説明

半導体装置

【課題】 NBTI劣化を抑制することのできるトランジスタ構造を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】 半導体装置の製造方法は、n型領域を有するシリコン基板の上に、窒素を含む酸化シリコンを用いたゲート絶縁膜と、ホウ素を含むシリコンを用いたゲート電極とを形成する工程と、ゲート電極両側の前記シリコン基板内にp型ソース/ドレイン領域を形成する工程と、ゲート電極の側壁上に酸化シリコンを用いてサイドウォールスペーサを形成する工程と、ゲート電極、サイドウォールスペーサを覆い、平坦化された表面を有する層間絶縁膜を形成する工程と、層間絶縁膜の平坦化された表面から内部に向って凹部を形成し,該凹部内に下地のバリア層とその上の銅領域を含む銅配線とを埋め込む工程と、銅配線の上に炭化シリコン層を形成する工程と、 前記炭化シリコン層の上方に絶縁層をCVDで形成する工程と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に銅配線を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LSI回路の高速化、低消費電力化のために、素子の微細化、低電圧化と共に配線の低抵抗化が図られている。配線の低抵抗化のためには、従来用いられているAl配線よりも抵抗率の低いCu配線が用いられるようになってきた。Cu膜は微細加工が困難であり、ダマシン構造が多く採用される。素子の高速化、低消費電力化のためには、低電圧においてトランジスタの高速動作を実現することが望まれ、ゲート絶縁膜の実質的薄膜化が進められている。
【0003】
Cuは、層間絶縁膜である酸化シリコン膜中での拡散速度が非常に早い。Cuが層間絶縁膜中を拡散すると、トランジスタ特性を劣化させる。Cuを配線として用いる場合、Cu配線の周囲に拡散防止膜を用いることが必要である。Cuの拡散は、酸化膜ではほとんど抑制できない。
【0004】
下層配線または下層導電層を露出するように酸化シリコン層中に形成されたトレンチ(または/およびビア)内に銅配線を堆積する場合、Cuの拡散防止膜としての機能を有するバリアメタル層と銅層とを積層する。銅層と酸化シリコン層との間にバリアメタル層が介在し、銅の酸化シリコン層中への拡散を防止する。酸化シリコン層上の金属層は化学機械研磨(CMP)等で除去する。この上に酸化シリコン層を形成すると、露出した銅層から上の酸化シリコン層へ銅の拡散が可能となる。Cuの拡散防止膜としての機能を有する絶縁体として窒化シリコン膜がダマシン配線の銅層を覆って形成される。
【0005】
ゲート絶縁膜としては、広く酸化シリコン膜が用いられている。ゲート酸化膜を薄膜化すると、ゲート酸化膜を貫通する直接トンネル電流が増加し、ゲートリーク電流が増大する。このゲートリーク電流を抑制するためには、ゲート絶縁膜の物理的膜厚を増加させればよい。
【0006】
ゲート絶縁膜の厚さを増加させ、かつゲート酸化膜を薄膜化したのと同様の駆動力を実現するためには、ゲート絶縁膜を高誘電率の絶縁物で形成することが必要となる。ゲート絶縁膜の誘電率を増加させれば物理的膜厚を増加させ、かつ電気的なゲート絶縁膜厚の薄膜化を可能にできる。ゲートリーク電流の抑制とトランジスタ駆動力の向上を同時に達成できる。
【0007】
表面チャネル型pチャネルトランジスタにおいてはゲート電極中のボロン不純物がゲート絶縁膜を拡散し、チャネル領域へ到達すると、トランジスタ特性を劣化させるという問題も生じる。
この問題を抑制するために、ゲート絶縁膜に窒素を添加する技術が用いられている。ゲート絶縁膜中の窒素濃度を濃くし過ぎると、ゲート絶縁膜と半導体基板の界面の窒素濃度も濃くなり、この窒素により基板表面に形成されるチャネルを流れる電子/正孔の動作が阻害される。
【0008】
トランジスタに流れるドレイン電流を劣化させる現象をネガティブバイアス温度不安定性(negative bias temperatureinstability, NBTI)と呼ぶ。これは、pチャネルMOSトランジスタのゲートに負電圧を印加し、温度を上昇させて加速試験を行なった場合のドレイン電流の低下を示す。アルミニウム配線に比べ銅配線の場合、同一ストレス時間に対するドレイン電流劣化△Idsが大きくなる。
【0009】
ゲート絶縁膜厚を増加させ、直接トンネル電流を低下させたとしても、NBTI効果が問題となる。ゲート絶縁膜中の窒素濃度を増大させると、NBTI効果が増大してしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上説明したように、LSIの動作特性向上のために、ゲート絶縁膜を薄膜化すると、種々の問題が生じる。これらの問題を解決できる新規なトランジスタ構造が求められている。
【0011】
本発明の目的は、NBTI劣化を抑制することのできるトランジスタ構造を有する半導体装置の製造方法を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、ゲートのリーク電流が少なく、優れたトランジスタ特性を発揮するトランジスタ構造を有する半導体装置の製造方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、特性の優れた微細化トランジスタを有する半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一観点によれば、
