説明

結晶性半導体膜の作製方法及び薄膜トランジスタの作製方法

【課題】結晶粒径が大きく、均一な結晶性半導体膜を作製する方法を提供する。
【解決手段】絶縁膜上に接して結晶性半導体膜を形成する第1の工程と、前記第1の工程よりも核生成頻度が低い条件により結晶性半導体膜を成長させる第2の工程と、により結晶性半導体膜を作製する。第2の工程は、第1の工程よりも半導体材料ガスの流量比が小さい条件で行う。これにより、結晶粒径が大きく、均一性の高い結晶性半導体膜を得ることができ、結晶性半導体膜の下地膜に対するプラズマダメージを従来よりも低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、結晶性半導体膜の作製方法及び薄膜トランジスタの作製方法に関する。更には、これらを用いた表示装置などの半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、絶縁性表面を有する基板(例えば、ガラス基板)上の半導体薄膜(厚さ数nm〜数百nm程度)によって構成された、薄膜トランジスタが注目されている。薄膜トランジスタは、IC(Integrated Circuit)及び電気光学装置のような電子デバイスに広く応用されている。特に、液晶表示装置などに代表される、画像表示装置のスイッチング素子として開発が急がれている。液晶表示装置などの画像表示装置では、スイッチング素子として、主に非晶質半導体膜または多結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタが用いられている。更には、微結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
結晶性が良好な微結晶半導体膜を形成するには、成膜初期と成膜後期で条件を変化させる複数段階(複数ステップ)からなる成膜方法によることが有効であることが知られている。成膜初期は被形成面の材質及び結晶性などの影響を受けやすく、成膜後期は成膜初期に堆積した結晶性半導体膜の材質及び結晶性などの影響を受けやすいためである。このような複数段階(複数ステップ)の成膜方法により微結晶半導体膜を形成する技術の一例が、特許文献2に開示されている。特許文献2では、成膜初期には原料ガス(堆積性ガス)の水素希釈率とプラズマ生成用の電力を大きくし、成膜後期には原料ガス(堆積性ガス)の水素希釈率とプラズマ生成用の電力を小さくすることで成膜速度を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4409134号明細書
【特許文献2】特開2003−037278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
堆積性ガスと希釈ガスの流量比による、成膜される微結晶半導体膜の特性の違いについて検討する。
【0006】
希釈ガスに対する堆積性ガスの流量比が大きい条件(希釈率が低い条件)では、結晶核が生成しやすい(半導体材料が堆積しやすい)ため、被形成面に対するプラズマダメージを抑えることができ、粒径の均一性を高くすることができるが、形成される結晶の粒径が小さいため、成膜される微結晶半導体膜中に粒界が多く存在することになる。
【0007】
一方で、希釈ガスに対する堆積性ガスの流量比が小さい条件(希釈率が高い条件)では、結晶核が生成しづらい(半導体材料が堆積しづらい)ため、被形成面に対するプラズマダメージが比較的大きく、粒径も不均一なものとなるが、形成される結晶の粒径が大きいため、成膜される微結晶半導体膜中の粒界の数を抑えることができる。
【0008】
本発明の一態様は、粒径が大きく、粒径の均一性が高く、且つ被形成面に対するプラズマダメージが小さい結晶性半導体膜の作製方法を提供することを課題とする。
【0009】
更には、本発明の一態様は、ゲート絶縁膜と微結晶半導体膜の界面及びゲート絶縁膜中の一方または双方への欠陥の生成を抑えた薄膜トランジスタの作製方法を提供することを課題とする。ゲート絶縁膜にプラズマダメージが生じると、ゲート絶縁膜と微結晶半導体膜との界面に欠陥(界面トラップ)を生じる。更には、ゲート絶縁膜の膜中にまでプラズマダメージが生じると、ゲート絶縁膜中に欠陥(膜中トラップ)を生じる。これらの欠陥は、薄膜トランジスタの閾値電圧がシフトする原因となる。本発明の一態様は、このような微結晶半導体膜の被形成面に対するプラズマダメージが小さい薄膜トランジスタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、複数段階からなる結晶性半導体膜の作製方法であって、希釈ガスに対する堆積性ガスの流量比が大きい条件(希釈率の低い条件、好ましくは40倍以上50倍以下)と希釈ガスに対する堆積性ガスの流量比が小さい条件(希釈率の高い条件、好ましくは80倍以上200倍以下)を用い、成膜後期の堆積性ガスの流量比を成膜初期の堆積性ガスの流量比よりも小さい条件とする結晶性半導体膜の作製方法である。
【0011】
本発明の一態様は、プラズマCVD法による結晶性半導体膜の作製方法であって、希釈ガスに対する堆積性ガスの流量比を大きくする(希釈率は好ましくは40倍以上50倍以下)ことで結晶核を生成しやすくさせ、絶縁表面に結晶核を密に形成する第1の工程と、第1の工程よりも希釈ガスに対する堆積性ガスの流量比を小さくする(希釈率は好ましくは80倍以上200倍以下)ことで核生成しにくくさせ、前記結晶核を種として結晶性半導体膜を成長させる第2の工程と、を有することを特徴とする結晶性半導体膜の作製方法である。
【0012】
上記構成の結晶性半導体膜の作製方法は、被形成面に対するプラズマダメージを抑制することが目的の一つである。そのため、作製工程の一部または全部にプラズマを用いる場合に上記構成の結晶性半導体膜の作製方法を適用することが特に好ましい。作製工程の一部または全部にプラズマを用いる技術として、代表的には、プラズマCVD法がある。
【0013】
本発明の一態様は、絶縁膜に接して、堆積性ガスと希釈ガスを用いてプラズマCVD法により半導体の結晶核を形成する、成膜速度が5nm/分以上の条件により行う第1の工程と、前記第1の工程よりも、成膜初期時間が長い条件でプラズマCVD法により結晶性半導体膜を成長させる第2の工程と、を有することを特徴とする結晶性半導体膜の作製方法である。
【0014】
本発明の一態様は、絶縁膜に接して、堆積性ガスと希釈ガスを用いてプラズマCVD法により半導体の結晶核を形成する、成膜速度が5nm/分以上の条件により行う第1の工程と、前記第1の工程よりも、前記堆積性ガスに対する前記希釈ガスの流量比が大きい条件でプラズマCVD法により結晶性半導体膜を成長させる第2の工程と、を有することを特徴とする結晶性半導体膜の作製方法である。
【0015】
上記構成の本発明の一態様において、前記第1の工程における成膜初期時間は1分以上であることが好ましい。前記第2の工程における成膜初期時間は5分以上であることが好ましい。更には、前記第1の工程における成膜初期時間が1分以上であり、前記第2の工程における成膜初期時間が5分以上であることが好ましい。
【0016】
ここで、成膜初期時間とは、基板面に対して成膜を開始した際に観測される、堆積性ガスの流量に対して成膜速度が極端に低い時間をいう。成膜初期時間はインキュベーションタイムともいう。
【0017】
更には、上記構成の結晶性半導体膜の作製方法は、ボトムゲート型薄膜トランジスタに適用することが特に好ましい。ボトムゲート型薄膜トランジスタの作製に上記構成の結晶性半導体膜の作製方法を適用することで、ゲート絶縁膜と結晶性半導体膜の界面、及びゲート絶縁膜中の一方または双方の欠陥が少ないボトムゲート型薄膜トランジスタを作製することが可能になる。従って、本発明の一態様は、ゲート電極を形成し、該ゲート電極を覆ってゲート絶縁膜を形成し、該ゲート絶縁膜上に接して上記の結晶性半導体膜の作製方法により結晶性半導体膜を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
【0018】
または、上記構成の結晶性半導体膜の作製方法または薄膜トランジスタの作製方法においては、結晶性半導体膜の被形成面である絶縁膜が酸化シリコン膜であることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様によれば、被形成面に対するプラズマダメージを抑えつつ、従来よりも結晶粒径が大きく、粒径の均一性が高い結晶性半導体膜を作製することができる。このような結晶性半導体膜は、キャリア移動度が高く、オン電流が大きいものとなる。
【0020】
更には、本発明の一態様によれば、ゲート絶縁膜と結晶性半導体膜の界面、及びゲート絶縁膜中の一方または双方の欠陥が少ないボトムゲート型薄膜トランジスタを作製することができる。特に、ゲート絶縁膜と結晶性半導体膜の界面の欠陥を少なくすることで、閾値電圧のシフト量が小さい薄膜トランジスタを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】結晶性半導体膜の成膜方法を説明する図。
【図2】結晶性半導体膜の成膜方法を説明する図。
【図3】結晶性半導体膜の成膜方法を説明する図。
【図4】薄膜トランジスタの構造の一例を説明する図。
【図5】プラズマCVD装置の構成を示す図。
【図6】薄膜トランジスタの作製方法の一例を説明する図。
【図7】薄膜トランジスタの作製方法の一例を説明する図。
【図8】薄膜トランジスタの作製方法の一例を説明する図。
【図9】多階調マスクを説明する図。
【図10】薄膜トランジスタの作製方法の一例を説明する図。
【図11】薄膜トランジスタの作製方法の一例を説明する図。
【図12】薄膜トランジスタの作製方法の一例を説明する図。
【図13】表示装置の構成を説明するブロック図。
【図14】液晶表示パネルを説明する上面図及び断面図。
【図15】発光表示パネルを説明する上面図及び断面図。
【図16】表示装置を用いた電子機器を説明する図。
【図17】実施例における処理時間と結晶性半導体膜の厚さの関係を説明する図。
【図18】実施例における結晶性半導体膜のSEM像。
【図19】実施例における結晶性半導体膜のSEM像。
【図20】実施例における結晶性半導体膜のSEM像とラマンスペクトルを説明する図。
【図21】実施例における結晶性半導体膜の暗電流の測定結果を説明する図。
【図22】薄膜トランジスタの構造の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、説明中に図面を参照するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。また、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0023】
(実施の形態1)
本実施の形態では、結晶性半導体膜の作製方法について図面を参照して説明する。ここでは、結晶性半導体膜の一例として、結晶性シリコンを用いる。
【0024】
まず、基板100を準備する。基板100は、基板100上に形成される各薄膜(結晶性シリコンなど)の形成に耐えうる程度の耐熱性及び耐薬品性などを有していればよく、特定の材料からなる基板に限定されるものではない。基板100として、例えば、ガラス基板、石英基板、ステンレス基板及びシリコン基板が挙げられる。
【0025】
次に、基板100上に絶縁膜102を形成する(図1(A)を参照)。ここでは、絶縁膜102が酸化シリコン膜であることが好ましい。なお、絶縁膜102は特に必要のない場合には設けなくてよい。
【0026】
次に、絶縁膜102上に、プラズマを用いた方法によって結晶性半導体膜を形成する。プラズマを用いた方法として、例えば、プラズマCVD法が挙げられる。結晶性半導体膜は、2段階の成膜条件により形成する。本実施の形態の2段階の成膜条件のうち、成膜初期の条件を第1の条件、成膜後期の条件を第2の条件と記載する。
【0027】
