説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】LCDドライバなどで小型化によるプラグの高抵抗化を抑制し、かつ、高耐圧MISFETのゲート電極と配線間の耐圧不良を改善できる技術を提供する。
【解決手段】LCDドライバにおいて、高耐圧MISFETでは、電界緩和用絶縁領域3上にゲート電極10bの端部が乗り上げている。そして、高耐圧MISFET上の1層目の層間絶縁膜上にソース配線あるいはドレイン配線となる配線HL1が形成されている。このとき、半導体基板1Sとゲート絶縁膜8の界面からゲート電極10bの上部までの距離をa、ゲート電極10bの上部から配線HL1が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離をbとすると、a>bとなっている。このように構成されている高耐圧MISFETにおいて、配線HL1は、高耐圧MISFETのゲート電極10bと平面的な重なりを有しないように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、LCD(Liquid Crystal Display)ドライバなど比較的高耐圧のMISFETを備える半導体装置およびその製造技術
に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2005−116744号公報(特許文献1)には、高耐圧トランジスタと低耐圧トランジスタとを同一基板上に形成している技術が記載されている。この特許文献1において、高耐圧トランジスタは、電界緩和のためのオフセット絶縁層を有しているとしている。そして、高耐圧トランジスタ形成領域に形成されているガードリングは、1層目の層間絶縁膜上に形成されている配線(最下層の配線)と接続されている。これに対し、高耐圧トランジスタのソース領域あるいはドレイン領域は、1層目の層間絶縁膜上に形成された2層目の層間絶縁膜上に形成されている配線(最下層の配線ではない)と接続されるとしている。つまり、高耐圧トランジスタのソース領域あるいはドレイン領域は、1層目の層間絶縁膜と2層目の層間絶縁膜を一度に貫通するプラグによって2層目の層間絶縁膜上に配置される配線と接続されている。
【0003】
特開平4−171938号公報(特許文献2)には、高耐圧nチャネルFETと低耐圧nチャネルFETとを同一基板上に形成している技術が記載されている。このとき、低耐圧nチャネルFETは、1層目の層間絶縁膜上に形成されている最下層の配線とソース領域あるいはドレイン領域が接続されている。これに対し、高耐圧nチャネルFETにおいて、ソース領域あるいはドレイン領域は、最下層の配線ではなく、2層目の層間絶縁膜上に形成されている配線と接続するように構成されている。
【特許文献1】特開2005−116744号公報
【特許文献2】特開平4−171938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、液晶を表示素子に用いたLCDが急速に普及しつつある。このLCDは、LCDを駆動するためのドライバによって制御されている。LCDドライバは半導体チップから構成されており、例えば、ガラス基板に実装される。LCDドライバを構成する半導体チップは、半導体基板上に複数のトランジスタと多層配線を形成した構造をしており、表面にバンプ電極が形成されている。そして、表面に形成されたバンプ電極を介して、ガラス基板に実装されている。
【0005】
LCDドライバに形成される複数のトランジスタ(MISFET)には、低耐圧MISFETと高耐圧MISFETが存在する。すなわち、LCDドライバは、通常、5V程度の電圧で駆動する低耐圧MISFETからなるロジック回路の他、LCDの電極に20V〜30V程度の電圧を印加する回路が存在する。LCDの電極に20V〜30V程度の電圧を印加するには、5V程度で駆動するロジック回路にレベルシフト回路を接続し、レベルシフト回路を介してスイッチング素子を接続することにより構成される。このスイッチング素子は、20V〜30Vの電圧で駆動するMISFETであり、いわゆる高耐圧MISFETから構成される。
【0006】
このようにLCDドライバには、同一の半導体基板に低耐圧MISFETと高耐圧MISFETとを備えている。同一の半導体基板に形成されている低耐圧MISFETと高耐圧MISFET上には、層間絶縁膜が形成されており、この層間絶縁膜上に配線が形成されている。配線とMISFETとは層間絶縁膜を貫通するプラグによって接続されている。通常、高耐圧MISFETのソース領域あるいはドレイン領域と接続する配線は、1層目の層間絶縁膜上に形成されているのではなく、1層目の層間絶縁膜上にさらに2層目の層間絶縁膜を形成し、この2層目の層間絶縁膜上に形成されている。つまり、高耐圧MISFETでは、20V〜30V程度の比較的高い電圧を使用するので、配線と高耐圧MISFET(ゲート電極)との耐圧を確保するために、1層目の層間絶縁膜上には配線を配置せず、2層目の層間絶縁膜上に配線を配置することにより、高耐圧MISFETの耐圧を確保している。このため、高耐圧MISFETと配線とは、1層目の層間絶縁膜を貫通するプラグと、続いて、2層目の層間絶縁膜を貫通するプラグとを介して接続されることになる。
【0007】
近年、LCDドライバの小型化が要求されている。このため、LCDドライバのMISFETと配線とを接続するプラグ(コンタクトプラグ)の径を縮小することが行なわれている。例えば、具体的に、プラグの径を0.24μmか0.14μmへ大幅に縮小している。しかし、プラグの径を縮小するとプラグによる抵抗が大きくなる問題が顕在化する。特に、高耐圧MISFETでは、1層目の層間絶縁膜と2層目の層間絶縁膜を貫通するプラグで高耐圧MISFETと配線と接続されているため、プラグの径を縮小することにより、プラグのアスペクト比が大きくなり抵抗が増加する。そこで、LCDドライバでは、1層目の層間絶縁膜上に配線を形成し、かつ、1層目の層間絶縁膜上に形成される配線の配線幅を大きくして1層目の層間絶縁膜と2層目の層間絶縁膜を接続するプラグの数を増やすことにより、プラグの低抵抗化を図っている。1層目の層間絶縁膜にも配線を形成することにより、1層目の層間絶縁膜を貫通するプラグと2層目の層間絶縁膜を貫通するプラグとを直接接続する必要がなくなり、プラグのアスペクト比を低減できる。このため、プラグ径の縮小による高抵抗化を抑制できる。
【0008】
さらには、1層目の層間絶縁膜の膜厚を薄くすることにより、1層目の層間絶縁膜に形成されるプラグのアスペクト比を小さくしている。このように、LCDドライバのチップシュリンクにおいては、1層目の層間絶縁膜の膜厚を薄くし、かつ、1層目の層間絶縁膜上に配線を形成することが行なわれている。そして、1層目の層間絶縁膜上に形成される配線の配線幅を大きくして、1層目の層間絶縁膜と2層目の層間絶縁膜とを接続するプラグの数を増やしている。ここで、1層目の層間絶縁膜上に形成する配線の配線幅を大きくしているために、高耐圧MISFETのソース領域と接続するソース配線あるいは高耐圧MISFETのドレイン領域と接続するドレイン配線は、高耐圧MISFETのゲート電極と平面的に重なる領域を有するように形成されている。
【0009】
このようにして、LCDドライバの小型化に伴うプラグの高抵抗化を抑制することができるが、新たな問題が発生することになる。つまり、1層目の層間絶縁膜の膜厚を薄くし、かつ、ソース配線やドレイン配線と高耐圧MISFETのゲート電極が平面的に重なるようにLCDドライバが構成されているので、高耐圧MISFETのゲート電極とソース配線間、あるいは、高耐圧MISFETのゲート電極とドレイン領域間の耐圧不良が発生した。この耐圧不良が発生する原因としては、第1に、1層目の層間絶縁膜の成膜工程やCMP(Chemical Mechanical Polishing)などによる研磨工程でのばらつきにより、高耐圧MISFETのゲート電極上に形成される1層目の層間絶縁膜が非常に薄くなりやすいことが挙げられる。このため、ゲート電極と1層目の層間絶縁膜上に形成されるソース配線あるいはドレイン配線との耐圧不良が発生すると考えられる。
【0010】
第2に、高耐圧MISFETにおいては、ゲート絶縁膜の膜厚が厚いことが挙げられる。そして、高耐圧MISFETでは、ソース領域あるいはドレイン領域内に半導体基板からわずかに突き出ている電界緩和用絶縁領域が形成されており、この電界緩和用絶縁領域上にゲート電極の端部が乗り上げているので、低耐圧MISFETに比べてゲート電極の高さが高くなっている点が原因の1つに挙げられる。
【0011】
さらに、第3の原因としては、高耐圧MISFETの駆動電圧が20V〜30V程度と低耐圧MISFETに比べて高いことが挙げられる。以上のことから、現状のLCDドライバの構成では、サイズ縮小に伴うプラグの高抵抗化を抑制し、かつ、高耐圧MISFETのゲート電極と配線間の耐圧不良を改善することを両立させることは困難であることがわかる。
【0012】
本発明の目的は、LCDドライバなどのように高耐圧MISFETと低耐圧MISFETを備える半導体装置において、小型化によるプラグの高抵抗化を抑制し、かつ、高耐圧MISFETのゲート電極と配線間の耐圧不良を改善できる技術を提供することにある。
【0013】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0015】
本発明による半導体装置は、(a1)半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、(a2)前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、(a3)前記ゲート電極に整合して形成されたソース領域およびドレイン領域とを有するMISFETを備える。そして、(b)前記MISFET上に形成された絶縁膜と、(c)前記絶縁膜を貫通して前記ソース領域と電気的に接続する第1プラグと、(d)前記絶縁膜を貫通して前記ドレイン領域と電気的に接続する第2プラグとを備える。さらに、(e)前記絶縁膜上に形成され、前記第1プラグと電気的に接続するソース配線と、(f)前記絶縁膜上に形成され、前記第2プラグと電気的に接続するドレイン配線とを備える。ここで、前記半導体基板と前記ゲート絶縁膜との界面から前記ゲート電極の上面までの距離をaとし、前記ゲート電極の上面から前記ソース配線および前記ドレイン配線が形成されている前記絶縁膜の上面までの距離をbとした場合、a>bである。このとき、前記ゲート電極と前記ソース配線が平面的に重ならないように配置され、かつ、前記ゲート電極と前記ドレイン配線が平面的に重ならないように配置されていることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明による半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板に素子分離領域および電界緩和用絶縁領域を形成する工程と、(b)前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、(c)前記電界緩和用絶縁領域をそれぞれ内包するように一対の低濃度不純物拡散領域を形成する工程とを備える。そして、(d)前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、(e)前記ゲート電極の両側の側壁にサイドウォールを形成する工程とを備える。さらに、(f)前記一対の低濃度不純物拡散領域のそれぞれに内包され、かつ、前記電界緩和用絶縁領域の外側となる領域に一対の高濃度不純物拡散領域を形成し、前記一対の低濃度不純物拡散領域の1つと、それに含まれる前記一対の高濃度不純物拡散領域の1つからなるソース領域と、前記一対の低濃度不純物拡散領域の他の1つと、それに含まれる前記一対の高濃度不純物拡散領域の他の1つからなるドレイン領域を形成する工程を含む。そして、(g)前記ゲート電極を覆うように絶縁膜を形成する工程と、(h)前記絶縁膜を貫通して前記ソース領域に達する第1プラグを形成し、前記絶縁膜を貫通して前記ドレイン領域に達する第2プラグを形成する工程とを備える。さらに、(i)前記絶縁膜上に前記第1プラグと接続するソース配線を形成し、前記絶縁膜上に前記第2プラグと接続するドレイン配線を形成する工程とを備える。ここで、前記半導体基板と前記ゲート絶縁膜の界面から前記ゲート電極の上部までの距離をaとし、前記ゲート電極の上部から前記ソース配線および前記ドレイン配線が形成されている前記絶縁膜の上面までの距離をbとした場合、a>bとなる。この状況で、前記ゲート電極と前記ソース配線が平面的に重ならないように形成し、かつ、前記ゲート電極と前記ドレイン配線が平面的に重ならないように形成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0018】
LCDドライバのように高耐圧MISFETと低耐圧MISFETを備える半導体装置において、半導体装置の小型化によるプラグの高抵抗化を抑制し、かつ、高耐圧MISFETのゲート電極と配線間の耐圧不良を改善できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0020】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0021】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0022】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0023】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0024】
(実施の形態1)
まず、本実施の形態におけるLCDドライバ用の半導体チップについて説明する。図1は、本実施の形態における半導体チップCHP(半導体装置)の構成を示した平面図である。本実施の形態における半導体チップCHPは、LCDドライバである。図1において、半導体チップCHPは、例えば細長い長方形状に形成された半導体基板1Sを有しており、その主面には、例えば液晶表示装置を駆動するLCDドライバが形成されている。このLCDドライバは、LCDを構成するセルアレイの各画素に電圧を供給して液晶分子の向きを制御する機能を有しており、ゲート駆動回路C1、ソース駆動回路C2、液晶駆動回路C3、グラフィックRAM(Random Access Memory)C4および周辺回路C5を有している。
【0025】