n型領域を有するシリコン基板の上に、窒素を含む酸化シリコンを用いたゲート絶縁膜と、ホウ素を含むシリコンを用いたゲート電極とを形成する工程と、
前記ゲート電極両側の前記シリコン基板内にp型ソース/ドレイン領域を形成する工程と、
前記ゲート電極の側壁上に酸化シリコンを用いてサイドウォールスペーサを形成する工程と、
前記ゲート電極、サイドウォールスペーサを覆い、平坦化された表面を有する層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の平坦化された表面から内部に向って凹部を形成し,該凹部内に下地のバリア層とその上の銅領域を含む銅配線とを埋め込む工程と、
前記銅配線の上に炭化シリコン層を形成する工程と、
前記炭化シリコン層の上方に絶縁層をCVDで形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法
が提供される。
【発明の効果】
【0015】
NBTI劣化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
まず、本発明者等が行なった実験とその結果について説明する。
【0017】
図1(A)は、本発明の予備実験に用いたサンプルの構成を示す断面図である。シリコン基板11の表面に、ホトレジストによりエッチングマスクを形成し、シリコン基板11を例えば深さ300nmエッチングし、トレンチを形成する。トレンチ内を埋め込むように、例えば厚さ約500nmの酸化シリコン膜を堆積させ、化学機械研磨(CMP)によりシリコン基板11表面上の酸化シリコン膜を除去する。トレンチ内にのみ、酸化シリコン膜12が残り、シャロートレンチアイソレーション(STI)が形成される。
【0018】
ウエル領域を開口するレジストパターンを形成し、シリコン基板11にP+イオンを加速エネルギ600keV、ドーズ量3×1013cm-2でイオン注入し、nウエルを形成する。
【0019】
シリコン基板11、少なくともその活性領域表面上に、窒素を4%含む酸化シリコンからなるゲート絶縁膜13を形成する。窒素濃度は1at%以上が好ましい。窒素濃度1at%以上の層と1at%未満の層とを積層してもよい。ゲート絶縁膜の上に、多結晶シリコンでゲート電極14を形成する。
【0020】
ゲート電極層14をパターニングした後、その側壁上に窒化シリコン膜15、酸化シリコン膜16の積層からなるサイドウォールスペーサを形成する。例えば、厚さ約20nmの窒化シリコン膜15を熱CVDで堆積し、続いて厚さ約80nmのアンドープシリケートガラス層16をCVDで堆積する。リアクティブイオンエッチング(RIE)により平坦面上の絶縁膜16、15を除去し、ゲート電極14側壁上にのみ酸化シリコン膜16、窒化シリコン膜15を残す。
【0021】
サイドウォールスペーサの形成前、又はサイドウォールスペーサ形成前後に、p型不純物のイオン注入を行ない、ゲート電極14の両側に、p型不純物を添加したソース/ドレイン領域18を形成する。
【0022】
その後、シリコン基板11表面上に、化学気相堆積(CVD)により、窒化シリコン膜20を堆積する。この窒化シリコン膜は、その上に形成する酸化シリコン膜のエッチングに対し、エッチストッパとしての機能を有する膜である。エッチストッパ層20の堆積後、例えばフォスフォシリケートガラス(PSG)から形成される層間絶縁膜21をCVDで形成する。
【0023】
層間絶縁膜21の表面は、CMP、リフロ−、エッチバック等により平坦化される。層間絶縁膜21上に、所要個所に開口を有するレジストパターンを形成し、接続孔を形成する。接続孔を埋め込んで、導電性プラグ22が形成される。例えば、Ti/TiN/Wの積層構造を用い、Wプラグ22が形成される。層間絶縁膜21表面上に堆積した導電層は、CMP等により除去される。
【0024】
層間絶縁膜21の表面上に、例えば厚さ150nmの低誘電率絶縁膜(例えば商標SiLK)層24と、例えば厚さ100nmのアンドープシリケートガラス層25との積層層間絶縁層が形成される。アンドープシリケートガラス層25の表面は、CMP等により平坦化される。
【0025】
平坦化された表面から、層間絶縁膜24、25を貫通するトレンチが形成される。このトレンチを埋め込むように、バリアメタル層26、銅層27が堆積され、層間絶縁膜25表面上の不要な導電層がCMP等により除去される。バリアメタル層26は、例えば厚さ25nmのTaN層である。その後、Cuの拡散防止絶縁層29が形成される。拡散防止層29は、例えば厚さ約70nmのSiC層、又はSiN層で形成される。
【0026】
SiC層は、テトラメチルシラン(Si(CH34)と2酸化炭素(CO2)をソースガスとしたプラズマ(P−)CVDで形成する。SiN層は、シラン(SiH4)とアンモニア(NH3)をソースガスとしたP−CVDで形成する。SiN拡散防止層を有するサンプルを以下snで示す。SiC拡散防止層を有するサンプルを以下scで示す。
【0027】
