説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】ゲート電極7作製後にチャネル部12を作製する縦型MISFETの製造方法において、ゲート絶縁膜10に損傷を与えたり移動度を劣化させたりすることなく、孔底面に形成された絶縁膜や、自然酸化膜を除去する。
【解決手段】単結晶半導体基板1または単結晶半導体層に形成された不純物領域8の上に、第一絶縁層4、5と、ゲート電極層7と、第二絶縁層5、4と、をこの順に積層した積層体を形成し、前記積層体に不純物領域8が露出する孔を形成し、少なくとも前記孔の側壁に露出しているゲート電極層7、および、前記孔の底面に露出している不純物領域8の上に絶縁膜10を形成し、ゲート電極層7の露出部分の上に形成された絶縁膜10の上に半導体膜を重ねて形成し、不純物領域8の上に形成された絶縁膜を除去し、孔の底面に露出している不純物領域8に接し、孔底面から孔の開口部までつながる半導体部を形成する半導体装置の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
縦型MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)の製造方法の1つに、特許文献1に記載されているような、ゲート作製後に、チャネルとなる柱状の半導体を作製する方法がある。具体的には、まず、絶縁膜で挟まれたゲート電極を半導体基板上に成膜する。次に、この積層膜を貫き、半導体基板にいたる孔を作製する。その後、酸化やCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、孔に面したゲート端にゲート絶縁膜を形成する。このとき、孔底面にも、ゲート電極端と同様に、ゲート絶縁膜と同じ絶縁膜が形成される。そこで、この孔底面の絶縁膜を除去した後、孔に柱となる半導体材料を埋め込む。
【0003】
この製造方法では、孔底面の絶縁膜を除去する際や、孔に柱となる半導体材料を埋め込む前処理として、孔底面の半導体基板表面に存在する自然酸化膜を除去する際に、フッ酸処理(もしくは気相HF処理)が必要となる。しかしながら、ゲート絶縁膜に損傷を与えずに、このフッ酸処理(もしくは気相HF処理)を行うのは難しい。そのため、この課題を解決するためのいくつかの方法が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献2では、ゲート絶縁膜をSi窒化膜のサイドウォールで覆い保護した上で、フッ酸処理を行い、孔底面の酸化膜を除去する方法が記載されている。また、特許文献3では、多結晶Siの側壁でゲート絶縁膜を覆い、保護する方法が記載されている。また、非特許文献1には、ゲート絶縁膜に、フッ酸処理耐性のあるものを用いる方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−99311号公報
【特許文献2】特開平6−69441号公報
【特許文献3】特開2003−46080号公報
【特許文献4】特開2004−296628号公報
【特許文献5】特開2005−64031号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】2007年12月、インターナショナル・エレクトロン・デバイス・ミーティング・テクニカル・ダイジェスト、第449項から第452項、福住他、'Optimal Integration and Characteristics of Vertical Array Devices for Ultra−High Density, Bit−Cost Scalable Flash Memory'
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2、3、非特許文献1に開示された半導体装置の製造方法を利用して、孔底面の絶縁膜の除去や、孔底面の半導体基板表面に存在する自然酸化膜除去のためのフッ酸処理を行った場合、ゲート絶縁膜の損傷や移動度劣化などの悪影響が生じてしまう。
【0008】
具体的には、特許文献2に開示された製造方法では、窒化膜サイドウォールを除去する際に、リン酸処理を行わなければならず、このとき、ゲート絶縁膜がリン酸に接触するため、ゲート絶縁膜の損傷が避けられない。また、特許文献3に開示された製造方法では、多結晶Siの側壁でゲート絶縁膜を保護し、多結晶Siを孔に埋め込むので、その結果作製される縦型MISFETのチャネルは多結晶Siとなり、チャネルが単結晶Siの縦型MISFETと比較すると、移動度が劣る。また、非特許文献1に開示された製造方法では、フッ酸処理耐性をゲート絶縁膜にもたせるために、ゲート絶縁膜のチャネル側がSi窒化膜のような組成となっており、Si酸化膜がチャネル側に接する構造(もしくはSi酸窒化膜で窒素組成が少ない側がチャネルに接する構造)と比べると、移動度が劣る。
【0009】
本発明では、ゲート作製後にチャネルとなる柱を作製する縦型MISFETの製造方法において、ゲート絶縁膜に損傷を与えたり移動度を劣化させたりすることなく、孔底面の絶縁膜や、孔底面の半導体基板表面に存在する自然酸化膜を除去できる半導体装置の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、基板または半導体層に形成された下部電極となる不純物領域の上に、第一絶縁層と、ゲート電極となるゲート電極層と、第二絶縁層と、をこの順に積層した積層体と、前記積層体を前記基板と略垂直方向に貫通し、前記不純物領域と接するチャネル部と、前記積層体の上方に、前記チャネル部の前記不純物領域と接する面の反対側の面に接して形成される上部電極層と、前記ゲート電極層と前記チャネル部との間に、前記チャネル部の周囲を囲むように形成されるゲート絶縁膜と、を有する縦型MISFETであって、前記ゲート電極と前記上部電極との間の前記第二絶縁層の厚さ、および、前記ゲート電極と前記下部電極との間の前記第一絶縁層の厚さは、前記ゲート絶縁膜の膜厚より厚く、前記ゲート絶縁膜に周囲を囲まれた前記チャネル部は、基板に垂直な方向に均一な複数の半導体で構成されている半導体装置が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、単結晶半導体基板または単結晶半導体層に形成された不純物領域の上に、第一絶縁層と、ゲート電極層と、第二絶縁層と、をこの順に積層した積層体を形成する積層工程と、前記積層体に、前記不純物領域が露出する孔を形成する孔形成工程と、少なくとも、前記孔の側壁に露出している前記ゲート電極層、および、前記孔の底面に露出している前記不純物領域、の上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記ゲート電極層の前記露出部分の上に形成された前記絶縁膜の上に半導体膜を重ねて形成する半導体膜形成工程と、前記不純物領域の上に形成された前記絶縁膜を除去する除去工程と、前記孔に、前記孔の底面に露出している前記不純物領域に接し、前記底面から前記孔の開口部までつながる半導体部を形成する半導体部形成工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、前記半導体膜形成工程は、前記ゲート電極層の前記露出部分の上に形成された前記絶縁膜の上に非晶質半導体膜を重ねて形成する工程であり、前記半導体部形成工程は、前記孔に、前記孔の底面に露出している前記不純物領域に接し、前記底面から前記孔の開口部までつながる非晶質の半導体部を形成した後、前記非晶質の半導体部を、前記半導体膜形成工程で形成した前記非晶質半導体膜とともに加熱処理し単結晶半導体に結晶化する工程である、半導体装置の製造方法が提供される。
【0013】
本発明の半導体装置の製造方法では、孔底面の絶縁膜や自然酸化膜を除去する工程としてフッ酸処理を行う際に、非晶質半導体膜がゲート絶縁膜を覆い、保護する。その後、孔の残りの部分を非晶質半導体で埋め、ゲート絶縁膜保護に用いた非晶質半導体膜と孔を埋めた非晶質半導体をまとめて加熱処理し結晶化することで、単結晶半導体に変化させる。その結果、縦型MISFETのチャネルは単結晶半導体で構成されることになり、移動度は劣化しない。また、ゲート絶縁膜にフッ酸処理耐性をもたせる必要もないので、チャネル側をSi窒化膜のような、窒素組成の高い膜にする必要がなく、Si酸化膜(もしくはSi酸窒化膜で、チャネル側の窒素組成が少ない膜)としてよいので、ゲート絶縁膜が原因の移動度劣化は生じない。
【発明の効果】
【0014】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、ゲート作製後にチャネルとなる柱を作製する縦型MISFETの製造方法において、ゲート絶縁膜に損傷を与えたり移動度を劣化させたりすることなく、半導体装置を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図2】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図3】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図4】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図5】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図6】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図7】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図8】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図9】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図10】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図11】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図12】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図13】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図14】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図15】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図16】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図17】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図18】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図19】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図20】実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図21】実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図22】実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図23】実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図24】実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図25】実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図26】実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図27】実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図28】実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図29】実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図30】実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図31】実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図32】実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図33】実施形態3に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図34】実施形態3に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図35】実施形態3に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図36】実施形態3に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図37】実施形態3に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図38】実施形態3に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図39】実施形態3に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図40】実施形態3に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図41】実施形態3に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図42】実施形態4に係る半導体装置の断面図である。
【図43】実施形態4に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図44】実施形態4に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図45】実施形態4に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図46】実施形態4に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図47】実施形態4に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図48】実施形態4に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図49】実施形態4に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図50】実施形態4に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図51】実施形態5に係る半導体装置の断面図である。
【図52】実施形態5に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図53】実施形態5に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図54】実施形態5に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図55】実施形態5に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図56】実施形態5に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図57】実施形態5に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図58】実施形態5に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図59】実施形態5に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図60】実施形態6に係る半導体装置の断面図である。
【図61】実施形態6に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図62】実施形態6に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図63】実施形態6に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図64】実施形態6に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図65】実施形態6に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図66】実施形態6に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図67】実施形態6に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図68】実施形態7に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図69】実施形態7に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図70】実施形態7に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図71】実施形態7に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図72】実施形態7に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図73】実施形態7に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図74】実施形態7に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図75】実施形態8に係る半導体装置の断面図である。
【図76】実施形態8に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図77】実施形態8に係る半導体装置の製造方法を示す上面図で断面図である。
【図78】実施形態8に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図79】実施形態8に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図80】実施形態8に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図81】実施形態8に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図82】実施形態8に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図83】実施形態8に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図84】実施形態8に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図85】実施形態8に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図86】実施形態8に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図87】実施形態9に係る半導体装置の断面図である。
【図88】実施形態9に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図89】実施形態9に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図90】実施形態9に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図91】実施形態9に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図92】実施形態9に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図93】実施形態9に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図94】実施形態9に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図95】実施形態10に係る半導体装置の断面図である。
【図96】実施形態10に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図97】実施形態10に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図98】実施形態10に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図99】実施形態10に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図100】実施形態10に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図101】実施形態10に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図102】実施形態10に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図103】実施形態10に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図104】実施形態10に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図105】実施形態10に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図106】実施形態10に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図107】実施形態11に係る半導体装置の断面図である。
【図108】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図109】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図110】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図111】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図112】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図113】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図114】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図115】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図116】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図117】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図118】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図119】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図120】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図121】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図122】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図123】実施形態11に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図124】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図125】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図126】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図127】実施形態12に係る半導体装置の断面図である。
【図128】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図129】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図130】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図131】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図132】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図133】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図134】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図135】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図136】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図137】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図138】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図139】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図140】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図141】実施形態12に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図142】実施形態13に係る半導体装置の断面図である。
