説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】ゲート絶縁膜をHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成するHK/MGトランジスタを有する半導体装置において、安定した動作特性を得ることのできる技術を提供する。
【解決手段】素子分離部2で囲まれた活性領域14に位置し、後の工程でコア用nMISのゲートGが形成される領域Ga1のみに、Nch用ゲートスタック構造NGを構成する積層膜を形成し、上記領域Ga1以外の領域NGa1には、Pch用ゲートスタック構造PGを構成する積層膜を形成する。これにより、コア用nMISのゲートGが形成される領域Ga1へ素子分離部2から引き寄せられる酸素原子の供給量を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、ゲート絶縁膜を比誘電率の高いHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成する電界効果トランジスタ(HK(High-k)/MG(Metal Gate)トランジスタ;以下、HK/MGトランジスタと記す)を有する半導体装置およびその製造に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電界効果トランジスタの微細化に伴い、ゲート絶縁膜に、従来のSiO膜またはSiON膜に代わり、High−k膜を採用する技術が検討されている。これは、トンネル効果によって増加するゲートリーク電流を抑え、かつ実効換算膜厚(EOT:Equivalent Oxide Thickness)を薄くしてゲート容量の向上を図ることにより、電界効果トランジスタの駆動能力を上げるためである。
【0003】
例えば米国特許出願公開第2009/0152650号明細書(特許文献1)には、素子分離上のゲート電極をリソグラフィ技術の解像限界まで短くすることにより、High−kからなるゲート絶縁膜の再酸化を防ぐ技術が開示されている。
【0004】
また、C. M. Lai et.al., IEDM Tech. Dig., pp. 655-658 (2009)(非特許文献1)には、28nmのゲート長を有するCMOSFETをゲートファースト(Gate First)プロセスまたはゲートラスト(Gate Last)プロセスにより形成する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0152650号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】C. M. Lai, C. T. Lin, L. W. Cheng, C. H. Hsu, J. T. Tseng, T. F. Chiang, C. H. Chou, Y. W. Chen, C. H. Yu, S. H. Hsu, C. G. Chen, Z.C. Lee, J. F. Lin, C. L. Yang, G. H. Ma, S. C. Chien, IEDM Technical Digest, pp. 655-658 (2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者が検討したところ、ゲート絶縁膜をHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成するHK/MGトランジスタでは、ゲート幅が狭くなると、しきい値電圧が急激に増加することが分かった。このしきい値電圧の急激な増加は、特にnチャネル型HK/MGトランジスタにおいて顕著に現れた。
【0008】
さらに、本発明者が検討したところ、nチャネル型HK/MGトランジスタにおける上記しきい値電圧の増加の要因の1つとして、素子分離部を構成する絶縁膜からゲート絶縁膜への酸素原子の供給が考えられた。そこで、本発明者は、製造プロセスの条件、例えば熱処理温度またはゲート絶縁膜の材料等を変更することによって、素子分離部からゲート絶縁膜へ供給される酸素原子の量を低減する検討を行った。しかしながら、nチャネル型HK/MGトランジスタにおけるしきい値電圧の増加を抑えるためだけに、製造プロセスの条件を変更することは難しく、nチャネル型HK/MGトランジスタにおけるしきい値電圧の増加を回避することができなかった。
【0009】
本発明の目的は、ゲート絶縁膜をHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成するHK/MGトランジスタを有する半導体装置において、安定した動作特性を得ることのできる技術を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの一実施の形態を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0012】
この実施の形態は、ゲート絶縁膜をHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成するnチャネル型HK/MGトランジスタを有する半導体装置であって、nチャネル型HK/MGトランジスタは、半導体基板の主面に形成された酸素原子を含む絶縁膜からなる素子分離部と、素子分離部に囲まれた活性領域と、活性領域および素子分離部の上に連続して形成された、所定のゲート幅を有するゲート電極と、ゲート電極と活性領域との間に形成されたHfLaON膜と、ゲート電極と素子分離部との間に形成されたHfAlON膜と、ゲート電極の下の活性領域に形成されたチャネル領域と、チャネル領域を挟んで、ゲート電極の両側の活性領域に形成されたソース領域およびドレイン領域とを含み、さらに、ゲート電極と所定の間隔をあけて並行して形成され、その一部がゲート電極のゲート長方向におけるゲート電極の端部と素子分離部との間の活性領域の上に形成されたダミー用ゲートと、ダミー用ゲートと活性領域との間に形成されたHfAlOH膜とを含むものである。
【0013】
また、この実施の形態は、ゲート絶縁膜をHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成するnチャネル型HK/MGトランジスタを形成する半導体装置の製造方法であって、活性領域の周囲に、酸素原子を含む絶縁膜からなる素子分離部を形成する工程と、活性領域の表面に第1酸化膜を形成した後、活性領域および素子分離部の上にHfON膜を形成する工程と、活性領域内の後の工程でゲート電極が形成される所定の幅を有する第1領域のHfON膜上にLaO膜を形成する工程と、活性領域内の第1領域を除いた第2領域および素子分離部が形成された第3領域のHfON膜上にAlO膜を形成する工程と、熱処理を行い、LaO膜に含まれるLaを第1領域のHfON膜に拡散させてHfLaON膜を形成し、AlO膜に含まれるAlを第2領域および第3領域のHfON膜に拡散させてHfAlON膜を形成する工程と、HfLaON膜およびHfAlON膜の上にTiN膜および多結晶Si膜を順次形成する工程と、エッチングによって、多結晶Si膜とTiN膜とからなるゲート電極を活性領域および素子分離部の上に連続して形成し、ゲート電極と第1領域の活性領域との間にHfLaON膜と第1酸化膜からなる第1ゲート絶縁膜を形成し、ゲート電極と素子分離部との間にHfAlON膜からなる第2ゲート絶縁膜を形成する工程と、ゲート電極の両側の活性領域に不純物を導入して、ソース領域およびドレイン領域を形成する工程とを含むものである。
【発明の効果】
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの一実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0015】
ゲート絶縁膜をHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成するHK/MGトランジスタを有する半導体装置において、安定した動作特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1による半導体装置の内部構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1によるコア用トランジスタのnチャネル型HK/MGトランジスタおよびpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート長方向に沿った要部断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1によるコア用トランジスタのnチャネル型HK/MGトランジスタおよびpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート幅方向に沿った要部断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1によるI/O用トランジスタのnチャネル型HK/MGトランジスタおよびpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート長方向に沿った要部断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1による抵抗素子の要部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1によるnチャネル型HK/MGトランジスタの要部平面図である。(a)はnチャネル型HK/MGトランジスタのゲートを構成する積層膜を成膜した状態(ドライエッチング法により加工する前)の要部平面図、(b)はnチャネル型HK/MGトランジスタのゲートを構成する積層膜をドライエッチング法により加工した後の要部平面図である。
【図7】本発明の実施の形態1による半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【図8】図7に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図9】図8に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図10】図9に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図11】図10に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図12】図11に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図13】図12に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図14】図13に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図15】図14に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図16】図15に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図17】図16に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図18】図17に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図19】図18に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図20】図19に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図21】図20に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図22】図21に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図23】図22に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図24】図23に続く、半導体装置の製造工程中の図7と同じ箇所の要部断面図である。
【図25】本発明の実施の形態2によるnチャネル型HK/MGトランジスタの要部平面図である。(a)はnチャネル型HK/MGトランジスタのゲートを構成する積層膜を成膜した状態(ドライエッチング法により加工する前)の要部平面図であり、(b)はnチャネル型HK/MGトランジスタのゲートを構成する積層膜をドライエッチング法により加工した後の要部平面図である。
【図26】本発明の実施の形態3によるnチャネル型HK/MGトランジスタの要部平面図である。
【図27】本発明者により得られたnチャネル型HK/MGトランジスタのしきい値電圧(Vth)とゲート幅(W)との関係を説明するグラフ図である。