図1(B)は、Al配線の構造例を示す。層間絶縁膜21、層間絶縁膜中を貫通する導電体プラグ22の構成は、図1(A)に示した構造と同様である。層間絶縁膜21の上に、例えば厚さ40nmのTi層31、例えば厚さ30nmのTiN層32、例えば厚さ100nmのAl配線層33、例えば厚さ70nmのTiN層34が積層され、レジストパターンを用いてパターニングされ、配線構造が作成される。この配線構造を埋め込むように、例えばアンドープシリケートガラス層35が形成され、その表面がCMP等により平坦化される。
【0028】
図1(C)は、図1(A)、(B)に示した構造を用いて測定されたNBTI劣化の測定結果を示すグラフである。図中、横軸はストレスタイムを単位秒で示し、縦軸は飽和ドレイン電流の劣化ΔIds satを単位%で示す。NBTI劣化は、ゲート電極への印加電圧−1.9V、温度125℃、ゲート長L/ゲート幅W=0.24/1μmで測定した。
【0029】
曲線snは、従来技術に従いCu拡散防止膜としてSiN膜を用いた場合の結果を示す。曲線scは、拡散防止膜としてSiC膜を用いた場合の結果を示す。曲線pは、従来技術に従い、配線層としてAl配線を用いた場合の結果を示す曲線である。
【0030】
図から明らかなように、拡散防止膜としてSiN膜を用いた特性snは、NBTI劣化が大きい。これに対し、拡散防止膜としてSiC膜を用いた場合、NBTI劣化は従来問題とならなかったAl配線を用いた場合の特性pとほぼ同様となり、NBTI劣化の問題を解消することができる。
【0031】
すなわち、ゲート絶縁膜として窒素含む酸化シリコン膜を用いた場合、Cu配線層形成後にSiN膜をCu拡散防止膜として用いると、NBTI劣化が問題となるが、Cu拡散防止膜としてSiN膜の代りにSiC膜を用いると、NBTI劣化は許容できる程度となる。
【0032】
NBTI劣化の原因を確認するため、銅配線形成後、SiN拡散防止層を形成しないサンプルを作成した。
【0033】
図2(A)、(B)は、NBTI劣化の原因を確認するための実験を説明するための図である。
【0034】
図2(A)は、図1(A)に示す構造と比較し、Cu配線形成後、SiN層29を形成しない場合の構造を示す概略断面図である。その他の構成は、図1(A)に示す構成と同様である。
【0035】
図2(B)は、図2(A)に示す構成のNBTI劣化の測定データを、比較データと共に示す。
【0036】
図中、横軸はストレスタイムを単位秒で表わし、縦軸はNBTI劣化を示すΔIds satを単位%で示すグラフである。曲線bbは、図2(A)に示す構造により、Cu配線形成後、SiN拡散防止層を形成しなかった場合の特性を示す。曲線pは、Al配線の場合の特性を示す。曲線snは、Cu拡散防止層としてSiN層を用いた図1(A)の構造の場合の特性を示す。
【0037】
図から明らかなように、Cu配線形成後に、Cu拡散防止膜としてSiN膜を形成した場合の特性snは、NBTI劣化ΔIds satが大きい。これに対し、Cu拡散防止膜として機能するSiN膜を形成しなかった図2(A)の構成の場合の特性bbは、Al配線の場合の特性pと同様にNBTI劣化が少なく,許容範囲内である。
【0038】
上述の実験においては、銅配線のバリアメタル層として厚さ約25nmのTaN層を用いた。バリアメタルを変更した時に、NBTI劣化がどのように変化するかを調べた。
【0039】
図3(A)は、サンプルの構成を概略的に示す。この構成は、図1(A)に示す構成と同様であるが、バリアメタル層26として図3(B)に示す3種類を用いた。すなわち、図1(A)に示すサンプルと同様、バリアメタル層26をTaN層で形成したサンプルsn1、バリアメタル層として厚さ25nmのTa純金属を用いたサンプルsn2、バリアメタル層として厚さ約40nmのTi純金属及びその上に厚さ約30nmのTiN層、厚さ約25nmのTaN層の3層の積層構造を用いたサンプルsn3を作成した。銅配線上の拡散防止層は厚さ約70nmのSiN層である。
【0040】
図3(C)は測定結果を示す。サンプルsn2、sn3のNBTI劣化は許容範囲内に収まるのに対し、サンプルsn1の測定結果は許容できないNBTI劣化を示している。
【0041】
すなわち、拡散防止層としてSiN層を用いても、バリアメタル層をTa又はTiの純金属を用いて作成すると、NBTI劣化を抑制することが可能である。
【0042】
上述の実験においては、サイドウォールスペーサとして厚さ約20nmのSiN層と厚さ約80nmのアンドープシリケートガラス層の積層を用いた。サイドウォールスペーサを酸化シリコン単層で作成した場合の影響を調べた。
【0043】
図4(A)はサンプルの構成を概略的に示す。サイドウォールスペーサ17は、厚さ約130nmのアンドープシリケートガラスで形成されている。バリアメタル層26は、厚さ約25nmのTa純金属層で形成している。拡散防止層29は、厚さ約70nmのSiN層で形成されている。
【0044】
図4(B)にサンプルの種類を示す。図1(A)に示すようにサイドウォールスペーサをSiN層15とアンドープシリケートガラス層16の積層で形成し,バリアメタル層26を厚さ25nmのTa層で形成したサンプルsndと、図4(A)に示すようにサイドウォールスペーサを単層のアンドープシリケートガラス層17で形成し,バリアメタル層26を厚さ25nmのTa層で形成したサンプルsnsを用い、NBTI劣化を測定した。
