説明

グルココルチコイド受容体の修飾物質および方法

構造:
【化1】


[ZはCONRまたはCHNRであり、ここでR、R、R、R、R、Z、AおよびBは本明細書で定義する]を有するグルココルチコイド受容体修飾物質である新規な非ステロイド化合物で、肥満症、糖尿病、炎症および免疫障害のようなグルココルチコイド受容体アゴニストまたはアンタゴニスト治療が要求される疾患の治療に有用な化合物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は2002年7月18日出願の米国仮出願60/396,877の優先権を主張するものであり、該仮出願は本願に引用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、グルココルチコイド受容体(レセプター)(GR)修飾物質(モジュレーター)(即ちアゴニストおよびアンタゴニスト)であり、従って、肥満症、糖尿病および炎症または免疫関連疾患のようなグルココルチコイド受容体アゴニストまたはアンタゴニストを必要とする疾患の治療に有用である新規な非ステロイド化合物に関するものであり、並びにかかる化合物をこのような疾患および関連疾患の治療に使用するための方法に関する。
【0003】
(背景技術)
転写因子の核ホルモン受容体(NHR)ファミリーは、低分子量のリガンドに結合して、転写を刺激するかまたは抑制する(The Nuclear Receptor Facts Book, V. LaudetおよびH. Gronemeyer, Academic Press, p345, 2002)。NHRはDNAに結合し、特定遺伝子の転写を誘起することによって、転写を刺激する。NHRはまた、DNA自体に結合することなく転写を刺激することもでき、むしろそれらは他のDNA結合性タンパクの活性を修飾し得る(Stocklin, E., et al., Nature (1996) 383:726-8)。転写の刺激の工程はトランス活性化(トランスアクチベーション)と呼ばれる。NHRは、他の転写因子または活性化補助因子(コアクチベーター)と相互作用し、これらの他の転写因子または活性化補助因子の能力が特定遺伝子の転写を誘因するのを阻害することで、転写を抑制する。この抑制は転写抑制(トランスリプレッション)と呼ばれる(例えば The Nuclear Receptor Factsbook, V. Laudet and H. Gronemeyer, Academic Press, p42, 2002参照)。
【0004】
このグルココルチコイド受容体(GR)は、転写因子の核ホルモン受容体ファミリーの一員であり、転写因子のステロイドホルモンファミリーの一員でもある。グルココルチコイド受容体タンパクのアフィニティー標識が、ヒト(Weinberger, et al. Science 228, p640−742, 1985, Weinberger, et al. Nature, 318, p670−672, 1986)およびラット(Miesfeld, R. Nature, 312, p779−781, 1985)のグルココルチコイド受容体のクローニングを促進するレセプターに対する抗体の産生を可能にした。
【0005】
GRと相互作用するグルココルチコイドは、50年以上にわたって炎症性疾患の治療に使用されてきている。グルココルチコイドが転写因子NF−κBおよびAP−1のGRによる阻害を通して、抗炎症活性を発揮することが明らかにされている。このような阻害は転写抑制と呼ばれている。GRによるこのような転写因子の阻害の主たる機構は、直接的な物理的相互作用である。この相互作用が転写因子複合体を変化させ、転写を刺激するNF−κBおよびAP−1の能力を阻害する(Jonat, C., et al. Cell, 62, p1189, 1990, Yang−Yen, H.F., et al. Cell 62, p1205, 1990, Diamond, M.I. et al. Science 249, p1266, 1990, Caldenhoven, E. et al., Mol. Endocrinol. 9, p401, 1995)。GRによる活性化補助因子の隔離(滞留)のような他の機構も提案されている(Kamer Y, et al., Cell 85, p403, 1996, Chakravarti, D. et al., Nature 383, p99, 1996)。NF−κBおよびAP−1は、炎症性および免疫性障害の誘発と持続に重要な役割を果たしている(Baldwin, AS, Journal of Clin. Investigation 107, p3, 2001, Firestein, G.S., and Manning, A.M. Arthritis and Rheumatism, 42, p609, 1999, Peltz, G., Curr. Opin, in Biotech. 8, p467, 1997)。NF−κBおよびAP−1は、TNF−アルファ、IL−1、IL−2、IL−5、接着性分子(E−セレクチン等)、ケモカイン(エオキタキシンおよびランテス等)、Cox−2などを含む多くの重要な炎症性および免疫性遺伝子の発現を制御することに関係している。
【0006】
転写抑制を惹起させることに加えて、グルココルチコイドのGRとの相互作用はGRにある種の遺伝子の転写を誘因させ得る。この種の転写誘因はトランス活性化と呼ばれる。このトランス活性化には GRの二量化とグルココルチコイド応答因子(GRE)への結合が必要である。
【0007】
DNAと結合できない遺伝子組み換えGR二量体欠損マウスを用いた最近の研究では、GRのトランス活性化(DNA結合性)活性をGRの転写抑制(非DNA結合性)効果から分離できたことが示されている。このような研究はまた、グルココルチコイド治療の副作用の多くが、代謝に関係する多種の遺伝子の転写を誘因するGRの能力に拠るものであり、一方DNAへの結合を必要としない転写抑制が、炎症の抑制に至ることも示している(Tuckermann, J. et al. Cell 93, p531, 1998;Reichardt, HM. EMBO J., 20, p7168, 2001).
【0008】
この技術はNHRの修飾物質を必要とする。NHRの修飾物質は、NHR関連疾患、即ちその転写がNHRによって刺激または抑制される遺伝子の発現生成物と関連する疾患の治療に有用であり得る。例えば、かかる化合物は、変形性関節疾患、リュウマチ関節炎、多発性硬化症、喘息、炎症性腸疾患、移植拒絶反応および移植片対宿主病のような炎症性および免疫性疾患および障害の治療に有用であるので、この技術はAP−1およびNFκBを阻害するNHRの修飾物質が必要である。
【0009】
特にGRに関しては、グルココルチコイドが強力な抗炎症剤であるけれども、これらの全身使用は副作用のために制限される。グルココルチコイドの抗炎症効果を維持しつつ、糖尿病、骨粗鬆症、緑内障のようなその副作用を最小限にするような化合物は、極めて多くの炎症性疾患患者にとって大きな価値となる。
【0010】
更にGRに関しては、この技術はトランス活性化を拮抗する化合物を必要とする。このような化合物は、糖尿病、骨粗鬆症、緑内障のようなグルココルチコイドの増加したレベルに関連する代謝性疾患の治療に有効であり得る。
【0011】
更にまたGRに関しては、この技術はトランス活性化を惹起する化合物を必要とする。このような化合物は、グルココルチコイドの欠損に関連する代謝性疾患の治療に有効であり得る。このような疾患にはアジソン病が含まれる。
【0012】
以下に記述する本発明の化合物は、上記条件を満たすものであると考えられる。
【0013】
(発明の開示)
本発明により、そのすべての立体異性体を含む下記構造を有する化合物、またはそのプロドラッグエステルまたはこれらの医薬的に許容される塩が提供される:
【化1】

[式中、
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロへテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シアノアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールオキシアルキル、またはヒドロキシアリールであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリールアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シアノアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、ニトロ、アミノ、CHO、COアルキル、CONR、CHNR、COH、CHOH、CHNHR、NHCH、NHCHR、NHCOR、NHCONRまたはNHSOであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリールアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シアノアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アミノ、CHO、COアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、CONR、CHNR、COH、CHOH、CHNHR、NHCH、NHCHR、NHCOR、NHCONRまたはNHSOであり;
ここでRおよびRは、同一又は異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともにN、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリール環またはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
およびRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
およびRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、あるいはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
とRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
とRは、同一または異なって、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヒドロキシ、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシアリール、またはアリールオキシアルキルから独立して選ばれ;
とRは、それらが結合している炭素原子とともに、環中のOまたはN原子を含み得る3−から7員環を形成し得;
Zは、CONRまたはCHNRであり、ここでRとRは同一または異なって、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロアルケニル、モノ−もしくはジ−アルキルアミノアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルから独立して選ばれ;
環Aは、飽和、一部飽和または不飽和の6員炭素環またはヘテロ環を表し;および
環Bは、飽和、一部飽和または不飽和の6員炭素環またはヘテロ環を表す;
但し:
I.ZがCONRであり、(a)RがCHまたはHであり、R、R、RおよびRがそれぞれ水素であるか、または(b)RおよびRがそれぞれ水素であり、RとRの一方がアルキルである場合;
(1)RとRの少なくとも一方は、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルまたはシクロヘテロアルキルアルキルであり(ここで該ヘテロアリールは無置換の
【化2】

または無置換の
【化3】

であり、該ヘテロアリールアルキルは無置換の
【化4】

または無置換の
【化5】

である);さらに
とRの他の一方は、水素以外であり、および/または環Aおよび/または環Bはヘテロ原子を含むか;あるいは
(2)RとRの一方は、アルキル、ヒドロキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニルまたはニトロで置換されたフェニルであり、さらに(a)該フェニルは、2またはそれ以上のハロ原子、および/または2またはそれ以上のヒドロキシ基で置換されていてもよい場合を除いて、水素、アルキル、ヒドロキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニルまたはニトロ以外の少なくとも一つの他の基で置換されていなければならない;および/または(b)RとRの他の一方は、水素以外であり、および/または(c)環Aおよび/または環Bはヘテロ原子を含むか;あるいは
(3)RとRの一方は、C−Cアルコキシで置換されたフェニルであり、ここで該フェニルは第二のC−Cアルコキシで置換され得ず、またはRとRの他方は水素以外であるか;あるいは
(4)RとRの少なくとも一方は、水素、無置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アルキルフェニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルであり、さらに(a)RとRの他方は 水素、無置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アルキルフェニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキル以外の基であり、および/または(b)R、R、Rおよび/またはRの少なくとも一つは水素以外であり、および/または(c)Rは水素またはC−Cアルキル以外であり、および/または(d)環Aおよび/または環Bはヘテロ原子を含む;並びに
II.ZがCHNRであり、および/またはRとRの少なくとも一方が、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、フェニル、アルキルフェニル、フェニルアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアリール(ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルまたはイミダゾリニル)、またはシクロヘテロアルキル(4,5−ジヒドロ−イミダゾール−2−イル、ピペリジニルまたはピペラジニル)である場合;
(a)RとRの他方は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、フェニル、アルキルフェニル、フェニルアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキル、またはヒドロキシアルキル以外の基であり、および/または(b)R、R、Rおよび/またはRの少なくとも一つは水素またはC1−2アルキル以外であり、および/または(c)Rは水素またはC−Cアルキル以外であり、および/または(d)環Aおよび/または環Bはヘテロ原子を含み、および/または(e)RまたはRの一方はヒドロキシアルキルではあり得ない]
【0014】
式Iの化合物において、環Aは下記構造を有し
【化6】

環Bは下記構造を有する:
【化7】

[式中、
、X、XおよびXは、同一または異なって、CH、CH、CHR15、CR16、CR1617、N、NH、NR18、OまたはSから独立して選ばれ;
、X、X およびXは、同一または異なって、CH、CH、CHR19、CR20、CR2021、N、NH、NR22、OまたはSから独立して選ばれ、ここでR15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22 は、同一または異なって、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびシクロヘテロアルキルから独立して選ばれ;および
該A環およびB環の各々は、最大2個の窒素環原子、最大2個の酸素環原子および多くとも1個の硫黄環原子を含む]
【0015】
好ましくは、環Aおよび環Bはそれぞれ、芳香性炭素環、すなわちベンゾ環である6員環であるか、またはその各々が1個のヘテロ原子含んだヘテロ環、すなわち窒素原子であるピリジル環であり、好ましくは
【化8】

である。
【0016】
グルココルチコイド受容体(GR)/デキサメサゾン(Dex)阻害活性(10μM で>95%)を有する式Iの好ましい化合物は以下の通りである:
1.本発明の式Iの化合物であり、ここでAおよびBは縮合したフェニル環であり、RはCHであり、R、R、RおよびRはそれぞれHであり、ZはCONR(RとRの一方はHであり、他方はヘテロアリール、好ましくはイミダゾール−2−イルである)である、即ち
【化9】

である。
【0017】
2.本発明の式Iの化合物であり、ここでAおよびBは縮合したフェニル環であり、RはCHであり、R、R、RおよびRはそれぞれHであり、ZはCONR(RとRの一方はHであり、他方はベンゾチアゾール−2−イル以外のヘテロアリールであり、好ましくはヘテロアリールがアルキルベンゾチアゾール−2−イル、アルコキシベンゾチアゾール−2−イル、およびハロベンゾチアゾール−2−イルであり、例えば:
6−メチルベンゾチアゾール−2−イル、
4−メトキシベンゾチアゾール−2−イル、
6−フルオロベンゾチアゾール−2−イル、
6−クロロベンゾチアゾール−2−イルである)であり、その例は下記構造の化合物である。
【化10】

[式中、Xは、6−CH、4−CHO、6−Clまたは6−Fである]
【0018】
3.本発明の式Iの化合物であり、ここでAおよびBは縮合したフェニル環であり、RはCHであり、R、R、RおよびRはそれぞれHであり、ZはCONR[RとRの一方はHであり、他方は好ましくはジアルキル、アルキル、
【化11】

アルキル、フェニルもしくはナフチルのようなアリール(該アリールは適宜、ハロ、アルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ジアルコキシ、カルボキシ、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヒドロキシアルキルアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、アルコキシアルキルアミノカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニルで置換されていてもよい)、ヘテロアリールチオまたはヘテロアリールで置換されているチアゾールであり、例えば、
4,5−ジメチルチアゾール−2−イル
5−クロロチアゾール−2−イル
4−メチルチアゾール−2−イル
5−メチルチアゾール−2−イル
4−フェニルチアゾール−2−イル
4−(1−ナフチル)チアゾール−2−イル
5−(1−ナフチル)チアゾール−2−イル
4−[1−(4−フルオロ)ナフチル]チアゾール−2−イル
4−[1−(4−メチル)ナフチル]チアゾール−2−イル
4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル
4−[1−(6−ヒドロキシ)ナフチル]チアゾール−2−イル
4−[(1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチルチアゾール−2−イル
4−(4−安息香酸)チアゾール−2−イル
4−[1−(4−ブロモ)ナフチル]チアゾール−2−イル
4−[4−N−エチルベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[4−N−(2−メトキシフェニル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[4−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[4−N−(ピロリジニル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[4−N−(モルホリニル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[4−N−フェニル−N−メチルベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−エチルベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−(2−メトキシフェニル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−(2−メトキシエチル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−メチル−N−フェニルベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−(4−アセチルピペラジニル−1−イル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−(3−メトキシプロピル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−(6−カルボキシ−2−ピリジル)チアゾール−2−イル
4−[3−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−(2,3−ジメトキシフェニル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−(3−ジメトキシフェニル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−(5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−(5−クロロベンゾキサゾール−2−イル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−(3−ベンゾニトリル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[3−N−(4−メトキシ−3−ピリジル)ベンズアミド]チアゾール−2−イル
4−[5−(1,4−ベンゾジオキサン)]チアゾール−2−イル
4−[4−(1,3−ベンゾジオキソール]チアゾール−2−イルである]であり、例えば下記構造の化合物である;
【化12】

[式中、Xは4,5−ジメチル、5−クロロ、4−メチル、5−メチル、4−フェニル、4−(1−ナフチル)、4−(2−ナフチル)、4−(4−フルオロナフチル−1−イル)、4−(4−メチルナフチル−1−イル)、4−(3−ニトロフェニル)、4−(6−ヒドロキシナフチル−1−イル)、4−[(1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル、4−安息香酸、4−(4−ブロモナフチル−1−イル)、4−(N−エチル)ベンズアミド、4−(N−2−メトキシフェニル)ベンズアミド、4−(N−デオキシスペルグアリン(deoxyspergualin)メチル−N−2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド、4−(N−(ピロリジニル)ベンズアミド、4−(N−モルホリニル)ベンズアミド、4−(N−フェニル−N−メチル)ベンズアミド、3−(N−エチル)ベンズアミド、3−(N−2−メトキシフェニル)ベンズアミド、3−(N−2−メトキシエチル)ベンズアミド、3−(N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド、3−(N−メチル−N−フェニル)ベンズアミド、3−(N−4−アセチルピペラジニル−1−イル)ベンズアミド、3−(N−3−メトキシプロピル)ベンズアミド、2−(6−カルボキシ)ピリジン、3−(N−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)ベンズアミド、3−(N−3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンズアミド、3−(N−2,3−ジメトキシフェニル)ベンズアミド、3−(N−3−ジメトキシフェニル)ベンズアミド、3−(N−5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズアミド、3−(N−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズアミド、3−(N−5−クロロベンゾキサゾール−2−イル)ベンズアミド、3−(N−3−ベンゾニトリル)ベンズアミド、3−(N−4−メトキシ−3−ピリジル)ベンズアミド、5−(1,4−ベンゾジオキサン)、または4−(1,3−ベンゾジオキソール)である]
【0019】
4.式Iの本発明化合物であり、ここでAおよびBは縮合したフェニル環であり、Rは Cであり、R、R、RおよびRはそれぞれHであり、ZはCONR(RとRの一方はHであり、他方はヘテロアリールであり、好ましくはチアゾール−2−イルまたは4−(1−ナフチル)チアゾール−2−イルである)である。
【0020】
5.式Iの本発明化合物であり、ここでAおよびBは縮合したフェニル環であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、R、R、RおよびRはそれぞれHであり、ZはCONR(RとRの一方はHであり、他方はヘテロアリール、好ましくはチアゾール−2−イルである)である。
【0021】
6.式Iの本発明化合物であり、ここでAおよびBは縮合したフェニル環であり、RはCHであり、R、R、RおよびRはそれぞれHであり、ZはCONR(RとRの一方はHであり、他方はヘテロアリール、好ましくは2−キノリン−1−イルである)である。
【0022】
AP−1阻害活性(IC50<15μM)を有する本発明の式Iの化合物の好ましいものを以下に挙げる:
1(a).本発明の式Iの化合物であり、ここでAおよびBは縮合したフェニル環であり、RはCHであり、R、R、RおよびRはそれぞれHであり、ZはCONR[RとRの一方はHであり、他方はヘテロアリール、好ましくはイミダゾールであって、これは好ましくはアリール基、好ましくはナフチルで置換されており、該ナフチル基は好ましくはアルキル、ハロまたはアルコキシで置換されており、これらは以下:
4−(1−ナフチル)イミダゾール−2−イル
4−[1−(4−メチル)ナフチル]イミダゾール−2−イル
4−[1−(4−フルオロ)ナフチル]イミダゾール−2−イル
4−[1−(6−メトキシナフチル)]イミダゾール−2−イル
4−フェニルイミダゾール−2−イル
4−t−ブチルイミダゾール−2−イル
が挙げられる]であり、
これらは、例えば下記構造の化合物である。
【化13】

[式中、Xは、アリールまたはアルキルであり、以下のものが挙げられる;1−ナフチル、1−(4−メチル)ナフチル、1−(4−フルオロ)ナフチル、1−(6−メトキシナフチル)、フェニル、t−ブチル、または適宜メチルのようなアルキルおよび/またはメトキシのようなアルコキシで置換されたキノリニル、または適宜メチルのようなアルキルおよび/またはメトキシのようなアルコキシで置換されたイソキノリニルである]
1(b).下記構造の化合物:
【化14】

【表1】

【0023】
2.本発明の式Iの化合物であり、ここでAおよびBは縮合したフェニル環であり、RはCHであり、R、R、RおよびRはそれぞれHであり、ZはCONR[RとRの一方はHであり、他方はヘテロアリール、好ましくはオキサゾールであり、これは好ましくはアリールで置換されており、アリール基は好ましくはナフチルであり、4−(1−ナフチル)オキサゾール−2−イル等が挙げられる]であり、即ち、以下構造の化合物である。
【化15】

[式中、Xは1−ナフチルのようなアリールである]
【0024】
3.本発明の式Iの化合物であり、ここでAおよびBは縮合したフェニル環であり、RはCHであり、R、R、RおよびRはそれぞれHであり、ZはCONR[RとRの一方はHであり、他方はピリジルであり、これは好ましくはアリール基で置換されており、アリールは好ましくはナフチルであり、例えば4−(1−ナフチル)−(2−ピリジル)が挙げられる]であり、すなわち、下記構造の化合物である。
【化16】

[式中、Xは1−ナフチルのようなアリールである]
【0025】
4.本発明の式Iの化合物であり、ここでAおよびBは縮合したフェニル環であり、RはCHであり、R、R、RおよびRはそれぞれHであり、ZはCONR[RとRの一方はHであり、他方はヘテロアリールであり、好ましくはアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアルコキシで置換されたチアゾールであり、ここで該アリールは、フェニル、ナフチルまたはアントラセニルであり、これらは好ましくはハロ、アルキル、アルコキシ、アリール、またはヒドロキシで置換されており、例えば、
4−(フェニル)チアゾール−2−イル
4−(t−ブチル)チアゾール−2−イル
4−(1−ナフチル)チアゾール−2−イル
4−[1−(4−フルオロ)ナフチル]チアゾール−2−イル
4−(ベンゾチオフェン−3−イル)チアゾール−2−イル
4−[1−(4−メチル)ナフチル]チアゾール−2−イル
4−[1−(2−メトキシナフチル)]チアゾール−2−イル
4−[1−(6−メトキシナフチル)]チアゾール−2−イル
4−(3−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル
4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル
4−(3−メチルフェニル)チアゾール−2−イル
4−(2−クロロフェニル)チアゾール−2−イル
4−[1−(4−メトキシナフチル)]チアゾール−2−イル
4−[1−(4−ブロモナフチル)]チアゾール−2−イル
4−[1−(4−ヨードナフチル)]チアゾール−2−イル
4−[アントラセン−5−イル)]チアゾール−2−イル
4−[アントラセン−1−イル)]チアゾール−2−イル
4−[4−キノリン−1−イル)]チアゾール−2−イル
4−[2−キノリン−1−イル)]チアゾール−2−イル
4−[1−(4−シアノ−ナフチル)]チアゾール−2−イル
5−ヨードチアゾール−2−イル
4−(ベンゾチオフェン−4−イル)チアゾール−2−イル
4−[1−(2−ヒドロキシナフチル)]チアゾール−2−イル
4−[1−(6−ヒドロキシナフチル)]チアゾール−2−イル
4−[1−(4−ヒドロキシナフチル)]チアゾール−2−イル
が挙げられる]であり、
これらは、例えば下記構造の化合物である。
【化17】

[式中、Xは、アリール、アルキル、ヘテロアリールまたはハロであり、例えば、フェニル、t−ブチル、1−ナフチル、1−(4−フルオロ)ナフチル、ベンゾチオフェン−3−イル、1−(4−メチル)ナフチル、1−(2−メトキシ)ナフチル、1−(6−メトキシ)ナフチル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3−メチルフェニル、2−クロロフェニル、1−(4−メトキシ)ナフチル、1−(4−ブロモ)ナフチル、1−(4−ヨード)ナフチル、5−アントラセニル、1−アントラセニル、4−キノリン−1−イル、2−キノリン−1−イル、1−(4−シアノ)ナフチル、5−ヨード−4−ベンゾチオフェニル、1−(2−ヒドロキシ)ナフチル、1−(6−ヒドロキシ)ナフチル、1−(4−ヒドロキシ)ナフチルが挙げられる]
【0026】
5.本発明の式Iの化合物であり、ここでAおよびBは縮合したフェニル環であり、RはCHであり、R、R、RおよびRはそれぞれHであり、ZはCONR[RとRの一方はHであり、他方はヘテロアリールであり、好ましくはチアゾールであり、これはアリール、好ましくはナフチルで置換されており、例えば4−(1−ナフチル)チアゾール−2−イルが挙げられる]であり、すなわち、
【化18】