半導体チップCHPの外周近傍には、複数のバンプ電極BMPが半導体チップCHPの外周に沿って所定の間隔毎に配置されている。これら複数のバンプ電極BMPは、半導体チップCHPの素子や配線が配置されたアクティブ領域上に配置されている。複数のバンプ電極BMPの中には集積回路の構成に必要な集積回路用のバンプ電極と、集積回路の構成には必要とされないダミーバンプ電極が存在する。半導体チップCHPの1つの長辺および2つの短辺近傍には、バンプ電極BMPが千鳥状に配置されている。この千鳥状に配置されている複数のバンプ電極BMPは、主として、ゲート出力信号用あるいはソース出力信号用のバンプ電極である。半導体チップCHPの長辺中央に千鳥配置されたバンプ電極BMPがソース出力信号用のバンプ電極であり、半導体チップCHPの長辺の両角近傍および半導体チップCHPの両短辺に千鳥配置されたバンプ電極BMPがゲート出力信号用のバンプ電極である。このような千鳥配置を採用することにより、半導体チップCHPのサイズの増大を抑制しつつ、多くの数を必要とするゲート出力信号用のバンプ電極BMPやソース出力信号用のバンプ電極BMPを配置することができる。すなわち、チップサイズを縮小しつつ、バンプ電極の数を増やすことができる。
【0026】
また、半導体チップCHPの他方の長辺近傍には、千鳥配置ではなく一直線状に並ぶようにバンプ電極BMPが配置されている。この一直線状に並ぶように配置されたバンプ電極BMPは、デジタル入力信号用またはアナログ入力信号用のバンプ電極である。さらに、半導体チップCHPの四隅近傍にはダミーバンプ電極が形成されている。なお、図1では、ゲート出力信号用あるいはソース出力信号用のバンプ電極BMPを千鳥配置にし、デジタル入力信号用あるいはアナログ入力信号用のバンプ電極BMPを一直線状に配置している例について説明した。しかし、ゲート出力信号用あるいはソース出力信号用のバンプ電極BMPを一直線状に配置し、デジタル入力信号用あるいはアナログ入力信号用のバンプ電極BMPを千鳥配置にする構成も可能である。
【0027】
半導体チップCHPの外形寸法は、例えば短辺方向の長さが1.0mm、長辺方向の長さが12.0mmのものや、短辺方向の長さが1.0mm、長辺方向の長さが10.0mmのものがある。さらに、例えば、短辺方向の長さが、2.0mm、長辺方向の長さが20.0mmのものもある。このようにLCDドライバに使用されている半導体チップCHPは、長方形の形状をしている。具体的には、短辺の長さと長辺の長さの比が1:8〜1:12であるものが多い。さらに、長辺方向の長さが5mm以上であるものがある。
【0028】
図1に示すように構成されたLCDドライバである半導体チップCHPの内部には、ロジック回路などに使用される低耐圧MISFETと、液晶駆動回路などに使用される高耐圧MISFETが存在する。例えば、本願明細書では、5V〜6V程度の駆動電圧で動作するMISFETを低耐圧MISFETといい、20V〜30V程度の駆動電圧で動作するMISFETを高耐圧MISFETということにする。
【0029】
図2は、図1に示す半導体チップCHPの内部に存在するMISFETの断面図である。図2では、低耐圧MISFETと高耐圧MISFETが図示されている。
【0030】
まず、高耐圧MISFETの構成について説明する。図2において、高耐圧MISFET形成領域では、半導体基板1S上に素子分離領域2が形成されている。すなわち、素子分離領域2で分離された活性領域に高耐圧MISFETが形成されている。複数の素子分離領域2に挟まれた半導体基板1S内にはp型ウェル4が形成されている。このp型ウェル4は、高耐圧MISFET用に形成されたウェルである。さらに、高耐圧MISFET形成領域では、複数の素子分離領域2で挟まれた領域に電界緩和用絶縁領域3が形成されている。この電界緩和用絶縁領域3は、例えば、素子分離領域2と同様の構成をしており、STI(Shallow Trench Isolation)法で形成される。
【0031】
p型ウェル4内には、一対の高耐圧用低濃度不純物拡散領域(n型半導体領域)6が形成されており、それぞれの高耐圧用低濃度不純物拡散領域は、電界緩和用絶縁領域3を内包するように形成されている。一対の高耐圧用低濃度不純物拡散領域6の間にある半導体基板1Sの表面には、ゲート絶縁膜8が形成されており、このゲート絶縁膜8上にゲート電極10bが形成されている。ゲート絶縁膜8は、例えば、酸化シリコン膜から形成され、ゲート電極10bは、例えば、ポリシリコン膜とコバルトシリサイド膜の積層膜から形成される。ゲート電極10bとして、ポリシリコン膜上にコバルトシリサイド膜を形成することにより、ゲート電極10bの低抵抗化を図ることができる。
【0032】
ゲート絶縁膜8は、その端部が電界緩和用絶縁領域3上に乗り上げるように形成されている。つまり、高耐圧MISFET形成領域では、素子分離領域2および電界緩和用絶縁領域3の占有率が高くなる関係で、素子分離領域2および電界緩和用絶縁領域3が半導体基板1Sの表面から突き出やすくなっている。このため、ゲート絶縁膜8の端部は電界緩和用絶縁領域3に乗り上げた形状となっている。したがって、ゲート絶縁膜8上に形成されるゲート電極10bもその端部が盛り上がるように形成される。
【0033】
次に、ゲート電極10bの両側の側壁にはサイドウォール12が形成されており、このサイドウォール12も電界緩和用絶縁領域3上に形成されている。そして、電界緩和用絶縁領域3の外側であって、高耐圧用低濃度不純物拡散領域6内には、高耐圧用高濃度不純物拡散領域(n型半導体領域)14が形成されている。この高耐圧用高濃度不純物拡散領域14の表面には、コバルトシリサイド膜15が形成されている。このように一対の高耐圧用低濃度不純物拡散領域6の1つと、この高耐圧用低濃度不純物拡散領域6の内部に形成されている高耐圧用高濃度不純物拡散領域14およびコバルトシリサイド膜15により、高耐圧MISFETのソース領域が形成される。同様に、一対の高耐圧用低濃度不純物拡散領域6の他の1つと、この高耐圧用低濃度不純物拡散領域6の内部に形成されている高耐圧用高濃度不純物拡散領域14およびコバルトシリサイド膜15により、高耐圧MISFETのドレイン領域が形成される。
【0034】
本実施の形態では、ゲート電極10bの端部に電界緩和用絶縁領域3が形成されているので、ゲート電極10bの端部下に形成される電界を緩和することができる。このため、ゲート電極10bとソース領域の間あるいはゲート電極10bとドレイン領域の間の耐圧を確保することができる。すなわち、高耐圧MISFETでは、電界緩和用絶縁領域3を形成することにより、駆動電圧が20V〜30Vになっても耐圧を確保することができるように構成されている。
【0035】
本実施の形態における高耐圧MISFETは上記のように構成されており、以下に、本実施の形態における低耐圧MISFETの構成について説明する。
【0036】
図2において、低耐圧MISFET形成領域では、半導体基板1S上に素子分離領域2が形成されている。すなわち、素子分離領域2で分離された活性領域に低耐圧MISFETが形成されている。複数の素子分離領域2に挟まれた半導体基板1S内にはp型ウェル4が形成されている。そして、p型ウェル4内に低耐圧MISFET用のウェルであるp型ウェル5が形成されている。なお、低耐圧MISFET形成領域には、電界緩和用絶縁領域3は形成されていない。
【0037】
p型ウェル5上には、ゲート絶縁膜7が形成されており、このゲート絶縁膜7上にゲート電極10aが形成されている。ゲート絶縁膜7は、例えば、酸化シリコン膜から形成され、ゲート電極10aは、例えば、ポリシリコン膜とコバルトシリサイド膜の積層膜から形成される。ゲート電極10aとして、ポリシリコン膜上にコバルトシリサイド膜を形成することにより、ゲート電極10aの低抵抗化を図ることができる。低耐圧MISFETでは、高耐圧MISFETに比べて駆動電圧が低くなっているので、低耐圧MISFETのゲート絶縁膜7の膜厚は、高耐圧MISFETのゲート絶縁膜8の膜厚に比べて薄くなっている。
【0038】
ゲート電極10aの両側の側壁にはサイドウォール12が形成されており、このサイドウォール12直下のp型ウェル5内に一対の低耐圧用低濃度不純物拡散領域(n型半導体領域)11が形成されている。そして、一対の低耐圧用低濃度不純物拡散領域11の外側に低耐圧用高濃度不純物拡散領域(n型半導体領域)13が形成されている。この低耐圧用高濃度不純物拡散領域13の表面にはコバルトシリサイド膜15が形成されている。このようにして、1つの低耐圧用低濃度不純物拡散領域11と、この低耐圧用低濃度不純物拡散領域11の外側に形成されている低耐圧用高濃度不純物拡散領域13および低耐圧用高濃度不純物拡散領域13の表面に形成されているコバルトシリサイド膜15により、低耐圧MISFETのソース領域が形成される。同様に、他の1つの低耐圧用低濃度不純物拡散領域11と、この低耐圧用低濃度不純物拡散領域11の外側に形成されている低耐圧用高濃度不純物拡散領域13および低耐圧用高濃度不純物拡散領域13の表面に形成されているコバルトシリサイド膜15により、低耐圧MISFETのドレイン領域が形成される。以上のようにして、低耐圧MISFETが構成されている。
【0039】
次に、高耐圧MISFET上および低耐圧MISFET上に形成されている配線構造について説明する。本実施の形態では、高耐圧MISFET上に形成されている配線構造に特徴の1つがある。まず、本実施の形態の特徴である高耐圧MISFET上の配線構造について説明する。
【0040】
図2に示すように、高耐圧MISFET上には、1層目の層間絶縁膜が形成されている。具体的に、1層目の層間絶縁膜は窒化シリコン膜16と酸化シリコン膜17の積層膜から形成されている。そして、窒化シリコン膜16および酸化シリコン膜17よりなる1層目の層間絶縁膜には、この層間絶縁膜を貫通して高耐圧MISFETのソース領域に達するプラグ(第1プラグ)PLG1と、この層間絶縁膜を貫通して高耐圧MISFETのドレイン領域に達するプラグ(第2プラグ)PLG1が形成されている。そして、プラグPLG1を形成した1層目の層間絶縁膜上に配線(ソース配線、ドレイン配線)HL1が形成されている。なお、1層目の層間絶縁膜上に配線HL1が形成されているが、さらに、この配線HL1を含む1層目の層間絶縁膜上に2層目の層間絶縁膜や3層目の層間絶縁膜が形成されており、それぞれの層間絶縁膜上に配線が形成されている。すなわち、高耐圧MISFET上には、多層配線が形成されているが、図2では、本発明の特徴である1層目の配線HL1だけを図示している。
【0041】
本実施の形態の特徴の1つは、1層目の層間絶縁膜上にソース配線やドレイン配線となる配線HL1を形成し、かつ、配線HL1と高耐圧MISFETのゲート電極10bが平面的に重ならないように配線HL1を配置している点にある。
【0042】
従来のLCDドライバでは、高耐圧MISFET形成領域においては、1層目の層間絶縁膜上に配線を形成せず、2層目の層間絶縁膜上に初めて配線を形成していた。これは、高耐圧MISFETのゲート電極とソース配線との耐圧あるいは高耐圧MISFETのゲート電極とドレイン配線との耐圧を確保する観点から実施されていたものである。この場合、1層目の層間絶縁膜と2層目の層間絶縁膜の2種類の層間絶縁膜を貫通するプラグによって、ソース配線と高耐圧MISFETのソース領域あるいはドレイン配線と高耐圧MISFETのドレイン領域が接続されている。したがって、1層目の層間絶縁膜と2層目の層間絶縁膜を貫通するプラグでは抵抗が高くなることが懸念されるが、従来は、プラグの径(例えば、0.24μm)が比較的確保されていたので、プラグの抵抗が問題として顕在化していなかった。
【0043】
ところが、LCDドライバの小型化によりプラグの径が大幅に縮小されてきている。例えば、0.24μmのプラグ径が0.14μmのプラグ径まで縮小化されてきている。この場合、1層目の層間絶縁膜と2層目の層間絶縁膜を一度に貫通するプラグでは、アスペクト比が大きくなり、プラグの高抵抗化が問題として顕在化するようになる。
【0044】
そこで、プラグ径を縮小するとともに、1層目の層間絶縁膜上にソース配線あるいはドレイン配線となる配線HL1を形成することが行なわれている。これにより、プラグ径を縮小しても、1層目の層間絶縁膜上に配線HL1を形成しているので、プラグPLG1のアスペクト比を小さくすることができ、プラグPLG1の高抵抗化を抑制することができる。つまり、1層目の層間絶縁膜と2層目の層間絶縁膜を一度に貫通するプラグを形成せずに、1層目の層間絶縁膜上に配線HL1を介在させることにより、1層目の層間絶縁膜だけを貫通するプラグPLG1を形成できる。そして、プラグPLG1のアスペクト比を小さくするために、1層目の層間絶縁膜の薄膜化が実施されている。さらに、1層目の層間絶縁膜上に形成される配線HL1の配線幅を太くして、1層目の層間絶縁膜上に形成される配線HL1と2層目の層間絶縁膜上に形成される配線とを複数列のプラグで接続するように構成することにより、プラグおよび配線の低抵抗化が実施されている。すなわち、高耐圧MISFETのゲート電極10bのゲート長(ゲート幅)は、2μm〜3μm程度と比較的大きくなっているので、高耐圧MISFETのゲート電極10bと平面的に重なりを有するように1層目の層間絶縁膜上に配線HL1を形成している。
【0045】
しかし、高耐圧MISFETのゲート電極10bと平面的に重なりを有するように1層目の層間絶縁膜上に配線HL1を形成する場合、高耐圧MISFETのゲート電極10bと、ソース配線あるいはドレイン配線を構成する配線HL1との間で耐圧不良が発生した。この耐圧不良が生じる原因としては、1層目の層間絶縁膜の膜厚を薄膜化していることに加え、高耐圧MISFETでは、上述したように、半導体基板1Sから突き出ている電界緩和用絶縁領域3にゲート電極10bが乗り上げており、さらに、ゲート絶縁膜8の膜厚が厚くなっていることが挙げられる。これにより、平面的に重なりを有する配線HL1と高耐圧MISFETのゲート電極との距離が近づき耐圧不良を引き起こすと考えられる。さらに、高耐圧MISFETでは、駆動電圧が20V〜30Vと比較的高いことも原因の1つと考えられる。
【0046】
そこで、本実施の形態では、1層目の層間絶縁膜上にソース配線やドレイン配線となる配線HL1を形成し、かつ、配線HL1と高耐圧MISFETのゲート電極10bが平面的に重ならないように配線HL1を配置している。これにより、まず、LCDドライバである半導体チップを小型化しても、高耐圧MISFETのソース領域あるいはドレイン領域と配線HL1とを接続するプラグPLG1のアスペクト比を小さくできる。つまり、1層目の層間絶縁膜上に配線HL1を形成しているので、1層目の層間絶縁膜と2層目の層間絶縁膜を一度に貫通するプラグを形成せずに、1層目の層間絶縁膜だけを貫通するプラグPLG1を形成することができる。このため、プラグPLG1の径を小さくしても、プラグPLG1のアスペクト比が大きくなることを抑制できる。
【0047】
さらに、図2に示すように、1層目の層間絶縁膜上に形成されている配線HL1は、高耐圧MISFETのゲート電極10bと平面的な重なりを有しないように配置されている。これにより、高耐圧MISFETのゲート電極10bの直上に配線HL1が形成されていないので、1層目の層間絶縁膜を薄膜化しても配線HL1とゲート電極10bとの距離を離すことができる。このため、高耐圧MISFETのゲート電極10bと、ソース配線あるいはドレイン配線となる配線HL1との耐圧を確保できる。すなわち、本実施の形態によれば、半導体装置の小型化によるプラグの高抵抗化を抑制し、かつ、高耐圧MISFETのゲート電極と配線間の耐圧不良を改善できる顕著な効果を得ることができる。