【0045】
図4(C)は測定結果を示す。サイドウォールスペーサをSiN層とアンドープシリケートガラス層の積層で形成したサンプルsndは、NBTI劣化が抑制され、許容範囲内に収まっている。
【0046】
これに対し、サイドウォールスペーサを単層のアンドープシリケートガラス層17で形成したサンプルsnsはNBTI劣化が増大し、許容範囲を超している。
【0047】
バリアメタルにTa純金属層を用いても、サイドウォールスペーサを酸化シリコン単層にすると、NBTI劣化が生じることが分かる。
【0048】
上述の実験において、NBTI劣化は、銅配線形成後にSiN拡散防止層を形成した場合に生じている。SiN拡散防止層は、ソースガスとしてシラン(SiH4)とアンモニア(NH3)を用いてプラズマCVD(PCVD)により作成している。SiN層成長条件を変更し、シラン流量を半減してSiN層を形成したサンプルを作成した。このシラン量を半減したSiN層を用いたサンプルをsnhで示す。
【0049】
図5(A)は、従来のAl配線を用いたサンプルp、銅配線上に従来のSiN層を形成したサンプルsn、シラン流量を半減させた条件でSiN層を形成したサンプルsnh及び拡散防止層としてSiC層を用いたサンプルscの測定結果を示す。
【0050】
たとえば、Novellus社Concept Two SequelにおけるSiN膜の成膜におけるSiH/NHガス流量比は、1)(スタンダード)11.1%、2)(3/4)7.7%、3)(1/2)5.9%である。従来はスタンダード条件でSiN膜を成膜していた。上述のシラン流量を半減させた条件は、SiN4/NH3ガス流量比を6%以下とした条件である。
【0051】
従来のSiN層を用いたサンプルsnが大きなNBTI劣化を示しているのに対し、他の3つのサンプルは全てNBTI劣化が抑制されていることが分かる。SiN層をシラン流量を減少させた条件で作成すると、NBTI劣化を生じさせる効果が減少することが分かる。
【0052】
図5(B)は、サンプルsc、snh、snの拡散防止層のフーリエ分光測定結果を示す。図中,横軸は波数を単位cm-1で示し,縦軸は吸収を正規化した任意単位で示す。Si−Hの吸収を示す波数2200cm-1のピークが、サンプルsnでは明瞭であるのに対し、サンプルsc及びsnhにおいては極めて小さくなっている。
【0053】
なお、N−Hの吸収を示す波数3400cm-1付近のピークは、サンプルsnhで最も顕著であり、サンプルsnでは若干弱い。サンプルscにおいては全く観察されない。これらの結果から推察すると、NBTI劣化はSi−H結合の濃度に影響されている可能性が強い。シラン流量を半減させて成膜したSiN膜は、スタンダード条件で成膜したSiN膜と明らかに異なる特性を示している。
【0054】
上述の実験において、サイドウォールスペーサをアンドープシリケートガラス層単層で形成すると、NBTI劣化が生じ易いことが分かった。サイドウォールスペーサを単層の酸化シリコン層で形成し、拡散防止層としてSiC層を用いた場合NBTI劣化がどのようになるかを調べた。
【0055】
図6(A)はサンプルの構成を概略的に示す。図の構成は、図4(A)に示す構成と同様である。バリアメタル層26としては厚さ約25nmのTa層を用いた。拡散防止層29としては、厚さ約70nmのSiC層を用いた。このサンプルをscで示す。
【0056】
図6(B)は、測定結果を示す。拡散防止層に厚さ約70nmのSiN層を用いたサンプルsnと、シラン流量を半減してSiN層を形成したサンプルsnhとのデータを併せて示す。サイドウォールスペーサを単層の酸化シリコン層で形成しても、拡散防止絶縁層としてSiCを用いたサンプルscは、NBTI劣化が抑制されている。
【0057】
通常のSiN層及びシラン流量を低減して作成したSiN層を用いたサンプルsn、snhは、NBTI劣化が抑制できず、許容範囲を越えている。シラン流量を低減して作成したSiN層は、窒化シリコン層と酸化シリコン層との積層サイドウォールスペーサと組合わせると、NBTI劣化抑制に有効であったが、サイドウォールスペーサを単層の酸化シリコン層とするとNBTI劣化が生じてしまう。
【0058】
以上の実験結果を総合すると、拡散防止絶縁層としてSiN層の代りにSiC層を用いれば、NBTI劣化が抑制できることが分かる。
【0059】
サイドウォールスペーサを単層の酸化シリコン層ではなく、窒化シリコン層と酸化シリコン層の積層で形成した場合、銅配線のバリアメタル層としてTaやTiの純金属層を用いることにより、NBTI劣化を抑制することができる。
【0060】
又、サイドウォールスペーサを窒化シリコン層と酸化シリコン層の積層で形成した場合、拡散防止絶縁層としてシラン流量を低減したSiN層で形成することにより、NBTI劣化を抑制することができる。
【0061】