【図28】本発明者が検討したnチャネル型HK/MGトランジスタの要部平面図である。
【図29】本発明者により得られたNch用ゲートスタック構造のゲートとこのゲートのゲート長方向に存する素子分離部との距離(SA)をパラメータとした、nチャネル型HK/MGトランジスタのしきい値電圧(Vth)と、Nch用ゲートスタック構造のゲートのゲート長方向(第1方向)に位置する素子分離部(IS)の幅であって、素子分離部(IS)の上記ゲート長方向(第1方向)に沿った幅(ODx)との関係を説明するグラフ図である。
【図30】本発明者により得られたNch用ゲートスタック構造のゲートとこのゲートのゲート長方向に存する素子分離部との距離(SA)をパラメータとした、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲートリーク電流(Jg)と、Nch用ゲートスタック構造のゲートのゲート長方向(第1方向)に位置する素子分離部(IS)の幅であって、素子分離部(IS)の上記ゲート長方向(第1方向)に沿った幅(ODx)との関係を説明するグラフ図である。
【図31】本発明の実施の形態4による半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【図32】図31に続く、半導体装置の製造工程中の図31と同じ箇所の要部断面図である。
【図33】図32に続く、半導体装置の製造工程中の図31と同じ箇所の要部断面図である。
【図34】図33に続く、半導体装置の製造工程中の図31と同じ箇所の要部断面図である。
【図35】図34に続く、半導体装置の製造工程中の図31と同じ箇所の要部断面図である。
【図36】図35に続く、半導体装置の製造工程中の図31と同じ箇所の要部断面図である。
【図37】図36に続く、半導体装置の製造工程中の図31と同じ箇所の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0018】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0019】
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。また、以下の実施の形態においては、電界効果トランジスタを代表するMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)をMISと略し、pチャネル型のMISFETをpMISと略し、nチャネル型のMISFETをnMISと略す。また、以下の実施の形態において、ウエハと言うときは、Si(Silicon)単結晶ウエハを主とするが、それのみではなく、SOI(Silicon On Insulator)ウエハ、集積回路をその上に形成するための絶縁膜基板等を指すものとする。その形も円形またはほぼ円形のみでなく、正方形、長方形等も含むものとする。
【0020】
また、以下の実施の形態において、ゲートまたはゲート構造と記す場合は、ゲート絶縁膜とゲート電極との積層膜を言い、ゲート電極とは区別する。
【0021】
また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
まず、本実施の形態によるHK/MGトランジスタの構造がより明確となると思われるため、本発明者が見出したnチャネル型HK/MGトランジスタにおいて生じる狭チャネルによるしきい値電圧の増加の原因について、図27〜図30を用いて以下に説明する。
【0023】
ここで説明するnチャネル型HK/MGトランジスタのゲート構造は、後に図2〜図4を用いて説明するnチャネル型HK/MGトランジスタのゲート構造と同じであり、SiO膜とHfLaON膜(Laを含むハフニウム酸窒化膜)との積層膜からなるゲート絶縁膜と、その上に形成されたTiN膜と多結晶Si膜との積層膜からなるゲート電極とから構成されている。
【0024】
また、このnチャネル型HK/MGトランジスタのゲート構造は、pチャネル型HK/MGトランジスタのゲート構造とは異なっている。pチャネル型HK/MGトランジスタのゲート構造は、後に図2〜図4を用いて説明するpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート構造と同じであり、SiO膜とHfAlON膜(Alを含むハフニウム酸窒化膜、または前述したnチャネル型HK/MGトランジスタのHfLaON膜よりもLaの濃度が低いもしくはLaが入っていない)との積層膜からなるゲート絶縁膜と、その上に形成されたTiN膜と多結晶Si膜との積層膜からなるゲート電極とから構成されている。
【0025】
従って、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲート構造(ゲート絶縁膜およびゲート電極)をNch用ゲートスタック構造、pチャネル型HK/MGトランジスタのゲート構造(ゲート絶縁膜およびゲート電極)をPch用ゲートスタック構造と記して、両者の構造を区別する。また、Nch用ゲートスタック構造またはPch用ゲートスタック構造と言うときは、ゲート絶縁膜の下層に位置するSiO膜が有る構造および無い構造の両者を言う。
【0026】
図27は、nチャネル型HK/MGトランジスタのしきい値電圧(Vth)とゲート幅(W)との関係を説明するグラフ図である。
【0027】
図27に示すように、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲート幅が0.4μm以下になるとnチャネル型HK/MGトランジスタのしきい値電圧が増加する狭チャネル効果が現れる。一般に、狭チャネル効果が生じる要因として、例えばチャネル領域の端部における空乏層の横方向の広がりが挙げられている。すなわち、チャネル領域の端部では空乏層が横方向に広がるため、ゲート電極で制御する空乏層電荷量が増加して、しきい値電圧が増加すると考えられている。また、素子分離部下のチャネルストッパ用の不純物がチャネル領域へ拡散してチャネル領域の端部のしきい値電圧が高くなり、実効的なチャネル幅を減少させて、しきい値電圧が高くなることも提案されている。
【0028】
(1)しかしながら、本発明者が検討したところ、nチャネル型HK/MGトランジスタにおいては、素子分離部からゲート絶縁膜へ酸素原子が供給されて、ゲート絶縁膜の厚さが成膜された当初の厚さよりも厚くなり、その結果、しきい値電圧が増加することが明らかとなった。
【0029】
(2)また、本発明者は、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲートの端部から、このゲートのゲート長方向に存する素子分離部までの距離が短くなるに従い、または、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲート長方向に存する素子分離部のゲート長方向に沿った幅が広くなるに従い、nチャネル型HK/MGトランジスタのしきい値電圧が増加することを見出した。これらの現象を図28〜図30を用いて以下に説明する。
【0030】
図28は、本発明者が検討したnチャネル型HK/MGトランジスタが配置された回路の一部の要部平面図である。
【0031】
図28に示すように、回路動作に寄与するNch用ゲートスタック構造のゲートGの両側には、このゲートGと所定の間隔をあけて並行する複数のダミー用ゲートDGが形成されている。これらダミー用ゲートDGは、例えばNch用ゲートスタック構造のゲートGの微細加工を実現するために設けられており、複数の半導体素子間を互いに電気的に接続する配線とは接続されていない。すなわち、これらダミー用ゲートDGは、他の半導体素子とは電気的に接続されていない。
【0032】
また、複数のダミー用ゲートDGには、素子分離部IS上のみに形成されたものと、Nch用ゲートスタック構造のゲートGと同様に、素子分離部IS上およびこの素子分離部ISに囲まれた半導体基板の活性領域上に連続して形成されたもの(半導体基板の活性領域から素子分離部ISへ乗り上がったもの)とがある。
【0033】
図29は、Nch用ゲートスタック構造のゲートGの端部から、このゲートGのゲート長方向に存する素子分離部ISまでの距離SAをパラメータとした、nチャネル型HK/MGトランジスタのしきい値電圧(Vth)と、Nch用ゲートスタック構造のゲートGのゲート長方向(第1方向)に位置する素子分離部(IS)の幅であって、素子分離部(IS)の上記ゲート長方向(第1方向)に沿った幅(ODx)との関係を説明するグラフ図である。
【0034】
図29に示すように、ゲートGの端部から素子分離部ISまでの距離SAが短くなるに従い、または、素子分離部ISのゲート長方向に沿った幅ODxが広くなるに従って、nチャネル型HK/MGトランジスタのしきい値電圧は増加する。一方、pチャネル型HK/MGトランジスタでは、このようなしきい値電圧の増加はほとんど見られなかった。
【0035】
図30は、Nch用ゲートスタック構造のゲートGの端部から、このゲートGのゲート長方向に存する素子分離部ISまでの距離SAをパラメータとした、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲートリーク電流(Jg)と、Nch用ゲートスタック構造のゲートGのゲート長方向(第1方向)に位置する素子分離部(IS)の幅であって、素子分離部(IS)の上記ゲート長方向(第1方向)に沿った幅(ODx)との関係を説明するグラフ図である。
【0036】
図30に示すように、ゲートGの端部から素子分離部ISまでの距離SAが短くなるに従い、または、素子分離部ISのゲート長方向に沿った幅ODxが広くなるに従って、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲートリーク電流は減少する。一方、pチャネル型HK/MGトランジスタでは、このようなゲートリーク電流の減少はほとんど見られなかった。
【0037】
しかし、Nch用ゲートスタック構造のゲートGを形成した後は、素子分離部IS上に形成されたゲートGの一部へ素子分離部ISから酸素原子が供給されるルートはあるものの、ゲートGの端部から素子分離部ISまでの距離SA,SB、または、素子分離部ISのゲート長方向に沿った幅ODxに依存したゲート絶縁膜への酸素原子の供給量を説明できる酸素原子の供給ルートがない。このことから、Nch用ゲートスタック構造のゲートGを加工する前に、すでに、成膜されたゲート絶縁膜に酸素原子が引き寄せられていると考えられる。これにより、ゲートGの端部から素子分離部ISまでの距離SA,SBが短くなるに従い、または、素子分離部ISのゲート長方向に沿った幅ODxが広くなるに従って、ゲート絶縁膜への酸素原子の供給量が多くなり、その結果、前述の図29に示したように、しきい値電圧は増加し、前述の図30に示したように、ゲートリーク電流は減少すると考えられる。
【0038】
(3)さらに、pチャネル型HK/MGトランジスタにおいては、前述したように、このようなしきい値電圧の増加およびゲートリーク電流の減少はほとんど見られなかった。nチャネル型HK/MGトランジスタのNch用ゲートスタック構造のゲートGと、pチャネル型HK/MGトランジスタのPch用ゲートスタック構造のゲートGとの主な相違点は、それぞれのしきい値電圧を調整するためにゲート絶縁膜上に形成される金属膜(キャップ膜)の材料が異なることである。すなわち、Nch用ゲートスタック構造のゲートGでは、ゲート絶縁膜に、例えばLaを添加するために、ゲート絶縁膜上にLaO膜からなるキャップ膜を形成する。一方、Pch用ゲートスタック構造のゲートGでは、ゲート絶縁膜に、例えばAlを添加するためにゲート絶縁膜上にAlO膜からなるキャップ膜を形成する。このことから、Nch用ゲートスタック構造のゲートGでは、ゲート絶縁膜上に形成された金属膜(キャップ膜)によって、素子分離部ISからゲート絶縁膜への酸素原子の供給が促進されると考えられる。
【0039】
そこで、本願発明では、nチャネル型HK/MGトランジスタのNch用ゲートスタック構造のゲートGを加工する前に、素子分離部ISから、成膜されたゲート絶縁膜へ引き寄せられる酸素原子の供給量を減少させて、nチャネル型HK/MGトランジスタのしきい値電圧の増加を抑制する。
【0040】
(実施の形態1)
図1に、実施の形態1による半導体装置の内部構成図を示す。
【0041】
半導体装置C1は、例えばメモリ回路C2、プロセッサ回路C3、およびI/O(Input/Output)回路C4などの複数の回路により構成されている。メモリ回路C2ではデータおよびプログラムが記憶され、プロセッサ回路C3ではデータの演算処理または制御処理が行われ、メモリ回路C2とプロセッサ回路C3との間でデータやプログラムの授受が行われる。また、プロセッサ回路C3とI/O回路C4との間でデータの授受が行われ、I/O回路C4を介して周辺装置C5へデータが送受信される。また、I/O回路C4を介してメモリ回路C2およびプロセッサ回路C3へ回路動作に必要な電圧が信号として断続的に供給される。