【0048】
例えば、高耐圧MISFETでは、1層目の層間絶縁膜の薄膜化やゲート絶縁膜の厚膜化、電界緩和用絶縁領域の存在や駆動電圧の高電圧化により、1層目の層間絶縁膜に形成される配線(ソース配線あるいはドレイン配線)HL1とゲート電極10bとの間の耐圧不良が起きやすい構造をしている。しかし、1層目の層間絶縁膜に形成されている配線HL1とゲート電極10bが平面的に重ならないように配置することにより、1層目の層間絶縁膜に配線HL1を形成しながら、かつ、配線HL1とゲート電極10bとの距離を離すことができる。したがって、LCDドライバを小型化しても、プラグの高抵抗化を抑制し、かつ、高耐圧MISFETのゲート電極と配線間の耐圧不良を改善できる顕著な効果を得ることができる。
【0049】
また、1層目の層間絶縁膜に形成されている配線HL1とゲート電極10bを平面的に重ならないように配置することにより以下に示す効果も得られる。すなわち、配線HL1を配置している1層目の層間絶縁膜は薄膜化しているので、配線HL1と、高耐圧MISFETのゲート絶縁膜と半導体基板1Sの界面であるチャネル領域と近づくことになる。配線HL1がゲート電極10bと平面的に重なるように配置されている場合には、配線HL1は高耐圧MISFETのチャネル領域と平面的に重なることになる。このとき、配線HL1に高電圧を印加すると、1層目の層間絶縁膜が薄膜化されているため、配線HL1がゲート電極として機能してしまうおそれがある。つまり、配線HL1がチャネル領域と平面的に重なる領域を有し、かつ、配線HL1とチャネル領域の距離が近くなると、配線HL1に印加した電圧により、配線HL1と平面的に重なるチャネル領域が反転する。すると、チャネル領域全体のうち配線HL1と平面的に重なる領域が反転状態となる。このため、高耐圧MISFETのオフ時においても配線HL1と、チャネル領域のうち平面的に重なる領域が反転して、実質的に反転していないチャネル領域の距離が狭まることになる。すると、ソース領域とドレイン領域との間の耐圧が低下するという問題が発生する。
【0050】
しかし、本実施の形態では、配線HL1をゲート電極10bと平面的に重ならないように配置している。このため、配線HL1はゲート電極10b直下に形成されるチャネル領域とも平面的に重ならないように配置されることになる。したがって、配線HL1がゲート電極として機能してしまうことを抑制することができる。つまり、本実施の形態によれば、配線HL1による寄生MISFETの発生を防止でき、ソース領域とドレイン領域との間の耐圧低下を抑制できる効果を得ることができる。
【0051】
図3は、図2に示す高耐圧MISFET形成領域を上部から見た平面図である。図3におけるA−A線で切断した断面が図2の高耐圧MISFET形成領域に対応している。図3に示すように、ゲート電極10bの両側にソース領域あるいはドレイン領域となる高耐圧用高濃度不純物拡散領域14が形成されており、高耐圧用高濃度不純物拡散領域14とゲート電極10bの間に電界緩和用絶縁領域3が形成されている。このように構成されている高耐圧MISFET上に1層目の層間絶縁膜(図示せず)を介して配線が形成されている。具体的に、ソース領域あるいはドレイン領域となる高耐圧用高濃度不純物拡散領域14上には、プラグ(第1プラグあるいは第2プラグ)PLG1を介して配線HL1が形成されている。この配線HL1は、図3を見てわかるように、ゲート電極10bと平面的な重なりを有しないように配置されており、ゲート電極10bと配線HL1の距離が離れている。したがって、ゲート電極10bと配線HL1との間の耐圧が確保されることがわかる。
【0052】
一方、ゲート電極10bには、プラグ(第3プラグ)PLG1を介してゲート配線GLが接続されている。このゲート配線GLは、ソース配線あるいはドレイン配線を構成する配線HL1と同層の配線で形成されている。すなわち、ゲート配線GLは、1層目の層間絶縁膜上に形成されているものである。図3に示すように、このゲート配線GLはゲート電極10bと平面的に重なる領域を有するように配置されている。つまり、ゲート配線GLは、ゲート電極10bとプラグ(第3プラグ)PLG1を介して電気的に接続されるものであり、ゲート電極10bとゲート配線GL間の耐圧という問題は生じない。このように、本実施の形態では、1層目の層間絶縁膜に形成されている配線と、ゲート電極10bとの耐圧を確保することが目的である。そして、ゲート電極10bとの耐圧が問題となるのは、1層目の層間絶縁膜に形成されている配線のうち、高耐圧MISFETのソース領域と電気的に接続されているソース配線や高耐圧MISFETのドレイン領域と電気的に接続されているドレイン配線などである。つまり、ゲート電極10bと、ソース配線あるいはドレイン配線である配線HL1が平面的に重ならないように配置する点に特徴があり、ゲート電極10bと電気的に接続されるゲート配線GLは、ゲート電極10bと平面的に重なっていてもよいのである。
【0053】
ここで、本実施の形態では、1層目の層間絶縁膜に形成されている配線HL1と高耐圧MISFETのゲート電極10bが平面的に重ならないように配置することに特徴がある。このとき、1層目の層間絶縁膜に形成されている配線HL1は、言い換えれば、最下層の配線ということができる。しかし、1層目の層間絶縁膜に配線を形成せずに、2層目の層間絶縁膜に配線を形成する場合も、この2層目の層間絶縁膜に形成される配線が最下層の配線ということができる。さらに、2層目の層間絶縁膜といっても、1層目の層間絶縁膜に配線が形成されていないことから、1層目の層間絶縁膜と2層目の層間絶縁膜を合わせて1つの層間絶縁膜ということもできる。したがって、本実施の形態で対象となる配線HL1を特定するには、何らかの定義が必要となる。
【0054】
この定義について説明する。本実施の形態では、1層目の層間絶縁膜を薄膜化することにより生じる問題であり、この1層目の層間絶縁膜を薄膜化することにより1層目の層間絶縁膜に形成される配線HL1とゲート電極10bとの耐圧が問題となる。そこで、1層目の層間絶縁膜に形成されている配線HL1を次のように定義する。
【0055】
図2に示すように、半導体基板1Sとゲート絶縁膜8の界面からゲート電極10bの上部までの距離をa、ゲート電極10bの上部から配線HL1が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離をbとすると、a>bとなる配線HL1を本実施の形態で対象とする配線と定義するのである。つまり、配線HL1とゲート電極10bとの間の耐圧不良が問題となる前提として、1層目の層間絶縁膜は薄膜化されている点と、高耐圧MISFETのゲート絶縁膜8が厚く、かつ、ゲート電極10bが電界緩和用絶縁領域3に乗り上げている点に着目する。これにより、ゲート電極10bとの間で耐圧不良が問題となるのは、a>bとなる位置に配置されている配線HL1であると明確に定義できる。
【0056】
具体的に高耐圧MISFETでは、a>bの関係が成立していることを数値例で説明する。まず、層間絶縁膜のうち窒化シリコン膜16の膜厚は約50nmであり、酸化シリコン膜17の膜厚は約500nmである。そして、高耐圧MISFETのゲート絶縁膜8の膜厚は約80nmであり、ゲート電極10bの膜厚は約250nmである。したがって、半導体基板1Sとゲート絶縁膜8の界面からゲート電極10bの上部までの距離aは、約330nm(80nm+250nm)となる。一方、ゲート電極10bの上部から配線HL1が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離bは、約220nm(550nm−330nm)となる。したがって、a>bの関係が成立していることがわかる。さらに、電界緩和用絶縁領域3は、半導体基板1Sから約10nm〜20nm突き出ていることから、さらに、a>bの関係が満たされることがわかる。このように、本実施の形態では、ゲート電極10bと配線HL1との間の耐圧が問題となるが、この耐圧が問題となるのは、配線HL1と高耐圧MISFETの位置関係がa>bとなる配線であることが明確化されている。したがって、図2では示されていないが、2層目以上の層間絶縁膜上に形成されている配線については、a>bの関係が成立しないことから本実施の形態の対象となっていない。すなわち、2層目以上の層間絶縁膜上に形成されている配線については、高耐圧MISFETのゲート電極10bとの距離が充分に離れるので、耐圧不良は問題とならない。このため、2層目以上の層間絶縁膜上に形成されている配線(ソース配線やドレイン配線)については、ゲート電極10bと平面的に重なるように配置しても問題ない。2層目以上の層間絶縁膜上に形成されている配線をゲート電極10bと平面的に重なるように配置することにより、配線を効率よく配置することができる。特に、高耐圧MISFETでは、ゲート電極10bのゲート長が2μm〜3μmと広いので、2層目以上の層間絶縁膜上に形成される配線をゲート電極10bと平面的に重なるように配置することが有用である。
【0057】
次に、低耐圧MISFET上の配線構造について説明する。図2に示すように、低耐圧MISFET上には、1層目の層間絶縁膜が形成されている。具体的に、1層目の層間絶縁膜は窒化シリコン膜16と酸化シリコン膜17の積層膜から形成されている。そして、窒化シリコン膜16および酸化シリコン膜17よりなる1層目の層間絶縁膜には、この層間絶縁膜を貫通して低耐圧MISFETのソース領域に達するプラグPLG1と、この層間絶縁膜を貫通して低耐圧MISFETのドレイン領域に達するプラグPLG1が形成されている。そして、プラグPLG1を形成した1層目の層間絶縁膜上に配線(ソース配線、ドレイン配線)LL1が形成されている。なお、1層目の層間絶縁膜上に配線LL1が形成されているが、さらに、この配線LL1を含む1層目の層間絶縁膜上に2層目の層間絶縁膜や3層目の層間絶縁膜が形成されており、それぞれの層間絶縁膜上に配線が形成されている。すなわち、低耐圧MISFET上には、多層配線が形成されているが、図2では、1層目の配線LL1だけを図示している。
【0058】
ここで、低耐圧MISFETでは、高耐圧MISFETとは異なり、1層目の配線LL1が低耐圧MISFETのゲート電極10aと平面的に重なりを有するように配置されている。すなわち、低耐圧MISFETでは、1層目の配線LL1とゲート電極10aとの間の耐圧が高耐圧MISFETとは相違して問題とならないのである。
【0059】
この理由としては、低耐圧MISFETでは、まず、ゲート絶縁膜7の膜厚が薄いことと、電界緩和用絶縁領域3が形成されていないため、この電界緩和用絶縁領域3にゲート電極10aが乗り上げていないことが挙げられる。さらに、低耐圧MISFETの駆動電圧は5V〜6V程度であり、駆動電圧が20V〜30Vである高耐圧MISFETよりも耐圧確保が容易な点がある。したがって、1層目の層間絶縁膜上に形成されている配線(ソース配線やドレイン配線)LL1とゲート電極10aとは平面的な重なりを有していてもよい。これにより、低耐圧MISFETのゲート電極10aのゲート長が約160nmであるので、このゲート電極10a上のスペースを有効に活用することができる。
【0060】
さらに、低耐圧MISFETで耐圧を確保できる要因としては、半導体基板1Sとゲート絶縁膜7の界面からゲート電極10aの上部までの距離をc、ゲート電極10aの上部から配線LL1が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離をdとすると、c<dとなることが挙げられる。すなわち、高耐圧MISFETで成立していた関係(a>b)が低低圧MISFETでは成立せず、ゲート電極10aと配線LL1との距離を確保できる結果、低耐圧MISFETではゲート電極10aと配線LL1との耐圧不良が問題とならないのである。
【0061】
具体的に、数値例で説明する。例えば、層間絶縁膜のうち窒化シリコン膜16の膜厚は約50nmであり、酸化シリコン膜17の膜厚は約500nmである。そして、低耐圧MISFETのゲート絶縁膜7の膜厚は約13nmであり、ゲート電極10aの膜厚は約250nmである。したがって、半導体基板1Sとゲート絶縁膜7の界面からゲート電極10aの上部までの距離cは、約263nm(13nm+250nm)となる。一方、ゲート電極10aの上部から配線LL1が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離dは、約287nm(550nm−263nm)となる。したがって、c<dの関係が成立していることがわかる。すなわち、低耐圧MISFETでは、高耐圧MISFETと異なり、ゲート絶縁膜7の下部からゲート電極10aの上部までの距離cよりも、ゲート電極10aの上部から配線LL1までの距離dが大きく、かつ、駆動電圧が低いので、ゲート電極10aと配線LL1が平面的に重なる領域を有していても耐圧不良は生じないのである。
【0062】
以上のように、本実施の形態では、高耐圧MISFET形成領域において、1層目の層間絶縁膜上にソース配線やドレイン配線となる配線HL1を形成し、かつ、配線HL1と高耐圧MISFETのゲート電極10bが平面的に重ならないように配線HL1を配置することに特徴がある。これにより、LCDドライバの小型化によるプラグの高抵抗化を抑制し、かつ、高耐圧MISFETのゲート電極と配線間の耐圧不良を改善できる顕著な効果が得られるのである。
【0063】
本実施の形態におけるLCDドライバ(半導体装置)は上記のように構成されており、以下に、その製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0064】
まず、ホウ素(B)などのp型不純物を導入したシリコン単結晶よりなる半導体基板1Sを用意する。このとき、半導体基板1Sは、略円盤形状をした半導体ウェハの状態になっている。そして、図4に示すように、半導体基板1Sの低耐圧MISFET形成領域と高耐圧MISFET形成領域とを分離する素子分離領域2を形成する。素子分離領域2は、素子が互いに干渉しないようにするために設けられる。この素子分離領域2は、例えばLOCOS(local Oxidation of silicon)法やSTI(shallow trench isolation)法を用いて形成することができる。例えば、STI法では、以下のようにして素子分離領域2を形成している。すなわち、半導体基板1Sにフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して素子分離溝を形成する。そして、素子分離溝を埋め込むように半導体基板1S上に酸化シリコン膜を形成し、その後、化学的機械的研磨法(CMP;chemical mechanical polishing)により、半導体基板1S上に形成された不要な酸化シリコン膜を除去する。これにより、素子分離溝内にだけ酸化シリコン膜を埋め込んだ素子分離領域2を形成することができる。