である。
【0027】
6.本発明の式Iの化合物であり、ここでAおよびBは縮合したフェニル環であり、RはCHであり、R、R、RおよびRはそれぞれHであり、ZはCONR[RとRの一方はHであり、他方は
【化19】

である]であり、すなわち、
【化20】

[式中、Xはアリール、アルコキシアリール、ジアルコキシアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ハロ(アルコキシ)アリール、ヒドロキシ(アルコキシ)アリール、トリアルコキシアリール、アルキル(アルコキシ)アリール、ハロアリール、ジハロアリール、ヘテロアリールアリール、アルキルチオアリール、アルケニルアリール、アルコキシヘテロアリール、シアノアリールであり、ここでアリールは、フェニルまたはナフチルであり、ヘテロアリールそれ自体または他の基の一部となって、ピリジル、イミダゾリル、アジド、イソチアゾリル、ピラゾリルまたはチアジアゾリルであり;
Xの好ましい例には、
フェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3−ピリジル、2−(4−ピリジル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、4−メチル−3−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、4−クロロフェニル、2−ナフチル、3−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−アジドフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3−エトキシフェニル、3−(メチルチオ)フェニル、4−(メチルチオ)フェニル、3−(アセチレニル)フェニル、4−メトキシ−3−ピリジル、3−シアノフェニル、2−メチル−4−メトキシフェニル、3−アジドフェニル、3−メチル−イソチアゾリル、1−メチル−ピラゾール−5−イルまたは5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルが含まれる]
である。
【0028】
7.本発明の式Iの化合物であり、下記構造である。
(a)
【化21】

【表2】

(b)
【化22】

(c)
【化23】

[式中、Q=N、Y=CHであるか、またはQ=CH、Y=Nであり、
Z=CONRであり、
R=CHであり、
、R、R、RはHであり、
=4−(4−フルオロナフチル)チアゾール−2−イルであり、
=Hである]
(d)
【化24】

【表3】

【0029】
8.本発明の式Iの化合物であり、下記構造である。
【化25】

[式中、RとRの一方はヘテロアリールであり、好ましくはRとRの一方は
【化26】

ここで、Rは、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、またはアルコキシから選ばれ、RはHまたはアルキルであり、さらに好ましくはRとRの一方が
【化27】

である]
【0030】
本発明の他の好ましい化合物は下記構造のものである。
【化28】

[式中、RはCH、Cまたは2−ヒドロキシエチルであり、RbはH、CN、NO、ハロゲン、アルキルまたはアミノであり;
Xbは、H、アリールアルコキシカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシアルキルアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール、アルコキシアルキルアミドカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、アリールアミノカルボニルアリールまたはヘテロアリールであるが;
但し、XbがHのときは、RはCまたは2−ヒドロキシメチルであるか、または RbはCNまたはNOである]
【0031】
上記の好ましい化合物の例は、以下のものを含む。
【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【0032】
本発明の他の好ましい化合物は下記構造を有する。
【化33】

[RはCH、Cまたは2−ヒドロキシエチルであり;
RbはH、CN、NO、ハロゲン、アルキルまたはアミノであり;および
Xcはアリール、キノリニルまたはイソキノリニルである]
【0033】
上記好ましい化合物の例は、以下のものを含む。
【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【0034】
本発明の他の態様において、内分泌疾患、リウマチ疾患、コラーゲン疾患、皮膚疾患、アレルギー性疾患、眼疾患、呼吸器疾患、血液病、胃腸疾患、炎症疾患、自己免疫疾患、糖尿病、肥満症、および腫瘍性疾患の治療に有効な医薬組成物、並びに本明細書に記載のその他の用途を提供するものであり、この組成物は治療上の有効量(用途に依存)の本発明の式Iの化合物およびその医薬的に許容される担体を含んでいる。
【0035】
本発明の更に他の態様において、治療が必要な患者に本発明の式Iの化合物の治療上の有効量を投与する工程を含む、内分泌疾患、リウマチ疾患、コラーゲン疾患、皮膚疾患、アレルギー性疾患、眼疾患、呼吸器疾患、血液病、胃腸疾患、炎症疾患、自己免疫疾患、糖尿病、肥満症、および腫瘍性疾患、並びに以下に記述するような炎症性および免疫性疾患および障害を含む、GR関連疾患、即ちその転写がGRによって刺激または抑制される遺伝子の発現生成物に関連する疾患またはGRトランス活性化に関連する疾患の予防、発病阻害または治療の方法を提供する。
【0036】
本発明の他の態様において、AP−1依存性遺伝子発現関連疾患、即ちAP−1の調節制御下での遺伝子発現に関連する疾患(例えば、炎症性および免疫性障害)、癌および腫瘍障害(例えば、固形腫瘍、リンパ種および白血病)、および真菌感染(例えば、菌状息肉腫)の予防、発病阻害または治療の方法をを含む。
【0037】
本明細書で使用する用語「GRトランス活性化関連疾患」とは、その転写がGRによってトランス活性される遺伝子の転写生成物に関連する疾患をいう。これらの疾患には、これらに限定されないが、以下のものが含まれる:骨粗鬆症、糖尿病、緑内障、筋萎縮、顔面膨満、人格変化、高血圧、肥満、うつ病、およびAIDS、創傷治癒状態、一次性もしくは二次性副腎皮質機能不全、およびアジソン病。
【0038】
本明細書で使用する用語「治療(処置)」とは、処理、処理するまたは処理することというは、すべての文法的形態を含み、疾患、障害または症状の予防、軽減、または改善、部分的または完全な緩和、または治癒をいう。
【0039】
本明細書で使用する用語「グルココルチコイド受容体」および「GR」とは、グルココイドに結合し、転写を刺激するかまたは抑制する転写因子の核ホルモン受容体ファミリーの一員またはGR−βをいう。本明細書で使用されるこれらの用語は、あらゆる起源からのグルココルチコイド受容体をいい、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
文献[Weinberger, et al. Science 228, p640−742, 1985,および Weinberger, et al. Nature, 318, p670−672, 1986]に開示のようなヒトグルココルチコイド受容体、文献[Miesfeld, R. Nature, 312, p779-781, 1985]に開示のようなラットグルココルチコイド受容体、文献[Danielson, M. et al. EMBO J., 5, 2513]に開示のようなマウスグルココルチコイド受容体、文献[Yang, K., et al. J. Mol. Endocrinol. 8, p173-180, 1992]に開示のようなヒツジグルココルチコイド受容体、文献[Brandon, D.D., et al, J. Mol. Endocrinol. 7, p89-96, 1991]に開示のようなマーモセットグルココルチコイド受容体、および文献[Hollenberg, SM. et al. Nature, 318, p635, 1985, Bamberger, C.M. et al. J. Clin Invest. 95, p2435, 1995]に開示のようなヒトGR−β。
【0040】
本明細書で使用する用語「AP−1依存性遺伝子発現関連疾患」とは、AP−1の調節制御下での遺伝子発現に関連する疾患をいう。かかる疾患には、これらに限定されないが、炎症性および免疫性疾患および障害;固形腫瘍、リンパ腫および白血病のような癌および腫瘍障害;および菌状息肉腫のような真菌感染が含まれる。
【0041】
本明細書で使用される用語「炎症または免疫に関連する疾患または障害」とは、炎症性または免疫性要因を有するあらゆる状態,疾患または障害を包含、これらに限定されないが、以下のような症状が含まれる。
移植拒絶反応(例えば、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓(例えば、膵島細胞)、骨髄、角膜、小腸、皮膚の同種移植片、皮膚の同種移植(例えばやけどの処置に用いる)、心臓弁異種移植、血清病、および移植片対宿主病);自己免疫疾患、例えば、関節リウマチ関節炎、乾癬性関節炎、多発性硬化症、I型およびII型糖尿病、若年性糖尿病、肥満症、喘息、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)、壊疸性膿皮症、ループス(全身性エリテマトーデス)、重症筋無力症、乾癬、皮膚炎、皮膚筋炎;湿疹、乾性脂漏症、肺炎症、眼ブドウ膜炎、肝炎、グレーブス病、橋本甲状腺炎、自己免疫甲状腺炎、ベーチェットまたはジョージェン(Sjorgen)症候群(目/口の乾燥)、悪性または免疫溶血性貧血、アテローム性動脈硬化症、アジソン病(副腎の自己免疫疾患)、突発性副腎不全、自己免疫多腺性疾患(自己免疫性多腺性症候群としても知られる)、糸球体腎炎、強皮症、モルフィア、扁平苔癬、白斑症(皮膚の色素脱失)、円形脱毛症、自己免疫脱毛症、自己免疫下垂体機能不全、ギランバレー症候群、および肺胞炎;T細胞性過敏症、例えば、接触過敏症、遅延型過敏、接触皮膚炎(ツタウルシ(poison ivy)による皮膚炎を含む)、じんま疹、皮膚アレルギー、呼吸器アレルギー(花粉症、アレルギー性鼻炎)およびグルテン過敏型腸疾患(腹腔疾患);炎症疾患、例えば、骨関節炎、急性膵炎、慢性膵炎、急性呼吸窮迫症候群、セザリー症候群、および再狭窄、狭窄症およびアテローム性動脈硬化症のような炎症および増殖性の成分を有する血管性疾患。炎症または免疫性疾患または障害にはまた、これらには限らないが、内分泌疾患、リウマチ疾患、コラーゲン疾患 、皮膚疾患、アレルギー性疾患、眼疾患、呼吸器疾患、血液病、胃腸疾患、炎症疾患、自己免疫疾患、先天性副腎肥厚化、非化膿性甲状腺炎、癌に関連する高カルシウム血症、若年性リウマチ関節炎、強直性脊椎炎、急性および亜急性滑液包炎、急性非特異性腱鞘炎、急性痛風性関節炎、外傷後骨関節炎、骨関節炎の滑膜炎、上顆炎、急性リウマチ心臓炎、天疱瘡、水疱ヘルペス状皮膚炎、重症紅斑多形、剥脱性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、季節性または通年性アレルギー性鼻炎、気管支喘息、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、薬物過敏反応、アレルギー性結膜炎、角膜炎、帯状疱疹眼疾患、虹彩炎および虹彩毛様体炎、脈絡網膜炎、視神経炎、症候のサルコイドーシス、劇症性または播種性肺結核の化学療法、 成人の突発性血小板減少性紫斑病、成人の二次性血小板減少症、後天性(自己免疫)溶血性貧血、成人の白血病およびリンパ腫、小人の急性白血病、局所性腸炎、自己免疫血管炎、多発性硬化症、慢性閉塞性肺疾患、固体臓器移植拒絶反応、敗血症が含まれる。
【0042】
また、本発明により、AP−1またはNFκBにより誘引される転写に関連する疾患の治療方法が提供される、該治療方法においては、本発明の式Iの化合物を、治療上の有効量の処理を治療が必要な患者に投与し、AP−1またはNFκBで誘引される転写のNHR転写抑制を惹起させ、それにより当該疾患を治療する。
【0043】
以下に記述するように、他の治療剤を本発明の方法においては本発明化合物とともに使用し得る。本発明の方法においては、かかる他の治療剤を本発明の化合物の投与の前、投与と同時にまたは投与の後に投与し得る。
【0044】
特定の態様においては、本発明の化合物は、それらの病因に関係なく、先に例示したような障害、例えば臓器移植拒絶反応、関節リウマチ関節炎、炎症性腸疾患、およびウイルス感染の治療に有用である。
【0045】
(製造方法)
本発明の化合物は有機化学分野における当業者が実施可能な多くの方法によって合成することができる。本発明に従って、本発明化合物を製造するための一般的な合成経路を以下に記述する。これらの経路は例示的なものであり、当業者者が本明細書に開示している化合物の製造に用い得る可能な技術に限定されることを意味するものではない。これらと異なった本発明化合物の製造方法が当業者にとっては、自明である。また、目的化合物を得る目的で、これら合成経路における種々の工程を別の順序で実施もし得る。この一般的経路に記述されている方法によって製造される本発明の化合物の例を以下の製造および実施例のセクションで示す。
【0046】
式Iの化合物
本発明の式Iの化合物は以下の経路および実施例に示すようにして製造される。この経路において、種々の基、A、B、Z、R、R、R、R、およびRは先に述べたものに対応している。
【化38】

【0047】
経路A
式中AとBがそれぞれ縮合フェニルまたはピリジルであり、Zが
【化39】

である構造IAの本発明の化合物の一般的な合成方法は、文献でよく知られている。化合物IAは、式1の化合物を無溶媒、またはキシレンもしくはベンゼンのような適当な溶媒中で50から200℃の温度範囲で式2の不飽和化合物と付加環化反応させることによって構築され、化合物3(新規中間体)を生成させる。付加環化反応がジエチルアルミニウムクロリドまたはBF・EtO等の触媒の使用により促進し得ることが良く知られている。付加環化反応は、密閉容器中で行う場合にあっては更に高圧下に行うこともできる。
【化40】

化合物3は、当業者によく知られている多くのアミド化の方法の一つにより、式4のアミンと反応させ(好ましくは、化合物3をアセトニトリルのような適当な溶媒中、ジエチルアミノエチルクロリド塩酸塩(DEC)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、トリエチルアミンおよびアミン4で処理する)、構造IAの本発明化合物を得る。出発化合物1はこの分野で公知であり、市販品として入手可能であるか、または当該技術分野で公知の方法を用いて製造し得る。
【0048】
経路B
RがH以外で、Zが
【化41】

(すなわちIA)である本発明の式Iの化合物は、RがHである化合物3から出発して、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテルのような適当な溶媒中、−100℃から100℃の温度範囲で、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のような適当な塩基で処理し、化合物5(R−LG、ここでLGはヨードメタンのような脱離基、RはH以外のR)で処理して、構造6の化合物が得られる。化合物6は経路Aに記載されているアミド化に付して、本発明化合物IA(ここでRはH以外)を形成し得る。
【化42】

【0049】
経路C
Zが
【化43】

で、RとRのそれぞれがH以外の本発明の式Iの化合物は、R1aがH以外のRで、RがHである式IAの化合物から出発して、これを水素化ナトリウムおよび化合物5a R2a−LG(ここでLGはヨードメタンのような脱離基であり、R2aはH以外のRである)のような塩基で処理して、RおよびRがH以外である本発明の構造IBの化合物が得られる。
【化44】

【0050】
経路D
ZがCHNRである本発明の式Iの化合物(すなわちIC)は、式IAの化合物から出発して、これを水素化アルミニウムリチウム(LAH)のような還元剤で処理して、本発明の式ICの化合物が得られる。
【化45】

【0051】
経路E
A、B、Z、R、R、R、RおよびRの一つまたはそれ以上がヒドロキシアリール基である本発明の式Iの化合物は、以下のようにして製造することができる。
一つまたはそれ以上のアリールオキシアルキル基をA、B、Z、R、R、R、R、およびRに有する本発明の式IAの化合物は、三臭化ホウ素、メチルスルフィドナトリウムまたは他の公知の脱アルキル化剤のような脱アルキル化剤で処理して、本発明の式IDのフェノール化合物が得られる。
【化46】

【0052】
経路F
またはRが、CHO、NH、COHまたはNOのような官能基である式IEの化合物は、さらに当業者にとってよく知られている様々な方法によって製造することができ、構造IFの化合物を得ることができる。この二、三の例を以下に例示する。新たに導入される基も、更に製造し得る。
【化47】

【0053】
以下の化合物は新規な中間体であり、以下で示される方法および/またはこの分野で公知の方法を用いて製造し得る:
【化48】

またはそのアルキルエステルで、
式中、RはCH、Cであり;Rはニトロ、シアノ、Cl、Br、CH、−COOCH、ホルミルであり、RはHであり;または
はニトロ、シアノ、Cl、Br、CH、−COOCH、ホルミルであり、RはHである;および
【化49】

式中、X9はSまたはNHであり、;Xは
【化50】

である。
【0054】
(用語の定義)
特に断らない限り、本明細書で単独または他の基の一部として使用される用語「低級アルキル」、「アルキル」または「アルカ(alk)」には、直鎖および分枝鎖の両方の炭化水素で、通常の鎖中に1から20の炭素、好ましくは1から10の炭素、更に好ましくは1から8個の炭素が含まれ、適宜通常の鎖中に、酸素または窒素を含んでいてもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、これらの種々の分枝鎖異性体など、並びに以下のような置換基を1ないし4個有するこれらの基;ハロ(例えば F、Br、ClまたはI)もしくはCF、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリール(アリール)もしくはジアリール、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、アミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アシル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、HO−N=、シクロヘテロアルキル、アルキルオキシカルボニル、アルコキシオキシミル(alkoxyoximyl)、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、アルキルアミド、アルカノイルアミノ、ヒドロキシアルキル(アルキル)アミノカルボニル、アリールカルボニルアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、ハロアルキル、トリハロアルキルおよび/またはアルキルチオおよび/またはアリールについての置換基のいずれかが挙げられる。
【0055】
特に断らない限り、本明細書で単独または他の基の一部として使用される用語「シクロアルキル」には、飽和または一部不飽和の(1または2の二重結合を有する)1から3の環を有する環状炭化水素基が含まれ、これには、単環式アルキル、二環式アルキルおよび三環式アルキルが含まれ、合計で3から20個、好ましくは3から10個の環形成の炭素原子を含み、環を形成しており、これらの環はアリールついて述べたような1または2の芳香環と縮合していてもよく、これらには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシルおよびシクロドデシル、シクロヘキセニル、
【化51】

が含まれ、これらの基のいずれも、適宜1から4個の以下のような置換基、すなわち:ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、シクロアルキル、アルキルアミド、アルカノイルアミノ、オキソ、アシル、アリールカルボニルアミノ、アミノ、ニトロ、シアノ、チオールおよび/またはアルキルチオおよび/またはアルキルの場合の置換基のいずれかで置換されて得る。
【0056】
本明細書で単独または他の基の一部として使用される用語「シクロアルケニル」とは、3から12個、好ましくは5から10個の炭素原子を有し、1または2個の二重結合を有する環状炭化水素をいう。シクロアルケニル基の例には、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロヘキサジエニル、およびシクロヘプタジエニルが含まれ、これらは適宜シクロアルキルについて定義されている置換基で置換され得る。
【0057】
本明細書で使用される用語「シクロアルキレン」とは、遊離の結合を含む「シクロアルキル」基をいい、したがって
【化52】

などのような結合の基であり、適宜「シクロアルキル」ついて上で定義したように置換され得る。
【0058】
本明細書で単独または他の基の一部として使用される用語「アルカノイル」とは、カルボニル基に結合したアルキル基をいう。
【0059】
特に断らない限り、本明細書で単独または他の基の一部として使用される用語「低級アルケニル」または「アルケニル」とは、2から20個の炭素原子、好ましくは2から12個の炭素原子、更に好ましくは1から8個の炭素原子を通常の鎖中に含む直鎖または分枝鎖の基をいい、これらは通常の鎖中に1から6個の二重結合を有しており、適宜通常の鎖中に酸素または窒素を有していてもよく、その例としては、ビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、4−ペンテニル、3−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、3−オクテニル、3−ノネニル、4−デセニル、3−ウンデセニル、4−ドデセニル、4,8,12−テトラデカトリエニル等であり、これらは適宜1から4の以下の置換基で置換されていてもよい:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、アミノ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、アルカノイルアミノ、アルキルアミド、アリールカルボニルアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、アルキルチオおよび/または本明細書でアルキルについて挙げたいずれかの置換基。
【0060】
特に断らない限り、本明細書で単独または他の基の一部として使用される用語「低級アルキニル」または「アルキニル」とは、2から20個の炭素原子、好ましくは2から12個の炭素原子、更に好ましくは2から8個の炭素原子を通常の鎖中に含む直鎖または分枝鎖の基をいい、これらは通常の鎖中に1個の三重結合を有しており、そして適宜通常の鎖中に酸素または窒素を有していてもよく、その例としては、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ブチニル、4−ペンチニル、3−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、2−ヘプチニル、3−ヘプチニル、4−ヘプチニル、3−オクチニル、3−ノニニル、4−デシニル、3−ウンデシニル、4−ドデシニル等であり、これらは適宜1から4個の以下の置換基で置換されていてもよい;ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、アミノ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヒドロキシ、アルカノイルアミノ、アルキルアミド、アリールカルボニルアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、および/または アルキルチオ、および/または本明細書でアルキルについて挙げたいずれかの置換基。
【0061】
単独または他の基の一部として使用される用語「アリールアルケニル」および「アリールアルキニル」とは、上記で述べたアルケニルおよびアルキニル基でアリール置換基を有するものをいう。
【0062】
上記で定義したアルキル基が、その二つの異なる炭素原子で他の基に結合するための一重結合を有する場合、これらは「アルキレン」基と名づけられ、「アルキル」について上記で定義されるように適宜置換され得る。
【0063】
上記で定義したアルケニル基およびアルキニル基がそれぞれ、それらの二つの異なる炭素原子で一重結合を有する場合、これらはそれぞれ「アルケニレン基」および「アルキニレン基」と名づけられ、「アルケニル」および「アルキニル」について上の定義されるように適宜置換され得る。
【0064】
(CHおよび(CHは、本明細書で定義したような、アルキレン、アレニル、アルケニレンまたはアルキニレン基を含み、これらのそれぞれは、適宜その通常の鎖中に酸素または窒素を含んでいてもよく、適宜1、2、または3の置換基を含んでいてもよく、これら置換基には、アルキル、アルケニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオアルキル、ケト、C−Cシクロアルキル、アルキルカルボニルアミノまたはアルキルカルボニルオキシが含まれ;該アルキル置換基は1から4個の炭素のアルキレン部位であり得、これが(CHまたは(CH基の1または2個の炭素原子に結合してこれらとシクロアルキル基を形成していてもよい。
【0065】
(CH、(CH、アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレンの例は、
【化53】

【化54】

を含む。
【0066】
本明細書で単独または他の基の一部として使用する用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、塩素,臭素、フッ素、およびヨウ素、並びにCFをいい、塩素またはフッ素が好ましい。
【0067】
用語「金属イオン」とは、ナトリウム、カリウムまたはリチウムのようなアルカリ金属イオン、並びにマグネシウムおよびカルシウムのようなアルカリ土類金属イオン、並びに亜鉛およびアルミニウムイオンをいう。
【0068】
特に断らない限り、本明細書で単独または他の基の一部として使用する用語「アリール」とは、(フェニルまたは1−ナフチルおよび2−ナフチルを含むナフチルのような)環部分に6から10個の炭素を含む単環式および二環式芳香基をいい、適宜更に炭素環またはヘテロ環(アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環、例えば
【化55】

