説明

電界効果トランジスタとその製造方法、及び半導体装置

【課題】ソフトエラーレートを向上させる電界効果トランジスタを提供すること
【解決手段】本発明による電界効果トランジスタ1は、第1の空洞51を有する基板10と、ゲート電極40と、拡散層60とを備える。ゲート電極40及び拡散層60は、基板10の表面に平行な面XYにおいて、第1の空洞51を囲むように形成される。チャネル領域70は、第1の空洞51の側面に位置し、基板10の表面に対して略垂直に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランジスタ技術に関する。特に、本発明は、電界効果トランジスタとその製造方法、及びそれを用いた半導体装置及び半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置に放射線(宇宙線、熱中性子、α線等)が入射すると、シリコン基板との衝突によって電子・正孔対が生成される。発生した電子・正孔が拡散層で収集されると、ノードの電位が変化する原因となる。電荷収集メカニズムのうち、ノードの電位変化に最も寄与するのは、ドレイン領域直下のファネリングによるものである。ノードの電位変化によりメモリセルデータが書き換えられる現象は、「ソフトエラー」と呼ばれている。特に、最近デバイスの微細化が進んでおり、この放射線に起因する電子・正孔の影響は顕著になってきている。
【0003】
特許文献1には、シングルイベントアップセット(ソフトエラー)耐性を強化することを目的とした技術が開示されている。この特許文献1に開示された半導体装置によれば、ソース領域及びドレイン領域下部のドレイン空乏層直下の領域に、高密度欠陥層が形成されている。この高密度欠陥層は、再結合中心として働き、少数キャリアの再結合を促進する。
【0004】
また、一般的な技術として、特許文献2及び特許文献3には、縦型電界効果トランジスタが開示されている。縦型電界効果トランジスタにおいては、キャリアの移動方向(導通方向)は基板表面に対して垂直である。
【0005】
非特許文献1には、パフォーマンスの向上を目的としたSON(Silicon on Nothing)−MOSトランジスタが開示されている。このSON−MOSトランジスタは、ESS(Empty Space in Silicon)技術に基づいて製造される。この文献に記載されたSON−MOSトランジスタにおいては、基板上にゲート電極が形成され、チャネル領域の下方にESS構造が形成されている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−12547号公報
【特許文献2】特開平5−198817号公報
【特許文献3】特開2002−26279号公報
【非特許文献1】T. Sato et al., "SON (Silicon on Nothing) MOSFET using ESS (Empty Space in Silicon) technique for SoC applications", IEEE, IEDM 01-809, 37.1.1-37.1.4, 2001.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
基板に入射した放射線によって電子・正孔対が生成され、ソフトエラーが発生していた。よって、ソフトエラーレート(SER: Soft Error Rate)を向上させることができる技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0009】
本発明に係る電界効果トランジスタ(1)は、基板(10)に埋め込まれたゲート電極(40)と、基板(10)中に空洞(50)として形成された空洞形成領域と、基板(10)中に拡散層(60)として空洞形成領域と接触するように形成された拡散領域とを有する。より具体的には、本発明に係る電界効果トランジスタ(1)は、第1の空洞(51)を有する基板(10)を備える。チャネル領域(70)は、第1の空洞(51)の側面に位置し、基板(10)の表面に対して略垂直に形成される。そのため、ゲート電極(40)は、基板(10)中に埋め込まれ、上記チャネル領域(70)の側面にゲート絶縁膜(30)を介して形成される。拡散層(60)は、基板(10)中において、チャネル領域(70)に接続するように形成される。すなわち、ゲート電極(40)及び拡散層(60)は、基板(10)の表面に平行な面(XY)において、第1の空洞(51)の側面を囲むように形成される。
【0010】
このような構造によって、SERを誘発する電子・正孔対の発生源となる基板が、チャネル領域(70)周辺からほぼ排除される。電子・正孔対の発生源が、拡散層(60)やチャネル領域(70)からほぼ完全に分離される。従って、SERの発生が大幅に抑制され、SERの向上が実現される。特に、最近デバイスの微細化が進んでおり、本発明に係る技術は優れた効果を奏する。
【0011】
また、チャネル領域(70)は、基板(10)に対して略垂直に形成される。この時、ゲート幅Wは、基板(10)に垂直な方向(深さ方向Z)の長さとなる。従って、上から見た拡散層(60)及びゲート電極(40)等の面積を、必要最低限まで小さくすることが可能となる。よって、デバイスの面積が縮小する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電界効果トランジスタ及び半導体装置によれば、SER耐性が向上する。また、デバイス面積を縮小することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明による電界効果トランジスタとその製造方法、及び半導体装置を説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
(構造)
図1は、本実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造を示す全体図である。図1において、基板10の表面に対して垂直な方向(あるいは深さ方向)がZ方向として定義される。また、Z方向に直角であり、且つ、互いに直角な2方向が、X方向及びY方向として定義される。つまり、基板10の表面に平行な面は、XY面として表される。
【0015】
図1において、基板10には、素子領域を分離する素子分離構造として、STI20が形成されている。このSTI20に囲まれた素子領域に、電界効果トランジスタ1が形成されている。この電界効果トランジスタ1は、ゲート絶縁膜30、ゲート電極40、拡散層(ソース、ドレイン)60を有している。
【0016】
