説明

半導体装置

【課題】ランタンアルミニウム酸化物を絶縁膜として用いた半導体装置において、この絶縁膜に積層する電極として必要な特性を満たすと共に、各種半導体装置製造過程を経てもその絶縁膜特性を劣化させることのないゲート電極を見出し、微細化に対応可能なスタック構造を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るCMOS回路は、nMISは、ランタンアルミニウム酸化物を用いたゲート絶縁膜19、LaxAl1−x(但し0.21≦x≦0.33)で表されるランタンアルミニウム合金を用いたゲート電極21、及びソース及びドレイン領域35とを具備し、pMISは、ランタンアルミニウム酸化物を用いたゲート絶縁膜19、LaxAl1−xNyHz(但し0.21≦x≦0.33、0.15≦y≦0.5、0≦z≦0.1)で表されるランタンアルミニウム合金を用いたゲート電極21を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁膜と電極のスタック構造を具備する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパーソナルコンピューターの中央演算装置における動作周波数が年々向上し、中央演算装置を構成する集積回路における集積度も年々大きくなっている。かかる進歩には電界効果トランジスタ(FET)など、集積回路に用いられる素子を微細化するための技術開発が必須である。
【0003】
例えば高品質であることが要求されるMIS型FETのゲート絶縁膜は回路の微細化に伴い数原子層程度の膜厚が要求され、ゲート電界によるゲート絶縁膜原子への擾乱エネルギーが約1000℃程度にも達する状況である。例えばゲート絶縁膜として従来用いられてきたSiOの融点であるところの1400℃を考えれば、ゲート絶縁膜に加わる電界に物理的な限界が明白に迫っている状況にあることが容易に理解できる。
【0004】
このような物理的な限界を回避し、ゲート絶縁膜にかかる電界を緩和するための手段として、誘電率の高いゲート絶縁膜を用いることでゲート絶縁膜内部に加わる実効電界を小さく保ったままゲートチャネルには高電界を加えるような手法が検討されてきた。
【0005】
このような誘電率の高いゲート絶縁膜材料として、現状最も有望なのはHfSiONからなるゲート絶縁膜である。さらには、より誘電率が高く、バンドギャップが大きく、しかもバンドオフセットのエネルギーがシリコンと比較して適切な値であるようなゲート絶縁膜材料として、LaAlOなどのランタンアルミニウム酸化物をはじめとする第3族元素−アルミニウム酸化物やその酸窒化物が将来の有力なゲート絶縁膜候補として検討され始めた(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、このような第3族元素−アルミニウム酸化物やその酸窒化物を用いたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜とのスタック構造において、これらの化合物は、反応性の高い元素を含むため、CMOSプロセスの各種工程、例えば熱処理工程や化学処理工程や真空処理工程などを経ると(最高950℃程度)、ゲート絶縁膜にゲート電極の構成元素が浸潤し、ゲート絶縁膜の誘電率を下げるなど望ましくない影響を与えることが懸念されている。例えば多結晶シリコンをゲート電極、LaAlOをゲート絶縁膜として用いるとSiはLaとの親和性が高いため、ゲート絶縁膜中にSiが浸潤して誘電率を下げるなど、ゲート絶縁膜の特性を劣化させる問題があった。
【0007】
一方、フラッシュメモリのメモリセルのスタック構造においても、電極間絶縁膜(フローティングゲート電極及びコントロール電極の間の絶縁膜)を高容量化するために高誘電率絶縁膜を用いることが検討されており、第3族元素−アルミニウム酸化物やその酸窒化物もその候補である(特許文献2参照)。
【0008】
しかしながら、上記したMIS型トランジスタと同様にゲート絶縁膜とフローティングゲート電極及び/またはコントロール電極とのスタック構造においても半導体装置の製造過程において電極構成元素(例えば多結晶シリコンのSiなど)が電極間絶縁膜に浸潤する問題が懸念される。
【特許文献1】特開2005―079390公報。
【特許文献2】特開2006−210518公報(第4実施例参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ランタンアルミニウム酸化物などの第3族元素−アルミニウム酸化物若しくは酸窒化物を絶縁膜として用いた、絶縁膜及び電極スタックセル構造を有するMISFETや、フラッシュメモリのメモリセル等の半導体装置において、この絶縁膜に積層する電極として必要な導電性や仕事関数を満たすと共に、各種半導体装置製造過程を経てもその絶縁膜特性を劣化させることのないゲート電極を見出し、微細化に対応可能なスタック構造を有する半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、ランタンアルミニウム酸化物などの第3族元素−アルミニウム酸化物を用いた絶縁膜に対し、多結晶Siを電極に用いた場合において、LaとSiが親和性を有することにより、絶縁膜中に電極材料であるところのSiが浸潤することを防ぐためには、Siを含まない材料で電極を構成する必要があり、かつまたLaやAlとの親和性が低い材料を用いる方法よりもむしろ、絶縁膜中に浸潤しても悪影響を与えないような材料を用いることが有用な解決法である点に着目した。