まず、絶縁膜102上に第1の条件で結晶核を生成させる。第1の条件は、希釈ガスに対する堆積性ガスの流量比が大きい(好ましくは、堆積性ガスに対する希釈ガスの流量比が40倍以上50倍以下)条件とし、結晶核の生成頻度が高く、結晶成長が速い条件である。第1の条件は、成膜速度が5nm/分以上であることが好ましい。または、成膜初期時間が1分以上の条件であることが好ましい。更には、第1の条件は、成膜速度が5nm/分以上、且つ成膜初期時間が1分以上の条件であることが好ましい。このような条件を第1の条件とすることで、結晶性半導体膜の成膜初期から堆積が生じやすく、絶縁膜102が露出される時間が短くなり、絶縁膜102がプラズマに曝される時間が短くなる。そのため、絶縁膜102への電荷の蓄積を防止し、絶縁膜102と結晶性半導体膜の界面へのプラズマダメージを防ぐことができる。従って、絶縁膜102と、絶縁膜102上に形成される結晶性半導体膜との界面にトラップ準位が生成することを防ぐことができる。更には、絶縁膜102中へのプラズマダメージも防ぐことができる。
【0028】
第1の条件では、具体的には、堆積性ガス(例えばシラン)の流量に対する希釈ガス(例えば水素)の流量を10倍〜100倍(好ましくは40倍〜50倍)とし、反応室内の圧力を1Pa〜101325Pa(すなわち、大気圧)程度とするとよい。基板温度は、室温程度から基板が損傷または変質などしない程度の温度までとすればよい。また、プラズマを発生させる高周波電界は、概ね400kHz〜2.45GHz(好ましくは13MHz〜100MHz)とすればよい。なお、第1の条件の処理時間は、形成される膜が膜となる直前の状態となる程度の時間とすればよい。例えば、後に実施例にて説明するように、シランの流量を10sccm、水素の流量を400sccmとし、反応室内の圧力を100Paとし、基板温度を280℃とし、60MHzのRF電源を用いた場合には、第1の条件による処理時間は10秒〜20秒間とすればよい。シランの流量を8sccm、水素の流量を400sccmとし、反応室内の圧力を100Paとし、基板温度を280℃とし、60MHzのRF電源を用いた場合には、第1の条件による処理時間は20秒〜30秒間とすればよい。
【0029】
第1の条件により、絶縁膜102上に結晶核104(結晶核104A〜104E)としてほぼ均一な粒径の結晶核が、ほぼ等間隔で形成される(図1(B)を参照)。
【0030】
上記のように、結晶核104が形成された状態で第2の条件を用いることで、結晶核104を成長させる。結晶核104を成長させて大粒径化させることで、結晶粒106(結晶粒106A〜106E)となる(図1(C)を参照)。第2の条件は、堆積性ガスの流量が小さい条件とし、結晶核の生成頻度が低い条件である。第2の条件は、結晶核の生成頻度が低いため、第1の条件により形成された結晶核間に存在する隙間などに新たな結晶核が形成されにくく、粒径が小さな結晶核の生成を防止することができ、結晶粒径が不均一になることを防止することができる。また、第1の条件により結晶核104が絶縁膜102のほぼ全面に存在するため、絶縁膜102に対するプラズマダメージを考慮する必要がない。
【0031】
第2の条件では、具体的には、堆積性ガス(例えばシラン)の流量に対する希釈ガス(例えば水素)の流量を50倍〜1000倍(好ましくは80倍〜200倍)とし、反応室内の圧力を1Pa〜101325Pa(大気圧)程度とするとよい。基板温度は、室温程度から基板が損傷または変質などしない程度の温度までとすればよい。また、プラズマを発生させる高周波電界は、概ね400kHz〜2.45GHz(好ましくは13MHz〜100MHz)とすればよい。なお、第2の条件による処理時間は、成膜される膜が所望の厚さとなるまでの時間とすればよい。
【0032】
第2の条件により結晶粒106(結晶粒106A〜106E)を更に成長させ、結晶性半導体膜108が形成される(図1(D)を参照)。
【0033】
ここで、従来の、一段階により結晶性半導体膜を成膜する場合における結晶核の生成から結晶成長するまでのメカニズムについて、図面を参照して説明する。図2は、第1の条件のみを用いて結晶性半導体膜を成膜した場合の模式図を示す。図3は、第2の条件のみを用いて結晶性半導体膜を成膜した場合の模式図を示す。
【0034】
図2では、まず、図1と同様に絶縁膜102を形成した基板100を準備する(図2(A)を参照)。
【0035】
次に、第1の条件により、絶縁膜102上に結晶核124A〜124Eがほぼ均一に形成される(図2(B)を参照)。
【0036】
図2では、結晶核124A〜124Eが形成された後に、引き続き第1の条件で結晶性半導体膜を形成する。このように結晶核124A〜124Eが形成された後に引き続き第1の条件により成膜を行うと、結晶核124A〜124Eの成長のみならず、これらの隙間などへの更なる核生成も行われることになる。そのため、結晶核124A〜124Eが成長して結晶粒126(結晶粒126A〜126E)が形成されると同時に、これらの隙間などに結晶核124F〜124Iが生成することになる(図2(C)を参照)。これは、第1の条件の核生成頻度が高いためである。その後、結晶性半導体膜の成膜工程を終了する(図2(D)を参照)。このようにして結晶性半導体膜128が形成される。
【0037】
図2のように第1の条件のみを用いて成膜した結晶性半導体膜128では、結晶粒の粒径が小さくなる。このような結晶性半導体膜では、粒界が多く含まれるため、キャリア移動度を向上させることが困難である。
【0038】
次に、第2の条件のみを用いた場合について説明する。図3では、まず、図1及び図2と同様に絶縁膜102を形成した基板100を準備する(図3(A)を参照)。
【0039】
次に、第2の条件により、絶縁膜102上に結晶核134(結晶核134A〜134C)が生成される(図3(B)を参照)。このとき形成される結晶核134の数は、図2において形成される結晶核の数よりも少ない。これは、第2の条件の核生成頻度が低いためである。そのため、絶縁膜102の多くの領域がプラズマに長時間曝され、絶縁膜102に生じるプラズマダメージは、図1及び図2の場合よりも大きくなる。
【0040】
上記のように、結晶核134A〜134Cが形成された後に、引き続き第2の条件で結晶性半導体膜を形成する。すると、結晶核134A〜134Cが成長して結晶粒136(結晶粒136A〜136C)が形成されるとともに、これらの隙間などに結晶核134Dが生成する(図3(C)を参照)。その後結晶粒136及び結晶核134Dを成長させ、結晶性半導体膜の成膜工程を終了する(図3(D)を参照)。このようにして結晶性半導体膜138が形成される。
【0041】
図3のように、第2の条件のみを用いて成膜した結晶性半導体膜138では、大粒径の結晶粒と小粒径の結晶粒が混在し、粒径が不均一になる。そのため、キャリア移動度を向上させることが困難である。更には、成膜速度が遅く、スループットが悪い。
【0042】
更には、第2の条件のみを用いた成膜では、第1の条件のみを用いた成膜または第1の条件と第2の条件を併用した場合よりも絶縁膜102または基板100がプラズマに曝される時間が長く、これらに生じるプラズマダメージが大きい。また、成膜速度が遅いためスループットも低い。
【0043】
以上説明したように、第1の条件のみ、または第2の条件のみを用いて結晶性半導体膜を成膜すると、粒径が均一で大粒径の半導体膜を成膜することが困難である。そのため、キャリア移動度の高い半導体膜を形成することが困難であり、本発明の一態様である成膜方法は有益なものであるといえる。
【0044】
以上説明した成膜方法を適用することで、均一性が高く、電気的特性のばらつきが少ない結晶性半導体膜を形成することができる。
【0045】
また、下地となる絶縁膜または基板へのプラズマダメージを低減することができる。
【0046】
また、第2の条件により結晶の平均粒径が大きくなりやすく、下地となる絶縁膜との界面近傍における粒径が特に大きくなりやすいというメリットがある。
【0047】
なお、本実施の形態ではシリコンを成膜する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。ゲルマニウムなどの他の半導体材料にも適用できることは勿論である。また、適用できる範囲は半導体材料に限定されるものではない。均一性の高い大粒径の結晶性薄膜を作製する様々な場合に適用することができる。
【0048】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1にて説明した結晶性半導体膜の作製方法を適用した薄膜トランジスタの作製方法について、図面を参照して説明する。
【0049】
図4は、本実施の形態の薄膜トランジスタの上面図及び断面図の一例を示す。図4に示す薄膜トランジスタは、基板200上にゲート電極層202を有し、ゲート電極層202を覆ってゲート絶縁層204を有し、ゲート絶縁層204上に結晶性半導体層206を有し、結晶性半導体層206上に非晶質半導体層208を有し、非晶質半導体層208上の一部にソース領域及びドレイン領域210を有し、ソース領域及びドレイン領域210上にソース電極及びドレイン電極層212を有し、ソース電極及びドレイン電極層212上に絶縁層214を有する。各層は所望の形状にパターン形成されている。非晶質半導体層208は、耐圧の向上と結晶性半導体層への元素の侵入を防止するバッファ層として機能する。絶縁層214は、保護層として機能する。
【0050】
図4に示す薄膜トランジスタは、例えば液晶表示装置(液晶表示パネル)にマトリクス状に設けられる、画素トランジスタである。薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方はソース配線に接続され、ソース電極及びドレイン電極の他方は絶縁層214に設けられた開口部216を介して画素電極層218に接続されている。
【0051】
なお、図4では、ソース電極及びドレイン電極の一方は、ソース電極及びドレイン電極の他方を、U字型(コの字型または馬蹄型)に囲い込んだ形状となるように形成されている。薄膜トランジスタをU字型(コの字型または馬蹄型)とすることで、該薄膜トランジスタのチャネル幅を大きくすることができ、十分なオン電流を確保することができる。また、電気的特性のばらつきを低減することができる。更には、信頼性が向上する。ただし、これに限定されず、薄膜トランジスタは必ずしもU字型(コの字型または馬蹄型)でなくともよい。
【0052】
次に、図4に示す薄膜トランジスタの作製方法について、図面を参照して説明する。なお、結晶性半導体を有するn型薄膜トランジスタは、結晶性半導体を有するp型薄膜トランジスタよりも電界効果移動度が高い。また、同一の基板上に形成する薄膜トランジスタを全て同じ極性に統一すると、工程数を抑えることができる。そのため、ここでは、n型の薄膜トランジスタの作製方法について説明する。ただし、これに限定されず、薄膜トランジスタは、p型であってもよい。
【0053】
まず、基板200上にゲート電極層202を形成する。基板200は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス若しくはアルミノシリケートガラスなど、フュージョン法やフロート法で作製される無アルカリガラス基板、セラミック基板の他、本作製工程の処理温度以上の耐熱性を有するプラスチック基板などを用いることができる。また、ステンレス合金などの金属基板の表面に絶縁層を設けた基板を用いてもよい。すなわち、基板200としては、絶縁性表面を有する基板を用いる。基板200がマザーガラスの場合、第1世代(例えば、320mm×400mm)〜第10世代(例えば、2950mm×3400mm)などのものを用いればよい。
【0054】
ゲート電極層202は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム若しくはスカンジウムなどの金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて形成することができる。アルミニウムを用いる場合には、タンタルを添加して合金化したAl−Ta合金を用いるとヒロックの発生を抑制することができる。また、ネオジムを添加して合金化したAl−Nd合金を用いると、ヒロックの発生を抑制することができるのみならず、抵抗の低い配線を形成することができる。また、リンなどの不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体層やAgPdCu合金膜を用いてもよい。また、単層で形成してもよいし、積層で形成してもよい。例えば、アルミニウム層上にモリブデン層が積層された二層の積層構造、または銅の層上にモリブデン層を積層した二層構造、または銅の層上に窒化チタン層若しくは窒化タンタルを積層した二層構造とすることが好ましい。電気的抵抗が低い層上にバリア層として機能する金属層が積層されることで、電気的抵抗が低く、且つ金属層から半導体層への金属元素の拡散を防止することができる。または、窒化チタン層とモリブデン層とから構成される二層の積層構造、またはタングステン層(厚さ約50nm)とアルミニウムとシリコンの合金層(厚さ約500nm)と窒化チタン層(厚さ約30nm)とを積層した三層の積層構造としてもよい。また、三層の積層構造とする場合には、第1の導電層のタングステンに代えて窒化タングステンを用いてもよいし、第2の導電層のアルミニウムとシリコンの合金層に代えてアルミニウムとチタンの合金層を用いてもよいし、第3の導電層の窒化チタン層に代えてチタン層を用いてもよい。例えば、Al−Nd合金層上にモリブデン層を積層して形成すると、耐熱性に優れ、且つ電気的に抵抗が低い導電層を形成することができる。
