説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】微細化に対して有利な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、半導体基板の主表面中に設けられた第1絶縁膜21と、前記第1絶縁膜上に設けられ前記第1絶縁膜の構成元素と所定の金属元素との化合物を主成分とし前記第1絶縁膜よりも比誘電率が高い第1高誘電体膜22−1とを少なくとも備えたゲート絶縁膜12と、前記ゲート絶縁膜上に設けられ、CuまたはCuを主成分とするゲート電極13と、前記ゲート電極を挟むように前記半導体基板中に隔離して設けられたソースまたはドレイン15とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)のゲート電極、ゲート絶縁膜等に適用されるものである。また、これらに限らず、例えば、フラッシュメモリのメモリセルトランジスタ等の不揮発性半導体メモリおよびその製造方法等にも適用されるものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LSI(Large Scale Integrated circuit)の高性能化(例えば、バラツキの小さいスイッチング電圧、高周波数下での動作等)を実現させる為、MOSFETの微細化の要求はより一層高まっている。
【0003】
上記微細化の要求のために、安定した高い静電容量を実現できる薄膜で且つ均一な高誘電体膜(いわゆるhigh-k膜)を備えたゲート絶縁膜が必要不可欠となっている。
【0004】
しかしながら、従来の高誘電体膜は、SiN(シリコン窒化)等の高誘電体材料を、スパッタ法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の成膜工程により形成されている。そのため、10nm以下の極薄膜領域で均一性を確保することができず、薄膜で且つ均一な高誘電体膜を形成できない。結果、所望の高誘電体膜(high-k膜)を備えたゲート絶縁膜を形成できず、微細化に対して不利であるという問題がある。
【0005】
上記のように従来の半導体装置およびその製造方法では、微細化に対して不利であるという事情があった。
【特許文献1】特開2003−258242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、微細化に対して有利な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一態様によれば、半導体基板の主表面中に設けられた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に設けられ前記第1絶縁膜の構成元素と所定の金属元素との化合物を主成分とし前記第1絶縁膜よりも比誘電率が高い第1高誘電体膜とを少なくとも備えたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に設けられ、CuまたはCuを主成分とするゲート電極と、前記ゲート電極を挟むように前記半導体基板中に隔離して設けられたソースまたはドレインとを具備する半導体装置を提供できる。
【0008】
この発明の一態様によれば、半導体基板の主表面中に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上にダミーゲートを形成する工程と、前記ダミーゲートをマスクとして、前記半導体基板と異なる導電型の不純物を前記半導体基板中に導入させ、ソースまたはドレインを形成する工程と、前記ダミーゲートの側壁に層間絶縁膜を形成する工程と、前記ダミーゲートを除去し、前記絶縁膜の表面上が露出する開口部を形成する工程と、前記開口部内に、所定の金属元素を含みCuを主成分としてゲート電極の材料となる合金膜を埋め込む工程と、熱処理を行うことにより前記絶縁膜の表面上と前記合金膜とを反応させて、前記合金膜中の前記所定の金属元素を前記絶縁膜に対面する前記合金膜の表面に拡散させると共に、前記所定の金属元素と前記絶縁膜の構成元素との化合物を主成分とし前記絶縁膜よりも比誘電率が高い高誘電体膜を前記絶縁膜と前記合金膜との界面に自己整合的に形成する工程とを具備する半導体装置の製造方法を提供できる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、微細化に対して有利な半導体装置およびその製造方法が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。尚、この説明においては、全図にわたり共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0011】
[第1の実施形態]
まず、この発明の第1の実施形態に係る半導体装置について、図1および図2を用いて説明する。この実施形態は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)のゲート電極として、Cu(銅)を主成分(即ち、50%以上)としたCuMn合金を適用したダマシンメタルゲート構造に関するものである。図1は、第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図2は、図1中の破線25近傍(チャネル領域近傍)の断面TEM像の顕微鏡写真を示す図である。
【0012】
図示するように、シリコン基板11の主表面中に絶縁ゲート型電界効果トランジスタTR1が配置されている。このトランジスタTR1は、シリコン基板11上に設けられたゲート絶縁膜12、ゲート絶縁膜12上に設けられたゲート電極13、ゲート電極13側壁に沿って設けられたスペーサ14、ゲート電極13を挟むように基板11中に隔離して配置されたソースまたはドレイン15、ソース/ドレイン15上に設けられたシリサイド層16、層間絶縁膜17を貫通してソース/ドレイン15上に設けられたコンタクト配線19を備えている。