図7は、拡散防止層を形成した後の温度(加熱)処理によって、NBTI劣化がどのように変化するかを示すグラフである。破線は、拡散防止絶縁層をSiC層で形成した場合の測定結果を示す。拡散防止層をSiC層で形成すれば、その後の温度処理の温度によらずNBTI劣化は増大しない。拡散防止層をSiN層で形成したサンプルsnは、温度処理の温度が約340℃を超えると、NBTI劣化が増大していることが分かる。SiNで拡散防止絶縁層を形成した後、340℃以上の温度処理を行うと、NBTI劣化が避け難いことが分かる。
【0062】
後に説明するように、拡散防止層の上には上層の層間絶縁膜を形成し、上層の配線を形成する工程を所望回数繰り返す。層間絶縁膜の形成工程はCVD工程を含む。CVD工程は通常340℃以上の温度処理を伴う。銅の拡散防止膜をSiC層で形成した場合、後のCVD工程によるNBTI劣化を抑制できるであろう。
【0063】
図8は、上述の実験結果を考慮して設計された半導体装置の構成を概略的に示す。シリコン基板11の表面には、素子分離用溝が形成され、酸化膜が埋め込まれてシャロートレンチアイソレーション12が形成されている。
【0064】
シャロートレンチアイソレーション12で画定された活性領域内に、窒素を含む酸化膜で形成されたゲート絶縁膜13、シリコンゲート電極14により絶縁ゲート電極が形成されている。ゲート電極の側壁は、単層の酸化シリコン層で形成されたサイドウオールスペーサ17により覆われている。
【0065】
ゲート電極、サイドウォールスペーサを覆って、SiN層で形成されたエッチストッパ層20が形成されている。エッチストッパ層20を覆うように、ホスホシリケートガラスで形成された層間絶縁膜21が作成される。層間絶縁膜21の表面からトランジスタに達する接続孔を形成し、Ti層、TiN層,W層を積層し,不要部をCMPで除去することによりタングステンプラグ22が形成されている。
【0066】
層間絶縁膜21の上に、低誘電率絶縁(登録商標SiLK)層24、酸化シリコン層25の積層で絶縁層が形成されている。この積層絶縁層25,24を貫通するようにトレンチが形成され、バリアメタル層26、銅配線層27が埋め込まれている。
【0067】
この銅配線層を覆うように、SiCで形成された拡散防止絶縁層29が形成され、その上に酸化シリコン層40、低誘電率絶縁(登録商標SiLK)層41、酸化シリコン層42の層間絶縁膜が形成されている。低誘電率絶縁(登録商標SiLK)層は、有機塗布絶縁膜である。酸化シリコン層は、CVDで形成される。この層間絶縁膜に、デュアルダマシン構造のトレンチ及びビア孔が形成され、バリアメタル層44、銅配線層45が埋め込まれている。
【0068】
拡散防止層29としてSiC層を用いたことにより、NBTI劣化が抑制され、ドレイン電流の劣化ΔIdsを抑制できる。
【0069】
なお、図8(B)に示すように、ゲート絶縁膜を第1ゲート絶縁膜13−1、第2ゲート絶縁膜13−2の積層構造としても良い。積層構造を採用する場合、例えば第1ゲート絶縁膜13−1を酸化シリコン層で形成し、第2ゲート絶縁膜13−2を誘電率の高い窒化シリコン層、酸化ハフニウム(HfO2)層等で形成しても良い。又、始めに酸化シリコン層又は窒化酸化シリコン層を形成し、表面をさらに窒化することにより、窒素濃度の高い第2窒化酸化シリコン層13−2と窒素濃度の低い窒化酸化シリコン層又は酸化シリコン層13−1でゲート絶縁膜を構成してもよい。酸化ハフニウムは、窒化シリコンより高い誘電率を有する酸化物である。
【0070】
なお、NBTI劣化は、pチャネルMOSトランジスタで顕著に生じる現象である。CMOS回路を形成する場合、nチャネルMOSトランジスタとpチャネルMOSトランジスタとは、一部のプロセスを共通にして作成される。以下、CMOS回路を製造する工程について説明する。
【0071】
図9(A)に示すように、シリコン基板11の表面にトレンチを形成し、酸化シリコン層を埋め込んでシャロートレンチアイソレーション12を作成する。なお、素子分離領域としてLOCOS層を用いても良い。イオン注入を行うことにより所望領域にnウエルWn及びpウエルWpを作成する。
【0072】
図9(B)に示すように、半導体基板表面上に、第1ゲート絶縁層13−1、第2ゲート絶縁層13−2を形成し、ゲート絶縁層13を作成する。第1ゲート絶縁層13−1が酸化シリコン層の場合、この第1ゲート絶縁層13−1は熱酸化により形成することができる。第2ゲート絶縁層13−2は、例えばCVDにより形成した他の種類の絶縁層である。第2ゲート絶縁層13−2を窒化工程などにより形成することもできる。ゲート絶縁層13の上に、多結晶シリコン層14をCVDにより堆積する。
【0073】
図9(C)に示すように、多結晶シリコン層14の上にホトレジストパターンPRを作成し、多結晶シリコン層14、ゲート絶縁層13をエッチングする。エッチング後ホトレジストパターンPRは除去する。レジストパターンとゲート電極をマスクとし、pウエルWp及びnウエルWnに対しそれぞれ別個のイオン注入を行ない、LDD領域を形成する。
【0074】
図10(D)に示すように、酸化シリコン層をCVDで堆積し、異方性エッチングを行うことにより、絶縁ゲート電極の側壁上にサイドウォールスペーサ17を残す。その後、nウエルWn及びpウエルWpに対しそれぞれ別個のイオン注入を行ない、高不純物濃度のソース/ドレイン領域18pおよび18nを作成する。このイオン注入により、多結晶ゲート電極14も不純物を添加され、p型多結晶ゲート電極14p及びn型多結晶ゲート電極14nとなる。