【0065】
本実施の形態では、素子分離領域2を形成する工程で、電界緩和用絶縁領域3も形成する。この電界緩和用絶縁領域3も素子分離領域2と同様の方法で形成され、例えば、STI法や選択酸化法(LOCOS法)を使用して形成される。この電界緩和用絶縁領域3は、高耐圧MISFET形成領域に形成される。特に、高耐圧MISFET形成領域では、電界緩和用絶縁領域3を形成するので、素子分離領域2および電界緩和用絶縁領域3の占有率が大きくなっている。このため、例えば、STI法で素子分離領域2および電界緩和用絶縁領域3を形成すると、高耐圧MISFET形成領域では、半導体基板1Sの表面から素子分離領域2および電界緩和用絶縁領域3が突き出しやすくなる。つまり、素子分離領域2および電界緩和用絶縁領域3は、半導体基板1Sの表面から、例えば、10nm〜20nm突き出るように構成される。後述するように、高耐圧MISFETでは、ゲート電極の端部が電界緩和用絶縁領域3上に形成されるので、ゲート電極の端部が突き出た電界緩和用絶縁領域3に乗り上げるように形成される。特に、LOCOS法(選択酸化法)では、半導体基板1Sの表面から盛り上がるように選択酸化膜が形成されるので、ゲート電極の乗り上げる量も大きくなる。
【0066】
続いて、図5に示すように、素子分離領域2で分離された活性領域に不純物を導入してp型ウェル4を形成する。p型ウェル4は、例えばホウ素などのp型不純物をイオン注入法により半導体基板1Sに導入することで形成される。このp型ウェル4は、高耐圧MISFET用のウェルであるが、高耐圧MISFET形成領域と低耐圧MISFET形成領域に形成される。そして、p型ウェル4の表面領域にチャネル形成用の半導体領域(図示せず)を形成する。このチャネル形成用の半導体領域は、チャネルを形成するしきい値電圧を調整するために形成される。なお、本実施の形態では、高耐圧MISFET形成領域と低耐圧MISFET形成領域のp型ウェル4を同工程で形成したが、別々の工程で形成することも可能である。その場合、高耐圧MISFET形成領域に導入する不純物濃度と低耐圧MISFET形成領域に導入する不純物濃度を、それぞれ最適な条件で形成することができる。
【0067】
次に、図6に示すように、低耐圧MISFET形成領域にp型ウェル5を形成する。p型ウェル5は、例えばホウ素などのp型不純物をイオン注入法により半導体基板1Sに導入することで形成される。このp型ウェル5は、低耐圧MISFET用のウェルである。その後、高耐圧MISFET形成領域に一対の高耐圧用低濃度不純物拡散領域6を形成する。この高耐圧用低濃度不純物拡散領域6はn型半導体領域であり、リン(P)や砒素(As)などのn型不純物をイオン注入法で半導体基板1Sに導入することにより形成する。高耐圧用低濃度不純物拡散領域6は、電界緩和用絶縁領域3を内包するように形成される。
【0068】
続いて、図7に示すように、半導体基板1S上にゲート絶縁膜を形成する。このとき、低耐圧MISFET形成領域には薄いゲート絶縁膜7を形成し、高耐圧MISFET形成領域には厚いゲート絶縁膜8を形成する。例えば、低耐圧MISFET形成領域に形成するゲート絶縁膜7の膜厚は約13nm程度であり、高耐圧MISFET形成領域に形成するゲート絶縁膜8の膜厚は約80nm程度である。このように領域によって異なる膜厚のゲート絶縁膜を形成するには、例えば、半導体基板1S上に厚いゲート絶縁膜8を形成した後、高耐圧MISFET形成領域をレジスト膜でマスクする。そして、このレジスト膜をマスクにしたエッチングにより、露出している低耐圧MISFET形成領域のゲート絶縁膜8の膜厚を減少させて薄いゲート絶縁膜7を形成することができる。また、最初に半導体基板1Sの全体に薄いゲート絶縁膜7を形成し、低耐圧MISFET形成領域にレジスト膜を形成する。そして、露出している高耐圧MISFET形成領域に厚いゲート絶縁膜8を形成することにより、低耐圧MISFET形成領域に薄いゲート絶縁膜7を形成し、高耐圧MISFET形成領域に厚いゲート絶縁膜8を形成することができる。高耐圧MISFET形成領域に形成されているゲート絶縁膜8の端部は電界緩和用絶縁領域3に乗り上げるように形成される。
【0069】
ゲート絶縁膜7、8は、例えば、酸化シリコン膜から形成され、例えば熱酸化法を使用して形成することができる。ただし、ゲート絶縁膜7、8は、酸化シリコン膜に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば、ゲート絶縁膜7、8を酸窒化シリコン膜(SiON)としてもよい。すなわち、ゲート絶縁膜7、8と半導体基板1Sとの界面に窒素を偏析させる構造としてもよい。酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて膜中における界面準位の発生を抑制したり、電子トラップを低減する効果が高い。したがって、ゲート絶縁膜7、8のホットキャリア耐性を向上でき、絶縁耐性を向上させることができる。また、酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて不純物が貫通しにくい。このため、ゲート絶縁膜7、8に酸窒化シリコン膜を用いることにより、ゲート電極中の不純物が半導体基板1S側に拡散することに起因するしきい値電圧の変動を抑制することができる。酸窒化シリコン膜を形成するのは、例えば、半導体基板1SをNO、NOまたはNHといった窒素を含む雰囲気中で熱処理すればよい。また、半導体基板1Sの表面に酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜7、8を形成した後、窒素を含む雰囲気中で半導体基板1Sを熱処理し、ゲート絶縁膜7、8と半導体基板1Sとの界面に窒素を偏析させることによっても同様の効果を得ることができる。
【0070】
また、ゲート絶縁膜7、8は、例えば酸化シリコン膜より誘電率の高い高誘電率膜から形成してもよい。従来、絶縁耐性が高い、シリコン−酸化シリコン界面の電気的・物性的安定性などが優れているとの観点から、ゲート絶縁膜7、8として酸化シリコン膜が使用されている。しかし、素子の微細化に伴い、ゲート絶縁膜7、8の膜厚について、極薄化が要求されるようになってきている。このように薄い酸化シリコン膜をゲート絶縁膜7、8として使用すると、MISFETのチャネルを流れる電子が酸化シリコン膜によって形成される障壁をトンネルしてゲート電極に流れる、いわゆるトンネル電流が発生してしまう。
【0071】
そこで、酸化シリコン膜より誘電率の高い材料を使用することにより、容量が同じでも物理的膜厚を増加させることができる高誘電体膜が使用されるようになってきている。高誘電体膜によれば、容量を同じにしても物理的膜厚を増加させることができるので、リーク電流を低減することができる。
【0072】
例えば、高誘電体膜として、ハフニウム酸化物の一つである酸化ハフニウム膜(HfO膜)が使用されるが、酸化ハフニウム膜に変えて、ハフニウムアルミネート膜、HfON膜(ハフニウムオキシナイトライド膜)、HfSiO膜(ハフニウムシリケート膜)、HfSiON膜(ハフニウムシリコンオキシナイトライド膜)、HfAlO膜のような他のハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。さらに、これらのハフニウム系絶縁膜に酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化イットリウムなどの酸化物を導入したハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。ハフニウム系絶縁膜は、酸化ハフニウム膜と同様、酸化シリコン膜や酸窒化シリコン膜より誘電率が高いので、酸化ハフニウム膜を用いた場合と同様の効果が得られる。
【0073】
続いて、図8に示すように、ゲート絶縁膜7、8上にポリシリコン膜を形成する。ポリシリコン膜9は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、ポリシリコン膜9中にリンや砒素などのn型不純物を導入する。
【0074】
次に、パターニングしたレジスト膜をマスクにしたエッチングによりポリシリコン膜9を加工して、低耐圧MISFET形成領域にゲート電極10aを形成し、高耐圧MISFET形成領域にゲート電極10bを形成する。ゲート電極10aのゲート長は、例えば、約160nmであり、ゲート電極10bのゲート長は、例えば、約2μm〜3μm程度である。高耐圧MISFET形成領域に形成されるゲート電極10bの端部は、ゲート絶縁膜8を介して電界緩和用絶縁領域3に乗り上げるように形成される。
【0075】
ここで、ゲート電極10a、10bには、ポリシリコン膜9中にn型不純物が導入されている。このため、ゲート電極10a、10bの仕事関数値をシリコンの伝導帯近傍(4.15eV)の値にすることができるので、nチャネル型MISFETである低耐圧MISFETおよび高耐圧MISFETのしきい値電圧を低減することができる。
【0076】
続いて、図9に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、低耐圧MISFETのゲート電極10aに整合した浅い低耐圧用低濃度不純物拡散領域11を形成する。浅い低耐圧用低濃度不純物拡散領域11は、n型半導体領域である。
【0077】
そして、図10に示すように、半導体基板1S上に酸化シリコン膜を形成する。酸化シリコン膜は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、酸化シリコン膜を異方性エッチングすることにより、サイドウォール12をゲート電極10a、10bの側壁に形成する。サイドウォール12は、酸化シリコン膜の単層膜から形成するようにしたが、これに限らず、例えば、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層膜からなるサイドウォール12を形成してもよい。
【0078】
次に、図11に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、低耐圧MISFET形成領域にサイドウォール12に整合した深い低耐圧用高濃度不純物拡散領域13を形成する。深い低耐圧用高濃度不純物拡散領域13は、n型半導体領域である。この深い低耐圧用高濃度不純物拡散領域13と浅い低耐圧用低濃度不純物拡散領域11によって低耐圧MISFETのソース領域あるいはドレイン領域が形成される。このようにソース領域とドレイン領域を浅い低耐圧用低濃度不純物拡散領域11と深い低耐圧用高濃度不純物拡散領域13で形成することにより、ソース領域およびドレイン領域をLDD(Lightly Doped Drain)構造とすることができる。
【0079】
低耐圧用高濃度不純物拡散領域13を形成するn型不純物のイオン注入を高耐圧MISFET形成領域にも同時に実施することにより、高耐圧用高濃度不純物拡散領域14も形成する。この高耐圧用高濃度不純物拡散領域14もn型半導体領域であり、電界緩和用絶縁領域3の外側であって高耐圧用低濃度不純物拡散領域6に内包されるように形成される。高耐圧MISFETにおいても、高耐圧用高濃度不純物拡散領域14と高耐圧用低濃度不純物拡散領域6によりソース領域あるいはドレイン領域が形成される。
【0080】
このようにして、低耐圧用高濃度不純物拡散領域13および高耐圧用高濃度不純物拡散領域14を形成した後、1000℃程度の熱処理を行なう。これにより、導入した不純物の活性化が行なわれる。
【0081】
その後、図12に示すように、半導体基板1S上にコバルト膜を形成する。このとき、ゲート電極10a、10bに直接接するようにコバルト膜が形成される。同様に、深い低耐圧用高濃度不純物拡散領域13および高耐圧用高濃度不純物拡散領域14にもコバルト膜が直接接する。
【0082】
コバルト膜は、例えば、スパッタリング法を使用して形成することができる。そして、コバルト膜を形成した後、熱処理を施すことにより、ゲート電極10a、10bを構成するポリシリコン膜9とコバルト膜を反応させて、コバルトシリサイド膜15を形成する。これにより、ゲート電極10a、10bはポリシリコン膜9とコバルトシリサイド膜15の積層構造となる。コバルトシリサイド膜15は、ゲート電極10a、10bの低抵抗化のために形成される。同様に、上述した熱処理により、低耐圧用高濃度不純物拡散領域13および高耐圧用高濃度不純物拡散領域14の表面においてもシリコンとコバルト膜が反応してコバルトシリサイド膜15が形成される。このため、低耐圧用高濃度不純物拡散領域13および高耐圧用高濃度不純物拡散領域14においても低抵抗化を図ることができる。
【0083】
そして、未反応のコバルト膜は、半導体基板1S上から除去される。なお、本実施の形態では、コバルトシリサイド膜15を形成するように構成しているが、例えば、コバルトシリサイド膜15に代えてニッケルシリサイド膜やチタンシリサイド膜を形成するようにしてもよい。このようにして、半導体基板1S上に低耐圧MISFETおよび高耐圧MISFETを形成することができる。
【0084】
次に、配線工程について説明する。まず、図13に示すように、半導体基板1Sの主面上に層間絶縁膜となる窒化シリコン膜16を形成し、この窒化シリコン膜16上に酸化シリコン膜17を形成する。これにより、1層目の層間絶縁膜は窒化シリコン膜16と酸化シリコン膜17の積層膜となる。窒化シリコン膜16は、例えば、CVD法を使用して形成することができ、酸化シリコン膜17は、例えばTEOS(tetra ethyl ortho silicate)を原料としたCVD法を使用して形成することができる。このとき、窒化シリコン膜16の膜厚は約50nmであり、酸化シリコン膜17の膜厚は約1100nmである。
【0085】
その後、図14に示すように、酸化シリコン膜17の表面を、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を使用して平坦化する。この工程で酸化シリコン膜17の膜厚は減少し、例えば、約550nm程度になる。このようにして、酸化シリコン膜17の膜厚は薄膜化される。
【0086】
続いて、図15に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、酸化シリコン膜17にコンタクトホールCNT1を形成する。コンタクトホールCNT1は、酸化シリコン膜17および窒化シリコン膜16よりなる1層目の層間絶縁膜を貫通して半導体基板1Sに達する。具体的にコンタクトホールCNT1は、高耐圧MISFET形成領域と低耐圧MISFET形成領域に形成される。高耐圧MISFET形成領域においては、ソース領域(コバルトシリサイド膜15)に達するコンタクトホール(第1コンタクトホール)CNT1が形成されるとともに、ドレイン領域(コバルトシリサイド膜15)に達するコンタクトホール(第2コンタクトホール)CNT1が形成される。なお、図15には図示されていないが、ゲート電極10bに達するコンタクトホールも形成される。同様に、低耐圧MISFET形成領域においても、ソース領域(コバルトシリサイド膜15)に達するコンタクトホールCNT1が形成されるとともに、ドレイン領域(コバルトシリサイド膜15)に達するコンタクトホールCNT1も形成される。なお、図示されていないが、ゲート電極10aに達するコンタクトホールも形成される。