【0013】
ゲート電極12は、基板11の主表面上に設けられた絶縁膜21と、この絶縁膜21上に設けられ絶縁膜21の構成元素と所定の金属元素との化合物を主成分とする高誘電体膜22−1とにより構成されている。
【0014】
絶縁膜21は、本例では、SiO(シリコン酸化)膜により形成されている。高誘電体膜22−1は、本例では、MnSi(マンガンシリコンオキサイド)膜により形成されている。ここで、MnSi膜の組成は、より具体的にはMnSiのx:y:zとして、1:1:3乃至1:3:5、等と表される。
【0015】
ゲート電極13は、CuまたはCuを主成分(即ち、50%以上)とするCuMn(銅−マンガン)合金等により形成されている。
【0016】
スペーサ14は、基板11上およびゲート電極13の側壁上に沿ったスペーサ絶縁膜14−1、このスペーサ絶縁膜14−1上に設けられたスペーサ絶縁膜14−2により構成されている。
【0017】
スペーサ絶縁膜14−1は、例えば、TEOS(Tetraethylorthosilicate)膜等により形成されている。スペーサ絶縁膜14−2は、例えば、SiN膜等により形成されている。
【0018】
ここで、図2に示すように、絶縁膜21上の高誘電体膜22−1は、絶縁膜21よりも比誘電率が高く、薄膜で且つ均一なMnSi膜である。この高誘電体膜22−1の膜厚D1は、2nm〜3nm程度である。そのため、絶縁層21と共に良好なゲート絶縁膜として働く。
【0019】
また、ゲート電極13と絶縁膜21との界面、およびゲート電極13とスペーサ絶縁膜14−1との界面に高誘電体膜22−1、22−2が設けられているが、この高誘電体膜22−1、22−2は、ゲート電極13中のCu元素の拡散を防止するためのバリアとしても働く。
【0020】
ここで、高誘電体膜22−1は、所定の金属元素αと絶縁膜21の構成元素との化合物を主成分とし、自己整合的に形成される。高誘電体膜22−2は、所定の金属元素αとスペーサ絶縁膜14−1の構成元素との化合物を主成分とし、自己整合的に形成される。
【0021】
尚、この所定の金属元素αは、この実施形態のようにMnに限らず、Nb、Zr、Cr、V、Y、Tc、及びReからなる群から選択された少なくとも1つの元素でも良い。これらの金属元素αは、Cuが含まれる層中において拡散速度がCuよりも早く、Cuよりも酸素と反応しやすく熱的に安定した酸化物を形成できる金属元素である。
【0022】
絶縁膜21およびスペーサ絶縁膜14−1は、Si、C、及びFからなる群から選択された少なくとも1つの元素とOとを具備することができる。具体的な材料として、例えば、SiO、SiO、SiO、SiO等、を挙げることができる。
【0023】
また、高誘電体膜22−1、22−2は、α、αSi、α、及びαからなる群から選択された材料を主成分とすることができる。ここで、αは上述の所定の金属元素αを表す。
【0024】
<製造方法>
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図1および図2に示した半導体装置を例に挙げて、図3乃至図12を用いて説明する。
【0025】
まず、図3に示すように、例えば、熱酸化法等を用いて、シリコン基板11を熱し、基板11の主表面上にシリコン酸化膜(絶縁膜)12を形成する。
【0026】
続いて、図4に示すように、上記シリコン酸化膜12上に、例えば、CVD法等を用いて、ポリシリコン膜28を形成する。その後、このポリシリコン膜28上にフォトレジスト26を塗布し、このフォトレジスト26に露光および現像を行って、ゲート電極に対応する領域にポリシリコン膜28が露出する開口部を形成する。
【0027】
続いて、図5に示すように、この開口部を有するフォトレジスト26をマスクとして、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)法等の異方性エッチングを基板11表面上まで行い、ダミーゲート29を形成する。
【0028】
続いて、図6に示すように、ダミーゲート29をマスクとして、例えば、イオン注入法等を用いてホウ素(B)やリン(P)等の基板11と異なる導電型の不純物を基板11中に導入する。その後、基板11を熱して、上記不純物を熱拡散させて、LDD30を形成する。
【0029】
続いて、図7に示すように、例えば、CVD法等を用いて、基板11上およびダミーゲート29上に沿って、TEOS膜を形成する。さらに、上記TEOS膜上に、CVD法等を用いて、SiN膜を形成する。その後、例えば、RIE法等の異方性エッチングを基板11表面上まで行い、スペーサ絶縁膜14−1、14−2からなるスペーサ14を形成する。さらに、ダミーゲート29およびスペーサ14をマスクとして、上記LDD30と同様の製造工程を用い、ソース/ドレイン15を形成する。
【0030】
続いて、図8に示すように、サリサイドプロセスを用いて、ソース/ドレイン15と高融点金属層とを反応させることにより、ソース/ドレイン15上にシリサイド層16を形成する。
【0031】
続いて、図9に示すように、シリサイド層16上、スペーサ14上、ダミーゲート29上に、例えば、CVD法等を用いて、シリコン酸化膜を堆積し、層間絶縁膜17を形成する。その後、例えば、ウェットエッチング法等を用いて、ダミーゲート29を除去し、スペーサ絶縁膜14−1の側壁および絶縁膜12の表面上が露出する開口部31を形成する。
【0032】
続いて、図10に示すように、開口部31内部および層間絶縁層上に、例えば、スパッタ法またはCVD法等を用いて、CuMn(銅−マンガン)合金層32を形成する。
【0033】
