説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】FUSI化されたゲート電極を有する半導体装置においても、ストレッサ膜を有効に形成できるようにして、半導体装置の電気的特性を向上できるようにする。
【解決手段】半導体装置は、半導体基板1の上に形成され、ニッケルによりフルシリサイド化されたフルシリサイドゲート電極24Aを有するn型MISトランジスタ100Aと、ニッケルによりフルシリサイド化されたフルシリサイドゲート電極24Bを有するp型MISトランジスタ100Bとを有している。半導体基板1上には、該半導体基板1におけるフルシリサイドゲート電極24Aの下側部分のチャネル領域に応力歪みを生じさせるストレッサ膜である第2の下地絶縁膜17が、少なくともフルシリサイドゲート電極24Aを覆うように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、フルシリサイド(Fully Silicided:FUSI)構造を持つゲート電極を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ますます微細化を続けるCMIS(complementary metal-insulator-semiconductor)デバイスにおいて、ゲート電極の空乏化を防止する目的で、ゲート電極をメタル化したメタルゲート電極の検討が盛んに行なわれている。なかでも、ポリシリコンからなるゲート電極を完全にシリサイド(FUSI)化したシリサイド電極であるFUSIゲート電極が提案されている。
【0003】
以下、第1の従来例に係る半導体装置及びその製造方法について図12(a)〜図12(c)を参照しながら説明する(非特許文献1を参照)。図12(a)に示すように、半導体基板101は素子分離領域102により、n型MISトランジスタが形成されるNMIS領域Aとp型MISトランジスタが形成されるPMIS領域Bとに区画されている。
【0004】
まず、半導体基板101上のNMIS領域A及びPMIS領域Bに、それぞれゲート絶縁膜103A、103B及びポリシリコンからなるゲート形成用シリコン膜104A、104Bを順次形成してパターニングし、パターニングされたゲート形成用シリコン膜104A、104Bをそれぞれマスクとして、半導体基板101にn型エクステンション領域105A、P型エクステンション領域105Bをそれぞれ形成する。その後、各ゲート絶縁膜103A、103Bを含め各ゲート形成用シリコン膜104A、104Bの両側面上に、それぞれ絶縁性のサイドウォール106を形成する。続いて、半導体基板101に各ゲート形成用シリコン膜104A、104B及各びサイドウォール106をマスクとしてn型ソースドレイン領域107Aと、p型ソースドレイン領域107Bとをそれぞれ形成する。その後、半導体基板101における露出したn型ソースドレイン領域107A及びp型ソースドレイン領域107bの上部をそれぞれニッケル等によりシリサイド化してそれぞれシリサイド膜107a、107bを形成する。その後、半導体基板101の全面に、絶縁性のエッチングストッパ膜108と層間絶縁膜109とを各ゲート形成用シリコン膜104A、104B及び各サイドウォール106を覆うように堆積した後、堆積した層間絶縁膜109の上部を研磨して各ゲート形成用シリコン膜104A、104Bを露出する。
【0005】
次に、図12(b)に示すように、層間絶縁膜109のNMIS領域Aを覆うレジストパターン110を形成し、その後、PMIS領域Bのゲート形成用シリコン膜104Bの上部をエッチングにより除去する。
【0006】
次に、図12(c)に示すように、レジストパターン110を除去した後、各ゲート形成用シリコン膜104A、104Bをニッケルによりそれぞれフルシリサイド化して、NMIS領域Aにシリサイドゲート電極114Aを形成し、PMIS領域Bにシリサイドゲート電極114Bを形成する。第1の従来例においては、PMIS領域Bにおけるシリサイドゲート電極114Bは、NMIS領域Aのシリサイドゲート電極114Aと比べてポリシリコンのニッケルに対する反応量を減らしているため、ニッケルの組成比が高くなっている。
【0007】
一方、第2の従来例として、MISトランジスタの駆動力を向上する目的で、大きな応力を持つ絶縁膜でトランジスタを覆うことにより、半導体基板のゲート電極の下側に位置するチャネル領域に応力歪みを与える構成が提案されている。例えば、非特許文献2には、n型MISトランジスタは引っ張り応力を持つシリコン窒化膜で覆い、p型MISトランジスタは圧縮応力を持つシリコン窒化膜で覆うことにより、各チャネル領域に応力歪みを与えて、トランジスタの特性を向上させる手法が記載されている。なお、非特許文献2に係るゲート電極はフルシリサイド化されていない。
【0008】
以下、本願明細書においては、このようなトランジスタのチャネル領域に応力歪みを与える絶縁膜をストレッサ膜と呼ぶこととする。
【非特許文献1】IEDM Tech.Dig.2004,pp.95−98
【非特許文献2】IEDM Tech.Dig.2004,pp.213−216
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記第1の従来例に係る半導体装置の製造方法は、FUSI化されたシリサイドゲート電極114A、114Bを形成する際に、ゲート形成用シリコン膜104A、104Bを形成した後、該ゲート形成用シリコン膜104A、104Bの上面を露出した状態でシリサイド化するため、第2の従来例のように、ストレッサ膜でシリサイドゲート電極114A、114Bを覆うことができないという問題がある。
【0010】
前記に鑑み、本発明は、FUSI化されたゲート電極を有する半導体装置においても、ストレッサ膜を有効に形成できるようにして、半導体装置の電気的特性を向上できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するため、本発明は、半導体装置及びその製造方法を、トランジスタのゲート電極をFUSI化した後にトランジスタの全体をストレッサ膜で覆う構成とする。
【0012】
具体的に、本発明に係る半導体装置は、半導体領域における第1の領域に形成された第1導電型の第1のMISトランジスタを備えた半導体装置を対象とし、第1のMISトランジスタは、第1の領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜上に形成され、金属によりフルシリサイド化された第1のゲート電極と、第1の領域における第1のゲート電極の側方に形成された第1のソースドレイン領域と、第1のゲート電極及び第1のソースドレイン領域を覆うように形成され、第1の領域における第1のゲート電極の下側部分に応力歪みを生じさせる絶縁膜とを備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明の半導体装置によると、半導体領域における第1の領域上に、第1のゲート電極及び第1のソースドレイン領域を覆うように形成され、第1の領域における第1のゲート電極の下側部分に応力歪みを生じさせる絶縁膜(すなわちストレッサ膜)を備えているため、第1のトランジスタにおける第1のゲート電極の下側部分すなわちチャネル領域に応力歪みを確実に生じさせることができる。その結果、第1のトランジスタの電気的特性を向上させることができる。
【0014】
本発明の半導体装置は、半導体領域における第2の領域に形成された第2導電型の第2のMISトランジスタをさらに備え、第2のMISトランジスタは、第2の領域上に形成された第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜上に形成され、金属によりフルシリサイド化された第2のゲート電極と、第2の領域における第2のゲート電極の側方に形成された第2のソースドレイン領域と、少なくとも第2のソースドレイン領域を覆うように形成された絶縁膜とを備えていることが好ましい。このようにすると、相補型MIS(CMIS)トランジスタを実現できる。
【0015】
本発明の半導体装置において、第1導電型はn型で且つ第2導電型はp型であり、応力歪みは引っ張り応力歪みであることが好ましい。
【0016】
本発明の半導体装置が第2のMISトランジスタを備えている場合に、第1のゲート電極及び第2のゲート電極は互いのシリサイド組成が同一であってもよい。
【0017】
この場合に、第1のゲート絶縁膜及び第2のゲート絶縁膜は、シリコン、酸素及び窒素を主成分とするゲート絶縁膜であることが好ましい。
【0018】
本発明の半導体装置が第2のMISトランジスタを備えている場合に、第1のゲート電極及び第2のゲート電極は互いのシリサイド組成が異なり、且つ、第1のゲート絶縁膜及び第2のゲート絶縁膜は、高誘電体からなるゲート絶縁膜であることが好ましい。
【0019】
本発明の半導体装置が第2のMISトランジスタを備えている場合に、絶縁膜は第2のゲート電極の上をも覆っていてもよい。
【0020】
本発明の半導体装置が第2のMISトランジスタを備えている場合に、絶縁膜は第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とを有し、第1のゲート電極及び第2のゲート電極の上には、絶縁膜のうち第2の絶縁膜のみが形成されており、第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域の上には、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜が順次形成されていることが好ましい。
【0021】
本発明の半導体装置は、第2のMISトランジスタを備えている場合に、第1のゲート電極の側面上に形成された第1のサイドウォールと、第2のゲート電極の側面上に形成された第2のサイドウォールとをさらに備え、絶縁膜は第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とを有し、第1のゲート電極及び第2のゲート電極の上には、絶縁膜のうち第2の絶縁膜のみが形成されており、第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域の上には、絶縁膜のうち第2の絶縁膜のみが形成されており、第1のサイドウォール及び第2のサイドウォールの側面上には、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜が順次形成されていてもよい。
【0022】
