説明

フォトセンサ及び表示装置

【課題】マトリクス状に配置した光電変換素子が捉える光の強度分布を、再現よく電気信号に変換して取り出せる大型のエリアセンサおよび、エリアセンサを搭載した書き込み速度が速く、表示ムラが少ない表示装置を提供する。
【解決手段】インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタは、大面積基板にマトリクス状に配置することが容易であり、また特性にバラツキが少ない。インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した特性にバラツキが少ない増幅回路と表示素子の駆動回路を用いて、マトリクス状に配置したフォトダイオードが捉える光の強度分布を再現よく電気信号に変換して取り出し、マトリクス状に配置した表示素子をムラなく駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトセンサに関する。特に高い移動度と特性のバラツキが少ない薄膜トランジスタと光電変換素子で構成したフォトセンサとフォトセンサを有する画素を複数配置したラインセンサ、およびエリアセンサに関する。また、フォトセンサを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像情報、紙面上の文字や図形情報などの光信号から、画像情報を有する電気信号を読み出すダイオード、CCD、CMOSなどの光電変換素子を有する固体撮像素子が用いられている。
【0003】
複数の光電変換素子を有する固体撮像素子には、ラインセンサと、エリアセンサとがある。ラインセンサは複数の光電変換素子を線状に配置したものであって、当該センサで被写体を相対的に走査して画像を電気信号として取り込む。ラインセンサを用いた装置としては、イメージスキャナをその例に挙げることができる。一方、エリアセンサは複数の光電変換素子をマトリクス状に配置したものであって、当該センサに被写体像を投影して画像を電気信号として取り込む。エリアセンサを用いた装置としては、ビデオカメラやデジタルスチルカメラをその例に挙げることができる。ビデオカメラやデジタルスチルカメラは光学系を介して被写体像をエリアセンサ上に縮小投影して電気信号として取り込む。また、紙などの被写体に密着して被写体像を電気信号として取り込む、密着型のエリアセンサもある。
【0004】
また、エリアセンサを表示装置に組み込み、表示領域が入力領域を兼ねる半導体装置が提案されている。エリアセンサを用いて画像を取り込む機能を備えた表示装置が、特許文献1及び特許文献2に開示されている。また、特許文献3には発光素子の輝度を制御するためのセンサを備えた表示装置が開示されている。
【0005】
また、エリアセンサを組み込んだ表示装置は画像を取り込むだけでなく、表示領域に触れたペンや指を検知して入力操作ができる、いわゆるタッチパネルとしても利用できる。タッチパネルは操作が簡便であり、また表示された映像にあたかも直接触れて操作しているかのような操作感が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4112184
【特許文献2】特開2001―339640
【特許文献3】特開2003―167550
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
被写体に忠実な画像を捉えるエリアセンサを得るには、マトリクス状に配置した光電変換素子が捉える光の強度分布を、再現よく電気信号に変換して取り出す増幅回路が必要である。
【0008】
単結晶シリコントランジスタを用いた増幅回路は優れた特性を有するが、エリアセンサの大きさが単結晶シリコン基板の大きさに制約を受ける。すなわち、単結晶シリコン基板を用いて大型のエリアセンサや大型の表示装置を兼ねたエリアセンサを形成することは、コストが高く現実的でない。
【0009】
一方、非晶質シリコンを用いた薄膜トランジスタは基板の大型化が容易であるが、非晶質シリコン薄膜の電界効果移動度は低く、増幅回路の占有面積を小さくすることは難しい。占有面積が大きい増幅回路は、同一基板上に形成する光電変換素子の受光面積や、表示素子の画素面積を制限してしまう。
【0010】
また、多結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタはエキシマレーザーアニールに由来する特性のバラツキを有する。特性にバラツキがある薄膜トランジスタで構成した増幅回路を用いて、マトリクス状に配置した光電変換素子が捉える光の強度分布を再現よく電気信号に変換して取り出すことはできない。
【0011】
また、多数個のフォトセンサやラインセンサを形成した基板を分断して製品を生産する場合も、個々の製品の増幅回路にバラツキがあると製品の特性がバラつき、歩留まりの低下を招く。また、使い勝手が悪くなる。なお、本明細書でいうフォトセンサ、ラインセンサ、およびエリアセンサは少なくとも光電変換素子と増幅回路を有しており、必ずしも駆動回路を搭載する必要はない。
【0012】
本発明は、マトリクス状に配置した光電変換素子が捉える光の強度分布を、再現よく電気信号に変換して取り出せる大型のエリアセンサを提供することを課題の一つとする。また、マトリクス状に配置した光電変換素子が捉える光の強度分布を、再現よく電気信号に変換して取り出せる大型のエリアセンサを兼ねた、書き込み速度が速く、表示ムラが少ない表示装置を提供することを課題の一つする。また、大型の基板上に大量に作製でき、均質な特性を有するフォトセンサおよびラインセンサを提供することを課題の一つとする。以上、本発明は上記課題の少なくとも一つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明者等は、特性にバラツキが少なく、電界効果移動度が高い酸化物半導体、特にインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路は、特性にバラツキが少なく、占有面積が小さいことを見いだした。その結果、そのような増幅回路をフォトダイオードの増幅回路に用いたエリアセンサは、フォトダイオードがとらえる光の強度分布を再現よく電気信号に変換して取り出すことを可能にした。また、酸化物半導体、代表的にはインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタを大面積基板に形成することで、光の強度分布を再現よく電気信号に変換できる大型のエリアセンサの提供を可能にした。また、大型の基板上に均質な特性のフォトセンサを大量に形成することにより、均質な特性を有するフォトセンサおよびラインセンサを大量に提供することを可能にした。
【0014】
本発明のフォトセンサの一態様は、光電変換素子としてフォトダイオードを用いる。また、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、および亜鉛(Zn)を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路を用いる。
【0015】
本明細書中で用いるフォトダイオードの一例は、カソード電極と、アノード電極と、カソード電極とアノード電極の間に設けられた光電変換層とを有している。そして光電変換層に光が照射されると、光起電力効果により電流が生じる。
【0016】
また、本明細書中で用いる酸化物半導体の一例は、InMO(ZnO)(m>0)で表記される薄膜を形成し、その薄膜を半導体層として用いた薄膜トランジスタを作製する。なお、Mは、Ga、Fe、Ni、Mn及びCoから選ばれた一の金属元素又は複数の金属元素を示す。例えばMとして、Gaの場合があることの他、GaとNi又はGaとFeなど、Ga以外の上記金属元素が含まれる場合がある。また、上記酸化物半導体において、Mとして含まれる金属元素の他に、不純物元素としてFe、Niその他の遷移金属元素、又は該遷移金属の酸化物が含まれているものがある。本明細書においてはこの薄膜をインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体膜もしくはIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜とも呼ぶ。なお、In−Ga−Zn−O系非単結晶膜に含まれるナトリウム(Na)は5×1018/cm以下、好ましくは1×1018/cm以下である。また、その他酸化物半導体として、In−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−O系、Sn−O系、Zn−O系の酸化物半導体を用いることができる。
【0017】
また、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタは電界効果移動度が高く、この薄膜トランジスタで構成した増幅回路や表示素子の駆動回路は、占有面積が小さく、特性のバラツキがすくなく、大面積の基板に多数形成できる。
【0018】
すなわち本発明の一態様は、光電変換素子と、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成された増幅回路を有するフォトセンサである。
【0019】
また、本発明の一態様は、一導電性の不純物元素を有する第1の半導体層と、第1の半導体層に接して設けられた第2の半導体層と、第2の半導体層に接して設けられた第1の半導体層とは逆の導電型の不純物元素を有する第3の半導体層と、が積層された光電変換層を有する光電変換素子を有する。また、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を適用した、選択用薄膜トランジスタと、増幅用薄膜トランジスタ、およびリセット用薄膜トランジスタとを有する。そして、リセット用薄膜トランジスタのゲート電極はリセット用ゲート信号線に接続され、リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続され、リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は増幅用薄膜トランジスタのゲート電極層および光電変換素子のアノードまたはカソードのいずれか一方に接続されており、増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続されており、選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ出力配線に接続されており、選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方に接続されており、選択用薄膜トランジスタのゲート電極層はセンサ用ゲート信号線に接続された増幅回路を有するフォトセンサである。
【0020】
また、本発明の一態様は、一導電性の不純物元素を有する第1の半導体層と、第1の半導体層に接して設けられた第2の半導体層と、第2の半導体層に接して設けられた第1の半導体層とは逆の導電型の不純物元素を有する第3の半導体層と、が積層された光電変換層を有する光電変換素子を有する。また、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を適用した、選択用薄膜トランジスタと、増幅用薄膜トランジスタ、およびリセット用薄膜トランジスタとを有する。そして、リセット用薄膜トランジスタのゲート電極層はリセット用ゲート信号線に接続され、リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続され、リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は増幅用薄膜トランジスタのゲート電極層および光電変換素子のアノードまたはカソードのいずれか一方に接続されており、増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続されており、選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ出力配線に接続されており、選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方に接続されており、選択用薄膜トランジスタのゲート電極層はセンサ用ゲート信号線に接続されており、リセット用ゲート信号線とセンサ用ゲート信号線とに入力される信号によってリセット用薄膜トランジスタと選択用薄膜トランジスタはオンからオフの状態、またはオフからオンの状態に切り替わることを特徴とする増幅回路を有する画素を複数配置したフォトセンサである。
【0021】
また、本発明の一態様は、光電変換素子と、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成された増幅回路を有する画素を複数配置したエリアセンサである。
【0022】
また、本発明の一態様は、一導電性の不純物元素を有する第1の半導体層と、第1の半導体層に接して設けられた第2の半導体層と、第2の半導体層に接して設けられた第1の半導体層とは逆の導電型の不純物元素を有する第3の半導体層と、が積層された光電変換層を有する光電変換素子を有する。また、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を適用した、選択用薄膜トランジスタと、増幅用薄膜トランジスタ、およびリセット用薄膜トランジスタとを有する。そして、リセット用薄膜トランジスタのゲート電極層はリセット用ゲート信号線に接続され、リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続され、リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は増幅用薄膜トランジスタのゲート電極層および光電変換素子のアノードまたはカソードのいずれか一方に接続されており、増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続されており、選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ出力配線に接続されており、選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方に接続されており、選択用薄膜トランジスタのゲート電極層はセンサ用ゲート信号線に接続された増幅回路を有する画素を複数配置したエリアセンサである。
【0023】
また、本発明の一態様は、一導電性の不純物元素を有する第1の半導体層と、第1の半導体層に接して設けられた第2の半導体層と、第2の半導体層に接して設けられた第1の半導体層とは逆の導電型の不純物元素を有する第3の半導体層と、が積層された光電変換層を有する光電変換素子を有する。また、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を適用した、選択用薄膜トランジスタと、増幅用薄膜トランジスタ、およびリセット用薄膜トランジスタとを有する。そして、リセット用薄膜トランジスタのゲート電極層はリセット用ゲート信号線に接続され、リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続され、リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は増幅用薄膜トランジスタのゲート電極層および光電変換素子のアノードまたはカソードのいずれか一方に接続されており、増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続されており、選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ出力配線に接続されており、選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方は増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方に接続されており、選択用薄膜トランジスタのゲート電極層はセンサ用ゲート信号線に接続されており、リセット用ゲート信号線とセンサ用ゲート信号線とに入力される信号によってリセット用薄膜トランジスタと選択用薄膜トランジスタはオンからオフの状態、またはオフからオンの状態に切り替わることを特徴とする増幅回路を有する画素を複数配置したエリアセンサである。
【0024】
また、本発明の一態様は、光電変換素子と、増幅回路と、表示素子と、表示素子の駆動回路を有する画素が複数配置され、増幅回路と駆動回路が、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成された表示装置である。
【0025】
また、本発明の一態様は、一導電性の不純物元素を有する第1の半導体層と、第1の半導体層に接して設けられた第2の半導体層と、第2の半導体層に接して設けられた第1の半導体層とは逆の導電型の不純物元素を有する第3の半導体層と、が積層された光電変換層を有する光電変換素子を有する。また、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を適用した、選択用薄膜トランジスタと、増幅用薄膜トランジスタ、およびリセット用薄膜トランジスタとを有する。そして、リセット用薄膜トランジスタのゲート電極層はリセット用ゲート信号線に接続され、リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続され、リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は増幅用薄膜トランジスタのゲート電極層および光電変換素子のアノードまたはカソードのいずれか一方に接続されており、増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続されており、選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ出力配線に接続されており、選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方は増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方に接続されており、選択用薄膜トランジスタのゲート電極層はセンサ用ゲート信号線に接続された増幅回路を画素に有している。また、表示素子と、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いたスイッチング用薄膜トランジスタを少なくとも有し、スイッチング用薄膜トランジスタのゲート電極層はゲート信号線に接続されており、スイッチング用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はソース信号線に接続された表示素子の駆動回路を有する画素を複数配置した表示装置である。
【0026】
また、本発明の一態様は、表示素子が陽極、陰極および陽極と陰極の間に発光物質を含む層を有している。
【0027】
また、本発明の一態様は、表示素子が画素電極、対向電極および画素電極と対向電極の間に液晶物質を含む層を有している。
【0028】
また、本発明の一態様は、エリアセンサ付き表示装置をレーザーポインタで操作する操作方法である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、複数配置した光電変換素子が捉える光の強度分布を、再現よく電気信号に変換して取り出せる大型のエリアセンサまたはラインセンサを提供することができる。また、マトリクス状に配置した光電変換素子が捉える光の強度分布を、再現よく電気信号に変換して取り出せる大型のエリアセンサを兼ねた、書き込み速度が速く、表示ムラが少ない表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】エリアセンサの回路図。