続いて、図11に示すように、CuMn合金層32と絶縁層12およびCuMn合金層32とスペーサ絶縁膜14−1とが接触した状態で、例えば、200℃〜600℃の温度により30min〜60min間熱処理を行うことによって、CuMn合金層32中のMn元素が拡散し、絶縁層12およびスペーサ絶縁膜14−1と反応して、その界面に自己整合的に極薄膜(2nm〜3nm)で均一なMnSi膜(高誘電体膜)22−1、22−2を形成する。さらに、この工程の際には、酸素含有の雰囲気中で加熱処理することでCuMn合金層32の表面上に余剰なMnと酸素Oとが反応してMnO層33を形成する。
【0034】
そして、この工程により形成されたMnSi膜(高誘電体膜)22−1、22−2は、CuMn合金層32中のMn濃度に関わらず常に一定の膜厚を保つ特徴がある。これは、均一にMnSi膜22−1、22−2が形成されると、CuMn合金層32中のMnがそれ以上絶縁膜(SiO膜)12の酸素(O)を取り込む事ができず、反応が止まってしてしまうためであると考えられる。
【0035】
さらに、この反応工程において、MnSi膜22−1、22−2の形成に使用されなかった余剰なMnは、熱処理炉中の酸素と反応して、その大部分はCuMn合金層32中に固溶することなく、CuMn合金層32表面上に析出し、MnO層33を形成する。トランジスタTR1のゲート形成を考慮した場合、このMnO層33は、後の工程にて除去されるため、ゲート特性に影響を及ぼす事はない。また、仮にCuMn合金層32中に微量のMnが固溶していた場合であっても、ゲート電極の抵抗値を極端に上昇させる事は無い。そのため、トランジスタTR1のゲート電極13としての特性を十分に確保できる。
【0036】
尚、上記熱処理工程の反応条件やMn元素の濃度を選択することによって、CuMn合金層32中のMn元素のほとんど全てを析出することも可能である。この場合には、ゲート電極13を、純Cuにより形成することも可能である。
【0037】
続いて、図12に示すように、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法
を用いて、余分なMnO層33を除去すると共に、CuMn合金層32を層間絶縁膜17表面上まで平坦化して、ゲート電極13を形成する。
【0038】
その後、周知の工程を用いて、コンタクト配線19をソース/ドレイン15上に形成し、図1、図2に示す半導体装置を製造する。
【0039】
この実施形態に係る半導体装置およびその製造方法によれば、下記(1)乃至(5)の効果が得られる。
【0040】
(1)微細化に対して有利である。
【0041】
上記のように、高誘電体膜(MnSi膜)22−1、22−2は、熱処理を行うことによって、CuMn合金層32と絶縁層12およびCuMn合金層32とスペーサ絶縁膜14−1とを反応させて、その界面に自己整合的に形成された反応生成膜である。
【0042】
そのため、従来のスパッタ法等の成膜工程では形成困難である、極薄膜(2nm〜3nm)で均一な高誘電体膜22−1、22−2を形成することができる。結果、絶縁膜12とともに所望の高誘電体膜22−1を備えたゲート絶縁膜12を形成でき、実効的な膜厚を増大できるため、微細化に対して有利である。
【0043】
尚、この工程により形成された高誘電体膜22−1、22−2は、CuMn合金層32中のMn濃度に関わらず常に一定の膜厚を保つことが確認されている(図2)。これは、均一にMnSi膜22−1、22−2が形成されると、CuMn合金層32中のMnがそれ以上絶縁膜(SiO膜)12の酸素(O)を取り込む事ができず、反応が止まってしてしまうためであると考えられる。
【0044】
このように、上記高誘電体膜22−1、22−2は、薄膜性、均一成膜性、および高誘電率性を備えている点で、ゲート絶縁膜12として非常に有効である。
【0045】
(2)製造コストの面で有利である。
【0046】
ここで、LSIの高性能化の要求に伴いゲート絶縁膜の薄膜化、高誘電率化が求められているが、その材料選定、成膜法の確立はゲート絶縁膜の薄膜化が進むに連れて非常に困難であった。しかし、上記のように、高誘電体膜22−1、22−2は、成膜プロセス(例えばスパッタ法、CVD法)を使用することなく、熱処理工程のみで形成できる。
【0047】
また、高誘電体膜22−1、22−2を形成する際には、CuMn合金をスパッタ工程のターゲットとして使用可能である。そのため、従来のスパッタ工程用の製造装置をそのまま適用でき、新たな製造装置に対する設備投資の必要がない。そのため、製造コストの面で有利である。
【0048】
(3)ゲート電極13を低抵抗化できる点で有利である。
【0049】
上記高誘電体膜(MnSi膜)22−1、22−2を形成する熱処理工程の際には、CuMn合金層32の表面上にMnO層33を形成する。このMnO層33は、MnSi膜22−1、22−2の形成に使用されなかった余剰なMnが、熱処理炉中の酸素と反応して、CuMn合金層32中に固溶することなく、CuMn合金層32表面上に析出したものである。
【0050】
そのため、開口部31内に残存されゲート電極13の材料となるCuMn合金層32は、よりCuの純度が向上され、抵抗値をこの熱処理工程前よりも低減できる。結果、ゲート電極13の抵抗値を低減でき、低抵抗化に対して有利である。
【0051】
尚、上記熱処理工程の時間の反応条件やMn元素の濃度を選択することによって、CuMn合金層32中のMn元素のほとんど全てを析出することも可能である。この場合には、ゲート電極13を、純Cuにより形成することも可能である。
【0052】
さらに、このMnO層33は、上記高誘電体膜22と同時に形成できるため、製造工程および製造コストが増大することもない。
【0053】
(4)Cuを主成分とするゲート電極13の信頼性を向上できる。
【0054】
上記のように、ゲート電極13は、Cuを主成分とする合金であるCuMn合金層32により形成する。
【0055】