【0011】
すなわち、本発明は、半導体領域と、前記半導体領域上に形成され、第3族元素−アルミニウム酸化物若しくは酸窒化物を用いたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成され、LaxAl1−xNyHz(但し0.21≦x≦0.33、0≦y≦0.5、0≦z≦0.1)で表されるランタンアルミニウム合金を用いたゲート電極と、前記半導体領域の前記ゲート絶縁膜の両側に形成されるソース及びドレイン領域とを具備するMIS型電界効果トランジスタを具備することを特徴とする半導体装置である。
【0012】
また、本発明は、半導体領域と、前記半導体領域上に形成されたトンネル絶縁膜と、 前記トンネル絶縁膜上に形成されたフローティングゲート電極と、前記フローティングゲート電極上に形成され、第3族元素−アルミニウム酸化物若しくは酸窒化物を用いた電極間絶縁膜と、前記電極間絶縁膜上に形成されたコントロール電極とを具備し、前記フローティングゲート電極及びコントロール電極の少なくとも一方が、LaxAl1−xNyHz(但し0.21≦x≦0.33、0≦y≦0.5、0≦z≦0.1)で表されるランタンアルミニウム合金を用いた電極である不揮発性記憶素子を具備することを特徴とする半導体装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る絶縁膜にスタックする電極は、電極として必要な導電性や仕事関数を満たすと共に、各種半導体装置製造過程を経てもそれに接する絶縁膜特性を劣化させることがないため、絶縁膜における電界緩和効果が高く、信頼性にも優れ、半導体装置の微細化に十分対応な半導体装置を提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明では、第3族元素−アルミニウム酸化物若しくは酸窒化物を用いた絶縁膜にスタックする電極として特定範囲の組成比を有するランタンアルミニウム合金、即ちLaxAl1−xNyHz(但し0.21≦x≦0.33、0≦y≦0.5、0≦z≦0.1)で表される合金を用いることにより、絶縁膜への電極材料の浸潤の問題を回避することを基本とする。
【0015】
この組成比のランタンアルミニウム合金は合金化した際のエンタルピーが低く、単体に比べて化学的に安定であり、しかも融点も単体Laの920℃や単体Alの680℃よりはるかに高い1200℃〜1400℃程度まで上昇する。それによって半導体製造工程に必要な熱処理への耐性が向上し、電極構成原子の絶縁膜への浸潤が生じにくくする。また、絶縁膜との界面においてわずかな原子の浸潤が生じたとしても、電極の構成元素は絶縁膜の構成元素と同族の元素であるため、絶縁膜の構造や組成、特性の変動は低く抑えられ、絶縁膜の誘電率などの絶縁膜特性を低下させることがない。また導電性(抵抗率10−3〜10−5 Ωcm)や仕事関数(4.0〜5.0eV)においても従来材と比較して電極材料として遜色は無い。
【0016】
本発明に係るランタンアルミニウム合金には、仕事関数を調節する等の目的でランタン、アルミニウム以外の元素を添加したものでもよい。
【0017】
特に、窒素を添加した合金を用いると仕事関数が高くなり(4.8±0.2eV)pMIS型トランジスタのゲート電極に適しており、また合金がヒューム・ロザリーの法則で知られるような化学的親和力の効果によって安定化するため熱処理に対する耐性も十分となり望ましい。また窒素添加はゲート絶縁膜中に浸潤したとしても、ゲート絶縁膜の結晶化を抑制できる効果も期待できる。
【0018】
なお、窒素を添加しないランタンアルミニウム合金は仕事関数が(4.2±0.2eV)でありnMIS型トランジスタのゲート電極に適している。
【0019】
さらに、本発明に係るランタンアルミニウム合金には、窒素以外に水素を含んでいてもよい。また窒素及び水素を共に含んでいてもよい。
本発明は、MISFETのゲート絶縁膜及びゲート電極のスタック構造や、フラッシュメモリのメモリセルのフローティングゲート電極、電極間絶縁膜、コントロール電極とのスタック構造などの絶縁膜及び電極のスタック構造を有する半導体装置に適用可能である。
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
次に、本実施形態の第1実施例として、本実施形態に係るゲート絶縁膜及びゲート電極を具備するMISFETについて図1を参照して説明する。
【0022】
図1は、第1の実施形態に係るCMOS回路の主要部を示す断面図である。
【0023】