【化56】

である)に縮合した1から3個の付加した環を有していてもよく、適宜結合可能な炭素原子を介して1、2、または3個の以下から選択される基で置換されていてもよい:水素、ハロ、ハロアルキル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキニル、シクロアルキル−アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールアルコキシ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルケニル、アミノカルボニルアリール、アリールチオ、アリールスルフィニル、アリールアゾ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、置換アミノ(ここでこのアミノは1または2個のアルキル、アリールまたはこの定義において述べた他のアリール化合物のいずれかである置換基を有する)、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アリールチオアルキル、アルコキシアリールチオ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニルアミノまたはアリールスルホンアミノカルボニル、カルボキシ、シクロアルキル、アリールアルコキシ、アリールオキシカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシアルキルアミノカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、ヘテロアリールアルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、N−ヒドロキシアルキル(N−アルキル)アミノカルボニル、シクロヘテロアルキルアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルアルキルアミノカルボニル、N−アリール(N−アルキル)アミノカルボニル、N−アリールアルキル(N−シアノアルキル)アミノカルボニル、ジアルキルアミノアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキル−、アリールアルキル−またはアリール−シクロヘテロアルキルアミノカルボニル、N−ジアルキルアミノアルキル(N−アルキルまたはN−アリールアルキル)アミノカルボニル、N−ヘテロアリールアルキル(N−アルキル)アミノカルボニル、N−アリールアルキル(N−アルキル)アミノカルボニル、N−ジアルキルアミノ(N−アリールアルキル)アミノカルボニル、N−ヒドロキシアルキル(N−アリールアルキル)アミノカルボニル、アミノアルキルオキシカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、N=N=N、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、ヘテロアリールアミノスルホニル、および/または本明細書でアルキルについて述べたいずれかの置換基。
【0069】
特に断らない限り、本明細書で単独または他の基の一部として使用する用語「低級アルコキシ」、「アルコキシ」、「アリールオキシ」または「アラルコキシ(aralkoxy)」とは、酸素原子に結合した上記アルキル、アラルキル(aralkyl)またはアリール基のいずれかを含む。
【0070】
特に断らない限り、本明細書で単独または他の基の一部として使用する用語「置換アミノ」とは、1または2個の置換基で置換されたアミノ基をいい、この置換基は、同一または異なって、以下のものをいう:アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはチオアルキル。これらの置換基は、更にカルボン酸および/または上記で述べたアルキルについてのいずれかの置換基で置換されていてもよい。また、アミノ置換基はそれが結合している窒素原子とともに、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−アゼピニル、4−モルホリニル、4−チアモルホリニル、1−ピペラジニル、4−アルキル−1−ピペラジニル、4−アリールアルキル−1−ピペラジニル、4−ジアリールアルキル−1−ピペラジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、または1−アゼピニルを形成していてもよく、これらには適宜アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、トリフルオロメチルまたはヒドロキシで置換されていてもよい。
【0071】
特に断らない限り、本明細書で単独または他の基の一部として使用する用語「低級アルキルチオ」、「アルキルチオ」、「アリールチオ」または「アラルキルチオ」には、硫黄原子に結合した上記のいずれかのアルキル、アラルキルまたはアリール基が含まれる。
【0072】
特に断らない限り、本明細書で単独または他の基の一部として使用する用語「低級アルキルアミノ」、「アルキルアミノ」、「アリールアミノ」、または「アリールアルキルアミノ」には、窒素原子に結合した上記アルキル、アリールまたはアリールアルキル基のいずれかが含まれる。
【0073】
特に断らない限り、本明細書で単独または他の基の一部として使用する用語「アシル」とは、カルボニル(C=O)基に結合した有機基をいい;アシル基の例には、カルボニルに結合したR基のいずれかが含まれ、例えば、アルカノイル、アルケノイル、アロイル、アラルカノイル、ヘテロアロイル、シクロアルカノイル、シクロヘテロアルカノイル等が含まれる。
【0074】
特に断らない限り、本明細書で単独または他の基の一部として使用する用語「シクロヘテロアルキル」とは、5−、6−または7員の飽和または一部不飽和環をいい、これらは炭素原子またはヘテロ原子を介して結合した1から2個の窒素原子、酸素原子および/または硫黄原子のようなヘテロ原子を有しており、これらは、可能な場合は、適宜リンカー(CH(ここでpは 0、1、2または3)を介していてもよく;これらには以下のものなどがある。
【化57】

上記の基は、アルキル、ハロ、オキソおよび/または本明細書でアルキルまたはアリールについて述べたいずれかの置換基のような1から4個の置換基を有し得る。また、いずれのシクロヘテロアルキル環も、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール またはシクロヘテロアルキル環に縮合し得る。
【0075】
特に断らない限り、本明細書で単独または他の基の一部として使用する用語「ヘテロアリール」とは、5−、6−または7員の芳香環を意味し、これらには1、2、3または4個の窒素、酸素、または硫黄が含まれ、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環と縮合したかかる環(例えば、ベンゾチオフェニル、インドリル)も含み、可能ならN−オキシドを含んでいることもあり、これらの基は炭素原子またはヘテロ原子を介して結合し、適宜リンカー(CH(ここでqは 0、1、2または3である)を介して結合する。ヘテロアリール基は適宜、アルキルまたはアリールについて上記で述べた基のいずれかのような1から4個の置換基を含み得る。ヘテロアリール基の例には以下のものなどが含まれる。
【化58】

【0076】
環Aおよび環Bの例には、これらに限定されないが、上記に定義した6員ヘテロアリール基、上記に定義した6員シクロヘテロアルキル基、および上記に定義した6員アリール基が含まれる。
【0077】
本明細書で単独または他の基の一部として使用する用語「シクロヘテロアルキルアルキル」とは、上記に定義したシクロヘテロアルキル基をいい、炭素原子またはヘテロ原子を介して(CH鎖に結合する。
【0078】
本明細書で単独または他の基の一部として使用する用語「ヘテロアリールアルキル」または「ヘテロアリールアルケニル」とは、上記に定義したようなヘテロアリール基をいい、炭素原子またはヘテロ原子を介して 上記に定義される−(CH−鎖、アルキレンまたはアルケニレンに結合する。
【0079】
本明細書で使用する用語「ポリハロアルキル」とは、2から9個、好ましくは2から5個のFまたはCl、好ましくはFのハロ置換基を含んだ上記に定義した「アルキル」基をいい、例えばCFCH、CFまたはCFCFCHが挙げられる。
【0080】
本明細書で使用する用語「ポリハロアルキルオキシ」とは、2から9個、好ましくは2から5個のFまたはCl、好ましくはFのハロ置換基を含んだ上記に定義した「アルコキシ」または「アルキルオキシ」基をいい、例えばCFCHO、CFOまたはCFCFCHOが挙げられる。
【0081】
本明細書で使用する用語「プロドラッグエステル」には、当該技術分野においてカルボン酸およびリン酸エステルとして知られているプロドラッグエステルが含まれ、このエステルはメチル、エチル、ベンジル等である。他のプロドラッグエステルの例には以下の基が含まれる。
【化59】

のような(1−アルカノイルオキシ)アルキルで、
式中、R、RおよびRはH、アルキル、アリールまたはアリールアルキルであるが;但し、ROはHOではあり得ない。
【0082】
かかるプロドラッグエステルの例には以下が含まれる。
【化60】

【0083】
他の適当なプロドラッグエステルには以下が含まれる。
【化61】

【化62】

式中、RはH、アルキル(例えば、メチルまたはt−ブチル)、アリールアルキル(例えば、ベンジル)またはアリール(例えば、フェニル)であってよく;RはH、アルキル、ハロゲンまたはアルコキシであり、Rはアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルコキシであり、nは0、1または2である。
【0084】
用語、医薬的に許容される塩とは、無機および有機塩基と形成される塩基塩をいう。かかる塩には、アンモニウム塩;リチウム、ナトリウムおよびカリウム塩(これが好ましい)のようなアルカリ金属塩;カルシウムおよびマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;有機塩基との塩、例えばアミンとの塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン塩、ベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、およびヒドラバミン塩);およびアミノ酸、例えば、アルギニン、リジン等と塩;および両性イオンいわゆる「分子内塩」が含まれる。非毒性の医薬的に許容される塩が好ましいが,その他の塩も例えば製品を分離したりまたは精製したりする際には有用である。
【0085】
用語、医薬的に許容される「塩」にはまた、酸付加塩も含まれる。これらは、例えば、硫酸、リン酸またはHClもしくはHBrのようなハロ水素酸などの鉱酸のような強無機酸との塩;
無置換または例えばハロゲンで置換された1から4個の炭素のアルカンカルボン酸のような強有機カルボン酸で、例えば、酢酸、およびシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸またはテレフタル酸などの飽和または不飽和ジカルボン酸、および
例えば、アスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸のようなヒドロキシカルボン、および
アミノ酸(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸またはリジンまたはアルギニン)、または安息香酸との塩;または
無置換または例えばハロゲンで置換された例えば(C−C)のアルキルまたはアリールスルホン酸のような有機スルホン酸で、例えばメタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸との塩を形成する。
【0086】
本発明の化合物はそのすべての立体異性体を含むものであり、これらは混合体でも、純粋な型または実質的に純粋な型でもよい。本発明の化合物は、いずれの炭素原子またはR置換基においても不斉中心を有し得る。したがって、式Iの化合物はエナンチオマーまたはジアステレオマーの形で存在し得、これらの混合物の形で存在し得る。製造方法では、出発物質としてラセミ混合物、エナンチオマーまたはジアステレオマーを使用し得る。ジアステレオマーまたはエナンチオマー製品が製造される場合、これらを例えばクロマトグラフィーまたは分別結晶のような通常の方法によって分離することができる。
【0087】
(組合せ医薬)
所望により、式Iの化合物は、免疫抑制剤、抗癌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗真菌剤、抗生物質、抗血管過剰増殖剤、抗うつ剤、抗高脂血症剤または脂質降下剤または脂質調節剤、抗糖尿病剤、抗肥満症剤、降圧剤、血小板凝集阻害剤、および/または抗骨粗鬆剤のような他のタイプの医薬品の一つまたはそれ以上と併用して使用することができ、これらは、同一投与形態で経口投与してもよいし、別々の経口投与形態であってもよいし、または注射のよって投与してもよい。
【0088】
本発明の式Iの化合物と適宜併用し得る免疫抑制剤には、例えばサイクロスポリンAのようなサイクロスポリン、ミコフェノール酸、インターフェロン−ベータ、デオキシスペルゴリン(deoxyspergolin)、FK−506または抗IL−2が含まれる。
【0089】
本発明の式Iの化合物と適宜併用し得る抗癌剤には、例えばアザチオプリン、5−フルオロウラシル、シクロホスファミド、シスプラチン、メトトレキセート、チオテパ、カルボプラチンなどが含まれる。
【0090】
本発明の式Iの化合物と適宜併用し得る抗ウイルス剤には、例えばアバカビル、アシクロビル、ガンシクロビル、ジダノシン、ビダラビンなどが含まれる。
【0091】
本発明の式Iの化合物と適宜併用し得る抗炎症剤には、例えば
イブプロフェンのような非ステロイド抗炎症剤(NSAID)、
セレコキシブ、ロフェコキシブ、アスピリン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ジクロフェナク ナトリウム、インドメタシン、 ピロキシカムのようなcox−2阻害剤、
プレドニゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、二酢酸トリアムシノロンのようなステロイド、
金チオマレイン酸ナトリウムのような金化合物、
テニダプ(tenidap)のようなTNF−α阻害剤、
抗TNF抗体または可溶性TNF受容体、
およびラパマイシン(シロリムスまたはラパミューン(Rapamune))またはその誘導体、
インフリキシマブ(レミケード(Remicade,登録商標) Centocor,Inc.製)、
CTLA−4Ig、LEA29Y、
抗ICAM−3、抗IL−2 受容体(抗Tac)、抗CD45RB、抗CD2、抗CD3(OKT−3)、抗CD4、抗CD80、抗CD86、モノクローナル抗体OKT3のような抗体、
CD40および/またはCD154に特異的抗体のような、CD40およびCD154(「gp39」としても知られている)の間の相互作用の遮断薬、
エタネルセプトのような融合タンパク質、
CD40および/またはCD154gp39(例えば、CD40IgおよびCD8gp39)から構築された融合タンパク質、
核転移阻害剤のような阻害剤、デオキシスペルグアリン(deoxyspergualin)(DSG)のようなNF−κ B機能の阻害剤が含まれる。
【0092】
本発明の式Iの化合物と適宜併用し得る抗真菌剤には、例えばフルコナゾール、ミコナゾール、アンホテリシンBなどが含まれる。
【0093】
本発明の式Iの化合物と適宜併用し得る抗生物質には、例えばペニシリン、テトラサイクリン、アモキシシリン、アンピシリン、エリスロマイシン、デオキシサイクリン、バンコマイシン、ミノサイクリン、クリンダマイシン、またはセファレキシンなどが含まれる。
【0094】
本発明の式Iの化合物と適宜併用し得る抗血管過剰増殖剤には、例えばメトトレキセート、レフルノミド、FK506(タクロリムス,プログラフ)が含まれる。
【0095】
本発明の式Iの化合物と適宜併用し得る抗高脂血症剤または脂質降下剤または脂質調節剤には、MTP阻害剤、HMG CoAリダクターゼ阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブリン酸誘導体、ACAT 阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、回腸Na/胆汁酸共輸送体阻害剤、LDL受容体活性の上方制御剤、胆汁酸金属イオン封鎖剤、および/またはニコチン酸およびその誘導体の1、2、3またはそれ以上が含まれ得る。
【0096】
本明細書で使用されるMTP阻害剤には、米国特許第5,595,872号、米国特許第5,739,135号、米国特許第5,712,279号、米国特許第5,760,246号、米国特許第5,827,875号、米国特許第5,885,983号および米国特許出願第09/175,180号(1998年10月20日出願, 現在米国特許第5,962,440号に開示されているMTP阻害剤が含まれる。上記各特許および特許出願に好ましいものとして開示されているMTP阻害剤の何れもが好ましいものである。
【0097】
上記のすべての米国特許および特許出願は本願に引用される。
【0098】
本発明にしたがって使用される最も好ましいMTP阻害剤には、米国特許第5,739,135号および第5,712,279号、および米国特許第5,760,246号に挙げられた好ましいMTP阻害剤が含まれる。
【0099】
最も好ましいMTP阻害剤は、9−[4−[4−[[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゾイル]アミノ]−1−ピペリジニル]ブチル]−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−9H−フルオレン−9−カルボキサミド:
【化63】