【図143】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図144】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図145】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図146】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図147】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図148】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図149】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図150】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図151】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図152】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図153】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図154】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図155】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図156】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図157】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図158】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図159】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図160】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図161】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図162】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図163】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図164】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図165】実施形態13に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【図166】半導体装置の製造方法のフローチャート図の一例である。
【図167】半導体装置の製造方法のフローチャート図の一例である。
【図168】半導体装置の製造方法のフローチャート図の一例である。
【図169】実施形態9に係る半導体装置の製造方法を示す上面図と断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図面中、同一の材料で形成され、同一の処理がなされた同一の構成の部分(層、膜など)については、同様の模様を付し、適宜、符号での指示を省略する。これらの前提は、以下のすべての実施形態において同様である。
<実施形態1>
【0017】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、図166のフローチャート図に示すように、半導体基板1または半導体層に形成された不純物領域3の上に、第一絶縁層4、5(例:PSG(Phosphorous Silicate Glass)膜4、NSG(Non−doped Silicate Glass)膜5)と、ゲート電極層7と、第二絶縁層5、4(例:PSG膜4、NSG膜5)と、をこの順に積層した積層体を形成する積層工程S10と、前記積層体に、不純物領域8が露出する孔9を形成する孔形成工程S20と、少なくとも、孔9の側壁に露出しているゲート電極層7、および、孔9の底面に露出している不純物領域8(不純物領域3の不純物を活性化することによりえられる)の上に絶縁膜10、11を形成する絶縁膜形成工程S30と、ゲート電極層7の前記露出部分の上に形成された絶縁膜10の上に半導体膜6を重ねて形成する半導体膜形成工程S40と、不純物領域8の上に形成された絶縁膜11を除去する除去工程S50と、孔9に、孔9の底面に露出している不純物領域8に接し、前記底面から孔9の開口部までつながる半導体部12を形成する半導体部形成工程S60と、を有する。
【0018】
なお、半導体膜形成工程S40は、ゲート電極層7の前記露出部分の上に形成された絶縁膜10の上に非晶質半導体膜6を重ねて形成する工程であり、半導体部形成工程S60は、孔9に、孔9の底面に露出している不純物領域8に接し、前記底面から孔9の開口部までつながる非晶質の半導体部6を形成した後、非晶質の半導体部6を、半導体膜形成工程S40で形成した非晶質半導体膜6とともに加熱処理し単結晶半導体に結晶化する工程であってもよい。
【0019】
また、半導体膜形成工程S40は、ゲート電極層7の前記露出部分の上に形成された絶縁膜10の上に、単一の半導体膜6を重ねて形成する工程であってもよい。
【0020】
また、半導体部形成工程S60は、単一の半導体で半導体部12を形成する工程であってもよい。
【0021】
また、半導体部形成工程S60において、半導体部12を形成する単一の半導体は、不純物領域8を形成した半導体基板1または半導体層を構成する単結晶半導体と同じ材料であってもよい。
【0022】
また、絶縁膜形成工程S30は、絶縁膜10、11として、酸化膜、窒化膜、酸窒化膜、酸化膜と窒化膜の積層膜(ONO膜)の中のいずれかを形成する工程であってもよい。
【0023】
また、ゲート電極層7の前記露出部分の上に形成された絶縁膜10は、縦型MISFETのゲート絶縁膜となってもよい。
【0024】
以下、図1から図20を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図1から図20は、本実施形態の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図の一例である。各断面図は、各上面図のA−A'線に沿った断面を示している。本実施形態の製造方法は、n型MISFETにも、p型MISFETにも適用可能であるが、ここでは、図1から図20を用い、n型MISFETの製造方法を一例として説明する。
【0025】
まず、図1に示すように、半導体基板1に素子分離絶縁膜2を形成する。半導体基板1は、通常、単結晶半導体基板もしくは単結晶半導体が表面に設けられた基板であり、最も一般的なものはp型のバルクSi(100)基板である。しかしながら、バルクSi基板で(110)、(111)などの他の面方位の基板を用いてもかまわず、面方位に制限されない。また基板のオリフラ(ノッチ)方向にも制限されない。また、ドーピングの型や量にも制限されない。半導体基板1としてはバルクSi基板でなくてもかまわず、半導体単結晶が表面に設けられた基板として、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いてもよい。以下では、半導体基板1を、最も一般的な、p型のバルクSi(100)基板として説明する。素子分離絶縁膜2の形成は、STI(Shallow Trench Isolation)法を用いる。また、STI法の代わりに、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法を用いてもよい。
【0026】
次に、図2に示すように、n型のドーパント(P、Asなど)をイオン注入し、不純物領域として、n型ドーパント注入層3を作製する。例えば、1価のPイオンをイオン注入する。このn型ドーパント注入層3は、後の工程でドーパントが活性化され、n型拡散層8となる。
【0027】
次に、図3に示すように、半導体基板1上に、第一絶縁層4、5として、PSG膜4、NSG膜5をこの順に成膜する。その後、NSG膜5の上に、ゲート電極層として非晶質Si膜6を成膜する。その後、非晶質Si膜6の上に、第二絶縁層5、4として、NSG膜5、PSG膜4をこの順に成膜する。例えば、減圧CVD法を用いて、PSG膜4、NSG膜5、非晶質Si膜6、NSG膜5、PSG膜4を順に成膜してもよい。
【0028】
ここで、第一絶縁層4、5および第二絶縁層5、4として成膜されたPSG膜4は、後工程で形成される単結晶Siチャネル12にエクステンション13を作製する際に、n型ドーパントを供給するために利用される。また、第一絶縁層4、5および第二絶縁層5、4として成膜されたNSG膜5は、縦型MISFETのオフセットスペーサーとなるもので、ゲート電極7とエクステンション層13の重なりを調整する。また、非晶質Si膜6は、後工程で縦型MISFETのゲート電極に加工される。そして、非晶質Si膜6の膜厚が縦型MISFETのゲート長となる。
【0029】
なお、ゲート電極層として非晶質Si膜6の代わりに、多結晶Si膜を用いてもよい。ただし、成膜後の表面の凸凹は、多結晶Si膜より非晶質Si膜の方が小さく、非晶質Si膜の方が局所的な膜厚の均一性を確保しやすい。このため、成膜時には、非晶質Si膜6を成膜するほうが好ましい。非晶質Si膜6を成膜しても、後工程の熱処理により、多結晶Si膜に変化することになる。
【0030】
また、NSG膜5の代わりとして、ノンドープの絶縁膜を用いてもよい。例えば、プラズマ酸化膜やSi窒化膜を用いてもよい。しかしながら、Si窒化膜を用いる場合、後工程で行う、チャネルを単結晶半導体にするための固相エピタキシャル成長時の熱処理温度を低めにする必要がある。PSG膜4は、後工程で形成される単結晶Siチャネル12に、エクステンション13を作製する際にn型ドーパントを供給するために設けられているが、縦型MISFETのプロセスにより、ゲート電極近傍のソース、ドレインを形成するn型ドーパントを上下の電極層のみから供給する場合には、PSG膜4は、NSG膜やプラズマ酸化膜に置き換え可能である。
【0031】
図3のように積層体を形成した後、半導体基板1のn型ドーパント注入層3のドーパントの活性化のために、熱処理を行う。例えば、窒素雰囲気もしくは、窒素雰囲気に微量の酸素が混入された雰囲気で、1050℃のスパイクアニール(目的の温度まで、装置の最大の、もしくは最大に近い昇温レートで昇温して、目的の温度での維持時間を0秒とし、装置の最大の、もしくは最大に近い降温レートで降温するアニール)を行う。このとき、n型ドーパント注入層3のドーパントが活性化され、n型ドーパント注入層3はn型拡散層8になる。また同時に、非晶質Si膜6が多結晶Si膜7に変化する。この熱処理の際には、既に多結晶Si膜7の上側にNSG膜5が成膜されているので、その局所的な膜厚は変動しない。このように、非晶質Si膜6を成膜し(図3参照)、その後、熱処理して多結晶Si膜7に変化させる(図4参照)工程を経ることで、最初から多結晶Si膜を成膜した場合に比べ、より膜厚が局所的に均一な多結晶Si膜7を形成でき、縦型MISFETのゲート長ばらつきを低減させられる。
【0032】
次に、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、図5の孔9が形成される領域にレジストが存在しないようなレジストパターンを作製する。その後、エッチング(ドライエッチング)を行い、PSG膜4、NSG膜5、多結晶Si膜7、NSG膜5、PSG膜4を貫き、半導体基板1のn型拡散層8にいたる孔9を形成する。エッチング後、レジストを剥離すると、図5のように、孔9が形成された構造が得られる。
【0033】
なお、図5(a)に示されるように、孔9の断面形状としては円が最も一般的であるが、孔9の断面形状は円に限定されない。楕円、正方形、長方形、三角形、菱形などでもかまわない。また、半導体基板1上に、縦型MISFETを同時に複数個作成する場合には、形状の異なるものが混在していてもかまわない。また、同じ形状のもので、大きさ(断面積)が異なるものが混在していてもかまわない。
【0034】
孔9の形成後、図6に示すように熱酸化を行い、孔9に面する多結晶Si膜7の端に、ゲート絶縁膜10としてSi酸化膜を形成する。このとき、孔9内の半導体基板1のn型拡散層8の表面にも、ゲート絶縁膜10と同じ絶縁膜11(Si酸化膜)が形成される。ゲート絶縁膜10としては、Si酸窒化膜を作製してもよい。この場合、酸窒化膜の窒素プロファイルは、窒素の多い部分が、孔9側にこないようにする。これは、縦型MISFETの移動度を低下させないためである。
【0035】
ゲート絶縁膜10の形成後、図7に示すように、ドーピングされていない非晶質Si膜6を、孔9の側壁にそってコンフォーマルに成膜する。例えば、減圧CVD法で非晶質Si膜6を成膜する。非晶質Si膜6の成膜後、図8に示すように、ドライエッチングで非晶質Si膜6を異方性エッチングし、孔9の側壁にそって、非晶質Si膜6の側壁を形成する。ここで、非晶質Si膜6の側壁で、ゲート絶縁膜10が覆われている点が重要である。また孔9の底面には、ゲート絶縁膜10と同時に形成された絶縁膜11が露出した状態となる。
【0036】
この状態で、図9に示すように、希フッ酸処理を行う。希フッ酸処理は、孔9の底面に露出しているn型拡散層8の表面に形成された絶縁膜11を除去するとともに、後工程の非晶質Si成膜の前処理(非晶質Si膜6の側壁表面の自然酸化膜を除去し、水素終端する)を兼ねる。希フッ酸処理を行うと、絶縁膜11は除去されるが、ゲート絶縁膜10は、非晶質Si膜6の側壁に保護されて、エッチングされない。すなわち、孔9の底面の絶縁膜11を除去する際に、ゲート絶縁膜10は損傷を受けない。ただし、本実施形態の方法では、この希フッ酸処理の際に、上部のPSG膜4がエッチングされ膜減りする。したがって、希フッ酸処理の時間は、PSG膜4が消失しないような処理時間に限定される。このため、上側のPSG膜4は、この希フッ酸処理時の膜減りを考慮した厚さが、図3の工程で成膜される。
【0037】
図9の希フッ酸処理の後、図10に示すように、直ちに、第二絶縁層5、4を構成するPSG膜4の上に、UHV(Ultra High Vacuum)−CVD法で非晶質Si膜6を成膜し、孔9(図示せず)を非晶質Si膜6で埋める。半導体基板1に縦型MISFETを同時に複数個作製し、孔9(図示せず)の断面形状や断面積が異なるものが混在する場合、非晶質Si膜6は、最も断面積が大きい孔9(図示せず)が十分埋まる膜厚で成膜する。
【0038】
なお、図9では希フッ酸処理、図10では、UHV−CVD法による非晶質Si膜6を成膜する例をとりあげたが、図9では、ウエット処理の希フッ酸処理ではなく、気相HF処理のような酸化膜の除去手段を用いてもよい。この場合は、孔9の底面の絶縁膜11の除去後、大気にさらすことなく真空中を(できれば超高真空中を)搬送し、UHV−CVD法、もしくは減圧CVD法の成膜装置に送り込み、非晶質Si膜6の成膜をただちに行う。
【0039】
非晶質Si膜6の成膜後は、CMP(Chemical Vapor Deposition)法により、非晶質Si膜6の表面を平坦化した後、エッチングを行い、PSG膜4の上面で停止させることで、図11に示す形状が得られる。CMP法を用いない場合は、孔9上のくぼみが小さくなるまで非晶質Si膜6を厚く成膜し、その後、同様に非晶質Si膜6をエッチングし、PSG膜4の上面で停止させる。
【0040】
図11の状態において、窒素雰囲気、600度で熱処理することで、孔9(図示せず)に埋まった非晶質Si膜6を固相エピタキシャル成長させ、図12に示すように、単結晶Si膜12に変化させる。この際、図8の工程で形成された非晶質Si膜6の側壁と、図10の工程で残りの孔9(図示せず)に埋め込まれた非晶質Si膜6が同時に固相エピタキシャル成長する。なお、このとき固相エピタキシャル成長で形成された単結晶Si膜12は、後工程のプロセスを経て、縦型MISFETのチャネルとなる。単結晶Si膜12の形成後、縦型MISFETのしきい値電圧調整のため、単結晶Si膜12に、p型のドーパントをイオン注入する。例えば、1価のBをイオン注入する。
【0041】
単結晶Si膜12へのイオン注入後、図13に示すように、第二絶縁層5、4を構成するPSG膜4の上に、多結晶Si膜7を成膜する。この後、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、縦型MISFETの上部電極となる領域にレジストが残るようなレジストパターンの形成を行い、このレジストパターンをマスクに、多結晶Si膜7、PSG膜4、NSG膜5を上から順にエッチングし、ゲート電極層である多結晶Si膜7面で、エッチングを停止させる。エッチング後、レジストを除去すると、図14のような形状が得られる。
【0042】
この後、n型のドーパントのイオン注入を行い、縦型MISFETの上部電極となる多結晶Si膜7(図中、上方に位置する多結晶Si膜7)と、ゲート電極となる多結晶Si膜7(図中、下方に位置する多結晶Si膜7)に、n型のドーパントを導入する。この後、導入したドーパントの活性化のために、窒素雰囲気、もしくは窒素雰囲気にわずかな酸素が混入された雰囲気で、1050℃のスパイクアニールを行う。この際、単結晶Si膜12にしきい値電圧調整用のためにイオン注入されたp型のドーパントと、上部電極とゲート電極の多結晶Si膜7にイオン注入されたn型のドーパントの活性化を行うとともに、PSG膜4から、n型ドーパントのPを単結晶Si12内に移動させ、活性化させる。この工程を経ることにより、図15に示すように、単結晶Si12内に、縦型MISFETのエクステンション13が形成される。
【0043】
エクステンション13の形成後は、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、縦型MISFETのゲート電極となる領域にレジストが残るようなレジストパターンの形成を行い、このレジストパターンをマスクに、多結晶Si膜7、NSG膜5、PSG膜4を上から順にエッチングし、半導体基板1の表面で停止させる。エッチング後、レジストを剥離すると、図16のような形状が得られる。
【0044】
それから、後工程のシリサイド形成時に、ゲート電極と上部電極、ゲート電極と半導体基板1に形成される下部電極との短絡をふせぐため、サイドウォールを形成する。このために、まずサイドウォール絶縁膜14を成膜し、エッチバックする。すると、図17のような形状が得られる。
【0045】
この後、図18に示すように、上部電極の多結晶Si膜7、ゲートの多結晶Si膜7、下部電極の半導体基板1のn型拡散層8に、シリサイド15を形成する。シリサイド層15としては、Niシリサイド、Tiシリサイド、Coシリサイド、Pdシリサイド、Ptシリサイド、Erシリサイドなどが用いられるが、これらのシリサイドに限定されるものではない。また、金属合金のシリサイドでもよい。金属合金シリサイドとしては、例えばNiPtシリサイドがある。なお、図18とは異なるが、シリサイド形成の際の熱負荷を大きくする、多結晶Si膜7の膜厚を薄くする、上部電極の面積を小さくするなどして、ゲートの多結晶Si膜全体をシリサイド化して、メタルゲート電極にすることも可能である。
【0046】
シリサイド15の形成後、図19に示すように、ストッパー絶縁膜16を成膜する。例えば、ストッパー絶縁膜16として、Si窒化膜を成膜する。ストッパー絶縁膜16の成膜後は、層間絶縁膜17を成膜し、CMP法を用いて、表面を平坦化する。例えば、層間絶縁膜として、プラズマCVD法により、プラズマ酸化膜を成膜し、その後、CMP法を用いて、表面を平坦化する。
【0047】
それから、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、縦型MISFETのコンタクトとなる領域にレジストが残らないようなレジストパターンの形成を行い、このレジストパターンをマスクに、層間絶縁膜17をエッチングし、ストッパー絶縁膜16で一度停止させる。その後、ストッパー絶縁膜16のエッチングを行い、レジストを剥離する。この後、金属を孔に埋め込んで、コンタクト18を形成する。具体的には、TiとTiNをスパッタして熱処理し、その後、CVD法によりWを埋め込んで、CMPを行う。このようにして、図20のような形状が得られる。その後、必要に応じて、従来からの方法で配線層や電極パッドがさらに形成される。
【0048】
以上の説明では、n型MISFETの製造方法を説明した。本実施形態の製造方法では、同様にp型MISFETを製造することも可能である。その際には、半導体基板1がp型のバルクSi(100)基板であるとすると、まず、図2において、nウェル形成のため、n型のドーパントをイオン注入する。次に、n型のドーパント注入層3の代わりに、p型のドーパントをイオン注入し、p型のドーパント注入層を作製する。それから図3において、PSG膜4の代わりに、BSG(Boron Silicate Glass)膜を成膜する。この後、アニールすると、半導体基板1には、n型拡散層8の代わりに、p型拡散層が形成される。このp型拡散層は、縦型のp型MISFETの下部電極となる。さらに図12で、しきい値電圧調整用にp型のドーパントをイオン注入するかわりにn型のドーパントをイオン注入し、図14で、n型のドーパントをイオン注入してアニールする代わりに、p型のドーパントをイオン注入して、アニールする。以上のように工程を変更することで、p型MISFETの製造が可能である。なお、n型MISFETとp型MISFETを半導体基板1に同時に形成する、いわゆるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の製造方法については、別の実施形態で詳述する。
【0049】
なお、上記の説明で、図12でノンドープの単結晶Si膜を形成し、その後、しきい値電圧調整用のイオン注入を行ったが、この代わりに、図7で成膜する非晶質Si膜6、図10で成膜する非晶質Si膜6に、それぞれ、しきい値電圧調整用の同じp型のドーパントを同量ドーピングしてもよい(n型MISFETの場合)。p型MISFETでは、図7で成膜する非晶質Si膜6、図10で成膜する非晶質Si膜6に、それぞれ、しきい値電圧調整用の同じn型のドーパントを同量ドーピングしてもよい。
【0050】
上記の説明では、半導体基板1は、通常、単結晶半導体基板もしくは単結晶半導体が表面に設けられた基板であり、その単結晶半導体材料はSiとして説明を行った。しかしながら、基板表面の単結晶半導体材料はSiに限定されるわけではなく、他の半導体材料が用いられている基板でもかまわない。例えば、Ge基板、SiC基板、SGOI(Silicon Germanium on Insulator)基板でもよい。また、半導体基板1としてはGaAs、GaN、InAsのようなIII−V族化合物単結晶半導体基板、ZnSeのようなII−VI化合物単結晶半導体基板であってもよい。この場合、図7で成膜され、図8で側壁となる非晶質半導体と、図10で孔9の残りの部分に埋め込まれる非晶質半導体は、基板の単結晶材料と同じにする。例えば、単結晶半導体基板がGe基板であれば、図7で成膜され、図8で側壁となる非晶質半導体は、非晶質Geであり、図10で孔9の残りの部分に埋め込まれる非晶質半導体も、非晶質Geである。また別の場合に、単結晶半導体が表面に設けられた基板としてSGOI基板を用いれば、図7で成膜され、図8で側壁となる非晶質半導体は、非晶質SiGeであり、図10で孔9の残りの部分に埋め込まれる非晶質半導体も、非晶質SiGeであり、SiGeのGe含有率は、すべてSGOI基板のGe含有率と同じにする。
【0051】
ただし、このような場合でも、ゲートの半導体材料は、特に制限を受けず、基板の単結晶半導体材料と必ずしも同じにする必要はない。具体的に述べると、例えば、単結晶半導体基板としてGe基板を用いる場合、ゲートは多結晶Siでも、多結晶Geでも、多結晶SiGeでも、そのほかの材料でもかまわない。単結晶半導体基板としてSiC基板を用いる場合でも、ゲートは多結晶Siでも、多結晶Geでも、多結晶SiGeでも、そのほかの材料でもかまわない。
【0052】
以上説明してきたように、本実施形態の製造方法では、希フッ酸処理時に非晶質Siなどの半導体層によってゲート絶縁膜を保護するので、ゲート絶縁膜にフッ酸処理耐性をもたせる必要がない。このため、チャネル側をSi酸化膜、もしくは窒素の割合が少ないSi酸窒化膜としてよいので、チャネル側を窒素の割合が高いSi酸窒化膜やSi窒化膜とした場合に比べて、ゲート絶縁膜が原因の移動度劣化は生じない。また、ゲート絶縁膜保護に用いた非晶質Siと孔を埋めた非晶質Siをまとめて固相エピタキシャル成長させることで単結晶Siに変化させた場合、縦型MISFETのチャネルは単結晶Siで構成されることになり、チャネルが多結晶Siで構成されたMISFETより、移動度は向上する。ゲート絶縁膜を保護している非晶質Si側壁を除去する必要もないため、保護のための側壁を除去する時にゲート絶縁膜が損傷を受けることもない。
<実施形態2>
【0053】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1を基本とし、さらに、図167のフローチャート図に示すように、積層工程S10の後であって、孔形成工程S20の前に、除去工程S50における処理で除去されない材料で構成される保護膜19を、前記積層体の上に成膜する保護膜成膜工程S11をさらに有する。
【0054】
本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、孔9の底面の絶縁膜11を除去する際に、第二絶縁層5、4を構成するPSG膜4(図中、情報のPSG膜4)の膜減りが生じるのを防ぐことができる。これにより、デバイス設計の確実さが向上する。
【0055】
