説明

半導体集積回路及びその製造方法

【課題】パワー・トランジスタに流れる電流ルートを明確にすると共に、パワー・トランジスタに流れる電流の最適化を図ることにより、パワー・トランジスタへのダメージ又はストレスを低減し、信頼性に優れた半導体集積回路を提供する。
【解決手段】半導体集積回路は、半導体基板上(100)に形成されたパワー・トランジスタ(100A)と、パワー・トランジスタ(100A)の直上に形成され、パワー・トランジスタの第1の電極及び第2の電極として機能する複数の第1の金属パターン及び複数の第2の金属パターンと、複数の第1の金属パターンのうち対応する第1の金属パターンと電気的に接続する複数の第1のバス(140〜142)と、複数の第2の金属パターンのうち対応する第2の金属パターンと電気的に接続する複数の第2のバス(150〜152)と、複数の第1のバス(140〜142)及び複数の第2のバス(150〜152)の各々には、1つのコンタクト・パッド(304)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路及びその製造方法に関し、特に、POE(Pad on Element)技術、すなわち、半導体デバイスの直上にパッドを設ける技術を活用し、能動的回路領域の直上でワイヤ・ボンディングの実施が可能な構造を有するパワー集積回路及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報技術の広がりと共に、コンピュータ、情報記憶装置、携帯電話、及び携帯カメラ等の電子機器の能力として、高速化及び低消費電力化の要求は高まってきている。
【0003】
これらの電子機器の性能に大きく影響を与えるものには、電源、モータドライバ、及びオーディオアンプ等の基幹の半導体電子部品があり、これらの半導体電子部品の性能に大きく影響を与えるものとして、パワーデバイスを内蔵したパワー集積回路がある。このため、パワー集積回路を構成する半導体素子の性能として、更なる高速化及び低消費電力化の要望が強まってきている。
【0004】
ところで、一般的な市場の要望としては、上記高速化及び低消費電力化に加えて、パワーデバイス及び回路特性の大幅な改善が望まれていると共に、能動的回路領域の直上へのワイヤ及びはんだボールのボンドの形成により低コストで且つ信頼できる構造及び方法に対して多くの需要が存在しており、種々の提案がなされてきている。
【0005】
ここでは、まず、POE技術、つまり、半導体デバイス直上にパッドを設ける技術が登場する前における従来の技術を簡単に説明する。
【0006】
パッドと外部のリードフレームとの接続部材はボンディング・ワイヤである。ボンディング・ワイヤに用いる材料としては、純粋又は合金の金、銅、及びアルミニウムが挙げられる。金を材料として用いた場合には、一般に使用されるボンディング・ワイヤの直径は約20〜50μmの範囲であって、ワイヤ・ボール・ボンディングでは、普通、ボールがチップに取り付けられる。したがって、ボンディング作業時において、ボンディング・キャピラリによってボールが典型的なネイル・ヘッド形状に押しつぶされる場合に、パッドの面積はボールを固定するために十分大きくなければならない。フリーな状態でのボールの直径はワイヤ直径の約1.2〜1.6倍が典型的であるため、コンタクト・パッドの形状は、プロセス・パラメータに依存して、約50×50μm〜150×150μmの範囲の正方形でなければならない。また、接続部材がはんだボールであれば、ボール直径は約0.2〜0.5μmの範囲であることが典型的であり、コンタクト・パッドの面積は約0.3〜0.7mmの範囲の正方形でなければならない。なお、ここで、はんだボールという表現は、はんだコンタクトが必ずしも球状であることを意味するものではなく、半球、半ドーム、切断した円錐状、又は一般的なバンプのような多様な形状のものであってもよい。正確な形状は堆積技術、リフロー技術、及び材料組成に依存する。
【0007】
また、コンタクト・パッドは、一般的に、チップの周囲に沿って本質的に直線的な配列に配置され、大面積の“シリコン資産”(チップは圧倒的にシリコン半導体材料でできた基板上に作製される)を消費する。最近の半導体集積回路では、数多くのコンタクト・パッドが必要とされ、その数はグラウンド接続及び電力接続だけでもしばしば数百に達する。さらに信号接続を含めると、1000個よりも多いコンタクト・パッドが必要となり、貴重なシリコン資産を大量に犠牲にすることになる。
【0008】
また、ワイヤ・ボンディングのプロセスは、数年間にも亘る経験から、金属及び誘電体の下側の層に対してかなり大きな応力を及ぼすことが分かっている。この原因は、ボンディング・キャピラリの衝撃(金のボールを押しつぶしてネイルヘッド・コンタクトを形成するため)、ボンディング・キャピラリ及び金のボールの超音波振動の周波数及びエネルギー(露出した金属層の表面の酸化アルミニウム膜を突き破るため)、並びにプロセス(金/アルミニウム溶着の金属間化合物の形成を開始させる)の時間及び温度である。ワイヤ・ボンディングのプロセス中の応力や、マルチプローブ試験及びアセンブリ後のデバイス動作で与えられる応力により、ボンディング・パッド下の層にクラッキング又はクレータを生ずる危険性を回避するために、ボンディング・パッド下の領域に、回路構造を配置することを禁止すると共に壊れやすく機械的に弱い誘電体材料の使用を避ける半導体集積回路のレイアウトに関する設計ルールがこの数年間のうちに確立されている。このため、ボンディング・パッドを設けるだけでも多くのシリコン資産が必要になる。
【0009】
このような背景の下、パワーデバイス及び回路特性の大幅な改善と、能動的回路領域の直上へのワイヤ及びはんだボールのボンドの形成によって低コストであって且つ信頼できる構造及び方法とに対する要望と共に、上述したように、半導体集積回路の高速化及び低消費電力化に対する要望が強まっている。
【0010】
[半導体集積回路の高速化]
まず、半導体集積回路の高速化に対して障害になっているのが、MOSトランジスタ自体の遅延とその上層にある配線による配線遅延である。従来は、ゲート長を短くする微細化技術によってMOSトランジスタ自体の遅延を低減してきたが、MOSトランジスタ自体の遅延が小さくなるに従って配線遅延の問題が顕著になってきている。
【0011】
そこで、配線間遅延を小さくする目的で、配線間に挟まれている絶縁膜に誘電率の低い絶縁膜(低誘電率膜)を採用しようとしている。ところが、誘電率が3.0以下を実現する低誘電率膜は、従来から採用されていたシリコン酸化膜よりも機械的強度が大きく低下するため、半導体集積回路の回路形成を担う拡散工程が完了した後の半導体集積回路のパッケージングを担う組立工程、特にワイヤボンド工程で問題となる。
【0012】
具体的には、層間絶縁膜の機械的強度が十分でないため、半導体集積回路に搭載されてるパッド上にワイヤボンドを行うと、ワイヤボンドの衝撃荷重がパッドを通じてパッド直下の層間絶縁膜に伝わって、層間絶縁膜を大きく変形させる。その結果、層間絶縁膜にクラックを発生させ、パッドの剥離又は層間絶縁膜の剥離による信頼性不良の原因となる。また、近年では、上述したように、半導体素子の寸法を縮小してコスト低減を目的に、能動的回路領域を構成するトランジスタ上にパッドを設置した半導体素子が開発されている。この場合に、配線間及び層間絶縁膜に機械的強度の低い低誘電率膜を用いると、ワイヤボンドの衝撃により低誘電率膜が変形し、トランジスタに衝撃が伝わりやすくなることでトランジスタへダメージを与えて品質不良を引き起こしてしまう。
【0013】
これに対し、特許文献1では、パッドの直下に層間絶縁膜を挟んでメタル層を形成し、そのメタル層とパッドとをビアで接続することで、ワイヤボンドにより層間絶縁膜へ与えられる衝撃をメタル層が受け止めると共に、さらに、その衝撃でメタル層が衝撃の印加方向へ変形しようとするのをビアが支える。このように、特許文献1では、パッド直下に成膜された層間絶縁膜の機械的強度の低下を補うようなパッド構造を有することで、ワイヤボンドによるトランジスタへのダメージを抑制している。
【0014】
ところで、メタル材料として銅を採用する場合、ダマシンプロセスで銅配線を形成することになるが、銅を電解めっきした後にめっきした銅の平坦化のために行う化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)により、柔らかい性質を有する銅パターンは、その面積が大面積化されていると、その中央部が削られて膜厚が非常に薄くなるというディッシングが生じる。さらには、下層において微細なビアパターンを形成するために、メタル層の膜厚を薄膜化することで、銅パターンの面積が大面積化されていると、CMPによって銅が完全に削り取られる部分が生じる。
【0015】
この点、上述した特許文献1では、2層目のメタル層、つまり、銅形成時に上記の現象が発生する。このように、銅パターンの中央部が薄くなったり、銅が完全に削り取られる部分が出てくると、層間絶縁膜が受けるワイヤボンドの衝撃が大きくなってクラック発生の可能性が増大する。
【0016】
これに対し、特許文献2では、パッド直下の絶縁膜及びトランジスタに対してワイヤボンドによるダメージを防止できるパッド構造が提供されている。すなわち、特許文献2の半導体装置は、導電層からなる第1の電極と、第1の電極上に形成された導電層からなる外部接続電極と、第1の電極の下部に第1の電極とスルーホールを介して接続された少なくとも一層の第2の電極とを備え、第2の電極の周辺部に多数の凸形状を有する。
【0017】
このように、最上層メタルと層間絶縁膜とで挟まれたメタル層(以下、下層メタルと呼ぶ)をビアで接続した構造を採用することにより、ワイヤボンドの衝撃によってパッド直下の配線間及び層間の絶縁膜に採用される低誘電率膜の変形又はクラックの発生を防止できる。すなわち、ワイヤボンドの衝撃に対して最上層メタルは下層メタルに支えられるため、ワイヤボンドの衝撃を受けても変形しない。その結果、パッド直下の層間絶縁膜である低誘電率膜に伝わるワイヤボンドの衝撃を抑制して、低誘電率膜の変形及びクラックの発生を防止することができる。
【0018】
さらに、下層メタルの大面積化によるCMPのディッシングを防止する目的で、下層メタルの周辺部に多くの凸形状を設けているため、下層メタルの表面積が拡大され、層間膜との密着性が高まることにより、ワイヤボンドの衝撃によるトランジスタへのダメージを低減すると共に、層間絶縁膜にクラックが発生することを防止できる。
【0019】
以上のように、特許文献2が採用するパッド構造によると、パッド直下の絶縁膜及びトランジスタに対するワイヤボンドによるダメージを防止し、ひいては、半導体集積回路の高速化に貢献するものである。
【0020】
[半導体集積回路の低消費電力化]
次に、半導体集積回路の低消費電力化の障害になっているのが、微細化MOSプロセスを活用して、半導体製品のチップ面積を有効利用しつつ、チップ面積をできるだけ小さくし、パワーデバイスを内蔵したパワー集積回路を実現するにある。このようなパワー集積回路では、低消費電力化の目的で、パワーデバイスを駆動する際に、通常、パルス幅変調(PWM)駆動の技術が用いられる。このPWM駆動では、パワーデバイスのON抵抗を小さくすることが、低消費電力化につながる重要なプロセス技術である。
【0021】
特許文献3には、POE技術を活用して、パワーデバイスのON抵抗をできるだけ小さくする従来の関連技術が提案されている。すなわち、能動的回路領域部分の直上でワイヤ・ボンディングを実施できるパワー集積回路であって、このパワー集積回路では、POE技術を活用して、パワー・トランジスタの電極につながるバスの直上に複数のコンタクト・パッドを配置し、複数のコンタクト・パッドとリードフレームとをボンディング・ワイヤによって接続している。これにより、接続部材から電極までの抵抗値及び電流経路は最小化するため、パワー・トランジスタの電気的特性を改善することができるものである。
【0022】
図14は、特許文献3に記載された半導体集積回路の一部の簡略平面図と共に電気回路図を示している。
【0023】
図14の平面図に示すように、ICチップ1内には、パワー・トランジスタの能動的領域2が形成されており、該能動的領域2上には、シート状金属からなり、すべてのソース電極と接続する第1のバス3と、すべてのドレイン電極と接続する第2のバス4とが形成されている。第1のバス3及び第2のバス4上には、それぞれ、3個づつのコンタクト・パッド5が設けられており、それぞれのバスに共通に接続している。第1のバス3上の3個のコンタクト・パッド5は、第2のバス3上の3個のコンタクト・パッド5と互いに左右対称になるように配置されている。各コンタクト・パッド5と外部のリードフレーム7とを接続するボンディング・ワイヤ6が設けられている。
