説明

半導体装置の製造方法および半導体装置

【課題】仕事関数が所望の値に制御されたメタルゲート電極を備える半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板2上に、ゲート絶縁膜4を介して、N等を含有する仕事関数制御層5、SiまたはAlを含んだ中間層6、およびMoN層等の低抵抗層7が積層された構造を有するメタルゲート電極を形成する。その形成時には、ゲート絶縁膜4上に仕事関数制御層5、中間層6および低抵抗層7の各層の積層後、ゲート加工を行い、LDD領域9、サイドウォール8およびソース・ドレイン領域10を順に形成して、半導体基板2に導入した不純物の活性化アニールを行う。仕事関数制御層5と低抵抗層7との間に中間層6を設けたことにより、仕事関数制御層5へのあるいは仕事関数制御層5からのN等の拡散が抑制され、その仕事関数の変動が抑制されるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関し、特に、メタルゲート電極を備えた半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタは、そのゲート電極材料にポリシリコンが広く用いられてきた。近年では、そのようなポリシリコンゲート電極に替わり、メタル材料を用いたメタルゲート電極を形成する試みがなされている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
【0003】
メタルゲート電極を用いた場合の閾値電圧は、例えば、そのメタルゲート電極に用いられるメタル材料の仕事関数によって制御される。このほか、例えば、窒素(N)を含有するメタル材料を用い、そのN濃度を制御することによって仕事関数を制御し、閾値電圧を制御する方法が提案されている。また、メタルゲート電極直下のゲート絶縁膜上部に、その上に形成した別の層から適当な元素を拡散させて固定電荷層を形成し、その固定電荷層を利用して閾値電圧を制御する方法も提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
【特許文献1】特開2007−123867号公報
【特許文献2】特開2007−73960号公報
【特許文献3】特開2007−19400号公報
【特許文献4】特開2005−108875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、MOSトランジスタを形成する際には、ソース・ドレイン領域形成のための不純物イオン注入後の活性化アニール等、種々の熱処理が行われるが、仕事関数に影響を及ぼすメタルゲート電極内のN等の元素が、そのような熱処理によって拡散することにより、仕事関数が目的としていた値から変動してしまうという問題点があった。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、仕事関数が所望の値に制御されたメタルゲート電極を備える半導体装置の製造方法および半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、次のような工程を有するメタルゲート電極を備えた半導体装置の製造方法が提供される。この半導体装置の製造方法は、半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上に仕事関数を制御する仕事関数制御層を形成する工程と、前記仕事関数制御層上に前記仕事関数に影響する元素の拡散を抑制する中間層を形成する工程と、前記中間層上に前記元素を含有する導電層を形成する工程と、を有する。
【0007】
また、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されて仕事関数を制御する仕事関数制御層と、前記仕事関数制御層上に形成されて前記仕事関数に影響する元素の拡散を抑制する中間層と、前記中間層上に形成された前記元素を含有する導電層と、を有する半導体装置が提供される。
【0008】
仕事関数制御層と導電層との間に、仕事関数に影響する元素の拡散を抑制する中間層を形成するため、仕事関数制御層へのあるいは仕事関数制御層からの所定元素の拡散が抑制され、仕事関数制御層の仕事関数の変動が抑えられるようになる。
【発明の効果】
【0009】
所定元素による仕事関数制御層の仕事関数の変動を抑え、メタルゲート電極の仕事関数を所望の値に制御することができる。メタルゲート電極を備えた高性能のMOSトランジスタが実現可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して詳細に説明する。
図1はメタルゲート電極を備えたMOSトランジスタの一例の要部断面模式図である。
図1に示すMOSトランジスタ1は、シリコン(Si)基板等の半導体基板2の、STI(Shallow Trench Isolation)等の素子分離領域3で画定された素子領域に形成されている。素子領域には、必要に応じ、所定導電型の不純物が導入されたウェル領域(図示せず。)が形成される。その素子領域の半導体基板2上に、ゲート絶縁膜4を介して、メタルゲート電極の仕事関数を制御するための仕事関数制御層5が形成され、その上に中間層6を介して、メタルゲート電極の低抵抗化を図るための導電層(低抵抗層)7が積層されている。
