説明

半導体装置の製造方法および半導体装置

【課題】層間絶縁膜を表面研磨する工程を経て形成される半導体装置の信頼性を向上させる。
【解決手段】シリコン基板1の主面s1上に、高耐圧ゲート絶縁膜IG1および高耐圧ゲート電極EG1からなる高耐圧ゲートG1を形成した後、サリサイドブロック膜SAB、層間絶縁膜ILを順に形成し、その層間絶縁膜ILをCMPにより研磨する。サリサイドブロック膜SABは、下層から順に酸化シリコンを主体とする絶縁膜である保護酸化膜t1と、窒化シリコンを主体とする絶縁膜である保護窒化膜t2とによって形成する。また、層間絶縁膜ILの研磨は、高耐圧ゲートG1上面のサリサイドブロック膜SABに達するまで研磨する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術および半導体装置に関し、特に、層間絶縁膜を表面研磨する工程を経て形成される半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置には、半導体基板上に形成された様々な特性の素子を、配線によって電気的に接続して構成した集積回路が用いられる。集積回路には、制御用のロジック回路や駆動用回路、情報記憶用のメモリ回路などがある。これらは、所望の機能を発現し得るように、構成する半導体素子の種類と配線の方法などが設計されている。
【0003】
集積回路を構成する半導体素子として、例えば、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)などがある。電界効果トランジスタは、主に、半導体基板上に絶縁膜を介してゲート電極を形成した、MIS(Metal Insulator Semiconductor)構造を有している。なお、絶縁膜として酸化シリコン膜などを用いる場合、MOS(Metal Oxide Semiconductor)構造と称される。このようなMIS型電界効果トランジスタ(以下、単にMISトランジスタ)は、半導体基板上において層間絶縁膜に覆われ、それぞれ絶縁されている。また、層間絶縁膜を貫くようにしてコンタクトプラグが形成され、半導体素子の各端子に電気的に接続されている。そして、層間絶縁膜上には、所望のコンタクトプラグ同士を電気的に接続するような金属配線が形成されている。
【0004】
例えば、特開2003−243619号公報(特許文献1)には、半導体基板上のロジック回路領域におけるMOSトランジスタのゲート電極およびダミーゲート層の形成密度が、メモリ領域におけるゲート層の形成密度に近くなるように形成することで、両領域における絶縁層のCMP(Chemical and Mechanical Polishing)法による研磨の速さの差異を軽減する技術が開示されている。これにより、絶縁層をより精度良く平坦化できる。
【特許文献1】特開2003−243619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
集積回路の高集積化による高性能化に伴って、上記のような層間絶縁膜、コンタクトプラグ(ビアプラグ)および金属配線からなる配線構造は、より微細かつ複雑になる。特に、近年の技術動向としては、微細かつ複雑な配線パターンを許容するために、層間絶縁膜は多層化されてきている。このような多層配線技術において、下層の平坦性の向上は重要である。なぜなら、下層の層間絶縁膜の膜厚のばらつきは、より大きくなって、上層の層間絶縁膜の膜厚のばらつきに影響を及ぼすからである。このように層間絶縁膜の膜厚に揺らぎが生じると、コンタクトホールを開口する際に、層間絶縁膜の厚い部分で正常に開口されないといった開口不良が生じてしまう。これは、結果として、半導体装置の製造工程における歩留まりの低下をもたらす。
【0006】
本発明者が検討した製造方法では、半導体基板上に堆積した層間絶縁膜をCMP法によって表面研磨を施すことで、層間絶縁膜を平坦化している。この製造方法において、本発明者のさらなる検討により、以下に示すような課題を見出した。
【0007】
本発明者が検討した半導体装置として、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)を表示させるための駆動用の半導体装置であるLCDドライバがある。LCDドライバは、動作制御回路、主記憶回路、不揮発性メモリ回路、および、電源制御回路など、様々な機能の集積回路を有しており、これらが1チップ上に混載されている。従って、種々の特性のMISトランジスタによって構成されている。特に、高速仕様のMISトランジスタ、高耐圧仕様のMISトランジスタ、不揮発性メモリの構成要素となるMISトランジスタなどがある。
【0008】
上記の各仕様のMISトランジスタは、例えば、ゲート絶縁膜の厚さが異なる。定性的には、ゲート絶縁膜が薄いMISトランジスタほど高速での動作が可能となり、ゲート絶縁膜が厚いMISトランジスタほど高電圧での動作が可能となる。本発明者の検討したLCDドライバでは、要求される特性によって、3〜100nmの範囲でゲート絶縁膜厚の異なるMISトランジスタを用いている。従って、本発明者が検討したLCDドライバは、半導体基板上において高さの異なるゲートを備えた構造となっている。
【0009】
このように高さの異なるゲートからなる複数のMISトランジスタを覆う層間絶縁膜をCMP法により研磨する際に、本発明者の検討によって、以下のような課題が見出された。即ち、研磨レートのばらつきなどにより、標高の高いゲートを削り込んでしまうという課題が見出された。ゲートの削り込みは、耐圧不良などといった特性劣化を引き起こし、信頼性を低下させる原因となる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、層間絶縁膜を表面研磨する工程を経て形成される半導体装置の信頼性を向上させる技術を提供することにある。
【0011】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願においては、複数の発明が開示されるが、そのうちの一実施例の概要を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0013】
半導体基板の第1領域における主面上に、順にゲート絶縁膜およびゲート電極を形成することでゲートを形成した後、半導体基板の主面上に保護絶縁膜、層間絶縁膜を順に形成し、その層間絶縁膜をCMPにより研磨する工程を有する半導体装置の製造方法において、保護絶縁膜としては、下層から順に酸化シリコンを主体とする絶縁膜からなる保護酸化膜と、窒化シリコンを主体とする絶縁膜からなる保護窒化膜とを形成し、層間絶縁膜は、ゲート上面の保護絶縁膜に達するまで研磨する。
【発明の効果】
【0014】
本願において開示される複数の発明のうち、上記一実施例により得られる効果を代表して簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0015】
即ち、層間絶縁膜を表面研磨する工程を経て形成される半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は可能な限り省略するようにしている。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態1)
本実施の形態1の半導体装置の構造を、図を用いて説明する。本実施の形態1の半導体装置は、同一チップ上に、ゲート絶縁膜厚の異なるMISトランジスタを少なくとも3種類備えている。
【0018】
図1には、本実施の形態1の半導体装置が有する、動作電圧の高いMISトランジスタである高耐圧MISトランジスタQhの要部平面図を示している。(a)はシリコン基板(半導体基板)1上に形成された構成を省略して記した平面図であり、(b)はシリコン基板1上に形成された構成を記した平面図である。この平面図には、便宜上ハッチングを付して示しているが、構成上の意味は持たない。図2には、本実施の形態1の半導体装置が有する不揮発性メモリNVMの要部平面図を示している。
【0019】
図3には、本実施の形態1の半導体装置の要部断面図を示している。(a)には、高耐圧MISトランジスタQhの要部断面図を示し、左にはゲート幅方向である上記図1のA−A線に沿って矢印方向に見た断面図、右にはゲート長方向である上記図1のB−B線に沿って矢印方向に見た断面図を示している。(b)には、不揮発性メモリNVMを構成するメモリ部MISトランジスタQnvmとして、上記図2のC−C線に沿って矢印方向に見た断面図を示している。更に(b)には、中耐圧MISトランジスタQmおよび高速MISトランジスタQwの要部断面図も示している。これら図1〜図3を用いて、本実施の形態1の半導体装置の構造を説明する。なお、以下で説明するトランジスタは全てn型導電型として説明するが、これらはp型導電型であっても良い。その場合、ウェルなどの半導体領域の極性が逆になる。
【0020】
高耐圧MISトランジスタQhの動作電圧または耐圧は、メモリ用MISトランジスタQnvm、中耐圧MISトランジスタQm、および、高速MISトランジスタQwよりも高い。例えば、高耐圧MISトランジスタQhの耐圧は20V程度とする。メモリ用MISトランジスタQnvmの動作電圧または耐圧は、中耐圧MISトランジスタQmと同程度であり、高速MISトランジスタQwよりも高い。例えば、メモリ用MISトランジスタQnvmおよび中耐圧MISトランジスタQmの耐圧は6V程度とする。なお、高速MISトランジスタQwの耐圧は1.5V程度とする。高速MISトランジスタQwの動作速度は、メモリ用MISトランジスタQnvm、中耐圧MISトランジスタQm、および、高耐圧MISトランジスタQhよりも速い。メモリ用MISトランジスタQnvmの動作速度は、中耐圧MISトランジスタQmと同程度であり、高耐圧MISトランジスタQhよりも速い。