【図2】エリアセンサの画素の回路図。
【図3】エリアセンサの画像の読み取りのタイミングチャート。
【図4】エリアセンサの画素部の断面図。
【図5】エリアセンサの画素部の作製工程図。
【図6】エリアセンサの画素部の作製工程図。
【図7】エリアセンサの画素部の作製工程図。
【図8】エリアセンサ付き表示装置の回路図。
【図9】エリアセンサ付き表示装置の画素の回路図。
【図10】エリアセンサのカラー画像の読み取りのタイミングチャート。
【図11】エリアセンサ付き表示装置の断面図。
【図12】エリアセンサ付き表示装置の作製工程図。
【図13】エリアセンサ付き表示装置の作製工程図。
【図14】エリアセンサ付き表示装置の作製工程図。
【図15】エリアセンサ付き表示装置の断面図。
【図16】電子書籍の一例を示す外観図。
【図17】テレビジョン装置およびデジタルフォトフレームの例を示す外観図。
【図18】遊技機の例を示す外観図。
【図19】携帯電話機の一例を示す外観図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0032】
(実施の形態1)
本実施の形態は、複数の光電変換素子と酸化物半導体、特にインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路が形成されたエリアセンサの一態様を、図面を参照して説明する。
【0033】
図1はエリアセンサ部11を構成する、リセット用ゲート信号線RG1〜RGy、センサ用ゲート信号線SG1〜SGy、センサ出力配線SS1〜SSx、センサ用電源線VB、と複数の画素12の接続を説明する図である。
【0034】
エリアセンサ部11は複数の画素12をマトリクス状に配列して構成されている。画素12は、リセット用ゲート信号線RG1〜RGyのいずれか1つと、センサ用ゲート信号線SG1〜SGyのいずれか1つと、センサ出力配線SS1〜SSxのいずれか1つと、センサ用電源線VBと接続されている。
【0035】
センサ出力配線SS1〜SSxはそれぞれ定電流電源13_1〜13_xに接続されている。
【0036】
図2は画素部の光電変換素子とインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路の接続の一例を示す。リセット用ゲート信号線RGはリセット用ゲート信号線RG1〜RGyのいずれか1つを意味する。またセンサ用ゲート信号線SGは、センサ用ゲート信号線SG1〜SGyのいずれか1つを意味する。またセンサ出力配線SSはセンサ出力配線SS1〜SSxのいずれか1つを意味する。さらに画素12は、選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153、フォトダイオード250を有している。
【0037】
リセット用TFT153のゲート電極はリセット用ゲート信号線RGに接続されている。リセット用TFT153のソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線VBに接続されている。センサ用電源線VBは常に一定の電位(基準電位)に保たれている。もう一方はフォトダイオード250及び増幅用TFT152のゲート電極に接続されている。
【0038】
図示しないが、フォトダイオード250はカソード電極と、アノード電極と、カソード電極とアノード電極の間に設けられた光電変換層とを有している。リセット用TFT153のソース電極とドレイン電極の一方はフォトダイオード250のアノード電極又はカソード電極に接続されている。
【0039】
増幅用TFT152のソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線VBに接続されており、常に一定の基準電位に保たれている。そしてもう一方は選択用TFT151のソース電極又はドレイン電極に接続されている。
【0040】
選択用TFT151のゲート電極はセンサ用ゲート信号線SGに接続されている。そして選択用TFT151のソース電極とドレイン電極の一方は上述したとおり増幅用TFT152のソース電極とドレイン電極の一方に接続されており、もう一方はセンサ出力配線SSに接続されている。センサ出力配線SSは定電流電源13(定電流電源13_1〜13_xのいずれか1つ)に接続されており、常に一定の電流が流れている。
【0041】
なお、ここではインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いたnチャネル型の薄膜トランジスタを選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153に用い、フォトダイオード250のカソード電極をリセット用TFT153のドレイン電極に接続して、いわゆる逆バイアス方向に電圧を加える。逆バイアス方向の電圧をフォトダイオード250に加えた回路は、温度依存性が少ない出力が得られる。
【0042】
次に本発明のエリアセンサの駆動の仕方について、図1乃至図3を用いて説明する。
【0043】
まず、被写体の画像情報を含む光は画素12が有するフォトダイオード250に到達する。フォトダイオード250は、照射された光の強度を電気信号に変換する。そしてフォトダイオード250で発生した画像情報を含む電気信号は、選択用TFT151、増幅用TFT152、及びリセット用TFT153により画像信号として取り出される。
【0044】
図3は、選択用TFT151、増幅用TFT152、及びリセット用TFT153の動作を示すタイミングチャートである。なおここでは、選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153がnチャネル型TFTの場合のタイミングチャートを示す。
【0045】
まず、リセット用ゲート信号線RG1に入力されているリセット信号によって、RG1に接続されている1ライン目の画素のリセット用TFT153はオンの状態にある。よってセンサ用電源線VBの基準電位が増幅用TFT152のゲート電極に与えられる。
【0046】
また、センサ用ゲート信号線SG1に入力されているセンサ信号によって、センサ用ゲート信号線SG1に接続されている1ライン目の画素の選択用TFT151がオフの状態にある。なお本明細書では、リセット用TFT153がオンの状態である期間をリセット期間と呼ぶ。
【0047】
そして、リセット用ゲート信号線RG1に入力されたリセット信号の電位が変化して、1ライン目の画素のリセット用TFT153が全てオフの状態になる。よってセンサ用電源線VBの基準電位が、1ライン目の画素の増幅用TFT152のゲート電極に与えられなくなる。なお、リセット用TFT153がオフの状態にある期間を、本明細書ではサンプル期間STと呼ぶ。特に1ライン目の画素のリセット用TFT153がオフの状態にある期間をサンプル期間ST1と呼ぶ。
【0048】
サンプル期間ST1では、センサ用ゲート信号線SG1に入力されたセンサ信号の電位が変化して、1ライン目の画素の選択用TFT151がオンの状態になる。よって1ライン目の画素の増幅用TFT152のソース電極は、選択用TFT151を介してセンサ出力配線SS1に電気的に接続される。
【0049】
サンプル期間ST1において、光がフォトダイオード250に照射されると、フォトダイオード250に電流が流れる。そのため、リセット期間において基準電位に保たれていた増幅用TFT152のゲート電極の電位は、フォトダイオード250で発生する電流の大きさに応じて変化する。センサ出力配線SS1を介して定電流電源13_1に接続された増幅用TFT152は、フォトダイオード250の出力に関わらずソース電極とゲート電極の電位差VGSが一定に保たれ、ソースフォロワ(source follower)として機能する。
【0050】
フォトダイオード250に流れる電流は、フォトダイオード250に照射される光の強さに比例するため、フォトダイオード250において光の強さは電気信号に変換される。フォトダイオード250において生成された電気信号は、増幅用TFT152のゲート電極に入力される。
【0051】
ここでは、フォトダイオード250のカソード電極が増幅用TFT152のゲート電極に接続され、フォトダイオード250のアノード電極が共通配線に接続されているため、リセット用TFT153がオンの期間はnチャネル型の増幅用TFT152のゲート電極は正の基準電位に保たれている。しかしサンプル期間ST1において、増幅用TFT152のゲート電極の電位はフォトダイオード250に照射される光の強さに応じて低下する。
【0052】
一方、増幅用TFT152と選択用TFT151を介してセンサ出力配線SSに流れる電流が一定に保たれるように、センサ出力配線SSは定電流電源に接続されている。その結果、増幅用TFT152のソース電極とゲート電極の電位差VGSが常に一定に保たれるように、センサ出力配線SSの電位が変化する。具体的には、増幅用TFT152のソース電極の電位は増幅用TFT152のゲート電極の電位からVGSを差し引いた電位に保たれる。
【0053】
こうして、被写体の画像情報を捉えたフォトダイオード250がもたらした増幅用TFT152のゲート電極の電位の変化が、増幅用TFT152のソース電極の電位の変化として、オン状態の選択用TFT151を介して、センサ出力配線SS1に出力される。
【0054】
次に、リセット用ゲート信号線RG2に入力されているリセット信号によって、RG2に接続されている2ライン目の画素のリセット用TFT153はオフの状態になり、サンプリング期間ST2が開始する。なお、1ライン目の画素のリセット用TFT153は、次のサンプリング期間が始まる前に、接続されているリセット用ゲート信号線RG1にリセット信号を入力し、再びリセット期間にしておく。
【0055】
サンプリング期間ST2では、サンプリング期間ST1と同様に、フォトダイオードにおいて画像情報を有する電気信号が生成し、画像信号がセンサ出力配線SS2に入力される。
【0056】
上記動作を繰り返し、サンプリング期間STyが終了すると、1つの画像を画像信号として読み込むことができる。なお本明細書では、サンプリング期間ST1〜STyの全てが出現するまでの期間をセンサフレーム期間SFと呼ぶ。
【0057】
このように、リセット用TFT153がオフ、選択用TFT151がオンの状態において、フォトダイオード250が増幅用TFT152のゲート電位に光の強度を電気信号化して反映すると、増幅用TFT152がそのゲート電位の変化をソース電極の電位に反映し、フォトダイオード250がとらえた光の強度がセンサ出力配線SSに出力される。従って、増幅回路を構成しているトランジスタの特性は増幅回路の特性に強く影響する。特に、マトリクス状に複数のフォトダイオードと増幅回路を配置したエリアセンサは、増幅回路の特性にバラツキがあると、光の強度分布を正しく電気信号に再現できない。例えば、本実施の形態が例示する増幅回路の場合、増幅用TFT152のI−VGS特性の再現性は重要であり、特性にバラツキがあるとマトリクス状に配置したフォトダイオード250が捉えた光の強度分布を正しく出力配線に出力することが困難になる。
【0058】
図4はエリアセンサの一例を示す断面図である。具体的には、フォトダイオードと、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成したエリアセンサの断面図である。図4を参照してエリアセンサの一構成例を説明する。
【0059】
まず、増幅回路を構成する選択用TFT151、増幅用TFT152、及びリセット用TFT153の構成について説明する。選択用TFT151、増幅用TFT152、及びリセット用TFT153は主要部において同じ構成を有しているため、以下選択用TFT151を中心に説明する。
【0060】
選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153はそれぞれ、リセット用ゲート信号線RG、センサ用ゲート信号線SGと同じ層で形成されるゲート電極層111_1、ゲート電極層111_2、およびゲート電極層111_3を有している。ゲート電極層111_1、ゲート電極層111_2、およびゲート電極層111_3は、基板100上に形成され、ゲート電極層111_1、ゲート電極層111_2、およびゲート電極層111_3上にはゲート絶縁膜102が形成されている。
【0061】
ゲート絶縁膜102上には第1酸化物半導体層113_1が形成され、第1酸化物半導体層113_1を介してゲート電極層111_1上で相対するように、センサ出力配線SSおよびセンサ用電源線VBと同じ層で形成されるソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)が設けられている。
【0062】
また、リセット用TFT153のソース電極層115b_3は、ゲート絶縁膜102に設けたコンタクトホール125を介して配線層111_6と直接接続している。接続箇所を減らすことで、電気抵抗の増加をもたらす接続界面の数だけでなく、コンタクトホールが占有する面積を減らしている。なお、図示されていないが配線層111_6は増幅用TFT152のゲート電極層111_2と接続している。
【0063】
第1酸化物半導体層113_1は、相対するソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)の下にゲート絶縁膜102を介してゲート電極層111_1に重畳して設けられている。すなわち第1酸化物半導体層113_1は、ゲート電極層111_1と重畳し、ゲート絶縁膜102の上面部とバッファ層114a_1および114b_1の下面部と接するように設けられている。
【0064】
第1酸化物半導体層はIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜からなる。In−Ga−Zn−O系非単結晶膜の組成比は成膜条件により変化する。ここでは、組成比としてIn:Ga:ZnO=1:1:1としたターゲット(金属元素の組成比としてIn:Ga:Zn=1:1:0.5)を用い、スパッタリング法でのアルゴンガス流量を40sccmとした条件を条件1とし、スパッタリング法でのアルゴンガス流量を10sccm、酸素を5sccmとした条件を条件2とする。
【0065】
誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS : Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)により測定した代表的な酸化物半導体膜の組成比は、条件1で成膜した場合はInGa0.95Zn0.413.33であり、条件2で成膜した場合は、InGa0.94Zn0.403.31である。
【0066】
また、測定方法をラザフォード後方散乱分析法(RBS : Rutherford Backscattering Spectrometry)に変えて定量化した代表的な酸化物半導体膜の組成比は、条件1で成膜した場合はInGa0.93Zn0.443.49であり、条件2で成膜した場合はInGa0.92Zn0.453.86である。
【0067】
In−Ga−Zn−O系非単結晶膜の結晶構造は、スパッタリング法で成膜した後、200℃〜500℃、代表的には300〜400℃で10分〜100分の熱処理を行っているため、アモルファス構造がX線回折(XRD:X−ray diffraction)の分析では観察される。
【0068】
バッファ層(114a_1および114b_1)は、第1酸化物半導体層113_1とソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)に接してその間に設けられている。バッファ層は第1酸化物半導体膜より高い電気伝導率を有する第2酸化物半導体膜を用いる。それゆえ、選択用TFT151、増幅用TFT152、及びリセット用TFT153においてバッファ層(114a_1および114b_1)は、ソース電極及びドレイン電極として機能する。バッファ層(114a_1および114b_1)は、n型の導電型を有し、活性化エネルギー(ΔE)が0.01eV以上0.1eV以下であり、n領域とも呼べる。また、バッファ層がインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む非単結晶酸化物半導体層である場合、非単結晶構造の中にナノクリスタルが含まれている場合がある。このような接合構造を選択用TFT151、増幅用TFT152、及びリセット用TFT153に設けることにより、熱的安定性が増し、安定動作をさせることが可能となる。それにより増幅回路の機能を高め動作の安定化を図ることができる。また、接合リークが低減し、選択用TFT151、増幅用TFT152、及びリセット用TFT153の特性を向上させることができる。
【0069】
選択用TFT151のソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)と第1酸化物半導体層113_1の上には、第1酸化物半導体層113_1側から順に第1層間絶縁膜109と第2層間絶縁膜121が設けられている。増幅用TFT152、およびリセット用TFT153についても増幅用TFT152と同様に第1層間絶縁膜109と第2層間絶縁膜121が設けられている。なお、層間絶縁膜は必ずしも複数の層からなる必要はなく、第1層間絶縁膜109上に直接フォトダイオード250を形成しても良い。
【0070】
第2層間絶縁膜121上には光電変換素子の一例として、フォトダイオード250が形成されている。フォトダイオード250は、第2層間絶縁膜121上に第3導電層で形成した下部電極層129と第4導電層で形成した上部電極層227の間に、第2層間絶縁膜121側から順に第1半導体層250a、第2半導体層250b、及び第3半導体層250cを積層した構造を有している。保護層128は下部電極層129の端部を覆っている。
【0071】
フォトダイオード250の下部電極層129は配線層228を介して共通配線と接続されている。フォトダイオード250の上部電極層227はコンタクトホール231および126を介してリセット用TFT153のソース電極層115b_3と、さらにコンタクトホール125を介して、配線層111_6に接続している。図示されていないが配線層111_6は増幅用TFT152のゲート電極層111_2と接続している。
【0072】
第2層間絶縁膜121とフォトダイオード250上には第3層間絶縁膜221が形成されている。第3層間絶縁膜221にはコンタクトホール231と232が形成され、コンタクトホール232を介して第3半導体層250cと上部電極層227が接続され、コンタクトホール233を介して下部電極層129と配線層228が接続されている。
【0073】
ここでは、第1半導体層250aとしてp型の導電型を有する非晶質シリコン層と、第2半導体層250bとして高抵抗な非晶質シリコン層と、第3半導体層250cとしてn型の導電型を有する非晶質シリコン層を積層するpin型のフォトダイオードを例示している。なお、高抵抗な非晶質シリコン層としては、暗所室温におけるその電気伝導率が10−13以上10−7S/cm以下、好ましくは10−12以上10−8S/cm以下のものを用いる。ここでは10−11以上10−10S/cm以下のものを用いる。また、光電効果で発生した正孔の移動度は電子の移動度に比べて小さいため、pin型のフォトダイオードはp型の半導体層側を受光面とする方がよい特性を示す。ここでは、増幅回路とpin型のフォトダイオードが形成されている基板の面とは逆側の面からフォトダイオード250が受ける光を電気信号に変換する。また、受光面とした半導体層側とは逆の導電型を有する半導体層側からの光は外乱光となるため、電極層は遮光性を有する導電膜を用いるとよい。なお、n型の半導体層側を受光面として用いることもできる。その場合は、透光性を有する導電膜を上部電極層227に用いればよい。また、下部電極層129に遮光性を有する導電膜を用いるとよい。