図1に示すように、nMISFETは、基板11上の素子分離領域13に囲まれた素子領域内に形成されたpウエル15上に形成され、基板11の表面に形成されるn型ソース・ドレイン領域35、ゲート絶縁膜19、ゲート電極21を含んでいる。ゲート絶縁膜19、ゲート電極21の側壁には側壁絶縁膜33が形成されている。ゲート絶縁膜19は、ソース・ドレイン領域の間に形成されたチャネル領域の上に設けられる。
【0024】
また、pMISFETは、同一の基板11上の素子分離領域13に囲まれた素子領域内に形成されたnウエル17上に形成され、基板11の表面に形成されるp型ソース・ドレイン領域37、ゲート絶縁膜19、ゲート電極23を含んでいる。ゲート絶縁膜19、ゲート電極23の側壁には側壁絶縁膜33が形成されている。ゲート絶縁膜19は、ソース・ドレイン領域の間に形成されたチャネル領域の上に設けられる。
【0025】
基板11は、例えばシリコン等から構成される。ゲート絶縁膜19は例えばLaAlOにて構成される。nMISFETのゲート電極21はLaAl合金を用いている。pMISFETのゲート電極23はLa0.33Al0.660.4(窒素が添加されたランタンアルミニウム合金、窒素濃度には分布があるがその概略の平均値)が用いられている。
【0026】
以下、本発明に係る絶縁膜について説明する
本発明の第3族元素−アルミニウム酸化物としては、LaAlO以外にも第3族元素とアルミニウムを含む複合酸化物であればよく、例えば、MAl(1−p)(但し、Mは第3族元素(すなわち、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y、Sc)のいずれか一種類以上、0≦p<1)を用いることも可能である。
【0027】
Al(1−p)といったアルミニウムとの複合酸化物を形成した場合に、pが同じであるがMが異なるアルミニウム複合酸化物同士を比較すると、Mを構成する元素として、高いほうからLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y、Scの順で高い誘電率が得られる。したがって特にランタンアルミニウム酸化物が望ましい。一方でMとして上に記載した順番とは逆順に化学的な安定性が増すため、耐熱性との兼ね合いでLaよりも後の順番の元素を用いることも有用である。
【0028】
また、第3族元素がランタンの場合、LaAlO以外にもLaAl1118といった安定相や、LaAl1−x(ただし0<x<1)のような準静的な相図上は存在しないがアモルファスな絶縁膜では存在しうる不安定相などがあり、特にLaAlOを用いることが 安定相であること、比誘電率が小さすぎないこと、吸湿や炭酸ガスを吸収するような化学的な不安定さが無いことなどを兼ね備える組成であるため望ましい。
【0029】
また、これらの酸化物に窒素添加され、酸窒化物となったものも本願発明の範疇にある。例えば、MAl(1−p)(但し、Mは第3族元素(すなわち、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y、Sc)のいずれか一種類以上、0≦p<1、0≦q≦1)を用いることも可能である。特に第3族元素−アルミニウム酸窒化物からなるゲート絶縁膜には、耐熱性が向上するような利点がある。
【0030】
以下、本発明に係る電極のランタンアルミニウム合金について詳細に説明する。
【0031】
ランタンアルミニウム合金系の相図を図2に示す。La単体金属の融点は918℃程度と低く、しかも酸素や水分との反応性が激しい問題点がある。Al単体金属は酸素や水分と反応してもAl的な不動態皮膜を形成することにより反応が進行しづらいものの、融点は680℃程度とさらに低いため以降のCMOSプロセスで必要な熱処理に耐えることが困難であるような問題点がある。
【0032】
一方、図2に示すように、本発明に係るランタンアルミニウム合金、代表的には、LaAl合金(つまりx=0.33)、LaAl合金(つまりx=0.25)、LaAl11合金(つまりx=0.21)があるが、LaAl合金の融点は、1405℃、LaAl合金は1170℃以上でLaAl11とLaAlxに相分離、LaAl11合金の融点は1240℃程度と、いずれも合金化したことによって上昇するため、CMOSプロセスで必要な熱処理にも耐えることが可能である。
【0033】
しかもランタンアルミニウム合金の場合、酸素や水分に対してLaAlO的な不動態を形成することにより絶縁膜との反応が進行しづらい利点もある。このとき上記酸素は主に熱処理時にランタンアルミニウム酸化物ゲート絶縁膜から供給されるものであるが、ランタンアルミニウム合金が酸化することによって形成された不動態もLaAlOであるため、ゲート絶縁膜が僅かに厚くなるものの、CMOSプロセスにて必要な熱処理への耐性は十分である。
【0034】
ゲート絶縁膜はランタンアルミニウム合金の界面を僅かに酸化するほどの酸素を供給しても、ゲート電極側に欠陥サイトを僅かに増やす程度であり、その欠陥サイトはチャネル領域とはもっとも遠い場所であるためリモートクーロン散乱などへの影響はほとんど無いようにすることが可能である。ゲート絶縁膜から僅かな酸素が脱離することによる上記僅かな影響が無いようにすることを目的としてゲート絶縁膜を酸素リッチ気味に成膜することは技術的に可能であるものの、ゲート絶縁膜の膜質の低下を招くため、かえってゲート絶縁膜からの酸素脱離が増える結果となり、好ましい結果にはなりにくい。