【0042】
メモリ回路C2には複数のメモリ用トランジスタが形成され、プロセッサ回路C3には複数のコア(Core)用トランジスタが形成され、I/O回路C4には複数のI/O用トランジスタが形成されている。コア用トランジスタにはnチャネル型HK/MGトランジスタとpチャネル型HK/MGトランジスタがあり、I/O用トランジスタにはnチャネル型HK/MGトランジスタとpチャネル型HK/MGトランジスタがある。
【0043】
コア用トランジスタのnチャネル型HK/MGトランジスタのゲート電極の構造とI/O用トランジスタのnチャネル型HK/MGトランジスタのゲート電極の構造は同じである。しかし、I/O用トランジスタにはコア用トランジスタよりも高い電圧がかかるため、I/O用トランジスタのnチャネル型HK/MGトランジスタのゲート絶縁膜がコア用トランジスタのnチャネル型HK/MGトランジスタのゲート絶縁膜よりも厚く形成されている。同様に、コア用トランジスタのpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート電極の構造とI/O用トランジスタのpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート電極の構造は同じである。しかし、I/O用トランジスタにはコア用トランジスタよりも高い電圧がかかるため、I/O用トランジスタのpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート絶縁膜がコア用トランジスタのpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート絶縁膜よりも厚く形成されている。
【0044】
次に、実施の形態1によるコア用トランジスタ、I/O用トランジスタ、および抵抗素子の構造を図2〜図5を用いて説明する。図2は、実施の形態1によるコア用トランジスタのnチャネル型HK/MGトランジスタおよびpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート長方向に沿った要部断面図、図3は、実施の形態1によるコア用トランジスタのnチャネル型HK/MGトランジスタのゲートとpチャネル型HK/MGトランジスタのゲートとが繋がった回路におけるゲート幅方向に沿った要部断面図、図4は、実施の形態1によるI/O用トランジスタのnチャネル型HK/MGトランジスタおよびpチャネル型HK/MGトランジスタのゲート長方向に沿った要部断面図、図5は、実施の形態1によるプロセッサ回路に形成されるnチャネル型抵抗素子およびpチャネル型抵抗素子の要部断面図である。
【0045】
まず、実施の形態1によるコア用トランジスタのnチャネル型HK/MGトランジスタ(以後、コア用nMISと記す)およびコア用トランジスタのpチャネル型HKトランジスタ(以後、コア用pMISと記す)の構成について、図2および図3を用いて説明する。
【0046】
実施の形態1によるコア用nMISおよびコア用pMISが形成される半導体基板1の主面には、素子分離部2が形成されている。素子分離部2は、半導体基板1に形成される素子間の干渉を防止する機能を有しており、例えば半導体基板1に溝を形成し、この溝の内部に絶縁膜を埋め込むSTI(Shallow Trench Isolation)法によって形成される。この素子分離部2によって分離された活性領域が、コア用nMIS形成領域またはコア用pMIS形成領域となっている。上記溝の内部に埋め込まれる絶縁膜は、例えばTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate;Si(OC)とオゾンとをソースガスに用いたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成されるTEOS膜、高密度プラズマ(High Density Plasma)CVD法を用いて形成されるSiO膜、ポリシラザン(SiHNH)膜などである。素子分離部2の幅Lは、素子間の干渉を防止するために、最小で80nm程度形成される。
【0047】
コア用nMIS形成領域の半導体基板1の主面には半導体領域であるp型ウェル3が形成されており、コア用pMIS形成領域の半導体基板1の主面には半導体領域であるn型ウェル4が形成されている。p型ウェル3にはBなどのp型不純物が導入されており、n型ウェル4にはPまたはAsなどのn型不純物が導入されている。
【0048】
続いて、コア用nMISの構成について説明する。
【0049】
コア用nMIS形成領域の半導体基板1の主面に形成されたp型ウェル3上には、ゲート絶縁膜5ncが形成されている。
【0050】
このゲート絶縁膜5ncは主として、例えばSiOよりも比誘電率の高い高誘電体膜5hnから形成されている。高誘電体膜5hnとしては、例えばHfO膜、HfON膜、HfSiO膜、またはHfSiON膜のようなハフニウム系絶縁膜を使用する。このハフニウム系絶縁膜には、仕事関数を調整して所望するコア用nMISのしきい値電圧を得るための金属元素、例えばLaが含まれている。従って、代表的な高誘電体膜5hnの構成材料として、例えばHfLaONを例示することができる。高誘電体膜5hnの厚さは、例えば1nm程度である。
【0051】
また、半導体基板1と高誘電体膜5hnとの間には、酸化膜5sc、例えばSiO膜が形成されている。半導体基板1と高誘電体膜5hnとが直接接した場合、コア用nMISの移動度が低下する恐れがあるが、半導体基板1と高誘電体膜5hnとの間に酸化膜5scを介在させることにより、上記移動度の低下を防ぐことができる。酸化膜5scの厚さは、例えば1nm程度である。
【0052】
ゲート絶縁膜5nc上には、キャップ膜6nが形成されている。このキャップ膜6nは、例えばLaO膜であり、高誘電体膜5hnを構成するハフニウム系絶縁膜に、コア用nMISのしきい値電圧を得るための金属元素、すなわちLaを添加するために形成されている。なお、高誘電体膜5hnを構成するハフニウム系絶縁膜に添加される金属元素として、Laを例示したが、他の金属元素であってもよい。従って、キャップ膜6nとして、La膜、La膜、MgO膜、Mg膜、BiSr膜、SrO膜、Y膜、Y膜、Ba膜、BaO膜、Se膜、またはScO膜などを用いることができる。なお、キャップ膜6nを構成する金属元素が全て高誘電体膜5hnに添加される場合もある。
【0053】
キャップ膜6n上には、ゲート電極7が形成されている。このゲート電極7は下層ゲート電極7Dと上層ゲート電極7Uとを積層した構造を有している。下層ゲート電極7Dは、例えばTiN膜により構成されるが、これに限定されるものではない。例えばTaN膜、TaSiN膜、TiAlN膜、HfN膜、NiSi1−x膜、PtSi膜、NiTa1−xSi膜、NiPt1−xSi膜、HfSi膜、WSi膜、IrSi1−x膜、TaGe膜、TaCx膜、Mo膜、またはW膜のいずれかの膜により、下層ゲート電極7Dを構成してもよい。下層ゲート電極7Dの厚さは、例えば5〜20nm程度である。また、上層ゲート電極7Uは、例えば1×1020cm−3程度の不純物が導入された多結晶Si膜により構成される。上層ゲート電極7Uの厚さは、例えば30〜80nm程度である。
【0054】
さらに、ゲート電極7上には、シリサイド膜8が形成されている。このシリサイド膜8は、例えばNiSi膜またはPtSi膜である。
【0055】
ゲート電極7およびゲート絶縁膜5ncの積層膜の両側の側壁には、内側から順に、例えば共に絶縁膜からなるオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9が形成されている。これらオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9直下の半導体基板1(p型ウェル3)には、半導体領域であるn型拡散領域10が形成されており、n型拡散領域10の外側にはn型拡散領域11が形成されている。n型拡散領域10およびn型拡散領域11にはPまたはAsなどのn型不純物が導入されており、n型拡散領域11にはn型拡散領域10に比べて高濃度にn型不純物が導入されている。n型拡散領域10およびn型拡散領域11によって、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有するコア用nMISのソース領域およびドレイン領域が形成される。図示はしていないが、ゲート電極7直下で、ソース領域とドレイン領域との間の半導体基板1(p型ウェル3)には、コア用nMISのしきい値を調整するための不純物を導入したチャネル領域が形成されている。
【0056】
n型拡散領域11の表面には、ゲート電極7上に形成されたシリサイド膜8と同じ工程で形成されるシリサイド膜8が形成されている。
【0057】
続いて、コア用pMISの構成について説明する。
【0058】
コア用nMIS形成領域の半導体基板1の主面に形成されたn型ウェル4上には、ゲート絶縁膜5pcが形成されている。
【0059】
このゲート絶縁膜5pcは主として、例えばSiOよりも比誘電率の高い高誘電体膜5hpから形成されている。高誘電体膜5hpとしては、例えばHfO膜、HfON膜、HfSiO膜、またはHfSiON膜のようなハフニウム系絶縁膜を使用する。このハフニウム系絶縁膜には、仕事関数を調整して所望するコア用pMISのしきい値電圧を得るための金属元素、例えばAlが含まれている。従って、代表的な高誘電体膜5hpの構成材料として、例えばHfAlONを例示することができる。高誘電体膜5hpの厚さは、例えば1nm程度である。また、高誘電体膜5hpは、高誘電体膜5hnに比べて、Laの濃度が低いもしくは高誘電体膜5hpはLaを含んでいない。
【0060】
また、半導体基板1と高誘電体膜5hpとの間には、酸化膜5sc、例えばSiO膜が形成されている。半導体基板1と高誘電体膜5hpとが直接接した場合、コア用pMISの移動度が低下する恐れがあるが、半導体基板1と高誘電体膜5hpとの間に酸化膜5scを介在させることにより、上記移動度の低下を防ぐことができる。酸化膜5scの厚さは、例えば1nm程度である。
【0061】
ゲート絶縁膜5pc上には、キャップ膜6pが形成されている。このキャップ膜6pは、例えばAlO膜であり、高誘電体膜5hpを構成するハフニウム系絶縁膜に、コア用pMISのしきい値電圧を得るための金属元素、すなわちAlを添加するために形成されている。なお、キャップ膜6pとして、AlO膜を例示したが、Al膜を用いることもできる。なお、キャップ膜6pを構成する金属元素が全て高誘電体膜5hpに添加される場合もある。
【0062】
キャップ膜6p上には、ゲート電極7が形成され、ゲート電極7上にはシリサイド膜8が形成されている。これらゲート電極7およびシリサイド膜8は、それぞれ前述したコア用nMISのゲート電極7およびシリサイド膜8と同じ構成である。
【0063】
ゲート電極7およびゲート絶縁膜5pcの積層膜の両側の側壁には、内側から順に、例えば共に絶縁膜からなるオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9が形成されている。これらオフセットサイドウォール9aおよびサイドウォール9直下の半導体基板1(n型ウェル4)には、半導体領域であるp型拡散領域12が形成されており、p型拡散領域12の外側にはp型拡散領域13が形成されている。p型拡散領域12およびp型拡散領域13にはBなどのp型不純物が導入されており、p型拡散領域13にはp型拡散領域12に比べて高濃度にp型不純物が導入されている。p型拡散領域12およびp型拡散領域13によって、LDD構造を有するコア用pMISのソース領域およびドレイン領域が形成される。図示はしていないが、ゲート電極7直下で、ソース領域とドレイン領域との間の半導体基板1(n型ウェル4)に、コア用pMISのしきい値を調整するための不純物を導入したチャネル領域が形成されている。
【0064】
p型拡散領域13の表面には、ゲート電極7上に形成されたシリサイド膜8と同じ工程で形成されたシリサイド膜8が形成されている。さらに、コア用nMISおよびコア用pMISは、Si膜16および層間絶縁膜17により覆われている。
【0065】
次に、実施の形態1によるI/O用トランジスタのnチャネル型HK/MGトランジスタ(以後、I/O用nMISと記す)およびpチャネル型HKトランジスタ(以後、I/O用pMISと記す)の構成について、図4を用いて説明する。
【0066】
I/O用nMISの構成は、前述したコア用nMISの構成と同じであるが、I/O用nMISのゲート絶縁膜5nioを構成する酸化膜5sioの厚さが、コア用nMISのゲート絶縁膜5ncを構成する酸化膜5scの厚さよりも厚く形成されている。例えば半導体基板1と高誘電体膜5hnとの間に形成される酸化膜5sioの厚さは、例えば2〜6nmである。
【0067】