本発明の半導体装置が第2のMISトランジスタを備えている場合に、絶縁膜は第2のゲート電極の上には形成されていないことが好ましい。
【0023】
本発明の半導体装置が第2のMISトランジスタを備えている場合に、絶縁膜は第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とを有し、第1のゲート電極の上には、絶縁膜のうち第2の絶縁膜のみが形成されており、第1のソースドレイン領域の上には、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜が順次形成されており、第2のソースドレイン領域の上には、絶縁膜のうち第1の絶縁膜のみが形成されていることが好ましい。
【0024】
本発明の半導体装置が第2のMISトランジスタを備えている場合に、絶縁膜は第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜よりも膜厚が薄い第2の絶縁膜とを有し、第1のゲート電極の上及び第1のソースドレイン領域の上には、絶縁膜のうち第1の絶縁膜のみが形成されており、第2のソースドレイン領域の上には、絶縁膜のうち第2の絶縁膜のみが形成されていることが好ましい。
【0025】
本発明の半導体装置は、第2のMISトランジスタを備えている場合に、第1のゲート電極の側面上に形成された第1のサイドウォールと、第2のゲート電極の側面上に形成された第2のサイドウォールとをさらに備え、絶縁膜は、第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜よりも膜厚が薄い第2の絶縁膜とを有し、第1のゲート電極の上及び第1のソースドレイン領域の上には、絶縁膜のうち第1の絶縁膜のみが形成されており、第1のサイドウォールの側面上には、第2の絶縁膜及び第1の絶縁膜が順次形成されており、第2のソースドレイン領域の上及び第2のサイドウォールの側面上には、絶縁膜のうち第2の絶縁膜のみが形成されていることが好ましい。
【0026】
本発明の半導体装置が第2のMISトランジスタを備えている場合に、第2のソースドレイン領域の上には絶縁膜を介在させて層間絶縁膜が形成されており、第1のソースドレイン領域の上には層間絶縁膜が形成されていないことが好ましい。
【0027】
本発明の半導体装置において、絶縁膜は第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とを有し、第1のゲート電極の上には、絶縁膜のうち第2の絶縁膜のみが形成されており、第1のソースドレイン領域の上には、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜が順次形成されていることが好ましい。
【0028】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体領域における第1の領域上に第1のゲート絶縁膜を形成する工程(a)と、第1のゲート絶縁膜上にゲートパターンを有する第1のゲート形成用シリコン膜を形成する工程(b)と、第1の領域におけるゲート形成用シリコン膜の側方に第1導電型の第1のソースドレイン領域を形成する工程(c)と、工程(c)よりも後に、第1のゲート形成用シリコン膜の上に第1の金属膜を堆積し熱処理を行なうことにより、第1の金属膜により第1のゲート形成用シリコン膜がフルシリサイド化された第1のゲート電極を形成する工程(d)と、第1のゲート電極及び第1のソースドレイン領域上に、第1の領域に応力歪みを生じさせる絶縁膜を形成する工程(e)とを備えていることを特徴とする。
【0029】
本発明の半導体装置の製造方法によると、ゲートパターンを有する第1のゲート形成用シリコン膜をフルシリサイド化して第1のゲート電極を形成した後、半導体領域における第1の領域上に該第1の領域に応力歪みを生じさせる絶縁膜(すなわちストレッサ膜)を第1のゲート電極及び第1のソースドレイン領域上に形成するため、第1のトランジスタにおける第1のゲート電極の下側部分すなわちチャネル領域に応力歪みを確実に生じさせることができる。その結果、第1のトランジスタの電気的特性を向上させることができる。
【0030】
本発明の半導体装置の製造方法において、工程(a)では、半導体領域における第2の領域上に第2のゲート絶縁膜を形成し、工程(b)では、第2のゲート絶縁膜上にゲートパターンを有する第2のゲート形成用シリコン膜を形成し、工程(c)は、第2の領域における第2のゲート形成用シリコン膜の側方に第2導電型の第2のソースドレイン領域を形成する工程を含み、工程(d)では、第2のゲート形成用シリコン膜の上に第1の金属膜を堆積し熱処理を行なうことにより、第1の金属膜により第2のゲート形成用シリコン膜がフルシリサイド化された第2のゲート電極を形成することが好ましい。
【0031】
本発明の半導体装置の製造方法は、第2の領域上に第2のゲート絶縁膜を形成する場合に、工程(c)と工程(d)との間に、第1の領域及び第2の領域の上に、第1の領域に応力歪みを生じさせる第1の絶縁膜を形成する工程(f)と、第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の上の第1の絶縁膜を除去する工程(g)とをさらに備え、工程(e)では、第1のゲート電極、第2のゲート電極、第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域を覆うように、絶縁膜となる第2の絶縁膜を形成することが好ましい。このようにすると、第1及び第2のゲート電極をフルシリサイド化するために、第1の絶縁膜の各ゲート形成用シリコン膜の上側部分を除去したとしても、第2の第1のゲート電極、第2のゲート電極、第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域を覆うように、絶縁膜となる第2の絶縁膜を形成するため、第1のトランジスタにおける第1のゲート電極の下側部分すなわちチャネル領域に応力歪みを確実に生じさせることができる。
【0032】
本発明の半導体装置の製造方法は、第2の領域上に第2のゲート絶縁膜を形成する場合に、工程(c)と工程(d)との間に、第1の領域及び第2の領域の上に、第1の領域に応力歪みを生じさせる第1の絶縁膜を形成する工程(f)と、第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の上の第1の絶縁膜を除去する工程(g)とを備え、工程(d)と工程(e)との間に、第1の領域及び第2の領域の上の第1の絶縁膜を除去する工程(h)を備え、工程(e)では、第1のゲート電極、第2のゲート電極、第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域を覆うように、絶縁膜となる第2の絶縁膜を形成することが好ましい。
【0033】
本発明の半導体装置の製造方法は、第2の領域上に第2のゲート絶縁膜を形成する場合に、工程(b)と工程(c)との間に、第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の側面上に、第1のサイドウォール及び第2のサイドウォールを形成する工程(f)を備え、工程(c)と工程(d)との間に、第1の領域及び第2の領域の上に、第1の領域に応力歪みを生じさせる第1の絶縁膜を形成する工程(g)と、第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の上の第1の絶縁膜を除去する工程(h)とを備え、工程(d)と工程(e)との間に、第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域の上の第1の絶縁膜を除去し、第1のサイドウォール及び第2のサイドウォールの側面上に第1の絶縁膜を残存させる工程(i)を備え、工程(e)では、第1のゲート電極、第2のゲート電極、第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域を覆うように、絶縁膜となる第2の絶縁膜を形成してもよい。
【0034】
本発明の半導体装置の製造方法は、第2の領域上に第2のゲート絶縁膜を形成する場合に、工程(c)と工程(d)との間に、第1の領域及び第2の領域の上に、第1の領域に応力歪みを生じさせる第1の絶縁膜を形成した後、第1の絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する工程(f)と、第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の上の第1の絶縁膜及び層間絶縁膜を除去する工程(g)と、工程(g)よりも後に、第1の領域の上の層間絶縁膜を除去する工程(h)とを備え、工程(e)では、第1の領域及び第2の領域の上に第2の絶縁膜を形成した後、第2の領域の上に形成された第2の絶縁膜を除去することにより、第2の絶縁膜からなる絶縁膜を形成することが好ましい。このようにすると、半導体領域における第2の領域に形成された第2のトランジスタにおける第2のゲート電極の下側部分すなわち第2のトランジスタのチャネル領域に生じる応力歪みを低減することができる。
【0035】
本発明の半導体装置の製造方法は、第2の領域上に第2のゲート絶縁膜を形成する場合に、工程(c)と工程(d)との間に、第1の領域及び第2の領域の上に、第1の領域に応力歪みを生じさせる第1の絶縁膜を形成した後、第1の絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する工程(f)と、第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の上の第1の絶縁膜及び層間絶縁膜を除去する工程(g)と、工程(g)よりも後に、第1の領域の上の層間絶縁膜及び第1の絶縁膜を除去する工程(h)とを備え、工程(e)では、第1の領域及び第2の領域の上に第2の絶縁膜を形成した後、第2の領域の上に形成された第2の絶縁膜を除去することにより、第2の絶縁膜からなる絶縁膜を形成してもよい。
【0036】
