ小型化(狭額縁化)には不利である。
【0010】
また、特許文献1には、走査線と信号線を、画素電極を用いて接続する製造方法が示されている。
図2は、走査線と信号線を、画素電極を用いて接続する方法に基づくコンタクト形成領域の例を示す平面図である。
図2においては、第1のコンタクト領域ARCNT11と第2のコンタクト領域ARCNT12とは重なり合う領域を有する。
しかしながら、この方法でも、(C+4×M)^2が必要となり大きな面積が必要となる。
【0011】
本発明は、3層以上の配線を接続する際に、最も効率的にかつ最小面積で接続を行えるコンタクト構造を実現可能な半導体装置およびその製造方法、並びに表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の観点は、基板上に3層以上のn層(nは3以上の正の整数)の導電層が積層して形成され、上記n層の導電層がコンタクトパターンを介して接続された半導体装置であって、上記コンタクトパターンが形成される一つの主コンタクト領域には、(n−1)個の導電層を接続する(n−1)個の接続領域を有し、上記(n−1)個の導電層のうち上記基板に対する積層方向において第1層より上層の導電層は、その終端部が上記コンタクトパターンの縁の一部に臨むように形成され、上記(n−1)個の導電層は、第n層の導電層により電気的に接続されている。
【0013】
本発明の第2の観点は、基板上に3層以上のn層(nは3以上の正の整数)の導電層が積層して形成され、上記n層の導電層がコンタクト孔を介して接続された半導体装置であって、上記コンタクト孔が形成される主コンタクト領域には、上記n層の導電層のうち、連続的に積層される2層の導電層を一つのグループとして、当該グループ内の2層のうち基板に対する積層方向において下層側に形成された第1の導電層と、上層側に形成された第2の導電層とを接続するための(n−2)個の副コンタクト領域が形成され、上記コンタクト孔は、上記コンタクト領域における最上層を除く(n−1)層の導電層の形成領域にわたる径を有する第1のコンタクト孔と、上記第1のコンタクト孔と連通して上記第1の導電層に至る(n−2)個の第2のコンタクト孔と、を含み、上記副コンタクト領域において、上記第2の導電層は、上層面側が上記第1のコンタクト孔に臨み、その一終端部が上記第2のコンタクト孔に臨むように形成され、上記n層の最上層となる第n層の導電層が上記第2のコンタクト孔内の上記第1の導電層から上記第2の導電層の終端部および上記第1のコンタクト孔における当該第2の導電層面に接続して上層に至るように形成されている。
【0014】
好適には、接続される導電層間には層間絶縁膜が形成され、上記層間絶縁膜は、上記第n層の導電層より薄く形成されている。
【0015】
本発明の第3の観点は、3層以上のn層(nは3以上の正の整数)の導電層を、コンタクトパターンを介して接続する半導体装置の製造方法であって、基板上に(n−1)個の導電層を、当該導電層間に絶縁膜が介在するように積層する工程と、上記(n−1)個の導電層を含むコンタクトパターンで上記絶縁膜を連続的にエッチング除去する工程と、上記コンタクトパターン内の上記(n−1)個の導電層の少なくとも一部を覆うパターンで第n層を形成する工程とを有する。
【0016】
本発明の第4の観点は、基板上に第1の導電層を形成する工程と、上記第1の導電層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、上記第1の絶縁膜上に第2の導電層を形成する工程と、上記第2の導電層上に第2の絶縁膜を形成する工程と、上記第1の導電層と上記第2の導電層を含むコンタクトパターンで上記第1の絶縁膜と上記第2の絶縁膜を連続的にエッチング除去する工程と、上記コンタクトパターン内の上記第1の導電層および上記第2の導電層の少なくとも一部を覆うパターンで第3の導電層を形成する工程とを有する。
【0017】
本発明の第5の観点は、画素がマトリクス状に配置された表示部と、上記表示部の周辺により形成された周辺回路と、が半導体装置を採用して一体的に形成され、上記半導体装置は、基板上に3層以上のn層(nは3以上の正の整数)の導電層が積層して形成され、上記n層の導電層がコンタクトパターンを介して接続された半導体装置であって、上記コンタクトパターンが形成される一つの主コンタクト領域には、(n−1)個の導電層を接続する(n−1)個の接続領域を有し、上記(n−1)個の導電層のうち上記基板に対する積層方向において第1層より上層の導電層は、その終端部が上記コンタクトパターンの縁の一部に臨むように形成され、上記(n−1)個の導電層は、第n層の導電層により電気的に接続されている。
【0018】
本発明によれば、主コンタクト領域においては、最上層を除く(n−1)個の導電層のうち基板に対する積層方向において第1層より上層の導電層は、その終端部がコンタクトパターンの縁の一部に臨むように形成されている。そして、(n−1)個の導電層は、第n層の導電層により電気的に接続されている。
この場合、同一のコンタクトホール内で3層以上のレイヤー間コンタクトを取ることが可能で、最も効率的にかつ最小面積で接続が行われる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、3層以上の配線を接続する際に、最も効率的にかつ最小面積で接続を行えるコンタクト構造を実現可能となる。
その結果、狭額縁で高精細までに対応できる駆動回路一体型表示装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一般的な方法に基づくコンタクト形成領域の例を示す平面図である。
【図2】走査線と信号線を、画素電極を用いて接続する方法に基づくコンタクト形成領域の例を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る駆動回路一体型表示装置の配置構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る駆動回路一体型表示装置の回路機能を示すシステムブロック図である。
【図5】液晶表示装置の有効表示部の構成例を示す回路図である。