以下、図21から図32を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図21から図32は、本実施形態の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図の一例である。各断面図は、各上面図のA−A'線に沿った断面を示している。本実施形態の製造方法は、n型MISFETにも、p型MISFETにも適用可能であるが、ここでは、図21から図32を用い、n型MISFETの製造方法を一例として説明する。
【0056】
まず、実施形態1の製造方法と同様に、図1、図2の製造工程を行う。次に、半導体基板1上に、PSG膜4、NSG膜5、非晶質Si膜6、NSG膜5、PSG膜4を順に成膜する。ここまでは、実施形態1の製造方法と同じである。本実施形態の場合、図21に示すように、さらに、この積層体の上に保護膜としてSi窒化膜19を成膜する。
【0057】
図21のように一連の積層体を形成した後、図22に示すように、半導体基板1のn型ドーパント注入層3のドーパントの活性化のために、熱処理を行う。例えば、窒素雰囲気もしくは、窒素雰囲気に微量の酸素が混入された雰囲気で、1050℃のスパイクアニールを行う。このとき、n型ドーパント注入層3のドーパントが活性化され、n型ドーパント注入層3はn型拡散層8になる。また同時に、非晶質Si膜6が多結晶Si膜7に変化する。
【0058】
この後、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、図23の孔9が形成される領域のレジストが存在しないようなレジストパターンを作製する。それからエッチング(ドライエッチング)を行い、Si窒化膜19、PSG膜4、NSG膜5、多結晶Si膜7、NSG膜5、PSG膜4を貫き、半導体基板1のn型拡散層8にいたる孔9を形成する。エッチング後、レジストを剥離すると、図23のように、孔9が形成された構造が得られる。
【0059】
なお、孔9の断面形状としては、図23に示すように円が最も一般的であるが、孔9の断面形状は円に限定されない。楕円、正方形、長方形、三角形、菱形などでもかまわない。また、半導体基板1上に、縦型MISFETを同時に複数個作成する場合には、形状の異なるものが混在していてもかまわない。また、同じ形状のもので、大きさ(断面積)が異なるものが混在していてもかまわない。
【0060】
孔9の形成後、図24に示すように熱酸化を行い、孔9に面する多結晶Si膜7の端に、ゲート絶縁膜10としてSi酸化膜を形成する。このとき、孔9内の半導体基板1に形成されたn型拡散層8の表面にも、ゲート絶縁膜10と同じ絶縁膜11(Si酸化膜)が形成される。なお、絶縁膜10、11は、Si酸化膜の代わりに、Si酸窒化膜でもかまわない。
【0061】
ゲート絶縁膜10の形成後、図25に示すように、ドーピングされていない非晶質Si膜6を、孔9の側壁にそって、コンフォーマルに成膜する。例えば、減圧CVD法で非晶質Si膜6を成膜する。非晶質Si膜6の成膜後、図26に示すように、ドライエッチングで非晶質Si膜6を異方性エッチングし、孔9の側壁にそって、非晶質Si膜6の側壁を形成する。孔9の底面には、ゲート絶縁膜10と同時に形成された絶縁膜11が露出した状態となる。
【0062】
この状態で、図27に示すように、希フッ酸処理を行う。希フッ酸処理は、孔9の底の絶縁膜11を除去するとともに、後工程の非晶質Si成膜の前処理を兼ねる。希フッ酸処理を行うと、絶縁膜11は除去されるが、ゲート絶縁膜10は、非晶質Si膜6の側壁に保護されて、エッチングされない。すなわち、孔9の底面の絶縁膜11を除去する際に、ゲート絶縁膜10は損傷を受けない。加えて、本実施形態の製造方法では、実施形態1の製造方法とは異なり、上側のPSG膜4の上にSi窒化膜19が形成され、Si窒化膜19が希フッ酸処理時に上側のPSG膜4を保護するので、上側のPSG膜4はエッチングされず、PSG膜4の膜減りもおこらない。
【0063】
図27の希フッ酸処理の後、図28に示すように、直ちに、UHV−CVD法で非晶質Si膜6を成膜し、孔9を非晶質Si膜6で埋める。半導体基板1に縦型MISFETを同時に複数個作製し、孔9の断面形状や断面積が異なるものが混在する場合、非晶質Si膜6は、最も断面積が大きい孔9が十分埋まる膜厚で成膜する。実施形態1の製造方法で説明したように、図27で気相HF処理を実施し、その後、大気にふれさせることなく超高真空中を搬送して、図28でUHV−CVD法で非晶質Si膜6を成膜してもよい。
【0064】
非晶質Si膜6の成膜後は、図29に示すように、CMP法により、非晶質Si膜6を平坦化する。この際、Si窒化膜19は、CMP時のストッパー膜になる。それから、図30に示すように、Si窒化膜19をリン酸処理で除去する。Si窒化膜19を除去するのは、後工程の固相エピタキシャル成長において、熱処理温度を高くするためである。
【0065】
Si窒化膜19の除去後、図31に示すように、窒素雰囲気、600度で熱処理することで、孔9に埋まった非晶質Si膜6を固相エピタキシャル成長させ、非晶質Si膜6を単結晶Si膜12に変化させる。単結晶Si膜12の形成後、縦型MISFETのしきい値電圧調整のため、単結晶Si膜12に、p型のドーパントをイオン注入する。例えば、1価のBをイオン注入する。この後、減圧CVD法で多結晶Si膜7を成膜し、表面をCMP法で平坦化すると、図32のような形状となる。なお、多少の段差はつくが、後工程のプロセスで問題なければ、多結晶Si膜7成膜後のCMPは行わなくてもかまわない。
【0066】
これから後の工程は、実施形態1の製造方法の図14からの工程に準じて実現される。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0067】
なお、本実施形態の場合も、実施形態1で説明した変更と同様の変更を行うことで、p型MISFETに適用可能である。単結晶Siチャネルへのしきい値電圧調整用のドーパントの導入時期についても、実施形態1の製造方法で説明したように、図31の固相エピタキシャル成長後イオン注入する代わりに、図25で成膜する非晶質Si膜6、図28で成膜する非晶質Si膜6に、それぞれ、しきい値電圧調整用の同じp型のドーパント(n型MISFETの場合)もしくはn型のドーパント(p型MISFETの場合)を同量ドーピングしてもよい。半導体基板1についても、実施形態1の製造方法と同様なものが使用可能で、図25で成膜され、図26で側壁となる非晶質半導体と、図28で孔9の残りの部分に埋め込まれる非晶質半導体6は、半導体基板1の単結晶材料と同じにする。
【0068】
以上のように、本実施形態の製造方法では、図24での積層膜のエッチングがやや複雑になるものの、図27の孔9の底面の絶縁膜11の除去時の、上側のPSG膜4の膜減りを防止することができる。これにより、デバイス設計の確実さが向上する。
<実施形態3>
【0069】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1、2を基本とし、さらに、絶縁膜形成工程S30は、CVD法により絶縁膜25を形成する工程である。これにより、目的に応じて、多様な絶縁膜をゲート絶縁膜として使用できるようになる。
【0070】
以下、図33から図41を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図33から図41は、本発明の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図の一例である。各断面図は、各上面図のA−A'線に沿った断面を示している。本実施形態の製造方法は、n型MISFETにも、p型MISFETにも適用可能であるが、ここでは、図33から図41を用い、n型MISFETの製造方法を一例として説明する。
【0071】
まず、実施形態1の製造方法と同様に、図1、図2の製造工程を行う。次に、例えば、実施形態2の製造方法と同様に、図21から図23の製造工程を行う。
【0072】
次に、本実施形態の製造方法では、図33に示すように、ゲート絶縁膜25を孔9にコンフォーマルに成膜する。例えば、ゲート絶縁膜25として、Si酸化膜をCVD法によって成膜する。その他のゲート絶縁膜25の例としては、Si窒化膜や、Ta、Al、HfO、ZrO、ZrON、HfON、HfAlON、HfSiON、HfAlSiONなどのいわゆるHigh−k膜を用いてもよい。また、これらの積層膜であってもかまわない。以下では、ゲート絶縁膜25を、CVD法によって成膜されたSi酸化膜として、説明を行う。
【0073】
次に、図34に示すように、ドーピングされていない非晶質Si膜6を、孔9の側壁にそって、コンフォーマルに成膜する。例えば、減圧CVD法で非晶質Si膜6を成膜する。非晶質Si膜6の成膜後、図35に示すように、ドライエッチングで非晶質Si膜6を異方性エッチングし、孔9の側壁にそって、非晶質Si膜6の側壁を形成する。孔9の底面には、ゲート絶縁膜25から連なる絶縁膜が露出した状態となる。
【0074】
この状態で、図36に示すように、孔9の底面に露出した、ゲート絶縁膜25から連なる絶縁膜を除去する。ゲート絶縁膜25が、CVD法によって成膜されたSi酸化膜であれば、実施形態1の製造方法、実施形態2の製造方法で説明したように、希フッ酸処理を行う。フッ酸処理は、孔9底の絶縁膜25を除去するとともに、後工程の非晶質Si膜成膜の前処理を兼ねる。なお、この際、孔9の側面で上側付近のゲート絶縁膜25もエッチングされるが、基本的には、ゲート電極となる多結晶Si膜7近傍のゲート絶縁膜が残存していれば問題ない。ゲート絶縁膜25がHigh−k膜であれば、膜種に応じたウエット処理を行って、孔9の底面に露出した部分の絶縁膜を除去する。さらに、次工程の非晶質Si膜成膜の前処理として、自然酸化膜の除去のため、希フッ酸処理を行う。
【0075】
図36の希フッ酸処理の後、図37に示すように、直ちに、UHV−CVD法で非晶質Si膜6を成膜し、孔9を非晶質Si膜6で埋める。半導体基板1に縦型MISFETを同時に複数個作製し、孔9の断面形状や断面積が異なるものが混在する場合、非晶質Si膜6は、最も断面積が大きい孔9が十分埋まる膜厚で成膜する。実施形態1の製造方法で説明したように、図36で気相HF処理を実施し、その後、大気にふれさせることなく超高真空中を搬送して、図37でUHV−CVD法で非晶質Si膜6を成膜してもよい。
【0076】
非晶質Si膜6の成膜後は、図38に示すように、CMP法により、非晶質Si膜6を平坦化する。この際、Si窒化膜19は、CMP時のストッパー膜になる。それから、図39に示すように、Si窒化膜19をリン酸処理で除去する。
【0077】
Si窒化膜19の除去後、図40に示すように、窒素雰囲気、600度で熱処理することで、孔9に埋まった非晶質Si膜6を固相エピタキシャル成長させ、非晶質Si膜6を単結晶Si膜12に変化させる。なお、ゲート絶縁膜25がSi窒化膜やHigh−k膜の場合には、固相エピタキシャル成長時の熱処理温度は、ゲート絶縁膜25の膜種によって、変化させる(低温にする)必要がある。これは、ゲート絶縁膜25の膜種によっては、ゲート絶縁膜25に接する非晶質膜6に結晶核が生成し、この結晶核が種結晶となって、ここから多結晶Siの成長が始まり、意図する単結晶Siの成長ができない場合があるからである。単結晶Si膜12の形成後、縦型MISFETのしきい値電圧調整のため、単結晶Si膜12に、p型のドーパントをイオン注入する。例えば、1価のBをイオン注入する。この後、減圧CVD法で多結晶Si膜7を成膜し、表面をCMP法で平坦化すると、図41のような形状となる。なお、多少の段差はつくが、後工程のプロセスで問題なければ、多結晶Si膜7成膜後のCMPは行わなくてもかまわない。
【0078】
これから後の工程は、実施形態1の製造方法の図14からの工程に準じて実現される。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0079】
なお、本実施形態の場合も、実施形態1で説明した変更と同様の変更を行うことで、p型MISFETに適用可能である。単結晶Siチャネルへのしきい値電圧調整用のドーパントの導入時期についても、実施形態1の製造方法で説明したように、図40の固相エピタキシャル成長後イオン注入する代わりに、図34で成膜する非晶質Si膜6、図37で成膜する非晶質Si膜6に、それぞれ、しきい値電圧調整用の同じp型のドーパント(n型MISFETの場合)もしくはn型のドーパント(p型MISFETの場合)を同量ドーピングしてもよい。半導体基板1についても、実施形態1の製造方法と同様なものが使用可能で、図34で成膜され、図35で側壁となる非晶質半導体と、図37で孔9の残りの部分に埋め込まれる非晶質半導体は、基板の単結晶材料と同じにする。
【0080】
なお、上記の説明では、まず、実施形態1の製造方法と同様に、図1、図2の製造工程を行い、次に実施形態2の製造方法と同様に、図21から図23の製造工程を行った後で、図33の製造工程を行う例を説明した。しかし、本実施形態の半導体装置の製造方法はこれに限定されず、その他の例として、まず、実施形態1の製造方法と同様に、図1、図2の製造工程を行い、次に実施形態2の製造方法と同様に、図21から図24の製造工程を行った後で、図33の製造工程を行ってもよい。この場合、縦型MISFETのゲート絶縁膜は、酸化膜、ないしは酸窒化膜と、CVD法で形成された絶縁膜の積層膜となる。
【0081】
また、前記製造方法はあくまで一例であり、実施形態1および2で説明した製造方法をあらゆる形で組み合わせ、実現することができる。
【0082】
以上の説明のように、本実施形態の製造方法を用いれば、ゲート絶縁膜として、孔9にコンフォーマルに成膜される膜を用いることができる。コンフォーマルに成膜されるゲート絶縁膜としては、CVD法によって形成される絶縁膜などがあり、ゲート絶縁膜としてHigh−k膜を用いる縦型MISFETに適用可能である。
<実施形態4>
【0083】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1から3を基本とし、さらに、図49に示すように、半導体膜形成工程S40で形成され、後工程で単結晶化された半導体膜21と接する半導体部12を構成する半導体と、前記半導体と接する半導体膜21と、は、ドーピングの有無、ドーピングの型、ドーピング濃度、ドーパントの種類、材料のうち、少なくとも一つが異なる。
【0084】
本実施形態の半導体装置は、図42に示すように、半導体基板1または半導体層に形成された下部電極となる不純物領域8の上に、第一絶縁層4、5と、ゲート電極となるゲート電極層7と、第二絶縁層5、4と、をこの順に積層した積層体と、前記積層体を半導体基板1と略垂直方向に貫通し、不純物領域8と接するチャネル部12、21と、前記積層体の上方に、チャネル部12、21の不純物領域8と接する面の反対側の面に接して形成される上部電極層と、ゲート電極層7とチャネル部12、21との間に、チャネル部12、21の周囲を囲むように形成されるゲート絶縁膜10と、を有する縦型MISFETであって、ゲート電極7と上部電極との間の第二絶縁層5、4の厚さ、および、ゲート電極7と下部電極8との間の第一絶縁層4、5の厚さは、ゲート絶縁膜10の膜厚より厚く、ゲート絶縁膜10に周囲を囲まれたチャネル部12、21は、半導体基板1に垂直な方向に均一な複数の半導体12、21で構成されている。
【0085】
また、本実施形態の半導体装置のゲート絶縁膜10は、酸化膜、窒化膜、酸窒化膜、酸化膜と窒化膜の積層膜(ONO膜)の中のいずれかであってもよい。
【0086】
また、本実施形態の半導体装置のゲート絶縁膜10は、CVD法により形成されてもよい。
【0087】
また、本実施形態の半導体装置のチャネル部12、21を構成する半導体は、不純物領域8を形成した半導体基板1または半導体層を構成する単結晶半導体と同じ材料の単結晶半導体を含んでもよい。
【0088】
また、本実施形態の半導体装置のチャネル部12、21を構成する複数の半導体の隣り合う半導体どうしは、ドーピングの有無、ドーピングの型、ドーピング濃度、ドーパントの種類、材料のうち、少なくとも一つが異なってもよい。
【0089】
また、本実施形態の半導体装置のチャネル部12、21は、上部電極およびゲート電極7および下部電極8と、異なる型のドーパントでドーピングされており、そのドーピング濃度は、ゲート絶縁膜10と接する側面からチャネル部12、21の略中心軸に向かって高くなっていてもよい。
【0090】
また、本実施形態の半導体装置のチャネル部12、21は、ゲート絶縁膜10と接する部分は真性半導体で構成され、前記真性半導体と隣接する部分は、上部電極およびゲート電極7および下部電極8と、異なる型のドーパントでドーピングされた半導体で構成されてもよい。
【0091】
また、本実施形態の半導体装置のチャネル部12、21は、ゲート絶縁膜10に接するSiGeと、前記SiGeに接するSiと、から構成されてもよい。
【0092】
図42は、本実施形態の半導体装置の上面図(図42(a))及び断面図(図42(b))の一例である。断面図は、上面図のA−A'線に沿った断面を示している。本実施形態の半導体装置は、n型の縦型MISFETもしくはp型の縦型MISFETであるが、図42では、n型の縦型MISFETを一例として示している。
【0093】
本実施形態の半導体装置の構造上の第1の特徴は、縦型MISFETを構成するチャネル部12、21のうち、ゲート絶縁膜10で周囲を囲まれた部分が、半導体基板1に垂直な方向に均一な複数層の半導体12、21から構成されていることである。すなわち、チャネル部分12、21のうち、ゲート絶縁膜10に接する部分は第1の単結晶半導体21で構成され、第1の単結晶半導体21で周囲を囲まれるように、単結晶Si12が形成されている。図42のように、縦型MISFETの断面形状が円であれば、ゲート絶縁膜10、第1の単結晶半導体21、単結晶Si12が、この順番に外側から同心円状に構成される。
【0094】
第1の単結晶半導体21は、単結晶Si12と、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なるものである。例えば、第1の単結晶半導体21と単結晶Si12が、ともにp型Siであるが、ドーピング濃度が異なる(例として、第1の単結晶半導体21のドーピング濃度が、単結晶Si12のドーピング濃度より薄い)場合がある。あるいは別の場合として、第1の単結晶半導体21がドーピングされていない真性半導体の単結晶Siで、単結晶Si12がp型Siである場合がある。また別の場合には、第1の単結晶半導体21と単結晶Si12のドーピングの有無、型、濃度、ドーパントの種類は同じだが、第1の単結晶半導体21がSi以外の材料(SiGe、SiC、SiGeCなど)である場合がある。ただし、第1の単結晶半導体21がSi以外の材料(SiGe、SiC、SiGeCなど)である場合には、後で述べるように、固相エピタキシャル成長で第1の単結晶半導体21を作製するため、Ge、Cの含有率は高くなく、第1の単結晶半導体21の膜厚は臨界膜厚よりずっと薄い場合に限定される。このように、第1の単結晶半導体21は、単結晶Si12と、ドーピングの有無、型、濃度、ドーパントの種類、材料のうち、少なくとも1つが異なるものであり、2つ以上のものが異なっていてもよい。
【0095】
本実施形態の半導体装置の構造上の第2の特徴は、縦型MISFETのゲート電極と上部電極の間の絶縁膜(第二絶縁層5、4)の膜厚と、縦型MISFETのゲート電極と下部電極の間の絶縁膜(第一絶縁層4、5)の膜厚が、ゲート絶縁膜10の膜厚より厚いことである。
【0096】
本実施形態の半導体装置の第1の特徴を備えた半導体装置は、例えば、特許文献4にも記載されている。しかしながら、特許文献4の例も含めて、構造上の第1の特徴を備えたこれまでの半導体装置は、縦型MISFETのゲート電極と上部電極の間の絶縁膜の膜厚と、縦型MISFETのゲート電極と下部電極の間の絶縁膜の膜厚のどちらか、もしくはその両方が、ゲート絶縁膜の膜厚と同じであった。このため、ゲート電極と上部電極の間のリークとゲート電極と下部電極の間のリークのどちらか、もしくはその両方が大きくならざるをえなかった(あるいは、ゲート絶縁膜を薄くすることはできなかった)。そのほかにも、ゲート電極と上部電極の間の付加容量、ゲート電極と下部電極の間の付加容量のどちらか、もしくはその両方が大きくなり、高速動作に適さなかった。
【0097】
本実施形態の半導体装置は、第1の構造上の特徴を備えながらも、第2の構造上の特徴を同時に備えることによって、リークの問題や、付加容量の問題を改善する。また、ゲート絶縁膜と独立に、縦型MISFETのゲートと上部電極の間の絶縁膜の膜厚と、縦型MISFETのゲートと下部電極の間の絶縁膜の膜厚を決定できるので、デバイス設計の自由度が増す。
【0098】
ここで、本実施形態の半導体装置の具体的構成について説明する。図42において、ゲート絶縁膜10に接する多結晶Si7がゲート電極である。下部電極は、半導体基板1に形成されたn型拡散層8であり、素子分離膜2に囲まれている。上部電極は、単結晶Si12の上部と、これに接する多結晶Si7(ゲート電極となる多結晶Si7と同じ模様を付してある)である。なお、多結晶Si7もn型にドーピングされている。上部電極とゲート電極の間はNSG膜5とPSG膜4の絶縁層(第二絶縁層5、4)が形成され、下部電極とゲート電極の間は、PSG膜4とNSG膜5の絶縁層(第一絶縁層4、5)が形成されている。そして、第一絶縁層4、5、第二絶縁層5、4ともに、PSG膜4とNSG膜5の膜厚の和が、ゲート絶縁膜10の膜厚より厚くなっている。NSG膜5とPSG膜4の役割は、実施形態1と同様であり、NSG膜5は、オフセットスペーサーで、ゲートとエクステンションの重なりを調整している。PSG膜4は、単結晶Si12にエクステンション13を作製する際の、n型ドーパントの供給源である。
【0099】
半導体基板1は、実施形態1ないし実施形態3と同様に、単結晶半導体基板もしくは単結晶半導体が表面に設けられた基板であり、最も一般的なものはp型のバルクSi(100)基板である。しかしながら、バルクSi基板で(110)、(111)などの他の面方位の基板を用いてもかまわず、面方位に制限されない。また基板のオリフラ(ノッチ)方向にも制限されない。また、ドーピングの型や量にも制限されない。半導体基板1としてはバルクSi基板でなくてもかまわず、半導体単結晶が表面に設けられた基板として、SOI基板を用いてもよい。図42では、半導体基板1として、p型のバルクSi(100)基板を想定して図示している。
【0100】
また、実施形態1ないし実施形態3と同様に、半導体基板1の基板表面の単結晶半導体材料はSiに限定されるわけではなく、他の半導体材料が用いられている基板でもかまわない。例えば、Ge基板、SiC基板、SGOI基板でもよい。また、半導体基板1としてはGaAs、GaN、InAsのようなIII−V族化合物単結晶半導体基板、ZnSeのようなII−VI族化合物単結晶半導体基板であってもよい。この場合、図42で縦型MISFETのチャネル部を構成する単結晶Si12は、基板の単結晶材料と同じ材料になる。例えば、単結晶半導体基板がGe基板であれば、縦型MISFETのチャネル部を構成する単結晶Si12は単結晶Geに置き換わる。このとき、第1の単結晶半導体21は、チャネル部の中心を構成する単結晶Geと、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なるものとなる。また別の場合には、単結晶半導体が表面に設けられた基板としてSGOI基板を用いれば、縦型MISFETのチャネル部を構成する単結晶Si12は単結晶SiGeに置き換わり、SiGeのGe含有率は、SGOI基板のGe含有率と同じものとなる。このとき、第1の単結晶半導体21は、チャネル部の中心を構成する単結晶SiGeと、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なるものとなる。
【0101】
ゲート絶縁膜10は、図42では、Si酸化膜もしくは、Si酸窒化膜を想定している。ゲート絶縁膜として、実施形態3で示したような、Si窒化膜や、Ta、Al、HfO、ZrO、ZrON、HfON、HfAlON、HfSiON、HfAlSiONなどのいわゆるHigh−k膜を用いてもよい。また、これらの積層膜であってもかまわない。このとき、ゲート絶縁膜の形状は、例えば、実施形態3で示した図41のゲート絶縁膜25のような形状となる。
【0102】
図42において、ゲート電極は、多結晶Si7でつくられている。しかしながら、ゲート電極の半導体材料は、多結晶Siに限定されるわけではなく、また基板の単結晶半導体材料と同じにする必要もない。ゲート電極の半導体材料は、多結晶Siでも、多結晶Geでも、多結晶SiGeでも、そのほかの材料でもかまわない。また半導体に限らず、金属ゲートでもよい。金属ゲートの例として、多結晶SiからなるゲートをNiシリサイドですべてシリサイド化したものがあげられる。
【0103】
図42において、ゲート電極となる多結晶Si7の表面、上部電極となる多結晶Si7の表面、半導体基板1に作られる下部電極となるn型拡散層8の表面には、シリサイド層15が形成されている。シリサイド層15としては、Niシリサイド、Tiシリサイド、Coシリサイド、Pdシリサイド、Ptシリサイド、Erシリサイドなどが用いられるが、これらのシリサイドに限定されるものではない。また、金属合金のシリサイドでもよい。金属合金シリサイドとしては、例えばNiPtシリサイドがある。なお、サイドウォール絶縁膜14が、ゲートの端や上部電極の端に形成されているが、これは、シリサイド層15の形成時、シリサイド層15によって、ゲートと上部電極間、ゲートと下部電極間を短絡させないためのものである。
【0104】
シリサイド層に接して、ストッパー絶縁膜16が形成されている。ストッパー絶縁膜16は、コンタクト18形成の工程で、層間絶縁膜17にコンタクトホールを形成するエッチング時、エッチングを停止させるためのものである。
【0105】
次に、図43から図50を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図43から図50は、本実施形態の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図の一例である。各断面図は、各上面図のA−A'線に沿った断面を示している。本実施形態の製造方法は、n型MISFETにも、p型MISFETにも適用可能であるが、ここでは、図43から図50を用い、n型MISFETの製造方法を一例として説明する。
【0106】
まず、実施形態1の製造方法と同様に、図1、図2の製造工程を行う。次に、実施形態2の製造方法と同様に、図21から図24の製造工程を行う。
【0107】
この後、図43に示すように、第1の非晶質半導体20を、孔9の側壁にそって、コンフォーマルに成膜する。例えば、減圧CVD法で、第1の非晶質半導体20を成膜する。第1の非晶質半導体20の成膜後、図44に示すように、ドライエッチングで第1の非晶質半導体20を異方性エッチングし、孔9の側壁にそって、第1の非晶質半導体20の側壁を形成する。孔9の底面には、ゲート絶縁膜10と同時に形成された絶縁膜11が露出した状態となる。