【0087】
次に、図16に示すように、コンタクトホールCNT1の底面および内壁を含む酸化シリコン膜17上にチタン/窒化チタン膜18aを形成する。チタン/窒化チタン膜18aは、チタン膜と窒化チタン膜の積層膜から構成され、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。このチタン/窒化チタン膜18aは、例えば、後の工程で埋め込む膜の材料であるタングステンがシリコン中へ拡散するのを防止する、いわゆるバリア性を有する。その後、コンタクトホールCNT1を埋め込むように、半導体基板1Sの主面の全面にタングステン膜18bを形成する。このタングステン膜18bは、例えばCVD法を使用して形成することができる。
【0088】
続いて、図17に示すように、酸化シリコン膜17上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜18aおよびタングステン膜18bを例えばCMP法を除去することにより、コンタクトホールCNT1内にだけチタン/窒化チタン膜18aおよびタングステン膜18bを残すことにより、プラグPLG1を形成することができる。このときのCMP研磨により酸化シリコン膜17が削られる。具体的に、CMP研磨前は酸化シリコン膜17の膜厚が約550nmであるのに対し、CMP研磨後、酸化シリコン膜17の膜厚は約500nmとなる。
【0089】
高耐圧MISFET形成領域において、高耐圧MISFETのソース領域と電気的に接続するプラグ(第1プラグ)PLG1や高耐圧MISFETのドレイン領域と電気的に接続するプラグ(第2プラグ)PLG1が形成される。図示はされていないが、ゲート電極10bと電気的に接続するプラグ(第3プラグ)も形成される。同様に、低耐圧MISFET形成領域において、低耐圧MISFETのソース領域と電気的に接続するプラグPLG1や低耐圧MISFETのドレイン領域と電気的に接続するプラグPLG1が形成される。なお、図示はされていないが、ゲート電極10aと電気的に接続するプラグも形成される。
【0090】
次に、図18に示すように、酸化シリコン膜17およびプラグPLG1上にチタン/窒化チタン膜19a、銅を含有するアルミニウム膜19b、チタン/窒化チタン膜19cを順次、形成する。これらの膜は、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの膜のパターニングを行い、配線HL1および配線LL1を形成する。このようにして、1層目の層間絶縁膜上に配線HL1および配線LL1を形成することができる。
【0091】
1層目の層間絶縁膜上に配線HL1および配線LL1を形成しているので、この配線HL1および配線LL1と接続するプラグPLG1のアスペクト比を小さくすることができる。したがって、プラグPLG1の径を小さくしてチップ領域の小型化を推進しても、プラグPLG1の高抵抗化を抑制できる。さらに、本実施の形態では、高耐圧MISFETのソース領域にプラグPLG1を介して接続する配線(ソース配線)HL1および高耐圧MISFETのドレイン領域にプラグPLG1を介して接続する配線(ドレイン配線)HL1を以下のように配置している。つまり、1層目の層間絶縁膜上に配置される配線HL1とゲート電極10bが平面的に重なりを有さないように配置している。これにより、高耐圧MISFETのゲート電極10bの直上に配線HL1が形成されていないので、1層目の層間絶縁膜を薄膜化しても配線HL1とゲート電極10bとの距離を離すことができる。このため、高耐圧MISFETのゲート電極10bと、ソース配線あるいはドレイン配線となる配線HL1との耐圧を確保できる。すなわち、本実施の形態によれば、半導体装置の小型化によるプラグの高抵抗化を抑制し、かつ、高耐圧MISFETのゲート電極と配線間の耐圧不良を改善できる顕著な効果を得ることができる。
【0092】
なお、図示されていないが、ゲート電極10bと電気的に接続するゲート配線も1層目の層間絶縁膜上に形成されている。言い換えれば、ゲート配線もソース配線あるいはドレイン配線を構成する配線HL1と同層で形成されている。ゲート配線はゲート電極10bと電気的に接続されるので、ゲート配線とゲート電極10b間の耐圧は問題とならない。このため、ゲート配線は、ゲート電極10bと平面的な重なりを有するように配置されている。
【0093】
一方、低耐圧MISFET形成領域では、1層目の層間絶縁膜上に配線LL1が形成されている。低耐圧MISFETでは配線LL1とゲート電極10aの間の耐圧が問題とならないことから、配線LL1はゲート電極10aと平面的に重なりを有するように配線幅が広く形成されている。これにより、ゲート電極10a上のスペースを有効に活用して配線LL1の低抵抗化を図ることができる。
【0094】
次に、図19に示すように、配線HL1および配線LL1を形成した1層目の層間絶縁膜上に2層目の層間絶縁膜である酸化シリコン膜20を形成する。そして、上述した工程と同様にして酸化シリコン膜20にプラグPLG2を形成する。このプラグPLG2は配線HL1や配線LL1と接続されている。そして、プラグPLG2を形成した酸化シリコン膜20上に配線HL2および配線LL2を形成する。ここで、配線HL1と配線HL2とは複数列のプラグPLG2で接続されているので、配線抵抗およびプラグ抵抗を低減することができる。同様に、配線LL1と配線LL2とは複数列のプラグPLG2で接続されているので、配線抵抗およびプラグ抵抗を低減することができる。
【0095】
高耐圧MISFET形成領域において、2層目の層間絶縁膜である酸化シリコン膜20上に形成されている配線HL2はゲート電極10bと平面的な重なりを有するように配置してもよい。2層目の層間絶縁膜上に配置される配線HL2とゲート電極10bとは、1層目の層間絶縁膜上に配置される配線HL1とゲート電極10bとの距離に比べて充分に離れているので、配線HL2とゲート電極10b間の耐圧は問題とならないからである。このため、ゲート長として約2μm〜3μmもあるゲート電極10b上のスペースを有効活用して、配線HL2の配線幅を広げることにより配線HL2の低抵抗化を図ることができる。または、2層目の層間絶縁膜上では、ゲート電極10bと平面的に重なる領域に複数の配線を配置してもよい。
【0096】
さらに、配線HL2および配線LL2の上層に配線を形成することにより多層配線を形成する。そして、多層配線の最上層にバンプ電極を形成する。このバンプ電極を形成する工程について説明する。
【0097】
図20は多層配線上に形成された酸化シリコン膜21を示しており、酸化シリコン膜21上にパッドPADが形成されている。酸化シリコン膜21の下層の構造は省略しているが、酸化シリコン膜21の下層には図19に示すような低耐圧MISFET、高耐圧MISFETおよび多層配線が形成されている。
【0098】
図20に示すように、例えば酸化シリコン膜21を形成する。酸化シリコン膜21は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、酸化シリコン膜21上に、チタン/窒化チタン膜、アルミニウム膜およびチタン/窒化チタン膜を積層して形成する。その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、積層膜をパターニングする。このパターニングにより、酸化シリコン膜21上にパッドPADを形成することができる。
【0099】
続いて、図21に示すように、パッドPADを形成した酸化シリコン膜21上に表面保護膜22を形成する。表面保護膜22は、例えば、窒化シリコン膜より形成され、例えば、CVD法により形成することができる。次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、表面保護膜22に開口部を形成する。この開口部は、パッドPAD上に形成され、パッドPADの表面を露出している。
【0100】
次に、図22に示すように、開口部内を含む表面保護膜22上にUBM(Under Bump Metal)膜23を形成する。UBM膜23は、例えば、スパッタリング法を使用して形成でき、例えば、チタン膜、ニッケル膜、パラジウム膜、チタン・タングステン合金膜、窒化チタン膜あるいは金膜などの単層膜または積層膜により形成されている。ここで、UBM膜23は、バンプ電極とパッドPADや表面保護膜22との接着性を向上させる機能や電極として機能する他、この後の工程で形成される導体膜の金属元素が多層配線側に移動することや、反対に多層配線を構成する金属元素が導体膜側に移動するのを抑制または防止するバリア機能を有する。
【0101】
続いて、図23に示すように、UBM膜23上にレジスト膜RESを塗布した後、このレジスト膜RESに対して露光・現像処理を施すことによりパターニングする。パターニングは、バンプ電極形成領域にレジスト膜RESが残らないように行なわれる。そして、図24に示すように、導体膜24として例えば、めっき法を使用して金膜を形成する。その後、図25に示すように、パターニングしたレジスト膜RESおよびレジスト膜RESで覆われていたUBM膜23を除去することにより、導体膜24およびUBM膜23からなるバンプ電極BMPを形成する。
【0102】
次に、半導体ウェハの状態にある半導体基板をダイシングすることにより、個片化した半導体チップCHPを得ることができる。個片化して得られる半導体チップCHPは図1に示すようなものである。その後、半導体基板を個片化することにより得られた半導体チップCHPをガラス基板に実装する。
【0103】
次に、LCDドライバである半導体チップCHPを実装基板に接着して実装した様子を示す。図26は、半導体チップCHPをガラス基板30aに実装する場合(COG:Chip On Glass)を示したものである。図26に示すように、ガラス基板30aにはガラス基板30bが搭載されており、これによりLCDの表示部が形成される。そして、LCDの表示部の近傍のガラス基板30a上には、LCDドライバである半導体チップCHPが搭載されている。半導体チップCHPにはバンプ電極BMPが形成されており、バンプ電極BMPとガラス基板30a上に形成された端子とは異方導電フィルム(Anisotropic Conductive Film)32を介して接続されている。また、ガラス基板30aとフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit)31も異方導電フィルム32によって接続されている。このようにガラス基板30a上に搭載された半導体チップCHPにおいて、出力用のバンプ電極BMPはLCDの表示部に電気的に接続され、入力用のバンプ電極BMPはフレキシブルプリント基板31に接続されている。
【0104】
図27は、LCDの全体構成を示した図である。図27に示すように、ガラス基板上にLCDの表示部33が形成されており、この表示部33に画像が表示される。表示部33の近傍のガラス基板上にはLCDドライバである半導体チップCHPが搭載されている。半導体チップCHPの近傍にはフレキシブルプリント基板31が搭載されており、フレキシブルプリント基板31とLCDの表示部33の間にLCDドライバである半導体チップCHPが搭載されている。このようにして、半導体チップCHPをガラス基板上に搭載することができる。以上の工程を経ることによりLCDドライバをガラス基板に実装してLCDを製造することができる。
【0105】
(実施の形態2)
前記実施の形態1の特徴の1つは、図28に示すように、1層目の層間絶縁膜(酸化シリコン膜17)上にソース配線やドレイン配線となる配線HL1を形成し、かつ、配線HL1と高耐圧MISFETのゲート電極10bが平面的に重ならないように配線HL1を配置している点にある。図28では、高耐圧MISFETのゲート電極10bと配線HL1とが平面的に重ならない間の距離eが示されているが、本実施の形態2では、この距離eの具体的な数値例について説明する。
【0106】
図28は、高耐圧MISFETと低耐圧MISFETが示されている断面図であって、図2と同様の図である。ただし、図28では、高耐圧MISFETのゲート電極10bと配線HLとが平面的に重ならない間の距離eと、プラグPLG1の径zが示されている。
【0107】
図28に示すように、高耐圧MISFETのゲート電極10bと配線HLとは、平面的な距離eだけ離れているが、この距離eは、フォトリソグラフィ工程で形成されるパターンの寸法誤差やパターンの合わせずれを考慮して決定する必要がある。例えば、設計上ゲート電極10bと配線HLとの耐圧を確保するのに充分な距離eを設定したとしても、ゲート電極10bや配線HLの加工における寸法誤差、あるいは、ゲート電極10bとプラグPLG1との合わせずれやプラグPLG1と配線HL1との合わせずれなどによって、ゲート電極10bと配線HL1が平面的に重なるように加工される場合もあると考えられるからである。この場合、ゲート電極10bと配線HL1との間の耐圧を確保できなくなる。
【0108】
そこで、上述したフォトリソグラフィ工程におけるパターンの寸法誤差やパターンの合わせずれが生じても、ゲート電極10bと配線HL1との平面的に重ならない間の距離eを確保できるように、距離eを設定する必要がある。
【0109】
図29は、フォトリソグラフィ工程におけるパターンの寸法誤差およびパターン間の合わせずれを具体的に示す図である。例えば、図29において、ゲート電極10bをフォトリソグラフィ工程で形成する際、ゲート電極10bの寸法誤差(バラツキ)は最大40nmとなっていることがわかる。さらに、ゲート電極10bに対するプラグPLG1の合わせずれ(重ねずれ、バラツキ)は最大40nmとなっている。同様に、配線HL1の寸法誤差は最大40nmであり、プラグPLG1に対する配線HL1の重ねずれは最大70nmとなっている。したがって、これらの寸法誤差および重ねずれがすべて、ゲート電極10bと配線HL1との平面的に重ならない間の距離eを狭める方向に働く場合が最も距離eを狭める誤差となる。
【0110】
つまり、距離eが190nm(40nm+40nm+40nm+70nm)以下である場合には、フォトリソグラフィ工程におけるパターンの寸法誤差およびパターン間の重ねずれの大きさによっては、ゲート電極10bと配線HL1が平面的に重なる領域を有するように形成されることになる。この結果、ゲート電極10bと配線HL1との間の耐圧を確保できなくなる事態が生じるのである。言い換えれば、距離eが190nm以上離れている場合には、フォトリソグラフィ工程におけるパターンの寸法誤差およびパターンの重ねずれがどのように起こったとしても、ゲート電極10bと配線HL1が平面的に重なる領域を有することを防止できる。このことから、距離eを190nm以上とることにより、フォトリソグラフィ工程におけるパターンの寸法誤差およびパターン間の重ねずれが生じても、確実にゲート電極10bと配線HL1が平面的に重ならないようにすることができる。この結果、ゲート電極10bと配線HL1間の耐圧を確実に向上でき、半導体装置の信頼性向上を図ることができる。