である。
【0100】
抗高脂血症剤は、HMG CoAリダクターゼ阻害剤でもよく、これらには、これらに限定されないが、米国特許第3,983,140号に開示のメバスタチンおよびその関連化合物、米国特許第4,231,938号に開示のロバスタチン(メビノリン)およびその関連化合物、米国特許第4,346,227号に開示のプラバスタチンおよびその関連化合物、米国特許第4,448,784号および第4,450,171号に開示のシンバスタチンおよびその関連化合物が含まれる。本明細書で使用されるその他のHMG CoAリダクターゼ阻害剤には、これらに限定されないが、米国特許第5,354,772号に開示のフルバスタチン、米国特許第5,006,530号および第5,177,080号に開示のセリバスタチン、米国特許第4,681,893号、第5,273,995号、第5,385,929号および第5,686,104号に開示のアトルバスタチン、米国特許第5,011,930号に開示のイタバスタチン(ニッサン/三共ニスバスタチン(NK−104))、米国特許第5,260,440号に開示の塩野義−アストラ/ゼネカのビサスタチン(ZD−4522)、および米国特許第5,753,675号に開示の関連スタチン化合物、米国特許第4,613,610号に開示のメバロノラクトン誘導体のピラゾール類似体、PCT出願WO 86/03488に開示のメバロノラクトン誘導体のインデン類似体、米国特許第4,647,576号に開示の6−[2−(置換−ピロール−1−イル)−アルキル)ピラン−2−オンおよびその誘導体、サールのSC−45355(3−置換ペンタジエン酸誘導体)ジクロロ酢酸、PCT出願WO 86/07054に開示のメバロノラクトンのイミダゾール類似体、フランス特許第2,596,393号に開示の3−カルボキシ−2−ヒドロキシ−プロパン−ホスホン酸誘導体、欧州特許出願第0221025に開示の2,3−ジ置換ピロール、フランおよびチオフェン誘導体、米国特許第4,686,237号に開示メバロノラクトンのナフチル類似体、米国特許第4,499,289号に開示のオクタヒドロナフタレン、欧州特許出願第0,142,146 A2号に開示のメビノリン(ロバスタチン)のケト類似体、および米国特許第5,506,219号および第5,691,322号に開示のキノリンおよびピリジン誘導体が含まれる。
【0101】
また、本明細書で使用されるのに適したHMG CoAリダクターゼを阻害するのに有用なホスフィン酸化合物は、GB 2205837に開示されている。
【0102】
本明細書で使用されるのに適したスクアレン合成酵素阻害剤は、これらに限定されないが、米国特許第5,712,396号に開示のα−ホスホノスルホネートが含まれ、これらはイソプレノイド(ホスフィニル−メチル)ホスホネートを含む文献[Biller et al, J. Med. Chem., 1988, Vol. 31, No. 10, pp 1869−1871]によって開示され、並びに、例えば米国特許第4,871,721号および第4,924,024号および文献[Biller, S.A., Neuenschwander, K., Ponpipom, M.M., およびPoulter, C.D., Current Pharmaceutical Design, 2, 1-40 (1996)]に開示の他の公知のスクアレン合成阻害剤が含まれる。
【0103】
また、本明細書で使用されるのに適した他のスクアレン合成阻害剤には、文献[P. Ortiz de Montellano et al, J. Med. Chem., 1977, 20, 243-249]に開示のテルペノイドピロホスフェート、文献[Corey and Volante, J. Am. Chem. Soc., 1976, 98, 1291−1293]に開示のファルネシル二リン酸類似体Aおよびプレスクアレンピロリン酸(PSQ−PP)類似体、文献[McClard, R.W. et al, J.A.C.S., 1987, 109, 5544]によって報告されているホスフィニルホスホネート、および文献[Capson, T.L., PhD dissertation, June, 1987, Dept. Med. Chem. U of Utah, Abstract, Table of Contents, pp 16, 17, 40−43, 48−51, Summary]に報告されているシクロプロパン化合物が含まれる。
【0104】
本明細書で使用されるのに適した他の抗高脂血症剤には、これらに限定されないが、米国特許第号3,674,836に開示のフェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラートなどのフィブリン酸誘導体、プロブコールおよび関連化合物が含まれ、これらのなかではプロブコールおよびゲムフィブロジルが好ましく、コレスチラミン、コレスチポールおよびDEAE−セファデックス(Secholex(登録商標)、ポリセキシド(Policexide,登録商標)のような胆汁酸金属イオン封鎖剤、およびコレスタゲル(三共/ゲルテックス)、並びにリポスタビル(ローヌ・プーラン社)、エイザイE−5050(N−置換エタノールアミン誘導体)、イマニキシル(HOE−402)、テトラヒドロリプスタチン(THL)、イスチグマスタニルホスホリルコリン(SPC, ロッシュ)、アミノシクロデキストリン(田辺製薬)、味の素AJ−814(アズレン誘導体)、メリナミド(住友)、サンド58−035、アメリカンシアナミドCL−277,082およびCL−283,546(ジ置換尿素誘導体)、ニコチン酸(ナイアシン)、アシピモックス、アシフラン(acifran)、ネオマイシン、p−アミノサリチル酸、アスピリン、米国特許第号4,759,923に開示のポリ(ジアリルメチルアミン)誘導体、米国特許第号4,027,009に開示の四級アミン ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)およびイオネン、並びに他の公知の血清コレステロール降下剤が含まれる。
【0105】
抗高脂血症剤は、例えば以下の開示に見られるACAT阻害剤でもよい:
Drugs of the Future 24, 9-15 (1999), (アバシミベ);
「The ACAT inhibitor, Cl-1011 is effective in the prevention and regression of aortic fatty streak area in hamsters」, Nicolosi et al, Atherosclerosis (Shannon, Irel). (1998), 137(1), 77-85;
「The pharmacological profile of FCE 27677: a novel ACAT inhibitor with potent hypolipidemic activity mediated by selective suppression of the hepatic secretion of ApoB100-containing lipoprotein」, Ghiselli, Giancarlo, Cardiovasc. Drug Rev. (1998), 16(1), 16-30;
「RP 73163: a bioavailable alkylsulfinyl-diphenylimidazole ACAT inhibitor」, Smith, C., et al, Bioorg. Med. Chem. Lett. (1996), 6(1), 47-50;
「ACAT inhibitors: physiologic mechanisms for hypolipidemic and anti-atherosclerotic activities in experimental animals」, Krause et al, Editor(s): Ruffolo, Robert R., Jr.; Hollinger, Mannfred A., Inflammation: Mediators Pathways (1995), 173-98, Publisher: CRC, Boca Raton, Fla.;
「ACAT inhibitors: potential anti-atherosclerotic agents」, Sliskovic et al, Curr. Med. Chem. (1994), 1(3), 204-25;
「Inhibitors of acyl-CoA:cholesterol O-acyl transferase (ACAT) as hypocholesterolemic agents. 6. The first water-soluble ACAT inhibitor with lipid-regulating activity. Inhibitors of acyl-CoA:cholesterol acyltransferase (ACAT). 7. Development of a series of substituted N-phenyl-N'-[(1-phenylcyclopentyl)methyl]ureas with enhanced hypocholesterolemic activity」, Stout et al, Chemtracts: Org. Chem. (1995), 8(6), 359-62, or TS-962 (大正製薬(株))。
【0106】
抗高脂血症剤は、MD−700(大正製薬(株))およびLY295427(イーライリリー)のようなupregulator of LD2受容体活性上方制御剤であってもよい。
【0107】
抗高脂血症剤は、コレステロール吸収阻害剤であってもよく、好ましくはシェリングプラウのエゼチミベ(SCH58235)およびSCH48461ならびに文献[Atherosclerosis 115, 45-63 (1995) およびJ. Med. Chem. 41, 973 (1998)]に開示のものである。
【0108】
抗高脂血症剤は、文献[Drugs of the Future, 24, 425-430 (1999)]に開示の回腸Na+/胆汁酸共輸送体阻害剤でもよい。
【0109】
脂質調節剤は、ファイザーのCP529,414(WO/0038722 およびEP 818448)およびファルマシアのSC−744およびSC−795のようなコレステリルエステル転移タンパク(CETP)阻害剤でもよい。
【0110】
本発明の組合せに用い得るATPクエン酸リアーゼ阻害剤は、例えば米国特許第5,447,954号に開示されているもの等が含まれる。
【0111】
好ましい抗高脂血症剤は、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、イタバスタチンおよびビサスタチンおよびZD−4522である。
【0112】
上記の米国特許は、本明細書に引用される。用いるべき用量および投与量は書籍[フィジシャンズ デスク レファレンス(Physician’s Desk Reference)]および/または上記した特許に示されている。
【0113】
本発明の式Iの化合物は、抗高脂血症剤に対する重量比で約500:1から約1:500、好ましくは約100:1から約1:100で用いられる。
【0114】
投与量は、患者の年齢、体重および症状に応じて、並びに投与経路、投与形態および投与計画や期待する結果に応じて慎重に調整しなければならない。
【0115】
抗高脂血症剤の投与量と投与形態は、上で検討した様々な特許や特許出願に開示されている。
【0116】
他の使用される抗高脂血症剤の投与量や投与形態は、最新版の[フィジシャンズ デスク レファレンス]に記述される。
【0117】
経口投与に関しては、約0.01 mgから約500 mg、好ましくは約0.1 mgから約100 mgの量のMTP阻害剤を用い一日1回から4回投与することによって好ましい結果が得られうる。
【0118】
錠剤やカプセルのような好ましい形態の経口剤は、MTP阻害剤を約1 mgから約500 mg、好ましくは約2から約400 mg、更に好ましくは約5から約250 mg含有し、一日1回から4回投与される。
【0119】
経口投与に関しては、例えば、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチンまたはセリバスタチンのようなHMG CoAリダクターゼ阻害剤を、書籍[フィジシャンズ デスク レファレンス]に示されているいる投与量、例えば約1から2000 mg, 好ましくは約4から約200 mgで用いることによって満足すべき結果を得ることができる。
【0120】
スクアレン合成阻害剤は、約10 mgから約2000 mg、好ましくは約25 mgから約200 mgの投与量で用いられ得る。
【0121】
錠剤またはカプセルのような好ましい経口製剤は、約0.1から約100 mg、好ましくは約0.5から約80 mg、更に好ましくは約1から約40 mgのHMG CoAリダクターゼ阻害剤を含む。
【0122】
錠剤またはカプセルのような好ましい経口製剤は、約10から約500 mg、好ましくは約25から約200 mgのスクアレン合成阻害剤を含む。
【0123】
抗高脂血症剤はまた、リポキシゲナーゼ阻害剤であってもよく、これには、以下に例示されるような15−リポキシゲナーゼ(15−LO)阻害剤が含まれる:
WO 97/12615に開示のベンゾイミダゾール誘導体、WO 97/12613に開示の15−LO阻害剤、WO 96/38144に開示のイソチアゾロン、および文献[Sendobry et al「Attenuation of diet−induced atherosclerosis in rabbits with a highly selective 15−lipoxygenase inhibitor lacking significant antioxidant properties」, Brit. J. Pharmacology (1997) 120, 1199−1206, およびCornicelli et al「15−Lipoxygenase and its Inhibition: A Novel Therapeutic Target for Vascular Disease」, Current Pharmaceutical Design, 1999, 5, 11-20]によって開示されている15−LO阻害剤。
【0124】
式Iの化合物および抗高脂血症剤は、同一経口投与形態で用いてもよく別の経口投与形態にして同時に投与して用いてもよい。
【0125】
上記に示した組成物は、上記の投与形態で一日1回から4回一挙にまたは分割して投与することができる。患者には低投与量の組合せから始めて徐々に高投与量の組合せにしていくことが推奨される。
【0126】
好ましい抗高脂血症剤は、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチンまたはセリバスタチン、並びにナイアシンおよび/またはコレスタゲルである。
【0127】
適宜式Iの化合物と併用できる他の抗糖尿病剤は、1、2、3またはそれ以上のインスリン分泌促進物質もしくはインスリン増感剤を含む抗糖尿病剤もしくは抗高血糖症剤、または好ましくは本発明の式Iの化合物とは異なった作用機序を有する他の抗糖尿病剤であり得、ビグアナイド、スルホニル尿素、グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジンジオンのようなPPARγアゴニスト、aP2阻害剤、ジペプチジルペプチダーゼIV(DP4)阻害剤、SGLT2阻害剤、および/またはメグリチナイド、並びにインスリン、および/またはグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)が含まれる。
【0128】
他の抗糖尿病剤は経口抗高血糖症剤でもよく、好ましくはメトホルミンまたはフェンホルミンのようなビグアナイド、またはこれらの塩、好ましくはメトホルミンHClであり得る。
【0129】
抗糖尿病剤がビグアナイドであるとき、構造Iの化合物はビグアナイドに対する重量比で約0.001:1から約10:1、好ましくは約0.01:1から約5:1で使用される。
【0130】
他の抗糖尿病剤は、スルホニル尿素でもよく、これらには以下がある;グリブリド(グリベンクラミドとしても知られる)、グリメピリド(米国特許第号4,379,785に開示)、グリピジド、グリクラジドまたはクロロプロパミド、他の公知のスルホニル尿素類またはβ細胞のATP−依存性チャネルに作用する他の抗高血糖症剤であり、中でもグリブリドおよびグリピジドが好ましく、これらは、同一のまたは別の経口投与製剤として投与される。
【0131】
構造Iの化合物は、スルホニル尿素に対する重量比で約0.01:1から約100:1、好ましくは約0.02:1から約5:1で用いられる。
【0132】
経口抗糖尿病剤はまた、アカルボース(米国特許第4,904,769号に開示)またはミグリトール(米国特許第4,639,436号に開示)のようなグルコシダーゼ阻害剤でもよく、これらは同一または別の経口投与製剤として投与される。
【0133】
構造Iの化合物は、グルコシダーゼ阻害剤に対する重量比で約0.01:1から約100:1、好ましくは約0.05:1から約10:1で用いられる。
【0134】
式Iの構造の化合物は、チアゾリジンジオン経口抗糖尿病剤のようなPPARγアンタゴニストまたは他のインシュリン増感剤(NIDDM患者においてインシュリン増感作用を有する)と併用することができ、これらは以下のものがある;トログリタゾン(ワーナーランバート製 Rezulin(登録商標)、米国特許第4,572,912号に開示)、ロシグリタゾン(SKB)、ピオグリタゾン(武田)、三菱のMCC−555(米国特許第5,594,016号に開示)、グラクソーウエルカムのGL−262570、エングリタゾン(CP−68722, ファイザー)またはダルグリタゾン(CP−86325, ファイザー, イサグリタゾン(MIT/J&J)、JTT−501(JPNT/P&U)、L−895645(メルク)、R−119702(三共/WL)、NN−2344(Dr.Reddy/NN)、またはYM−440(山之内)で、好ましくはロシグリタゾンおよびピオグリタゾンである。
【0135】
構造Iの化合物は、チアゾリジンジオンに対する重量比で、約0.01:1から約100:1、好ましく約0.05から約 10:1で使用される。
【0136】
スルホニル尿素およびチアゾリジンジオンは、それぞれ約150 mg未満の経口抗糖尿病剤の量で、式Iの化合物とともに単一の錠剤に配合され得る。
【0137】
構造Iの化合物はまた、インシュリンのような抗高血糖症剤、またはGLP−1(1−36)アミド、GLP−1(7−36)アミド、GLP−1(7−37)(米国特許第5,614,492号Habenerに開示, この開示内容は本明細書に引用される)のようなグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、並びにAC2993(アミリン)およびLY−315902(リリィ)も用い得、これらは注射、鼻腔内、吸入または経皮またはバッカルで投与することができる。
【0138】
ここでは、メトホルミン、またはグリブリド、グリメピリド、グリピリド(glipyride)、グリピジド、クロロプロパミドおよびグリクラジドのようなスルホニル尿素、およびグルコシダーゼ阻害剤であるアカルボースまたはミグリトールまたはインシュリン(注射、経肺、バッカル、または経口)を、上記したような製剤に使用することができ、その含量および投与量は書籍[フィジシャンズ デスク レファレンス](PDR)に示されている通りである。
【0139】
ここでは、メトホルミンまたはその塩は、一日当たり約500から約2000 mgを一度にまたは分割して、一日1回から4回で投与することができる。
【0140】
ここでは、チアゾリジンジオン抗糖尿病剤は、一日当たり約0.01から約2000 mgを一度にまたは分割して、一日1回から4回で投与することができる。
【0141】
ここでは、インシュリンは、書籍[フィジシャンズ デスク レファレンス]に示されているような剤型、量および投与量で使用することができる。
【0142】
ここでは、GLP−lペプチドは、米国特許第5,346,701号(TheraTech)、第5,614,492号および第5,631,224号(これらは本明細書に引用される)に記述されているように、経口バッカル剤、経鼻または非経口で投与することができる。
【0143】
他の抗糖尿病剤としては、AR−HO39242(アストラ/ゼネカ)、GW−409544(グラクソ−ウエルカム)、KRP297(杏林メルク)のようなPPARα/γ両アゴニスト、更には文献[Murakami et al, 「A Novel Insulin Sensitizer Acts As a Coligand for Peroxisome Proliferation-Activated Receptor Alpha (PPAR alpha)およびPPAR gamma. Effect on PPAR alpha Activation on Abnormal Lipid Metabolism in Liver of Zucker Fatty Rats」, Diabetes 47, 1841-1847 (1998)]に開示されているものでもよい。
【0144】
抗糖尿病剤としては、米国特許出願第09/679,027号(2000年10月4日出願)(代理人番号LA49 NP)に開示されているSGLT2阻害剤でもよく、そこで開示されているような投与量で使用することができる。上記出願で好ましいものとして挙げられているものが、好ましい。
【0145】
抗糖尿病剤としては、米国特許出願第09/391,053号(1999年9月7日出願)、および米国特許出願第09/519,079号(2000年3月6日出願)(代理人番号LA27 NP)に開示されているaP2阻害剤でもよく、そこに示されているような投与量で使用できる。上記出願に好ましいものとして挙げられているものが好ましい。
【0146】
抗糖尿病剤としては、米国特許出願第09/788,173号(2001年2月16日出願)(代理人番号LA50)、WO99/38501、WO99/46272、WO99/67279(PROBIODRUG)、WO99/67278(PROBIODRUG)、WO99/61431(PROBIODRUG)に開示されているDP4阻害剤、文献[Hughes et al, Biochemistry, 38(36), 11597−11603, 1999]に開示されているNVP−DPP728A(1−[[[2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチル]アミノ]アセチル]−2−シアノ−(S)−ピロリジン)(ノバルティス)(好ましいもの)、TSL−225(トリプトフィル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸(Yamada et al, Bioorg. & Med. Chem. Lett. 8 (1998) 1537-1540に開示されている)、文献[Ashworth et al, Bioorg. & Med. Chem. Lett., Vol. 6, No. 22, pp 1163-1166および2745-2748 (1996)]により開示されている2−シアノピロリジドおよび4−シアノピロリジドであってもよく、これら文献に示されている投与量で使用される。
【0147】
適宜本発明の式Iの化合物と併用して用いられるメグリチナイドはレパグリニド、ナテグリニド(ノバルティス)またはKAD1229(PF/キッセイ)であってもよく、レパグリニドが好ましい。
【0148】
式Iの化合物は、メグリチナイド、PPARγアゴニスト、PPARα/γ両アゴニスト、aP2阻害剤、DP4阻害剤またはSGLT2阻害剤に対する重量比で、約0.01:1から約100:1、好ましくは約0.05から約10:1の量で用いられる。
【0149】
式Iの化合物と適宜併用される他の医薬品としては、1、2、3またはそれ以上のベータ3アドレナリンアゴニスト、リパーゼ阻害剤、セロトニン(およびドパミン)再取り込み阻害剤、aP2阻害剤、チロイド受容体アゴニストおよび/または食欲抑制剤のような抗肥満剤であってもよい。
【0150】
式Iの化合物と適宜併用されるベータ3アドレナリンアゴニストとしては、AJ9677(武田/大日本)、L750355(メルク)、またはCP331648(ファイザー)、または米国特許第5,541,204号、第5,770,615号、第5,491,134号、第5,776,983号および第5,488,064号に開示されている他の公知のベータ3アゴニストでもよく、AJ9677、L750,355およびCP331648が好ましい。
【0151】
式Iの化合物と場合によって併用されるリパーゼ阻害剤は、オーリスタットまたはATL−962(アリザイム)であってもよく、オーリスタットが好ましい。
【0152】
式Iの化合物と場合によって併用されるセロトニン(およびドパミン)再吸収阻害剤としては、シブトラミン、トピラメート(ジョンソン&ジョンソン)またはアキソキン(リジェネロン)であってもよく、シブトラミンおよびトピラメートが好ましい。
【0153】
式Iの化合物と場合によって併用される甲状腺受容体アゴニストとしては、WO97/21993(U. Cal SF)、WO99/00353(カロビオ)、GB98/284425(カロビオ)、および米国仮出願第60/183,223号(2000年2月17日出願)に開示の甲状腺受容体リガンドであってもよく、 上記米国仮出願に開示されているものが好ましい。
【0154】
式Iの化合物と適宜併用される食欲抑制剤としては、デキサアンフェタミン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミンまたはマジンドール等でもよく、デキサアンフェタミンが好ましい。
【0155】
上記に記述した種々の抗肥満剤は、式Iの化合物と同一の投与形態または異なった投与形態で使用することができ、これらの投与量および投与計画は、当該分野分野で一般に知られているものまたはPDRで知られているものであってよい。
【0156】
本発明の式Iの化合物と適宜併用される降圧剤は、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、NEP/ACE阻害剤、並びにカルシウムチャネルブロッカー、β−アドレナリンブロッカーおよび利尿剤を含むその他の降圧剤であってもよい。
【0157】
本明細書で使用されるアンジオテンシン変換酵素阻害剤としては、置換されたプロリン誘導体のようにメルカプト(−S−)部位を含有するものが挙げられ、これらは上記の米国特許第4,046,889号Ondetti et alに開示されているもの等を含み、中でもカプトプリルすなわち、1−[(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロピオニル]−L−プロリンが好ましく、更には, 米国特許第4,316,906号に開示されている置換プロリンのようなメルカプトアシル誘導体も挙げられ、中でもゾフェノプリルが好ましい。
【0158】
本明細書で使用できる他のメルカプト含有ACE阻害剤としては、Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. 10:131 (1983)に開示のレンチアプリル(rentiapril)(フェンチアプリル、参天)を含み;更にはピボプリル(pivopril)およびYS980でもよい。
【0159】
本明細書で用いられる他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤としては、上記米国特許第4,374,829号に開示のものであって、N−(1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−L−アラニル−L−プロリン、すなわちエナラプリルが好ましく、米国特許第4,452,790号に開示のホスホン酸置換アミノ酸またはイミノ酸または塩であり、(S)−1−[6−アミノ−2−[[ヒドロキシ−(4−フェニルブチル)ホスフィニル]オキシ]−1−オキソヘキシル]−L−プロリンまたは(セロナプリル)が好ましく、上記米国特許第4,168,267号に開示のホスホニルアルカノイルプロリンであって、フォシノプリルが好ましく、米国特許第4,337,201号に開示のホスフィニルアルカノイル置換プロリン、および上記した米国特許第4,432,971号に開示のホスホンアミデートが含まれる。
【0160】
本明細書で使用されるACE阻害剤の他の例としては、欧州特許出願第80822号および第60668号に開示のビーチャムのBRL 36,378;C.A. 102:72588v およびJap. J. Pharmacol. 40:373 (1986)に開示の中外のMC−838;英国特許第2103614号に開示のチバガイギーのCGS 14824(3−([1−エトキシカルボニル−3−フェニル−(1S)−プロピル]アミノ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−1−(3S)−ベンゾアゼピン−1酢酸 HCl)および米国特許第4,473,575号に開示のCGS 16,617(3(S)−[[(1S)−5−アミノ−1−カルボキシペンチル]アミノ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−1H−1−ベンゾアゼピン−1−エタン酸);Eur. Therap. Res. 39:671 (1986);40:543 (1986)に開示のセタプリル(アラセプリル, 大日本);欧州特許79-022およびCurr. Ther. Res. 40:74 (1986)に開示のラミプリル(ヘキスト);Arzneimittelforschung 34:1254 (1985)に開示のRu 44570(ヘキスト)、J. Cardiovasc. Pharmacol. 9:39 (1987)に開示のシラザプリル(ホフマン−ラロッシュ);FEBS Lett. 165:201 (1984)に開示のR31−2201(ホフマン−ラロッシュ);米国特許第4,385,051号に開示のリシノプリル(メルク)、インダラプリル(デラプリル);J. Cardiovasc. Pharmacol. 5:643, 655 (1983)に開示のインドラプリル(シェーリング)、Acta. Pharmacol. Toxicol. 59 (Supp. 5):173 (1986)に開示のスピラプリル(シェーリング);Eur. J. clin. Pharmacol. 31:519 (1987)に開示のペリンドプリル(セルビエ);米国特許第4,344,949号に開示のキナプリル(ワーナーランバート)およびPharmacologist 26:243, 266 (1984)に開示のCI925(ワーナーランバート)([3S−[2[R()R()]]3R()]−2−[2−[[1−(エトキシ−カルボニル)−3−フェニルプロピル]アミノ]−1−オキソプロピル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6,7−ジメトキシ−3−イソキノリンカルボキン酸 HCl)、J. Med. Chem. 26:394 (1983)に開示のWY−44221(ワイス)を含む。
【0161】
好ましいACE阻害剤は、カプトプリル、フォシノプリル、エナラプリル、リシノプリル、キナプリル、ベナゼプリル、フェンチアプリル、ラミプリルおよびモエキシプリルである。
【0162】
本明細書でNEP/ACE阻害剤も使用することができ、この場合にあって、これらは中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害活性およびアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性を有している。