【0021】
シリコン基板1において、高耐圧MISトランジスタQhは高耐圧MIS領域Rhに形成され、メモリ部MISトランジスタQnvmを含む不揮発性メモリNVMはメモリ領域Rnvmに形成され、中耐圧MISトランジスタQmは中耐圧MIS領域Rmに形成され、高速MISトランジスタQwは高速MIS領域Rwに形成されている。シリコン基板1には、集積回路が配置される主回路領域(第1領域)と、それ以外の周辺領域(第2領域)とを有する。そして、上記の各MISトランジスタQh,Qnvm,Qm,Qwが配置される各領域Rh,Rnvm,Rm,Rwは、全てシリコン基板1の主回路領域(第1領域)に含まれる。
【0022】
本実施の形態1の高耐圧MISトランジスタQhは、高耐圧MIS領域Rhに形成された以下の構成要素を有する。シリコン基板1の主面s1には、浅溝(Shallow Trench)型の分離部2が形成され、活性領域3を規定している。分離部2には、後に詳しく説明するソース/ドレイン領域sd1を規定するための開口部4が形成されている。また、シリコン基板1の主面s1側には、活性領域3を含むように、p型導電型の半導体領域であるpウェルpw1が形成されている。また、シリコン基板1の主面s1側においてpウェルpw1に内包されるようにして、n型導電型の半導体領域であるソース/ドレイン領域sd1が形成されている。ソース/ドレイン領域sd1は、平面的に見て、分離部2の開口部4から、活性領域3の端部に達する領域に形成されている。ソース/ドレイン領域sd1において、開口部4で規定された部分には、高濃度n型領域5が形成されている。
【0023】
活性領域3を覆うようにして、高耐圧ゲート(第1ゲート)G1が形成されている。高耐圧ゲートG1は、高耐圧ゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)IG1を隔てて形成された高耐圧ゲート電極(ゲート電極)EG1からなる。高耐圧ゲート絶縁膜IG1は60〜100nm程度の酸化シリコンを主体とする絶縁膜である。高耐圧ゲート電極EG1は多結晶シリコンを主体とする導体膜である。高耐圧ゲート電極EG1の側壁には酸化シリコン膜、または、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層絶縁膜からなるサイドウォールスペーサ6が形成されている。
【0024】
高耐圧ゲートG1上の一部を覆うようにして、サリサイドブロック膜(保護絶縁膜)SABが形成されている。言い換えれば、高耐圧ゲート電極EG1の上面は、サリサイドブロック膜SABで覆われている部分と覆われていない部分とを有する。サリサイドブロック膜SABは、下層から順に、酸化シリコンを主体とする絶縁膜である保護酸化膜t1と、窒化シリコンを主体とする絶縁膜である保護窒化膜t2との積層絶縁膜である。それぞれの厚さは、例えば、保護酸化膜t1が50nm程度、保護窒化膜t2が10nm程度である。
【0025】
シリコン基板1においてシリコンからなる領域のうち、上記のサリサイドブロック膜SABで覆われていない部分には、金属シリサイド層scが形成されている。即ち、サリサイドブロック膜SABに覆われていない高耐圧ゲート電極EG1の上面、および、分離部2の開口部4に位置するソース/ドレイン領域sd1(高濃度n型領域5)の表面には、金属シリサイド層scが形成されている。金属シリサイド層scとは、ニッケルやコバルトなどの金属とシリコンとの化合物であり、導電率の高い層である。
【0026】
以上が、本実施の形態1の高耐圧MISトランジスタQhの構成である。
【0027】
本実施の形態1のメモリ部MISトランジスタQnvmは、メモリ領域Rnvmに形成された以下の構成要素を有する。メモリ部MISトランジスタQnvmは、上述の分離部2によって規定された活性領域3に形成されている。シリコン基板1の主面s1側に、活性領域3を含むようにしてpウェルpw2が形成されている。
【0028】
シリコン基板1の主面s1上には、メモリ用ゲート(第2ゲート)G2が形成されている。メモリ用ゲートG2は、メモリ用ゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)IG2を隔てて形成されたメモリ用ゲート電極(ゲート電極)EG2からなる。メモリ用ゲート絶縁膜IG2は10nm程度の酸化シリコンを主体とする絶縁膜である。メモリ用ゲート電極EG2は多結晶シリコンを主体とする導体膜である。更に、シリコン基板1の主面s1から見たメモリ用ゲートG2の高さは、上述の高耐圧ゲートG1の高さよりも低い。これは、メモリ用ゲート絶縁膜IG2の方が、高耐圧ゲート絶縁膜IG1よりも薄いからである。また、メモリ用ゲート電極EG2の側壁は、上述のサイドウォールスペーサ6によって覆われている。
【0029】
活性領域3のうち、メモリ用ゲートG2の側方下部のpウェルpw2に位置する領域には、n型導電型の半導体領域であるエクステンション領域ex1が形成され、サイドウォールスペーサ6の側方下部のpウェルpw2に位置する領域には、n型導電型の半導体領域であるソース/ドレイン領域sd2が形成されている。エクステンション領域ex1とソース/ドレイン領域sd2とは電気的に接続されており、前者の方が後者よりも不純物濃度が低く、かつ、浅く形成されている。
【0030】
メモリ用ゲートG2を覆うようにして、上述のサリサイドブロック膜SABが形成されている。サリサイドブロック膜SABは、メモリ用ゲートG2を覆い、側方下部のソース/ドレイン領域sd2の一部を覆わないようにして形成されている。このサリサイドブロック膜SABに覆われていない部分のソース/ドレイン領域sd2の表面には、上述の金属シリサイド層scが形成されている。本実施の形態1のメモリ用MISトランジスタQnvmが上記のようなサリサイドブロック膜SABを有する理由に関しては、後に詳しく説明する。
【0031】
以上が、本実施の形態1のメモリ用MISトランジスタQnvmの構成である。このメモリ用MISトランジスタQnvmを含む不揮発性メモリNVMの動作方法に関しては、後に詳しく説明する。
【0032】
本実施の形態1の中耐圧MISトランジスタQmは、中耐圧MIS領域Rmに形成された以下の構成要素を有する。中耐圧MISトランジスタQmは、上述の分離部2によって規定された活性領域3に形成されている。シリコン基板1の主面s1側に活性領域3を含むようにしてpウェルpw3が形成されている。
【0033】
シリコン基板1の主面s1上には、中耐圧ゲート(第2ゲート)G3が形成されている。中耐圧ゲートG3は、中耐圧ゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)IG3を隔てて形成された中耐圧ゲート電極(ゲート電極)EG3からなる。中耐圧ゲート絶縁膜IG3は10nm程度の酸化シリコンを主体とする絶縁膜である。中耐圧ゲート電極EG3は多結晶シリコンを主体とする導体膜である。中耐圧ゲート電極EG3の側壁は、上述のサイドウォールスペーサ6によって覆われている。
【0034】
活性領域3のうち、中耐圧ゲートG3の側方下部のpウェルpw3に位置する領域には、n型導電型の半導体領域であるエクステンション領域ex2が形成され、サイドウォールスペーサ6の側方下部のpウェルpw3に位置する領域には、n型導電型の半導体領域であるソース/ドレイン領域sd3が形成されている。エクステンション領域ex2とソース/ドレイン領域sd3とは電気的に接続されており、前者の方が後者よりも不純物濃度が低く、かつ、浅く形成されている。
【0035】
中耐圧ゲート電極EG3の上面、および、ソース/ドレイン領域sd3の上面には、上述の金属シリサイド層scが形成されている。
【0036】
以上が、本実施の形態1の中耐圧MISトランジスタQmの構成である。
【0037】
本実施の形態1の高速MISトランジスタQwは、高速MIS領域Rwに形成された以下の構成要素を有する。高速MISトランジスタQwは、上述の分離部2によって規定された活性領域3に形成されている。シリコン基板1の主面s1側に活性領域3を含むようにしてpウェルpw4が形成されている。
【0038】
シリコン基板1の主面s1上には、高速ゲート(第2ゲート)G4が形成されている。高速ゲートG4は、高速ゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)IG4を隔てて形成された高速ゲート電極(ゲート電極)EG4からなる。高速ゲート絶縁膜IG4は3nm程度の酸化シリコンを主体とする絶縁膜である。高速ゲート電極EG4は多結晶シリコンを主体とする導体膜である。高速ゲート電極EG4の側壁は、上述のサイドウォールスペーサ6によって覆われている。
【0039】
活性領域3のうち、高速ゲートG4の側方下部のpウェルpw4に位置する領域には、n型導電型の半導体領域であるエクステンション領域ex3が形成され、サイドウォールスペーサ6の側方下部のpウェルpw4に位置する領域には、n型導電型の半導体領域であるソース/ドレイン領域sd4が形成されている。エクステンション領域ex3とソース/ドレイン領域sd4とは電気的に接続されており、前者の方が後者よりも不純物濃度が低く、かつ、浅く形成されている。