【0111】
なお、上述した記載では、ゲート電極10bと配線HL1との平面的に重ならない距離eを、フォトリソグラフィ工程におけるパターンの寸法誤差およびパターン間の重ねずれを単純に加えた値(190nm)よりも大きくする例を示している。ただし、すべてのパターンの寸法誤差とパターン間の重ねずれが距離eを狭める方向に生じる確率は少ないと考えられるので、距離eを評価する方法として2乗和をとる別の方法も考えることができる。すなわち、フォトリソグラフィ工程におけるパターンの寸法誤差およびパターン間の重ねずれを2乗和で評価するのである。この場合、距離eは、√(40×40+40×40+40×40+70×70)=98nmとなり、距離eを98nm(約100nm)以上離すことで充分にゲート電極10bと配線HL1との平面的な重なりを防止することができる。
【0112】
(実施の形態3)
前記実施の形態1では、図28に示す1層目の層間絶縁膜(酸化シリコン膜17)に形成されている配線HL1と高耐圧MISFETのゲート電極10bが平面的に重ならないように配置することに特徴がある。つまり、前記実施の形態1では、1層目の層間絶縁膜を薄膜化することにより生じる問題に着目しているのであり、この1層目の層間絶縁膜を薄膜化することにより1層目の層間絶縁膜に形成される配線HL1とゲート電極10bとの耐圧が問題となる点に着目している。このとき、前記実施の形態1では、1層目の層間絶縁膜が薄膜化されていることを定量的に定義している。
【0113】
具体的には、図28に示すように、半導体基板1Sとゲート絶縁膜8の界面からゲート電極10bの上部までの距離をa、ゲート電極10bの上部から配線HL1が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離をbとすると、a>bとなる配線HL1を前記実施の形態1で対象とする配線と定義している。つまり、配線HL1とゲート電極10bとの間の耐圧不良が問題となる前提として、1層目の層間絶縁膜は薄膜化されている点と、高耐圧MISFETのゲート絶縁膜8が厚く、かつ、ゲート電極10bが電界緩和用絶縁領域3に乗り上げている点に着目する。これにより、ゲート電極10bとの間で耐圧不良が問題となるのは、a>bとなる位置に配置されている配線HL1であると明確に定義しているのである。
【0114】
本実施の形態3では、上述したa>bという条件を別の条件で言い換えることについて説明する。まず、上述したように、半導体基板1Sとゲート絶縁膜8の界面からゲート電極10bの上部までの距離をa、ゲート電極10bの上部から配線HL1が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離をbとすると、a>bとなる条件が本発明の前提条件である。ここで、別の条件として、プラグPLG1の径zと層間絶縁膜(酸化シリコン膜17+窒化シリコン膜16)の厚さf(図示せず)(f=a+b)との関係が挙げられる。すなわち、プラグPLG1は、層間絶縁膜を貫通して形成されるが、プラグPLG1の埋め込み特性を良好にする観点から、アスペクト比を所定値以下にする必要がある。ここで、アスペクト比とは、層間絶縁膜の厚さfとプラグPLG1の径zとによって、f/zと表される量である。このアスペクト比が大きくなるということは、例えば、厚い層間絶縁膜に径の小さいプラグPLG1を形成することに対応し、埋め込み特性が悪化する。つまり、プラグPLG1の埋め込み特性を良好にする観点からは、アスペクト比を所定値以下にする必要があるのである。具体的に、例えば、この条件はf/z<5という条件で表すことができる。つまり、アスペクト比f/zを5以下にするように層間絶縁膜の厚さfと、プラグPLG1の径zを決定すれば、プラグPLG1の埋め込み特性を悪化することを抑制できるとしている。
【0115】
ここで、層間絶縁膜の厚さf=a+bであり、この式からa=f−bとなる。これをa>bに代入すると、f>2bとなる。一方、アスペクト比の関係式f/z<5から、f<5zとなる。したがって、f<5zとf>2bの2つの関係式から、2b<5zが得られる。この2b<5zをbについて解くと、b<2.5zとなる。以上のことから、a>bという条件は、層間絶縁膜の厚さf=a+bとアスペクト比の関係式f/z<5を用いて、b<2.5zという条件に置き換えられることがわかる。言葉で言えば、ゲート電極10bの上部から配線HL1が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離をb、プラグPLG1の径をzとすると、b<2.5zとなる条件は、ゲート電極10bの上部から配線HL1が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離bがプラグPLG1の径zの2.5倍よりも小さいという条件に置き換えられることがわかる。つまり、本発明の特徴は、本実施の形態3では、ゲート電極10bの上部から配線HL1が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離bがプラグPLG1の径zの2.5倍よりも小さい場合に、ゲート電極10bと配線HL1とを平面的に重ならないように配置するということができる。
【0116】
なお、プラグPLG1の径をzとしているが、プラグPLG1の径がプラグPLG1の全体にわたって同一であるときは問題ないが、実際には、層間絶縁膜(酸化シリコン膜17)の表面での径が最も大きく、プラグPLG1の底部に進むにつれて径が小さくなるように形成される。この場合、プラグPLG1の径zはどの深さでの径であるかが問題となるが、本実施の形態3では、プラグPLG1の底部での径をzというものとする。
【0117】
(実施の形態4)
前記実施の形態1では、高耐圧MISFETに本発明を適用する場合について説明したが、本実施の形態4では、抵抗素子に本発明を適用する場合について説明する。すなわち、LCDドライバには、低耐圧MISFETや高耐圧MISFETの他に、回路を構成する複数の抵抗素子も形成されている。この抵抗素子のなかには、高耐圧MISFETと同様に高い電圧が印加されるものもある。したがって、高耐圧MISFETと同様に高い電圧を使用する抵抗素子では、耐圧が問題となるのである。
【0118】
図30は、本実施の形態4における抵抗素子を示す平面図である。図30において、半導体基板1S上には、ゲート絶縁膜8が形成されており、このゲート絶縁膜8上に抵抗素子となるポリシリコン膜(導体膜)40が形成されている。この抵抗素子となるポリシリコン膜40には、プラグ(第4プラグ)42によって配線43と接続されている。一方、抵抗素子と接続されない配線44も形成されている。
【0119】
本実施の形態4の特徴は、抵抗素子となるポリシリコン膜40上に形成されている配線43と配線44のうち、ポリシリコン膜40と異なる電位が印加される配線44を、ポリシリコン膜40と平面的に重ならないように配置することにある。つまり、ポリシリコン膜40とプラグ42を介して直接電気的に接続される配線43は導通していることから、ポリシリコン膜40との間で耐圧の問題は生じない。このことから、図30に示すように、ポリシリコン膜40と配線43とは平面的に重なりを有するように配置される。これに対し、ポリシリコン膜40とプラグ42を介して直接電気的に接続されておらず、かつ、ポリシリコン膜40とは異なる電位が印加される配線44は、ポリシリコン膜40との間で高い電位差が生じる場合があり、この場合はポリシリコン膜40と配線44の間で耐圧が問題となる。したがって、ポリシリコン膜40とプラグ42を介して直接電気的に接続されていない配線44には、抵抗素子となるポリシリコン膜40と平面的に重なりを有しないように配置される。このように構成することにより、抵抗素子となるポリシリコン膜40と配線44との間に高電圧が印加されても耐圧を確保することができる。
【0120】
図31は、図30のB−B線で切断した断面図である。図31では、高耐圧MISFET形成領域に隣接するように抵抗素子形成領域が形成されている。以下では、抵抗素子形成領域に形成されている抵抗素子の構成について説明する。図31において、半導体基板1S上には、素子分離領域2が形成されており、この素子分離領域2上に高耐圧MISFETに使用されているゲート絶縁膜8と同じ膜厚の膜(ゲート絶縁膜8と呼ぶ)が形成されている。そして、このゲート絶縁膜8上にポリシリコン膜40が形成されており、ポリシリコン膜40は、高耐圧MISFETのゲート電極10bを構成するポリシリコン膜と同一の膜を使用して形成されている。このポリシリコン膜40が抵抗素子として機能する。このポリシリコン膜40の側壁には、MISFETのサイドウォール12を形成する工程を経ることにより、サイドウォール12と同等のサイドウォール41が形成されている。さらに、ポリシリコン膜40の表面の一部には、コバルトシリサイド膜15が形成されている。
【0121】
そして、ポリシリコン膜40を覆うように層間絶縁膜が形成されている。この層間絶縁膜は、窒化シリコン膜16と酸化シリコン膜17から形成されている。層間絶縁膜には、層間絶縁膜を貫通してポリシリコン膜40の表面に形成されているコバルトシリサイド膜15に達するプラグ42が形成されており、このプラグ42と直接電気的に接続される配線43が層間絶縁膜上に形成されている。図31は、図30のB−B線で切断した断面図を示しているので、ポリシリコン膜42とプラグ42を介して直接電気的に接続される配線43が図示されている。なお、本実施の形態4の特徴である配線44とポリシリコン膜40は平面的に重なりを有さないことは図30に図示されている。
【0122】
ここで、抵抗素子は、高耐圧MISFETを形成する工程を使用して形成されている。すなわち、素子分離領域2上に形成されるゲート絶縁膜8も高耐圧MISFETのゲート絶縁膜8と同一の膜が使用され、かつ、ゲート絶縁膜8上に形成されるポリシリコン膜40も高耐圧MISFETのゲート電極10bを構成するポリシリコン膜と同一の膜が使用される。したがって、抵抗素子の高さは高耐圧MISFETの高さと同じ高さになる。
【0123】
一方、層間絶縁膜の厚さは、高耐圧MISFET形成領域と抵抗素子形成領域で同じであり、かつ、高耐圧MISFETでのプラグPLG1のアスペクト比をできるだけ小さくする観点から、層間絶縁膜の薄膜化が行なわれている。
【0124】
このことから、高耐圧MISFET形成領域では、半導体基板1Sとゲート絶縁膜8の界面からゲート電極10bの上部までの距離をa、ゲート電極10bの上部から配線HL1が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離をbとすると、a>bとなる条件となっている。
【0125】
そして、ポリシリコン膜40(抵抗素子)がゲート絶縁膜8上に形成され、かつ、ポリシリコン膜40(抵抗素子)が高耐圧MISFETのゲート電極10bを構成するポリシリコン膜と同一の膜で形成されている。このため、抵抗素子形成領域においても、半導体基板1Sとゲート絶縁膜8の界面からポリシリコン膜40の上部までの距離がaと同じになり、ポリシリコン膜40の上部から配線43や配線44(図30参照)が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離がbと同じになる。このため、抵抗素子形成領域においても、a>bとなる条件が成立していることになる。
【0126】
以上のことから、抵抗素子においても、ポリシリコン膜40と配線44(図31では図示されず)の間に介在する層間絶縁膜の膜厚が薄くなり、高耐圧MISFETと同様に、層間絶縁膜を介したポリシリコン膜40と配線44との間の耐圧が問題となる。そこで、図30に示すように、抵抗素子においても、抵抗素子となるポリシリコン膜40上に形成されている配線43と配線44のうち、ポリシリコン膜40と異なる電位が印加される配線44を、ポリシリコン膜40と平面的に重ならないように配置しているのである。このように構成することにより、層間絶縁膜が薄くなっても、ポリシリコン膜40と配線44との間の耐圧を確保できることになる。
【0127】
ここで、抵抗素子の高さを低くする方法として、抵抗素子を構成するポリシリコン膜40を厚いゲート絶縁膜8上ではなく、素子分離領域2上に直接形成する場合や、低耐圧MISFETの薄いゲート絶縁膜上に形成することが考えられる。この場合、抵抗素子を構成するポリシリコン膜40の高さが低くなる分、ポリシリコン膜40と配線44との間に介在する層間絶縁膜の厚さを厚くできるので、ポリシリコン膜40と配線44との耐圧を向上できると考えられる。
【0128】
しかし、本実施の形態4では以下に示す理由により、高耐圧MISFETのゲート絶縁膜8と同一の膜上に抵抗素子であるポリシリコン膜40を形成している。この理由について、図面を参照しながら説明する。図32および図33は、一般的な素子分離領域を形成する工程を示す断面図である。例えば、図32に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、半導体基板1Sに素子分離溝2aを形成する。そして、図33に示すように、この素子分離溝2aに酸化シリコン膜を埋め込むように形成した後、半導体基板1Sの表面に形成された酸化シリコン膜を化学的機械的研磨法(CMP;Chemical Mechanical Polishing)で除去する。これにより、素子分離溝2a内にだけ酸化シリコン膜を残すことができるので、素子分離溝2aに酸化シリコン膜を埋め込んだ素子分離領域2を形成することができる。図32および図33が正常な素子分離領域2の形成工程である。
【0129】
しかし、例えば、図34に示すように、半導体基板1Sに素子分離溝2aを形成する際、半導体基板1Sのエッチング領域に異物45aが付着していたとする。すると、その異物45aがマスクとなり、異物の下層に形成されているシリコンがエッチングされずに残存する。すなわち、図34に示すように、異物45aの下層にエッチング残り45が形成される。その後、図35に示すように、素子分離溝2aを酸化シリコン膜で埋め込んで素子分離領域2を形成した場合も、エッチング残り45が形成されたままとなる。
【0130】
したがって、エッチング残り45が形成された素子分離領域2上に抵抗素子となるポリシリコン膜40を形成すると、エッチング残り45がシリコンから形成されていることから、ポリシリコン膜40と半導体基板1Sがエッチング残り45を介してショートしてしまう不都合が発生する。この不都合は、素子分離領域2上に直接ポリシリコン膜40を形成した場合に顕著となるが、図36に示すように、薄いゲート絶縁膜7を介してポリシリコン膜40を形成した場合も、ポリシリコン膜40に高電圧が印加されることから、ショート不良が発生しやすくなる。
【0131】