【図6】本実施形態に係るコンタクト構造の基本的な構成を示す図である。
【図7】図6の本実施形態に係るコンタクト構造を採用したコンタクト領域を拡大して示す図である。
【図8】本実施形態に係るコンタクト形成領域の基本的な例を示す平面図である。
【図9】本実施形態に係るコンタクト構造の他の構成例を示す図である。
【図10】図9のコンタクト形成領域の基本的な例を示す平面図である。
【図11】本実施形態に係るコンタクト構造が適用可能な、たとえば水平駆動回路の出力段等のバッファ回路の等価回路と接続パターン例を示す図である。
【図12】本実施形態に係るコンタクト構造の好適なレイアウト例を示す図である。
【図13】図6および図7の例の半導体装置の製造方法をより具体的に説明するための図である。
【図14】図6および図7の例の半導体装置の製造方法をより具体的に説明するための図である。
【図15】本実施形態に係る受光セルの基本構成例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面に関連付けて詳細に説明する。
【0022】
図3および図4は、本発明の実施形態に係る駆動回路一体型表示装置の構成例を示す概略構成図であって、図3は本実施形態に係る駆動回路一体型表示装置の配置構成を示す図であり、図4は本実施形態に係る駆動回路一体型表示装置の回路機能を示すシステムブロック図である。
【0023】
本実施形態の表示装置においては、後で詳述するように、3層以上の配線(導電層)を接続する際に、最も効率的にかつ最小面積で接続を行える本実施形態に係る半導体装置のコンタクト構造を採用して、表示パネルの小型化(狭額縁化)が図られている。
【0024】
ここでは、たとえば、各画素の電気光学素子として液晶セルを用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置に適用した場合を例に採って説明する。
【0025】
この液晶表示装置10は、図3に示すように、透明絶縁基板、たとえばガラス基板11上に、液晶セルを含む複数の画素がマトリクス状に配置された有効表示部(ACDSP)12、図3において有効表示部12の上側および下側に配置された一対の水平駆動回路(Hドライバ、HDRV)13U,13D、図3において有効表示部12の側部に配置された垂直駆動回路(Vドライバ、VDRV)14、データ処理回路(DATAPRC)15、DC−DCコンバータにより形成された電源回路(DC−DC)16、インタフェース回路(I/F)17、タイミングジェネレータ(TG)18、および複数の駆動基準電圧を水平駆動回路13U,13D等に供給する基準電圧駆動回路(REFDRV)19等が集積されている。
また、ガラス基板11の水平駆動回路13Dの配置位置の近傍の縁部にはデータ等の入力パッド20が形成されている。
【0026】
ガラス基板11は、能動素子(たとえば、トランジスタ)を含む複数の画素回路がマトリクス状に配置される第1の基板と、この第1の基板と所定の間隙をもって対向して配置される第2の基板とによって構成される。そして、これら第1および第2の基板間に液晶が封入される。
絶縁基板に形成される回路群は、たとえば低温ポリシリコンTFTプロセスにより形成されている。すなわち、この駆動回路一体型表示装置10は、有効表示部の周辺部(額縁)に水平駆動系や垂直駆動系が配置され、これら駆動系がポリシリコンTFTを用いて画素エリア部と共に同一基板上に一体的に形成される。
【0027】
本実施形態の駆動回路一体型液晶表示装置10は、2つの水平駆動回路13U,13Dを有効表示部12の両サイド(図3では上下)に配置しているが、これは、データ線の奇数ラインと偶数ラインとに分けて駆動するためである。
2つの水平駆動回路13U、13Dにおいては、3つのデジタルデータを、サンプリングラッチ回路にそれぞれ格納し、一水平期間(H)中に共用のデジタルアナログ変換回路で3回アナログデータへの変換処理を行い、3つのアナログデータを水平期間内で時分割的に選択して信号ライン(信号線)に出力することによりRGBセレクタ方式を採用している。
【0028】
有効表示部12は、液晶セルを含む複数の画素回路がマトリクス状に配列されている。
そして、有効表示部12は、水平駆動回路13U,13D、並びに垂直駆動回路14により駆動される信号ラインおよび垂直走査ラインがマトリクス状に配線されている。
【0029】
図5は、有効表示部12の具体的な構成の一例を示す図である。
ここでは、図面の簡略化のために、3行(n−1行〜n+1行)4列(m−2列〜m+1列)の画素配列の場合を例に採って示している。
図5において、有効表示部12には、垂直走査ライン…,121n−1,121n,121n+1,…と、信号ライン…,122m−2,122m−1,122m,122m+1,…とがマトリクス状に配線され、それらの交点部分に単位画素123が配置されている。
【0030】
単位画素123は、画素トランジスタである薄膜トランジスタTFT、液晶セルLCおよび保持容量Csを有する構成となっている。ここで、液晶セルLCは、薄膜トランジスタTFTで形成される画素電極(一方の電極)とこれに対向して形成される対向電極(他方の電極)との間で発生する容量を意味する。
【0031】
薄膜トランジスタTFTは、ゲート電極が垂直走査ライン…,121n−1,121n,121n+1,…に接続され、ソース電極が信号ライン…,122m−2,122m−1,122m,122m+1,…に接続されている。
液晶セルLCは、画素電極が薄膜トランジスタTFTのドレイン電極に接続され、対向電極が共通ライン124に接続されている。保持容量Csは、薄膜トランジスタTFTのドレイン電極と共通ライン124との間に接続されている。
共通ライン124には、たとえばガラス基板11に駆動回路等と一体的に形成されるVCOM回路21により所定の交流電圧がコモン電圧Vcomとして与えられる。
【0032】
垂直走査ライン…,121n−1,121n,121n+1,…の各一端は、図3に示す垂直駆動回路14の対応する行の各出力端にそれぞれ接続される。
垂直駆動回路14は、たとえばシフトレジスタを含んで構成され、垂直クロックパルスVCK(図示せず)に同期して順次垂直選択パルスを発生して垂直走査ライン…,121n−1,121n,121n+1,…に与えることによって垂直走査を行う。