【0108】
この状態で、図45に示すように、希フッ酸処理を行う。希フッ酸処理は、孔9底の絶縁膜11を除去するとともに、後工程の非晶質Si成膜の前処理を兼ねる。希フッ酸処理を行うと、絶縁膜11は除去されるが、ゲート絶縁膜10は、第1の非晶質半導体20の側壁に保護されて、エッチングされない。すなわち、孔9の底面の絶縁膜11を除去する際に、ゲート絶縁膜10は損傷を受けない。
【0109】
図45の希フッ酸処理の後、図46に示すように、直ちに、UHV−CVD法で非晶質Si膜6を成膜し、孔9を非晶質Si膜6で埋める。半導体基板1に縦型MISFETを同時に複数個作製し、孔9の断面形状や断面積が異なるものが混在する場合、非晶質Si膜6は、最も断面積が大きい孔9が十分埋まる膜厚で成膜する。実施形態1の製造方法で説明したように、図45で気相HF処理を実施し、その後、大気にふれさせることなく超高真空中を搬送して、図46でUHV−CVD法で非晶質Si膜6を成膜してもよい。
【0110】
非晶質Si膜6の成膜後は、図47に示すように、CMP法により、非晶質Si膜6を平坦化する。この際、Si窒化膜19は、CMP時のストッパー膜になる。それから、図48に示すように、Si窒化膜19をリン酸処理で除去する。Si窒化膜19の除去後、図49に示すように、窒素雰囲気で熱処理することで、孔9側壁の第1の非晶質半導体20と残りの孔9に埋まった非晶質Si膜6を固相エピタキシャル成長させ、孔9側壁の第1の非晶質半導体20は第1の単結晶半導体21に、残りの孔9に埋まった非晶質Si膜6は単結晶Si膜12に、それぞれ変化させる。
【0111】
縦型MISFETのしきい値電圧調整のためのドーパントを、図43の第1の非晶質半導体20の成膜時、もしくは、図46の非晶質Si成膜時に導入していない場合は、固相エピタキシャル成長後、第1の単結晶半導体21と単結晶Si膜12に、p型のドーパントをイオン注入する。例えば、1価のBをイオン注入する。
【0112】
この後、減圧CVD法で多結晶Si膜7を成膜し、表面をCMP法で平坦化すると、図50のような形状となる。なお、多少の段差はつくが、後工程のプロセスで問題なければ、多結晶Si膜7成膜後のCMPは行わなくてもかまわない。
【0113】
これから後の工程は、実施形態1の製造方法の図14からの工程に準じて実現される。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0114】
なお、本実施形態の場合も、実施形態1の製造方法と同様な変更を行うことで、p型MISFETに適用可能である。また、前記製造方法はあくまで一例であり、実施形態1ないし3で説明した製造方法をあらゆる形で組み合わせ、実現することができる。
<実施形態5>
【0115】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1から4を基本とし、さらに、図53に示すように、半導体膜形成工程S40は、ゲート電極層7の前記露出部分の上に形成された絶縁膜10の上に、複数の半導体膜20、22を重ねて形成する工程であって、さらに、図58に示すように、半導体膜形成工程S40で形成され、後工程で単結晶化された半導体膜23と接する半導体部12を構成する半導体と、前記半導体と接する半導体膜23、前記半導体膜23と接する半導体膜21の3つのうち、隣り合う半導体膜どうしは、ドーピングの有無、ドーピングの型、ドーピング濃度、ドーパントの種類、材料のうち、少なくとも一つが異なる。
【0116】
図51は、本実施形態の半導体装置の上面図(図51(a))及び断面図(図51(b))の一例である。断面図は、上面図のA−A'線に沿った断面を示している。本実施形態の半導体装置は、n型の縦型MISFETもしくはp型の縦型MISFETであるが、図51では、n型の縦型MISFETを一例として示している。
【0117】
本実施形態の半導体装置は、実施形態4の半導体装置の一部を変更したものであり、実施形態4の半導体装置と同様に、2つの構造上の特徴を有する。2つの構造上の特徴とは、(1)チャネル部12、21、23のうち、ゲート絶縁膜10で周囲を囲まれた部分が、半導体基板1に垂直な方向に均一な複数層の半導体12、21、23から構成されており、隣接する半導体どうしは、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なること、(2)縦型MISFETのゲート電極と上部電極の間の絶縁膜(第二絶縁層5、4)の膜厚と、縦型MISFETのゲート電極と下部電極の間の絶縁膜(第一絶縁層4、5)の膜厚が、ゲート絶縁膜10の膜厚より厚いこと、である。
【0118】
本実施形態の半導体装置と、実施形態4の半導体装置との違いは、縦型MISFETを構成するチャネル部12、21、23の構造である。具体的には、チャネル部12、21、23のうちの、ゲート絶縁膜10で周囲を囲まれた部分の構造である。図42に示す実施形態4の半導体装置では、ゲート絶縁膜10に接する部分が第1の単結晶半導体21で構成され、第1の単結晶半導体21で周囲を囲まれるように単結晶Si12が形成されている。それに対し、本実施形態の半導体装置は、図51に示すように、ゲート絶縁膜10に接する部分が第1の単結晶半導体21で構成され、第1の単結晶半導体21で周囲を囲まれるように、第2の単結晶半導体23が形成され、さらに第2の単結晶半導体23で周囲を囲まれるように、単結晶Si12が形成されている。図51に示すように、縦型MISFETの断面形状が円であれば、ゲート絶縁膜10、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、単結晶Si12が、この順番に外側から同心円状に構成される。
【0119】
第1の単結晶半導体21と第2の単結晶半導体23、第2の単結晶半導体23と単結晶Si12のように、互いに接する単結晶半導体は、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なる。第1の単結晶半導体21と単結晶Si12のように、互いに接しない単結晶半導体については、特に制限はない。ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)がすべて同じでもよいし、いくつかのものが異なっていてもかまわない。
【0120】
例えば、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、単結晶Si12が、すべてp型Siであるが、ドーピング濃度が異なる場合がある。あるいは別の場合として、第1の単結晶半導体21がドーピングされていない真性半導体の(もしくはドーピング濃度が薄い)単結晶Siで、第2の単結晶半導体23が、ドーピング濃度が高いp型Siでハローの役目を果たし、単結晶Si12が、ドーピング濃度が薄いp型Siである場合がある(この場合、第1の単結晶半導体21の膜厚は、縦型MISFETのエクステンション深さとほぼ同等にする)。また別の場合には、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、単結晶Si12のドーピングの有無、型、濃度、ドーパントの種類は同じだが、第1の単結晶半導体21がSiで、第2の単結晶半導体23がSi以外の材料(SiGe、SiC、SiGeCなど)である場合がある。さらにまた別の場合には、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、単結晶Si12のドーピングの有無、型、濃度、ドーパントの種類は同じだが、第1の単結晶半導体21がSiGeで、第2の単結晶半導体23がSiGeで、第1の単結晶半導体21と第2の単結晶半導体23のGe濃度が異なる(例として、第1の単結晶半導体21のGe濃度が、第2の単結晶半導体23のGe濃度より高い)場合がある。ただし、実施形態4と同様、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23がSi以外の材料(SiGe、SiC、SiGeCなど)である場合には、後で述べるように、第1の単結晶半導体21と第2の単結晶半導体23を同時に固相エピタキシャル成長で作製するため、Ge、Cの含有率は高くなく臨界膜厚よりずっと薄い場合に限定される。このように、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、チャネル部の中心を構成する単結晶Si12は、その隣り合うもので、ドーピングの有無、型、濃度、ドーパントの種類、材料のうち、少なくとも1つが異なるものであり、2つ以上のものが異なっていてもよい。
【0121】
また、図51では、縦型MISFETを構成するチャネル部12、21、23のうち、ゲート絶縁膜10で周囲を囲まれた部分が、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、単結晶Si12で構成されているが、さらに多くの単結晶半導体で構成されていてもかまわない。すなわち、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、第3の単結晶半導体、...、第n(nは自然数)の単結晶半導体、単結晶Si12という形で、複数の半導体膜をリング形状に重ねた構成としてもかまわない。ただし、この場合も、互いに接する単結晶半導体は、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Ab、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なるようにする。例えば、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、第3の単結晶半導体、...、第n(nは自然数)の単結晶半導体、単結晶Si12という形で、第1の単結晶半導体21から第n(nは自然数)の単結晶半導体までが、すべてSiGeであり、前記SiGeのGe濃度は、ゲート絶縁膜10とチャネル部との界面からチャネル部の略中心軸に向かって低くなってもよい。
【0122】
また、別の場合には、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、第3の単結晶半導体、...、第n(nは自然数)の単結晶半導体、単結晶Si12という形で、第1の単結晶半導体21から第n(nは自然数)の単結晶半導体と単結晶Si12が、上部電極およびゲート電極7および下部電極8と、異なる型のドーパントでドーピングされているか、もしくはノンドープであって、チャネル部の第一絶縁層4、5および第二絶縁層5、4との界面沿いには、前記界面からチャネル部の略中心軸に向かう方向を深さ方向とするエクステンション13が形成され、チャネル部の前記ドーピング濃度は、エクステンション13の最深部より、チャネル部の略中心軸側に濃度ピークを有してもよい。
【0123】
なお、図51に示す半導体装置は、図42に示す実施形態4の半導体装置と同様、半導体基板1として、p型のバルクSi(100)基板を想定して図示している。本実施形態においても、実施形態4の半導体装置と同様に、半導体基板1として種々のものが利用可能であるが、半導体基板1を変えたときの半導体装置の変更は、実施形態4の半導体装置と同様である。
【0124】
本実施形態の半導体装置のその他の構造については、実施形態4の半導体装置と変わらない。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0125】
次に、図52から図59を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図52から図59は、本実施形態の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図の一例である。各断面図は、各上面図のA−A'線に沿った断面を示している。本実施形態の製造方法は、n型MISFETにも、p型MISFETにも適用可能であるが、ここでは、図52から図59を用い、n型MISFETの製造方法を一例として説明する。
【0126】
まず、実施形態1の製造方法と同様に、図1、図2の製造工程を行う。次に、実施形態2の製造方法と同様に、図21から図24の製造工程を行う。さらに、実施形態4の製造方法と同様に、図43、図44の製造工程を行う。
【0127】
この後、図52に示すように、第2の非晶質半導体22を、孔9に形成された第1の非晶質半導体20の側壁にそって、コンフォーマルに成膜する。例えば、減圧CVD法で、第2の非晶質半導体22を成膜する。第2の非晶質半導体22の成膜後、図53に示すように、ドライエッチングで第2の非晶質半導体22を異方性エッチングし、第2の非晶質半導体22の側壁を形成する。このとき、孔9の底面には、ゲート絶縁膜10と同時に形成された絶縁膜11が露出した状態となる。なお、チャネル部を第1の単結晶半導体、第2の単結晶半導体、第3の単結晶半導体、...、第n(nは自然数)の単結晶半導体、単結晶Siという形で構成する場合、第k(kは自然数、2<k≦n)の非晶質半導体のコンフォーマル成膜、エッチングによる側壁形成を繰り返す。
【0128】
この状態で、図54に示すように、希フッ酸処理を行う。希フッ酸処理は、孔9底の絶縁膜11を除去するとともに、後工程の非晶質Si成膜の前処理を兼ねる。希フッ酸処理を行うと、絶縁膜11は除去されるが、ゲート絶縁膜10は、第1の非晶質半導体20の側壁と第2の非晶質半導体22の側壁に保護されて、エッチングされない。すなわち、孔9の底面の絶縁膜11を除去する際に、ゲート絶縁膜10は損傷を受けない。
【0129】
図54の希フッ酸処理の後、図55に示すように、直ちに、UHV−CVD法で非晶質Si膜6を成膜し、孔9の残りの部分を非晶質Si膜6で埋める。半導体基板1に縦型MISFETを同時に複数個作製し、孔9の断面形状や断面積が異なるものが混在する場合、非晶質Si膜6は、最も断面積が大きい孔9が十分埋まる膜厚で成膜する。実施形態1の製造方法で説明したように、図54で気相HF処理を実施し、その後、大気にふれさせることなく超高真空中を搬送して、図55でUHV−CVD法で非晶質Si膜6を成膜してもよい。
【0130】
非晶質Si膜6の成膜後は、図56に示すように、CMP法により、非晶質Si膜6を平坦化する。この際、Si窒化膜19は、CMP時のストッパー膜になる。それから、図57に示すように、Si窒化膜19をリン酸処理で除去する。Si窒化膜19の除去後、図58に示すように、窒素雰囲気で熱処理することで、孔9側壁の第1の非晶質半導体20、第2の非晶質半導体22、残りの孔9に埋まった非晶質Si膜6を固相エピタキシャル成長させ、孔9側壁の第1の非晶質半導体20は第1の単結晶半導体21に、第2の非晶質半導体22は第2の単結晶半導体23に、残りの孔9に埋まった非晶質Si膜6は単結晶Si膜12に、それぞれ変化させる。
【0131】
縦型MISFETのしきい値電圧調整のためのドーパントを、図43の第1の非晶質半導体20の成膜時、図52の第2の非晶質半導体22の成膜時、もしくは、図55の非晶質Si成膜時、に導入していない場合は、固相エピタキシャル成長後、第1の単結晶半導体21と第2の単結晶半導体23と単結晶Si膜12に、p型のドーパントをイオン注入する。例えば、1価のBをイオン注入する。
【0132】
この後、減圧CVD法で多結晶Si膜7を成膜し、表面をCMP法で平坦化すると、図59のような形状となる。なお、多少の段差はつくが、後工程のプロセスで問題なければ、多結晶Si膜7成膜後のCMPは行わなくてもかまわない。
【0133】
これから後の工程は、実施形態1の製造方法の図14からの工程に準じて実現される。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0134】
なお、本実施形態の場合も、実施形態1の製造方法と同様な変更を行うことで、p型MISFETに適用可能である。また、前記製造方法はあくまで一例であり、実施形態1ないし4で説明した製造方法をあらゆる形で組み合わせ、実現することができる。
<実施形態6>
【0135】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1から5を基本とし、さらに、図66に示すように、半導体部形成工程S60は、孔9(図示せず)を、孔9(図示せず)の側壁沿いにリング状に形成した半導体部12、21と、前記リング状の中央開口空間を埋める絶縁体24と、で埋める工程である。
【0136】
また、半導体部形成工程S60は、図64に示すように、孔9(図示せず)の側壁沿いに非晶質の半導体部6を形成後、孔9(図示せず)を絶縁体24で埋め、その後、非晶質の半導体部6を、半導体膜形成工程S40で形成した非晶質半導体膜20とともに加熱処理し単結晶半導体に結晶化する工程(図66参照)であってもよい。
【0137】
本実施形態の半導体装置は、実施形態4または5を基本とし、さらに、図60に示すように、チャネル部12、21は、半導体膜を複数重ねたリング形状であり、前記リング形状の中心の開口空間には絶縁体24が埋められている。
【0138】
図60は、本実施形態の半導体装置の上面図(図60(a))及び断面図(図60(b))の一例である。断面図は、上面図のA−A'線に沿った断面を示している。本実施形態の半導体装置は、n型の縦型MISFETもしくはp型の縦型MISFETであるが、図60では、n型の縦型MISFETを一例として示している。
【0139】
本実施形態の半導体装置は、実施形態4の半導体装置もしくは実施形態5の半導体装置の一部を変更したもので、実施形態4の半導体装置や実施形態5の半導体装置と同様に、2つの構造上の特徴を有する。2つの構造上の特徴とは、(1)チャネル部12、21のうち、ゲート絶縁膜10で周囲を囲まれた部分が、半導体基板1に垂直な方向に均一な複数層の半導体12、21から構成されており、隣接する半導体どうしは、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なること、(2)縦型MISFETのゲート電極と上部電極の間の絶縁膜(第二絶縁層5、4)の膜厚と、縦型MISFETのゲート電極と下部電極の間の絶縁膜(第一絶縁層4、5)の膜厚が、ゲート絶縁膜10の膜厚より厚いこと、である。
【0140】
本実施形態の半導体装置と、実施形態4および実施形態5の半導体装置との違いは、縦型MISFETを構成するチャネル部12、21の構造である。具体的には、本実施形態のチャネル部12、21は、孔9の側壁沿いにリング状に形成されている。そして、リング状のチャネル部12、21の中央開口空間は絶縁体24が埋められている。
【0141】
本実施形態の半導体装置は、図60に示すように、縦型MISFETを構成するチャネル部12、21のうち、ゲート絶縁膜10に接する部分が第1の単結晶半導体21で構成され、第1の単結晶半導体21で周囲を囲まれるように、単結晶Si12が形成されている。そして、チャネル部12、21に周囲を囲まれるように、絶縁体24が形成されている。図60に示すように、縦型MISFETの断面形状が円であれば、ゲート絶縁膜10、第1の単結晶半導体21、単結晶Si12、絶縁体24が、この順番に外側から同心円状に構成される。第1の単結晶半導体21は、第1の単結晶半導体21に接する単結晶Si12と、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なるものである。第1の単結晶半導体21と単結晶Si12の具体例については、実施形態4と同様なものが考えられる。絶縁体24については、後述するように、CMPを行って、Si窒化膜で停止させるので、CMP時にSi窒化膜とレートが大きく異なるものが好ましい。そのような絶縁体24の例として、Si酸化膜があげられる。
【0142】
本実施形態の半導体装置のその他の構造については、実施形態4または5の半導体装置と変わらない。よって、ここでの詳細な説明は省略する。なお、本実施形態の一例を示す図60は、実施形態4の半導体装置の一部を変更した半導体装置であるが、本実施形態は、第1の単結晶半導体21と単結晶Si12の間に、第2の単結晶半導体を設けることで、実施形態5の半導体装置の一部を変更した半導体装置とすることができる。
【0143】
ここで、縦型MISFETの中心部に絶縁体24が設けられた半導体装置は、例えば、非特許文献1や特許文献5に記載されている。しかしながら、本実施形態の半導体装置は、上述した2つの構造上の特徴を同時に有するため、新規な半導体装置となる。
【0144】
次に、図61から図67を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図61から図67は、本実施形態の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図の一例である。各断面図は、各上面図のA−A'線に沿った断面を示している。本実施形態の製造方法は、n型MISFETにも、p型MISFETにも適用可能であるが、ここでは、図61から図67を用い、n型MISFETの製造方法を一例として説明する。
【0145】
まず、実施形態1の製造方法と同様に、図1、図2の製造工程を行う。次に、実施形態2の製造方法と同様に、図21から図24の製造工程を行う。さらに、実施形態4の製造方法と同様に、図43から図45の製造工程を行う。
【0146】
図45の希フッ酸処理の後、図61に示すように、直ちに、UHV−CVD法で非晶質Si膜6を成膜する。実施形態1の製造方法で説明したように、図45で気相HF処理を実施し、その後、大気にふれされることなく超高真空中を搬送して、図61でUHV−CVD法で非晶質Si膜6を成膜してもよい。実施形態4の半導体装置の製造方法では、このとき、非晶質Si6で孔9の残りをすべて埋めていたのに対し、本実施形態の半導体装置の製造方法では、孔9の残りを非晶質Si6ですべて埋めない点が異なる。非晶質Si6の成膜後、図62に示すように、異方性エッチング(ドライエッチング)を行い、Si窒化膜19上の非晶質Si6と、孔9底の非晶質Si6を除去する。
【0147】
その後、図63に示すように、孔9の残りの部分を絶縁膜24で埋める。例えば、減圧CVD法で、Si酸化膜を成膜して孔9の残りの部分を埋める。半導体基板1に縦型MISFETを同時に複数個作製し、孔9の断面形状や断面積が異なるものが混在する場合、絶縁膜24は、最も断面積が大きい孔9が十分埋まる膜厚で成膜する。
【0148】
絶縁膜24の成膜後は、図64に示すように、CMP法により、絶縁膜24を平坦化する。この際、Si窒化膜19は、CMP時のストッパー膜になる。それから、図65に示すように、Si窒化膜19をリン酸処理で除去する。Si窒化膜19の除去後、図66に示すように、窒素雰囲気で熱処理することで、孔9側壁の第1の非晶質半導体20と非晶質Si膜6を固相エピタキシャル成長させ、孔9側壁の第1の非晶質半導体20は第1の単結晶半導体21に、非晶質Si膜6は単結晶Si膜12に、それぞれ変化させる。
【0149】
縦型MISFETのしきい値電圧調整のためのドーパントを、図43の第1の非晶質半導体20の成膜時、もしくは、図61の非晶質Si6の成膜時に導入していない場合は、固相エピタキシャル成長後、第1の単結晶半導体21と単結晶Si膜12に、p型のドーパントをイオン注入する。例えば、1価のBをイオン注入する。
【0150】
この後、減圧CVD法で多結晶Si膜7を成膜し、表面をCMP法で平坦化すると、図67のような形状となる。なお、多少の段差はつくが、後工程のプロセスで問題なければ、多結晶Si膜7成膜後のCMPは行わなくてもかまわない。
【0151】
これから後の工程は、実施形態1の製造方法の図14からの工程に準じて実現される。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0152】
なお、本実施形態の場合も、実施形態1の製造方法と同様な変更を行うことで、p型MISFETに適用可能である。また、前記製造方法はあくまで一例であり、実施形態1ないし5で説明した製造方法をあらゆる形で組み合わせ、実現することができる。
【0153】
また、以上では、図60に示すような実施形態4の半導体装置の一部を変更した半導体装置の製造方法について説明したが、実施形態5の半導体装置の一部を変更した半導体装置を製造するには、以下のようにすればよい。まず、実施形態1の製造方法と同様に、図1、図2の製造工程を行う。次に、実施形態2の製造方法と同様に、図21から図24の製造工程を行う。さらに、実施形態4の製造方法と同様に、図43、図44の製造工程を行う。そして、実施形態5の製造方法と同様に、図52から図54の製造工程を行う。この後、本実施形態の図61からの製造工程を行う。
<実施形態7>
【0154】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1から6を基本とし、さらに、図73に示すように、半導体部形成工程S60は、孔9の側壁沿いに複数の半導体膜12、23を重ねて半導体部12、23、21を形成する工程であって、前記複数の半導体膜の隣り合う半導体膜どうしは、ドーピングの有無、ドーピングの型、ドーピング濃度、ドーパントの種類、材料のうち、少なくとも一つが異なる。
【0155】
このような製造方法によれば、チャネル部12、21、23を構成する半導体のうち、二つの半導体12、23が不純物領域8に接する半導体装置が得られる。
【0156】
また、図73では、縦型MISFETを構成するチャネル部12、21、23のうち、ゲート絶縁膜10で周囲を囲まれた部分が、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、単結晶Si12で構成されているが、さらに多くの単結晶半導体で構成されていてもかまわない。すなわち、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、第3の単結晶半導体、...、第n(nは自然数)の単結晶半導体、単結晶Si12という形で、複数の半導体膜をリング形状に重ねた構成としてもかまわない。この場合、第2の単結晶半導体23、第3の単結晶半導体、...、第n(nは自然数)の単結晶半導体、単結晶Si12が、不純物領域8に接する。ただし、この場合も、互いに接する単結晶半導体は、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なるようにする。
【0157】
なお、本実施形態の半導体装置の製造方法は、半導体部形成工程S60において、孔9の底面に露出している不純物領域8に接するよう、孔9の側壁沿いに重ねて形成された複数の半導体膜12、23の中の少なくとも一つは、不純物領域8を形成した半導体基板1または半導体層を構成する単結晶半導体と同じ材料であってもよい。
【0158】