このことから、図37に示すように、素子分離領域2上に厚いゲート絶縁膜8を形成した後、この厚いゲート絶縁膜8上にポリシリコン膜40を形成しているのである。抵抗素子であるポリシリコン膜40と素子分離領域2との間に厚いゲート絶縁膜8を形成することにより、たとえ、図37に示すように、素子分離領域2にエッチング残り45が発生しても、エッチング残り45を介してポリシリコン膜40と半導体基板1Sがショートすることを大幅に低減できるのである。
【0132】
以上の理由から、抵抗素子を構成するポリシリコン膜40を高耐圧MISFETのゲート絶縁膜8と同一の厚いゲート絶縁膜8上に形成しているのである。このため、ポリシリコン膜40(抵抗素子)がゲート絶縁膜8上に形成され、かつ、ポリシリコン膜40(抵抗素子)が高耐圧MISFETのゲート電極10bを構成するポリシリコン膜と同一の膜で形成されていることになる。したがって、抵抗素子形成領域においても、半導体基板1Sとゲート絶縁膜8の界面からポリシリコン膜40の上部までの距離がaと同じになり、ポリシリコン膜40の上部から配線43や配線44(図30参照)が形成されている層間絶縁膜の上部までの距離がbと同じになる。このため、抵抗素子形成領域においても、a>bとなる条件が成立していることになる。
【0133】
しかし、本実施の形態4では、抵抗素子となるポリシリコン膜40上に形成されている配線43と配線44のうち、ポリシリコン膜40と異なる電位が印加される配線44を、ポリシリコン膜40と平面的に重ならないように配置しているので、層間絶縁膜が薄くなっても、ポリシリコン膜40と配線44との間の耐圧を確保できるという顕著な効果を奏するのである。
【0134】
(実施の形態5)
前記実施の形態1では、低耐圧MISFETおよび高耐圧MISFETを形成した後、低耐圧MISFETと高耐圧MISFETを覆うように層間絶縁膜を形成し、その後、層間絶縁膜上に配線を形成する工程について説明している。本実施の形態5では、層間絶縁膜の形成工程をさらに詳しく説明する。
【0135】
図38は、半導体基板1S上に低耐圧MISFET、高耐圧MISFETおよび抵抗素子を形成した様子を示す断面図である。すなわち、図38では、低耐圧MISFETおよび高耐圧MISFETの他に抵抗素子も形成されている。この抵抗素子は、高耐圧MISFETを形成する工程を利用して形成される。そして、図38に示すように、低耐圧MISFET、高耐圧MISFETおよび抵抗素子を覆うように、窒化シリコン膜16を形成する。窒化シリコン膜16は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。
【0136】
続いて、図39に示すように、半導体基板1S上に形成された窒化シリコン膜16上に酸化シリコン膜50を形成する。この酸化シリコン膜50は、例えば、高密度プラズマ(high density plasma)を用いた高密度プラズマCVD法で形成することができる。高密度プラズマとは、高周波電界・磁界を用いてガスを高密度にプラズマ化したものをいい、高密度プラズマCVD法とは、チャンバ内に導入したガスを高密度プラズマ化し、高密度プラズマを化学反応させて半導体基板1S上に膜を堆積する方法である。高密度プラズマの発生方法としては、例えば、誘導結合プラズマ(ICP:induction coupled plasma)や電子サイクロトロン共鳴(ECR:electron cyclotron resonance)法などがある。
【0137】
誘導結合プラズマとは、化学気相成長法で使用される高密度プラズマの一種で、チャンバ内に導入されたガスを誘導結合した高周波コイルで励起して発生させたプラズマである。一方、電子サイクロトロン共鳴とは、以下に示す現象である。すなわち、電子は磁界中でローレンツ力を受けると、磁界と垂直な平面内を周回するサイクロトロン運動を行なう。このとき、電子の運動平面内で、周回周波数に一致した電界を与えると、サイクロトロン運動と電界とのエネルギー共鳴は起こり電界エネルギーが電子に吸収され、電子に大きなエネルギーが供給される。この現象を利用して各種ガスを高密度プラズマ化することができる。
【0138】
以上のような高密度プラズマCVD法で形成される酸化シリコン膜50は埋め込み特性が優れている利点がある。したがって、窒化シリコン膜16上には、高密度プラズマCVD法で形成された酸化シリコン膜50を形成することにより、SRAM(Static Random Access Memory)のメモリセルなど微細化が進んでゲート電極間の間隔が小さくなる素子においても、ゲート電極間への酸化シリコン膜の埋め込み特性を良好にすることができる。つまり、LCDドライバとなる半導体装置では、SRAMも搭載されている。このSRAMは、微細化が進んでいるため、ゲート電極間の距離は非常に狭くなっている。このため、通常密度のプラズマを用いたCVD法でこのゲート電極間に酸化シリコン膜を埋め込む場合、充分にゲート電極間のスペースを埋め込むことができず、ゲート電極間のスペースに「す」が発生する。ゲート電極間に「す」が発生すると、後述する工程でプラグを形成する際に用いられる導体膜が「す」の内部に侵入し、「す」の内部に侵入した導体膜を介して隣接するプラグがショートしてしまう不良が発生する。そこで、本実施の形態5では、埋め込み特性のよい高密度プラズマCVD法を使用して窒化シリコン膜16上に酸化シリコン膜50を形成している。このように高密度プラズマCVD法を用いた酸化シリコン膜50を堆積することにより、SRAMなどの微細化された素子において、ゲート電極間のスペースへの埋め込み特性を向上することができる。この結果、「す」の発生を抑制することができ、隣接するプラグのショート不良を防止できる。
【0139】
次に、図40に示すように、酸化シリコン膜50上に酸化シリコン膜51を形成する。酸化シリコン膜51は、例えば、原料にTEOS(tetra ethyl ortho silicate)を用いたプラズマCVD法で形成することができる。この原料にTEOSを用いたプラズマCVD法では、上述した高密度プラズマCVD法よりも低い通常密度のプラズマを使用する。
原料にTEOSを用いた通常のプラズマCVD法では、酸化シリコン膜51の膜厚制御性が良好である特徴を有しており、酸化シリコン膜51は、層間絶縁膜の膜厚をかせぐために形成されるものである。
【0140】
続いて、図41に示すように、酸化シリコン膜51の表面を平坦化する。酸化シリコン膜51の表面を平坦化するには、例えば、酸化シリコン膜51の表面を化学的機械的研磨法(CMP)で研磨することにより行われる。この工程では、CMPによる研磨量のばらつきなどにより、酸化シリコン膜51の膜厚が薄くなり、高耐圧MISFETの上部や抵抗素子の上部が露出してしまうおそれがある。
【0141】
そこで、次に、図42に示すように、平坦化された酸化シリコン膜51上に酸化シリコン膜(キャップ絶縁膜)52を形成する。この酸化シリコン膜52も酸化シリコン膜51と同様に、原料にTEOSを用いた通常のプラズマCVD法で形成することができる。
【0142】
続いて、図43に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、層間絶縁膜(酸化シリコン膜52、酸化シリコン膜51、酸化シリコン膜50および窒化シリコン膜16)にコンタクトホールを形成する。コンタクトホールは、層間絶縁膜を貫通して半導体基板1Sに達する。
【0143】
そして、コンタクトホールの底面および内壁を含む層間絶縁膜上にチタン/窒化チタン膜を形成する。チタン/窒化チタン膜は、チタン膜と窒化チタン膜の積層膜から構成され、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。その後、コンタクトホールを埋め込むように、半導体基板1Sの主面の全面にタングステン膜を形成する。このタングステン膜は、例えばCVD法を使用して形成することができる。
【0144】
次に、層間絶縁膜上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を例えばCMP法を除去することにより、コンタクトホール内にだけチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を残すことにより、プラグPLG1およびプラグ42を形成することができる。
【0145】
次に、図44に示すように、酸化シリコン膜52およびプラグPLG1上にチタン/窒化チタン膜、銅を含有するアルミニウム膜、チタン/窒化チタン膜を順次、形成する。これらの膜は、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの膜のパターニングを行い、配線HL1、配線LL1、配線43および配線53を形成する。このようにして、1層目の層間絶縁膜上に配線HL1、配線LL1、配線43および配線53を形成することができる。
【0146】
本実施の形態5でも前記実施の形態1と同様に、1層目の層間絶縁膜上に配置される配線HL1とゲート電極10bが平面的に重なりを有さないように配置している。これにより、高耐圧MISFETのゲート電極10bの直上に配線HL1が形成されていないので、1層目の層間絶縁膜を薄膜化しても配線HL1とゲート電極10bとの距離を離すことができる。このため、高耐圧MISFETのゲート電極10bと、ソース配線あるいはドレイン配線となる配線HL1との耐圧を確保できる。
【0147】
一方、抵抗素子形成領域においては、抵抗素子となるポリシリコン膜40にプラグ42を介して直接電気的に接続されている配線43はポリシリコン膜40と平面的に重なりを有するように形成される。ただし、抵抗素子となるポリシリコン膜40上に形成されている配線43と配線53のうち、ポリシリコン膜40とプラグ42で直接接続されず、かつ、ポリシリコン膜40と異なる電位が印加される配線53を、ポリシリコン膜40と平面的に重ならないように配置しているので、層間絶縁膜が薄くなっても、ポリシリコン膜40と配線53との間の耐圧を確保できる。
【0148】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0149】
前記実施の形態では、LCDドライバに形成されている低耐圧MISFETおよび高耐圧MISFETとしてnチャネル型MISFETを使用する例について説明しているが、低耐圧MISFETおよび高耐圧MISFETとしてpチャネル型MISFETを使用する場合も本実施の形態における技術的思想を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明の実施の形態における半導体チップ(LCDドライバ)を示す平面図である。
【図2】図1に示す半導体チップの内部構造の一例を示す断面図である。
【図3】図2に示す高耐圧MISFETの平面図である。
【図4】実施の形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図5】図4に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図15】図14に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図16】図15に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図17】図16に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図18】図17に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図19】図18に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図20】図19に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図21】図20に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図22】図21に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図23】図22に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図24】図23に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図25】図24に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図26】半導体チップをガラス基板に実装する様子を示す断面図である。
【図27】LCDの全体構成を示す図である。
【図28】実施の形態2および実施の形態3における半導体装置を示す断面図である。
【図29】フォトリソグラフィ工程におけるパターンの寸法誤差およびパターン間の合わせずれを具体的に示す図である。
【図30】実施の形態4における抵抗素子の構成を示す平面図である。
【図31】図30のB−B線で切断した断面を含む断面図である。
【図32】一般的な素子分離領域を形成する工程を示す断面図である。
【図33】図32に続く素子分離領域を形成する工程を示す断面図である。
【図34】素子分離溝を形成する際、異物によってエッチング残りが生じる状態を示す断面図である。
【図35】図34に続く素子分離領域を形成する工程を示す断面図である。
【図36】エッチング残りが形成された素子分離領域上に薄いゲート絶縁膜を介して抵抗素子を形成する例を示す断面図である。
【図37】エッチング残りが形成された素子分離領域上に厚いゲート絶縁膜を介して抵抗素子を形成する例を示す断面図である。
【図38】実施の形態5における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図39】図38に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図40】図39に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図41】図40に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図42】図41に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図43】図42に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図44】図43に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0152】
1S 半導体基板
2 素子分離領域
2a 素子分離溝
3 電界緩和用絶縁領域
4 p型ウェル
5 p型ウェル
6 高耐圧用低濃度不純物拡散領域
7 ゲート絶縁膜
8 ゲート絶縁膜
9 ポリシリコン膜
10a ゲート電極
10b ゲート電極
11 低耐圧用低濃度不純物拡散領域
12 サイドウォール
13 低耐圧用高濃度不純物拡散領域