本発明の半導体装置の製造方法は、第2の領域上に第2のゲート絶縁膜を形成する場合に、工程(b)と工程(c)との間に、第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の側面上に、第1のサイドウォール及び第2のサイドウォールを形成する工程(f)を備え、工程(c)と工程(d)との間に、1の領域及び第2の領域の上に、第1の領域に応力歪みを生じさせる第1の絶縁膜を形成した後、第1の絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する工程(g)と、第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の上の第1の絶縁膜及び層間絶縁膜を除去する工程(h)と、工程(h)よりも後に、第1の領域の上の層間絶縁膜を除去する工程(i)と、工程(i)よりも後に、第1のソースドレイン領域の上の第1の絶縁膜を除去し、第1のサイドウォールの側面上に第1の絶縁膜を残存させる工程(j)とを備え、工程(e)では、第1の領域及び第2の領域の上に第2の絶縁膜を形成した後、第2の領域の上に形成された第2の絶縁膜を除去することにより、第2の絶縁膜からなる絶縁膜を形成してもよい。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、FUSI化されたゲート電極を有する半導体装置においても、ストレッサ膜を有効に形成することができるため、半導体装置の電気的特性例えば電流駆動能力を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0039】
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示している。図1に示すように、例えばシリコン(Si)からなる半導体基板1は、シャロートレンチアイソレーション(STI)よりなる素子分離領域2によって、n型MISトランジスタ形成領域Rnとp型MISトランジスタ形成領域Rpとに区画されている。
【0040】
n型MISトランジスタ形成領域Rnに形成されたn型MISトランジスタ100Aは、半導体基板1のp型ウェル領域(図示せず)上に形成された例えば酸窒化シリコン(SiON)からなるゲート絶縁膜3Aと、該ゲート絶縁膜3Aの上に形成されたニッケル(Ni)によりFUSI化されたフルシリサイドゲート電極24Aと、半導体基板1の上部におけるフルシリサイドゲート電極24Aの両側方に形成されたn型エクステンション領域7Aと、該n型エクステンション領域7Aと接続してその外側に形成され且つn型エクステンション領域7Aよりも深い接合を持つn型ソースドレイン領域10Aとから構成されている。n型ソースドレイン領域10Aの上部にはニッケルシリサイドからなるシリサイド膜10aが形成されている。
【0041】
同様に、p型MISトランジスタ形成領域Rpに形成されたp型MISトランジスタ100Bは、半導体基板1のn型ウェル領域(図示せず)上に形成された酸窒化シリコンからなるゲート絶縁膜3Bと、該ゲート絶縁膜3Bの上に形成されたニッケルによりFUSI化されたフルシリサイドゲート電極24Bと、半導体基板1の上部におけるフルシリサイドゲート電極24Bの両側方に形成されたp型エクステンション領域7Bと、該p型エクステンション領域7Bと接続してその外側に形成され且つp型エクステンション領域7Bよりも深い接合を持つp型ソースドレイン領域10Bとから構成されている。p型ソースドレイン領域10Bの上部にはニッケルシリサイドからなるシリサイド膜10bが形成されている。
【0042】
各フルシリサイドゲート電極24A及び24Bのゲート長方向の両側面上には、例えば酸化シリコンからなり断面L字状の第1のサイドウォール8A及び8Bを介在させた窒化シリコン(Si34)からなる第2のサイドウォール9A及び9Bがそれぞれ形成されている。
【0043】
半導体基板1の主面上並びに各第2のサイドウォール9A及び9Bの外側の側面上には、窒化シリコン(Si34)からなる第1の下地絶縁膜12が形成されている。さらに、第1の下地絶縁膜12の上には、各フルシリサイドゲート電極24A及び24B並びに各第2のサイドウォール9A及び9Bのそれぞれ露出した上面を含め全面にわたって、窒化シリコンからなる第2の下地絶縁膜17が形成されている。ここで、各フルシリサイドゲート電極24A及び24Bの上には、第1の下地絶縁膜12は形成されておらず、第2の下地絶縁膜17のみが形成されている。
【0044】
第2の下地絶縁膜17の上には、酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜14がその上部が平坦化されて形成されており、該第2の層間絶縁膜14における各ソースドレイン領域10A及び10Bの上側部分には、各ソースドレイン領域10A及び10Bのシリサイド膜10a及び10bと接続されたチタン(Ti)と窒化チタン(TiN)との積層膜及びタングステン(W)からなるコンタクトプラグ16A及び16Bがそれぞれ形成されている。
【0045】
第1の実施形態の特徴として、第1の下地絶縁膜12は、引っ張り応力を有するストレッサ膜として機能し、さらに第2の層間絶縁膜14に各コンタクトプラグ16A及び16Bを形成するための各コンタクトホール14a及び14bを形成する際のエッチングストッパ膜としても機能する。なお、本願明細書において、引っ張り応力を有するストレッサ膜とは、半導体基板1における各フルシリサイドゲート電極24A及び24Bの直下に位置するチャネル領域のゲート長方向に対して引っ張り応力を印加することができる膜をいう。
【0046】
さらに、第2の下地絶縁膜17は、第1の下地絶縁膜12と同様に引っ張り応力を有するストレッサ膜及び各コンタクトホール14a及び14bの形成時のエッチングストッパ膜として機能し、第1の下地絶縁膜12の上で且つ各第2のサイドウォール9A及び9Bの上面並びに各フルシリサイドゲート電極24A及び24Bの上面をも途切れることなく全面的に覆うように形成されている。このため、第2の下地絶縁膜17は、各フルシリサイドゲート電極24A及び24Bの上面を覆わずに不連続に形成された第1の下地絶縁膜12と比べて、各チャネル領域に対して引っ張り応力を確実に印加することができる。その結果、特にn型MISトランジスタ100Aは、該n型MISトランジスタ100Aのチャネル領域に印加される引っ張り応力によって、その電流駆動能力が向上する。
【0047】
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0048】
図2(a)〜図2(d)及び図3(a)〜図3(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0049】
まず、図2(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板1の上に、通常の素子分離形成法により、シャロートレンチアイソレーション(STI)よりなる素子分離領域2を形成する。これにより、半導体基板1をn型MISトランジスタの活性領域となるn型MISトランジスタ形成領域Rnとp型MISトランジスタの活性領域となるp型MISトランジスタ形成領域Rpとに区画する。続いて、半導体基板1におけるn型MISトランジスタ形成領域Rnにp型不純物をイオン注入してp型ウェル領域(図示せず)を形成する。続いて、半導体基板1におけるp型MISトランジスタ形成領域Rpにn型不純物をイオン注入してn型ウェル領域(図示せず)を形成する。なお、p型ウェル領域とn型ウェル領域との形成順序は問われない。
【0050】
続いて、半導体基板1の上に、ゲート絶縁膜となる厚さが2nmの酸窒化シリコン膜、ゲート形成用シリコン膜となる厚さが100nmのポリシリコン膜及び該ポリシリコン膜を保護する保護絶縁膜となる酸化シリコン膜を順次形成する。なお、ゲート絶縁膜となる酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜を熱酸化法により形成した後、プラズマ窒化法により、形成された酸化シリコン膜中に窒素を導入することにより形成するか、又は半導体基板1に対して酸化窒化処理を行なうことにより形成してもよい。続いて、リソグラフィ法及び異方性のドライエッチング法により、酸化シリコン膜、ポリシリコン膜及び酸窒化シリコン膜を順次エッチングすることにより、酸窒化シリコン膜からゲート絶縁膜3A及び3Bを形成し、ポリシリコン膜からゲート形成用シリコン膜4A及び4Bを形成し、さらに酸化シリコン膜から各ゲート形成用シリコン膜4A及び4Bを保護するゲート上保護絶縁膜5A及び5Bを形成する。ここで、酸化シリコン膜及び酸窒化シリコン膜に対しては、フルオロカーボンを主成分とするエッチングガスを用い、ポリシリコン膜に対しては、塩素又は臭化水素を主成分とするエッチングガスを用いる。これにより、半導体基板1上におけるn型MISトランジスタ形成領域Rnには、ゲート絶縁膜3A、ゲート形成用シリコン膜4A及びゲート上保護絶縁膜5Aよりなるn型ゲート形成部6Aが形成される。これと同時に、半導体基板1上におけるp型MISトランジスタ形成領域Rpには、ゲート絶縁膜3B、ゲート形成用シリコン膜4B及びゲート上保護絶縁膜5Bからなるp型ゲート形成部6Bが形成される。
【0051】
続いて、半導体基板1のn型MISトランジスタ形成領域Rnに、n型ゲート形成部6Aをマスクとしてn型不純物をイオン注入することにより、半導体基板1のn型ゲート形成部6Aの両側方にn型エクステンション領域7Aを形成する。さらに、この後に、n型ゲート形成部6Aをマスクとして、半導体基板1のn型MISトランジスタ形成領域Rnにn型不純物をイオン注入することにより、各n型エクステンション領域7Aの下側にp型ポケット領域(図示せず)を形成してもよい。なお、n型エクステンション領域7Aを形成する際のイオン注入条件は、例えばヒ素イオンを用いて、注入エネルギーを3keVとし、注入ドーズ量を1×1015/cm2 とする。また、p型ポケット領域を形成する際のイオン注入条件は、例えばボロンイオンを用いて、注入エネルギーを10keVとし、注入ドーズ量を1×1013/cm2 とする。
【0052】
続いて、半導体基板1のp型MISトランジスタ形成領域Rpに、p型ゲート形成部6Bをマスクとしてp型不純物をイオン注入することにより、半導体基板1のp型ゲート形成部6Bの両側方にp型エクステンション領域7Bを形成する。さらに、この後に、p型ゲート形成部6Bをマスクとして、半導体基板1のp型MISトランジスタ形成領域Rpにp型不純物をイオン注入することにより、各p型エクステンション領域7Bの下側にn型ポケット領域(図示せず)を形成してもよい。なお、p型エクステンション領域7Bを形成する際のイオン注入条件は、例えばボロンイオンを用いて、注入エネルギーを0.5keVとし、注入ドーズ量を1×1014/cm2 とする。また、n型ポケット領域を形成する際のイオン注入条件は、例えばヒ素イオンを用いて、注入エネルギーを30keVとし、注入ドーズ量を1×1013/cm2 とする。また、n型エクステンション領域7A、p型ポケット領域、p型エクステンション領域7B及びn型ポケット領域の形成順序はこれに限られない。