以下、図68から図74を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図68から図74は、本実施形態の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図の一例である。各断面図は、各上面図のA−A'線に沿った断面を示している。本実施形態の製造方法は、n型MISFETにも、p型MISFETにも適用可能であるが、ここでは、図68から図74を用い、n型MISFETの製造方法を一例として説明する。
【0159】
まず、実施形態1の製造方法と同様に、図1、図2の製造工程を行う。次に、実施形態2の製造方法と同様に、図21から図24の製造工程を行う。さらに、実施形態4の製造方法と同様に、図43から図45の製造工程を行う。
【0160】
図45の希フッ酸処理の後、図68に示すように、直ちに、UHV−CVD法で第2の非晶質半導体22を成膜する。実施形態1の製造方法で説明したように、図45で気相HF処理を実施し、その後、大気にふれされることなく超高真空中を搬送して、図68でUHV−CVD法で第2の非晶質半導体22を成膜してもよい。実施形態6の半導体装置の製造方法では、このとき、非晶質Si6を成膜していたのに対し、本実施形態の半導体装置の製造方法では、非晶質Si6の代わりに第2の非晶質半導体22を成膜する点が異なる。第2の非晶質半導体22の成膜後、図69に示すように、異方性エッチング(ドライエッチング)を行い、Si窒化膜19上の第2の非晶質半導体22と、孔9底の第2の非晶質半導体22を除去する。なお、チャネル部を第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、第3の単結晶半導体、...、第n(nは自然数)の単結晶半導体、単結晶Si12という形で構成する場合、第k(kは自然数、2<k≦n)の非晶質半導体のコンフォーマル成膜、エッチングによる側壁形成を繰り返す。
【0161】
その後、図70に示すように、孔9の残りの部分を非晶質Si6で埋める。例えば、成膜の前処理として希フッ酸処理、もしくは気相HF処理を行い、ただちにUHV−CVD法で非晶質Si6を成膜して孔9の残りの部分を埋める。半導体基板1に縦型MISFETを同時に複数個作製し、孔9の断面形状や断面積が異なるものが混在する場合、非晶質Si6は、最も断面積が大きい孔9が十分埋まる膜厚で成膜する。
【0162】
非晶質Si6の成膜後は、図71に示すように、CMP法により、非晶質Si6を平坦化する。この際、Si窒化膜19は、CMP時のストッパー膜になる。それから、図72に示すように、Si窒化膜19をリン酸処理で除去する。Si窒化膜19の除去後、図73に示すように、窒素雰囲気で熱処理することで、孔9側壁の第1の非晶質半導体20、第2の非晶質半導体22、非晶質Si膜6を固相エピタキシャル成長させ、孔9側壁の第1の非晶質半導体20は第1の単結晶半導体21に、第2の非晶質半導体22は第2の単結晶半導体23に、非晶質Si膜6は単結晶Si膜12に、それぞれ変化させる。このように、本実施形態の製造方法では、固相エピタキシャル成長させる際に、非晶質Si膜6だけでなく、第2の非晶質半導体22も半導体基板1の表面の単結晶に接触させる点が特徴的であり、結晶品質を向上させられる。
【0163】
縦型MISFETのしきい値電圧調整のためのドーパントを、図43の第1の非晶質半導体20の成膜時、図68の第2の非晶質半導体22の成膜時、もしくは、図70の非晶質Si6の成膜時に導入していない場合は、固相エピタキシャル成長後、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23と単結晶Si膜12に、p型のドーパントをイオン注入する。例えば、1価のBをイオン注入する。
【0164】
この後、減圧CVD法で多結晶Si膜7を成膜し、表面をCMP法で平坦化すると、図74のような形状となる。なお、多少の段差はつくが、後工程のプロセスで問題なければ、多結晶Si膜7成膜後のCMPは行わなくてもかまわない。
【0165】
これから後の工程は、実施形態1の製造方法の図14からの工程に準じて実現される。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0166】
なお、本実施形態の場合も、実施形態1の製造方法と同様な変更を行うことで、p型MISFETに適用可能である。また、前記製造方法はあくまで一例であり、実施形態1ないし6で説明した製造方法をあらゆる形で組み合わせ、実現することができる。
<実施形態8>
【0167】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1から7のいずれか一の製造方法を利用して製造される半導体装置を、半導体基板1の同一平面上に複数製造する方法である。
【0168】
本実施形態の半導体装置は、実施形態1から7のいずれか一の製造方法を利用して製造される半導体装置を、半導体基板1の同一平面上に複数製造した半導体装置である。
【0169】
なお、製造される半導体装置は、n型であってもよいし、p型であってもよい。すなわち、半導体基板1の同一平面上にn型の半導体装置を複数製造してもよいし、p型の半導体装置を複数製造してもよいし、n型とp型が混在するよう複数の半導体装置を製造してもよい。
【0170】
さらに具体的には、例えば、実施形態2の製造方法を利用して、n型の縦型MISFETと、p型の縦型MISFETを、半導体基板1の同一平面上に複数製造してもよい。または、実施形態4の製造方法を利用して、n型の縦型MISFETと、p型の縦型MISFETを、半導体基板1の同一平面上に複数製造してもよい。または、実施形態5の製造方法を利用して、n型の縦型MISFETを、半導体基板1の同一平面上に複数製造してもよい。
【0171】
このように、本実施形態の製造方法では、実施形態1から7の製造方法のいずれか一を利用し、n型の縦型MISFETおよび/またはp型の縦型MISFETを半導体基板1の同一平面上に複数製造する。
【0172】
ただし、実施形態1から7の製造方法で、固相エピタキシャル成長前に、チャネル部にドーピングする場合があったが、n型の縦型MISFETとp型の縦型MISFETでは、チャネル部のドーピングは異なるので、チャネル部へのドーピングは、固相エピタキシャル成長後に行うとする。これにより、実施形態4から7の製造方法を利用する場合、実施形態4から7の製造方法の説明では、第1の単結晶半導体21、第2の単結晶半導体23、単結晶Si12は、互いにとなりあうものについて、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なるとしたが、本実施形態では、異なるものは、材料に限定される。
【0173】
図75は、本実施形態の半導体装置の上面図(図75(a))及び断面図(図75(b))の一例である。断面図は、上面図のA−A'線に沿った断面を示している。図75は、CMOSトランジスタでインバータを構成する例を示し、図75の右側にn型の縦型MISFET、左側にp型の縦型MISFETが作製されている。また、図75は、n型の縦型MISFET、p型の縦型MISFETともに、実施形態4の半導体装置にもとづいている。したがって、n型の縦型MISFET、p型の縦型MISFETを構成する各部は、実施形態4の半導体装置を構成する場合と同様である。
【0174】
半導体基板1としては、p型のバルクSi(100)基板を想定して図示している。図示するように、不純物領域として、半導体基板1のn型の縦型MISFETを形成する領域にはn型拡散層8が、p型の縦型MISFETを形成する領域にはp型拡散層29が、それぞれ形成されている。n型拡散層8とp型拡散層29は、素子分離膜2によって隔てられている。n型拡散層8は、n型の縦型MISFETの下部電極でもあり、下部電極へのコンタクトをとるために、n型拡散層8の一部にシリサイド層15が形成され、シリサイド層15はコンタクトプラグ18と接続している。同様に、p型拡散層29は、p型の縦型MISFETの下部電極でもあり、下部電極へのコンタクトをとるために、p型拡散層29の一部にシリサイド層15が形成され、シリサイド層15はコンタクトプラグ18と接続している。シリサイド層15の種類については、実施形態4と同様である。
【0175】
ゲート絶縁膜10は、Si酸化膜、または、Si酸窒化膜である。ただし、実施形態4で説明したようにHigh−K材料も可能である。
【0176】
縦型MISFETを構成するチャネル部12、21のうち、ゲート絶縁膜10に周囲を囲まれた部分は、第1の単結晶半導体21と、単結晶Si12で構成されている。第1の単結晶半導体21は、単結晶Si12と異なる材料で、SiGe、SiC、SiGeCなどである。実施形態4と同様、第1の単結晶半導体21は、固相エピタキシャル成長で作製されるため、Ge、Cの含有率は高くない、または/および、第1の単結晶半導体21の膜厚が薄い、のが望ましい。なお、半導体基板1の変更に伴う、チャネル部12、21の材料の変更については、実施形態4と同様である。
【0177】
n型の縦型MISFETのゲート電極7と、p型の縦型MISFETのゲート電極7は、ともに多結晶Si7で構成され、n型の縦型MISFETのゲート電極7はn型に、p型の縦型MISFETのゲート電極7はp型に、それぞれドーピングされている。そして、n型の縦型MISFETのゲート電極7と、p型の縦型MISFETのゲート電極7は、n型の縦型MISFETとp型の縦型MISFETとで挟まれた領域において、互いにつながっている。また双方のゲート電極7がつながる部分には、シリサイド層15が形成され、シリサイド層15は、コンタクトプラグ18と接続している。なお、ゲート電極の材料は、実施形態4と同様に変更可能である。
【0178】
上部電極は、多結晶Si7、チャネル部を構成する第1の単結晶半導体21、単結晶Si12の上部の一部からなり、n型の縦型MISFETにはn型拡散層8、p型の縦型MISFETにはp型拡散層29がそれぞれ形成されている。上部電極のn型拡散層8、p型拡散層29の一部には、シリサイド層15が形成され、コンタクトプラグ18と接続している。上部電極とゲート電極、ゲート電極と下部電極の間には、NSG膜5が形成され、実施形態4から6と同様、ゲート絶縁膜10より厚くなっている。またゲート電極と上部電極端、ゲート電極端と下部電極に接するように、サイドウォール絶縁膜14が形成され、サイドウォール絶縁膜14とシリサイド層15に接するようにストッパー絶縁膜16が形成され、ストッパー絶縁膜16に接するように、層間絶縁膜17が形成されている。
【0179】
なお、実施形態1から6と異なり、エクステンションが図75に示されていないのは、図75の縦型MISFETでは、チャネル部12、21の上部と下部のイオン注入層からの拡散だけで、ゲート近傍の電極層を形成するためである。
【0180】
次に、図76から図86を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図76から図86は、本実施形態の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図の一例である。各図の右側にn型の縦型MISFET、左側にp型の縦型MISFETの製造工程の各段階を示す。
【0181】
まず、図76に示すように、半導体基板1に素子分離絶縁膜2を形成する。素子分離絶縁膜2の形成は、STI法を用いる。また、STI法の代わりに、LOCOS法を用いてもよい。
【0182】
次に、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、p型MISFETを作製する領域にレジストが残らないようなパターンを作製する。そして、p型MISFETを作製する領域に、n型のドーパント(P、Asなど)をイオン注入し、nウェルとなる注入層を作製する(図示せず)。次に、p型のドーパント(Bなど)をイオン注入し、p型ドーパント注入層28を作製する。その後、レジストを剥離する。
【0183】
さらに、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、n型MISFETを作製する領域にレジストが残らないようなパターンを作製し、n型MISFETを作製する領域に、p型のドーパント(Bなど)をイオン注入し、pウェルとなる注入層を作製する(図示せず)。次に、n型のドーパント(P、Asなど)をイオン注入し、n型ドーパント注入層3を作製する。その後、レジストを剥離する。こうして図77のような状態になる。
【0184】
それから、半導体基板1上に、NSG膜5、非晶質Si膜6、NSG膜5、Si窒化膜19を順に成膜する。一連の積層膜を成膜した後、半導体基板1のn型ドーパント注入層3、p型ドーパント注入層28のドーパントの活性化のために、熱処理を行う。例えば、窒素雰囲気もしくは、窒素雰囲気に微量の酸素が混入された雰囲気でスパイクアニールを行う。このとき、n型ドーパント注入層3のドーパントが活性化され、n型ドーパント注入層3はn型拡散層8になり、p型ドーパント注入層28のドーパントが活性化され、p型ドーパント注入層28はp型拡散層29になる。また同時に、非晶質Si膜6が多結晶Si膜7に変化する。こうして、図78のような状態になる。
【0185】
この後、実施形態4の製造方法と同様の工程を行うことで、ゲート絶縁膜10を形成し、また、第1の単結晶半導体21、単結晶Si12からなるチャネル部12、21が形成される。チャネル部12、21の形成時には、MISFETのしきい値電圧調整用のドーピングは行わず、チャネル部12、21の形成後に、しきい値電圧調整用のドーピングを行う。このため、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、p型MISFETを作製する領域にレジストが残らないようなパターンを作製し、p型MISFETを作製する領域に、n型のドーパント(P、Asなど)をイオン注入する。その後、レジストを剥離する。再度、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、n型MISFETを作製する領域にレジストが残らないようなパターンを作製し、n型MISFETを作製する領域に、p型のドーパント(Bなど)をイオン注入する。その後、レジストを剥離する。こうして、図79のような状態となる。
【0186】
この後、減圧CVD法で多結晶Si膜7を成膜し、表面をCMP法で平坦化すると、図80のような形状となる。なお、多少の段差はつくが、後工程のプロセスで問題なければ、多結晶Si膜7成膜後のCMPは行わなくてもかまわない。
【0187】
それから、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、縦型MISFETの上部電極となる領域にレジストが残るようなレジストパターンの形成を行い、このレジストパターンをマスクに、多結晶Si膜7、NSG膜5を上から順にエッチングし、ゲートとなる多結晶Si膜7面で、エッチングを停止させる。エッチング後、レジストを除去すると、図81のような形状が得られる。
【0188】
次に、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、p型MISFETを作製する領域にレジストが残らないようなパターンを作製し、p型MISFETを作製する領域に、p型のドーパント(Bなど)をイオン注入する。その後、レジストを剥離する。再度、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、n型MISFETを作製する領域にレジストが残らないようなパターンを作製し、n型MISFETを作製する領域に、n型のドーパント(As、Pなど)をイオン注入する。その後、レジストを剥離する。
【0189】
イオン注入後、導入したドーパントの活性化のために、窒素雰囲気、もしくは窒素雰囲気にわずかな酸素が混入された雰囲気で、1050℃のスパイクアニールを行う。この際、しきい値電圧調整用のためにイオン注入されたドーパントと、上部電極とゲートの多結晶Si膜7にイオン注入されたドーパントの活性化が行われる。こうして、図82のような状態となる。
【0190】
さらに、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、縦型MISFETのゲート電極となる領域にレジストが残るようなレジストパターンの形成を行い、このレジストパターンをマスクに、多結晶Si膜7、NSG膜5を上から順にエッチングし、半導体基板1の表面で停止させる。エッチング後、レジストを剥離すると、図83のような形状が得られる。
【0191】
それから、後工程のシリサイド形成時に、ゲート電極と上部電極、ゲート電極と半導体基板に形成される下部電極との短絡をふせぐため、サイドウォールを形成する。このために、まずサイドウォール絶縁膜14を成膜し、エッチバックする。すると、図84のような形状が得られる。この後、図85に示すように、上部電極の多結晶Si膜7、ゲートの多結晶Si膜7、下部電極の半導体基板1に、シリサイド層15を形成する。シリサイド層15の形成後、ストッパー絶縁膜16を成膜する。例えば、ストッパー絶縁膜16として、Si窒化膜を成膜する。ストッパー絶縁膜16の成膜後は、層間絶縁膜17を成膜し、CMP法を用いて、表面を平坦化する。例えば、層間絶縁膜として、プラズマCVD法により、プラズマ酸化膜を成膜し、その後、CMP法を用いて、表面を平坦化する。こうして、図86のような形状が得られる。
【0192】
それから、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、縦型MISFETのコンタクトとなる領域にレジストが残らないようなレジストパターンの形成を行い、このレジストパターンをマスクに、層間絶縁膜17をエッチングし、ストッパー絶縁膜16で一度停止させる。その後、ストッパー絶縁膜16のエッチングを行い、レジストを剥離する。この後、金属を孔に埋め込んで、コンタクト18を形成する。具体的には、TiとTiNをスパッタして熱処理し、その後、CVD法によりWを埋め込んで、CMPを行う。このようにして、図75のような形状が得られる。その後、必要に応じて、従来からの方法で配線層や電極パッドがさらに形成される。
【0193】
以上の説明では、図75に示した半導体装置、すなわち、n型の縦型MISFET、p型の縦型MISFETともに、実施形態4の半導体装置の製造方法にもとづいたCMOSトランジスタの製造方法について説明したが、上述の通り、n型の縦型MISFET、p型の縦型MISFETともに、他の実施形態の半導体装置の製造方法を用いることも可能である。
<実施形態9>
【0194】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1から7のいずれか一以上の製造方法を利用して製造される二種以上の半導体装置を、半導体基板1の同一平面上に複数製造する方法である。
【0195】
本実施形態の半導体装置は、実施形態1から7のいずれか一以上の製造方法を利用して製造される二種以上の半導体装置を、半導体基板1の同一平面上に複数製造した半導体装置である。
【0196】
ただし、実施形態1の製造方法は、チャネル部を埋め込むときにSi窒化膜を使用せず、他の実施形態の製造方法とは組み合わせにくいので、実施形態2から7のいずれか二以上の製造方法を組合せるのが望ましい。
【0197】
なお、製造される半導体装置は、n型であってもよいし、p型であってもよい。すなわち、半導体基板1の同一平面上にn型の半導体装置を複数製造してもよいし、p型の半導体装置を複数製造してもよいし、n型とp型が混在するよう複数の半導体装置を製造してもよい。
【0198】
さらに具体的には、例えば、実施形態2の製造方法を利用してn型の縦型MISFETを製造し、実施形態4の製造方法を利用してp型の縦型MISFETを製造してもよい。または、実施形態3の製造方法を利用してn型の縦型MISFETを製造し、実施形態5の製造方法を利用してp型の縦型MISFETを製造してもよい。このように、n型の縦型MISFETの製造方法とp型の縦型MISFETの製造方法をそれぞれ変えて製造することができる。
【0199】
また、n型の縦型MISFETもp型の縦型MISFETも、実施形態4の製造方法で作製するが、図42の第1の単結晶半導体21に相当する半導体材料が、n型の縦型MISFETとp型の縦型MISFETで異なるように製造することもできる。また別の場合には、n型の縦型MISFETのチャネル部もp型の縦型MISFETのチャネル部も、実施形態4の製造方法で作製するが、図42の単結晶Si12のドーピングの型、濃度、ドーパントの種類をn型のMISFET、p型のMISFETにそれぞれ適したものにして、製造することもできる。
【0200】
さらに、n型のMISFET、p型のMISFETによるつくりわけだけでなく、回路で使用される用途に応じて、複数の実施形態の製造方法を用いて作製してもよい。例えば、同一基板上に複数のn型の縦型MISFETを作製する場合、必ずしもすべてのn型の縦型MISFETを同一の実施形態の製造方法で作製する必要はなく、回路で使用される用途に応じて、複数の実施形態の製造方法を用いて作製してもよい。p型の縦型MISFETにおいても同様である。
【0201】
図87は、本実施形態の半導体装置の上面図(図87(a))及び断面図(図87(b))の一例である。断面図は、上面図のA−A'線に沿った断面を示している。図87は、CMOSトランジスタでインバータを構成する例を示し、図87の右側にn型の縦型MISFET、左側にp型の縦型MISFETが作製されている。また、図87は、n型の縦型MISFET、p型の縦型MISFETともに、実施形態4の半導体装置にもとづいている。したがって、n型の縦型MISFET、p型の縦型MISFETを構成する各部は、実施形態4の半導体装置を構成する場合と同様である。
【0202】
この場合の具体例としては、例えば、次のような場合が考えられる。図87の右側のn型の縦型MISFETでは、第1の単結晶半導体21として真性半導体のSiが用いられ、チャネル部12、21の中心部は、単結晶Si12がp型にドーピングされている。図87の左側のp型の縦型MISFETでは、第2の単結晶半導体23としてn型のSiGeが用いられ、チャネル部12、23の中心部は、単結晶Si12がn型にドーピングされている。
【0203】
次に、図88から図94および図169を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図88から図94および図169は、本実施形態の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図の一例である。各図の右側にn型の縦型MISFET、左側にp型の縦型MISFETの製造工程の各段階を示す。
【0204】
まず、実施形態8の製造方法と同様に、図76から図78の製造工程を行う。この後、実施形態4の方法と同様の工程を行って、図88のように、ゲート絶縁膜10、および、チャネル部12、21となる第1の非晶質半導体20、非晶質Si6が形成される。実施形態4で説明したように、第1の非晶質半導体20と、非晶質Si6は、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なるものである。後工程の固相エピタキシャル成長後に、縦型MISFETのチャネル部分にしきい値電圧調整用のイオン注入を行うのでなければ、第1の非晶質半導体20、もしくは非晶質Si6のどちらか、あるいは両方に、しきい値電圧調整用のドーピングを行っておく。
【0205】
次に、図89のように、窒素雰囲気で熱処理を行い、固相エピタキシャル成長させ、第1の非晶質半導体20を第1の単結晶半導体21に、非晶質Si6を単結晶Si12に変化させる。このとき、実施形態4の製造方法では、最上面のSi窒化膜19を除去してから、固相エピタキシャル成長したが、本実施形態では、最上面のSi窒化膜19を除去せずに、固相エピタキシャル成長を行う。これは、後工程で、CMPを行う際の表面の平坦性を確保するためである。このため、固相エピタキシャル成長時には、Si窒化膜19に接している非晶質部分が多結晶化しないような低い温度で熱処理を行う。
【0206】
次に、図90に示すように、Si窒化膜19を成膜する。その後、上述したn型の縦型MISFET(図中、右側)の製造方法に準じた処理を行い、p型の縦型MISFETが形成される領域(図中、左側の領域)に、ゲート絶縁膜10、および、チャネル部12、23となる第2の非晶質半導体22、非晶質Si6が形成される(図91)。n型の縦型MISFETと同様に、第2の非晶質半導体22と、非晶質Si6は、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なるものである。後工程の固相エピタキシャル成長後に、縦型MISFETのチャネル部分にしきい値電圧調整用のイオン注入を行うのでなければ、第2の非晶質半導体22、もしくは非晶質Si6のどちらか、あるいは両方に、しきい値電圧調整用のドーピングを行っておく。
【0207】
その後、図92に示すように、リン酸処理を行ってSi窒化膜19を除去した後、図93のように、窒素雰囲気で熱処理を行い、固相エピタキシャル成長させ、第2の非晶質半導体22を第2の単結晶半導体23に、非晶質Si6を単結晶Si12に変化させる。この後、減圧CVD法で多結晶Si膜7を成膜し、表面をCMP法で平坦化すると、図94のような形状となる。なお、多少の段差はつくが、後工程のプロセスで問題なければ、多結晶Si膜7成膜後のCMPは行わなくてもかまわない。
【0208】
この後の工程は、実施形態8の製造方法と同様である。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0209】
なお、上記例では、n型の縦型MISFET(図中右側)のチャネル部をまず固相エピタキシャル成長して単結晶化した後、p型の縦型MISFET(図中左側)のチャネル部を固相エピタキシャル成長して単結晶化させる例を説明した。しかし、このような工程に限定されず、例えば、図88の状態の後、非晶質半導体20および非晶質Si6を結晶化する前に、図169に示すようにp型の縦型MISFET(図中左側)のゲート絶縁膜10、および、チャネル部12、23となる第2の非晶質半導体22、非晶質Si6を形成し、その後、n型の縦型MISFET(図中右側)のチャネル部およびp型の縦型MISFET(図中左側)のチャネル部を同一の処理により、固相エピタキシャル成長して単結晶化させることで、図93に示すような状態となるようにしてもよい。ただし、このようにする場合には、p型の縦型MISFET(図中左側)のゲート絶縁膜10を熱酸化により形成する際の熱負荷を十分小さくして、あるいは、実施形態3のように、CVD法を用いて、ゲート絶縁膜10を低温で形成して、ゲート絶縁膜10形成時にn型の縦型MISFET(図中右側)のチャネル部12、21となる非晶質半導体6、20が多結晶化しないようにする必要がある。