【0011】
ここで、ゲート絶縁膜4は、窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、ハフニウムシリケート(HfSiO)および酸化ハフニウム(HfO)等の高誘電率(High−k)材料のほか、酸化シリコン(SiO)や酸窒化シリコン(SiON)等の材料を用いて構成することができる。
【0012】
仕事関数制御層5は、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)またはタンタル(Ta)を用いて構成され、N等の所定の元素を所定量含有させることで、仕事関数が制御される。その仕事関数の制御に用いることのできる元素としては、Nのほか、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)等のV族元素が挙げられる。さらに、仕事関数制御層5には、その耐熱性向上のために、Si等の所定の元素が含有される場合もある。
【0013】
中間層6は、Siまたはアルミニウム(Al)を用いて構成される。中間層6は、最終的には、下層の仕事関数制御層5や上層の低抵抗層7に含まれる元素により、その全部または大部分が金属間化合物となる。なお、この点については後述する。
【0014】
低抵抗層7は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)等の高融点金属を用いて構成され、それら金属を単体で用いるほか、耐酸化性を考慮し、それらの窒化物を用いることができる。ただし、低抵抗層7に窒化物を用いる場合には、Nの存在による低抵抗層7の抵抗に留意する。
【0015】
仕事関数制御層5、中間層6および低抵抗層7が積層されて構成されたメタルゲート電極の両側には、窒化シリコン(SiN)やSiO等を用いてサイドウォール8が形成されている。また、メタルゲート電極両側の半導体基板2内には、所定導電型の不純物が導入されて形成された不純物拡散領域、ここではLDD(Lightly Doped Drain)領域9およびソース・ドレイン領域10が形成されている。半導体基板2の表面(ソース・ドレイン領域10)には、コバルト(Co)やニッケル(Ni)等を用いてシリサイド層11が形成されている。
【0016】
また、低抵抗層7上には、MOSトランジスタ1の形成過程における低抵抗層7の酸化を防止するために、例えばSi層が形成され、そのような層も全部あるいは一部がシリサイド化されて、メタルゲート電極の表面にシリサイド層11が形成される。図1には、そのような層の全部がシリサイド化されている場合を例示している。
【0017】
このようなMOSトランジスタ1は、例えば、次のような流れで形成することができる。
まず、半導体基板2に素子分離領域3を形成した後、全面にHfSiON膜等のゲート絶縁膜4を形成し、その上に、Si含有窒化ハフニウム(HfSiN)層、窒化ハフニウム(HfN)層等の、仕事関数に影響するN等の元素を所定量含有する仕事関数制御層5を形成する。
【0018】
この仕事関数制御層5には、あらかじめ目的の仕事関数の値が得られるようにN等の元素が含有される。例えば、仕事関数制御層の膜厚や仕事関数制御層を含むメタルゲート電極の形成条件等にもよるが、CMOSトランジスタでは、nMOSトランジスタのメタルゲート電極の仕事関数制御層に濃度がおよそ5×1021cm-3以下のNが含有され、pMOSトランジスタのメタルゲート電極の仕事関数制御層に濃度がおよそ1×1022cm-3以上のNが含有される場合に、両トランジスタにポリシリコンゲート電極を用いたときと同等の仕事関数差を得ることが可能である。このように、形成すべきMOSトランジスタ1の構成等に応じ、N等の元素の含有量が設定される。
【0019】
次いで、仕事関数制御層5上に、Si層やAl層等の中間層6を形成し、その中間層6上に窒化モリブデン(MoN)層やMo層等の低抵抗層7を形成する。さらに、中間層6および低抵抗層7の形成後、低抵抗層7上に低抵抗層7の酸化防止用のSi層を形成する。
【0020】
このような状態から、例えばレジスト形成後にRIE(Reaction Ion Etching)を行って、酸化防止用Si層、低抵抗層7、中間層6、仕事関数制御層5およびゲート絶縁膜4のパターニングを行う(ゲート加工)。
【0021】
ゲート加工後は、所定導電型の不純物を所定条件でイオン注入することによりLDD領域9を形成する。次いで、全面に絶縁膜を形成してエッチバックすることによりサイドウォール8を形成し、所定導電型の不純物を所定条件でイオン注入することによりソース・ドレイン領域10を形成する。
【0022】
このようにして不純物を注入した後は、注入した不純物を活性化するため、熱処理(活性化アニール)を行う。この活性化アニールは、例えば1000℃や1050℃といった比較的高温で、数秒間といった短時間の条件で行われる。
【0023】
活性化アニール後は、全面にCoやNi等の金属を堆積し、熱処理を行って、堆積金属と、半導体基板2の露出表面とを反応させ、未反応金属を除去することにより、シリサイド層11を形成する。その際は、低抵抗層7上に形成した酸化防止用のSi層にもシリサイド層11が形成される。シリサイド層11を形成する際に行う熱処理は、例えば400℃〜700℃といった比較的低温で、数十秒〜数分といった条件で行われる。