【0035】
なおCMOSプロセスにて用いる熱処理を800℃程度までに抑制する技術と併用すればより好ましい。
【0036】
また、ランタンアルミニウム合金系のエンタルピーを図3に示す。LaとAlは合金となることでエンタルピーが低下するため、化学的に安定となって反応性が低下することがわかる。このように合金化でエンタルピーが低下することは以降のCMOSプロセスにて周辺物質との化学反応を生じにくいといった利点がある。
【0037】
なお本発明に係るランタンアルミニウム合金においては、xが0.21≦x≦0.33の組成範囲内であれば、LaAl合金、LaAl合金、LaAl11合金、またそれら以外の中間的な組成を用いることも可能である。
【0038】
また前述の如く、仕事関数を高くする目的で、これらのランタンアルミニウム合金に窒素、若しくは窒素及び水素を含むものであってもよい。
【0039】
本発明に係るランタンアルミニウム合金において、xが0.21に満たない場合、すなわちLaAl11合金よりLaが少ない場合、LaAl11合金とAlとの混合物となるため、ゲート電極中に単体Alが相分離して存在する。したがって680℃を超える熱処理によって相分離したAlの部分が熔けてしまう問題点がある。xの値が0.33を超えて0.50以下である場合、すなわちLaAl合金よりLaが多くLaAl合金よりLaが少ないか等しい場合、LaAl合金とLaAl合金の混合物となる。LaAl合金は870℃程度でLa単体とLaAl合金の混合物へと分解してしまうため、La単体の反応性の高さが問題になる。つまり、xが0.21未満若しくは0.33を越えると融点が下がり、またエンタルピーが上がり化学的に不安定となってしまう。ましてやxの値が0.50を越えればLa単体の反応性の高さが問題になることは図2に記されている通りである。
【0040】
ランタンアルミニウム合金に窒素を導入する際は、窒素導入量を示すyが0.15≦y≦0.5範囲内にすることが望ましい。この値内であれば、電気伝導率が適切な大きさを保つことでCMOSとしての動作速度が低下せず、また仕事関数がpMISとして適切な範囲に収まる。
【0041】
また、ランタンアルミニウム合金に窒素に加えて水素を導入する際は、水素導入量を示すzがz≦0.1の範囲であることが望ましい。多すぎると水素が拡散してゲート絶縁膜などを還元してしまう恐れがあるためである。
【0042】
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を、図4乃至図8を参照して説明する。図4乃至図8は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す製造工程断面図である。
【0043】
まず、図4に示すように、半導体基板、例えばシリコン基板11にpMISFETの形成領域とnMISFETの形成領域とを分離する素子分離領域13を形成する。この素子分離領域13は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation )技術により形成する。この素子分離領域13はLOCOS(Local Oxidation of Silicon)技術により形成することも可能である。
【0044】
その後、nMISFETの形成領域にpウエル15を形成し、pMISFETの形成領域にnウエル17を形成する。次いで、pウエル15およびnウエル17に閾値電圧を調整するために不純物を導入する。これらpウエル15およびnウエル17の形成は、例えばそれぞれの領域上のみに開口を設けたマスクを用いたイオン注入法により形成することができる。
次に、シリコン基板11上にLaAlOなる組成で、3.0nmの厚さのゲート絶縁膜19を形成する。成膜方法はLaAlOターゲットを用いたPLD(Plasma Laser Deposition)法を用いた。
【0045】
LaAlOゲート絶縁膜19を成膜後、酸素雰囲気中にて600℃で熱処理を施した。
【0046】
その後、CVD法によりゲート絶縁膜19上にゲート電極となるLaAlなる組成の電極膜21を200nm成膜した。
【0047】
次に、フォトレジストを電極膜21上に塗布し、リソグラフィー技術によりpMISFETの形成領域上に開口部を有するレジストパターン25を形成した(図5参照)。このレジストパターン25をマスクに用いてイオン注入法により窒素をpMISFETの形成領域上の電極膜21に導入し、窒化して窒素含有ランタンアルミニウム合金La0.33Al0.660.4のゲート電極23を得た。
【0048】
なお、nMISFET用にLaAl11合金を用いた場合、pMIS用ゲート電極としては、このLaAl11合金に窒素を導入し窒化した窒素含有ランタンアルミニウム合金を用いるなど、La/Al比が同じ材料であることが、製造工程上簡便となり望ましい。