【0075】
図10(E)に示すように、例えばCo層を表面に堆積し、熱処理を行うことによってシリコン層表面にシリサイド層19を形成する。未反応金属層は除去する。その後基板全面にSiN層のエッチストッパ層20をCVDにより作成する。
【0076】
図10(F)に示すように、エッチストッパ層20を覆うように例えばホスホシリケートガラスの層間絶縁層21を形成し、表面を平坦化する。層間絶縁層21の表面からコンタクト孔を形成し、W層を埋め込んで導電性プラグ22を作成する。層間絶縁層21表面上の金属層を除去し、さらに上層の絶縁層23を形成する。絶縁層23にトレンチを形成し、バリアメタル層26、銅配線層27を堆積し、銅配線を形成する。絶縁層23表面上の金属層を除去した後、SiC層で形成された銅拡散防止絶縁層29を形成する。なお、さらに上層配線層を任意層数形成することができる。
【0077】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば種々の変更、改良、組み合わせが可能なことは当業者に自明であろう。
【0078】
以下、本発明の特徴を付記する。
【0079】
(付記1)(1) n型領域を有するシリコン基板と、
前記n型領域上に、窒素を含む酸化シリコンを用いて形成されたゲート絶縁膜と、
ホウ素を含むシリコンを用いて、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極両側の前記シリコン基板内に形成されたp型ソース/ドレイン領域と、
酸化シリコンを用いて、前記ゲート電極の側壁上に形成されたサイドウォールスペーサと、
前記ゲート電極、サイドウォールスペーサを覆い、平坦化された表面を有する層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜の平坦化された表面から内部に向って形成された配線用凹部と、
前記凹部を埋める、下地のバリア層とその上の銅領域を含む銅配線と、
前記銅配線を覆って、前記層間絶縁膜上に形成された炭化シリコン層と、
を有する半導体装置。
【0080】
(付記2)(2) 前記サイドウォールスペーサが、単層の酸化シリコン層で形成された請求項1記載の半導体装置。
【0081】
(付記3)(3) 前記サイドウォールスペーサが、窒化シリコン層とその上の酸化シリコン層との積層を含む請求項1記載の半導体装置。
【0082】
(付記4)(4) 前記ゲート絶縁膜の酸化シリコンが1at%以上の窒素を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の半導体装置。
【0083】
(付記5)(5) 前記層間絶縁膜が、最下層として窒化シリコンで形成されたエッチストッパ層を含む請求項1〜4のいずれか1項記載の半導体装置。
【0084】
(付記6)(6) 前記ゲート絶縁膜が、酸化シリコン層と窒化シリコン層との積層、表面で窒素濃度を高めた窒素を含む酸化シリコン層、窒素を含む酸化シリコン層と窒化シリコンより誘電率の高い酸化物層との積層、窒化シリコン層と窒化シリコンより誘電率の高い酸化物層との積層のいずれかを含む請求項1〜4のいずれか1項記載の半導体装置。
【0085】
(付記7)(7) n型領域を有するシリコン基板と、
前記n型領域上に、窒素を含む酸化シリコンを用いて形成されたゲート絶縁膜と、
ホウ素を含むシリコンを用いて、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極両側の前記シリコン基板内に形成されたp型ソース/ドレイン領域と、
酸化シリコン層と窒化シリコン層との積層を用いて、前記ゲート電極の側壁上に形成されたサイドウォールスペーサと、
前記ゲート電極、サイドウォールスペーサを覆い、平坦化された表面を有する層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜の平坦化された表面から内部に向って形成された配線用凹部と、
前記凹部を埋める、TaまたはTiで形成された下地バリア層とその上の銅領域を含む銅配線と、
を有する半導体装置。
【0086】
(付記8)(8) n型領域を有するシリコン基板の上に、窒素を含む酸化シリコンを用いたゲート絶縁膜と、ホウ素を含むシリコンを用いたゲート電極とを形成する工程と、
前記ゲート電極両側の前記シリコン基板内にp型ソース/ドレイン領域を形成する工程と、
前記ゲート電極の側壁上に酸化シリコンを用いてサイドウォールスペーサを形成する工程と、
前記ゲート電極、サイドウォールスペーサを覆い、平坦化された表面を有する層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の平坦化された表面から内部に向って凹部を形成し,該凹部内に下地のバリア層とその上の銅領域を含む銅配線とを埋め込む工程と、
前記銅配線を覆って、前記層間絶縁膜上に炭化シリコン層を形成する工程と、
前記シリコン基板を340℃以上の温度で熱処理する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【0087】
(付記9)(9) n型領域を有するシリコン基板と、