【0040】
高速ゲート電極EG4の上面、および、ソース/ドレイン領域sd4の上面には、上述の金属シリサイド層scが形成されている。
【0041】
以上が、本実施の形態1の高速MISトランジスタQwの構成である。
【0042】
更に、シリコン基板1上には、上記の構成を覆うようにして、窒化シリコンを主体とする絶縁膜からなるエッチングストップ膜(接続孔加工用窒化膜)SACが形成されている。その上に、上記の構成を埋め込むようにして、酸化シリコンを主体とする絶縁膜からなる層間絶縁膜ILが形成されている。言い換えれば、エッチングストップ膜SACは層間絶縁膜ILよりも下の層として形成されている。ここで、本実施の形態1の層間絶縁膜ILは、同じ酸化シリコン膜からなる二層構造となっている。この二層は、本実施の形態1の製造方法によってその有用性が示される。ここでは、便宜上、第1層間絶縁膜ILaおよび第2層間絶縁膜ILbと示す。
【0043】
層間絶縁膜ILを貫通するようにして、導電性のコンタクトプラグcpが形成されている。コンタクトプラグcpは、金属シリサイド層scが形成されたソース・ドレイン領域sd1の表面(シリコン基板1の主面s1)、または、金属シリサイド層scが形成された各ゲートG1,G3,G4に達するようにして形成されている。コンタクトプラグcpはタングステンを主体とする導体膜からなり、層間絶縁膜ILとの界面にバリアメタルとしてチタン/窒化チタンの積層膜を有していても良い。
【0044】
層間絶縁膜ILの上面には、金属配線mwが形成されている。金属配線mwは、コンタクトプラグcpに電気的に接続するようにして形成され、所望の回路構成となるように各端子を接続している。金属配線mwはアルミニウムを主体とする導体膜からなり、その上下面にバリアメタルとしてチタン/窒化チタンの積層膜を有していても良い。
【0045】
次に、メモリ用MISトランジスタQnvmを有する不揮発性メモリNVMの動作方法について説明する。上記図2および上記図3(b)で示した不揮発性メモリNVMの構成および動作方法に関しては、例えば、本出願人らが以前に出願した特願2007−174683号に記載されている。動作方法に関しては、当該出願明細書の段落番号[0050]〜[0056]に記載されたものと同様であり、即ち、以下で説明する通りである。
【0046】
データの書き込み時には、書き込み対象となるセル(選択セル)において、不揮発性メモリNVMの容量部CAの他方の電極が接続されている制御ゲート配線に、例えば9V程度の正の制御電圧を印加する。非選択セルにつながる制御ゲート配線には、例えば0Vの電圧を印加する。また、選択セルの不揮発性メモリNVMのデータ書き込み・消去用の容量部CWEの一方の電極が電気的に接続されているデータ書き込み・消去用のビット線に、例えば−9V程度の負の電圧を印加する。非選択セルにつながるデータ書き込み・消去用のビット線には、例えば0Vの電圧を印加する。また、選択線(選択トランジスタQSのゲート)、ソース線(読み出しトランジスタQRのソース)、および、データ書き込み用のビット線(選択トランジスタQSのソース)に、例えば0Vの電圧を印加する。これにより、選択した不揮発性メモリNVMのデータ書き込み・消去用の容量部CWEの浮遊ゲート電極FGに、チャネル全面のFNトンネル電流により電子を注入し、データを書き込む。
【0047】
データの一括消去時には、複数セルの不揮発性メモリNVMに渡って、その容量部CAの他方の電極が接続されている制御ゲート配線に、例えば−9V程度の負の制御電圧を印加する。また、選択セルのデータ書き込み・消去用の容量部CWEの一方の電極が電気的に接続されているデータ書き込み・消去用のビット線に、例えば9V程度の負の電圧を印加する。また、選択線、ソース線およびデータ書き込み用のビット線に、例えば0Vを印加する。これにより、データ一括消去を行う複数の不揮発性メモリNVMのデータ書き込み・消去用の容量部CWEの浮遊ゲート電極FGに蓄積された電子をチャネル全面のFNトンネル電流により放出し、複数セルの不揮発性メモリNVMのデータを一括消去する。
【0048】
なお、ここでは、浮遊ゲート電極FGの電子を引き抜くことをデータ消去と定義するが、その逆に浮遊ゲート電極FGに電子を注入することをデータ消去と定義することもできる。
【0049】
データ・ビット単位消去時には、選択セルの不揮発性メモリNVMの容量部CAの他方の電極が接続されている制御ゲート配線に、例えば−9V程度の負の制御電圧を印加する。非選択セルの制御ゲート配線には、例えば0Vの電圧を印加する。また、選択セルの不揮発性メモリNVMのデータ書き込み・消去用の容量部CWEの一方の電極が電気的に接続されているデータ書き込み・消去用のビット線に、例えば9V程度の正の電圧を印加する。非選択セルのデータ書き込み・消去用のビット線には、例えば0Vの電圧を印加する。また、選択線、ソース線およびデータ書き込み用のビット線に、例えば0Vを印加する。これにより、データ消去対象の選択セルの不揮発性メモリNVMのデータ書き込み・消去用の容量部CWEの浮遊ゲート電極FGに蓄積された電子を、チャネル全面のFNトンネル電流により放出し、選択セルの不揮発性メモリNVMのデータを消去する。
【0050】
データ読み出し時には、選択セルの不揮発性メモリNVMの容量部CAの他方の電極が接続されている制御ゲート配線に、例えば3Vの制御電圧を印加する。非選択セルの制御ゲート配線には、例えば0Vの電圧を印加する。また、選択セルの不揮発性メモリNVMのデータ書き込み・消去用の容量部CWEの一方の電極が電気的に接続されているデータ書き込み・消去用のビット線に、例えば0V程度の電圧を印加する。また、選択セルの不揮発性メモリNVMの選択トランジスタQSのゲート電極が電気的に接続されている選択線に、例えば3V程度の電圧を印加する。そして、データ書き込み用のビット線に、例えば1V程度の電圧を印加する。更に、ソース線に、例えば0Vを印加する。これにより、データ読み出し対象の不揮発性メモリNVMの読み出しトランジスタQRをオン条件とし、その読み出しトランジスタQRのチャネルにドレイン電流が流れるか否かにより、選択セルに記憶されているデータが0/1のいずれなのかを読み出す。
【0051】
以上が、本実施の形態1の不揮発性メモリNVMの動作方法である。上述のデータ書き込み・消去用の容量部CWEはMISトランジスタの構造を有しており、図3(b)の断面図では、これをメモリ用トランジスタQnvmとして示している。
【0052】
本実施の形態1のメモリ用トランジスタQnvmでは、上述のように、メモリ用ゲートG1を覆うようにして、サリサイドブロック膜SABが形成されている。これは、後の工程で詳しく説明するように、金属シリサイド層scを自己整合的に形成(サリサイド形成)するさいのブロック膜として用いる。この目的からは、保護酸化膜t1を形成すれば十分である。一方、本実施の形態1では、保護酸化膜t1上に保護窒化膜t2を形成し、これらの積層膜をサリサイドブロック膜SABとする方がより好ましい。その理由は、上記特願2007−174683の明細書の段落[0032]〜[0034]に記載されている窒化シリコン膜4aの説明と同様である。即ち、サリサイドブロック膜SABとして保護窒化膜t2を形成することで、水や水素イオン等が浮遊ゲート電極FGに拡散するのを抑制または防止することができる。
【0053】
以上が本実施の形態1の半導体装置の構成である。各構成要素が有する効果に関しては、以下に示す製造工程の中で詳しく説明する。図4〜図13を用いて、本実施の形態1の半導体装置の製造方法を説明する。各図で示すシリコン基板1上の領域は、上記図3で示した領域と対応している。
【0054】
まず、図4に示すように、シリコン基板1の主面s1に、STI(Shallow Trench Isolation)構造の分離部2を形成する。分離部2により、上記図1〜図3を用いて説明した活性領域3が規定される。ここでは、まず、フォトリソグラフィ法によってパターニングしたフォトレジスト膜(図示しない)などをエッチングマスクとして、シリコン基板1に異方性エッチングを施すことで溝を形成する。続いて、この溝を含むシリコン基板1の主面s1上に酸化シリコン膜を形成する。その後、酸化シリコン膜に表面研磨を施すことで溝内に埋め込み、STI構造の分離部2を形成する。
【0055】
続いて、シリコン基板1の主面s1側に、各導電型の半導体領域を形成する。この工程では、各領域Rh,Rnvm,Rm,Rsのpウェルpw1,pw2,pw3,pw4、および、高耐圧MIS領域Rhのソース/ドレイン領域sd1を形成する。ここでは、まず、フォトリソグラフィ法によってパターニングしたフォトレジスト膜(図示しない)をイオン注入マスクとして、各領域に所望のイオン注入を施すことで、シリコン基板1に不純物イオンを導入する。その後、適宜熱処理を施し、不純物イオンを活性化または拡散させることで、各半導体領域を形成する。上記工程において、イオン注入条件や熱処理条件が同様であれば、工程を共有しても良い。これにより、工程数を削減できる。また、チャネル領域の不純物濃度を調整するためのイオン注入工程も、本工程において行っても良い。
【0056】