本明細書で好適に使用できるNEP/ACE阻害剤の例には、米国特許第5,362,727号、第号5,366,973、第5,225,401号、第4,722,810号、第5,223,516号、第4,749,688号、米国特許第5,552,397号、米国特許第5,504,080号、米国特許第5,612,359号、米国特許第5,525,723号、欧州特許出願第0599,444号、第0481,522号、第0599,444号, 第0595,610号, 欧州特許出願第0534363A2号、第534,396号および第534,492号、および欧州特許出願第0629627A2号に開示されたものが含まれる。
【0163】
好ましいNEP/ACE阻害剤およびその投与量は、上記米国特許/出願で好ましいものとして挙げられているものであり、これらは本明細書に引用され;最も好ましいものは、オマパトリラト、BMS 189,921([S−(R,R)]−ヘキサヒドロ−6−[(2−メルカプト−1−オキソ−3−フェニルプロピル)アミノ]−2,2−ジメチル−7−オキソ−1H−アゼピン−1−酢酸 (ゲモパトリラト(gemopatrilat)))およびCGS 30440である。
【0164】
本明細書で好ましく用いられるアンジヲテンシンII受容体アンタゴニスト(ここではアンジオテンシンIIアンタゴニストまたはAIIアンタゴニストともいう)には、これらに限定されないが、イルベサルタン、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、タソサルタンまたはエプロサルタンが含まれ、イルベサルタン、ロサルタンまたはバルサルタンが好ましい。
【0165】
好ましい経口投与剤型、例えば錠剤またはカプセルとしては、ACE阻害剤またはAIIアンタゴニストを約0.1から約500 mg、好ましくは約5から約200 mg、より好ましくは約10から約150 mgを含むものである。
【0166】
非経口投与の場合、ACE阻害剤、アンジオテンシンIIアンタゴニストまたはNEP/ACE阻害剤は、約0.005 mg/kgから約10 mg/kg、好ましくは約0.01 mg/kg から約1 mg/kgの量で使用される。
【0167】
薬剤を静脈投与する場合、蒸留水、生理食塩水、リンゲル液またはその他の慣用の担体等の通常のベヒクル中に処方される。
【0168】
ありがたいことに、ACE阻害剤およびAIIアンタゴニスト並びに本明細書で開示されている他の降圧剤の好ましい投与量が、書籍[フィジシャンズ デスク レファレンス](PDR)の最新版に記述されている。
【0169】
本明細書で使用される好ましい降圧剤の他の例としては、オマパトリラト(Vanlev(登録商標))、アムロジピンベシレート(Norvasc(登録商標))、プラゾシンHCl(Minipress(登録商標))、ベラパミル、ニフェジピン、ナドロール、ジルチアゼム、フェロジピン、ニソリジピン、イスラジピン、ニカルジピン、アテノロール、カルベジロール,ソタロール、テトラゾシン、ドキサゾシン、プロパノロール、およびクロニジンHCl(Catapres(登録商標))が含まれる。
【0170】
式Iの化合物と併用できる利尿剤には、ヒドロクロロチアジド、トラセミド、フロセミド、スピロノラクトン、およびインダパミドが含まれる。
【0171】
本発明の式Iの化合物と併用できる抗血小板剤には、アスピリン、クロピドグレル、チクロピジン、ジピリダモール、アブシキシマブ、チロフィバン、エプチフィバチド、アナグレリド、およびイフェトロバンが含まれ、クロピドグレルおよびアスピリンが好ましい。
【0172】
この抗血小板製剤は、PDRに示されているような量で使用することができる。イフェトロバンは米国特許第5,100,889号に示されているような量で用いることができる。
【0173】
本発明の式Iの化合物と併用できる本明細書で用いるのに適した抗骨粗鬆症剤は、副甲状腺ホルモンまたはビスフォスフォネート類を含み、例えばMK−217(アレンドロネート)(Fosamax(登録商標))等が挙げられる。
【0174】
上記薬剤の投与量は、書籍[フィジシャンズ デスク レファレンス]に示されている。
【0175】
(医薬製剤)
本発明の医薬組成物には、本発明の化合物ともに、患者に投与し得る医薬的に許容されるものであって、その薬理活性を損なわない担体、添加物またはベヒクルが含まれる。本発明の医薬組成物において使用し得る医薬的に許容される担体、添加物およびベヒクルには、これらに限らないが、以下のものが含まれる:イオン交換物質、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、d(−トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸塩)のような自己乳化性ドラッグデリバリーシステム「SEDDS」)、トゥイーンまたはその他の類似の重合性デリバリィ基質、ヒト血清アルブミンのような血清タンパク、リン酸塩のような緩衝剤、グリシン、ソルビン酸、飽和植物脂肪酸の一部グリセライド混合物、水、塩、または硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウムのような電解質、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース性基質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂。α−、β−およびγ−シクロデキストリンのようなシクロデキストリン、または2−および3−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含むヒドロキシアルキルシクロデキストリンのような化学修飾誘導体、または他の可溶化された誘導体も、本発明の修飾物質の移送を促進すために使用することができる。
【0176】
本発明の組成物は、以下に述べる他の医薬成分を含んでいてもよく、医薬製剤分野において当業者によく知られている技術に従い、例えば通常の固体もしくは液体のベヒクルもしくは希釈剤、並びに所望する投与形態に適したタイプの医薬添加物(例えば、賦形剤、結合剤、保存剤、安定化剤、香料等)を用いて製剤化し得る。
【0177】
本発明の化合物は、
錠剤、カプセル、顆粒または粉末のような形態による経口投与;
舌下投与;
バッカル投与;
皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射または輸液手法(例:滅菌水性または非水性の注射液または懸濁液)等の非経口投与;
吸入スプレー等による経鼻投与;
クリームまたは軟膏等の局所投与;または
坐剤の型での直腸投与のようなあらゆる適当な手法によって投与し得、非毒性で医薬的に許容されるベヒクルまたは希釈剤を含有する投与単位の製剤型で投与され得る。本発明の化合物は、例えば即放性または徐放性に適した形態で投与し得る。即放性または徐放性は、本発明の化合物を含有する適切な医薬組成物を用いることによって達成し得、特に徐放性の場合にあっては、皮下インプラントまたは浸透圧ポンプ(オスモティックポンプ)等の装置の使用により達成し得る。本発明の化合物はまたリポソーム的手法(liposomally)による投与も可能である。
【0178】
経口投与組成物の例としては、例えば、増量のための微結晶性セルロース、懸濁剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてのメチルセルロースおよびこの分野で公知の甘味料または香料を含有する懸濁製剤;および
例えば、微結晶性セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび/またラクトースおよび/またはこの分野で公知の他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含有する即崩壊錠が含まれる。本化合物は、また、舌下および/またはバッカル投与により口腔経由で輸送してもよい。成型錠剤、圧縮錠剤または凍結乾燥錠剤も使用可能な例として挙げられる。このような組成物の例としては、本発明の化合物をマンニトール、乳糖、ショ糖および/またはシクロデキストリンのような即溶解性希釈剤とともに製剤化したものが含まれる。また、このような製剤には、高分子量の賦形剤、例えばセルロース(アビセル)またはポリエチレングリコール(PEG)も含み得る。このような製剤にはまた、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(SCMC)、無水マレイン酸共重合体(例えばGantrez)の粘膜接着性付与剤、およびポリアクリル酸共重合体(例えば、カルボポール934)の放出制御剤を含んでいてもよい。滑沢剤、流動化剤、香料、着色剤および安定剤をまた、成形および使用の便のために加え得る。
【0179】
例示される経鼻エアゾールまたは吸入投与には、例えばベンジルアルコールまたは他の適当な保存剤、バイオアベリラビリティー増強用の吸収促進剤、および/またはこの分野で公知のその他の溶解または分散剤を含有する生理食塩水溶液が含まれる。
【0180】
例示される非経口投与組成物としては、例えばマンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル液、等張性塩化ナトリウム溶液のような適当な非毒性で非経口的に許容できる希釈剤または溶媒;または合成モノまたはジグリセリドを含む他の適当な分散剤もしくは湿潤剤である懸濁剤;およびオレイン酸のような脂肪酸を含んだ注射用溶液または懸濁液が含まれる。本明細書で使用する用語「非経口」とは、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、病巣内および脳内用の注射または輸液手法が含まれる。
【0181】
直腸投与組成物の例としては、例えば、カカオバター、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコールのような、常温で固体であるが、直腸腔内で液化および/または溶解して薬物を放出する適当な非刺激性賦形剤を含有し得る坐剤が含まれる。
【0182】
局所投与組成物の例としては、プラスチベース(ポリエチレンでゲル化された鉱物油)のような局所用担体が含まれる。
【0183】
本発明化合物の有効量は、当業者によって決定し得るものであり、例えば、成人用として、一日、体重当たり約0.1から500 mg/kgの活性化合物の投与量、または一日1から5回の単剤投与または分割投与で、一日当たり5から2000 mgの投与量が挙げられる。周知のように、特定対象に対する特定投与量および投与頻度は様々であり、使用する特定化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用発現期間、種属、年齢、体重、一般的健康状態、性別および食事状況、投与様式と投与時期、排泄速度、組合せ薬剤および特定症状の重篤性等の様々な要因によって左右される。好ましい治療対象は動物であり、最も好ましくはヒト、およびイヌ、ネコ等の家畜の哺乳動物である。
【0184】
経口投与用の典型的なカプセル剤は、構造Iの化合物(250 mg)、乳糖(75 mg)およびステアリン酸マグネシウム(15 mg)を含有している。混合物を60メッシュ篩にかけて、1号ゼラチンカプセルに充填する。
【0185】
典型的な注射用製剤は、構造Iの化合物250 mgを無菌的にバイアルに充填し無菌的に凍結乾燥および封印して製造される。使用時に、バイアルの内容物を2mLの生理食塩水と混合して注射用製剤を得る。
【0186】
本発明の式Iの化合物は、GR結合アッセイにおいてグルココルチコイド受容体と結合するという機能で表されるように、グルココルチコイド受容体修飾物質である。
【0187】
本発明の式Iの化合物はまた、細胞転移抑制アッセイ(cellular transrespressional assays)において示されているようにAP−1活性も阻害し、細胞転移抑制アッセイ(cellular transrespressional assays)において示されているようにトランス活性化を引き起こさないか極僅かに引き起こすにすぎない。
【0188】
使用されるGR結合アッセイ、細胞転写抑制アッセイ(cellular transrespressional assay)および細胞転写アッセイは、係属中の仮出願No. 60/396,907, 2002年7月18日出願 (代理人番号 D0250 PSP)に記述されており、本明細書に引用される。
【0189】
以下の略号は実施例で用いる。
Ph=フェニル
Bn=ベンジル
t−Bu=tert−ブチル
Me=メチル
Et=エチル
TMS=トリメチルシリル
TMSN=トリメチルシリルアジド
TBS=tert−ブチルジメチルシリル
FMOC=フルオレニルメトキシカルボニル
Boc=tert−ブトキシカルボニル
Cbz=カルボベンジルオキシまたはカルボベンゾキシまたはベンジルオキシカルボニル
THF=テトラヒドロフラン
EtO=ジエチルエーテル
hex=ヘキサン
EtOAc=酢酸エチル
DMF=ジメチルホルムアミド
MeOH=メタノール
EtOH=エタノール
i−PrOH=イソプロパノール
DMSO=ジメチル スルホキシド
DME=1,2−ジメトキシエタン
DCE=1,2−ジクロロエタン
HMPA=ヘキサメチルリン酸トリアミド
HOAcまたはAcOH=酢酸
TFA=トリフルオロ酢酸
TFAA=トリフルオロ無水酢酸
i−PrNEt=ジイソプロピルエチルアミン
EtN=トリエチルアミン
NMM=N−メチルモルホリン
DMAP=4−ジメチルアミノピリジン
NaBH=水素化ホウ素ナトリウム
NaBH(OAc)=三アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
DIBALH=水素化ジイソブチルアルミニウム
LAHまたはLiAlH=水素化アルミニウムリチウム
n−BuLi=n−ブチルリチウム
LDA=リチウムジイソプロピルアミド
Pd/C=パラジウム炭素
PtO=酸化白金
KOH=水酸化カリウム
NaOH=水酸化ナトリウム
LiOH=水酸化リチウム
CO=炭酸カリウム
NaHCO=炭酸水素ナトリウム
DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
EDC(またはEDC.HCl)またはEDCI(またはEDCI.HCl)またはEDAC=3−エチル−3’−(ジメチルアミノ)プロピル− カルボジイミド塩酸(または1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)
HOBTまたはHOBT.HO=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
HOAT=1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
BOP試薬=ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
NaN(TMS)=ヘキサメチルジシラジドナトリウムまたはビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム
PhP=トリフェニルホスフィン
Pd(OAc)=酢酸パラジウム
(PhP)Pd=テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
DEAD=ジエチルアゾジカルボキシレート
DIAD=ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
Cbz−Cl=ベンジルクロロホルメート
CAN=硝酸アンモニウムセリウム
SAX=強アニオン交換剤
SCX=強カチオン交換剤
Ar=アルゴン
=窒素
min=分
hまたはhr=時
L=リットル
mL=ミリリットル
μL=マイクロリットル
g=グラム
mg=ミリグラム
mol=モル
mmol=ミリモル
meq=ミリ当量
RT=室温
satまたはsat’d=飽和
aq.=水の
TLC=薄層クロマトグラフィ
HPLC=高速液体クロマトグラフィ
LC/MS=高速液体クロマトグラフィ/マススペクトル
MSまたはMass Spec=マススペクトル
NMR=核磁気共鳴
NMRスペクトルデータ:s=シングレット;d=ダブレット;m=マルチプレット;br=ブロード;t=トリプレット
mp=融点
【0190】
製造
以下に示す製造は、市販品から入手できず、本発明の式Iの化合物を製造するのに用いられる試薬の合成である。表および反応式にあるすべての化学構造は、特に断りがない限りラセミ体である。
【0191】
製造1
2−アミノ−4−[1−(4−フルオロ)ナフチル]チアゾール 1a
【化64】

ステップ1
4’−フルオロ−1’−アセトナフトン(28.69 mmol, 5.4 g)の1,4−ジオキサン(18.0 mL)溶液に、0℃で臭素(35.13 mmol, 5.61 g)を加えた。室温で3時間後、反応混合物を減圧濃縮し、ステップ1の生成物を得た(7.66 g、収率100%)。
【0192】
ステップ2
ステップ1の生成物(28.69 mmol, 7.66 g)のエチルアルコール(20 mL)溶液に、室温でチオウレア(36.13 mmol, 2.75 g)を加えた。室温で1時間後、沈澱が形成した。反応混合物に、水(100 mL)を加え、固形物を減圧濾過して集めた。該固形物を次いで水(3×100 mL)およびジクロロメタン(3×100 mL)で洗浄した。該固形物を次いで真空乾燥し、標題化合物1aを得た(5.5 g、収率75%)。
MS (E+) m/z: 245 (MH+).
【0193】
同様の方法で以下の化合物を対応するケトン化合物から製造した。
【表4】

【表5】

【表6】

【0194】
製造2
2−アミノ−4−[1−(4−フルオロ)ナフチル]イミダゾール 2a
【化65】

ステップ1
製造1a,ステップ1の生成物(18.73 mmol, 5.0 g)のDMF(15 mL)溶液に、室温で1−アセチルグアニジン(57.43 mmol, 5.80 g)を加えた。室温で5時間後、反応混合物を水(100 mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100 mL)で抽出した。有機相を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィで精製し(5% メタノール/ジクロロメタンで溶離)、ステップ1の生成物を得た(2.0 g、収率39%)。
MS (E+) m/z: 270 (MH+).
【0195】
ステップ2
ステップ1の生成物(7.43 mmol, 2.0 g)のメタノール(17 mL)溶液に、水(8.5 mL)および12N HCl(12.0 mL)を加えた。還流して1時間後、反応混合物を約15 mLに減圧濃縮した。生じた溶液を次いで陽イオン交換SPEで精製し、中和し、標題化合物2aを得た(1.66 g、収率99%)。
MS (E+) m/z: 228 (MH+).
【0196】
同様の方法で、以下の化合物を対応するケトン化合物から製造した。
【表7】

【0197】
製造3
2−アミノ−4−(1−ナフチル)オキサゾール 3a
【化66】

ステップ1
1−アセトナフトン(29.38 mmol, 5.0 g)の氷酢酸(10.0 mL)溶液に、室温で臭素(30.06 mmol, 4.80 g)の氷酢酸(5.0 mL)溶液を加えた。5分後、反応混合物を砕けた氷に注ぎ、ジクロロメタンで抽出し、ステップ1の生成物を得た(7.31 g、収率100%)。
MS (E+) m/z: 250 (MH+).
【0198】
ステップ2
ステップ1の生成物(5.50 mmol, 1.37 g)のエチルアルコール(10 mL)溶液に、尿素(27.50 mmol, 1.65 g)を加えた。還流して2時間後、反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ精製し(30% 酢酸エチル/ヘキサンで溶離)、標題化合物3aを得た(100 mg、収率9%)。
MS (E+) m/z: 211 (MH+).
【0199】
製造4
5−(1−ナフチル)−3−アミノイソキサゾール 4a
【化67】

ステップ1
アセトニトリル(12.18 mmol, 0.50 g)のTHF(10.0 mL)溶液に、60%水素化ナトリウム(24.36 mmol, 0.975 g)、続いて1−ナフトエ酸メチルエステル(12.18 mmol, 2.27 g)を加えた。70℃で2時間後、反応混合物を過剰の1N HClでクエンチし、ジクロロメタン(3×30 mL)で抽出した。有機相を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ精製し(33%酢酸エチル/ヘキサンで溶離)、ステップ1の生成物を得た(1.80 g、収率76%)。
MS (E+) m/z: 196 (MH+).
【0200】
ステップ2
硫酸ヒドロキシルアミン(1.61 mmol, 264 mg)を、攪拌したステップ1の生成物(2.94 mmol, 573 mg)およびNaOH(3.53 mmol, 141 mg)の50%EtOH水(6.0 mL)溶液に加えた。該混合物を5時間80℃に加熱し、次いで室温で14時間攪拌した。反応混合物を過剰の1N HClでクエンチし、ジクロロメタン(3×50 mL)で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、ジクロロメタン(3×50 mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて、NaSOで乾燥し、減圧濃縮し、標題化合物4aを得た(237 mg、収率38%)。
MS (E+) m/z: 211 (MH+).
【0201】
製造5
3−(1−ナフチル)−5−アミノピラゾール 5a
【化68】

製造4,ステップ1の生成物(2.70 mmol, 527 mg)のEtOH(5.0 mL)溶液に、ヒドラジン(2.70 mmol, 85 mg)を加えた。生じた混合物を2時間還流し、冷却し、1N HClで希釈し、ジクロロメタン(3×50 mL)で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、ジクロロメタン(3×50 mL)で抽出した。有機相を合わせて、NaSOで乾燥し、減圧濃縮し、標題化合物5aを得た(280 mg、収率51%)。
MS (E+) m/z: 210 (MH+).
【0202】
製造6
4−[1−(6−メトキシ)ナフチル]−2−アミノチアゾール 6a
【化69】

ステップ1
6−メトキシ−1−ナフトエ酸(0.5 g, 2.47 mmol, 1.0当量)のジクロロメタン(10 mL)溶液に、室温でシュウ酸クロリド(2M ジクロロメタン溶液, 2.5 mL, 5.0 mmol, 2当量)溶液を加えた。該溶液を室温で2時間攪拌し、過剰のシュウ酸クロリドを減圧留去した。残渣をメタノールに溶かし、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、ステップ1の生成物を得た(0.45 g、84%)。
LC/MS (m/z 217, (M-H)+); 1H NMR (CDCl3) δ 8.82 (d, 1H), 8.03 (dd, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.44 (t, 1H), 7.26 (dd, 1H), 7.16 (s, 1H), 4.02 (s, 3H), 3.95 (s, 3H).
【0203】
ステップ2
引用文献:P. Chen, P.T. Cheng, S.H. Spergel, R. Zahler, X. Wang, J. Thottathil, J.C. Barrish, R.P. Polniaszek, Tetrahedron Letters, 38, 3175 (1997).
ステップ1の生成物(0.238 g, 1.1 mmol, 1.0当量)およびクロロヨードメタン(0.32 mL, 4.4 mmol, 4当量)のTHF(5 mL)溶液に、溶液の温度を−78℃に保ちながら、LDAのTHF(10 mL)溶液(2M, 2.2 mL, 4.0当量)を30分間滴下して加えた。反応溶液を−78℃で10分間攪拌した。酢酸(1.5 mL)のTHF(10 mL)溶液を、10分間滴下して加えた。−78℃でさらに10分間攪拌後、該溶液を酢酸エチルおよび飽和塩化ナトリウム溶液でクエンチした。有機相を飽和重亜硫酸ナトリウム、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィで精製し(10% 酢酸エチル/ヘキサン)、ステップ2の生成物を得た(0.23 g、90%)。
LC/MS (m/z 235, (M+H)+); 1H NMR (CDCl3) δ 8.82 (d, 1H), 8.03 (dd, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.44 (t, 1H), 7.26 (dd, 1H), 7.16 (s, 1H), 4.80 (s, 2H), 3.95 (s, 3H).
【0204】
ステップ3
ステップ2の生成物(0.23 g, 1.0 mmol, 1.0当量)のエタノール(5mL)溶液に、室温でチオウレア(90 mg, 1.2 mmol, 1.2当量)を加えた。反応溶液を室温で2時間攪拌し、その後黄色の沈殿物が形成した。反応液を水および酢酸エチルを加えてクエンチした。水相を酢酸エチル(3×)で抽出した。有機相を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、標題化合物6aを得た(200 mg、78%)。
LC/MS (m/z 235, (M+H)+); 1H NMR (CDCl3) δ 8.1 (d, 1H), 7.9 (m, 1H), 7.43 (m, 2H), 7.25 (m, 1H), 7.10 (dd, 1H), 6.65 (s, 1H), 3.95 (s, 3H).
【0205】
同様の方法で、以下の化合物を製造した。
【表8】

【0206】
製造7
4−[1−(6−メトキシ)ナフチル]−2−アミノイミダゾール 7a
【化70】

ステップ1
製造6,ステップ2の生成物(0.5 g, 2.14 mmol, 1.0当量)のエタノール(5 mL)溶液に、室温で1−アセチルグアニジン(650 mg, 6.42 mmol, 3.0当量)を加えた。反応溶液を室温で24時間攪拌した。反応液を水および酢酸エチルを加えてクエンチした。水相を酢酸エチル(3×)で抽出した。有機相を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、ステップ1の生成物を得た(0.2 g、35%)。
LC/MS (m/z 282, (M+H)+).
【0207】
ステップ2
ステップ1の生成物(0.2 g, 0.7 mmol, 1.0当量)のメタノール(5 mL)溶液に、水(1.0 mL)および塩酸(12N, 1.0 mL)を加えた。反応溶液を1時間加熱還流し、その後溶媒を減圧留去した。粗混合物を陽イオン交換SPEで精製し、標題化合物7aを得た(0.12 g、70%)。
LC/MS (m/z 240, (M+H)+).
【0208】
製造8
4−(3−ピリジル)−2−アミノチアゾール 8a
【化71】

ステップ1
3−アセチルピリジン(20.0 mmol, 2.42 g)の48% HBr(10.0 mL)溶液に、臭素(20.0 mmol, 3.2 g)の48% HBr(4.0 mL)溶液を加えた。反応混合物を1時間65℃に加熱し、室温でさらに1時間攪拌した。反応混合物を氷でクエンチし、濾過した。該固形物をアセトン(2×10 mL)およびジエチルエーテル(2×10 mL)で洗浄した。該固形物を次いで真空乾燥し、ステップ1の生成物を得た(3.70 g、収率83%)。
【0209】
ステップ2
ステップ1の生成物(6.10 mmol, 1.22 g)のエチルアルコール(10 mL)溶液に、室温でチオウレア(7.32 mmol, 560 mg)を加えた。室温で1時間後、反応混合物を水(30 mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×100 mL)で洗浄した。水層を次いで陽イオン交換クロマトグラフィで精製し、標題化合物8aを得た(600 mg、収率56%)。
MS (E+) m/z: 178 (MH+).
【0210】
同様の方法で、以下の化合物を製造した。
【表9】

【0211】
製造9
4−(1−イソキノリニル)−2−アミノチアゾール 9a
【化72】

ステップ1
1−イソキノリンカルボン酸(11.55 mmol, 2.0 g)のTHF(20.0 mL)およびメタノール(10.0 mL)溶液に、トリメチルシリルジアゾメタン(69.3 mmol,2Mヘキサン溶液の32.0 mL)を加えた。室温で2時間後、反応混合物を減圧濃縮し、ステップ1の生成物を得た(1.17 g、収率 99%)。
MS (E+) m/z: 188 (MH+).
【0212】
ステップ2
ステップ1の生成物(10.69 mmol, 2.0 g)のジクロロメタン(100.0 mL)溶液に、トリメチルアルミニウム(32.88 mmol,2.0Mトルエン溶液の16.44 mL)を−78℃で加えた。添加完了後、反応液を0℃に加温した。反応混合物を次いで水(30 mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×30 mL)で抽出した。有機相を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィで精製し(10%酢酸エチル/ヘキサンで溶離)、ステップ2の生成物を得た(930 mg、収率51%)。
MS (E+) m/z: 172 (MH+).
【0213】
ステップ3
ステップ2の生成物を製造8,ステップ2に記載のようにして、標題化合物9aに変換した。
MS (E+) m/z: 228 (MH+).
【0214】
製造10
5−(1−ナフチル)−2−アミノピリジン 10a
【化73】

炭酸カリウム(5.19 mmol, 717 mg)の水(2.5 mL)溶液およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.04 mol%, 80 mg)のエチルアルコール(2.5 mL)溶液を、2−アミノ−5−ブロモピリジン(1.73 mmol, 299 mg)および1−ナフタレンボロン酸(2.60 mmol, 446 mg)のベンゼン(10.0 mL)溶液に加えた。90℃で2時間後、反応混合物を水(30 mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×30 mL)で抽出した。有機相を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィで精製し(50% 酢酸エチル/ヘキサンで溶離)、標題化合物10aを得た(260 mg、収率68%)。
MS (E+) m/z: 381 (MH+).
【0215】
同様の方法で、以下の化合物を製造した。
【表10】

【0216】
製造11a
4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−チアゾール−2−イルアミン
【化74】

ステップ1
2,3−ジヒドロキシ−安息香酸メチルエステル(336 mg, 2 mmol)および炭酸セシウム(1.56 g, 4.8 mmol)のDMF懸濁液を、室温で0.5時間攪拌した。1,2−ジブロモエタン(0.224 mL, 2.6 mmol)をDMF溶液に加えた。該混合物を80℃で4時間攪拌し、次いで酢酸エチルで希釈した。有機層を水および食塩水で洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、粗生成物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィで精製し(溶離液としてEtOAc/ヘキサン(20%〜40%))、白色の固形物として2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−カルボン酸メチルエステルを得た(223 mg, 1.14 mmol,収率 57.4%)。
【0217】
ステップ2
引用文献:Tetrahedron Lett, 1997, 3173-78
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−カルボン酸メチルエステル(100 mg, 0.515 mmol)およびクロロヨードメタン(0.075 mL, 1.03 mmol)のTHF(1 mL)混合物に、LDAのTHF溶液(2M, 0.57 mL, 1.13 mmol)を−78℃で15分かけて滴下して加えた。反応混合物を−78℃で10分間攪拌した。酢酸(0.75 mL)のTHF(5 mL)溶液を、−78℃で5分かけて滴下して加えた。生じた溶液を同温度でさらに10分間攪拌し、次いで酢酸エチルおよび水で分液処理した。有機層を炭酸水素ナトリウム水、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮し、淡茶褐色の液体として粗生成物の2−クロロ−1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−エタノンを得た。
【0218】
ステップ3
ステップ2の粗生成物を、EtOH(1.5 mL)に溶かした。チオウレア(76 mg, 1 mmol)を加え、続いてTEA(0.14 mL, 1 mmol)を加えた。該溶液を6時間80℃に加熱した。エタノールを除去後、反応混合物を酢酸エチルおよび炭酸水素ナトリウム水に取った。有機層を0.5N HClで洗浄した。分液後、水層を炭酸ナトリウムでpH 9に調整し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、茶褐色の固形物として4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−チアゾール−2−イルアミン 11aを得た(37 mg、0.16 mmol, 収率31%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.46 (dd, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.75-6.83 (m, 2H), 5.33 (br s, 2H), 4.23-4.34 (m, 4H);
LC/MS m/z 235 (M+H)+.
【0219】
製造11b
4−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル−チアゾール−2−イルアミン
製造物11bは、製造11aと類似の方法で製造した。
【表11】