【0024】
図14に示した電気回路図は、リードフレーム7への接続部材をパワー・トランジスタ上に配置することによってもたらされるパワー・トランジスタ動作に関する電気的特徴を模式的に示している。なお、トランジスタ自身のソース・ドレイン間抵抗Rs、バス上の広がり抵抗(バス抵抗)Rn10、Rn20、Rn30、及び各種のワイヤ抵抗Rb10、Rb20、Rb30を電気回路図において示している。
【0025】
図14に示すように、リードフレーム7から見る電気回路は、リードフレーム7に並列に接続された3つのボンディング・ワイヤ6のワイヤ抵抗Rb10、Rb20、Rb30に、各々直列に、バス抵抗Rn10、Rn20、Rn30が接続され、さらに、トランジスタ自身のソース・ドレイン間抵抗Rsが接続される抵抗回路になっている。このように、バス抵抗Rn(10〜30)の各々が各種のワイヤ抵抗Rb(10〜30)と直列につながることになり、結果的に、バス抵抗Rn(10〜30)及びワイヤ抵抗Rb(10〜30)が互いに並列に接続されて、ソース・ドレイン間抵抗Rs、バス抵抗Rn(10〜30)、及びワイヤRb(10〜30)で構成される全体の抵抗が減少する。すなわち、ソース・ドレイン間抵抗Rs、バス抵抗Rn(10〜30)、及びワイヤ抵抗Rb(10〜30)に関連する電圧降下、並びに対応するデバイアス効果が削減されるため、トランジスタ特性が改善される。
【特許文献1】特許第2974022号
【特許文献2】特許第3725527号
【特許文献3】US20020011674A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
しかしながら、特許文献3に示すように、能動的回路領域部分の直上でワイヤ・ボンディングを実施できるパワー集積回路において、接続部材から電極までの抵抗値及び電流経路を最小化する目的で、パワー・トランジスタのソース電極に接続するバス及びドレイン電極に接続するバスのそれぞれ1つのバス上には、パワー・トランジスタの直上に位置するように複数のコンタクトパットが分布して配置されている。
【0027】
このため、パワー・トランジスタに大電流を流す場合には、パワー・トランジスタの電極に接続されたバスは、複数のコンタクト・パッドの各々にすべて共通に接続しているため、パワーデバイス(例えば、パワーNPNトランジスタ等)の種類により、電極につながるバスのレイアウト次第で、パワー・トランジスタに電流集中が生じてダメージを与え、半導体集積回路の信頼性を損なうという問題があった。
【0028】
前記に鑑み、本発明の目的は、パワー・トランジスタに流れる電流ルートを明確にすると共に、パワー・トランジスタに流れる電流の最適化を図ることにより、パワー・トランジスタへのダメージ又はストレスを低減し、信頼性に優れた半導体集積回路及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
前記の目的を達成するために、本発明の一側面に係る半導体集積回路は、半導体基板上に形成された集積化されたパワー・トランジスタと、パワー・トランジスタの上に形成された層間絶縁膜と、層間絶縁膜中であってパワー・トランジスタの直上に形成された第1の金属層からなり、パワー・トランジスタの第1の電極として機能する複数の第1の金属パターンと、第1の金属層からなり、パワー・トランジスタの第2の電極として機能する複数の第2の金属パターンと、層間絶縁膜中であって第1の金属層の直上に形成された第2の金属層からなり、複数の第1の金属パターンのうち対応する第1の金属パターンと電気的に接続する複数の第1のバスと、第2の金属層からなり、複数の第2の金属パターンのうち対応する第2の金属パターンと電気的に接続する複数の第2のバスと、複数の第1のバス及び複数の第2のバスの各々には、1つのコンタクト・パッドが設けられている。
【0030】
本発明の一側面に係る半導体集積回路によると、複数の第1のバス及び複数の第2のバス毎に1つのコンタクト・パッドを設けていることにより、パワー・トランジスタの電流経路が分割されるため、パワー・トランジスタへの電流集中によるダメージ又はストレスを回避しながら、各パワー・トランジスタに流れる電流ルートを明確にできると共に、各パワー・トランジスタに流れる電流の最適化が図れ、全体としてのパワー・トランジスタの電流許容値を向上させることができる。その結果、信頼性に優れた半導体集積回路を実現することができる。
【0031】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、複数の第1のバスの各々は、互いに同じ表面積を有しており、複数の第2のバスの各々は、互いに同じ表面積を有していることが好ましい。
【0032】
このようにすると、ESDエネルギーは複数の第1のバス及び複数の第2のバスの数の割合分だけ分散されるため、各パワー・トランジスタにかかるESDエネルギーのピーク値がその割合分程度低下する。このため、パワー・トランジスタのESD耐量を向上させることができ、半導体集積回路の信頼性をより向上させることができる。
【0033】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、複数の第1のバスの各々は、互いに異なる表面積を有しており、複数の第2のバスの各々は、互いに異なる表面積を有していることが好ましい。
【0034】
このようにすると、各パワー・トランジスタ毎に電流密度が均一なるように、ボンディング・ワイヤのワイヤ長のサイズ設計、各パワー・トランジスタのサイズ設計、及び各バスのサイズ設計の実現が可能になり、各パワー・トランジスタ自身の負荷の均一化を図ることができる。
【0035】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、パワー・トランジスタは、複数の第1のバスの各々と複数の第2のバスの各々とに対応するように、分離層によって複数に分割されていることが好ましい。
【0036】
このようにすると、ラッチ及び寄生の誤動作が発生しにくくなり、半導体集積回路の信頼性をより向上させることができる。
【0037】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、パワー・トランジスタのサイズは、平面的に見て、コンタクト・パッドの各々のサイズ以上の大きさを有していることが好ましい。
【0038】
このようにすると、例えば横方向に配置されたパワー・トランジスタが形成される領域内に、平面的に見て、パワー・トランジスタ上に配列されたコンタクト・パッド、該コンタクト・パッドからパワー・トランジスタへ分散して主として垂直方向の電流を供給するための手段、及び電源を各コンタクト・パッドへ接続するための手段が包含される。このようにして、パワー・トランジスタの直上に電力供給を行うコンタクト・パッドが配列されることで、回路設計全体で消費されるシリコン面積を低減してICチップのコストを削減することができる。つまり、ICチップの省面積化を図ることができると共に、ICチップの低コスト化が実現される。
【0039】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、コンタクト・パッドの各々は、平面的に見て、パワー・トランジスタが形成されている領域内に包含されていることが好ましい。
【0040】
このようにすると、上記と同様に、回路設計全体で消費されるシリコン面積を低減してICチップのコストを削減することができる。つまり、ICチップの省面積化を図ることができると共に、ICチップの低コスト化が実現される。
【0041】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、コンタクト・パッドの各々は、平面的に見て、パワー・トランジスタが形成されている領域内から一部はみ出していることが好ましい。
【0042】
このようにすると、ボンディング・ワイヤの接触による出力間ショートを防止しながら、ICチップの省面積化及び低コスト化が実現される。
【0043】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、コンタクト・パッドの各々は、平面的に見て、パワー・トランジスタが形成されている領域内から全部はみ出していることが好ましい。
【0044】
このようにすると、ボンディング・ワイヤの接触による出力間ショートを防止しながら、ICチップの省面積化及び低コスト化が実現される。
【0045】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、パワー・トランジスタは、DMOSトランジスタである場合には、ON抵抗を低減して、高速化及び低消費電力化が実現される。
【0046】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、パワー・トランジスタは、CMOSトランジスタである場合には、ON抵抗を低減して、高速化及び低消費電力化が実現される。
【0047】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、パワー・トランジスタは、バイポーラトランジスタである場合には、ラッチ及び寄生の誤動作が発生しにくくなり、信頼性が向上する。
【0048】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、半導体基板は、SOI基板である場合には、完全絶縁分離をなるため、ラッチ及び寄生の誤動作が発生しにくくなり、信頼性が向上する。
【0049】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、半導体基板は、エピタキシャル基板である場合には、パワー・トランジスタの電流能力が向上する。
【0050】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、コンタクト・パッドの各々の厚さは、複数の第1のバス及び複数の第2のバスの各々の厚さの2倍以上であることが好ましい。
【0051】
このようにすると、パワー・トランジスタのON抵抗の低減による高速化及び低消費電力化を実現すると共に、ワイヤ・ボンディング時の応力を吸収してクラックの発生を低減することができる。
【0052】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、コンタクト・パッドと第1のバス又は第2のバスとの接続は、単一のビアを介して行われていることが好ましい。
【0053】
このようにすると、パワー・トランジスタのON抵抗を低減できるため、高速化及び低消費電力化を実現できる。
【0054】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、単一のビアの口径は50μm以上であることが好ましい。
【0055】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、コンタクト・パッドと第1のバス又は第2のバスとの接続は、複数のビアアレイを介して行われていることが好ましい。
【0056】
このようにすると、ワイヤ・ボンディング時の応力を吸収してクラックの発生を低減することができる。
【0057】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、複数の第1のバスの各々と複数の第2のバスの各々とは、リードフレームに近い側に位置するものから遠くに位置するものへと順に面積が大きくなるように形成された構成であれば、各パワー・トランジスタ自身の負荷の均一化を図ることができる。
許容電流値が、パワー・トランジスタに流す大電流よりも大きい場合に有用である。
【0058】
本発明の一側面に係る半導体集積回路において、コンタクト・パッドの各々に取り付けられた接続部材を更に備えていることが好ましい。
【0059】