本発明において、ゲート絶縁膜30とゲート電極40の少なくとも一部は、基板10に埋め込まれており、少なくとも拡散層60と同じ深さに達するように形成されている。また、ゲート絶縁膜30及びゲート電極40は、拡散層60からY方向に位置している。このような構造により、チャネルが形成されるチャネル領域70は、基板10の表面に対して略垂直なXZ面に形成される。また、導電方向(キャリアの移動方向)は、基板10の表面に対して略平行なX方向に沿うようになる。逆に言えば、チャネル領域70がこのように形成されるように、ゲート電極40、ゲート絶縁膜30、及び拡散層60が配置されている。この時、ゲート幅Wは、基板10の表面に平行なY方向ではなく、基板10に垂直なゲート電極40のZ方向の深さとして定義される。ゲート長Lは、ゲート電極40のX方向の長さとして定義される。
【0017】
また、本発明において、素子領域に対応した基板10には、空洞50が形成されている。この空洞50は、第1の空洞51と第2の空洞52を含んでいる。第1の空洞51は、拡散層60に挟まれるように、また、基板10の表面に達するように形成されている。第2の空洞52は、第1の空洞51とつながり、拡散層60の下端に接触するように形成されている。
【0018】
図2は、電界効果トランジスタ1の構造を示す平面図であり、基板10の表面に平行なXY面におけるSTI20、ゲート絶縁膜30、ゲート電極40、第1の空洞51、拡散層60、及びチャネル領域70の配置を示している。本発明によれば、ゲート絶縁膜30とゲート電極40と拡散層60は、XY面において第1の空洞51を囲むように形成されている。例えば、図2において、ゲート絶縁膜30とゲート電極40と拡散層60は、XY面において第1の空洞51をコの字型に囲むように形成されている。
【0019】
より詳細には、チャネル領域70は、第1の空洞51の側面(Y方向)に位置している。チャネル領域70から更にY方向には、ゲート絶縁膜30を介してゲート電極40が形成されている。このように、ゲート電極40は、第1の空洞51から離れて形成されている。チャネル領域70は、基板10の表面に平行なXY面において、ゲート絶縁膜30と第1の空洞51に挟まれている。尚、図2においては、ゲート絶縁膜30は、ゲート電極40の全側面を囲むように形成されている。
【0020】
一方、拡散層60は、第1の空洞51の側面(X方向)に位置している。ここで、拡散層60は、第1の空洞51に隣接して形成されることが好ましい。電荷を保持する拡散層60が基板10に接触していないので、基板10で発生した正孔または電子が拡散層に到達できず、ファネリングも発生しないので、ソフトエラーが大幅に減少する。また、拡散層60は、STI20に隣接するように形成されている。尚、STI20に放射線が入射し、正孔電子対が発生しても、絶縁膜のバンドギャップを越えることはない。図2において、2つの拡散層60のうち一方がソースであり他方がドレインである。つまり、第1の空洞51は、ソース/ドレインに挟まれている。逆に言えば、ソース/ドレインは、X方向に沿って第1の空洞51を挟むように形成されている。このように形成されたソース/ドレインが、チャネル領域70に接続している。本実施の形態によれば、チャネル領域70に接しているドレインとソース間のX方向の間隔Lがチャネル長として定義される。
【0021】
以下、本実施の形態に係る電界効果トランジスタ1の構造を更に詳しく説明する。図3Aは、図2における線A−A’に沿った構造を示す断面図であり、電界効果トランジスタ1のYZ面における構造を示している。また、図3Bは、図2における線B−B’に沿った構造を示す断面図であり、電界効果トランジスタ1のXZ面における構造を示している。
【0022】
図3Aに示されるように、STI20で区切られた素子領域に、ゲート電極40が形成されている。このゲート電極40は「埋め込みゲート構造」を有している。すなわち、ゲート電極40の一部は、基板10に埋め込まれており、基板表面Sよりも下方に達している。本実施の形態によれば、このゲート電極40の深さ、すなわち、基板表面Sからゲート電極40の底面40sまでの長さが、ゲート幅Wとして定義される。
【0023】
また、図3Aにおいて、ゲート電極40は基板表面Sから(−Z方向に)突出するように形成されている。そして、ゲート電極40の突出した部分は、サイドウォール45によって囲まれている。ゲート電極40は、必ずしも基板表面Sから上方に突出してなくてもよい。しかしながら、後述されるように、サイドウォール45が形成されることによって、空洞50の形成、及びチャネル領域70の確保が容易になる。従って、ゲート電極40の一部のみが基板10に埋め込まれ、突出した部分の側面にサイドウォール45が形成されることが好適である。
【0024】
ゲート絶縁膜30は、ゲート電極40の側面及び底面を覆うように形成されている。チャネル領域70は、このゲート絶縁膜30を介してゲート電極40の側面(−Y方向)に形成される。また、チャネル領域70は、サイドウォール45の下方に位置する。
【0025】
更に、素子領域にあたる基板10には、空洞50が形成されている。この空洞50は、第1の空洞51と第2の空洞52を含んでいる。第1の空洞51は、基板表面Sからほぼ垂直下方(Z方向)に形成されている。また、第1の空洞51の側面には保護膜55が形成されている。第1の空洞51(保護膜55)とゲート電極40(ゲート絶縁膜33)の間に、チャネル領域70が形成される。一方、第2の空洞52は、第1の空洞51の底面51sから更に下方へ延びるように形成されている。
【0026】
図3Aに示されるように、本実施の形態においては、第1の空洞51は、ゲート電極40よりも深く形成されている。つまり、第1の空洞51の底面51sは、ゲート電極40の底面40sよりも深い位置にある。第1の空洞51の基板表面Sからの深さDは、ゲート幅Wよりも大きい(D>W)。第1の空洞51は、エッチングによりほぼ垂直方向に沿って形成されるため、この深さDの制御は容易である。また、図3Aに示されるように、第2の空洞52は、ゲート電極40の下方において、STI20に達しないように形成されている。これにより、第2の空洞52とSTI20との間の基板10に経路90が確保される。つまり、以上に示された構造によって、チャネル領域70が下方の基板から完全に分離されることなく、キャリアが抜けることができる経路90が確保される。チャネル領域70と下方の基板は導通する。従って、基板浮遊効果(floating body effect)が防止されるという副次的効果が期待できる。しかし、SER対策をより完全にするためには、極力、チャネル領域70と拡散層60との接触面積を小さくすることが有効であるため、第1の空洞51が、ゲート幅Wと等しいか、またはそれより浅く形成されても構わない。ただし、その場合には、ゲート電極40が、第2の空洞52を形成するときに、ダメージを受けることのないように、ゲート絶縁膜30がエッチング保護膜となるような、たとえば、High−K絶縁膜などの高誘電率材料の絶縁膜をゲート電極40の周囲に用いることが望ましい。