【0049】
上記マスクとしては、レジストパターン以外にも、例えばAlあるいはAlNあるいはAlONあるいはSiOあるいはSiNあるいはSiONのようなハードマスクを用いることも可能である。Alを含むハードマスクを用いることがより好ましい。
【0050】
窒素の導入の機構としては、例えばイオン化した窒素を電磁場で加速するような方式も可能であるし、例えばプラズマや紫外線などで励起あるいは活性化あるいはイオン化した窒素と反応させる方式も可能であるし、両者の機構を併用しているような方式を用いることも可能である。不イオンから電子を剥奪することで中性化された粒子を用いる方法もあるが、中性化された粒子は一定の割合で励起状態にある上に、中性化された粒子そのものの持つ運動エネルギーも高い値を示す粒子が多いため、本質的には上記と同じ原理の範囲に含まれる。イオンインプラントなどの手法も電場で加速した原子を膜に打ち込む手法であり、本質的には上記手法の範囲に含まれる。
【0051】
なお、本実施形態の如くの窒素の導入方法を用いる場合、電極中の窒素濃度には膜厚方向の分布が生じる。
【0052】
最も典型的な窒素濃度分布は、窒素を注入した側の窒素濃度が高くなるといったものであり、ランタンアルミニウム合金膜において接するランタンアルミニウム酸化物層から遠い側の界面近傍に窒素濃度のピークが生じるといった分布である。
【0053】
あるいは窒素濃度の分布状態を変えるため、窒素導入後例えば800℃の熱処理を施したり、例えば熱処理後に再度活性化した窒素を用いるような装置で窒化してもよい。このように窒化処理と熱処理とを組み合わせると、膜厚方向において中央付近で最も窒素濃度が高いような濃度分布を形成させることも可能である。また窒素のパイルアップ現象によりゲート絶縁膜界面に窒素濃度のピークを形成させることも可能である。また複数の窒素濃度ピークを形成することも可能である。窒素濃度ピークを持たないような窒素濃度の膜厚方向分布とすることも可能である。
【0054】
なお、窒素が絶縁膜の酸化物に達して酸窒化物となったものも本願発明の範疇にある。ランタンアルミニウム酸窒化物からなるゲート絶縁膜には、耐熱性が向上するような利点がある。
【0055】
次に、電極膜21、23上にフォトレジストを塗布し、通常のリソグラフィー技術により上記フォトレジストをパターニングして、ゲート電極を形成するためのレジストパターン27を形成する(図6参照)。
【0056】
このレジストパターン27をマスクとしてエッチングによって、電極膜21、23をパターニングして、それぞれのゲート電極21、23を得る(図7参照)。
【0057】
続いて、レジストパターンを除去した後、pMISFETの形成領域のみを覆うレジストパターン(図示せず)を形成して、ゲート電極21をマスクとしてnMISFETの形成領域に不純物注入することにより、低濃度のn型拡散層29を形成する(図7参照)。また、上記レジストパターンを除去した後、nMISFETの形成領域のみを覆うレジストパターン(図示せず)を形成して、ゲート電極23をマスクとしてpMISFETの形成領域に不純物注入することにより、低濃度のp型拡散層29を形成する(図7参照)。その後、上記レジストパターンを除去する。
【0058】
次に、周知の技術を用いて、図8に示すように、ゲート電極21、23の側部に絶縁体からなる側壁33を形成する。そして、pMISFETの形成領域を覆うレジストパターン(図示せず)を形成して、ゲート電極21および側壁33をマスクとしてnMISFETトランジスタの形成領域に不純物注入することにより、n型のソース・ドレイン拡散層35を形成する(図8参照)。
【0059】
また、上記レジストパターンを除去した後、nMISFETの形成領域を覆うレジストパターン(図示せず)を形成して、ゲート電極23および側壁33をマスクとしてpMISFETの形成領域に不純物注入することにより、p型ソース・ドレイン拡散層37を形成する(図8参照)。
【0060】
その後、上記レジストパターンを除去することにより、図8に示すように、nMISFETおよびpMISFETが完成する。
【0061】
本実施形態の製造方法では、nMISFETのゲート電極21とpMISFETのゲート電極23の形成は、電極膜21の一回の成膜工程と、マスクを用いるためのレジストパターン25の形成工程と、ゲート電極部分を切り出す際のレジストパターン27の形成工程と、ゲート電極をパターニングする工程とですむ。このため、nMISFETのゲート電極21とpMISFETのゲート電極23をそれぞれ別々に形成する場合に比べて工程数が少なく簡便となる。
【0062】
また、本実施形態の半導体装置の構造に関し、CMOSプロセス後の各トランジスタのゲート電極及びゲート絶縁膜界面の状態を評価すると、従来の多結晶シリコン電極で問題になっている、例えば断面TEMなどによって観察される浸潤により界面に数nmに達する凹凸が発生してしまうような構造の変化、例えばCV測定によって見積もられるゲート絶縁膜の誘電率が本来21程度のものが10以下への低下、リーク電流の数桁以上の増大、数百ミリボルト以上のヒステリシスやフラットバンド電圧の変位などによって示される欠陥準位の増大、トランジスタ特性から示されるようなチャネル移動度の半分以下への低下、ワイブルプロットなどから得られる信頼性の極端な劣化の問題点が改善される。