次に、図5に示すように、シリコン基板1の主面s1上に、酸化シリコンを主体とする絶縁膜であるゲート絶縁膜IGを形成する。ゲート絶縁膜IGは、熱酸化法、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法などによって形成する。また、ゲート絶縁膜IGは、各領域によって膜厚が異なるようにして形成する。より具体的には、メモリ領域Rnvmおよび中耐圧MIS領域Rmには同程度の膜厚で、かつ、高速MIS領域Rwよりも厚くなるようにしてゲート絶縁膜IGを形成する。更に、高耐圧MIS領域Rhには、メモリ領域Rnvmおよび中耐圧MIS領域Rmよりも厚くなるようにしてゲート絶縁膜IGを形成する。例えば、高耐圧MIS領域Rhには60〜100nm程度、メモリ領域Rnvmおよび中耐圧MIS領域Rmには10nm程度、高速MIS領域Rwには3nm程度のゲート絶縁膜IGを形成する。
【0057】
これには、まず、シリコン基板1上にゲート絶縁膜IGを熱酸化法またはCVD法などにより形成する。その後、フォトリソグラフィ法やエッチング法などにより、高耐圧MIS領域Rhのゲート絶縁膜IGを加工する。その後、フォトリソグラフィ法やエッチング法などによりメモリ領域Rnvm、中耐圧MIS領域Rmおよび高速MIS領域Rwのゲート絶縁膜IGを除去する。次に、熱酸化法を用いることで、シリコン基板1上のメモリ領域Rnvm、中耐圧MIS領域Rmおよび高速MIS領域Rwにゲート絶縁膜IGを形成する。このとき、高耐圧MIS領域Rhのゲート絶縁膜IG下のシリコン基板1も酸化される。その後、フォトリソグラフィ法やエッチング法などにより、高速MIS領域Rwのゲート絶縁膜IGを除去する。次に、熱酸化法を用いることで、高速MIS領域Rwにゲート絶縁膜IGを形成する。このとき、高耐圧MIS領域Rh、メモリ領域Rnvm、および、中耐圧MIS領域Rmのゲート絶縁膜IG下のシリコン基板1も酸化される。
【0058】
このようにして、高耐圧MIS領域Rhのゲート絶縁膜IGとしては、当該領域にゲート絶縁膜IGを形成した際の酸化シリコン膜、メモリ領域Rnvmおよび中耐圧MIS領域Rmにゲート絶縁膜IGを形成した際の酸化シリコン膜、そして、高速MIS領域Rwにゲート絶縁膜IGを形成した際の酸化シリコン膜が積層されて形成されている。また、メモリ領域Rnvmまたは中耐圧MIS領域Rmのゲート絶縁膜IGとしては、当該領域にゲート絶縁膜IGを形成した際の酸化シリコン膜と、高速MIS領域Rwにゲート絶縁膜IGを形成した際の酸化シリコン膜が積層されて形成されている。また、高速MIS領域Rwには、当該領域にゲート絶縁膜IGを形成した際の酸化シリコン膜が形成されている。
【0059】
次に、図6に示すように、シリコン基板1の主面s1上に多結晶シリコンを主体とする導体膜であるゲート導体膜EGを形成する。これには、CVD法などによって多結晶シリコン膜を形成する。なお、前工程までに形成または加工したゲート絶縁膜IGのうち、高耐圧MIS領域Rhのゲート絶縁膜IGを、高耐圧ゲート絶縁膜IG1と記載する。
【0060】
続いて、フォトリソグラフィ法やエッチング法などにより、各領域においてゲート導体膜EGまたはその下層のゲート絶縁膜IGを加工する。
【0061】
高耐圧MIS領域Rhでは、少なくとも活性領域3を覆うように、かつ、高耐圧ゲート絶縁膜IG1上に配置するようにゲート導体膜EGを加工して、高耐圧ゲート電極EG1を形成する。このようにして、高耐圧ゲート絶縁膜IG1および高耐圧ゲート電極EG1からなる高耐圧ゲートG1を形成する。
【0062】
また、メモリ領域Rnvmでは、活性領域3の一部と平面的に重なる位置に配置するように、ゲート導体膜EGおよびゲート絶縁膜IGを加工することで、それぞれ、メモリ用ゲート電極EG2およびメモリ用ゲート絶縁膜IG2を形成する。このようにして、メモリ用ゲート絶縁膜IG2およびメモリ用ゲート電極EG2からなるメモリ用ゲートG2を形成する。
【0063】
また、中耐圧MIS領域Rmでは、活性領域3の一部と平面的に重なる位置に配置するように、ゲート導体膜EGおよびゲート絶縁膜IGを加工することで、それぞれ、中耐圧ゲート電極EG3および中耐圧ゲート絶縁膜IG3を形成する。このようにして、中耐圧ゲート絶縁膜IG3および中耐圧ゲート電極EG3からなる中耐圧ゲートG3を形成する。
【0064】
また、高速MIS領域Rwでは、活性領域3の一部と平面的に重なる位置に配置するように、ゲート導体膜EGおよびゲート絶縁膜IGを加工することで、それぞれ、高速ゲート電極EG4および高速ゲート絶縁膜IG4を形成する。このようにして、高速ゲート絶縁膜IG4および高速ゲート電極EG4からなる高速ゲートG4を形成する。
【0065】
以上の工程を経て形成された各ゲートG1〜G4は、シリコン基板1の主面s1から見た高さが異なる。なぜなら、各ゲート電極EG1〜EG4の膜厚は同じで、各ゲート絶縁膜IG1〜IG4の膜厚が異なるからである。より具体的には、メモリ用ゲートG2および中耐圧ゲートG3は同程度の高さであり、かつ、高速ゲートG4よりも高く、高耐圧ゲートG1はメモリ用ゲートG2および中耐圧ゲートG3よりも高い。
【0066】
次に、図7に示すように、メモリ用ゲートG2、中耐圧ゲートG3、および、高速ゲートG4の側方下部に位置するシリコン基板1の主面s1側に、エクステンション領域ex1,ex2,ex3を形成する。ここでは、メモリ用ゲートG2の側方下部にはエクステンション領域ex1を形成し、中耐圧ゲートG3の側方下部にはエクステンション領域ex2を形成し、高速ゲートG4の側方下部にはエクステンション領域ex3を形成する。これらは、フォトリソグラフィ法などによって形成するフォトレジスト膜(図示しない)、および、各ゲート電極をイオン注入マスクとして、イオン注入を施すことで形成する。
【0067】
その後、メモリ用ゲートG2、中耐圧ゲートG3、および、高速ゲートG4の側壁を覆うようにして、サイドウォールスペーサ6を形成する。これには、まず、シリコン基板1の主面s1を覆うようにして酸化シリコン膜を堆積する。その後、シリコン基板1の主面s1に向かう方向に全面的に異方性エッチングを施す(エッチバックする)。これにより、段差部であった各ゲートの側壁を覆っていた部分の酸化シリコン膜を残し、サイドウォールスペーサ6を形成できる。
【0068】
続いて、高耐圧MIS領域Rhにおける分離部2の開口部4のシリコン基板1の主面s1、および、メモリ領域Rnvm、中耐圧MIS領域Rm、および、高速MIS領域Rwにおける、サイドウォールスペーサ6の側方下部に位置するシリコン基板1の主面s1に、それぞれ、高濃度n型領域5、および、ソース/ドレイン領域sd2,sd3,sd4を形成する。ここでは、高耐圧MIS領域Rhの開口部4に高濃度n型領域5を形成し、メモリ領域Rnvmにソース/ドレイン領域sd2を形成し、中耐圧MIS領域Rmにソース/ドレイン領域sd3を形成し、高速MIS領域Rwにソース/ドレイン領域sd5を形成する。これらは、フォトリソグラフィ法などによって形成するフォトレジスト膜(図示しない)、および、各ゲート電極とサイドウォールスペーサ6とをイオン注入マスクとして、イオン注入を施すことで形成する。
【0069】
以上の工程によって、高耐圧MIS領域Rh、メモリ領域Rnvm、中耐圧MIS領域Rm、および、高速MIS領域Rwに、それぞれ、高耐圧MISトランジスタQh、メモリ部MISトランジスタQnvm、中耐圧MISトランジスタQm、および、高速MISトランジスタQwの基本構成を形成したことになる。
【0070】
次に、図8に示すように、メモリゲートG2を覆うようにして、サリサイドブロック膜SABを形成する。これには、まず、シリコン基板1の主面s1を覆うようにして、順に保護酸化膜t1と保護窒化膜t2とをCVD法などによって形成する。その後、フォトリソグラフィ法およびエッチング法などによって、メモリ用ゲートG2を覆うようにしてサリサイドブロック膜SABを残し、他の部分は除去する。ここで、本実施の形態1の製造方法では、各ゲートのうち最も高いゲートである高耐圧ゲートG1を覆うサリサイドブロック膜SABに関しても、少なくともその一部を覆うようにして残す。なお、メモリ用ゲートG2を覆うようにしてサリサイドブロック膜を残す理由に関しては、上述の通りである。本実施の形態1の製造法で、更に高耐圧ゲートG1上にもサリサイドブロック膜SABを残す理由に関しては、後に詳細を述べる。
【0071】
次に、図9に示すように、サリサイドブロック膜SABに覆われていない部分の各ゲートの上面およびシリコン基板1の主面s1に、金属シリサイド層scを形成する。サリサイドブロック膜SABに覆われていない部分の各ゲートとは、より具体的には、高耐圧ゲートG1のうちサリサイドブロック膜SABに覆われていない部分、中耐圧ゲートG3、および、高速ゲートG4であり、これらの上面に金属シリサイド層scを形成する。また、サリサイドブロック膜SABに覆われていない部分のシリコン基板1の主面s1とは、各領域Rh,Rnvm,Rm,Rwのソース/ドレイン領域sd1,sd2,sd3,sd4の上面であり、これらの箇所に金属シリサイド層scを形成する。なお、サリサイドブロック膜SABに覆われていなくても、例えば分離部2やサイドウォールスペーサ6など酸化シリコン膜からなる部分など、シリコン以外の材料からなる部分には、金属シリサイド層scは形成しない。
【0072】
