説明

半導体構造、半導体構造の形成方法、半導体装置の動作方法(高周波の高調波を減少するためのSOIRFスイッチ)

【課題】SOI基板における容量結合を減少した集積回路を提供する。
【解決手段】底部半導体層と同じ導電型のドーパントを含む第1のドープされた半導体領域18及び反対導電型のドーパントを含む第2のドープされた半導体領域28がSOI基板の埋め込み絶縁層20の直下に形成される。第1のドープされた半導体領域18及び第2のドープされた半導体領域28は、共にグランド電位に接続されるか、又は底部半導体層への少数キャリアの順方向バイアス注入に基づく過剰な電流を生じるには不十分は電圧、即ち、0.6V乃至0.8Vを越えない電位差を保って底部半導体層に対して順方向バイアスされる。上部半導体の半導体装置内の電気信号により誘起される電荷層内の電荷は第1及び第2のドープされた半導体領域に接続されている電気的コンタクトを介して引き出され、これにより半導体装置内の高調波信号を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体構造、具体的にはセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板上にRF(高周波、radio frequency)スイッチを含む半導体構造、これの製造方法及びこれの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電界効果トランジスタのような半導体装置は、アナログ及びRFを使用する用途において高周波(RF)信号のためのスイッチング装置として使用されている。セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板はこのような用途に対して代表的に使用される。その理由は、基板を介する装置相互間の寄生結合が、埋め込み絶縁層の低誘電率に基づいて減少されるからである。例えば、バルク・シリコン基板の基板全体を占めるシリコンの誘電率は、GHzのレンジにおいて11.7である。これに対して、装置を含む最上部の半導体層をハンドル基板から絶縁するシリコン酸化物の誘電率は3.9である。バルク基板の半導体材料の誘電率よりも小さい誘電率を有する埋め込み絶縁層を設けることにより、SOI基板は、個々の半導体装置と基板の間の容量結合を減少し、そして、基板を介する半導体装置相互間の二次的容量結合を減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、たとえSOI基板を使用したとしても、半導体装置相互間の電気信号の二次的容量結合は、RFを使用する用途では、例えば900MHzから1.8GHz又は更に高い周波数レンジを含む高い周波数レンジが使用されることに起因して著しく大きくなる。これは、電気コンポーネント相互間の容量結合が周波数に伴って直線的に増大するからである。
【0004】
SOI基板に形成されるRFスイッチの場合、最上部の半導体層内のRFスイッチ及び信号処理ユニットを含む半導体装置は、埋め込み絶縁層を介して底部の半導体層と容量結合される。最上部の半導体層内の半導体装置が3Vから9Vの電源電圧を使用したとしても、アンテナ回路内の過渡信号及び信号反射によりこの最上部の半導体層内の実効電圧は30Vにまで上昇する。このような電圧条件は、最上部の半導体層の半導体装置のRF信号の周波数で厚さ及び電荷極性を変化する誘起電荷層が底部半導体層の上側部分に生じることと、このような高い電圧信号とに起因して、半導体装置相互間の好ましくない容量結合を誘起する。この誘起された電荷層は、電気的に絶縁されているRFスイッチを含む上部半導体層の複数の半導体装置の他の半導体装置と容量結合する。底部半導体層に誘起された電荷層と他の半導体装置との間の擬似的な容量結合は、二次的な容量結合、即ちRFスイッチの効率を減少する寄生結合を生じる。この場合、RF信号がオフにされても、この二次的容量結合により他の半導体装置にこのRF信号が印加されてしまう。
【0005】
RFスイッチのパフォーマンスを増大するためには、底部半導体層と上部半導体層の半導体装置との間の信号結合を減少することが望ましい。更に、RFスイッチのパフォーマンスを増大するためには、この信号結合による高調波の発生を減少することが望ましい。
【0006】
本発明は、底部半導体層の上部に誘起される電荷層内の電荷を除去して上部に配置される半導体装置内の高調波を減少するための、浅いトレンチ絶縁構造及び埋め込み絶縁層を通る1組の電気コンタクト、これの製造方法及びこれの動作方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
底部半導体層と同じ導電型の不純物でドープされた(同じタイプのドーピングを有する)第1のドープされた半導体領域層及び反対導電型の不純物でドープされた第2のドープされた半導体領域が、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板の埋め込み絶縁層の直下に形成される。第1のドープされた半導体領域及び第2のドープされた半導体領域は、共にグランド電位に接続されるか、又は底部半導体層への少数キャリアの順方向バイアス注入に基づく過剰な電流を生じるには不十分は電圧、即ち、0.6V乃至0.8Vを越えない電位差を保って底部半導体層に対して順方向バイアスされる。上部半導体層の半導体装置における電気信号により誘起される電荷層の電荷は、第1及び第2のドープされた半導体領域に接続された電気的コンタクトを介して引き出され、これによりこれの上部の半導体装置内の高調波信号を減少し、そしてRFスイッチとしての半導体装置のパフォーマンスを増大する。特に、基板はほぼ常に蓄積又は反転状態となり、かくして比較的一定なキャパシタンス及び電界シールドを呈し、上部シリコン内の素子相互間の電気力線(electric field line)の発生を防止する。この半導体構造の好ましい構造をも又提供する。
【0008】
本発明の1つの態様に従うと半導体構造を形成する方法が提供され、そしてこの方法は、第1導電型のドーパントを含む底部半導体層を含むセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板の上部半導体層に少なくとも1つの電界効果トランジスタを形成するステップと、上部半導体層に、少なくとも1つの電界効果トランジスタの側部に接触してこれを取り囲む浅いトレンチ絶縁構造を形成するステップと、底部半導体層に、埋め込み絶縁層に接触し且つ第1導電型のドーパントを含む第1のドープされた半導体領域を形成するステップと、底部半導体層に第2のドープされた半導体領域を形成するステップと含み、ここで、第2のドープされた半導体領域は埋め込み絶縁層に接触し且つ第2導電型のドーパントを含み、第2導電型は第1導電型と反対の導電型であり、そして第1及び第2のドープされた半導体領域はSOI構造の上部に配置された少なくとも1つの金属相互接続構造を介して電気的に接続されている。
【0009】
本発明の他の態様に従うと、半導体装置を動作させる方法が提供される。この方法は、上部半導体層、埋め込み絶縁層及び第1導電型のドーパントを含む底部半導体層を有するセミコンダクタ・オン・インシュレータ基板、上部半導体層に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ、上記少なくとも1つの電界効果トランジスタの側部に横方向で隣接(接触)する浅いトレンチ絶縁構造、底部半導体層内に埋め込まれ、埋め込み絶縁層に隣接しそして第1導電型のドーパントを含む第1のドープされた半導体領域、並びに底部半導体層内に埋め込まれ埋め込み絶縁層に隣接しそして第2導電型のドーパントを含む第2のドープされた半導体領域を有し、そして第2導電型が第1導電型と反対の導電型である半導体装置を準備するステップと、少なくとも1つの電界効果トランジスタにRF信号を印加するステップであって誘起電荷層が埋め込み絶縁層の直下に形成されるステップと、第1及び第2のドープされた半導体領域を同じ電圧に電気的にバイアスするステップとを含む。
【0010】