【0074】
こうして、光電変換素子としてpin型のフォトダイオードを有し、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路を有するエリアセンサを構成し、画像情報を電気信号に変換して出力できる。
【0075】
特性にバラツキが少なく、電界効果移動度が高いインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路は特性にバラツキが少なく占有面積が小さい。そのような増幅回路をフォトダイオードの増幅回路に用いたエリアセンサは、フォトダイオードがとらえる光の強度分布を再現よく電気信号に変換して取り出すことができる。また、増幅回路の占有面積が小さいため光電変換素子の受光部が占有する面積の割合を大きくでき、雑音のすくない電気信号を出力できる。また、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタを大面積基板にマトリクス状に配置することは容易であるため、大型のエリアセンサを提供できる。
【0076】
(実施の形態2)
本実施の形態は、実施の形態1で説明した図4のエリアセンサの作製工程の一態様を図5及び図6を参照して説明する。なお、図5及び図6で作製工程を説明する選択用TFT151、増幅用TFT152、及びリセット用TFT153は主要部において同じ構成を有しているため、工程の説明は選択用TFT151を中心におこなう。
【0077】
図5(A)において、基板100には透光性を有する基板を用いる。ガラス基板としては、市販されているバリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス及びアルミノシリケートガラスなどのガラス基板を用いることができる。例えば、成分比としてホウ酸(B)よりも酸化バリウム(BaO)を多く含み、歪み点が730℃以上のガラス基板を用いると好ましい。酸化物半導体層を700℃程度の高温で熱処理する場合でも、ガラス基板が歪まないで済むからである。
【0078】
また、透光性を有する基板としては、ガラス基板の他、石英基板、本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いることができる。特に、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタは比較的低温で形成できるため、基板に要求する耐熱温度は低い。また、基板100上に下地膜として絶縁膜を形成してもよい。下地膜としては、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜の単層、又は積層で形成すればよい。なお、本実施の形態では、透光性を有する基板の一方の側から入射した光が基板を透過し、他方の側に形成されたエリアセンサにより検知される構成について主に説明する。なお、基板上に形成されたエリアセンサに光が基板を透過することなく直接達する構成の場合、基板は透光性である必要はない。
【0079】
次に、ゲート電極層111および図示されていないセンサ出力配線SS、およびセンサ用電源線VBを含むゲート配線、容量配線および端子部の端子となる導電膜を基板100全面に成膜する。導電膜は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)などを用いることができる。中でもアルミニウム(Al)や銅(Cu)などの低抵抗導電性材料で形成することが望ましいが、アルミニウム単体では耐熱性が劣り、また腐蝕しやすい等の課題があるので耐熱性導電性材料と組み合わせて導電膜を形成する。
【0080】
アルミニウムを第1成分とする導電膜としては、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、Nd(ネオジム)、Sc(スカンジウム)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、炭素(C)、又はシリコン(Si)などの元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料もしくは化合物が添加されたアルミニウム合金を用いる方が好ましい。
【0081】
また、低抵抗な導電膜上に耐熱性導電材料からなる導電膜を積層して用いることもできる。耐熱性導電性材料としては、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、Nd(ネオジム)、Sc(スカンジウム)から選ばれた元素、または上述した元素を成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金膜、または上述した元素を成分とする窒化物で形成する。
【0082】
また、透光性を有する導電膜を用いてゲート電極層111を形成してもよい。透光性を有する導電膜材料としては酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO、ITOと略記する)、珪素もしくは酸化珪素を含有したインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛などを用いることもできる。
【0083】
なお、可視光の透過率が高いインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体膜と共に、透光性を有する導電膜をゲート電極層やソース電極層及びドレイン電極層など他の配線層に利用すれば、透光性を有した薄膜トランジスタを形成できる。透光性を有した薄膜トランジスタで増幅回路を構成すれば、増幅回路を光電変換素子の受光部に重ねて配置しても、受光部の面積が減らないため、雑音の少ない電気信号を出力するエリアセンサを形成できる。また、受光部の面積を保ったまま、装置を小型化できる。
【0084】
ゲート電極層111となる導電膜は、スパッタリング法や真空蒸着法により、厚さ50nm以上300nm以下で形成する。ゲート電極層111の厚さを300nm以下とすることで、後に形成される半導体膜や配線の段切れ防止が可能である。また、ゲート電極層111の厚さを50nm以上とすることで、ゲート電極層111の抵抗を低減することが可能であり、大面積化が可能である。
【0085】
なお、ここでは基板100全面に導電膜としてアルミニウムを第1成分とする膜とチタン膜をスパッタリング法により積層して成膜する。
【0086】
次いで、本実施の形態における第1のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを使い、基板100上に形成された導電膜の不要な部分をエッチングして除去して配線及び電極(ゲート電極層111を含むゲート配線、容量配線、及び端子)を形成する。このとき少なくともゲート電極層111の端部にテーパー形状が形成されるようにエッチングする。
【0087】
なお、大型の基板にレジストマスクを形成する際に、レジスト材料を全面に塗布すると、大量のレジスト材料や、大量の現像液が消費されてしまう。そこで、インクジェット法などの液滴吐出法や印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)によりレジスト材料膜を選択的に形成し、露光を行ってレジストマスクを形成する方法が好ましい。選択的にレジスト材料膜を形成することによって、レジスト材料の使用量の削減が図れるため大幅なコストダウンが実現でき、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、1150mm×1300mmのような大面積基板にも対応できる。
【0088】
次にゲート絶縁膜102を形成する。ゲート絶縁膜102として利用できる絶縁膜としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化マグネシウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化タンタル膜をその例に挙げることができる。なお、透光性を有する基板の一方の側から入射した光が基板を透過し、他方の側に形成されたエリアセンサにより検知される構成である場合、透光性を有するゲート絶縁膜102を用いる必要がある。
【0089】
ここでは、酸化窒化珪素膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、濃度範囲として酸素が55〜65原子%、窒素が1〜20原子%、Siが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化珪素膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、濃度範囲として酸素が15〜30原子%、窒素が20〜35原子%、Siが25〜35原子%、水素が15〜25原子%の範囲で含まれるものをいう。
【0090】
ゲート絶縁膜102は単層であっても、絶縁膜を2層または3層積層して形成してもよい。例えば、基板に接するゲート絶縁膜102を窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜を用いて形成することで、基板100とゲート絶縁膜102の密着力が高まり、基板100としてガラス基板を用いた場合、基板100からの不純物が第1酸化物半導体層113に拡散するのを防止することが可能であり、さらにゲート電極層111の酸化を防止できる。即ち、膜剥れを防止することができると共に、後に形成される薄膜トランジスタの電気特性を向上させることができる。
【0091】
また、ゲート絶縁膜102の厚さは50〜250nmとする。ゲート絶縁膜102の厚さが50nm以上であると、ゲート電極層111の凹凸を緩和できるため好ましい。
【0092】
ここでは、ゲート絶縁膜102としてプラズマCVD法またはスパッタリング法により100nmの厚みの酸化珪素膜を成膜する。この段階での段面図を図5(A)に示す。
【0093】
次に、本実施の形態における第2のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを使いゲート絶縁膜102をエッチングして、配線層111_6に達するコンタクトホール125を形成する。なお、図示されていないが配線層111_6は増幅用TFT152のゲート電極層111_2と接続している。
【0094】
次に、酸化物半導体膜を形成する前のゲート絶縁膜102にプラズマ処理を行ってもよい。ここでは酸素ガスとアルゴンガスを導入して発生させたプラズマを使ってゲート絶縁膜102の表面に逆スパッタを行い、露出しているゲート絶縁膜102に酸素ラジカル又は酸素を照射する。こうして、表面に付着しているゴミや不純物を除去する。
【0095】
ゲート絶縁膜102のプラズマ処理、並びに第1酸化物半導体膜、及びバッファ層の成膜は、スパッタリング法で、チャンバーに導入するガスまたは用いるターゲットを適宣切り替えることにより大気に触れることなく連続成膜することができる。大気に触れることなく連続成膜すると、不純物の混入を防止することができる。大気に触れることなく連続成膜する場合、マルチチャンバー方式の製造装置を用いることが好ましい。
【0096】
特に、第1酸化物半導体膜に接するゲート絶縁膜102のプラズマ処理と第1酸化物半導体膜の成膜は大気に触れることなく連続で実施するのが望ましい。連続成膜することで、水蒸気などの大気成分や大気中に浮遊する不純物元素やゴミによる汚染がない積層界面を形成できるので、薄膜トランジスタの特性のバラツキを低減できる。
【0097】
なお、本明細書中で連続成膜とは、スパッタ法で行う第1の処理工程からスパッタ法で行う第2の処理工程までの一連のプロセス中、被処理基板の置かれている雰囲気が大気等の汚染雰囲気に触れることなく、常に真空中または不活性ガス雰囲気(窒素雰囲気または希ガス雰囲気)で制御されていることを言う。連続成膜を行うことにより、清浄化された被処理基板に水分等が再付着することなく成膜できる。なお、逆スパッタ処理のようなプラズマ処理も連続成膜に含むものとする。
【0098】
プラズマ処理後、ゲート絶縁膜を大気に曝すことなく第1酸化物半導体膜を連続成膜する。連続成膜は、ゲート絶縁膜102と第1酸化物半導体膜の界面にゴミや水分を付着させない点で有用である。なお、第1酸化物半導体膜の成膜は、先に逆スパッタを行ったチャンバーと同一チャンバーを用いてもよいし、大気に曝すことなく成膜できるのであれば、先に逆スパッタを行ったチャンバーと異なるチャンバーで成膜してもよい。
【0099】
ここでは、直径8インチのIn、Ga、及びZnを含む酸化物半導体ターゲット(組成比としてIn:Ga:ZnO=1:1:1)を用いて、基板とターゲットの間との距離を170mm、圧力0.4Pa、直流(DC)電源0.5kW、アルゴン又は酸素雰囲気下で成膜する。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、ごみが軽減でき、膜厚分布も均一となるために好ましい。第1酸化物半導体膜の膜厚は、5nm〜200nmとする。本実施の形態では第1酸化物半導体膜の膜厚を100nmとする。
【0100】
第1酸化物半導体膜の成膜後に大気に曝すことなく、第1酸化物半導体膜上にバッファ層を成膜する。バッファ層は第1酸化物半導体膜より高い電気伝導率を有する第2酸化物半導体膜を用いる。第2酸化物半導体膜は、第1酸化物半導体膜と異なる条件で成膜する。例えば、第2酸化物半導体膜の成膜条件における酸素ガス流量とアルゴンガス流量の比よりも、第1酸化物半導体膜の成膜条件における酸素ガス流量の占める比率が多い条件とする。具体的には、第2酸化物半導体膜の成膜条件は、希ガス(アルゴン、又はヘリウムなど)雰囲気下(または酸素ガス10%以下、アルゴンガス90%以上)とし、第1酸化物半導体膜の成膜条件は、酸素雰囲気下(又は酸素ガス流量がアルゴンガス流量以上であって、その比が1:1以上)とする。酸素を多く含む雰囲気で第1酸化物半導体膜を成膜することによって、第2酸化物半導体膜よりも導電率を低くすることができる。また、酸素を多く含む雰囲気で第1酸化物半導体膜を成膜することによって、オフ電流の低減を図ることができるため、オン・オフ比の高い薄膜トランジスタを得ることができる。
【0101】
ここでは、直径8インチのIn、Ga、及びZnを含む酸化物半導体ターゲット(In:Ga:ZnO=1:1:1)を用いて、基板とターゲットの間との距離を170mm、圧力0.4Pa、直流(DC)電源0.5kW、成膜温度を室温とし、アルゴンガス流量40sccmを導入してスパッタ成膜を行う。これにより、第2酸化物半導体膜として、In、Ga、Zn及び酸素を成分とする半導体膜が形成される。In:Ga:ZnO=1:1:1としたターゲットを意図的に用いているにも関わらず、成膜直後で大きさ1nm〜10nmの結晶粒を含む酸化物半導体膜がしばしば形成される。
【0102】
なお、ターゲットの成分比、成膜圧力(0.1Pa〜2.0Pa)、電力(250W〜3000W:8インチφ)、温度(室温〜100℃)、反応性スパッタの成膜条件などを適宜調節することで結晶粒の有無や、結晶粒の密度や、直径サイズは、1nm〜10nmの範囲で調節されうると言える。第2酸化物半導体膜の膜厚は、5nm〜20nmとする。勿論、膜中に結晶粒が含まれる場合、含まれる結晶粒のサイズが膜厚を超える大きさとならない。本実施の形態では第2酸化物半導体膜の膜厚は、5nmとする。
【0103】
次に、第3のフォトリソグラフィー工程を行い、レジストマスクを形成し、第1酸化物半導体膜および第2酸化物半導体膜をエッチングする。ここではITO07N(関東化学社製)を用いたウェットエッチングにより、不要な部分を除去して第1酸化物半導体層113およびバッファ層114を形成する。なお、ここでのエッチングは、ウェットエッチングに限定されずドライエッチングを用いてもよい。
【0104】
ドライエッチングに用いるエッチング装置としては、反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いたエッチング装置や、ECR(Electron Cyclotron Resonance)やICP(Inductively Coupled Plasma)などの高密度プラズマ源を用いたドライエッチング装置を用いることができる。また、ICPエッチング装置と比べて広い面積に渡って一様な放電が得られやすいドライエッチング装置としては、上部電極を接地させ、下部電極に13.56MHzの高周波電源を接続し、さらに下部電極に3.2MHzの低周波電源を接続したECCP(Enhanced Capacitively Coupled Plasma)モードのエッチング装置がある。このECCPモードのエッチング装置であれば、例えば基板として、第10世代の3mを超えるサイズの基板を用いる場合にも対応することができる。この段階での段面図を図5(B)に示す。
【0105】
次に、バッファ層114とゲート絶縁膜102の上に、第2導電膜105をスパッタ法や真空蒸着法で形成する。第2導電膜105の材料としては、ゲート電極層111の説明で例示したものと同じ材料を使うことができる。また、200℃〜600℃の熱処理を行う場合には、この熱処理に耐える耐熱性を導電膜に持たせることが好ましい。
【0106】
ここでは、第2導電膜105としてTi膜と、そのTi膜上に重ねてNdを含むアルミニウム(Al−Nd)膜を積層し、さらにその上にTi膜を成膜する3層構造とする。また、第2導電膜105は、2層構造としてもよく、アルミニウムを第1成分とする膜上にチタン膜を積層してもよい。また、第2導電膜105は、シリコンを含むアルミニウムを第1成分とする膜からなる単層構造や、チタン膜の単層構造としてもよい。なお、成膜の際に第2導電膜105はコンタクトホール125を介して、配線層111_6と接続する。この段階での段面図を図5(C)に示す。
【0107】
次に、第4のフォトマスクを用いて形成したレジストマスク131を使い、エッチングにより第2導電膜105の不要な部分を除去して配線及び電極(信号線、容量配線、ソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)を含む電極及び端子)を形成する(図5(D)参照)。この際のエッチング方法としてウェットエッチングまたはドライエッチングを用いる。ここでは、SiClとClとBClの混合ガスを反応ガスとしたドライエッチングによりTi膜とAl−Nd膜とTi膜を順次積層した導電膜をエッチングしてソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)を形成する。
【0108】
次に、同じレジストマスク131を用いて、バッファ層114をエッチングする。ここでは導電膜に引き続きドライエッチングにより、不要な部分を除去してバッファ層114a、114bを形成する。なお、ここでのエッチングはドライエッチングに限定されず、ウェットエッチングを用いてもよい。ウェットエッチングは例えばITO07N(関東化学社製)を用いることができる。また、エッチング条件にもよるがバッファ層114のエッチング工程において、第1酸化物半導体層113の露出領域も一部エッチングされる。よってバッファ層114a、とバッファ層114bの間に挟まれる第1酸化物半導体層113のチャネル領域は図5(D)に示すように膜厚の薄い領域となる。
【0109】
次に、レジストマスク131を除去する。なお、露出した第1酸化物半導体層113_1にプラズマ処理を行ってもよい。プラズマ処理を行うことにより、第1酸化物半導体層113のエッチングによるダメージを回復することができる。プラズマ処理はO、NO、好ましくは酸素を含むN、He、Ar雰囲気下で行うことが好ましい。また、上記雰囲気にCl、CFを加えた雰囲気下で行ってもよい。なお、プラズマ処理は、無バイアスで行うことが好ましい。
【0110】