【0210】
また、上記の説明では、n型の縦型MISFETとp型の縦型MISFETで異なる構造をもつ場合を示したが、同様に、最上面のSi窒化膜19を残したまま固相エピタキシャル成長させることで、複数種類の構造をもつ縦型MISFETを同一半導体基板1上に集積可能である。この際には、各縦型MISFETは実施形態1から7の製造方法のいずれかにもとづくが、仮に同じ実施形態の製造方法にもとづいていたとしても、ゲート絶縁膜10の膜厚や種類、膜組成を変えることも可能である。
【0211】
さらに、上記の説明では、n型の縦型MISFETのチャネル部を作製した後、p型の縦型MISFETのチャネル部を作製する例について説明したが、この順序は特段限定されず、逆にすることも可能である。
<実施形態10>
【0212】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1から7のいずれか一の製造方法を利用して製造される半導体装置を、半導体基板1の垂直方向に重ねて複数製造する方法である。
【0213】
また、本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1から7のいずれか一以上の製造方法を利用して製造される二種以上の半導体装置を、半導体基板1の垂直方向に重ねて複数製造する方法であってもよい。
【0214】
本実施形態の半導体装置は、実施形態1から7のいずれか一の製造方法を利用して製造される半導体装置を、半導体基板1の垂直方向に重ねて複数製造した半導体装置である。
【0215】
また、本実施形態の半導体装置は、実施形態1から7のいずれか一以上の製造方法を利用して製造される二種以上の半導体装置を、半導体基板1の垂直方向に重ねて複数製造した半導体装置であってもよい。
【0216】
なお、製造される半導体装置は、n型であってもよいし、p型であってもよい。すなわち、半導体基板1の垂直方向にn型の半導体装置を重ねて複数製造してもよいし、p型の半導体装置を重ねて複数製造してもよいし、n型とp型が混在するよう複数の半導体装置を重ねて製造してもよい。そして、各半導体装置は、同じ製造方法により製造されてもよいし、異なる製造方法により製造されてもよい。
【0217】
さらに具体的には、例えば、n型の縦型MISFETを実施形態1の製造方法を利用して製造し、その上に、p型の縦型MISFETを実施形態4の製造方法を利用して製造してもよい。または、p型の縦型MISFETを実施形態3の製造方法を利用して製造し、その上に、n型の縦型MISFETを実施形態5の製造方法を利用して製造してもよい。このように、n型の縦型MISFETの製造方法とp型の縦型MISFETの製造方法をそれぞれ変えて、上下に重ねるように製造してもよい。上下の順序は、n型の縦型MISFETの上に、p型の縦型MISFETを製造してもよいし、この逆でもかまわない。もちろん、n型の縦型MISFETの上に、n型の縦型MISFETを製造してもよいし、p型の縦型MISFETの上に、p型の縦型MISFETを製造してもよい。
【0218】
また、実施形態4の製造方法を利用してn型の縦型MISFETを製造し、その上に、実施形態4の製造方法を利用してp型の縦型MISFETを製造し、そして、図42の第1の単結晶半導体21に相当する半導体材料を、n型の縦型MISFETとp型の縦型MISFETで異なるように製造することもできる。また別の場合には、実施形態4の製造方法を利用してn型の縦型MISFETを製造し、その上に、実施形態4の製造方法を利用してp型の縦型MISFETを製造し、そして、図42の単結晶Si12のドーピングの型、濃度、ドーパントの種類をn型のMISFET、p型のMISFETにそれぞれ適したものにして、製造することもできる。
【0219】
当然のことながら、縦型MISFETを積層する層数は、2に限られるわけではなく、さらに多くてもかまわない。
【0220】
図95は、本実施形態の半導体装置の上面図(図95(a))及び断面図(図95(b))の一例である。断面図は、上面図のA−A'線に沿った断面を示している。図95は、CMOSトランジスタでインバータを構成した例を示してあり、図95(b)の下側にn型の縦型MISFET、上側にp型の縦型MISFETが作製されている。また、図95は、n型の縦型MISFET、p型の縦型MISFETともに、実施形態4の半導体装置にもとづいている。したがって、n型の縦型MISFET、p型の縦型MISFETを構成する各部は、実施形態4の半導体装置を構成する場合と同様である。
【0221】
半導体基板1としては、これまでの実施形態と同様に、p型のバルクSi(100)基板を想定して図示している(半導体基板1の変更に伴う、縦型MISFETの柱状半導体材料の変更については、実施形態4と同様である)。半導体基板1のn型の縦型MISFETを形成する領域に不純物領域として、n型拡散層8が素子分離膜2に囲まれるように形成されている。n型拡散層8は、n型の縦型MISFETの下部電極の一部でもあり、n型拡散層8の一部に、シリサイド層15が形成され、シリサイド層15はコンタクトプラグ18と接続している。シリサイド層15の種類については、実施形態4と同様である。
【0222】
n型の縦型MISFETを構成するチャネル部12、21のうち、ゲート絶縁膜10に周囲を囲まれた部分は、第1の単結晶半導体21と、単結晶Si12で構成されている。第1の単結晶半導体21と、単結晶Si12とは、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なる。例えば、第1の単結晶半導体21が真性半導体のSiで、単結晶Si12がp型にドーピングされていてもよい。チャネル部12、21のゲート電極近傍には、上部電極と下部電極に接続されたエクステンション13が形成される。ゲート絶縁膜10は、Si酸化膜、または、Si酸窒化膜である。ただし、実施形態4に記載したようなHigh−K材料も利用可能である。n型の縦型MISFETのゲート電極は、多結晶Si7で構成され、n型の縦型MISFETのゲート電極はn型にドーピングされている。ゲート電極の一部には、シリサイド層15が形成され、シリサイド層15はコンタクトプラグ18と接続している。ゲート電極の上下には、NSG膜5が形成され(図示せず)、そのNSG膜5に接して、PSG膜4が形成されている。なお、ゲート材料変更については、実施形態4と同様である。
【0223】
n型の縦型MISFETの上部電極の一部として、PSG膜4の上に、n型拡散層8が形成されている。さらに、n型拡散層8の上には、p型の縦型MISFETの下部電極の一部として、p型拡散層29が形成されている。このn型拡散層8とp型拡散層29は、シリサイド層15によって短絡され、このシリサイド層15は、コンタクトプラグ18と接続している。なお、本実施形態の半導体装置では、縦型MISFETを半導体基板1に垂直な方向に積層していくために、n型の縦型MISFETの上部電極の一部となっているn型拡散層8と、p型の縦型MISFETの下部電極の一部となっているp型拡散層29は、多結晶Siでなく、単結晶Siで構成されている。
【0224】
p型の縦型MISFETを構成するチャネル部12、23のうち、ゲート絶縁膜10に周囲を囲まれた部分は、第2の単結晶半導体23と、単結晶Si12で構成されている(1層目のn型の縦型MISFETの第1の単結晶半導体21と区別するため、本実施形態では、第2の単結晶半導体23とする)。第2の単結晶半導体23は、単結晶Si12とは、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なるものである。例えば、第2の単結晶半導体23がn型のSiGeで、単結晶Si12がn型にドーピングされていてもよい。チャネル部12、23のゲート電極近傍には、上部電極と下部電極に接続されたエクステンション13が形成される。ゲート絶縁膜10は、Si酸化膜、または、Si酸窒化膜である。ただし、実施形態4に記載したようなHigh−K材料も可能である。p型の縦型MISFETのゲート電極は、多結晶Si7で構成され、p型の縦型MISFETのゲート電極はp型にドーピングされている。ゲート電極の一部には、シリサイド層15が形成され、シリサイド層15はコンタクトプラグ18と接続している。ゲート電極の上下には、NSG膜5が形成され(図示せず)、そのNSG膜5に接して、BSG膜30が形成されている。なお、ゲート電極の材料変更についても、実施形態4と同様である。p型の縦型MISFETの上部電極は、多結晶Si7、チャネル部12、23を構成する第2の単結晶半導体23、単結晶Si12の上部の一部からなり、p型拡散層29が形成されている。上部電極のp型拡散層29の一部には、シリサイド層15が形成され、コンタクトプラグ18と接続している。
【0225】
また、p型の縦型MISFETのゲート電極と上部電極端、p型の縦型MISFETのゲート電極端と下部電極、n型の縦型MISFETのゲート電極と上部電極端、n型の縦型MISFETのゲート電極端と下部電極にそれぞれ接するように、サイドウォール絶縁膜14が形成され、サイドウォール絶縁膜14とシリサイド層15に接するようにストッパー絶縁膜16が形成され、ストッパー絶縁膜16に接するように、層間絶縁膜17が形成されている。
【0226】
なお、図95では、n型の縦型MISFETの上に、p型の縦型MISFETが形成されている。図95では、両者のゲート長は同じように図示されているが、積層される縦型MISFETのゲート長は任意であり、必ずしも同じゲート長にしなくてもよい。ゲート絶縁膜10についても、膜厚や膜種、膜組成が積層される縦型MISFETごとに異なっていてもよい。
【0227】
また、図95では、n型の縦型MISFETのチャネル部12、21と、p型の縦型MISFETのチャネル部12、23の直径は同じになっているが、積層される縦型MISFETのチャネル部の大きさ、形状は任意であり、図95に示してあるように、必ずしも、断面形状が円で、その直径を同じにする必要もない。
【0228】
さらに、図95では、n型の縦型MISFETのチャネル部12、21の位置と、p型の縦型MISFETのチャネル部12、23の位置が平面的に同じになっているが、積層される縦型MISFETのチャネル部の位置は任意であり、図95に示してあるように、その位置を必ずしも同じにする必要はない。ただし、位置に関しては、できるだけ同じ位置にする方が好ましい。その理由は、下層の縦型MISFETのチャネル部は、横方向に単結晶を成長させるときの種結晶の役割を果たしており、一般に、横方向の結晶成長では、種結晶からの距離が遠くなるにつれ、欠陥や転位などの密度が増し、結晶品質が低下する傾向があるからである。
【0229】
次に、図96から図106を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図96から図106は、本実施形態の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図の一例である。各図の下側にn型の縦型MISFET、上側にp型の縦型MISFETの製造工程の各段階を示す。本実施形態の半導体装置の製造方法では、縦型MISFETを1層ずつ重ねるように形成していく。
【0230】
まず、実施形態1の製造方法と同様に、図1、図2の製造工程を行う。次に、実施形態2の製造方法と同様に、図21から図24の製造工程を行う(ただし、図21で最上面のSi窒化膜の成膜は行わずに、同様の工程を行う)。この後、実施形態4の製造方法と同様に、図43から図46の製造工程を行う。
【0231】
図46の工程の後、CMPで表面の非晶質Siを平坦化し、窒素雰囲気で熱処理を行うことによって、実施形態4と同様に、固相エピタキシャル成長を行い、孔内の非晶質半導体6、20を単結晶化させる。本実施形態では、孔内のみならず、PSG膜4上の非晶質Si6も、横方向に固相エピタキシャル成長させることで、単結晶化させる。このようにして、図96のように、孔内の中心部と、PSG膜4上に単結晶Si12が形成される。また、チャネル部12、21を構成する第1の単結晶半導体21、単結晶Si12が形成される。
【0232】
次に、イオン注入を行い、PSG膜4上の単結晶Si12にn型のドーパントをイオン注入する。これは、図95の下側に位置するn型の縦型MISFETの上部電極形成のためである。さらに、イオン注入を行い、PSG膜4上の単結晶Si12上部にp型のドーパントをイオン注入する。これは、図95の上側に位置するp型の縦型MISFETの上部電極形成のためである。この後、イオン注入されたドーパントの活性化と、イオン注入によって非晶質になった結晶を回復させて単結晶にもどすために、アニールを行う。この時点で、PSG膜4上の結晶を回復させて単結晶にもどすのは、後工程で、この単結晶を種結晶として、固相エピタキシャル成長を行うからである。このとき、PSG膜4からチャネル部12、21内にドーパントが拡散し、活性化することも同時に起こる。アニールを行うと、図97に示すように、PSG膜4上にn型拡散層8とp型拡散層29が形成される。
【0233】
この後、実施形態4の製造方法を利用して、n型の縦型MISFETの上に、p型の縦型MISFETのゲート絶縁膜10、第2の単結晶半導体23、単結晶Si12が形成される。またそのわきに、BSG膜30、NSG膜5(図示せず)、ゲート電極となる多結晶Si7が形成され、チャネル部12、23の上部には、p型の縦型MISFETの上部電極を構成する多結晶Si7が形成される(図98)。なお、p型の縦型MISFETのゲート絶縁膜10の形成においては、大きな熱負荷を与えると、下側のn型の縦型MISFETのドーピングプロファイルが大きく変動することになるので、できるだけ、熱負荷を小さくすることが好ましい。したがって、実施形態3で説明したようなCVD法によって形成される絶縁膜の方が好ましい。
【0234】
それから、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、上側のp型の縦型MISFETの上部電極となる部分が残るようなレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、多結晶Si7、BSG膜30、NSG膜5(図示せず)を順にエッチングし、ゲート電極となる多結晶Si7上でエッチングを停止させ、レジストを剥離することで、図99に示す形状が得られる。この状態で、イオン注入を行い、上部電極の多結晶Si7、ゲート電極となる多結晶Si7にp型のドーパントを導入する。
【0235】
さらに、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、上側のp型の縦型MISFETのゲート電極となる部分が残るようなレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、多結晶Si7、NSG膜5(図示せず)、BSG膜30を順にエッチングし、p型拡散層29上でエッチングを停止させ、レジストを剥離することで、図100に示す形状が得られる。
【0236】
この後、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、上側のp型の縦型MISFETの下部電極で、下側のn型の縦型MISFETの上部電極となる部分が残るようなレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、p型拡散層29、n型拡散層8、PSG膜4、NSG膜5(図示せず)を順にエッチングし、多結晶Si7上でエッチングを停止させる。さらに、レジストを剥離しないまま、イオン注入を行い、下側のn型の縦型MISFETのゲート電極となる多結晶Si7に、n型のドーパントを導入する。イオン注入後、レジストを剥離する。このような一連の工程を経て、図101のような形状が得られる。
【0237】
さらに、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、下側のn型の縦型MISFETのゲート電極となる部分が残るようなレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、多結晶Si7、NSG膜5(図示せず)、PSG膜4を順にエッチングし、n型拡散層8上でエッチングを停止させ、レジストを剥離することで、図102のような形状が得られる。
【0238】
この後、アニールを行うことで、イオン注入によって導入した不純物を活性化させる。また同時に、上側のp型の縦型MISFETでは、BSG膜30からBをチャネル内に拡散させ、活性化させることで、エクステンション13を形成する。下側のn型の縦型MISFETでも、さらにPSG膜4からPがチャネル内に拡散し、活性化することで、最終的なエクステンション13が得られる(図103)。下側のn型の縦型MISFETでは、このように2回のアニール工程や上側のゲート絶縁膜10の形成工程を経るので、これらの熱負荷を含めて、エクステンション13を設計する必要がある。
【0239】
それから、絶縁膜を成膜し、エッチバックすることで、図104のように、サイドウォール絶縁膜14を形成する。サイドウォール絶縁膜14の形成後、図105に示すように、シリサイド層15を形成する。シリサイド層15の形成後、ストッパー絶縁膜16を成膜し、さらに層間絶縁膜17を成膜し、表面をCMPで平坦化することで、図106に示すような形状が得られる。
【0240】
この後、レジスト塗布、露光、現像という一連のリソグラフィー工程を行って、コンタクトとなる領域にレジストが残らないようなレジストパターンの形成を行い、このレジストパターンをマスクに、層間絶縁膜17をエッチングし、ストッパー絶縁膜16で一度停止させる。その後、ストッパー絶縁膜16のエッチングを行い、レジストを剥離する。この後、金属を孔に埋め込んで、コンタクト18を形成する。具体的には、TiとTiNをスパッタして熱処理し、その後、CVD法によりWを埋め込んで、CMPを行う。このようにして、図95のような形状が得られる。その後、必要に応じて、従来からの方法で配線層や電極パッドがさらに形成される。
<実施形態11>
【0241】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1から10のいずれか一を基本とし、さらに、図111に示すように、積層工程S10は、半導体基板1または半導体層に形成された不純物領域8の上に第一絶縁層4を形成し、その上に、配線パターンにパターニングしたゲート電極層7を形成し、第一絶縁層4またはゲート電極層7の上に、第二絶縁層4を形成した積層体を形成する工程である。
【0242】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態10で説明したように、複数の半導体装置を基板と垂直方向に重ねて複数製造する場合に、特に優れた効果を有する。
【0243】
実施形態10の半導体装置の製造方法では、上から順に、電極層(ゲート、ソース、ドレイン)をパターンニングして作製する。このため、下部になるほど、電極層を大きな面積で作製しなければならなかった。本実施形態の半導体装置の製造方法では、電極層を最初に積層していく段階でパターンニングしておくことによって、この制限をなくすものである。このため、本実施形態の半導体装置では、電極層の面積は、下部になるほど大きな面積で作製しなければならないという制約はなく、チャネル部より大きければ任意である。
【0244】
本実施形態の半導体装置は、上記の点をのぞき、実施形態1から10の半導体装置と同じである。
【0245】
図107は、本実施形態の半導体装置の上面図(図107(a))及び断面図1(図107(b))、断面図2((図107(c))の一例である。断面図1は、上面図のA−A'線に沿った断面を示しており、断面図2は、上面図のC−C'線に沿った断面を示している。図107は、CMOSトランジスタでインバータを構成したもので、図107(b)の下側にn型の縦型MISFET、上側にp型の縦型MISFETが作製されている。図107に示す半導体装置は、図95に示す実施形態10の半導体装置に対して、本実施形態の製造方法を用いることにより、電極層7の面積を小さくしたものである。したがって、図107のn型の縦型MISFET、p型の縦型MISFETともに、図95と同様に、実施形態4の半導体装置にもとづいていて、n型の縦型MISFET、p型の縦型MISFETを構成する各部は、実施形態4の半導体装置を構成する場合と同様である。
【0246】
本発明の半導体装置の特徴は、図107(c)に現れている。図107(a)、(b)については、それぞれ図95(a)、(b)と同じである。図107(c)に示されるように、電極層のC−C'方向の幅は、チャネル部12、21(または、12、23)より大きく、許容される電極層の抵抗値と、所要面積を考慮して決定される。すなわち、チャネル部12、21(または、12、23)より大きくすればするほど電極層の抵抗は低下するが、所要面積は増加してしまうので、そのバランスをみて決定される。下側のn型の縦型MISFETの下部電極を構成するn型拡散層8の幅、下側のn型の縦型MISFETのゲート電極の多結晶Si7の幅、下側のn型の縦型MISFETの上部電極を構成し、上側のp型の縦型MISFETの下部電極を構成する、n型拡散層8とp型拡散層29の幅、上側のp型の縦型MISFETのゲートの多結晶Si7の幅、上側のp型の縦型MISFETの上部電極を構成する多結晶Si7の幅は、任意であり、それぞれ異なっていてもかまわない。しかしながら、図107(c)に示すように、すべて同じである方が面積的に小さくなるので好ましい。図107(c)は、各電極層を形作るリソグラフィーの重ね合わせのずれがなく、理想的に重なった場合を示している。
【0247】
次に、図108から図123を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図108から図123は、図107に示す本発明の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図である。各断面図(b)は、各上面図のA−A'線に沿った断面を示しており、各断面図(c)は、各上面図のC−C'線に沿った断面を示している。
【0248】
まず、図108に示すように、半導体基板1にSTI法もしくはLOCOS法を用いて、素子分離絶縁膜2を形成する。半導体基板1は、これまでの実施形態と同様にp型のバルクSi(100)基板とする。次に、n型のドーパント(P、Asなど)をイオン注入し、その後、アニールを行って活性化させ、n型拡散層8を形成する。ここで図108(a)に示すように、n型拡散層8の面積は、実施形態10の半導体装置に比較して小さくなっている。
【0249】
それから、図109に示すように、PSG膜4、NSG膜5(図示せず)、n型の多結晶Si7を順に成膜する。多結晶Si7には、後からn型のドーパントを導入することが困難なので、この時点でn型のドーパントをいれる。
【0250】
この後、本実施形態の製造方法では、多結晶Si7をパターンニングする。すなわち、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、下側のn型の縦型MISFETのゲート電極となる部分が残るようなレジストパターンを作製し、このレジストパターンをマスクに多結晶Si7をエッチングし、エッチング後レジストを剥離する。そうすると、図110に示すような形状が得られる。この後、図111に示すように、NSG膜5(図示せず)、PSG膜4を成膜し、表面をCMPで平坦化する。
【0251】
さらに、実施形態10の図96、図97に示す工程と同様の工程を行うことで、図112に示すように、下側のn型の縦型MISFETのゲート絶縁膜10、チャネル部12、21となる第1の単結晶半導体21、単結晶Si12が形成され、また、PSG膜4上に単結晶のn型拡散層8とp型拡散層29が形成される。
【0252】
次に、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、下側のn型の縦型MISFETの上部電極で、上側のp型の縦型MISFETの下部電極となる部分が残るようなレジストパターンを作製し、PSG膜4上の単結晶のn型拡散層8とp型拡散層29をエッチングし、PSG膜4でエッチングを停止させ、レジストを剥離する。そうすると図113のような形状が得られる。
【0253】
さらに、図114に示すように、BSG膜30、NSG膜5(図示せず)を成膜し、表面をCMPで平坦化する。この上に、図115に示すように、多結晶Si7を成膜する。
【0254】
この後、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、上側のp型の縦型MISFETのゲート電極となる部分が残るようなレジストパターンを作製し、多結晶Si7をエッチングし、レジストを剥離すると、図116のような形状が得られる。この後、図117に示すように、NSG膜5(図示せず)、BSG膜30を順に成膜し、表面をCMPで平坦化する。それから、図118に示すように、Si窒化膜19を成膜する。
【0255】
この後、実施形態4の製造方法と同様に、上側のp型の縦型MISFETのゲート絶縁膜10、チャネル部12、23となる第2の単結晶半導体23、単結晶Si12を形成し、チャネル部12、23の上部に、多結晶Si7を成膜し、CMPで表面を平坦化する(図119)。
【0256】
この後、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、上側のp型の縦型MISFETの上部電極となる部分が残るようなレジストパターンを作製し、多結晶Si7、BSG膜30、NSG膜5(図示せず)を順にエッチングし、レジストを剥離すると、図120のような形状が得られる。なお、このエッチングの際には、上側のp型の縦型MISFETの多結晶Si7が露出した段階でエッチングを停止させるが、エッチング時、この信号を検出するためには、図107に示した本実施形態の半導体装置が、半導体基板1の面内に、ある程度多数あることが必要である。単独であったり、半導体装置の密度が小さかったりすると、この信号がうまく検出できないため、ここでエッチングを停止できない。
【0257】
レジスト剥離後は、イオン注入を行い、p型のドーパントを、上側のp型の縦型MISFETの上部電極とゲート電極に導入する。
【0258】
それから、多結晶Siや単結晶Siとの選択比が大きくとれる条件で、上側のp型の縦型MISFETのゲート電極横のBSG膜30、これらの下のNSG膜5(図示せず)、BSG膜30をエッチングする(図121)。さらにエッチングを継続し、n型拡散層8とp型拡散層29横のBSG膜30、これらの下のPSG膜4、NSG膜5(図示せず)をエッチングする(図122)。さらに、エッチングを継続し、下側のn型の縦型MISFETのゲート横のPSG膜4、これらの下のNSG膜5(図示せず)、PSG膜4エッチングし、半導体基板1に形成されたn型拡散層8でエッチングを停止させる(図123)。