【0024】
このようにしてMOSトランジスタ1を形成する場合、活性化アニールの際には、低抵抗層7に含まれているMo等の元素や仕事関数制御層5に含まれているHf,Si等の元素により、Si層やAl層で構成されている中間層6がシリサイドやアルミナイド等の金属間化合物に変化する。なお、変化前後あるいは変化途中の層をいずれも「中間層」というものとする。
【0025】
活性化アニールの際には、比較的高温の条件が用いられるために、上記のような中間層6の変化と共に、例えば低抵抗層7をMoN層のようにNを含有する材料で構成している場合には、低抵抗層7のNが拡散しやすい状態になる。Nは、仕事関数制御層5の仕事関数に影響する元素のひとつである。また、その活性化アニールの際には、仕事関数制御層5の仕事関数を制御しているN等の元素も拡散しやすい状態になる。仕事関数制御層5と低抵抗層7との間に設けた中間層6は、Nを含有している場合の低抵抗層7(例えば、MoN層。)のNが仕事関数制御層5まで拡散するのを抑制し、また、仕事関数制御層5のN等の元素が低抵抗層7(例えば、MoN層やMo層。)まで拡散するのを抑制する機能を有している。
【0026】
仮に中間層6を設けていないとすると、上記活性化アニールの際に、Nを含有している低抵抗層7のNが仕事関数制御層5まで拡散することにより、あるいは仕事関数制御層5のN等の元素が低抵抗層7まで拡散することにより、仕事関数制御層5のN濃度が変動し、特にゲート絶縁膜4との界面領域におけるN濃度が変動してしまうと、仕事関数が目的の値から変動してしまう。
【0027】
これに対し、上記のように仕事関数制御層5と低抵抗層7との間に中間層6を設けている場合には、低抵抗層7から仕事関数制御層5の方へ向かうNの拡散が発生する状態となったときに、低抵抗層7のNが中間層6でその進行を止められあるいは中間層6内に取り込まれて、仕事関数制御層5へのNの拡散が抑制される。そのため、仕事関数制御層5のN濃度、特にゲート絶縁膜4との界面領域におけるN濃度の変動を抑えて、仕事関数の変動を抑制することができる。逆に、仕事関数制御層5から低抵抗層7の方へ向かうN等の元素の拡散が発生する状態にあっては、仕事関数制御層5からN等の元素が低抵抗層7に拡散するのを中間層6が抑制し、仕事関数の変動を抑制することができる。
【0028】
なお、この中間層6により、低抵抗層7から仕事関数制御層5に向かうNの拡散のほか、仕事関数制御層5に拡散したときにその仕事関数に影響を及ぼす低抵抗層7内の元素(N以外の元素や、NとN以外の元素。)の拡散も、同様に抑制することができる。また、仕事関数制御層5、中間層6および低抵抗層7に、それらに用いることのできる材料のうちのいずれの材料を用いた場合であっても、上記のような流れでMOSトランジスタ1を形成することができ、中間層6により所定元素の拡散を抑制して仕事関数の変動を抑えることができる。
【0029】
以下、CMOSトランジスタを例に、より具体的に説明する。
まず、第1実施例について説明する。
図2〜図6は第1実施例のCMOSトランジスタの形成方法の説明図である。以下、各形成工程について順に説明する。
【0030】
図2は第1実施例のpMOSトランジスタ用仕事関数制御層形成工程の要部断面模式図である。
まず、仕事関数制御層の形成に先立ち、Si基板20にSTI等の素子分離領域21を形成する。そして、その素子分離領域21で画定された、nMOSトランジスタ形成用およびpMOSトランジスタ形成用の素子領域(以下、それぞれnMOS領域、pMOS領域という。)22,23に、それぞれpウェル24およびnウェル25を形成し、さらに、所定のチャネル注入を行う。その後、ゲート絶縁膜26として、例えば、HfSiON膜、HfSiO膜またはHfO膜を約1nm〜3nm程度の膜厚で全面に形成する。
【0031】
次いで、そのゲート絶縁膜26上に、pMOSトランジスタ用の仕事関数制御層として、HfN層27を形成する。このHfN層27は、例えば、スパッタ法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い、膜厚約20nmで、N濃度が1×1022cm-3以上になるように形成する。
【0032】
HfN層27をスパッタ法で形成する場合には、Hfをスパッタする際の雰囲気中のN濃度を制御したりHfNターゲットを用いたりすることにより、所望のN濃度のHfN層27を形成することができる。CVD法で形成する場合には、Hf原料と共にチャンバに導入するN2ガス等のN原料ガスの流量を制御することにより、所望のN濃度のHfN層27を形成することができる。
【0033】
HfN層27を形成した後は、pMOS領域23にのみレジスト28を形成する。そして、そのレジスト28をマスクにして、例えば濃度約0.5%のフッ酸(HF)溶液を用い、nMOS領域22に形成されているHfN層27をウェットエッチングにより選択的に除去する。
【0034】
図3は第1実施例のnMOSトランジスタ用仕事関数制御層形成工程の要部断面模式図である。