【0053】
次に、図2(b)に示すように、例えばCVD法により、半導体基板1上に各ゲート形成部6A及び6Bを含む全面にわたって、厚さが10nmの酸化シリコンからなる第1の絶縁膜と、厚さが60nmの窒化シリコンからなる第2の絶縁膜とを順次形成する。その後、第2の絶縁膜及び第1の絶縁膜を異方的に順次エッチバックすることにより、n型ゲート形成部6A及びp型ゲート形成部6Bの各側面上に、第1の絶縁膜からなり断面L字状の第1のサイドウォール8A及び8Bと、該第1のサイドウォール8A及び8B上に第2の絶縁膜からなる第2のサイドウォール9A及び9Bを形成する。なお、第1のサイドウォール8A及び8Bは必ずしも設ける必要はない。
【0054】
続いて、半導体基板1のn型MISトランジスタ形成領域Rnに、n型ゲート形成部6A並びに各サイドウォール8A及び9Aをマスクとして、n型不純物であるヒ素イオンを、注入エネルギーが10keVで且つ注入ドーズ量が1×1015/cm2 の注入条件でイオン注入することにより、半導体基板1の各サイドウォール8A及び9Aの両側方にn型エクステンション領域7Aと接続されるn型ソースドレイン領域10Aを形成する。
【0055】
続いて、半導体基板1のp型MISトランジスタ形成領域Rpに、p型ゲート形成部6B並びに各サイドウォール8B及び9Bをマスクとして、p型不純物であるボロンイオンを、注入エネルギーが2keVで且つドーズ量が1×1015/cm2 の注入条件でイオン注入することにより、半導体基板1の各サイドウォール8B及び9Bの両側方にp型エクステンション領域7Bと接続されるp型ソースドレイン領域10Bを形成する。
【0056】
次に、図2(c)に示すように、例えばスパッタ法により、半導体基板1上の全面に、厚さが10nmのニッケル(Ni)からなる金属膜を形成する。続いて、金属膜を形成した半導体基板1に対して温度が500℃の窒素雰囲気で20秒間程度の熱処理を行なって、金属膜とそれと接触するシリコンとを互いに反応させることにより、n型ソースドレイン領域10A及びp型ソース・ドレイン領域10Bの上部に、それぞれシリサイド膜10a及び10bを選択的に形成する。その後、シリコンと未反応で残存している金属膜を例えば硫酸と過酸化水素水との混合溶液によりエッチングして除去する。
【0057】
次に、図2(d)に示すように、プラズマCVD法により、半導体基板1上のn型ゲート形成部6A並びに各サイドウォール8A及び9Aとp型ゲート形成部6B並びに各サイドウォール8B及び9Bとを含む全面に、引っ張り応力が2GPaで厚さが10nmの窒化シリコンからなる第1の下地絶縁膜12を形成する。その後、CVD法により、第1の下地絶縁膜12の上に、リン(P)を添加した酸化シリコン膜(PSG膜)からなる厚さが500nmの第1の層間絶縁膜13を形成する。なお、第1の実施形態においては、第1の下地絶縁膜12は、引っ張り応力を有するストレッサ膜であり、且つ後工程で形成される第2の層間絶縁膜14にコンタクトホールを形成する際にはエッチングストッパ膜となる。
【0058】
次に、図3(a)に示すように、化学機械研磨(CMP)法により、形成された第1の層間絶縁膜13に対してゲート上保護絶縁膜5A及び5Bが露出するまで、第1の層間絶縁膜13及び第1の下地絶縁膜12を研磨して除去することにより、第1の層間絶縁膜13及び該第1の層間絶縁膜13から露出する第1の下地絶縁膜12及びゲート上保護絶縁膜5A及び5Bの上面を平坦化する。
【0059】
次に、図3(b)に示すように、酸化シリコンからなる各ゲート上保護絶縁膜5A及び5B並びに第1の層間絶縁膜13を、例えばフッ酸(HF)溶液を用いたウェットエッチングによりエッチングすることにより、各ゲート形成用シリコン膜4A及び4Bを露出すると共に第1の層間絶縁膜13を除去する。ここでは、第1の層間絶縁膜13に、ゲート上保護絶縁膜5A及び5Bと比べてエッチングレートが高い絶縁膜、例えばPSG膜を用いているため、第1の層間絶縁膜13の膜厚が各ゲート上保護絶縁膜5A及び5Bの膜厚よりも厚くても容易に除去することができる。
【0060】
次に、例えばスパッタ法により、半導体基板1上の全面に、厚さが100nmのニッケルからなる金属膜(図示せず)を形成する。続いて、金属膜を形成した半導体基板1に対して、例えば温度が400℃の窒素雰囲気で熱処理を行なって、各ゲート形成用シリコン膜4A及び4Bのポリシリコンと該ポリシリコンと接触する金属とを互いに反応させることにより、各ゲート形成用シリコン膜4A及び4Bをそれぞれフルシリサイド(FUSI)化してニッケルシリサイドからなるフルシリサイドゲート電極24A及び24Bを形成する。その後、未反応で残存している金属膜を例えば硫酸と過酸化水素水との混合溶液によりエッチングして除去することにより、図3(c)に示す構造を得る。
【0061】
次に、図3(d)に示すように、例えばプラズマCVD法により、半導体基板1上であって、第1の下地絶縁膜12及び該第1の下地絶縁膜12から露出する各フルシリサイドゲート電極24A及び24B並びに第2のサイドウォール9A及び9Bの上面を含む全面に、引っ張り応力が2GPaで厚さが10nmの窒化シリコンからなる第2の下地絶縁膜17を形成する。続いて、CVD法により、第2の下地絶縁膜17上の全面に、厚さが500nmで不純物を添加しない酸化シリコン(non-doped silicate glass:NSG)膜からなる第2の層間絶縁膜14を形成する。その後、CMP法により、形成された第2の層間絶縁膜14の上面を研磨して平坦化する。続いて、第2の層間絶縁膜14、第2の下地絶縁膜17及び第1の下地絶縁膜12におけるn型MISトランジスタ形成領域Rnの各n型ソースドレイン領域10A及びp型MISトランジスタ形成領域Rpの各p型ソースドレイン領域10Bの上側部分を順次エッチングすることにより、n型ソースドレイン領域10Aの上部に形成されたシリサイド膜10aに到達するコンタクトホール14aと、p型ソースドレイン領域10Bの上部に形成されたシリサイド膜10bに到達するコンタクトホール14bとをそれぞれ形成する。このとき、第2の下地絶縁膜17をエッチングストッパとして第2の層間絶縁膜14をエッチングして第2の層間絶縁膜14を貫通するコンタクトホールを形成した後、該コンタクトホールから露出した第2の下地絶縁膜17及び第1の下地絶縁膜12を順次エッチングすることにより、コンタクトホール14a及び14bを形成する。その後、形成したコンタクトホール14a及び14bを含む第2の層間絶縁膜14上に、CVD法により、Ti/TiN及びWからなる金属膜を形成する。続いて、CMP法により、形成した金属膜における第2の層間絶縁膜14上に堆積した部分を研磨して除去することにより、各コンタクトホール14a及び14bにコンタクトプラグ16A及び16Bをそれぞれ形成する。続いて、形成された各コンタクトプラグ16A及び16Bを含む第2の層間絶縁膜14の上に、該コンタクトプラグ16A及び16Bと接続される金属配線(図示せず)を形成する。
【0062】
以上説明したように、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法によると、エッチングストッパ膜及び引っ張り応力を有するストレッサ膜として機能する第2の下地絶縁膜17を、第1の下地絶縁膜12の上で且つ各第2のサイドウォール9A及び9Bの上面並びに各フルシリサイドゲート電極24A及び24Bの上面に連続して覆うように形成する。これにより、第2の下地絶縁膜17は、n型MISトランジスタ100Aのチャネル領域に対して引っ張り応力を確実に印加することができるため、n型MISトランジスタ100Aは印加された引っ張り応力によって電流駆動能力が向上する。
【0063】
(第1の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第1変形例について図面を参照しながら説明する。
【0064】
図4(a)〜図4(c)は本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法の要部の工程順の断面構成を示している。なお、以下の各変形例において、図2及び図3に示した構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにする。
【0065】
まず、図4(a)に示すように、第1の実施形態と同様の製造方法によって、第1の層間絶縁膜13及び各ゲート上保護絶縁膜5A及び5Bを除去した後、フルシリサイドゲート電極24A及び24Bが形成された構造を得る。
【0066】
次に、図4(b)に示すように、例えば、テトラフルオロカーボン(CF4 )等をエッチングガスとする低エッチングレートの等方性ドライエッチングにより、第1の下地絶縁膜12を除去する。
【0067】
次に、図4(c)に示すように、例えばプラズマCVD法により、半導体基板1上であって、各シリサイド膜10a及び10b、各フルシリサイドゲート電極24A及び24B並びに各サイドウォール8A、8B、9A及び9Bの露出面を含む全面に、引っ張り応力が2GPaで厚さが20nmの窒化シリコンからなる第2の下地絶縁膜17Aを形成する。その後は、第1の実施形態と同様に、第2の層間絶縁膜14並びに各ソースドレイン領域10A及び10Bのシリサイド膜10a及び10bと接続されるコンタクトプラグ16A及び16Bをそれぞれ形成する。
【0068】
このように、第1変形例に係る製造方法であっても、半導体基板1上を連続的に覆う第2の下地絶縁膜17Aにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
(第1の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第2変形例について図面を参照しながら説明する。
【0070】
図5(a)〜図5(c)は本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の製造方法の要部の工程順の断面構成を示している。
【0071】
まず、図5(a)に示すように、第1の実施形態と同様の製造方法によって、第1の層間絶縁膜13及び各ゲート上保護絶縁膜5A及び5Bを除去した後、フルシリサイドゲート電極24A及び24Bが形成された構造を得る。
【0072】
次に、図5(b)に示すように、例えばCHF3 等をエッチングガスとする異方性ドライエッチングにより、第1の下地絶縁膜12を各第2のサイドウォール9A及び9Bの両側面上部分を残して除去する。