【0055】
ゲート電極層202は、スパッタリング法または真空蒸着法により基板200上に導電層を形成し、該導電層上にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法などによりマスクを形成し、該マスクを用いて導電層をエッチングすることで形成することができる。また、銀、金若しくは銅などの導電性ナノペーストをインクジェット法により基板上に吐出し、焼成することで形成してもよい。なお、ゲート電極層202と基板200の密着性を向上させ、ゲート電極層202を構成する材料が下地へと拡散することを防ぐバリアメタルとして、上記の金属材料の窒化物層を、基板200と、ゲート電極層202との間に設けてもよい。ここでは、基板200上に導電層を形成し、フォトマスクを用いて形成したレジストマスクによりエッチングし、ゲート電極層202を形成する。
【0056】
なお、ゲート電極層202上には、後の工程で半導体層及びソース配線(信号線)を形成するので、段差の箇所における配線切れ防止のためゲート電極層の側面をテーパー形状となるように加工することが好ましい。また、この工程でゲート配線(走査線)も同時に形成することができる。更には、画素部が有する容量線も形成することができる。なお、走査線とは、画素を選択する配線をいう。
【0057】
次に、ゲート電極層202を覆ってゲート絶縁層を形成し、該ゲート絶縁層上に結晶性半導体層、非晶質半導体層及び不純物半導体層を順に積層して形成する。この絶縁層はゲート絶縁層として機能し、図に示すゲート絶縁層204となる。なお、少なくとも、ゲート絶縁層、結晶性半導体層及び非晶質半導体層を連続して成膜することが好ましい。更に好ましくは、不純物半導体層まで連続して成膜する。少なくとも、ゲート絶縁層、結晶性半導体層及び非晶質半導体層を大気に触れさせることなく連続して成膜することで、大気成分や大気中に浮遊する不純物元素によりこれらの層が汚染されずに、積層膜の各層の界面を形成することができる。そのため、薄膜トランジスタの電気的特性のばらつきを低減することができ、信頼性の高い薄膜トランジスタを歩留まりよく作製することができる。
【0058】
ゲート絶縁層204は、CVD法またはスパッタリング法などを用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンで形成することができる。また、ゲート絶縁層204は、単層で形成してもよいし、これらを積層して形成してもよい。例えば、ゲート絶縁層204は、50nm以上、好ましくは50nm以上400nm以下、より好ましくは150nm以上300nm以下となるように形成する。ゲート絶縁層204として窒化酸化シリコン層を用いると、基板200に含まれるアルカリ金属などの結晶性半導体層206への侵入を防止することができる。また、ゲート絶縁層204として酸化窒化シリコン層を用いることで、ゲート電極層202にアルミニウムを用いた場合に生じうるヒロックを防止し、更には、ゲート電極層202の酸化を防止することができる。また、周波数が1GHz以上のプラズマCVD装置を用いて、ゲート絶縁層204を形成するとよい。
【0059】
なお、ゲート絶縁層204の形成後、結晶性半導体層206となる結晶性半導体膜の形成前に、結晶性半導体膜の密着性向上、または酸化を防止するための層をゲート絶縁層204上に形成してもよい。このような酸化防止などを目的として設けられる層として、例えば、酸化窒化シリコン層を窒化シリコン層により挟んだ積層構造の層が挙げられる。
【0060】
結晶性半導体層206は、薄膜トランジスタのチャネル形成領域として機能する。結晶性半導体膜の形成方法は、実施の形態1にて説明した通りである。
【0061】
なお、本実施の形態の結晶性半導体層206中のキャリア移動度は、非晶質半導体層中のキャリア移動度の約2倍以上20倍以下である。そのため、結晶性半導体層により形成される薄膜トランジスタでは、非晶質半導体層を用いた薄膜トランジスタと比較して、横軸がゲート電圧、縦軸がドレイン電流の電流−電圧特性を示す曲線における立ち上がり部分の傾きが急峻となる。ここで、ゲート電圧とは、ソース電極の電位を基準としたゲート電極の電位との電位差をいい、ドレイン電流とは、ソース電極とドレイン電極の間に流れる電流をいう。従って、結晶性半導体層をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタは、スイッチング素子としての応答性に優れ、高速動作が可能である。表示装置のスイッチング素子として結晶性半導体層をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタを用いると、チャネル形成領域の面積、即ち薄膜トランジスタの面積を縮小することもできる。また、駆動回路の一部または全体を画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することもできる。
【0062】
また、結晶性半導体層206は、価電子制御を目的とした不純物元素を添加せずとも弱いn型の電気伝導性を示すことが多い。そのため、薄膜トランジスタのチャネル形成領域として機能する結晶性半導体層には、p型を付与する不純物元素(例えば、ボロン)を成膜と同時に、または成膜した後に添加して閾値電圧Vthを制御するとよい。p型を付与する不純物元素としては、代表的にはボロンがあり、B、BFなどの不純物気体を1ppm〜1000ppm、好ましくは1〜100ppmの割合で水素化シリコンに混入させることで形成するとよい。そして、結晶性半導体層におけるボロンの濃度を、例えば1×1014〜6×1016atoms/cmとするとよい。
【0063】
結晶性半導体層206は、2nm以上60nm以下、好ましくは10nm以上30nm以下の厚さで形成する。結晶性半導体層206の厚さを2nm以上60nm以下とすることで、薄膜トランジスタを完全空乏型として動作させることも可能である。また、結晶性半導体層206の厚さは、例えば、実施の形態1にて説明した、結晶性半導体膜108を形成する工程におけるシランの流量と成膜時間により制御することができる。
【0064】
非晶質半導体層208は、プラズマCVD法などを用いて非晶質シリコンにより形成することができる。なお、この非晶質半導体層208の厚さは、10nm以上500nm以下とすればよい。または、非晶質半導体層208は、水素または希ガス中で非晶質半導体をスパッタリングすることで形成してもよい。
【0065】
なお、非晶質半導体層208には、リンやボロンなどの一導電型を付与する不純物元素が含まれないように注意を要する。特に、閾値電圧を制御するために結晶性半導体層206に添加されたボロン、またはソース領域及びドレイン領域210に含まれるリンが非晶質半導体層208に混入しないことが好ましい。または、非晶質半導体層208にリンやボロンなどが含まれる場合であっても、リンやボロンなどの濃度が二次イオン質量分析法における検出下限以下となるように調整するとよい。例えば、結晶性半導体層206にボロンを含み、且つ非晶質半導体層208にリンを含む場合には、結晶性半導体層206と、非晶質半導体層208との間にPN接合が形成されてしまう。また、非晶質半導体層208にボロンを含み、且つソース領域及びドレイン領域210にリンを含む場合には、非晶質半導体層208と、ソース領域及びドレイン領域210との間にPN接合が形成されてしまう。または、非晶質半導体層208に、ボロンとリンの双方が混入することで再結合中心を生じ、リーク電流を生じさせる原因となる。従って、非晶質半導体層208にこれらの不純物元素を含ませないことで、リーク電流を低減することができる。また、ソース領域及びドレイン領域210と、結晶性半導体層206との間に、リンやボロンなどの不純物元素を含まない非晶質半導体層208を有することで、チャネル形成領域となる結晶性半導体層206、及びソース領域及びドレイン領域210に不純物元素が侵入することを防止できる。
【0066】
また、非晶質半導体層208には、水素を含ませるとよい。非晶質半導体層208に存在する欠陥を終端させるためである。
【0067】
また、非晶質半導体のエネルギーギャップは結晶性半導体に比べて大きく、電気的に高抵抗であり、キャリア移動度が低い。このため、形成される薄膜トランジスタにおいて、ソース領域及びドレイン領域210と結晶性半導体層206との間に形成される非晶質半導体層208は高抵抗な領域として機能し、結晶性半導体層206がチャネル形成領域として機能することが好ましい。このとき、非晶質半導体層208は高抵抗な領域として機能するため、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができ、スイッチング特性を向上させることができる。このような薄膜トランジスタを液晶表示装置のスイッチング素子として用いると、液晶表示装置のコントラストを向上させることができる。
【0068】
なお、結晶性半導体層206が酸化されると、薄膜トランジスタの電界効果移動度が低下し、サブスレッショルド値が増大するため、薄膜トランジスタの電気的特性が低下(具体的には、スイッチング特性が低下)する。しかし、非晶質半導体層208が結晶性半導体層206の表面を覆うように設けられることで、結晶性半導体層が有する結晶粒(特に、表面)の酸化を防止することができ、薄膜トランジスタの電気的特性の低下を防止することができる。非晶質半導体層208に水素を含ませる(更に好ましくは、フッ素も含ませる)ことで、酸素が非晶質半導体層208を通過することを効果的に防止し、結晶性半導体層206の酸化を防止する効果を更に高めることができる。
【0069】
ソース領域及びドレイン領域210は、不純物半導体層を形成し、この不純物半導体層をエッチングして形成することができる。ソース領域及びドレイン領域210として導電型がn型の薄膜トランジスタを形成する場合には、代表的には不純物元素としてリンを添加すればよく、水素化シリコンにPHなどのn型の導電型を付与する不純物元素を含む気体を加えて形成することができる。また、p型の薄膜トランジスタを形成する場合には、代表的には不純物元素としてボロンを添加すればよく、水素化シリコンにBなどのp型の導電型を付与する不純物元素を含む気体を加えればよい。ソース領域及びドレイン領域210は、結晶性半導体または非晶質半導体により形成することができる。ソース領域及びドレイン領域210は2nm以上60nm以下の厚さで形成するとよい。つまり、結晶性半導体層206と同程度の厚さとするとよい。ソース領域及びドレイン領域210を薄くすると、スループットを向上させることができる。
【0070】
なお、上述したように、ゲート絶縁層から不純物半導体層までは連続して成膜することが好ましい。マルチチャンバーのCVD装置を用いることで、堆積する膜の種類毎に反応室を配することが可能であり、複数の異なる種類の膜を大気に触れさせることなく連続して成膜することができる。以下に、このマルチチャンバーのCVD装置の構成の一例について説明する。
【0071】