【0027】
基板表面Sの全面には、層間絶縁膜80が形成されている。
【0028】
また、図3Bに示されるように、拡散層60(ソース/ドレイン)が第1の空洞51に隣接して形成されている。ここで、ソース及びドレインは、ほぼ同じ深さに形成されている。すなわち、本実施の形態に係る電界効果トランジスタ1は、縦型MOSトランジスタではない。キャリアの移動方向(導電方向)は、X方向である。ソース及びドレインは、基板表面Sに垂直な方向(Z方向)に延びる第1の空洞を挟むように形成されている。
【0029】
図3Bにおいて、第2の空洞52は、拡散層60の下端と接触するように形成されている。また、第2の空洞52は、拡散層60の下方において、STI20に達するように形成されている。よって、拡散層60の下方において、チャネル領域70と、下方の基板とは完全に分離される。これにより、SERを誘発する電子・正孔対の発生源となる基板10中の領域が、チャネル領域70周辺からほぼ排除される。従って、SERの発生が大幅に抑制され、SERの向上が実現される。尚、本実施の形態によれば、STI20の最外壁には、熱酸化膜21が形成されている。その理由は以下の通りである。一般的に素子分離構造は、CVD法を用いてトレンチ内を膜で埋めることによって形成される。単なる蒸着膜と周辺基板との密着性は必ずしも良好ではない。よって、拡散層60が形成される部分とSTI20との密着性を向上させるために、STI20の最外壁には、熱酸化膜21が形成されている。これにより、拡散層60の形成される部分が、空洞50内へ落下することが防止される。
【0030】
また、拡散層60とゲート電極40の上部はシリサイド化されていてもよい。つまり、拡散層60とゲート電極40の上部にショットキー接合が形成されていてもよい。これによっても、基板電位を固定することが出来、基板浮遊効果を抑制することができる。
【0031】
以上に説明された電界効果トランジスタ1の動作は、次の通りである。この電界効果トランジスタ1がN型である場合、例えば、ゲート電極40及びドレインに0.5〜0.8Vの電位が印加される。ソース及び基板に0Vの電位が印加される。これにより、上述の通り、チャネル領域70が基板10の表面に垂直に(XZ面に)形成される。
【0032】
(効果)
このような構造によって、SERを誘発する電子・正孔対の発生源となる基板10中の領域が、チャネル領域70周辺からほぼ排除される。電子・正孔対の発生源が、拡散層60やチャネル領域70からほぼ完全に分離される。ファネリングによる電荷収集はノードの電位変化に最も寄与するが、本発明によれば、拡散領域の周辺からシリコン基板が排除されている。従って、SERの発生が大幅に抑制され、SERの向上が実現される。特に、最近デバイスの微細化が進んでおり、本発明に係る技術は優れた効果を奏する。尚、本発明において、第2の空洞52が形成されずに、第1の空洞51だけが形成されてもよい。このような構造によっても、SERの発生がある程度抑制される。
【0033】
また、チャネル領域70は、基板10の表面に対して略垂直に形成される。ゲート幅Wは、深さ方向(Z方向)の幅である。従って、XY面における(上面から見た)拡散層60やゲート電極40の面積を可能な限り小さくすることが可能となる。これにより、電界効果トランジスタ1の面積、すなわち半導体装置の面積が縮小される。
【0034】
更に、拡散層60は、空洞50に隣接して形成される。従って、リーク電流が低減される。また、拡散層容量が低減され、素子のスイッチング動作が高速化される。
【0035】
(製造方法)
図4A〜図4Jは、本発明に係る電界効果トランジスタ1を製造する工程を示している。図4A〜図4Jにおいて、左側には図3Aに対応した断面図(YZ面)が示されており、右側には図3Bに対応した断面図(XZ面)が示されている。
【0036】
まず、図4Aに示されるように、基板10中の所定の領域に、素子分離構造としてのSTI20が形成される。具体的には、トレンチエッチングの後、熱酸化処理が施され、まず熱酸化膜21がトレンチの内壁に形成される。その後、CVD法によって、埋め込み絶縁膜22がトレンチ内部に蒸着される。これにより、STI20が完成する。熱酸化膜21が形成される理由は、以下の通りである。CVD法によって形成される膜は、単なる蒸着膜であり、密着性が低い。上述のように、本発明によれば、STI20は空洞50に露出する。また、拡散層60が形成される部分は、下方の基板から分離され、STI20に付着している。この拡散層60が形成される部分も、空洞50に露出する。よって、拡散層60あるいはSTI20自身が剥がれて空洞50に落下しないように、STI20と周辺領域との密着性を高める必要がある。従って、密着性の高い熱酸化膜21が、素子分離構造の“殻”として形成される。
【0037】
次に、CVD法によって窒化膜25が全面に堆積される。続いて、所定のマスクを用いて、窒化膜25と基板10に対してドライエッチングが行われる。これにより、図4Bに示されるように、STI20の横にトレンチ28(ゲート電極用トレンチ)が形成される。トレンチ28の基板表面Sからの深さは、ゲート幅Wである。
【0038】
次に、熱酸化処理が行われ、図4Cに示されるように、トレンチ28の内壁にゲート絶縁膜30が形成される。一般に、窒化膜上には、熱酸化膜があまり形成されない。よって、トレンチ28内に選択的に熱酸化膜(ゲート絶縁膜30)または高誘電率膜(窒化膜など)を形成することが可能である。
【0039】
次に、CVD法によってポリシリコン膜が全面に堆積される。続いて、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によって平坦化が行われる。ここで、窒化膜25はストッパとして働く。これにより、図4Dに示されるように、ゲート電極40が形成される。窒化膜25の存在により、ゲート電極40は基板表面Sから突出している。つまり、埋め込みゲート構造が得られる。
【0040】
次に、窒化膜25が一度除去された後、別の窒化膜が全面に堆積される。その後、エッチバックが行われる。これにより、図4Eに示されるように、基板表面Sから突出したゲート電極40の側面にサイドウォール45が形成される。このサイドウォール45は、チャネル領域70を確保するために好適である。このサイドウォール45の下方の領域が、チャネル領域70となる。
【0041】