上記の金属シリサイド層scは自己整合的に形成する。その工程は以下の通りである。まず、シリコン基板1の主面s1を覆うようにして、例えばコバルト膜などの金属膜をスパッタリング法などによって堆積する。その後、熱処理を施す。このとき、金属膜とゲートや基板などのシリコンとが接触している部分で合金化(金属シリサイド化)が起こり、金属シリサイドが形成される。その後、金属シリサイドとならなかった金属膜を除去することで、金属膜とシリコンとが接触している部分に金属シリサイド層scを形成する。このような金属シリサイド層scの形成方法を、サリサイド(Salicide:Self Align Silicide)法という。そして、金属シリサイド層scを形成したくない部分には、上記図8の工程のように、金属膜を形成する前にサリサイドブロック膜SABを形成しておく。これにより、サリサイドブロック膜SABを形成した部分の金属膜との接触を防ぐことにより、当該部分の金属シリサイド化を防ぐ。なお、サリサイドブロック膜SABに覆われていなくても、例えば分離部2やサイドウォールスペーサ6など酸化シリコン膜からなる部分など、シリコン以外の材料からなる部分では金属シリサイド化反応は起こらず、金属シリサイド層scは形成されない。
【0073】
次に、図10に示すように、シリコン基板1の主面s1を、エッチングストップ膜SACおよび層間絶縁膜ILによって順に覆う。エッチングストップ膜SACは、後に層間絶縁膜ILにコンタクトホールを形成するための異方性エッチング工程において、エッチングストップ膜として用いる。層間絶縁膜ILは、酸化シリコンを主体とする絶縁膜を、例えばCVD法などによって堆積することで形成する。エッチングストップ膜SACは、この酸化シリコン膜とのエッチング選択比が高い材料として、窒化シリコンを主体とする絶縁膜を、例えばCVD法などによって堆積する。ここで、エッチングストップ膜SACの下にサリサイドブロック膜SABを備える領域では、厚い窒化シリコン膜を備えた領域となる。なぜなら、サリサイドブロック膜SABの上層は窒化シリコン膜からなる保護窒化膜t2であり、その上に同じく窒化シリコン膜からなるエッチングストップ膜SACを形成するからである。
【0074】
次に、図11に示すように、層間絶縁膜ILを平坦化するために、上面から研磨する。ここでは、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Vapor Deposition)法によって表面研磨を施す。
【0075】
本実施の形態1の半導体装置の製造方法では、このCMPによる層間絶縁膜ILの研磨工程において、サリサイドブロック膜SABをストップ膜として適用する。より具体的には、層間絶縁膜ILに対してCMPを施し、サリサイドブロック膜SABに達するまで層間絶縁膜ILを研磨する。即ち、本実施の形態1の製造方法では、層間絶縁膜ILに対するCMPを例えば時間などによって制御するのではなく、サリサイドブロック膜SABという決まった構成の位置に達するまでCMPを施すようにしている。特に、本実施の形態1の工程では、高耐圧ゲートG1の高さが他のゲートよりも高く形成されている。従って、CMPによる層間絶縁膜ILの研磨は、どの領域のサリサイドブロック膜SAB(例えばメモリ用ゲートG2を覆う部分)よりも先に、高耐圧ゲートG1の上面に形成されているサリサイドブロック膜SABに達する。このように、本工程では、高耐圧ゲートG1上面のサリサイドブロック膜SABに達するまで、層間絶縁膜ILを研磨する。このような工程を含む製造方法とすることの効果は、後に詳しく説明する。
【0076】
次に、図12に示すように、前工程でCMP研磨により平坦化した層間絶縁膜ILの上面に、更に層間絶縁膜ILを積み増す。ここでは、便宜上、始めに堆積し、前工程でCMP研磨を施した層間絶縁膜ILを第1層間絶縁膜ILaと表記し、本工程で積みました層間絶縁膜ILを第2層間絶縁膜ILbと表記する。第2層間絶縁膜ILbは、第1層間絶縁膜ILaと同じ材料、同じ方法によって形成する。下地の第1層間絶縁膜ILaに表面研磨を施して平坦化しているため、積み増した第2層間絶縁膜ILbの表面も平坦性を維持できる。この第2層間絶縁膜ILbは、後の工程で層間絶縁膜IL上に形成する金属配線および各ゲート間の耐圧を上げるために形成する。
【0077】
次に、図13に示すように、層間絶縁膜ILを貫通し、シリコン基板1の主面s1または各ゲートのうち、金属シリサイド層scを形成した部分に達するようなコンタクトプラグcpを形成する。これには、まず、フォトリソグラフィ法や異方性エッチング法などによって、層間絶縁膜ILを貫通して金属シリサイド層scに達するようなコンタクトホール(接続孔)CHを形成する。その際、層間絶縁膜ILの下層に形成したエッチングストップ膜SACをエッチストッパ(エッチング停止層)として用いる。これにより、シリコン基板1などへのオーバーエッチングを防ぐことができる。続いて、コンタクトホールCHを埋めるようにタングステンなどの導体膜を堆積し、表面研磨を施すことで、コンタクトホールCH内のみに導体膜を埋め込むことで、コンタクトプラグcpを形成する。なお本工程では、上記図3などを用いて説明したバリアメタルを形成しても良い。
【0078】
続いて、層間絶縁膜IL上に、コンタクトプラグcpと電気的に接続するようにして金属配線mwを形成する。これには、アルミニウムなどの金属膜を堆積した後、フォトリソグラフィ法やエッチング法などによってパターニングすることで、所望の形状の金属配線mwを形成する。本実施の形態1の製造方法では、第2層間絶縁膜ILbを積み増してから、金属配線mwを形成するため、金属配線mwの下面と高耐圧ゲートG1の上面とは、少なくとも、サリサイドブロック膜SABの膜厚よりも大きい距離だけ、層間絶縁膜ILによって隔離されている。なお本工程では、上記図3などを用いて説明したバリアメタルを形成しても良い。以上の工程によって、高耐圧MISトランジスタQh、メモリ部MISトランジスタQnvm、中耐圧MISトランジスタ、および、高速MISトランジスタQwを有する半導体装置を製造する。以上が本実施の形態1の半導体装置の製造方法である。
【0079】
本実施の形態1の半導体装置の製造方法では、上記図11を用いて説明したように、層間絶縁膜ILを研磨する際に、時間等で研磨量を制御するのではなく、高耐圧ゲートG1上のサリサイドブロック膜SABに達するまで研磨を施す。このように、本実施の形態1の製造方法では、高耐圧ゲートG1上のサリサイドブロック膜SABといった所定の位置まで意図的に研磨を施す。これにより、研磨レートのばらつきなどによる研磨後の層間膜厚のばらつきを起こり難くすることができる。なぜなら、本実施の形態1の製造方法によれば、CMPによる層間絶縁膜ILの研磨は、時間で設定して停止するのではなく、所定の構成要素であるサリサイドブロック膜SABによって停止するからである。結果として、層間絶縁膜を表面研磨する工程を経て形成される半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0080】
更に、本実施の形態1の半導体装置の製造方法では、高さに差のあるゲートを有する半導体装置において、最も高いゲート(高耐圧ゲートG1)の上面にサリサイドブロック膜SABを形成する工程を説明した。これにより、CMPによる層間絶縁膜ILの研磨工程において、標高の高いゲートなどを削り込み難くすることができる。結果として、層間絶縁膜を表面研磨する工程を経て形成される半導体装置の信頼性をより向上させることができる。
【0081】
また、本実施の形態1の半導体装置の製造方法では、上記のCMPによる層間絶縁膜ILの研磨を、サリサイドブロック膜SABによって停止する工程を説明した。ここでは、サリサイドブロック膜SABによらず、層間絶縁膜ILの研磨を停止することができる層であれば、他の停止層を適用しても同様に効果的である。より具体的には、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜ILのエッチングに対して選択性の高い、例えば窒化シリコン膜などであれば、CMP停止層として形成して同様に効果的である。ただし、本実施の形態1の製造方法では、上記のようなサリサイドブロック膜SABを適用する方が、よりこのましい。理由を以下で説明する。サリサイドブロック膜SABは、金属シリサイド層scを選択的に形成するための、金属シリサイド化反応のブロック膜としての機能を持っている。これは本来、CMP停止層としての機能とは関係ない。本実施の形態1では、そのようなサリサイドブロック膜SABを併用して、CMP停止層に適用する方法を説明している。即ち、新たな層を導入することなく、CMP停止層として効果的なサリサイドブロック膜SABを形成できる。これにより、半導体装置の製造方法の工程数を削減できる。
【0082】
また、本実施の形態1の半導体装置の製造方法では、上記図2で説明したような不揮発性メモリNVMを構成するメモリ用ゲートG2を、同じシリコン基板1上に形成する例を説明した。上記の効果は、不揮発性メモリNVMを持たない半導体装置の製造方法に適用しても効果的である。ただし、サリサイドブロック膜SABをより効率的に形成するという観点からは、上記図2のような不揮発性メモリNVMを有する半導体装置の製造方法に適用して、より効果的である。その理由は、以下の通りである。上記図2を用いて説明したように、不揮発性メモリNVMのメモリ用ゲートG2は、特に保護窒化膜t2を有するサリサイドブロック膜SABで覆われた構造とすることがより好適である。即ち、このような不揮発性メモリNVMを有する半導体装置には、保護窒化膜t2を備えたサリサイドブロック膜SABを形成する工程が含まれている。従って、本実施の形態1の製造工程においても、このようなサリサイドブロック膜SABを最も標高の高いゲート(高耐圧)の上面にも残すようにパターニングすれば、上記の効果を発現し得るようなCMPの停止層として適用できる。即ち、新たに工程を追加することなく、本実施の形態1の製造方法を実施できる。これにより、半導体装置の製造方法の工程数を削減できる。