図5は、複数の反応室を備えたマルチ・チャンバー・プラズマCVD装置の一例の上断面を示す模式図である。この装置は、共通室272、ロード/アンロード室270、第1反応室250a、第2反応室250b、第3反応室250c及び第4反応室250dを備えている。ロード/アンロード室270のカセットに基板が装填されると、共通室272の搬送機構276によって各反応室に基板200が搬出入される。共通室272と各反応室及びロード/アンロード室との間にはゲートバルブ274が備えられ、各反応室で行われる処理が互いに干渉しないように構成されている。各反応室は成膜する薄膜の種類に応じて使い分けることができる。例えば、第1反応室250aではゲート絶縁膜などの絶縁膜を成膜し、第2反応室250bでは水素を含む半導体膜を成膜してチャネル形成領域用の結晶性半導体膜の結晶核を生成させ、第4反応室250dでは結晶性半導体膜の結晶核を成長させてチャネル形成領域用の結晶性半導体膜を保護する非晶質半導体膜を成膜し、第3反応室250cではソース領域及びドレイン領域を形成する一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜を成膜する。それぞれの薄膜は最適な成膜温度が異なるので、反応室を分けておくことで成膜温度の管理が容易となり、各薄膜を最適な温度で成膜することができる。さらに、同じ膜種を繰り返し成膜することができるので、成膜履歴に係る残留不純物の影響を排除することができる。なお、一の反応室で一の膜を成膜する構成としてもよいし、結晶性半導体膜と非晶質半導体膜のように、一の反応室で複数の膜を成膜する構成としてもよい。
【0072】
各反応室には排気手段としてターボ分子ポンプ264とドライポンプ266が接続されている。排気手段はこれらの真空ポンプの組み合わせに限定されるものではなく、概略10−5Paから10−1Paの真空度まで排気できるものであれば他の真空ポンプを用いてもよい。ただし、第2反応室250bでは、反応室内の圧力を概略10−5Pa以下まで到達させることができるようにクライオポンプ268が接続されていることが好ましい。これらの排気手段と各反応室との間にはバタフライバルブ260及びコンダクタンスバルブ262の一方または双方が設けられている。バタフライバルブ260を用いることで排気手段と反応室を遮断することができる。そして、コンダクタンスバルブ262を用いることで排気速度を制御し、各反応室の圧力を調節することができる。
【0073】
なお、第2反応室250bに接続されているクライオポンプ268を用いることで、反応室内の圧力を10−5Paよりも低い圧力(望ましくは超高真空)とすることができる。本実施の形態では、反応室内を10−5Paよりも低い圧力にすることで、結晶性半導体膜中への酸素などの大気成分の混入防止を効果的に行うことができる。この結果、結晶性半導体膜に含まれる酸素濃度を1×1016cm−3以下とすることができる。結晶性半導体膜中の酸素濃度を低くすることで結晶性を高めることができ、膜中のキャリア移動度を向上させることができる。
【0074】
ガス供給手段258は、成膜工程に用いられるガスが充填されているシリンダ、ストップバルブ及びマスフローコントローラなどで構成されている。ガス供給手段258gは第1反応室250aに接続され、ゲート絶縁膜を成膜するためのガスを供給する。ガス供給手段258iは第2反応室250bに接続され、結晶性半導体膜及び非晶質半導体膜を成膜するためのガスを供給する。ガス供給手段258nは第3反応室250cに接続され、例えばn型の導電型を付与する不純物元素が添加された堆積性ガスと希釈ガスを供給する。なお、ガス供給手段258nに含まれるPHガスを供給する手段は第1反応室250aに接続されていてもよい。ガス供給手段258bは第4反応室250dに接続され、結晶性半導体膜及び非晶質半導体膜を成膜するためのガスを供給する。ガス供給手段258aはアルゴンを供給する。ガス供給手段258fは反応室内のクリーニングに用いるエッチングガス(ここではNFガス)を供給する。アルゴンガスとクリーニングに用いるエッチングガスはすべての反応室において用いられるため、ガス供給手段258aとガス供給手段258fはすべての反応室に接続されていることが好ましい。
【0075】
また、各反応室にはプラズマを生成するための高周波電力供給手段が連結されている。ここで、高周波電力供給手段には高周波電源252と整合器254が含まれる。発生させるプラズマは、例えばRF(13.56MHz)プラズマ、VHFプラズマ(30MHz〜300MHz)、マイクロ波(2.45GHz)プラズマを用いることができる。
【0076】
なお、ここで用いるプラズマの生成はパルス状とすることが好ましい。
【0077】
なお、同一の反応室内において、結晶性半導体膜、非晶質半導体膜、及び一導電型を付与する不純物元素が添加された不純物半導体膜を連続して成膜してもよい。具体的には、ゲート絶縁膜が形成された基板を反応室内に搬入し、そこで結晶性半導体膜、非晶質半導体膜、及び一導電型を付与する不純物元素が添加された半導体膜(不純物半導体膜)を連続して成膜する。同一の反応室内で結晶性半導体膜及び非晶質半導体膜を連続して成膜することで、結晶歪の少ない界面を形成することが可能である。そのため、界面に意図しない準位が形成されることを防ぐことができる。また、界面に混入しうる大気成分(窒素または酸素など)を低減することができる。
【0078】
なお、装置には予備室が連結されていてもよい。成膜前に予備室で基板を加熱しておくと、各反応室における成膜までの加熱時間を短縮することが可能であり、スループットを向上させることができる。
【0079】
なお、上記説明したように連続して成膜することで、汚染源となりうる不純物元素によって界面が汚染されることなく、積層膜の各層を形成することができる。そのため、薄膜トランジスタの電気的特性のばらつきを低減することができる。
【0080】
上記に示すプラズマCVD装置を用いることで、各反応室で一種類の膜または組成の類似する複数種の膜を成膜することが可能であり、且つ大気に曝すことなく連続成膜することができる。そのため、既に成膜した膜の残留物及び大気に浮遊する不純物元素によって界面が汚染されることなく、積層膜を形成することができる。
【0081】
プラズマCVD装置の反応室の内部は、フッ素ラジカルでクリーニングするとよい。また、成膜前に反応室内に保護膜を形成することが好ましい。
【0082】
次に、不純物半導体層上にレジストマスク221を形成する(図6(A)を参照)。レジストマスク221は、フォトリソグラフィ法により形成することができる。または、インクジェット法などにより形成してもよい。
【0083】
次に、レジストマスク221を用いて結晶性半導体層、非晶質半導体層及び不純物半導体層をエッチングする。この処理により、結晶性半導体層、非晶質半導体層、並びに不純物半導体層を素子毎に分離する(図6(B)を参照)。その後、レジストマスク221を除去する。
【0084】
なお、このエッチング処理では、結晶性半導体層、非晶質半導体層及び不純物半導体層が積層された積層膜がテーパー形状となるようにエッチングを行うことが好ましい。テーパー角は30°以上90°以下、好ましくは40°以上80°以下とする。積層膜をテーパー形状とすることで、後の工程でこれらの上に形成される層(例えば、配線層)の被覆性を向上させることもできる。従って、段差に起因する配線切れなどを防止することができる。
【0085】
次に、不純物半導体層及びゲート絶縁層204上に導電層を形成する(図6(C)を参照)。ここで形成される導電層は、アルミニウム、銅、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデン、クロム、タンタル若しくはタングステンなどにより単層でまたは積層して形成することができる。または、ヒロック防止元素が添加されたアルミニウム合金(ゲート電極層202に用いることができるAl−Nd合金など)により形成してもよい。一導電型を付与する不純物元素を添加した結晶性シリコンを用いてもよい。不純物半導体層と接する側の層を、チタン、タンタル、モリブデン、タングステンまたはこれらの元素の窒化物により形成し、その上にアルミニウムまたはアルミニウム合金を形成した積層構造としてもよい。更には、アルミニウムまたはアルミニウム合金の上面及び下面を、チタン、タンタル、モリブデン、タングステンまたはこれらの元素の窒化物で挟んだ積層構造としてもよい。例えば、導電層として、アルミニウム層をモリブデン層で挟んだ三層の積層構造とすることが好ましい。
【0086】
導電層は、スパッタリング法または真空蒸着法などを用いて形成する。また、導電層は、銀、金または銅などの導電性ナノペーストを用いてスクリーン印刷法またはインクジェット法などを用いて吐出し、焼成することで形成してもよい。
【0087】
次に、該導電層上にレジストマスク222を形成する(図7(A)を参照)。レジストマスク222は、レジストマスク221と同様にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法により形成する。ここで、レジストマスクのサイズを調整するために酸素プラズマによるアッシングを行ってもよい。
【0088】
次に、レジストマスク222を用いて導電層をエッチングし、導電層をパターン形成する(図7(B)を参照)。パターン形成された導電層は、ソース電極及びドレイン電極として機能する。エッチングにはウエットエッチングを用いることが好ましい。ウエットエッチングにより、これら導電層のうち、レジストマスク222から露出された部分が等方的にエッチングされる。その結果、導電層は後退し、ソース電極及びドレイン電極層212が形成される。このソース電極及びドレイン電極層212は薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極のみならず、信号線も構成する。
【0089】
次に、レジストマスク222が形成された状態で、不純物半導体層及び非晶質半導体層をエッチングしてバックチャネル部を形成する(図7(C)を参照)。これにより、不純物半導体層はエッチングされ、ソース領域及びドレイン領域210が形成される。また、非晶質半導体層は一部を残してエッチングされ、非晶質半導体層208が形成される。
【0090】
ここで、エッチングは酸素を含んだガスによるドライエッチングを行うとよい。酸素を含んだガスにより、レジストを後退させつつ不純物半導体層と非晶質半導体層をエッチングすることができ、不純物半導体層と非晶質半導体層をテーパー形状にすることができる。エッチングガスとしては、例えば、CFに酸素を含ませたエッチングガスまたは塩素に酸素を含ませたエッチングガスを用いる。不純物半導体層と非晶質半導体層をテーパー形状にすることで電界の集中を防ぎ、オフ電流を低減させることができる。一例として、CFガスと酸素ガスの流量比を45:55(sccm)とし、チャンバー内の圧力を2.5Pa、チャンバー側壁の温度を70℃にして、コイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成し、基板側に200WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負のバイアスパワーを加え、自己バイアス電圧を生成することでエッチングを行うことができる。
【0091】
非晶質半導体層208は、ソース領域及びドレイン領域210の形成により一部がエッチングされて凹部が設けられているが、凹部と重畳する非晶質半導体層208の少なくとも一部が残存する厚さとすることが好ましい。ソース領域及びドレイン領域210と重畳する部分の非晶質半導体層208は、ソース領域及びドレイン領域の形成プロセスにおいてエッチングされないが、この部分の厚さは概ね80nm以上500nm以下であり、好ましくは150nm以上400nmであり、更に好ましくは200nm以上300nm以下である。上記のように、非晶質半導体層208を十分に厚くすることで、結晶性半導体層206への不純物の混入などを防止することができる。このように、非晶質半導体層208は、結晶性半導体層206の保護層としても機能する。
【0092】
次に、レジストマスク222を除去する(図8(A)を参照)。
【0093】
以上のように、結晶性半導体層により形成される薄膜トランジスタに、非晶質半導体層208が設けられていることで、エッチング残渣が結晶性半導体層206に混入することを防止することができるが、ソース領域とドレイン領域との間の非晶質半導体層208上にはエッチング工程により生じた副生成物、レジストマスクの残渣、及びレジストマスク222の除去に用いる装置内の汚染源となりうる物質、剥離液の成分物質などが付着または堆積などしており、これらを介した導通により、多くの素子においてオフ電流が大きくなり、同一基板上における素子間の電気的特性にばらつきを生じることが多かった。
【0094】