【0073】
次に、図5(c)に示すように、例えばプラズマCVD法により、半導体基板1上の各シリサイド膜10a及び10bの上面、各フルシリサイドゲート電極24A及び24Bの上面、第2のサイドウォール9A及び9Bの上面及び第1の下地絶縁膜12の上面を含む全面に、引っ張り応力が2GPaで厚さが20nmの窒化シリコンからなる第2の下地絶縁膜17Aを形成する。その後は、第1の実施形態と同様に、第2の層間絶縁膜14並びに各ソースドレイン領域10A及び10Bのシリサイド膜10a及び10bと接続されるコンタクトプラグ16A及び16Bをそれぞれ形成する。
【0074】
このように、第2変形例に係る製造方法であっても、半導体基板1上を連続的に覆う第2の下地絶縁膜17Aにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0075】
(第1の実施形態の第3変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第3変形例について図面を参照しながら説明する。
【0076】
図6(a)〜図6(d)は本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る半導体装置の製造方法の要部の工程順の断面構成を示している。
【0077】
まず、図6(a)に示すように、第1の実施形態と同様の製造方法によって、第1の層間絶縁膜13及び各ゲート上保護絶縁膜5A及び5Bを除去して、各ゲート形成用シリコン膜4A及び4Bを露出する構造を得る。但し、本変形例においては、酸窒化シリコンからなるゲート絶縁膜3A及び3Bに代えて、酸化ハフニウム(HfO2 )又は窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)等の高誘電体膜、いわゆるHigh−k膜からなるゲート絶縁膜23A及び23Bを用いる。なお、ゲート絶縁膜23A及び23Bの厚さは2nm程度である。また、ゲート絶縁膜23A及び23Bと半導体基板1との間には、厚さが1nm程度の酸化シリコン又は酸窒化シリコンからなる下地層を設けてもよい。
【0078】
次に、図6(b)に示すように、p型MISトランジスタ形成領域Rpのゲート形成用シリコン膜4Bを選択的にエッチングしてその上部を除去する。例えば、ゲート形成用シリコン膜4Bの上部を60nmだけエッチングしてその厚さを40nmとする。なお、n型MISトランジスタ形成領域Rnにおけるエッチングされないゲート形成用シリコン膜4Aの厚さは100nmである。
【0079】
次に、例えばスパッタ法により、半導体基板1上の全面に、厚さが60nmのニッケルからなる金属膜(図示せず)を形成する。続いて、金属膜を形成した半導体基板1に対して、例えば温度が400℃の窒素雰囲気で熱処理を行なって、各ゲート形成用シリコン膜4A及び4Bのポリシリコンと該ポリシリコンと接触する金属とを互いに反応させることにより、各ゲート形成用シリコン膜4A及び4Bをそれぞれフルシリサイド(FUSI)化してニッケルシリサイドからなるフルシリサイドゲート電極24A及び24Cを形成する。このとき、n型MISトランジスタ形成領域Rnにおけるフルシリサイドゲート電極24Aの組成は主にNiSiである。これに対し、p型MISトランジスタ形成領域Rpにおけるフルシリサイドゲート電極24Cの組成は主にNi3Siである。その後、未反応で残存している金属膜を例えば硫酸と過酸化水素水との混合溶液によりエッチングして除去することにより、図6(c)に示す構造を得る。
【0080】
次に、図6(d)に示すように、第1の実施形態と同様に、第2の下地絶縁膜17、第2の層間絶縁膜14並びに各ソースドレイン領域10A及び10Bのシリサイド膜10a及び10bと接続されるコンタクトプラグ16A及び16Bをそれぞれ形成する。
【0081】
このように、第1の実施形態に係る第3変形例は、ゲート絶縁膜23A及び23Bに高誘電体材料を用いる場合に、p型MISトランジスタ100Bのフルシリサイドゲート電極24Cの金属組成をn型MISトランジスタ100Aのフルシリサイドゲート電極24Aの金属組成よりも高くしているため、p型MISトランジスタ100Bのしきい値電圧を所望の値に設定することができる。
【0082】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0083】
図7は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示している。図7において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の構成部材を付すことにより説明を省略する。
【0084】
図7に示すように、第2の実施形態においては、連続的に形成する第2の下地絶縁膜17をn型MISトランジスタ形成領域Rnにのみn型MISトランジスタ100Aを覆うように選択的に形成している。また、p型MISトランジスタ形成領域Rpには、第1の下地絶縁膜12の上に形成された第1の層間絶縁膜13を残している。
【0085】
このように、n型MISトランジスタ形成領域Rnに選択的に形成された第2の下地絶縁膜17は、第1の下地絶縁膜12と同様に引っ張り応力を有するストレッサ膜及びコンタクトホール14aを形成する際のエッチングストッパ膜として機能し、第1の下地絶縁膜12の上で且つ各第2のサイドウォール9Aの上面及びフルシリサイドゲート電極24Aの上面をも途切れることなく全面的に覆うように形成されている。なお、コンタクトホール14bを形成する際のエッチングストッパ膜としては第1の下地絶縁膜12が機能する。このため、第2の下地絶縁膜17は、n型MISトランジスタ形成領域Rnにおいて、フルシリサイドゲート電極24Aの上面を覆わずに不連続に形成された第1の下地絶縁膜12と比べて、チャネル領域に引っ張り応力を確実に印加することができる。その結果、n型MISトランジスタ100Aは、該n型MISトランジスタ100Aのチャネル領域に印加される引っ張り応力によって、その電流駆動能力が向上する。
【0086】
その上、第2の実施形態においては、第2の下地絶縁膜17をn型MISトランジスタ形成領域Rnにのみ選択的に形成するため、p型MISトランジスタ100Bのチャネル領域には、n型MISトランジスタ100Aのチャネル領域程には強い引っ張り応力歪みが印加されることがないため好ましい。
【0087】
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0088】
図8(a)〜図8(d)、図9(a)及び図9(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の要部の工程順の断面構成を示している。なお、図8及び図9において、図2及び図3に示した第1の実施形態に係る構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
【0089】
まず、図8(a)に示すように、第1の実施形態と同様の製造方法によって、第1の層間絶縁膜13の上面を平坦化して、該第1の層間絶縁膜13から各ゲート上保護絶縁膜5A及び5Bを露出する。
【0090】
次に、図8(b)に示すように、例えばフッ酸溶液を用いたウェットエッチングにより、各ゲート上保護絶縁膜5A及び5Bを除去して、各ゲート形成用シリコン膜4A及び4Bを露出する構造を得る。このとき、第1の層間絶縁膜13の上部がエッチングされても問題はない。
【0091】
次に、図8(c)に示すように、リソグラフィ法により、第1の層間絶縁膜13の上に、n型MISトランジスタ形成領域Rnに開口パターンを有する第1のレジスト膜(図示せず)を形成する。なお、第1のレジスト膜はn型MISトランジスタ形成領域Rnの少なくとも活性領域の上に開口パターンを有していればよい。続いて、形成した第1のレジスト膜をマスクとして、第1の層間絶縁膜13を例えばフッ酸溶液を用いたウェットエッチングによりエッチングして、第1の下地絶縁膜12におけるn型MISトランジスタ形成領域Rnの活性領域の上側部分を露出させる。その後、第1のレジスト膜をアッシング等により除去する。なお、第2の実施形態においては、第1の層間絶縁膜13に、第1のサイドウォール8Aと比べてエッチングレートが高い絶縁膜例えばPSG膜等を用いることが望ましい。これにより、第1の層間絶縁膜13をエッチングする際に生じる第1のサイドウォール8Aのエッチングによる後退を抑制することができる。なお、ここでは、第1の層間絶縁膜13をp型MISトランジスタ形成領域Rpに残しているが、第1の実施形態のように、p型MISトランジスタ形成領域Rpにおいても、第1の層間絶縁膜13を除去してもよい。但し、第2の実施形態においては、後工程において、第2の下地絶縁膜17に対してそのp型MISトランジスタ形成領域Rpを除去することから、第2の下地絶縁膜17に対するエッチングストッパ膜として、第1の層間絶縁膜13を残しておくことがことが好ましい。
【0092】
次に、例えばスパッタ法により、半導体基板1上の全面に、厚さが100nmのニッケルからなる金属膜(図示せず)を形成する。続いて、金属膜を形成した半導体基板1に対して、例えば温度が400℃の窒素雰囲気で熱処理を行なって、各ゲート形成用シリコン膜4A及び4Bのポリシリコンと該ポリシリコンと接触する金属とを互いに反応させることにより、各ゲート形成用シリコン膜4A及び4Bをそれぞれフルシリサイド(FUSI)化してニッケルシリサイドからなるフルシリサイドゲート電極24A及び24Bを形成する。その後、未反応で残存している金属膜を例えば硫酸と過酸化水素水との混合溶液によりエッチングして除去することにより、図8(d)に示す構造を得る。
【0093】
次に、図9(a)に示すように、例えばプラズマCVD法により、半導体基板1上であって、n型MISトランジスタ形成領域Rnにおいては第1の下地絶縁膜12並びに該第1の下地絶縁膜12から露出するフルシリサイドゲート電極24A及び第2のサイドウォール9Aの上面を含む全面に、また、p型MISトランジスタ形成領域Rpにおいては第1の層間絶縁膜13並びに該第1の層間絶縁膜13から露出する第1の下地絶縁膜12、フルシリサイドゲート電極24B及び第2のサイドウォール9Bの上面を含む全面に、引っ張り応力が2GPaで厚さが10nmの窒化シリコンからなる第2の下地絶縁膜17を形成する。続いて、リソグラフィ法により、形成した第2の下地絶縁膜17の上にp型MISトランジスタ形成領域Rpに開口パターンを有する第2のレジスト膜(図示せず)を形成する。その後、形成した第2のレジスト膜をマスクとして、第2の下地絶縁膜17のp型MISトランジスタ形成領域Rpをエッチングして除去する。これにより、n型MISトランジスタ形成領域Rnには第2の下地絶縁膜17が残存する。その後、第2のレジスト膜をアッシング等により除去する。