【0063】
このことはすなわちラインでの製造におけるプロセスウィンドウが広く、ロバストであるといった効果がある。一方で従来のCMOSプロセスとの共通点が多いことによる詳細なプロセス条件の最適化の労力すなわち膨大な開発コストを減らすことが出来るような効果もある。
【0064】
(変形例)
(1)第1の実施形態においては、LaxAl1−xなる組成の合金の窒化において、活性化された窒素を用いる方法を採用したが、一方で例えばアンモニアを用いた窒化法なども適用可能である。ただしアンモニアには水素原子が含まれており、LaAl電極中の特にLaが水素と反応するため、この場合形成されるpMISゲート電極は窒素に加えて水素を含有することとなる。窒素及び水素を含有するランタンアルミニウム合金の仕事関数も4.8eV程度と見積もられ、PMISFETのゲート電極として利用可能である。
【0065】
窒素及び水素を導入した際の導入量は、LaxAl1−xNyHz(但し0.21≦x≦0.33)で表したとき、0.15≦y≦0.5、0≦z≦0.1で表される範囲であることがのぞましい。水素が多すぎるとその後のCMOSプロセスにおいて水素が拡散し、例えば絶縁膜を還元してしまうような問題点があるからである。
【0066】
窒素濃度および水素濃度には膜厚方向の濃度分布が生じさせてもよい。窒素も水素もゲート絶縁膜とは反対側の界面近傍にて最も濃度を高くしても良いし、水素の濃度プロファイルよりも窒素の濃度プロファイルの方が急峻にしても良い。
【0067】
アンモニアを用いた窒化法によって、窒素が絶縁膜の酸化物に達して酸窒化物となっても構わない。また水素が絶縁膜の酸化物絶縁膜に達しても、絶縁膜中のダングリングボンドを水素終端させる効果が生じ、問題にはならない。
【0068】
(2)第1の実施形態では、nMISFET用ゲート電極組成であるLaxAl1−xなる組成の合金をnMIS領域及びpMIS領域に共に成膜後、pMISFET用ゲート電極となる領域を窒化することで窒素及び水素を導入したが、pMIS領域に、直接LaAlNまたはLaAlHNを形成することも可能である。
【0069】
(3)第1の実施形態ではCMOS回路のpMISFET及びnMISFET共にゲート電極として、ランタンアルミニウム合金を用いている。実際、pMIS及びnMIS共にゲート電極として窒素を添加した本発明に係るランタンアルミニウム合金を用いることが望ましいが、nMISFETにおいてゲート絶縁膜及びゲート電極として本発明に係る絶縁膜及びランタンアルミニウム合金を用いていれば、pMISFETゲート電極としては、このランタンアルミニウム合金を用いず、別の材料の電極を用いることも本発明の範疇である。
【0070】
その場合、Ru、Rh、Pd、Ag、Re、Os、Ir、Pt、Au、Oの中からいずれか一種類以上を含むような貴金属または貴金属の酸化物、あるいはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、B、C、N、Oの中からいずれか二種類以上を含むような金属のホウ化物、炭化物、窒化物、炭窒化物、ホウ炭化物、炭窒酸化物などが挙げられる。貴金属、貴金属の酸化物、上記に掲げたホウ化物、炭化物、窒化物、炭窒化物、ホウ炭化物、炭窒酸化物などはいずれも仕事関数が大きいことに加え、融点の高い金属が多く、反応性も低いため、pMISFET用のゲート電極として用いることが可能である。
【0071】
(4)第1の実施形態ではシリコン基板を用いたが、ゲルマニウム基板を用いることも好ましい。ゲルマニウムの場合、最も高い熱処理が必要な活性化アニールが600℃程度で十分である。InAs基板、InSb基板、AlInSb基板、GaN基板、GaAs基板、GaP基板などを用いることも可能である。これらの基板はシリコンよりもキャリア移動度が大きいといった利点があるため、トランジスタ動作の高速化に有用である。あるいはSiC基板を用いることも可能である。SiC基板は絶縁耐圧が高いため、高電力用素子として有用である。
【0072】
これらの基板上にも本発明に係る絶縁膜及び電極を形成し、トランジスタ動作をさせることが可能である。ゲート絶縁膜としてSiOを用い、ゲート電極として多結晶シリコンを用いるような従来構造と比較し、ゲート絶縁膜の薄膜化が可能であるためより微細な素子を作製できるようになるといった利点がある。
【0073】
(5)第1の実施形態では、絶縁膜である、ランタンアルミニウム酸化物の製膜方法として、PLDを用いたが、この他にもLaAlO等のランタンアルミニウム酸化物ターゲットや、La及びAl金属ターゲットを用いたスパッタ法を用いることも可能であるし、La及びAl金属を用いたMBE(Molecular Beam Epitaxy)法を用いることも可能である。あるいはランタン材料としてLa[N(SiMe(tris(bistrimethylsilylamido)−lanthanum)、La(thd)(lanthanum beta−diketonate)、La{N(SiHMe(THF)、[La((R)−Biphen){CH(SiMe}]などの原料を用い、アルミニウム材料としてAl(CHなどの原料を用い、酸素原料としてHO、オゾンなどを添加することでCVD(Chemical Vapor Deposition)法あるいはALD(Atomic Layer Deposition)法にて作製することも可能である。