nMOS領域22のHfN層27の除去後は、nMOSトランジスタ用の仕事関数制御層として、HfSiN層29を形成する。このHfSiN層29は、nMOS領域22のHfN層27を除去した後の全面に、例えば、スパッタ法やCVD法を用い、膜厚約20nmで、N濃度が5×1021cm-3以下になるように形成する。HfSiN層29内のSiは、耐熱性の向上に寄与し、その含有量は、HfとSiの組成比(Hf/Si)が1〜100の範囲で設定可能である。
【0035】
HfSiN層29をスパッタ法で形成する場合には、例えば、Hfをスパッタする際の雰囲気中のN濃度およびSi濃度を制御することにより、所望のN濃度およびSi濃度のHfSiN層29を形成することができる。CVD法で形成する場合には、Hf原料と共にチャンバに導入するN原料ガスおよびSi原料ガスの流量を制御することにより、所望のN濃度およびSi濃度のHfSiN層29を形成することができる。
【0036】
HfSiN層29を形成した後は、nMOS領域22にのみレジスト30を形成する。そして、そのレジスト30をマスクにして、例えば濃度約0.5%のHF溶液を用い、pMOS領域23のHfN層27上に形成されているHfSiN層29をウェットエッチングにより選択的に除去する。これにより、nMOS領域22にHfSiN層29が、pMOS領域23にHfN層27が、それぞれ形成された状態が得られる。
【0037】
図4は第1実施例の中間層等形成工程およびゲート加工工程の要部断面模式図である。
nMOS領域22およびpMOS領域23にそれぞれHfSiN層29およびHfN層27を形成した後は、全面に、まず中間層31を形成する。ここでは、中間層31としてSi層を形成する。この中間層31のSi層は、例えば、スパッタ法やCVD法を用い、膜厚約1nm〜10nm、好ましくは約1nm〜5nm、より好ましくは約3nm〜5nmの範囲で形成する。ここで形成する中間層31の膜厚が10nmを上回るような場合には、後述する活性化アニールの際に、そのシリサイド化が十分に進行せず、メタルゲート電極内において高抵抗の部分を構成してしまう可能性が高くなる。また、中間層31の膜厚が1nmを下回るような場合には、後述する活性化アニールの際に、仕事関数に影響するN等の元素のメタルゲート電極内における拡散を抑制することが難しくなる可能性が高くなる。
【0038】
中間層31の形成後は、その上に、低抵抗層として、MoN層32を形成する。このMoN層32は、例えば、スパッタ法やCVD法を用い、膜厚約80nmで形成する。MoN層32のN濃度は、その耐酸化性と抵抗を考慮して設定する。
【0039】
MoN層32をスパッタ法で形成する場合には、Moをスパッタする際の雰囲気中のN濃度を制御することにより、所望のN濃度のMoN層32を形成することができる。CVD法で形成する場合には、Mo原料と共にチャンバに導入するN原料ガスの流量を制御することにより、所望のN濃度のMoN層32を形成することができる。また、先にスパッタ法やCVD法を用いてMo層を形成しておき、その後、そのMo層にイオン注入によって所定量のNを導入することで、MoN層32を形成することもできる。
【0040】
MoN層32の形成後は、その上に、以降のCMOSトランジスタの形成過程におけるMoN層32の酸化を防止するため、Si層33を形成する。このSi層33は、例えば、スパッタ法やCVD法を用い、膜厚約10nmで形成する。
【0041】
このようにして中間層31、MoN層32およびSi層33を形成した後は、nMOS領域22およびpMOS領域23の各メタルゲート電極を形成する領域にレジスト34を形成する。そして、このレジスト34をマスクにしてRIEを行い、Si層33、MoN層32、中間層31、HfSiN層29、HfN層27およびゲート絶縁膜26をパターニングする、ゲート加工を行う。これにより、nMOS領域22には、ゲート絶縁膜26上に、HfSiN層29、中間層31、MoN層32およびSi層33が積層された構造のゲートパターンが形成される。また、pMOS領域23には、ゲート絶縁膜26上に、HfN層27、中間層31、MoN層32およびSi層33が積層された構造のゲートパターンが形成される。
【0042】
図5は第1実施例のサイドウォールおよび不純物拡散領域形成工程の要部断面模式図である。
ゲート加工後は、nMOS領域22にそのゲートパターンをマスクにn型不純物を所定条件でイオン注入してLDD領域35を形成し、pMOS領域23にそのゲートパターンをマスクにp型不純物を所定条件でイオン注入してLDD領域36を形成する。
【0043】
次いで、全面にSiN膜あるいはSiO膜を形成し、エッチバックを行って、nMOS領域22およびpMOS領域23の各ゲートパターンの側壁にサイドウォール37を形成する。
【0044】
次いで、nMOS領域22に、そのゲートパターンとサイドウォール37をマスクにして、n型不純物を所定条件でイオン注入し、ソース・ドレイン領域38を形成する。pMOS領域23には、そのゲートパターンとサイドウォール37をマスクにして、p型不純物を所定条件でイオン注入し、ソース・ドレイン領域39を形成する。なお、ソース・ドレイン領域38,39はそれぞれ、LDD領域35,36に比べて高濃度で、より深い領域まで形成されるように、イオン注入条件が設定されて形成される。
【0045】