【0033】
また、有効表示部12において、たとえば、信号ライン…,122m−1,122m+1,…の各一端が図3に示す水平駆動回路13Uの対応する列の各出力端に、各他端が図3に示す水平駆動回路13Dの対応する列の各出力端にそれぞれ接続される。
【0034】
水平駆動回路13U、13Dは、Rデータ、Bデータ、およびGデータの3つのデジタルデータを、サンプリングラッチ回路にそれぞれ格納し、一水平期間(H)中に3回アナログデータへの変換処理を行い、3つのデータを水平期間内で時分割的に選択して対応する信号ラインに出力する。
水平駆動回路13U、13Dは、水平クロックパルスHCK(図示せず)に同期して各転送段から順次シフトパルス(サンプリングパルス)を出力するシフトレジスタ群131U、131Dと、シフトレジスタ群131U,131Dから与えられるサンプリングパルスによりデジタル画像データを順次サンプリングしてラッチするサンプリングラッチ回路群と、サンプリングラッチ回路の各ラッチデータを線順次化する線順次化ラッチ回路群132U、132Dと、線順次化ラッチ回路群132U,132Dで線順次化されたデジタル画像データをアナログ画像信号に変換するデジタル/アナログ変換回路(DAC)群133U,133Dと、を有する。
なお、通常、DAC133U,133Dの出力段には、CMOSインバータ等からなるバッファが配置される。
【0035】
データ処理回路15は、外部より入力されたパラレルのデジタルR,G,Bデータのレベルを0−3V(2.9V)系から6V系にシフトするレベルシフタ151、レベルシフトされたR,G,Bデータを位相調整や周波数を下げるために、シリアルデータからパラレルデータに変換するシリアル・パラレル変換回路152、パラレルデータを6V系から0−3V(2.9V)系にダウンシフトして奇数データ(odd−data)を水平駆動回路13Uに出力し、偶数データ(even−data)を水平駆動回路13Dに出力するダウンコンバータ153を有する。
【0036】
電源回路16は、DC−DCコンバータを含み、たとえば外部から液晶電圧VDD1(たとえば2.9V)が供給され、この電圧をインタフェース回路17から供給されるマスタクロックMCKや水平同期信号Hsyncに同期して、あるいは内蔵されている発振回路により、周波数が低く(遅く)、発振周波数にばらつきのあるクロックを所定の補正システムで補正した補正クロックおよび水平同期信号Hsyncに基づいて2倍の6V系の内部パネル電圧VDD2(たとえば5.8V)に昇圧し、パネル内部の各回路に供給する。
また、電源回路16は、内部パネル電圧として負電圧であるVSS2(たとえば−1.9V)、VSS3(たとえば−3.8V)を生成してパネル内部の所定回路(インタフェース回路等)に供給する。
【0037】
インタフェース回路17は、外部から供給されるマスタクロックMCK、水平同期信号Hsync、垂直同期信号Vsyncのレベルをパネル内部ロジックレベル(たとえばVDD2レベル)までレベルシフトし、レベルシフト後のマスタクロックMCK、水平同期信号Hsync、垂直同期信号Vsyncをタイミングジェネレータ18に供給し、また、水平同期信号Hsyncを電源回路16に供給する。
インタフェース回路17は、電源回路16がマスタクロックを用いずに内蔵の発振回路のクロックを補正した補正クロックに基づいて昇圧を行う構成の場合には、マスタクロックMCKの電源回路16への供給は行わないように構成可能である。あるいはインタフェース回路17から電源回路16へマスタクロックMCKの供給ラインをそのままで、電源回路16側でマスタクロックMCKを昇圧に使用しないように構成することも可能である。
【0038】
タイミングジェネレータ18は、インタフェース回路17により供給されたマスタクロックMCK、水平同期信号Hsync、垂直同期信号Vsyncに同期して、水平駆動回路13U,13Dのクロックとして用いられる水平スタートパルスHST、水平クロックパルスHCK(HCKX)、垂直駆動回路14のクロックとして用いられる垂直スタートパルスVST、垂直クロックVCK(VCKX)を生成し、水平スタートパルスHST、水平クロックパルスHCK(HCKX)を水平駆動回路13U,13Dに供給し、垂直スタートパルスVST、垂直クロックVCK(VCKX)を垂直駆動回路14に供給する。
【0039】
以上、本実施形態に係る液晶表示装置の液晶パネルに形成される各部構成および機能について説明した。
次に、本実施形態に係る表示パネルの小型化(狭額縁化)を実現可能なコンタクト構造、すなわち、3層以上の配線(導電層)を接続する際に、最も効率的にかつ最小面積で接続を行える本実施形態に係る半導体装置のコンタクト構造について説明する。
本実施形態に係る半導体装置のコンタクト構造は、有効表示部12、有効表示部12の周辺回路である水平駆動回路13U,13D、垂直駆動回路13、データ処理回路(DATAPRC)15、電源回路(DC−DC)16、インタフェース回路(I/F)17、タイミングジェネレータ(TG)18、および基準電圧駆動回路(REFDRV)19等に適用される。
【0040】
図6(A),(B)は、本実施形態に係るコンタクト構造の基本的な構成を示す図であって、図6(A)は断面図を示し、図6(B)は平面図を示している。
この例では、図6(A)中に破線で示すコンタクト領域ARCNT201において本実施形態に係るコンタクト構造が採用されている。
【0041】
本実施形態に係る半導体装置200は、基本的に、基板201上に3層以上のn層(nは3以上の正の整数)の導電層が積層して形成され、n層(個)の導電層がコンタクトパターンを介して接続されている。
図6の例では、n=3であり、基板201上に3層の導電層202,203,204が積層して形成され、この3層の導電層202,203,204がコンタクトパターンを介して接続されている。なお、導電層202と導電層203間および基板201上には層間絶縁膜206が選択的に形成され、導電層203上および層間絶縁膜206上には層間絶縁膜207が選択的に形成されている。
【0042】