次いで、200℃〜600℃、代表的には300℃〜500℃の熱処理を行うことが好ましい。ここでは炉に入れ、窒素雰囲気下または大気雰囲気下で350℃、1時間の熱処理を行う。この熱処理により酸化物半導体膜を構成しているIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜の原子レベルの再配列が行われる。この熱処理によりキャリアの移動を阻害する歪が解放されるため、ここでの熱処理(光アニールも含む)は重要である。なお、熱処理を行うタイミングは、第1酸化物半導体膜の成膜後であれば特に限定されず、例えば後に形成する保護層128の形成後に行ってもよい。
【0111】
以上の工程を経て第1酸化物半導体層113_1をチャネル形成領域とする選択用TFT151を形成する。なお、選択用TFT151の形成と平行して、薄膜トランジスタ(152、153)についても同様に形成する。
【0112】
次いで、薄膜トランジスタ(151、152、および153)を覆う第1層間絶縁膜109および第2層間絶縁膜121を形成する。第1層間絶縁膜109および第2層間絶縁膜121としてはスパッタリング法などを用いて得られる窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化タンタル膜を用いることができる。また、アクリル、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。シロキサン系樹脂は、置換基としては有機基(例えばアルキル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有していても良い。また、シロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。なお、透光性を有する基板の一方の側から入射した光が基板を透過し、他方の側に形成されたエリアセンサにより検知される構成である場合、透光性を有する第1層間絶縁膜109および第2層間絶縁膜121を用いる必要がある。
【0113】
成膜方法は特に限定されず、その材料に応じて、スパッタリング法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。
【0114】
第1層間絶縁膜109および第2層間絶縁膜121はこれらの材料を複数積層して用いてもよい。なお、第2層間絶縁膜121は形成しなくても良く、第1層間絶縁膜109上に直接フォトダイオード250を形成しても良い。
【0115】
次に、第5のフォトマスクを用いて第1層間絶縁膜109および第2層間絶縁膜121にコンタクトホール126を形成する。また、第1層間絶縁膜109または第2層間絶縁膜121をベークする工程で、酸化物半導体層のアニール(300℃〜400℃)を兼ねることで効率よくエリアセンサを作製できる。この段階での段面図を図6(A)に示す。
【0116】
次いで、ゲート電極層111と同様の材料を用いて第3導電膜を成膜し、第6のフォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、エッチングにより第3導電膜の不要な部分を除去してフォトダイオードの下部電極層129と配線層127を形成する。ここでは第3導電膜としてチタンを単層で形成し、BClとClの混合ガスを用いてドライエッチングを行う。ここで形成されたテーパー形状のテーパー角は30°前後となるように形成する。なお、レジストにハードベークを施すことで、テーパー角を小さくすることができる。
【0117】
次に、保護層128を形成する。保護層128は下部電極層129の端部を覆い、光電変換層として機能する半導体層と下部電極層129の端部が接して、当該部分に電界が集中するのを防止する。ここでは第7のフォトマスクと感光性のポリイミドを用い、テーパー角の小さい、光の透過率が高い保護層128を形成する。この段階での段面図を図6(B)に示す。
【0118】
次に、第1半導体膜、第2半導体膜、第3半導体膜を順次積層する。ここでは、第1半導体膜はp型半導体層であり、p型を付与する不純物元素を含むアモルファスシリコン膜により形成する。第1半導体膜の形成には13族の不純物元素(例えばボロン(B))を含む半導体材料ガスを用いて、プラズマCVD法により形成する。半導体材料ガスとしてはシラン(SiH)を用いればよい。または、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiF等を用いてもよい。また、不純物元素を含まないアモルファスシリコン膜を形成した後に、拡散法やイオン注入法を用いて該アモルファスシリコン膜に不純物元素を導入してもよい。イオン注入法等により不純物元素を導入した後に加熱等を行うことで、不純物元素を拡散させるとよい。この場合にアモルファスシリコン膜を形成する方法としては、LPCVD法、気相成長法、又はスパッタリング法等を用いればよい。第1半導体膜の膜厚は10nm以上50nm以下となるよう形成することが好ましい。
【0119】
第2半導体膜は、i型半導体層(真性半導体層)であり、アモルファスシリコン膜により形成する。第2半導体膜の形成には、半導体材料ガスを用いて、アモルファスシリコン膜をプラズマCVD法により形成する。半導体材料ガスとしては、シラン(SiH)を用いればよい。または、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiF等を用いてもよい。第2半導体膜の形成は、LPCVD法、気相成長法、スパッタリング法等により行っても良い。第2半導体膜の膜厚は200nm以上1000nm以下となるように形成することが好ましい。
【0120】
第3半導体膜は、n型半導体層であり、n型を付与する不純物元素を含むアモルファスシリコン膜により形成する。第3半導体膜の形成には、15族の不純物元素(例えばリン(P))を含む半導体材料ガスを用いて、プラズマCVD法により形成する。半導体材料ガスとしてはシラン(SiH)を用いればよい。または、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiF等を用いてもよい。また、不純物元素を含まないアモルファスシリコン膜を形成した後に、拡散法やイオン注入法を用いて該アモルファスシリコン膜に不純物元素を導入してもよい。イオン注入法等により不純物元素を導入した後に加熱等を行うことで、不純物元素を拡散させるとよい。この場合にアモルファスシリコン膜を形成する方法としては、LPCVD法、気相成長法、又はスパッタリング法等を用いればよい。第3半導体膜の膜厚は20nm以上200nm以下となるよう形成することが好ましい。
【0121】
また、第1半導体膜、第2半導体膜、及び第3半導体膜は、アモルファス半導体ではなく、多結晶半導体を用いて形成してもよいし、セミアモルファス半導体(Semi Amorphous Semiconductor。以下、SASという。)を用いて形成してもよい。
【0122】
なお、SASとは、非晶質半導体と結晶構造を有する半導体(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体である。SASは、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち、格子歪みを有する結晶質であり、その粒径を0.5〜20nmとして非単結晶半導体膜中に分散させて存在せしめることが可能である。SASは、ラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしており、また、X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端させるために、水素又はハロゲンを少なくとも1原子%以上含ませている。本明細書では便宜上、このような半導体をSASと呼ぶ。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオン等の希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な特性を有することができる。なお微結晶半導体(マイクロクリスタル半導体)もSASに含まれる。SASはシリコンを含む気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的なシリコンを含む気体としては、シラン(SiH)であり、その他にもSi、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiF等を用いることができる。また水素や、水素にヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた少なくとも一種の希ガス元素を含ませたガスにより、これらのシリコンを含む気体を希釈して用いることで、SASの形成を容易なものとすることができる。シリコンを含む気体は、希釈率が2倍〜1000倍になるように希釈されることが好ましい。さらには、シリコンを含む気体中に、CH、C等の炭化物気体、GeH、GeF等のゲルマニウム化気体、F等を混入させることで、エネルギーバンド幅を1.5〜2.4eV、又は0.9〜1.1eVに調節することができる。
【0123】
次に、第8のフォトリソグラフィー工程を行い、レジストマスクを形成し、エッチングにより、第1半導体膜、第2半導体膜、および第3半導体膜の不要な部分を除去して、第1半導体層250a、第2半導体層250b、第3半導体層250cを形成する。なお、ここではCFとClの混合ガス、CFとOの混合ガス、CHFとHeの混合ガス等を用いてドライエッチングを行い、テーパー部にエッチング残渣が残らないようにする。
【0124】
次に、第3層間絶縁膜221を形成する。第3層間絶縁膜221は絶縁性を有する材料であればよく、特定の材料や形成方法に限定されず、例えば第1層間絶縁膜109および第2層間絶縁膜121に用いる材料により形成すればよい。形成に用いる材料としては酸化珪素系材料、窒化珪素系材料、シロキサン樹脂等が挙げられる。ここでは第9のフォトマスクと感光性ポリイミド樹脂を用いて、第3層間絶縁膜221を形成する。第3層間絶縁膜221は下部電極層129に達するコンタクトホール233と、第3半導体層250cに達するコンタクトホール232と、配線層127に達するコンタクトホール231を有する。この段階での段面図を図6(C)に示す。
【0125】
次いで、ゲート電極層111と同様の材料を用いて第4導電膜を成膜し、第10のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを使い、第4導電膜の不要な部分をエッチングにより除去してフォトダイオードの上部電極層227と、配線層228を形成する。上部電極層227はコンタクトホール232を介して第3半導体層250cと接続し、コンタクトホール232を介して配線層127に接続している。また、配線層228はコンタクトホール233を介して下部電極層129と接続し、図示されていないが共通配線に接続している。ここでは、第4導電膜としてアルミニウムを主成分とする膜とチタン膜をスパッタリング法により積層して成膜する。この段階での段面図を図6(D)に示す。
【0126】
なお、大型の基板に多数個のエリアセンサを形成した場合は、分断装置をもちいて基板を分断してエリアセンサを切り離す。また、大型の基板に多数個のラインセンサまたはフォトセンサを形成した場合も同様にして切り離して用いる。
【0127】
こうして、光電変換素子としてpin型のフォトダイオードを有し、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路を有するエリアセンサを作製できる。
【0128】
なお、上述の透光性を有する基板の一方の側から入射した光が基板を透過し、他方の側に形成されたエリアセンサにより検知される構成とは異なり、基板上に形成されたエリアセンサに光が直接達する構成も本発明の一態様に含まれる。具体的には、透光性を有する導電膜を第4導電膜に用いて、透光性を有する上部電極層227を形成すれば、第3の半導体層250c側を受光面としてエリアセンサを形成できる。なお、基板を透過して第1の半導体層250aに入射する光は外乱光となるため、遮光性を有する導電膜を用いて第2層間絶縁膜121と第1の半導体層の間に下部電極層129を延在して設けるとよい。
【0129】
本実施の形態で例示した特性にバラツキが少なく、電界効果移動度が高いインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路は、特性にバラツキが少なく占有面積が小さい。そのような増幅回路をフォトダイオードの増幅回路に用いたエリアセンサは、フォトダイオードがとらえる光の強度分布を再現よく電気信号に変換して取り出すことができる。また、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタを大面積基板にマトリクス状に配置することは容易であるため、大型のエリアセンサを提供できる。
【0130】
(実施の形態3)
本実施の形態は、実施の形態2とは異なるエリアセンサの一態様を、図7を参照してその作製工程を説明する。本実施の形態のエリアセンサは、基板上に形成されたエリアセンサに光が直接達する構成を有する。
【0131】
実施の形態2で説明した方法で、4枚のフォトマスクを用いて基板上にインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路と、第1層間絶縁膜109および第2層間絶縁膜121を形成する。この段階での段面図を図7(A)に示す。なお、基板上に形成されたエリアセンサに光が直接達する構成の場合、基板100、ゲート絶縁膜102、第1層間絶縁膜109、乃至第2層間絶縁膜121は必ずしも透光性を有していなくても良い。また、第2層間絶縁膜121は形成しなくても良く、第1層間絶縁膜109上に直接フォトダイオード251を形成しても良い。
【0132】
次に、本実施の形態における第5のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを使って、第1層間絶縁膜および第2層間絶縁膜にリセット用TFT153のソース電極層115b_3に達するコンタクトホール126を形成する。
【0133】
次いで、実施の形態2で説明したゲート電極層111と同様の材料を用いて第3導電膜を成膜し、本実施の形態の第6のフォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、エッチングにより第3導電膜の不要な部分を除去してフォトダイオードの下部電極層129を形成する。また、下部電極層129はコンタクトホール126を介して増幅回路と接続している。ここでは第3導電膜としてチタンを単層で形成し、BClとClの混合ガスを用いてドライエッチングを行う。この段階での段面図を図7(B)に示す。
【0134】
次に、第1半導体膜、第2半導体膜、第3半導体膜を順次積層する。本実施の形態では第1半導体膜は、n型半導体層であり、n型を付与する不純物元素を含むアモルファスシリコン膜により形成する。第1半導体膜の形成には、15族の不純物元素(例えばリン(P))を含む半導体材料ガスを用いて、プラズマCVD法により形成する。半導体材料ガスとしてはシラン(SiH)を用いればよい。または、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiF等を用いてもよい。また、不純物元素を含まないアモルファスシリコン膜を形成した後に、拡散法やイオン注入法を用いて該アモルファスシリコン膜に不純物元素を導入してもよい。イオン注入法等により不純物元素を導入した後に加熱等を行うことで、不純物元素を拡散させるとよい。この場合にアモルファスシリコン膜を形成する方法としては、LPCVD法、気相成長法、又はスパッタリング法等を用いればよい。第1半導体膜の膜厚は20nm以上200nm以下となるよう形成することが好ましい。
【0135】
第2半導体膜は、i型半導体層(真性半導体層)であり、アモルファスシリコン膜により形成する。第2半導体膜の形成には、半導体材料ガスを用いて、アモルファスシリコン膜をプラズマCVD法により形成する。半導体材料ガスとしては、シラン(SiH)を用いればよい。または、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiF等を用いてもよい。第2半導体膜の形成は、LPCVD法、気相成長法、スパッタリング法等により行っても良い。第2半導体膜の膜厚は200nm以上1000nm以下となるように形成することが好ましい。
【0136】
第3半導体膜はp型半導体層であり、p型を付与する不純物元素を含むアモルファスシリコン膜により形成する。第3半導体膜の形成には13族の不純物元素(例えばボロン(B))を含む半導体材料ガスを用いて、プラズマCVD法により形成する。半導体材料ガスとしてはシラン(SiH)を用いればよい。または、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiF等を用いてもよい。また、不純物元素を含まないアモルファスシリコン膜を形成した後に、拡散法やイオン注入法を用いて該アモルファスシリコン膜に不純物元素を導入してもよい。イオン注入法等により不純物元素を導入した後に加熱等を行うことで、不純物元素を拡散させるとよい。この場合にアモルファスシリコン膜を形成する方法としては、LPCVD法、気相成長法、又はスパッタリング法等を用いればよい。第3半導体膜の膜厚は10nm以上50nm以下となるよう形成することが好ましい。
【0137】
また、実施の形態2の説明と同様、第1半導体膜、第2半導体膜、及び第3半導体膜はアモルファス半導体ではなく、多結晶半導体を用いて形成してもよいし、セミアモルファス半導体(Semi Amorphous Semiconductor。以下、SASという。)を用いて形成してもよい。
【0138】
次に、第7のフォトリソグラフィー工程を行い、レジストマスクを形成し、エッチングにより、第1半導体膜、第2半導体膜、および第3半導体膜の不要な部分を除去して、第1半導体層251a、第2半導体層251b、第3半導体層251cを形成する。なお、ここではCFとClの混合ガス、CFとOの混合ガス、CHFとHeの混合ガス等を用いてドライエッチングを行い、テーパー部にエッチング残渣が残らないようにする。
【0139】
次に、第3層間絶縁膜221を形成する。第3層間絶縁膜221は絶縁性を有する材料であればよく、ここでは第8のフォトマスクと感光性ポリイミド樹脂を用いて、実施の形態2と同様に形成する。第3層間絶縁膜221は第3半導体層251cに達するコンタクトホール225を有する。この段階での段面図を図7(C)に示す。
【0140】
次いで、第3半導体層251c上と第3層間絶縁膜221上に透光性のある第4導電膜を成膜する。透光性のある第4導電膜としては、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などをその例に挙げることができる。
【0141】
第9のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを使い、第4導電膜の不要な部分をエッチングにより除去してフォトダイオードの上部電極層227を形成する。なお、上部電極層227は共通配線と接続する。この段階での段面図を図7(D)に示す。
【0142】
ここでは、第1半導体層251aとしてn型の導電型を有する非晶質シリコン層と、第2半導体層251bとして高抵抗な非晶質シリコン層と、第3半導体層251cとしてp型の導電型を有する非晶質シリコン層を積層するnip型のフォトダイオードを例示している。また、光電効果で発生した正孔の移動度は電子の移動度に比べて小さいため、nip型のフォトダイオードはp型の半導体層側を受光面とする方がよい特性を示す。ここでは、増幅回路とnip型のフォトダイオードが形成されている基板の面からフォトダイオード251が受ける光を電気信号に変換する。また、受光面とした半導体層側とは逆の導電型を有する半導体層側からの光は外乱光となるため、電極層は遮光性を有する導電膜を用いるとよい。また、n型の半導体層側を受光面として用いることもできる。