次に、レジストマスクを用いて、サイドウォール45に隣接する領域がエッチングされる。これにより、図4Fに示されるように、サイドウォール45と自己整合的に第1の空洞51が形成される。但し、図の右側(XZ面)に示されるように、拡散層60が形成される領域(以下、拡散層形成領域と参照される)は残されている。本実施の形態においては、第1の空洞51は、その基板表面Sからの深さDが、ゲート電極40の基板表面Sからの深さWよりも大きくなるように形成されている。
【0042】
次に、図4Gに示されるように、エッチバックプロセスによって、第1の空洞51の側壁に保護膜55が形成される。保護膜55は、酸化膜あるいは窒化膜である。
【0043】
次に、基板10に対する等方性エッチングが行われ、空洞が更に下方へ拡張される。これにより、図4Hに示されるように、第1の空洞51につながる第2の空洞52が形成される。ここで、前工程で形成された保護膜55は、等方性エッチングによって第1の空洞51の側壁が崩れることを防止している。第2の空洞52は、ゲート電極40の下方においては(YZ面)、STI20に達しないように形成される。これにより、上述の経路90が確保され、基板浮遊効果が抑制される。また、第2の空洞52は、拡散層形成領域の下方においては、STI20に達するように形成される。これにより、拡散層形成領域が、下方の基板から分離される。
【0044】
次に、図4Iに示されるように、第1の空洞51に隣接するチャネル領域以外の領域(拡散層形成領域)に、イオン注入によって拡散層60が形成される。その後、拡散層60上部及びゲート電極40上部がシリサイド化され、ショットキー接合が形成されてもよい。本実施の形態で示されたように、第2の空洞52が形成された後、分離した拡散層形成領域の全体にわたって不純物イオンが注入されると好適である。これにより、形成された拡散層60の下方に余計な基板10が残ることが防止される。従って、SERの発生がより低減される。
【0045】
次に、図4Jに示されるように、層間絶縁膜80が全面に堆積される。ここで、空洞50内部に膜が付着しないように、カバレッジの悪い膜が層間絶縁膜80として堆積される。
【0046】
以上に示された工程の組み合わせにより、本発明に係る電界効果トランジスタ1が形成される。その電界効果トランジスタ1によれば、SER向上及び面積低減ならびに拡散層のリーク電流低減という効果が得られる。尚、第2の空洞52は形成されずに、第1の空洞51だけが形成されてもよい。そのような構造によっても、SERの発生はある程度低減される。
【0047】
(第2の実施の形態)
図5Aは、本発明の第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造を示す断面図である。図5Aは、既出の図3Bに対応する図であり、XZ面における構造を示している。図5Aにおいて、図3Bと同じ構造には同一の符号が付されており、その説明は適宜省略される。また、図5Bは、本実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一部を示す断面図である。図5Bは、既出の図4Iに対応する図である。図5Bにおいて、図4Iと同じ構造には同一の符号が付されており、その説明は適宜省略される。
【0048】
本実施の形態によれば、第1の空洞51の側壁に保護膜55が形成されない。拡散層60の底面だけでなくその側壁も、空洞50に露出する。これにより、ソース−ドレイン間の誘電体の量が減少する。従って、カップリング容量が減少し、素子が高速化されると同時に、相互干渉が低減されるという効果が得られる。当然、第1の実施の形態と同様に、SERの抑制及び面積の縮小といった効果も得られる。
【0049】
(第3の実施の形態)
図6Aは、本発明の第3の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造を示す断面図である。図6Aは、既出の図3Bに対応する図であり、XZ面における構造を示している。図6Aにおいて、図3Bと同じ構造には同一の符号が付されており、その説明は適宜省略される。また、図6Bは、本実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一部を示す断面図である。図6Bは、既出の図4Iに対応する図である。図6Bにおいて、図4Iと同じ構造には同一の符号が付されており、その説明は適宜省略される。
【0050】
本実施の形態によれば、拡散層60の底面は、第2の空洞52まで達していない。つまり、拡散層60は、空洞50とSTI20と層間絶縁膜80に囲まれた領域の一部だけに形成されている。そのため、図6Bに示されるイオン注入工程において、注入イオンのエネルギーが調整されればよい。あるいは、第1の空洞51が形成された後、第2の空洞52が形成されるまでに、拡散層60が形成されてもよい。この場合、第2の空洞52の底面にイオンが注入されることが防止される。このような構造によっても、第1の実施の形態と同様に、SERは大幅に抑制される。また、電界効果トランジスタ1の面積が縮小される。更に、イオン注入エネルギーを調整することにより、電界効果トランジスタ1の深さ方向のサイズ(W寸法)の微調整が可能となる。
【0051】
(第4の実施の形態)
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造を示す断面図である。図7は、既出の図3Aに対応する図であり、YZ面における構造を示している。図7において、図3Aと同じ構造には同一の符号が付されており、その説明は適宜省略される。
【0052】
図7に示されるように、本実施の形態においては、ゲート電極40は、第1の空洞51よりも深く形成されている。つまり、ゲート電極40の底面は、第1の空洞51の底面51sよりも深い位置にある。第1の空洞51の基板表面Sからの深さDは、ゲート幅Wと等しいかこれよりも小さい(D=、<W)。この場合、第2の空洞52は、ゲート絶縁膜30に達するように形成されている。よって、拡散層60及びチャネル領域70は電気を完全に絶縁する空洞50によって下方の基板から完全に分離される。これにより、放射線の入射によって基板10に発生する電子または正孔が拡散層60およびチャネル領域70に入り込むことは一切ないため、ソフトエラーをほぼ完全に防止できる。従って、SERが極めて有効に低減される。尚、本実施の形態においては、ゲート電極40が、第2の空洞52を形成するときに、ダメージを受けることのないように、ゲート絶縁膜30がエッチング保護膜となるような、たとえば、High−K絶縁膜などの高誘電率材料の絶縁膜をゲート電極40の周囲に用いることが望ましい。さらに、拡散層60が基板10と完全に電気絶縁されているため、サイリスタも構成されないため、ラッチアップの発生も抑止できる。このことは、ウェルを階層化してラッチアップ耐性を高くする等の、複雑な製造工程を不要とする。また、本実施の形態に係る製造方法は、第1の実施の形態で示された製造方法と同様である。