【0259】
この後は、実施形態10の製造方法の図104からの工程と同じ工程を行うことによって、図107に示す半導体装置が完成する。
【0260】
なお、上記の説明において、縦型MISFETを重ねる場合について、電極層をパターンニングしながら積層していく製造方法を示したが、上述の通り、この手法は、縦型MISFETを重ねない場合においても適用可能である。
<実施形態12>
【0261】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1から11のいずれか一を基本とし、さらに、図130に示すように、積層工程S10は、半導体基板1または半導体層に形成された不純物領域8の上に第一絶縁層4、5(第一絶縁層5については図示せず)を形成し、その上に、配線パターンにパターニングしたゲート電極層7を形成し、第一絶縁層4、5(第一絶縁層5については図示せず)またはゲート電極層7の上に第二絶縁層5、4、5(第二絶縁層5については図示せず)を形成した後、さらに第二絶縁層5、4、5(第二絶縁層5については図示せず)の上に、配線パターンにパターニングしたゲート電極層7と第二絶縁層5、4、5(第二絶縁層5については図示せず)とを一セットとして、複数セット積層する工程である。
【0262】
実施の形態10、11の半導体装置の製造方法では、縦型MISFETを1層ずつ重ねるように形成していたが、本実施形態の半導体装置の製造方法では、複数層の縦型MISFETを一度に形成する。本実施の形態の半導体装置は、複数層の縦型MISFETを一度で形成できるように、縦型MISFETを複数層、最も単純に積層したものである。
【0263】
本実施形態の半導体装置は、n型の縦型MISFETを複数層積層したもの、もしくはp型の縦型MISFETを複数層積層したものであり、n型の縦型MISFETの上にp型の縦型MISFETを積層したり、p型の縦型MISFETの上にn型の縦型MISFETを積層したりすることはない。
【0264】
また、本実施形態の半導体装置の複数層の縦型MISFETは、実施形態1から7のいずれかの製造方法で作製される。例えば、実施形態4の製造方法で製造される場合、上下に重ねられる複数の縦型MISFETにおいて、チャネル部を構成する第1の単結晶半導体と単結晶Siの、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なる。ただし、その異なり方について、積層されるある縦型MISFETでは材料だけが異なっていて、積層される別の縦型MISFETではドーピング濃度だけが異なっている、というようなことはない。積層される縦型MISFETは、すべて同じ異なり方をする。
【0265】
このような構造になる理由は、以下の製造方法の説明により明らかとなる。
【0266】
なお、本実施形態の半導体装置は、積層する複数の縦型MISFETの、各縦型MISFETのゲート長は任意である。すなわち、すべての縦型MISFETのゲート長を同じにしてもよいし、異なるようにしてもよい。オフセットスペーサーや、エクステンションの長さも任意である。また、縦型MISFETを積層する層数は、いくつでもよく、上限はない。
【0267】
本実施形態の半導体装置の最大の特徴は、積層される縦型MISFETに対して、その一番下に位置する縦型MISFETの下部電極と、一番上に位置する縦型MISFETの上部電極をのぞいて、各縦型MISFETのソースおよびドレインのコンタクトを設けないことである。この分、構造が簡略化され、作製しやすくなっている。
【0268】
図124は、本実施形態の半導体装置の上面図(図124(a))及び断面図1(図124(b))、断面図2((図124(c))の一例である。断面図1は、上面図のA−A'線に沿った断面を示しており、断面図2は、上面図のC−C'線に沿った断面を示している。図124は、n型の縦型MISFETを3層積層したもので、各縦型MISFETのチャネル部12、21は、実施形態4の半導体装置にもとづいている。したがって、縦型MISFETを構成する各部は、実施形態4の半導体装置を構成する場合と同様である。
【0269】
図124では、3層のn型の縦型MISFETを積層しているが、上段のn型の縦型MISFETの下部電極、中段のn型の縦型MISFETの上部電極、下部電極、下段のn型の縦型MISFETの上部電極は、コンタクトが設けられていない。コンタクトが設けられているのは、上段のn型の縦型MISFETの上部電極、下段のn型の縦型MISFETの下部電極、各縦型MISFETのゲートだけである。
【0270】
図124では、3層積層した縦型MISFETのうち、真ん中の縦型MISFETのゲート長が小さくなっている。各縦型MISFETのチャネル部12、21は同じ構造をしていて、ゲート絶縁膜10に、第1の単結晶半導体21が接しており、第1の単結晶半導体21に単結晶Si12が接している。第1の単結晶半導体21と単結晶Si12は、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち少なくとも1つが異なっており、例えば、第1の単結晶半導体が真性半導体のSiで、単結晶Si12がp型Siであってもよい。ゲート絶縁膜10は、後述するように、積層されるすべての縦型MISFETのゲート絶縁膜10を同時に形成するので、その膜厚、膜種、膜組成は同じである。
【0271】
各縦型MISFET間には、エクステンション13が形成されている。エクステンション13は、PSG膜4からドーパントの供給を受けて形成される。エクステンション13と各縦型MISFETのゲート電極との重なりは、オフセットスペーサーの役割をするNSG膜5(図示せず)の膜厚で制御され、NSG膜5は、PSG膜4と各縦型MISFETのゲート電極となる多結晶Si7の間に形成されている。各縦型MISFETのゲート電極となる多結晶Si7の一部には、シリサイド層15が形成され、シリサイド層15は、コンタクトプラグ18が接続する。またコンタクトプラグ18は、積層する縦型MISFETのうち、最も下に位置する縦型MISFETの下部電極の一部となっている半導体基板1のn型拡散層8に形成されたシリサイド層15や、最も上に位置する縦型MISFETの上部電極の一部となっている多結晶Si7のn型拡散層8に形成されたシリサイド層15にも接続している。また各シリサイド層15は、短絡しないようにサイドウォール絶縁膜14によって分離されており、さらに各シリサイド層15上にはストッパー絶縁膜16が形成されている。ストッパー絶縁膜16は、層間絶縁膜17にコンタクトホールを形成するエッチングの際に、エッチングストッパーとなるものである。なお、図124(c)に示すように、実施形態11の半導体装置同様、本実施形態の半導体装置も、各電極層をパターンニングしながら形成される。
【0272】
次に、図125から図141を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図125から図141は、図124に示す本発明の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図である。各断面図(b)は、各上面図のA−A'線に沿った断面を示しており、各断面図(c)は、各上面図のC−C'線に沿った断面を示している。
【0273】
まず、実施形態11の半導体装置の製造方法と同様に、図111に示す工程までを行う。次に、図125に示すように、NSG膜5(図示せず)、多結晶Si7を順に成膜する。多結晶Si7の成膜後、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、図124(b)に示す真ん中の縦型MISFETのゲート電極となる部分が残るようなレジストパターンを作製し、このレジストパターンをマスクに、多結晶Si7をエッチングし、エッチング後、レジストを剥離する。そうすると、図126に示す形状が得られる。
【0274】
この後、図127に示すように、NSG膜5(図示せず)、PSG膜4を順に成膜し、表面をCMPで平坦化する。さらに、図128に示すように、NSG膜5(図示せず)、多結晶Si7を順に成膜する。多結晶Si7の成膜後、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、図124(b)に示す一番上の縦型MISFETのゲート電極となる部分が残るようなレジストパターンを作製し、このレジストパターンをマスクに、多結晶Si7をエッチングし、エッチング後、レジストを剥離する。そうすると、図129に示す形状が得られる。それから、図130に示すように、NSG膜5(図示せず)、PSG膜4を順に成膜し、表面をCMPで平坦化し、図131に示すように、Si窒化膜19を成膜する。
【0275】
図131に示す工程の後、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、図124の縦型MISFETのチャネル部12、21となる領域のパターンがなくなるようなレジストパターンを作製し、このレジストパターンをマスクに、Si窒化膜19、PSG膜4、NSG膜5(図示せず)、多結晶Si7、NSG膜5(図示せず)、PSG膜4、NSG膜5(図示せず)、多結晶Si7、NSG膜5(図示せず)、PSG膜4、NSG膜5(図示せず)、多結晶Si7、NSG膜5(図示せず)、PSG膜4をこの順にエッチングし、半導体基板1のn型拡散層8でエッチングを停止させる。この後、レジストを剥離すると、図132に示すように、一連の積層膜を貫き、半導体基板1にいたる孔9ができる。
【0276】
孔9の作成後、図133に示すように、ゲート絶縁膜10を作製する。ここでは、孔9に、各縦型MISFETのゲートとなる多結晶Si7が露出しており、酸化もしくは酸窒化することで、ゲート酸化膜もしくはゲート酸窒化膜を形成する。なお、このように、各縦型MISFETのゲート絶縁膜10を同時に同じ条件で作成することから、各縦型MISFETのゲート絶縁膜10は、膜厚、膜種、膜組成が同じものになる。また、このとき、ゲート絶縁膜10と同じ種類の絶縁膜11が、孔9の底面に形成される。
【0277】
ゲート絶縁膜10の作製後、図134に示すように、第1の非晶質半導体20をCVD法によりコンフォーマルに成膜し、これをエッチバックすることで、孔9に第1の非晶質半導体20からなる側壁を形成する。
【0278】
第1の非晶質半導体20からなる側壁の形成後、孔9の底面の絶縁膜11の除去と、後工程の結晶成長の前処理をかねて、希フッ酸処理を行う(図135)。また希フッ酸処理の代わりに、気相HF処理でもよい。この際、これまでの実施形態と同様に、第1の非晶質半導体20からなる側壁が、ゲート絶縁膜10を保護する。第1の非晶質半導体20からなる側壁は、図124に示す3つの縦型MISFETのゲート絶縁膜10を覆っているので、これらすべてを保護する。
【0279】
希フッ酸処理もしくは、気相HF処理の後、ただちに非晶質Si6をUHV−CVD法で成膜し、孔9の残りの部分を非晶質Si6で充填する。この際、気相HF処理後、真空中を搬送し、大気にふれさせることなく、非晶質Si6の成膜を始めるのが好ましい。非晶質6の成膜後は、CMPを行い、Si窒化膜19で停止させることにより、図136に示す形状が得られる。
【0280】
この後、リン酸でSi窒化膜19を除去し、窒素雰囲気で熱処理することで固相エピタキシャル成長させ、図137に示すように、第1の非晶質半導体20を第1の単結晶半導体21、非晶質Si6を単結晶Si12に変化させる。
【0281】
固相エピタキシャル成長後、図138に示すように、多結晶Si7を成膜し、表面をCMPで平坦化する。後工程で段差が問題にならない場合は、CMPは行わなくても良い。この後、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、上部電極のパターンが残るようなレジストパターンを作製し、このレジストパターンをマスクに多結晶Si7をエッチングする。エッチング後、レジストを剥離すると、図139に示す形状が得られる。
【0282】
この後、多結晶Siや、単結晶Siに対して、エッチングレートが大きいエッチング条件を用いて、PSG膜4、NSG膜5(図示せず)を上から順にエッチングしていき、半導体基板1のn型拡散層8で停止させる。そうすると、多結晶Si7が上部に存在するPSG膜4、NSG膜5(図示せず)が残存し、図140に示す形状が得られる。この状態で、イオン注入を行い、n型のドーパントを、上部電極の多結晶Si7と、各縦型MISFETのゲートとなる多結晶Si7に導入する。
【0283】
イオン注入後、これらのドーパントを拡散させ活性化するために、アニールを行う。例えば、窒素に微量の酸素が混入された雰囲気で、1050℃のスパイクアニールを行う。この際、PSG膜4内のドーパントがチャネル部12、21に拡散し、活性化することも同時におこり、エクステンション13が形成される(図141)。
【0284】
この後は、実施形態10の製造方法の図104からの工程と同じ工程を行うことによって、図124に示す半導体装置が完成する。なお、半導体基板1に形成するn型拡散層8をp型拡散層に、PSG膜をBSG膜に、ゲート電極と上部電極へイオン注入するドーパントをn型のドーパントからp型のドーパントへ変更することで、p型の縦型MISFETを複数積層したものに変更可能である。
【0285】
なお、図132に示す工程で複数の孔を作製し同様の工程を経ることで、同一の処理により、同一平面上に縦型MISFETを3層積層した半導体装置を複数製造することができる。この際、チャネル部12、21の断面形状や大きさを変えることも、そろえることも可能である。また、前記複数の半導体装置は、すべて同一の製造方法により製造される必要がなく、回路での役割の違いなどに応じて、実施形態9を用い、異なる製造方法により、異なる構造の縦型MISFETを3層積層した半導体装置を製造してもよい。さらに、実施形態11の製造方法を用いることで、n型の縦型MISFETを複数積層した半導体装置を製造し、その上に、p型の縦型MISFETを複数積層した半導体装置またはn型の縦型MISFETを複数積層した半導体装置を製造してもよい(前記p型とn型を逆にした構成も可能)。
<実施形態13>
【0286】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、実施形態1から12のいずれか一を基本とし、さらに、図146、図149に示すように、積層工程S10は、半導体基板1または半導体層に形成された不純物領域8の上に第一絶縁層4、5(第一絶縁層5については図示せず)を形成し、その上に、配線パターンにパターニングしたゲート電極層7を形成し、第一絶縁層4、5(第一絶縁層5については図示せず)またはゲート電極層7の上に第二絶縁層5、4(第二絶縁層5については図示せず)を形成した後、さらに第二絶縁層5、4(第二絶縁層5については図示せず)の上に、置換層19を挟んで、第一絶縁層4、19およびゲート電極層7および第二絶縁層19、4、19をこの順に形成する工程であり、さらに、図160に示すように、半導体部形成工程S60の後、置換層19をエッチングにより取り除き、置換層19が存在した位置に、電極層を形成する置換工程S70を有する。すなわち、図168のフローチャート図に示すように、半導体部形成工程S60の後に、置換工程S70を有する。
【0287】
実施形態12の半導体装置の製造方法では、複数層の縦型MISFETのチャネル部を一度に形成していた。本実施形態の半導体装置の製造方法では、複数層の縦型MISFETのチャネル部を一度に形成する点にかわりはないが、複数層重ねた縦型MISFETの間のソース、ドレインへの配線が形成され、コンタクトをとる点に特徴がある。すなわち、本実施形態の半導体装置は、複数層に重ねた縦型MISFETの間に配線層が形成されたものである。
【0288】
本実施形態の半導体装置は、n型の縦型MISFETを複数層積層したもの、もしくはp型の縦型MISFETを複数層積層したもので、実施形態10や、実施形態11の半導体装置のように、n型の縦型MISFETの上に、p型の縦型MISFETを積層したり、p型の縦型MISFETの上に、n型の縦型MISFETを積層したりすることはない。なお、プロセス的に前記構成は不可能でないが、その場合、n型の縦型MISFETのソースもしくはドレインをp型の拡散層にするか、p型の縦型MISFETのソースもしくはドレインをn型の拡散層にしなければならないので、好ましくない。
【0289】
また、本実施形態の半導体装置の複数層の縦型MISFETは、実施形態1から7のいずれかの製造方法で作製される。例えば、実施形態4の製造方法で製造される場合、上下に重ねられる複数の縦型MISFETにおいて、チャネル部を構成する第1の単結晶半導体と単結晶Siの、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち、少なくとも1つが異なる。ただし、その異なり方について、積層されるある縦型MISFETでは材料だけが異なっていて、積層される別の縦型MISFETではドーピング濃度だけが異なっている、というようなことはない。積層される縦型MISFETは、すべて同じ異なり方をする。
【0290】
このような構造になる理由は、以下の製造方法の説明により明らかとなる。
【0291】
なお、本実施形態の半導体装置は、積層する複数の縦型MISFETの、各縦型MISFETのゲート長は任意である。すなわち、すべての縦型MISFETのゲート長を同じにしてもよいし、異なるようにしてもよい。オフセットスペーサーや、エクステンションの長さも任意である。また、縦型MISFETを積層する層数は、いくつでもよく、上限はない。
【0292】
本実施形態の半導体装置の特徴は、積層される縦型MISFETに対して、縦型MISFETの間の電極層(ソースないしドレイン)から配線層をのばし、その配線にコンタクト18を形成することである。縦型MISFETの間の電極層(ソースないしドレイン)は、チャネル部12、21を固相エピタキシャル成長した後に作製する。すなわち、前記固相エピタキシャル成長時には、置換膜となる絶縁膜19でダミーの電極層を形成しておき、固相エピタキシャル成長後、絶縁膜19で形成されたダミーの配線を、伝導体の配線に置き換える。
【0293】
図142は、本実施形態の半導体装置の上面図(図142(a))及び断面図1(図142(b))、断面図2((図142(c))の一例である。断面図1は、上面図のA−A'線に沿った断面を示しており、断面図2は、上面図のC−C'線に沿った断面を示している。図142は、n型の縦型MISFETを2層積層したもので、各縦型MISFETのチャネル部12、21は、実施形態4の半導体装置にもとづいている。したがって、縦型MISFETを構成する各部は、実施形態4の半導体装置を構成する場合と同様である。
【0294】
図142では、2層のn型の縦型MISFETを積層しているが、上段のn型の縦型MISFETの下部電極、下段のn型の縦型MISFETの上部電極が共通化されて、この部分から多結晶Si7の配線層が横に伸びている。この多結晶Si7の配線層の一部にはシリサイド層15が設けられており、シリサイド層15は、コンタクトプラグ18に接続している。実施形態12の半導体装置は、チャネル部12、21の上下にしかコンタクトをとらなかったが、本実施形態の半導体装置では、チャネル部12、21の途中に電極層を設け、そこに電気的に接続できるような構造になっている。
【0295】
図142に示す2つのn型の縦型MISFETのゲート絶縁膜10やチャネル部分の構成(第1の単結晶半導体21と単結晶Si12)は、実施形態12と同様に、同一の処理により形成されるので、その構成は略同一である。しかしながら、上部のn型の縦型MISFETは、電極層の置換プロセスを行うため、ゲートの多結晶Si7が、NSG膜にはさまれる構造ではなくて、Si窒化膜19にはさまれる構造になっている。Si窒化膜19は、これまでのNSG膜と同様、ゲートとエクステンション13の重なりを調整するオフセットスペーサーの役割を果たす。これに対して、下側のn型の縦型MISFETは、これまでどおり、ゲートの多結晶Si7がNSG膜(図示せず)にはさまれる構造になっている。
【0296】
図142に示すn型の縦型MISFETのチャネル部12、21は、実施形態4の半導体装置にもとづいているので、ゲート絶縁膜10に、第1の単結晶半導体21が接しており、第1の単結晶半導体21に単結晶Si12が接している。第1の単結晶半導体21と単結晶Si12は、ドーピングの有無(真性半導体か否か)、型(n型もしくはp型)、濃度、ドーパントの種類(P、As、Sb、B、Inなど)、材料(Si、SiGe、SiC、SiGeCなど)のうち少なくとも1つが異なっており、例えば、第1の単結晶半導体が真性半導体のSiで、単結晶Si12がp型Siであってもよい。
【0297】
ゲート絶縁膜10は、実施形態12と同様、積層するすべての縦型MISFETのゲート絶縁膜10を同時に形成するので、その膜厚、膜種、膜組成は略同一である。また、各縦型MISFET間には、エクステンション13が形成されている。エクステンション13は、PSG膜4からドーパントの供給を受けて形成される。
【0298】
各縦型MISFETのゲート電極となる多結晶Si7の一部には、シリサイド層15が形成され、シリサイド層15には、コンタクトプラグ18が接続している。またコンタクトプラグ18は、下側の縦型MISFETの下部電極の一部となっている半導体基板1のn型拡散層8に形成されたシリサイド層15や、上側の縦型MISFETの上部電極の一部となっている多結晶Si7の型拡散層8に形成されたシリサイド層15にも接続している。また各シリサイド層15は、短絡しないようにサイドウォール絶縁膜14によって分離されており、さらに各シリサイド層15上にはストッパー絶縁膜16が形成されている。ストッパー絶縁膜16は、層間絶縁膜17にコンタクトホールを形成するエッチングの際に、エッチングストッパーとなるものである。なお、図142(c)に示すように、実施形態11の半導体装置同様、本実施形態の半導体装置も、各電極層をパターンニングしながら形成されてもよい。
【0299】
次に、図143から図165を用いて、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例についてより詳細に説明する。図143から図165は、図142に示す本発明の縦型MISFETの製造工程の各段階の状態を示す上面図及び断面図である。各断面図(b)は、各上面図のA−A'線に沿った断面を示しており、各断面図(c)は、各上面図のC−C'線に沿った断面を示している。
【0300】
まず、実施形態11の半導体装置の製造方法と同様に、図109に示す工程までを行う。次に、図143に示すように、NSG膜5(図示せず)、PSG膜4、Si窒化膜19を順に成膜する。Si窒化膜19の成膜後、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、図142(b)に示す下側の縦型MISFETのゲート電極となる部分が残るようなレジストパターンを作製し、このレジストパターンをマスクに、Si窒化膜19、PSG膜4、NSG膜5(図示せず)、多結晶Si7をエッチングし、エッチング後、レジストを剥離する。そうすると、図144に示す形状が得られる。この後、図145に示すように、NSG膜5(もしくはプラズマ酸化膜)を成膜し、CMPで平坦化する。このとき、最上面のSi窒化膜19は、CMP時のストッパー膜となる。
【0301】
それから、図146に示すように、Si窒化膜19、PSG膜4、Si窒化膜19を順に成膜する。先に成膜するSi窒化膜19は、ダミーの電極層を作製するためのもので、その厚さがおおよそ電極層の厚さとなる。また後に成膜するSi窒化膜19は、図142(b)に示す上側のn型の縦型MISFETのオフセットスペーサーである。これらの膜の成膜後、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、図142(b)に示す2つの縦型MISFETの間の電極層となる部分が残るようなレジストパターンを作製し、このレジストパターンをマスクに、Si窒化膜19、PSG膜4、Si窒化膜19をエッチングする。下側のSi窒化膜19のエッチングは、特にNSG膜5とのエッチング選択比が大きい条件で行い、NSG膜5が露出した時点でエッチングを停止させる。エッチング後、レジストを剥離すると、図147に示す形状が得られる。この後、図148に示すように、NSG膜5(もしくはプラズマ酸化膜)を成膜し、CMPで平坦化する。このとき、最上面のSi窒化膜19は、CMP時のストッパー膜となる。
【0302】
さらに、図149に示すように、多結晶Si7、Si窒化膜19、PSG膜4、Si窒化膜19を順に成膜する。多結晶Si7は、図142(b)に示す上側の縦型MISFETのゲート電極であり、その厚みがゲート長になる。多結晶Si7の次に成膜するSi窒化膜19は、オフセットスペーサーである。これらの膜の成膜後、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、図142(b)に示す上側の縦型MISFETの間のゲート電極となる部分が残るようなレジストパターンを作製し、このレジストパターンをマスクに、Si窒化膜19、PSG膜4、Si窒化膜19、多結晶Si7をエッチングする。多結晶Si7のエッチングは、特にNSG膜5やSi窒化膜19とのエッチング選択比が大きい条件で行い、NSG膜5やSi窒化膜19が露出した時点でエッチングを停止させる。エッチング後、レジストを剥離すると、図150に示す形状が得られる。この後、図151に示すように、NSG膜5(もしくはプラズマ酸化膜)を成膜し、CMPで平坦化する。このとき、最上面のSi窒化膜19は、CMP時のストッパー膜となる。
【0303】
図151に示す工程の後、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、図142の縦型MISFETのチャネル部12、21となる領域のパターンがなくなるようなレジストパターンを作製し、このレジストパターンをマスクに、Si窒化膜19、PSG膜4、Si窒化膜19、多結晶Si7、Si窒化膜19、PSG膜4、Si窒化膜19、PSG膜4、NSG膜5(図示せず)、多結晶Si7、NSG膜5(図示せず)、PSG膜4を順にエッチングし、半導体基板1のn型拡散層8でエッチングを停止させる。この後、レジストを剥離すると、図152に示すように、一連の積層膜を貫き、半導体基板1にいたる孔9ができる。
【0304】
孔9の作成後、図153に示すように、ゲート絶縁膜10を作製する。ここでは、孔9に、各縦型MISFETのゲート電極となる多結晶Si7が露出しており、酸化もしくは酸窒化することで、ゲート酸化膜もしくはゲート酸窒化膜を形成する。なお、このように、各縦型MISFETのゲート絶縁膜10を同一処理により同じ条件で作成することから、各縦型MISFETのゲート絶縁膜10は、膜厚、膜種、膜組成が略同一となる。また、このとき、ゲート絶縁膜10と同じ種類の絶縁膜11が、孔9の底面に形成される。