ソース・ドレイン領域39の形成まで行った後は、注入した不純物を活性化させるための活性化アニールを行う。この活性化アニールは、例えば、不活性ガス雰囲気中、温度約1050℃、約1秒間の条件で行う。
【0046】
また、この活性化アニールにより、HfSiN層29とMoN層32との間の中間層31であるSi層、およびHfN層27とMoN層32との間の中間層31であるSi層が、金属間化合物層すなわちHf,Mo等でシリサイド層に変化していく。なお、前述のように、中間層31のSi層が厚すぎると、そのSi層が完全にあるいは大部分がシリサイド化されたシリサイド層を得ることができなくなる場合があるので、この活性化アニールの条件等も考慮し、そのSi層の膜厚を適切に設定する。
【0047】
この活性化アニールの際には、その温度が高いことから、MoN層32、HfSiN層29およびHfN層27に含有されているNが拡散しやすいエネルギー状態になる。しかしながら、MoN層32のNは、中間層31(シリサイド化前後および途中の層を含む。)によりHfSiN層29およびHfN層27への拡散が抑制され、HfSiN層29およびHfN層27のNは、中間層31によりMoN層32への拡散が抑制される。なお、この活性化アニールにより、中間層31は、例えば、MoN層32側には主にMoSiNが存在し、HfSiN層29側およびHfN層27側には主にHfSiNが存在するような構造になる。
【0048】
中間層31を形成することにより、HfSiN層29およびHfN層27のN濃度の変動を抑制し、特にゲート絶縁膜26との界面領域におけるN濃度の変動を抑えることができ、仕事関数の変動を抑制することができる。そのため、HfSiN層29およびHfN層27には、それぞれ所定の仕事関数が得られるように設定した量のNをあらかじめ含有させておくことができ、MoN層32は、耐酸化性および抵抗を考慮してN濃度を設定することができる。活性化アニールは、LDD領域35,36およびソース・ドレイン領域38,39の形成に最適な条件で行うことができる。
【0049】
図6は第1実施例のシリサイド層形成工程の要部断面模式図である。
活性化アニール後は、露出するSi表面、すなわちMoN層32上のSi層33およびSi基板20をシリサイド化することにより、シリサイド層41を形成する。
【0050】
このシリサイド層41の形成では、まず、活性化アニール後の全面にCoやNi等の金属を堆積する。そして、所定条件で熱処理を行って、その堆積金属と、Si層33およびSi基板20表面とを反応させる。例えば、金属にCoを用いる場合には温度約600℃〜700℃で熱処理を行い、Niを用いる場合には温度約400℃〜500℃で熱処理を行う。熱処理時間は、約10秒間〜120秒間とされる。そして、そのような熱処理後、未反応金属を除去することにより、コバルトシリサイド(CoSi)やニッケルシリサイド(NiSi2)等のシリサイド層41を形成する。
【0051】
このシリサイド層41の形成は、通常、上記の活性化アニールに比べて低温の条件で行われる。したがって、このときのMoN層32から、あるいはHfSiN層29およびHfN層27からのNの拡散は、活性化アニールのときよりも起こりにくい状態にある。
【0052】
なお、MoN層32上のSi層33は、この図6に示したように、必ずしもその全部がシリサイド層41に変化していることを要しない。Si層33の膜厚(ここでは約10nm。)やシリサイド化の際の条件によって、その全部がシリサイド化されたり、その表層部のみがシリサイド化されたりする。
【0053】
図7は第1実施例の層間絶縁膜およびプラグ形成工程の要部断面模式図である。
シリサイド層41の形成後は、まず全面にSiO等の層間絶縁膜42を形成する。
次いで、nMOS領域22およびpMOS領域23のMoN層32上に形成されているシリサイド層41およびSi層33を貫通しMoN層32に達するコンタクトホールを形成する。さらに、ソース・ドレイン領域38,39に形成されているシリサイド層41に達するコンタクトホールを形成する。そして、それら形成したコンタクトホールをW等で埋め込み、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等で平坦化してプラグ43を形成する。
【0054】
以降は、常法に従って上層の配線層を形成していき、目的のCMOSトランジスタを完成させる。
このように、第1実施例によれば、活性化アニール時のメタルゲート電極内でのNの拡散を抑制し、nMOSトランジスタおよびpMOSトランジスタの仕事関数制御層を適切なN濃度に維持して、両トランジスタにそれぞれ適した仕事関数を得ることができる。したがって、両トランジスタ間の仕事関数差として有意な差を確保することができ、メタルゲート電極を備えた高性能のCMOSトランジスタを実現することができる。
【0055】
なお、この第1実施例の説明においては、HfSiN層29とMoN層32との間およびHfN層27とMoN層32との間に中間層31としてSi層を形成する場合を例に述べたが、Si層に替えて、Al層を形成するようにしてもよい。Al層は、Nの通過を抑制する効果が高く、それ自体が良導体であり、メタルゲート電極の中間層31として好適である。
【0056】