また、I/O用pMISの構成も、前述したコア用pMISの構成と同じであるが、I/O用pMISのゲート絶縁膜5pioを構成する酸化膜5sioの厚さが、コア用pMISのゲート絶縁膜5pcを構成する酸化膜5scの厚さよりも厚く形成されている。例えば半導体基板1と高誘電体膜5hpとの間に形成される酸化膜5sioの厚さは、例えば2〜6nmである。
【0068】
次に、実施の形態1によるプロセッサ回路に形成されるnチャネル型抵抗素子およびpチャネル型抵抗素子の構成について、図5を用いて説明する。
【0069】
nチャネル型抵抗素子の構成は、前述したコア用nMISを利用しており、酸化膜5sc、キャップ膜6nおよびゲート電極7の下層ゲート電極7Dを形成しないこと、素子分離部2上に形成すること以外は、前述したコア用nMISの構成と同じである。同様に、pチャネル型抵抗素子の構成は、前述したコア用pMISを利用しており、酸化膜5sc、キャップ膜6pおよびゲート電極7の下層ゲート電極7Dを形成しないこと、素子分離部2上に形成すること以外は、前述したコア用pMISの構成と同じである。なお、nチャネル型抵抗素子およびpチャネル型抵抗素子は共にそれぞれコア用nMISおよびコア用pMISのように酸化膜5scが形成されていてもよい(図示せず)。
【0070】
次に、実施の形態1によるコア用nMISの平面レイアウトについて図6を用いて説明する。図6(a)はコア用nMISのゲートを構成する積層膜を成膜した状態(ドライエッチング法により加工する前)の要部平面図であり、図6(b)はコア用nMISのゲートを構成する積層膜をドライエッチング法により加工した後の要部平面図である。ここでは、コア用nMISに本願発明を適用した例について説明するが、I/O用nMISにも本願発明を適用できることは言うまでもない。
【0071】
図6(a)に示すように、素子分離部2で囲まれた活性領域(点線で示す領域)14に位置し、後の工程で回路動作に寄与するコア用nMISのゲートが形成される領域Ga1には、Nch用ゲートスタック構造NGを構成する各種膜、例えばゲート絶縁膜5nc(酸化膜5scと高誘電体膜5hnとの積層膜)、キャップ膜6n、およびゲート電極材料が下から順次形成されている。従って、例えばSiO膜、HfLaON膜、LaO膜、TiN膜、および多結晶Si膜が積層されている。
【0072】
これに対して、コア用nMISのゲートが形成される領域Ga1を除いた領域NGa1には、Pch用ゲートスタック構造PGを構成する各種膜、例えばゲート絶縁膜5pc(酸化膜5scと高誘電体膜5hpとの積層膜)、キャップ膜6p、およびゲート電極材料が下から順次形成されている。従って、例えばSiO膜、HfAlON膜、AlO膜、TiN膜、および多結晶Si膜が積層されている。
【0073】
従って、上記領域Ga1と上記領域NGa1との境界は、コア用nMISのゲート幅方向となる方向では素子分離部2と活性領域14との境界上にあり、コア用nMISのゲート長方向となる方向では、上記積層膜をドライエッチング法により加工することにより形成されるコア用nMISのゲートGの端部上にある。
【0074】
上記積層膜をドライエッチング法により加工することにより形成されるコア用nMISのゲートGおよびダミー用ゲートDGの平面形状を図6(b)に示している。
【0075】
素子分離部2で囲まれた活性領域14に位置するコア用nMISのゲートGは、前述の図2および図3で示したコア用nMISのゲート絶縁膜5nc(酸化膜5scと高誘電体膜5hnとの積層膜)、キャップ膜6n、およびゲート電極7(下層ゲート電極7Dと上層ゲート電極7Uとの積層膜)からなるNch用ゲートスタック構造NGとなる。従って、例えば活性領域14に位置するコア用nMISのゲートGは、SiO膜とHfLaON膜との積層膜からなるゲート絶縁膜5nc、LaO膜からなるキャップ膜6n、およびTiN膜と多結晶Si膜との積層膜からなるゲート電極7で形成される。
【0076】
これに対して、素子分離部2上のコア用nMISのゲートG、およびコア用nMISのゲートGの両側に形成され、このゲートGと所定の間隔をあけて並行する複数のダミー用ゲートDGは、前述の図2および図3で示したコア用pMISのゲート絶縁膜5pc(高誘電体膜5hpまたは酸化膜5scと高誘電体膜5hpとの積層膜)、キャップ膜6p、およびゲート電極7(下層ゲート電極7Dと上層ゲート電極7Uとの積層膜)からなるPch用ゲートスタック構造PGとなる。従って、例えば素子分離部2に乗り上げたコア用nMISのゲートGおよびダミー用ゲートDGは、HfAlON膜またはSiO膜とHfAlON膜との積層膜からなるゲート絶縁膜5pc、AlO膜からなるキャップ膜6p、およびTiN膜と多結晶Si膜との積層膜からなるゲート電極7で形成される。
【0077】
このように、素子分離部2で囲まれた活性領域14に位置し、コア用nMISのゲートGが形成される領域Ga1のみに、Nch用ゲートスタック構造NGを構成するゲート絶縁膜5nc(酸化膜5scと高誘電体膜5hnとの積層膜)、キャップ膜6n、およびゲート電極材料を成膜する。一方、上記領域Ga1以外の素子分離部2上のコア用nMISのゲートGおよびダミー用ゲートDGが形成される領域NGa1には、Pch用ゲートスタック構造PGを構成するゲート絶縁膜5pc(高誘電体膜5hpまたは酸化膜5scと高誘電体膜5hpとの積層膜)、キャップ膜6p、およびゲート電極材料を成膜する。これにより、素子分離部2で囲まれた活性領域14に位置し、コア用nMISのゲートGが形成される領域Ga1のゲート絶縁膜5ncへ素子分離部2から引き寄せられる酸素原子の供給量を減少させることができる。その結果、ゲート絶縁膜5ncの酸化を防いで、コア用nMISのしきい値電圧の増加を抑制することができる。
【0078】
ところで、図6(a)に実線で示すように、素子分離部2で囲まれた活性領域14に位置し、コア用nMISのゲートGが形成される領域Ga1のみに、Nch用ゲートスタック構造NGを構成する積層膜を成膜することが、コア用nMISのゲートGが形成される領域Ga1のゲート絶縁膜5ncへ素子分離部2から引き寄せられる酸素原子の供給量を減少させるうえで最も効果がある。しかし、この場合、実際の半導体装置の製造工程においては、合わせずれや加工精度などにより、コア用nMISのゲートGの一部にPch用ゲートスタック構造PGを構成する積層膜が含まれる危険性があり、コア用nMISが正常に動作しなくなるという問題が生ずる。
【0079】
そこで、実際の半導体装置の製造工程においては、例えば図6(a)に一点破線で示すように、半導体装置の製造過程等における合わせ余裕を考慮して、素子分離部2で囲まれた活性領域14に位置し、コア用nMISのゲートGが形成される領域Ga1よりも広くNch用ゲートスタック構造NGを構成する積層膜を成膜する。すなわち、上記領域Ga1と上記領域NGa1との境界を、コア用nMISのゲート幅方向では、素子分離部2と活性領域14との境界から合わせ余裕を考慮した所定の寸法分を素子分離部2側へずらした位置(素子分離部2上)とし、コア用nMISのゲート長方向では、ゲートGの端部から合わせ余裕を考慮した所定の寸法分を素子分離部2側へずらした位置(コア用nMISのゲートGの端部と素子分離部2との間の活性領域上)とする。
【0080】
次に、実施の形態1による半導体装置の製造方法について図7〜図24を用いて工程順に説明する。図7〜図24は、半導体装置に形成される回路素子のうち、コア用nMIS(Nch Core)、コア用pMIS(Pch Core)、I/O用nMIS(Nch I/O)、I/O用pMIS(Pch I/O)、nチャネル型抵抗素子(Nch 抵抗素子)、およびpチャネル型抵抗素子(Pch 抵抗素子)の要部断面図を示している。
【0081】
まず、図7に示すように、例えば単結晶Siに、例えばBなどのp型不純物を導入した半導体基板(この段階では半導体ウエハと称する平面略円形状の半導体の薄板)1を用意する。続いて、半導体基板1の主面上に、SiO膜20およびSi膜21を順次形成する。SiO膜20の厚さは、例えば10nm程度、Si膜21の厚さは、例えば80nm程度である。続いて、フォトリソグラフィ法を用いて活性領域となる領域を覆うレジストパターン22を形成する。
【0082】
次に、図8に示すように、レジストパターン22をマスクとして、レジストパターン22から露出しているSi膜21、SiO膜20、および半導体基板1を、例えばドライエッチング法を用いて順次除去して、半導体基板1に溝23を形成した後、レジストパターン22を除去する。続いて、溝23の内壁を窒化処理および酸化処理した後、半導体基板1の主面上に、溝23を埋め込んで酸化膜24を形成する。この酸化膜は、例えばTEOSとオゾンとをソースガスに用いたプラズマCVD法を用いて形成されるTEOS膜、高密度プラズマCVD法を用いて形成されるSiO膜、またはポリシラザン膜などである。続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば1100℃で実施される。
【0083】
次に、図9に示すように、酸化膜24の表面を、例えばCMP(Chemical Vapor Deposition)法を用いて研磨して、溝23に酸化膜24が埋め込まれた素子分離部2を形成する。この素子分離部2によって活性領域が分離され、コア用nMIS形成領域、コア用pMIS形成領域、I/O用nMIS形成領域、およびI/O用pMIS形成領域が形成される。
【0084】
次に、図10に示すように、コア用nMIS形成領域およびI/O用nMIS形成領域の半導体基板1に、イオン注入法を用いてn型不純物を選択的に導入することにより、埋め込みn型ウェル25を形成する。続いて、コア用nMIS形成領域およびI/O用nMIS形成領域の半導体基板1に、イオン注入法を用いてp型不純物を選択的に導入することにより、p型ウェル26を形成する。同様に、コア用pMIS形成領域およびI/O用pMIS形成領域の半導体基板1に、イオン注入法を用いてn型不純物を選択的に導入することにより、n型ウェル27を形成する。
【0085】
次に、図11に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば熱酸化法を用いて酸化膜5sioを形成する。酸化膜5sioの厚さは、例えば2〜6nm程度である。続いて、コア用nMIS形成領域およびコア用pMIS形成領域の酸化膜5sioを除去して、I/O用nMIS形成領域およびI/O用pMIS形成領域に形成された酸化膜5sioを残す。
【0086】
次に、図12に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば熱酸化法を用いて酸化膜5scを形成する。酸化膜5scの厚さは、例えば1nm程度である。これにより、コア用nMIS形成領域およびコア用pMIS形成領域の半導体基板1の主面には酸化膜5scが形成され、I/O用nMIS形成領域およびI/O用pMIS形成領域の半導体基板1の主面には酸化膜5sioが形成される。
【0087】
続いて、半導体基板1の主面上に、例えばHfON膜28を形成する。HfON膜28は、例えばCVD法またはALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて形成され、その厚さは、例えば1nm程度である。HfON膜28に代えて、例えばHfSiON膜、HfSiO膜、またはHfO膜などの他のハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。
【0088】
続いて、窒化処理を施した後、HfON膜28上に、例えばAlO膜29(キャップ膜6p)を堆積する。AlO膜29は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば0.1〜1.5nm程度である。続いて、AlO膜29上に、例えばTiN膜30を堆積する。TiN膜30は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば5〜15nm程度である。
【0089】
次に、図13に示すように、フォトリソグラフィ法を用いてコア用pMIS形成領域、I/O用pMIS形成領域、およびpチャネル型抵抗素子形成領域を覆うレジストパターン31を形成する。ここでは、さらに、素子分離部2で囲まれた活性領域に位置し、後の工程で、コア用nMISのゲートが形成される領域を除いたコア用nMIS形成領域およびI/O用nMISのゲートが形成される領域を除いたI/O用nMIS形成領域も、レジストパターン31によって覆う。従って、コア用nMIS形成領域におけるレジストパターン31の端部は、コア用nMISのゲート幅方向では素子分離部2と活性領域との境界上にあり、ゲート長方向では後の工程で形成されるコア用nMISのゲートの端部上にある。同様に、I/O用nMIS形成領域におけるレジストパターン31の端部は、I/O用nMISのゲート幅方向では素子分離部2と活性領域との境界上にあり、ゲート長方向では後の工程で形成されるI/O用nMISのゲートの端部上にある。