また、コンタクトパターンCPTNが形成される一つの主コンタクト領域には、(n−1)個の導電層を接続する(n−1)個の接続領域を有している。
図6の例では、コンタクトパターンCPTNが形成される一つの主コンタクト領域MCNT201には、最上層の導電層204を除く2(n−1)個の導電層202,203を接続する2(n−1)個の接続領域211,212を有している。
【0043】
さらに、(n−1)個の導電層のうち基板201に対する積層方向(基板201の主面に対する法線方向)において第1層より上層の導電層は、その終端部がコンタクトパターンCPTNの縁の一部に臨むように形成されている。
図6の例では、2(n−1)個の導電層202,203のうち基板201に対する積層方向(基板201の主面に対する法線方向)において第1層の導電層より上層の導電層203は、その終端部203Tがコンタクトパターン(コンタクト孔)CPTNの縁の一部に臨むように、形成されている(コンタクトパターンの縁の一部以上に存在しない領域を有するように形成されている)。この図の場合には、導電層203はコンタクト領域内の一部分を占有するのみの(または、コンタクトの縁部分の一部を占有していない)状態である。
【0044】
そして、(n−1)個の導電層は、第n層の導電層により電気的に接続されている。第n層の導電層は、コンタクトパターンCPTNであるコンタクト孔を埋めつくよう形成されている。
図6の例は、導電層202,203は、第3層である導電層204によりコンタクトパターンCPTNに沿って電気的に接続されている。
【0045】
このコンタクト構造についてさらに具体的に説明する。
図7(A),(B)は、図6の本実施形態に係るコンタクト構造を採用したコンタクト領域を拡大して示す図である。
【0046】
本実施形態に係る半導体装置200は、コンタクトパターンとしてコンタクト孔が形成され、このコンタクト孔が形成される主コンタクト領域には、最上層の導電層を除く(n−1)個の導電層のうち、連続的に積層される2層の導電層を一つのグループとして、このグループ内の2層のうち基板201に対する積層方向の下層側に形成された第1の導電層と、上層側に形成された第2の導電層とを接続するための(n−2)個の副コンタクト領域SCNTが形成されている。
図7の例においては、導電層204を除く、連続的に積層される2層の導電層202,203を一つのグループとして、このグループ内の2層のうち基板に対して下層側に形成された第1の導電層202と、上層側に形成された第2の導電層203とを接続するための1(n−1)個の副コンタクト領域SCNTが形成されている。
【0047】
コンタクト孔220は、コンタクト領域ARCNT201における最上層を除く(n−1)層の導電層の形成領域にわたる径を有する第1のコンタクト孔221と、第1のコンタクト孔221と連通して第1の導電層202の表面に至る(n−2)個の第2のコンタクト孔222と、を含む。
図7の例においては、導電層204を除く、2層(個)の導電層202,203の形成領域にわたる径Xを有する第1のコンタクト孔221と、第1のコンタクト孔221と連通して、径Yが第1のコンタクト孔221の径X(>Y)より小さく、第1の導電層202の表面に至る1(n−2)個の第2のコンタクト孔222と、を含む。
【0048】
副コンタクト領域SCNTにおいて、グループの第2の導電層は、上層面側が第1のコンタクト孔に臨み、その一終端部が第2のコンタクト孔に臨むように形成されている。
図7の例では、副コンタクト領域SCNTにおいて、グループの第2の導電層203は、上層面203S側が第1のコンタクト孔221に臨み、その一終端部203Tが第2のコンタクト孔222に臨むように形成されている。
【0049】
そして、n層の最上層となる第n層の導電層が第2のコンタクト孔内の第1の導電層から第2の導電層の終端部および第1のコンタクト孔における第2の導電層面に接続して上層に至るように形成されている。
図7の例においては、n層の最上層となる第n層の導電層204が第2のコンタクト孔222内の第1の導電層202から第2の導電層203の終端部203Tおよび第1のコンタクト孔221における第2の導電層面203Sに接続して上層に至るように形成されている。
【0050】
上述したように、接続される導電層間には層間絶縁膜が形成されるが、各導電層間の層間絶縁膜の膜厚は、最上部の導電層が段差にて断線しないように、その膜厚を調整することが望ましい。特に、(最上部の導電層の膜厚>各層間絶縁)の膜厚であることが望ましい。すなわち、層間絶縁膜は、第n層の導電層より薄く形成されている。
図6および図7の例では、層間絶縁膜207の膜厚は、第3層の導電層204の膜厚より薄く形成されている。
【0051】
図8は、本実施形態に係るコンタクト形成領域の基本的な例を示す平面図である。
図8において、図1および図2と同様に、Cは最小コンタクトホールのサイズを、Mはレイヤー間の合わせズレを考慮した必要なマージンを示している。
【0052】
本実施形態においては、コンタクト形成領域として、(C+2×M)×(2×C+2×M)の面積が必要である。
本実施形態によれば、図1の場合と比較すると、差し引き(C+2×M)×(2×M)分の領域が不要になり、微細化が可能になる。
【0053】
また、図2の場合と比較すると、差し引き[−C^2+2×C×M+12×M^2]分の領域が不要になる。
通常、液晶表示装置の生産で使用されているgh線露光装置(最小線幅C:3μm、合わせマージンM:1.5μm)の仕様で検証すると、約33%の面積減少の効果がある。
【0054】
図9は、本実施形態に係るコンタクト構造の他の構成例を示す図である。
【0055】
図6および図7の例では、n=3、すなわち3層の導電層を接続するためのコンタクト構造を説明したが、図9の例は、n=4、すなわち4層の導電層を接続するためのコンタクト構造例である。
なお、図9においては、理解を容易にするために、図6および図7と同様の構成部分は同一符号をもって表している。
【0056】