本発明の一側面に係る半導体集積回路の製造方法は、半導体基板上に集積化されたパワー・トランジスタを形成する工程と、パワー・トランジスタの上に第1の層間絶縁膜を形成する工程と、パワー・トランジスタの直上に第1の層間絶縁膜を介して第1の金属層を堆積した後に、該第1の金属層をパターニングすることにより、パワー・トランジスタの第1の電極として機能する複数の第1の金属パターン及びパワー・トランジスタの第2の電極として機能する複数の第2の金属パターンを形成する工程と、第1の層間絶縁膜の上に、複数の第1の金属パターン及び複数の第2の金属パターンを覆うように第2の層間絶縁膜を形成する工程と、第1の金属層の直上に第2の層間絶縁膜を介して第2の金属層を堆積した後に、該第2の金属層をパターニングすることにより、複数の第1の金属パターンのうち対応する第1の金属パターンと電気的に接続する複数の第1のバス及び複数の第2の金属パターンのうち対応する第2の金属パターンと電気的に接続する複数の第2のバスを形成する工程と、第2の層間絶縁膜の上に、複数の第1のバス及び複数の第2のバスを覆うように第3の層間絶縁膜を形成する工程と、第3の層間絶縁膜に、複数の第1のバス及び複数の第2のバスの各々を露出する複数の開口部を形成する工程と、複数の開口部の各々に露出する複数の第1のバス及び複数の第2のバスの各々に1つのコンタクト・パッドを設ける工程とを備える。
【0060】
本発明の一側面に係る半導体集積回路の製造方法によると、上述した効果を奏する一側面に係る半導体集積回路を実現できる。
【0061】
本発明の一側面に係る半導体集積回路の製造方法において、コンタクト・パッドを設ける工程の後に、コンタクト・パッドの各々に接続部材を取り付ける工程を更に備えることが好ましい。
【0062】
本発明の一側面に係る半導体集積回路の製造方法において、接続部材を取り付ける工程は、コンタクト・パッドの各々にワイヤをボンディングする工程を含むことが好ましい。
【0063】
本発明の一側面に係る半導体集積回路の製造方法において、接続部材を取り付ける工程は、コンタクト・パッドの各々にバンプする工程を含むことが好ましい。
【0064】
本発明の一側面に係る半導体集積回路の製造方法において、バンプする工程は、はんだボールをリフローする工程を含むことが好ましい。
【0065】
本発明の一側面に係る半導体集積回路の製造方法において、接続部材を取り付ける工程は、コンタクト・パッドの各々にめっきすることにより取り付ける工程を含むことが好ましい。
【0066】
本発明の一側面に係る半導体集積回路の製造方法において、パワー・トランジスタは、DMOSトランジスタ、CMOSトランジスタ、又はバイポーラトランジスタであることが好ましい。
【0067】
本発明の一側面に係る半導体集積回路の製造方法において、半導体基板は、SOI基板、又はエピタキシャル基板であることが好ましい。
【0068】
本発明の一側面に係る半導体集積回路の製造方法において、コンタクト・パッドの各々の厚さは、複数の第1のバス及び複数の第2のバスの各々の厚さの2倍以上であることが好ましい。
【0069】
本発明の一側面に係る半導体集積回路の製造方法において、コンタクト・パッドと第1のバス又は第2のバスとの接続は、単一のビアを介して行われることが好ましく、該単一のビアの口径は50μm以上であることが好ましい。
【0070】
本発明の一側面に係る半導体集積回路の製造方法において、コンタクト・パッドと第1のバス又は第2のバスとの接続は、複数のビアアレイを介して行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0071】
以上のように、本発明の一側面に係る半導体集積回路及びその製造方法によると、複数の第1のバス及び複数の第2のバス毎に1つのコンタクト・パッドを設けていることにより、パワー・トランジスタの電流経路が分割されるため、パワー・トランジスタへの電流集中によるダメージ又はストレスを回避しながら、各パワー・トランジスタに流れる電流ルートを明確にできると共に、各パワー・トランジスタに流れる電流の最適化が図れ、全体としてのパワー・トランジスタの電流許容値を向上させることができる。その結果、信頼性に優れた半導体集積回路を実現することができる。
【0072】
また、本発明の一側面に係る半導体集積回路及びその製造方法が奏する効果として、電源をつなぐ手段はワイヤ・ボンディング及びはんだボールの相互接続を含むことで、仕様用途の汎用性が増すという効果が得られる。
【0073】
また、本発明の一側面に係る半導体集積回路及びその製造方法が奏する効果として、機械的、熱的及び衝撃の応力を吸収するのに十分な厚さに、コンタクト・パッドと回路とを分離する絶縁層及びパッド金属層を提供することによって、半導体プロービング及びワイヤ・ボンディングされ、はんだ接着されたアセンブリのプロセス及び動作の信頼性を改善できる。
【0074】
また、本発明の一側面に係る半導体集積回路及びその製造方法が奏する効果として、プロービング、ワイヤ・ボンディング及びはんだ接着のプロセス上の制約を解消することが可能になり、これにより、非常に脆い回路誘電体に対してさえもクラック損傷を与える危険性を最小化することができる。
【0075】
また、本発明の一側面に係る半導体集積回路及びその製造方法が奏する効果として、半導体IC製品群の多くに適用でき、また数世代の製品にも適用できる汎用の柔軟な設計及びレイアウト概念とプロセスの方法とを提供することができる。
【0076】
また、本発明の一側面に係る半導体集積回路及びその製造方法が奏する効果として、低コスト且つ高速の製造、試験、及びアセンブリのプロセスを提供することができる。
【0077】
また、本発明の一側面に係る半導体集積回路及びその製造方法が奏する効果として、半導体IC製品の製造で共通に使用され受け入れられている設計及びプロセスのみを使用することができ、これにより、新たな資本投資の費用を回避し、既設の製造装置基盤を利用することができる。
【0078】
さらに、本発明の一側面に係る半導体集積回路及びその製造方法の好適な実施形態として、以下のものが挙げれる。すなわち、(1)パワー・トランジスタがアレイ構成のセルとして配置される例である。例えば、横方向レイアウトとして設計された長いストライプ形状が考えられる。(2)縦型のスタイルとしては、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)技術を含む縦型及び横型のトレンチ・デバイスが例として挙げられる。(3)10V未満の電圧に対して、CMOS技術に基づく横型トランジスタが好適な例である。10V以上の電圧に対しては、ドレイン拡張型のデバイスが好ましい。(4)約20Vよりも大きな電圧に対しては、LDMOS技術に基づくデバイスが好適な例である。(5)安価なプロセスコストでできるバイポーラトランジスタが好適な例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0079】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0080】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路の一部の簡略平面図と共に電気回路図を示している。
【0081】
図1の平面図に示すように、ICチップ100内には、パワー・トランジスタの能動的領域100Aが形成されている。能動的領域100A上には、パワー・トランジスタのソース及びドレイン領域を覆うように、比較的幅広い各バス140〜142、150〜152が形成されている。なお、これにより、ICの集積度の向上と共に省チップ化が可能になる。また、3つのバス140〜142は、シート状金属からなる最上層の金属層(第3の金属層)であって、それぞれがソース電極と接続すると共に互いに絶縁層によって分割されて形成されている。また、3つのバス150〜152は、シート状金属からなる最上層の金属層(第3の金属層)であって、3つのバス140、141、142と左右対称になるように位置すると共に、それぞれがドレイン電極と接続し且つ互いに絶縁層によって分割されて形成されている。各バス140〜142、150〜152上には、それぞれ、1個のコンタクト・パッド304が形成されており、各コンタクト・パッド304と外部のリードフレーム307(電源)とをそれぞれ接続するように各ボンディング・ワイヤ306が設けられている。
【0082】
また、図1の平面図に示すように、各バス140〜142、150〜152の面積が互いに異なっており、バス140〜142は、各々の面積がリードフレーム307に近い側から遠くなるに連れて順に大きくなるように形成されていると共に、同様に、バス150〜152は、各々の面積がリードフレーム307に近い側から遠くなるに連れて順に大きくなるように形成されている
なお、図1に示した半導体集積回路は能動的回路であって、ここで能動的回路とは、ICに対して機能性を提供する各種の電気部品のことを意味する。特に、本明細書においては、能動的回路は横方向に配置されたパワー・トランジスタの電力バスとなる金属層のことを意味する。
【0083】
ここで、図1に示した構造を有する本実施形態に係る半導体集積回路は、図1の下部における電気回路図に示した電気的特徴を有している。
【0084】
すなわち、図1の下部に示した電気回路図は、リードフレーム307への接続部材をパワー・トランジスタ上に配置することによってもたらされるパワー・トランジスタ動作に関する電気的特徴を模式的に示している。なお、この電気回路では、3つのトランジスタ自身のソース・ドレイン間抵抗をRs1、Rs2、Rs3とし、6つのバス140〜142、150〜152上の広がり抵抗が、各バスを流れる電流に対する抵抗であって、3つのバス140〜142は3つのバス150〜152と左右対称なので、左右対称の3つのバス抵抗をRn1、Rn2、Rn3とし、同様に左右対称となる各種のワイヤ抵抗をRb1、Rb2、Rb3として示している。
【0085】
図1に示すように、リードフレーム307から見る電気回路は、リードフレーム307に並列に接続された3つのボンディング・ワイヤのワイヤ抵抗Rb1、Rb2、Rb3に、各々直列に、バス抵抗Rn1、Rn2、Rn3が接続されており、さらに、トランジスタ自身のソース・ドレイン間抵抗Rs1、Rs2、Rs3が接続される左右対称の3つの並列抵抗回路になっている。
【0086】
図1に示した電気回路と従来例にて説明した図14に示した電気回路とを比較すると明らかなように、従来例では最上層の金属層のバスに複数のコンタクト・パッドを共通に接続していることでパワー・トランジスタ自身の電流経路は1つであったが、本実施形態では、1つのコンタクト・パッドに対して1つのバスを備えるように、6つのコンタクト・パッド304のそれぞれに対応するように6つのバス140〜142、150〜152を設け、パワー・トランジスタが3つに分割され、パワー・トランジスタの電流経路も3つに分割される。このため、パワー・トランジスタへの電流集中によるダメージ又はストレスを回避しながら、各パワー・トランジスタに流れる電流ルートを明確にできると共に、各パワー・トランジスタに流れる電流を最適化できる。したがって、全体としてのパワー・トランジスタの電流許容値を上昇させることができるため、パワー・トランジスタに大電流を流す場合であっても、不測の電流集中発生によるパワー・トランジスタへのダメージや不測の応力によるそり発生を防止でき、信頼性に優れた半導体集積回路を実現することができる。
【0087】
また、1つのバスに複数のコンタクト・パッドを共通に接続する従来例とは異なり、分割された各バスに各々1つのコンタクト・パッド304を接続する構成により、ボンディング・ワイヤ長による抵抗成分を考慮にいれて、バスのサイズ設計に活かし、分割された各バスの面積サイズを調整することができる。例えば、図1の平面図に示したように、ボンディング・ワイヤ306の抵抗成分の大きさに応じた各バスの面積サイズとすることで、リードフレーム307から見た各ボンディング・ワイヤ306の抵抗成分と各パワー・トランジスタの素子抵抗とバス抵抗成分との合成抵抗値を、各電流径路毎に均一になるように、ボンディング・ワイヤ306のワイヤ長と各パワー・トランジスタのサイズ設計とバス設計を実現でき、各パワー・トランジスタ素子自身の負荷の均一化が図れ、信頼性に優れた半導体集積回路を実現できる。
【0088】
例えば、ボンディング・ワイヤ単位長当たりの抵抗値を50mΩ/mmとした場合に、各ボンディング・ワイヤ306のワイヤ長を1mm、1.5mm、2mmで設計し、各ボンディング・ワイヤ306のワイヤ長による3個のワイヤ抵抗をRb1=0.05Ω、Rb2=0.075Ω、Rb3=0.1Ωと設計し、3つのバス抵抗(広がり抵抗)をRn1=0.11Ω、Rn2=0.1Ω、Rn3=0.09Ωと設計し、トランジスタ自身のソース・ドレイン間抵抗をRs1=0.16Ω、Rs2=0.13Ω、Rs3=0.1Ωと設計すると、各ボンディング・ワイヤ306の抵抗成分と各パワー・トランジスタの素子抵抗成分とバス抵抗成分との各シリーズ抵抗値は、下記の式に示す通りとなる。
Rb1×2+Rn1×2+Rs1
=Rb2×2+Rn2×2+Rs2
=Rb3×2+Rn3×2+Rs3
=0.48Ω
【0089】
したがって、リードフレーム307の2端子間のパワー・トランジスタの抵抗は、0.16(0.48Ω/3=0.16Ω)となる。