そのため、上記の問題の解決を目的として、更なるドライエッチングを行うことが好ましい。ドライエッチングにより、ソース領域とドレイン領域との間の絶縁を確実なものとすることができる。エッチング条件は、露出している非晶質半導体層にダメージが入りにくく、且つ該非晶質半導体層に対するエッチングレートが低い条件を用いる。つまり、露出している非晶質半導体層の表面にほとんどダメージを与えず、且つ非晶質半導体層の厚さが減少しない条件を用いればよい。エッチングガスにはバックチャネル部の形成に用いたガス(例えば塩素ガス)を用いることができる。条件の一例として、ガスの流量を30sccmとし、チャンバー内の圧力を0.67Pa、下部電極の温度を−10℃、チャンバー側壁の温度は約80℃として、コイル型の電極に2000WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成し、基板側には電力を投入せずして(すなわち0Wとして)、30秒間のエッチングを行えばよい。また、ここでエッチング方法について特に限定は無く、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)方式の他、容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)方式、電子サイクロトロン共鳴プラズマ(ECR:Electron Cyclotron Resonance)方式、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)方式などを用いることができる。
【0095】
上記のようにエッチングを行うことで、ソース領域とドレイン領域との間の非晶質半導体層208上に存在する、残渣などを除去することができる。ここで、特に、リーク電流を増大させているのは、剥離液中に含まれるアルキルベンゼンスルホン酸であると考えられる。そのため、これを除去することができるエッチングガスを用いることが好ましく、例えば窒素ガスまたはCFガスが挙げられる。なお、このエッチング工程は必要に応じて行えばよい。更には、上記のエッチング工程後に該バックチャネル部に対してプラズマ処理を行うとよい。
【0096】
以上の工程により、チャネルエッチ型の薄膜トランジスタを形成することができる。
【0097】
次に、上記のように作製した薄膜トランジスタを覆って絶縁層214を形成する(図8(B)を参照)。絶縁層214は、ゲート絶縁層204と同様に形成することができるが、窒化シリコンにより形成することが特に好ましい。特に、大気中に浮遊する有機物や金属、水蒸気などの汚染源となりうる不純物の侵入を防ぐことができるよう、緻密な窒化シリコン層とすることが好ましい。また、非晶質半導体層208中の炭素、窒素及び酸素の濃度は、1×1019atoms/cm以下、更には5×1018atoms/cm以下とすることが好ましい。
【0098】
なお、図4に示す薄膜トランジスタは画素トランジスタとして機能するため、ソース電極及びドレイン電極の一方が画素電極に接続されている。図4に示す薄膜トランジスタにおいては、ソース電極及びドレイン電極の一方が、絶縁層214に設けられた開口部216を介して画素電極層218に接続されている。
【0099】
画素電極層218は、透光性を有する導電性高分子(導電性ポリマーともいう。)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した画素電極層218は、シート抵抗が10000Ω/□以下であり、且つ波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0100】
なお、導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、またはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0101】
画素電極層218は、例えば、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物などを用いて形成することができる。
【0102】
画素電極層218は、ソース電極及びドレイン電極層212などと同様に、全面に形成した後にレジストマスクなどを用いてエッチングを行い、パターン形成すればよい。
【0103】
なお、図示していないが、絶縁層214と画素電極層218との間に、スピンコーティング法などにより形成した有機樹脂により形成される絶縁層を有していてもよい。
【0104】
なお、上記した説明では、ゲート電極と走査線とが同一の工程で形成され、ソース電極及びドレイン電極と信号線とが同一の工程で形成される場合について説明したが、これに限定されない。電極と、該電極に接続される配線を別工程により形成してもよい。
【0105】
以上、本実施の形態にて説明したように、実施の形態1にて説明した結晶性半導体層を用いた薄膜トランジスタを作製することができる。本実施の形態にて説明したように、薄膜トランジスタのゲート絶縁層と結晶性半導体層の界面、及びゲート絶縁層中の一方または双方の欠陥を低減することができる。従って、閾値電圧のシフト量が小さい薄膜トランジスタを作製することができる。
【0106】
更には、結晶性半導体層への電荷の蓄積を低減することができ、ゲート絶縁層の絶縁破壊を防止することができる。
【0107】
本実施の形態の作製方法を適用した結晶性半導体膜は、結晶粒径が大きく、粒径の均一性が高い。そのため、キャリア移動度が高く、オン電流が大きいものとなる。また、大面積基板であっても粒径が大きく、均一性の高い結晶性半導体層を形成することができるため、基板内の薄膜トランジスタの電気的特性のばらつきを低減することができる。
【0108】
なお、本実施の形態の薄膜トランジスタは、図4に示すものに限定されない。本実施の形態の薄膜トランジスタであって、図4とは異なる形態の薄膜トランジスタを図22に示す。
【0109】
図22に示す薄膜トランジスタは、結晶性半導体層206と非晶質半導体層208に代えて、第1の半導体層206Aと第2の半導体層208Aを有する点が、図4に示す薄膜トランジスタとは異なる。
【0110】
図22において、第2の半導体層208Aは、錐形状の微結晶半導体領域を有する。そのため、第2の半導体層208Aの縦方向(厚さ方向)の抵抗(すなわち、第1の半導体層206Aと、ソース領域またはドレイン領域との間の抵抗)を低くすることができ、薄膜トランジスタのオン電流を高めることができる。
【0111】
図22に示すように、微結晶半導体領域がゲート絶縁層204側から第2の半導体層208A側に向かって先細りの結晶領域(順錐形の結晶領域)の場合には、ゲート絶縁層204側のほうが、第2の半導体層208A側よりも、結晶の占める割合が大きい。微結晶半導体領域は、全面に形成された微結晶半導体膜の表面から厚さ方向に成長するが、このとき、原料ガス中のシランの流量に対する水素の流量を小さく(すなわち、希釈率を低く)し、または原料ガス中の窒素の濃度を高めることで、結晶核の生成頻度が低下し、全面に形成された微結晶半導体膜を種結晶とする結晶の成長が抑制されて錐状の結晶となり、その後、非晶質半導体の堆積が支配的になる。
【0112】
上記したように、第2の半導体層208Aとなる半導体膜の成膜初期には、第1の半導体層206Aとなる半導体膜を種結晶として、全体に膜が堆積される(成膜初期)。
【0113】
その後、上記したように結晶核の生成頻度を低下させ、結晶成長を抑制するため、結晶核はほぼ生成しなくなり、微結晶半導体領域の結晶は成長が抑制されるものもあれば、成長が抑制されずに進むものもあり、結果として錐状の結晶が形成される(成膜中期)。
【0114】
そして、その後、錐状の結晶の成長も抑制され、非晶質半導体が支配的な第2の半導体層208Aが形成される(成膜後期)。
【0115】
結晶核の生成頻度を低下させ、結晶成長を抑制する不純物元素としては、窒素若しくは窒化物(NH基またはNH基)が好ましい。
【0116】
第2の半導体層208A中の非晶質構造の中に結晶領域を有する部分では、二次イオン質量分析法によって計測される窒素濃度を3×1020cm−3乃至1×1021cm−3とすることで、結晶核の生成頻度を低下させ、結晶核を成長させないようにし、微小結晶粒を形成することができる。
【0117】
また、非晶質構造の中に結晶領域を有する半導体層において、二次イオン質量分析法によって計測される窒素濃度を1×1020cm−3以上1×1021cm−3以下、好ましくは2×1020cm−3以上1×1021cm−3以下とすることで、錐形状結晶領域の成長端となる結晶核の生成位置と生成密度を制御することができる。または、錐形状結晶領域の結晶成長を制御する。
【0118】
ここで、順錐形とは、(i)多数の平面から構成される面と、(ii)前記面の外周と前記面の外に存在する頂点とを結ぶ線の集合によって作られる立体的形状であって、該頂点が多数の平面から構成される面よりソース領域及びドレイン領域側に存在するものをいう。すなわち、膜の堆積する方向に先細りする形状である。
【0119】
なお、錐形状の結晶領域内には単結晶または双晶を含む。双晶とは、結晶粒界において、異なる二つの結晶粒が極めて整合性よく接合していることをいう。すなわち、結晶粒界において結晶格子が連続的に連なっており、結晶粒界において結晶欠陥等に起因するトラップ準位を非常に作りにくい状態である。従って、この様な結晶構造を有する領域では、実質的に結晶粒界の存在を無視することができる。
【0120】
なお、微小結晶粒は、粒径が1nm以上10nm以下、好ましくは粒径が1nm以上5nm以下の結晶粒である。上記したように、結晶核の生成頻度を低下させ、結晶成長を抑制させることで、微小結晶粒を形成することができる。
【0121】
ここで、第2の半導体層208Aの非晶質構造の中に結晶領域を有する部分は、非晶質半導体と微小半導体結晶粒を有し、従来の非晶質半導体と比較して、CPM(Constant photocurrent method)やフォトルミネッセンス分光測定で測定されるUrbach端のエネルギーが小さく、欠陥吸収スペクトル量が少ない半導体層である。すなわち、このような半導体層は、従来の非晶質半導体と比較して欠陥が少なく、価電子帯のバンド端(移動度端)における準位のテイル(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層である。
【0122】
以上説明したように、図22に示すチャネル形成領域と、ソース領域及びドレイン領域の間に、「非晶質構造の中に結晶領域を有する半導体層」を設けることで、「非晶質構造の中に結晶領域を有する半導体層」の厚さ方向における抵抗を下げることができる。すなわち、オフ電流を低下させるためのバッファ層を設けても抵抗を低く抑えることができる。
【0123】
特に、ソース領域及びドレイン領域の直下(すなわち、上面図においてソース領域及びドレイン領域と重畳する部分)の非晶質構造の中に結晶領域を有する半導体層を設けることにより、薄膜トランジスタのオン電流を高めることができる。
【0124】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1にて説明した結晶性半導体膜の形成方法を適用した薄膜トランジスタの作製方法であって、実施の形態2とは異なる薄膜トランジスタの作製方法について説明する。具体的には、多階調マスクを用いた薄膜トランジスタの作製方法について説明する。
【0125】
ここで、多階調マスクとは、露光領域、半露光領域及び未露光領域の3つのレベルで露光を行うことが可能なマスクである。多階調マスクを用いることで、一度の露光及び現像工程によって、複数(代表的には二種類)の厚さを有するレジストマスクを形成することができる。そのため、多階調マスクを用いることで、フォトマスクの枚数を削減することができる。
【0126】
図9(A−1)及び図9(B−1)は、代表的な多階調マスクの断面図を示す。図9(A−1)にはグレートーンマスク300を示し、図9(B−1)にはハーフトーンマスク305を示している。
【0127】
図9(A)に示すグレートーンマスク300は、透光性を有する基板301上に遮光膜により形成された遮光部302、及び遮光膜のパターンにより設けられた回折格子部303で構成されている。
【0128】
回折格子部303は、露光に用いる光の解像度限界以下の間隔で設けられたスリット、ドットまたはメッシュなどを有することで、光の透過量を制御する。なお、回折格子部303に設けられるスリット、ドットまたはメッシュは周期的なものであってもよいし、非周期的なものであってもよい。
【0129】
透光性を有する基板301は石英などを用いることができる。遮光部302及び回折格子部303を構成する遮光膜は、金属膜を用いて形成すればよく、好ましくはクロムまたは酸化クロムなどにより設けられる。