【0143】
こうして、光電変換素子としてnip型のフォトダイオードを有し、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路を有するエリアセンサが得られる。
【0144】
本実施の形態のエリアセンサが有するフォトダイオード251は上部電極層227側を受光面とする。上部電極層227の上には層間絶縁膜などが積層されていないため、積層界面における入射光の散乱が少なく、光の強度が損なわれることがない。従って、フォトダイオード251は良好な感度を示す。
【0145】
上述の実施の形態では、基板上に形成されたエリアセンサに光が基板を透過することなく直接入射する構成を説明したが、透光性を有する基板の一方の側から入射した光が、基板を透過して、他方の側に形成されたエリアセンサに入射する構成も本発明の一態様に含まれる。例えば、透光性を有する導電膜を第3導電膜に用いて透光性を有する下部電極層129を形成すれば、第1の半導体層251a側を受光面とするエリアセンサを形成できる。なお、基板を透過せずに第3の半導体層251cに直接入射する光は外乱光になる。そこで、遮光性を有する導電膜を用いて上部電極層227を形成し、第3の半導体層251cに入射する外乱光を遮光する。
【0146】
特性にバラツキが少なく、電界効果移動度が高いインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路は特性にバラツキが少なく占有面積が小さい。そのような増幅回路をフォトダイオードの増幅回路に用いたエリアセンサは、フォトダイオードがとらえる光の強度分布を再現よく電気信号に変換して取り出すことができる。また、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタを大面積基板にマトリクス状に配置することは容易であるため、大型のエリアセンサを提供できる。
【0147】
(実施の形態4)
【0148】
本実施の形態は、マトリクス状に配置された画素毎に光電変換素子と表示素子と、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体に代表される酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路と表示素子の駆動回路を設けた、アクティブマトリクス型のエリアセンサ付き表示装置の一態様を、図8乃至図10を参照して説明する。なお、本実施の形態では、フルカラー画像の表示と取り込みが可能な構成を例示する。
【0149】
本実施の形態のエリアセンサ付き表示装置は、マトリクス状に配置した表示素子を用いた表示装置として利用できる。また、マトリクス状に配置した表示素子を被写体の照明装置としても利用できる。例えば、エリアセンサ付き表示装置を被写体に密着し、表示素子が照明装置となって被写体を照明し、当該被写体の反射光をエリアセンサが電気信号に変換することによって、当該エリアセンサ付き表示装置は密着型エリアセンサとして利用できる。なお、ここでは表示素子としてエレクトロルミネッセンスを利用する有機発光素子を適用した例を示すが、表示素子は有機発光素子のような自発光型にかぎらず例えば液晶素子のバックライトを被写体の照明装置として用いてもよい。
【0150】
なお、有機発光素子は電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0151】
図8はエリアセンサ付き表示部21を構成する、ソース信号線S1〜Sx、電源供給線V1〜Vx、ゲート信号線G1〜Gy、リセット用ゲート信号線RG1〜RGy、センサ用ゲート信号線SG1〜SGy、センサ出力配線SS1〜SSx、センサ用電源線VBと複数の画素22の接続を説明する図である。
【0152】
エリアセンサ付き表示部21は複数の画素22がマトリクス状に配列して構成されている。画素22は、ソース信号線S1〜Sxのいずれか一つと、電源供給線V1〜Vxのいずれか一つと、ゲート信号線G1〜Gyのいずれか一つと、リセット用ゲート信号線RG1〜RGyのいずれか1つと、センサ用ゲート信号線SG1〜SGyのいずれか1つと、センサ出力配線SS1〜SSxのいずれか1つと、センサ用電源線VBと接続されている。
【0153】
センサ出力配線SS1〜SSxはそれぞれ定電流電源13_1〜13_xに接続されている。
【0154】
また、本実施の形態で例示するフルカラー画像の取り込みが可能なエリアセンサの場合、エリアセンサ付き表示部21はR(赤)G(緑)B(青)の各色に対応した画素を有している。RGBの各色に対応した画素は、それぞれRGBの各色に対応した三種類の表示素子と光電変換素子を有している。RGBの各色に対応した表示素子としては、RGBの各色に発光する三種類の有機発光素子や、白色発光の有機発光素子とRGBの三種類のカラーフィルターを組み合わせたもの、または青色又は青緑発光の有機発光素子と蛍光体(蛍光性の色変換層:CCM)とを有しているものをその例に挙げることができる。また、カラーフィルターを搭載した液晶素子を用いてもよい。
【0155】
RGBの各色に対応した光電変換素子としては、RGBの三種類のカラーフィルターとフォトダイオードを組み合わせたものを用いることができる。ここでは、マトリクス状にフォトダイオードが形成された基板に、マトリクス状にカラーフィルターが形成された対向基板を、位置あわせして貼り合わせ、カラーフィルター付きのフォトダイオードを形成する。カラーフィルターは、フォトダイオードにカラーフィルターを通して光が入射するように配置すれば良い。
【0156】
また、本実施の形態で例示する画素部には、RGBのいずれかの色で発光する発光素子がマトリクス状に配置されている。そして、同じ発光色の発光素子毎に発光して被写体を照明し、被写体が反射する光を同じく画素に配置されたフォトダイオードが検知する。
【0157】
図9は画素部の光電変換素子と、有機発光素子と、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路と表示素子の駆動回路の接続の一例を示す。ソース信号線Sは、ソース信号線S1〜Sxのいずれか一つを意味する。また電源供給線Vは電源供給線V1〜Vxのいずれか一つを意味する。またゲート信号線Gは、ゲート信号線G1〜Gyのいずれか一つを意味する。またリセット用ゲート信号線RGはリセット用ゲート信号線RG1〜RGyのいずれか1つを意味する。またセンサ用ゲート信号線SGはセンサ用ゲート信号線SG1〜SGyのいずれか1つを意味する。またセンサ出力配線SSはセンサ出力配線SS1〜SSxのいずれか1つを意味する。さらに画素22は、EL駆動用TFT154、スイッチング用TFT155、有機発光素子156を有している。また、フォトダイオードの選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153、フォトダイオード252を有している。なお図9では画素22にコンデンサ157が設けられているが、コンデンサ157を設けなくとも良い。
【0158】
有機発光素子156は陽極と陰極と、陽極と陰極との間に設けられた発光材料を含む層416とからなる。ここでは、有機発光素子156の陽極(画素電極)をEL駆動用TFT154のソース領域と接続し、有機発光素子156の陰極を共通電極と接続する。
【0159】
スイッチング用TFT155のゲート電極はゲート信号線Gに接続されている。そしてスイッチング用TFT155のソース電極とドレイン電極の一方がソース信号線Sに、もう一方がEL駆動用TFT154のゲート電極に接続されている。
【0160】
EL駆動用TFT154のソース電極とドレイン電極の一方が電源供給線Vに、もう一方が有機発光素子156に接続されている。コンデンサ157はEL駆動用TFT154のゲート電極と電源供給線Vとに接続して設けられている。
【0161】
フォトダイオードと増幅回路に関わる、選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153、フォトダイオード252、ゲート信号線RG、センサ用ゲート信号線SG、センサ用電源線VB、およびセンサ出力配線SSは実施の形態1と同様に接続する。センサ出力配線SSは定電流電源13(定電流電源13_1〜13_xのいずれか1つ)に接続されており、常に一定の電流が流れている。
【0162】
まず、本実施の形態のエリアセンサつき表示装置にビデオ信号を入力し、有機発光素子をビデオ信号で制御して表示装置として駆動する方法について説明する。
【0163】
ここでは有機発光素子156の陰極を接続する共通配線は、低電源電位が設定されている。低電源電位とは、電源供給線Vに設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を有機発光素子156に印加して、有機発光素子156に電流を流して有機発光素子156を発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が有機発光素子156の順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。
【0164】
ここで、電圧入力電圧駆動方式の場合には、EL駆動用TFT154のゲートには、EL駆動用TFT154が十分にオンするか、オフするかの二つの状態となるようなビデオ信号を入力する。つまり、EL駆動用TFT154は線形領域で動作させる。EL駆動用TFT154は線形領域で動作させるため、電源供給線Vの電圧よりも高い電圧をEL駆動用TFT154のゲートにかける。なお、ソース信号線Sには、(電源線電圧+EL駆動用TFT154のVth)以上の電圧をかける。
【0165】
また、デジタル時間階調駆動に代えて、アナログ階調駆動を行う場合、信号の入力を異ならせることで、図8と同じ画素構成を用いることができる。
【0166】
アナログ階調駆動を行う場合、EL駆動用TFT154のゲートに有機発光素子156の順方向電圧+EL駆動用TFT154のVth以上の電圧をかける。有機発光素子156の順方向電圧とは、所望の輝度とする場合の電圧を指しており、少なくとも順方向しきい値電圧を含む。なお、EL駆動用TFT154が飽和領域で動作するようなビデオ信号を入力することで、有機発光素子156に電流を流すことができる。EL駆動用TFT154を飽和領域で動作させるため、電源供給線Vの電位は、EL駆動用TFT154のゲート電位よりも高くする。ビデオ信号をアナログとすることで、有機発光素子156にビデオ信号に応じた電流を流し、アナログ階調駆動を行うことができる。
【0167】
なお、図9に示す画素構成は、これに限定されない。例えば、図9に示す画素に新たにスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ又は論理回路などを追加してもよい。
【0168】
次に、エリアセンサの被写体を照らす照明として、表示素子を用いる方法について説明する。なお、ここでは、画素22に接続した有機発光素子156をフォトダイオード252のサンプリング期間において発光させる場合について説明する。具体的には、1ライン目の画素が有する有機発光素子を、サンプリング期間ST1の間発光させる場合について説明する。なお全ての画素がセンサフレーム期間SFの間、常に発光していても良い。
【0169】
表示素子を表示装置として駆動するにせよ、被写体を照らす照明として駆動するにせよ、マトリクス状に配置した表示素子から均一な強度の光が放出される方が好ましい。光の強度にムラがあれば、表示ムラや読み取りムラを生じてしまい、高品位の表示もしくは画像の読み取りが困難になる。本実施の形態が例示する発光素子の場合、EL駆動用TFT154のI−VGS特性の再現性は重要であり、特性にバラツキがあると、マトリクス状に配置した有機発光素子156から均一な発光を得ることができない。
【0170】
次に、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いたnチャネル型薄膜トランジスタを選択用TFT151、増幅用TFT152、およびリセット用TFT153に用いたエリアセンサが、カラー画像を読み込む動作を図10のタイミングチャートを用いて説明する。
【0171】
はじめに、Rに対応する画素の有機発光素子が発光している期間内に、サンプル期間ST1〜STyの全てが出現する。このRに対応する画素の有機発光素子が発光している期間内において、サンプリング期間ST1〜STyの全てが出現するまでの期間をR用センサフレーム期間SFrと呼ぶ。R用センサフレーム期間SFrにおいてRに対応する画像信号がエリアセンサ内に取り込まれる。なおR用センサフレーム期間SFrにおいて、G、Bに対応する画素は発光を行わない。すなわち、R用センサフレーム期間SFrにおいて、被写体は照射されたR光の一部を反射し、フォトセンサがその反射光を捉える。
【0172】
次に、Gに対応する画素の有機発光素子が発光している期間内に、サンプル期間ST1〜STyの全てが出現する。このGに対応する画素の有機発光素子が発光している期間内において、サンプリング期間ST1〜STyの全てが出現するまでの期間をG用センサフレーム期間SFgと呼ぶ。G用センサフレーム期間SFgにおいてGに対応する画像信号がエリアセンサ内に取り込まれる。なおG用センサフレーム期間SFgにおいて、R、Bに対応する画素は発光を行わない。すなわち、G用センサフレーム期間SFgにおいて、被写体は照射されたG光の一部を反射し、フォトセンサがその反射光を捉える。
【0173】
次に、Bに対応する画素の有機発光素子が発光している期間内に、サンプル期間ST1〜STyの全てが出現する。このBに対応する画素の有機発光素子が発光している期間内において、サンプリング期間ST1〜STyの全てが出現するまでの期間をB用センサフレーム期間SFbと呼ぶ。B用センサフレーム期間SFbにおいてBに対応する画像信号がエリアセンサ内に取り込まれる。B用センサフレーム期間SFbにおいて、R、Gに対応する画素は発光を行わない。すなわち、B用センサフレーム期間SFbにおいて、被写体は照射されたB光の一部を反射し、フォトセンサがその反射光を捉える。
【0174】
R用センサフレーム期間SFrと、G用センサフレーム期間SFgと、B用センサフレーム期間SFbの全てが出現するまでの期間がセンサフレーム期間SFである。エリアセンサは、センサフレーム期間SFを経て1つのカラー画像を画像信号として読み込む。
【0175】
また各サンプリング期間において、各色に対応する画素の有機発光素子を常に発光させておく。例えばB用センサフレーム期間内のサンプリング期間ST1においては、1ライン目の画素のうちBに対応する画素の有機発光素子は常に発光していることが重要である。またR用、G用、B用センサフレーム期間(SFr、SFg、SFb)のそれぞれにおいて、各色に対応する画素を常に発光させておく。
【0176】
フォトダイオード252が電気信号に変換した被写体からの反射光の強度は、実施の形態1と同様に、リセット用TFT153がオフ、選択用TFT151がオンの状態において、増幅用TFT152のゲート電位に反映される。増幅用TFT152がそのゲート電位をソース領域の電位に反映する。その結果、フォトダイオード252がとらえた光の強度がセンサ出力配線SS1に出力される。したがって、フォトダイオードの増幅に用いるトランジスタには、特性の再現性が求められる。本実施の形態が例示する増幅回路の場合、増幅用TFT152のI−VGS特性の再現性が重要であり、特性にバラツキがあるとマトリクス状に配置したフォトダイオード252が捉えた光の強度分布を正しく出力配線に出力することが困難になる。
【0177】
上述の方法によれば、フォトダイオード252は、被写体が反射するR光、G光、及びB光の強度分布を、各センサフレーム期間に分けて捉えることができる。すなわち、発光素子の発光色を用いて、被写体像を色分解できる。このように、RGBの発光素子を発光色毎に分けて被写体を照明すれば、RGBに対応する三種類のフォトダイオードを用意する必要は必ずしもなくなり、フォトダイオードの受光面にカラーフィルターを形成する工程を省略できる。
【0178】
図11はエリアセンサ付き表示装置の一例を示す断面図である。具体的には、フォトダイオードと、有機発光素子と、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路と、表示素子の駆動回路の断面図である。図11を参照してエリアセンサの一構成例を説明する。なお、ここでは実施の形態1とは異なる構造を有するインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタを例示する。
【0179】
まず、選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153、EL駆動用TFT154、及びスイッチング用TFT155の構成について説明する。選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153、EL駆動用TFT154、及びスイッチング用TFT155は主要部において同じ構成を有しているため、以下選択用TFT151を中心に説明する。
【0180】
選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153、EL駆動用TFT154、及びスイッチング用TFT155はそれぞれ、リセット用ゲート信号線RG、センサ用ゲート信号線SG、ゲート信号線Gと同じ層で形成されるゲート電極層111_1、ゲート電極層111_2、ゲート電極層111_3、ゲート電極層111_4、およびゲート電極層111_5を有している。ゲート電極層111_1、ゲート電極層111_2、ゲート電極層111_3、ゲート電極層111_4、およびゲート電極層111_5は、基板100上に形成され、ゲート電極層111_1、ゲート電極層111_2、ゲート電極層111_3、ゲート電極層111_4、およびゲート電極層111_5上にはゲート絶縁膜102が形成されている。
【0181】
センサ出力配線SS、センサ用電源線VB、ソース信号線Sおよび電源供給線Vと同じ層で形成されるソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)がゲート絶縁膜102上にゲート電極層111_1上に端部を重畳して形成されている。
【0182】
また、リセット用TFT153のソース電極層115b_3は、ゲート絶縁膜102に設けたコンタクトホール125を介して配線層111_6と直接接続している。接続箇所を減らすことで、電気抵抗の増加をもたらす接続界面の数だけでなく、コンタクトホールが占有する面積を減らしている。なお、図示されていないが配線層111_6は増幅用TFT152のゲート電極層111_2と接続している。
【0183】
第1酸化物半導体層113_1は、相対するソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)の上にゲート電極層111_1に重畳して設けられている。すなわち第1酸化物半導体層113_1は、ゲート電極層111_1と重畳し、ゲート絶縁膜102の上面部とバッファ層114a_1および114b_1の上面部と、ソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)の側面部に接するように設けられている。
【0184】