【0053】
(第5の実施の形態)
本発明によれば、ゲート絶縁膜30とゲート電極40と拡散層60は、基板10の表面に平行なXY面において第1の空洞51を囲むように形成される。そのレイアウトは様々であり、図2に示されたものに限られない。図8A〜図8Dは、図2に対応した平面図であり、XY面における各領域の配置の例を示している。図8A〜図8Dにおいて、チャネル領域70は、第1の空洞51の側面(Y方向)に位置している。チャネル領域70から更にY方向には、ゲート絶縁膜30を介してゲート電極40が形成されている。
【0054】
図8Aにおいて、拡散層60(ソース/ドレイン)は、空洞51の三辺に沿ってチャネル領域70を挟むように形成されている。且つ、拡散層60は、第1の空洞51のX方向とY方向に位置している。図2に示されたレイアウトと比較して、拡散層60の面積が縮小され、第1の空洞51がX方向に拡張されている。これにより、デバイスの面積を縮小することが可能となる。
【0055】
図8Bにおいては、ゲート電極40だけでなく拡散層60も、第1の空洞51からY方向に位置している。拡散層60は、第1の空洞51に接しているが、ゲート電極40は、第1の空洞51から離れて形成されている。ゲート電極40(ゲート絶縁膜30)と第1の空洞51との間にチャネル領域70が形成される。拡散層60であるソース/ドレインは、そのチャネル領域70をX方向に沿って挟むように形成され、それらソース/ドレイン及びチャネル領域70は、第1の空洞51の同一の側面に沿って形成されている。且つ、ソース/ドレインは、ゲート電極40の周囲にも延びている。つまり、ソース/ドレインは、ゲート電極40をX方向に沿って挟むように形成され、ゲート電極40は、ソース及びドレインの間に位置している。この場合、拡散層60がゲート電極40の両脇まで延びているので、拡散層用のコンタクトを形成することが容易になる。また、拡散層60やチャネル領域70と第1の空洞51との間に、保護膜55が介在してもよい。
【0056】
図8Cにおいても、拡散層60とチャネル領域70は第1の空洞51の同じ側面に沿って形成されている。また、ゲート電極40及び拡散層60が、第1の空洞51からY方向に位置している。拡散層60は、第1の空洞51に接しているが、ゲート電極40は、第1の空洞51から離れて形成されている。ゲート電極40(ゲート絶縁膜30)と第1の空洞51との間にチャネル領域70が形成される。ソース/ドレインは、そのチャネル領域70をX方向に沿って挟むように形成されている。但し、拡散層60は、ゲート電極40の両脇まで延びていない。この場合、ゲート電極40、第1の空洞51、及び拡散層60の全てが矩形であるので、複雑なマスクデータを作成する必要がなくなる。よって、製造が容易になる。第1の空洞51の1側面あたり電界効果トランジスタを少なくとも1個形成することができるので、空洞を多数の電界効果トランジスタで共有でき、トランジスタ面積を縮小できる。また、チャネル領域70の上面にサブストレート電位を接続することにより、図7に例示した第4の実施形態において、基板浮遊効果を全く生じない利点も有する。
【0057】
図8Dにおいても、ゲート電極40及び拡散層60が、第1の空洞51からY方向に位置している。且つ、拡散層60(ソース/ドレイン)は、X方向に沿って第1の空洞51を挟むように形成されている。拡散層60は、第1の空洞51に接しているが、ゲート電極40は、第1の空洞51から離れて形成されている。図8Dにおいて、拡散層60は、2辺において第1の空洞51に接している。また、チャネル領域70のY方向の長さをチャネルとして最低限必要な長さとなるように薄くしている。これによって、チャネルが形成されないSi領域で発生する正孔、電子の発生確率を低減し、ソフトエラーレートを改善することができる。
【0058】
また、上述の通り、本発明によれば、ゲート幅Wは深さ方向(Z方向)の幅である。従って、XY面における拡散層60の面積を可能な限り小さくすることが可能となる。例えば図8Dに示された拡散層60の幅Tは、必要最小限でよい。例えば、XY面における拡散層60の幅Tは、チャネル幅程度に設定される。これにより、電界効果トランジスタ1の面積、すなわち半導体装置の面積が縮小される。
【0059】
(第6の実施の形態)
図9は、本発明に係る電界効果トランジスタ(FET)が複数配置された例を示す平面図である。図9に示された例においては、2つのFET(第1FET、第2FET)が、ゲート電極40を挟んで対向するように配置されている。つまり、1個のゲート電極40が、第1FET及び第2FETによって共通に用いられている。このような配置は、本発明に係るゲート電極40が「埋め込みゲート構造」を有しているからこそ可能な配置である。尚、各々のFETは、上述の実施の形態と同様の構造を有しており、その説明は省略される。
【0060】
(第7の実施の形態)
図10は、本発明の第7の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造を示す断面図である。図10は、既出の図3Aに対応する図であり、YZ面における構造を示している。図10において、図3Aと同じ構造には同一の符号が付されており、その説明は適宜省略される。
【0061】
本実施の形態によれば、上述の経路90に対応する領域に、再結合中心層(recombination center layer)95が形成されている。つまり、ゲート電極40の下方であって、第2の空洞52とSTI20の間の領域に、再結合中心層95が形成されている。この再結合中心層95は、不純物イオンの注入により微小欠陥を生成することによって形成される。この微小欠陥が、再結合中心として働くため、放射線照射によって発生した少数キャリアの再結合が促進される(特許文献1参照)。従って、キャリアのライフタイムが短くなる。すなわち、ソフトエラーの発生が更に抑制され、SERが更に向上する。
【0062】
(第8の実施の形態)
上述の第1〜第7の実施の形態で示された電界効果トランジスタ1を用いることにより、様々な半導体装置が作製される。図11は、本発明に係る半導体装置の構造を示す平面図(XY面)である。この半導体装置100は、上述の電界効果トランジスタ(以下、FETと参照される)1を複数備えている。この半導体装置100は、例えばゲートアレイや論理回路である。
【0063】
図11において、FET1aは、ゲート電極40a、拡散層60a、60ab、及び第1の空洞51aを有している。FET1bは、ゲート電極40b、拡散層60ab、60bd、及び第1の空洞51bdを有している。FET1cは、ゲート電極40c、拡散層60c、60cd、及び第1の空洞51cを有している。FET1dは、ゲート電極40d、拡散層60bd、60cd、及び第1の空洞51bdを有している。FET1a及びFET1bにおいて拡散層60abは共通化されている。また、FET1c及びFET1dにおいて拡散層60cdは共通化されている。更に、FET1b及びFET1dにおいて空洞51は共通化されている。