【0090】
しかし、前述したように、実際の半導体装置の製造工程においては、半導体装置の製造過程等における合わせ余裕を考慮して、コア用nMIS形成領域におけるレジストパターン31の端部は、コア用nMISのゲート幅方向では素子分離部2と活性領域との境界から素子分離部2側へ所定の寸法分をずらした素子分離部2上にあり、ゲート長方向では後の工程で形成されるコア用nMISのゲートの端部から素子分離部2側へ所定の寸法分をずらした活性領域上にある。同様に、半導体装置の製造過程等における合わせ余裕を考慮して、I/O用nMIS形成領域におけるレジストパターン31の端部は、I/O用nMISのゲート幅方向では素子分離部2と活性領域との境界から素子分離部2側へ所定の寸法分をずらした素子分離部2上にあり、ゲート長方向では後の工程で形成されるI/O用nMISのゲートの端部から素子分離部2側へ所定の寸法分をずらした活性領域上にある。
【0091】
続いて、レジストパターン31をマスクとして、レジストパターン31から露出しているAlO膜29およびTiN膜30を除去した後、レジストパターン31を除去する。これにより、コア用pMIS形成領域、I/O用pMIS形成領域、およびpチャネル型抵抗素子形成領域にAlO膜29およびTiN膜30が残るが、さらに、コア用nMIS形成領域およびI/O用nMIS形成領域でも、一部領域(後の工程で、コア用nMISのゲートおよびI/O用nMISのゲートが形成される領域)を除いて、AlO膜29およびTiN膜30が残る。
【0092】
次に、図14に示すように、半導体基板1の主面上に、例えばLaO膜32(キャップ膜6n)を堆積する。LaO膜32は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば0.1〜1.5nm程度である。続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば1000℃で10秒間実施される。この熱処理により、AlO膜29からAlがHfON膜28へ熱拡散して、コア用pMIS形成領域、I/O用pMIS形成領域、およびpチャネル型抵抗素子形成領域のHfON膜28はHfAlON膜28p(高誘電体膜5hp)となる。さらに、コア用nMIS形成領域およびI/O用nMIS形成領域でも、一部領域(後の工程で、コア用nMISのゲートおよびI/O用nMISのゲートが形成される領域)を除いて、HfON膜28はHfAlON膜28p(高誘電体膜5hp)となる。
【0093】
また、この熱処理により、LaO膜32からLaがHfON膜28へ熱拡散して、コア用nMIS形成領域およびI/O用nMIS形成領域の一部領域(後の工程で、コア用nMISのゲートおよびI/O用nMISのゲートが形成される領域)、ならびにnチャネル型抵抗素子形成領域のHfON膜28はHfLaON膜28n(高誘電体膜5hn)となる。
【0094】
次に、図15に示すように、TiN膜30、AlO膜29、およびLaO膜32を除去する。なお、TiN膜30、AlO膜29、およびLaO膜32はすべて除去してもよいが、図15ではAlO膜29およびLaO膜32を部分的に除去せずに残している。
【0095】
これにより、コア用nMIS形成領域の一部領域(後の工程で、コア用nMISのゲートが形成される領域)には、酸化膜5scおよびHfLaON膜28nからなるゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜5nc)が形成され、コア用pMIS形成領域およびコア用nMIS形成領域の上記一部領域(後の工程で、コア用nMISのゲートが形成される領域)を除いた領域には、酸化膜5scおよびHfAlON膜28pからなるゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜5pc)が形成される。
【0096】
また、I/O用nMIS形成領域の一部領域(後の工程で、I/O用nMISのゲートが形成される領域)には、酸化膜5sioおよびHfLaON膜28nからなるゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜5nio)が形成され、I/O用pMIS形成領域およびI/O用nMIS形成領域の上記一部領域(後の工程で、I/O用nMISのゲートが形成される領域)を除いた領域には、酸化膜5sioおよびHfAlON膜28pからなるゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜5pio)が形成される。
【0097】
次に、図16に示すように、半導体基板1の主面上に、例えばTiN膜33を堆積する。TiN膜33は、例えばスパッタリング法を用いて形成され、その厚さは、例えば5〜20nm程度である。続いて、フォトリソグラフィ法を用いてコア用nMIS形成領域、コア用pMIS形成領域、I/O用nMIS形成領域、およびI/O用pMIS形成領域を覆うレジストパターン(図示は省略)を形成する。続いて、このレジストパターンをマスクとして、レジストパターンから露出しているnチャネル型抵抗素子形成領域およびpチャネル型抵抗素子形成領域のTiN膜33、AlO膜29、およびLaO膜32を除去した後、レジストパターンを除去する。なお、AlO膜29およびLaO膜32は除去してもしなくてもよいが、図16ではAlO膜29およびLaO膜32を除去した場合を示している。
【0098】
次に、図17に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば多結晶Si膜34を堆積する。多結晶Si膜34は、例えばCVD法を用いて形成され、その厚さは、例えば30〜80nm程度である。続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば1000℃で10秒間実施される。
【0099】
次に、図18に示すように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、多結晶Si膜34、TiN膜33、LaO膜32、AlO膜29、HfAlON膜28p、HfLaON膜28n、酸化膜5sio、および酸化膜5scを加工する。
【0100】
これにより、コア用nMIS形成領域に、酸化膜5scとHfLaON膜28n(高誘電体膜5hn)との積層膜からなるゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜5nc)、LaO膜32(キャップ膜6n)、およびTiN膜33(下層ゲート電極7D)と多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)との積層膜からなるゲート電極(ゲート電極7)により構成されるNch用スタックゲート構造のゲートが形成される。また、コア用pMIS形成領域に、酸化膜5scとHfAlON膜28p(高誘電体膜5hp)との積層膜からなるゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜5pc)、AlO膜29(キャップ膜6p)、およびTiN膜33(下層ゲート電極7D)と多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)との積層膜からなるゲート電極(ゲート電極7)により構成されるPch用スタックゲート構造のゲートが形成される。
【0101】
また、I/O用nMIS形成領域に、酸化膜5sioとHfLaON膜28n(高誘電体膜5hn)との積層膜からなるゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜5nio)、LaO膜32(キャップ膜6n)、およびTiN膜33(下層ゲート電極7D)と多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)との積層膜からなるゲート電極(ゲート電極7)により構成されるNch用スタックゲート構造のゲートが形成される。また、I/O用pMIS形成領域に、酸化膜5sioとHfAlON膜28p(高誘電体膜5hp)との積層膜からなるゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜5pio)、AlO膜29(キャップ膜6p)、およびTiN膜33(下層ゲート電極7D)と多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)との積層膜からなるゲート電極(ゲート電極7)により構成されるPch用スタックゲート構造のゲートが形成される。
【0102】
また、nチャネル型抵抗素子形成領域に、HfLaON膜28n(高誘電体膜5hn)からなるゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜5nc)および多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)からなるゲート電極(ゲート電極7)により構成されるNch用ゲート構造のゲートが形成され、pチャネル型抵抗素子形成領域に、HfAlON膜28p(高誘電体膜5hp)からなるゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜5pc)および多結晶Si膜34(上層ゲート電極7U)からなるゲート電極(ゲート電極7)により構成されるPch用ゲート構造のゲートが形成される。
【0103】
次に、図19に示すように、コア用nMIS、コア用pMIS、I/O用nMIS、I/O用pMIS、nチャネル型抵抗素子、およびpチャネル型抵抗素子のゲートの側壁に、例えばSi膜からなるオフセットサイドウォール9aを形成する。オフセットサイドウォール9aは、例えばCVD法を用いて形成され、その厚さは、例えば5nm程度である。続いて、イオン注入法を用いて、コア用nMIS形成領域およびI/O用nMIS形成領域に、ゲートに対して自己整合的にn型拡散領域10を形成する。n型拡散領域10は半導体領域であり、半導体基板1にPまたはAsなどのn型不純物を導入することにより形成される。同様に、コア用pMIS形成領域およびI/O用pMIS形成領域に、ゲートに対して自己整合的にp型拡散領域12を形成する。p型拡散領域12は半導体領域であり、半導体基板1にBなどのp型不純物を導入することにより形成される。
【0104】
次に、図20に示すように、半導体基板1の主面上に、Si膜およびSiO膜を順次堆積した後、ドライエッチング法を用いて、これらSi膜およびSiO膜を異方性エッチングする。これにより、コア用nMIS、コア用pMIS、I/O用nMIS、I/O用pMIS、nチャネル型抵抗素子、およびpチャネル型抵抗素子のゲートの側壁にサイドウォール9を形成する。
【0105】
続いて、イオン注入法を用いて、コア用nMIS形成領域およびI/O用nMIS形成領域に、ゲートおよびサイドウォール9に対して自己整合的にn型拡散領域11を形成する。n型拡散領域11は半導体領域であり、半導体基板1にPまたはAsなどのn型不純物を導入することにより形成される。同様に、コア用pMIS形成領域およびI/O用pMIS形成領域に、ゲートおよびサイドウォール9に対して自己整合的にp型拡散領域13を形成する。p型拡散領域13は半導体領域であり、半導体基板1にBなどのp型不純物を導入することにより形成される。
【0106】
続いて、熱処理を行う。この熱処理は、例えば1000℃で10秒間および1230℃で数ミリ秒実施される。この熱処理によって、コア用nMIS形成領域のn型拡散領域10とn型拡散領域11に導入されたn型不純物およびI/O用nMIS形成領域のn型拡散領域10とn型拡散領域11に導入されたn型不純物を活性化させて、それぞれのソース領域およびドレイン領域を形成する。同様に、コア用pMIS形成領域のp型拡散領域12とp型拡散領域13に導入されたp型不純物およびI/O用pMIS形成領域のp型拡散領域12とp型拡散領域13に導入されたp型不純物を活性化させて、それぞれのソース領域およびドレイン領域を形成する。
【0107】
次に、図21に示すように、半導体基板1の主面上に、Ni膜を形成した後、熱処理を行う。この熱処理は、例えば450℃で実施される。この熱処理によって、半導体基板1を構成するSiとNi、および多結晶Si膜34を構成するSiとNiとを固相反応させてNiSiを形成し、続いてHSOとHとの混合溶液を用いて未反応のNiを除去する。これにより、コア用nMISのソース領域およびドレイン領域を構成するn型拡散領域11の表面とゲート電極を構成する多結晶Si膜34の上面、コア用pMISのソース領域およびドレイン領域を構成するp型拡散領域13の表面とゲート電極を構成する多結晶Si膜34の上面、I/O用nMISのソース領域およびドレイン領域を構成するn型拡散領域11の表面とゲート電極を構成する多結晶Si膜34の上面、ならびにI/O用pMISのソース領域およびドレイン領域を構成するp型拡散領域13の表面とゲート電極を構成する多結晶Si膜34の上面にNiSi膜36(シリサイド膜8)を形成する。NiSi膜36に代えて、例えばNiPtSi膜などを使用することもできる。