【0090】
また、図1では、バスレイアウトとして、3つのバスを左右対称に配置して6つのバスを設けた場合について説明したが、バスの配置が左右対称でない場合、つまり、電流経路を分割するバスの配置を概略左右、概略上下、又は概略斜め等に分割して対称としない場合であっても同様の効果が得られる。
【0091】
例えば、各ボンディング・ワイヤ306のワイヤ長によるワイヤ抵抗Rb1をRb1A、Rb1Bとし、ワイヤ抵抗Rb2をRb2A、Rb2Bとし、ワイヤ抵抗Rb3をRb3A、Rb3Bとし、さらに、バス抵抗(広がり抵抗)Rn1をRn1A、Rn1Bとし、バス抵抗Rn2をRn2A、Rn2Bとし、バス抵抗Rn3をRn3A、Rn3Bとし、さらに、トランジスタ自身のソース・ドレイン間抵抗をRs1、Rs2、Rs3とし、各抵抗の数値のパラメータを適切に設計したとする。この場合、各ボンディング・ワイヤ306の抵抗成分と各パワー・トランジスタの素子抵抗成分とバス抵抗成分との各シリーズ抵抗値を含むリードフレーム307の2端子間のパワー・トランジスタの抵抗は、下記の式に示す通りとなる。
リードフレーム2端子間のパワー・トランジスタの抵抗
=((Rb1A+Rn1A+Rs1+Rb1B+Rn1B)×
(Rb2A+Rn2A+Rs2+Rb2B+Rn2B)×
(Rb3A+Rn3A+Rs3+Rb3B+Rn3B))
/((Rb1A+Rn1A+Rs1+Rb1B+Rn1B)×
(Rb2A+Rn2A+Rs2+Rb2B+Rn2B)
+(Rb2A+Rn2A+Rs2+Rb2B+Rn2B)×
(Rb3A+Rn3A+Rs3+Rb3B+Rn3B)
+(Rb3A+Rn3A+Rs3+Rb3B+Rn3B)×
(Rb1A+Rn1A+Rs1+Rb1B+Rn1B))
【0092】
また、1つのバスに複数のコンタクト・パッドを共通に接続する従来例とは異なり、分割された各バスに各々1つのコンタクト・パッド304を接続する構成により、ボンディング・ワイヤ長による抵抗成分を考慮にいれて、バスのサイズ設計に活かし、分割された各バスの面積サイズを調整することで、リードフレーム307から見た各ボンディング・ワイヤ306の抵抗成分と各パワー・トランジスタの素子抵抗とバス抵抗成分との合成抵抗値を、各電流経路毎に最適化して、ボンディング・ワイヤ306のワイヤ長、各パワー・トランジスタのサイズ設計、及びバス設計を実現でき、信頼性に優れた半導体集積回路を実現することができる。
【0093】
このように、分割された各バスに各々1つのコンタクト・パッド304を設ける構成により、ボンディング・ワイヤ長による抵抗成分を考慮にいれて、バスのサイズ設計に活かし、分割されたバスの面積サイズを調整することができる。したがって、上述したように、各電流径路毎に均一なるように、ボンディング・ワイヤ306のワイヤ長と各パワー・トランジスタのサイズ設計とバス設計を実現でき、各パワー・トランジスタ素子自身の負荷の均一化が図れ、信頼性に優れた半導体集積回路を実現できる。
【0094】
また、ここで、図1に示した半導体集積回路における最上層の金属層である各バス140〜142、150〜152の形状として、図2の平面図に示すように、各バス140〜142、150〜152の面積が均等になるような構成とすることもできる。なお、その他の構成は、図1に示した半導体集積回路と同様である。
【0095】
図2に示す半導体集積回路によると、1つのバスに複数のコンタクト・パッドを共通に接続する従来例とは異なり、各バスを分割して、分割された各バスに各々1つのコンタクト・パッド304を設けることによって上述の図1に示した半導体集積回路による効果が得られることに加えて、最上層の第3の金属層である各バス140〜142、150〜152の面積が均等であることにより、以下の効果を更に得ることができる。
【0096】
すなわち、互いに分割された6つのバス140〜142、150〜152が、ほぼ均等の面積を持つように形成され、バス140〜142、150〜152の各々に1つのコンタクト・パッド304を設けていることにより、ESDエネルギーが直接印加されるリードフレーム307からボンディング・ワイヤ306を介して、互いに分割された6つのバス140〜142、150〜152の分、ESDエネルギーが分散されるため、各パワー・トランジスタ素子にかかるESDエネルギーのピーク値がその分散分だけ低下する。したがって、パワー・トランジスタのESD耐量を向上させることができ、信頼性により優れた半導体集積回路を実現できる。
【0097】
例えば、3つのバス抵抗(広がり抵抗)をRn1=0.1Ω、Rn2=0.1Ω、Rn3=0.1Ωと設計し、トランジスタ自身のソース・ドレイン間抵抗をRs1=0.13Ω、Rs2=0.13Ω、Rs3=0.13Ωと設計すると、各パワー・トランジスタの素子抵抗成分とバス抵抗成分との各シリーズ抵抗値は、下記式に示す通りとなる。
Rn1×2+Rs1
=Rn2×2+Rs2
=Rn3×2+Rs3
=3.3Ω
【0098】
このように、リードフレーム307からボンディング・ワイヤ306を介して、ESDエネルギーが印加されるとすると、均等に分割された抵抗成分を有する各パワー・トランジスタ素子にかかるESDエネルギーのピーク値は、互いに分割されたバスの数に応じて、ESDエネルギーが分散されるように働くため、ESDエネルギーのピーク値で決定されるパワー・トランジスタのESD耐量を向上させることができる。また、パワー・トランジスタの大サイズのバスを均等に分割することより、大サイズのバスの金属層の応力によるストレスを低減できる。このため、パワー・トランジスタにおいて、大面積の金属層がなくなり、そりも少なくなる。このように、信頼性により優れた半導体集積回路を実現できる。
【0099】
ここで、上述した図1及び図2に示した半導体集積回路における最上層の金属層であるバス140〜142、150〜152とその下側に設けられた2つの金属層との位置関係を説明しておく。なお、以下では、図1及び図2のうち、図2に示した半導体集積回路の場合を例として説明するが、図1に示した半導体集積回路の場合であっても下記での説明から当然に想到できるものである。
【0100】
図3及び図4は、図2に示したバス140〜142、150〜152の下側の金属層との位置関係を模式的に示した平面図である。なお、図3及び図4では、各バス140〜142、150〜152を透視的に示しており、図4では、第2層目のバスを透視的に示している。
【0101】
まず、図3に示すように、本実施形態において第3層目となるバス140〜142、150〜152の下側には、細長い横方向のストライブ状を有し且つ一定のピッチで互いに並行になるように、第2層目のバス(第2の金属層)としてのソース・ライン(第1の金属パターン)の金属層11、12、13、14、15、16と第2層目のバスとしてのドレイン・ライン(第2の金属パターン)の金属層21、22、23、24、25、26とが交互に形成されている。第3層目のバス140、141、142は、金属を詰めた複数のビアX1を介して、それぞれ、第2層目のバスであるソース・ライン11及び12、13及び14、15及び16に接続されており、第3層目のバス150、151、152は、金属を詰めた複数のビアY1を介して、それぞれ、ドレイン・ライン21及び22、23及び24、25及び26に接続されている。
【0102】
また、図4に示すように、第2層目のバスとしてのソース・ライン及びドレイン・ラインの金属層11〜16、21〜26の下側には、これらの第2層目のバスと直行すると共に、細長い縦方向のストライブ状を有し且つ一定のピッチで互いに並行になるように、第1層目のバス(第1の金属層)としてのソース電極用ライン(第1の金属パターン)の金属層S1〜S15と第1層目のバスとしてのドレイン電極用ライン(第2の金属パターン)の金属層D1〜D15とが交互に形成されている。第1層目のバスのソース電極用ラインの金属層S1〜S15は、金属を詰めた複数のビアXを介して、それぞれ、第2層目のバスであるソース・ライン11〜16に電気的に接続されており、第1層目のバスのドレイン電極用ラインの金属層D1〜D15は、金属を詰めた複数のビアYを介して、それぞれ、第2層目のバスであるドレイン・ライン21〜26に電気的に接続されている。なお、以上の図1〜図4では、半導体基板上に形成された第1層目のバス〜第3層目のバス、ビア、コンタクト・パッド、及びボンディング・ワイヤの位置関係を主として説明するための図であって、各バスの間に形成された図示していない層間絶縁膜(例えば第2の実施形態における第1〜第4のレベル間絶縁体層)や開口部その他の具体的な構成は、第2の実施形態で具体的な例を用いて説明することとする。
【0103】
−第1の変形例−
図5は、本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路における第1の変形例についての簡略平面図を示している。なお、当該第1の変形例は、上述した図1及び図2に示した半導体集積回路の双方に適用可能な例であり、以下では、当該第1の変形例として図2に示した半導体集積回路に適用した場合を例として説明する。
【0104】
図5に示す第1の変形例では、パワー・トランジスタの能動的領域が、3つの能動的領域100a1、100a2、100a3に分割されており、3つの能動的領域100a1、100a2、100a3には、分離膜によって互いに電気的に分離された3つのパワー・トランジスタが形成されている点で、図2に示した半導体集積回路と異なっている。なお、その他の構成は、図2及び図1に示した半導体集積回路と同様である。
【0105】
このようにすると、左右対称であるバス140及び150、バス141及び151、バス142及び153のそれぞれは、コンタクト・パッド304を介して、隣り合うトランジスタと電気的に分離された1つのパワー・トランジスタのソース電極及びドレイン電極に接続するため、ラッチ及び寄生の誤動作が発生しにくくなり、信頼性を向上させることができる。
【0106】
なお、図5では、各バス140、141、142、150、151、152の面積が互いに等しい場合について示しているが、例えば上述の図4の場合のように、面積が互いに異なるような場合であっても、同様の効果が得られる。
【0107】
−第2の変形例−
図6及び図7は、本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路における第2の変形例についての簡略平面図を示している。なお、同様に、当該第1の変形例は、上述した図1及び図2に示した半導体集積回路の双方に適用可能な例であり、以下では、当該第2の変形例として図2に示した半導体集積回路に適用した場合を例として説明する。
【0108】
図6及び図7に示す第2の変形例では、図6及び図7の各々に示すように、パワー・トランジスタの能動的領域100B及び100Cが狭く、その上に形成する各バス140c及び140d、141c及び141d、142c及び142d、150c及び150d、151c及び151d、152c及び152dの面積が小さい場合に、リードフレーム307側から最も遠い位置のバス142c及び152c、142d及び152dに形成するコンタクト・パッド304をその一部又は全部がはみ出るように形成している点で、図2に示した半導体集積回路と異なっている。なお、その他の構成は、図2及び図1に示した半導体集積回路と同様である。
【0109】
このようにすると、ボンディング・ワイヤ306同士の接触を防止して出力間ショートを防止しながら、図1を用いて説明したような、6つのバス140〜142、150〜152が、リードフレーム307から離れるに従って互いに異なる面積を持つように形成した場合による効果や、図2を用いて説明したような6つのバス140〜142、150〜152がほぼ均等の面積を持つように形成した場合による効果を得ることができる。
【0110】
なお、近年のワイヤ・ボンディング技術の進展により、信頼できるボール・コンタクト、長いワイヤ、及び厳しく制御されたワイヤ・ループ形状の作製が可能となっている。例えば、計算機制御により空中でキャピラリを予め定めたように移動させることで、正確に定義された形状のワイヤ・ループを作製でき、丸形、台形、直線状、又は特別仕様のループ経路を作製するも可能となってるため、上述した本実施形態に係る半導体集積回路はより有用となる。
【0111】
(第2の実施形態)
以下では、本発明の第2の実施形態に係る半導体集積回路として、上述した第1の実施形態で説明した半導体集積回路を後述する各トランジスタに具体的に適用した例を説明すると共にコンタクト・パッド及び接続部材の変形例について説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態で説明した内容は、本実施形態でも同様であるため、その説明は省略する。