【0064】
これら複数のFET1a〜1dは、異なるゲート幅Wを有することができる。ゲート電極用トレンチ28の深さを変えることによって、様々なゲート幅Wを有する複数のFET1a〜1dを備えた半導体装置100を製造することが可能である。
【0065】
また、複数のFET1a〜1dは、同一のゲート幅Wを有していてもよい。この時、例えば、FET1aの拡散層60a(ソース)と、FET1bの拡散層60bd(ソース)が、共通の電源に接続される。また、共通の拡散層60abは、ドレインになる。これにより、FET1aとFET1bの「並列接続」が実現される。これは、“2W”のゲート幅を有する電界効果トランジスタに相当する。このように、設計者は、所望の回路に応じて自由に接続を行うことができる。
【0066】
更に、例えば、FET1aの拡散層60a(ソース)と、FET1bの拡散層60bd(ソース)は、別々のノードに接続されてもよい。共通の拡散層60abは、ドレインである。これにより、FET1aとFET1bの「直列接続」が実現される。よって、自由に直列接続、並列接続、あるいはそれらの組み合わせ接続が可能である。
【0067】
また、図12は、半導体装置100の他の例を示している。図12において、拡散層60bdと拡散層60cdを接続するブリッジ形状の拡散層62が、素子分離領域の上層に形成されている。このように、ブリッジ形状の拡散層62を形成することにより、異なる拡散層間を自由に接続することが可能である。ブリッジ形状の拡散層62の上層を更に絶縁化することによって、更に他の上部配線を交差させたり、積み重ねたりすることも可能である。
【0068】
以上に説明されたように、本発明によれば、SERが低減された半導体装置が得られる。また、動作速度が向上した半導体装置が得られる。また、リーク電流低減による低消費電力の半導体装置が得られる。また、その半導体装置の面積を縮小することが可能である。
【0069】
(第9の実施の形態)
上述の第1〜第7の実施の形態で示された電界効果トランジスタ1を用いることにより、様々な半導体記憶装置(メモリ)が作製される。
【0070】
図13は、本発明に係る6つのトランジスタで1セルを構成するSRAM(Static Random Access Memory)150の配線を示す上面図である。このSRAM150において、1つのメモリセルは4個のNMOS151と2個のPMOS152を有している。NMOS151及びPMOS152として、既出の実施の形態で示された電界効果トランジスタ1が用いられている。すなわち、NMOS151及びPMOS152の各々は、埋め込み構造を有するゲート電極40と空洞50を有している。図13に示されるように、拡散層60として、NMOS151に関してはN型拡散層153が、PMOS152に関してはP型拡散層154が形成されている。また、コンタクト155が所定の位置に形成されている。
【0071】
それぞれのMOSトランジスタのゲート、ソース及びドレインは、SRAMの周知の接続関係を保つように接続されている。但し、ゲート電極40が基板に埋め込まれ、また、素子領域には空洞50が形成されているので、ビット線170につながる2個の選択用NMOS151のゲート電極40として、共通のゲート電極40(ワード線)を用いることはできない。そのため、本実施の形態によれば、図13に示されるように、ワード線160は上層に形成され、2個の選択用NMOS151のゲート電極40は、そのワード線160にコンタクト155を介して接続される。このようなNMOS151、PMOS152及び配線により、SERが低減され、面積が縮小されたSRAMが実現される。
【0072】
また、図14は、本発明に係るDRAM(Dynamic Random Access Memory)200の構造を示す断面図である。図14は、既出の図3Bに対応する図であり、XZ面における構造を示している。図14において、図3Bと同じ構造には同一の符号が付されており、その説明は適宜省略される。このDRAM200のメモリセルは、本発明に係る電界効果トランジスタ1を含んでいる。一方の拡散層60には、コンタクト210を介して容量素子220が接続されている。容量素子220は、下部電極221、上部電極222、及びそれらに挟まれた誘電体膜223を備えている。また、他方の拡散層60には、コンタクト230を介してビット線240が接続される。このような構造を有する複数のメモリセルがアレイ状に配置されることにより、SERが低減され、面積が縮小されたDRAMが実現される。
【0073】
また、図15A及び図15Bは、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置(例えば、フラッシュメモリ)の構造を示す断面図である。図15A及び図15Bは、既出の図3Aに対応する図であり、YZ面における構造を示している。図15A及び図15Bにおいて、図3Aと同じ構造には同一の符号が付されており、その説明は適宜省略される。
【0074】
この不揮発性半導体記憶装置300によれば、ゲート電極40は、スタック構造を有している。具体的には、不揮発性半導体記憶装置300は、積層された浮遊ゲート320及び制御ゲート340を備えており、それら浮遊ゲート320と制御ゲート340の間にはゲート絶縁膜330が介在している。また、この不揮発性半導体記憶装置300によれば、上述の実施の形態におけるゲート絶縁膜30は、トンネル絶縁膜350である。このような構造によって不揮発性のメモリセル310が構成されている。
【0075】
図15Aでは、浮遊ゲート320が、基板表面Sから下方に埋め込まれている。ゲート絶縁膜330は、ほぼ基板表面Sに一致して形成されている。制御ゲート340は、基板表面Sから上方に突出している。また、図15Bでは、浮遊ゲート320だけでなく、制御ゲート340の一部が、基板表面Sから下に埋め込まれている。これにより、SERが低減され、面積が縮小された不揮発性半導体記憶装置が実現される。
【0076】
以上に説明されたように、本発明によれば、SERが低減された半導体記憶装置が得られる。また、動作速度が向上した半導体記憶装置が得られる。また、リーク電流低減による低消費電力の半導体記憶装置が得られる。また、その半導体記憶装置の面積を縮小することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、本発明に係る電界効果トランジスタの構造を示す全体図である。