Al層を用いる場合は、上記図4に示した工程において、HfSiN層29およびHfN層27の上に、例えば、スパッタ法やCVD法を用い、膜厚約1nm〜10nm、好ましくは約1nm〜5nm、より好ましくは約1nm〜2nmの範囲でAl層を形成する。Al層は、Nの拡散抑制効果が高いため、薄く形成することが可能である。Al層の形成後は、上記同様、MoN層32およびSi層33の形成とゲート加工を行うようにすればよい。上記図5〜図7に示した工程も上記同様の手順で行われる。
【0057】
このように中間層31としてAl層を用いた場合、活性化アニールの際には、Al層がHf,Mo等で金属間化合物層(アルミナイド層)に変化する。なお、この活性化アニールにより、中間層31は、例えば、MoN層32側には主にMoAlNが存在し、HfSiN層29側およびHfN層27側には主にHfAlNが存在するような構造になる。
【0058】
このような中間層31(アルミナイド化前後あるいは途中の層を含む。)により、MoN層32からHfSiN層29およびHfN層27へのNの拡散、HfSiN層29およびHfN層27からMoN層32へのNの拡散が抑制され、仕事関数の変動が抑制されるようになる。
【0059】
また、Alは、HfSiN層29内やHfN層27内ではNに比べて比較的拡散速度が大きく、上記活性化アニールの際には、Nよりも速くゲート絶縁膜26との界面領域に到達したり、Nが界面領域に到達する前に捕捉したりして、仕事関数の変動を抑制する機能も有している。
【0060】
なお、SiとAlを共に含む中間層31を形成することも可能である。その場合、膜厚は、活性化アニール後の導電性(抵抗)、およびN等の元素の拡散抑制効果等を考慮して設定すればよい。
【0061】
次に、第2実施例について説明する。
この第2実施例に示すCMOSトランジスタの形成方法は、上記第1実施例の図2に示した工程までは同じであるので、それ以降の工程について、以下の図8〜図11を参照して順に説明する。なお、図8〜図11においては、図2〜図7に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
【0062】
図8は第2実施例のnMOSトランジスタ用仕事関数制御層および中間層形成工程の要部断面模式図である。
図2に示したように全面にHfN層27を形成し、nMOS領域22のHfN層27のみを選択的に除去した後、図8に示すように、nMOSトランジスタ用の仕事関数制御層として、HfSiN層29を全面に形成する。
【0063】
そして、このHfSiN層29の形成後、全面に、中間層31としてSi層を形成する。この中間層31を形成した上で、nMOS領域22にのみレジスト30を形成し、例えば濃度約0.5%のHF溶液を用い、pMOS領域23に形成されているHfSiN層29および中間層31を選択的に除去する。これにより、nMOS領域22にHfSiN層29および中間層31が、pMOS領域23にHfN層27が、それぞれ形成された状態が得られる。
【0064】
図9は第2実施例の低抵抗層等形成工程およびゲート加工工程の要部断面模式図である。
nMOS領域22にHfSiN層29および中間層31、pMOS領域23にHfN層27を形成した後は、全面に、低抵抗層として、MoN層32を形成する。MoN層32の形成後は、その上に、MoN層32の酸化防止用のSi層33を形成する。このとき、MoN層32およびその上のSi層33は、nMOS領域22にのみ中間層31が残っている状態で全面に順次形成されるため、nMOS領域22側とpMOS領域23側とに段差がある状態で形成されるようになる。
【0065】
このようにしてMoN層32およびその上のSi層33を形成した後、nMOS領域22およびpMOS領域23にレジスト34を形成し、ゲート加工を行う。これにより、nMOS領域22には、ゲート絶縁膜26上に、HfSiN層29、中間層31、MoN層32およびSi層33が積層された構造のゲートパターンが形成される。また、pMOS領域23には、ゲート絶縁膜26上に、HfN層27、MoN層32およびSi層33が積層された構造のゲートパターンが形成される。
【0066】
図10は第2実施例の不純物拡散領域等およびシリサイド層形成工程の要部断面模式図である。
ゲート加工後は、LDD領域35,36、サイドウォール37およびソース・ドレイン領域38,39を順に形成し、注入した不純物の活性化アニールを行う。
【0067】
この活性化アニールの際、nMOS領域22のHfSiN層29とMoN層32との間に形成された中間層31のSi層は、Hf,Mo等を含むシリサイド層に変化していく。このような中間層31(シリサイド化前後あるいは途中の層を含む。)により、MoN層32からHfSiN層29へのNの拡散が抑制される。
【0068】
一方、pMOS領域23では、このような中間層31がなく、HfN層27上に直接MoN層32が形成されている。
pMOS領域23のHfN層27には、nMOS領域22のHfSiN層29に比べてあらかじめ多くのNが含有されており、かつ、それ以上含有されることとなってもその仕事関数の変動が比較的鈍感であるという特徴がある。そのため、たとえMoN層32からHfN層27にNが拡散しても仕事関数がほとんど変化せず、また、HfN層27からMoN層32への拡散も、MoN層32の抵抗を著しく増加させずHfN層27の仕事関数が大きく変動しなければ、許容される。したがって、pMOS領域23のメタルゲート電極は、必ずしも中間層31を設けた構成とすることを要しない。