【0112】
−第1の実施例−
本発明の第2の実施形態における第1の実施例は、上述した第1の実施形態に係る半導体集積回路にDMOSトランジスタを適用した例である。
【0113】
図8は、本発明の第2の実施形態における第1の実施例の半導体集積回路の構成及びその製造方法を説明するための簡略断面図を示している。
【0114】
図8に示すように、p型シリコン基板911上に、公知の方法により、DMOSトランジスタを形成する。すなわち、n型埋め込み領域913、n型ウェル領域917、ボディ領域905、ソース領域919、ドレインコンタクト領域921、バックゲート領域922、ゲート酸化物930、及びポリシリコン・ゲート931を含むDMOSトランジスタを形成する。なお、p型シリコン基板911に、n型ウェル領域917に隣接するようにp型ウェル916を形成し、該p型ウェル916に基板コンタクト領域927を形成している。また、p型シリコン基板911上の素子形成領域を区画するように、素子分離絶縁体層928を形成している。
【0115】
次に、p型シリコン基板911の全面に、上述のDMOSトランジスタ等を覆うように、第1のレベル間絶縁体層941を堆積した後に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第1のレベル間絶縁体層941に、下端がバックゲート領域922及びソース領域919にそれぞれ到達する第1のビア942aと、下端がドレイン領域921に到達する第1のビア942bを形成する。
【0116】
次に、第1のレベル間絶縁体層941の上に金属層(第1の金属層)を堆積した後に、エッチングによりパターニングすることで、下面が第1のビア942aの上端と接続する第1の金属層943a(第1の金属パターン:第1層目のバス)と、下面が第1のビア942bの上端と接続する第1の金属層943b(第2の金属パターン:第1層目のバス)とを形成する。これにより、第1の金属層943aはトランジスタのソース電極として機能し、第1の金属層943bはトランジスタのドレイン電極として機能する。
【0117】
次に、第1のレベル間絶縁体層941の上に、第1の金属層943a及び943bを覆うように第2のレベル間絶縁体層944を堆積した後に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第2のレベル間絶縁体層944に、下端が第1の金属層943aに到達する第2のビア945aと、下端が第1の金属層943bに到達する第2のビア945bを形成する。
【0118】
次に、第2のレベル間絶縁体層944の上に金属層(第2の金属層)を堆積した後に、エッチングによりパターニングすることで、下面が第2のビア945aの上端と接続する第2の金属層946a(第1の金属パターン:第2層目のバス)と、下面が第2のビア945bの上端と接続する第2の金属層946b(第2の金属パターン:第2層目のバス)とを形成する。これにより、第2の金属層946aはトランジスタのソース電極の延長として機能し、第2の金属層946bはトランジスタのドレイン電極の延長として機能する。
【0119】
次に、第2のレベル間絶縁体層944の上に、第2の金属層946a及び946bを覆うように第3のレベル間絶縁体層947を堆積した後に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第3のレベル間絶縁体層947に、下端が第1の金属層946aに到達する第3のビア948aを形成する。なお、複数の第3のビア948aはトランジスタのソース電極と電気的に接続しており、図示していないが、トランジスタのドレイン電極と電気的に接続する複数のビアも同様に形成されている。
【0120】
次に、第3のレベル間絶縁体層947の上に金属層(第3の金属層)を堆積した後に、エッチングによりパターニングすることで、下面が第3のビア948aの上端と接続する第3の金属層949a(第3層目のバス)を形成する。第2の金属層946a及び第1の金属層943aと電気的に接続する第3の金属層949aは、トランジスタのソース電極用のバスとして機能する。なお、図示していないが、第2の金属層946b及び第1の金属層943bに電気的に接続する第3のビア及び第3の金属層も同様に形成されており、これらはトランジスタのドレイン電極用のバスとして機能する。
【0121】
次に、第3のレベル間絶縁体層947の上に、第3の金属層949a及び図示しない第3の金属層を覆うように第4のレベル間絶縁体層950を堆積した後に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第4のレベル間絶縁体層950に開口部956を形成する。このように、開口部956は、第3の金属層949aをソース電極と電気的に接続するための第3のビア948aの少なくとも1つの垂直上方に位置するように形成されており、同様に、図示しない開口部が、第3の金属層をドレイン電極と電気的に接続する第3のビアの少なくとも1つの垂直上方にも位置するように形成されている。
【0122】
次に、第3の金属層949aを露出する開口部956上に、第3の金属層949aの膜厚の2倍以上の膜厚を有する金属層を堆積した後に、エッチングによりパターニングすることで、第3の金属層949aの膜厚の2倍以上の膜厚を有するコンタクト・パッド951を形成する。このように、コンタクト・パッド951と、第3層目のバスとしての第3の金属層949aとの接続は、開口部956における下部に位置するコンタクト・パッド951の部分、すなわち単一のビアで行われている。なお、該単一のビアの口径は50μm以上であることが好ましい。続いて、第4のレベル間絶縁体層950及びコンタクト・パッド951の上に、保護用被覆層955を堆積した後に、エッチングによりパターニングすることで、コンタクト・パッド951を露出する開口部を形成し、コンタクト・パッド951上にボール961及びボンディング・ワイヤ962を形成する。なお、図8では、コンタクト・パッド951は、ソース・バスとして機能する第3の金属層949aに設けられており、図示していないが、ドレイン・バスとして機能する第3の金属層にもコンタクト・パッドが同様に設けられている。
【0123】
以上のように、本発明の第2の実施形態における第1の実施例によると、DMOSトランジスタの直上に、第1層目〜第3層目のバスとしての第1〜第3の金属層943a、946a、及び949a、並びにコンタクト・パッド951を配置することにより、ICの集積度が向上するため、省チップ化が可能である。また、第3層目のバスとしての第3の金属層949a(図示していない第3の金属層も含む)を第3のビア948a(図示していない第3の金属層を含む)の少なくとも1つの垂直上方に位置するように形成し、該第3の金属層949aを露出する開口部956に、第3層目のバスの膜厚の2倍以上の膜厚を有するコンタクト・パッド951を形成することにより、ON抵抗を低減することができるため、高速化及び低消費電力化が可能であると同時に、ワイヤ・ボンディング時の応力を吸収してクラックの発生を低減することができる。
【0124】
なお、本実施形態では、半導体集積回路がNチャンネル型DMOSトランジスタである場合について説明したが、Pチャンネル型DMOSトランジスタであってもよく、また、配線金属層との接続が同様であれば上述の構造に限定されるものではない。
【0125】
−第1の実施例における第1の変形例−
本実施形態の第1の実施例における第1の変形例は、上述した第1の実施例に係る半導体集積回路に、SOI基板上に集積化されたDMOSトランジスタを適用した例である。
【0126】
図9(a)は、本実施形態の第1の実施例における第1の変形例の半導体集積回路の構成及びその製造方法を説明するための簡略断面図を示している。なお、本変形例は、DMOSトランジスタをSOI基板上に集積化した点で、上述の図8に示した第1の実施例の構成及び製造方法と相違し、その他の構成及び製造方法は同様である。
【0127】
図9(a)に示すように、p型シリコン基板911及び埋め込み絶縁体層912の上に、公知の方法により、DMOSトランジスタを形成する。すなわち、p型ウェル領域916、n型ウェル領域917、ボディ領域918、ソース領域919、ドレイン領域920、ドレインコンタクト領域921、バックゲート領域922、ゲート酸化物930、及びポリシリコン・ゲート931を含むDMOSトランジスタを形成する。なお、p型シリコン基板911の一部及びp型ウェル領域916に、トレンチ分離絶縁体層929を形成している。
【0128】
以上のように、本実施形態の第1の実施例における第1の変形例によると、上述した第1の実施例による効果に加えて、半導体基板としてSOI基板を用いた場合には、完全分離が可能となって、ラッチ及び寄生の誤動作が発生しにくくなり、信頼性を向上させることができる。
【0129】
−第1の実施例における第2の変形例−
本実施形態の第1の実施例における第2の変形例は、上述した第1の実施例に係る半導体集積回路に、エピタキシャル基板上に集積化されたDMOSトランジスタを適用した例である。
【0130】
図9(b)は、本実施形態の第1の実施例における第2の変形例の半導体集積回路の構成及びその製造方法を説明するための簡略断面図を示している。なお、本変形例は、DMOSトランジスタをエピタキシャル基板上に集積化した点で、上述の図8に示した第1の実施例の構成及び製造方法と相違し、その他の構成及び製造方法は同様である。
【0131】
図9(b)に示すように、p型シリコン基板911の上に、公知の方法により、DMOSトランジスタを形成する。すなわち、n型埋め込み領域913、エピタキシャル領域915、ボディ領域918、ソース領域919、ドレイン領域920、ドレインコンタクト領域921、バックゲート領域922、ゲート酸化物930、及びポリシリコン・ゲート931を含むDMOSトランジスタを形成する。なお、エピタキシャル領域915に隣接するように、p型埋め込み領域914及びp型ウェル領域916を形成している。
【0132】
以上のように、本実施形態の第1の実施例における第2の変形例によると、上述した第1の実施例による効果に加えて、半導体基板としてエピタキシャル基板を用いた場合には、パワー・トランジスタの電流能力の向上が可能である。
【0133】
−第1の実施例における第3の変形例−
本実施形態の第1の実施例における第3の変形例は、上述の第1の実施例に係る半導体集積回路をDMOSトランジスタに適用した例であって、コンタクト・パッドと第3層目のバスとの接続を複数のビアで行った場合の例である。
【0134】
図10(a)は、本実施形態の第1の実施例における第3の変形例の半導体集積回路の構成及びその製造方法を説明するための簡略断面図を示している。なお、本変形例は、コンタクト・パッドと第3層目のバスとの接続を複数のビアで行った点で、上述の図8に示した第1の実施例の構成及び製造方法と相違し、その他の構成及び製造方法は同様である。つまり、図8の構成では、コンタクト・パッドと第3層目のバスとの接続が単一のビアで行われている。
【0135】
本変形例では、図10(a)に示すように、第3の金属層949aとコンタクト・パッド951との接続として、図8に示した開口部956に相当する箇所において第4のレベル間絶縁体層950を貫通して設けられた複数のビアアレイ950aを用いている。
【0136】
以上のように、本実施形態の第1の実施例における第3の変形例によると、上述した第1の実施例による効果に加えて、複数のビアアレイ950aを用いたことにより、ワイヤ・ボンディング時の応力を吸収してクラックの発生を低減することが可能である。
【0137】
−第1の実施例における第4の変形例−
本実施形態の第1の実施例における第4の変形例は、上述の第1の実施例に係る半導体集積回路としてDMOSトランジスタを適用した例であって、コンタクト・パッドをめっき法で形成した場合の例である。
【0138】
図10(b)は、本実施形態の第1の実施例における第4の変形例の半導体集積回路の構成及びその製造方法を説明するための簡略断面図を示している。なお、本変形例は、コンタクト・パッドをめっき法で形成した点で、上述の図8に示した第1の実施例の構成及び製造方法と相違し、その他の構成及び製造方法は同様である。
【0139】
図10(b)に示すように、第3の金属層949aを露出する開口部956の内部、及び第4のレベル間絶縁体層950上に、めっき法により、コンタクト・パッド951bを形成する。
【0140】