ここで、Cuは周辺の絶縁膜との間で相互拡散を生じ易く、また酸素雰囲気において容易に反応してCu酸化膜を形成する。このため、Cuを主成分とする金属層の形成に先立って、タンタル(Ta)や窒化タンタル(TaN)などの拡散バリア膜を形成することが必要である。特に、本実施形態のようなダマシン構造のように、層間絶縁膜内に埋め込みCu層を形成する場合、絶縁膜中へのCuの拡散がより顕著となり、拡散に対するバリア膜が必須であることが通常である。
【0056】
しかし、本実施形態の場合には、上記熱処理を行うことによって、CuMn合金層32と絶縁層12およびCuMn合金層32とスペーサ絶縁膜14−1とを反応させて、その界面に高誘電体膜(MnSi膜)22−1、22−2を自己整合的に形成できる。そのため、ゲート電極13中のCuの拡散を防止するバリア膜としても働く高誘電体膜22−1、22−2を同時に形成することができる。結果、ゲート電極13中のCuの拡散を防止し、界面拡散によるエレクトロマイグレーションを防止でき、信頼性を向上できる点で有利である。
【0057】
(5)Cuを主成分とするゲート電極13の微細化に有効である。
【0058】
上記(4)のように、Cu主成分とするゲート電極の信頼性を確保するために、従来の技術では、拡散バリア膜の膜厚が10nm以上必要である。そのため、Cuを主成分とするゲート電極を形成しようとすると、ゲート電極の専有面積が増大する。
【0059】
しかし、ゲート電極13中のCuの拡散を防止するバリア膜として働く高誘電体膜22−1、22−2を形成できるため、バリア膜を低減または不要(バリアレス)とすることができる。そのため、バリア膜の専有面積を低減でき、ゲート電極13の微細化に有効である。
【0060】
尚、上記バリア膜を不要とする場合には、バリア膜形成過程を一切省略したバリアレス構造なCuを主成分とするゲート電極13が考えられる。
【0061】
[第2の実施形態(ゲート電極をエッチングにより形成した一例)]
次に、この発明の第2の実施形態に係る半導体装置について、図13を用いて説明する。図13は、この実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。この実施形態に係る半導体装置は、上記ゲート電極13を形成する際に、エッチング工程を用いた場合に関する。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0062】
図示するように、トランジスタTR2は、上記スペーサ絶縁膜14−1、14−2の他に、スペーサ絶縁膜14−3、14−4を更に具備し、四重構造のスペーサ14である点で上記第1の実施形態と相違している。
【0063】
スペーサ絶縁膜14−3は、例えば、TEOS膜等により形成されている。スペーサ絶縁膜14−4は、例えば、SiN膜等により形成されている。
【0064】
<製造方法>
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図13に示したものを例に挙げて、図14乃至図20を用いて説明する。
【0065】
まず、図14に示すように、例えば、熱酸化法等を用いて、シリコン基板11を熱し、基板11の主表面上にシリコン酸化膜(絶縁膜)12を形成する。
【0066】
続いて、図15に示すように、上記シリコン酸化膜12上に、例えば、スパッタ法またはCVD法等を用いて、CuMn(銅−マンガン)合金層35を形成する。その後、フォトレジスト26を塗布し、このフォトレジスト26に露光および現像を行って、CuMn合金層35が露出する開口部を形成する。
【0067】
続いて、図16に示すように、この開口部を有するフォトレジスト26をマスクとして、例えば、RIE法等の異方性エッチングを基板11表面上まで行い、基板11にゲート構造となるCuMn合金層35および絶縁膜12を残存させる。
【0068】
続いて、図17に示すように、残存されたゲート構造をマスクとして、例えば、イオン注入法等を用いてホウ素(B)やリン(P)等の基板11と異なる導電型の不純物を基板11中に導入する。その後、基板11を熱して、上記不純物を熱拡散させて、LDD30を形成する。
【0069】
続いて、図18に示すように、例えば、CVD法等を用いて、基板11上およびゲート構造上に沿って、TEOS膜を形成する。さらに、上記TEOS膜上に、CVD法等を用いて、SiN膜を形成する。さらに、CVD法等を用いて、上記SiN膜上にTEOS膜を形成する。さらに、上記TEOS膜上に、CVD法等を用いて、SiN膜を形成する。その後、例えば、RIE法等の異方性エッチングを基板11表面上まで行い、SiN膜14−4/TEOS膜14−3/SiN膜14−2/TEOS膜14−1からなるスペーサ14を形成する。
【0070】
さらに、ゲート構造およびスペーサ14をマスクとして、上記LDD30と同様の製造工程を用い、ソース/ドレイン15を形成する。
【0071】
続いて、図19に示すように、サリサイドプロセスを用いて、ソース/ドレイン15と高融点金属層とを反応させることにより、ソース/ドレイン15上にシリサイド層16を形成する。
【0072】
続いて、図20に示すように、CuMn合金層35と絶縁層12およびCuMn合金層35とスペーサ絶縁膜14−1とが接触した状態で、例えば、200℃〜600℃の温度により30min〜60min間熱処理を行うことによって、CuMn合金層35中のMn元素が拡散し、絶縁層12およびスペーサ絶縁膜14−1と反応して、その界面に自己整合的に極薄膜(2nm〜3nm)で均一なMnSi膜(高誘電体膜)22−1、22−2を形成する。さらに、この工程の際には、上記と同様に、絶縁膜12に対面するCuMn合金層32の表面上に余剰なMnO層を形成する(図示せず)。
【0073】
そして、この工程により形成されたMnSi膜(高誘電体膜)22−1、22−2は、CuMn合金層35中のMn濃度に関わらず常に一定の膜厚を保つ特徴がある。これは、均一にMnSi膜22が形成されると、Cu中のMnがそれ以上絶縁膜(SiO膜)12の酸素(O)を取り込む事ができず、反応が止まってしてしまうためであると考えられる。