本発明の他の態様に従うと、半導体構造が提供される。この半導体構造は、上部半導体層、埋め込み絶縁層及び第1導電型のドーパントを含む底部半導体層を有するセミコンダクタ・オン・インシュレータ基板と、上部半導体層に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタと、上記少なくとも1つの電界効果トランジスタの側部に横方向で隣接する浅いトレンチ絶縁構造と、底部半導体層内に埋め込まれ、埋め込み絶縁層に隣接し、そして第1導電型のドーパントを含む第1のドープされた半導体領域と、底部半導体層内に埋め込まれ、埋め込み絶縁層に隣接しそして第2導電型のドーパントを含む第2のドープされた半導体領域とを備え、第2導電型が第1導電型と反対の導電型であり、そして第1及び第2のドープされた半導体領域が同じ電圧に電気的にバイアスされる。
【0011】
本発明の他の態様に従うと、半導体構造のための設計を設計し、製造し若しくはテストするためにコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録された設計構造が提供される。この設計構造は、上部半導体層、埋め込み絶縁層及び第1導電型のドーパントを含む底部半導体層を有するセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板を表す第1のデータと、上部半導体層に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタを表す第2のデータと、上記少なくとも1つの電界効果トランジスタの側部に横方向で隣接する浅いトレンチ絶縁構造を表す第3のデータと、底部半導体層内に埋め込まれ、埋め込み絶縁層に隣接し、そして第1導電型のドーパントを含む第1のドープされた半導体領域を表す第4のデータと、底部半導体層内に埋め込まれ埋め込み絶縁層に隣接しそして第2導電型のドーパントを含む第2のドープされた半導体領域を表す第5のデータとを含み、第2導電型が第1導電型と反対の導電型であり、そして第1及び第2のドープされた半導体領域が同じ電圧に電気的にバイアスされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施例に従う第1の例示的な半導体構造の垂直方向の断面を示す図である。
【図2】第1の例示的な半導体構造の垂直方向の断面を示す図である。
【図3】第1の例示的な半導体構造の垂直方向の断面を示す図であって、図4の面Z−Z’面に沿う垂直方向の断面図である。
【図4】図3の面X−X’に沿う水平方向の断面図である。
【図5】第1の例示的な半導体構造の垂直方向の断面を示す図であって、図6の面Z−Z’に沿う断面図である。
【図6】図5の面X−X’に沿う水平方向の断面図である。
【図7】第1の例示的な半導体構造の垂直方向の断面を示す図である。
【図8】図7の上面図であり、明確化のために中間工程誘電体層を省略してある。
【図9】第1の例示的な半導体構造の垂直方向の断面を示す図である。
【図10】図9の上面図である。
【図11】本発明の第2実施例に従う第2の例示的な半導体構造の垂直方向の断面図である。
【図12】本発明の第3実施例に従う第3の例示的な半導体構造を示す図であって、図14の面A−A’に沿う水平方向の断面図である。
【図13】本発明の第3実施例に従う第3の例示的な半導体構造を示す図であって、図14の面B−B’に沿う水平方向の断面図である。
【図14】本発明の第3実施例に従う第3の例示的な半導体構造を示す垂直方向の断面図である。
【図15】本発明の第4実施例に従う第4の例示的な半導体構造の水平方向の断面図であって、図14の面A−A’に対応する面に沿う断面図である(第4の例示的な半導体装置の垂直方向の断面は図14の断面と同じである)。
【図16】本発明の第4実施例に従う第4の例示的な半導体構造の水平方向の断面図であって、図14の面B−B’に対応する面に沿う断面図である。
【図17】本発明の第5実施例に従う第5の例示的な半導体構造の垂直方向の断面図である。
【図18】本発明の第5実施例に従う第5の例示的な半導体構造の垂直方向の断面図である。
【図19】本発明の第6実施例に従う第6の例示的な半導体構造の垂直方向の断面図である。
【図20】本発明の第6実施例に従う第6の例示的な半導体構造の垂直方向の断面図である。
【図21】本発明に従う半導体構造の半導体設計及び製造に使用される設計プロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述のように、本発明は、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板上に高周波(RF)スイッチを含む半導体構造、これの製造方法、これの動作方法であり、以下に、図面を参照して説明する。図面は、説明の便宜上正しい寸法で描かれていない。
【0014】
本明細書で説明するように、高周波数(RF)は、3Hzから300GHzのレンジ内の電磁波の周波数を表す。高周波は、高周波を発生しそして検出するのに使用される電磁波の周波数に対応する。高周波は、超短波(VHF)、極超短波(UHF),センチメートル波(SHF)及びミリ波(EHF)を含む。
【0015】
本明細書中で使用するように、超短波(VHF)は、30MHz乃至300MHzのレンジの周波数を指す。VHFは、FMラジオ放送に使用されている。極超短波(UHF)は、300MHz乃至3GHzのレンジの周波数を指す。UHFは、車両電話、無線回路網及び電子レンジ等に使用されている。センチメートル波(SHF)は、3GHz乃至30GHzのレンジの周波数である。SHFは、無線回路網、レーダー及び衛星通信等に使用されている。ミリ波(EHF)は、30GHz乃至300GHzのレンジの周波数である。EHFは、1mm乃至10mmの波長のミリ波のことであり、データ・リンク及び航空機、人工衛星等によるリモートセンシング等に使用される。
【0016】
用語“蓄積領域”は、多数電荷キャリアが外部電圧バイアスに基づいて蓄積するドープされた半導体領域を指す。pドープされた半導体領域は、もしもこのpドープされた半導体領域の多数電荷キャリアである過剰の正孔が外部の負の電圧によりこのpドープされた半導体領域に蓄積してこのpドープされた半導体領域が正味の正の電荷を有するならば、蓄積モードにある。nドープされた半導体領域は、このnドープされた半導体領域の多数電荷キャリアである過剰の電子が外部の正の電圧によりこのnドープされた半導体領域に蓄積してこのnドープされた半導体領域が正味の負の電荷を有するならば、蓄積モードにある。
【0017】
用語“空乏領域”は、ドープされた半導体領域から多数電荷キャリアが外部電圧バイアスにより押しやられ、一方少数電荷キャリアが蓄積せず、その結果多数電荷キャリア及び少数電荷キャリアがこのドープされた半導体領域から追い出された(空乏化された)状態を指す。pドープされた半導体領域は、もしもこのpドープされた半導体領域の多数電荷キャリアである正孔が弱い外部の正電圧によりこのpドープされた半導体領域内で空乏化され、その結果このpドープされた半導体領域が正味で負の電荷を有するならば、空乏モードにある。nドープされた半導体領域は、もしもこのnドープされた半導体領域の多数電荷キャリアである電子が弱い外部の負電圧によりこのnドープされた半導体領域内で空乏化され、その結果このnドープされた半導体領域が正味で正の電荷を有するならば、空乏モードにある。
【0018】
用語“反転領域”は、少数電荷キャリアが蓄積しているドープされた半導体領域を指す。代表的には、反転領域は強い外部電圧に対して半導体表面に近接して生じる。pドープ半導体領域は、もしもこのpドープ半導体領域の少数電荷キャリアである電子が外部の強い正電圧によりこのpドープされた半導体領域に蓄積しその結果このpドープされた半導体領域が正味で負の電荷を有するならば、反転モードにある。nドープ半導体領域は、もしもこのnドープ半導体領域の少数電荷キャリアである正孔が外部の強い負電圧によりこのnドープされた半導体領域に蓄積しその結果このnドープされた半導体領域が正味で正の電荷を有するならば、反転モードにある。
【0019】
図1を参照すると、本発明の第1実施例に従う第1の例示的な半導体構造は、半導体基板8を有する。半導体基板8は、底部半導体層10,埋め込み絶縁層20及び上部半導体層30を有するセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板である。上部半導体層30は、少なくとも1つの上部半導体部分32及び浅いトレンチ絶縁構造33を含む。例えば窒化シリコン又は酸化シリコンあるいはその両方のような少なくとも1つの誘電体材料から成る少なくとも1つのパッド誘電体層(図示せず)が、後続の処理プロセスにおいて平坦化されることによる下側導電性バイアの形成を容易にするために上部半導体層30上に設けられ得る。