図9の半導体装置200Aは、n=4であり、基板201上に4層の導電層202,203,205,204が積層して形成され、この4層の導電層202,203,205,204がコンタクトパターンを介して接続されている。なお、導電層202と導電層203間および基板201上には層間絶縁膜206が選択的に形成され、導電層203と導電層205間および層間絶縁膜206上には層間絶縁膜207が選択的に形成され、導電層205および層間絶縁膜207上には層間絶縁膜208が選択的に形成されている。
【0057】
図9の例では、コンタクトパターンCPTNが形成される一つの主コンタクト領域MCNT201Aには、最上層の導電層204を除く3(n−1)個の導電層202,203,205を接続する3(n−1)個の接続領域211,212,213を有している。
【0058】
さらに、図9の例では、3(n−1)個の導電層202,203,205のうち基板201に対する積層方向(基板201の主面に対する法線方向)において第1層の導電層より上層の導電層203,205は、その終端部203T,205Tがコンタクトパターン(コンタクト孔)CPTNの縁の一部に臨むように、形成されている(コンタクトパターンの縁の一部以上に存在しない領域を有するように形成されている)。この図の場合には、導電層203,205はコンタクト領域内の一部分を占有するのみの(または、コンタクトの縁部分の一部を占有していない)状態である。
【0059】
そして、図9の例は、導電層202,203,205は、第4層である導電層204によりコンタクトパターンCPTNに沿って電気的に接続されている。
【0060】
このコンタクト構造についてさらに具体的に説明する。
図9の半導体装置200Aは、導電層204を除く、連続的に積層される2層の導電層202と導電層203、導電層203と導電層205をそれぞれ一つのグループとして、一方のグループ内の2層の導電層202,203のうち基板に対して下層側に形成された第1の導電層202と、上層側に形成された第2の導電層203とを接続するための第1の副コンタクト領域SCNT1、および他方のグループ内の2層の導電層203,205のうち基板に対して下層側に形成された第1の導電層203と、上層側に形成された第2の導電層205を接続するための第2の副コンタクト領域SCNT2が形成されている。
すなわち、図9の例では、2(n−1)個の副コンタクト領域が形成されている。
この複数の副コンタクト領域SCNT1,SCNT2は、主コンタクト領域内で基板201に対する積層方向と異なる方向にずらして並列的に形成されている。
【0061】
コンタクト孔220Aは、導電層204を除く、3層(個)の導電層202,203,205の形成領域にわたる径Xを有する第1のコンタクト孔221Aと、第1のコンタクト孔221Aと連通して、径Y1,Y2が第1のコンタクト孔221Aの径X(>Y1,Y2)より小さく、第1の導電層202、203の表面に至る2(n−2)個の第2のコンタクト孔222−1,222−2と、を含む。
【0062】
また、図9の例では、副コンタクト領域SCNT1、SCNT2において、各グループの第2の導電層203,205は、上層面203S、205S側が第1のコンタクト孔221に臨み、その一終端部203T、205Tが第2のコンタクト孔222−1,222−2に臨むように形成されている。
【0063】
そして、図9の例においては、n層の最上層となる第4層の導電層204が第2のコンタクト孔内222−1,222−2の第1の導電層202,203から第2の導電層203,205の終端部203T、205Tおよび第1のコンタクト孔221における第2の導電層面203S、205Sに接続して上層に至るように形成されている。
【0064】
図10は、図9のコンタクト形成領域の基本的な例を示す平面図である。
図10において、図1、図2および図8と同様に、Cは最小コンタクトホールのサイズを、Mはレイヤー間の合わせズレを考慮した必要なマージンを示している。
【0065】
上述したように、この例では4層の導電層間のコンタクトを構成しており、本発明構造を採用していないコンタクト領域の面線((C+2×M)^2)×3からコンタクト領域の面積が(C+2×M)×(3×C+2×M)となり、(C+2×M)×2×M×2分の面積減少となる。
【0066】
以上説明した導電層202〜205は、たとえばTFT等のトランジスタの電極、より具体的には、ゲート電極、ドレイン電極、ソース電極のいずれかの配線層として形成される。
【0067】
図11(A),(B)は、本実施形態に係るコンタクト構造が適用可能な、たとえば水平駆動回路の出力段等のバッファ回路の等価回路と接続パターン例を示す図であって、図11(A)が等価回路を示し、図11(B)が接続パターン例を示している。
【0068】
図11において、CMOSインバータINV1,INV2,INV3が3段直列に接続されてバッファ回路が形成されている。
【0069】
CMOSインバータINV1は、pチャネルMOS(PMOS)トランジスタPT1とnチャネルMOS(NMOS)トランジスタNT1により構成されている。
PMOSトランジスタPT1のソース電極が電源電位VDDに接続され、NMOSトランジスタNT1のソース電極が基準電位VSS(たとえば接地電位)に接続され、PMOSトランジスタPT1のドレイン電極とNMOSトランジスタNT1のドレイン電極が接続され、その接続点によりCMOSインバータINV1の出力ノードND1が形成されている。また、PMOSトランジスタPT1のゲート電極とNMOSトランジスタNT1のゲート電極が信号入力ラインに共通に接続されている。
【0070】
CMOSインバータINV2は、PMOSトランジスタPT2とNMOSトランジスタNT2により構成されている。
PMOSトランジスタPT2のソース電極が電源電位VDDに接続され、NMOSトランジスタNT2のソース電極が基準電位VSSに接続され、PMOSトランジスタPT2のドレイン電極とNMOSトランジスタNT2のドレイン電極が接続され、その接続点によりCMOSインバータINV2の出力ノードND2が形成されている。また、PMOSトランジスタPT2のゲート電極とNMOSトランジスタNT2のゲート電極がCMOSインバータINV1の出力ノードND1に共通に接続されている。
【0071】
CMOSインバータINV3は、PMOSトランジスタPT3とNMOSトランジスタNT3により構成されている。