前記n型領域上に、誘電率の異なる2層以上の積層構造で形成されたゲート絶縁膜と、
ホウ素を含むシリコンを用いて、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極両側の前記シリコン基板内に形成されたp型ソース/ドレイン領域と、
前記ゲート電極を覆い、平坦化された表面を有する層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜の平坦化された表面から内部に向って形成された配線用凹部と、
前記凹部を埋める銅配線と、
前記銅配線の上または下に形成された窒素を含まない銅の拡散防止絶縁膜と、を有する半導体装置。
【0088】
(付記10)(10) 前記ゲート絶縁膜が、窒素含有量が1at%未満の下層絶縁膜と、窒素含有量が1at%以上の上層絶縁膜を含む請求項9記載の半導体装置。
【0089】
(付記11) (a)n型領域を有するシリコン基板の前記n型領域上に窒素を含む酸化シリコンを用いたゲート絶縁膜を、前記ゲート絶縁膜上にホウ素を含むシリコンを用いたゲート電極を、前記ゲート電極両側の前記シリコン基板内にp型ソース/ドレイン領域を、前記ゲート電極の側壁上に酸化シリコンを用いたサイドウォールスペーサを形成し、絶縁ゲート型トランジスタを構成する工程と、
(b)前記絶縁ゲート型トランジスタを覆って、平坦化された第1表面を有する第1層間絶縁膜と平坦化された第2表面を有する第2層間絶縁膜とを形成する工程と、
(c)前記第1表面から前記絶縁ゲート型トランジスタに達する孔部と前記第2表面から前記孔部に達する凹部とを形成する工程と、
(d)前記孔部内に導電性接続部を、前記凹部内に下地のバリア層とその上の銅層とを含む銅配線を形成する工程と、
(e)前記銅配線を覆って、前記第2層間絶縁膜上に炭化シリコン層を形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【0090】
(付記12) 前記工程(b)、(c)、(d)が、
(x1)前記第1層間絶縁膜を形成する工程と、
(x2)前記孔部を形成する工程と、
(x3)前記導電性接続部を形成する工程と、
(x4)前記第2層間絶縁膜を形成する工程と、
(x5)前記凹部を形成する工程と、
(x6)前記銅配線を形成する工程と、
を含む付記11記載の半導体装置の製造方法。
【0091】
(付記13)前記工程(d)が、前記孔部と前記凹部とに前記バリア層と前記銅層とを埋め込む工程を含む請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【0092】
(付記14)(a)n型領域を有するシリコン基板の前記n型領域上に窒素を含む酸化シリコンを用いたゲート絶縁膜を、前記ゲート絶縁膜上にホウ素を含むシリコンを用いたゲート電極を、前記ゲート電極両側の前記シリコン基板内にp型ソース/ドレイン領域を、前記ゲート電極の側壁上に酸化シリコン層と窒化シリコン層との積層を用いたサイドウォールスペーサを形成し、絶縁ゲート型トランジスタを構成する工程と、
(b)前記絶縁ゲート型トランジスタを覆って、平坦化された第1表面を有する第1層間絶縁膜と平坦化された第2表面を有する第2層間絶縁膜とを形成する工程と、
(c)前記第1表面から前記絶縁ゲート型トランジスタに達する孔部と前記第2表面から前記孔部に達する凹部とを形成する工程と、
(d)前記孔部内に導電性接続部を、前記凹部内にTaまたはTiで形成された下地のバリア層とその上の銅層とを含む銅配線を形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【0093】
(付記15)さらに、
(e)前記銅配線を覆って、前記第2層間絶縁膜上に炭化シリコン層を形成する工程、
を含む付記14記載の半導体装置の製造方法。
【0094】
(付記16) 前記工程(b)、(c)、(d)が、
(x1)前記第1層間絶縁膜を形成する工程と、
(x2)前記孔部を形成する工程と、
(x3)前記導電性接続部を形成する工程と、
(x4)前記第2層間絶縁膜を形成する工程と、
(x5)前記凹部を形成する工程と、
(x6)前記銅配線を形成する工程と、
を含む付記14または15記載の半導体装置の製造方法。
【0095】
(付記17)前記工程(d)が、前記孔部と前記凹部とに前記バリア層と前記銅層とを埋め込む工程を含む請求項14または15記載の半導体装置の製造方法。
【0096】
(付記18) (a)n型領域を有するシリコン基板の前記n型領域上に窒素を含む酸化シリコンを用いたゲート絶縁膜を、前記ゲート絶縁膜上にホウ素を含むシリコンを用いたゲート電極を、前記ゲート電極両側の前記シリコン基板内にp型ソース/ドレイン領域を、前記ゲート電極の側壁上に酸化シリコンを用いたサイドウォールスペーサを形成し、絶縁ゲート型トランジスタを構成する工程と、

(b)前記絶縁ゲート型トランジスタを覆い、平坦化された第1表面を有する第1層間絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記第1表面から前記絶縁ゲート型トランジスタに達する孔部を形成する工程と、
(d)前記孔部内に導電性接続部を形成する工程と、