【0020】
底部半導体層10及び少なくとも1つの上部半導体部分32は、例えばシリコン、シリコン・ゲルマニウム合金領域、シリコン・ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム合金領域、シリコン炭素合金領域、シリコン−ゲルマニウム−炭素合金領域、砒化ガリウム(ガリウムヒ素)、砒化インジウム、インジウムガリウム砒化物、燐化インジウム、硫化鉛、他のIII−V族の化合物半導体材料、又はII−VI族の化合物半導体材料のような半導体材料からなる。底部半導体層10及び少なくとも1つの上部半導体部分32の半導体材料は、同じでもよく又は異なってもよい。代表的には、底部半導体層10及び少なくとも1つの上部半導体部分32のそれぞれは、単結晶半導体材料である。例えば、単結晶半導体材料は、シリコンである。
【0021】
底部半導体層10は、5オーム−cmよりも大きい固有抵抗(抵抗率)を有し、これは例えば、2.0x1015/cmよりも少ない原子濃度のp型ドーパントを有するpドープされた単結晶シリコン、又は1.0x1015/cmよりも少ない原子濃度のn型ドーパントを有するnドープされた単結晶シリコンである。望ましくは、底部半導体層10は、50オーム−cmよりも大きい固有抵抗を有し、これは例えば、2.0x1014/cmよりも少ない原子濃度のp型ドーパントを有するpドープされた単結晶シリコン、又は1.0x1014/cmよりも少ない原子濃度のn型ドーパントを有するnドープされた単結晶シリコンである。更に望ましくは、底部半導体層10は、1Kオーム−cmよりも大きい固有抵抗を有し、これは例えば、1.0x1013/cmよりも少ない原子濃度のp型ドーパントを有するpドープされた単結晶シリコン、又は5.0x1012/cmよりも少ない原子濃度のn型ドーパントを有するnドープされた単結晶シリコンである。本明細書において、底部半導体層10の導電型を第1導電型とし、これはp型又はn型である。
【0022】
底部半導体層10の高い固有抵抗は、渦電流を減少し、これにより上部半導体層30内で発生され伝播されるRF信号が底部半導体層10と寄生結合することを減少する。底部半導体層10に対する閾値固有抵抗値毎に必要とされるドーパント・レベルを示すためにシリコンが使用されたが、半導体材料のそれぞれのドーパント濃度と固有抵抗との間には周知の確立された関係があるので、他の半導体材料のターゲット・ドーパントも容易に得られるであろう。
【0023】
底部半導体層10の厚さは、代表的には400ミクロン乃至1000ミクロンであり、このステップにおける好ましい厚さは、500ミクロン乃至900ミクロンである。もしも底部半導体層10が後続ステップで薄くされるならば、底部半導体層10の厚さは50ミクロン乃至800ミクロンである。
【0024】
埋め込み絶縁層20の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン又はこれらの組み合わせのような誘電体材料である。埋め込み絶縁層20の厚さは、50nm乃至500nmであり、代表的には100nm乃至300nmである。ただし、これよりも厚い又は薄い厚さも可能である。
【0025】
浅いトレンチ絶縁構造33の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン又はこれらの組み合わせのような誘電体材料である。浅いトレンチ絶縁構造33は、上部半導体層30内に埋め込み絶縁層20の上面まで延びる少なくとも1つのトレンチを形成し、この少なくとも1つのトレンチを酸化シリコン、窒化シリコン又は酸窒化シリコンのような誘電体材料で充填し、そして例えば化学機械的研磨(CMP)又はリセス・エッチ(凹部エッチング)あるいはその両方を使用する平坦化処理により上部半導体層30の上面にある誘電体材料の部分を除去することにより形成され得る。少なくとも1つのトレンチが連続したものである場合には、浅いトレンチ構造33は一体構造即ちワン・ピース構造である。浅いトレンチ絶縁構造33は、少なくとも1つの上部半導体部分32の側部に横方向で隣接しそれぞれを取り囲む。
【0026】
上部半導体層30の厚さは、20nm乃至200nmであり、代表的には40nm乃至100nmであるが、これよりも薄い又は厚い厚さが使用され得る。少なくとも1つの上部半導体部分32は、p型又はn型のドーパントを注入され得る。代表的には、少なくとも1つの上部半導体部分32のドーパント濃度は、電界効果トランジスタのボディ領域のドーパント濃度に対応する1.0x1015/cm乃至5.0x1018/cmであるが、これよりも低い又は高い濃度も可能である。
【0027】
図2を参照すると、第1フォトレジスト層7が上部半導体層30の上面に形成され、そして開口を形成するようにリソグラフによりパターン化される。第1フォトレジスト層7の開口は、浅いトレンチ絶縁構造33の上面の一部を露出する。即ち、開口のそれぞれは、少なくとも1つの上部半導体部分32の領域の外側にそして浅いトレンチ絶縁構造33の領域内に配置される。
【0028】
少なくとも1つの第1下側バイア空洞(キャビティ)17が、第1フォトレジスト層7のパターンを半導体基板8に転写することにより形成される。第1フォトレジスト層7の開口のパターンは、反応性イオン・エッチングでもよい異方性エッチングにより浅いトレンチ絶縁構造33及び埋め込み絶縁層20に転写される。第1のフォトレジスト層7は、異方性エッチングのためのエッチング・マスクとして使用される。少なくとも1つの第1下側バイア空洞17は、第1フォトレジスト層7の開口の下側に形成される。
【0029】
望ましくは、異方性エッチングは、底部半導体層10の半導体材料に対して選択的である。例えば、もしも底部半導体層10がシリコンであると、シリコンに対して選択的に例えば酸化シリコンのような誘電体材料を除去する異方性エッチングが、底部半導体層10の上面で停止する異方性エッチングを生じるように使用される。
【0030】
底部半導体層10の上面は、第1下側バイア空洞17のそれぞれの底部で露出される。第1下側バイア空洞17のそれぞれは、浅いトレンチ絶縁構造33及び埋め込み絶縁層20内に形成される。第1下側バイア空洞17のそれぞれは、浅いトレンチ絶縁構造33の上面から、この浅いトレンチ絶縁構造33及び埋め込み絶縁層20を貫通して底部半導体層10の上面にまで延びる。第1下側バイア空洞17が底部半導体層内に延びるという変形も又可能である。
【0031】
第1下側バイア空洞17の側壁は、浅いトレンチ絶縁構造33の上面から底部半導体層10の上面まで一直線状に垂直に延びている。言い換えると、浅いトレンチ絶縁構造33及び埋め込み絶縁層20内の第1下側バイア空洞17のそれぞれの側壁の部分は、垂直方向で互いに重なる(一致している)。第1下側バイア空洞17の側壁にテーパ(傾斜)を与える場合、このテーパの角度は、0度から5度であり、代表的には0度から2度である。但し、更に大きなテーパ角度を使用することもできる。上部半導体層30の下側の第1下側バイア空洞17のそれぞれの深さは、埋め込み絶縁層20の厚さ及び上部半導体層30の厚さの和に等しい。
【0032】
第1下側バイア空洞17は、下側バイア空洞のアレイをなすことができる。下側バイア空洞のアレイの各下側バイア空洞は、他のバイア空洞に隣接しない個別のバイア空洞である。
【0033】
少なくとも1つの第1のドープされた半導体領域18が、底部半導体層10の露出された部分内に第1導電型のドーパントを注入することにより形成される。第1導電型は、底部半導体層10の導電型である。底部半導体層10及び少なくとも1つの第1のドープされた半導体領域18は、同じ導電型のドーパントでドープされる。或る場合には、底部半導体層10及び少なくとも1つの第1のドープされた半導体領域18は、p型のドーパントを有する。他の場合には、底部半導体層10及び少なくとも1つの第1のドープされた半導体領域18は、n型のドーパントを有する。
【0034】