第1酸化物半導体層は実施の形態1で説明したIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜からなる。また、バッファ層(114a_1および114b_1)も実施の形態1で説明した第2酸化物半導体層と同様のものを用いる。バッファ層はソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)と第1酸化物半導体層113_1に接してその間に設けられ、第1酸化物半導体層113_1よりも高い電気伝導率を有している。それゆえ、選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153、EL駆動用TFT154、及びスイッチング用TFT155においてバッファ層は、ソース領域及びドレイン領域として機能する。このような接合構造を選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153、EL駆動用TFT154、及びスイッチング用TFT155に設けることにより、熱的安定性が増し、安定動作をさせることが可能となる。それにより増幅回路の機能を高め動作の安定化を図ることができる。また、接合リークが低減し、選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153、EL駆動用TFT154、及びスイッチング用TFT155の特性を向上させることができる。
【0185】
選択用TFT151のソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)と第1酸化物半導体層113_1の上には、第1酸化物半導体層113_1側から順に第1層間絶縁膜109と第2層間絶縁膜121が設けられている。増幅用TFT152、およびリセット用TFT153についても選択用TFT151と同様に第1層間絶縁膜109と第2層間絶縁膜121が設けられている。
【0186】
第1層間絶縁膜109および第2層間絶縁膜121にはコンタクトホール126、136が形成されている。コンタクトホール126を介してフォトダイオードの下部電極層129が増幅回路とフォトダイオード252を接続しており、コンタクトホール136を介して有機発光素子の画素電極層139がEL駆動素子と有機発光素子156を接続している。
【0187】
第2層間絶縁膜121上には光電変換素子として、フォトダイオード252が実施の形態3と同様に形成されている。フォトダイオード252は、第2層間絶縁膜121上に第3導電層で形成した下部電極層129と第4導電層で形成した上部電極層237の間に、第2層間絶縁膜121側から順に第1半導体層252a、第2半導体層252b、及び第3半導体層252cを積層した構造を有している。
【0188】
フォトダイオード252の下部電極層129はコンタクトホール126を介してリセット用TFT153のソース電極層115b_3と、さらにコンタクトホール125を介して、配線層111_6に接続している。図示されていないが配線層111_6は増幅用TFT152のゲート電極層111_2と接続している。
【0189】
第2層間絶縁膜121とフォトダイオード252上には第3層間絶縁膜221が形成されている。第3層間絶縁膜221にはコンタクトホール225が形成され、コンタクトホール225を介して第3半導体層252cと上部電極層237が接続され、上部電極層237は共通配線と接続する。
【0190】
ここでは、第1半導体層252aとしてn型の導電型を有する非晶質シリコン層と、第2半導体層252bとして高抵抗な非晶質シリコン層と、第3半導体層252cとしてp型の導電型を有する非晶質シリコン層を積層するnip型のフォトダイオードを例示している。また、光電効果で発生した正孔の移動度は電子の移動度に比べて小さいため、nip型のフォトダイオードはp型の半導体層側を受光面とする方がよい特性を示す。ここでは、基板の増幅回路とnip型のフォトダイオードが形成されている側からフォトダイオード252が受ける光を電気信号に変換する。また、受光面とした半導体層側とは逆の導電型を有する半導体層側からの光は外乱光となるため、下部電極層129は遮光性を有する導電膜を用いるとよい。
【0191】
また、第1半導体層252aとしてp型の導電型を有する非晶質シリコン層と、第2半導体層252bとして高抵抗な非晶質シリコン層と、第3半導体層252cとしてn型の導電型を有する非晶質シリコン層を積層するpin型のフォトダイオードを用いる場合は、実施の形態1のようにフォトダイオード252の下部電極層129は共通配線と接続され、フォトダイオード252の上部電極層237はリセット用TFT153のソース電極層115b_3と、さらにコンタクトホール125を介して、配線層111_6に接続されている。
【0192】
また、第2層間絶縁膜121上には表示素子の画素電極層139が形成されている。本実施の形態では表示素子として有機発光素子156を用いる例を説明する。
【0193】
画素電極層139の端部と、第2層間絶縁膜121とフォトダイオード252上には第3層間絶縁膜221が形成されている。有機発光素子の画素電極層139の端部を覆う第3層間絶縁膜222はバンクと呼ばれ、隣り合う有機発光素子同士の発光材料を含む層416を区切っている。なお、本実施の形態ではフォトダイオード252を覆う第3層間絶縁膜221と同じ材料でバンクを形成する例を説明するが、第3層間絶縁膜221とは異なる材料で形成することもできるし、第3層間絶縁膜221上に画素電極層139を形成し、その上に表示素子を形成してもよい。
【0194】
有機発光素子156は、第2層間絶縁膜121上に第3導電層で形成した画素電極層139と第4導電層で形成した上部電極層237の間に、発光材料を含む層416を挟んだ構造を有している。
【0195】
有機発光素子156の画素電極層139はコンタクトホール136を介してEL駆動用TFT154のソース電極層115a_4と接続されている。また、本実施の形態では、フォトダイオードの上部電極層237が有機発光素子156の上部電極を兼ねており、共通配線に接続されている。透光性を有する基板にカラーフィルター271をマトリクス状に形成した対向基板270は、カラーフィルター271が対応するフォトダイオード252の位置に重畳するように貼り合わされている。
【0196】
こうして、光電変換素子としてnip型フォトダイオードを有し、表示素子として有機発光素子を有し、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体に代表される酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路と、表示素子の駆動回路を有するエリアセンサ付き表示装置を構成する。本実施の形態で例示したエリアセンサ付き表示装置は画像を表示するだけでなく、画像情報を電気信号に変換して出力できる。
【0197】
上述の実施の形態では、基板100の上に形成されたエリアセンサ付き表示装置の発光素子が対向基板270側の被写体を照明し、被写体の反射光を対向基板270を介してエリアセンサが検知する構成を説明した。また、透光性を有する基板100の一方の側に形成されたエリアセンサ付き表示装置の発光素子が他方の側の被写体を照明し、被写体の反射光を基板100を介してエリアセンサが検知する構成も本発明の一態様に含まれる。
【0198】
例えば、透光性を有する導電膜を第3導電膜に用いて透光性を有する下部電極層129を形成すれば、第1の半導体層251a側を受光面とするエリアセンサを形成できる。また、選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153、EL駆動用TFT154、乃至スイッチング用TFT155のゲート電極、ソース電極、乃至ドレイン電極を透光性を有する導電膜を用いて形成すれば、開口率を損なうことなく前述のTFTに重ねてエリアセンサ及び発光素子を形成することができる。
【0199】
なお、基板を透過せずに第3の半導体層251cに直接入射する光は外乱光になる。そこで、遮光性を有する導電膜を用いて上部電極層237を形成し、第3の半導体層251cに入射する外乱光を遮光すればよい。
【0200】
特性にバラツキが少なく、電界効果移動度が高いインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路および表示素子の駆動回路は特性にバラツキが少なく占有面積が小さい。
【0201】
本実施の形態で例示した増幅回路と表示素子の駆動回路をフォトダイオードおよび表示素子と共に各画素に配置したエリアセンサ付き表示装置は、搭載した表示素子を用いて被写体を均一に照明でき、マトリクス状に配置したフォトダイオードがとらえる光の強度分布を再現よく電気信号として取り出すことができる。また、マトリクス状に配置した表示素子を用いて、ムラのない画像を表示できる。また、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタを大面積基板にマトリクス状に配置することは容易であるため、大型のエリアセンサ付き表示装置を提供できる。
【0202】
また、本実施の形態のエリアセンサ付き表示装置は、光電変換素子を表示面にマトリクス状に配置しているため、レーザーポインタ293等の光学的なポインティングデバイスで表示面を指し示して座標情報を入力できる。例えば、コンピュータやケーブルテレビなどの双方向通信が可能な装置の入力装置を兼ねた表示装置として利用すれば、光電変換素子から入力した座標情報と、表示素子に出力した画像の座標情報とを関連づけることができる。また、操作に机等の平面を必要とせず、ワイヤレスであるため、作業者の姿勢や立ち位置の自由度が高い。また、光学的なポインティングデバイスが直接表示を指し示すため演者の動きにポインタが素早く応答でき、効果的なプレゼンテーションが可能である。また、発光波長の異なる複数のレーザーポインタ293等を用いれば、一つのエリアセンサ付き表示装置で複数の操作を行うことができる。
【0203】
(実施の形態5)
本実施の形態は、実施の形態4で説明した図11のエリアセンサ付き表示装置の作製工程の一態様を図12乃至図14を参照して説明する。なお、図12乃至図14で作製工程を説明する選択用TFT151、増幅用TFT152、リセット用TFT153、EL駆動用TFT154、及びスイッチング用TFT155は主要部において同じ構成を有しているため、工程の説明は選択用TFT151を中心におこなう。
【0204】
本実施の形態で用いる基板100は、実施の形態2と同様の基板を使うことができる。また下地膜として絶縁膜を形成しても良い。なお、本実施の形態では基板上に形成されたエリアセンサ付き表示装置の発光素子が対向基板側に配置された被写体を照明し、被写体の反射光を対向基板270を介してエリアセンサが検知する構成を中心に説明する。
【0205】
ゲート電極層111および図示されていないセンサ出力配線SS、およびセンサ用電源線VBを含むゲート配線、容量配線および端子部の端子となる導電膜を実施の形態2と同様の方法で基板100全面に成膜する。ここでは、ゲート電極層111としてアルミニウムを第1成分とする膜とチタン膜をスパッタリング法により積層した導電膜を用いる。次に本実施の形態における第1のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを使い、基板100上に形成された導電膜の不要な部分をエッチングして除去して配線及び電極(ゲート電極層111を含むゲート配線、容量配線、及び端子)を形成する。このとき少なくともゲート電極層111の端部にテーパー形状が形成されるようにエッチングする。
【0206】
本実施の形態のゲート絶縁膜102は、実施の形態2と同様の方法で形成する。ここでは、ゲート絶縁膜102としてプラズマCVD法またはスパッタリング法により100nmの厚みの酸化珪素膜を成膜する。
【0207】
次に、本実施の形態における第2のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを使いゲート絶縁膜102をエッチングして、配線層111_6に達するコンタクトホール125を形成する。なお、配線層111_6はゲート電極層111_2に接続している。この段階での段面図を図12(A)に示す。
【0208】
次に、ゲート絶縁膜102の上に、導電膜105をスパッタ法や真空蒸着法で形成する。配線及び電極となる導電膜105は、実施の形態2と同様の導電材料を用いる。ソース電極層及びドレイン電極層となる導電膜105の厚みは、50nm以上500nm以下が好ましい。500nm以下とすることで、後に形成される半導体膜や配線の段切れ防止に有効である。ここでは、導電膜105として、Ti膜とそのTi膜上に重ねてNdを含むアルミニウム(Al−Nd)膜を積層し、さらにその上にTi膜を成膜する3層構造とする。なお、成膜の際に第2導電膜105はコンタクトホール125を介して、配線層111_6と接続する。
【0209】
次に、バッファ層を成膜する。バッファ層は第1酸化物半導体膜より高い電気伝導率を有する第2酸化物半導体膜104を用いる。バッファ層となる第2酸化物半導体膜104は、成膜後の導電膜105を大気に曝すことなく連続して成膜するのが望ましい。連続成膜により、導電膜と第2酸化物半導体膜104の界面が大気により汚染されるのを防ぐことができる。なお、第2酸化物半導体膜104は実施の形態2と同様の方法で成膜することができる。この段階での段面図を図12(B)に示す。
【0210】
次に、本実施の形態における第3のフォトマスクを用いて第2酸化物半導体膜104上にレジストマスク131を形成する。レジストマスク131を用いて第2酸化物半導体膜104の不要な部分を選択的にエッチングして除去し、バッファ層(114a_1、114b_1)を形成する(図12(C)参照)。この際のエッチング方法としてウェットエッチングまたはドライエッチングを用いる。ここでは、ITO07N(関東化学社製)を用いてウェットエッチングによりバッファ層(114a_1、114b_1)を形成する。
【0211】
次に、バッファ層(114a_1、114b_1)の形成で用いた同じレジストマスク131を用いて導電膜105の不要な部分を除去して第1電極層ソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)を形成する。ここでは、SiClとClとBClの混合ガスを反応ガスとしたドライエッチングによりAl膜とTi膜を順次積層した導電膜をエッチングしてソース電極層、及びドレイン電極層(115a_1、及び115b_1)を形成する。なお、ここでのエッチングは、ドライエッチングに限定されずウェットエッチングを用いてもよい。この段階での段面図を図12(C)に示す。
【0212】
レジストマスク131を除去した後、酸化物半導体膜103を形成する前のバッファ層(114a_1、114b_1)とゲート絶縁膜102にプラズマ処理を行う。ここでは酸素ガスとアルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、露出しているゲート絶縁層に酸素ラジカル又は酸素を照射する。こうして、表面に付着しているゴミや不純物を除去する。
【0213】
プラズマ処理後に大気に曝すことなくインジウム、ガリウム、及び亜鉛を含む酸化物半導体膜103を成膜する。プラズマ処理後、大気に曝すことなく酸化物半導体膜103を成膜することは、バッファ層(114a_1、114b_1)と酸化物半導体膜103の界面、またはゲート絶縁膜102と酸化物半導体膜103の界面にゴミや不純物を付着させない点で有効である。なお、酸化物半導体膜103の成膜は、先に逆スパッタを行ったチャンバーと同一チャンバーを用いてもよいし、大気に曝すことなく成膜できるのであれば、先に逆スパッタを行ったチャンバーと異なるチャンバーで成膜してもよい。
【0214】
ここでは、直径8インチのIn、Ga、及びZnを含む酸化物半導体ターゲット(In:Ga:ZnO=1:1:1)を用いて、実施の形態2と同様の方法で第1酸化物半導体膜103を形成する。この段階での段面図を図12(D)に示す。
【0215】
次に、第4のフォトマスクを用いて形成したレジストマスク132を使い、エッチングにより第1酸化物半導体膜103およびバッファ層(114a_1、114b_1)の不要な部分を除去する。ここではITO07N(関東化学社製)を用いたウェットエッチングにより、不要な部分を除去する。第1酸化物半導体膜103およびバッファ層(114a_1、114b_1)のエッチングはウェットエッチングに限定されずドライエッチングを用いてもよい。この段階での段面図を図13(A)に示す。
【0216】
次に、レジストマスク132を除去した後、実施の形態2と同様に第1酸化物半導体層113にプラズマ処理を行う。プラズマ処理を行うことにより、第1酸化物半導体層113のダメージを回復することができる。
【0217】
次いで、実施の形態1と同様に200℃〜600℃、代表的には300℃〜500℃の熱処理を行うことが好ましい。なお、熱処理を行うタイミングは、酸化物半導体膜の成膜後であれば特に限定されず、例えば後に形成する画素電極層139の後に行ってもよい。
【0218】
以上の工程を経て第1酸化物半導体層113_1をチャネル形成領域とする選択用TFT151を形成する。なお、選択用TFT151の形成と共に並行して、薄膜トランジスタ(152、153、154、および155)についても同様に形成する。
【0219】
次いで、薄膜トランジスタ(152、153、154、および155)を覆う第1層間絶縁膜109、および第1層間絶縁膜109上に第2層間絶縁膜121を実施の形態2と同様に形成する。また、第2層間絶縁膜121をベークする工程で、酸化物半導体層の熱処理(300℃〜400℃)を兼ねることで効率よくエリアセンサを作製できる。
【0220】
次に、本実施の形態における第5のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを使って、第1層間絶縁膜および第2層間絶縁膜にリセット用TFT153のソース電極層115b_3に達するコンタクトホール126とEL駆動用TFT154のソース電極層115b_4に達するコンタクトホール136を形成する。この段階での段面図を図13(B)に示す。
【0221】
次いで、フォトダイオードの下部電極層129と、表示素子の画素電極層139になる第3導電膜を成膜する。第3導電膜は実施の形態2で説明したゲート電極層111と同様の材料を用いることができるが、表示素子の画素電極層139を有機発光素子の陽極に用いる場合は大きな仕事関数を有する導電膜が好ましく、画素電極層139を有機発光素子の陰極に用いる場合は小さな仕事関数を有する導電膜が好ましい。フォトダイオードの下部電極層129はコンタクトホール126を介して増幅回路と接続し、表示素子の画素電極層139はコンタクトホール136を介してEL駆動用TFT154のソース電極層115a_4と接続されている。
【0222】
第3導電膜の成膜後、本実施の形態の第6のフォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、エッチングにより第3導電膜の不要な部分を除去してフォトダイオードの下部電極層129と、表示素子の画素電極層139を形成する。ここでは第3導電膜としてチタンを単層で形成し、BClとClの混合ガスを用いてドライエッチングを行う。
【0223】
次に、フォトダイオードの下部電極層129上に第1半導体膜、第2半導体膜、第3半導体膜を順次積層する。実施の形態3と同様に、第1半導体膜はn型半導体層であり、n型を付与する不純物元素を含むアモルファスシリコン膜により形成する。また、第2半導体膜は、i型半導体層(真性半導体層)であり、アモルファスシリコン膜により形成する。また、第3半導体膜はp型半導体層であり、p型を付与する不純物元素を含むアモルファスシリコン膜により形成する。
【0224】
また、実施の形態2と同様、第1半導体膜、第2半導体膜、及び第3半導体膜はアモルファス半導体ではなく、多結晶半導体を用いて形成してもよいし、セミアモルファス半導体(Semi Amorphous Semiconductor。以下、SASという。)を用いて形成してもよい。