【0083】
また、本実施の形態1の半導体装置の製造方法では、サリサイドブロック膜SABの上層であり、層間絶縁膜ILの下層である位置に、エッチングストップ膜SACを形成している。上述のように、エッチングストップ膜SACはコンタクトホールCHの形成のために適用した膜であり、上記の層間絶縁膜ILのCMPにおける効果を得るためには必須ではない。ただし、サリサイドブロック膜SABを構成する保護窒化膜t2としての窒化シリコン膜を、見かけ上さらに厚くできるという観点から、エッチングストップ膜SACを形成することは、より好ましい。より具体的には以下の通りである。上記の効果は、層間絶縁膜ILをCMPにより研磨する工程において、サリサイドブロック膜SABを用いてその研磨を停止させることで発現する。そこで、そのサリサイドブロック膜SABとエッチングストップ膜SACとを合わせて配置することで、見かけ上、窒化シリコン膜が更に厚くなり、CMPの停止層としてより効果的である。結果として、層間絶縁膜を表面研磨する工程を経て形成される半導体装置の信頼性をより向上させることができる。
【0084】
なお、高耐圧ゲートG1上にはサリサイドブロック膜SABを形成せず、エッチングストップ膜SACをCMP停止層として用いる構成も考え得る。以下の観点から、本実施の形態1のように、サリサイドブロック膜SABをCMP停止層として用いるのが望ましい。第1に、エッチングストップ膜SACは、上記図13を用いて説明したように、コンタクトホールCHを形成する際のエッチングストッパとして用い、その工程から要求される膜厚を有するように形成される。従って、エッチングストップ膜SACを層間絶縁膜ILの研磨の際にCMP停止層として適用し、目減りしてしまうのは好ましくない。第2に、高耐圧ゲートG1の上面にサリサイドブロック膜SABを形成しない場合、高耐圧ゲートG1上にはエッチングストップ膜SACが直接形成されることになる。このようなエッチングストップ膜SACをCMP停止層として適用した場合、層間絶縁膜ILの研磨が高耐圧ゲートG1にまで及ぶリスクが高くなる。従って、エッチングストップ膜SACを単体でCMP停止層として用いるのではなく、本実施の形態1の半導体装置の製造方法のように、サリサイドブロック膜SAB、または、サリサイドブロック膜SABとエッチングストップ膜SACとの積層膜をCMP停止層として用いる方が、より効果的である。
【0085】
また、本実施の形態1では、高さの異なる複数のMISトランジスタを有する半導体装置およびその製造方法を説明したが、高さが同程度であるMISトランジスタを有する半導体およびその製造方法に適用しても、同様に効果的である。ただし、例えば、上面にサリサイドブロック膜SABを形成しないゲートへのCMPによる削り込みの影響を考慮した場合、高さに差があり、最も高いゲートの上面にサリサイドブロック膜SABを形成し得る本実施の形態1のような半導体装置の製造方法に適用した方が、より効果的である。
【0086】
また、本実施の形態1の製造方法では、上記図12の工程で説明したように、金属配線mwと各ゲートとの耐圧を向上させるために、層間絶縁膜ILを積み増す(第2層間絶縁膜ILb)。一方、以下のような他の工程によっても、耐圧を確保することができる。
【0087】
図14は、上記図7に続く工程であり、上記図8の工程と同様にしてサリサイドブロック膜SABを形成する工程を示している。ここでは特に、サリサイドブロック膜SABを構成する下層の保護酸化膜t1を80〜120nm程度、上層の保護窒化膜t2を20〜30nm程度の膜厚となるように厚く形成する。
【0088】
続いて、上記図9〜上記図11で説明した工程と同様の工程により、エッチングストップ膜SACおよび層間絶縁膜ILを形成し、CMP法により層間絶縁膜ILを研磨する。このとき、CMPによる層間絶縁膜ILの研磨は、サリサイドブロック膜SABを停止層として、サリサイドブロック膜SABに達したところで止める。
【0089】
次に、図15に示すように、上記図13で示した方法と同様にして、コンタクトプラグcpおよび金属配線mwを形成する。ここでは、上記図12で説明したような層間絶縁膜ILの積み増しは行わない。即ち、この製法によれば、金属配線mwの下面と高耐圧ゲートG1上のサリサイドブロック膜SABの上面とは、同じ高さに配置される。この方法では、層間絶縁膜ILを積み増さなくても、サリサイドブロック膜SABを十分厚く形成しているため、金属配線mwと各ゲートとの間の耐圧は確保できる。このように、層間絶縁膜ILを積み増さないことで、工程数をより削減できる。また、CMP工程を終えたままの層間絶縁膜ILにコンタクトプラグcpおよび金属配線mwを形成することから、より平坦な状態で加工を施すことができる。また、コンタクトホールCHを形成する層間絶縁膜ILはより薄くなるから、コンタクトホールCHのアスペクト比がより小さくなり、加工精度をより向上させることができる。結果として、層間絶縁膜を表面研磨する工程を経て形成される半導体装置の信頼性をより向上させることができる。
【0090】
一方、金属配線mwと各ゲートとの間の耐圧確保が重要な半導体素子である場合などには、上述のように、層間絶縁膜ILを積み増す方法とした方が好適である。その場合にも、サリサイドブロック膜SABを厚く形成することは、より強固なCMP停止層として機能させることができ、より効果的である。
【0091】
また、上述のように、本実施の形態1のサリサイドブロック膜SABは、金属シリサイド層scを形成させない領域に形成する膜であり、その厚さが他の工程に及ぼす影響は小さい。従って、サリサイドブロック膜SABの設定膜厚の自由度は、例えばコンタクトホールCHのエッチングストッパとして用いるエッチングストップ膜SACなどと比較して高い。この観点からも、エッチングストップ膜SACを単体でCMP停止層として用いるのではなく、本実施の形態1の半導体装置の製造方法のように、サリサイドブロック膜SAB、または、サリサイドブロック膜SABとエッチングストップ膜SACとの積層膜をCMP停止層として用いる方が、より効果的である。
【0092】
(実施の形態2)
本実施の形態2の半導体装置の構造を、図16を用いて説明する。図16は、上記実施の形態1において上記図1〜図3を用いて説明した構成と同様の構成を有する高耐圧MISトランジスタQh、および、高速MISトランジスタQwを有する本実施の形態2の半導体装置の要部断面図を示している。これらの構成は、上記実施の形態1で説明した効果と同様の効果を発現し得る。本実施の形態2の半導体装置は、更に、同一シリコン基板1上にダミーゲートGdを有している。高耐圧MISトランジスタQhや高速MISトランジスタQwはシリコン基板1の主回路領域(第1領域)Raに形成され、ダミーゲートGdはシリコン基板1の周辺領域(第2領域)Rpに形成されている。ここで、周辺領域Rpは、主回路領域Raと同一のシリコン基板1上にあり、半導体装置を構成する半導体素子を形成しない余剰の領域である。
【0093】
ここで、ダミーゲートGdは以下の構成を有している。周辺領域RpのダミーゲートGdの高さは、主回路領域Raの高耐圧ゲートG1の高さと同じである。また、ダミーゲートGdはシリコン基板1の主面s1上に順に形成されたダミーゲート絶縁膜IGdとダミーゲート電極EGdとを有している。ダミーゲート絶縁膜IGdは、高耐圧ゲート絶縁膜IG1と同じ厚さである。また、ダミーゲートGdの上面も、高耐圧ゲートG1と同様、サリサイドブロック膜SABで覆われている。その他、サイドウォールスペーサ6およびエッチングストップ膜SACに関しても、高耐圧MISトランジスタQhと同様の構成となっている。また、本図16では、ダミーゲートGd下部のシリコン基板1には、特定の構成が配置されていないような構造を示している。ここには、高耐圧MISトランジスタQhと同様のpウェルpw1、分離部2、ソース/ドレイン領域sd1、高濃度n型領域5、または、金属シリサイド層scなどが配置されていても良い。
【0094】
上記のようなダミーゲートGdを配置することは、製法上において効果的である。以下では、ダミーゲートGdを形成する工程を含む本実施の形態2の半導体装置の製造方法を、図17〜図20を用いて説明する。
【0095】
まず、図17に示すように、上記図4〜上記図7と同様の工程によって、主回路領域Raに高耐圧MISトランジスタQhおよび高速MISトランジスタQwを形成する。更に、周辺領域RpにダミーゲートGdを形成する。ここで、ダミーゲートGdは、高耐圧MISトランジスタQhの高耐圧ゲートG1を形成する工程と同様にして形成する。従って、高耐圧ゲートG1とダミーゲートGdとは同じ高さになる。なお、上述のように、高速MISトランジスタQwの高速ゲートG4は、高耐圧ゲートG1およびダミーゲートGdよりも低い。
【0096】
次に、図18に示すように、上記図8で説明した工程と同様にして、保護酸化膜t1および保護窒化膜t2からなるサリサイドブロック膜SABを形成する。ここでは、高耐圧ゲートG1の上面に加え、ダミーゲートGdの上面にもサリサイドブロック膜SABが残るようにパターニングする。
【0097】
次に、図19に示すように、上記図9および上記図10で説明した工程と同様にして、金属シリサイド層sc、エッチングストップ膜SAC、および、層間絶縁膜ILを形成する。ここでは、主回路領域Raの構成だけでなく、周辺領域RpのダミーゲートGdを覆うように、層間絶縁膜ILを形成する。