注入されるドーパントの横方向への広がりに基づいて、少なくとも1つの第1のドープされた半導体領域18は、少なくとも1つの第1下側バイア空洞17の大きさよりも横方向に広がり、そして垂直方向では、埋め込み絶縁層20の底面に突き当たる。第1導電型がp型である場合には、注入されるドーパントは、B,Ga,In又はこれらの組み合わせである。第1導電型がn型である場合には、注入されるドーパントは、P.As,Sb又はこれらの組み合わせである。第1フォトレジスト層7が、イオン注入の自己整合マスクとして働くので、第1のドープされた半導体領域18は第1の下側バイア空洞17の下側に形成される。第1のドープされた半導体領域18のそれぞれは、第1下側バイア空洞17の底面及び埋め込み絶縁層20の底面に垂直に突き当たる。底部半導体層10が単結晶半導体材料である場合には、少なくとも1つの第1のドープされた半導体領域18も単結晶である。
【0035】
少なくとも1つの第1のドープされた半導体領域18の厚さは、10nm乃至600nmであり、代表的には50nm乃至300nmであるが、これよりも厚い厚さ又は薄い厚さが可能である。1つの第1のドープされた半導体領域18は、代表的には固有抵抗を減少するために高い濃度でドープされる。第1のドープされた半導体領域18は、1.0x1019/cmから1.0x1021/cmのドーパント濃度を有することができるが、これよりも高い濃度又は低い濃度が可能である。次いで、第1フォトレジスト層7が、上部半導体層30、埋め込み絶縁層20の露出された側壁及び少なくとも1つの第1のドープされた半導体領域18に対して選択的に除去される。
【0036】
図3及び図4を参照すると、第2のフォトレジスト層9が、上部半導体層30の上面に形成され、そして開口を形成するようにフォトリソグラフによりパターン化される。第2フォトレジスト層9の開口は、第1の下側バイア空洞17(図2)の領域の外側で浅いトレンチ絶縁構造33の一部に重なる。この第1の下側バイア空洞17は第2フォトレジスト層9で充填される。開口のそれぞれは、少なくとも1つの上部半導体部分32の領域及び第1下側バイア空洞17の領域の外側そして第1の下側バイア空洞17が形成されなかった残りの浅いトレンチ絶縁構造33の領域内に配置される。
【0037】
第2の下側バイア空洞27が、第2フォトレジスト層9のパターンを半導体基板8内に転写することにより形成される。第2フォトレジスト層9の開口のパターンは、反応性イオン・エッチングである異方性エッチングにより浅いトレンチ絶縁構造33及び埋め込み絶縁層20内に転写される。第2フォトレジスト層9は、異方性エッチングのエッチング・マスクとして使用される。少なくとも1つの第2の下側バイア空洞27が第2フォトレジスト層9の開口の下側に形成される。
【0038】
望ましくは、異方性エッチングは、底部半導体層10の半導体材料に対して選択的である。例えば、もしも底部半導体層10がシリコンであるならば、シリコンに対して選択的であり例えば酸化シリコンのような誘電体材料を除去する異方性エッチングが、使用されて、底部半導体層10の上面で停止する異方性エッチングをもたらす。
【0039】
底部半導体層10の上面が、第2の下側バイア空洞27のそれぞれの底部で露出される。第2の下側バイア空洞27のそれぞれは、浅いトレンチ絶縁構造33及び埋め込み絶縁層20内に形成される。第1の下側バイア空洞27のそれぞれは、浅いトレンチ絶縁構造33の上面からこの浅いトレンチ絶縁構造33及び埋め込み絶縁層20を通り、底部半導体層10の上面にまで延びる。第2の下側バイア空洞27が底部半導体層内に延びる変形も可能である。
【0040】
第2の下側バイア空洞27の側壁は、浅いトレンチ絶縁構造33の上面から垂直に延び、又は上述の第1の下側バイア空洞17の側壁のようにテーパ(傾斜)を有することができる。
【0041】
第2の下側バイア空洞27は、下側空洞のアレイをなすことができる。下側バイア空洞のアレイのそれぞれの下側バイア空洞は、他のバイア空洞に当たらない個別的なバイア空洞である。
【0042】
第2のドープされた半導体領域28は、底部半導体層10の露出部分内に第2導電型のドーパントを注入することにより形成される。第2導電型は、第1導電型と反対の導電型である。もしも第1導電型がp型であるならば、第2導電型はn型であり、この逆も成り立つ。注入されるドーパントの横方向への広がりに基づいて、第2のドープされた半導体領域は、第2の下側バイア空洞27の領域よりも横方向に広がり、そして埋め込み絶縁層20の底面に垂直に突き当たる。第1導電型がp型の場合には、注入されるドーパントはB,Ga,In又はこれらの組み合わせである。第1導電型がn型である場合には、注入されるドーパントはP,As,Sb又はこれらの組み合わせである。第2のフォトレジスト層9は、イオン注入のための自己整合マスクとして働き、その結果第2のドープされた半導体領域28は、第2の下側バイア空洞27の下に形成される。ドープされた半導体領域のそれぞれは、下側バイア空洞の底面及び埋め込み絶縁層20の底面に垂直に突き当たる。底部半導体層10が単結晶半導体材料である場合は、第2のドープされた半導体領域28も又単結晶である。
【0043】
第2のドープされた半導体領域28の厚さは、10nm乃至600nmであり代表的には50nm乃至300nmであるが、これよりも薄い厚さ又は厚い厚さが可能である。第2のドープされた半導体領域28は、代表的には、固有抵抗を減少するために濃い濃度でドープされている。第2のドープされた半導体領域28は、1.0x1019/cm乃至1.0x1021/cmのドーパント濃度を有することができるが、これよりも低い濃度又は高い濃度も可能である。次いで、第2フォトレジスト層9は、上部半導体層30,埋め込み絶縁層20の露出された側壁及び第2のドープされた半導体領域28に対して選択的に除去される。第2のドープされた半導体領域28は、第1のドープされた半導体領域18から横方向に離されている。
【0044】
図5及び図6を参照すると、第1下側導電バイア37及び第2下側導電バイア47が形成される。第1下側導電バイア37は、浅いトレンチ絶縁構造33及び埋め込み絶縁層20内に形成された第1下側バイア空洞17のそれぞれの内部に形成される。同様に、第2下側導電バイア47は、浅いトレンチ絶縁構造33及び埋め込み絶縁層20内に形成された第1下側バイア空洞27のそれぞれの内部に形成される。
【0045】
特に、導電性材料が、第1の下側バイア空洞17及び第2の下側バイア空洞27内に付着(堆積)される。導電性材料は、ドープされた半導体材料又は金属材料である。例えば、導電性材料は、ドープされた多結晶シリコン、ドープされたシリコン含有半導体材料、ドープされた化合物半導体材料、単一金属、少なくとも2つの金属の合金、導電性金属窒化物等である。上部半導体層30の上面上の過剰な導電性材料は、例えば化学機械研磨(CMP)、リセス・エッチング又はこれの組み合わせにより除去される。第1下側バイア空洞17及び第2下側バイア空洞27内に残された導電性材料は、それぞれ第1の下側導電性バイア37及び第2の下側導電性バイア47を構成する。少なくとも1つのパッド誘電体層(図示せず)が上部半導体層30の上に形成される場合には、この少なくとも1つの誘電体層は、導電性材料を平坦化して第1の下側導電性バイア37及び第2の導電性バイア47を形成するために使用される。もしも少なくとも1つのパッド誘電体層が使用される場合には、これは次いで除去されて上部半導体層30の上面を露出する。
【0046】
第1の下側導電性バイア37のそれぞれは、浅いトレンチ絶縁構造33の上面から第1のドープされた半導体領域18の上面まで延びる。第2の下側導電性バイア47のそれぞれは、浅いトレンチ絶縁構造33の上面から第2のドープされた半導体領域28の上面まで延びる。第1の下側導電性バイア37のそれぞれは、第1のドープされた半導体領域18の上面に垂直に隣接する。第2の下側導電性バイア47のそれぞれは、第2のドープされた半導体領域28の上面に垂直に隣接する。
【0047】
図7及び図8を参照すると、少なくとも1つの電界効果トランジスタが周知の方法により少なくとも1つの上部半導体部分32に形成される。具体的にいうと、少なくとも1つのゲート誘電体層40,少なくとも1つのゲート電極42及びゲート・スペーサ44が、電界効果トランジスタ毎に形成される。ソース領域(図示せず)及びドレイン領域(図示せず)が、電界効果トランジスタのゲート電極42及びゲート・スペーサ44を自己整合注入マスクとして使用してドーパントを注入することにより、電界効果トランジスタ毎に上部半導体層32内に形成される。
【0048】