【0225】
次に、第7のフォトリソグラフィー工程を行い、レジストマスクを形成し、エッチングにより、第1半導体膜、第2半導体膜、および第3半導体膜の不要な部分を除去して、第1半導体層252a、第2半導体層252b、第3半導体層252cを形成する。なお、ここではCFとClの混合ガス、CFとOの混合ガス、CHFとHeの混合ガス等を用いてドライエッチングを行い、テーパー部にエッチング残渣が残らないようにする。この段階での段面図を図13(C)に示す。
【0226】
次に、第3層間絶縁膜221を形成する。第3層間絶縁膜221は絶縁性を有する材料であればよいが、第3層間絶縁膜221が隣り合う有機発光素子同士の発光材料を含む層416を区切るバンクを兼ねる場合、その開口部の縁はテーパー形状となるように形成する。ここでは第8のフォトマスクと感光性ポリイミド樹脂もしくはポジ型の感光性アクリル樹脂を用いて形成する。なお、有機発光素子の信頼性は素子内部の空間や第3層間絶縁膜221などの構成物中に残留する水分、酸素、その他不純物の影響を著しく受ける。例えば、第3層間絶縁膜221を高分子で形成する場合、発光素子の使用中に不純物が析出しないように高温で加熱処理して完全に硬化させる必要がある。また、発光材料を含む層416を成膜する前の基板に加熱処理を施し、不純物をできるだけ取り除く必要がある。この段階での段面図を図13(D)に示す。
【0227】
次に、有機発光素子156を形成する。画素電極層139上に発光材料を含む層416を成膜し、発光材料を含む層416上に上部電極層237となる導電膜を成膜する。
【0228】
発光材料を含む層416は単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。複数の層で構成されている場合、陽極層、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、および陰極層の順に互いに接して構成する。なお、これらの層を全て設ける必要はない。ここでは画素電極層139を陽極とし、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、および陰極層の順に積層する。
【0229】
正孔注入層とは、陽極として機能する電極から正孔輸送層へ正孔の注入を補助する機能を有する層である。ただし、正孔注入層は必ずしも必要ではない。正孔注入層を構成する物質については特に限定はないが、バナジウム酸化物、ニオブ酸化物、タンタル酸化物、クロム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物等の金属酸化物を用いることができる。また、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(CuPc)等のフタロシアニン化合物を用いることができる。また、上述した正孔輸送層を構成する物質を用いることもできる。また、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)とポリ(スチレンスルホン酸)の混合物(略称:PEDOT/PSS)のような高分子化合物を用いることもできる。
【0230】
あるいは、正孔注入層に、有機化合物と電子受容体とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子受容体によって有機化合物に正孔が発生するため、正孔注入性および正孔輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した正孔の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した正孔輸送層を構成する物質(芳香族アミン化合物等)を用いることができる。電子受容体としては、有機化合物に対し電子受容性を示す物質であればよい。具体的には、遷移金属酸化物であることが好ましく、例えば、バナジウム酸化物、ニオブ酸化物、タンタル酸化物、クロム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物等が挙げられる。また、塩化鉄(III)、塩化アルミニウム(III)のようなルイス酸を用いることもできる。また、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)等の有機化合物を用いることもできる。なお、正孔注入層は、二層以上の層を積層して形成された多層構造であってもよい。また、二種類以上の物質を混合して形成してもよい。
【0231】
正孔輸送層とは、陽極から注入された正孔を発光層へ輸送する機能を有する層である。このように、正孔輸送層を設け、陽極と発光層とを離すことによって、発光が金属に起因して消光することを防ぐことができる。ただし、正孔輸送層は必ずしも必要ではない。
【0232】
正孔輸送層を構成する物質については特に限定はないが、代表的には、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:m−MTDATA)などの芳香族アミン化合物を用いることができる。また、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)などの高分子化合物を用いることもできる。
【0233】
なお、正孔輸送層は、二層以上の層を積層して形成された多層構造であってもよい。また、二種類以上の物質を混合して形成してもよい。
【0234】
発光層は発光物質を含んでいる。発光層は発光物質よりも大きい励起エネルギーを有する物質を分散媒(すなわちホスト)とし、発光物質を分散質(すなわちゲスト)とした混合層であることが好ましい。ここでは、蛍光もしくは燐光を発する有機化合物を発光物質とし、正孔輸送性を有する有機化合物と電子輸送性を有する有機化合物を混合した材料をホストとして用いる。
【0235】
電子輸送層とは、陰極から注入された電子を発光層へ輸送する機能を有する層である。このように、電子輸送層を設け、陰極と発光層とを離すことによって、発光が金属に起因して消光することを防ぐことができる。ただし、電子輸送層は必ずしも必要ではない。
【0236】
電子輸送層を構成する物質について特に限定はないが、代表的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などの金属錯体が挙げられる。また、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。また、ポリ(2,5−ピリジン−ジイル)(略称:PPy)のような高分子化合物を用いることもできる。なお、電子輸送層は、二層以上の層を積層して形成された多層構造であってもよい。また、二種類以上の物質を混合して形成してもよい。
【0237】
電子注入層とは、陰極として機能する電極から電子輸送層へ電子の注入を補助する機能を有する層である。ただし、電子注入層は必ずしも必要ではない。
【0238】
電子注入層を構成する物質については特に限定はないが、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物のようなアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、上述した電子輸送層を構成する物質を用いることもできる。
【0239】
あるいは、電子注入層に、有機化合物と電子供与体とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
【0240】
以上の単数の層もしくは、複数の層からなる有機発光素子の発光材料を含む層416は、蒸着法、インクジェット法、または塗布法等の方法で形成する。ここでは、シャドーマスク法を用いて発光材料を含む層416を作り分け、RGBに発光する三種類の有機発光素子をマトリクス状に形成する。
【0241】
次いで、フォトダイオードと有機発光素子の上部電極層237となる第4導電膜を成膜する。ここでは、フォトダイオード252は上部電極側から受光し、有機発光素子156は上部電極層側から発光を取り出すため、透光性を有した導電膜を第4導電膜に用いる。透光性のある導電膜としては、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などをその例に挙げることができる。
【0242】
第9のフォトマスクを用いて形成したレジストマスクを使い、第4導電膜の不要な部分をエッチングにより除去してフォトダイオード251および有機発光素子156の上部電極層237を形成する。ここでは、第4導電膜としてインジウム錫酸化物膜をスパッタリング法により成膜する。なお、上部電極層237は共通配線と接続する。この段階での段面図を図14(A)に示す。
【0243】
次に、透光性を有する基板にカラーフィルター271をマトリクス状に形成した対向基板270を用意する。カラーフィルター271が対応するフォトダイオード252の位置に重畳するように、対向基板270とTFT、フォトダイオード252および有機発光素子156を形成した基板の位置をあわせ、シール材を用いて貼り合わせる。この段階での段面図を図14(B)に示す。
【0244】
こうして、光電変換素子としてnip型フォトダイオードを有し、表示素子として有機発光素子を有し、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路と表示素子の駆動回路を有するエリアセンサ付き表示装置が得られる。
【0245】
本実施の形態のエリアセンサが有する有機発光素子156は上部電極層237側を表示光の取り出し面とする。上部電極層237の上には層間絶縁膜などが積層されていないため、積層界面における表示光の散乱が少なく、光の強度が損なわれることがない。従って、有機発光素子156は表示光を効率よく取り出せる。
【0246】
特性にバラツキが少なく、電界効果移動度が高いインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路および表示素子の駆動回路は特性にバラツキが少なく占有面積が小さい。そのような増幅回路をフォトダイオードの増幅回路に用いたエリアセンサは、フォトダイオードがとらえる光の強度分布を再現よく電気信号に変換して取り出すことができる。また、そのような駆動回路を発光素子の駆動回路に用いた表示装置は、ムラのない高品位の表示や、被写体を均一に照明できる。
【0247】
(実施の形態6)
【0248】
本実施の形態は、マトリクス状に配置された画素毎に光電変換素子と表示素子と、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体に代表される酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路と表示素子の駆動回路を設けた、アクティブマトリクス型のエリアセンサ付き表示装置の実施の形態4とは異なる一態様を、図15を参照して説明する。なお、本実施の形態では、フルカラー画像の表示と取り込みが可能な構成を例示する。
【0249】
本実施の形態のエリアセンサ付き表示装置は、マトリクス状に配置した表示素子を用いた表示装置として利用できる。また、散乱光を使ってエリアセンサ付き表示装置に接した指などの物体の表面凹凸を捉える密着型のエリアセンサとして利用できる。なお、ここでは、表示素子として透過型の液晶素子を適用した例を示すが、これに限らない。
【0250】
図15はエリアセンサ付き表示装置の一例を示す断面図である。具体的には、フォトダイオード250と、透過型液晶素子158と、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路281と、液晶表示素子の駆動回路285の断面図である。なお、増幅回路281と、液晶素子の駆動回路285は、実施の形態4と同じ構造を有するインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成されている。また、フォトダイオード250は実施の形態1と同じ構造を有するpin型のフォトダイオードを用いている。
【0251】
本実施の形態で例示する薄膜トランジスタは実施の形態4と同じ構造を有し、実施の形態5と同様の方法で、第1層間絶縁膜109まで形成する。ここでは、第2層間絶縁膜121がカラーフィルターを兼ねる。
【0252】
第2層間絶縁膜121上には、液晶素子158の画素電極層139および、pin型のフォトダイオード250の下部電極層129が透明導電膜で形成されている。透明導電膜の材料としては、酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO、ITOと略記する)、珪素もしくは酸化珪素を含有したインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛などを用いることもできる。液晶素子158は、画素電極層139と、配向膜261と、液晶物質を含む層260と、配向膜276と、対向電極層275とによって構成されている。
【0253】
また、pin型のフォトダイオード250は、下部電極層129上に実施の形態1と同様に形成されている。ここでは、第1半導体層250aとしてp型の導電型を有する非晶質シリコン層と、第2半導体層250bとして高抵抗な非晶質シリコン層と、第3半導体層250cとしてn型の導電型を有する非晶質シリコン層を積層するpin型のフォトダイオードを例示している。また、光電効果で発生した正孔の移動度は電子の移動度に比べて小さいため、pin型のフォトダイオードはp型の半導体層側を受光面とする方がよい特性を示す。ここでは、透光性を有する基板の一方の側から入射した光が基板を透過し、他方の側に形成されたエリアセンサにより検知される構成について主に説明する。また、受光面とした半導体層側とは逆の導電型を有する半導体層側からの光は外乱光となるため、電極層は遮光性を有する導電膜を用いるとよい。なお、n型の半導体層側を受光面として用いることもできる。
【0254】
本実施の形態では、エリアセンサ付き表示装置の表示面に導光板290とLED等の光源291を配置してある。導光板の端部から入射した光は空気との界面で全反射を繰り返しながら導光板の内部を伝わる。導光板の表面に押し当てた指等の物体292と接触した部分で乱反射が起き、光がエリアセンサ側に漏れ出す。エリアセンサが散乱光を捉えることで、接触部分の位置情報や、接触物の表面形状を電気信号に変換して出力できる。
【0255】
こうして、光電変換素子としてpin型フォトダイオードを有し、表示素子として透過型液晶素子を有し、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路と表示素子のスイッチング回路を有するエリアセンサ付き表示装置を構成し、画像情報を電気信号に変換して出力できる。
【0256】
特性にバラツキが少なく、電界効果移動度が高いインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成した増幅回路および表示素子の駆動回路は特性にバラツキが少なく占有面積が小さい。そのような増幅回路とフォトダイオードおよび表示素子の駆動回路と表示素子をマトリクス状に配置したエリアセンサ付き表示装置は、フォトダイオードがとらえる光の強度分布を再現よく電気信号として取り出すことができるだけでなく、誤動作が少ない光学式のタッチパネルを作製できる。また、ムラのない画像を表示する表示装置として利用できる。また、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタは、容易に大面積基板に配置できるので、大型のエリアセンサ付き表示装置を提供できる。
【0257】
(実施の形態7)
本発明に係わるエリアセンサ付き表示装置は、電子ペーパーとして適用することができる。電子ペーパーは、情報を表示するものであればあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。例えば、電子ペーパーを用いて、電子書籍(電子ブック)、電子ノート等に適用することができる。電子機器の一例を図16に示す。
【0258】
図16は、電子書籍2700の一例を示している。例えば、電子書籍2700は、筐体2701および筐体2703の2つの筐体で構成されている。筐体2701および筐体2703は、軸部2711により一体とされており、該軸部2711を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0259】
筐体2701には表示部2705が組み込まれ、筐体2703には表示部2707が組み込まれている。表示部2705および表示部2707は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図16では表示部2705)に文章を表示し、左側の表示部(図16では表示部2707)に画像を表示することができる。
【0260】
また、図16では、筐体2701に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体2701において、電源2721、操作キー2723、スピーカ2725などを備えている。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、またはACアダプタおよびUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。さらに、電子書籍2700は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0261】
また、電子書籍2700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすることも可能である。
【0262】
また、エリアセンサ付き表示装置を搭載した電子書籍はムラのない高品位な画像を表示できるだけでなく、エリアセンサを利用してメモを入力できる。エリアセンサ付き表示装置を指や、先端に光源を有するスタイラスもしくはペン等の指示具で触れ、メモを手書きで入力できる。
【0263】
(実施の形態8)
本発明に係る半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0264】
図17(A)は、テレビジョン装置9600の一例を示している。テレビジョン装置9600は、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持した構成を示している。
【0265】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機9610により行うことができる。リモコン操作機9610が備える操作キー9609により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9603に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機9610に、当該リモコン操作機9610から出力する情報を表示する表示部9607を設ける構成としてもよい。
【0266】
なお、テレビジョン装置9600は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0267】
また、エリアセンサ付き表示装置を搭載したテレビジョン装置はムラのない高品位な画像を表示できるだけでなく、エリアセンサを利用して双方光通信できる。リモコンに搭載したレーザーポインタ等でエリアセンサ付き表示装置を指し示し、表示された画像を離れた場所から選択して、情報を入力できる。
【0268】
図17(B)は、デジタルフォトフレーム9700の一例を示している。例えば、デジタルフォトフレーム9700は、筐体9701に表示部9703が組み込まれている。表示部9703は、各種画像を表示することが可能であり、例えばデジタルカメラなどで撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0269】