【0108】
なお、nチャネル型抵抗素子およびpチャネル型抵抗素子のゲート電極を構成する多結晶Si膜34の上面には、それぞれの抵抗素子の高抵抗化を図るために、上記NiSi膜36は形成しない。
【0109】
続いて、半導体基板1の主面上に、Si膜37を堆積する。Si膜37は、例えばCVD法を用いて形成され、その厚さは、例えば30nm程度である。
【0110】
次に、図22に示すように、半導体基板1の主面上に、層間絶縁膜38を形成する。層間絶縁膜38は、例えばプラズマCVD法を用いて形成されるTEOS膜である。続いて、層間絶縁膜38の表面を、例えばCMP法を用いて平坦化した後、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、Si膜37および層間絶縁膜38に接続孔39を形成する。
【0111】
次に、図23に示すように、接続孔39の底面および内壁を含む層間絶縁膜38上に、例えばスパッタリング法を用いてTiN膜40aを形成する。TiN膜40aは、例えば後の工程で接続孔39の内部に埋め込まれる材料が拡散するのを防止する、いわゆるバリア機能を有している。続いて、半導体基板1の主面上に、接続孔39の内部を埋め込むようにW膜40bを形成する。このW膜40bは、例えばCVD法を用いて形成される。続いて、W膜40bおよびTiN膜40aを、例えばCMP法を用いて研磨することにより、接続孔39の内部にプラグ40を形成する。
【0112】
次に、図24に示すように、半導体基板1の主面上に、配線用絶縁膜41を形成する。配線用絶縁膜41は、例えばTEOS膜、SiCN膜、およびSiO膜を順次堆積した積層膜からなる。続いて、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、配線用絶縁膜41に配線溝42を形成する。
【0113】
続いて、配線溝42の底面および内壁を含む配線用絶縁膜41上に、例えばスパッタリング法を用いてCuシード層を形成した後、めっき法により配線溝42の内部を埋め込むようにCu膜を形成する。続いて、熱処理を行った後、Cu膜およびCuシード層を、例えばCMP法を用いて研磨することにより、配線溝42の内部にCu膜からなる配線43を形成する。この後、さらに上層の配線を形成するが、ここでの説明は省略する。
【0114】
以上の製造工程により、実施の形態1による半導体装置(コア用nMIS、コア用pMIS、I/O用nMIS、I/O用pMIS、nチャネル型抵抗素子、およびpチャネル型抵抗素子)が略完成する。
【0115】
このように、本実施の形態1によれば、素子分離部2で囲まれた活性領域14に位置し、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲートGが形成される領域Ga1のみに、Nch用ゲートスタック構造NGのゲートGを構成する積層膜を成膜することにより、素子分離部2からnチャネル型HK/MGトランジスタのゲートGが形成される領域Ga1へ引き寄せられる酸素原子の供給量を減少させることができる。また、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲートGを形成した後も、ゲートGと素子分離部2との重なり部分がほとんどないので、素子分離部2からnチャネル型HK/MGトランジスタのゲートGへの酸素原子の供給量を減少させることができる。これらにより、nチャネル型HK/MGトランジスタのしきい値電圧の増加を抑制することができるので、HK/MGトランジスタを有する半導体装置において、安定した動作特性を得ることができる。
【0116】
(実施の形態2)
本実施の形態2によるnチャネル型HK/MGトランジスタと、前述した実施の形態1によるnチャネル型HK/MGトランジスタとが相違する点はゲートの平面レイアウトである。
【0117】
nチャネル型HK/MGトランジスタのゲートが形成される領域へ素子分離部から引き寄せられる酸素原子の供給量を減少させるためには、素子分離部で囲まれた活性領域に位置し、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲートが形成される領域のみに、Nch用ゲートスタック構造を構成する積層膜を成膜することが望ましい。しかし、前述した実施の形態1においても述べたように、この場合、実際の半導体装置の製造工程においては、合わせずれや加工精度などにより、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲートの一部にPch用ゲートスタック構造を構成する積層膜が含まれる危険性があり、nチャネル型HK/MGトランジスタが正常に動作しなくなるという問題が生ずる。
【0118】
そこで、本実施の形態2によるnチャネル型HK/MGトランジスタでは、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲート幅方向において、nチャネル型HK/MGトランジスタが形成される活性領域と素子分離部との境界から、半導体装置の製造過程等における合わせ余裕を考慮した所定の寸法分よりも大きい距離を素子分離部側へずらした素子分離部上に、Nch用ゲートスタック構造を構成する積層膜とPch用ゲートスタック構造を構成する積層膜との境界を設定する。
【0119】
一方、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲート長方向においては、後の工程で形成されるnチャネル型HK/MGトランジスタのゲートの端部から、半導体装置の製造過程等における合わせ余裕を考慮した所定の寸法分と同じ距離を素子分離部側へずらした活性領域上に、Nch用ゲートスタック構造を構成する積層膜とPch用ゲートスタック構造を構成する積層膜との境界を設定する。
【0120】
図25に、実施の形態2によるコア用nMISの平面レイアウト図を示す。図25(a)はコア用nMISのゲートを構成する積層膜を成膜した状態(ドライエッチング法により加工する前)の要部平面図であり、図25(b)はコア用nMISのゲートを構成する積層膜をドライエッチング法により加工した後の要部平面図である。ここでは、コア用nMISに本願発明を適用した例について説明するが、I/O用nMISにも本願発明を適用できることは言うまでもない。
【0121】
図25(a)に示すように、後の工程で素子分離部2により囲まれた活性領域(点線で示す領域)14および素子分離部2の上に連続してゲートが形成される領域Ga2に、Nch用ゲートスタック構造NGを構成する積層膜が形成されている。これに対して、上記領域Ga2を除いた領域NGa2には、Pch用ゲートスタック構造PGを構成する積層膜が形成されている。
【0122】
コア用nMISのゲート幅方向となる方向では、活性領域14と素子分離部2との境界から、半導体装置の製造過程等における合わせ余裕を考慮した所定の寸法分よりも大きい距離を素子分離部2側へずらした位置に領域Ga2と領域NGa2との境界が設定されており、領域Ga2と領域NGa2との境界は確実に素子分離部2上にある。また、コア用nMISのゲート長方向となる方向では、コア用nMISのゲートの端部から、半導体装置の製造過程等における合わせ余裕を考慮した所定の寸法分と同じ距離を素子分離部2側へずらした位置に領域Ga2と領域NGa2との境界が設定されている。
【0123】
Nch用ゲートスタック構造NGを構成する積層膜およびPch用ゲートスタック構造PGを構成する積層膜をドライエッチング法により加工することにより形成されるコア用nMISのゲートGおよびダミー用ゲートDGの平面形状を図25(b)に示す。
【0124】
図25(b)に示すように、活性領域14および素子分離部2の上のゲートGはNch用ゲートスタック構造NGとなる。これに対して、コア用nMISのゲートGの両側に形成され、活性領域14および素子分離部2を覆い、このゲートGと所定の間隔をあけて並行する複数のダミー用ゲートDGはPch用ゲートスタック構造PGとなる。
【0125】
このように、本実施の形態2によれば、nチャネル型HK/MGトランジスタのNch用ゲートスタック構造NGのゲートGの一部が素子分離部2上にあるため、前述した実施の形態1よりも、素子分離部2からNch用ゲートスタック構造NGのゲートGへの酸素原子の供給量が増加する可能性はある。しかし、前述した実施の形態1よりも、特にゲート幅方向においては、nチャネル型HK/MGトランジスタの活性領域上のゲートGの一部にPch用ゲートスタック構造PGを構成する積層膜を含む危険性がなくなるので、半導体装置の製造工程における合わせずれや加工精度などによるnチャネル型HK/MGトランジスタの誤動作を確実に防止することができる。
【0126】
(実施の形態3)
本実施の形態3によるnチャネル型HK/MGトランジスタと、前述した実施の形態1によるnチャネル型HK/MGトランジスタとが相違する点は素子分離部上のゲートの構造である。
【0127】
すなわち、素子分離部に囲まれた活性領域上では、前述した実施の形態1と同様に、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲートが形成される領域にNch用ゲートスタック構造を構成する積層膜を成膜し、それ以外の領域にはPch用ゲートスタック構造を構成する積層膜を成膜する。しかし、素子分離部上では、上記Nch用ゲートスタック構造から金属材料(キャップ膜および下層ゲート電極)を除去した多結晶Si膜(上層ゲート電極)からなるゲート構造、または上記Pch用ゲートスタック構造から金属材料(例えばキャップ膜および下層ゲート電極)を除去した多結晶Si膜(上層ゲート電極)からなるゲート構造を用いる。多結晶Si膜には酸素原子を吸着する効果があることから、素子分離部からnチャネル型HK/MGトランジスタのNch用ゲートスタック構造のゲートへ引き寄せられる酸素原子の供給量を減少させることができる。
【0128】
図26に、実施の形態3によるコア用nMISの平面レイアウト図を示す。図26はコア用nMISのゲートを構成する積層膜をドライエッチング法により加工した後の要部平面図である。ここでは、コア用nMISに本願発明を適用した例について説明するが、I/O用nMISにも本願発明を適用できることは言うまでもない。
【0129】
図26に示すように、素子分離部2で囲まれた活性領域14に位置するコア用nMISのゲートGは、前述の図2および図3で示したコア用nMISのゲート絶縁膜5nc(酸化膜5scと高誘電体膜5hnとの積層膜)、キャップ膜6n、およびゲート電極7(下層ゲート電極7Dと上層ゲート電極7Uとの積層膜)からなるNch用ゲートスタック構造NGである。一方、素子分離部2で囲まれた活性領域14に位置し、コア用nMISのゲートGの両側に形成され、このゲートGと所定の間隔をあけて並行する複数のダミー用ゲートDGは、前述の図2および図3で示したコア用pMISのゲート絶縁膜5pc(酸化膜5scと高誘電体膜5hpとの積層膜)、キャップ膜6p、およびゲート電極7(下層ゲート電極7Dと上層ゲート電極7Uとの積層膜)からなるPch用ゲートスタック構造PGである。
【0130】
しかし、素子分離部2上のコア用nMISのゲートGおよびダミー用ゲートDGには、上記Nch用ゲートスタック構造NGから金属材料、すなわちキャップ膜6nおよび下層ゲート電極7Dを除去したNch用ゲート構造RNG、または上記Pch用ゲートスタック構造PGから金属材料、すなわちキャップ膜6pおよび下層ゲート電極7Dを除去したPch用ゲート構造RPGを用いる。
【0131】
Nch用ゲート構造RNGは、例えば前述の図5に示したnチャネル型抵抗素子のゲート絶縁膜5nc(高誘電体膜5hn)およびゲート電極7(上層ゲート電極7U)からなるゲート構造と同じであり、Pch用ゲート構造RPGは、例えば前述の図5に示したpチャネル型抵抗素子のゲート絶縁膜5pc(高誘電体膜5hp)およびゲート電極7(上層ゲート電極7U)からなるゲート構造と同じである。すなわち、素子分離部2上のコア用nMISのゲートGおよびダミー用ゲートDGには、nチャネル型抵抗素子のNch用ゲート構造RNGのゲート、またはpチャネル型抵抗素子のPch用ゲート構造RPGのゲートを用いる。
【0132】
従って、活性領域14に位置するコア用nMISのゲートGは、例えばSiO膜とHfLaON膜との積層膜からなるゲート絶縁膜5nc、LaO膜からなるキャップ膜6n、およびTiN膜と多結晶Si膜との積層膜からなるゲート電極7で形成される。また、活性領域14に位置するダミー用ゲートDGは、例えばHfAlON膜からなるゲート絶縁膜5pc、AlO膜からなるキャップ膜6p、およびTiN膜と多結晶Si膜との積層膜からなるゲート電極7で形成される。一方、素子分離部2上に位置するコア用nMISのゲートGおよびダミー用ゲートDGは、例えばHfLaON膜からなるゲート絶縁膜5ncおよび多結晶Si膜からなるゲート電極7、またはHfAlON膜からなるゲート絶縁膜5pcおよび多結晶Si膜からなるゲート電極7で形成される。