中間工程(MOL)誘電体層80が、電界効果トランジスタ、上部半導体部分32,浅いトレンチ絶縁構造33,第1の下側導電性バイア37の上面及び第2の下側導電性バイア47の上面の上に形成される。MOL誘電体層80の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、有機ケイ酸塩ガラス(OSG),低誘電率(low−k)化学蒸着(CVD)酸化物、例えばスピン・オン・ガラス(SOG)のような自己平坦性材料又は“SiLK(R)のようなスピン・オン低誘電率の誘電体材料である。例示的なシリコン酸化物は、ドープされていないシリケート・ガラス(USG),ボロシリケート・ガラス(BSG),フォスホシリケート・ガラス(PSG),フルオロシリケート・ガラス(FSG),ボロフォスホシリケート・ガラス(BPSG)又はこれらの組み合わせである。浅いトレンチ絶縁構造33の上面から測定したMOL誘電体層80の総計厚さは、100nm乃至10000nmであり、代表的には200nm乃至5000nmである。MOl誘電体層80の上面は例えば化学機械研磨による平坦化法により平坦化される。
【0049】
第1の下側導電性バイア37の上面と、第2の下側導電性バイア47の上面と、例えば少なくとも1つのソース領域(図示せず)、少なくとも1つのドレイン領域(図示せず)及び少なくとも1つのゲート電極のような少なくとも1つの電界効果トランジスタの部分を露出するために、リソグラフィック方法及び異方性エッチングにより開口がMOL誘電体層80に形成される。第1の上側導電性バイア67が、下側導電性バイア37の上に直接形成される。第1の上側導電性バイア67が、第1の下側導電性バイア37の上に直接形成される。第2の上側導電性バイア77が、第2の下側導電性バイア47の上に直接形成される。デバイス・コンタクト・バイア88が電界効果トランジスタのソース領域及びドレイン領域上に直接形成される。
【0050】
第1の上側導電性バイア67,第2の上側導電性バイア77及びデバイス・コンタクト・バイア88は、導電性材料である。導電性材料は、ドープされた半導体材料又は金属材料である。例えば、導電性材料は、ドープされたポリシリコン、ドープされたシリコン含有半導体材料、ドープされた化合物半導体材料、金属、少なくとも2つの金属の合金、導電性金属窒化物等である。MOL誘電体層80の上面上の過剰の導電性材料は、例えば化学機械平坦化(CMP)及びリセス・エッチ又はこれらの組み合わせにより除去される。
【0051】
第1の下側導電性バイア37及び第1の上側導電性バイア67からなる垂直方向に延びる対のそれぞれは、第1導電性バイア68を構成する。第2の下側導電性バイア47及び第2の上側導電性バイア77からなる垂直方向延びる対のそれぞれは、第2導電性バイア78を構成する。第1及び第2の上側導電性バイア(67,77)の材料は、第1及び第2の下側導電性バイア(37,47)の材料と異なる材料でもよく又は同じ材料でもよい。
【0052】
図9及び図10を参照すると、相互接続レベル誘電体層90,第1の相互接続レベル金属線98及び第2の相互接続レベル金属線94が、MOL誘電体層80の上面に直接形成される。相互接続レベル誘電体層90の誘電体材料は、上述のMOL誘電体層80に使用した誘電体材料のうちの任意の材料でよい。相互接続レベル誘電体層90の厚さは、75nm乃至1000nmであり、代表的には150nm乃至500nmであるが、これより薄い又は厚い厚さが可能である。
【0053】
第1相互接続レベル金属線98及び第2相互接続レベル金属線94は、相互接続レベル誘電体層90内に埋め込まれ、そして金属材料の付着及びこれに続く平坦化処理により形成されることができる。第1相互接続レベル金属線98及び第2相互接続レベル金属線94の金属材料は、物理蒸着(PVD)、電気メッキ、無電気メッキ、化学蒸着(CVD)又はこれらの組み合わせにより付着され得る。第1相互接続レベル金属線98及び第2相互接続レベル金属線94の材料は、例えばCu,Al,W,Ta,Ti,WN,TaN,TiN又はこれらの組み合わせの材料である。第1相互接続レベル金属線98及び第2相互接続レベル金属線94は、同じ金属材料で作られ得る。
【0054】
第1の相互接続レベル金属線98のそれぞれは、デバイス・コンタクト・バイア88に垂直方向で隣接(接続)する。第2の相互接続レベル金属線94は、第1の上側導電性バイア67又は第2の上側導電性バイア77に垂直方向で隣接する。
【0055】
第1導電性バイア68は、MOL誘電体層80の上面から第1のドープされた半導体領域18まで延び、第2導電性バイア78は、MOL誘電体層80の上面から第2のドープされた半導体領域28まで延びる。物理的に明白な界面が、垂直方向に隣接する対である第1の下側導電性バイア37と第1の上側導電性バイア67との間に、そして垂直方向に隣接する対である第2の下側導電性バイア47と第2の上側導電性バイア77との間に存在する。第1の例示的な半導体構造は、3Hz乃至300GHzの周波数を有する信号に対するRFスイッチを構成する少なくとも1つの電界効果トランジスタを含む。具体的にいうと、少なくとも1つの電界効果トランジスタは、VHF,UHF,SHF及びEHFで動作することができるRFスイッチを構成する。
【0056】
このような高い周波数においては、容量結合が周波数に対して直線的に(リニアに)増大するので、電界効果トランジスタと底部半導体層10との間の容量結合が問題となる。電界効果トランジスタ内での高周波(RF)信号により、誘起電荷層が底部半導体層10の上部に形成される。底部半導体層10に電気的バイアスが印加されない場合には、誘起電荷層は埋め込み絶縁層20の下側に直接形成され、そして正の電荷又は負の電荷を含む。
【0057】
本発明においては、第1のドープされた半導体領域18は、第2の相互接続レベル金属線94及び導電性バイア68により電気的にバイアスされ、そして第2のドープされた半導体領域28は、第2の相互接続レベル金属線94及び導電性バイア78により電気的にバイアスされる。第1のドープされた半導体領域18及び第2のドープされた半導体領域28は、同じ電圧になるように電気的にバイアスされる。
【0058】
1つの実施例において、第1のドープされた半導体領域18、第2のドープされた半導体領域28及び底部半導体層10が、電気的に接地(グランド)されるように、1つの第1のドープされた半導体領域18及び第2のドープされた半導体領域28の電圧の値は、底部半導体層10に印加される電圧の値と同じである。
【0059】
他の実施例においては、底部半導体層10及び第2のドープされた半導体領域28の間のpn接合が、アバランシェ(雪崩)電流を誘起しない電位差に順方向バイアスされる。具体的にいうと、電位差は0.6Vを越えない。第1導電型がp型であり第2導電型がn型である場合、第2のドープされた半導体領域28の電圧は、底部半導体層10に印加される電圧に対して0V乃至−0.6Vである。第1導電型がn型であり第2導電型がp型である場合、第2のドープされた半導体領域28の電圧は、底部半導体層10に印加される電圧に対して0V乃至+0.6Vである。
【0060】
第1のドープされた半導体領域18及び第2のドープされた半導体領域28に電圧バイアスを印加することにより、底部半導体層10の上部に誘起される電荷層内の電荷は、第1の導電性バイア68及び第2の導電性バイア78を介して引き抜かれる。蓄積モードにおいて誘起電荷層内に多数電荷キャリアを誘起する少なくとも1つの電界効果トランジスタに印加される高周波(RF)信号の各サイクルの部分の間、多数電荷キャリアは、第1のドープされた半導体領域18及び第1の導電性バイア68を介して除去される。反転モードにおいて誘起電荷層内に少数電荷キャリアを誘起する高周波(RF)信号の各サイクルの部分の間、少数電荷キャリアは、第2のドープされた半導体領域28及び第2の導電性バイア78を介して除去される。かくして、誘起電荷層内の電気的電荷は、第1の導電性バイア68及び第2の導電性バイア78を介して連続的に引き出され、誘起電荷層内に大量の電荷が存在することを防止する。誘起電荷層内の電荷の減少は、電界効果トランジスタのRF信号と底部半導体層10の間の容量結合を減少し、その結果RF信号の高調波の発生が減少される。これは、RFスイッチとして働く電界効果トランジスタを介して伝播するRF信号の信号忠実度(fidelity)を増大する。
【0061】