【0220】
製造12a
【化75】

ステップ1
窒素下1,3−ジメチル−4,6−ジニトロベンゼン(5.0 g, 25.489 mmol)のDMF(50.0 mL)溶液に、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(10.16 mL、76.468 mmol, 9.112g, 3.0当量)を加えた。該混合物を窒素下140℃で5時間攪拌し、室温に冷却し、溶媒を真空下留去し、暗黒色の固形物を得た。この固形物に、50%THF水(330 mL)、続いて過ヨウ素酸ナトリウム(32.7g, 152.9 mmol, 6当量)を加えた。該溶液は赤色に変わり、わずかに発熱した。該混合物を室温で5時間攪拌した。この混合物を次いでシンテレッド(scintered)ガラスロートで濾過し、過剰の固体の物質を除き、色がなくなるまで酢酸エチルですすいだ(溶離液の全量は、すすぎ後、750 mLであった)。該濾液を飽和NaHCO水(100 mL)で洗浄した。水相を酢酸エチル(200 mL)で再度抽出した。有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥した。該溶液を減圧濃縮した。生じた粗油状物をシリカゲルクロマトグラフィで精製し(30% 酢酸エチル/ヘキサンで溶離)、黄色の固形物としてステップ1の生成物を得た(2.77 g、48%)。
【0221】
ステップ2
ステップ1の生成物(1.93 g, 8.62 mmol)および鉄粉(3.85 g, 68.93 mmol, 8当量)を、エタノール/酢酸/水がそれぞれ2:2:1である混合液(100 mL)を含んだフラスコに入れた。該フラスコを0℃の氷浴に入れ、20分間平衡化した。濃HCl(8滴)加えた。反応液が変色し始めた(黄色〜緑〜赤/茶色)。1時間後、冷浴を除き、室温に加温した。さらに1時間室温で攪拌後、該混合物をセライトの薄いパッドで濾過した。濾液を減圧濃縮し、黄色/緑色の固形物を得た。この粗物質をシリカゲルクロマトグラフィ(30%ヘキサン/酢酸エチルで溶離)で精製した。真空下溶媒を除き、黄色/橙色の固形物としてステップ2の生成物を得た(1.165 g、82%)。
【0222】
ステップ3
窒素下のステップ2の生成物(901 mg, 5.49 mmol)のエタノール(30.0 mL)溶液に、ピルビン酸(0.92 mL、1.160 g, 13.173 mmol)、続いて2N水酸化ナトリウム水(13.0 mL)を加えた。該混合物を80℃で5時間攪拌した。0.6Nアンモニア水(〜100 mL)を加え、該混合物を74℃に弱く加熱した。0.6N HCl/0.3N AcOH溶液を、pHが〜4になるまで加え、生成物が沈澱した。該混合物を濾過し、固形物を集め、真空下乾燥し、黄色の固形物としてステップ3の生成物を得た(1.303 g、88%)。
【0223】
ステップ4
ステップ3の生成物(99 mg, 0.369 mmol)およびCuO(〜3mg、〜0.018 mmol, 0.05当量)を、窒素下ジ(エチレングリコール)メチルエーテル(3.0 mL)に入れた。該混合物を165℃で6時間攪拌し、濃アンモニア水(〜30 mL)を加えた。該混合物を塩化メチレン(2×100 mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィ(1%トリエチルアミン、7%メタノール/クロロホルムで溶離)で精製した。溶離液を真空下除き、茶褐色の結晶性固形物としてステップ4の生成物を得た(44 mg、67%)。
M+H=181.28.
【0224】
ステップ5
ステップ4の生成物(21 mg, 0.117 mmol)、メチルアクリル酸(49 μL、50 mg, 0.583 mmol, 5当量)およびハイドロキノン(〜3 mg)を、キシレン(1.0 mL)が入った窒素下のチューブに入れた。該チューブをテフロンラインが付いた栓でシールし、3日間140℃に加熱した。LC/MSで反応の完了を確認した。溶媒を減圧留去し、粗物質をシリカゲルクロマトグラフィで精製し(1%トリエチルアミン,10%メタノール/クロロホルムで溶離)、澄明な油状物として標題化合物12aを得た(21 mg、68%)。
M+H=267.14
【0225】
製造13
【化76】

ステップ1
製造12a,ステップ4の生成物(128 mg, 0.710 mmol)、メタクリル酸エチル(442μL, 3.551 mmol, 5当量)、およびハイドロキノン(〜20 mg)のキシレン(5.0 mL)溶液を、窒素下チューブに入れた。該チューブをテフロンラインが付いた栓でシールし、140℃で3日間攪拌した。溶媒を減圧留去し、粗物質をプレパラティブHPLCで直接精製した。2つの異性体生成物のHPLCの保持時間(分析用およびプレパラティブ用の両方)は、非常に類似していた。純粋な少量の異性体(24 mg)、並びに主要なおよび少量の異性体の両方の混合物(28 mg)を単離した。
【0226】
ステップ2
ステップ1の少量の生成物(24 mg, 0.082 mmol)を窒素下メタノール(1.5 mL)中に入れた。1N NaOH(0.3 mL)を加え、該混合物を60℃で2時間攪拌した。さらに飽和NaOH水(0.1 mL)を加え、該混合物をさらに5時間60℃で攪拌した。該混合物を冷却し、次いでTFA(50μL)を加えた。該混合物をプレパラティブHPLCで直接精製した。溶媒を真空下留去し、澄明な油状物として、標題化合物13を得た(21 mg、〜95%)。
M+H=267
【0227】
製造14
【化77】

ステップ1
引用文献:B. BacleおよびG. Levesque, Polymer Communications, 28, 36 (1987).
1Lのフラスコに、アントラセン(14g, 0.078 mol, 1.0当量)、ハイドロキノン(0.8g, 0.008 mol, 0.1当量)、メタクリル酸(14 mL, 0.156 mol, 2.0当量)およびキシレン(500 mL)を加えた。該溶液を1日間加熱還流した。該溶液を冷却し、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶かし、1N NaOH(3×)で抽出した。水相を1N HClで酸性にし、生成物を酢酸エチル(3×)で抽出した。有機相を合わせて、減圧濃縮し、粗生成物の混合物を得た。ヘキサンおよび酢酸エチルで再結晶化し、製造14、ステップ1の生成物を得た(8g、40%)。
LC/MS (m/z 263 (M-H)+); 1H NMR (CDCl3) δ 7.08-7.25 (m, 8H), 4.37 (s, 1H), 4.25(t, 1H), 2.61 (dd, 1H), 1.39 (dd, 1H), 1.07 (s, 3H).
【0228】
ステップ2
製造14、ステップ1の生成物を対応するエナンチオマー14(R)および14(S)に、以下の条件のキラルプレパラティブHPLCにより分割した。
カラム:キラルセル(登録商標)−OJ, 5×50cm
移動相:トリフルオロ酢酸/アセトニトリル=1/1000(容積比)
温度:周囲温度
流速:70 mL/分
注入量:1.5g/溶媒(50 mL)
検出器:UV(250nm)
保持時間:UV(250nm)30分;S−エナンチオマー,52分
分析用HPLC条件
カラム:キラルセル(登録商標)−OJ,4.6×250cm
移動相:トリフルオロ酢酸/アセトニトリル=1/1000(容積比)
温度:周囲温度
流速:1.5 mL/分
検出器:UV(250nm)
保持時間:UV(250nm)6.5分;S−エナンチオマー,15分
【0229】
製造15
【化78】

アクリル酸およびアントラセンを製造14に記載のように反応し、化合物15を得た。
【0230】
製造16a
【化79】

製造14、ステップ1の生成物(5.0g, 18.9 mmol, 1.0当量)のジクロロメタン(20 mL)溶液に、シュウ酸クロリドのジクロロメタン溶液(2M, 11.4 mL, 22.8 mmol, 1.2当量)を滴下して加えた。該溶液を室温で2時間攪拌し、その後溶媒を減圧留去した。残渣をアセトニトリル(20 mL)に溶解し、エチレングリコール(1.27 mL, 22.8 mmol, 1.2当量)のアセトニトリル(20 mL)溶液に滴下して加えた。反応溶液を室温で4時間攪拌し、次いで該溶液を減圧濃縮した。フラッシュクロマトグラフィによる精製(10% 酢酸エチル/ヘキサン)で、化合物16aを得た(2.0 g、34%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.52 (d, 1H), 7.09-7.27 (m, 8H), 4.40 (s, 1H), 4.31 (t, 1H), 4.11 (m, 1H), 4.0 (m, 1H), 3.63 (m, 2H), 2.72 (dd, 1H), 1.42 (dd, 1H), 1.16 (s, 3H).
【0231】
同様の方法にて、以下の化合物を対応する酸およびアルコール化合物から製造した。
【表12】

【0232】
製造17
【化80】

引用文献:P.V. Alston, R.M. Ottenbrite, J. Newby, J. Org. Chem., 44, 4939 (1979).
9−アントラセンカルボン酸(4 g, 0.017 mol, 1.0当量)を、メタクリル酸(20 mL, 0.23 mol, 14.0当量)、ベンゼン(20 mL)およびハイドロキノン(0.2 g, 0.0017 mol, 0.1当量)の混合物に加えた。該溶液を7日間加熱還流した。該溶液を冷却し、形成した沈殿物を濾過し、ベンゼンで洗浄した。沈澱をヘキサンおよび酢酸エチルで再結晶化し、オルト生成物17a(0.4 g、7.2%)を得た。
MS (m/z 321(M-H)+);
1H NMR (CDCl3) δ 7.1-7.28 (m, 8H), 4.25 (t, 1H), 4.06 (s, 3H), 2.25 (dd, 1H), 1.69 (dd, 1H), 1.08 (s, 3H).
濾液を1N NaOH(3×)で抽出した。水相を1N HClで酸性にし、生成物を酢酸エチル(3×)で抽出した。有機相を減圧濃縮した。残渣をヘキサンおよび酢酸エチルで再結晶化し、メタ生成物17bを得た(0.2 g、4%)。
MS (m/z 321 (M-H)+);
1H NMR (CDCl3) δ 7.16-7.27 (m, 8H), 4.36 (s, 1H), 4.08 (s, 3H), 2.90 (d, 1H), 1.67 (d, 1H), 1.06 (s, 3H).
【0233】
同様の方法にて、以下の化合物をメタクリル酸および適当なアントラセン化合物から製造した。
【表13】

【表14】

【0234】
(実施例)
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を表す。
実施例1
【化81】

製造14,ステップ1の生成物(20 mg, 0.075 mmol, 1.0当量)のアセトニトリル(2 mL)溶液に、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(DEC)(17 mg, 0.09 mmol, 1.2当量)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(12 mg. 0.09 mmol, 1.2当量)、トリエチルアミン(0.025 mL, 0.18 mmol, 2.5当量)、および2−アミノ−4,5−ジメチルチアゾール塩酸塩(14.8 mg, 0.09 mmol, 1.2当量)を加えた。反応溶液を18時間80℃に加熱した。反応液を次いで減圧濃縮した。生成物の混合物をフラッシュクロマトグラフィで精製し(20% 酢酸エチル/ヘキサン)、実施例1の化合物を得た(19.8 mg、70%)。
LC/MS (m/z 375, (M+H)+).
【0235】
実施例2〜339
類似の方法で、実施例2〜339を適当な酸化合物およびアミン化合物のカップリングから製造した。市販品として入手可能でないアミン化合物または酸化合物の製造は、本文書の前述の製造セクションで記載している。以下の表のすべての実施例は、特に断りがない限りラセミ体である。一方のエナンチオマーが主であるか、または唯一の成分である場合の表の実施例は、RまたはSのいずれかを示す。
【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【表31】

【表32】

【表33】

【表34】

【表35】

【表36】

【表37】

【表38】

【表39】

【表40】

【表41】

【表42】

【表43】

【表44】

【表45】

【表46】

【表47】

【表48】

【表49】

【表50】

【表51】

【表52】

【表53】

【表54】

【表55】

【表56】

【表57】

【表58】

【表59】

【表60】

【表61】

【表62】

【表63】

【表64】

【表65】

【表66】

【表67】

【0236】
実施例340
【化82】

ステップ1
製造14の生成物(100 mg, 0.38 mmol, 1.0当量)のアセトニトリル(5 mL)溶液に、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(DEC)(87 mg, 0.45 mmol, 1.2当量)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(62 mg. 0.45 mmol, 1.2当量)、トリエチルアミン(0.13 mL, 0.94 mmol, 2.5当量)、および2−アミノチアゾール(45.5 mg, 0.45 mmol, 1.2当量)を加えた。反応溶液を18時間80℃に加熱した。反応液を次いで減圧濃縮した。生成物の混合物をフラッシュクロマトグラフィで精製し(20% 酢酸エチル/ヘキサン)、ステップ1の生成物を得た(112.4 mg、86%)。
LC/MS (m/z 347, (M+H)+); 1H NMR (CDCl3) δ 7.52 (d, 1H), 6.98-7.27 (m, 9H), 4.42 (s, 1H), 4.32 (t, 1H), 2.69 (dd, 1H), 1.52 (dd, 1H), 1.16(s, 3H).
【0237】
ステップ2
ステップ1の生成物(175 mg, 0.5 mmol, 1.0当量)のTHF(5 mL)溶液に、水素化ナトリウム(18 mg, 0.75 mmol, 1.5当量)を加え、該溶液を室温で1時間攪拌した。ヨードメタン(0.047 mL, 0.75 mmol, 1.5当量)のTHF(1 mL)溶液を加え、反応溶液を室温で3時間攪拌した。該溶液を酢酸エチルでクエンチした。有機層を水、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物の混合物をフラッシュクロマトグラフィ(10% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、実施例340を得た(141.7 mg、78%)。
LC/MS (m/z 361 (M+H)+); 1H NMR (CDCl3) δ 6.41-7.12 (m, 8H), 4.67 (s, 1H), 4.3 (t, 1H), 3.63 (s, 3H), 3.0 (dd, 1H), 1.49 (dd, 1H), 1.07 (s, 3H).
【0238】
実施例341〜343
同様の方法で、以下の化合物を製造した。
【表68】

【0239】
実施例344〜346
【化83】

ステップ1
製造14の生成物(4.72 mmol, 1.25 g)のアセトニトリル(20 mL)溶液に、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)(5.66 mmol, 1.09 g)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(5.66 mmol, 0.77 g)、トリエチルアミン(11.8 mmol, 1.20 g)および製造1lの生成物(5.66 mmol, 1.41 g)を加えた。生じた混合物を20時間80℃に加熱し、冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ精製し(15% 酢酸エチル/ヘキサンで溶離)、実施例344を得た(1.80 g、収率77%)。
MS (E+) m/z: 494 (MH+).
【0240】
ステップ2
実施例344の化合物(3.44 mmol, 1.70 g)のEtOH(30 mL)溶液に、10N NaOH(2.0 mL)を加えた。生じた混合物を2.5時間75℃に加熱し、冷却し、過剰の1N HClで希釈した。該混合物を次いでジクロロメタン(3×100 mL)で抽出し、NaSOで乾燥し、減圧濃縮し、実施例345の化合物を得た(1.40 g、収率88%)。
MS (E+) m/z: 467 (MH+).
【0241】
ステップ3
実施例345の化合物(0.038 mmol, 18.0 mg)のテトラヒドロフラン(1.0 mL)溶液に、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)(0.046 mmol, 8.9 mg)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(0.046 mmol, 6.3 mg)、トリエチルアミン(0.046 mmol, 5.6 mg)およびアニリン(0.046 mmol, 4.3 mg)を加えた。室温で20時間後、生成物を固相抽出カートリッジ(500 mg 1/1ハイロード,SCX強カチオン交換剤/SAX強アニオン交換剤、United Chemical Technologies, Inc.製)で精製した。該カートリッジをMeOH(2×1.5 mL)で調整後、粗反応混合物を該カートリッジに負荷した。該カートリッジを次いでMeOH(2×1.5 mL)で洗浄し、標題化合物の2つのフラクションを得た。これらのフラクションを合わせて、濃縮し、次いで固相抽出カートリッジ(500 mg,SAX強アニオン交換剤)を用いて2回目の精製をし、依然として残っていたHOAtをすべて除いた。該カートリッジをMeOH(2×1.5 mL)で調整後、粗生成物を該カートリッジに負荷した。該カートリッジを次いでMeOH(1×1.5 mL)で洗浄し、溶離液を集めた。生じた溶離液を減圧下蒸発させ、実施例346の化合物を得た(7.70 mg、37%)。
MS (E+) m/z: 542 (MH+).
【0242】
実施例347〜563
同様の方法で、実施例347〜563を製造した。
【表69】

【表70】

【表71】

【表72】

【表73】

【表74】

【表75】

【表76】

【表77】

【表78】

【表79】

【表80】

【表81】

【表82】

【表83】

【表84】

【表85】

【表86】

【表87】

【表88】

【表89】

【表90】

【表91】

【表92】

【表93】

【表94】

【表95】

【表96】

【表97】

【表98】

【表99】

【表100】

【表101】

【表102】

【表103】

【表104】

【表105】

【表106】

【表107】

【表108】

【表109】

【表110】

【表111】

【表112】

【表113】

【0243】
実施例564
【化84】

ステップ1
ストレプトミセス グリシー(Streptomyces griseus)ATCC 10137の凍結生育ストックから、2 mLを用い、脱イオン水1リットルあたり、デキストロース(10 g)、酵母抽出液(10 g)、麦芽抽出液(10 g)、ペプトン(1 g)を含むF7培地(100 mL)と、500 mLのフラスコ中インキュベートした(pHを7に調整し、次いで120℃で30分間滅菌)。培養液を3日間28℃で、回転式振とう器を250rpmに操作してインキュベートした。この培養液(2 mL)を用いて、F7培地(100 mL)を含んだ12本の500mlのフラスコそれぞれをインキュベートした。該フラスコを回転式振とう器を250rpmで操作して、17時間28℃でインキュベートした。製造16gのS異性体(8 mg、97.9%ee)のDMF(0.32 mL)溶液を、各フラスコに加えた。該フラスコを次いで、振とう器に戻し、28℃、250rpmでさらに9.5時間インキュベートした。該培養液を貯蔵し、マイクロチップを備えた高強度超音波プロセッサー(モデル: VCX600, Sonics & Material Inc.)で40%の出力で合計5分間超音波処理した。生じた混合物を酢酸エチル(600 mL)で抽出し、該酢酸エチル抽出物を蒸発乾固した。残渣をアセトニトリル(2 mL)に溶解し、YMC ODS−Aカラム(30mm ID×100 mm長, 5μ粒子径)でプレパラティブHPLC処理した。流速は30 mL/分であった。各ランにおいて、試料(0.5〜1 mL)を、水(溶媒A)−アセトニトリル(溶媒B)の容積比90/10の移動相のカラムに負荷し、以下のグラジエントプログラムを用いて分離した:3分間Bを10%;1分間Bを10%〜35%の直線的グラジエント;9分間Bを35%;1分間Bを35%〜60%の直線的グラジエント;4分間Bを60%; 1分間Bを60%〜90%の直線的グラジエント;4分Bを90%。検出(UV)は210 nmであった。BMS−585157を含むフラクションは、18〜19分の間に溶離した。BMS−585157のフラクションを貯蔵し、減圧下少量になるまで蒸発させ、次いで凍結乾燥した。BMS−585751の全量60 mgを、淡黄色の固形物として得た(収率62.5%)。反応および精製は、YMCパックドODS−AQカラム(4.6mm i.d.×15 cm l)を用い、ヒューレッドパッカード1100シリーズ液体クロマトグラフで分析してモニターした。1 mM HCl/水(溶媒A)およびアセトニトリル(溶媒B) の以下のグラジエントシステムを用いた:5分間Bを70%〜90%の直線的グラジエント;1.5分間Bを90%;0.5分間Bを90%〜70%の直線的グラジエント。流速は1.2 mL/分であり、UV検出は210nmであった。出発化合物および生成物の保持時間はそれぞれ、5.16分および2.76分であった。
1H-NMR 観察された化学シフト(比較とされるCD3CNシグナル δ 1.94): δ 7.33 (3H, m), 7.21 (1H, m), 7.15 (2H, m), 7.09 (2H, m), 4.61 (1H, dd, J1 = 5.8 Hz, J2 = 3.2 Hz, CH-3), 4.40 (1H, s, CH-11), 4.32 (1H, d, J = 3.5 Hz, CH-4), 3.51 (3H, s, CH3-19), 2.90 (1H, d, J = 6.0 Hz, OH), 0.93 (1H, s, CH3-18).
1H-1H NOE 観察された NOE: CH-4およびOH (CH-3が照射されたとき);CH-11およびOH (CH3-18が照射されたとき).
MS:+c APCI (m/z): 312 ([M+H2O]+), 294, 277.
【0244】
ステップ2
ステップ1の生成物(0.079 mmol, 23 mg)のMeOH(2 mL)溶液に、水酸化ナトリウム(1N NaOHの400 μL, 0.4 mmol)を加えた。75℃で4時間、室温で16時間後、反応混合物を1N HCl(3 mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×30 mL)で抽出した。有機相をNaSOで乾燥し、減圧濃縮し、ステップ2の生成物を得た(19.6 g、収率89%)。
【0245】
ステップ3
ステップ2の生成物(0.070 mmol, 19.6 mg)のアセトニトリル(1.0 mL)溶液に、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)(0.084 mmol, 16 mg)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(0.084 mmol, 11.5 mg)、トリエチルアミン(0.175 mmol, 17.7 mg)および製造1aの化合物(0.086 mmol, 21 mg)を加えた。生じた混合物を20時間80℃に加熱し、冷却し、MeOH(1.0 mL)で希釈した。希釈した反応混合物を次いでプレパラティブHPLCで精製し、標題化合物のTFA塩を得た。生成物を次いで固相抽出カートリッジ(500 mgハイロード, SCX強カチオン交換剤、 United Chemical Technologies,Inc製)を用いて中和した。該カートリッジをMeOH(2×1.5 mL)でコンディショニングした後、生成物をカートリッジにロードした。カートリッジを次いでMeOH(2×1.5 mL)、続いて2N NH/MeOH溶液で洗浄し、実施例564を得た(18.8 mg、55%)。
MS (E+) m/z: 507 (MH+).
【0246】
実施例565
【化85】

実施例178(20.0 mg, 0.04 mmol, 1.0当量)のジクロロメタン(5 mL)溶液に、0℃で三臭化ホウ素のジクロロメタン(1M, 0.20 mL, 0.20 mmol, 5当量)溶液を加えた。反応溶液を0℃で3時間攪拌し、室温まで加温し、室温で終夜攪拌した。次の日、反応溶液を氷浴中メタノールでクエンチした。粗生成物の混合物を逆相プレパラティブHPLCで精製し、続いて陽イオン交換SPEで中和し、実施例565を得た(5.4 mg、収率28%)。
LC/MS (m/z 489, (M+H)+).
【0247】
実施例566〜567
下表の実施例566〜567は、対応するメチルエーテル化合物からの同様の方法で製造した。
【表114】