以上のように、本実施形態の第1の実施例における第4の変形例によると、上述した第1の実施例による効果に加えて、第3の金属層949aの厚膜化が容易となるため、パワー・トランジスタのON抵抗の低減による高速化及び低消費電力化ができると共に、ワイヤ・ボンディング時の応力を吸収してクラックの発生を低減することが可能である。
【0141】
−第1の実施例における第5の変形例−
本実施形態の第1の実施例における第5の変形例は、上述の第1の実施例に係る半導体集積回路としてDMOSトランジスタを適用した例であって、接続部材としてはんだボールを用いた場合の例である。
【0142】
図11(a)は、本実施形態の第1の実施例における第5の変形例の半導体集積回路の構成及びその製造方法を説明するための簡略断面図を示している。なお、本変形例は、上述のように、接続部材としてボール961及びボンディング・ワイヤ962(図8参照)の代わりにはんだボールを形成した点で、上述の図8に示した第1の実施例の構成及び製造方法と相違し、その他の構成及び製造方法は同様である。
【0143】
図11(a)に示すように、第3の金属層949aの内部、及び保護用被覆層955上に、はんだボール963を形成する。
【0144】
以上のように、本実施形態の第1の実施例における第5の変形例によると、上述した第1の実施例による効果に加えて、コンタクト・パッド951に接続する部材としてはんだボール963を用いることにより、チップサイズのパッケージを使用することができるため、ICパッケージサイズの小型化が可能である。
【0145】
−第1の実施例における第6の変形例−
本実施形態の第1の実施例における第6の変形例は、上述の第1の実施例に係る半導体集積回路としてDMOSトランジスタを適用した例であって、接続部材としてめっき金属層を用いた場合の例である。
【0146】
図11(b)は、本実施形態の第1の実施例における第5の変形例の半導体集積回路の構成及びその製造方法を説明するための簡略断面図を示している。なお、本変形例は、上述のように、接続部材としてボール961及びボンディング・ワイヤ962(図8参照)の代わりにめっき金属層を形成した点で、上述の図8に示した第1の実施例の構成及び製造方法と相違し、その他の構成及び製造方法は同様である。
【0147】
図11(b)に示すように、第3の金属層949aの内部、及び保護用被覆層955上に、めっき金属層964を形成する。
【0148】
以上のように、本実施形態の第1の実施例における第6の変形例によると、上述した第1の実施例による効果に加えて、コンタクト・パッド951に接続する部材としてめっき金属層964を用いることにより、第3の金属層949aの厚膜化が容易となるため、パワー・トランジスタのON抵抗の低減による高速化及び低消費電力化ができると共に、ワイヤ・ボンディング時の応力を吸収してクラックの発生を低減することが可能である。
【0149】
なお、上述の第1の実施例における第2〜第6の変形例では、半導体集積回路がNチャンネル型DMOSトランジスタである場合について説明したが、配線金属層との接続が同様であれば、パワー・トランジスタの種類及び構造を限定するものではない。
【0150】
−第2の実施例−
本発明の第2の実施形態における第2の実施例は、上述した第1の実施形態に係る半導体集積回路にCMOSトランジスタを適用した例である。
【0151】
図12は、本発明の第2の実施形態における第2の実施例の半導体集積回路の構成及びその製造方法を説明するための簡略断面図を示している。なお、本実施例は、CMOSトランジスタを集積化した点で、上述の図8に示したDMOSトランジスタを集積化した第1の実施例と相違し、その他の構成及び製造方法は同様である。
【0152】
図12に示すように、p型シリコン基板911、n型埋め込み領域913、p型ウェル領域916の上に、公知の方法により、CMOSトランジスタを形成する。すなわち、ソース領域919、ドレインコンタクト領域921、バックゲート領域922、ゲート酸化物930、及びポリシリコン・ゲート931を含むCMOSトランジスタを形成する。
【0153】
以上のように、本発明の第2の実施形態における第2の実施例によると、第1の実施例におけるDMOSトランジスタの場合による効果と同様の効果を得ることができる。すなわち、CMOSトランジスタの直上に、第1層目〜第3層目のバスとしての第1〜第3の金属層943a、946a、及び949a、並びにコンタクト・パッド949aを配置することにより、ICの集積度が向上するため、省チップ化が可能である。また、第3層目のバスとしての第3の金属層946a(図示していない第3の金属層も含む)を第3のビア948a(図示していない第3の金属層を含む)の少なくとも1つの垂直上方に位置するように形成し、該第3の金属層946aを露出する開口部956に、第3層目のバスの膜厚の2倍以上の膜厚を有するコンタクト・パッド951を形成することにより、ON抵抗を低減することができるため、高速化及び低消費電力化が可能であると同時に、ワイヤ・ボンディング時の応力を吸収してクラックの発生を低減することができる。
【0154】
なお、本実施形態の第2の実施例では、半導体集積回路がNチャンネル型MOSトランジスタである場合について説明したが、Pチャンネル型MOSトランジスタであってもよく、また、配線金属層との接続が同様であれば上述の構造に限定されるものではない。
【0155】
−第3の実施例−
本発明の第2の実施形態における第3の実施例は、上述した第1の実施形態に係る半導体集積回路にバイポーラトランジスタを適用した例である。
【0156】
図13は、本発明の第2の実施形態における第3の実施例の半導体集積回路の構成及びその製造方法を説明するための簡略断面図を示している。
【0157】
図13に示すように、p型シリコン基板911上に、公知の方法により、バイポーラトランジスタを形成する。すなわち、n型埋め込み領域913、n型ウェル領域917、エミッタ領域923、ベース領域924、ベースコンタクト領域925及びコレクタコンタクト領域926を含むバイポーラトランジスタを形成する。なお、p型シリコン基板911に、n型ウェル領域917に隣接するようにp型ウェル916を形成し、該p型ウェル916に基板コンタクト領域927を形成している。また、p型シリコン基板911上の素子形成領域を区画するように、素子分離絶縁体層928を形成している。
【0158】
次に、p型シリコン基板911の全面に、上述のバイポーラトランジスタ等を覆うように、第1のレベル間絶縁体層941を堆積した後に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第1のレベル間絶縁体層941に、下端がエミッタ領域923に到達する第1のビア942aと、下端がコレクタ領域926に到達する第1のビア942bを形成する。
【0159】
次に、第1のレベル間絶縁体層941の上に金属層(第1の金属層)を堆積した後に、エッチングによりパターニングすることで、下面が第1のビア942aの上端と接続する第1の金属層943a(第1の金属パターン:第1層目のバス)と、下面が第1のビア942bの上端と接続する第1の金属層943b(第2の金属パターン:第1層目のバス)とを形成する。これにより、第1の金属層943aはエミッタ領域923と電気的に接続してトランジスタのエミッタ電極として機能し、第1の金属層943bはコレクタコンタクト領域926と電気的に接続してトランジスタのコレクタ電極として機能する。
【0160】
次に、第1のレベル間絶縁体層941の上に、第1の金属層943a及び943bを覆うように第2のレベル間絶縁体層944を堆積した後に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第2のレベル間絶縁体層944に、下端が第1の金属層943aに到達する第2のビア945aと、下端が第1の金属層943bに到達する第2のビア945bを形成する。
【0161】
次に、第2のレベル間絶縁体層944の上に金属層(第2の金属層)を堆積した後に、エッチングによりパターニングすることで、下面が第2のビア945aの上端と接続する第2の金属層946a(第1の金属パターン:第2層目のバス)と、下面が第2のビア945bの上端と接続する第2の金属層946b(第2の金属パターン:第2層目のバス)とを形成する。これにより、第2の金属層946aはトランジスタのエミッタ電極の延長として機能し、第2の金属層946bはトランジスタのコレクタ電極の延長として機能する。
【0162】
次に、第2のレベル間絶縁体層944の上に、第2の金属層946a及び946bを覆うように第3のレベル間絶縁体層947を堆積した後に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第3のレベル間絶縁体層947に、下端が第2の金属層946aに到達する第3のビア948aを形成する。なお、複数の第3のビア948aはトランジスタのエミッタ電極と電気的に接続しており、図示していないが、トランジスタのコレクタ電極と電気的に接続する複数のビアも同様に形成されている。
【0163】
次に、第3のレベル間絶縁体層947の上に金属層(第3の金属層)を堆積した後に、エッチングによりパターニングすることで、下面が第3のビア948aの上端と接続する第3の金属層949a(第3層目のバス)を形成する。第2の金属層946a及び第1の金属層943aと電気的に接続する第3の金属層949aは、トランジスタのエミッタ電極用のバスとして機能する。なお、図示していないが、第2の金属層946b及び第1の金属層943bに電気的に接続する第3のビア及び第3の金属層も同様に形成されており、これらはトランジスタのコレクタ電極用のバスとして機能する。
【0164】
次に、第3のレベル間絶縁体層947の上に、第3の金属層949a及び図示しない第3の金属層を覆うように第4のレベル間絶縁体層950を堆積した後に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第4のレベル間絶縁体層950に開口部956を形成する。このように、開口部956は、第3の金属層949aをエミッタ電極と電気的に接続するための第3のビア948aの少なくとも1つの垂直上方に位置するように形成されており、同様に、図示しない開口部が、第3の金属層をコレクタ電極と電気的に接続する第3のビアの少なくとも1つの垂直上方にも位置するように形成されている。
【0165】
次に、第3の金属層949aを露出する開口部956上に、第3の金属層949aの膜厚の2倍以上の膜厚を有する金属層を堆積した後に、エッチングによりパターニングすることで、第3の金属層949aの膜厚の2倍以上の膜厚を有するコンタクト・パッド951を形成する。続いて、第4のレベル間絶縁体層950及びコンタクト・パッド951の上に、保護用被覆層955を堆積した後に、エッチングによりパターニングすることで、コンタクト・パッド951を露出する開口部を形成し、コンタクト・パッド951上にボール961及びボンディング・ワイヤ962を形成する。なお、図13では、コンタクト・パッド951は、エミッタ・バスとして機能する第3の金属層949aに設けられており、図示していないが、コレクタ・バスとして機能する第3の金属層にもコンタクト・パッドが同様に設けられている。
【0166】
以上のように、本発明の第2の実施形態における第2の実施例によると、パワー・トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いた本実施例でも、パワー・トランジスタとしてDMOSトランジスタを用いた第1の実施例による効果と同様の効果が得られる。すなわち、バイポーラトランジスタの直上に、第1層目〜第3層目のバスとしての第1〜第3の金属層943a、946a、及び949a、並びにコンタクト・パッド951を配置することにより、ICの集積度が向上するため、省チップ化が可能である。また、第3層目のバスとしての第3の金属層949a(図示していない第3の金属層も含む)を第3のビア948a(図示していない第3の金属層を含む)の少なくとも1つの垂直上方に位置するように形成し、該第3の金属層949aを露出する開口部956に、第3層目のバスの膜厚の2倍以上の膜厚を有するコンタクト・パッド951を形成することにより、ON抵抗を低減することができるため、高速化及び低消費電力化が可能であると同時に、ワイヤ・ボンディング時の応力を吸収してクラックの発生を低減することができる。
【0167】
なお、本実施形態の第2の実施例では、半導体集積回路がNPNトランジスタである場合について説明したが、PNPトランジスタであってもよく、また、配線金属層との接続が同様であれば上述の構造に限定されるものではない。
【0168】
また、本実施形態の第2及び第3の実施例に対して、上述の第1の実施例で説明した第1〜第5の変形例を同様に適用することができる。