図11を参照すると、本発明の第2の実施例に従う第2の例示的な半導体構造が示される。ここでは、第1の導電性バイア68及び第2の導電バイア78を形成するのに使用される方法が第1の例示的な半導体構造の場合と異なっている。第2の実施例では、第1のドープされた半導体領域18及び第2のドープされた半導体領域28は、マスク層を使用し、そしてマスク層の開口を介して第1導電型及び第2導電型のドーパントを順次注入することにより順番に形成される。マスク層は、フォトレジスト層である。第1のドープされた半導体領域18及び第2のドープされた半導体領域28を形成するために、2つのマスク層及び2回の別々のイオン注入ステップが使用される。第1導電型のドーパント・イオン及び第2導電型のドーパント・イオンが、浅いトレンチ絶縁構造33及び埋め込み絶縁層20を介して注入される。第2のドープされた半導体領域28は、第1のドープされた半導体領域18に対して横方向において離れている。
【0062】
第1の導電性バイア68及び第2の導電性バイア78の形成は、MOL誘電体層80の上面から第1のドープされた半導体領域18へ延びるバイア空洞並びにMOL誘電体層80の上面から第2のドープされた半導体領域28へ延びるバイア空洞を形成することにより行われる。第1の導電性バイア68は第1のドープされた半導体領域18に接するように形成され、そして第2の導電性バイア78は第2のドープされた半導体領域28に接するように形成される。第1導電性バイア68のそれぞれは、一体的に構成され、そしてMOL誘電体層80の上面から第1のドープされた半導体領域18の上面にまで延びる。第2導電性バイア78のそれぞれは、一体的に構成され、そしてMOL誘電体層80の上面から第2のドープされた半導体領域28の上面にまで延びる。第2の例示的な半導体構造は第1の例示的な半導体構造と同じように動作する。
【0063】
図12、13及び14を参照すると、本発明の第3実施例に従う第3の例示的な半導体構造は、第1下側バイア空洞17及び第2下側バイア空洞27(図2及び図3を参照)を図3のように互いに隣接する位置に形成することにより形成され得る。この場合、第1のドープされた半導体領域18のそれぞれは、1つ以上の第2のドープされた半導体領域28と横方向で隣接している。下側導電性バイア57は、第1のドープされた半導体領域18及びドープされた半導体領域28のそれぞれに直接接するように形成される。下側導電性バイア57のそれぞれは、1つ以上の第1のドープされた半導体領域18及び1つ以上の第2のドープされた半導体領域28に垂直方向で接する。この第3実施例の下側導電性バイア57は、第1実施例の第1の下側導電性バイア37及び第2の下側導電性バイア47の代わりのものである。同様にこの第3実施例の上側導電性バイア87は、第1実施例の第1の上側導電性バイア67及び第2の上側導電性バイア77の代わりのものである。垂直方向で互いに接する下側導電性バイア57及び上側導電性バイア87の対は、導電性バイア58を構成する。第3の例示的な半導体構造は、第1の例示的な半導体構造と同じように動作する。
【0064】
図15及び図16を参照すると、本発明の第4実施例に従う第4の例示的な半導体構造が第3実施例と同じ方法を使用して形成される。第4実施例においては、複数個の第1のドープされた半導体領域18及び複数個の第2のドープされた半導体領域28が、埋め込み絶縁層20の直下で底部半導体層10の上側部分を横方向で取り囲む。図15及び図16の面Z−Z’に沿う垂直方向の断面は、図14と同じである。複数個の第1のドープされた半導体領域18のそれぞれは、複数個の第2のドープされた半導体領域28の1つ以上と横方向で接している。一体構造の下側導電性バイア57は、上部半導体部分32を横方向で取り囲むように形成される。第4実施例の上側導電性バイア87は、第1実施例の第1の上側導電性バイア67及び第2の上側導電性バイア77の代わりのものである。第4の例示的な半導体構造は第1の例示的な半導体構造と同じように動作する。
【0065】
図17及び図18を参照すると、本発明の第5実施例に従う第5の例示的な半導体構造は、本発明の第2実施例と同じように形成される。この第5実施例に従うと、第2のドープされた半導体領域28は、この第2のドープされた半導体領域28の一部が、上部半導体部分32の下側に位置するように形成される。電界効果トランジスタの形成後、第2のドープされた半導体領域28のそれぞれの一部分は、電界効果トランジスタの一部分の下側になる。上面から見て、第2のドープされた半導体領域28の領域は、上部半導体部分32の領域の一部と重なる。第5の例示的な半導体構造は、第1の例示的な半導体構造と同じように動作する。上部半導体部分32の下側に第2のドープされた半導体領域28を配置することにより、埋め込み絶縁層20の直下の底部半導体層10の上部に形成される誘起電荷層から多数電荷キャリアを蓄積モードの間除去することができる。
【0066】
図19及び図20を参照すると、本発明の第6実施例に従う第6の例示的な半導体構造は、本発明の第2実施例と同じように形成される。この第6実施例に従うと、第1のドープされた半導体領域18は、この第1のドープされた半導体領域18の一部が、上部半導体部分32の下側に位置するように形成される。電界効果トランジスタの形成後、第1のドープされた半導体領域18のそれぞれの一部分は、電界効果トランジスタの一部分の下側になる。上面から見て、第1のドープされた半導体領域18の領域は、上部半導体部分32の領域の一部と重なる。第6の例示的な半導体構造は、第1の例示的な半導体構造と同じように動作する。上部半導体部分32の下側に第1のドープされた半導体領域18を配置することにより、埋め込み絶縁層20の直下の底部半導体層10の上部に形成される誘起電荷層から少数電荷キャリアを反転モードの間除去することができる。
【0067】
図21は、例えば半導体ICの論理設計、シミュレーション、テスト、レイアウト及び製造において使用される例示的な設計の流れ900のブロック図である。設計の流れ900は、図1乃至図20に示された設計構造又は装置あるいはその両方の論理的又は機能的に等価なものを発生するために設計構造又は装置を処理するための処理及び機構を含む。設計の流れ900により処理され又は発生される設計構造は、データ処理システム上で実行され又は処理されたときに、ハードウエア・コンポーネント、回路、装置またはシステムの論理的、構造的、機械的又は機能的に等価なものを生成するデータ又は命令あるいはその両方を含むようにコンピュータ読み取り可能な伝送体又は記憶媒体にエンコードされ得る。設計の流れ900は設計されつつある対象物の型に依存して変動し得る。例えば、カスタムIC(ASIC)を製造する設計の流れは、標準のコンポーネントを設計するための設計の流れ900と異なり、又は、例えばAltera(R)社又はXilinx(R)社により提供されるプログラマブル・ゲート・アレイ(PGA)又はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)のようなプログラマブル・アレイに設計を組み込む設計の流れ900と異なる。
【0068】
図21は、設計プロセス910により処理されるのが望ましい入力設計構造920を含む複数のこのような設計構造を示す。設計構造920は、ハードウエア・デバイスの論理的に等価な機能的表現を生成するために、設計プロセス910により生成されそして処理される論理的なシミュレーション設計構造でもよい。又、設計構造920は、設計プロセス910により処理されるときにハードウエア・デバイスの物理的構造の機能的表現を生成するデータ又はプログラム命令あるいはその両方から成ることができる。機能的又は構造的なあるいはその両方の設計の特徴を表現するかどうかは、例えばコア・デベロッパー/デザイナにより具現化されるECAD(電子回路設計用のCAD)を使用して生成され得る。コンピュータ読み取り可能なデータ伝送体、ゲート・アレイ又は記憶媒体上にエンコードされる場合、例えば図1乃至図20に示されたような電子コンポーネント、回路、電子又は論理モジュール、装置、デバイス又はシステムをシミュレートし又は機能的に表現するために、設計構造920は、設計プロセス910内の1つ以上のハードウエアまたはソフトウエア・モジュールあるいはこの両方によりアクセスされそして処理され得る。従って、データ構造920は、デザイン又はシミュレーション・データ処理システムにより処理されるときに、ハードウエア論理設計の回路または他のレベルを機能的にシミュレートし又は表現する人間又はハードウエアあるいはその両方が読み取り可能なソース・コード、コンパイルされた構造及びコンピュータが実行可能なコード構造を含むファイルまたは他のデータ構造からなる。このようなデータ構造は、例えばVerilog及びVHDLのような低レベルのハードウエア記述言語(HDL)又はC,C++のような高いレベルのデザイン言語に準拠又は適合するHDL,デザイン・エンティティまたは他のデータ構造を含み得る。