【0098】
次に、図20に示すように、上記図11で説明した工程と同様にして、CMP法によって層間絶縁膜ILを研磨する。特に、上記図11の方法と同様に、CMPによる層間絶縁膜ILの研磨は、高耐圧ゲートG1上のサリサイドブロック膜SABで停止させる。ここで、本実施の形態2の製造方法では、ダミーゲートGdを高耐圧ゲートG1と同程度の高さとなるように形成している。従って、CMPによる層間絶縁膜ILの研磨が高耐圧ゲートG1上のサリサイドブロック膜SABに達したとき、ダミーゲートGd上のサリサイドブロック膜SABにも達していることになる。このように、本実施の形態2の半導体装置の製造方法によれば、高耐圧ゲートG1とダミーゲートGdとの2つのゲート上のサリサイドブロック膜SABによって、CMPを停止させることができる。言い換えれば、シリコン基板1上において、高いゲートの高耐圧ゲートG1と同様の高さのゲートの占有率を増加させることができる。これにより、エロージョンを軽減することができ、より膜厚のばらつきが少なくなるように層間絶縁膜ILを研磨できる。結果として、層間絶縁膜を表面研磨する工程を経て形成される半導体装置の信頼性をより向上させることができる。
【0099】
続く工程では、上記図12および上記図13で説明した工程と同様にして、層間絶縁膜ILの積み増し、コンタクトホールCHの加工、コンタクトプラグcpの形成、および、金属配線mwの形成を行う。以上の工程を経て、上記図16に示した本実施の形態2の半導体装置を形成できる。なお、上記図14および上記図15を用いて説明したように、サリサイドブロック膜SABを厚く形成し、層間絶縁膜ILを積み増さずに配線構造を形成しても同様の効果が得られる。
【0100】
また、シリコン基板1面内において、半導体装置を構成する半導体素子を形成する主回路領域Ra以外の周辺領域Rpのうち、特に、以下のような場所にダミーゲートGdを配置することがより効果的である。
【0101】
図21は、本実施の形態2の半導体装置の一例として、LCDドライバDDのブロック図を示している。LCDドライバDDでは、処理回路7がほぼ中央に配置され、そこから比較的近い位置に主記憶装置となるSRAM(Static Random Access Memory)回路8が配置される。また、処理回路7やSRAM回路8の周囲には、ゲートドライバ、ソースドライバ、または、入出力回路などの制御回路9が配置されている。更に、処理回路7から遠い位置に補助記憶装置となる不揮発性メモリ回路10が配置されている。これらの各回路7〜10が配置される領域が、上記図16における主回路領域Raである。
【0102】
SRAM回路8は、主に、上記図3の高速MIS領域Rwに形成された高速MISトランジスタQwなどによって構成される。また、制御回路9は、主に、上記図1または上記図3の高耐圧MIS領域Rhに形成された高耐圧MISトランジスタQhなどによって構成される。また、不揮発性メモリ回路10は、主に、上記図2または上記図3のメモリ領域Rnvmに形成された、メモリ部MISトランジスタQnvmを有する不揮発性メモリNVMなどによって構成される。このように、LCDドライバDDには、ゲートの低いトランジスタを備える回路(例えば、高速MISトランジスタQwを備えるSRAM回路8)の領域と、ゲートの高いトランジスタを備える回路(例えば、高耐圧MISトランジスタQhを備える制御回路9)の領域とが存在する。
【0103】
そこで、本実施の形態2のLCDドライバDDでは、上記図16を用いて説明したダミーゲートGdを形成する周辺領域Rpを、平面的に見て、SRAM回路8の領域を制御回路9の領域とで挟み込むような位置に配置する。これにより、低いゲートの高速MISトランジスタQwが主体の領域を、高いゲートの高耐圧MISトランジスタQhとダミーゲートGdとが主体の領域によって、平面的に挟み込んだ構造となる。
【0104】
このような配置とすることで、上記図20のようにして層間絶縁膜ILを研磨する過程では、低いゲートの高速ゲートG4にとって、両脇に配置された高いゲートの高耐圧ゲートG1とダミーゲートGdとの上面で研磨が停止する。従って、CMPによる層間絶縁膜ILのエロージョン現象は軽減され、低いゲートの削りこみなどを、より起こし難くすることができる。結果として、層間絶縁膜を表面研磨する工程を経て形成される半導体装置の信頼性をより向上させることができる。
【0105】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、例えば、パーソナルコンピュータやモバイル機器等において、情報処理を行なうために必要な半導体産業に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施の形態1である半導体装置の要部平面図であって、(a)はシリコン基板上の構成要素を省略して示した平面図であって、(b)はシリコン基板上の構成要素を一部省略せずに示した平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1である半導体装置の他の要部平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1である半導体装置の要部断面図であって、(a)の左は図1のA−A線に沿って矢印方向に見た断面図、(a)の右は図1のB−B線に沿って矢印方向に見た断面図、(b)は他の領域の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造工程中における要部断面図であって、(a)の左は図1のA−A線に沿って矢印方向に見た断面図、(a)の右は図1のB−B線に沿って矢印方向に見た断面図、(b)は他の領域の断面図である。
【図5】図4に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図14】本発明の実施の形態1である半導体装置の他の製造工程中であって、図7に続く製造工程中における要部断面図である。
【図15】図14に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図16】本発明の実施の形態2である半導体装置の要部断面図である。
【図17】本発明の実施の形態2である半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図18】図17に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図19】図18に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図20】図19に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図21】本発明の実施の形態2である半導体装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0108】
1 シリコン基板(半導体基板)
2 分離部
3 活性領域
4 開口部
5 高濃度n型領域
6 サイドウォールスペーサ
7 処理回路
8 SRAM回路
9 制御回路
10 不揮発性メモリ回路
CA 容量部
CH コンタクトホール(接続孔)
CWE データ書き込み・消去用の容量部
cp コンタクトプラグ
DD LCDドライバ
EG ゲート導体膜
EG1 高耐圧ゲート電極(ゲート電極)
EG2 メモリ用ゲート電極(ゲート電極)
EG3 中耐圧ゲート電極(ゲート電極)
EG4 高速ゲート電極(ゲート電極)
EGd ダミーゲート電極
ex1,ex2,ex3 エクステンション領域
G1 高耐圧ゲート(第1ゲート)
G2 メモリ用ゲート(第2ゲート)
G3 中耐圧ゲート(第2ゲート)
G4 高速ゲート(第2ゲート)
Gd ダミーゲート
IG ゲート絶縁膜
IG1 高耐圧ゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)
IG2 メモリ用ゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)
IG3 中耐圧ゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)
IG4 高速ゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)
IGd ダミーゲート絶縁膜
IL 層間絶縁膜
ILa 第1層間絶縁膜
ILb 第2層間絶縁膜
mw 金属配線
NVM 不揮発性メモリセル
pw1,pw2,pw3,pw4 pウェル
Qh 高耐圧MISトランジスタ
Qm 中耐圧MISトランジスタ
Qnvm メモリ部MISトランジスタ
QR 読み出しトランジスタ
QS 選択トランジスタ
Qw 高速MISトランジスタ
Ra 主回路領域(第1領域)
Rh 高耐圧MIS領域
Rm 中耐圧MIS領域
Rnvm メモリ領域
Rp 周辺領域(第2領域)
Rw 高速MIS領域
SAB サリサイドブロック膜(保護絶縁膜)
SAC エッチングストップ膜(接続孔加工用窒化膜)
sc 金属シリサイド層
sd1,sd2,sd3,sd4 ソース/ドレイン領域
t1 保護酸化膜
t2 保護窒化膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)半導体基板の第1領域における主面上に、順にゲート絶縁膜およびゲート電極を形成することで、ゲートを形成する工程と、