【0074】
上記したランタンアルミニウム酸化物の製膜方法においては、スパッタ法にて成膜することが特に好ましい。また基板面内均一性を保たれるように工夫されているPLD装置を用いることも好ましいがPLD法では赤外レーザーの危険性を十分に考慮して作業者の安全衛生に十分な対策を取ることが必須である。
【0075】
(6)第1の実施形態では、ランタンアルミニウム合金の製膜方法としては、CVD法を用いたが、PLD法、スパッタ法、MBE法、ALD法の利用も可能である。LaAlOの成膜に用いた同一のターゲットまたは原料を用いて酸素が混入しないような条件にて成膜する方法が望ましい。
【0076】
電極の成膜に用いる装置は、絶縁膜の成膜に用いた装置と同じ装置の同じ成膜チャンバーを用いることも可能であり、ゲート絶縁膜の成膜に用いた装置の異なる成膜チャンバーを用いることも可能であるし、ゲート絶縁膜の成膜に用いた装置とは異なる装置を用いることも可能である。成膜方法として幅広い選択肢があることも大きな利点の一つである。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、キャパシタ構造について図9を参照して説明する。この構造は、フラッシュメモリのセルトランジスタのフローティングゲートとコントロールゲートとその間の絶縁膜(いわゆる電極間絶縁膜)とその周辺部分に対応する。
【0078】
図9は、第2の実施形態に係るキャパシタの主要部を示す断面図である。
【0079】
図9に示すように、キャパシタ構造は、基板41、および基板41上に順次堆積されたトンネル絶縁膜42、フローティング電極43、電極間絶縁膜44、コントロール電極45を含んでいる。
基板41は、例えばシリコン等から構成されるが、これに限定されず、第1の実施形態および変形例などで挙げた基板を用いることができる。トンネル絶縁膜42は、5nm厚さの例えばアモルファスSiONから構成されるが、他の材料であっても良い。また、電極間絶縁膜44として、本実施形態では21nm厚さのLaAlOを用いるが、第1の実施形態で挙げた第3族元素―アルミニウム酸化物若しくは酸窒化物を用いることができる。
【0080】
電極43、45は、本実施形態ではLaAl11から構成される。電極組成は、各電極に求められる特性を勘案してその材料は選択されるが、少なくとも一方が本発明に係るランタンアルミニウム合金であれば絶縁膜44の劣化抑制効果は発揮される。
【0081】
次に、第2実施形態に係るキャパシタの製造工程について説明する。まず、第1の実施形態例と同じ工程により、基板41を用意し、次に、絶縁膜42を気相状態の有機金属化合物を用いるような例えばCVD法にて形成後、酸化、再窒化、熱処理などを繰り返す方法にて形成し、電極43を気相状態の有機金属化合物を用いるような例えばCVD法にて、絶縁膜44としてのLaAlOを複数のターゲットを用いるようなスパッタ法により成膜した。LaAlOの膜厚は21nmとした。次に、電極45として、LaAl11をCVD法により成膜した。
【0082】
この後、イオン注入等により、基板41の表面に、電極43下方のチャネル領域を挟むようにソース領域S、ドレイン領域Dを形成すれば、フラッシュメモリのセルトランジスタが形成される。
【0083】
本実施形態の構造によれば、製造プロセス後の電極及び電極間絶縁膜界面の状態を評価すると、浸潤による構造の変化は生じず、電極間絶縁膜の誘電率の低下や欠陥準位の増大やリーク電流の増大などもほとんど確認されず、またセルのリテンション特性が数日以下となってしまうような劣化、書き込み電圧や読み込み電圧などのウインドウ特性がほとんど取れない状態への劣化も認められない。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1の実施形態に係るCMOS構造を示す断面図。
【図2】La−Al合金系の相図。
【図3】La−Al合金系のエンタルピーを示す図。
【図4】第1の実施形態に係るCMOS構造の製造工程を示す断面図。
【図5】第1の実施形態に係るCMOS構造の製造工程を示す断面図。
【図6】第1の実施形態に係るCMOS構造の製造工程を示す断面図。
【図7】第1の実施形態に係るCMOS構造の製造工程を示す断面図。
【図8】第1の実施形態に係るCMOS構造の製造工程を示す断面図。
【図9】第2の実施形態に係るメモリセル構造を示す断面図。
【符号の説明】
【0085】
11 シリコン基板
13 素子分離領域(STI)
15 pウェル
17 nウェル
19 ゲート絶縁膜
20 ダミーゲート絶縁膜
21 ゲート電極
22 ダミーゲート電極