【0069】
設計プロセス910は、例えば設計構造920のような設計構造を含むネット・リスト980を生成するために、図1乃至図20に示されたコンポーネント、回路、デバイス又は論理構造に等価なデザイン/シミュレーション機能を合成し、翻訳し又は処理するためのハードウエアまたはソフトウエア・モジュールあるいはその両方を使用しそして組み入れることが望ましい。ネット・リスト980は、集積回路内の他の素子及び回路への接続を記述する、ワイヤ、個別コンポーネント、論理ゲート、制御回路、I/Oデバイス、モデル等を表す例えばコンパイルされた又は処理されたデータ構造を含む。ネット・リスト980は、反復プロセスを使用して合成されることができ、ここで、ネット・リスト980は、デバイスに対する設計特性及びパラメータに依存して1回以上再合成される。本明細書で説明される他の設計構造のように、ネット・リスト980は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録され又はプログラム可能なゲート・アレイにプログラムされ得る。記憶媒体は、磁気又は光ディスク・ドライブ、プログラム可能なゲート・アレイ、コンパクト・フラッシュまたは他のフラッシュ・メモリのような不揮発性記憶媒体でもよい。更に、他の場合には、記憶媒体は、インターネット若しくは他のネットワーク上の適切は手段を介してデータ・パケットが伝送されそして中間的に記憶されるシステム若しくはキャッシュ・メモリ、バッファ・スペース又は電気的若しくは光学的伝導装置でもよい。
【0070】
設計プロセス910は、ネット・リスト980を含む多様な入力データ構造の型を処理するハードウエアまたはソフトウエア・モジュールを含み得る。このようなデータ構造の型は、例えばライブラリィ装置930内にあり、そして所定の製造技術(例えば、32nm、45nm、90nm等の種々な技術ノード)に対するモデル、レイアウト及び記号表示を含む1組の一般的に使用される素子、回路及びデバイスを含み得る。データ構造の型は、設計仕様940,特性データ950,検証データ960,設計規則970並びに入力テスト・パターン、出力テスト結果及び他のテスト情報を含むテスト・データ・ファイル985を含む。設計プロセス910は更に、例えば型作り、モールディング及びダイ・プレス形成等のためのストレス分析、熱分析、機械イベント・シミュレーション、プロセス・シミュレーション等の標準的な機械設計プロセスを含み得る。機械設計の分野の当業者にとって、本発明の精神から逸脱することなく設計プロセス910で使用される機械設計ツール及び用途の範囲が明らかであろう。又、設計プロセス910は、例えばタイミング分析、検証、設計規則チェック、配置及びルート動作等の標準的な回路設計プロセスを行うためのモジュールを含み得る。
【0071】
設計プロセス910は、設計構造920を、任意の追加の機械的デザイン若しくはデータの他に、説明されたサポート・データ構造の幾つか若しくは全てと共に処理して第2の設計構造990を生成するために、例えばHDLコンパイラ及びシミュレーション・モデル生成ツールのような論理及び物理デザイン・ツールを使用しそして組み入れる。設計構造990は、機械的デバイス及び構造のデータの交換のために使用されるデータ・フォーマットで(例えば、IGES,DXF,Parasolid、XT,JT,DRGに記憶される情報、若しくはこのような機械的設計構造を記憶し若しくはレンダリングするための他の適切なフォーマット)記憶媒体若しくはプログラマブル・ゲート・アレイに存在する。設計構造920と同様に、設計構造990は、伝送若しくはデータ記憶媒体に存在しそしてECADシステムにより処理されたときに図1乃至図20に示された本発明の1つ以上の実施例の論理的に又は機能的に等価なフォームを生成する1つ以上のファイル、データ構造若しくは他のコンピュータ−・エンコードされたデータ若しくは命令からなる。1つの実施例において、設計構造990は、図1乃至図20に示されたデバイスを機能的にシミュレートするコンパイルされ実行可能なHDL、シミュレーション・モデルからなり得る。
【0072】
又、設計構造990は、集積回路のレイアウト・データの交換にために使用されるデータ・フォーマット又は記号データ・フォーマット(例えば、GDSII(GDS2),GL1,OASIS,マップ・ファイル又はこのような設計データ構造を記憶するための他の適切なフォーマット)あるいはその両方を使用することができる。設計構造990は、図1乃至図20に示されたデバイス若しくは構造を生成するために、例えば、記号データ、マップ・ファイル、テスト・データ・ファイル、デザイン・コンテント・ファイル、製造データ、レイアウト・パラメータ、ワイヤ、金属のレベル、バイア、形状、製造ラインを流れるデータ、及び製造者または他のデザイナ/デベロッパにより要求される他の人のデータを含み得る。次いで、設計構造990は、ステージ995に進み、ここで、例えば設計構造990はテープ上に記憶されて、製造にリリースされ、マスク・ハウスにリリースされ、他の設計ハウスに送られ、カストマに送り返される。
【0073】
本発明は特定の実施例の形で説明されたが、種々な変形、修正等が可能であることは前述の説明から当業者にとって明らかである。従って、本発明は、本発明の範囲及び精神内に含まれるこのような変形及び修正を包含するものである。
【符号の説明】
【0074】
7 第1フォトレジスト層
8 半導体基板
9 第1フォトレジスト層
10 底部半導体層
17 第1下側バイア空洞
18 第1のドープされた半導体領域
20 埋め込み絶縁層
27 第2下側バイア空洞
28 第2のドープされた半導体領域
30 上部半導体層
32 上部半導体部分
33 浅いトレンチ絶縁構造
37 第1下側導電性バイア
47 第2下側導電性バイア
67 第1上側導電性バイア
68 第1導電性バイア
77 第2上側導電性バイア
80 MOL誘電体層
88 コンタクト・バイア
90 相互接続レベル誘電体層
94 第2の相互接続レベル金属線
98 第1の相互接続レベル金属線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型のドーパントを含む底部半導体層、埋め込み絶縁層及び上部半導体層を含むセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板の前記上部半導体層に少なくとも1つの電界効果トランジスタを形成するステップと、
前記上部半導体層に、前記少なくとも1つの電界効果トランジスタの側部に隣接してこれを取り囲む浅いトレンチ絶縁構造を形成するステップと、
前記底部半導体層に、前記埋め込み絶縁層に隣接し且つ前記第1導電型のドーパントを含む第1のドープされた半導体領域を形成するステップと、
前記底部半導体層に第2のドープされた半導体領域を形成するステップと含み、
前記第2のドープされた半導体領域は前記埋め込み絶縁層に隣接し且つ第2導電型のドーパントを含み、前記第2導電型は前記第1導電型と反対の導電型であり、そして前記第1のドープされた半導体領域及び前記第2のドープされた半導体領域は前記SOI基板の上部に配置された少なくとも1つの金属相互接続構造を介して電気的に接続されている、半導体構造を形成する方法。
【請求項2】
前記上部半導体層の上にパターン化されたイオン注入マスクを形成するステップと、
前記パターン化されたイオン注入マスク、前記上部半導体層及び前記埋め込み絶縁層の開口を介して前記底部半導体層の上部にドーパントを注入するステップとをさらに含み、前記底部半導体層のうち前記注入を受けた部分が前記第1のドープされた半導体領域及び前記第2のドープされた半導体領域を構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタ及び前記浅いトレンチ絶縁構造を覆うように中間工程(MOL)誘電体層を形成するステップと、