【0094】
次に、図9(b)に示すように、CVD法により、n型MISトランジスタ形成領域Rnにおいては第2の下地絶縁膜17上の全面に、また、p型MISトランジスタ形成領域Rpにおいては、第1の層間絶縁膜13及びそれから露出する第1の下地絶縁膜12、第2のサイドウォール9B及びフルシリサイドゲート電極24Bの上に、厚さが500nmで不純物を添加しない酸化シリコン(NSG)膜である第2の層間絶縁膜14を形成する。続いて、CMP法により、形成された第2の層間絶縁膜14の上面を研磨して平坦化する。その後は、第1の実施形態と同様に、n型MISトランジスタ形成領域Rnにおいては、第2の層間絶縁膜14に対してn型ソースドレイン領域10Aの上部に形成されたシリサイド膜10aと接続されるコンタクトプラグ16Aを形成する。これと同時に、p型MISトランジスタ形成領域Rpにおいては、第2の層間絶縁膜14及び第1の層間絶縁膜13に対してp型ソースドレイン領域10Bの上部に形成されたシリサイド膜10bと接続されるコンタクトプラグ16Bを形成する。ここで、n型MISトランジスタ形成領域Rnの第2の層間絶縁膜14にコンタクトホール14aを形成する際のエッチングストッパ膜は主として第2の下地絶縁膜17であり、これに対し、p型MISトランジスタ形成領域Rpの第1の層間絶縁膜13にコンタクトホール14bを形成する際のエッチングストッパ膜は第1の下地絶縁膜12である。続いて、形成された各コンタクトプラグ16A及び16Bを含む第2の層間絶縁膜14の上に、該コンタクトプラグ16A及び16Bと接続される金属配線(図示せず)を形成する。
【0095】
以上説明したように、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法によると、エッチングストッパ膜及び引っ張り応力を有するストレッサ膜として機能する第2の下地絶縁膜17を、n型MISトランジスタ形成領域Rnに対して、第1の下地絶縁膜12の上で且つ各第2のサイドウォール9Aの上面及び各フルシリサイドゲート電極24Aの上面に連続して覆うように形成する。このため、第2の下地絶縁膜17は、n型MISトランジスタ100Aのチャネル領域に対して引っ張り応力を確実に印加することができるので、n型MISトランジスタ100Aは印加される引っ張り応力によって電流駆動能力が向上する。
【0096】
その上、第2の実施形態においては、第2の下地絶縁膜17をn型MISトランジスタ100Aの上にのみ選択的に形成するため、p型MISトランジスタ100Bのチャネル領域には、n型MISトランジスタ100Aのチャネル領域程には強い引っ張り応力歪みが印加されないため好ましい。
【0097】
なお、第2の実施形態においては、p型MISトランジスタ形成領域Rpの第2の下地絶縁膜17を完全に除去したが、コンタクト形成領域以外のp型MISトランジスタ形成領域Rpには第2の下地絶縁膜17を残存させてもよい。この場合には、p型ソースドレイン領域10Bの上に形成される第2の下地絶縁膜17は、第1の層間絶縁膜13の上に形成される。これにより、p型ソースドレイン領域10Bの上では、第1の下地絶縁膜12と第2の下地絶縁膜17とが直接に接しなくなるため、第2の下地絶縁膜17の引っ張り応力がp型MISトランジスタ100Bのチャネル領域には、n型MISトランジスタ100Aのチャネル領域に生じる程の強い引っ張り応力歪みが印加されないため好ましい。この場合、p型MISトランジスタ形成領域Rpにおけるコンタクト形成領域の第2の下地絶縁膜17の除去は、第2の層間絶縁膜14を形成する前に行なうのが好ましい。
【0098】
(第2の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の第1変形例について図面を参照しながら説明する。
【0099】
図10(a)〜図10(d)は本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法の要部の工程順の断面構成を示している。なお、以下の各変形例において、図2及び図3に示した構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにする。
【0100】
まず、図10(a)に示すように、第2の実施形態と同様の製造方法によって、n型MISトランジスタ形成領域Rn及びp型MISトランジスタ形成領域Rpにフルシリサイドゲート電極24A及び24Bをそれぞれ形成した後、第1の層間絶縁膜13におけるn型MISトランジスタ形成領域Rnに含まれる部分を選択的に除去した構造を得る。
【0101】
次に、図10(b)に示すように、例えばCF4 等をエッチングガスとする低エッチングレートの等方性ドライエッチングにより、n型MISトランジスタ形成領域Rnに形成されている第1の下地絶縁膜12を除去する。
【0102】
次に、図10(c)に示すように、例えばプラズマCVD法により、半導体基板1上であって、n型MISトランジスタ形成領域Rnにおいては、各シリサイド膜10a及びフルシリサイドゲート電極24Aの上面、第2のサイドウォール9Aの上面及び側面並びに第1のサイドウォール8Aの端面を含む全面に、また、p型MISトランジスタ形成領域Rpにおいては第1の層間絶縁膜13並びに該第1の層間絶縁膜13から露出する第1の下地絶縁膜12、フルシリサイドゲート電極24B及び第2のサイドウォール9Bの各露出面を含む全面に、引っ張り応力が2GPaで厚さが20nmの窒化シリコンからなる第2の下地絶縁膜17Aを形成する。続いて、形成した第2の下地絶縁膜17Aにおけるp型MISトランジスタ形成領域Rpに含まれる部分をエッチングにより除去する。
【0103】
次に、図10(d)に示すように、第2の実施形態と同様に、半導体基板1の上の全面にNSG膜である第2の層間絶縁膜14を形成する。その後、n型MISトランジスタ形成領域Rnにおいては、第2の層間絶縁膜14に対してn型ソースドレイン領域10Aの上部に形成されたシリサイド膜10aと接続されるコンタクトプラグ16Aを形成する。これと同時に、p型MISトランジスタ形成領域Rpにおいては、第2の層間絶縁膜14及び第1の層間絶縁膜13に対してp型ソースドレイン領域10Bの上部に形成されたシリサイド膜10bと接続されるコンタクトプラグ16Bを形成する。
【0104】
このように、第1変形例に係る製造方法であっても、半導体基板1上のn型MISトランジスタ形成領域Rnを連続的に覆う第2の下地絶縁膜17Aにより、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる
(第2の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の第2変形例について図面を参照しながら説明する。
【0105】
図11(a)〜図11(d)は本発明の第2の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の製造方法の要部の工程順の断面構成を示している。
【0106】
まず、図11(a)に示すように、第2の実施形態と同様の製造方法によって、n型MISトランジスタ形成領域Rn及びp型MISトランジスタ形成領域Rpにフルシリサイドゲート電極24A及び24Bをそれぞれ形成した後、第1の層間絶縁膜13におけるn型MISトランジスタ形成領域Rnに含まれる部分を選択的に除去した構造を得る。
【0107】
次に、図11(b)に示すように、例えばCHF3 等をエッチングガスとする異方性ドライエッチングにより、n型MISトランジスタ形成領域Rnに残存する第1の下地絶縁膜12をその第2のサイドウォール9Aの各側面上部分を残して除去する。
【0108】
次に、図11(c)に示すように、例えばプラズマCVD法により、半導体基板1上であって、n型MISトランジスタ形成領域Rnにおいては各シリサイド膜10a、フルシリサイドゲート電極24A、第2のサイドウォール9A及び第1の下地絶縁膜12の各上面を含む全面に、また、p型MISトランジスタ形成領域Rpにおいては第1の層間絶縁膜13並びに該第1の層間絶縁膜13から露出する第1の下地絶縁膜12、フルシリサイドゲート電極24B及び第2のサイドウォール9Bの上面を含む全面に、引っ張り応力が2GPaで厚さが20nmの窒化シリコンからなる第2の下地絶縁膜17Aを形成する。続いて、形成した第2の下地絶縁膜17Aのp型MISトランジスタ形成領域Rpに含まれる部分をエッチングにより除去する。
【0109】
次に、図11(d)に示すように、第2の実施形態と同様に、n型MISトランジスタ形成領域Rnにおいては、半導体基板1の上の全面にNSG膜である第2の層間絶縁膜14を形成する。その後、n型MISトランジスタ形成領域Rnにおいては、第2の層間絶縁膜14に対してn型ソースドレイン領域10Aの上部に形成されたシリサイド膜10aと接続されるコンタクトプラグ16Aを形成する。これと同時に、p型MISトランジスタ形成領域Rpにおいては、第2の層間絶縁膜14及び第1の層間絶縁膜13に対してp型ソースドレイン領域10Bの上部に形成されたシリサイド膜10bと接続されるコンタクトプラグ16Bを形成する。
【0110】
このように、第2変形例に係る製造方法であっても、半導体基板1上のn型MISトランジスタ形成領域Rnを連続的に覆う第2の下地絶縁膜17Aにより、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0111】
(第2の実施形態の第3変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の第3変形例について説明する。
【0112】
第3変形例は、第1の実施形態の第3変形例と同様に、n型MISトランジスタ100Aのゲート絶縁膜3A及びp型MISトランジスタ100Bのゲート絶縁膜3Bに、それぞれ酸窒化シリコンに代えてHigh−k膜を用いる。
【0113】
この場合に、第2の実施形態で示した図8(c)の工程の後に、n型MISトランジスタ形成領域Rnのゲート形成用シリコン膜4Aの厚さ100nmに対して、p型MISトランジスタ形成領域Rpのゲート形成用シリコン膜4Bの厚さを60nmとする。その後は、各ゲート形成用シリコン膜4A及び4Bをそれぞれフルシリサイド(FUSI)化してニッケルシリサイドからなるフルシリサイドゲート電極24A及び24Cを形成する。その結果、n型MISトランジスタ形成領域Rnにおけるフルシリサイドゲート電極24Aの組成は主にNiSiとなり、p型MISトランジスタ形成領域Rpにおけるフルシリサイドゲート電極24Cの組成は主にNi3Siとなる。