【0169】
また、以上の第1及び第2の実施形態において、コンタクト・パッド951の配置はICの能動的部品によって放出される熱エネルギーの散逸を改善するためにも利用できることも指摘しておく。このことは、外部への接続手段として、熱散逸のための熱抵抗及び熱経路を最小化する目的ではんだバンプを採用する場合に特に言えることである。
【0170】
また、第1のレベル間絶縁体層941、第2のレベル間絶縁体層944、第3のレベル間絶縁体層947及び第4のレベル間絶縁体層950は、例えば、窒化物、酸化物、窒化物/酸化物の組み合わせ、SOG、BPSG、又は低誘電率のゲル等を使用してもよく、材質や厚さを特に限定するものではない。
【0171】
また、保護用被覆層955も同様に、機械的に強く電気的に絶縁性で湿気が通過できないものであれば、例えば、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン・カーボン合金、酸化物/窒化物の組み合わせ、ポリイミド、及びそれらのサンドイッチ構造膜等を使用してもよく、材質や厚さを特に限定するものではない。
【0172】
また、第1の金属層(第1層目のバス)943a及び943b、第2の金属層(第2層目のバス)946a及び946b、第3の金属層(第3層目のバス)949a、並びにコンタクト・パッド951(304)も同様に、例えば、アルミニウム、銅等の金属、又は金属合金を使用してもよく、材質や厚さを特に限定するものではない。
【0173】
また、バスの構成として、3層の金属層(バス)、すなわち第1の金属層943a及び943b、第2の金属層946a及び946b、第3の金属層949aを形成する場合について説明したが、単一又は2層の金属層(バス)であっても、又は、3層よりも多い金属層(バス)を形成する場合であってもよい。さらに、これらの金属層(バス)のパターン形成については、エッチングに限定されるものではなく、各レベル間絶縁体層に溝を形成し金属材料を埋め込むダマシン法等を採用してもよい。
【0174】
また、本発明は、上述した各実施形態での説明に限定的に解釈されるべきではない。例示の実施形態に対する各種の修正及び組み合わせが、本発明のその他の実施形態と共に可能であることは、本説明を参照することによって当業者には明らかなことである。一例として、本発明は、能動的部品の上に位置するコンタクト・パッドを含み、それらのパッドの位置が、パッド下の能動的部品への電力の制御と分配を提供するように選択されたものである半導体集積回路を一般的にカバーする。また別の例として、本発明は、能動的部品の上に位置するコンタクト・パッドを含み、それらのパッドが、選択された1つのパッドと、電力を供給すべき1又は複数のパッドに対応する能動的部品との間の電力分配の距離を最小化するように配置されている半導体ICをカバーする。従って、添付された特許請求の範囲はそのような修正及び実施形態をすべて包含し得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0175】
本発明に係る半導体集積回路及びその製造方法は、デバイス直上のパッド技術を活用し、能動的回路領域部分の直上でワイヤ・ボンディングを実施するパワー集積回路を工夫することによって、電源、モータドライバ、又はオーディオアンプ等の基幹の半導体電子部品の性能において、低消費電力化及び信頼性向上の両立に寄与するものである。したがって、本発明は、製造において既存の設備を活用するため、低コストで容易に実現されるものであり、安価で高品位且つ高性能のパワー集積回路にとって極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路の要部であって、均等分割された6つのバス金属層(第3層目のバス)上に各々1つのコンタクト・パッドを配置した構成を有するICチップの一部分を模式的に示した簡略平面図であり、その下部に電流の流れに沿った電気抵抗を表す電気回路図を併せて示したものである。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路の要部であって、面積が順に異なる6つのバス金属層上に各々1つのコンタクト・パッドを配置した構成を有するICチップの一部分を模式的に示す簡略平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路の要部であって、均等分割された6つのバス金属層(3層目のバス)とその1つ下層におけるソース及びドレイン電極用のラインとなる金属層(第2層目のバス)と、ビアとの配置関係を示すICチップの一部分を模式的に示した簡略平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路の要部であって、均等分割された6つのバス金属層(3層目のバス)と、その1つ下層におけるソース及びドレイン電極用のラインとなる金属層(第2層目のバス)と、さらに1つ下層におけるソース及びドレイン電極となる金属層(第1層目のバス)と、ビアとの配置関係を示すICチップの一部分を模式的に示した簡略平面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における第1の変形例に係る半導体集積回路の要部であって、均等分割された6つのバス金属層上に各々1つのコンタクト・パッドを配置し、分割された3つのパワー・トランジスタを各々分離膜で囲んだ構成を有するICチップの一部分を模式的に示す簡略平面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における第2の変形例に係る半導体集積回路の要部であって、均等分割された6つのバス金属層上に各々1つのコンタクト・パッドを配置し、デバイス直上のパッドは直下のバスから一部はみ出した構成を有するICチップの一部分を模式的に示す簡略平面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における第2の変形例に係る半導体集積回路の要部であって、均等分割された6つのバス金属層上に各々1つのコンタクト・パッドを配置し、デバイス直上のパッドは直下のバスから全部はみ出した構成を有するICチップの一部分を模式的に示す簡略平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における第1の実施例に係る半導体集積回路であって、集積化されたDMOSトランジスタの要部を示す簡略断面図である。
【図9】(a)は、本発明の第2の実施形態における第1の実施例の第1の変形例に係る半導体集積回路であって、SOI基板上に集積化されたDMOSトランジスタの要部を示す簡略断面図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態における第1の実施例の第2の変形例に係る半導体集積回路であって、エピタキシャル基板上に集積化されたDMOSトランジスタの要部を示す簡略断面図である。
【図10】(a)は、本発明の第2の実施形態における第1の実施例の第3の変形例に係る半導体集積回路であって、コンタクト・パッドと第3層目のバスとを複数のビアで接続した構成を有する集積化されたDMOSトランジスタの要部を示す簡略断面図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態における第1の実施例の第4の変形例に係る半導体集積回路であって、コンタクト・パッドがめっき法で形成された構成を有する集積化されたDMOSトランジスタの要部を示す簡略断面図である。
【図11】(a)は、本発明の第2の実施形態における第1の実施例の第5の変形例に係る半導体集積回路であって、接続部材としてはんだボールが取り付けられた構成を有する集積化されたDMOSトランジスタの要部を示す簡略断面図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態における第1の実施例の第6の変形例に係る半導体集積回路であって、接続部材としてめっき金属層が取り付けられた構成を有する集積化されたDMOSトランジスタの要部を示す簡略断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における第1の実施例に係る半導体集積回路であって、集積化されたCMOSトランジスタの要部を示す簡略断面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態における第1の実施例に係る半導体集積回路であって、集積化されたバイポーラトランジスタの要部を示す簡略断面図である。
【図14】従来技術において、各々のバス金属層上に複数のコンタクト・パッドが配置され、バス金属層上で共通に接続された配置を有するパワー・トランジスタを含むICチップの要部を模式的に示す簡略平面図である。
【符号の説明】
【0177】
100 IC(集積回路)チップ
110A、100B、100C 能動的領域(パワー・トランジスタ)
140、141、142、150、151、152 金属層(3層目のバス:第2の金属層)
11〜16 ソース・ライン 金属層(2層目のバス:第1の金属パターン)
21〜26 ドレイン・ライン 金属層(2層目のバス:第2の金属パターン)
S1〜S15 ソース電極用のライン 金属層(1層目のバス:第1の金属パターン)
D1〜D15 ドレイン電極用のライン 金属層(1層目のバス:第2の金属パターン)
X ソース電極用のライン(1層目のバス)とソース・ライン(2層目のバス)を接続するビア
Y ドレイン電極用のライン(1層目のバス)とドレイン・ライン(2層目のバス)を接続するビア
X1 ソース・ライン(2層目のバス)とバス(3層目のバス)を接続するビア
Y1 ドレイン・ライン(2層目のバス)とバス(3層目のバス)を接続するビア
304 コンタクト・パッド
306 ボンディング・ワイヤ
307 リードフレーム
100a1、100a2、100a3 分離によって分割された能動的領域
140c、140d、141c、141d、142c、142d、150d、150c、151c、151d、152c、152d 金属層(3層目のバス)
911 p型シリコン基板
912 埋め込み絶縁体層
913 n型埋め込み領域
914 p型埋め込み領域
915 エピタキシャル領域
916 p型ウェル領域
917 n型ウェル領域
918 ボディ領域
919 ソース領域
920 ドレイン領域
921 ドレインコンタクト領域
922 バックゲート領域
923 エミッタ領域
924 ベース領域
925 ベースコンタクト領域
926 コレクタコンタクト領域
927 基板コンタクト領域
928 素子分離絶縁体層
929 トレンチ分離絶縁体層
930 ゲート酸化物
931 ポリシリコン・ゲート
941 第1のレベル間絶縁体層
942 第1のビア
943a、943b 第1の金属層(1層目のバス:第1及び第2の金属パターン)
944 第2のレベル間絶縁体層
945 第2のビア
946a、946b 第2の金属層(2層目のバス:第1及び第2の金属パターン)
947 第3のレベル間絶縁体層
948 第3のビア
949a 第3の金属層(3層目のバス)
950 第4のレベル間絶縁体層
951 コンタクト・パッド
955 保護用被覆層
956 開口部
961 ボール
962 ボンディング・ワイヤ
963 はんだボール
964 めっき金属層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成された集積化されたパワー・トランジスタと、
前記パワー・トランジスタの上に形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜中であって前記パワー・トランジスタの直上に形成された第1の金属層からなり、前記パワー・トランジスタの第1の電極として機能する複数の第1の金属パターンと、
前記第1の金属層からなり、前記パワー・トランジスタの第2の電極として機能する複数の第2の金属パターンと、
前記層間絶縁膜中であって前記第1の金属層の直上に形成された第2の金属層からなり、前記複数の第1の金属パターンのうち対応する第1の金属パターンと電気的に接続する複数の第1のバスと、
前記第2の金属層からなり、前記複数の第2の金属パターンのうち対応する第2の金属パターンと電気的に接続する複数の第2のバスと、
前記複数の第1のバス及び前記複数の第2のバスの各々には、1つのコンタクト・パッドが設けられていることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記複数の第1のバスの各々は、互いに同じ表面積を有しており、