【0130】
グレートーンマスク300に露光するための光を照射した場合、図9(A−2)に示すように、遮光部302に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部302及び回折格子部303が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、回折格子部303における透光率は、回折格子のスリット、ドットまたはメッシュの間隔などにより、概ね10〜70%の範囲で調整することができる。
【0131】
図9(B−1)に示すハーフトーンマスク305は、透光性を有する基板306上に半透光膜により形成された半透光部307、及び遮光膜により形成された遮光部308で構成されている。
【0132】
半透光部307は、MoSiN、MoSi、MoSiO、MoSiON、CrSiなどを用いて形成することができる。遮光部308は、グレートーンマスクの遮光膜と同様の金属膜を用いて形成すればよく、好ましくはクロムまたは酸化クロムなどにより設けられる。
【0133】
ハーフトーンマスク305に露光するための光を照射した場合、図9(B−2)に示すように、遮光部308に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部308及び半透光部307が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、半透光部307における透光率は、形成する材料などにより、概ね10〜70%の範囲で調整可能である。
【0134】
多階調マスクを用いて露光し、現像を行うことで、厚さの異なる領域を有する第1のレジストマスクを形成することができる。
【0135】
まず、実施の形態2と同様に不純物半導体層まで形成した後にエッチングを行うことなく不純物半導体層上に導電層を形成して積層体を得る。そして、該積層体上の所望の箇所に凹部を有するレジストマスク310を形成する(図10(A)を参照)。このようなレジストマスクは、上記説明した多階調マスクを用いて形成する。
【0136】
次に、このレジストマスク310を用いて結晶性半導体層、非晶質半導体層、不純物半導体層および導電層をエッチングする。このとき、レジストマスクの凹部が、レジストマスク直下の導電層に達することが好ましい。レジストマスクの凹部がレジストマスク直下の導電層に達しない場合(エッチングにウエットエッチングを用いる場合も含まれる。)には、アッシングなどを行うことでレジストマスクのサイズを調整すればよい。なお、エッチングにはドライエッチングまたはウエットエッチングを用いることができる。この処理によりレジストマスク311が形成される(図10(B)を参照)。
【0137】
次に、このレジストマスク311を用いて導電層をエッチングし、導電層をパターン形成する(図10(C)を参照)。パターン形成された導電層は、ソース電極またはドレイン電極として機能する。ここで、エッチングにはドライエッチングまたはウエットエッチングを用いることができるが、ウエットエッチングを用いることが好ましい。
【0138】
次に、不純物半導体層及び非晶質半導体層の一部をエッチングし、ソース領域とドレイン領域とを分離する。この工程によりソース領域及びドレイン領域が形成される(図11(A)を参照)。
【0139】
ここで、エッチングは酸素を含んだガスによるドライエッチングを行うとよい。酸素を含んだガスにより、レジストを後退させつつ不純物半導体層と非晶質半導体層をエッチングすることができ、不純物半導体層と非晶質半導体層をテーパー形状にすることができる。エッチングガスとしては、例えば、CFに酸素を含ませたエッチングガスまたは塩素に酸素を含ませたエッチングガスを用いる。不純物半導体層と非晶質半導体層をテーパー形状にすることで電界の集中を防ぎ、オフ電流を低減させることができる。
【0140】
その後、レジストマスク311を除去する(図11(B)を参照)。
【0141】
本実施の形態の作製方法においても実施の形態2の作製方法と同様に、レジストマスク311の除去後にリーク電流の低減を目的としたドライエッチングを行うことが好ましい。
【0142】
なお、図示していないが、この後に上記の他の作製方法と同様に、ソース電極及びドレイン電極層、不純物半導体層、及びゲート絶縁層を覆って絶縁層を形成してもよい。更には、該絶縁層に開口部を形成し、該開口部を介してソース電極及びドレイン電極の一方を画素電極に接続してもよい。
【0143】
なお、図12は、上記説明したように作製した画素トランジスタを示す。図12に示す画素トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極層の下に結晶性半導体層、非晶質半導体層及び不純物半導体層を有する。
【0144】
以上のように、多階調マスクを用いることもできる。多階調マスクを用いることで薄膜トランジスタの作製工程数を削減することができる。
【0145】
(実施の形態4)
次に、表示パネルまたは発光パネルの一形態について、図面を参照して説明する。
【0146】
本実施の形態の表示装置または発光装置では、画素部に接続される信号線駆動回路及び走査線駆動回路は別の基板(例えば、半導体基板またはSOI基板など)上に設けて接続してもよいし、画素回路と同一基板上に形成してもよい。
【0147】
なお、別途形成した場合の接続方法は特に限定されるものではなく、公知のCOG法、ワイヤボンディング法またはTAB法などを用いることができる。また接続する位置は、電気的な接続が可能であるならば、特に限定されない。また、コントローラ、CPU及びメモリなどを別途形成し、画素回路に接続してもよい。
【0148】
図13は、表示装置のブロック図を示す。図13に示す表示装置は、表示素子を備えた画素を複数有する画素部400と、各画素を選択する走査線駆動回路402と、選択された画素へのビデオ信号の入力を制御する信号線駆動回路403と、を有する。
【0149】
なお、表示装置は図13に示す形態に限定されない。すなわち、信号線駆動回路は、シフトレジスタとアナログスイッチのみを有する形態に限定されない。シフトレジスタとアナログスイッチに加え、バッファ回路、レベルシフタ、ソースフォロワなど、他の回路を有していてもよい。また、シフトレジスタ及びアナログスイッチは必ずしも設ける必要はなく、例えば、シフトレジスタの代わりにデコーダ回路のような信号線の選択ができる別の回路を有していてもよいし、アナログスイッチの代わりにラッチなどを有していてもよい。
【0150】
図13に示す信号線駆動回路403は、シフトレジスタ404及びアナログスイッチ405を有する。シフトレジスタ404には、クロック信号(CLK)とスタートパルス信号(SP)とが入力されている。クロック信号(CLK)とスタートパルス信号(SP)とが入力されると、シフトレジスタ404においてタイミング信号が生成され、アナログスイッチ405に入力される。
【0151】
また、アナログスイッチ405には、ビデオ信号(video signal)が供給される。アナログスイッチ405は、入力されるタイミング信号に従ってビデオ信号をサンプリングし、後段の信号線に供給する。
【0152】
図13に示す走査線駆動回路402は、シフトレジスタ406及びバッファ回路407を有する。また、レベルシフタを有していてもよい。走査線駆動回路402において、シフトレジスタ406にクロック信号(CLK)及びスタートパルス信号(SP)が入力されることによって、選択信号が生成される。生成された選択信号はバッファ回路407において緩衝増幅され、対応する走査線に供給される。一の走査線には、1ラインのすべての画素トランジスタのゲートが接続されている。そして、動作時には1ライン分の画素のトランジスタを一斉にオンにしなくてはならないので、バッファ回路407は大きな電流を流すことが可能な構成とする。
【0153】
フルカラーの表示装置において、R(赤)、G(緑)、B(青)に対応するビデオ信号を、順にサンプリングして対応する信号線に供給する場合、シフトレジスタ404とアナログスイッチ405とを接続するための端子数は、アナログスイッチ405と画素部400の信号線を接続するための端子数の1/3程度に相当する。よって、アナログスイッチ405を画素部400と同一基板上に形成することで、アナログスイッチ405を画素部400と異なる基板上に形成した場合に比べて、別途形成した基板の接続に用いる端子の数を抑えることができ、接続不良の発生確率を抑えて歩留まりを高めることができる。
【0154】
なお、図13の走査線駆動回路402は、シフトレジスタ406及びバッファ回路407を有するが、これに限定されず、シフトレジスタ406のみで走査線駆動回路402を構成してもよい。
【0155】
なお、図13に示す構成は、表示装置の一形態を示したものであり、信号線駆動回路と走査線駆動回路の構成はこれに限定されない。
【0156】
次に、表示装置の一形態に相当する液晶表示パネル及び発光パネルの外観について、図14及び図15を参照して説明する。図14は、第1の基板411上に形成された結晶性半導体層を有するトランジスタ420及び液晶素子423を、第2の基板416との間にシール材415によって封止した、パネルの上面図を示す。図14(B)は、図14(A)のK−Lにおける断面図に相当する。図15は発光装置の場合を示す。なお、図15は、図14と異なる部分についてのみ符号を付している。
【0157】
第1の基板411上に設けられた画素部412と、走査線駆動回路414と、を囲んで、シール材415が設けられている。また、画素部412及び走査線駆動回路414の上に第2の基板416が設けられている。よって画素部412及び走査線駆動回路414は、第1の基板411とシール材415と第2の基板416とによって、液晶層418または充填材431と共に封止されている。また、第1の基板411上のシール材415によって囲まれている領域とは異なる領域に信号線駆動回路413が実装されている。なお、信号線駆動回路413は、別途用意された基板上に結晶性半導体層を有するトランジスタにより設けられたものである。なお、本実施の形態では、結晶性半導体層を有するトランジスタを用いた信号線駆動回路413を、第1の基板411に貼り合わせる場合について説明するが、単結晶半導体を用いたトランジスタで信号線駆動回路を形成し、貼り合わせることが好ましい。図14では、信号線駆動回路413に含まれる、結晶性半導体層で形成されたトランジスタ419を例示する。
【0158】
第1の基板411上に設けられた画素部412は、複数のトランジスタを有しており、図14(B)には、画素部412に含まれるトランジスタ420を例示している。また、走査線駆動回路414も、複数のトランジスタを有しており、図14(B)では、走査線駆動回路414に含まれるトランジスタ419を例示している。なお、本実施の形態の発光装置においては、トランジスタ420は駆動用トランジスタであってもよいし、電流制御用トランジスタであってもよいし、消去用トランジスタであってもよい。トランジスタ420は実施の形態2などで説明した結晶性半導体層を用いたトランジスタに相当する。
【0159】
また、液晶素子423が有する画素電極422は、トランジスタ420と配線428を介して電気的に接続されている。そして、液晶素子423の対向電極427は第2の基板416上に設けられている。画素電極422と対向電極427と液晶層418が重なっている部分が、液晶素子423に相当する。
【0160】
また、発光素子430が有する画素電極は、トランジスタ420のソース電極またはドレイン電極と、配線を介して電気的に接続されている。そして本実施の形態では、発光素子430の共通電極と透光性を有する導電性材料層が電気的に接続されている。なお、発光素子430の構成は、本実施の形態に示した構成に限定されない。発光素子430の構成は、発光素子430から取り出す光の方向や、トランジスタ420の極性などに応じて決定することができる。
【0161】
なお、第1の基板411及び第2の基板416の材料としては、ガラス、金属(代表的にはステンレス)、セラミックスまたはプラスチックなどを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムなどを用いることができる。また、アルミニウム箔をPVFフィルムやポリエステルフィルムで挟んだ構造のシートを用いてもよい。
【0162】