【0305】
ゲート絶縁膜10の作製後、図154に示すように、第1の非晶質半導体20をCVD法によりコンフォーマルに成膜し、これをエッチバックすることで、孔9に第1の非晶質半導体20からなる側壁を形成する。
【0306】
側壁の形成後、孔9の底面の絶縁膜11の除去と、後工程の結晶成長の前処理をかねて、希フッ酸処理を行う(図155)。また希フッ酸処理の代わりに、気相HF処理でもよい。この際、これまでの実施形態と同様に、第1の非晶質半導体20からなる側壁が、ゲート絶縁膜10を保護する。第1の非晶質半導体20からなる側壁は、図142に示す2つの縦型MISFETのゲート絶縁膜10を覆っているので、これらすべてを保護する。
【0307】
希フッ酸処理もしくは、気相HF処理の後、ただちに非晶質Si6をUHV−CVD法で成膜し、孔9の残りの部分を非晶質Si6で充填する。この際、気相HF処理後、真空中を搬送し、大気にふれさせることなく、非晶質Si6の成膜を始めるのが好ましい。非晶質6の成膜後は、CMPを行い、Si窒化膜19で停止させることにより、図156に示す形状が得られる。
【0308】
この後、窒素雰囲気で熱処理することで固相エピタキシャル成長させ、図157に示すように、第1の非晶質半導体20を第1の単結晶半導体21、非晶質Si6を単結晶Si12に変化させる。なお、この固相エピタキシャル成長時の熱処理温度は、Si窒化膜19に接している部分に結晶核が生成され、ここから多結晶半導体の成長がおきないような、十分低い温度で行う。また、本実施形態の場合、最上層のSi窒化膜19は、後工程のエッチングでストッパー膜として用いるので、除去しない。
【0309】
固相エピタキシャル成長後、図158に示すように、多結晶Si7、NSG膜5を成膜する。この後、レジスト塗布、露光、現像の一連のリソグラフィー工程を行って、上部電極のパターンが残るようなレジストパターンを作製し、このレジストパターンをマスクにNSG膜5、多結晶Si7をエッチングする。さらに、Si窒化膜19に対して、エッチング選択比が大きく取れる条件で、図151の工程で埋めこんだNSG膜5、図148の工程で埋めこんだNSG膜5をエッチングし、エッチングを停止させる。この後、レジストを剥離すると、図159に示す形状が得られる。
【0310】
この後、リン酸で置換膜であるSi窒化膜19をウエットエッチングする。なお、ウエットエッチングに用いるリン酸は粘性の高い液体なので、オフセットスペーサーのSi窒化膜19や、上側の縦型MISFETの上部電極の多結晶Si下にあるSi窒化膜19の厚さを薄く設定しておくことで、これらのSi窒化膜19は除去せず、ダミー電極となっている置換膜のSi窒化膜19のみを除去し、図160に示すように、空隙31を形成することができる。
【0311】
この後、図161に示すように、多結晶Si7をCVD法でコンフォーマルに成膜し、空隙31を多結晶Si7で充填する。図161に示す多結晶Si7の成膜後、今度は、空隙31部分に充填された多結晶Si7以外の多結晶Si7を除去するために、PSG膜4やNSG膜5とのエッチング選択比が大きくとれる条件で、多結晶Si7をエッチングする。そうすると、図162に示す形状が得られる。
【0312】
それから、図145の工程でうめこんだNSG膜5やPSG膜4を、多結晶Siや単結晶Siに対して大きなエッチング選択比がとれる条件でエッチングし、半導体基板1のn型拡散層8上でエッチングを停止させる。このとき、上側に露出されている他の部分のNSG膜5やPSG膜4もあわせてエッチングされ、図163に示す形状となる。さらに、図164に示すように、リン酸で上側の縦型MISFETのゲート電極上にあるSi窒化膜19を除去する。Si窒化膜19の除去後、イオン注入を行い、n型のドーパントを、上部電極の多結晶Si7、各縦型MISFETのゲート電極となる多結晶Si7、2つの縦型MISFETの間の電極層となる多結晶Si7に導入する。
【0313】
イオン注入後、これらのドーパントを拡散させ活性化するために、アニールを行う。例えば、窒素に微量の酸素が混入された雰囲気で、1050℃のスパイクアニールを行う。この際、PSG膜4内のドーパントがチャネル部12、21に拡散し、活性化することも同時におこり、エクステンション13が形成される。また2つの縦型MISFETの間の電極層の多結晶Si7内のドーパントは、ゲート絶縁膜10にさえぎられないので、チャネル部12、21内まで拡散して、活性化する(図165)。
【0314】
この後は、実施形態10の製造方法の図104から後の工程と同じ工程を行うことによって、図142に示す半導体装置が完成する。なお、半導体基板1に形成するn型拡散層8をp型拡散層に、PSG膜をBSG膜に、ゲート電極と上部電極、2つの縦型MISFETの間の電極層へイオン注入するドーパントをn型のドーパントからp型のドーパントへ変更することで、p型の縦型MISFETを複数積層したものに変更可能である。
【0315】
なお、図132に示す工程で複数の孔を作製し同様の工程を経ることで、同一の処理により、同一平面上に縦型MISFETを2層積層した半導体装置を複数製造することができる。この際、チャネル部12、21の断面形状や大きさを変えることも、そろえることも可能である。また、前記複数の半導体装置は、すべて同一の製造方法により製造される必要がなく、回路での役割の違いなどに応じて、実施形態9を用い、異なる製造方法により、異なる構造の縦型MISFETを2層積層した半導体装置を製造してもよい。さらに、実施形態11の製造方法を用いることで、n型の縦型MISFETを複数積層した半導体装置を製造し、その上に、p型の縦型MISFETを複数積層した半導体装置またはn型の縦型MISFETを複数積層した半導体装置を製造してもよい(前記p型とn型を逆にした構成も可能)。
【0316】
最後に、これまでに説明してきたすべての実施形態に対して、ゲート絶縁膜10をONO膜(Si酸化膜―Si窒化膜―Si酸化膜)に置き換えることにより、本発明の半導体装置を記憶素子とすることができる。記憶素子に本発明を適用した場合、チャネル部の材料が単結晶となり移動度が向上することで、読み出し速度の向上という効果がもたらされる。また、これまで、説明してきたすべての実施形態に対して、半導体基板1と同じ材料の非晶質半導体材料を半導体基板1に接触させ(通常はバルクSi基板なので、非晶質SiをバルクSi基板に接触させ)固相エピタキシャル成長させてきたが、原理的には、半導体基板1と異なる材料の非晶質半導体材料を半導体基板1に接触させ、固相エピタキシャル成長させることも可能である。この場合は、孔9内の半導体基板1に接触する非晶質Si6を、他の半導体材料に置き換えればよい(例えば、バルクSi基板に対して、非晶質Si6の代わりにGe濃度の低い非晶質SiGeを用いる)。ただし、結晶性の観点からは、各実施形態で説明してきたように、半導体基板1に接触させて固相エピタキシャル成長させる非晶質半導体材料は、半導体基板1と同じ材料が好ましい。
【符号の説明】
【0317】
1 半導体基板
2 素子分離絶縁膜
3 n型ドーパント注入層
4 PSG膜
5 NSG膜
6 非晶質Si
7 多結晶Si
8 n型拡散層
9 孔
10 ゲート絶縁膜
11 絶縁膜
12 単結晶Si
13 エクステンション層
14 サイドウォール絶縁膜
15 シリサイド
16 ストッパー絶縁膜
17 層間絶縁膜
18 コンタクトプラグ
19 Si窒化膜
20 第1の非晶質半導体
21 第1の単結晶半導体
22 第2の非晶質半導体
23 弟2の単結晶半導体
24 Si酸化膜
25 ゲート絶縁膜(CVD膜)
28 p型ドーパント注入層
29 p型拡散層
30 BSG膜
31 空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶半導体基板または単結晶半導体層に形成された不純物領域の上に、第一絶縁層と、ゲート電極層と、第二絶縁層と、をこの順に積層した積層体を形成する積層工程と、
前記積層体に、前記不純物領域が露出する孔を形成する孔形成工程と、
少なくとも、前記孔の側壁に露出している前記ゲート電極層、および、前記孔の底面に露出している前記不純物領域、の上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記ゲート電極層の前記露出部分の上に形成された前記絶縁膜の上に半導体膜を重ねて形成する半導体膜形成工程と、
前記不純物領域の上に形成された前記絶縁膜を除去する除去工程と、
前記孔に、前記孔の底面に露出している前記不純物領域に接し、前記底面から前記孔の開口部までつながる半導体部を形成する半導体部形成工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記半導体膜形成工程は、
前記ゲート電極層の前記露出部分の上に形成された前記絶縁膜の上に非晶質半導体膜を重ねて形成する工程であり、
前記半導体部形成工程は、
前記孔に、前記孔の底面に露出している前記不純物領域に接し、前記底面から前記孔の開口部までつながる非晶質の半導体部を形成した後、前記非晶質の半導体部を、前記半導体膜形成工程で形成した前記非晶質半導体膜とともに加熱処理し単結晶半導体に結晶化する工程である、
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記半導体部形成工程は、
前記孔が埋まるよう、前記第二絶縁層の上に半導体層を形成し、その後、前記第二絶縁層をストッパーとして前記半導体層をCMPすることで前記半導体部を形成する請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記半導体部形成工程は、
前記孔を、前記孔の側壁沿いにリング状に形成した前記半導体部と、前記リング状の中央開口空間を埋める絶縁体と、で埋める工程である請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記半導体部形成工程は、
前記孔の側壁沿いに前記非晶質の半導体部を形成後、前記孔を絶縁体で埋め、その後、前記非晶質の半導体部を、前記半導体膜形成工程で形成した前記非晶質半導体膜とともに加熱処理し単結晶半導体に結晶化する工程である請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記半導体膜形成工程は、
前記ゲート電極層の前記露出部分の上に形成された前記絶縁膜の上に、単一の半導体膜を重ねて形成する工程である請求項1から5のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記半導体膜形成工程は、
前記ゲート電極層の前記露出部分の上に形成された前記絶縁膜の上に、複数の半導体膜を重ねて形成する工程であって、
前記複数の半導体膜の隣り合う半導体膜どうしは、
ドーピングの有無、ドーピングの型、ドーピング濃度、ドーパントの種類、材料のうち、少なくとも一つが異なる請求項1から5のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記半導体部形成工程は、
単一の半導体で前記半導体部を形成する工程である請求項1から7のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記半導体部形成工程は、
前記孔の側壁沿いに複数の半導体膜を重ねて前記半導体部を形成する工程であって、
前記複数の半導体膜の隣り合う半導体膜どうしは、
ドーピングの有無、ドーピングの型、ドーピング濃度、ドーパントの種類、材料のうち、少なくとも一つが異なる請求項1から7のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記半導体部形成工程において、前記半導体部を形成する前記単一の半導体は、前記不純物領域を形成した基板または半導体層を構成する単結晶半導体と同じ材料である請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記半導体部形成工程において、前記孔の底面に露出している前記不純物領域に接するよう、前記孔の側壁沿いに重ねて形成された前記複数の半導体膜の中の少なくとも一つは、前記不純物領域を形成した基板または半導体層を構成する単結晶半導体と同じ材料である請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記積層工程の後であって、前記孔形成工程の前に、
前記除去工程における処理で除去されない材料で構成される保護膜を、前記積層体の上に成膜する保護膜成膜工程をさらに有する請求項1から11のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記絶縁膜形成工程は、
前記絶縁膜として、酸化膜、窒化膜、酸窒化膜、酸化膜と窒化膜の積層膜(ONO膜)の中のいずれかを形成する工程である請求項1から12のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記絶縁膜形成工程は、
CVD法により絶縁膜を形成する工程である請求項1から13のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記ゲート電極層の前記露出部分の上に形成された前記絶縁膜は、縦型MISFETのゲート絶縁膜となる請求項1から14のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記半導体膜形成工程で形成される前記半導体膜と接する、前記半導体部を構成する半導体と、前記半導体と接する前記半導体膜と、は、ドーピングの有無、ドーピングの型、ドーピング濃度、ドーパントの種類、材料のうち、少なくとも一つが請求項1から15のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記積層工程は、
前記基板または前記半導体層に形成された前記不純物領域の上に前記第一絶縁層を形成し、その上に、配線パターンにパターニングした前記ゲート電極層を形成し、前記第一絶縁層または前記ゲート電極層の上に、前記第二絶縁層を形成した積層体を形成する工程である請求項1から16のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記積層工程は、
前記基板または前記半導体層に形成された前記不純物領域の上に前記第一絶縁層を形成し、その上に、配線パターンにパターニングした前記ゲート電極層を形成し、前記第一絶縁層または前記ゲート電極層の上に前記第二絶縁層を形成した後、
さらに前記第二絶縁層の上に、配線パターンにパターニングしたゲート電極層と前記第二絶縁層とを一セットとして、複数セット積層する工程である請求項1から17のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記積層工程は、
前記基板または前記半導体層に形成された前記不純物領域の上に前記第一絶縁層を形成し、その上に、配線パターンにパターニングした前記ゲート電極層を形成し、前記第一絶縁層または前記ゲート電極層の上に前記第二絶縁層を形成した後、さらに前記第二絶縁層の上に、置換層を挟んで、前記第一絶縁層および前記ゲート電極層および前記第二絶縁層を形成する工程であり、
前記半導体部形成工程の後、さらに、
前記置換層をエッチングにより取り除き、前記置換層が存在した位置に、電極層を形成する置換工程を有する請求項1から17のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一の半導体装置の製造方法を利用して製造される半導体装置を、前記基板の同一平面上に複数製造する半導体装置の製造方法。
【請求項21】
請求項1から19のいずれか一以上の半導体装置の製造方法を利用して製造される二種以上の半導体装置を、前記基板の同一平面上に複数製造する半導体装置の製造方法。
【請求項22】
請求項1から19のいずれか一の半導体装置の製造方法を利用して製造される半導体装置を、前記基板の垂直方向に重ねて複数製造する半導体装置の製造方法。
【請求項23】
請求項1から19のいずれか一以上の半導体装置の製造方法を利用して製造される二種以上の半導体装置を、前記基板の垂直方向に重ねて複数製造する半導体装置の製造方法。
【請求項24】
製造される前記半導体装置はP型とN型の両方を含む請求項20から23のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項25】
基板または半導体層に形成された下部電極となる不純物領域の上に、第一絶縁層と、ゲート電極となるゲート電極層と、第二絶縁層と、をこの順に積層した積層体と、
前記積層体を前記基板と略垂直方向に貫通し、前記不純物領域と接するチャネル部と、
前記積層体の上方に、前記チャネル部の前記不純物領域と接する面の反対側の面に接して形成される上部電極層と、
前記ゲート電極層と前記チャネル部との間に、前記チャネル部の周囲を囲むように形成されるゲート絶縁膜と、
を有する縦型MISFETであって、
前記ゲート電極と前記上部電極との間の前記第二絶縁層の厚さ、および、前記ゲート電極と前記下部電極との間の前記第一絶縁層の厚さは、前記ゲート絶縁膜の膜厚より厚く、
前記ゲート絶縁膜に周囲を囲まれた前記チャネル部は、基板に垂直な方向に均一な複数の半導体で構成されている半導体装置。
【請求項26】
前記チャネル部は、半導体膜を複数重ねたリング形状であり、
前記リング形状の中心の開口空間には絶縁体が埋められている請求項25に記載の半導体装置。
【請求項27】
前記ゲート絶縁膜は、
酸化膜、窒化膜、酸窒化膜、酸化膜と窒化膜の積層膜(ONO膜)の中のいずれかである請求項25または26に記載の半導体装置。
【請求項28】
前記ゲート絶縁膜は、CVD法により形成される請求項25から27のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項29】
前記チャネル部を構成する前記半導体は、
前記不純物領域を形成した基板または半導体層を構成する単結晶半導体と同じ材料の単結晶半導体を含む請求項25から28のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項30】
前記チャネル部を構成する前記複数の半導体の隣り合う半導体どうしは、
ドーピングの有無、ドーピングの型、ドーピング濃度、ドーパントの種類、材料のうち、少なくとも一つが異なる請求項25から29のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項31】
前記チャネル部は、
前記上部電極および前記ゲート電極および前記下部電極と、異なる型のドーパントでドーピングされており、
そのドーピング濃度は、前記ゲート絶縁膜と接する側面から前記チャネル部の略中心軸に向かって高くなっている請求項25から30のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項32】
前記チャネル部の前記第一絶縁層および前記第二絶縁層との界面沿いには、前記界面から前記チャネル部の略中心軸に向かう方向を深さ方向とするエクステンションが形成され、
前記チャネル部の前記ドーピング濃度は、
前記エクステンションの最深部より、前記チャネル部の略中心軸側に濃度ピークを有する請求項31に記載の半導体装置。
【請求項33】
前記チャネル部は、
前記ゲート絶縁膜と接する部分は真性半導体で構成され、
前記真性半導体と隣接する部分は、前記上部電極および前記ゲート電極および前記下部電極と、異なる型のドーパントでドーピングされた半導体で構成される請求項25から32のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項34】
前記チャネル部は、
前記ゲート絶縁膜に接するSiGeと、前記SiGeに接するSiと、から構成される請求項25から33のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項35】
前記チャネル部は、
前記ゲート絶縁膜に接するSiと、前記Siに接するSiGeと、前記SiGeに接するSiと、から構成される請求項25から33のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項36】
前記SiGeのGe濃度は、
前記ゲート絶縁膜と前記チャネル部との界面から前記チャネル部の略中心軸に向かって低くなる請求項35に記載の半導体装置。
【請求項37】
請求項25から36のいずれか一に記載の縦型MISFETを、前記基板の同一平面上に複数形成した半導体装置。
【請求項38】
請求項25から36のいずれか一に記載の縦型MISFETを、前記基板の垂直方向に重ねて複数形成した半導体装置。
【請求項39】
請求項25から36のいずれか二種以上の縦型MISFETを、前記基板の同一平面上に複数形成した半導体装置。
【請求項40】
請求項25から36のいずれか二種以上の縦型MISFETを、前記基板の垂直方向に重ねて複数形成した半導体装置。
【請求項41】
前記縦型MISFETは、P型とN型の両方を含む請求項37から40のいずれか一に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図96】
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【図97】
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【図98】
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【図99】
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【図100】
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【図101】
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【図102】
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【図103】
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【図104】
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【図105】
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【図106】
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【図107】
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【図108】
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【図109】
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【図110】
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【図111】
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【図112】
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【図113】
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【図114】
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【図115】
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【図116】
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【図117】
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【図118】
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【図119】
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【図120】
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【図121】
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【図122】
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【図123】
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【図124】
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【図125】
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【図126】
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【図127】
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【図128】
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【図129】
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【図130】
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【図131】
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【図132】
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【図133】
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【図169】
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【公開番号】特開2011−23543(P2011−23543A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167285(P2009−167285)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】