PMOSトランジスタPT3のソース電極が電源電位VDDに接続され、NMOSトランジスタNT3のソース電極が基準電位VSSに接続され、PMOSトランジスタPT3のドレイン電極とNMOSトランジスタNT3のドレイン電極が接続され、その接続点によりCMOSインバータINV3の出力ノードND3が形成されている。また、PMOSトランジスタPT3のゲート電極とNMOSトランジスタNT3のゲート電極がCMOSインバータINV3の出力ノードND2に共通に接続されている。
【0072】
図11(B)においては、CMOSインバータINV1の出力ノード(ドレイン電極)ND1とCMOSインバータINV2のPMOSトランジスタPT2のゲート電極とNMOSトランジスタNT2のゲート電極との接続は、本実施形態に係るコンタクト構造を採用しない通常のコンタクト構成として形成されている。
これに対して、CMOSインバータINV2の出力ノード(ドレイン電極)ND2とCMOSインバータINV3のPMOSトランジスタPT3のゲート電極とNMOSトランジスタNT3のゲート電極との接続は、本実施形態に係るコンタクト構造を採用して行われている。
図11(B)からも明らかなように、本実施形態に係るコンタクト構造を採用しない通常のコンタクト構成では3箇所のコンタクト領域が必要になるが、本実施形態に係るコンタクト構造を採用した場合、1箇所のコンタクト領域で形成可能となっている。
【0073】
なお、本実施形態に係るコンタクト構造としては、たとえば図12に示すように、各配線(導電層)の最低限度のコンタクト領域を確保していれば、各電極の引き出し方向のみにコンタクトの縁を横切るレイアウトにしても良い。
【0074】
次に、本実施形態に係るコンタクト構造を有する半導体装置の製造方法について説明する。
【0075】
基本的に、3層以上のn層(nは3以上の正の整数)の導電層を、コンタクトパターンを介して接続する半導体装置の製造方法は、基板上に(n−1)この導電層(図6、図7の例では導電層202,203、図9の例では導電層202,203,205を、導電層間に絶縁膜が介在するように積層する工程と、この(n−1)個の導電層を含むコンタクトパターンで絶縁膜を連続的にエッチング除去する工程と、コンタクトパターン内の(n−1)個の導電層の少なくとも一部を覆うパターンで第n層を形成する工程と、を含む。
【0076】
たとえば図6および図7の例の半導体装置の製造方法は、基板201上に第1の導電層202を形成する工程と、第1の導電層202上に第1の絶縁膜206を形成する工程と、第1の絶縁膜206上に第2の導電層203を形成する工程と、第2の導電層203上に第2の絶縁膜207を形成する工程と、第1の導電層202と第2の導電層203を含むコンタクトパターンで第1の絶縁膜206と第2の絶縁膜207を連続的にエッチング除去する工程と、コンタクトパターンCPTN内の第1の導電層202および第2の導電層203の少なくとも一部を覆うパターンで第3の導電層204を形成する工程と、を有する。
【0077】
ここで、図6および図7の例の半導体装置の製造方法をより具体的に説明する。
図13(A)〜(C)および図14(A),(B)は図6および図7の例の半導体装置の製造方法をより具体的に説明するための図である。
【0078】
図13(A)に示すように、ガラス基板201上に第1の導電層(たとえばMo、他Cr、Ta、W等)202を100nmスパッタ等により形成する。
その後、所定の位置にフォトレジストを形成し(図示せず)、第1の導電層(電極)202をエッチング除去し、さらにレジストを剥離処理する。
エッチング除去は、たとえばSF6等のフッ素系ガスを用いたリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)方法で1kWの電力投入を行う。
【0079】
次に、図13(B)に示すように、第1の絶縁膜(たとえばSiO2)206をP(プラズマ)−CVD法を用いて100nm成膜し、さらに、その後半導体膜(たとえばa−Si膜)をP−CVD法を用いて50nm成膜する。
低温ポリシリコンLCDなどでは、前記a−Si膜にXeClエキシマレーザーを300mJ/cm2の強度で照射しp−Si膜とする。
その後、図示しないがCMOS回路を形成するために、前記p−Si膜に燐またはボロンを、イオンドーピング法を用いて注入し、その後450℃の条件にてアニール処理することにより、低抵抗のp−Si膜としている。ここでは、第2の導電層(電極)203として、前記低抵抗化したp−Si膜を用いている。
【0080】
次に、図13(C)に示すように、前記低抵抗化したp−Si膜の所定の位置にフォトレジストを形成し、レジストをマスクとしてエッチング除去(たとえばSF6等のフッ素系ガスを用いたRIE法で1kWの電力投入を行う)を行い、さらにレジストを剥離除去する。
次に、第2の絶縁膜(たとえばSiNx)をP−CVD法を用いて400nm成膜する。
【0081】
次に、図14(A)に示すように、本実施形態に係るコンタクト形成領域には、同一コンタクト内の一部に第2の導電層203を配置し、第2の導電層203が存在しない部分に第1の導電層202を配置するよう、コンタクト形成用のレジストを形成する。
次に、第2の絶縁膜207と第1の絶縁膜206をエッチング除去(たとえばC4F8系のガスを用いたRIE法で3kWの電力投入を行う)する。ここでは、第1の導電層(電極)202および第2の導電層(電極)203と選択性のあるガスを用いる。
【0082】
次に、図14(B)に示すように、コンタクト形成用のレジストを剥離除去した後、スパッタ法を用いて第3の導電層(たとえばAl、W、Mo、Cr、Cu等)204を300nm形成する。
次に、所定の形状にレジストを形成し、エッチング除去(たとえばBCl3等の塩素系ガスを用いたRIE法で1kWの電力投入を行う)する。
その後、レジストを剥離除去し、本構成を完成する。
【0083】
なお、層間絶縁膜のエッチングには異方性のあるエッチング方法、特にドライエッチング法により形成されることが望ましい。等方性のエッチング(たとえばWETエッチング)では、電極の下部の層間絶縁膜が横方向にも侵食し、段切れ等の不良原因となるためである。