【0133】
このように、本実施の形態3によれば、素子分離部2で囲まれた活性領域14において、nチャネル型HK/MGトランジスタのゲートGが形成される領域には、Nch用ゲートスタック構造NGのゲートGを構成する積層膜を成膜し、それ以外の領域には、Pch用ゲートスタック構造PGのゲートGを構成する積層膜を成膜する。さらに、素子分離部2上には、Nch用ゲートスタック構造NGから金属材料を除去した多結晶Si膜またはPch用ゲートスタック構造PGから金属材料を除去した多結晶Si膜を成膜する。これにより、素子分離部2からnチャネル型HK/MGトランジスタのゲートGが形成される領域へ引き寄せられる酸素原子の供給量を減少させることができるので、nチャネル型HK/MGトランジスタのしきい値電圧の増加を抑制することができる。
【0134】
(実施の形態4)
本願発明に適用されるHK/MGトランジスタの構造は、前述した実施の形態1で説明したコア用トランジスタまたはI/O用トランジスタに限定されるものではない。実施の形態4によるコア用トランジスタおよびI/O用トランジスタが、前述した実施の形態1によるコア用トランジスタおよびI/O用トランジスタと相違する点はゲート構造であり、実施の形態4によるコア用トランジスタおよびI/O用トランジスタでは、それぞれのゲート電極を金属膜により構成している。
【0135】
すなわち、実施の形態4では、コア用トランジスタおよびI/O用トランジスタのnMISは、酸化膜(SiO膜)と高誘電体膜(HfLaON膜)との積層膜からなるゲート絶縁膜、キャップ膜(LaO膜)、および下層ゲート電極(TiN膜)と中層ゲート電極(pMIS用の仕事関数調整用金属膜)と上層ゲート電極(金属膜)との積層膜からなるゲート電極により構成されるNch用ゲートスタック構造のゲートを有している。また、コア用トランジスタおよびI/O用トランジスタのpMISは、酸化膜(SiO膜)と高誘電体膜(HfON膜)との積層膜からなるゲート絶縁膜、中層ゲート電極(pMIS用の仕事関数調整用金属膜)と上層ゲート電極(金属膜)との積層膜からなるゲート電極により構成されるPch用ゲートスタック構造のゲートを有している。
【0136】
このような金属膜のみでゲート電極を構成するHK/MGトランジスタにおいても、本願発明を適用することが可能であり、前述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0137】
次に、実施の形態4による半導体装置の製造方法について図31〜図37を用いて工程順に説明する。図31〜図37は、半導体装置に形成される回路素子のうち、コア用nMIS(Nch Core)、コア用pMIS(Pch Core)、I/O用nMIS(Nch I/O)、I/O用pMIS(Pch I/O)、および抵抗素子(抵抗素子)のゲート長方向に沿った要部断面図を示している。
【0138】
まず、前述した実施例1と同様の製造工程によって、半導体基板1に、素子分離部2を形成し、この素子分離部2によって活性領域を分離して、コア用nMIS形成領域、コア用pMIS形成領域、I/O用nMIS形成領域、およびI/O用pMIS形成領域を形成する。続いて、埋め込みn型ウェル25、p型ウェル26、およびn型ウェル27を形成する。
【0139】
さらに、図31に示すように、コア用nMIS形成領域に、酸化膜5scとHfON膜(後の熱処理によりHfLaON膜28nとなる)との積層膜からなるゲート絶縁膜、LaO膜32、TiN膜50と多結晶Si膜51との積層膜からなるダミーゲート電極、およびダミー絶縁膜52により構成されるダミーゲートが形成される。また、コア用pMIS形成領域に、酸化膜5scとHfON膜28との積層膜からなるゲート絶縁膜、多結晶Si膜51からなるダミーゲート電極、およびダミー絶縁膜52により構成されるダミーゲートが形成される。
【0140】
また、I/O用nMIS形成領域に、酸化膜5sioとHfON膜(後の熱処理によりHfLaON膜28nとなる)との積層膜からなるゲート絶縁膜、LaO膜32、TiN膜50と多結晶Si膜51からなるダミーゲート電極、およびダミー絶縁膜52により構成されるダミーゲートが形成される。また、I/O用pMIS形成領域に、酸化膜5sioとHfON膜28との積層膜からなるゲート絶縁膜、多結晶Si膜51からなるダミーゲート電極、およびダミー絶縁膜52により構成されるダミーゲートが形成される。
【0141】
また、抵抗素子領域に、HfON膜28からなるゲート絶縁膜、多結晶Si膜51からなるゲート電極、およびダミー絶縁膜52により構成されるゲートが形成される。
【0142】
次に、コア用nMIS、コア用pMIS、I/O用nMIS、およびI/O用pMISのダミーゲート、ならびに抵抗素子のゲートの側壁に、例えばSi膜またはSiOからなるオフセットサイドウォール9aを形成する。続いて、コア用nMIS形成領域およびI/O用nMIS形成領域に、ダミーゲートおよびオフセットサイドウォール9aに対して自己整合的にn型拡散領域10を形成する。同様に、コア用pMIS形成領域およびI/O用pMIS形成領域に、ダミーゲートおよびオフセットサイドウォール9aに対して自己整合的にp型拡散領域12を形成する。
【0143】
次に、コア用nMIS、コア用pMIS、I/O用nMIS、およびI/O用pMISのダミーゲート、ならびに抵抗素子のゲートの側壁にオフセットサイドウォール9aを介してサイドウォール9を形成する。続いて、コア用nMIS形成領域およびI/O用nMIS形成領域に、ダミーゲートおよびサイドウォール9に対して自己整合的にn型拡散領域11を形成する。同様に、コア用pMIS形成領域およびI/O用pMIS形成領域に、ダミーゲートおよびサイドウォール9に対して自己整合的にp型拡散領域13を形成する。
【0144】
次に、熱処理を行う。この熱処理によって、n型拡散領域10およびn型拡散領域11に導入されたn型不純物を活性化させて、コア用nMISおよびI/O用nMISのそれぞれのソース領域およびドレイン領域を形成し、p型拡散領域12およびp型拡散領域13に導入されたp型不純物を活性化させて、コア用pMISおよびI/O用pMISのそれぞれのソース領域およびドレイン領域を形成する。また、同時に、この熱処理により、LaO膜32からLaがHfON膜へ熱拡散して、コア用nMIS形成領域およびI/O用nMIS形成領域のHfON膜はHfLaON膜28nとなる。このとき、LaO膜32が残るように熱処理を行っても良いが、LaO膜32のすべてが反応するように熱処理を行っても良い。以降の図では、LaO膜32が一部残る場合を図示している。
【0145】
次に、ソース領域およびドレイン領域の表面にNiSi膜36を形成する。NiSi膜36に代えて、例えばNiPtSi膜などを使用することもできる。
【0146】
次に、図32に示すように、半導体基板1の主面上に、Si膜37を堆積する。Si膜37は、例えばCVD法を用いて形成される。続いて、Si膜37上に層間絶縁膜38を形成し、その表面を、例えばCMP法を用いて平坦化する。層間絶縁膜38は、例えばプラズマCVD法を用いて形成されるTEOS膜である。
【0147】
次に、図33に示すように、多結晶Si膜51が露出するまで、層間絶縁膜38、Si膜37、およびダミー絶縁膜52を、例えばCMP法を用いて研磨する。
【0148】
次に、図34に示すように、コア用nMIS形成領域、コア用pMIS形成領域、I/O用nMIS形成領域、およびI/O用pMIS形成領域の多結晶Si膜51を除去する。このとき、抵抗素子領域はレジスト膜等で覆っておく。これにより、コア用nMIS形成領域、コア用pMIS形成領域、I/O用nMIS形成領域、およびI/O用pMIS形成領域のそれぞれのダミーゲートが形成された箇所には、凹部55が形成され、抵抗素子領域の多結晶Si膜51は残存する。コア用nMIS形成領域およびI/O用nMIS形成領域の凹部55の底面には、TiN膜50が露出しており、コア用pMIS形成領域およびI/O用pMIS形成領域の凹部55の底面には、HfON膜28が露出している。
【0149】
次に、図35に示すように、半導体基板1の主面上に、コア用pMISおよびI/O用pMISの仕事関数を調整するための第1金属膜56を堆積する。第1金属膜56は、例えばTiN膜である。その厚さは、例えば15nmであり、凹部55の内部を完全に埋め込まない厚さである。続いて、第1金属膜56上に、凹部55の内部を埋め込むように第2金属膜57を形成する。第2金属膜57は、例えばAlを含む金属膜であり、その厚さは、例えば100nmである。
【0150】
次に、図36に示すように、第1金属膜56および第2金属膜57を、例えばCMP法を用いて研磨することにより、凹部55の内部に第1金属膜56および第2金属膜57を埋め込む。
【0151】
これにより、コア用nMIS形成領域に、酸化膜5scとHfLaON膜28n(高誘電体膜)との積層膜からなるゲート絶縁膜、LaO膜32(キャップ膜)、およびTiN膜50(下層ゲート電極)と第1金属膜56(中層ゲート電極)と第2金属膜57(上層ゲート電極)との積層膜からなるゲート電極により構成されるNch用ゲートスタック構造のゲートが形成される。また、コア用pMIS形成領域に、酸化膜5scとHfON膜28(高誘電体膜)との積層膜からなるゲート絶縁膜、および第1金属膜56(中層ゲート電極)と第2金属膜57(上層ゲート電極)との積層膜からなるゲート電極により構成されるPch用ゲートスタック構造のゲートが形成される。
【0152】
また、I/O用nMIS形成領域に、酸化膜5sioとHfLaON膜28nとの積層膜からなるゲート絶縁膜、LaO膜32、およびTiN膜50と第1金属膜56と第2金属膜57との積層膜からなるゲート電極により構成されるNch用ゲートスタック構造のゲートが形成される。また、I/O用pMIS形成領域に、酸化膜5sioとHfON膜28との積層膜からなるゲート絶縁膜、および第1金属膜56と第2金属膜57との積層膜からなるゲート電極により構成されるPch用ゲートスタック構造のゲートが形成される。
【0153】
また、抵抗素子形成領域に、HfON膜28からなるゲート絶縁膜、および多結晶Si膜51からなるゲート電極により構成されるNch用ゲート構造のゲートが形成される。
【0154】
次に、図37に示すように、半導体基板1の主面上に、層間絶縁膜58を形成した後、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜38,58およびSi膜37に接続孔39を形成する。続いて、接続孔39の内部にプラグ40を形成した後、配線43を形成する。この後、さらに上層の配線を形成するが、ここでの説明は省略する。
【0155】
以上の製造工程により、実施の形態4による半導体装置(コア用nMIS、コア用pMIS、I/O用nMIS、I/O用pMIS、および抵抗素子)が略完成する。
【0156】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、ゲート絶縁膜を比誘電率の高いHigh−k材料で構成し、ゲート電極をメタル材料で構成するHK/MGトランジスタを有する半導体装置およびその製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0158】
1 半導体基板
2 素子分離部
3 p型ウェル
4 n型ウェル
5nc,5nio,5pc,5pio ゲート絶縁膜
5sc,5sio 酸化膜
5hn,5hp 高誘電体膜
6n,6p キャップ膜
7 ゲート電極
7D 下層ゲート電極
7U 上層ゲート電極
8 シリサイド膜
9a オフセットサイドウォール
9 サイドウォール
10 n型拡散領域
11 n型拡散領域
12 p型拡散領域
13 p型拡散領域
14 活性領域
16 Si
17 層間絶縁膜
20 SiO
21 Si
22 レジストパターン
23 溝
24 酸化膜
25 埋め込みn型ウェル
26 p型ウェル
27 n型ウェル
28 HfON膜
28p HfAlON膜
28n HfLaON膜
29 AlO膜
30 TiN膜
31 レジストパターン
32 LaO膜
33 TiN膜
34 多結晶Si膜
36 NiSi膜
37 Si
38 層間絶縁膜
39 接続孔
40 プラグ
40a TiN膜
40b W膜
41 配線用絶縁膜
42 配線溝
43 配線
50 TiN膜
51 多結晶Si膜
52 ダミー絶縁膜
55 凹部
56 第1金属膜
57 第2金属膜
58 層間絶縁膜
C1 半導体装置
C2 メモリ回路
C3 プロセッサ回路
C4 I/O回路
C5 周辺装置
DG ダミー用ゲート
G ゲート
Ga1,Ga2 領域
IS 素子分離部
L 素子分離部の幅
NG Nch用ゲートスタック構造