【0248】
実施例568〜569
【化86】

ステップ1
製造16dの生成物(2.45 mmol, 650 mg)のTHF(10.0 mL)溶液に、−78℃でリチウムジイソプロピルアミド(2.94 mmol,2M ヘプタン/THF/エチルベンゼン溶液1.47 mL)を滴下して加えた。1時間後、ブロモアセトニトリル(3.68 mmol, 440 mg)のTHF(0.70 mL)溶液を滴下して加えた。該混合物を室温に加温した。16時間後、反応混合物を1N HCl(30 mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×30 mL)で抽出した。有機相を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィで精製し(20% 酢酸エチル/ヘキサンで溶離)、ステップ1の生成物を得た(510 mg、収率69%)。
【0249】
ステップ2
ステップ1の生成物(1.68 mmol, 510 mg)のTHF(3.4 mL)溶液に、水酸化リチウム(5N LiOHの1.7 mL)を加えた。20時間後、70℃で反応混合物を1N HCl(30 mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×30 mL)で抽出した。有機相をNaSOで乾燥し、減圧濃縮し、ステップ2の生成物を得た(410 mg、収率84%)。
【0250】
ステップ3
ステップ2の生成物(0.45 mmol, 130 mg)のジクロロメタン(2.0 mL)溶液に、シュウ酸クロリド(0.54 mmol,2Nジクロロメタン溶液の0.28 mL)およびDMF(2滴)を加えた。1時間後、室温で反応混合物を減圧濃縮し、次いでジクロロメタン(1.0 mL)に溶解した。生じた混合物に、次いでトリエチルアミン(0.54 mmol, 0.075 mL)およびメチルアミン(0.90 mmol,2M THF溶液の0.45 mL)を加えた。2時間後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、ジクロロメタン(3×30 mL)で抽出し、NaSOで乾燥し、減圧濃縮し、実施例568を得た(53 mg、収率39%)。
【0251】
ステップ4
ステップ3の生成物(0.132 mmol, 40 mg)のメタノール性アンモニア(7.0 mL)溶液に、5%ロジウムアルミナ(100 mg)を加えた。反応混合物を次いでパール(Parr)装置で55 psiのHで水素化した。20時間後、反応混合物をセライトで濾過し、減圧濃縮し、実施例569を得た(40 mg、収率 99%)。
【0252】
実施例570〜572
類似の方法で、実施例570〜572を製造した。
【表115】

【0253】
実施例573
【化87】

ステップ1
製造16dの生成物(3.90 mmol, 1.03 g)のTHF(8.0 mL)およびTMEDA(1.0 mL)溶液に、−78℃でリチウム ジイソプロピルアミド(4.69 mmol,2Mのヘプタン/THF/エチルベンゼン溶液の2.35 mL)を滴下して加えた。1時間後、反応混合物をエチレンジオキシドガスで飽和した。反応混合物を次いで、3時間かけて室温まで加温し、1N HCl(30 mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×30 mL)で抽出した。有機相を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ精製し(10% 酢酸エチル/ヘキサンで溶離)、ステップ1の生成物を得た(220 mg、収率22%)。
【0254】
ステップ2
ステップ1の生成物(0.471 mmol, 130 mg)のジクロロメタン(8.0 mL)溶液に、窒素下0℃でトリメチルアルミニウム(3.77 mmol,2Mトルエン溶液の1.88 mL)を加えた。反応混合物を0℃で20分間攪拌し、次いで室温で1時間攪拌した。2−アミノチアゾール(3.77 mmol, 377 mg)のジクロロメタン(5.0 mL)溶液を次いで加えた。還流下16時間後、反応混合物を1N HCl(30 mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×30 mL)で抽出した。有機相を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ精製し(5%メタノール/ジクロロメタンで溶離)、実施例573を得た(91 mg、収率51%)。
(E+) m/z: 376 (MH+).
【0255】
実施例574〜575
【化88】

ステップ1
実施例241(80 mg, 0.15 mmol)のメタノール(5 mL)溶液に、水酸化ナトリウム溶液(1.0 mL)(50%NaOHおよび水の1:1溶液)を加えた。反応溶液を5時間60℃に加熱した。該溶液を冷却し、HCl(6N)でクエンチした。生成物を酢酸エチル(3×)で抽出した。有機抽出物を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、実施例574を得た(68 mg、収率87%)。
LC/MS (m/z 517, (M+H)+).
【0256】
ステップ2
ステップ1の生成物(20 mg, 0.038 mmol, 1.0当量)のアセトニトリル(2 mL)溶液に、1−[3−(ジメチルアミノ) プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(DEC)(8.9 mg, 0.046 mmol, 1.2当量)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(6.3 mg. 0.046 mmol, 1.2当量)、トリエチルアミン(0.013 mL, 0.097 mmol, 2.5当量)、およびエチルアミン (2.1 mg, 0.046 mmol, 1.2当量)を加えた。反応溶液を18時間80℃に加熱し、続いて減圧濃縮した。生成物の混合物を逆相プレパラティブHPLCで精製し、続いてカチオン交換剤SPEで中和して、実施例575を得た(3.1 mg、14%)。
LC/MS (m/z 544, (M+H)+);
1H NMR (CDCl3) δ 8.22 (m, 1H), 7.89(m, 2H), 7.60 (d, 1H), 7.14-7.53 (m, 11 H), 7.03 (s, 1H), 4.46 (s, 1H), 3.69 (q, 2H), 2.85 (d, 1H), 1.83 (d, 1H), 1.36 (t, 3H), 1.12 (s, 3H).
【0257】
実施例576〜578
類似の方法で、実施例576〜578を製造した。
【表116】

【0258】
実施例579
【化89】

実施例240(28 mg, 0.056 mmol, 1.0当量)およびエチルアミン(3.0 mg, 0.067 mmol, 1.2当量)の混合物のメタノール(2 mL, 1.0%酢酸)溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(3.5 mg, 0.056 mmol, 1.2当量)を加えた。該溶液を室温で18時間攪拌した。該粗生成物の混合物を逆相プレパラティブHPLCで精製し、続いて陽イオン交換SPEで中和し、実施例579を得た(3.8 mg、13%)。
LC/MS (m/z 530, (M+H)+); 1H NMR (CDCl3) δ 8.25 (m, 1H), 7.87 (m, 2H), 7.62 (d, 1H), 7.51 (m, 3H), 7.06-7.52 (m, 7H), 7.06 (s, 1H), 4.40 (s, 1H), 3.7 (s, 2H), 2.99 (q, 2H), 2.60 (d, 1H), 1.58 (d, 1H), 1.28 (t, 3H), 1.19 (s, 3H).
【0259】
実施例580
同様の方法で実施例580を製造した。
【表117】

【0260】
実施例581
【化90】

実施例252の化合物(25 mg, 0.05 mmol)を、室温のエタノール(5 mL)および濃塩酸(0.25 mL)の溶液に溶解した。亜鉛末(20 mg)を加え、反応溶液を室温で24時間攪拌した。反応液を炭酸水素ナトリウム溶液(10%)および酢酸エチルでクエンチした。有機相を1N水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し、減圧濃縮して、粗生成物の混合物を得た。生成物をプレパラティブHPLCで精製し、続いて陽イオン交換SPEで精製し、実施例581の生成物を得た(4.1 mg、収率16%)。
MS (m/z 502 (M+H)+).
【0261】
実施例582
【化91】

実施例112の化合物(33 mg, 0.070 mmol)の無水ジエチルエーテル(1.50 mL)溶液に、室温で1.0Mの水素化アルミニウムリチウムのTHF溶液(0.18 mL、0.180 mmol, 2.6当量)を加えた。室温で3時間攪拌後、水素化アルミニウムリチウム溶液をさらに0.18 mL(0.180 mmol, 2.6当量)加え、反応をさらに促進させた。該混合物を室温で48時間攪拌し、メタノール(0.15 mL)を滴下して加え、次いで水(0.15 mL)、次いで飽和KOH水(20 mL)を加えてクエンチした。酢酸エチル(2×30 mL)で抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮した。プレパラティブHPLCを用いて粗物質を精製した。生成物を、溶離液としてメタノールを用い、塩基性SCXカートリッジを通して、遊離塩基化した。溶媒を除いて、固形状のの白色膜状物として実施例582の化合物を得た(2.5 mg、8%)。
LC/MS (m/z 459, (M+H)+).
【0262】
実施例583
【化92】

ステップ1:7−メトキシ−2−メチル−キノリニル−4−ボロン酸
公知の方法(引用文献: Abe, Y. et. al. J. Med. Chem. 1998, 41, 4062-4097)に従い製造した4−ブロモ−7−メトキシ−2−メチル−キノリン(700 mg, 2.8 mmol)のTHF(15 mL)溶液に、−78℃でホウ酸トリイソプロピル(1.3 mL, 5.6 mmol)およびt−ブチルリチウム(1.7M,5.0 mL)を加えた。該溶液を次いでゆっくり室温に加温し、終夜攪拌を続けた。翌朝、該溶液を1N HCl(1.5 mL)でクエンチし、THFをデカントして固形物を得た。該固形物をMeOHに溶解し、CHClで希釈した。該溶液を濾過し、濾液を濃縮し、7−メトキシ−2−メチル−キノリニル−4−ボロン酸を得た(560 mg, 90%)。
MS (ESI) (M+1) = 218.26.
【0263】
ステップ2:4−(5−ブロモ−2−ニトロ−1H−イミダゾール−4−イル)−7−メトキシ−2−メチル−キノリン
ステップ1からのボロン酸化合物(560 mg, 2.6 mmol)および公知の方法(引用文献: Palmer, B. D. et. al. J. Chem. Soc. Perkin Trans I, 1989, 95-99)に従い製造した4,5−ジブロモ−2−ニトロ−1H−イミダゾール(380 mg, 1.4 mmol)のTHF(50 mL)溶液に、飽和KCO(20 mL)を加えた。この溶液に、30分間N気流を吹き込み、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(200 mg、0.17 mmol)を加えた。該溶液を終夜80℃に加熱した。冷却後、該溶液をEtOAcで希釈し、有機層を分液し、食塩水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥した。濾過し、濃縮後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィで精製し、目的の4−(5−ブロモ−2−ニトロ−1H−イミダゾール−4−イル)−7−メトキシ−2−メチル−キノリンを得た(114 mg, 15%)。
MS (ESI) (M+1) = 363.29, 365.29.
【0264】
ステップ3:4−(7−メトキシ−2−メチル−キノリン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イルアミン
ステップ2の生成物(114 mg, 0.31 mmol)のMeOH(15 mL)溶液に、10% Pd/C(100 mg)を加え、該溶液をHでパージした。該溶液を次いでH雰囲気下終夜攪拌した。濾過し、濃縮後、目的の4−(7−メトキシ−2−メチル−キノリン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イルアミン(90 mg, 87%)をHBr塩として得た。
MS (ESI) (M+1) = 255.33.
【0265】
ステップ4
【化93】

実施例1に記載の類似の方法に従い、ステップ3の生成物(32 mg, 0.095mmol)および製造17Eの酸化合物(39 mg, 0.12mmol)のカップリング反応で、実施例583の化合物を得た(26 mg, 50%)。
MS (ESI) (M+1) = 546.33.
【0266】
実施例584〜586
実施例583の製造と類似の方法で、実施例584〜586は、製造17Eの酸化合物および適当な4−(キノリン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イルアミンもしくは4−イソキノリン−5−イル−1H−イミダゾール−2−イルアミンから製造した。該アミン化合物は、実施例583のステップ1〜3に記載の方法に従い、すなわち、4,5−ジブロモ−2−ニトロ−1H−イミダゾールおよび対応するブロモ−キノリンもしくはブロモ−イソキノリンから得たボロン酸のPd触媒カップリング反応、続く水素化反応を経由して製造した。
【表118】

【0267】
実施例587
【化94】

実施例212(50 mg, 0.091 mmol)およびシアン化銅(10 mg, 0.11 mmol)のDMF(2 mL)懸濁液を、乾燥した重壁のパイレックス管に投入し、窒素を流し込み強く栓をした。該管をマイクロ波(Smith Workstation 300W Magnetron製 @ 2.45 GHz)に置き、2.25時間攪拌しながら200℃に加熱した。該管を室温まで冷却した後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、茶褐色の油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィ(Isco シリカゲル, 4 gカラム, 10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、灰白色の固形物として実施例587を得た( 25 mg, 収率55%)。
1H NMR (CDCl3) δ 8.67 (bs, NH), 8.36 (d, 1H), 8.32 (d, 1H), 7.95 (d, 1H), 7.73 (t, 1H), 7.62-7.69 (m, 2H), 7.26-7.38 (m, 4H), 7.15-7.20 (m, 3H), 7.14 (s, 1H), 7.09 (t, 1H), 4.37-4.46 (m, 2H), 2.65 (dd, 1H), 1.65 (dd, 1H), 1.18 (s, 3H);
HPLC tR = 4.2分;
LC/MS m/z 498 (M+H)+.
【0268】
実施例588〜645
実施例1に記載と類似方法で、実施例588〜645を対応する酸およびアミン化合物のカップリングから製造した。市販品として入手できないアミンまたは酸化合物の製造は、この文書の先の製造セクションに記載されている。下表のすべての実施例は、特に断りがなければラセミ体である。一方のエナンチオマーを優位な、または単一の構成成分だけである下表の実施例は、RまたはSのいずれかとして示されている。キラルカラムでエナンチオマーを分離するのに、本文書の先の製造セクションに記載された方法を用いた。
【表119】

【表120】

【表121】

【表122】

【表123】

【表124】

【表125】

【表126】

【表127】

【表128】

【表129】

【0269】
実施例646
【化95】

実施例178(100 mg, 0.29 mmol, 1.0当量)のアセトニトリル(5 mL)溶液に、N−ヨウ化コハク酸イミド(65 mg, 0.29 mg, 1.0当量)を加えた。該溶液を室温で2時間攪拌した。該溶液を飽和重亜硫酸ナトリウム溶液でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物の混合物をフラッシュクロマトグラフィ(20% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、実施例647の化合物を得た(22.7 mg、16%)。
LC/MS (m/z 629, (M+H)+).
【0270】
実施例647〜648
実施例646に類似の方法で、実施例s 647〜649を製造した。
【表130】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の構造:
【化1】

[式中、
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロへテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シアノアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールオキシアルキル、またはヒドロキシアリールであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリールアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シアノアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、ニトロ、アミノ、CHO、COアルキル、CONR、CHNR、COH、CHOH、CHNHR、NHCH、NHCHR、NHCOR、NHCONRまたはNHSOであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリールアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シアノアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アミノ、CHO、COアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、CONR、CHNR、COH、CHOH、CHNHR、NHCH、NHCHR、NHCOR、NHCONRまたはNHSOであり;
ここでRおよびRは、同一又は異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともにN、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
およびRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
およびRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、あるいはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
とRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
とRは、同一または異なって、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヒドロキシ、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシアリール、またはアリールオキシアルキルから独立して選ばれ;
とRは適宜、それらが結合している炭素原子とともに、O原子またはN原子を適宜含み得る3−から7員環を形成し得;
Zは、CONRまたはCHNRであり、ここでRとRは同一または異なって、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロアルケニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルから独立して選ばれ;
環Aは、飽和、一部飽和または不飽和の6員炭素環またはヘテロ環を表し;および
環Bは、飽和、一部飽和または不飽和の6員炭素環またはヘテロ環を表す;
但し:
I.ZがCONRであり、(a)RがCHまたはHであり、R、R、RおよびRがそれぞれ水素であるか、または(b)RおよびRがそれぞれ水素であり、RとRの一方がアルキルである場合;
(1)RとRの少なくとも一方は、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルまたはシクロヘテロアルキルアルキルであり(ここで該ヘテロアリールは無置換の
【化2】

または無置換の
【化3】

であり、該ヘテロアリールアルキルは無置換の
【化4】

または無置換の
【化5】

である);さらに
とRの他の一方は、水素以外であり、および/または環Aはヘテロ原子を含み、および/または環Bはヘテロ原子を含むか;あるいは
(2)RとRの一方は、アルキル、ヒドロキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニルまたはニトロで置換されたフェニルであり、さらに(a)該フェニルは、2またはそれ以上のハロ原子、および/または2またはそれ以上のヒドロキシ基で置換されていてもよい場合を除いて、水素、アルキル、ヒドロキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニルまたはニトロ以外の少なくとも一つの他の基で置換されていなければならない;および/または(b)RとRの他の一方は、水素以外であり、および/または(c)環Aはヘテロ原子を含み、および/または環Bはヘテロ原子を含むか;あるいは
(3)RとRの一方は、C−Cアルコキシで置換されたフェニルであり、ここで該フェニルは第二のC−Cアルコキシで置換され得ず、またはRとRの他方は水素以外であるか;あるいは
(4)RとRの少なくとも一方は、水素、無置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アルキルフェニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルであり、さらに(a)RとRの他方は水素、無置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アルキルフェニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキル以外の基であり、および/または(b)R、R、Rおよび/またはRの少なくとも一つは水素以外であり、および/または(c)Rは水素またはC−Cアルキル以外であり、および/または(d)環Aはヘテロ原子を含み、および/または環Bはヘテロ原子を含む;並びに
II.ZがCHNRであり、および/またはRとRの少なくとも一方が、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、フェニル、アルキルフェニル、フェニルアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアリール(ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルまたはイミダゾリニル)、またはシクロヘテロアルキル(4,5−ジヒドロ−イミダゾール−2−イル、ピペリジニルまたはピペラジニル)である場合;
(a)RとRの他方は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、フェニル、アルキルフェニル、フェニルアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキル、またはヒドロキシアルキル以外の基であり、および/または(b)R、R、Rおよび/またはRの少なくとも一つは水素またはC1−2アルキル以外であり、および/または(c)Rは水素またはC−Cアルキル以外であり、および/または(d)環Aはヘテロ原子を含み、および/または環Bはヘテロ原子を含み、および/または(e)RとRの一方はヒドロキシアルキル以外である]
を有する化合物、もしくはそのいずれかの立体異性体、またはそのプロドラッグエステル、もしくはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
環Aが構造:
【化6】

を有し、環Bが構造:
【化7】

[式中、
、X、XおよびXは、同一または異なって、CH、CH、CHR15、CR16、CR1617、N、NH、NR18、OまたはSから独立して選ばれ;
、X、X およびXは、同一または異なって、CH、CH、CHR19、CR20、CR2021、N、NH、NR22、OまたはSから独立して選ばれ、ここでR15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、同一または異なって、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびシクロヘテロアルキルから独立して選ばれ;および
該A環およびB環の各々は、最大2個の窒素環原子、最大2個の酸素環原子および多くとも1個の硫黄環原子を含む]
を有する請求項1の化合物。
【請求項3】
構造:
【化8】

を有する請求項1の化合物。
【請求項4】
構造:
【化9】

[式中、
RはHまたはアルキルであり;
はH、CN、NO、NH、CHO、COアルキル、CONRまたはCHNRから選ばれ;および
はH、CN、NO、NH、CHO、COアルキル、CONRまたはCHNRから選ばれる]
を有する請求項1の化合物。
【請求項5】
構造:
【化10】

[式中、RはH、CHまたはCであり、RはHまたはOHであり、およびRとRの一方はヘテロアリールである]
を有する請求項1の化合物。
【請求項6】
およびRの一方が
【化11】

[式中、Rは、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロおよびアルコキシから選ばれ、RはHまたはアルキルである]
である、請求項5の化合物。
【請求項7】
構造A:
【化12】

[式中、Xはアリールまたはアルキルである]、
構造B:
【化13】

[式中、Xはアリールである]、
構造C:
【化14】

[式中、Xはアリールである]、
構造D:
【化15】

[Xはアリール、アルキル、ヘテロアリールまたはハロであり、Rはアルキルである]、
構造E:
【化16】

[式中、Xはアリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである]、
構造F:
【化17】

[式中、
は、アルコキシカルボニル(COアルキル)、ニトロ、シアノ、または水素であり;
は、水素、COアルキル、ニトロ、シアノ、ホルミル、シクロヘテロアルキルカルボニル、アルキルアミノアルキルまたはアミノであり;
Xは、水素、アルキルまたはハロである]、または
構造G
【化18】

[Q=N、Y=CHであるか、またはQ=CH、Y=Nである]
を有する化合物。
【請求項8】
構造A:
【化19】

[式中、Xは1−ナフチル、1−(4−メチル)ナフチル、1−(4−フルオロ)ナフチル、1−(6−メトキシ)ナフチル、フェニル、t−ブチルである]、
構造B:
【化20】

[式中、Xは1−ナフチルである]、
構造C:
【化21】

[式中、Xは1−ナフチルである]、
構造D:
【化22】

[式中、RはCHまたはCであり;Xは、フェニル、t−ブチル、1−ナフチル、1−(4−フルオロ)ナフチル、ベンゾチオフェン−3−イル、1−(4−メチル)ナフチル、1−(2−メトキシ)ナフチル、1−(6−メトキシ)ナフチル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3−メチルフェニル、2−クロロフェニル、1−(4−メトキシ)ナフチル、1−(4−ブロモ)ナフチル、1−(4−ヨード)ナフチル、5−アントラセニル、1−アントラセニル、4−キノリン−1−イル、2−キノリン−1−イル、1−(4−シアノ)ナフチル、5−ヨード、4−ベンゾチオフェニル、1−(2−ヒドロキシ)ナフチル、1−(6−ヒドロキシ)ナフチル、または1−(4−ヒドロキシ)ナフチルである]、
構造E:
【化23】

[式中、Xは、フェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3−ピリジル、2−(4−ピリジル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、4−メチル−3−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、4−クロロフェニル、2−ナフチル、3−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−アジドフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3−エトキシフェニル、3−(メチルチオ)フェニル、4−(メチルチオ)フェニル、3−(アセチレニル)フェニル、4−メトキシ−3−ピリジル、3−シアノフェニル、2−メチル−4−メトキシフェニル、3−アジドフェニル、3−メチル−イソチアゾリル、1−メチル−ピラゾール−5−イル、または5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルである]、
構造F:
【化24】

【表1】

、構造G:
【化25】

【表2】

、構造H:
【化26】

【表3】

または構造I:
【化27】

[式中、Q=N、Y=CHであるか、またはQ=CH、Y=Nである]
を有する請求項7の化合物。
【請求項9】
構造:
【化28】

[式中、Rは、CH、Cまたは2−ヒドロキシエチルであり;
とRの一方はHであり;RとRの他方は、ベンゾチアゾール−2−イル、アルキルベンゾチアゾール−2−イル、アルコキシベンゾチアゾール−2−イル、ハロベンゾチアゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、4−(1−ナフチル)チアゾール−2−イル、2−キノリン−1−イル、またはヘテロアリールチオ、ヘテロアリール、ジアルキル、アルキル、アリールで適宜置換されたチアゾール(該アリールは、ハロ、アルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ジアルコキシ、カルボキシ、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヒドロキシアルキルアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、アルコキシアルキルアミノカルボニルまたはヘテロアリールアミノカルボニルで適宜置換され得る)であるが;但し、RとRの一方がチアゾール−2−イルである場合は、RはCまたは2−ヒドロキシエチルである]
を有する化合物。
【請求項10】
構造:
【化29】