【図2】図2は、本発明に係る電界効果トランジスタの構造を示す平面図である。
【図3A】図3Aは、図2における線A−A’に沿った構造を示す断面図である。
【図3B】図3Bは、図2における線B−B’に沿った構造を示す断面図である。
【図4A】図4Aは、本発明に係る電界効果トランジスタを製造する工程を示す断面図である。
【図4B】図4Bは、本発明に係る電界効果トランジスタを製造する工程を示す断面図である。
【図4C】図4Cは、本発明に係る電界効果トランジスタを製造する工程を示す断面図である。
【図4D】図4Dは、本発明に係る電界効果トランジスタを製造する工程を示す断面図である。
【図4E】図4Eは、本発明に係る電界効果トランジスタを製造する工程を示す断面図である。
【図4F】図4Fは、本発明に係る電界効果トランジスタを製造する工程を示す断面図である。
【図4G】図4Gは、本発明に係る電界効果トランジスタを製造する工程を示す断面図である。
【図4H】図4Hは、本発明に係る電界効果トランジスタを製造する工程を示す断面図である。
【図4I】図4Iは、本発明に係る電界効果トランジスタを製造する工程を示す断面図である。
【図4J】図4Jは、本発明に係る電界効果トランジスタを製造する工程を示す断面図である。
【図5A】図5Aは、本発明の第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造を示す断面図である。
【図5B】図5Bは、本発明の第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタを製造する工程の一部を示す断面図である。
【図6A】図6Aは、本発明の第3の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造を示す断面図である。
【図6B】図6Bは、本発明の第3の実施の形態に係る電界効果トランジスタを製造する工程の一部を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の第4の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造を示す断面図である。
【図8A】図8Aは、本発明の第5の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造の例を示す平面図である。
【図8B】図8Bは、本発明の第5の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造の他の例を示す平面図である。
【図8C】図8Cは、本発明の第5の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造の更に他の例を示す平面図である。
【図8D】図8Dは、本発明の第5の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造の更に他の例を示す平面図である。
【図9】図9は、本発明の第6の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造を示す平面図である。
【図10】図10は、本発明の第7の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造を示す断面図である。
【図11】図11は、本発明の第8の実施の形態に係る半導体装置の構造を示す平面図である。
【図12】図12は、本発明の第8の実施の形態に係る半導体装置の他の構造を示す平面図である。
【図13】図13は、本発明に係るSRAMの構造を示す上面図である。
【図14】図14は、本発明に係るDRAMの構造を示す断面図である。
【図15A】図15Aは、本発明に係る不揮発性メモリの構造を示す断面図である。
【図15B】図15Bは、本発明に係る不揮発性メモリの他の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1 電界効果トランジスタ
10 基板
20 STI
21 熱酸化膜
22 埋め込み絶縁膜
25 窒化膜
28 ゲート電極用トレンチ
30 ゲート絶縁膜
40 ゲート電極
45 サイドウォール
50 空洞
51 第1の空洞
52 第2の空洞
55 保護膜
60 拡散層
61 拡散層
62 ブリッジ状拡散層
70 チャネル領域
80 層間絶縁膜
90 経路
95 再結合中心層
100 半導体装置
150 SRAM
151 NMOS
152 PMOS
153 N型拡散層
154 P型拡散層
155 コンタクト
160 ワード線
170 ビット線
200 DRAM
210 コンタクト
220 容量素子
221 下部電極
222 上部電極
223 誘電体膜
230 コンタクト
240 ビット線
300 不揮発性メモリ
310 メモリセル
320 フローティングゲート
330 ゲート絶縁膜
340 コントロールゲート
350 トンネル絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に埋め込まれたゲート電極と、
前記基板中に第1の空洞として形成された空洞形成領域と、
前記基板中に拡散層として前記空洞形成領域と接触するように形成された拡散領域とを有することを特徴とする
電界効果トランジスタ。
【請求項2】
前記第1の空洞が、前記拡散領域の対向する面に接触していることを特徴とする
請求項1記載の電界効果トランジスタ。
【請求項3】
第1の空洞を有する基板と、
ゲート電極と、
ソース/ドレインとしての拡散層とを具備し、
前記ゲート電極及び前記拡散層は、前記基板の表面に平行な面であって直交する第1方向と第2方向により規定される面において、前記第1の空洞を囲むように形成された
電界効果トランジスタ。
【請求項4】
請求項3に記載の電界効果トランジスタであって、
前記拡散層は、前記第1の空洞に隣接して形成された
電界効果トランジスタ。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の電界効果トランジスタであって、
前記ソース及び前記ドレインは、前記第1方向に沿って前記第1の空洞を挟むように形成され、
前記ゲート電極は、前記第1の空洞から前記第2方向に位置する
電界効果トランジスタ。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の電界効果トランジスタであって、
前記ゲート電極及び前記ソース/ドレインは、前記第1の空洞から前記第2方向に位置する
電界効果トランジスタ。
【請求項7】
請求項6に記載の電界効果トランジスタであって、
前記ゲート電極は、前記ソース及び前記ドレインの間に位置する
電界効果トランジスタ。