NGa1,NGa2 領域
ODx 素子分離部の幅
PG Pch用ゲートスタック構造
RNG Nch用ゲート構造
31 レジストパターン
RPG Pch用ゲート構造
SA,SB 距離
Wd ゲート幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
nチャネル型電界効果トランジスタを有する半導体装置であって、
半導体基板の主面に形成された酸素原子を含む絶縁膜からなる素子分離部と、
前記半導体基板の主面に形成され、前記素子分離部に囲まれた活性領域と、
前記活性領域および前記素子分離部の上に連続して形成された所定のゲート幅を有するゲート電極と、
前記ゲート電極と前記活性領域との間に形成されたLaとHfとを含む第1絶縁膜と、
前記ゲート電極と前記素子分離部との間に形成された、Hfを含み、Laを含まないまたは前記第1絶縁膜よりもLaの濃度が低い第2絶縁膜と、
前記ゲート電極の下の前記活性領域に形成されたチャネル領域と、
前記チャネル領域を挟んで、前記ゲート電極の両側の前記活性領域に形成されたn型導電性を示すソース領域およびドレイン領域と、
を含み、さらに、
前記ゲート電極と所定の間隔をあけて並行して形成され、その一部が前記ゲート電極のゲート長方向における前記ゲート電極の端部と前記素子分離部との間の前記活性領域の上に形成されたダミー用ゲートと、
前記ダミー用ゲートと前記活性領域との間に形成され、Hfを含み、Laを含まないまたは前記第1絶縁膜よりもLaの濃度が低い前記第2絶縁膜と、
を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、前記活性領域と前記第1絶縁膜との間に、酸化膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置において、前記第1絶縁膜と前記ゲート電極との間にLaO膜が形成され、前記第2絶縁膜と前記ゲート電極との間にAlO膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は、SiOよりも比誘電率が高い絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1記載の半導体装置において、前記ゲート電極は、金属膜の上に多結晶Si膜を重ねた積層膜からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1記載の半導体装置において、前記ゲート電極のゲート幅方向における前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との境界は、前記素子分離部の上にあることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1記載の半導体装置において、
前記活性領域の上に形成された前記ゲート電極は、金属膜の上に多結晶Si膜を重ねた積層膜からなり、前記素子分離部の上に形成された前記ゲート電極は、多結晶Si膜からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1記載の半導体装置において、
前記活性領域の上に形成された前記ゲート電極および前記ダミー用ゲートは、金属膜の上に多結晶Si膜を重ねた積層膜からなり、前記素子分離部の上に形成された前記ゲート電極および前記ダミー用ゲートは、多結晶Si膜からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
nチャネル型電界効果トランジスタを形成する半導体装置の製造方法であって、
(a)半導体基板の主面の活性領域の周囲に、酸素原子を含む絶縁膜からなる素子分離部を形成する工程と、
(b)前記活性領域の表面に第1酸化膜を形成する工程と、
(c)前記(b)工程の後、前記活性領域上および前記素子分離部上にHfを含む第3絶縁膜を形成する工程と、
(d)前記活性領域内の後の工程でゲート電極が形成される第1幅を有する第1領域の前記第3絶縁膜上にLaを含む第1キャップ膜を形成する工程と、
(e)前記活性領域内の前記第1領域を除いた第2領域および前記素子分離部が形成された第3領域の前記第3絶縁膜上にAlを含む第2キャップ膜を形成する工程と、
(f)熱処理を行い、前記第1キャップ膜に含まれるLaを前記第1領域の前記第3絶縁膜に拡散させて、LaとHfとを含む第1絶縁膜を形成し、前記第2キャップ膜に含まれるAlを前記第2領域および前記第3領域の前記第3絶縁膜に拡散させて、AlとHfとを含む第2絶縁膜を形成する工程と、
(g)前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜の上に金属膜および多結晶Si膜を順次形成する工程と、
(h)エッチングによって、前記多結晶Si膜と前記金属膜とからなるゲート電極を前記活性領域および前記素子分離部の上に連続して形成し、前記ゲート電極と前記第1領域の前記活性領域との間に前記第1絶縁膜と前記第1酸化膜からなる第1ゲート絶縁膜を形成し、前記ゲート電極と前記素子分離部との間に前記第2絶縁膜からなる第2ゲート絶縁膜を形成する工程と、
(i)前記ゲート電極の両側の前記活性領域に不純物を導入して、ソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記(h)工程は、
(h1)前記エッチングによって、前記多結晶Si膜と前記金属膜とからなるダミー用ゲートを、前記活性領域および前記素子分離部の上に連続してかつ前記ゲート電極と所定の間隔をあけて並行して形成し、前記ダミー用ゲートと前記第2領域の前記活性領域との間に前記第2絶縁膜と前記第1酸化膜からなる第3ゲート絶縁膜を形成し、前記ダミー用ゲートと前記素子分離部との間に前記第2絶縁膜からなる前記第2ゲート絶縁膜を形成する工程と、
をさらに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は、SiOよりも比誘電率が高い絶縁膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極のゲート幅方向における前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との境界は、前記素子分離部の上にあることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極のゲート幅方向における前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との境界は、前記活性領域と前記素子分離部との境界から合わせ余裕を考慮した所定の寸法分と同じ距離を前記素子分離部側へずらした位置にあることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極のゲート幅方向における前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との境界は、前記活性領域と前記素子分離部との境界から合わせ余裕を考慮した所定の寸法分よりも大きい距離を前記素子分離部側へずらした位置にあることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極のゲート長方向における前記第1領域の前記第1幅は、前記ゲート電極のゲート長方向の幅に、合わせ余裕を考慮した所定の寸法分を加えた幅であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
nチャネル型電界効果トランジスタを形成する半導体装置の製造方法であって、
(a)半導体基板の主面の活性領域の周囲に、酸素原子を含む絶縁膜からなる素子分離部を形成する工程と、
(b)前記活性領域の表面に第1酸化膜を形成する工程と、
(c)前記(b)工程の後、前記活性領域上および前記素子分離上にHfを含む第3絶縁膜を形成する工程と、
(d)前記活性領域内の後の工程でゲート電極が形成される第1幅を有する第1領域の前記第3絶縁膜上にLaを含む第1キャップ膜を形成する工程と、
(e)前記活性領域内の前記第1領域を除いた第2領域および前記素子分離部が形成された第3領域の前記第3絶縁膜上にAlを含む第2キャップ膜を形成する工程と、
(f)熱処理を行い、前記第1キャップ膜に含まれるLaを前記第1領域の前記第3絶縁膜に拡散させて、LaとHfとを含む第1絶縁膜を形成し、前記第2キャップ膜に含まれるAlを前記第2領域および前記第3領域の前記第3絶縁膜に拡散させて、AlとHfとを含む第2絶縁膜を形成する工程と、
(g)前記活性領域の前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜の上に金属膜および多結晶Si膜を順次形成し、前記素子分離部の前記第2絶縁膜の上に前記多結晶Si膜を形成する工程と、
(h)エッチングによって、前記活性領域では前記多結晶Si膜と前記金属膜とからなり、前記素子分離部では前記多結晶Si膜からなるゲート電極を前記活性領域および前記素子分離部の上に連続して形成し、前記ゲート電極と前記第1領域の前記活性領域との間に前記第1絶縁膜と前記第1酸化膜からなる第1ゲート絶縁膜を形成し、前記ゲート電極と前記素子分離部との間に前記第2絶縁膜からなる第2ゲート絶縁膜を形成する工程と、
(i)前記ゲート電極の両側の前記活性領域に不純物を導入して、ソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16記載の半導体装置の製造方法において、前記(h)工程は、
(h1)前記エッチングによって、前記活性領域では前記多結晶Si膜と前記金属膜とからなり、前記素子分離部では前記多結晶Si膜からなるダミー用ゲートを、前記活性領域および前記素子分離部の上に連続してかつ前記ゲート電極と所定の間隔をあけて並行して形成し、前記ダミー用ゲートと前記第2領域の前記活性領域との間に前記第2絶縁膜と前記第1酸化膜からなる第3ゲート絶縁膜を形成し、前記ダミー用ゲートと前記素子分離部との間に前記第2絶縁膜からなる前記第2ゲート絶縁膜を形成する工程と、
をさらに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項16記載の半導体装置の製造方法において、前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は、SiOよりも比誘電率が高い絶縁膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項16記載の半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極のゲート幅方向における前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との境界は、前記素子分離部の上にあることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項16記載の半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極のゲート幅方向における前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との境界は、前記活性領域と前記素子分離部との境界から合わせ余裕を考慮した所定の寸法分と同じ距離を前記素子分離部側へずらした位置にあることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項21】
請求項16記載の半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極のゲート幅方向における前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との境界は、前記活性領域と前記素子分離部との境界から合わせ余裕を考慮した所定の寸法分よりも大きい距離を前記素子分離部側へずらした位置にあることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項22】
請求項16記載の半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極のゲート長方向における前記第1領域の前記第1幅は、前記ゲート電極のゲート長方向の幅に、合わせ余裕を考慮した所定の寸法分を加えた幅であることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2012−119383(P2012−119383A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265403(P2010−265403)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】