【0074】
ここで、この熱処理工程は、上記図20に示す工程より前に行っても良い。また、MnSi膜(高誘電体膜)22−1、22−2は、例えば、ソース/ドレイン15形成時やシリサイド層16形成時の熱処理によって、付随的に形成される場合もある。
【0075】
続いて、例えば、CMP法等を用いて、余分なMnO層を除去し、ゲート電極13を形成する。
【0076】
その後、周知の工程を用いて、ゲート電極13上およびスペーサ14上を覆うように層間絶縁膜17を形成する。さらに、コンタクト配線19をソース/ドレイン15上に形成し、図13に示す半導体装置を製造する。
【0077】
この実施形態に係る半導体装置およびその製造方法によれば、上記第1の実施形態で説明した(1)〜(5)と同様の効果が得られる。
【0078】
さらに、この実施形態に係るトランジスタTR2は、スペーサ絶縁膜14−3、14−4を更に具備し、SiN膜14−4/TEOS膜14−3/SiN膜14−2/TEOS膜14−1からなる四重構造のスペーサ14を備えている。
【0079】
そのため、コンタクト配線19を形成する際に、スペーサ14がオーバーエッチングされることを防ぐことができ、スペーサ14の絶縁性を向上できる点で有利である。
【0080】
[変形例1]
次に、この発明の変形例1に係る半導体装置について、図21を用いて説明する。図21は、この変形例1に係る半導体装置のチャネル領域25近傍を示す断面図である。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0081】
図示するように、半導体基板11とゲート電極13との界面にMnSi膜(高誘電体膜)22−1が設けられ、高誘電体膜22−1のみがゲート絶縁膜として働く点で上記第1の実施形態と相違している。
【0082】
製造方法に関しては、以下の点で上記第1の実施形態と相違している。即ち、例えば、熱酸化法等を用いて、シリコン基板11を熱し、基板11の主表面上にシリコン酸化膜(絶縁膜)を形成する。この工程の際に、基板11を熱する温度や時間等を選択することにより、シリコン酸化膜の膜厚を高誘電体膜22−1の膜厚と同程度(2nm〜3nm程度)となるように制御する。
【0083】
続いて、上記第1の実施形態と同様の製造工程により、シリコン酸化膜上にCuMn合金層を形成する。
【0084】
続いて、CuMn合金層とシリコン酸化膜とが接触した状態で、例えば、200℃〜600℃の温度により30min〜60min間熱処理を行うことによって、CuMn合金層中のMn元素が拡散し、シリコン絶縁層と反応して、その界面に自己整合的に極薄膜(2nm〜3nm)で均一なMnSi膜(高誘電体膜)22−1を形成する。
【0085】
この熱処理工程の際に、シリコン酸化膜の膜厚は、高誘電体膜22−1の膜厚と同程度(2nm〜3nm程度)となるように制御されている。そのため、シリコン酸化膜の表面上から進んだ反応が基板11表面上まで達して、シリコン酸化膜と一体化した高誘電体膜22−1を形成できる。その他の製造方法は、上記第1の実施形態と実質的に同様である。
【0086】
この変形例1に係る半導体装置およびその製造方法によれば、上記第1の実施形態で説明した(1)〜(5)と同様の効果が得られる。
【0087】
さらに、この変形例1に係る半導体装置は、半導体基板11とゲート電極13との界面に高誘電体膜22−1のみが設けられ、上記絶縁膜21が設けられていない。そして、この高誘電体膜22−1のみがゲート絶縁膜12として働く。そのため、ゲート絶縁膜12の膜厚を低減でき、より微細化できる点で有効である。
【0088】
[変形例2]
次に、この発明の変形例2に係る半導体装置について、図22を用いて説明する。図22は、この変形例2に係る半導体装置のチャネル領域25近傍を示す断面図である。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0089】
図示するように、ゲート絶縁膜12が、シリコン基板11と絶縁膜(SiO膜)21との間に設けられた高誘電体膜38を更に備えている点で上記第1の実施形態と相違している。この高誘電体膜38は、例えば、SiN膜(シリコン窒化膜)等により形成されている。
【0090】
製造方法に関しては、以下の点で上記第1の実施形態と相違している。即ち、基板11上に、例えば、スパッタ法やCVD法等の成膜工程を用いてSiN等の高誘電体材料を堆積し、高誘電体膜38を形成する。その他の製造方法は、上記第1の実施形態と実質的に同様である。
【0091】
この変形例2に係る半導体装置およびその製造方法によれば、上記第1の実施形態で説明した(1)〜(5)と同様の効果が得られる。
【0092】
さらに、ゲート絶縁膜12が、シリコン基板11と絶縁膜21との間に設けられた高誘電体膜38を更に備えている。そのため、ゲート絶縁膜12全体の誘電率を向上できる点で有効である。
【0093】
[変形例3]
次に、この発明の変形例3に係る半導体装置について、図23を用いて説明する。図23は、この変形例3に係る半導体装置のチャネル領域25近傍を示す断面図である。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0094】
図示するように、ゲート絶縁膜12が、シリコン基板11と絶縁膜21との間に設けられた高誘電体膜38および絶縁膜40を更に備えている点で上記第1の実施形態と相違している。
【0095】
製造方法に関しては、以下の点で上記第1の実施形態と相違している。即ち、例えば、熱酸化法等を用いて、シリコン基板11を熱し、基板11の主表面上にシリコン酸化膜(絶縁膜)40を形成する。
【0096】