【請求項8】
請求項6に記載の電界効果トランジスタであって、
前記ソース及び前記ドレインは、前記第1方向に沿って前記第1の空洞を挟むように形成された
電界効果トランジスタ。
【請求項9】
第1の空洞を有する基板と、
前記第1の空洞に隣接し、前記基板の表面に対して略垂直に形成されたチャネル領域と、
前記基板中に埋め込まれ、前記チャネル領域に隣接して形成されたゲート電極と、
前記基板中に、前記チャネル領域に接続するように形成された拡散層と
を具備する
電界効果トランジスタ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の電界効果トランジスタであって、
前記基板中において、前記第1の空洞の底面は、前記ゲート電極の底面よりも深い位置にある
電界効果トランジスタ。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の電界効果トランジスタであって、
前記ゲート電極は、前記基板から突出するように形成された
電界効果トランジスタ。
【請求項12】
請求項11に記載の電界効果トランジスタであって、
前記ゲート電極は、サイドウォールによって囲まれた
電界効果トランジスタ。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載の電界効果トランジスタであって、
前記第1の空洞は、前記基板の表面に達する
電界効果トランジスタ。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかに記載の電界効果トランジスタであって、
前記基板中において、前記第1の空洞につながり前記拡散層の下方まで延びる第2の空洞が形成された
電界効果トランジスタ。
【請求項15】
請求項14に記載の電界効果トランジスタであって、
前記第2の空洞は、前記拡散層の下方において、素子領域を分離する素子分離構造に達するように形成された
電界効果トランジスタ。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の電界効果トランジスタであって、
前記第2の空洞は、前記ゲート電極の下方において、素子領域を分離する素子分離構造に達しないように形成された
電界効果トランジスタ。
【請求項17】
請求項16に記載の電界効果トランジスタであって、
前記ゲート電極の下方において、前記第2の空洞と前記素子分離構造の間の領域に、再結合中心層が形成された
電界効果トランジスタ。
【請求項18】
請求項15乃至17のいずれかに記載の電界効果トランジスタであって、
前記素子分離構造の側壁は、熱酸化膜によって覆われた
電界効果トランジスタ。
【請求項19】
請求項1乃至18のいずれかに記載の電界効果トランジスタであって、
前記ゲート電極及び前記拡散層の上部にショットキー接合が形成された
電界効果トランジスタ。
【請求項20】
空洞を有する基板と、
前記基板中に前記空洞に隣接して形成された拡散層と、
前記基板に少なくとも一部が埋め込まれ、前記拡散層と同じ深さに達するゲート電極と
を具備する
電界効果トランジスタ。
【請求項21】
請求項20に記載の電界効果トランジスタであって、
前記空洞は、前記基板表面から前記拡散層下部にわたって形成された
電界効果トランジスタ。
【請求項22】
請求項1乃至21のいずれかに記載の電界効果トランジスタを有する
半導体装置。
【請求項23】
請求項1乃至21のいずれかに記載の電界効果トランジスタである第1電界効果トランジスタと、
請求項1乃至21のいずれかに記載の電界効果トランジスタである第2電界効果トランジスタと
を具備し、
前記第1、第2の電界効果トランジスタの前記ゲート電極どうし、または前記拡散層どうしが共通化された
半導体装置。
【請求項24】
請求項1乃至21のいずれかに記載の電界効果トランジスタを有する
半導体記憶装置。
【請求項25】
請求項24に記載の半導体記憶装置であって、
前記ゲート電極は、積層された制御ゲートと浮遊ゲートを含む
半導体記憶装置。
【請求項26】
(A)基板中に素子分離構造を形成する工程と、
(B)前記基板の第1領域に溝を形成する工程と、
(C)前記溝の内壁にゲート絶縁膜を形成する工程と、
(D)前記溝が形成された領域において、前記基板の表面から突出するゲート電極を形成する工程と、
(E)前記基板上の前記ゲート電極の側面にサイドウォールを形成する工程と、
(F)前記サイドウォールに隣接する第2領域をエッチングすることによって、第1の空洞を形成する工程と、
(G)前記基板の前記第1の空洞に隣接する第3領域に拡散層を形成する工程と
を具備する
電界効果トランジスタの製造方法
【請求項27】
請求項26に記載の電界効果トランジスタの製造方法であって、
前記(A)工程は、
(A1)前記基板にトレンチを形成する工程と、
(A2)前記トレンチの内壁を熱酸化する工程と、
(A3)前記トレンチの内部を絶縁膜で埋める工程と
を備える
電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項28】
請求項26又は27に記載の電界効果トランジスタの製造方法であって、
更に、
(H)前記第1の空洞につながり前記第3領域の下方まで延びる第2の空洞を形成する工程を具備する
電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項29】
請求項28に記載の電界効果トランジスタの製造方法であって、
前記(H)工程において、前記第2の空洞は、前記第3領域の下方において、前記素子分離構造に達するように形成される
電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項30】
請求項28又は29に記載の電界効果トランジスタの製造方法であって、
前記(H)工程において、前記第2の空洞は、前記ゲート電極の下方において、前記素子分離構造に達しないように形成される
電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項31】
請求項28乃至30のいずれかに記載の電界効果トランジスタの製造方法であって、
前記(H)工程は、前記(G)工程の前に実行される
電界効果トランジスタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【公開番号】特開2006−278674(P2006−278674A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−95054(P2005−95054)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】