また、スペーサ421はビーズスペーサであり、画素電極422と対向電極427との間の距離(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお、絶縁層を選択的にエッチングすることで得られるスペーサ(ポストスペーサ)を用いていてもよい。
【0163】
また、別途形成された信号線駆動回路413と、走査線駆動回路414及び画素部412に与えられる各種の信号(電位)は、FPC417(Flexible Printed Circuit)から引き回し配線424及び引き回し配線425を介して供給される。
【0164】
本実施の形態では、接続端子426が、液晶素子423が有する画素電極422と同じ導電層から形成されている。また、引き回し配線424及び引き回し配線425は、配線428と同じ導電層で形成されている。
【0165】
接続端子426とFPC417が有する端子は、異方性導電層429を介して電気的に接続されている。
【0166】
なお、図示していないが、本実施の形態に示した液晶表示装置は、配向膜及び偏光板を有し、更にカラーフィルタや遮光層などを有していてもよい。
【0167】
本実施の形態では、接続端子426が、発光素子430が有する画素電極と同じ導電層により設けられている。また、引き回し配線425は、配線428と同じ導電層により設けられている。しかし、これに限定されない。
【0168】
なお、発光素子430からの光の取り出し方向に位置する基板である第2の基板は透光性の基板を用いる。その場合には、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムなどの透光性を有する材料からなる基板を用いる。発光素子430からの光の取り出し方向が第1の基板の方向である場合には、第1の基板として透光性基板を用いる。
【0169】
また、充填材431としては、窒素やアルゴンなどの不活性な気体、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂などを用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラール)またはEVA(エチレンビニルアセテート)などを用いることができる。ここでは、例えば、窒素を用いるとよい。
【0170】
また、発光素子の射出面に偏光板、円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)またはカラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板または円偏光板に反射防止層を設けてもよい。
【0171】
(実施の形態5)
実施の形態1乃至実施の形態3にて開示した発明は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用のモニタ、電子ペーパー、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0172】
実施の形態1乃至実施の形態3にて開示した発明は、例えば電子ペーパーに適用することができる。電子ペーパーは、情報を表示するものであればあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。例えば、電子ペーパーを用いて、電子書籍(電子ブック)、ポスター、電車などの乗り物の車内広告、クレジットカードなどの各種カードにおける表示などに適用することができる。電子機器の一例を図16(A)に示す。
【0173】
図16(A)は、電子書籍の一例を示している。図16(A)に示す電子書籍は、筐体500及び筐体501で構成されている。筐体500及び筐体501は、蝶番504により一体になっており、開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍と同様に扱うことができる。
【0174】
筐体500には表示部502が組み込まれ、筐体501には表示部503が組み込まれている。表示部502及び表示部503は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図16(A)では表示部502)に文章を表示し、左側の表示部(図16(A)では表示部503)に画像を表示することができる。表示部502及び表示部503は、実施の形態4に示した表示装置を適用することができる。
【0175】
また、図16(A)では、筐体500に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体500は、電源入力端子505、操作キー506、スピーカ507などを備えている。操作キー506は、例えば頁を送る機能を備えることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、及びUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。さらに、図16(A)に示す電子書籍には、電子辞書としての機能を持たせてもよい。
【0176】
また、図16(A)に示す電子書籍は、無線で情報を送受信できる構成を備えていてもよい。無線通信により、電子書籍サーバから所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすることもできる。
【0177】
図16(B)は、デジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、図16(B)に示すデジタルフォトフレームは、筐体511に表示部512が組み込まれている。表示部512は、各種画像を表示することが可能であり、例えば、デジタルカメラなどで撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。表示部512は、実施の形態4に示した表示装置を適用することができる。
【0178】
なお、図16(B)に示すデジタルフォトフレームは、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成とするとよい。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部512に表示させることができる。
【0179】
また、図16(B)に示すデジタルフォトフレームは、無線で情報を送受信出来る構成としてもよい。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0180】
図16(C)は、テレビジョン装置の一例を示している。図16(C)に示すテレビジョン装置は、筐体521に表示部522が組み込まれている。表示部522により、映像を表示することができる。また、ここでは、スタンド523により筐体521を支持した構成を示している。表示部522は、実施の形態4に示した表示装置を適用することができる。
【0181】
図16(C)に示すテレビジョン装置の操作は、筐体521が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。リモコン操作機が備える操作キーにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部522に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
【0182】
なお、図16(C)に示すテレビジョン装置は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、片方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0183】
図16(D)は、携帯電話機の一例を示している。図16(D)に示す携帯電話機は、筐体531に組み込まれた表示部532の他、操作ボタン533、操作ボタン537、外部接続ポート534、スピーカ535、及びマイク536などを備えている。表示部532は、実施の形態4に示した表示装置を適用することができる。
【0184】
図16(D)に示す携帯電話機は、表示部532がタッチパネルであってもよく、指などの接触により、表示部532の表示内容を操作することができる構成を有していてもよい。この場合、電話の発信、或いはメールの作成などは、表示部532を指などで接触することにより行うことができる。
【0185】
表示部532の画面は主として3つのモードがある。第1のモードは、画像の表示を主とする表示モードであり、第2のモードは、文字などの情報の入力を主とする入力モードである。第3のモードは表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
【0186】
例えば、電話の発信、或いはメールを作成する場合には、表示部532を、文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合には、表示部532の画面の大部分を使用してキーボードまたは番号ボタンを表示させることが好ましい。
【0187】
また、図16(D)に示す携帯電話機の内部に、ジャイロ、加速度センサなどの傾きを検出するセンサを備えた検出装置を設けることで、携帯電話機の向き(縦または横)を判別して、表示部532の表示情報を自動的に切り替える構成とすることもできる。
【0188】
また、画面モードの切り替えは、表示部532への接触、または筐体531の操作ボタン537の操作により行われる構成とすればよい。また、表示部532に表示される画像の種類によって切り替える構成としてもよい。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える構成にすればよい。
【0189】
また、入力モードにおいて、表示部532の光センサで検出される信号を検知し、表示部532のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
【0190】
表示部532は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部532を掌や指で触れ、掌紋及び指紋などをイメージセンサで撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライトまたは近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
【0191】
以上説明したように、実施の形態1乃至実施の形態3にて開示した発明は様々な電子機器に適用することができる。
【実施例1】
【0192】
本実施例では、実施の形態1にて説明した第1の条件と第2の条件を用いて実際に成膜した結晶性半導体膜のSEM(Scanning Electron Microscope)像などを参照して、第1の条件により成膜する時間を変化させた際の結晶粒径の違いについて説明する。
【0193】
基板100としてはガラス基板を用いた。基板100上には、絶縁膜102として100nmの酸化窒化シリコン膜を設けた。この酸化窒化シリコン膜上に結晶性半導体膜を成膜した。
【0194】
結晶性半導体膜の成膜は、堆積性ガスを水素ガスにより希釈したガスを用いてプラズマCVD法により行った。ここでは、平行平板型のプラズマCVD装置を用いた。また、堆積性ガスにはシランを用いた。成膜時のチャンバー内圧力は100Paとし、成膜時の基板温度は280度とした。プラズマの生成は60MHzのRF電源により行い、このときの電力は15Wとした。なお、上部電極と下部電極の間の幅は20mmとした。
【0195】
まず、第1の条件を用いた場合と第2の条件を用いた場合における、処理時間に対する結晶性半導体膜の厚さを図17に示す。なお、厚さは分光エリプソ法により測定したものである。図17は、第1の条件(シランの流量を8sccm、水素の流量を400sccmとした条件、成膜初期時間の成膜速度は約10−2nm/秒、成膜初期時間は約1分)のみを用いて成膜したときと第2の条件(シランの流量を4sccm、水素の流量を400sccmとした条件、成膜初期時間の成膜速度は約10−3nm/秒、成膜初期時間は約5分)のみを用いて成膜したときの処理時間(横軸)に対する結晶性半導体膜の厚さ(縦軸)を示す。第2の条件のみを用いて成膜したときには、結晶性半導体膜がある程度の厚さを有するまでに時間を要している。対して、第1の条件のみで成膜したときには、処理を始めて間もなく結晶性半導体膜がある程度の厚さを有している。また、第2の条件により成膜したときよりも処理時間に対する結晶性半導体膜の厚さの増加が大きい。