[式中、XはH、6−CH、4−CHO、6−Clまたは6−Fである]
または、構造:
【化30】

[式中、Xは4,5−ジメチル、5−クロロ、4−メチル、5−メチル、4−フェニル、4−(1−ナフチル)、4−(2−ナフチル)、4−(4−フルオロナフチル−1−イル)、4−(4−メチルナフチル−1−イル)、4−(3−ニトロフェニル)、4−(6−ヒドロキシナフチル−1−イル)、4−[(1,2,4−トリアゾール−5−イル)チオ]メチル、4−安息香酸、4−(4−ブロモナフチル−1−イル)、4−(N−エチル)ベンズアミド、4−(N−2−メトキシフェニル)ベンズアミド、4−(N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド、4−(N−(ピロリジニル)ベンズアミド、4−(N−モルホリニル)ベンズアミド、4−(N−フェニル−N−メチル)ベンズアミド、3−(N−エチル)ベンズアミド、3−(N−2−メトキシフェニル)ベンズアミド、3−(N−2−メトキシエチル)ベンズアミド、3−(N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド、3−(N−メチル−N−フェニル)ベンズアミド、3−(N−4−アセチルピペラジニル−1−イル)ベンズアミド、3−(N−3−メトキシプロピル)ベンズアミド、2−(6−カルボキシ)ピリジン、3−(N−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)ベンズアミド、3−(N−3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンズアミド、3−(N−2,3−ジメトキシフェニル)ベンズアミド、3−(N−3−ジメトキシフェニル)ベンズアミド、3−(N−5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズアミド、3−(N−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズアミド、3−(N−5−クロロベンゾキサゾール−2−イル)ベンズアミド、3−(N−3−ベンゾニトリル)ベンズアミド、3−(N−4−メトキシ−3−ピリジル)ベンズアミド、5−(1,4−ベンゾジオキサン)、または4−(1,3−ベンゾジオキソール)である]
を有する請求項9の化合物。
【請求項11】
下記の構造:
【化31】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

を有する請求項1の化合物。
【請求項12】
下記の構造:
【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

を有する請求項1の化合物。
【請求項13】
構造:
【化32】

[式中、RはCH、Cであり;Rがニトロ、シアノ、Cl、Br、CH、−COOCH、ホルミルであり、RがHであるか;またはRがニトロ、シアノ、Cl、Br、CH、−COOCH、ホルミルであり、RがHである]
を有する化合物もしくはそのアルキルエステル、または構造:
【化33】

[式中、XはSまたはNHであり;Xは
【化34】

を有する化合物。
【請求項14】
構造:
【化35】

[式中、
RはCH、Cまたは2−ヒドロキシエチルであり、
RbはH、CN、NO、ハロゲン、アルキルまたはアミノであり;
XbはH、アリールアルコキシカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシアルキルアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール、アルコキシアルキルアミドカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、アリールアミノカルボニルアリールまたはヘテロアリールであるが;
但し、XbがHである場合は、RがCまたは2−ヒドロキシメチルであるか、またはRbがCNまたはNOである]
を有する請求項1の化合物。
【請求項15】
構造:
【化36】

【化37】

【化38】

を有する請求項14の化合物。
【請求項16】
構造:
【化39】

[式中、RはCH、Cまたは2−ヒドロキシエチルであり;RbはH、CN、NO、ハロゲン、アルキルまたはアミノであり;およびXcはアリール、キノリニルまたはイソキノリニルである]
を有する請求項1の化合物。
【請求項17】
構造:
【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

を有する請求項16の化合物。
【請求項18】
治療が必要な患者に請求項1の化合物の治療上の有効量を投与することからなる、その転写がグルココルチコイド受容体によって刺激または抑制される遺伝子発現産物に関連するGR関連疾患の予防、発症阻止または治療する方法、またはAP−1誘導の転写に関連する疾患の予防、発症阻止または治療する方法、またはAP−1依存性遺伝子発現関連疾患、すなわち、AP−1の調節制御下での遺伝子発現に関連する疾患の予防、発症阻止または治療する方法。
【請求項19】
該GR関連疾患が、内分泌疾患、リウマチ疾患、コラーゲン疾患、皮膚疾患、アレルギー性疾患、眼疾患、呼吸器疾患、血液病、胃腸疾患、炎症疾患、自己免疫疾患、腫瘍性疾患および代謝疾患である、炎症または免疫に関連する疾患または障害である請求項18の方法。
【請求項20】
該炎症または免疫に関連する疾患または障害が、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓、骨髄、角膜、小腸、皮膚の同種移植片、皮膚の同種移植、心臓弁異種移植、血清病、および移植片対宿主病の移植拒絶反応、
関節リウマチ関節炎、乾癬性関節炎、多発性硬化症、I型およびII型糖尿病、若年性糖尿病、肥満症、喘息、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、壊疸性膿皮症、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、乾癬、皮膚炎、皮膚筋炎;湿疹、乾性脂漏症、肺炎症、眼ブドウ膜炎、肝炎、グレーブス病、橋本甲状腺炎、自己免疫甲状腺炎、ベーチェットまたはジョージェン症候群、悪性または免疫溶血性貧血、アテローム性動脈硬化症、アジソン病、突発性副腎不全、自己免疫多腺性疾患、糸球体腎炎、強皮症、モルフィア、扁平苔癬、白斑症、円形脱毛症、自己免疫脱毛症、自己免疫下垂体機能不全、ギランバレー症候群、および肺胞炎;
接触過敏症、遅延型過敏、接触皮膚炎、じんま疹、皮膚アレルギー、呼吸器アレルギー、花粉症、アレルギー性鼻炎およびグルテン過敏型腸疾患、
骨関節炎、急性膵炎、慢性膵炎、急性呼吸窮迫症候群、セザリー症候群、再狭窄、狭窄症およびアテローム性動脈硬化症、
先天性副腎肥厚化、非化膿性甲状腺炎、癌に関連する高カルシウム血症、若年性リウマチ関節炎、強直性脊椎炎、急性および亜急性滑液包炎、急性非特異性腱鞘炎、急性痛風性関節炎、外傷後骨関節炎、骨関節炎の滑膜炎、上顆炎、急性リウマチ心臓炎、天疱瘡、水疱ヘルペス状皮膚炎、重症紅斑多形、剥脱性皮膚炎、乾癬、脂漏性皮膚炎、季節性または通年性アレルギー性鼻炎、気管支喘息、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、薬物過敏反応、アレルギー性結膜炎、角膜炎、帯状疱疹眼疾患、虹彩炎および虹彩毛様体炎、脈絡網膜炎、視神経炎、症候のサルコイドーシス、劇症性または播種性肺結核の化学療法、 成人の突発性血小板減少性紫斑病、成人の二次性血小板減少症、後天性(自己免疫)溶血性貧血、成人の白血病およびリンパ腫、小人の急性白血病、潰瘍性大腸炎、局所性腸炎、クローン病、ジョージェン症候群、自己免疫血管炎、多発性硬化症、重症筋無力症、敗血症、および慢性閉塞性肺疾患である、請求項19の方法。
【請求項21】
請求項1の化合物および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項22】
請求項1の化合物および
免疫抑制剤、抗癌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗真菌剤、抗生物質、抗血管過剰増殖剤、抗うつ剤、脂質降下剤、脂質調節剤、抗糖尿病剤、抗肥満症剤、降圧剤、血小板凝集阻害剤、および/または抗骨粗鬆症剤からなる組合せ医薬であり、
該抗糖尿病剤は、1、2、3またはそれ以上のビグアナイド、スルホニル尿素、グルコシダーゼ阻害剤、PPARアゴニスト、PPARα/γ両アゴニスト、SGLT2阻害剤、DP4阻害剤、aP2阻害剤、インスリン増感剤、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、インスリンおよび/またはメグリチナイドであり、
該抗肥満症剤は、ベータ3アドレナリン作動性アゴニスト、リパーゼ阻害剤、セロトニン(およびドパミン)再取り込み阻害剤、甲状腺受容体 アゴニスト、aP2阻害剤および/または摂食障害剤であり、
該脂質降下剤は、MTP阻害剤、HMG CoAリダクターゼ阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブリン酸誘導体、LDL受容体活性の上方制御剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、またはACAT阻害剤であり、
該降圧剤は、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、NEP/ACE阻害剤、カルシウムチャンネルブロッカーおよび/または β−アドレナリン作動性ブロッカーである組合せ医薬。
【請求項23】
該抗糖尿病剤が、1、2、3またはそれ以上のメトホルミン、グリブリド、グリメピリド、グリピリド、グリピジド、クロロプロパミド、グリクラジド、アカルボース、ミグリトール、ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシグリタゾン、インスリン、Gl−262570、イサグリタゾン、JTT−501、NN−2344、L895645、YM−440、R−119702、AJ9677、レパグリニド、ナテグリニド、KAD1129、AR−HO39242、GW−409544、KRP297、AC2993、LY315902、P32/98および/またはNVP−DPP−728Aであり、
該抗肥満症剤が、オーリスタット、ATL−962、AJ9677、L750355、CP331648、シブトラミン、トピラメート、アキソキン、デキサアンフェタミン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、および/またはマジンドールであり、
該脂質降下剤が、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチン、ビサスタチン、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブラート、アバシミベ、TS−962、MD−700、コレスタゲル、ナイアシンおよび/またはLY295427であり、
該降圧剤が、カプトプリル、フォシノプリル、エナラプリル、リシノプリル、キナプリル、ベナゼプリル、フェンチアプリル、ラミプリルまたはモエキシプリルであるACE阻害剤;オマパトリラト、[S[(R,R)]−ヘキサヒドロ−6−[(2−メルカプト−1−オキソ−3−フェニルプロピル)アミノ]−2,2−ジメチル−7−オキソ−1H−アゼピン−1−酢酸(ゲモパトリラト)またはCGS 30440であるNEP/ACE阻害剤;イルベサルタン、ロサルタンまたはバルサルタンであるアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;アムロジピンベシレート、プラゾシンHCl、ベラパミル、ニフェジピン、ナドロール、プロプラノロール、カルベジロール、またはクロニジンHClであり、
該血小板凝集阻害剤が、アスピリン、クロピドグレル、チクロピジン、ジピリダモールまたはイフェトロバンであり、
該免疫抑制剤が、サイクロスポリン、ミコフェノール酸、インターフェロン−ベータ、デオキシスペルゴリン、FK−506または抗IL−2であり、
該抗癌剤が、アザチオプリン、5−フルオロウラシル、シクロホスファミド、シスプラチン、メトトレキセート、チオテパ、またはカルボプラチンであり、
該抗ウイルス剤が、アバカビル、アシクロビル、ガンシクロビル、ジダノシン、またはビダラビンであり、
該抗炎症剤が、イブプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アスピリン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、ピロキシカム、プレドニゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾンまたは二酢酸トリアムシノロンである、請求項22の組合せ医薬。
【請求項24】
構造:
【化45】

[式中、
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロへテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シアノアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールオキシアルキル、またはヒドロキシアリールであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリールアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シアノアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、ニトロ、アミノ、CHO、COアルキル、CONR、CHNR、COH、CHOH、CHNHR、NHCH、NHCHR、NHCOR、NHCONRまたはNHSOであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリールアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シアノアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アミノ、CHO、COアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、CONR、CHNR、COH、CHOH、CHNHR、NHCH、NHCHR、NHCOR、NHCONRまたはNHSOであり;
ここでRおよびRは、同一又は異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともにN、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
およびRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
およびRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
とRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
とRは、同一または異なって、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヒドロキシ、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシアリール、またはアリールオキシアルキルから独立して選ばれ;
とRは適宜、それらが結合している炭素原子とともに、O原子またはN原子を適宜含み得る3−から7員環を形成し得;
とRは同一または異なって、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロアルケニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルから独立して選ばれ;
環Aは、フェニルもしくはピリジルと縮合した不飽和の6員炭素環またはヘテロ環を表し;および
環Bは、フェニルもしくはピリジルと縮合した不飽和の6員炭素環またはヘテロ環を表す;
但し:
(a)RがCHまたはHであり、R、R、RおよびRがそれぞれ水素であるか、または(b)RおよびRがそれぞれ水素であり、RとRの一方がアルキルである場合;
(1)RとRの少なくとも一方は、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルまたはシクロヘテロアルキルアルキルであり(ここで該ヘテロアリールは無置換の
【化46】

または無置換の
【化47】

であり、該ヘテロアリールアルキルは無置換の
【化48】

または無置換の
【化49】

である);さらに
とRの他の一方は、水素以外であり、および/または環Aはヘテロ原子を含み、および/または環Bはヘテロ原子を含むか;あるいは
(2)RとRの一方は、アルキル、ヒドロキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニルまたはニトロで置換されたフェニルであり、さらに(a)該フェニルは、2またはそれ以上のハロ原子、および/または2またはそれ以上のヒドロキシ基で置換されていてもよい場合を除いて、水素、アルキル、ヒドロキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニルまたはニトロ以外の少なくとも一つの他の基で置換されていなければならない;および/または(b)RとRの他の一方は、水素以外であり、および/または(c)環Aはヘテロ原子を含み、および/または環Bはヘテロ原子を含むか;あるいは
(3)RとRの一方は、C−Cアルコキシで置換されたフェニルであり、ここで該フェニルは第二のC−Cアルコキシで置換され得ず、またはRとRの他方は水素以外であるか;あるいは
(4)RとRの少なくとも一方は、水素、無置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アルキルフェニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルであり、さらに(a)RとRの他方は 水素、無置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アルキルフェニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキル以外の基であり、および/または(b)R、R、Rおよび/またはRの少なくとも一つは水素以外であり、および/または(c)Rは水素またはC−Cアルキル以外であり、および/または(d)環Aはヘテロ原子を含み、および/または環Bはヘテロ原子を含む]
を有する化合物、もしくはそのいずれかの立体異性体、またはそのプロドラッグエステル、もしくはその医薬的に許容される塩の製造方法であって、
構造:
【化50】

の化合物を、構造:
【化51】

の不飽和化合物で処理して、中間体:
【化52】

[式中、ZはCOHまたはCOアルキルである]
を形成し、上記中間体を構造:HNR
のアミンと反応させて、構造:
【化53】

の化合物を形成させることからなる方法。
【請求項25】
構造:
【化54】

[式中、
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロへテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シアノアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールオキシアルキル、またはヒドロキシアリールであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリールアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シアノアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、ニトロ、アミノ、CHO、COアルキル、CONR、CHNR、COH、CHOH、CHNHR、NHCH、NHCHR、NHCOR、NHCONRまたはNHSOであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリールアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シアノアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アミノ、CHO、COアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、CONR、CHNR、COH、CHOH、CHNHR、NHCH、NHCHR、NHCOR、NHCONRまたはNHSOであり;
ここでRおよびRは、同一又は異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともにN、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
およびRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
およびRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
とRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
とRは、同一または異なって、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヒドロキシ、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシアリール、またはアリールオキシアルキルから独立して選ばれ;
とRは適宜、それらが結合している炭素原子とともに、O原子またはN原子を適宜含み得る3−から7員環を形成し得;
とRは同一または異なって、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロアルケニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルから独立して選ばれ;
環Aは、フェニルもしくはピリジルと縮合した不飽和の6員炭素環またはヘテロ環を表し;および
環Bは、フェニルもしくはピリジルと縮合した不飽和の6員炭素環またはヘテロ環を表す;
但し:
(a)RがCHまたはHであり、R、R、RおよびRがそれぞれ水素であるか、または(b)RおよびRがそれぞれ水素であり、RとRの一方がアルキルである場合;
(1)RとRの少なくとも一方は、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルまたはシクロヘテロアルキルアルキルであり(ここで該ヘテロアリールは無置換の
【化55】

または無置換の
【化56】

であり、該ヘテロアリールアルキルは無置換の
【化57】

または無置換の
【化58】

である);さらに
とRの他の一方は、水素以外であり、および/または環Aはヘテロ原子を含み、および/または環Bはヘテロ原子を含むか;あるいは
(2)RとRの一方は、アルキル、ヒドロキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニルまたはニトロで置換されたフェニルであり、さらに(a)該フェニルは、2またはそれ以上のハロ原子、および/または2またはそれ以上のヒドロキシ基で置換されていてもよい場合を除いて、水素、アルキル、ヒドロキシ、ハロ、C−C−アルコキシカルボニルまたはニトロ以外の少なくとも一つの他の基で置換されていなければならない;および/または(b)RとRの他の一方は、水素以外であり、および/または(c)環Aはヘテロ原子を含み、および/または環Bはヘテロ原子を含むか;あるいは
(3)RとRの一方は、C−Cアルコキシで置換されたフェニルであり、ここで該フェニルは第二のC−Cアルコキシで置換され得ず、またはRとRの他方は水素以外であるか;あるいは
(4)RとRの少なくとも一方は、水素、無置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アルキルフェニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルであり、さらに(a)RとRの他方は水素、無置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アルキルフェニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキル以外の基であり、および/または(b)R、R、Rおよび/またはRの少なくとも一つは水素以外であり、および/または(c)Rは水素またはC−Cアルキル以外であり、および/または(d)環Aはヘテロ原子を含み、および/または環Bはヘテロ原子を含む]
を有するアミド化合物、もしくはそのいずれかの立体異性体、またはそのプロドラッグエステル、もしくはその医薬的に許容される塩の製造方法であって、
構造:
【化59】

[式中、RはHである]
の化合物を、塩基および構造:R−LG
[式中、RはH以外のRであり、LGは離脱基である]
の化合物で処理し、構造:
【化60】

[式中、RはH以外のR基である]
の化合物を形成し、上記化合物を構造:HNR
のアミンで処理して、対応するアミド化合物を形成させることからなる方法。
【請求項26】
構造:
【化61】

[式中、
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロへテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シアノアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールオキシアルキル、またはヒドロキシアリールであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリールアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シアノアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、ニトロ、アミノ、CHO、COアルキル、CONR、CHNR、COH、CHOH、CHNHR、NHCH、NHCHR、NHCOR、NHCONRまたはNHSOであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリールアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シアノアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アミノ、CHO、COアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、CONR、CHNR、COH、CHOH、CHNHR、NHCH、NHCHR、NHCOR、NHCONRまたはNHSOであり;
ここでRおよびRは、同一又は異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともにN、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
およびRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
およびRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
とRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
とRは、同一または異なって、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヒドロキシ、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシアリール、またはアリールオキシアルキルから独立して選ばれ;
とRは適宜、それらが結合している炭素原子とともに、O原子またはN原子を適宜含み得る3−から7員環を形成し得;
1aとR2aは同一または異なって、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロアルケニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルから独立して選ばれ;
環Aは、不飽和の6員炭素環またはヘテロ環を表し;および
環Bは、不飽和の6員炭素環またはヘテロ環を表す]
を有するアミド化合物、もしくはそのいずれかの立体異性体、またはそのプロドラッグエステル、もしくはその医薬的に許容される塩の製造方法であって、
化合物:
【化62】

[式中、RはHであり、R1aはH以外のRである]
を、構造:HNR1a
のアミン化合物で処理し、または
化合物:
【化63】

[式中、RはHであり、R1aはH以外のRである]
を塩基および構造:R2a−LG
[式中、LGは離脱基である]
の化合物で処理して、構造:
【化64】

の化合物を形成させることからなる方法。
【請求項27】
構造:
【化65】

[式中、
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロへテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シアノアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールオキシアルキル、またはヒドロキシアリールであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリールアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シアノアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、ニトロ、アミノ、CHO、COアルキル、CONR、CHNR、COH、CHOH、CHNHR、NHCH、NHCHR、NHCOR、NHCONRまたはNHSOであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリールアミノカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シアノアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アミノ、CHO、COアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、CONR、CHNR、COH、CHOH、CHNHR、NHCH、NHCHR、NHCOR、NHCONRまたはNHSOであり;
ここでRおよびRは、同一又は異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子とともにN、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
およびRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
およびRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
とRは、同一または異なって、水素、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルから独立して選ばれ、あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子とともに、N、OまたはSである1、2または3個のヘテロ原子を有する5−、6−または7員のヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環を形成し得;
とRは、同一または異なって、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヒドロキシ、アリールオキシ、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシアリール、またはアリールオキシアルキルから独立して選ばれ;
とRは適宜、それらが結合している炭素原子とともに、O原子またはN原子を適宜含み得る3−から7員環を形成し得;
とRは同一または異なって、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロアルケニル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシアリール、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルから独立して選ばれ;
環Aは、飽和、一部飽和または不飽和の6員炭素環またはヘテロ環を表し;および
環Bは、飽和、一部飽和または不飽和の6員炭素環またはヘテロ環を表す;
但し:
およびRの少なくとも一方が、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、フェニル、アルキルフェニル、フェニルアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアリール(ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルまたはイミダゾリニル)、またはシクロヘテロアルキル(4,5−ジヒドロ−イミダゾール−2−イル、ピペリジニルまたはピペラジニル)である場合;
(a)RとRの他方は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、フェニル、アルキルフェニル、フェニルアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアルキル、アリール、アルコキシアルキル、またはヒドロキシアルキル以外の基であり、および/または(b)R、R、Rおよび/またはRの少なくとも一つは水素またはC1−2アルキル以外であり、および/または(c)Rは水素またはC−Cアルキル以外であり、および/または(d)環Aはヘテロ原子を含み、および/または環Bはヘテロ原子を含み、および/または(e)RとRの一方はヒドロキシアルキル以外である]
を有するアミド化合物、もしくはそのいずれかの立体異性体、またはそのプロドラッグエステル、もしくはその医薬的に許容される塩の製造方法であって、
構造:
【化66】

[各基は請求項1と同義]
のアミド化合物を還元剤で処理して、対応するアミン化合物を形成させることからなる方法。
【請求項28】
該還元剤が水素化アルミニウムリチウムである請求項27の方法。
【請求項29】
A、B、Z、R、R、R、RまたはRがヒドロキシアリール基を含む請求項1の化合物の製造方法であって、
構造:
【化67】

[A、B、Z、R、R、R、RまたはRの1つまたはそれ以上はアリール−Oアルキルを含む]
を調製し、上記化合物を脱アルキル化剤と反応させて、構造
【化68】

[対応するA、B、Z、R、R、R、RまたはRはアリール−OHを含む]
のフェノール化合物を形成させることからなる方法。
【請求項30】
該脱アルキル化剤が三臭素化ホウ素またはメチルスルフィドナトリウムである請求項29の方法。
【請求項31】
またはRがCHOH、CHNHR、CHNR、CHNHRまたはCHNRである請求項1の化合物を製造する方法であって、
またはRがCHOである請求項1のアルデヒド化合物を調製し、該アルデヒド化合物を還元または還元的アミノ化に付すことからなる方法。
【請求項32】
またはRがNHCH、NHCHR、NHCHまたはNHCHRである請求項1のアミド化合物を製造する方法であって、
またはRがNHである請求項1のアミン化合物を調製し、該アミン化合物を還元的アミノ化に付すことからなる方法。
【請求項33】
またはRがCONRまたはCONRである請求項1のアミド化合物を製造する方法であって、
またはRがCOHである請求項1の酸化合物を調製し、該酸をアミド化して対応するアミド化合物を形成させることからなる方法。
【請求項34】
またはRがNHである請求項1のアミン化合物を製造する方法であって、
またはRがNOである請求項1のニトロ化合物を調製し、該ニトロ化合物を還元して対応するアミン化合物を形成させることからなる方法。

【公表番号】特表2006−508042(P2006−508042A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−523482(P2004−523482)
【出願日】平成15年7月17日(2003.7.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/022300
【国際公開番号】WO2004/009017
【国際公開日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
テフロン
パイレックス
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】