【0069】
これに対し、nMOS領域22のHfSiN層29は、HfN層27に比べて少ない量のNで仕事関数が制御され、かつ、N濃度が一定値以上になると仕事関数が大きく増加し始めるという特徴がある。そのため、入って来るあるいは出て行くNが、pMOS領域23のHfN層27に比べてより敏感に仕事関数に影響してくる。したがって、nMOS領域22のメタルゲート電極は、中間層31を設けた構成としておく。
【0070】
活性化アニール後は、nMOS領域22およびpMOS領域23のMoN層32上に形成されているSi層33の表層部、およびソース・ドレイン領域38,39に、Co,Ni等を用いてシリサイド層41を形成する。
【0071】
このように、nMOS領域22およびpMOS領域23に形成されるメタルゲート電極は、pMOS領域23側に中間層31がないため、最終的に異なる高さで形成されることになる。
【0072】
図11は第2実施例の層間絶縁膜およびプラグ形成工程の要部断面模式図である。
シリサイド層41の形成後は、層間絶縁膜42を形成する。層間絶縁膜42は、上記の理由から、nMOS領域22側が高く、pMOS領域23側が低く形成される。このようにして形成された層間絶縁膜42をCMPにより平坦化した後、MoN層32上に形成されているシリサイド層41およびSi層33を貫通しMoN層32に達するコンタクトホール、およびソース・ドレイン領域38,39に形成されているシリサイド層41に達するコンタクトホールを形成し、プラグ43を形成する。
【0073】
以降は、常法に従って上層の配線層を形成していき、目的のCMOSトランジスタを完成させる。
この第2実施例によっても、活性化アニール時にnMOSトランジスタおよびpMOSトランジスタの仕事関数制御層を適切なN濃度に維持し、両トランジスタにそれぞれ適した仕事関数を得ることができる。
【0074】
なお、この第2実施例においても、上記第1実施例で述べたのと同様に、HfSiN層29とMoN層32との間の中間層31として、Si層に替えて、Al層や、SiとAlを含んだ層を用いるようにしてもよい。Al層を用いる場合は、上記図8に示した工程において、HfSiN層29上に所定膜厚のAl層を形成し、上記同様に図9〜図11に示した工程を行うようにすればよい。
【0075】
次に、第3実施例について説明する。
この第3実施例では、上記第2実施例で述べた、MoN層32上に形成するSi層33の膜厚を、より薄く、膜厚約3nm〜5nmで形成する。
【0076】
図12は第3実施例のシリサイド層形成工程後の状態を示す要部断面模式図である。
Si層33を薄く形成することにより、Co,Ni等を用いてソース・ドレイン領域38,39にシリサイド層41を形成したときに、同時にSi層33の全部がシリサイド層41に変化する。
【0077】
図13は第3実施例の層間絶縁膜およびプラグ形成工程の要部断面模式図である。
シリサイド層41の形成後は、層間絶縁膜42を形成する。層間絶縁膜42を平坦化した後、MoN層32上に形成されているシリサイド層41に達するコンタクトホール、およびソース・ドレイン領域38,39に形成されているシリサイド層41に達するコンタクトホールを形成し、プラグ43を形成する。
【0078】
MoN層32上には、Si層33の全部をシリサイド化することによって得られたシリサイド層41が形成されているため、必ずしもそのシリサイド層41を貫通してMoN層32に達するようなコンタクトホールを形成することを要しない。
【0079】
以降は、常法に従って上層の配線層を形成していき、目的のCMOSトランジスタを完成させる。
なお、勿論、第1実施例において、MoN層32上に、より薄い酸化防止用のSi層を形成しておき、ソース・ドレイン領域38,39にシリサイド層41を形成する際に同時にそのSi層の全部をシリサイド化することも可能である。その場合、プラグ43は、MoN層32上のシリサイド層41を貫通してMoN層32に達するように形成してもよく、MoN層32上のシリサイド層41を貫通させずにそのシリサイド層41に達するように形成してもよい。
【0080】
以上、第1〜第3実施例によれば、中間層31によって活性化アニール時のメタルゲート電極内でのNの拡散を抑制することができるため、nMOSトランジスタおよびpMOSトランジスタの仕事関数制御層を適切なN濃度に維持し、両トランジスタにそれぞれ適した仕事関数を得ることができる。したがって、メタルゲート電極を備えた高性能のCMOSトランジスタを実現することができる。
【0081】
なお、以上の説明では、Si基板を用いたMOSトランジスタを例にして述べたが、SOI(Silicon On Insulator)基板等を用いた場合でも、当然、上記同様の効果を得ることができる。また、以上の説明において、MOSトランジスタの形成条件は一例であって、形成するCMOSトランジスタの要求特性等に応じて変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】メタルゲート電極を備えたMOSトランジスタの一例の要部断面模式図である。