14 高耐圧用高濃度不純物拡散領域
15 コバルトシリサイド膜
16 窒化シリコン膜
17 酸化シリコン膜
18a チタン/窒化チタン膜
18b タングステン膜
19a チタン/窒化チタン膜
19b アルミニウム膜
19c チタン/窒化チタン膜
20 酸化シリコン膜
21 酸化シリコン膜
22 表面保護膜
23 UBM膜
24 導体膜
30a ガラス基板
30b ガラス基板
31 フレキシブルプリント基板
32 異方導電フィルム
33 表示部
40 ポリシリコン膜
41 サイドウォール
42 プラグ
43 配線
44 配線
45 エッチング残り
45a 異物
50 酸化シリコン膜
51 酸化シリコン膜
52 酸化シリコン膜
53 配線
BMP バンプ電極
C1 ゲート駆動回路
C2 ソース駆動回路
C3 液晶駆動回路
C4 グラフィックRAM
C5 周辺回路
CHP 半導体チップ
CNT1 コンタクトホール
GL ゲート配線
HL1 配線
HL2 配線
LL1 配線
LL2 配線
PAD パッド
PLG1 プラグ
PLG2 プラグ
RES レジスト膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a1)半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
(a2)前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
(a3)前記ゲート電極に整合して形成されたソース領域およびドレイン領域とを有するMISFETと、
(b)前記MISFET上に形成された絶縁膜と、
(c)前記絶縁膜を貫通して前記ソース領域と電気的に接続する第1プラグと、
(d)前記絶縁膜を貫通して前記ドレイン領域と電気的に接続する第2プラグと、
(e)前記絶縁膜上に形成され、前記第1プラグと電気的に接続するソース配線と、
(f)前記絶縁膜上に形成され、前記第2プラグと電気的に接続するドレイン配線とを備え、
前記半導体基板と前記ゲート絶縁膜との界面から前記ゲート電極の上面までの距離をaとし、前記ゲート電極の上面から前記ソース配線および前記ドレイン配線が形成されている前記絶縁膜の上面までの距離をbとした場合、a>bである半導体装置であって、
前記ゲート電極と前記ソース配線が平面的に重ならないように配置され、かつ、前記ゲート電極と前記ドレイン配線が平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記ソース配線および前記ドレイン配線は最下層の配線層を構成していることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記ソース領域内および前記ドレイン領域内には電界緩和用絶縁領域が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置であって、
前記電界緩和用絶縁領域上に前記ゲート電極の端部が乗り上げていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項3記載の半導体装置であって、
前記電界緩和用絶縁領域は前記半導体基板から突き出ていることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項3記載の半導体装置であって、
前記電界緩和用絶縁領域は、前記半導体基板に形成された溝に絶縁材料を埋め込むことにより形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項3記載の半導体装置であって、
前記電界緩和用絶縁領域は、選択酸化法により形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記絶縁膜は、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層膜より構成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記ゲート電極と電気的に接続するゲート配線は、前記ソース配線および前記ドレイン配線と同層の配線で形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置であって、
前記ゲート配線は、前記ゲート電極と平面的に重なる領域を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記MISFETの駆動電圧が20V以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記半導体装置は、液晶ディスプレイ装置に使用するLCDドライバであることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
(a)半導体基板に素子分離領域および電界緩和用絶縁領域を形成する工程と、
(b)前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記電界緩和用絶縁領域をそれぞれ内包するように一対の低濃度不純物拡散領域を形成する工程と、
(d)前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
(e)前記ゲート電極の両側の側壁にサイドウォールを形成する工程と、
(f)前記一対の低濃度不純物拡散領域のそれぞれに内包され、かつ、前記電界緩和用絶縁領域の外側となる領域に一対の高濃度不純物拡散領域を形成し、前記一対の低濃度不純物拡散領域の1つと、それに含まれる前記一対の高濃度不純物拡散領域の1つからなるソース領域と、前記一対の低濃度不純物拡散領域の他の1つと、それに含まれる前記一対の高濃度不純物拡散領域の他の1つからなるドレイン領域を形成する工程と、
(g)前記ゲート電極を覆うように絶縁膜を形成する工程と、
(h)前記絶縁膜を貫通して前記ソース領域に達する第1プラグを形成し、前記絶縁膜を貫通して前記ドレイン領域に達する第2プラグを形成する工程と、
(i)前記絶縁膜上に前記第1プラグと接続するソース配線を形成し、前記絶縁膜上に前記第2プラグと接続するドレイン配線を形成する工程とを備え、
前記半導体基板と前記ゲート絶縁膜の界面から前記ゲート電極の上部までの距離をaとし、前記ゲート電極の上部から前記ソース配線および前記ドレイン配線が形成されている前記絶縁膜の上面までの距離をbとした場合、a>bとなる半導体装置の製造方法であって、
前記ゲート電極と前記ソース配線が平面的に重ならないように形成し、かつ、前記ゲート電極と前記ドレイン配線が平面的に重ならないように形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の半導体装置の製造方法であって、
前記ソース配線および前記ドレイン配線は、最下層の配線層を構成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項13記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(g)工程後、前記(h)工程前に、前記絶縁膜の表面を研磨することにより、前記絶縁膜の表面を平坦化する工程を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項13記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(h)工程は、
(h1)前記絶縁膜に前記ソース領域に達する第1コンタクトホールおよび前記ドレイン領域に達する第2コンタクトホールを形成する工程と、
(h2)前記第1コンタクトホールの内部および前記第2コンタクトホールの内部を含む前記絶縁膜上に導電膜を形成する工程と、
(h3)前記導電膜を研磨することにより前記絶縁膜上に形成されている前記導電膜を除去する一方、前記第1コンタクトホールの内部および前記第2コンタクトホールの内部に前記導電膜を残すことにより、前記第1プラグおよび前記第2プラグを形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項13記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(h)工程は、前記ゲート電極に達する第3プラグも形成し、
前記(i)工程は、前記ソース配線および前記ドレイン配線と同層で、前記第3プラグに接続するゲート配線を形成し、
前記ゲート電極と前記ゲート配線とは、平面的に重なる領域を有していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項13記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(g)工程は、前記ゲート電極を覆うように窒化シリコン膜を形成し、前記窒化シリコン膜上に酸化シリコン膜を形成することにより、前記絶縁膜を前記窒化シリコン膜と前記酸化シリコン膜の積層膜から形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項13記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(a)工程は、前記半導体基板に溝を形成し、前記溝に絶縁材料を埋め込むことにより、前記素子分離領域および前記電界緩和用絶縁領域を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項13記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(d)工程は、前記電界緩和用絶縁領域上に前記ゲート電極の端部が形成されるように前記ゲート電極を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項21】
(a1)半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
(a2)前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
(a3)前記ゲート電極に整合して形成されたソース領域およびドレイン領域とを有するMISFETと、
(b)前記MISFET上に形成された絶縁膜と、
(c)前記絶縁膜を貫通して前記ソース領域と電気的に接続する第1プラグと、
(d)前記絶縁膜を貫通して前記ドレイン領域と電気的に接続する第2プラグと、
(e)前記絶縁膜上に形成され、前記第1プラグと電気的に接続するソース配線と、
(f)前記絶縁膜上に形成され、前記第2プラグと電気的に接続するドレイン配線とを備え、
前記ソース領域内および前記ドレイン領域内には電界緩和用絶縁領域が形成されており、
前記電界緩和用絶縁領域上に前記ゲート電極の端部が乗り上げており、
前記ゲート電極と前記ソース配線が平面的に重ならないように配置され、かつ、前記ゲート電極と前記ドレイン配線が平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項22】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記ゲート電極と前記ソース配線との平面的に重ならない間の距離あるいは前記ゲート電極と前記ドレイン配線との平面的に重ならない間の距離は、100nm以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項23】
(a1)半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
(a2)前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
(a3)前記ゲート電極に整合して形成されたソース領域およびドレイン領域とを有するMISFETと、
(b)前記MISFET上に形成された絶縁膜と、
(c)前記絶縁膜を貫通して前記ソース領域と電気的に接続する第1プラグと、
(d)前記絶縁膜を貫通して前記ドレイン領域と電気的に接続する第2プラグと、
(e)前記絶縁膜上に形成され、前記第1プラグと電気的に接続するソース配線と、
(f)前記絶縁膜上に形成され、前記第2プラグと電気的に接続するドレイン配線とを備え、
前記第1プラグの径および前記第2プラグの径をzとし、前記ゲート電極の上面から前記ソース配線および前記ドレイン配線が形成されている前記絶縁膜の上面までの距離をbとした場合、b<2.5zである半導体装置であって、
前記ゲート電極と前記ソース配線が平面的に重ならないように配置され、かつ、前記ゲート電極と前記ドレイン配線が平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項24】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記半導体基板は、前記MISFETが形成されている領域とは異なる抵抗素子形成領域を含み、
前記抵抗素子形成領域には、
(g)前記半導体基板に形成された素子分離領域と、
(h)前記素子分離領域上に形成された前記ゲート絶縁膜と、
(i)前記ゲート絶縁膜上に形成された抵抗素子となる導体膜と、
(j)前記導体膜を覆うように形成された前記絶縁膜と、
(k)前記絶縁膜を貫通して前記導体膜と電気的に接続する第4プラグと、
(l)前記絶縁膜上に形成され、前記第4プラグと電気的に接続する第1配線と、
(m)前記絶縁膜上に形成され、前記導体膜とは異なる電位が印加される第2配線とが形成され、
さらに、前記第1配線と前記第2配線とは、同層に形成されており、
前記第1配線と前記導体膜とは平面的に重なる領域を有している一方、前記第2配線と前記導体膜とは平面的に重なる領域を有していないことを特徴とする半導体装置。
【請求項25】
請求項13記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(g)工程は、
(g1)前記ゲート電極を覆うように第1絶縁膜を形成する工程と、
(g2)前記第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、
(g3)前記第2絶縁膜の表面を平坦化する工程と、
(g4)前記第2絶縁膜上にキャップ絶縁膜を形成する工程とを有し、
前記(g1)工程で前記第1絶縁膜を形成する際に使用するプラズマは、前記(g2)工程で前記第2絶縁膜を形成する際に使用するプラズマよりも高密度のプラズマを用いて形成し、
前記絶縁膜は、前記第1絶縁膜、前記第2絶縁膜および前記キャップ絶縁膜を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2009−21546(P2009−21546A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−71291(P2008−71291)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】