また、各電極は、層間絶縁膜のエッチングガスに対し選択性を有する材料を選ぶことが望ましい。
【0084】
以上説明したように、本実施形態に係る半導体装置200は、基本的に、基板201上に3層以上のn層(nは3以上の正の整数)の導電層202〜204,202〜205が積層して形成され、n層の導電層がコンタクトパターンを介して接続され、コンタクトパターンが形成される一つの主コンタクト領域には、(n−1)個の導電層202,203、202,203,205を接続する(n−1)個の接続領域211,212、211〜213を有し、(n−1)個の導電層のうち基板201に対する積層方向(基板201の主面に対する法線方向)において第1層より上層の導電層は、その終端部がコンタクトパターンCPTNの縁の一部に臨むように形成され、(n−1)個の導電層は、第n層の導電層により電気的に接続されている。第n層の導電層は、コンタクトパターンCPTNであるコンタクト孔を埋めつくよう形成されている。
【0085】
換言すると、本実施形態に係る半導体装置200は、コンタクトパターンとしてコンタクト孔が形成され、このコンタクト孔が形成される主コンタクト領域には、最上層の導電層を除く(n−1)個の導電層のうち、連続的に積層される2層の導電層を一つのグループとして、このグループ内の2層のうち基板に対して下層側に形成された第1の導電層と、上層側に形成された第2の導電層とを接続するための(n−2)個の副コンタクト領域SCNTが形成され、コンタクト孔220は、コンタクト領域ARCNT201における最上層を除く(n−1)層の導電層の形成領域にわたる径を有する第1のコンタクト孔221と、第1のコンタクト孔221と連通して第1の導電層202の表面に至る(n−2)個の第2のコンタクト孔222と、を含み、副コンタクト領域SCNTにおいて、グループの第2の導電層は、上層面側が第1のコンタクト孔に臨み、その一終端部が第2のコンタクト孔に臨むように形成され、n層の最上層となる第n層の導電層が第2のコンタクト孔内の第1の導電層から第2の導電層の終端部および第1のコンタクト孔における第2の導電層面に接続して上層に至るように形成されている。
【0086】
したがって、本実施形態の半導体装置によれば、3層以上の配線を接続する際に必要な領域を減らすことが可能となり、ディスプレイデバイスなどの、高集積化、狭額縁化に貢献する。
特に、使用する配線が多くなった場合に顕著な効果を発揮する。
【0087】
なお、上記実施形態では、駆動回路を基板上に有するアクティブマトリクス型液晶表示装置に適用した場合を例に採って説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、エレクトロルミネッセンス(EL)素子を各画素の電気光学素子として用いたEL表示装置などの他のアクティブマトリクス型表示装置にも同様に適用可能である。
【0088】
同様の駆動回路を基板上に有する、フォトセンサ、バイオセル、温度センサ、もしくはそれらの組み合わせ入出力回路にも応用可能である。
【0089】
たとえば、本発明は、図15に示すように、表示装置300が、表示セル(図5の単位画素123に相当)310と受光セル320がマトリクス状に配置され、駆動回路および受光セル320の信号処理回路がパネル上に一体的に形成される表示装置に適用可能である。
【0090】
図15は、本実施形態に係る受光セルの基本構成例を示す回路図であって、隣接する表示セルの表示回路310も併せて示している。
【0091】
本実施形態の受光セル320は、受光素子321、リセットTFT322、増幅TFT323、選択(読み出し)TFT324、受光信号蓄積容量(キャパシタ)325、およびノードND321を有している。
受光素子321は、TFT、ダイオード等により形成される。
また、受光セル320の読み出し回路は、リセットTFT322、増幅TFT323、選択(読み出し)TFT324、キャパシタ325、およびノードND321を有している。
【0092】
受光素子321は電源電位VDDとノードND321との間に接続されている。リセットTFT322は、たとえばnチャネルトランジスタにより形成され、そのソースが基準電位VSS(たとえばグランドGND)に接続され、ドレインがノードND321に接続されている。そして、リセットTFT322のゲート電極が対応する行に配線された第1の受光セル制御線331に接続されている。
増幅TFT323のゲートがノードND321に接続され、ドレインが電源電位VDDに接続され、ソースが選択TFT324のドレインに接続されている。選択TFT324のゲートが第2の受光信号制御線332に接続され、ソースが対応する列に配線された受光信号線333に接続されている。
この増幅TFT323と選択TFT324により、いわゆるソースフォロワが形成されている。したがって、受光信号線333には電流源が接続される。この電流源は、本実施形態においては、たとえば受光信号処理回路に形成される。
また、キャパシタ(受光信号蓄積容量)325がノードND321と基準電位VSSとの間に接続されている。
【0093】
図示しない受光信号処理回路は、パネルに一体的に形成されており、例えばこの受光信号処理回路に本実施形態に係るコンタクト構造が適用される。
【0094】
またさらに、上記実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示装置に代表されるアクティブマトリクス型表示装置は、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等のOA機器やテレビジョン受像機などのディスプレイとして用いられる外、特に装置本体の小型化、コンパクト化が進められている携帯電話機やPDAなどの携帯端末の表示部として用いて好適なものである。
【符号の説明】
【0095】