【図2】第1実施例のpMOSトランジスタ用仕事関数制御層形成工程の要部断面模式図である。
【図3】第1実施例のnMOSトランジスタ用仕事関数制御層形成工程の要部断面模式図である。
【図4】第1実施例の中間層等形成工程およびゲート加工工程の要部断面模式図である。
【図5】第1実施例のサイドウォールおよび不純物拡散領域形成工程の要部断面模式図である。
【図6】第1実施例のシリサイド層形成工程の要部断面模式図である。
【図7】第1実施例の層間絶縁膜およびプラグ形成工程の要部断面模式図である。
【図8】第2実施例のnMOSトランジスタ用仕事関数制御層および中間層形成工程の要部断面模式図である。
【図9】第2実施例の低抵抗層等形成工程およびゲート加工工程の要部断面模式図である。
【図10】第2実施例の不純物拡散領域等およびシリサイド層形成工程の要部断面模式図である。
【図11】第2実施例の層間絶縁膜およびプラグ形成工程の要部断面模式図である。
【図12】第3実施例のシリサイド層形成工程後の状態を示す要部断面模式図である。
【図13】第3実施例の層間絶縁膜およびプラグ形成工程の要部断面模式図である。
【符号の説明】
【0083】
1 MOSトランジスタ
2 半導体基板
3,21 素子分離領域
4,26 ゲート絶縁膜
5 仕事関数制御層
6,31 中間層
7 低抵抗層
8,37 サイドウォール
9,35,36 LDD領域
10,38,39 ソース・ドレイン領域
11,41 シリサイド層
20 Si基板
22 nMOS領域
23 pMOS領域
24 pウェル
25 nウェル
27 HfN層
28,30,34 レジスト
29 HfSiN層
32 MoN層
33 Si層
42 層間絶縁膜
43 プラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタルゲート電極を備える半導体装置の製造方法において、
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に仕事関数を制御する仕事関数制御層を形成する工程と、
前記仕事関数制御層上に前記仕事関数に影響する元素の拡散を抑制する中間層を形成する工程と、
前記中間層上に前記元素を含有する導電層を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記中間層は、シリコン層、アルミニウム層またはシリコンとアルミニウムとを含む層であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記導電層を形成する工程後に、
前記仕事関数制御層が形成されている領域にゲート加工を行う工程と、
前記ゲート加工後に前記半導体基板に所定導電型の不純物を導入する工程と、
前記不純物の導入後に熱処理を行う工程と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
メタルゲート電極を備える半導体装置において、
半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されて仕事関数を制御する仕事関数制御層と、
前記仕事関数制御層上に形成されて前記仕事関数に影響する元素の拡散を抑制する中間層と、
前記中間層上に形成された前記元素を含有する導電層と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
メタルゲート電極を備える半導体装置の製造方法において、
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に仕事関数を異なる値に制御する第1,第2仕事関数制御層を形成する工程と、
前記第1仕事関数制御層上に前記仕事関数に影響する元素の拡散を抑制する中間層を形成する工程と、
前記中間層形成後の前記第1,第2仕事関数制御層の上層に前記元素を含有する導電層を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1仕事関数制御層は、前記第2仕事関数制御層より低濃度の前記元素を含有することを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
メタルゲート電極を備える半導体装置において、
半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されて仕事関数を異なる値に制御する第1,第2仕事関数制御層と、
前記第1仕事関数制御層上に形成されて前記仕事関数に影響する元素の拡散を抑制する中間層と、
前記中間層が形成された前記第1仕事関数制御層と前記第2仕事関数制御層との上層にそれぞれ形成された前記元素を含有する第1,第2導電層と、
を有することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−123991(P2009−123991A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−297586(P2007−297586)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】