なお、デジタルフォトフレーム9700は、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部9703に表示させることができる。
【0270】
また、デジタルフォトフレーム9700は、無線で情報を送受信出来る構成としてもよい。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0271】
また、エリアセンサ付き表示装置を搭載したデジタルフォトフレームはムラのない高品位な画像を表示できるだけでなく、エリアセンサを利用して表示画像の一部を選択できる。例えば、レーザーポインタ等でエリアセンサ付き表示装置に表示された画像の一部を囲む様に指し示して選択し、拡大表示する範囲や切り取る範囲を指示するなど、種々の操作や加工ができる。
【0272】
図18(A)は携帯型遊技機であり、筐体9881と筐体9891の2つの筐体で構成されており、連結部9893により、開閉可能に連結されている。筐体9881には表示部9882が組み込まれ、筐体9891には表示部9883が組み込まれている。また、図18(A)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部9884、記録媒体挿入部9886、LEDランプ9890、入力手段(操作キー9885、接続端子9887、センサ9888(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9889)等を備えている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも本発明に係る半導体装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。図18(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図18(A)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0273】
図18(B)は大型遊技機であるスロットマシン9900の一例を示している。スロットマシン9900は、筐体9901に表示部9903が組み込まれている。また、スロットマシン9900は、その他、スタートレバーやストップスイッチなどの操作手段、コイン投入口、スピーカなどを備えている。もちろん、スロットマシン9900の構成は上述のものに限定されず、少なくとも本発明に係る半導体装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。
【0274】
図19は、携帯電話機1000の一例を示している。携帯電話機1000は、筐体1001に組み込まれた表示部1002の他、操作ボタン1003、外部接続ポート1004、スピーカ1005、マイク1006などを備えている。
【0275】
図19に示す携帯電話機1000は、表示部1002を指などで触れることで、情報を入力ことができる。また、電話を掛ける、或いはメールを打つなどの操作は、表示部1002を指などで触れることにより行うことができる。
【0276】
表示部1002の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
【0277】
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部1002を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合、表示部1002の画面のほとんどにキーボードまたは番号ボタンを表示させることが好ましい。
【0278】
また、携帯電話機1000内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、携帯電話機1000の向き(縦か横か)を判断して、表示部1002の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
【0279】
また、画面モードの切り替えは、表示部1002を触れること、又は筐体1001の操作ボタン1003の操作により行われる。また、表示部1002に表示される画像の種類によって切り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
【0280】
また、入力モードにおいて、表示部1002の光センサで検出される信号を検知し、表示部1002のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
【0281】
表示部1002は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部1002に掌や指を触れることで、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライトまたは近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。また、表示部1002の少なくとも一つのフォトセンサを用いて、例えば携帯電話の使用環境の明るさに応じて携帯電話の表示画面の明るさを調整することができる。
【符号の説明】
【0282】
11 エリアセンサ部
12 画素
13 定電流電源
21 表示部
22 画素
100 基板
102 ゲート絶縁膜
103 酸化物半導体膜
104 酸化物半導体膜
105 導電膜
109 層間絶縁膜
111 ゲート電極層
111_1 ゲート電極層
111_2 ゲート電極層
111_3 ゲート電極層
111_4 ゲート電極層
111_5 ゲート電極層
111_6 配線層
113 酸化物半導体層
114 バッファ層
114a バッファ層
114b バッファ層
115a_1 ソース電極層およびドレイン電極層
115a_4 ソース電極層
115b_1 ソース電極層およびドレイン電極層
115b_3 ソース電極層
121 層間絶縁膜
125 コンタクトホール
126 コンタクトホール
127 配線層
128 保護層
129 下部電極層
131 レジストマスク
132 レジストマスク
136 コンタクトホール
139 画素電極層
151 選択用TFT
152 増幅用TFT
153 リセット用TFT
154 EL駆動用TFT
155 スイッチング用TFT
156 有機発光素子
157 コンデンサ
158 液晶素子
205b 半導体層
221 層間絶縁膜
222 層間絶縁膜
225 コンタクトホール
227 上部電極層
228 配線層
231 コンタクトホール
232 コンタクトホール
233 コンタクトホール
237 上部電極層
250 フォトダイオード
250a 半導体層
250b 半導体層
250c 半導体層
251 フォトダイオード
251a 半導体層
251b 半導体層
251c 半導体層
252 フォトダイオード
252a 半導体層
252b 半導体層
252c 半導体層
260 層
270 対向基板
271 カラーフィルター
275 対向電極層
281 増幅回路
285 駆動回路
290 導光板
291 光源
292 物体
293 レーザーポインタ
416 層
1000 携帯電話機
1001 筐体
1002 表示部
1003 操作ボタン
1004 外部接続ポート
1005 スピーカ
1006 マイク
2700 電子書籍
2701 筐体
2703 筐体
2705 表示部
2707 表示部
2711 軸部
2721 電源
2723 操作キー
2725 スピーカ
9600 テレビジョン装置
9601 筐体
9603 表示部
9605 スタンド
9607 表示部
9609 操作キー
9610 リモコン操作機
9700 デジタルフォトフレーム
9701 筐体
9703 表示部
9881 筐体
9882 表示部
9883 表示部
9884 スピーカ部
9885 操作キー
9886 記録媒体挿入部
9887 接続端子
9888 センサ
9889 マイクロフォン
9890 LEDランプ
9891 筐体
9893 連結部
9900 スロットマシン
9901 筐体
9903 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子と、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成された増幅回路を有するフォトセンサ。
【請求項2】
一導電性の不純物元素を有する第1の半導体層と、
前記第1の半導体層に接して設けられた第2の半導体層と、
前記第2の半導体層に接して設けられた前記第1の半導体層とは逆の導電型の不純物元素を有する第3の半導体層と、が積層された光電変換層を有する光電変換素子と、
選択用薄膜トランジスタと、増幅用薄膜トランジスタ、およびリセット用薄膜トランジスタとを少なくとも含む増幅回路を有し、
前記選択用薄膜トランジスタと、前記増幅用薄膜トランジスタ、および前記リセット用薄膜トランジスタはインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を有し、
前記リセット用薄膜トランジスタのゲート電極はリセット用ゲート信号線に接続され、
前記リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続され、
前記リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は前記増幅用薄膜トランジスタのゲート電極層および前記光電変換素子のアノードまたはカソードのいずれか一方に接続され、
前記増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続され、
前記選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ出力配線に接続され、
前記選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方に接続され、
前記選択用薄膜トランジスタのゲート電極層はセンサ用ゲート信号線に接続された増幅回路を有するフォトセンサ。
【請求項3】
一導電性の不純物元素を有する第1の半導体層と、
前記第1の半導体層に接して設けられた第2の半導体層と、
前記第2の半導体層に接して設けられた前記第1の半導体層とは逆の導電型の不純物元素を有する第3の半導体層と、が積層された光電変換層を有する光電変換素子と、
選択用薄膜トランジスタと、増幅用薄膜トランジスタ、およびリセット用薄膜トランジスタとを少なくとも含む増幅回路を有し、
前記選択用薄膜トランジスタと、前記増幅用薄膜トランジスタ、および前記リセット用薄膜トランジスタはインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を有し、
前記リセット用薄膜トランジスタのゲート電極層は前記リセット用ゲート信号線に接続され、
前記リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続され、
前記リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は前記増幅用薄膜トランジスタのゲート電極層および前記光電変換素子のアノードまたはカソードのいずれか一方に接続されており、
前記増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続されており、
前記選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ出力配線に接続されており、
前記選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方に接続されており、
前記選択用薄膜トランジスタのゲート電極層はセンサ用ゲート信号線に接続されており、
前記リセット用ゲート信号線と前記センサ用ゲート信号線とに入力される信号によって前記リセット用薄膜トランジスタと前記選択用薄膜トランジスタはオンからオフの状態、またはオフからオンの状態に切り替わることを特徴とする増幅回路を有する画素を複数配置したフォトセンサ。
【請求項4】
光電変換素子と、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成された増幅回路を有する画素を複数配置したエリアセンサ。
【請求項5】
一導電性の不純物元素を有する第1の半導体層と、
前記第1の半導体層に接して設けられた第2の半導体層と、
前記第2の半導体層に接して設けられた前記第1の半導体層とは逆の導電型の不純物元素を有する第3の半導体層と、が積層された光電変換層を有する光電変換素子と、
選択用薄膜トランジスタと、増幅用薄膜トランジスタ、およびリセット用薄膜トランジスタとを少なくとも含む増幅回路を有し、
前記選択用薄膜トランジスタと、前記増幅用薄膜トランジスタ、および前記リセット用薄膜トランジスタはインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を有し、
前記リセット用薄膜トランジスタのゲート電極層はリセット用ゲート信号線に接続され、
前記リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続され、
前記リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は前記増幅用薄膜トランジスタのゲート電極層および前記光電変換素子のアノードまたはカソードのいずれか一方に接続されており、
前記増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続されており、
前記選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ出力配線に接続されており、
前記選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方に接続されており、
前記選択用薄膜トランジスタのゲート電極層はセンサ用ゲート信号線に接続された増幅回路を有する画素を複数配置したエリアセンサ。
【請求項6】
一導電性の不純物元素を有する第1の半導体層と、
前記第1の半導体層に接して設けられた第2の半導体層と、
前記第2の半導体層に接して設けられた前記第1の半導体層とは逆の導電型の不純物元素を有する第3の半導体層と、が積層された光電変換層を有する光電変換素子と、
選択用薄膜トランジスタと、増幅用薄膜トランジスタ、およびリセット用薄膜トランジスタとを少なくとも含む増幅回路を有し、
前記選択用薄膜トランジスタと、前記増幅用薄膜トランジスタ、および前記リセット用薄膜トランジスタはインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を有し、
前記リセット用薄膜トランジスタのゲート電極層はリセット用ゲート信号線に接続され、
前記リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続され、
前記リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は前記増幅用薄膜トランジスタのゲート電極層および前記光電変換素子のアノードまたはカソードのいずれか一方に接続されており、
前記増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続されており、
前記選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ出力配線に接続されており、
前記選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方は増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方に接続されており、
前記選択用薄膜トランジスタのゲート電極層はセンサ用ゲート信号線に接続されており、
前記リセット用ゲート信号線と前記センサ用ゲート信号線とに入力される信号によって前記リセット用薄膜トランジスタと前記選択用薄膜トランジスタはオンからオフの状態、またはオフからオンの状態に切り替わることを特徴とする増幅回路を有する画素を複数配置したエリアセンサ
【請求項7】
光電変換素子と、増幅回路と、表示素子と、前記表示素子の駆動回路を有する画素が複数配置され、
前記増幅回路と前記駆動回路が、インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタで構成された表示装置。
【請求項8】
一導電性の不純物元素を有する第1の半導体層と、
前記第1の半導体層に接して設けられた第2の半導体層と、
前記第2の半導体層に接して設けられた前記第1の半導体層とは逆の導電型の不純物元素を有する第3の半導体層と、が積層された光電変換層を有する光電変換素子と、
選択用薄膜トランジスタと、増幅用薄膜トランジスタ、およびリセット用薄膜トランジスタとを少なくとも含み、
前記選択用薄膜トランジスタと、前記増幅用薄膜トランジスタ、および前記リセット用薄膜トランジスタはインジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を有し、
前記リセット用薄膜トランジスタのゲート電極層はリセット用ゲート信号線に接続され、
前記リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続され、
前記リセット用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方は前記増幅用薄膜トランジスタのゲート電極層および前記光電変換素子のアノードまたはカソードのいずれか一方に接続されており、
前記増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ用電源線に接続されており、
前記選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はセンサ出力配線に接続されており、
前記選択用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方は増幅用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極のもう一方に接続されており、
前記選択用薄膜トランジスタのゲート電極層はセンサ用ゲート信号線に接続された増幅回路と、
表示素子と、
インジウム、ガリウム、および亜鉛を含む酸化物半導体を用いたスイッチング用薄膜トランジスタを少なくとも有し、
前記スイッチング用薄膜トランジスタのゲート電極層はゲート信号線に接続されており、
前記スイッチング用薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極の一方はソース信号線に接続された表示素子の駆動回路と、
を有する画素を複数配置した表示装置。
【請求項9】
陽極、陰極および前記陽極と前記陰極の間に発光物質を含む層を有した表示素子を有している請求項7または8記載の表示装置。
【請求項10】
画素電極、対向電極および前記画素電極と前記対向電極の間に液晶物質を含む層を有している請求項7または8記載の表示装置。
【請求項11】
請求項7乃至10記載のエリアセンサ付き表示装置をレーザーポインタで操作する操作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−153834(P2010−153834A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266076(P2009−266076)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】