続いて、上記絶縁膜40上に、例えば、スパッタ法やCVD法等の成膜工程を用いてSiN等の高誘電体材料を堆積し、高誘電体膜38を形成する。その他の製造方法は、上記第1の実施形態と実質的に同様である。
【0097】
この変形例3に係る半導体装置およびその製造方法によれば、上記第1の実施形態で説明した(1)〜(5)と同様の効果が得られる。
【0098】
さらに、ゲート絶縁膜12が、シリコン基板11と絶縁膜21との間に設けられた高誘電体膜38および絶縁膜40を更に備えている。そのため、ゲート絶縁膜12全体の誘電率を向上できる点で有効である。
【0099】
[第3の実施形態(不揮発性半導体メモリに関する一例)]
次に、この発明の第3の実施形態に係る半導体装置について、図24を用いて説明する。図24は、この実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。この実施形態は、上記高誘電体膜22−1、22−2を不揮発性半導体メモリセルトランジスタMT1のいわゆるゲート間絶縁膜に適用した場合に関する。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0100】
図示するように、ゲート絶縁膜12上に浮遊電極(フローティングゲート)FGが設けられ、浮遊電極FG上にゲート間絶縁膜45が設けられ、ゲート間絶縁膜45上に制御電極(コントロールゲート)CGが設けられている点で上記第1の実施形態と相違している。
【0101】
浮遊電極FGおよび制御電極CGは、Cuを主成分としたCuMn合金により形成されたダマシンメタルゲート構造である。
【0102】
ゲート間絶縁膜45は、制御電極CG上に沿って設けられた高誘電体膜41、高誘電体膜41上に沿って設けられた絶縁膜42、および絶縁膜42上に沿って設けられた高誘電体膜43を備えた三層構造である。
【0103】
高誘電体膜41、43は、上記MnSi膜により形成されている。絶縁膜42は、SiO膜により形成されている。
【0104】
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図24に示したもの例に挙げて、図25乃至図27を用いて説明する。
【0105】
まず、図25に示すように、上記第1の実施形態と同様の製造工程(図3〜図9)を用いて、ゲート絶縁膜12、ダミーゲート(図示せず)、スペーサ14、ソース/ドレイン15、シリサイド層16、および層間絶縁膜17を形成する。その後、ダミーゲートを除去して層間絶縁膜17中にゲート構造を形成する開口部を形成する。
【0106】
続いて、上記第1の実施形態と同様の製造工程を用いて、開口部内に沿って、順次CuMn合金層46、SiO膜47、CuMn合金層48を堆積形成する。
【0107】
続いて、図26に示すように、例えば、CMP法等を用いて層間絶縁膜17上まで平坦化し、上記CuMn合金層46、SiO膜47、CuMn合金層48を開口部内に埋め込む。
【0108】
続いて、図27に示すように、CuMn合金層46、48の間にSiO膜47を挟んだ状態で、例えば、200℃〜600℃の温度により30min〜60min間熱処理を行うことによって、CuMn合金層46中のMn元素が拡散しSiO膜47と反応すると同時に、CuMn合金層48中のMn元素が拡散しSiO膜47と反応して、その界面に自己整合的に極薄膜(2nm〜3nm)で均一な高誘電体膜(MnSi膜)41、43を形成し、ゲート間絶縁膜45を形成する。
【0109】
また、この熱処理工程により、上記高誘電体膜22−1、22−1を形成して、絶縁膜21とともに働くゲート電極12を形成する。その他の製造工程は、上記第1の実施形態と実質的に同様である。
【0110】
この実施形態に係る半導体装置およびその製造方法によれば、上記第1の実施形態で説明した(1)〜(5)と同様の効果が得られる。
【0111】
さらに、ゲート間絶縁膜45は、制御電極CG上に沿って設けられた高誘電体膜41、高誘電体膜41上に沿って設けられた絶縁膜42、および絶縁膜42上に沿って設けられた高誘電体膜43を備えた三層構造である。そして、高誘電体膜41、43は、上記MnSi膜により形成されているため、上記に説明したように、薄膜性、均一成膜性、および高誘電率性を備えている。そのため、書き込み/読み出し動作時の制御電極CGに電圧を印加する際において、ゲート間絶縁膜45の絶縁破壊耐性を向上できる点で有効である。
【0112】
加えて、この高誘電体膜41、43は、SiO膜42の接した面、即ち、上面および下面から反応することにより自己整合的に形成された反応生成膜である。よって、高誘電体膜41、43を設けることに関して、ゲート間絶縁膜45の膜厚が増大することもない。
【0113】
また、ゲート間絶縁膜45およびゲート絶縁膜12は、上記熱処理工程により、同時に形成できる。そのため、製造工程を低減できる点で有効である。
【0114】
[第4の実施形態(不揮発性半導体メモリに関する一例)]
次に、この発明の第4の実施形態に係る半導体装置について、図28を用いて説明する。図28は、この実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。この実施形態は、上記高誘電体膜22−1、22−2を不揮発性半導体メモリセルトランジスタMT2のいわゆるゲート間絶縁膜に適用したエッチングゲート構造に関する。この説明において、上記第3の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0115】
図示するように、この実施形態に係る半導体装置は、以下の点で上記第3の実施形態と相違している。
【0116】
即ち、浮遊電極FGの周辺に沿って(浮遊電極FGと絶縁膜12、スペーサ絶縁膜14−1、および絶縁膜58との界面)高誘電体膜(MnSi膜)55が設けられている。
【0117】
制御電極CGの下面上および側面上に沿って(制御電極CGと絶縁膜58、およびスペーサ絶縁膜14−1との界面)高誘電体膜(MnSi膜)57が設けられている。