23 ゲート電極
25 レジストパターン
27 レジストパターン
29 n型低濃度拡散層
31 p型低濃度拡散層
33 側壁
35 n型ソース・ドレイン拡散層
37 p型ソース・ドレイン拡散層
41 基板
42 トンネル絶縁膜
43 フローティング電極
44 電極間絶縁膜
45 コントロール電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体領域と、
前記半導体領域上に形成され、第3族元素−アルミニウム酸化物若しくは酸窒化物を用いたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成され、
LaxAl1−xNyHz
(但し0.21≦x≦0.33、0≦y≦0.5、0≦z≦0.1)
で表されるランタンアルミニウム合金を用いたゲート電極と、
前記半導体領域の前記ゲート絶縁膜の両側に形成されるソース及びドレイン領域とを具備するMIS型電界効果トランジスタを具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
p型半導体領域と、
前記p型半導体領域上に形成され、第3族元素−アルミニウム酸化物若しくは酸窒化物を用いた第1ゲート絶縁膜と、
前記第1ゲート絶縁膜上に形成され、
LaxAl1−x
(但し0.21≦x≦0.33)
で表されるランタンアルミニウム合金を用いた第1ゲート電極と、
前記半導体領域の前記第1ゲート絶縁膜の両側に形成されるn型ソース及びn型ドレイン領域とを具備するnMIS型電界効果トランジスタを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
n型半導体領域と、
前記n型半導体領域上に形成され、第3族元素−アルミニウム酸化物若しくは酸窒化物を用いた第2ゲート絶縁膜と、
前記第2ゲート絶縁膜上に形成され、
LaxAl1−xNyHz
(但し0.21≦x≦0.33、0.15≦y≦0.5、0≦z≦0.1)
で表されるランタンアルミニウム合金を用いた第2ゲート電極と、
前記半導体領域の前記ゲート電極の両側に形成されるp型ソース及びp型ドレイン領域とを具備するpMIS型電界効果トランジスタを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
p型半導体領域と、
前記p型半導体領域上に形成され、第3族元素−アルミニウム酸化物若しくは酸窒化物を用いた第1ゲート絶縁膜と、
前記第1ゲート絶縁膜上に形成され、
LaxAl1−x
(但し0.21≦x≦0.33)
で表されるランタンアルミニウム合金を用いた第1ゲート電極と、
前記p型半導体領域の前記第1ゲート絶縁膜の両側に形成されるn型ソース及びn型ドレイン領域とを具備するnMIS型電界効果トランジスタ及び、
n型半導体領域と、
前記n型半導体領域上に形成され、第3族元素−アルミニウム酸化物若しくは酸窒化物を用いた第2ゲート絶縁膜と、
前記第2ゲート絶縁膜上に形成され、
LaxAl1−xNyHz
(但し0.21≦x≦0.33、0.15≦y≦0.5、0≦z≦0.1)
で表されるランタンアルミニウム合金を用いた第2ゲート電極と、
前記n型半導体領域の前記第2ゲート絶縁膜の両側に形成されるp型ソース及びp型ドレイン領域とを具備するpMIS型電界効果トランジスタを
具備するCMOS回路を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
半導体領域と、
前記半導体領域上に形成されたトンネル絶縁膜と、
前記トンネル絶縁膜上に形成されたフローティングゲート電極と、
前記フローティングゲート電極上に形成され、第3族元素−アルミニウム酸化物若しくは酸窒化物を用いた電極間絶縁膜と、
前記電極間絶縁膜上に形成されたコントロール電極とを具備し、
前記フローティングゲート電極及びコントロール電極の少なくとも一方が、
LaxAl1−xNyHz
(但し0.21≦x≦0.33、0≦y≦0.5、0≦z≦0.1)
で表されるランタンアルミニウム合金を用いた電極である不揮発性記憶素子を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
前記第2ゲート電極は、ランタンアルミニウム合金に対し活性化された窒素を用いて窒化して得られた膜を用いていることを特徴とする請求項3又は4記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2ゲート電極は、ランタンアルミニウム合金に対し、アンモニアを用いて窒化して得られた膜を用いていることを特徴とする請求項3又は4記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−91556(P2008−91556A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269776(P2006−269776)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】