【0114】
これにより、第2の実施形態と同様のいずれか1項に記載の効果を得られる上に、p型MISトランジスタ100Bの電気的特性、すなわちしきい値電圧を所望の値に制御することができる。
【0115】
なお、第1の実施形態、第2の実施形態及び各変形例においては、プラズマCVD法を用いて引っ張り応力を有する第1の下地絶縁膜12及び第2の下地絶縁膜17及び17Aを形成したが、低圧CVD(LP−CVD)法を用いて形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法は、FUSI化されたゲート電極を有する半導体装置においても、ストレッサ膜を有効に形成できるようにして、半導体装置の電気的特性を向上することができるという効果を有し、FUSI構造を持つゲート電極を有する半導体装置及びその製造方法等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【図2】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面図である。
【図4】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法の要部を示す工程順の断面図である。
【図5】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の製造方法の要部を示す工程順の断面図である。
【図6】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る半導体装置の製造方法の要部を示す工程順の断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【図8】(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の要部を示す工程順の断面図である。
【図9】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の要部を示す工程順の断面図である。
【図10】(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法の要部を示す工程順の断面図である。
【図11】(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の製造方法の要部を示す工程順の断面図である。
【図12】(a)〜(c)は第1の従来例に係る半導体装置の製造方法の要部を示す工程順の断面図である。
【符号の説明】
【0118】
Rn n型MISトランジスタ形成領域
Rp p型MISトランジスタ形成領域
1 半導体基板
2 素子分離領域
3A ゲート絶縁膜
3B ゲート絶縁膜
4A ゲート形成用シリコン膜
4A ゲート形成用シリコン膜
5A ゲート上保護絶縁膜(第1の保護膜)
5B ゲート上保護絶縁膜(第2の保護膜)
6A n型ゲート形成部
6B p型ゲート形成部
7A n型エクステンション領域
7B p型エクステンション領域
8A 第1のサイドウォール
8B 第1のサイドウォール
9A 第2のサイドウォール
9B 第2のサイドウォール
10A n型ソースドレイン領域
10a シリサイド膜
10B p型ソースドレイン領域
10b シリサイド膜
12 第1の下地絶縁膜(第1の絶縁膜)
13 第1の層間絶縁膜
14 第2の層間絶縁膜
14a コンタクトホール
14b コンタクトホール
16A コンタクトプラグ
16B コンタクトプラグ
17 第2の下地絶縁膜(第2の絶縁膜)
17A 第2の下地絶縁膜(第2の絶縁膜)
23A ゲート絶縁膜(high−k膜)
23B ゲート絶縁膜(high−k膜)
24A フルシリサイドゲート電極(第1のゲート電極)
24B フルシリサイドゲート電極(第2のゲート電極)
24C フルシリサイドゲート電極(第2のゲート電極)
100A n型MISトランジスタ
100B p型MISトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体領域における第1の領域に形成された第1導電型の第1のMISトランジスタを備えた半導体装置であって、
前記第1のMISトランジスタは、
前記第1の領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜上に形成され、金属によりフルシリサイド化された第1のゲート電極と、
前記第1の領域における前記第1のゲート電極の側方に形成された第1のソースドレイン領域と、
前記第1のゲート電極及び第1のソースドレイン領域を覆うように形成され、前記第1の領域における前記第1のゲート電極の下側部分に応力歪みを生じさせる絶縁膜とを備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記半導体領域における第2の領域に形成された第2導電型の第2のMISトランジスタをさらに備え、
前記第2のMISトランジスタは、
前記第2の領域上に形成された第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜上に形成され、金属によりフルシリサイド化された第2のゲート電極と、
前記第2の領域における前記第2のゲート電極の側方に形成された第2のソースドレイン領域と、
少なくとも前記第2のソースドレイン領域を覆うように形成された前記絶縁膜とを備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置において、
前記第1導電型はn型で且つ前記第2導電型はp型であり、前記応力歪みは引っ張り応力歪みであることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極は互いのシリサイド組成が同一であることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート絶縁膜及び第2のゲート絶縁膜は、シリコン、酸素及び窒素を主成分とするゲート絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項2又は3に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極は互いのシリサイド組成が異なり、且つ、前記第1のゲート絶縁膜及び第2のゲート絶縁膜は、高誘電体からなるゲート絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項2〜6のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、前記第2のゲート電極の上をも覆っていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項2〜7のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とを有し、
前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極の上には、前記絶縁膜のうち前記第2の絶縁膜のみが形成されており、
前記第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域の上には、前記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜が順次形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
(図5(c)の構成)
請求項2〜7のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極の側面上に形成された第1のサイドウォールと、前記第2のゲート電極の側面上に形成された第2のサイドウォールとをさらに備え、
前記絶縁膜は、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とを有し、
前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極の上には、前記絶縁膜のうち前記第2の絶縁膜のみが形成されており、
前記第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域の上には、前記絶縁膜のうち前記第2の絶縁膜のみが形成されており、
前記第1のサイドウォール及び第2のサイドウォールの側面上には、前記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜が順次形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項2〜6のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、前記第2のゲート電極の上には形成されていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項2〜6及び10のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とを有し、
前記第1のゲート電極の上には、前記絶縁膜のうち前記第2の絶縁膜のみが形成されており、
前記第1のソースドレイン領域の上には、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜が順次形成されており、
前記第2のソースドレイン領域の上には、前記絶縁膜のうち前記第1の絶縁膜のみが形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項2〜6、10のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜よりも膜厚が薄い第2の絶縁膜とを有し、
前記第1のゲート電極の上及び前記第1のソースドレイン領域の上には、前記絶縁膜のうち前記第1の絶縁膜のみが形成されており、