【0118】
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図28に示した半導体装置を例に挙げて、図29乃至図32を用いて説明する。
【0119】
まず、図29に示すように、例えば、熱酸化法等を用いて、シリコン基板11を熱し、基板11の主表面上にシリコン酸化膜(絶縁膜)61を形成する。その後、シリコン酸化膜62上に、例えばメッキ法等を用いて、CuMn合金層62を形成する。その後、CuMn合金層62上に、例えばCVD法等を用いて、シリコン酸化膜63を形成する。さらに、シリコン酸化膜63上に、例えばメッキ法等を用いて、CuMn合金層64を形成する。
【0120】
その後、フォトレジスト26をCuMn合金層64上に塗布し、このフォトレジスト26に露光および現像を行って、ゲート構造予定領域が露出する開口部を形成する。
【0121】
続いて、図30に示すように、上記フォトレジスト26をマスクとして、例えば、RIE法等のエッチング工程を用いて、シリコン基板11上にシリコン絶縁膜61、63、CuMn合金層62、64の積層構造からなるゲート構造66を形成する。
【0122】
続いて、図31に示すように、例えば、CVD法等を用いて、基板11上およびゲート構造66上に沿って、TEOS膜を形成する。さらに、上記TEOS膜上に、CVD法等を用いて、SiN膜を形成する。さらに、CVD法等を用いて、上記SiN膜上にTEOS膜を形成する。さらに、上記TEOS膜上に、CVD法等を用いて、SiN膜を形成する。その後、例えば、RIE法等の異方性エッチングを基板11表面上まで行い、SiN膜14−4/TEOS膜14−3/SiN膜14−2/TEOS膜14−1からなるスペーサ14を形成する。
【0123】
続いて、ゲート構造66およびスペーサ14をマスクとして、同様の製造工程を用い、ソース/ドレイン15を形成する。
【0124】
続いて、サリサイドプロセスを用いて、ソース/ドレイン15と高融点金属層とを反応させることにより、ソース/ドレイン15上にシリサイド層16を形成する。
【0125】
続いて、図32に示すように、CuMn合金層62と絶縁膜61、スペーサ絶縁膜14−1、および絶縁膜63が接した状態、CuMn合金層64と絶縁膜63、およびスペーサ絶縁膜14−1が接した状態で、例えば、200℃〜600℃の温度により30min〜60min間熱処理を行う。この熱処理によって、CuMn合金層62中のMn元素が拡散し、絶縁層61、スペーサ絶縁膜14−1、および絶縁膜63と反応して、その界面に自己整合的に極薄膜(2nm〜3nm)で均一なMnSi膜(高誘電体膜)55を形成する。と共に、CuMn合金層64中のMn元素が拡散し、絶縁膜63およびスペーサ絶縁膜14−1と反応して、その界面に自己整合的に極薄膜(2nm〜3nm)で均一なMnSi膜(高誘電体膜)57を形成する。その他の製造方法は、上記第1の実施形態と実質的に同様である。
【0126】
この実施形態に係る半導体装置およびその製造方法によれば、上記第1の実施形態で説明した(1)〜(5)と同様の効果が得られる。
【0127】
さらに、必要に応じてこの実施形態のような構成および製造方法を適用することが可能である。
【0128】
以上、第1乃至第4の実施形態および変形例1乃至変形例3を用いてこの発明の説明を行ったが、この発明は上記各実施形態および各変形例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記各実施形態および各変形例には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態および各変形例に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図2】図1中のチャネル領域近傍の断面TEM像の顕微鏡写真を示す図。
【図3】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図4】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図5】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図6】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図7】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図8】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図9】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図10】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図11】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図12】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図13】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図14】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図15】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図16】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図17】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図18】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図19】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図20】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図21】この発明の変形例1に係る半導体装置のチャネル領域近傍を示す断面図。