前記MOL誘電体層の上面から該MOL誘電体層、前記浅いトレンチ絶縁構造及び前記埋め込み絶縁層を通って前記第1のドープされた半導体領域及び前記第2のドープされた半導体領域のそれぞれまで延びる、少なくとも1つの導電性バイアを形成するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記MOL誘電体層の上面から前記底部半導体層の上面まで延びる少なくとも1つの第1のバイア空洞を形成するステップと、
前記少なくとも1つの第1のバイア空洞を介して前記底部半導体層の上部に前記第1導電型のドーパントを注入するステップとをさらに含み、
前記底部半導体層のうち前記注入を受けた部分が前記第1のドープされた半導体領域を構成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記MOL誘電体層の上面から前記底部半導体層の上面まで延びる少なくとも1つのバイア空洞を形成するステップであって、前記第1のドープされた半導体領域及び前記第2のドープされた半導体領域が前記少なくとも1つのバイア空洞の直下に配置される前記ステップと、
前記少なくとも1つのバイア空洞を導電性材料で充填するステップとをさらに含み、
前記少なくとも1つの導電性バイアが前記導電性材料により形成される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記導電性バイアのそれぞれが、下側導電性バイア及び上側導電性バイアの積層体であり、前記下側導電性バイア及び前記上側導電性バイアの間の界面が前記上部半導体層の上面と一致する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの導電性バイアが、
前記MOL誘電体層の上面から、該MOL誘電体層、前記浅いトレンチ絶縁構造及び前記埋め込み絶縁層を通過して前記第1のドープされた半導体領域にまで延びる少なくとも1つの第1導電性バイアと、
前記MOL誘電体層の上面から、該MOL誘電体層、前記浅いトレンチ絶縁構造及び前記埋め込み絶縁層を通って前記第2のドープされた半導体領域にまで延びる、少なくとも1つの第1導電性バイアとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
半導体装置を準備するステップであって、前記半導体装置は、上部半導体層、埋め込み絶縁層及び第1導電型のドーパントを含む底部半導体層を有するセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板と、前記上部半導体層に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタと、前記少なくとも1つの電界効果トランジスタの側部に横方向で隣接する浅いトレンチ絶縁構造と、前記底部半導体層内に埋め込まれ、前記埋め込み絶縁層に隣接しそして前記第1導電型のドーパントを含む第1のドープされた半導体領域と、前記底部半導体層内に埋め込まれ、前記埋め込み絶縁層に隣接しそして第2導電型のドーパントを含む第2のドープされた半導体領域とを有し、前記第2導電型が前記第1導電型と反対の導電型である、ステップと、
少なくとも1つの電界効果トランジスタにRF信号を印加するステップであって、誘起電荷層が前記埋め込み絶縁層の直下に形成される、ステップと、
前記第1のドープされた半導体領域及び前記第2のドープされた半導体領域を同じ電圧に電気的にバイアスするステップとを含む、半導体装置の動作方法。
【請求項9】
前記第1のドープされた半導体領域及び前記第2のドープされた半導体領域を電気的に接地するステップを含む、請求項8に記載の動作方法。
【請求項10】
前記底部半導体層を前記第2のドープされた半導体領域の電位と異なる電位に電気的にバイアスするステップを含み、前記底部半導体層及び前記第2のドープされた半導体領域の間のpn接合を0.6Vを越えない電位差に順方向バイアスする、請求項9に記載の動作方法。
【請求項11】
前記第1のドープされた半導体領域又は前記第2のドープされた半導体領域が前記少なくとも1つの電界効果トランジスタの一部分の下側にまで延びる、請求項8に記載の動作方法。
【請求項12】
前記半導体装置が前記第1のドープされた半導体領域及び前記第2のドープされた半導体領域のそれぞれ隣接する、少なくとも1つの導電性バイアを含む、請求項8に記載の動作方法。
【請求項13】
上部半導体層、埋め込み絶縁層及び第1導電型のドーパントを含む底部半導体層を有するセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板と、
前記上部半導体層に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタと、
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタの側部に横方向で隣接する浅いトレンチ絶縁構造と、
前記底部半導体層内に埋め込まれ、前記埋め込み絶縁層に隣接し、そして第1導電型のドーパントを含む第1のドープされた半導体領域と、
前記底部半導体層内に埋め込まれ、前記埋め込み絶縁層に隣接し、そして第2導電型のドーパントを含む第2のドープされた半導体領域とを備え、前記第2導電型が前記第1導電型と反対の導電型であり、前記第1のドープされた半導体領域及び前記第2のドープされた半導体領域が同じ電圧に電気的にバイアスされる半導体構造。
【請求項14】
前記底部半導体層が、前記第2のドープされた半導体領域の電位と異なる電位に電気的にバイアスされ、前記底部半導体層及び前記第2のドープされた半導体領域の間のpn接合が0.6Vを越えない電位差に順方向バイアスされる、請求項13に記載の半導体構造。
【請求項15】
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタと前記浅いトレンチ構造を覆う中間工程(MOL)誘電体と、
前記第1のドープされた半導体領域及び前記第2のドープされた半導体領域のそれぞれに隣接する、少なくとも1つの導電性バイアとをさらに備える、請求項13に記載の半導体構造。
【請求項16】
前記導電性バイアのそれぞれが一体構造であり、そして前記MOL誘電体層の上面から前記第1のドープされた半導体領域及び前記第2のドープされた半導体領域のそれぞれの上面まで延びている、請求項15に記載の半導体構造。
【請求項17】
前記導電性バイアのそれぞれが、垂直方向に延びて互いに隣接する下側導電性バイア及び上側導電性バイアの積層体であり、前記上側導電性バイアの上面が前記MOL誘電体層の上面にまで延び、前記下側導電性バイアの底面が前記第1のドープされた半導体領域及び前記第2のドープされた半導体領域のそれぞれの上面まで延びる、請求項15に記載の半導体構造。
【請求項18】
上記導電性バイアが、一体的なコンタクト・バイアを構成し、前記少なくとも1つの電界効果トランジスタの全体の下にある領域を横方向に取り囲む、請求項15に記載の半導体構造。
【請求項19】
前記少なくとも1つの導電性バイアが、
前記MOL誘電体層の上面から、該MOL誘電体層、前記浅いトレンチ絶縁構造及び前記埋め込み絶縁層を通って前記第1のドープされた半導体領域の上面にまで延びる、少なくとの1つの第1導電性バイアと、
前記MOL誘電体層の上面から、該MOL誘電体層、前記浅いトレンチ絶縁構造及び前記埋め込み絶縁層を通って前記第2のドープされた半導体領域の上面にまで延びる、少なくとも1つの第1導電性バイアとを含む、請求項15に記載の半導体構造。
【請求項20】
前記少なくとも1つの電界効果トランジスタへ印加される高周波信号により誘起される誘起電荷層が前記第1のドープされた半導体領域及び前記第2のドープされた半導体領域に隣接して前記底部半導体層の上部に生じ、前記誘起電荷層の電荷が前記少なくとも1つの導電性バイアを介して取り出される、請求項15に記載の半導体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−153788(P2010−153788A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229804(P2009−229804)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】