(b)前記半導体基板の主面上に保護絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記半導体基板の主面上において、前記保護絶縁膜を覆うようにして、層間絶縁膜を形成する工程と、
(d)前記層間絶縁膜をCMPにより研磨する工程とを有し、
前記(b)工程では、
前記保護絶縁膜として、下層から順に保護酸化膜と保護窒化膜とを形成し、
前記保護酸化膜としては酸化シリコンを主体とする絶縁膜、前記保護窒化膜としては窒化シリコンを主体とする絶縁膜とを形成し、
前記(d)工程では、前記ゲート上面の前記保護絶縁膜に達するまで、前記層間絶縁膜を研磨することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、更に、
(e)前記半導体基板上の第2領域における主面上にダミーゲートを形成する工程を有し、
前記(e)工程では、前記(a)工程で前記ゲートを形成する工程と同一の工程によって、前記ゲートと同じ高さになるように前記ダミーゲートを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、更に、
(f)前記(b)工程後、前記(c)工程前に、前記保護絶縁膜の一部を除去する工程と、
(g)前記(f)工程後、前記(c)工程前に、前記保護絶縁膜で覆われていない部分の前記ゲートの上面および前記半導体基板の主面に、金属シリサイド層を自己整合的に形成する工程とを有し、
前記(f)工程では、前記(g)工程で前記金属シリサイド層を形成する領域の前記保護絶縁膜を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程では、
前記ゲートとして、互いに高さの異なる第1ゲートと第2ゲートとを形成し、
前記第1ゲートの前記半導体基板の主面からの高さは、前記第2ゲートよりも高くなるようにして形成し、
前記(e)工程では、前記(a)工程で前記第1ゲートを形成する工程と同一の工程によって、前記第1ゲートと同じ高さになるように前記ダミーゲートを形成し、
前記(f)工程では、前記第1ゲート上および前記ダミーゲート上の一部には前記保護絶縁膜が残るように、前記保護絶縁膜の一部を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程では、
前記第1ゲートの前記ゲート絶縁膜である第1ゲート絶縁膜と、前記第2ゲートの前記ゲート絶縁膜である第2ゲート絶縁膜とを異なる膜厚で形成することで、互いに高さの異なる前記第1ゲートと前記第2ゲートとを形成し、
前記第1ゲート絶縁膜の膜厚は、前記第2ゲート絶縁膜よりも厚くなるようにして形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程では、不揮発性メモリを構成するメモリ用第2ゲートを有するようにして、前記第2ゲートを形成し、
前記(f)工程では、前記メモリ用第2ゲートをも覆うように前記保護絶縁膜が残るようにして、前記保護絶縁膜の一部を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の半導体装置の製造方法において、更に、
(h)前記(g)工程後、前記(c)工程前に、前記半導体基板の主面を覆うようにして、接続孔加工用窒化膜を形成し、
(i)前記(d)工程後、前記層間絶縁膜を貫通し、前記半導体基板の主面または前記ゲートに達するようなコンタクトプラグと、前記層間絶縁膜の上面に配置し、前記コンタクトプラグと電気的に接続するような金属配線とを形成する工程とを有し、
前記(h)工程では、前記接続孔加工用窒化膜として、窒化シリコンを主体とする絶縁膜を形成し、
前記(i)工程では、前記接続孔加工用窒化膜をエッチング停止層として、前記コンタクトプラグを形成するための接続孔を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体基板の主面を平面的に見て、前記ダミーゲートは、前記第1ゲートとともに、前記第2ゲートを挟み込むような位置に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置の製造方法において、更に、
(j)前記(d)工程後、前記(i)工程前に、前記層間絶縁膜上に、更に前記層間絶縁膜を積み増す工程を有する半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程では、
前記保護酸化膜の厚さは80〜120nmとなるように形成し、
前記保護窒化膜の厚さは20〜30nmとなるように形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
(a)半導体基板の第1領域における主面上に順に形成された、ゲート絶縁膜およびゲート電極からなるゲートと、
(b)前記半導体基板の第2領域における主面上に形成された、ダミーゲートと、
(c)前記半導体基板の主面上に形成された保護絶縁膜と、
(d)前記半導体基板の主面上において、前記保護絶縁膜を覆うようにして形成された、層間絶縁膜とを有し、
前記保護絶縁膜は、下層から順に保護酸化膜と保護窒化膜とを有し、
前記保護酸化膜は酸化シリコンを主体とする絶縁膜、前記保護窒化膜は窒化シリコンを主体とする絶縁膜からなり、
前記保護絶縁膜は、前記ゲート上およびダミーゲート上の一部を覆うようにして形成され、
前記第1領域の前記ゲートと前記第2領域の前記ダミーゲートとは同じ高さであることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11記載の半導体装置において、更に、
(e)前記ゲートの上面の一部または前記半導体基板の主面の一部に形成された、金属シリサイド層を有し、
前記保護絶縁膜は、前記ゲートまたは前記半導体基板の一部を覆わないようにして形成されており、
前記金属シリサイド層は、前記ゲートの上面および前記半導体基板の主面のうち、前記保護絶縁膜に覆われていない部分に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項12記載の半導体装置において、
前記第1領域の前記ゲートは、互いに高さの異なる第1ゲートと第2ゲートとを有し、
前記第1ゲートの前記半導体基板の主面からの高さは、前記第2ゲートよりも高く、
前記第2領域の前記ダミーゲートは、前記第1ゲートと同じ高さであり、
前記保護絶縁膜は、少なくとも、前記第1ゲート上および前記ダミーゲート上の一部を覆っていることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項13記載の半導体装置において、
前記第1ゲートの前記ゲート絶縁膜である第1ゲート絶縁膜と、前記第2ゲートの前記ゲート絶縁膜である第2ゲート絶縁膜とは、互いに異なる膜厚を有することで、前記第1ゲートと前記第2ゲートとは互いに高さが異なっており、
前記第1ゲート絶縁膜は前記第2ゲート絶縁膜よりも厚いことを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
請求項14記載の半導体装置において、
前記第2ゲートは、不揮発性メモリの一部を構成するメモリ用第2ゲートを有し、
前記保護絶縁膜は、前記メモリ用第2ゲートを覆うようにして形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
請求項15記載の半導体装置において、更に、
(f)前記半導体基板の主面を覆うようにして、かつ、前記層間絶縁膜よりも下の層に形成された接続孔加工用窒化膜と、
(g)前記層間絶縁膜を貫通し、前記半導体基板の主面または前記ゲートに達するようなコンタクトプラグと、前記層間絶縁膜の上面に配置され、前記コンタクトプラグと電気的に接続するような金属配線とを有し、
前記接続孔加工用窒化膜は、前記半導体基板の主面に前記保護絶縁膜が形成されている箇所では、前記保護絶縁膜よりも上に形成され、
前記接続孔加工用窒化膜は、窒化シリコンを主体とする絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項17】
請求項16記載の半導体装置において、
前記半導体基板の主面を平面的に見て、前記ダミーゲートは、前記第1ゲートとともに、前記第2ゲートを挟み込むような位置に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項18】
請求項17記載の半導体装置において、
前記金属配線の下面と前記第1ゲートの上面とは、前記保護絶縁膜の膜厚よりも大きい距離だけ、前記層間絶縁膜によって隔離されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項19】
請求項18記載の半導体装置において、
前記金属配線の下面と前記保護絶縁膜の上面とは同じ高さに位置し、
前記保護絶縁膜のうち、
前記保護酸化膜の厚さは80〜120nmであり、
前記保護窒化膜の厚さは20〜30nmであることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−153523(P2010−153523A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328926(P2008−328926)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】