(e)前記導電性接続部を覆って、平坦化された第2表面を有する第2層間絶縁膜を形成する工程と、
(f)前記第2表面から前記孔部に達する凹部を形成する工程と、
(g)前記凹部内に下地のバリア層とその上の銅領域を含む銅配線とを埋め込む工程と、
(h)前記銅配線を覆って、前記層間絶縁膜上に炭化シリコン層を形成する工程と、
(i)前記シリコン基板を340℃以上の温度で熱処理する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【0097】
(付記19) (a)n型領域を有するシリコン基板の前記n型領域上に誘電率の異なる2層以上の積層構造で形成されたゲート絶縁膜を、前記ゲート絶縁膜上にホウ素を含むシリコンを用いたゲート電極を、前記ゲート電極両側の前記シリコン基板内にp型ソース/ドレイン領域を形成し、絶縁ゲート型トランジスタを構成する工程と、
(b)前記絶縁ゲート型トランジスタを覆って、平坦化された第1表面を有する第1層間絶縁膜と平坦化された第2表面を有する第2層間絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記第1表面から前記絶縁ゲート型トランジスタに達する孔部と前記第2表面から前記孔部に達する凹部を形成する工程と、
(d)前記孔部内に導電性接続部を、前記凹部内に下地のバリア層とその上の銅層とを含む銅配線を形成する工程と、
(e)前記銅配線の上または下に窒素を含まない銅の拡散防止絶縁膜を形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【0098】
(付記20) 前記工程(b)、(c)、(d)が、
(x1)前記第1層間絶縁膜を形成する工程と、
(x2)前記孔部を形成する工程と、
(x3)前記導電性接続部を形成する工程と、
(x4)前記第2層間絶縁膜を形成する工程と、
(x5)前記凹部を形成する工程と、
(x6)前記銅配線を形成する工程と、
を含む付記19記載の半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】実験に用いたサンプルの構成を示す断面図及び測定結果を示すグラフである。
【図2】実験に用いたサンプルの構成を示す断面図及び測定結果を示すグラフである。
【図3】実験に用いたサンプルの構成を示す断面図及び測定結果を示すグラフである。
【図4】実験に用いたサンプルの構成を示す断面図及び測定結果を示すグラフである。
【図5】測定結果を示すグラフである。
【図6】実験に用いたサンプルの構成を示す断面図及び測定結果を示すグラフである。
【図7】実験結果を示すグラフである。
【図8】実施例による半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図9】実施例による半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。
【図10】実施例による半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0100】
11 シリコン基板
12 シャロートレンチアイソレーション
13 ゲート絶縁層
14 ゲート電極
15 窒化シリコン層(積層サイドウォールスペーサ)
16 酸化シリコン層(積層サイドウォールスペーサ)
17 酸化シリコン層(単層サイドウォールスペーサ)
18 ソース/ドレイン領域
20 窒化シリコン層(エッチストッパ)
21 層間絶縁膜
22 タングステンプラグ
24、25 絶縁層
26 バリアメタル層
27 銅層
29 銅拡散防止絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
n型領域を有するシリコン基板の上に、窒素を含む酸化シリコンを用いたゲート絶縁膜と、ホウ素を含むシリコンを用いたゲート電極とを形成する工程と、
前記ゲート電極両側の前記シリコン基板内にp型ソース/ドレイン領域を形成する工程と、
前記ゲート電極の側壁上に酸化シリコンを用いてサイドウォールスペーサを形成する工程と、
前記ゲート電極、サイドウォールスペーサを覆い、平坦化された表面を有する層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の平坦化された表面から内部に向って凹部を形成し,該凹部内に下地のバリア層とその上の銅領域を含む銅配線とを埋め込む工程と、
前記銅配線の上に炭化シリコン層を形成する工程と、
前記炭化シリコン層の上方に絶縁層をCVDで形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−189243(P2007−189243A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62531(P2007−62531)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【分割の表示】特願2002−91306(P2002−91306)の分割
【原出願日】平成14年3月28日(2002.3.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】