前記第2のソースドレイン領域の上には、前記絶縁膜のうち前記第2の絶縁膜のみが形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項2〜6、10のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極の側面上に形成された第1のサイドウォールと、前記第2のゲート電極の側面上に形成された第2のサイドウォールとをさらに備え、
前記絶縁膜は、第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜よりも膜厚が薄い第2の絶縁膜とを有し、
前記第1のゲート電極の上及び前記第1のソースドレイン領域の上には、前記絶縁膜のうち前記第1の絶縁膜のみが形成されており、
前記第1のサイドウォールの側面上には、前記第2の絶縁膜及び第1の絶縁膜が順次形成されており、
前記第2のソースドレイン領域の上及び前記第2のサイドウォールの側面上には、前記絶縁膜のうち前記第2の絶縁膜のみが形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項2〜6、10〜13のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第2のソースドレイン領域の上には、前記絶縁膜を介在させて層間絶縁膜が形成されており、
前記第1のソースドレイン領域の上には、前記層間絶縁膜が形成されていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とを有し、
前記第1のゲート電極の上には、前記絶縁膜のうち前記第2の絶縁膜のみが形成されており、
前記第1のソースドレイン領域の上には、前記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜が順次形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
半導体領域における第1の領域上に第1のゲート絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記第1のゲート絶縁膜上にゲートパターンを有する第1のゲート形成用シリコン膜を形成する工程(b)と、
前記第1の領域における前記ゲート形成用シリコン膜の側方に第1導電型の第1のソースドレイン領域を形成する工程(c)と、
前記工程(c)よりも後に、前記第1のゲート形成用シリコン膜の上に第1の金属膜を堆積し熱処理を行なうことにより、前記第1の金属膜により前記第1のゲート形成用シリコン膜がフルシリサイド化された第1のゲート電極を形成する工程(d)と、
前記第1のゲート電極及び第1のソースドレイン領域上に、前記第1の領域に応力歪みを生じさせる絶縁膜を形成する工程(e)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(a)では、前記半導体領域における第2の領域上に第2のゲート絶縁膜を形成し、
前記工程(b)では、前記第2のゲート絶縁膜上にゲートパターンを有する第2のゲート形成用シリコン膜を形成し、
前記工程(c)は、前記第2の領域における前記第2のゲート形成用シリコン膜の側方に第2導電型の第2のソースドレイン領域を形成する工程を含み、
前記工程(d)では、前記第2のゲート形成用シリコン膜の上に前記第1の金属膜を堆積し熱処理を行なうことにより、前記第1の金属膜により前記第2のゲート形成用シリコン膜がフルシリサイド化された第2のゲート電極を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(c)と前記工程(d)との間に、
前記第1の領域及び第2の領域の上に、前記第1の領域に応力歪みを生じさせる第1の絶縁膜を形成する工程(f)と、
前記第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の上の前記第1の絶縁膜を除去する工程(g)とをさらに備え、
前記工程(e)では、前記第1のゲート電極、第2のゲート電極、第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域を覆うように、前記絶縁膜となる第2の絶縁膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項17に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(c)と前記工程(d)との間に、
前記第1の領域及び第2の領域の上に、前記第1の領域に応力歪みを生じさせる第1の絶縁膜を形成する工程(f)と、
前記第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の上の前記第1の絶縁膜を除去する工程(g)とを備え、
前記工程(d)と前記工程(e)との間に、前記第1の領域及び第2の領域の上の前記第1の絶縁膜を除去する工程(h)を備え、
前記工程(e)では、前記第1のゲート電極、第2のゲート電極、第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域を覆うように、前記絶縁膜となる第2の絶縁膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項17に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)と前記工程(c)との間に、前記第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の側面上に、第1のサイドウォール及び第2のサイドウォールを形成する工程(f)を備え、
前記工程(c)と前記工程(d)との間に、
前記第1の領域及び第2の領域の上に、前記第1の領域に応力歪みを生じさせる第1の絶縁膜を形成する工程(g)と、
前記第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の上の前記第1の絶縁膜を除去する工程(h)とを備え、
前記工程(d)と前記工程(e)との間に、前記第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域の上の前記第1の絶縁膜を除去し、前記第1のサイドウォール及び第2のサイドウォールの側面上に前記第1の絶縁膜を残存させる工程(i)を備え、
前記工程(e)では、前記第1のゲート電極、第2のゲート電極、第1のソースドレイン領域及び第2のソースドレイン領域を覆うように、前記絶縁膜となる第2の絶縁膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項21】
請求項17に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(c)と前記工程(d)との間に、
前記第1の領域及び第2の領域の上に、前記第1の領域に応力歪みを生じさせる第1の絶縁膜を形成した後、前記第1の絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する工程(f)と、
前記第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の上の前記第1の絶縁膜及び層間絶縁膜を除去する工程(g)と、
前記工程(g)よりも後に、前記第1の領域の上の前記層間絶縁膜を除去する工程(h)とを備え、
前記工程(e)では、前記第1の領域及び第2の領域の上に第2の絶縁膜を形成した後、前記第2の領域の上に形成された前記第2の絶縁膜を除去することにより、前記第2の絶縁膜からなる前記絶縁膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項22】
請求項17に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(c)と前記工程(d)との間に、
前記第1の領域及び第2の領域の上に、前記第1の領域に応力歪みを生じさせる第1の絶縁膜を形成した後、前記第1の絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する工程(f)と、
前記第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の上の前記第1の絶縁膜及び層間絶縁膜を除去する工程(g)と、
前記工程(g)よりも後に、前記第1の領域の上の前記層間絶縁膜及び第1の絶縁膜を除去する工程(h)とを備え、
前記工程(e)では、前記第1の領域及び第2の領域の上に第2の絶縁膜を形成した後、前記第2の領域の上に形成された前記第2の絶縁膜を除去することにより、前記第2の絶縁膜からなる前記絶縁膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項23】
請求項17に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)と前記工程(c)との間に、前記第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の側面上に、第1のサイドウォール及び第2のサイドウォールを形成する工程(f)を備え、
前記工程(c)と前記工程(d)との間に、
前記第1の領域及び第2の領域の上に、前記第1の領域に応力歪みを生じさせる第1の絶縁膜を形成した後、前記第1の絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する工程(g)と、
前記第1のゲート形成用シリコン膜及び第2のゲート形成用シリコン膜の上の前記第1の絶縁膜及び層間絶縁膜を除去する工程(h)と、
前記工程(h)よりも後に、前記第1の領域の上の前記層間絶縁膜を除去する工程(i)と、
前記工程(i)よりも後に、前記第1のソースドレイン領域の上の前記第1の絶縁膜を除去し、前記第1のサイドウォールの側面上に前記第1の絶縁膜を残存させる工程(j)とを備え、
前記工程(e)では、前記第1の領域及び第2の領域の上に第2の絶縁膜を形成した後、前記第2の領域の上に形成された前記第2の絶縁膜を除去することにより、前記第2の絶縁膜からなる前記絶縁膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2007−141912(P2007−141912A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−329682(P2005−329682)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】