10・・・液晶表示装置、11・・・ガラス基板、12・・・有効表示部、13U,13D・・・水平駆動回路、14・・・垂直駆動回路、15・・・データ処理回路、16・・・電源回路、17・・・インタフェース回路、18・・・タイミングジェネレータ,200,220A・・・半導体装置、201・・・基板、202〜205・・・導電層、206〜208・・・絶縁膜、211〜213・・・接続領域、220・・・コンタクト孔、221・・・第1のコンタクト孔、222,222−1,222−2・・・第2のコンタクト孔、MCNT・・・主コンタクト領域、SCNT,SCNT1,SCNT2・・・副コンタクト領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に3層以上のn層(nは3以上の正の整数)の導電層が積層して形成され、上記n層の導電層がコンタクトパターンを介して接続された半導体装置であって、
上記コンタクトパターンが形成される一つの主コンタクト領域には、
(n−1)個の導電層を接続する(n−1)個の接続領域を有し、
上記(n−1)個の導電層のうち上記基板に対する積層方向において第1層より上層の導電層は、その終端部が上記コンタクトパターンの縁の一部に臨むように形成され、
上記(n−1)個の導電層は、第n層の導電層により電気的に接続されている
半導体装置。
【請求項2】
接続される導電層間には層間絶縁膜が形成され、
上記層間絶縁膜は、上記第n層の導電層より薄く形成されている
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
基板上に3層以上のn層(nは3以上の正の整数)の導電層が積層して形成され、上記n層の導電層がコンタクト孔を介して接続された半導体装置であって、
上記コンタクト孔が形成される主コンタクト領域には、
上記n層の導電層のうち、連続的に積層される2層の導電層を一つのグループとして、当該グループ内の2層のうち基板に対する積層方向において下層側に形成された第1の導電層と、上層側に形成された第2の導電層とを接続するための(n−2)個の副コンタクト領域が形成され、
上記コンタクト孔は、上記コンタクト領域における最上層を除く(n−1)層の導電層の形成領域にわたる径を有する第1のコンタクト孔と、上記第1のコンタクト孔と連通して上記第1の導電層に至る(n−2)個の第2のコンタクト孔と、を含み、
上記副コンタクト領域において、
上記第2の導電層は、上層面側が上記第1のコンタクト孔に臨み、その一終端部が上記第2のコンタクト孔に臨むように形成され、
上記n層の最上層となる第n層の導電層が上記第2のコンタクト孔内の上記第1の導電層から上記第2の導電層の終端部および上記第1のコンタクト孔における当該第2の導電層面に接続して上層に至るように形成されている
半導体装置。
【請求項4】
接続される導電層間には層間絶縁膜が形成され、
上記層間絶縁膜は、上記第n層の導電層より薄く形成されている
請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
上記副コンタクト領域は、
上記主コンタクト領域内で上記基板に対する積層方向と異なる方向にずらして並列的に形成されている
請求項3記載の半導体装置。
【請求項6】
上記副コンタクト領域は、
上記主コンタクト領域内で上記基板に対する積層方向と異なる方向にずらして並列的に形成されている
請求項4記載の半導体装置。
【請求項7】
3層以上のn層(nは3以上の正の整数)の導電層を、コンタクトパターンを介して接続する半導体装置の製造方法であって、
基板上に(n−1)個の導電層を、当該導電層間に絶縁膜が介在するように積層する工程と、
上記(n−1)個の導電層を含むコンタクトパターンで上記絶縁膜を連続的にエッチング除去する工程と、
上記コンタクトパターン内の上記(n−1)個の導電層の少なくとも一部を覆うパターンで第n層を形成する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項8】
基板上に第1の導電層を形成する工程と、
上記第1の導電層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜上に第2の導電層を形成する工程と、
上記第2の導電層上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
上記第1の導電層と上記第2の導電層を含むコンタクトパターンで上記第1の絶縁膜と上記第2の絶縁膜を連続的にエッチング除去する工程と、
上記コンタクトパターン内の上記第1の導電層および上記第2の導電層の少なくとも一部を覆うパターンで第3の導電層を形成する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項9】
上記エッチング除去する工程は、ドライエッチングにより行われる
請求項7記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
上記エッチング除去する工程は、ドライエッチングにより行われる
請求項8記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
画素がマトリクス状に配置された表示部と、
上記表示部の周辺により形成された周辺回路と、が半導体装置を採用して一体的に形成され、
上記半導体装置は、基板上に3層以上のn層(nは3以上の正の整数)の導電層が積層して形成され、上記n層の導電層がコンタクトパターンを介して接続された半導体装置であって、
上記コンタクトパターンが形成される一つの主コンタクト領域には、
(n−1)個の導電層を接続する(n−1)個の接続領域を有し、
上記(n−1)個の導電層のうち上記基板に対する積層方向において第1層より上層の導電層は、その終端部が上記コンタクトパターンの縁の一部に臨むように形成され、
上記(n−1)個の導電層は、第n層の導電層により電気的に接続されている
表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−231148(P2012−231148A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−126848(P2012−126848)
【出願日】平成24年6月4日(2012.6.4)
【分割の表示】特願2007−202867(P2007−202867)の分割
【原出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】