【0196】
図18は、第1の条件におけるシランの流量を8sccm、水素の流量を400sccmとし、第2の条件におけるシランの流量を4sccm、水素の流量を400sccmとして成膜を行ったもののSEM像を示す。図18(A)は、第1の条件の処理時間を15秒間としたもののSEM像を示す。図18(B)は、第1の条件の処理時間を20秒間としたもののSEM像を示す。図18(C)は、第1の条件の処理時間を25秒間としたもののSEM像を示す。図18(D)は、第1の条件の処理時間を30秒間としたもののSEM像を示す。なお、図18において、第2の条件による処理時間は、すべて11分間に統一した。
【0197】
図19は、第1の条件におけるシランの流量を10sccm、水素の流量を400sccmとし、第2の条件におけるシランの流量を4sccm、水素の流量を400sccmとして成膜を行ったもののSEM像を示す。図19(A)は、第1の条件の処理時間を10秒間としたもののSEM像を示す。図19(B)は、第1の条件の処理時間を20秒間としたもののSEM像を示す。図19(C)は、第1の条件の処理時間を30秒間としたもののSEM像を示す。図19(D)は、第1の条件の処理時間を40秒間としたもののSEM像を示す。なお、図19において、第2の条件の処理時間は、すべて11分間に統一した。
【0198】
次に、処理時間の違いによる結晶性半導体膜の結晶性の違いを明らかにするためにラマンスペクトルを参照する。図20は、SEM像とラマンスペクトルを示す。図20(A)は図18における第1の条件(シランの流量を8sccm)のみによる処理を6分間行って成膜したもののSEM像を示し、図20(B)はこのときのラマンスペクトルを示す。図20(C)は図18における第2の条件(シランの流量を4sccm)のみによる処理を15分間行って成膜したもののSEM像を示し、図20(D)はこのときのラマンスペクトルを示す。図20(E)は図18と同様に第1の条件(シランの流量を8sccm)での処理を25秒間行い、第2の条件(シランの流量を4sccm)での処理を11分間行って2段階で成膜したもののSEM像を示し、図20(F)はこのときのラマンスペクトルを示す。
【0199】
図20(B)のラマンスペクトルによると、結晶化率の度合いIc/Iaは5.25である。図20(D)のラマンスペクトルによると、結晶化率の度合いIc/Iaは3.02である。図20(F)のラマンスペクトルによると、結晶化率の度合いIc/Iaは7.33である。図20(B)、図20(D)、及び図20(F)を比較すると、図20(F)の結晶化率の度合いが最も高く、上記した2段階の成膜方法を用いることで結晶化率が向上することがわかる。なお、Icは結晶成分に起因するラマン散乱強度であり、Iaはアモルファス成分に起因するラマン散乱強度である。なお、図20(C)と比較して図20(E)は粒径の均一性が高い。
【0200】
また、第1の条件または第2の条件のみで成膜処理を行った場合のSEM像(図20(A)及び(C))と、第1の条件により成膜処理を行った後に第2の条件により成膜処理を行った場合のSEM像(図18及び図19)とを比較すると、図18及び図19の方が白い部分(結晶部分)の大きさがある程度大きく、且つその大きさが揃っているため好ましい。上記説明したように2段階の成膜処理を行うことで、従来の1段階の処理で行うよりも均一性が高く、大粒径の結晶性半導体膜とすることができる。
【0201】
図21は、図20(A)、(C)及び(E)についての暗電流σdarkの測定結果を示す。図20(C)と同様に第2の条件のみ(シランの流量を4sccmのみ)で成膜したものでは暗電流が最も小さい。図20(E)と同様に第1の条件による処理を行った後に第2の条件による処理を行ったもの(シランの流量を8sccmとした後にシランの流量を4sccm)では、暗電流が最も大きい。図20(A)と同様に第1の条件のみ(シランの流量を8sccmのみ)で成膜したものでは、第2の条件のみで成膜したものよりも暗電流が大きいが、第1の条件による処理を行った後に第2の条件による処理を行ったものよりも暗電流が小さい。そのため、図20(E)に示す膜は、導電性とキャリア移動度が高い膜であるといえる。
【0202】
以上説明したように、粒径及び結晶粒の間隔が均一であり、電気的特性が良好でばらつきが少ない結晶性半導体膜を形成することができる。
【符号の説明】
【0203】
100 基板
102 絶縁膜
104 結晶核
104A〜104E 結晶核
106 結晶粒
106A〜106E 結晶粒
108 結晶性半導体膜
124 結晶核
124A 結晶核
124A〜124E 結晶核
124F〜124I 結晶核
126 結晶粒
126A〜126E 結晶粒
128 結晶性半導体膜
134 結晶核
134A〜134C 結晶核
134D 結晶核
136 結晶粒
136A〜136C 結晶粒
138 結晶性半導体膜
200 基板
202 ゲート電極層
204 ゲート絶縁層
206 結晶性半導体層
208 非晶質半導体層
210 ドレイン領域
212 ドレイン電極層
214 絶縁層
216 開口部
218 画素電極層
221 レジストマスク
222 レジストマスク
250a 反応室
250b 反応室
250c 反応室
250d 反応室
252 高周波電源
254 整合器
258 ガス供給手段
258a ガス供給手段
258b ガス供給手段
258f ガス供給手段
258g ガス供給手段
258i ガス供給手段
258n ガス供給手段
260 バタフライバルブ
262 コンダクタンスバルブ
264 ターボ分子ポンプ
266 ドライポンプ
268 クライオポンプ
270 ロード/アンロード室
272 共通室
274 ゲートバルブ
276 搬送機構
300 グレートーンマスク
301 基板
302 遮光部
303 回折格子部
305 ハーフトーンマスク
306 基板
307 半透光部
308 遮光部
310 レジストマスク
311 レジストマスク
400 画素部
402 走査線駆動回路
403 信号線駆動回路
404 シフトレジスタ
405 アナログスイッチ
406 シフトレジスタ
407 バッファ回路
411 基板
412 画素部
413 信号線駆動回路
414 走査線駆動回路
415 シール材
416 基板
417 FPC
418 液晶層
419 トランジスタ
420 トランジスタ
421 スペーサ
422 画素電極
423 液晶素子
424 配線
425 配線
426 接続端子
427 対向電極
428 配線
429 異方性導電層
430 発光素子
431 充填材
500 筐体
501 筐体
502 表示部
503 表示部
504 蝶番
505 電源入力端子
506 操作キー
507 スピーカ
511 筐体
512 表示部
521 筐体
522 表示部
523 スタンド
531 筐体
532 表示部
533 操作ボタン
534 外部接続ポート
535 スピーカ
536 マイク
537 操作ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマCVD法による結晶性半導体膜の作製方法であって、
希釈ガスに対する堆積性ガスの流量比を大きくすることで核生成しやすくさせ、絶縁表面に結晶核を密に形成する第1の工程と、
前記希釈ガスに対する前記堆積性ガスの流量比を前記第1の工程よりも小さくすることで核生成しにくくさせ、前記結晶核を種として結晶を成長させる第2の工程と、を有することを特徴とする結晶性半導体膜の作製方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の工程は、前記堆積性ガスに対する前記希釈ガスの流量比が40倍以上50倍以下であり、
前記第2の工程は、前記堆積性ガスに対する前記希釈ガスの流量比が80倍以上200倍以下であることを特徴とする結晶性半導体膜の作製方法。
【請求項3】
絶縁膜に接して、堆積性ガスと希釈ガスを用いてプラズマCVD法により半導体の結晶核を形成する、成膜速度が5nm/分以上の条件により行う第1の工程と、
前記第1の工程よりも、成膜初期時間が長い条件でプラズマCVD法により結晶性半導体膜を成長させる第2の工程と、を有することを特徴とする結晶性半導体膜の作製方法。
【請求項4】
絶縁膜に接して、堆積性ガスと希釈ガスを用いてプラズマCVD法により半導体の結晶核を形成する、成膜速度が5nm/分以上の条件により行う第1の工程と、
前記第1の工程よりも、前記堆積性ガスに対する前記希釈ガスの流量比が大きい条件でプラズマCVD法により結晶性半導体膜を成長させる第2の工程と、を有することを特徴とする結晶性半導体膜の作製方法。
【請求項5】
請求項3または請求項4において、
前記第1の工程における成膜初期時間は1分以上であることを特徴とする結晶性半導体膜の作製方法。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれか一において、
前記第2の工程における成膜初期時間は5分以上であることを特徴とする結晶性半導体膜の作製方法。
【請求項7】
ゲート電極を形成し、
前記ゲート電極を覆ってゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜に接して、希釈ガスに対する堆積性ガスの流量比を大きくすることで核生成しやすくさせ、絶縁表面に結晶核を密に形成する第1の工程と、
前記第1の工程よりも、成膜初期時間が長い条件でプラズマCVD法により結晶性半導体膜を成長させる第2の工程と、を行って結晶性半導体膜を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1の工程は、前記堆積性ガスに対する前記希釈ガスの流量比が40倍以上50倍以下であり、
前記第2の工程は、前記堆積性ガスに対する前記希釈ガスの流量比が80倍以上200倍以下であることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項9】
ゲート電極を形成し、
前記ゲート電極を覆ってゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜に接して、堆積性ガスと希釈ガスを用いてプラズマCVD法により半導体の結晶核を形成する、成膜速度が5nm/分以上の条件により行う第1の工程と、
前記第1の工程よりも、成膜初期時間が長い条件でプラズマCVD法により結晶性半導体膜を成長させる第2の工程と、を行って結晶性半導体膜を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項10】
ゲート電極を形成し、
前記ゲート電極を覆ってゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜に接して、堆積性ガスと希釈ガスを用いてプラズマCVD法により半導体の結晶核を形成する、成膜速度5nm/分以上の条件により行う第1の工程と、
前記第1の工程よりも、前記堆積性ガスに対する前記希釈ガスの流量比が大きい条件でプラズマCVD法により結晶性半導体膜を成長させる第2の工程と、を行って結晶性半導体膜を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項11】
請求項9または請求項10において、
前記第1の工程における成膜初期時間は1分以上であることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項12】
請求項9乃至請求項11のいずれか一において、
前記第2の工程における成膜初期時間は5分以上であることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図21】
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【図22】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−186988(P2010−186988A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297926(P2009−297926)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】