【図22】この発明の変形例2に係る半導体装置のチャネル領域近傍を示す断面図。
【図23】この発明の変形例3に係る半導体装置のチャネル領域近傍を示す断面図。
【図24】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図25】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図26】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図27】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図28】この発明の第4の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図29】この発明の第4の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図30】この発明の第4の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図31】この発明の第4の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図32】この発明の第4の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【符号の説明】
【0130】
11…シリコン基板、12…ゲート絶縁膜、13…ゲート電極、14…スペーサ、15…ソース/ドレイン、16…シリサイド層、17…層間絶縁膜、19…コンタクト配線、21…絶縁膜、22−1、22−2…高誘電体膜、TR1…トランジスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の主表面中に設けられた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に設けられ前記第1絶縁膜の構成元素と所定の金属元素との化合物を主成分とし前記第1絶縁膜よりも比誘電率が高い第1高誘電体膜とを少なくとも備えたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に設けられ、CuまたはCuを主成分とするゲート電極と、
前記ゲート電極を挟むように前記半導体基板中に隔離して設けられたソースまたはドレインとを具備すること
を特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記ゲート絶縁膜は、前記半導体基板と第1絶縁膜との間に第2絶縁膜を更に備えること
を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ゲート電極上に設けられた第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜上に設けられ前記第3絶縁膜の構成元素と所定の金属元素との化合物を主成分とし前記第3絶縁膜よりも比誘電率が高い第2高誘電体膜とを少なくとも備えたゲート間絶縁膜と、
前記ゲート間絶縁膜上に設けられ、CuまたはCuを主成分とする制御電極とを更に具備すること
を特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記所定の金属元素は、Mn、Nb、Zr、Cr、V、Y、Tc、およびReからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含み、
前記第1絶縁膜および前記第3絶縁膜は、Si、C、及びFからなる群から選択された少なくとも1つの元素とOとを含み、
前記第1高誘電体膜および第2高誘電体膜は、α、αSi、α、およびαからなる群から選択された材料を主成分とし、ここで、αは前記所定の金属元素を表すこと
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板の主表面中に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上にダミーゲートを形成する工程と、
前記ダミーゲートをマスクとして、前記半導体基板と異なる導電型の不純物を前記半導体基板中に導入させ、ソースまたはドレインを形成する工程と、
前記ダミーゲートの側壁に層間絶縁膜を形成する工程と、
前記ダミーゲートを除去し、前記絶縁膜の表面上が露出する開口部を形成する工程と、
前記開口部内に、所定の金属元素を含みCuを主成分としてゲート電極の材料となる合金膜を埋め込む工程と、
熱処理を行うことにより、前記所定の金属元素と前記絶縁膜の構成元素との化合物を主成分とし前記絶縁膜よりも比誘電率が高い高誘電体膜を前記絶縁膜と前記合金膜との界面に自己整合的に形成する工程とを具備すること
を特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate


【公開番号】特開2007−12922(P2007−12922A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192652(P2005−192652)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000221199)東芝マイクロエレクトロニクス株式会社 (376)
【Fターム(参考)】