前記複数の第2のバスの各々は、互いに同じ表面積を有していることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記複数の第1のバスの各々は、互いに異なる表面積を有しており、
前記複数の第2のバスの各々は、互いに異なる表面積を有していることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記パワー・トランジスタは、前記複数の第1のバスの各々と前記複数の第2のバスの各々とに対応するように、分離層によって複数に分割されていることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記パワー・トランジスタのサイズは、平面的に見て、前記コンタクト・パッドの各々のサイズ以上の大きさを有していることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体集積回路において、
前記コンタクト・パッドの各々は、平面的に見て、前記パワー・トランジスタが形成されている領域内に包含されていることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項7】
請求項5に記載の半導体集積回路において、
前記コンタクト・パッドの各々は、平面的に見て、前記パワー・トランジスタが形成されている領域内から一部はみ出していることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項8】
請求項5に記載の半導体集積回路において、
前記コンタクト・パッドの各々は、平面的に見て、前記パワー・トランジスタが形成されている領域内から全部はみ出していることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記パワー・トランジスタは、DMOSトランジスタであることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項10】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記パワー・トランジスタは、CMOSトランジスタであることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項11】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記パワー・トランジスタは、バイポーラトランジスタであることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項12】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記半導体基板は、SOI基板であることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項13】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記半導体基板は、エピタキシャル基板であることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項14】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記コンタクト・パッドの各々の厚さは、前記複数の第1のバス及び前記複数の第2のバスの各々の厚さの2倍以上であることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項15】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記コンタクト・パッドと前記第1のバス又は前記第2のバスとの接続は、単一のビアを介して行われていることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項16】
請求項15に記載の半導体集積回路において、
前記単一のビアの口径は50μm以上であることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項17】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記コンタクト・パッドと前記第1のバス又は前記第2のバスとの接続は、複数のビアアレイを介して行われていることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項18】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記複数の第1のバスの各々と前記複数の第2のバスの各々とは、リードフレームに近い側に位置するものから遠くに位置するものへと順に面積が大きくなるように形成されていることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項19】
請求項1に記載の半導体集積回路において、
前記コンタクト・パッドの各々に取り付けられた接続部材を更に備えていることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項20】
半導体基板上に集積化されたパワー・トランジスタを形成する工程と、
前記パワー・トランジスタの上に第1の層間絶縁膜を形成する工程と、
前記パワー・トランジスタの直上に前記第1の層間絶縁膜を介して第1の金属層を堆積した後に、該第1の金属層をパターニングすることにより、前記パワー・トランジスタの第1の電極として機能する複数の第1の金属パターン及び前記パワー・トランジスタの第2の電極として機能する複数の第2の金属パターンを形成する工程と、
前記第1の層間絶縁膜の上に、前記複数の第1の金属パターン及び前記複数の第2の金属パターンを覆うように第2の層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の金属層の直上に前記第2の層間絶縁膜を介して第2の金属層を堆積した後に、該第2の金属層をパターニングすることにより、前記複数の第1の金属パターンのうち対応する第1の金属パターンと電気的に接続する複数の第1のバス及び前記複数の第2の金属パターンのうち対応する第2の金属パターンと電気的に接続する複数の第2のバスを形成する工程と、
前記第2の層間絶縁膜の上に、前記複数の第1のバス及び前記複数の第2のバスを覆うように第3の層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第3の層間絶縁膜に、前記複数の第1のバス及び前記複数の第2のバスの各々を露出する複数の開口部を形成する工程と、
前記複数の開口部の各々に露出する前記複数の第1のバス及び前記複数の第2のバスの各々に1つのコンタクト・パッドを設ける工程とを備えることを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項21】
請求項20に記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記コンタクト・パッドを設ける工程は、めっきすることにより設ける工程を含むことを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項22】
請求項20に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記コンタクト・パッドを設ける工程の後に、前記コンタクト・パッドの各々に接続部材を取り付ける工程を更に備えることを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項23】
請求項22に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記接続部材を取り付ける工程は、前記コンタクト・パッドの各々にワイヤをボンディングする工程を含むことを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項24】
請求項22に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記接続部材を取り付ける工程は、前記コンタクト・パッドの各々にバンプする工程を含むことを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項25】
請求項24に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記バンプする工程は、はんだボールをリフローする工程を含むことを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項26】
請求項22に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記接続部材を取り付ける工程は、前記コンタクト・パッドの各々にめっきすることにより取り付ける工程を含むことを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項27】
請求項20に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記パワー・トランジスタは、DMOSトランジスタであることを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項28】
請求項20に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記パワー・トランジスタは、CMOSトランジスタであることを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項29】
請求項20に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記パワー・トランジスタは、バイポーラトランジスタであることを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項30】
請求項20に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記半導体基板は、SOI基板であることを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項31】
請求項20に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記半導体基板は、エピタキシャル基板であることを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項32】
請求項20に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記コンタクト・パッドの各々の厚さは、前記複数の第1のバス及び前記複数の第2のバスの各々の厚さの2倍以上であることを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項33】
請求項20に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記コンタクト・パッドと前記第1のバス又は前記第2のバスとの接続は、単一のビアを介して行われることを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項34】
請求項20に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記単一のビアの口径は50μm以上であることを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
【請求項35】
請求項20に記載の半導体集積回路の製造方法において、
前記コンタクト・パッドと前記第1のバス又は前記第2のバスとの接続は、複数のビアアレイを介して行われることを特徴とする半導体集積回路の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2008−112897(P2008−112897A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295689(P2006−295689)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】